発光装置及びその駆動回路
発光装置は、互いに直列に接続された第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットと、第1の発光ユニットには並列に接続されて第2の発光ユニットには直列に接続されたPTFユニットとを含む。第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットは、それぞれ少なくとも一つの発光ダイオードを含む。PTFユニットは、交流電源の印加時、第1の発光ユニットが動作する前に第2の発光ユニットを動作させる。発光装置は、全高調波歪み及びフリッカ現象を低減し、力率及び光効率を改善する。発光装置の駆動回路も開示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置及びその駆動回路に関し、より詳細には、力率を改善し、全高調波歪み及びフリッカ現象などを減らし、光効率を高めることができる発光装置及びその駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)は、順方向しきい値電圧以上が印加される場合にターンオンされて動作する一般的なダイオードの共通の特性を有している。また、交流電源が印加される際の発光領域を増やすために、二つまたはそれ以上の発光ダイオードを逆並列に接続(以下、接続されたLEDsを「交流LED」ともいう)して使用することもある。この場合、交流電源の正の半周期では正の半周期の電圧に対して順方向に接続された発光ダイオードに順方向しきい値電圧以上が印加される場合に交流LEDはターンオンされ、負の半周期でも負の半周期の電圧に対して順方向に接続された発光ダイオードに順方向しきい値電圧以上が印加される場合に交流LEDはターンオンされる特性を有する。
【0003】
従って、発光ダイオードに交流電源を印加する場合、夫々の発光ダイオードのターンオン区間が短いため、フリッカ現象や全高調波歪み現象が多く発生し、これにより、交流LEDの光効率も低下するという問題点が存在する。このような問題点は、特に上記のように複数の交流LEDが直列に接続される場合にはさらに顕著に現れる。上記の交流LEDの問題点を添付図面を参照して説明する。
【0004】
図1は、従来の交流LEDの等価回路図であり、図2は図1に示した交流LEDの電圧及び電流の特性を示すグラフである。
【0005】
まず、図1を参照すると、発光装置10、交流電源Vac及び抵抗素子R11が互いに直列に接続されている。ここでは、LED12(D11、D12)及びLED14(D13、D14を夫々交流LEDと称する。
【0006】
正の半周期の交流電源Vacが交流LED12、14側に印加される場合には、発光ダイオードD11、D13が動作する。勿論、発光ダイオードD11、D13は直列接続された形態であるため、電圧の大きさが発光ダイオードD11、D13夫々の順方向しきい値電圧の和より大きい場合に発光ダイオードD11、D13は動作する。
【0007】
これと同様に、負の半周期の交流電源Vacが交流LED14、12側に印加される場合には、発光ダイオードD14、D12が動作する。この場合にも、電圧の大きさが発光ダイオードD14、D12夫々の順方向しきい値電圧の和より大きい場合に発光ダイオードD14、D12は動作する。ここにおける発光ダイオードの動作とは、発光ダイオードの発光動作を意味し、以下の説明においても全て同じ意味に解釈される。
【0008】
交流電源Vacの正の半周期または負の半周期において、交流LED12、14の動作時の電流の大きさは、抵抗素子R11によって決まる。
【0009】
図2を参照すると、v1は電圧グラフ、i1は電流グラフである。X軸は時間を示し、Y軸は電圧及び電流の大きさを示す。これは、以下の電圧及び電流のグラフにおいて全て同様である。
【0010】
図1を参照して説明したように、交流電源Vacの交流LEDへの印加時、交流電源Vacの正の半周期または負の半周期に応じて、交流電源Vacに対して順方向に接続される発光ダイオードの夫々の順方向しきい値電圧の和より大きい電圧が印加される場合に電流が流れる。このような特性は、図2の電圧及び電流のグラフに詳細に示されている。勿論、発光装置が一つの交流LED(12または14)を含む場合にも、このような電圧及び電流の特性は類似に示される。さらに、図1では二つの交流LED12、14が例示されているが、三つ以上の交流LEDを有する発光装置も図2と類似の電圧及び電流の特性を示す。
【0011】
このように、印加される交流電圧の大きさが順方向しきい値電圧の和以上である場合にのみ動作する交流LED12、14の動作特性は、いくつかの問題を引き起こす。即ち、交流LED12、14に印加される交流電源Vacが電圧に対して順方向に接続される発光ダイオードの順方向しきい値電圧以上である場合に突然電流が流れて動作する特性、及び交流電源が印加される一周期の交流LEDの動作区間が短いため、全高調波歪み(total harmonic distortion:THD)が増加し、フリッカ(flicker)現象が過多に発生し、光効率が低下するという問題点がある。
【0012】
従って、交流電源の印加による交流LEDの動作特性により発生する力率の低下、全高調波歪み、及び過多なフリッカ現象の問題を改善することができる発光装置、またはその駆動回路が強く要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明が解決しようとする課題は、交流電源の交流LEDへの印加時、電圧に対して順方向に接続されるLEDの順方向しきい値電圧の和以上の電圧が印加される場合に突然電流が流れて交流LEDが動作する特性、及び交流電源が印加される一周期の交流LEDの動作区間が短いという特性により発生する、力率の減少、全高調波歪みの増加、過多なフリッカ現象の問題点を改善することができる発光装置及びその駆動回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するための本発明の一実施形態による発光装置は、互いに直列に接続されて、それぞれ少なくとも一つの発光ダイオードを含む第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットと、前記第1の発光ユニットには並列に接続され、前記第2の発光ユニットには直列に接続されるPTFユニットと、を含む。
【0015】
好ましくは、前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットのうち何れか一方、または両方は、逆並列に接続された二つの発光ダイオードを含んでもよい。
【0016】
好ましくは、前記PTFユニットは、交流電源の印加時、前記第1の発光ユニットが動作する前に前記第2の発光ユニットが動作させてもよい。
【0017】
好ましくは、前記第1の発光ユニットは互いに逆並列接続された第1の発光ダイオード及び第2の発光ダイオードを含み、前記第2の発光ユニットは互いに逆並列接続された第3の発光ダイオード及び第4の発光ダイオードを含んでもよく、前記第1の発光ダイオード及び前記第3の発光ダイオードは前記交流電源の正の半周期区間で動作し、前記第2の発光ダイオード及び前記第4の発光ダイオードは前記交流電源の負の半周期区間で動作して、前記交流電源の正の半周期区間で前記第1の発光ダイオードが動作する前に前記第3の発光ダイオードが動作し、前記交流電源の負の半周期区間で前記第2の発光ダイオードが動作する前に前記第4の発光ダイオードが動作する。
【0018】
好ましくは、前記発光装置は、前記発光装置と前記交流電源との間に接続される整流部をさらに含んでもよい。
【0019】
好ましくは、前記PTFユニットは、前記交流電源の印加時、前記第1の発光ユニットが動作する前に前記第2の発光ユニットが動作させてもよい。
【0020】
好ましくは、前記PTFユニットはキャパシタを含んでもよい。
【0021】
本発明の他の態様による発光装置は、順方向に直列接続された少なくとも二つの発光ダイオードを夫々含み、互いに逆並列接続された第1及び第2の発光ユニットと、前記第1の発光ユニットの一部の発光ダイオードに並列接続された第1のPTFユニットと、前記第2の発光ユニットの一部の発光ダイオードに並列接続された第2のPTFユニットと、を含む。
【0022】
好ましくは、前記第1のPTFユニット及び第2のPTFユニットは、交流電源の印加時、前記第1のPTFユニットが並列接続された一部の発光ダイオードまたは前記第2のPTFユニットが並列接続された一部の発光ダイオードを動作させる前に、前記第1のPTFユニットが並列接続された一部の発光ダイオード以外の前記第1の発光ユニットの発光ダイオードまたは前記第2のPTFユニットが並列接続された一部の発光ダイオード以外の前記第2の発光ユニットの発光ダイオードを動作させる。
【0023】
本発明のさらに他の態様による発光装置は、少なくとも一つの発光ダイオードを含む第1の発光ユニットを少なくとも一つ含む第1の発光グループと、少なくとも一つの発光ダイオードを含む第2の発光ユニットを少なくとも一つ含む第2の発光グループと、前記第1の発光グループには並列に接続され、前記第2の発光グループには直列に接続される少なくとも一つのPTFユニットと、を含む。
【0024】
好ましくは、前記PTFユニットは、電源の印加時、前記第1の発光グループが動作する前に前記第2の発光グループが動作させてもよい。
【0025】
好ましくは、前記第1の発光グループが少なくとも二つの第1の発光ユニットを含む場合、前記第1の発光ユニットは互いに並列接続され、前記PTFユニットは前記第1の発光ユニットに共通に並列接続される。
【0026】
好ましくは、前記第1の発光グループが少なくとも二つの第1の発光ユニットを含み、前記第2の発光グループが少なくとも二つの第2の発光ユニットを含み、前記第1の発光ユニット夫々は前記第2の発光ユニット夫々に一つずつ対応して互いに直列に接続され、前記PTFユニットは前記第1の発光ユニット夫々に並列に接続されてもよい。
【0027】
好ましくは、前記第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうち何れか一方または両方が少なくとも二つの発光ダイオードを含む場合、前記少なくとも二つの発光ダイオードは、互いに順方向の直列接続、並列接続、逆並列接続、及び直列または並列接続の組み合わせのうち何れか一つの接続関係により互いに接続される。
【0028】
好ましくは、前記第1の発光グループまたは前記第2の発光グループは、単一基板上にモノリシックに集積されてもよい。
【0029】
好ましくは、前記第1の発光ユニット夫々または前記第2の発光ユニット夫々は、個別パッケージに形成されてもよい。
【0030】
好ましくは、前記第1の発光ユニットの発光ダイオードの夫々または前記第2の発光ユニットの発光ダイオードの夫々は、個別パッケージに形成されてもよい。
【0031】
好ましくは、前記第1の発光グループまたは前記第2の発光グループは一つのパッケージに形成され、一つのパッケージに形成された前記第1の発光グループ内の発光ダイオードまたは前記第2の発光グループ内の発光ダイオード夫々は、個別パッケージに形成されてもよい。
【0032】
好ましくは、前記第1の発光ユニットは、第1乃至第4のノードを介して互いに接続された第1の発光ダイオード乃至第4の発光ダイオードを含んでもよく、前記第1の発光ダイオードは前記第1のノードから前記第3のノードの方向に順方向に接続され、前記第2の発光ダイオードは第4のノードから前記第1のノードの方向に順方向に接続され、前記第3の発光ダイオードは前記第2のノードから前記第3のノードの方向に順方向に接続され、前記第4の発光ダイオードは前記第4のノードから前記第2のノードの方向に順方向に接続されて、前記第3のノードは前記第4のノードと電気的に接続される。
【0033】
好ましくは、前記発光装置は、前記第3のノードと前記第4のノードとの間に前記第3のノードから前記第4のノードの方向に順方向に接続される第5の発光ダイオードをさらに含んでもよい。
【0034】
本発明のさらに別の態様による駆動回路は、少なくとも一つの発光ダイオードをそれぞれ有する第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットが第1のノードを介して直列に接続される発光装置を交流電源で駆動し、前記第1の発光ユニットには並列に接続され、前記第2の発光ユニットには直列に接続されるPTFユニットを含む。
【0035】
好ましくは、前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットのうち何れか一方または両方は、互いに逆並列接続された二つの発光ダイオードを含んでもよい。
【0036】
好ましくは、前記PTFユニットは、前記交流電源の印加時、前記第1の発光ユニットが動作する前に前記第2の発光ユニットが動作させてもよい。
【0037】
好ましくは、前記PTFユニットはキャパシタを含んでもよい。
【0038】
好ましくは、前記発光装置は、前記第1の発光ユニット及び前記PTFユニットに第2のノードを介して直列接続される抵抗素子をさらに含んでもよく、前記第1の発光ユニットは前記PTFユニットに前記第1のノードと前記第2のノードとの間で並列接続されてもよい。
【0039】
好ましくは、前記発光装置は、前記交流電源と前記第1の発光ユニットとの間で前記第1の発光ユニットと直列接続される抵抗素子をさらに含んでもよく、前記PTFユニットは、前記抵抗素子と前記第1の発光ユニットとに並列接続されてもよい。
【0040】
好ましくは、前記第1の発光ユニットは互いに逆並列接続された第1の発光ダイオード及び第2の発光ダイオードを含み、前記第2の発光ユニットは互いに逆並列接続された第3の発光ダイオード及び第4の発光ダイオードを含んでもよく、前記第1の発光ダイオード及び前記第3の発光ダイオードは前記交流電源の正の半周期区間で動作し、前記第2の発光ダイオード及び前記第4の発光ダイオードは前記交流電源の負の半周期区間で動作し、前記交流電源の正の半周期区間において前記第1の発光ダイオードが動作する前に前記第3の発光ダイオードが動作し、前記交流電源の負の半周期区間において前記第2の発光ダイオードが動作する前に前記第4の発光ダイオードが動作する。
【0041】
好ましくは、前記発光装置は、前記発光装置と前記交流電源との間に接続された整流部をさらに含んでもよい。
【0042】
好ましくは、前記PTFユニットは、前記交流電源の印加時、前記第1の発光ユニットが動作する前に前記第2の発光ユニットを動作させてもよい。
【0043】
本発明のさらに別の態様による駆動回路は、少なくとも一つの発光ダイオードをそれぞれ有する第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットが第1のノードを介して互いに直列接続される発光装置を交流電源で駆動し、第2のノードを介して前記第1の発光ユニットに直列接続される第1の抵抗素子と、第3のノードと前記第1のノードとの間で、前記第1の発光ユニットと前記第1の抵抗素子とに並列接続されるキャパシタと、前記第3のノードと前記第1のノードとの間で、前記キャパシタに直列接続される第2の抵抗素子と、を含む。
【0044】
好ましくは、前記第2の抵抗素子は、前記キャパシタの充電/放電時間を調節する役割と、ノイズ及び電磁気干渉を低減する役割をしてもよい。
【0045】
好ましくは、前記駆動回路は、前記交流電源と前記発光装置との間に直列接続されるサーミスタ素子をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0046】
本発明の実施形態によると、発光装置及びその駆動回路は、交流LEDの動作特性、即ち、交流LEDに印加され交流電源が電圧に対して順方向に接続されるLEDの順方向しきい値電圧以上である場合に突然電流が流れて動作する特性と、印加される交流電源の一周期において交流LEDの動作区間が短いという特性とに起因する力率の減少、重度の全高調波歪み、過多なフリッカ現象などといった問題を解決することができる。さらに、本実施形態による発光装置は、ピーク電流及び全高調波歪みを減少させて、力率を改善し、光効率も改善するという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】従来の交流LEDの等価回路図である。
【図2】図1の交流LEDの電圧及び電流の特性を示すグラフである。
【図3】本発明の実施形態による発光装置またはその駆動回路のブロック図である。
【図4】本発明の実施形態による発光装置またはその駆動回路のブロック図である。
【図5】本発明の実施形態による発光装置またはその駆動回路のブロック図である。
【図6】図3乃至図5の発光装置またはその駆動回路の電圧及び電流の特性を示すグラフである。
【図7】図4に示す発光装置またはその駆動回路の等価回路図である。
【図8】交流電源の印加時、正の半周期での発光装置の動作を説明するための等価回路図である。
【図9】交流電源の印加時、正の半周期での発光装置の動作を説明するための等価回路である。
【図10】図8及び図9に対応する電圧及び電流のグラフである。
【図11】交流電源の印加時、負の半周期での発光装置の動作を説明するための等価回路図である。
【図12】交流電源の印加時、負の半周期での発光装置の動作を説明するための等価回路図である。
【図13】図11及び図12に対応する電圧及び電流のグラフである。
【図14】図8乃至図13で説明した交流電源の正の半周期及び負の半周期を両方組み合わせることによって得られた交流電源の一周期内での電圧及び電流のグラフである。
【図15】発光装置が低周波フィルタの役割を行う抵抗素子を備える図5に対応する発光装置またはその駆動回路の等価回路図である。
【図16】本発明の別の実施形態による発光装置またはその駆動回路の等価回路図である。
【図17】図16に対応する電圧及び電流のグラフである。
【図18】本発明のさらなる実施形態による発光装置またはその駆動回路の等価回路図である。
【図19】本発明のさらに他の実施形態による発光装置またはその駆動回路のブロック図である。
【図20】本発明のさらに他の実施形態による発光装置またはその駆動回路のブロック図である。
【図21】本発明の一実施形態による発光ユニットの一例を示す等価回路図である。
【図22】本発明の一実施形態による発光ユニットの一例を示す等価回路図である。
【図23】本発明の一実施形態による発光ユニットの多様な例を示す等価回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明及び図面は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が、本発明を理解できるようにするために例示されたものに過ぎず、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【0049】
図3乃至図5は、本発明の実施形態による発光装置またはその駆動回路のブロック図である。
【0050】
図3を参照すると、発光装置は、第1の発光ユニット32と、第2の発光ユニット34と、PTFユニット36と、を含む。第1の発光ユニット32及び第2の発光ユニット34は、それぞれ、互いに逆並列接続された少なくとも二つの発光ダイオードを含む。PTFユニット36は、第1の発光ユニット32には並列接続され、第2の発光ユニット34には直列接続されて、電源入力端IN1、IN2に交流電源が印加される場合、第1の発光ユニット32が動作する前に第2の発光ユニット34が動作させるように機能する。
【0051】
PTFユニット36は、例えば、抵抗素子、キャパシタ、及びインダクタなどの多様な素子を含んでもよい。即ち、PTFユニット36は、交流電源が印加時に、第1の発光ユニット32が動作する前に第2の発光ユニット34が動作させるように機能するものであれば、多様な素子を含んでもよい。
【0052】
例えば、第1の発光ユニット32が二つのLEDが互いに逆並列接続された交流LEDであり、第2の発光ユニット34も二つのLEDが互いに逆並列接続された別の交流LEDであれば、第1の発光ユニット32の動作は、交流LEDの二つのLEDのうち順方向に接続されたLEDの動作を意味する。
【0053】
言い換えると、印加される交流電源に対して順方向に接続される第1の発光ユニット32内のLEDが動作する前(即ち、順方向電圧の大きさが、第1の発光ユニット32内のLEDの順方向しきい値電圧より小さく、第2の発光ユニット34内のLEDの順方向しきい値電圧よりは大きい場合)には、電流がノードN34、PTFユニット36、ノードN32、第2の発光ユニット34及びノードN36の経路に流れる。一方、PTFユニット36がない場合、発光装置は、第1の発光ユニット32内のLEDの順方向しきい値電圧と第2の発光ユニット34内のLEDの順方向しきい値電圧との和より大きな電圧が印加される場合にのみ動作するということは、既に説明したとおりである。
【0054】
PTFユニット36がない発光装置に比べて、本実施形態による発光装置の動作期間は遥かに長くなり、第1の発光ユニット32及び第2の発光ユニット34において、交流電源の正の半周期または負の半周期による交流電源に対して順方向に接続されるLEDの順方向しきい値電圧の和より大きな電圧が印加される場合に突然電流が流れるという問題点も解消することができる。従って、本実施形態の発光装置は、力率(Power Factor)を改善し、全高調波歪み(Total Harmonics Distortion)を低減し、フリッカ(Fliker)現象を低減する。PTFユニットは、力率、全高調波歪み、フリッカ現象の改善に係わるため、PTFユニットはこれらの改善に由来する略語である。
【0055】
図3では、PTFユニット36が第1の発光ユニット32に並列に接続された場合を例示しているが、PTFユニット36が第2の発光ユニット34に並列に接続された場合にも、同様の機能を実行することが理解される。さらに、夫々の発光ユニットは、LED単一素子の逆並列接続で構成されてもよく、二つのLEDの逆並列接続の組み合わせが一つのパッケージに形成されたものであってもよい。或いは、PTFユニット36を含む発光ユニット全体は、一つのパッケージに形成されてもよい。
【0056】
また、本実施形態では、1つの第1の発光ユニット32及び1つの第2の発光ユニット34を備える発光装置を例示したが、第1の発光ユニット32及び第2の発光ユニット34夫々には、少なくとも一つの第3の発光ユニットが並列に接続されてもよい。さらに、第1の発光ユニット32、PTFユニット36、及び第2の発光ユニット34をそれぞれ含む複数の発光装置が互いに連続して並列に接続されてもよい。
【0057】
さらに、第1の発光ユニット32及び第2の発光ユニット34夫々に、少なくとも一つの第3の発光ユニットが直列に接続されてもよく、或いは、上記のように、少なくとも一つの第4の発光ユニットが並列に接続された第1の発光ユニット32及び第2の発光ユニット34夫々に、少なくとも一つの第3の発光ユニットが直列に接続されてもよい。
【0058】
さらに、PTFユニット36が発光ユニットに並列に接続される位置は変更されてもよく、PTFユニット36に並列に接続される発光ユニットの数も変更されてもよい。
【0059】
したがって、直列接続及び/または並列接続によって要素を付加する様々な方法を介して、本発明の実施形態による発光装置に多様な要素を付加することにより様々な変更が可能であることは明らかであり、このような変更も本発明の範囲内に属する。
【0060】
図4を参照すると、抵抗素子48が入力端IN1とIN2との間に印加される交流電源とノードN44との間に接続され、抵抗素子48、並列接続された第1の発光ユニット42とPTFユニット46、及び第2の発光ユニット44が直列接続された形態である。
【0061】
図3と同様に、PTFユニット46と第1の発光ユニット42及び第2の発光ユニット44との相互接続関係を説明すると、PTFユニット46は、第1の発光ユニット42には並列接続され、第2の発光ユニット44には直列接続されて、交流電源が発光装置に印加される場合、第1の発光ユニット42が動作する前に第2の発光ユニット44を動作させる。抵抗素子48は、第1の発光ユニット42及び/または第2の発光ユニット44の動作時に、電流の大きさを決める役割をする。
【0062】
図4では、抵抗素子48が交流電源と第1の発光ユニット42との間に接続された場合が例示されているが、交流電源の入力端のうち入力端IN2と第2の発光ユニット44との間に直列に接続されてもよい。
【0063】
図5では、抵抗素子58と第1の発光ユニット52が直列接続され、抵抗素子58と第1の発光ユニット52とがPTFユニット56と並列接続されている。図4の場合と同様に、PTFユニット56は、交流電源が発光装置に印加される場合、第1の発光ユニット52が動作する前に第2の発光ユニット54を動作させる。また、抵抗素子58は、第1の発光ユニット52及び/または第2の発光ユニット54の動作時に、電流の大きさを決定する。さらに、図4の場合と同様に、抵抗素子58は、交流電源の入力端のうち入力端IN2と第2の発光ユニット54との間に直列に接続されてもよい。
【0064】
図6は、図3乃至図5に示した発光装置またはその駆動回路の電圧及び電流の特性を示すグラフである。図2及び図6を参照すると、PTFユニット36、46、56がない従来の発光装置よりも、本発明の実施形態による発光装置の動作区間が広くなることが分かる。即ち、図6の電流グラフi10に示すように、第1の発光ユニット32、42、52が動作する前に第2の発光ユニット34、44、54が動作するため、PTFユニット36、46、56がない従来の発光装置が動作していなかった区間においても本発明の実施形態による発光装置は動作する。そのため、本発明の実施形態による発光装置は、より広い動作区間を有し、低い電圧で予めオンされているため、フリッカ現象及び全高調波歪みの顕著な低減を可能にする。
【0065】
図3において、第1の発光ユニット32及び第2の発光ユニット34を構成する交流LEDの数は同一であってもよく、異なっていてもよい。第1の発光ユニット42、52及び第2の発光ユニット44、54も、同じ数の交流LEDで構成されてもよく異なる数の交流LEDで構成されてもよい。第1の発光ユニット32、42、52を構成する交流LEDの数と第2の発光ユニット34、44、54を構成する交流LEDの数とが異なる場合には、第2の発光ユニット34、44、54の動作時間及び第1の発光ユニット32、42、52の動作時間に影響を及ぼす。そのため、発光装置の所望の設計に応じて、交流LEDの数を適宜決定することが好ましい。さらに、上述したように、交流電源または交流LEDを構成する発光ダイオードの順方向しきい値電圧を考慮して、要素間の多様な形態の直列/並列接続、個々の発光ダイオードの接続により得られる多様な形態の発光ユニット、、及び一つのチップ内における発光ダイオードの多様な配置が適用されてもよい。
【0066】
図7は図4に示す発光装置またはその駆動回路の等価回路図である。図7を参照すると、PTFユニット46はキャパシタC41を含んでおり、第1の発光ユニット42及び第2の発光ユニット44は、夫々二つの発光ダイオードを含んでいる。第1の発光ユニット42は、第1のノードN42を介して第2の発光ユニット44に直列接続されており、とキャパシタC41に並列接続されている。ここで、第1の発光ユニット42及びキャパシタC41には、抵抗素子48が第2のノードN44を介して直列接続されている。即ち、第1のノードN42と第2のノードN44との間で第1の発光ユニット42とキャパシタC41とが並列接続されている。また、キャパシタC41、第1の発光ユニット42及び第2の発光ユニット44の間の接続関係を説明すると、キャパシタC41は、第1の発光ユニット42とは並列接続されており、第2の発光ユニット44とは直列接続されている。
【0067】
第1の発光ユニット42は互いに逆並列接続された第1の発光ダイオードD41及び第2の発光ダイオードD42を含み、第2の発光ユニット44は互いに逆並列接続された第3の発光ダイオードD43及び第4の発光ダイオードD44を含む。図7に図示された第1の発光ユニット42及び第2の発光ユニット44は、夫々もっとも基本的な交流LEDを例示しているに過ぎず、第1の発光ユニット42及び第2の発光ユニット44は、それぞれ一つの交流LEDを含んでいてもよく、より多くの数の交流LEDを含んでいてもよいということは上述のとおりである。さらに、一つの交流LED(例えば、42)も、交流電源の印加によって動作できる特性を有するものであれば、二つ以上の発光ダイオードを含んでもよい。
【0068】
交流電源Vacの印加時、第1の発光ダイオードD41及び第3の発光ダイオードD43は交流電源の正の半周期区間で動作し、第2の発光ダイオードD42及び第4の発光ダイオードD44は交流電源の負の半周期区間で動作する。交流電源Vacの正の半周期区間では第1の発光ダイオードD41が動作する前に第3の発光ダイオードD43が動作し、交流電源Vacの負の半周期区間では第2の発光ダイオードD42が動作する前に第4の発光ダイオードD44が動作する。
【0069】
図7では、一つのキャパシタC41がPTFユニット46として示されているが、PTFユニットは、抵抗素子やインダクタ、または抵抗素子、キャパシタなどの多様な素子の接続ユニットであってもよい。
【0070】
一実施形態によると、発光装置の駆動回路は、交流電源Vacと発光装置40との間に直列接続されるサーミスタ(thermistor)素子R44をさらに含んでもよい。サーミスタ素子は、一般的に、温度が高くなると抵抗値が小さくなる負温度係数の特性を有するNTC(Negative Temperature Coefficient thermistor)サーミスタと、温度が高くなると抵抗値が大きくなる正温度係数の特性を有するPTC(Positive Temperature Coefficient thermistor)サーミスタとに分類されることができるが、本実施形態では、発光装置40の温度が高くなる場合、発光装置40への供給電流を減少させるPTCサーミスタを用いることが好ましい。
【0071】
また、発光装置40の動作時、電流の大きさを決めるための抵抗素子48及び抵抗素子R43の数は、説明の便宜上、二つの抵抗素子R41、R42及び一つの抵抗素子R43で示したが、抵抗素子の数と抵抗の大きさ、及び抵抗素子間の接続形態などは、発光装置40内の発光ダイオードの数及び定格電力などを考慮して、必要に応じて多様に設計されることができる。さらに、抵抗素子R43はサーミスタ素子R44と並列接続された形態が示されているが、本発明による発光装置の駆動回路はこのような形態に限定されず、多様な形態に変形されてもよい。
【0072】
図8乃至図13は、図7の発光装置またはその駆動回路の動作を説明するための等価回路図及びグラフであり、特に、図8及び図9は交流電源Vacの印加時の正の半周期での発光装置の動作を説明するための等価回路図であり、図10は図8及び図9に対応する電圧及び電流のグラフであり、図11及び図12は交流電源Vacの印加時の負の半周期での発光装置の動作を説明するための等価回路図であり、図13は図11及び図12に対応する電圧及び電流のグラフである。
【0073】
図8を参照すると、交流電源Vacの正の半周期で、電圧の大きさが第1の発光ダイオードD41及び第3の発光ダイオードD43の順方向しきい値電圧の和より小さい場合には、第3の発光ダイオードD43のみが動作する。即ち、電流が矢印A1及びA2で示す経路に沿って流れる。ここで、交流電源Vacの正の半周期で、電圧の大きさが0Vから第3の発光ダイオードD43の順方向しきい値電圧より小さい範囲である場合には、キャパシタC41の影響により、電圧の大きさが第3の発光ダイオードD43の順方向電圧より小さい場合にも矢印A1及びA2で示す経路に沿って電流が流れる(これは、後に説明する交流電源Vacの負の半周期を考慮し、キャパシタC41の動作特性のうち電流の位相の進み現象を考慮することにより理解することができる)。
【0074】
次に、電圧の大きさが増加して第1の発光ダイオードD41及び第3の発光ダイオードD43の順方向しきい値電圧の和より大きくなる場合には、矢印A3及びA4で示す経路に沿って電流が流れる。これにより、第1の発光ダイオードD41及び第3の発光ダイオードD43がともに動作する。
【0075】
即ち、交流電源Vacの正の半周期において、矢印A1及びA2で示す経路に沿って流れる電流は、第1の発光ダイオードD41がオンされる時点で遮断され、矢印A3及びA4で示す経路に沿って電流が流れるようになる。
【0076】
交流電源Vacの正の半周期全体を考慮すると、第1の発光ダイオードD41が動作する前に第3の発光ダイオードD43が先にオンされて動作し(図8のA1及びA2に沿った電流経路)、以後に第1の発光ダイオードD41及び第3の発光ダイオードD43がともに動作するようになる。
【0077】
図10は、図8及び図9に対応する交流電源Vacの正の半周期区間の電圧g1と電流g2のグラフである。図10に示されるように、第3の発光ダイオードD43が第1の発光ダイオードD41よりも先に動作し、その後に第1の発光ダイオードD41及び第3の発光ダイオードD43がともに動作するようになる。
【0078】
次に、図11を参照すると、交流電源Vacの負の半周期で、電圧の大きさが第2の発光ダイオードD42及び第4の発光ダイオードD44の順方向しきい値電圧の和より小さい場合には、第4の発光ダイオードD44のみが動作する。即ち、矢印A5及びA6で示す経路に沿って電流が流れる。ここで、交流電源Vacの負の半周期で、電圧の大きさが0Vから第4の発光ダイオードD44の順方向しきい値電圧より小さい範囲である場合には、キャパシタC41の影響により、電圧の大きさが第4の発光ダイオードD44の順方向電圧より小さい場合にも、矢印A5及びA6で示す経路に沿って発光装置に電流が流れる。これは、キャパシタC41の動作特性のうち電流の位相の進み現象、即ち、電流の位相が電圧の位相より進む特性を考慮することによって、理解することができる。
【0079】
次に、電圧の大きさが増加して第2の発光ダイオードD42及び第4の発光ダイオードD44の順方向しきい値電圧の和より大きくなる場合には、矢印A7及びA8で示す経路に沿って電流が流れる。これにより、第2の発光ダイオードD42及び第4の発光ダイオードD44がともに動作するようになる。
【0080】
即ち、交流電源Vacの負の半周期では、第4の発光ダイオードD44からキャパシタC41に沿って流れる電流は、第2の発光ダイオードD42がオンされる時点で遮断され、第4の発光ダイオードD44及び第2の発光ダイオードD42を介して電流が流れるようになる。
【0081】
以後、交流電圧の負の半周期の後に続く新しい正の半周期には、図8乃至図10を参照して説明した動作と同じ動作が繰り返される。
【0082】
図13は、図11及び図12に対応する交流電源Vacの負の半周期区間の電圧g3及び電流g4のグラフである。図13に示されるように、第4の発光ダイオードD44が第2の発光ダイオードD42よりも先に動作し、その後に第2の発光ダイオードD42及び第4の発光ダイオードD44がともに動作するようになる。
【0083】
図14は、図8乃至図13を参照して説明した交流電源Vacの正の半周期及び負の半周期を両方組み合わせた交流電源Vacの一周期内での電圧g5及び電流g6のグラフである。
【0084】
交流電源Vacの一周期全体を考慮すると、正の半周期では、第1の発光ダイオードD41が動作する前に第3の発光ダイオードD43が先に動作し、その後に第1の発光ダイオードD41及び第3の発光ダイオードD43がともに動作し、負の半周期では、第2の発光ダイオードD42が動作する前に第4の発光ダイオードD44が先に動作し、その後に第2の発光ダイオードD42及び第4の発光ダイオードD44がともに動作するようになる。
【0085】
これにより、図1及び図2に示したようなPTFユニットがない従来の発光装置と比較すると、本発明の実施形態による発光装置またはその駆動回路は、動作区間が広くなる。そのため、本実施形態による発光装置は、フリッカ現象を減少させ、従来の発光装置において、順方向に接続される二つの発光ダイオードのしきい値電圧の和以上の電圧が印加される場合に発生していた発光装置が突然動作する現象を減少させる。さらに、本実施形態による発光装置は、ピーク電流及び全高調波歪みを減少させて、力率を改善し、光効率も改善するという利点を有する。
【0086】
以上の実施の形態は、本発明の特徴を効果的に示すために、定性的分析に基づいて述べられたものであることを理解するべきである。即ち、本発明の実施形態による発光装置またはその駆動回路において、具体的なキャパシタの容量や抵抗素子の抵抗値、及び交流LEDの数や負荷などの詳細な条件を考慮して、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットの動作時点に多少の差があり得ることを理解すべきである。
【0087】
図15は、図5に示す発光装置に対応する発光装置またはその駆動回路の等価回路図であり、前記発光装置は低周波フィルタの役割を実行する抵抗素子を備える。図15を参照すると、第1の発光ユニット52、第2の発光ユニット54、キャパシタC51、第1の抵抗素子58及び第2の抵抗素子Rcが示されている。
【0088】
第1の発光ユニット52及び第2の発光ユニット54が第1のノードN52を介して直列接続されて発光装置50を構成している。発光装置50に交流電源Vacを印加して発光装置を駆動する駆動回路は、第1の抵抗素子58、キャパシタC51及び第2の抵抗素子Rcを含む。
【0089】
第1の抵抗素子58は、第2のノードN54を介して第1の発光ユニット52に直列接続され、発光装置50の動作時において電流の大きさを決める。キャパシタC51は、第3のノード58と第1のノードN52との間で、第1の発光ユニット52及び第1の抵抗素子58に並列接続される。キャパシタC51は、図5を参照したPTF素子56についての説明で既に説明したとおりである。
【0090】
第2の抵抗素子Rcは、第3のノード58と第1のノードN52との間でキャパシタC51に直列接続される。第3のノード58から第1のノードN52の方向を見ると、第2の抵抗素子Rc、キャパシタC51の順に直列接続された形態が例示されているが、第2の抵抗素子Rc、キャパシタC51の直列接続の順序が逆になっても同様に機能することは理解されるべきである。また、この実施形態では、第2の抵抗素子Rcが一つの抵抗素子として示されているが、第2の抵抗素子の数や接続は特に制限されない。
【0091】
このような第2の抵抗素子Rcは、キャパシタC51の充電/放電時間を調節するとともに、電磁気干渉またはノイズに起因する高周波を遮断する低周波フィルタとしての役割を実行することができる。
【0092】
さらに、交流電源Vacと発光装置50との間にはサーミスタ素子R54が直列に接続されてもよく、このようなサーミスタ素子の機能については上述したとおりである。本実施形態の発光装置の基本的な動作は、図8乃至図13を参照して説明した発光装置の動作と実質的に同一であるため、重複する説明は省略する。
【0093】
図16は、本発明の他の実施形態による発光装置またはその駆動回路の等価回路図である。図16を参照すると、発光装置またはその駆動回路は、整流部68と、第1の発光ユニットD61と、第2の発光ユニットD62と、PTFユニット66と、を含む。
【0094】
本実施形態において、整流部68は、四つの整流ダイオードを用いたブリッジ整流回路として示したが、多様な形態を有する整流回路を用いることができる。
【0095】
さらに、第1の発光ユニットD61及び第2の発光ユニットD62は、それぞれ一つの発光ダイオードを含むものとして示したが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、第1の発光ユニットD61及び第2の発光ユニットD62は、それぞれ順方向に互いに直列/並列接続される複数の発光ダイオードを含んでもよい。
【0096】
図17は、図16に対応する電圧及び電流のグラフである。図17の電流グラフi20から分かるように、PTFユニット66がない発光装置(図2の正の半周期部分の電流グラフi1参照)よりも、発光装置の動作が遥かに早くなったことが分かる。
【0097】
図18は、本発明のさらに他の実施形態による発光装置またはその駆動回路の等価回路図である。図18を参照すると、第1の発光ユニットD71、D73、第2の発光ユニットD72、D74、第1のPTFユニット76a、及び第2のPTFユニット76bが示されている。
【0098】
第1の発光ユニットD71、D73及び第2の発光ユニットD72、D74は、順方向に直列接続される少なくとも二つの発光ダイオードをそれぞれ含む。図18には、夫々の発光ユニットが順方向に直列接続された二つの発光ダイオードを含むものとして示されているが、前述の実施形態と同様に、各発光ユニットは順方向に直列接続された複数の発光ダイオードを含んでもよい。
【0099】
第1のPTFユニット76aは第1の発光ユニットD71、D73の何れか一つの発光ダイオードに並列接続され、第2のPTFユニット76bは第2の発光ユニットD72、D74の何れか一つの発光ダイオードに並列接続される。第1のPTFユニット76a及び第2のPTFユニット76bは、上述したように、抵抗素子、キャパシタ、インダクタなどの多様な素子をそれぞれ含んでもよい。第1のPTFユニット76aは第1の発光ユニットの発光ダイオードD71が動作する前に発光ダイオードD73を動作させるようにし、第2のPTFユニット76bは第2の発光ユニットの発光ダイオードD74が動作する前に発光ダイオードD72を動作させるようにする。
【0100】
図3乃至図18において、発光装置またはその駆動回路を明確に区別して説明しておらず、ある場合には、発光装置は発光ユニットのみ含むものとして説明した。例えば、図3において、第1の発光ユニット32、第2の発光ユニット34及びPTFユニット36全てを含むものが発光装置であるとみなすことができ、発光ユニットの直列接続30のみが発光装置であるとみなすこともできる。後者の場合、PTFユニット36を含む残りの部分(例えば、図7の抵抗素子48、R47などを含む)が発光装置の駆動回路であるとみなすこともできるため、発光装置またはその駆動回路を明確に区別して説明していない。
【0101】
図19及び図20は、本発明のさらに他の実施形態による発光装置またはその駆動回路のブロック図である。まず、図19を参照すると、発光装置は、少なくとも一つの発光ダイオードをそれぞれ含む第1の発光ユニット1921、…、192nを一つ以上含む第1の発光グループ191と、少なくとも一つの発光ダイオードをそれぞれ含む第2の発光ユニット1941、…、194nを一つ以上含む第2の発光グループ193と、前記第1の発光グループ191には並列接続され、前記第2の発光グループ193には直列接続されるPTFユニット196と、を含む。PTFユニット196は、入力端IN1、IN2を介して交流電源が印加される場合、第1の発光グループ191が動作する前に第2の発光グループ193を動作させるようにする。
【0102】
第1の発光グループ191が一つの第1の発光ユニット(例えば1921)を含む場合、第1の発光グループ191が第1の発光ユニット1921になり、この構成は、図3における実施形態と同様である。これは、第2の発光グループ193の場合にも同様である。そのため、本実施形態においては、第1の発光グループ191が二つ以上の発光ユニット1921、…、192nを含み、第2の発光グループ193が二つ以上の発光ユニット1941、…、194nを含む場合について説明する。
【0103】
第1の発光ユニット1921、…、192nは、ノードN194とノードN192との間で互いに並列接続される。PTFユニット196は、ノードN194とノードN192との間に接続され、第1の発光ユニット1921、…、192nに共通に並列接続される。
【0104】
同様に、第2の発光ユニット1941、…、194nも互いに並列接続される。
【0105】
これにより、上述したように、PTFユニット196は、第1の発光グループ191に並列接続され、第2の発光グループ193に直列接続される。
【0106】
図21乃至図23を参照すると、各第1の発光ユニット1921、…、192n及び各第2の発光ユニット1941、…、194nは、単一の発光ダイオード(図23(a))で構成されてもよく、複数の発光ダイオードの直列接続(図23(b))、並列接続(図23(c))、逆並列接続(図23(d))、逆並列接続の組み合わせ(図23(e))、及び直列または並列接続の組み合わせ(図21、図22)のうち何れか一つから選択されてもよいが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0107】
第1の発光グループ191及び第2の発光グループ193は、多様な方式で実現されてもよい。例えば、第1の発光グループ191または第2の発光グループ193は、単一基板上にモノリシック(monolithic)集積回路工程により単一パッケージに形成されてもよい。これと異なり、各第1の発光ユニット1921、…、192nまたは各第2の発光ユニット1941、…、194nは、個別(separate)パッケージに形成されてもよい。また、第1の発光ユニット1921、…、192nの各発光ダイオード(例えば、図21乃至図2に示されたの発光ダイオード)または第2の発光ユニット1941、…、194nの各発光ダイオード(例えば、図21乃至図23に示された発光ダイオード)が、個別パッケージに形成されてもよい。さらに、第1の発光グループ191または第2の発光グループ193が一つのパッケージに形成され、第1の発光グループ191内の各発光ダイオード(例えば、図21乃至図23に示された発光ダイオード)または第2の発光グループ193内の各発光ダイオード(例えば、図21乃至図23に示された発光ダイオード)が、個別パッケージに形成されてもよい。
【0108】
図20を参照すると、第1の発光グループは一つ以上の発光ユニット2021、…、202nを含み、第2の発光グループは一つ以上の発光ユニット2041、…、204nを含む。この場合、第1の発光グループが一つの発光ユニット(例えば、2021)のみを含む場合には、第1の発光グループが第1の発光ユニットになり、この構成は、図3において説明した実施形態と同様である。これは、第2の発光グループの場合にも同様である。そのため、ここでは、第1の発光グループが二つ以上の発光ユニット2021、…、202nを含み、第2の発光グループが二つ以上の発光ユニット2041、…、204nを含む場合について説明する。
【0109】
第1の発光ユニット2021、…、202nと第2の発光ユニット2041、…、204nは、それぞれ、互いに一つずつ対応して互いに直列接続される。即ち、第1の発光グループのうち何れか一つの第1の発光ユニット(例えば、2021)と第2の発光グループのうち何れか一つの第2の発光ユニット(例えば、2041)とが互いに対応して、一つの直列接続形態2001を成す。各第1の発光ユニット2021、…、202nには、PTFユニット2061、…、206nがそれぞれ並列に接続される。
【0110】
本実施形態において、各発光ユニット2021、…、202n、2041、…、204nを構成する発光ダイオードは、図21乃至図23に示されたような多様な形態で接続されてもよい。
【0111】
また、各発光ユニット2021、…、202n、2041、…、204nは個別パッケージに形成されてもよく、対応するPTFユニット2061、…、206nとともに個別パッケージに形成されてもよい。或いは、発光ユニット2021、…、202n、2041、…、204nを構成する各発光ダイオードがそれぞれ個別パッケージに形成されてもよい。
【0112】
図21及び図22は、本発明の一実施形態による発光ユニットの一例を示す等価回路図である。図21を参照すると、第1の発光ユニット210はノードN212を介して第2の発光ユニット211に直列に接続される。
【0113】
第1の発光ユニット210は、第1、2、3、4ノード(N211、N212、N213、N214)を介して互いに接続された第1、2、3、4の発光ダイオード(D211、D212、D213、D214)を含む。
【0114】
第1のノードN211及び第2のノードN212は、第1の発光ユニット210と並列に接続されるPTFユニット(図示せず)が接続されるノードである。また、第2のノードN212は、第2の発光ユニット211が接続されるノードである。
【0115】
第1〜第4のノードN211、N212、N213、N214を介した第1〜第4の発光ダイオードD211、D212、D213、D214間の接続において、第1の発光ダイオードD211は第1のノードN211から第3のノードN213の方向に順方向に接続され、第2の発光ダイオードD212は第4のノードN214から第1のノードN211の方向に順方向に接続され、第3の発光ダイオードD213は第2のノードN212から第3のノードN213の方向に順方向に接続され、第4の発光ダイオードD214は第4のノードN214から第2のノードN212の方向に順方向に接続される。ここで、第3のノードN213は、例えば、電気配線などによって第4のノードN214と電気的に接続される。同様に、第2の発光ユニット211の発光ダイオードも、第1の発光ユニット210の発光ダイオードの接続形態と同様である。
【0116】
図22は、図21のノードN213、N214の間に第5の発光ダイオードD231をさらに含む発光ユニットの一例を示している。即ち、第5の発光ダイオードD231は、第3のノードN223と第4のノードN224との間で、第3のノードN223から第4のノードN224の方向に順方向に接続される。
【0117】
図21及び図22に示した実施形態によると、発光装置は、発光ユニット内の発光ダイオードの接続により、全高調波歪み及びフリッカ現象をより低減し、光効率を改善することができる。
【0118】
図23は本発明の一実施形態による発光ユニットの多様な例を示す等価回路図である。図23(a)は発光ユニットが一つの発光ダイオードからなる例であり、(b)は発光ユニットが互いに直列接続された複数の発光ダイオードを含む例であり、(c)は発光ユニットが互いに並列接続された複数の発光ダイオードを含む例であり、(d)は発光ユニットが互いに逆並列接続された複数の発光ダイオードを含む例であり、(e)は発光ユニットが逆並列接続された複数の発光ダイオードの組み合わせを含む例である。
【0119】
例えば、多様な発光ユニットを含む発光装置に整流回路なしに直接交流電源が印加される場合には、(d)や(e)に示したようなに発光ユニットの発光ダイオードが互いに逆並列接続されることが好ましい。これと異なり、例えば整流回路を介して交流電源が発光装置に印加される場合には、(a)、(b)、(c)に示したように、発光ダイオードが一方向に接続されることが好ましい。
【0120】
上述の説明から明らかなように、本発明の実施形態によると、発光装置及びその駆動回路は、交流LEDの動作特性、即ち、交流LEDに印加され交流電源が電圧に対して順方向に接続されるLEDの順方向しきい値電圧以上である場合に突然電流が流れて動作する特性と、印加される交流電源の一周期において交流LEDの動作区間が短いという特性とに起因する力率の減少、重度の全高調波歪み、過多なフリッカ現象などといった問題を解決することができる。
【0121】
上述したような本発明による発光装置または発光装置の駆動回路は、本発明の範囲を外れない範囲内で多様に設計変更及び改造されることができるため、本発明の権利範囲は、詳細な説明における実施形態に限定されず、添付の請求の範囲によって決定されるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置及びその駆動回路に関し、より詳細には、力率を改善し、全高調波歪み及びフリッカ現象などを減らし、光効率を高めることができる発光装置及びその駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)は、順方向しきい値電圧以上が印加される場合にターンオンされて動作する一般的なダイオードの共通の特性を有している。また、交流電源が印加される際の発光領域を増やすために、二つまたはそれ以上の発光ダイオードを逆並列に接続(以下、接続されたLEDsを「交流LED」ともいう)して使用することもある。この場合、交流電源の正の半周期では正の半周期の電圧に対して順方向に接続された発光ダイオードに順方向しきい値電圧以上が印加される場合に交流LEDはターンオンされ、負の半周期でも負の半周期の電圧に対して順方向に接続された発光ダイオードに順方向しきい値電圧以上が印加される場合に交流LEDはターンオンされる特性を有する。
【0003】
従って、発光ダイオードに交流電源を印加する場合、夫々の発光ダイオードのターンオン区間が短いため、フリッカ現象や全高調波歪み現象が多く発生し、これにより、交流LEDの光効率も低下するという問題点が存在する。このような問題点は、特に上記のように複数の交流LEDが直列に接続される場合にはさらに顕著に現れる。上記の交流LEDの問題点を添付図面を参照して説明する。
【0004】
図1は、従来の交流LEDの等価回路図であり、図2は図1に示した交流LEDの電圧及び電流の特性を示すグラフである。
【0005】
まず、図1を参照すると、発光装置10、交流電源Vac及び抵抗素子R11が互いに直列に接続されている。ここでは、LED12(D11、D12)及びLED14(D13、D14を夫々交流LEDと称する。
【0006】
正の半周期の交流電源Vacが交流LED12、14側に印加される場合には、発光ダイオードD11、D13が動作する。勿論、発光ダイオードD11、D13は直列接続された形態であるため、電圧の大きさが発光ダイオードD11、D13夫々の順方向しきい値電圧の和より大きい場合に発光ダイオードD11、D13は動作する。
【0007】
これと同様に、負の半周期の交流電源Vacが交流LED14、12側に印加される場合には、発光ダイオードD14、D12が動作する。この場合にも、電圧の大きさが発光ダイオードD14、D12夫々の順方向しきい値電圧の和より大きい場合に発光ダイオードD14、D12は動作する。ここにおける発光ダイオードの動作とは、発光ダイオードの発光動作を意味し、以下の説明においても全て同じ意味に解釈される。
【0008】
交流電源Vacの正の半周期または負の半周期において、交流LED12、14の動作時の電流の大きさは、抵抗素子R11によって決まる。
【0009】
図2を参照すると、v1は電圧グラフ、i1は電流グラフである。X軸は時間を示し、Y軸は電圧及び電流の大きさを示す。これは、以下の電圧及び電流のグラフにおいて全て同様である。
【0010】
図1を参照して説明したように、交流電源Vacの交流LEDへの印加時、交流電源Vacの正の半周期または負の半周期に応じて、交流電源Vacに対して順方向に接続される発光ダイオードの夫々の順方向しきい値電圧の和より大きい電圧が印加される場合に電流が流れる。このような特性は、図2の電圧及び電流のグラフに詳細に示されている。勿論、発光装置が一つの交流LED(12または14)を含む場合にも、このような電圧及び電流の特性は類似に示される。さらに、図1では二つの交流LED12、14が例示されているが、三つ以上の交流LEDを有する発光装置も図2と類似の電圧及び電流の特性を示す。
【0011】
このように、印加される交流電圧の大きさが順方向しきい値電圧の和以上である場合にのみ動作する交流LED12、14の動作特性は、いくつかの問題を引き起こす。即ち、交流LED12、14に印加される交流電源Vacが電圧に対して順方向に接続される発光ダイオードの順方向しきい値電圧以上である場合に突然電流が流れて動作する特性、及び交流電源が印加される一周期の交流LEDの動作区間が短いため、全高調波歪み(total harmonic distortion:THD)が増加し、フリッカ(flicker)現象が過多に発生し、光効率が低下するという問題点がある。
【0012】
従って、交流電源の印加による交流LEDの動作特性により発生する力率の低下、全高調波歪み、及び過多なフリッカ現象の問題を改善することができる発光装置、またはその駆動回路が強く要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明が解決しようとする課題は、交流電源の交流LEDへの印加時、電圧に対して順方向に接続されるLEDの順方向しきい値電圧の和以上の電圧が印加される場合に突然電流が流れて交流LEDが動作する特性、及び交流電源が印加される一周期の交流LEDの動作区間が短いという特性により発生する、力率の減少、全高調波歪みの増加、過多なフリッカ現象の問題点を改善することができる発光装置及びその駆動回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するための本発明の一実施形態による発光装置は、互いに直列に接続されて、それぞれ少なくとも一つの発光ダイオードを含む第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットと、前記第1の発光ユニットには並列に接続され、前記第2の発光ユニットには直列に接続されるPTFユニットと、を含む。
【0015】
好ましくは、前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットのうち何れか一方、または両方は、逆並列に接続された二つの発光ダイオードを含んでもよい。
【0016】
好ましくは、前記PTFユニットは、交流電源の印加時、前記第1の発光ユニットが動作する前に前記第2の発光ユニットが動作させてもよい。
【0017】
好ましくは、前記第1の発光ユニットは互いに逆並列接続された第1の発光ダイオード及び第2の発光ダイオードを含み、前記第2の発光ユニットは互いに逆並列接続された第3の発光ダイオード及び第4の発光ダイオードを含んでもよく、前記第1の発光ダイオード及び前記第3の発光ダイオードは前記交流電源の正の半周期区間で動作し、前記第2の発光ダイオード及び前記第4の発光ダイオードは前記交流電源の負の半周期区間で動作して、前記交流電源の正の半周期区間で前記第1の発光ダイオードが動作する前に前記第3の発光ダイオードが動作し、前記交流電源の負の半周期区間で前記第2の発光ダイオードが動作する前に前記第4の発光ダイオードが動作する。
【0018】
好ましくは、前記発光装置は、前記発光装置と前記交流電源との間に接続される整流部をさらに含んでもよい。
【0019】
好ましくは、前記PTFユニットは、前記交流電源の印加時、前記第1の発光ユニットが動作する前に前記第2の発光ユニットが動作させてもよい。
【0020】
好ましくは、前記PTFユニットはキャパシタを含んでもよい。
【0021】
本発明の他の態様による発光装置は、順方向に直列接続された少なくとも二つの発光ダイオードを夫々含み、互いに逆並列接続された第1及び第2の発光ユニットと、前記第1の発光ユニットの一部の発光ダイオードに並列接続された第1のPTFユニットと、前記第2の発光ユニットの一部の発光ダイオードに並列接続された第2のPTFユニットと、を含む。
【0022】
好ましくは、前記第1のPTFユニット及び第2のPTFユニットは、交流電源の印加時、前記第1のPTFユニットが並列接続された一部の発光ダイオードまたは前記第2のPTFユニットが並列接続された一部の発光ダイオードを動作させる前に、前記第1のPTFユニットが並列接続された一部の発光ダイオード以外の前記第1の発光ユニットの発光ダイオードまたは前記第2のPTFユニットが並列接続された一部の発光ダイオード以外の前記第2の発光ユニットの発光ダイオードを動作させる。
【0023】
本発明のさらに他の態様による発光装置は、少なくとも一つの発光ダイオードを含む第1の発光ユニットを少なくとも一つ含む第1の発光グループと、少なくとも一つの発光ダイオードを含む第2の発光ユニットを少なくとも一つ含む第2の発光グループと、前記第1の発光グループには並列に接続され、前記第2の発光グループには直列に接続される少なくとも一つのPTFユニットと、を含む。
【0024】
好ましくは、前記PTFユニットは、電源の印加時、前記第1の発光グループが動作する前に前記第2の発光グループが動作させてもよい。
【0025】
好ましくは、前記第1の発光グループが少なくとも二つの第1の発光ユニットを含む場合、前記第1の発光ユニットは互いに並列接続され、前記PTFユニットは前記第1の発光ユニットに共通に並列接続される。
【0026】
好ましくは、前記第1の発光グループが少なくとも二つの第1の発光ユニットを含み、前記第2の発光グループが少なくとも二つの第2の発光ユニットを含み、前記第1の発光ユニット夫々は前記第2の発光ユニット夫々に一つずつ対応して互いに直列に接続され、前記PTFユニットは前記第1の発光ユニット夫々に並列に接続されてもよい。
【0027】
好ましくは、前記第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうち何れか一方または両方が少なくとも二つの発光ダイオードを含む場合、前記少なくとも二つの発光ダイオードは、互いに順方向の直列接続、並列接続、逆並列接続、及び直列または並列接続の組み合わせのうち何れか一つの接続関係により互いに接続される。
【0028】
好ましくは、前記第1の発光グループまたは前記第2の発光グループは、単一基板上にモノリシックに集積されてもよい。
【0029】
好ましくは、前記第1の発光ユニット夫々または前記第2の発光ユニット夫々は、個別パッケージに形成されてもよい。
【0030】
好ましくは、前記第1の発光ユニットの発光ダイオードの夫々または前記第2の発光ユニットの発光ダイオードの夫々は、個別パッケージに形成されてもよい。
【0031】
好ましくは、前記第1の発光グループまたは前記第2の発光グループは一つのパッケージに形成され、一つのパッケージに形成された前記第1の発光グループ内の発光ダイオードまたは前記第2の発光グループ内の発光ダイオード夫々は、個別パッケージに形成されてもよい。
【0032】
好ましくは、前記第1の発光ユニットは、第1乃至第4のノードを介して互いに接続された第1の発光ダイオード乃至第4の発光ダイオードを含んでもよく、前記第1の発光ダイオードは前記第1のノードから前記第3のノードの方向に順方向に接続され、前記第2の発光ダイオードは第4のノードから前記第1のノードの方向に順方向に接続され、前記第3の発光ダイオードは前記第2のノードから前記第3のノードの方向に順方向に接続され、前記第4の発光ダイオードは前記第4のノードから前記第2のノードの方向に順方向に接続されて、前記第3のノードは前記第4のノードと電気的に接続される。
【0033】
好ましくは、前記発光装置は、前記第3のノードと前記第4のノードとの間に前記第3のノードから前記第4のノードの方向に順方向に接続される第5の発光ダイオードをさらに含んでもよい。
【0034】
本発明のさらに別の態様による駆動回路は、少なくとも一つの発光ダイオードをそれぞれ有する第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットが第1のノードを介して直列に接続される発光装置を交流電源で駆動し、前記第1の発光ユニットには並列に接続され、前記第2の発光ユニットには直列に接続されるPTFユニットを含む。
【0035】
好ましくは、前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットのうち何れか一方または両方は、互いに逆並列接続された二つの発光ダイオードを含んでもよい。
【0036】
好ましくは、前記PTFユニットは、前記交流電源の印加時、前記第1の発光ユニットが動作する前に前記第2の発光ユニットが動作させてもよい。
【0037】
好ましくは、前記PTFユニットはキャパシタを含んでもよい。
【0038】
好ましくは、前記発光装置は、前記第1の発光ユニット及び前記PTFユニットに第2のノードを介して直列接続される抵抗素子をさらに含んでもよく、前記第1の発光ユニットは前記PTFユニットに前記第1のノードと前記第2のノードとの間で並列接続されてもよい。
【0039】
好ましくは、前記発光装置は、前記交流電源と前記第1の発光ユニットとの間で前記第1の発光ユニットと直列接続される抵抗素子をさらに含んでもよく、前記PTFユニットは、前記抵抗素子と前記第1の発光ユニットとに並列接続されてもよい。
【0040】
好ましくは、前記第1の発光ユニットは互いに逆並列接続された第1の発光ダイオード及び第2の発光ダイオードを含み、前記第2の発光ユニットは互いに逆並列接続された第3の発光ダイオード及び第4の発光ダイオードを含んでもよく、前記第1の発光ダイオード及び前記第3の発光ダイオードは前記交流電源の正の半周期区間で動作し、前記第2の発光ダイオード及び前記第4の発光ダイオードは前記交流電源の負の半周期区間で動作し、前記交流電源の正の半周期区間において前記第1の発光ダイオードが動作する前に前記第3の発光ダイオードが動作し、前記交流電源の負の半周期区間において前記第2の発光ダイオードが動作する前に前記第4の発光ダイオードが動作する。
【0041】
好ましくは、前記発光装置は、前記発光装置と前記交流電源との間に接続された整流部をさらに含んでもよい。
【0042】
好ましくは、前記PTFユニットは、前記交流電源の印加時、前記第1の発光ユニットが動作する前に前記第2の発光ユニットを動作させてもよい。
【0043】
本発明のさらに別の態様による駆動回路は、少なくとも一つの発光ダイオードをそれぞれ有する第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットが第1のノードを介して互いに直列接続される発光装置を交流電源で駆動し、第2のノードを介して前記第1の発光ユニットに直列接続される第1の抵抗素子と、第3のノードと前記第1のノードとの間で、前記第1の発光ユニットと前記第1の抵抗素子とに並列接続されるキャパシタと、前記第3のノードと前記第1のノードとの間で、前記キャパシタに直列接続される第2の抵抗素子と、を含む。
【0044】
好ましくは、前記第2の抵抗素子は、前記キャパシタの充電/放電時間を調節する役割と、ノイズ及び電磁気干渉を低減する役割をしてもよい。
【0045】
好ましくは、前記駆動回路は、前記交流電源と前記発光装置との間に直列接続されるサーミスタ素子をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0046】
本発明の実施形態によると、発光装置及びその駆動回路は、交流LEDの動作特性、即ち、交流LEDに印加され交流電源が電圧に対して順方向に接続されるLEDの順方向しきい値電圧以上である場合に突然電流が流れて動作する特性と、印加される交流電源の一周期において交流LEDの動作区間が短いという特性とに起因する力率の減少、重度の全高調波歪み、過多なフリッカ現象などといった問題を解決することができる。さらに、本実施形態による発光装置は、ピーク電流及び全高調波歪みを減少させて、力率を改善し、光効率も改善するという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】従来の交流LEDの等価回路図である。
【図2】図1の交流LEDの電圧及び電流の特性を示すグラフである。
【図3】本発明の実施形態による発光装置またはその駆動回路のブロック図である。
【図4】本発明の実施形態による発光装置またはその駆動回路のブロック図である。
【図5】本発明の実施形態による発光装置またはその駆動回路のブロック図である。
【図6】図3乃至図5の発光装置またはその駆動回路の電圧及び電流の特性を示すグラフである。
【図7】図4に示す発光装置またはその駆動回路の等価回路図である。
【図8】交流電源の印加時、正の半周期での発光装置の動作を説明するための等価回路図である。
【図9】交流電源の印加時、正の半周期での発光装置の動作を説明するための等価回路である。
【図10】図8及び図9に対応する電圧及び電流のグラフである。
【図11】交流電源の印加時、負の半周期での発光装置の動作を説明するための等価回路図である。
【図12】交流電源の印加時、負の半周期での発光装置の動作を説明するための等価回路図である。
【図13】図11及び図12に対応する電圧及び電流のグラフである。
【図14】図8乃至図13で説明した交流電源の正の半周期及び負の半周期を両方組み合わせることによって得られた交流電源の一周期内での電圧及び電流のグラフである。
【図15】発光装置が低周波フィルタの役割を行う抵抗素子を備える図5に対応する発光装置またはその駆動回路の等価回路図である。
【図16】本発明の別の実施形態による発光装置またはその駆動回路の等価回路図である。
【図17】図16に対応する電圧及び電流のグラフである。
【図18】本発明のさらなる実施形態による発光装置またはその駆動回路の等価回路図である。
【図19】本発明のさらに他の実施形態による発光装置またはその駆動回路のブロック図である。
【図20】本発明のさらに他の実施形態による発光装置またはその駆動回路のブロック図である。
【図21】本発明の一実施形態による発光ユニットの一例を示す等価回路図である。
【図22】本発明の一実施形態による発光ユニットの一例を示す等価回路図である。
【図23】本発明の一実施形態による発光ユニットの多様な例を示す等価回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明及び図面は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が、本発明を理解できるようにするために例示されたものに過ぎず、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【0049】
図3乃至図5は、本発明の実施形態による発光装置またはその駆動回路のブロック図である。
【0050】
図3を参照すると、発光装置は、第1の発光ユニット32と、第2の発光ユニット34と、PTFユニット36と、を含む。第1の発光ユニット32及び第2の発光ユニット34は、それぞれ、互いに逆並列接続された少なくとも二つの発光ダイオードを含む。PTFユニット36は、第1の発光ユニット32には並列接続され、第2の発光ユニット34には直列接続されて、電源入力端IN1、IN2に交流電源が印加される場合、第1の発光ユニット32が動作する前に第2の発光ユニット34が動作させるように機能する。
【0051】
PTFユニット36は、例えば、抵抗素子、キャパシタ、及びインダクタなどの多様な素子を含んでもよい。即ち、PTFユニット36は、交流電源が印加時に、第1の発光ユニット32が動作する前に第2の発光ユニット34が動作させるように機能するものであれば、多様な素子を含んでもよい。
【0052】
例えば、第1の発光ユニット32が二つのLEDが互いに逆並列接続された交流LEDであり、第2の発光ユニット34も二つのLEDが互いに逆並列接続された別の交流LEDであれば、第1の発光ユニット32の動作は、交流LEDの二つのLEDのうち順方向に接続されたLEDの動作を意味する。
【0053】
言い換えると、印加される交流電源に対して順方向に接続される第1の発光ユニット32内のLEDが動作する前(即ち、順方向電圧の大きさが、第1の発光ユニット32内のLEDの順方向しきい値電圧より小さく、第2の発光ユニット34内のLEDの順方向しきい値電圧よりは大きい場合)には、電流がノードN34、PTFユニット36、ノードN32、第2の発光ユニット34及びノードN36の経路に流れる。一方、PTFユニット36がない場合、発光装置は、第1の発光ユニット32内のLEDの順方向しきい値電圧と第2の発光ユニット34内のLEDの順方向しきい値電圧との和より大きな電圧が印加される場合にのみ動作するということは、既に説明したとおりである。
【0054】
PTFユニット36がない発光装置に比べて、本実施形態による発光装置の動作期間は遥かに長くなり、第1の発光ユニット32及び第2の発光ユニット34において、交流電源の正の半周期または負の半周期による交流電源に対して順方向に接続されるLEDの順方向しきい値電圧の和より大きな電圧が印加される場合に突然電流が流れるという問題点も解消することができる。従って、本実施形態の発光装置は、力率(Power Factor)を改善し、全高調波歪み(Total Harmonics Distortion)を低減し、フリッカ(Fliker)現象を低減する。PTFユニットは、力率、全高調波歪み、フリッカ現象の改善に係わるため、PTFユニットはこれらの改善に由来する略語である。
【0055】
図3では、PTFユニット36が第1の発光ユニット32に並列に接続された場合を例示しているが、PTFユニット36が第2の発光ユニット34に並列に接続された場合にも、同様の機能を実行することが理解される。さらに、夫々の発光ユニットは、LED単一素子の逆並列接続で構成されてもよく、二つのLEDの逆並列接続の組み合わせが一つのパッケージに形成されたものであってもよい。或いは、PTFユニット36を含む発光ユニット全体は、一つのパッケージに形成されてもよい。
【0056】
また、本実施形態では、1つの第1の発光ユニット32及び1つの第2の発光ユニット34を備える発光装置を例示したが、第1の発光ユニット32及び第2の発光ユニット34夫々には、少なくとも一つの第3の発光ユニットが並列に接続されてもよい。さらに、第1の発光ユニット32、PTFユニット36、及び第2の発光ユニット34をそれぞれ含む複数の発光装置が互いに連続して並列に接続されてもよい。
【0057】
さらに、第1の発光ユニット32及び第2の発光ユニット34夫々に、少なくとも一つの第3の発光ユニットが直列に接続されてもよく、或いは、上記のように、少なくとも一つの第4の発光ユニットが並列に接続された第1の発光ユニット32及び第2の発光ユニット34夫々に、少なくとも一つの第3の発光ユニットが直列に接続されてもよい。
【0058】
さらに、PTFユニット36が発光ユニットに並列に接続される位置は変更されてもよく、PTFユニット36に並列に接続される発光ユニットの数も変更されてもよい。
【0059】
したがって、直列接続及び/または並列接続によって要素を付加する様々な方法を介して、本発明の実施形態による発光装置に多様な要素を付加することにより様々な変更が可能であることは明らかであり、このような変更も本発明の範囲内に属する。
【0060】
図4を参照すると、抵抗素子48が入力端IN1とIN2との間に印加される交流電源とノードN44との間に接続され、抵抗素子48、並列接続された第1の発光ユニット42とPTFユニット46、及び第2の発光ユニット44が直列接続された形態である。
【0061】
図3と同様に、PTFユニット46と第1の発光ユニット42及び第2の発光ユニット44との相互接続関係を説明すると、PTFユニット46は、第1の発光ユニット42には並列接続され、第2の発光ユニット44には直列接続されて、交流電源が発光装置に印加される場合、第1の発光ユニット42が動作する前に第2の発光ユニット44を動作させる。抵抗素子48は、第1の発光ユニット42及び/または第2の発光ユニット44の動作時に、電流の大きさを決める役割をする。
【0062】
図4では、抵抗素子48が交流電源と第1の発光ユニット42との間に接続された場合が例示されているが、交流電源の入力端のうち入力端IN2と第2の発光ユニット44との間に直列に接続されてもよい。
【0063】
図5では、抵抗素子58と第1の発光ユニット52が直列接続され、抵抗素子58と第1の発光ユニット52とがPTFユニット56と並列接続されている。図4の場合と同様に、PTFユニット56は、交流電源が発光装置に印加される場合、第1の発光ユニット52が動作する前に第2の発光ユニット54を動作させる。また、抵抗素子58は、第1の発光ユニット52及び/または第2の発光ユニット54の動作時に、電流の大きさを決定する。さらに、図4の場合と同様に、抵抗素子58は、交流電源の入力端のうち入力端IN2と第2の発光ユニット54との間に直列に接続されてもよい。
【0064】
図6は、図3乃至図5に示した発光装置またはその駆動回路の電圧及び電流の特性を示すグラフである。図2及び図6を参照すると、PTFユニット36、46、56がない従来の発光装置よりも、本発明の実施形態による発光装置の動作区間が広くなることが分かる。即ち、図6の電流グラフi10に示すように、第1の発光ユニット32、42、52が動作する前に第2の発光ユニット34、44、54が動作するため、PTFユニット36、46、56がない従来の発光装置が動作していなかった区間においても本発明の実施形態による発光装置は動作する。そのため、本発明の実施形態による発光装置は、より広い動作区間を有し、低い電圧で予めオンされているため、フリッカ現象及び全高調波歪みの顕著な低減を可能にする。
【0065】
図3において、第1の発光ユニット32及び第2の発光ユニット34を構成する交流LEDの数は同一であってもよく、異なっていてもよい。第1の発光ユニット42、52及び第2の発光ユニット44、54も、同じ数の交流LEDで構成されてもよく異なる数の交流LEDで構成されてもよい。第1の発光ユニット32、42、52を構成する交流LEDの数と第2の発光ユニット34、44、54を構成する交流LEDの数とが異なる場合には、第2の発光ユニット34、44、54の動作時間及び第1の発光ユニット32、42、52の動作時間に影響を及ぼす。そのため、発光装置の所望の設計に応じて、交流LEDの数を適宜決定することが好ましい。さらに、上述したように、交流電源または交流LEDを構成する発光ダイオードの順方向しきい値電圧を考慮して、要素間の多様な形態の直列/並列接続、個々の発光ダイオードの接続により得られる多様な形態の発光ユニット、、及び一つのチップ内における発光ダイオードの多様な配置が適用されてもよい。
【0066】
図7は図4に示す発光装置またはその駆動回路の等価回路図である。図7を参照すると、PTFユニット46はキャパシタC41を含んでおり、第1の発光ユニット42及び第2の発光ユニット44は、夫々二つの発光ダイオードを含んでいる。第1の発光ユニット42は、第1のノードN42を介して第2の発光ユニット44に直列接続されており、とキャパシタC41に並列接続されている。ここで、第1の発光ユニット42及びキャパシタC41には、抵抗素子48が第2のノードN44を介して直列接続されている。即ち、第1のノードN42と第2のノードN44との間で第1の発光ユニット42とキャパシタC41とが並列接続されている。また、キャパシタC41、第1の発光ユニット42及び第2の発光ユニット44の間の接続関係を説明すると、キャパシタC41は、第1の発光ユニット42とは並列接続されており、第2の発光ユニット44とは直列接続されている。
【0067】
第1の発光ユニット42は互いに逆並列接続された第1の発光ダイオードD41及び第2の発光ダイオードD42を含み、第2の発光ユニット44は互いに逆並列接続された第3の発光ダイオードD43及び第4の発光ダイオードD44を含む。図7に図示された第1の発光ユニット42及び第2の発光ユニット44は、夫々もっとも基本的な交流LEDを例示しているに過ぎず、第1の発光ユニット42及び第2の発光ユニット44は、それぞれ一つの交流LEDを含んでいてもよく、より多くの数の交流LEDを含んでいてもよいということは上述のとおりである。さらに、一つの交流LED(例えば、42)も、交流電源の印加によって動作できる特性を有するものであれば、二つ以上の発光ダイオードを含んでもよい。
【0068】
交流電源Vacの印加時、第1の発光ダイオードD41及び第3の発光ダイオードD43は交流電源の正の半周期区間で動作し、第2の発光ダイオードD42及び第4の発光ダイオードD44は交流電源の負の半周期区間で動作する。交流電源Vacの正の半周期区間では第1の発光ダイオードD41が動作する前に第3の発光ダイオードD43が動作し、交流電源Vacの負の半周期区間では第2の発光ダイオードD42が動作する前に第4の発光ダイオードD44が動作する。
【0069】
図7では、一つのキャパシタC41がPTFユニット46として示されているが、PTFユニットは、抵抗素子やインダクタ、または抵抗素子、キャパシタなどの多様な素子の接続ユニットであってもよい。
【0070】
一実施形態によると、発光装置の駆動回路は、交流電源Vacと発光装置40との間に直列接続されるサーミスタ(thermistor)素子R44をさらに含んでもよい。サーミスタ素子は、一般的に、温度が高くなると抵抗値が小さくなる負温度係数の特性を有するNTC(Negative Temperature Coefficient thermistor)サーミスタと、温度が高くなると抵抗値が大きくなる正温度係数の特性を有するPTC(Positive Temperature Coefficient thermistor)サーミスタとに分類されることができるが、本実施形態では、発光装置40の温度が高くなる場合、発光装置40への供給電流を減少させるPTCサーミスタを用いることが好ましい。
【0071】
また、発光装置40の動作時、電流の大きさを決めるための抵抗素子48及び抵抗素子R43の数は、説明の便宜上、二つの抵抗素子R41、R42及び一つの抵抗素子R43で示したが、抵抗素子の数と抵抗の大きさ、及び抵抗素子間の接続形態などは、発光装置40内の発光ダイオードの数及び定格電力などを考慮して、必要に応じて多様に設計されることができる。さらに、抵抗素子R43はサーミスタ素子R44と並列接続された形態が示されているが、本発明による発光装置の駆動回路はこのような形態に限定されず、多様な形態に変形されてもよい。
【0072】
図8乃至図13は、図7の発光装置またはその駆動回路の動作を説明するための等価回路図及びグラフであり、特に、図8及び図9は交流電源Vacの印加時の正の半周期での発光装置の動作を説明するための等価回路図であり、図10は図8及び図9に対応する電圧及び電流のグラフであり、図11及び図12は交流電源Vacの印加時の負の半周期での発光装置の動作を説明するための等価回路図であり、図13は図11及び図12に対応する電圧及び電流のグラフである。
【0073】
図8を参照すると、交流電源Vacの正の半周期で、電圧の大きさが第1の発光ダイオードD41及び第3の発光ダイオードD43の順方向しきい値電圧の和より小さい場合には、第3の発光ダイオードD43のみが動作する。即ち、電流が矢印A1及びA2で示す経路に沿って流れる。ここで、交流電源Vacの正の半周期で、電圧の大きさが0Vから第3の発光ダイオードD43の順方向しきい値電圧より小さい範囲である場合には、キャパシタC41の影響により、電圧の大きさが第3の発光ダイオードD43の順方向電圧より小さい場合にも矢印A1及びA2で示す経路に沿って電流が流れる(これは、後に説明する交流電源Vacの負の半周期を考慮し、キャパシタC41の動作特性のうち電流の位相の進み現象を考慮することにより理解することができる)。
【0074】
次に、電圧の大きさが増加して第1の発光ダイオードD41及び第3の発光ダイオードD43の順方向しきい値電圧の和より大きくなる場合には、矢印A3及びA4で示す経路に沿って電流が流れる。これにより、第1の発光ダイオードD41及び第3の発光ダイオードD43がともに動作する。
【0075】
即ち、交流電源Vacの正の半周期において、矢印A1及びA2で示す経路に沿って流れる電流は、第1の発光ダイオードD41がオンされる時点で遮断され、矢印A3及びA4で示す経路に沿って電流が流れるようになる。
【0076】
交流電源Vacの正の半周期全体を考慮すると、第1の発光ダイオードD41が動作する前に第3の発光ダイオードD43が先にオンされて動作し(図8のA1及びA2に沿った電流経路)、以後に第1の発光ダイオードD41及び第3の発光ダイオードD43がともに動作するようになる。
【0077】
図10は、図8及び図9に対応する交流電源Vacの正の半周期区間の電圧g1と電流g2のグラフである。図10に示されるように、第3の発光ダイオードD43が第1の発光ダイオードD41よりも先に動作し、その後に第1の発光ダイオードD41及び第3の発光ダイオードD43がともに動作するようになる。
【0078】
次に、図11を参照すると、交流電源Vacの負の半周期で、電圧の大きさが第2の発光ダイオードD42及び第4の発光ダイオードD44の順方向しきい値電圧の和より小さい場合には、第4の発光ダイオードD44のみが動作する。即ち、矢印A5及びA6で示す経路に沿って電流が流れる。ここで、交流電源Vacの負の半周期で、電圧の大きさが0Vから第4の発光ダイオードD44の順方向しきい値電圧より小さい範囲である場合には、キャパシタC41の影響により、電圧の大きさが第4の発光ダイオードD44の順方向電圧より小さい場合にも、矢印A5及びA6で示す経路に沿って発光装置に電流が流れる。これは、キャパシタC41の動作特性のうち電流の位相の進み現象、即ち、電流の位相が電圧の位相より進む特性を考慮することによって、理解することができる。
【0079】
次に、電圧の大きさが増加して第2の発光ダイオードD42及び第4の発光ダイオードD44の順方向しきい値電圧の和より大きくなる場合には、矢印A7及びA8で示す経路に沿って電流が流れる。これにより、第2の発光ダイオードD42及び第4の発光ダイオードD44がともに動作するようになる。
【0080】
即ち、交流電源Vacの負の半周期では、第4の発光ダイオードD44からキャパシタC41に沿って流れる電流は、第2の発光ダイオードD42がオンされる時点で遮断され、第4の発光ダイオードD44及び第2の発光ダイオードD42を介して電流が流れるようになる。
【0081】
以後、交流電圧の負の半周期の後に続く新しい正の半周期には、図8乃至図10を参照して説明した動作と同じ動作が繰り返される。
【0082】
図13は、図11及び図12に対応する交流電源Vacの負の半周期区間の電圧g3及び電流g4のグラフである。図13に示されるように、第4の発光ダイオードD44が第2の発光ダイオードD42よりも先に動作し、その後に第2の発光ダイオードD42及び第4の発光ダイオードD44がともに動作するようになる。
【0083】
図14は、図8乃至図13を参照して説明した交流電源Vacの正の半周期及び負の半周期を両方組み合わせた交流電源Vacの一周期内での電圧g5及び電流g6のグラフである。
【0084】
交流電源Vacの一周期全体を考慮すると、正の半周期では、第1の発光ダイオードD41が動作する前に第3の発光ダイオードD43が先に動作し、その後に第1の発光ダイオードD41及び第3の発光ダイオードD43がともに動作し、負の半周期では、第2の発光ダイオードD42が動作する前に第4の発光ダイオードD44が先に動作し、その後に第2の発光ダイオードD42及び第4の発光ダイオードD44がともに動作するようになる。
【0085】
これにより、図1及び図2に示したようなPTFユニットがない従来の発光装置と比較すると、本発明の実施形態による発光装置またはその駆動回路は、動作区間が広くなる。そのため、本実施形態による発光装置は、フリッカ現象を減少させ、従来の発光装置において、順方向に接続される二つの発光ダイオードのしきい値電圧の和以上の電圧が印加される場合に発生していた発光装置が突然動作する現象を減少させる。さらに、本実施形態による発光装置は、ピーク電流及び全高調波歪みを減少させて、力率を改善し、光効率も改善するという利点を有する。
【0086】
以上の実施の形態は、本発明の特徴を効果的に示すために、定性的分析に基づいて述べられたものであることを理解するべきである。即ち、本発明の実施形態による発光装置またはその駆動回路において、具体的なキャパシタの容量や抵抗素子の抵抗値、及び交流LEDの数や負荷などの詳細な条件を考慮して、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットの動作時点に多少の差があり得ることを理解すべきである。
【0087】
図15は、図5に示す発光装置に対応する発光装置またはその駆動回路の等価回路図であり、前記発光装置は低周波フィルタの役割を実行する抵抗素子を備える。図15を参照すると、第1の発光ユニット52、第2の発光ユニット54、キャパシタC51、第1の抵抗素子58及び第2の抵抗素子Rcが示されている。
【0088】
第1の発光ユニット52及び第2の発光ユニット54が第1のノードN52を介して直列接続されて発光装置50を構成している。発光装置50に交流電源Vacを印加して発光装置を駆動する駆動回路は、第1の抵抗素子58、キャパシタC51及び第2の抵抗素子Rcを含む。
【0089】
第1の抵抗素子58は、第2のノードN54を介して第1の発光ユニット52に直列接続され、発光装置50の動作時において電流の大きさを決める。キャパシタC51は、第3のノード58と第1のノードN52との間で、第1の発光ユニット52及び第1の抵抗素子58に並列接続される。キャパシタC51は、図5を参照したPTF素子56についての説明で既に説明したとおりである。
【0090】
第2の抵抗素子Rcは、第3のノード58と第1のノードN52との間でキャパシタC51に直列接続される。第3のノード58から第1のノードN52の方向を見ると、第2の抵抗素子Rc、キャパシタC51の順に直列接続された形態が例示されているが、第2の抵抗素子Rc、キャパシタC51の直列接続の順序が逆になっても同様に機能することは理解されるべきである。また、この実施形態では、第2の抵抗素子Rcが一つの抵抗素子として示されているが、第2の抵抗素子の数や接続は特に制限されない。
【0091】
このような第2の抵抗素子Rcは、キャパシタC51の充電/放電時間を調節するとともに、電磁気干渉またはノイズに起因する高周波を遮断する低周波フィルタとしての役割を実行することができる。
【0092】
さらに、交流電源Vacと発光装置50との間にはサーミスタ素子R54が直列に接続されてもよく、このようなサーミスタ素子の機能については上述したとおりである。本実施形態の発光装置の基本的な動作は、図8乃至図13を参照して説明した発光装置の動作と実質的に同一であるため、重複する説明は省略する。
【0093】
図16は、本発明の他の実施形態による発光装置またはその駆動回路の等価回路図である。図16を参照すると、発光装置またはその駆動回路は、整流部68と、第1の発光ユニットD61と、第2の発光ユニットD62と、PTFユニット66と、を含む。
【0094】
本実施形態において、整流部68は、四つの整流ダイオードを用いたブリッジ整流回路として示したが、多様な形態を有する整流回路を用いることができる。
【0095】
さらに、第1の発光ユニットD61及び第2の発光ユニットD62は、それぞれ一つの発光ダイオードを含むものとして示したが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、第1の発光ユニットD61及び第2の発光ユニットD62は、それぞれ順方向に互いに直列/並列接続される複数の発光ダイオードを含んでもよい。
【0096】
図17は、図16に対応する電圧及び電流のグラフである。図17の電流グラフi20から分かるように、PTFユニット66がない発光装置(図2の正の半周期部分の電流グラフi1参照)よりも、発光装置の動作が遥かに早くなったことが分かる。
【0097】
図18は、本発明のさらに他の実施形態による発光装置またはその駆動回路の等価回路図である。図18を参照すると、第1の発光ユニットD71、D73、第2の発光ユニットD72、D74、第1のPTFユニット76a、及び第2のPTFユニット76bが示されている。
【0098】
第1の発光ユニットD71、D73及び第2の発光ユニットD72、D74は、順方向に直列接続される少なくとも二つの発光ダイオードをそれぞれ含む。図18には、夫々の発光ユニットが順方向に直列接続された二つの発光ダイオードを含むものとして示されているが、前述の実施形態と同様に、各発光ユニットは順方向に直列接続された複数の発光ダイオードを含んでもよい。
【0099】
第1のPTFユニット76aは第1の発光ユニットD71、D73の何れか一つの発光ダイオードに並列接続され、第2のPTFユニット76bは第2の発光ユニットD72、D74の何れか一つの発光ダイオードに並列接続される。第1のPTFユニット76a及び第2のPTFユニット76bは、上述したように、抵抗素子、キャパシタ、インダクタなどの多様な素子をそれぞれ含んでもよい。第1のPTFユニット76aは第1の発光ユニットの発光ダイオードD71が動作する前に発光ダイオードD73を動作させるようにし、第2のPTFユニット76bは第2の発光ユニットの発光ダイオードD74が動作する前に発光ダイオードD72を動作させるようにする。
【0100】
図3乃至図18において、発光装置またはその駆動回路を明確に区別して説明しておらず、ある場合には、発光装置は発光ユニットのみ含むものとして説明した。例えば、図3において、第1の発光ユニット32、第2の発光ユニット34及びPTFユニット36全てを含むものが発光装置であるとみなすことができ、発光ユニットの直列接続30のみが発光装置であるとみなすこともできる。後者の場合、PTFユニット36を含む残りの部分(例えば、図7の抵抗素子48、R47などを含む)が発光装置の駆動回路であるとみなすこともできるため、発光装置またはその駆動回路を明確に区別して説明していない。
【0101】
図19及び図20は、本発明のさらに他の実施形態による発光装置またはその駆動回路のブロック図である。まず、図19を参照すると、発光装置は、少なくとも一つの発光ダイオードをそれぞれ含む第1の発光ユニット1921、…、192nを一つ以上含む第1の発光グループ191と、少なくとも一つの発光ダイオードをそれぞれ含む第2の発光ユニット1941、…、194nを一つ以上含む第2の発光グループ193と、前記第1の発光グループ191には並列接続され、前記第2の発光グループ193には直列接続されるPTFユニット196と、を含む。PTFユニット196は、入力端IN1、IN2を介して交流電源が印加される場合、第1の発光グループ191が動作する前に第2の発光グループ193を動作させるようにする。
【0102】
第1の発光グループ191が一つの第1の発光ユニット(例えば1921)を含む場合、第1の発光グループ191が第1の発光ユニット1921になり、この構成は、図3における実施形態と同様である。これは、第2の発光グループ193の場合にも同様である。そのため、本実施形態においては、第1の発光グループ191が二つ以上の発光ユニット1921、…、192nを含み、第2の発光グループ193が二つ以上の発光ユニット1941、…、194nを含む場合について説明する。
【0103】
第1の発光ユニット1921、…、192nは、ノードN194とノードN192との間で互いに並列接続される。PTFユニット196は、ノードN194とノードN192との間に接続され、第1の発光ユニット1921、…、192nに共通に並列接続される。
【0104】
同様に、第2の発光ユニット1941、…、194nも互いに並列接続される。
【0105】
これにより、上述したように、PTFユニット196は、第1の発光グループ191に並列接続され、第2の発光グループ193に直列接続される。
【0106】
図21乃至図23を参照すると、各第1の発光ユニット1921、…、192n及び各第2の発光ユニット1941、…、194nは、単一の発光ダイオード(図23(a))で構成されてもよく、複数の発光ダイオードの直列接続(図23(b))、並列接続(図23(c))、逆並列接続(図23(d))、逆並列接続の組み合わせ(図23(e))、及び直列または並列接続の組み合わせ(図21、図22)のうち何れか一つから選択されてもよいが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0107】
第1の発光グループ191及び第2の発光グループ193は、多様な方式で実現されてもよい。例えば、第1の発光グループ191または第2の発光グループ193は、単一基板上にモノリシック(monolithic)集積回路工程により単一パッケージに形成されてもよい。これと異なり、各第1の発光ユニット1921、…、192nまたは各第2の発光ユニット1941、…、194nは、個別(separate)パッケージに形成されてもよい。また、第1の発光ユニット1921、…、192nの各発光ダイオード(例えば、図21乃至図2に示されたの発光ダイオード)または第2の発光ユニット1941、…、194nの各発光ダイオード(例えば、図21乃至図23に示された発光ダイオード)が、個別パッケージに形成されてもよい。さらに、第1の発光グループ191または第2の発光グループ193が一つのパッケージに形成され、第1の発光グループ191内の各発光ダイオード(例えば、図21乃至図23に示された発光ダイオード)または第2の発光グループ193内の各発光ダイオード(例えば、図21乃至図23に示された発光ダイオード)が、個別パッケージに形成されてもよい。
【0108】
図20を参照すると、第1の発光グループは一つ以上の発光ユニット2021、…、202nを含み、第2の発光グループは一つ以上の発光ユニット2041、…、204nを含む。この場合、第1の発光グループが一つの発光ユニット(例えば、2021)のみを含む場合には、第1の発光グループが第1の発光ユニットになり、この構成は、図3において説明した実施形態と同様である。これは、第2の発光グループの場合にも同様である。そのため、ここでは、第1の発光グループが二つ以上の発光ユニット2021、…、202nを含み、第2の発光グループが二つ以上の発光ユニット2041、…、204nを含む場合について説明する。
【0109】
第1の発光ユニット2021、…、202nと第2の発光ユニット2041、…、204nは、それぞれ、互いに一つずつ対応して互いに直列接続される。即ち、第1の発光グループのうち何れか一つの第1の発光ユニット(例えば、2021)と第2の発光グループのうち何れか一つの第2の発光ユニット(例えば、2041)とが互いに対応して、一つの直列接続形態2001を成す。各第1の発光ユニット2021、…、202nには、PTFユニット2061、…、206nがそれぞれ並列に接続される。
【0110】
本実施形態において、各発光ユニット2021、…、202n、2041、…、204nを構成する発光ダイオードは、図21乃至図23に示されたような多様な形態で接続されてもよい。
【0111】
また、各発光ユニット2021、…、202n、2041、…、204nは個別パッケージに形成されてもよく、対応するPTFユニット2061、…、206nとともに個別パッケージに形成されてもよい。或いは、発光ユニット2021、…、202n、2041、…、204nを構成する各発光ダイオードがそれぞれ個別パッケージに形成されてもよい。
【0112】
図21及び図22は、本発明の一実施形態による発光ユニットの一例を示す等価回路図である。図21を参照すると、第1の発光ユニット210はノードN212を介して第2の発光ユニット211に直列に接続される。
【0113】
第1の発光ユニット210は、第1、2、3、4ノード(N211、N212、N213、N214)を介して互いに接続された第1、2、3、4の発光ダイオード(D211、D212、D213、D214)を含む。
【0114】
第1のノードN211及び第2のノードN212は、第1の発光ユニット210と並列に接続されるPTFユニット(図示せず)が接続されるノードである。また、第2のノードN212は、第2の発光ユニット211が接続されるノードである。
【0115】
第1〜第4のノードN211、N212、N213、N214を介した第1〜第4の発光ダイオードD211、D212、D213、D214間の接続において、第1の発光ダイオードD211は第1のノードN211から第3のノードN213の方向に順方向に接続され、第2の発光ダイオードD212は第4のノードN214から第1のノードN211の方向に順方向に接続され、第3の発光ダイオードD213は第2のノードN212から第3のノードN213の方向に順方向に接続され、第4の発光ダイオードD214は第4のノードN214から第2のノードN212の方向に順方向に接続される。ここで、第3のノードN213は、例えば、電気配線などによって第4のノードN214と電気的に接続される。同様に、第2の発光ユニット211の発光ダイオードも、第1の発光ユニット210の発光ダイオードの接続形態と同様である。
【0116】
図22は、図21のノードN213、N214の間に第5の発光ダイオードD231をさらに含む発光ユニットの一例を示している。即ち、第5の発光ダイオードD231は、第3のノードN223と第4のノードN224との間で、第3のノードN223から第4のノードN224の方向に順方向に接続される。
【0117】
図21及び図22に示した実施形態によると、発光装置は、発光ユニット内の発光ダイオードの接続により、全高調波歪み及びフリッカ現象をより低減し、光効率を改善することができる。
【0118】
図23は本発明の一実施形態による発光ユニットの多様な例を示す等価回路図である。図23(a)は発光ユニットが一つの発光ダイオードからなる例であり、(b)は発光ユニットが互いに直列接続された複数の発光ダイオードを含む例であり、(c)は発光ユニットが互いに並列接続された複数の発光ダイオードを含む例であり、(d)は発光ユニットが互いに逆並列接続された複数の発光ダイオードを含む例であり、(e)は発光ユニットが逆並列接続された複数の発光ダイオードの組み合わせを含む例である。
【0119】
例えば、多様な発光ユニットを含む発光装置に整流回路なしに直接交流電源が印加される場合には、(d)や(e)に示したようなに発光ユニットの発光ダイオードが互いに逆並列接続されることが好ましい。これと異なり、例えば整流回路を介して交流電源が発光装置に印加される場合には、(a)、(b)、(c)に示したように、発光ダイオードが一方向に接続されることが好ましい。
【0120】
上述の説明から明らかなように、本発明の実施形態によると、発光装置及びその駆動回路は、交流LEDの動作特性、即ち、交流LEDに印加され交流電源が電圧に対して順方向に接続されるLEDの順方向しきい値電圧以上である場合に突然電流が流れて動作する特性と、印加される交流電源の一周期において交流LEDの動作区間が短いという特性とに起因する力率の減少、重度の全高調波歪み、過多なフリッカ現象などといった問題を解決することができる。
【0121】
上述したような本発明による発光装置または発光装置の駆動回路は、本発明の範囲を外れない範囲内で多様に設計変更及び改造されることができるため、本発明の権利範囲は、詳細な説明における実施形態に限定されず、添付の請求の範囲によって決定されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの発光ダイオードを各々含み、互いに直列接続される第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットと、
前記第1の発光ユニットには並列接続され、前記第2の発光ユニットには直列接続され、交流電源の印加時、前記第1の発光ユニットが動作する前に前記第2の発光ユニットを動作させるPTFユニットと、
を含む発光装置。
【請求項2】
前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットのうち何れか一方、または両方は、互いに逆並列接続された二つの発光ダイオードを含むことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1の発光ユニットは互いに逆並列接続された第1の発光ダイオード及び第2の発光ダイオードを含み、前記第2の発光ユニットは互いに逆並列接続された第3の発光ダイオード及び第4の発光ダイオードを含み、前記第1の発光ダイオード及び前記第3の発光ダイオードは前記交流電源の正の半周期区間で動作し、前記第2の発光ダイオード及び前記第4の発光ダイオードは前記交流電源の負の半周期区間で動作して、前記交流電源の正の半周期区間で前記第1の発光ダイオードが動作する前に前記第3の発光ダイオードが動作し、前記交流電源の負の半周期区間で前記第2の発光ダイオードが動作する前に前記第4の発光ダイオードが動作することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
順方向に互いに直列接続された少なくとも二つの発光ダイオードを夫々含み、互いに逆並列接続された第1及び第2の発光ユニットと、
前記第1の発光ユニットの一部の発光ダイオードに並列接続された第1のPTFユニットと、
前記第2の発光ユニットの一部の発光ダイオードに並列接続された第2のPTFユニットと、
を含む発光装置。
【請求項5】
前記第1のPTFユニット及び第2のPTFユニットは、交流電源の印加時、前記第1のPTFユニットが並列接続された一部の発光ダイオードまたは前記第2のPTFユニットが並列接続された一部の発光ダイオードが動作する前に、前記第1の発光ユニットの前記第1のPTFユニットが並列接続された一部の発光ダイオード以外の他の発光ダイオードまたは前記第2の発光ユニットの前記第2のPTFユニットが並列接続された一部の発光ダイオード以外の他の発光ダイオードを動作させることを特徴とする請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
少なくとも一つの発光ダイオードを含む第1の発光ユニットを少なくとも一つ含む第1の発光グループと、
少なくとも一つの発光ダイオードを含む第2の発光ユニットを少なくとも一つ含む第2の発光グループと、
前記第1の発光グループには並列接続され、前記第2の発光グループには直列接続されて、電源の印加時、前記第1の発光グループが動作する前に前記第2の発光グループを動作させる少なくとも一つのPTFユニットと、
を含む発光装置。
【請求項7】
前記第1の発光グループが少なくとも二つの第1の発光ユニットを含む場合、前記第1の発光ユニットは互いに並列に接続され、前記PTFユニットは前記第1の発光ユニットに共通に並列接続されることを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記第1の発光グループが少なくとも二つの第1の発光ユニットを含み、前記第2の発光グループが少なくとも二つの第2の発光ユニットを含み、各前記第1の発光ユニットと各前記第2の発光ユニットとは一つずつ対応して互いに直列に接続され、
前記PTFユニットが前記第1の発光ユニット夫々に並列に接続されることを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
【請求項9】
前記第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうち何れか一方または両方が少なくとも二つの発光ダイオードを含む場合、前記少なくも二つの発光ダイオードは、互いに順方向の直列接続、並列接続、逆並列接続、及び直列または並列接続の組み合わせのうち何れか一つの接続形態により互いに接続されることを特徴とする請求項7に記載の発光装置。
【請求項10】
前記第1の発光グループまたは前記第2の発光グループは、単一基板上にモノリシックに集積されることを特徴とする請求項7に記載の発光装置。
【請求項11】
前記各第1の発光ユニットまたは前記各第2の発光ユニットは、それぞれ個別パッケージに形成されることを特徴とする請求項7に記載の発光装置。
【請求項12】
前記第1の発光ユニットの各発光ダイオードまたは前記第2の発光ユニットの各発光ダイオードは、それぞれ個別パッケージに形成されることを特徴とする請求項7に記載の発光装置。
【請求項13】
前記第1の発光グループまたは前記第2の発光グループが一つのパッケージに形成され、且つ前記第1の発光グループの各発光ダイオードまたは前記第2の発光グループの各発光ダイオードは個別パッケージに形成されることを特徴とする請求項7に記載の発光装置。
【請求項14】
前記第1の発光ユニットは、第1乃至第4のノードを介して互いに接続された第1の発光ダイオード乃至第4の発光ダイオードを含み、
前記第1の発光ダイオードは前記第1のノードから前記第3のノードの方向に順方向に接続され、前記第2の発光ダイオードは第4のノードから前記第1のノードの方向に順方向に接続され、前記第3の発光ダイオードは前記第2のノードから前記第3のノードの方向に順方向に接続され、前記第4の発光ダイオードは前記第4のノードから前記第2のノードの方向に順方向に接続されて、前記第3のノードは前記第4のノードに電気的に接続されることを特徴とする請求項7に記載の発光装置。
【請求項15】
前記第3のノードと前記第4のノードとの間に前記第3のノードから前記第4のノードの方向に順方向に接続された第5の発光ダイオードをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の発光装置。
【請求項16】
前記PTFユニットはキャパシタを含むことを特徴とする請求項1、4、6の何れか一つに記載の発光装置。
【請求項17】
第1のノードを介して互いに直列接続され、少なくとも一つの発光ダイオードを各々有する第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットを含む発光装置を交流電源で駆動するための駆動回路であって、
第2のノードを介して前記第1の発光ユニットに直列接続された第1の抵抗素子と、
第3のノードと前記第1のノードとの間で、前記第1の発光ユニットと前記第1の抵抗素子とに並列接続されたキャパシタと、
前記第3のノードと前記第1のノードとの間で、前記キャパシタに直列接続された第2の抵抗素子と、
を含む駆動回路。
【請求項18】
前記交流電源と前記発光装置との間に直列接続されるサーミスタ素子をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の駆動回路。
【請求項1】
少なくとも一つの発光ダイオードを各々含み、互いに直列接続される第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットと、
前記第1の発光ユニットには並列接続され、前記第2の発光ユニットには直列接続され、交流電源の印加時、前記第1の発光ユニットが動作する前に前記第2の発光ユニットを動作させるPTFユニットと、
を含む発光装置。
【請求項2】
前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットのうち何れか一方、または両方は、互いに逆並列接続された二つの発光ダイオードを含むことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1の発光ユニットは互いに逆並列接続された第1の発光ダイオード及び第2の発光ダイオードを含み、前記第2の発光ユニットは互いに逆並列接続された第3の発光ダイオード及び第4の発光ダイオードを含み、前記第1の発光ダイオード及び前記第3の発光ダイオードは前記交流電源の正の半周期区間で動作し、前記第2の発光ダイオード及び前記第4の発光ダイオードは前記交流電源の負の半周期区間で動作して、前記交流電源の正の半周期区間で前記第1の発光ダイオードが動作する前に前記第3の発光ダイオードが動作し、前記交流電源の負の半周期区間で前記第2の発光ダイオードが動作する前に前記第4の発光ダイオードが動作することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
順方向に互いに直列接続された少なくとも二つの発光ダイオードを夫々含み、互いに逆並列接続された第1及び第2の発光ユニットと、
前記第1の発光ユニットの一部の発光ダイオードに並列接続された第1のPTFユニットと、
前記第2の発光ユニットの一部の発光ダイオードに並列接続された第2のPTFユニットと、
を含む発光装置。
【請求項5】
前記第1のPTFユニット及び第2のPTFユニットは、交流電源の印加時、前記第1のPTFユニットが並列接続された一部の発光ダイオードまたは前記第2のPTFユニットが並列接続された一部の発光ダイオードが動作する前に、前記第1の発光ユニットの前記第1のPTFユニットが並列接続された一部の発光ダイオード以外の他の発光ダイオードまたは前記第2の発光ユニットの前記第2のPTFユニットが並列接続された一部の発光ダイオード以外の他の発光ダイオードを動作させることを特徴とする請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
少なくとも一つの発光ダイオードを含む第1の発光ユニットを少なくとも一つ含む第1の発光グループと、
少なくとも一つの発光ダイオードを含む第2の発光ユニットを少なくとも一つ含む第2の発光グループと、
前記第1の発光グループには並列接続され、前記第2の発光グループには直列接続されて、電源の印加時、前記第1の発光グループが動作する前に前記第2の発光グループを動作させる少なくとも一つのPTFユニットと、
を含む発光装置。
【請求項7】
前記第1の発光グループが少なくとも二つの第1の発光ユニットを含む場合、前記第1の発光ユニットは互いに並列に接続され、前記PTFユニットは前記第1の発光ユニットに共通に並列接続されることを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記第1の発光グループが少なくとも二つの第1の発光ユニットを含み、前記第2の発光グループが少なくとも二つの第2の発光ユニットを含み、各前記第1の発光ユニットと各前記第2の発光ユニットとは一つずつ対応して互いに直列に接続され、
前記PTFユニットが前記第1の発光ユニット夫々に並列に接続されることを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
【請求項9】
前記第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうち何れか一方または両方が少なくとも二つの発光ダイオードを含む場合、前記少なくも二つの発光ダイオードは、互いに順方向の直列接続、並列接続、逆並列接続、及び直列または並列接続の組み合わせのうち何れか一つの接続形態により互いに接続されることを特徴とする請求項7に記載の発光装置。
【請求項10】
前記第1の発光グループまたは前記第2の発光グループは、単一基板上にモノリシックに集積されることを特徴とする請求項7に記載の発光装置。
【請求項11】
前記各第1の発光ユニットまたは前記各第2の発光ユニットは、それぞれ個別パッケージに形成されることを特徴とする請求項7に記載の発光装置。
【請求項12】
前記第1の発光ユニットの各発光ダイオードまたは前記第2の発光ユニットの各発光ダイオードは、それぞれ個別パッケージに形成されることを特徴とする請求項7に記載の発光装置。
【請求項13】
前記第1の発光グループまたは前記第2の発光グループが一つのパッケージに形成され、且つ前記第1の発光グループの各発光ダイオードまたは前記第2の発光グループの各発光ダイオードは個別パッケージに形成されることを特徴とする請求項7に記載の発光装置。
【請求項14】
前記第1の発光ユニットは、第1乃至第4のノードを介して互いに接続された第1の発光ダイオード乃至第4の発光ダイオードを含み、
前記第1の発光ダイオードは前記第1のノードから前記第3のノードの方向に順方向に接続され、前記第2の発光ダイオードは第4のノードから前記第1のノードの方向に順方向に接続され、前記第3の発光ダイオードは前記第2のノードから前記第3のノードの方向に順方向に接続され、前記第4の発光ダイオードは前記第4のノードから前記第2のノードの方向に順方向に接続されて、前記第3のノードは前記第4のノードに電気的に接続されることを特徴とする請求項7に記載の発光装置。
【請求項15】
前記第3のノードと前記第4のノードとの間に前記第3のノードから前記第4のノードの方向に順方向に接続された第5の発光ダイオードをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の発光装置。
【請求項16】
前記PTFユニットはキャパシタを含むことを特徴とする請求項1、4、6の何れか一つに記載の発光装置。
【請求項17】
第1のノードを介して互いに直列接続され、少なくとも一つの発光ダイオードを各々有する第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットを含む発光装置を交流電源で駆動するための駆動回路であって、
第2のノードを介して前記第1の発光ユニットに直列接続された第1の抵抗素子と、
第3のノードと前記第1のノードとの間で、前記第1の発光ユニットと前記第1の抵抗素子とに並列接続されたキャパシタと、
前記第3のノードと前記第1のノードとの間で、前記キャパシタに直列接続された第2の抵抗素子と、
を含む駆動回路。
【請求項18】
前記交流電源と前記発光装置との間に直列接続されるサーミスタ素子をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の駆動回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公表番号】特表2012−521067(P2012−521067A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500702(P2012−500702)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【国際出願番号】PCT/KR2009/003671
【国際公開番号】WO2010/107161
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(507194969)ソウル セミコンダクター カンパニー リミテッド (66)
【住所又は居所原語表記】148−29,Gasan−dong,Geumcheon−gu,Seoul,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【国際出願番号】PCT/KR2009/003671
【国際公開番号】WO2010/107161
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(507194969)ソウル セミコンダクター カンパニー リミテッド (66)
【住所又は居所原語表記】148−29,Gasan−dong,Geumcheon−gu,Seoul,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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