説明

発光表示装置、発光表示システム及び発光表示情報送信装置

【課題】発光表示を行う際の、発光表示情報の登録を利用者の手を煩わせることなく容易に行う。
【解決手段】携帯電話2において、発光表示情報送信装置1からの発光表示情報を受信し(ステップS1)、これに制限情報等取扱い情報が含まれている場合には、その制限情報を考慮しつつ(ステップS2、S3)、この携帯電話2に搭載された発光表示装置の表示性能に基づきこの発光表示装置で的確に表示することの可能な最適化した表示用データを生成する(ステップS4)。表示期間等制限情報で指定される制限内容を満足する間、最適化した表示用データを用いて、利用者の旗振り動作に伴う携帯電話2の回動運動に応じて発光表示を行う(ステップS5〜S7)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の発光手段が配置された装置本体が旗振り動作されることに伴う、装置本体の回動運動に応じて前記発光手段を発光させ、その残像効果を利用して像表示を行うようにした発光表示装置、発光表示システム及び発光表示情報送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発光表示装置として、例えば棒状の筐体にダイオード等の発光手段を長手方向に複数個並べ、長手方向と交差する方向に旗振り動作が行われたとき、この旗振り動作による筐体の回動運動に応じて発光手段の発光を制御することで、残像効果を利用して、文字や図形等が表示されて見えるようにしたものが提案されている。そして、例えば、角速度検出器により、筐体の回動運動の方向やその速度を検出しこれに応じて発光タイミングを調整することで、旗振り動作の方向によって文字や図形等、表示すべき画像が左右反転表示されたり、旗振り動作の速度によって画像が縦長や横長に表示されたりすることを回避するようにしたもの(特許文献1参照)、また、このような発光表示装置を携帯電話に搭載し、携帯電話を左右に旗振り動作することによって、文字を空中に浮かび上がらせるようにしたもの等も提案されている。
【特許文献1】特開平13−242813号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、予め登録した画像を表示するようにしているため、登録された画像しか表示することができず、また、その登録作業は利用者が行う必要がある。これに対し、ペン形状の発光棒自体に、画像を読み取るスキャニング機能を搭載し、このスキャニング機能により読み取った画像を発光表示させるようにしたもの等も提案されている。
【0004】
しかしながら、この読み取った画像を発光表示させる方法においては、一走査により読み取った画像が表示されるため、スキャニング機能により読取可能な画像範囲や、発光表示機能による表示可能な画像範囲との関係等により、実際に表示できる画像や文字の大きさが制限されてしまい、画像や文字の一部しか表示することができず、所望の画像や文字を表示することができない可能性があるという問題がある。
【0005】
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、利用者が発光表示情報の入力等を行うことなく、また表示すべき画像を的確に発光表示することの可能な発光表示装置、発光表示システム及び発光表示情報送信装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために、本発明の発光表示装置は、複数の発光手段が配置された装置本体を備え、当該装置本体の旗振り運動に応じて前記発光手段を発光させ、残像効果を利用して発光表示を行う発光表示装置において、外部からの発光表示情報を受信する発光表示情報受信手段と、当該発光表示情報受信手段で受信した発光表示情報に基づいて前記発光手段を駆動制御する発光制御手段と、を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、発光表示情報受信手段で受信した発光表示情報に基づいて発光手段を駆動制御し、受信した発光表示情報に応じた発光表示を行うから、発光表示装置の利用者は、発光表示情報の登録等を行う必要はなく、発光表示を容易に行うことができる。
【0007】
また、上記した発光表示装置において、前記発光制御手段は、前記発光表示情報受信手段で受信した発光表示情報から当該発光表示装置の表示性能に則した表示用データを生成する表示用データ生成手段を備え、当該表示用データ生成手段で生成した表示用データに基づいて前記発光手段を駆動制御することを特徴としている。
上記構成によれば、発光表示情報受信手段で受信した発光表示情報から、この発光表示装置の表示性能に則した表示用データを生成し、発光制御手段では、この表示用データに基づいて発光手段を駆動制御するから、受信した発光表示情報が発光表示装置の表示性能にそぐわない場合であっても、前記発光表示情報で指定される表示内容を的確に発光表示させることができる。
【0008】
また、上記した発光表示装置において、前記発光表示情報は、前記発光表示を行うための表示情報と当該表示情報に基づく発光表示を制限する制限情報とから構成され、前記発光制御手段は、前記制限情報で指定される制限内容を満足するように前記表示情報に基づく発光表示を行うことを特徴としている。
上記構成によれば、発光表示を行うための表示情報と当該表示情報に基づく発光表示を制限するための制限情報とを発光表示情報として送信し、制限情報で指定される制限内容を満足するように発光表示を行うから、前記発光表示情報の送信側で、当該発光表示情報を受信した発光表示装置で発光表示する際に、何らかの制約を設けたい場合等にはこれを制限情報として設定することによって、発光表示装置での発光表示に対し、制限を行うことができる。
【0009】
また、上記した発光表示装置において、前記制限情報は、前記発光表示情報の表示期間を制限する情報であることを特徴としている。
上記構成によれば、制限情報は、発光表示情報の表示期間を制限する情報であるから、発光表示情報の送信側において、発光表示装置での、発光表示情報の表示期間を制限することができる。
【0010】
また、上記した発光表示装置は、携帯電話に搭載されることを特徴としている。
上記構成によれば、上述の発光表示装置を、携帯電話に搭載したから、小型の機器において、比較的大きな文字を空中に手軽に表示することができ、遠方からであっても第三者がこの発光表示内容を容易に確認することができる。
【0011】
また、本発明による発光表示システムは、発光表示情報を送信する発光表示情報送信装置と、複数の発光手段を備え、前記発光表示情報送信装置から前記発光表示情報を受信して当該発光表示情報に基づいて前記発光手段を発光させ、残像効果を利用して発光表示を行う発光表示装置と、を備えた発光表示システムであって、前記発光表示情報送信装置は、前記発光表示情報の送信先の発光表示装置を指定する送信先指定手段と、当該送信先指定手段で指定された発光表示装置に送信する発光表示情報を生成する発光表示情報生成手段と、当該発光表示情報生成手段で生成した発光表示情報を、前記送信先指定手段で指定した発光表示装置に送信する送信手段と、を備え、前記発光表示装置は、前記発光表示情報を受信する発光表示情報受信手段と、当該発光表示情報受信手段で受信した発光表示情報に基づいて前記発光手段を駆動制御する発光制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0012】
上記構成によれば、発光表示情報送信装置側では、送信先指定手段で指定された発光表示装置に対し、発光表示情報生成手段で生成した発光表示情報を送信手段により送信し、発光表示装置側では、発光表示情報送信装置から送信された発光表示情報を発光表示情報受信手段で受信し、この発光表示情報に基づいて発光制御手段で発光手段を駆動制御するから、発光表示情報送信装置から送信された発光表示情報をそのまま発光表示装置で発光表示することができると共に、発光表示装置の利用者は、発光表示情報の登録操作等を行うことなく発光表示を行うことができる。
【0013】
また、上記した発光表示システムにおいて、前記発光表示情報生成手段は、前記送信先指定手段で送信先として指定した発光表示装置であることを識別可能な識別情報を含む発光表示情報を生成することを特徴としている。
上記構成によれば、発光表示情報送信装置において、発光表示情報の送信先として指定した発光表示装置であることを識別可能な識別情報を含んだ発光表示情報を生成するから、この発光表示情報を受信した発光表示装置では、この識別情報が発光表示されることになる。したがって、第三者は、この識別情報を参照することによって、この発光表示装置が、発光表示情報送信装置において、発光表示情報の送信先として指定した発光表示装置であるかどうかを容易に認識することができ、例えば、目標とする発光表示装置に対して識別情報を含む発光表示情報を送信し、発光表示中の識別情報が目標とする発光表示装置に送信した識別情報と一致するかどうかを判断することによって、目標とする発光表示装置を容易に見つけることができる。
【0014】
また、上記した発光表示システムにおいて、前記送信先指定手段は、前記送信先の発光表示装置として複数の送信先を指定可能に構成され、前記送信手段は、前記発光表示情報生成手段で生成した同一の発光表示情報を、前記送信先指定手段で指定された複数の送信先に送信することを特徴としている。
上記構成によれば、送信手段は、送信先指定手段で指定された複数の送信先に対して、同一の発光表示情報を送信するから、複数の発光表示装置において同一の発光表示を容易に行うことができる。
【0015】
また、上記した発光表示システムにおいて、前記発光制御手段は、前記発光表示情報受信手段で受信した発光表示情報から当該発光表示装置の表示性能に則した表示用データを生成する表示用データ生成手段を備え、当該表示用データ生成手段で生成した表示用データに基づいて前記発光手段を駆動制御することを特徴としている。
上記構成によれば、発光表示情報受信手段で受信した発光表示情報から、この発光表示装置の表示性能に則した表示用データを生成し、発光制御手段では、この表示用データに基づいて発光手段を駆動制御するから、受信した発光表示情報が発光表示装置の表示性能にそぐわない場合であっても、前記発光表示情報で指定される表示内容を的確に発光表示させることができる。
【0016】
また、上記した発光表示システムにおいて、前記発光表示情報は、前記発光表示を行うための表示情報と当該表示情報に基づく発光表示を制限する制限情報とから構成され、前記発光制御手段は、前記制限情報で指定される制限内容を満足するように前記表示情報に基づく発光表示を行うことを特徴としている。
上記構成によれば、発光表示を行うための表示情報と当該表示情報に基づく発光表示を制限するための制限情報とを発光表示情報として送信し、制限情報で指定される制限内容を満足するように発光表示を行うから、前記発光表示情報の送信側で、当該発光表示情報を受信した発光表示装置で発光表示する際に、何らかの制約を設けたい場合等にはこれを制限情報として設定することによって、発光表示装置での発光表示に対し、制限を行うことができる。
【0017】
また、上記した発光表示システムにおいて、前記制限情報は、前記発光表示情報の表示期間を制限する情報であることを特徴としている。
上記構成によれば、制限情報は、発光表示情報の表示期間を制限する情報であるから、発光表示情報の送信側において、発光表示装置での、発光表示情報の表示期間を制限することができる。
【0018】
さらに、本発明による発光表示情報送信装置は、受信した発光表示情報に基づいて発光表示を行う発光表示装置に対し、前記発光表示情報を送信する発光表示情報送信装置であって、前記発光表示情報の送信先の発光表示装置を指定する送信先指定手段と、当該送信先指定手段で指定された発光表示装置に送信する発光表示情報を生成する発光表示情報生成手段と、当該発光表示情報生成手段で生成した発光表示情報を、前記送信先指定手段で指定した発光表示装置に送信する送信手段と、を備えることを特徴としている。
【0019】
上記構成によれば、送信先指定手段で送信先として指定した発光表示装置に対して発光表示情報を送信し、この発光表示装置を受信した発光表示ではこの受信した発光表示情報に基づいて発光表示を行うから、発光表示情報送信装置で生成した発光表示情報で指定する表示内容を、指定した発光表示装置において容易且つ的確に発光表示させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
まず、第1の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による発光表示装置を用いた発光表示システムの一例を示す概略構成図である。
図中1は、発光表示情報送信装置、2は、この発光表示情報送信装置1から送信される発光表示情報を受信しこれを発光表示する携帯電話であって、本発明による発光表示装置が搭載され電子メール通信が可能な携帯電話である。
【0021】
発光表示情報送信装置1は、例えばパーソナルコンピュータ等で構成され、発光表示情報の送信先の携帯電話2の電子メールアドレス等の各種情報を入力するための入力部11と、この入力部11で入力された各種情報に基づいて送信先の携帯電話2に送信する発光表示情報を生成する発光表示情報生成部12と、この発光表示情報生成部12で生成した発光表示情報に、この発光表示情報を取り扱う際に注意すべき情報等からなる取り扱い情報を必要に応じて付加する取扱い情報付加部13と、この取扱い情報付加部13で必要に応じて取扱い情報が付加された発光表示情報を、送信先として指定された携帯電話2の電子メールアドレス宛に送信する送信部14とを備えている。
【0022】
前記入力部11で入力する情報としては、前述の電子メールアドレスや、この送信先の携帯電話2を識別するための識別情報、予め表示可能なメッセージとして指定されている複数のメッセージのうち所望のメッセージを指定するための指定情報、また、発光表示情報の取り扱いに注意が必要な場合にはその取扱い情報、また、発光表示を終了させるための終了指令等がある。
【0023】
前記発光表示情報生成部12には、発光表示可能なメッセージとして複数のメッセージが設定され格納されている。発光表示情報生成部12は、メッセージの指定情報で特定されるメッセージと、送信先の携帯電話2を識別するための識別情報とを発光表示させるための発光表示情報を生成する。
前記取扱い情報付加部13は、メッセージの指定情報で特定されるメッセージに、商標やハウスマーク等、その発光表示を行う際にその取扱いに注意すべき情報が含まれている場合、或いは、入力部11から取扱い情報が設定されている場合には、要注意情報であることを表すタグと、その取扱い情報とを前記発光表示情報に付加する。
【0024】
前記取扱い情報としては、例えば、商標やハウスマーク等の場合には、商標権者(権利者)、その連絡先の情報等がある。また、発光表示情報の表示に際し、その表示に何らかの制限を設ける場合には、その制限情報等を取扱い情報として付加する。この制限情報としては、例えば、表示回数、表示時間、表示開始時刻及び表示終了時刻、解像度等がある。この発光表示情報を有料で提供する場合には、その課金方法や料金等の情報も取扱い情報として付加する。
【0025】
また、前記送信部14は、送信先として指定された携帯電話2に対し、前記取扱い情報付加部13において、必要に応じて取扱い情報が付加された発光表示情報を送信すると共に、前記入力部11から前記発光表示の終了指令を入力したときこれを前記携帯電話2に対して送信する。
【0026】
図2は、本発明による発光表示装置を適用した携帯電話2の外観図の一例である。
図2(a)に示すように、折り畳み式の携帯電話の表示面側を上面としたとき、携帯電話2の装置本体21の一方の側面に、その長手方向に沿って、発光ダイオードLEDが1列に複数配置され、図2(b)に示すように、これら発光ダイオードLEDは、装置本体21を広げたとき、略等間隔となるように配置されている。なお、ここでは、図2(a)や(b)に示すように、装置本体21の側面に配置しているが、図2(c)に示すように、二つ折りにした状態で、その折り畳んだ一方の表面に一列に配置してもよい。また、折り畳み式の携帯電話に限るものではなく、ストレートタイプの携帯電話であっても適用することができ、この場合、その側面や背面に配置すればよい。
【0027】
また、発光ダイオードLEDを2列或いはそれ以上の列数で配置してもよく、また、赤、緑、黒の発光ダイオードLEDを組として、赤の発光ダイオード列、緑の発光ダイオード列、黒の発光ダイオード列を長手方向に3列設けることにより、カラー発光表示を行うようにしてもよい。
この装置本体21は、図2(a)に示すように、公知の携帯電話と同様に、アンテナ22や表示画面23を備えると共に、図示しない、操作キー、受話部、送話部等を備えている。さらに、アンテナ22の先端に加速度センサ24が取り付けられていると共に、装置本体21の長手方向の軸上に角速度センサ25が配設され、アンテナ22側を装置本体21の上としたとき、前記角速度センサ25は、例えば、装置本体21の下端近傍に配設されている。
【0028】
前記加速度センサ24は、装置本体21の長手方向に対して垂直方向の加速度であり、且つ、利用者が、装置本体21を、その上面方向及び背面方向に旗振り動作させたときの、装置本体21の回動運動の接線方向の加速度を検出する。また、前記角速度センサ25は、3軸ジャイロセンサ等で構成され、発光ダイオードLEDが配置された面と垂直な方向を軸とする軸回りの角速度を検出する。
【0029】
なお、前記加速度センサ24は、耐ノイズの点等から、装置本体21の回動運動の接線方向の加速度が最も大きく現れる、装置本体21の回動運動の支点から最も離れた位置に設けることが好ましく、ここでは、アンテナ22の先端部に設けている。前記角速度センサ25の配置位置は、装置本体21の下端部近傍に限るものではなく、装置本体21の回動運動の回動中心の軸周り方向の角速度を検出することができればどの位置に配置されていてもよい。
【0030】
図3は、装置本体21内部に設けられた、携帯電話としての通話制御処理及び発光ダイオードLEDの発光制御を行うための制御装置30の機能構成を示すブロック図である。
この制御装置30は、図3に示すように、前記アンテナ22を介して、他の電話機やコンピュータ、また、発光表示情報送信装置1と通信を行うための通信部31と、通信部31を介して、携帯電話としての通話機能や電子メールによる通信機能を実現するため通話制御処理や、発光表示情報送信装置1から入力された発光表示情報を発光表示させるための制御を行うマイクロコンピュータ等の演算処理装置32と、この演算処理装置32からの発光制御信号に基づき所定のタイミングで発光ダイオードLEDを駆動する駆動回路33とを備える。
【0031】
前記演算処理装置32は、前述の公知の通話制御及び電子メールによる通信制御を行う通話制御部41と、通信部31を介して外部から受信した発光表示情報に基づいて、表示用データを生成する表示用データ生成部42と、加速度センサ24で検出された装置本体21の回動運動の接線方向の加速度及び角速度センサ25で検出された角速度に基づいて、前記表示用データ生成部42で生成した表示用データで指定される文字や図形等の画像を発光表示させるための発光制御信号を出力する表示制御部43と、を備える。
【0032】
前記表示用データ生成部42は、入力した発光表示情報に、商標など、その扱いに制限のある画像やその表示に制限のある要注意情報が含まれるかどうかをタグに基づき判断する情報種判定部42aと、この情報種判定部42aの判定の結果、要注意情報であり且つその取扱い情報に制限情報が含まれるときその表示制限を行う表示制限制御部42bと、この表示制限制御部42bからの制限情報、予め設定されてスペック情報記憶部42cに記憶されている、この装置本体21に搭載されている発光表示装置の表示性能、及び発光表示情報送信装置1から入力した発光表示情報に基づいて、この発光表示情報で指定される画像を、この発光表示装置の表示性能の範囲内で的確に表示するための表示用データを生成する表示情報最適化部42dと、を備える。
【0033】
また、前記表示制御部43は、加速度センサ24の検出信号を時間積分し速度を演算する速度演算処理部43aと、角速度センサ25の検出信号及び速度演算処理部43aで演算した速度値に基づいて、利用者の旗振り動作の開始に伴う装置本体21の回動運動の開始を検出すると共に、旗振り動作時の装置本体21の回動運動の半径r、つまり、装置本体21の回動運動の支点と加速度センサ24の配置位置との間の距離を検出する姿勢検出処理部43bと、前記表示用データ生成部42で生成された表示用データが格納されるメモリ43cと、姿勢検出処理部43bで検出した回動運動の半径rに基づいて、発光表示を行う際の表示サイズを決定し、メモリ43cに格納された表示用データを、前記決定した表示サイズに応じた表示用データに変換し、これに基づき各発光ダイオードLEDを駆動するための発光制御信号を出力する信号処理部43dと、を備える。
【0034】
前記速度演算処理部43aは、例えば、図4に示すように、加速度センサ24の検出信号をローパスフィルタ処理するローパスフィルタ(LPF)と、ローパスフィルタ(LPF)の出力をデジタル信号に変換するA/D変換器(A/D)と、A/D変換器(A/D)の出力を時間積分する積分処理部とを備え、この積分処理部の出力が速度値として姿勢検出処理部43bに出力される。
【0035】
また、前記駆動回路33は、各発光ダイオードLEDに対応した駆動回路を有し、信号処理部43dからの発光制御信号をD/A変換して各発光ダイオードLEDを発光させるための駆動信号を生成しこれを対応する発光ダイオードLEDに出力する。
なお、装置本体21の適所には、図示しない電源スイッチが設けられ、この電源スイッチをオン状態とすることで、図示しない電池から各部への電力供給が開始され、発光表示が可能となるように構成されている。
【0036】
図5は演算処理装置32で実行される表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
演算処理装置32では、予め設定した所定周期でこの表示制御処理を実行する。
まず、通信部31からアンテナ22を介して発光表示情報を受信したかどうかを判断する(ステップS1)。そして、発光表示情報を受信していないときにはそのまま処理を終了する。一方、発光表示情報を受信したときにはステップS2に移行し、この受信した発光表示情報に要注意情報を表すタグが付加されているかどうかを判断し、発光表示情報、商標やハウスマーク等を含むか、或いは表示制限等、取扱いに注意を要する情報であるかどうかを判断する。
【0037】
そして、タグを参照した結果、要注意情報であるときにはステップS3に移行し、タグから、表示回数、表示時間、表示開始時刻及び表示終了時刻、また、解像度等の制限情報を読み出し、表示回数や表示時間に制限がある場合には表示回数や表示時間をカウントするためのカウンタを作動させる等の処理を行う。そして、ステップS4に移行する。一方、発光表示情報が要注意情報でないときにはそのままステップS4に移行する。
【0038】
このステップS4では、入力した発光表示情報と、予め設定されたこの発光表示装置の性能情報と、前記発光表示情報が要注意情報である場合にはその制限情報とに基づいて、発光表示情報を最適化し、この携帯電話2に搭載された発光表示装置の性能に応じた表示用データを生成する。つまり、性能情報で特定される発光表示装置により表示可能な図形や文字の大きさや表示可能な回動運動方向への長さ、また、解像度等を考慮し、前記発光表示情報で指定される図形や文字を、拡大或いは縮小したり、また、図形や文字の解像度を調整したりすることで、その表示サイズは異なるものの、指定された図形相当の画像が表示されるように調整を行う。また、一度の旗振り動作により表示可能な文字数に応じて文字列を複数に分割し、指定された文字列を複数回に分けて表示するように調整を行う。
【0039】
このようにして、表示用データを生成したならば、ステップS4からステップS5に移行し、発光表示情報の表示条件を満足するかどうかを判断する。例えば、前記制限情報で表示可能時刻が設定されていればその開始時刻に達したかどうかを判断する。
そして、表示条件を満足する状態であるとき、或いは、表示条件が設定されていないときはステップS6に移行し、利用者の旗振り動作に伴う装置本体21の回動動作に応じて後述の発光表示処理を実行し、ステップS4で最適化した表示用データに応じた画像や文字を発光表示する。そして、ステップS7に移行し、表示停止条件を満足するかどうかを判断する。例えば、前記制限情報で表示終了時刻が設定されていればその終了時刻に達したかどうか、また、制限情報で、発光表示情報の表示回数や表示時間が制限されている場合には、前記ステップS3の処理で起動した、表示回数や表示時間を計測するためのカウンタのカウント値が、表示回数や表示時間がその制限値に達したかどうか、また、発光表示情報送信装置1からの発光表示情報の停止指令を入力したかどうか等を判断する。
【0040】
そして、表示停止条件を満足しないときにはステップS6に戻って発光表示処理を実行し、表示停止条件を満足しない間、利用者による装置本体21の旗振り動作に応じて、指定された発光表示情報の発光表示を行う。そして、発光停止条件を満足する状態となったとき、表示制御処理を終了し、以後、装置本体21が旗振り動作された場合であっても、発光表示は行わない。
【0041】
図6は、前記発光表示処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
この発光表示処理では、まず、角速度センサ25の検出信号を読み込み、角速度の絶対値|ω|が、予め設定したしきい値kよりも大きいかどうかを判断する(ステップS11)。ここで、角速度センサ25の出力信号はアナログ値で得られるため、図7に示すように、装置本体21が振られたかどうかを判断するための不感帯を設け、この不感帯相当のしきい値kを超えたとき、装置本体21が振られたと判断する。
【0042】
そして、装置本体21が振られていない場合にはそのまま処理を終了するが、装置本体21が振られている場合にはステップS12に移行し、速度演算処理部43aからの速度値、すなわち、角速度センサ25で検出される角速度の絶対値|ω|がしきい値kを超えた時点での回動運動の接線方向の速度を読み込む。
次いで、ステップS13に移行し、角速度センサ25で検出した角速度ω及びステップS12で算出した速度値から装置本体21の回動運動の半径rを算出する。
【0043】
ここで、図8に示すように、装置本体21の回動運動の支点をQ、角速度ωがしきい値kを超えたとき、つまり装置本体21が振られたときのその回動運動の接線方向の速度をvとしたとき、回動運動の支点Qと加速度センサ24の配置位置との間の距離、つまり、回動運動の半径rは、次式(1)で表すことができる。
r=v/ω ……(1)
このようにして回動運動の半径rを算出したならばステップS14に移行し、この回動運動の半径rに応じて、表示サイズを決定する。
【0044】
この表示サイズは、例えば、図9に示すように、回動運動の半径rがしきい値rthよりも大きい範囲で設定され、半径rが大きいときほど表示サイズが大きくなるように設定される。
そして、図5のステップS4の処理で生成された表示用データをもとに、回動運動の半径rに応じた表示サイズの、表示用データを生成する。
【0045】
つまり、図10に示すように、装置本体21の回動運動の半径rの大きさに応じて、装置本体21一振りで表示可能な領域の大きさが異なる。したがって、回動運動半径rによって表示可能な領域に応じた表示サイズの表示用データを、ステップS4の処理で生成された表示用データを拡大或いは縮小処理して生成することで、指定された表示用データに相当する画像や文字が、装置本体21の回動運動の半径rが小さいことに起因してその一部が表示されなかったり、逆に半径rが大きいことに起因して装置本体21の振り始めの段階で画像の表示が終了したりすることを回避する。
【0046】
この拡大処理や縮小処理は公知の手順で行えばよく、例えば、特開2004−333542号公報に記載されたように、基準となる表示サイズの発光表示用データに基づき、これを補間して拡大表示するための発光表示用データを生成したり、また、隣接する発光データの平均値を取ること等により縮小表示するための発光表示用データを生成したりすればよい。
【0047】
この表示用データは、例えば発光画像として数字の“1”を表示するものとし、発光ダイオードLEDの数を例えば8個とすると、図11に示すように、8行×12列の行列データで構成され、行列の各要素には、「0」又は「1」のデータが格納される。図1に示す各発光ダイオードLEDを、携帯装置1の上部の発光ダイオードから順にLED1、LED2、…、LED8としたとき、表示用データの一行目は発光ダイオードLED1の発光データを表す。また、二行目は発光ダイオードLED2の発光データを表し、以下同様に、各行が各発光ダイオードにそれぞれ対応し、最下行の8行目が発光ダイオードLED8に対応している。そして、この場合数字の“1”を発光表示することから、図11に示すように、各発光ダイオードを、各列データを切り換えて発光表示させた時、数字の“1”を発光表示し得るように発光データが設定されている。
【0048】
このようにして、回動運動の半径rに応じた表示サイズの表示用データを特定したならば、ステップS15に移行し、表示サイズに応じた表示用データに基づく発光表示処理を行う。例えば、一列分の列データ毎に、列データを所定のタイミングで駆動回路33に出力し、駆動回路33によって、列データで指定される発光ダイオードを駆動させて発光させ、例えば、発光データとして“1”が設定されていれば対応する発光ダイオードを発光させ、発光データとして“0”が設定されていれば対応する発光ダイオートを発光させない。したがって、図11の表示用データにおいて“1”が設定されている部分が発光することになって、結果的に数字の“1”が表示されることになる。
【0049】
なお、この発光表示処理は公知の手順で行えばよく、例えば、特開2004−333542号公報に記載されているように、振り始めからの経過時間を計測し、所定の経過時間毎に列データを順次読み出して表示するようにしてもよい。また、角速度センサ25で検出した角速度ωに基づき単位時間当たりの角速度を積算することで回転角度を算出し、この回転角度が予め設定した角度となる毎に列データを順次読み出して表示するようにしてもよい。このように回転角度に応じて列データを更新することで、旗振り動作時を行う際の振る速度に関わらず、適切に発光表示を行うことができる。
【0050】
また、角速度センサ25の検出信号の符号に基づいて装置本体21を右から左、左から右の何れの方向に振っているかを判断し、これに応じて、表示用データを列毎に読み出す際の列データの読み出し方向を変更することで、装置本体21の旗振り動作の方向が替わることによって左右反転して発光表示されることなく、常に適切な発光画像を表示するようにしてもよい。要は、表示用データ相当の発光画像を表示することができればどのような方法であっても適用することができる。
【0051】
次いで、ステップS16に移行し、角速度センサ25からの角速度の絶対値|ω|がしきい値k以下となったかどうかを判断し、しきい値k以下となったとき装置本体21は停止した、すなわち旗振り動作が終了したと判断し、処理を終了する。
なお、ここでは、上述のように、回動運動の半径rに応じて発光画像の表示サイズを調整する場合について説明したが、表示サイズを調整しない場合であっても適用することができ、要は、表示用データに応じた画像を発光表示させることができればどのような方法であっても適用することができる。
【0052】
次に、上記第1の実施の形態の動作を説明する。
発光表示情報送信装置1の入力部11において、発光表示情報の送信先の携帯電話2の電子メールアドレスを指定し、表示させたいメッセージを指定する指定情報、また、この携帯電話2を識別するための識別情報を入力すると、発光表示情報送信装置1では、発光表示情報生成部12においてメッセージの指定情報で指定されるメッセージ及び識別情報を表示するための発光表示情報を生成し、これに必要に応じて発光表示情報が取扱いに注意を要する要注意情報であること表すタグを付加して、指定された電子メールアドレス宛に送信部14から送信する。
【0053】
携帯電話2では、発光表示情報を受信し(ステップS1)、要注意情報であることを表すタグが付加されていなければステップS2からステップS4に移行し、受信した発光表示情報に基づき、指定された文字や画像のサイズ調整や文字列の分割等を行い、この携帯電話2の表示性能に応じた表示用データを生成する。
【0054】
そして、要注意情報であることを表すタグが付加されておらず、制限情報が付加されていないことからステップS5からそのままステップS6に移行し、利用者が携帯電話2の装置本体21を旗振り動作させると、ステップS4で生成した表示用データを用いて発光表示を行う。また、要注意情報であることを表すタグが付加されており取扱い情報として何らかの発光表示の制限情報が付加されていれば、これに基づき発光条件を満足する状態となったときにステップS5からステップS6に移行して発光表示を行い、停止条件を満足する状態となったとき、ステップS6からステップS7に移行して、発光表示を終了する。
これによって、利用者の旗振り動作に応じて、発光表示情報で指定された文字や画像の発光表示が行われることになる。
【0055】
ここで、携帯電話2では、発光表示情報送信装置1からの発光表示情報を受信し、これを発光表示している。したがって、利用者は、発光表示させるための情報を登録するための操作を行うことなく、メッセージを発光表示させることができる。また、利用者側は、発光表示情報の登録等の操作を何ら行う必要はなく、発光表示情報送信装置1から送信した発光表示情報で指定される表示内容がそのまま発光表示されるから、発光表示情報送信装置1側で指定した表示内容が途中で改竄されることなく、発光表示情報送信装置1で指定した表示内容を確実に携帯電話2において発光表示させることができる。
【0056】
このとき、発光表示情報を受信する携帯電話2の性能によって、一度の旗振り動作で表示可能な文字数や画像の大きさ等が異なるため、受信した発光表示情報をそのまま用いた場合、個々の携帯電話2において適切に表示することができない場合がある。しかしながら、発光表示情報を入力した携帯電話2側で、この発光表示情報を、個々の携帯電話2でその性能に応じて、的確に表示することの可能な表示用データに変換し、これを用いて発光表示を行っているから、指定された図形全体が表示されなかったり、或いは指定された全ての文字が表示されなかったりといった状況が発生することはなく、指定された文字や図形を的確に表示することができる。
【0057】
また、発光表示情報送信装置1では、メッセージと共に、個々の携帯電話2を識別するための識別情報を発光表示情報として送信しているため、携帯電話2ではメッセージと識別情報とが発光表示されることになる。このため、第三者は、携帯電話2で発光表示される識別情報を参照することにより、この携帯電話2が、発光表示情報送信装置1から発光表示情報を送信した、識別情報で特定される携帯電話2であることを認識することができる。
【0058】
また、携帯電話2では、取扱い情報として表示期間の制限情報が付加されている場合には、制限情報を満足する期間のみ受信した発光表示情報の表示を行うから、発光表示情報送信装置1から発光表示期間を制限する取扱い情報を付加して送信することによって、この発光表示情報を受信した携帯電話2での前記発光表示情報の表示を、発光表示情報送信装置1側において制限することができる。
【0059】
また、このとき、前述のように、装置本体21の回動運動の半径rを算出し、これに応じた表示サイズの表示用データを用いて発光表示を行っている。このため、半径rが比較的小さい場合には、例えば縮小処理した小さい表示サイズ用の表示用データを用いて発光表示処理が行われ、図12(a)に示すように、文字の表示サイズが比較的小さく、また、その表示間隔が比較的狭い発光画像となり得る表示用データに基づいて発光ダイオードLEDが駆動されることから、結果的にこの表示用データに基づく発光画像は前記図10の内側の発光画像のように比較的小さな表示サイズとなり、また、文字の表示間隔は比較的狭くなる。逆に、半径rが比較的大きい場合には、拡大処理した大きな表示サイズ用の表示用データを用いて発光表示処理が行われ、図12(b)に示すように、文字の表示サイズが比較的大きく、また、その表示間隔が比較的広い発光画像となり得る表示用データに基づいて発光ダイオードLEDが駆動されるから、結果的に、この表示用データに基づく発光画像は図10の外側の発光画像に示すように、比較的大きな表示サイズとなり、また、文字の表示間隔は比較的広くなる。
【0060】
したがって、装置本体21を大きく振るか小さく振るか、或いは、大人や子供が振るかによって、回動運動の半径rが異なるため表示可能領域の大きさが異なるが、回動運動の半径rから予測される表示可能領域の大きさに応じて、この表示可能領域において発光表示を行う際に適した発光表示用データを用いて発光表示を行っているから、装置本体21により表示可能な表示可能領域の大きさが異なる場合であっても、表示すべき画像が途中で切れたり、また、偏って表示されたりすることはなく、適切に発光表示を行うことができる。
【0061】
また、このように、回動運動の半径rに関わらず、適切に発光表示を行うことができるから、装置本体21を、手を伸ばして大きく振っている場合や、手を縮めた状態で小さく振っている場合、また、旗振り動作を行っているうちに装置本体21を振る位置が変動した場合等といった、装置本体21の振り方や、装置本体21の利用者が大人であるか子供であるか等、装置本体21の振り方によって発光表示可能領域が変化する場合であっても、発光表示可能領域の大きさに応じて、適切に発光表示を行うことができる。
【0062】
このように、受信した発光表示情報を、その携帯電話2の発光表示性能に応じた表示用データに変換し、さらに、利用者の、携帯電話2の旗振り動作の動作状況に応じた表示用データに変換し、これに基づいて発光表示を行っているから、利用者の旗振り動作の動作状況の影響を受けることなく的確に発光表示を行うことができる。
また、前述のように、回動運動の半径rの算出を、回動運動が開始される毎に行っているから、旗振り動作の一振り毎に算出することができる。したがって、例えば腕が疲れてきた場合等、旗振り動作の一振り毎に回動運動の半径rが変化するような振り方の場合であっても、旗振り動作の一振り毎に的確に発光表示を行うことができる。
【0063】
また、上述のように、角速度センサ25で検出される角速度に基づいて旗振り動作の開始を判断している。ここで、加速度センサを用いて旗振り動作の開始判断を行う場合、例えば、電車内にいる状態で、電車が発進した場合にも加速度センサでこれを検出するため、実際には旗振り動作が行われていない場合であっても旗振り動作が行われたと判断し誤動作する可能性がある。しかしながら、上述のように角速度センサ25を用いて旗振り動作の開始判断を行っているから、誤動作することを回避し、旗振り動作の開始を的確に判断することができる。
【0064】
また、上述のように、装置本体21の回動運動の接線方向の加速度を検出するための加速度センサ24を、回動運動の支点から最も遠い、アンテナ22の先端に設けているから、ノイズの影響のより少ない加速度検出値を得ることができこれを用いることでより高精度な回動運動の半径rを獲得することができる。
また、発光表示装置を携帯電話2に搭載しているから、このような小型の機器により、比較的大きな文字を空中に手軽に表示することができ、遠方からであっても第三者がこの発光表示内容を容易に確認することができ、効果的である。
【0065】
ここで、上記第1の実施の形態における発光表示システムを、日本自動車連盟(以下、JAF(登録商標、以下同様)ともいう。)に対するロードサービスの救援依頼を行う場合に適用すると、利用者は、まず携帯電話2の電話通信機能や電子メール通信機能、或いは公衆電話等により、日本自動車連盟(JAF)に対して救援要求を行う。また、その際、JAFからの発光表示情報を受信するための、発光表示装置が搭載されている携帯電話のメールアドレスを通知する。
【0066】
ロードサービス支援要求を受けたJAFでは、この利用者を識別するための依頼番号を識別情報とし、この依頼番号、「JAF救援要請」等といったJAFマークとその依頼内容等、JAFの救援者に対し、依頼者であることを容易に認識させることの可能な情報を、発光表示情報として生成し、これを、通知されたメールアドレス宛に送信する。
【0067】
利用者の携帯電話2では、この発光表示情報を入力すると、図5のステップS1からステップS2に移行し、要注意情報としてのタグが付加されていなければステップS4に移行し、表示情報の最適化処理を行い、例えば、JAFマークの大きさや、表示すべき文字数が多い場合等には、この携帯電話の表示性能に応じてJAFマークを縮小したり、また文字数を複数にわけて、複数回の旗振り動作で、通知された文字を全て表示するための表示用データを生成する。例えば、JAFマークと、救援依頼者の依頼番号とからなる表示用データと、JAFマークと「救援要請」等といった文字とからなる表示用データを生成し、一回目の旗振り動作ではJAFマークと救援者の依頼番号とを表示し、二回目の旗振り動作ではJAFマークと「救援要請」の文字とを表示するための携帯電話2の性能に応じて最適化した表示用データを生成する。
【0068】
そして、利用者がJAFから派遣される救援者を認識し、携帯電話2を開いた状態で発光ダイードLEDの配置面を救援者に向けて装置本体21を旗振り動作させると、その装置本体21の回動運動の半径rが算出され、利用者の腕の長さや振り方に応じた発光表示画像の表示サイズが決定される。そして、最適化した表示用データを縮小或いは拡大処理して、この特定した表示サイズに応じた表示用データに変換し、この変換した表示用データに基づいて、所定のタイミングで各列データを読み出し、列データ毎に発光表示させる。
【0069】
これによって、JAFマークと依頼番号、及びJAFマークと「救援依頼」の文字とが、交互に表示されることから、JAFから派遣された救援者は、発光表示を行っている人物を探してその発光表示内容を参照し、その依頼番号が、自己が担当する依頼番号と一致するかどうかを判断することにより、旗振り動作を行っている人物が、自己の救援対象の救援依頼者であるかどうかを容易に認識することができる。したがって、現場付近で、救援者が救援依頼者を認識するまでの所要時間を短縮することができ、速やかに救援作業を行うことができる。
【0070】
また、このとき、JAFマークと依頼番号と「救援依頼」の文字とが発光表示されることから、複数の人物が発光表示を行っている場合であってもその表示内容を参照することによって、自己の救援対象の救援依頼者であるかどうかを確実に検出することができる。
そして、救援者が、救援作業が終了した時点で、救援作業が終了したことをJAFに通知すると、これを受けて、JAFでは、救援依頼者のメールアドレス宛に、発光表示の停止指令を送信する。また、JAFでは、救援作業の終了通知を受けることで、救援作業が無事に終了したことを認識することができる。
【0071】
一方、発光表示停止通知を受信した携帯電話2では、図5のステップS7で停止条件を満足すると判定し表示制御処理を終了する。
したがって、これ以後、救援依頼者が、装置本体21を回動動作させたとしても、発光表示は行われない。
【0072】
このように、ロードサービスのサービス提供元であるJAFから、発光表示情報を送信してこれを救援依頼者側で表示させることによって、JAFでは、サービス提供をスムーズに行うことができる。また、発光表示情報は、JAF側から送信しており救援依頼者側では、携帯電話2の電子メールアドレスを通知するだけでよく、発光表示情報の入力操作を自ら行う必要はない。したがって、JAFでは、救援依頼者の携帯電話2において、JAFで所望とする表示内容を確実に発光表示させることができ、また、救援依頼者は、発光表示情報の入力操作等の手間がかかることなくスムーズなサービス提供を受けることができる。
【0073】
また、前記JAFからの発光表示情報の表示は、救援作業終了後、JAFから停止指令が携帯電話2に送信された時点で終了し、以後、携帯電話2を回動動作させたとしても表示されないから、不要な情報が発光表示され続けることを回避することができる。
一方、JAF側で、JAFマークの解像度や、その表示期間に制限を設ける場合には、発光表示情報に要注意情報であることを表すタグと、この発光表示情報の表示を制限するための制限情報、つまり、解像度や、この発光表示情報の表示回数、表示時間等の取扱い情報とを、発光表示情報に付加して送信する。
【0074】
これによって、この発光表示情報を受信した携帯電話2では、要注意情報のタグが付加されていることから、図5のステップS2からステップS3に移行し、取扱い情報から解像度や、表示回数等の制限情報を獲得し、例えば、表示時間に制限が設けられている場合には、この時点で、表示時間を計測するためのタイマを起動し、取扱い情報として指定された解像度に基づいて発光表示情報を最適化して表示用データを生成する(ステップS4)。
【0075】
そして、表示時間の制限時間を満足する間は、最適化した表示用データに基づいて発光表示を行い、表示時間が、救援者が現場に到達するのに十分な制限時間に達したとき、ステップS7で停止条件を満足すると判定し表示制御処理を終了する。
このため、これ以後、救援依頼者が、装置本体21を回動動作させたとしても、発光表示は行われない。
【0076】
したがって、JAFマーク等、JAF側で生成した発光表示情報が、救援作業終了後も、引き続き救援依頼者の携帯電話2で発光表示されることを回避することができ、JAF側で生成した発光表示情報がその送信先の携帯電話2において本来の目的以外の目的で使用されることを回避することができる。
【0077】
ここで、前記発光表示情報は、前記救援依頼を受けた時点から表示可能としてもよく、また、例えば、JAFから派遣した救援者が現場に到着したとみなすことの可能な時点で表示可能としてもよい。この場合には、制限情報として救援者が現場に到着したとみなすことの可能な時刻を表示開始時刻として設定し送信し、携帯電話2側で、表示開始時刻として指定された時刻になった時点で図5のステップS5からステップS6に移行し、発光表示を行うようにすればよい。また、救援者が現場付近に到着し、JAFの本部に対して発光表示情報の送信依頼を行った時点で、この発光表示情報を送信するようにしてもよい。この場合、救援依頼者は、発光表示が可能となった時点で、救援者が近くに到着したことを認識することができる。
【0078】
また、前記発光表示情報の送信は、JAFの救援サービスの一部として無料提供するようにしてもよく、また、速やかな救援を希望する救援依頼者や、現場への到達が困難な場所に救援に向かう場合等に、その加算料として有料で提供するようにしてもよい。このように有料で発光表示情報を提供する場合には、救援依頼が行われたときに、発光表示情報の必要の有無を救援依頼者に問い合わせ、救援依頼者から許諾を得たときにのみ発光表示情報を送信すればよい。また、その料金情報は、電子メールで通知し、その際の使用料金は、携帯電話の使用料金に加算すればよい。
【0079】
また、ここでは、JAFに対して、ロードサービス支援を行う場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、タクシーを呼ぶとき、或いは救急車や消防車、警察を呼ぶとき、山等で遭難した場合等、利用者が自己の居場所を相手に認識させる必要のある状況において用いることも可能であり、特に、相手が認識困難な場所に利用者が存在する場合等には効果的である。この場合には、例えば、「遭難者1236番」或いは「事故届け、名神123号)等といった、救援センターや消防署等で受け付けた番号、或いはタクシー会社での受け付け番号等を、通知すればよい。
【0080】
また、JAF側から、識別情報として、発光表示情報の送信先の携帯電話2を個別に特定するための依頼番号を付加するようにしているが、これに限るものではなく、JAFマークを識別情報として利用し、このJAFマークを発光表示させることによって、JAFへの救援依頼を行った人物であることを救援者が認識できるようにしてもよい。
また、例えば、利用者が所望とする発光表示情報を、利用者が指定した携帯電話2宛に送信するようにしたサービスシステムに適用することもできる。
【0081】
つまり、サービス提供側は、発光表示情報送信装置1の発光表示情報生成部12に、予め複数の発光表示情報を生成し格納しておく。前記発光表示情報としては、例えば、「○○ちゃん、こっちだよ。」、「歓迎△△様、□□ホテル」、或いは、キャラクターの図柄、メッセージ等、各種情報が設定されている。そして、このとき、この発光表示情報の、携帯電話2側での発光表示可能な期間として、例えば、その表示時間、表示回数等を設定しこれを取扱い情報として発光表示情報に付加する。
【0082】
そして、利用者は、まず、サービス提供側に対し、携帯電話或いは電子メール等により発光表示情報の送信要求と、所望の発光表示情報を指定する指定情報と、発光表示情報の送信先の電子メールアドレスとを通知する。
サービス提供側は、発光表示情報の送信要求が通知されると指定された発光表示情報を、指定された送信先の電子メールアドレス宛に送信する。また、その情報提供料は、例えば、送信要求を行った携帯電話に課金する。
【0083】
この発光表示情報を受信した携帯電話2では、受信した発光表示情報を参照し、この場合、タグ付けが行われ、制限情報が付加されていることから、上記と同様に、この制限情報を満足する範囲で、利用者の装置本体1の回動動作に応じて入手した発光表示情報を発光表示する。
これによって、利用者は、制限情報で規定される期間だけ、サービス提供側から獲得した所望のメッセージやキャラクター等を、携帯電話2で発光表示することができる。
【0084】
したがって、このサービスを利用することによって、利用者は、発光表示情報の入力操作を何ら行うことなく所望の画像やメッセージを発光表示させることができる。特に、複雑な画像や、商標やハウスマーク等の情報が含まれる場合等には、利用者自身が発光表示情報を生成することは困難ではあるが、上述のようにサービス提供側から発光表示情報を提供することによって、所望の情報を容易に発光表示させることができる。また、このとき、携帯電話2により発光表示させるようにしているから、その情報料は携帯電話の使用料金に課金することで容易に対応することができる。
【0085】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
図13は、第2の実施の形態における、発光表示システムの一例を示す概略構成図である。図1に示す第1の実施の形態における発光表示システムにおいて、発光表示情報送信装置1の構成が異なる以外は同様であるので同一部には同一符号を付与しその詳細な説明は省略する。
【0086】
この第2の実施の形態における発光表示情報送信装置1は、図13に示すように、発光表示情報の送信先の携帯電話2の電子メールアドレスを入力するための入力部11aと、この入力部11aで入力された電子メールアドレスを発光表示情報の送信先として管理し且つ複数の電子メールアドレスを管理可能な登録者管理部12aと、予め設定された発光表示情報が格納された発光表示情報格納部13aと、当該発光表示情報格納部13aに格納された発光表示情報を、前記登録者管理部12aに登録されている電子メールアドレス宛に、所定のタイミングで送信する送信部14aと、を備えている。
【0087】
前記発光表示情報格納部13aには、前記登録者管理部12aで管理している電子メールアドレスを有する携帯電話2で発光表示させるための発光表示情報が予め生成されて格納されている。前記発光表示情報には、商標やハウスマーク等、その画像表示を行う際に取り扱いに注意すべき情報が含まれている場合や、その発光表示期間を制限する制限情報がある場合には、上記第1の実施の形態と同様に要注意情報であることを表すタグが付加されると共に制限情報等からなる取扱い情報が付加されている。
【0088】
また、前記送信部14aは、予め設定されたタイミングで、発光表示情報格納部13aに格納された発光表示情報を前記登録者管理部12aに登録されている全ての電子メールアドレス宛に送信する。また、この発光表示情報を有料で提供する場合には、その課金方法や料金等の情報も付加する。
【0089】
次に、上記第2の実施の形態の動作を説明する。
発光表示情報送信装置1では、入力部11aから電子メールアドレスが入力されると、この電子メールアドレスを、発光表示情報の送信先として、登録者管理部12aで管理する。複数の電子メールアドレスが登録されたならば、これらそれぞれを、発光表示情報の送信先として管理する。
そして、予め設定されたタイミングで、発光表示情報格納部13に格納されている発光表示情報を、登録者管理部12aで発光表示情報の送信先の電子メールアドレスとして管理している携帯電話2宛に送信する。
【0090】
この発光表示情報を受信した携帯電話2では、上記第1の実施の形態と同様の手順で、発光表示情報を最適化し、各携帯電話2の表示性能に適した表示用データを生成する。また、要注意情報が付加されている場合にはその取り扱い情報を考慮して表示用データを生成すると共に、その制限情報に応じて表示制限を行い、表示時間の制限情報で指定される条件を満足する間のみ、利用者の、装置本体21の旗振り動作に応じて発光表示を行う。
【0091】
ここで、発光表示情報送信装置1では、送信先として登録されている携帯電話2に対して発光表示情報を送信するから、送信先として、複数の携帯電話2の電子メールアドレスが登録されている場合には複数の携帯電話2に対して同一の発光表示情報が送信されることになり、すなわち、複数の携帯電話2において、取扱い情報で指定される同一の条件下で、同一の発光表示内容を表示させることができる。
【0092】
したがって、発光表示情報送信装置1での、発光表示情報を送信するタイミング以後の時点で、送信先として登録されている複数の携帯電話2の利用者が、装置本体21を旗振り動作させることによって、複数の携帯電話2において、同一の内容を発光表示させることができる。
【0093】
前記取扱い情報として、表示期間の制限情報を付加し、例えば表示開始時刻及び表示終了時刻を設定すれば、表示開始時刻から表示終了時刻までの間にのみ、複数の携帯電話2において、発光表示情報送信装置1から送信した発光表示情報を発光表示させることができる。また、表示可能時間や表示可能回数を指定すれば、発光表示情報を入力した時点から前記表示可能時間が経過するまでの間、或いは発光表示による表示回数が指定された表示可能回数に達するまでの間にのみ、発光表示情報を発光表示させることができ、すなわち、発光表示情報送信装置1側で、自己が送信した発光表示情報の、携帯電話2側での発光表示可能な期間を制限することができる。
【0094】
また、発光表示情報送信装置1では、同一の発光表示情報を複数の携帯電話2に送信し、各携帯電話2ではこの入力した発光表示情報を発光表示するから、各携帯電話2の利用者は発光表示装置の入力操作を行う必要はない。したがって、利用者が、自ら発光表示情報の入力操作を行うことなく、複数の携帯電話2において同一の画像や文字を、容易に発光表示させることができ、特に複数の携帯電話2において、同一内容の発光表示を行う場合に効果的である。
【0095】
ここで、上記第2の実施の形態における発光表示システムを、コンサート会場において、発光表示装置を用いて観客がメッセージを発光表示する場合に適用する。この場合、コンサートの主催者側が、発光表示情報送信装置1から観客の携帯電話2に対し発光表示情報を送信する。
このとき、観客は、発光表示情報の送信先として、コンサート当日持参する携帯電話2の電子メールアドレスを、主催者側に予め通知しておく。例えば、コンサートチケット購入時に通知したり或いは指定された連絡先に通知したりすること等によって行う。
【0096】
コンサート主催者側では、通知された電子メールアドレスを、発光表示情報送信装置1の入力部11aを介して登録者管理部12aで管理する。なお、利用者が、指定した電子メールアドレスにアクセスすることにより、利用者の電子メールアドレスを自動的に登録者管理部12aに登録するようにしてもよい。
そして、コンサート主催者側では、コンサート開始から所定時間前のタイミング等で、登録者管理部12aで管理する電子メールアドレス宛に、予め設定した発光表示情報を送信する。前記発光表示情報としては例えば、コンサート出演者へのメッセージやロゴ等、また、要注意情報のタグを付加し、表示期間の制限情報としてコンサート終了予定時刻から規定時間後の時刻を付加して送信する。
【0097】
この発光表示情報を入力した携帯電話2では、各携帯電話2の表示性能に適した表示用データを生成しこの表示用データを用いて観客の旗振り動作に応じて発光表示を行う。したがって、コンサート開始前の時点からコンサート中にわたって発光表示が可能となり、観客が一斉に旗振り動作を行うことにより、各携帯電話2において発光表示情報として通知された同一のメッセージやロゴ等が発光表示されることになる。
【0098】
そして、表示期間の制限情報が付加されていることから、コンサート終了後規定時間が経過した時点で、携帯電話2では、発光表示を終了する。したがって、コンサート終了後に、コンサート時に用いたメッセージやロゴ等が発光表示されることはない。よって、コンサート会場限定のメッセージやロゴ等を発光表示情報として送信することにより、観客に対し、効果的にファンサービスを行うことができる。
【0099】
また、このとき、会場内の観客の携帯電話2に対して同一の発光表示情報を送信することができるから、例えば、コンサート中に、演奏される曲に合った発光表示情報を送信したり、或いは全員参加型のゲームで用いる情報を発光表示情報として送信したりすることによって、より観客を楽しませることができ、一体感を盛り上げることができる。
【0100】
なお、ここでは、コンサート会場で発光表示情報を送信する場合について説明したが、例えば、チケット購入時に、発光表示情報の送信元の発光表示情報送信装置1のアドレス情報等を利用者に通知し、利用者が発光表示情報送信装置1にアクセスしたときに、その応答として発光表示情報を送信するようにしてもよい。この場合には、発光表示情報の取扱い情報として、発光表示情報の表示期間を制限する制限情報を設定し、例えば、コンサート開始予定時刻からコンサート終了予定時刻を含むその前後の時間を、表示期間として設定し、携帯電話2による発光表示を、コンサート開始前からコンサート終了後の期間に制限すればよい。
【0101】
また、ここでは、コンサート終了後、規定時間が経過した時点でこの発光表示情報を用いた発光表示を付加とする場合について説明したが、例えば、コンサート会場限定の発光表示情報の場合等、この発光表示情報をコンサート終了後も利用したい観客に対しては、例えば、前記発光表示情報の表示の停止条件を解除するための解除指令を有料で送信し、これによって、利用者がコンサート終了後もその発光表示情報を用いて発光表示を行うことができるようにすることも可能である。
【0102】
なお、上記各実施の形態においては、発光表示装置を携帯電話2に搭載し、この携帯電話2を旗振り動作させることにより発光表示を行う場合について説明したが、これに限らず、他の機器に搭載することも可能である。また、発光表示装置として単独で構成することも可能であり、この場合には、バーサライタ等の公知の発光表示装置に、アンテナや通信手段を搭載し、発光表示情報送信装置1からの発光表示情報を受信し、これに基づき上記と同様の手順で表示用データを生成して発光表示を行えばよい。
【0103】
また、上記各実施の形態においては、電波通信により発光表示情報の授受を行う場合について説明したがこれに限らず、赤外線通信や、有線による通信により、発光表示情報の授受を行うことも可能である。
また、上記各実施の形態においては、携帯電話2の装置本体21の回動運動に同期して発光表示を行う場合について説明したが、さらに、音声やアラーム等といった他の情報発信源を搭載し、例えば、発光表示されるメッセージの音声を合成し、装置本体21の回動運動に同期して、発光表示と共に、メッセージを音声で発するようにしてもよい。
【0104】
また、上記各実施の形態においては、利用者の旗振り動作時の、携帯電話2の回動運動の回動中心までの距離に応じて表示用データを補正し、実際に発光表示可能な表示領域の大きさに応じた表示用データを用いて発光表示を行う場合について説明したが、例えば、コンサート会場で利用する場合等、その発光表示内容を第三者が必ずしも的確に認識する必要のない場合等には、受信した発光表示情報から生成した、発光表示装置の表示性能に適した表示用データをそのまま用いて発光表示を行うようにしてもよい。
【0105】
ここで、上記実施の形態において、発光ダイオードLEDが発光手段に対応し、アンテナ22及び通信部31が発光表示情報受信手段に対応し、演算処理装置32及び駆動回路33が発光制御手段に対応し、表示用データ生成部42が表示用データ生成手段に対応している。
また、発光表示情報送信装置1において、入力部1、1aにおいて発光表示情報の送信先として電子メールアドレスを指定する処理が送信先指定手段に対応し、発光表示情報生成部12、発光表示情報格納部12aにおいて指定された発光表示情報を選択する処理が発光表示情報生成手段に対応し、送信部14、14aが送信手段に対応している。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の発光表示装置を用いた発光表示システムの一例を示す概略構成図である。
【図2】図1の携帯電話の概略構成を示す外観図である。
【図3】図1の携帯電話の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図3の速度演算処理部の一例である。
【図5】図2の演算処理装置で実行される表示制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】図5の発光表示処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】角速度のしきい値を説明するための説明図である。
【図8】回動運動の半径rの算出方法を説明するための説明図である。
【図9】回動運動の半径rと表示サイズとの対応を表す特性図である。
【図10】本発明の動作説明に供する説明図である。
【図11】表示用データの一例である。
【図12】本発明の動作説明に供する説明図である。
【図13】第2の実施の形態における発光表示システムの一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0107】
1 発光表示情報送信装置、2 携帯電話、22 アンテナ、24 加速度センサ、25 角速度センサ、30 制御装置、31 通信部、33 駆動回路、42 表示用データ生成部、43 表示制御部、LED 発光ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光手段が配置された装置本体を備え、当該装置本体の旗振り運動に応じて前記発光手段を発光させ、残像効果を利用して発光表示を行う発光表示装置において、
外部からの発光表示情報を受信する発光表示情報受信手段と、
当該発光表示情報受信手段で受信した発光表示情報に基づいて前記発光手段を駆動制御する発光制御手段と、を備えることを特徴とする発光表示装置。
【請求項2】
前記発光制御手段は、前記発光表示情報受信手段で受信した発光表示情報から当該発光表示装置の表示性能に則した表示用データを生成する表示用データ生成手段を備え、
当該表示用データ生成手段で生成した表示用データに基づいて前記発光手段を駆動制御することを特徴とする請求項1記載の発光表示装置。
【請求項3】
前記発光表示情報は、前記発光表示を行うための表示情報と当該表示情報に基づく発光表示を制限する制限情報とから構成され、
前記発光制御手段は、前記制限情報で指定される制限内容を満足するように前記表示情報に基づく発光表示を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の発光表示装置。
【請求項4】
前記制限情報は、前記発光表示情報の表示期間を制限する情報であることを特徴とする請求項3記載の発光表示装置。
【請求項5】
携帯電話に搭載されることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の発光表示装置。
【請求項6】
発光表示情報を送信する発光表示情報送信装置と、
複数の発光手段を備え、前記発光表示情報送信装置から前記発光表示情報を受信して当該発光表示情報に基づいて前記発光手段を発光させ、残像効果を利用して発光表示を行う発光表示装置と、を備えた発光表示システムであって、
前記発光表示情報送信装置は、前記発光表示情報の送信先の発光表示装置を指定する送信先指定手段と、
当該送信先指定手段で指定された発光表示装置に送信する発光表示情報を生成する発光表示情報生成手段と、
当該発光表示情報生成手段で生成した発光表示情報を、前記送信先指定手段で指定した発光表示装置に送信する送信手段と、を備え、
前記発光表示装置は、前記発光表示情報を受信する発光表示情報受信手段と、
当該発光表示情報受信手段で受信した発光表示情報に基づいて前記発光手段を駆動制御する発光制御手段と、を備えることを特徴とする発光表示システム。
【請求項7】
前記発光表示情報生成手段は、前記送信先指定手段で送信先として指定した発光表示装置であることを識別可能な識別情報を含む発光表示情報を生成することを特徴とする請求項6記載の発光表示システム。
【請求項8】
前記送信先指定手段は、前記送信先の発光表示装置として複数の送信先を指定可能に構成され、
前記送信手段は、前記発光表示情報生成手段で生成した同一の発光表示情報を、前記送信先指定手段で指定された複数の送信先に送信することを特徴とする請求項6記載の発光表示システム。
【請求項9】
前記発光制御手段は、前記発光表示情報受信手段で受信した発光表示情報から当該発光表示装置の表示性能に則した表示用データを生成する表示用データ生成手段を備え、
当該表示用データ生成手段で生成した表示用データに基づいて前記発光手段を駆動制御することを特徴とする請求項6から請求項8の何れか1記載の発光表示システム。
【請求項10】
前記発光表示情報は、前記発光表示を行うための表示情報と当該表示情報に基づく発光表示を制限する制限情報とから構成され、
前記発光制御手段は、前記制限情報で指定される制限内容を満足するように前記表示情報に基づく発光表示を行うことを特徴とする請求項6から請求項9の何れか1項に記載の発光表示システム。
【請求項11】
前記制限情報は、前記発光表示情報の表示期間を制限する情報であることを特徴とする請求項10記載の発光表示システム。
【請求項12】
受信した発光表示情報に基づいて発光表示を行う表示装置に対し、前記発光表示情報を送信する発光表示情報送信装置であって、
前記発光表示情報の送信先の発光表示装置を指定する送信先指定手段と、
当該送信先指定手段で指定された発光表示装置に送信する発光表示情報を生成する発光表示情報生成手段と、
当該発光表示情報生成手段で生成した発光表示情報を、前記送信先指定手段で指定した発光表示装置に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする発光表示情報送信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−225751(P2007−225751A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−45028(P2006−45028)
【出願日】平成18年2月22日(2006.2.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】