説明

発光装置及び発光装置用基板

【課題】温度上昇を抑制することができる発光装置及び発光装置用基板を提供する。
【解決手段】セラミックスにより形成された基板1と、基板1の表面に実装された発光ダイオード3と、基板1の表面に形成され、発光ダイオード3に電気的に接続された表面多層配線パターン2aと、基板1の裏面に形成された裏面多層配線パターン2bと、基板1を通して形成され、表面多層配線パターン2aと裏面多層配線パターン2bとを電気的に接続する複数の電気伝導用ビア4aと、基板1を通して形成され、表面多層配線パターン2aと裏面多層配線パターン2bとを熱的に接続する複数の熱伝導用ビア4bとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED)を用いた発光装置及び発光装置用基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光効率や寿命などの観点から発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を用いた発光装置が注目されており、さらなる効率化や大出力化が進められている。しかし、そのような発光装置におけるLEDは、発光時の発熱による温度上昇により発光効率が悪くなることが知られており、LEDの発する熱を効率良く放出して発光装置の温度上昇を抑制することが求められている。
【0003】
そのような発光装置の温度上昇を抑制する技術として、例えば、特許文献1には、前面に開口する収納凹所が表面に形成されたセラミックス製の基板と、収納凹所の底面に実装される発光ダイオードチップと、基板の裏面に接合され配線部を兼ねる複数の金属部材と、収納凹所の底面から基板の裏面に貫通してメッキが施され、発光ダイオードチップと金属部材とを電気的に接続するスルーホールとを備え、発光ダイオードチップの発する熱をスルーホールを介して裏面の金属部材に伝導し、発光ダイオードが発する熱の放熱効果を高めて発光装置の温度上昇を抑制する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、ヒートシンクと、ヒートシンクの上に重なる基板と、基板の上に重なるトレース層と、基板を通って延びるビアとを備え、基板上に配置された発光ダイオードからの熱をビアを介してヒートシンクに伝導することにより、発光ダイオードが発する熱の放熱効果を高めて発光装置の温度上昇を抑制する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−243718号公報
【特許文献2】特開2007−516592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の技術においては、基板の裏面に設けられた金属部材から発光ダイオードチップに電力を供給するための2つのスルーホールが設けられるのみであり、基板表面の収納凹部に配置された発光ダイオードチップから発せられる熱の金属部材への伝達能力が必ずしも十分であるとは言えない。従って、このような場合には、発光装置における放熱効果が十分に発揮されず、発光ダイオードチップ周辺における温度上昇の抑制が不十分となり、発光効率が低下してしまうことが懸念される。
【0007】
また、特許文献2記載の技術においては、発光ダイオードが結合されたパッドからヒートシンクまで熱が流れる熱伝達経路としてビアを設けているが、ビアは発光ダイオードの下方に設けられたパッドの近くに配置されるのみであり、発光ダイオードからコネクタ、及び基板の表面に設けられた複数のトレース層を介して伝達される熱は発光装置に蓄積され、発光ダイオードから発せられる熱が十分にヒートシンクへ伝達されないことが考えられる。従って、発光装置における放熱効果が十分に発揮されず、発光ダイオードチップ周辺における温度上昇の抑制が不十分となり、発光効率が低下してしまうことが懸念される。
【0008】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、発光装置における温度上昇を抑制することができる発光装置及び発光装置用基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、セラミックスにより形成された基板と、前記基板の表面に実装された発光ダイオードと、前記基板の表面に形成され、前記発光ダイオードに電気的に接続された表面金属配線と、前記基板の裏面に形成された裏面金属配線と、前記基板を通して形成され、前記表面金属配線と前記裏面金属配線とを電気的に接続する複数の電気伝導用ビアと、前記基板を通して形成され、前記表面金属配線と前記裏面金属配線とを熱的に接続する複数の熱伝導用ビアとを備えたものとする。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、発光装置における温度上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置の全体構成を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置における熱伝達の様子を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるビアの配置を示す平面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態におけるビアの配置を示す平面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態におけるビアの配置を示す平面図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態におけるビアの配置を示す平面図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態におけるビアの形状を示す断面図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態におけるビアの形状を示す断面図である。
【図9】本発明の第7の実施の形態に係る発光装置の全体構成を模式的に示す断面図である。
【図10】本発明の第7の実施の形態に係る発光装置における熱伝達の様子を示す図である。
【図11】本発明の第8の実施の形態における放熱フィンを示す平面図である。
【図12】本発明の第8の実施の形態における放熱フィンを示す断面図である。
【図13】本発明の第9の実施の形態における放熱フィンを示す断面図である。
【図14】本発明の第10の実施の形態に係る発光装置の全体構成を模式的に示す断面図である。
【図15】本発明の第11の実施の形態に係る発光装置の全体構成を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0013】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置の全体構成を模式的に示す断面図である。
【0014】
図1において発光装置100は、絶縁性の部材で形成された基板1と、基板1の表面(図1中上側の面)に形成された表面多層配線パターン2aと、基板1の裏面(図1中下側の面)に形成された裏面多層配線パターン2bと、基板1を貫通して設けられ、表面多層配線パターン2aと裏面多層配線パターン2bとを電気的に接続する複数(例えば2つ:後の図3参照)の電気伝導用ビア4aと、基板1の表面に表面多層配線パターン2bと電気的に接続されるように実装された発光ダイオード3と、基板1を貫通して設けられ、表面多層配線パターン2aと裏面多層配線パターン2bとを熱的に接続する複数(例えば6つ:後の図3参照)の熱伝導用ビア4bとを備えている。表面多層配線パターン2aは、互いに絶縁された複数(例えば2つ)の領域を有しており、発光ダイオード3はこれらの領域に跨るように実装されている。発光装置100に実装された発光ダイオード3は、表面多層配線パターン2a、電気伝導用ビア4a、及び裏面多層配線パターン2bを介して図示しない電源と電気的に接続されており、電源から電力を供給されることにより発光する。なお、熱伝導用ビア4bも電気伝導用ビア4aと同様に電源から発光ダイオード3に電力を供給する経路として働く。
【0015】
基板1に用いる材料は、例えば、アルミナ、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、或いは、二酸化珪素を主成分とするガラスなどのセラミックスである。基板1の材料として二酸化珪素を主成分とするガラスを用いる場合には、副成分として酸化ナトリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、或いは、酸化リンなどを用いることが好ましく、基板1の熱的な変形を抑制することができ、信頼性を向上することができる。
【0016】
このように形成した基板1に対して、マイクロブラスト加工に対応したマスクを形成し、基板1の両面からマイクロブラスト加工法によって電気伝導用ビア4a、及び熱伝導用ビア4bを構成する貫通穴を形成する。このマイクロブラスト加工法は、基板の一面を一度に加工することができるので量産性に優れ、また、貫通穴等の位置を±1um程度の精度で形成することができる。貫通穴の形成後、レジスト等を用いて各ビア4a,4b用の貫通穴を含むように多層配線パターン2a,2bを金属膜により形成することにより貫通穴内にも金属膜が形成され、表面多層配線パターン2aと裏面多層配線パターン2bが電気的及び熱的に接続される。
【0017】
表面多層配線パターン2a及び裏面多層配線パターン2bは、多層膜から構成されており、例えば、チタン又はクロムを下地膜として形成した上にニッケル及び金の膜を形成し、さらにその後、電解銅めっきによって銅の膜を形成されている。下地膜は基板1の材料と金との密着性を向上させるために形成されるものである。なお、多層配線パターン2a,2bの形成後に基板に熱的な負荷がかかる場合は、下地膜とその上に形成する金の膜の間に白金の膜を形成しても良い。
【0018】
電気伝導用ビア4a及び熱伝導用ビア4bは、多層配線パターン2a,2bの形成時に同様に形成される。すなわち、各ビア4a,4bは、例えば、チタン又はクロムを下地膜として貫通穴の内面に形成した上にニッケル及び金の膜を形成し、電解銅めっきによって貫通穴が埋め込まれる。その後、基板1の表面から突出して成長した部分の銅を研削加工、もしくは研磨加工によって平滑化する。
【0019】
この多層配線パターン2a,2bにおける銅の膜厚は、その伝熱効果と内部応力の状態を考慮し、例えば、1um〜100um程度に形成する。これは、銅の膜厚がその伝熱効果と内部応力に関係することによる。例えば、ある物体中を伝達される熱量Qは、その物体の熱伝導率をh(W/(m・K))、伝熱面積をA(m)、伝達時間をt(h)、測定点間の温度差をΔT(K)、測定点間の距離をL(m)とすると次式で表される。
【0020】
Q=(h×A×t×ΔT)/L ・・・(式1)
上記式1より、伝達面積A(m)が大きいほど伝達される熱量が多いことがわかる。すなわち、多層配線パターン2a,2bは、銅の膜厚が厚くなるに従って伝熱効果が高くなる。しかしながら、銅の膜厚が厚くなるに従って内部応力も増加し、基板1の形状への影響が大きくなる。したがって、電熱効果がより高く、かつ内部応力の基板1の形状への影響が少ない膜厚で形成する。なお、多層配線パターン2a,2bは、基板1の両面において同程度の厚さとなるように形成することで、内部応力を打ち消すことができる。
【0021】
次に、本実施の形態に係る発光装置100における電気伝導用ビア4a及び熱伝導用ビア4bのそれぞれの位置関係を図面を参照しつつ説明する。図3は、基板1における各ビアの配置を示す平面図である。
【0022】
図3において、基板1の表面には表面多層配線パターン2aが形成されている。表面多層配線パターン2aは互いに電気的に絶縁された複数(例えば2つ)の領域に分けられており、それぞれの領域に1つの電気伝導用ビア4aと1つ以上(例えば3つ)の熱伝導用ビア4bとが配置されている。発光ダイオード3は、表面多層配線パターン2aの互いに電気的に絶縁された領域に跨るように実装されており、多層配線パターン2aにおける各領域の電気伝導用ビア4aは、発光ダイオード3の下方に配置されている。つまり、発光装置100においては、多層配線パターン2aにおける各領域の電気伝導用ビア4aに跨るように発光ダイオード3(図1等参照)が実装される。多層配線パターン2aにおける各領域に1つ以上設けられた熱伝導用ビア4bは、発光装置100において基板1に実装される発光ダイオード3を中心とする円周11に沿って配置されている。言い換えると、熱伝導用ビア4bは発光ダイオード3から等距離に、発光ダイオード3を囲むように配置されている。
【0023】
このような発光装置100において、電源(図示せず)から発光ダイオード3に電力が供給され、光と熱を放出する。このときに発光ダイオード3から放出される熱の伝達の様子を図面を参照しつつ説明する。
【0024】
図2は、図1に示した発光装置100における発光ダイオード3から発生した熱の伝達の様子を模式的に示す図である。
【0025】
図2に示すように、発光ダイオード3で発生した熱のうち、一部は矢印5a,5bで示すように発光ダイオード3の雰囲気中に放出され、一部は矢印5cで示すように基板1の表面多層配線パターン2aに伝達される。また、雰囲気中に放出された熱の一部は矢印5bで示すように基板1の表面多層基板パターン2aに伝達される。表面多層配線パターン2aに伝達された熱は矢印5dで示すように表面多層配線パターン2aを介して基板1の表面を伝達され、そのうちの一部は矢印5fに示すように電気伝導用ビア4aを介して裏面多層配線パターン2bに伝達され、一部は矢印5eに示すように基板1に伝達され、一部は矢印5gに示すように熱伝導用ビア4bを介して裏面多層配線パターン2bに伝達される。また、基板1に伝導された熱の一部は矢印5hで示すように裏面多層配線パターン2bに伝達される。このように、発光ダイオード3で発生した熱は、発光装置100の各部に伝達され、雰囲気中に放出される。
【0026】
以上のように構成した本実施の形態における動作を説明する。
【0027】
発光装置100において、図示しない電源から、裏面多層配線パターン2b、電気伝導用ビア4a、及び表面多層配線パターン2aを介して発光ダイオード3に電力が供給されると、発光ダイオード3は発光および発熱する。発光ダイオード3で発生した熱の一部は、電気伝導用ビア4aを介して裏面多層配線パターン2bに伝達されて発光装置100の雰囲気中に放出され、また、他の一部は表面多層配線パターン2aおよび熱伝導用ビア4bを介して裏面多層配線パターン2bに伝達されて発光装置100の雰囲気中に放出される。
【0028】
以上のように構成した本実施の形態における作用・効果を従来技術と比較しつつ詳細に説明する。
【0029】
上記特許文献1記載の従来技術においては、基板の裏面に設けられた金属部材から発光ダイオードチップに電力を供給するための2つのスルーホールが設けられるのみであり、基板表面の収納凹部に配置された発光ダイオードチップから発せられる熱の金属部材への伝達能力が必ずしも十分であるとは言えない。従って、このような場合には、発光装置における放熱効果が十分に発揮されず、発光ダイオードチップ周辺における温度上昇の抑制が不十分となり、発光効率が低下してしまうことが懸念される。また、特許文献2記載の技術においては、発光ダイオードが結合されたパッドからヒートシンクまで熱が流れる熱伝達経路としてビアを設けているが、ビアは発光ダイオードの下方に設けられたパッドの近くに配置されるのみであり、発光ダイオードからコネクタ、及び基板の表面に設けられた複数のトレース層を介して伝達される熱は発光装置に蓄積され、発光ダイオードから発せられる熱が十分にヒートシンクへ伝達されないことが考えられる。従って、発光装置における放熱効果が十分に発揮されず、発光ダイオードチップ周辺における温度上昇の抑制が不十分となり、発光効率が低下してしまうことが懸念される。
【0030】
これに対し、本実施の形態においては、基板1をセラミックスにより形成し、基板1の表面に形成され、発光ダイオード3に電気的に接続された表面多層配線パターン2aと、基板1の裏面に形成された裏面多層配線パターン2bと、基板1を通して形成され、表面多層配線パターン2aと裏面多層配線パターン2bとを電気的に接続する複数の電気伝導用ビア4aと、基板1を通して形成され、表面多層配線パターン2aと裏面多層配線パターン2bとを熱的に接続する複数の熱伝導用ビア4bとを備え、発光ダイオード3からの熱を電気伝導用ビア4a、表面多層配線パターン2a、及び熱伝導用ビア4bを介して伝達するように構成したので、発光装置100における温度上昇を抑制することができる。したがって、発光ダイオード3の発光効率の低下を抑制することができる。
【0031】
また、特許文献2記載の従来技術においては、基板素材としてエポキシ樹脂を用いたガラスエポキシ基板を示しているが、樹脂材料は熱伝導率が低く、熱を溜め込み易いので、基板全体が熱により変形してしまうことが懸念される。これに対し、本実施の形態においては、樹脂材料よりも熱伝導率の高いセラミックスを用いて基板を形成したので、発光ダイオード3からの熱を溜め込みにくく、基板の熱による変形を抑制することができる。
【0032】
また、複数の熱伝導用ビア4bを発光ダイオード3からそれぞれ略等距離となるように配置したので、発光ダイオード3で発生した熱が各熱伝導用ビア4bを介して裏面多層配線パターン2bに伝達されるまでの伝達距離が略等しくなり、各熱伝導用ビア4bにおける熱の伝達量にむらが生じにくく、より効率よく熱を伝達することができる。
【0033】
さらに、本実施の形態においては、基板1に形成する電気伝導用ビア4aおよび熱伝導用埋ビア4bは、同一のプロセスで形成することができるので、製造コストの増加を抑制することができる。
【0034】
なお、複数の熱伝導用ビア4bを発光ダイオード3からそれぞれ略等距離となるように配置することに加え、さらに、熱伝導用ビア4bが発光ダイオード3を回転中心とする回転対称となるように配置することにより、さらに、熱の伝達量のむらの発生を抑制することができる。
【0035】
また、多層配線パターン2a,2bに用いる材料は上記の材料に限られず、例えば、銅(熱伝導率:約400W/mK)を含む構成とすることにより、比較的安価で熱伝導率の高い多層配線を形成することができる。
【0036】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0037】
図4は、本実施の形態に係る基板1における各ビアの配置を示す平面図である。本実施の形態は、上記第1の実施の形態の発光装置100において、表面多層配線パターン2aを配置する範囲を縮小し、熱伝導用ビア4bを集中して配置したものである。なお、第1の実施の形態と同様の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0038】
図4において、表面多層配線パターン2aは互いに絶縁された2つの領域に分かれており、表面多層配線パターン2aの2つの領域に跨るように発光ダイオード3が実装される。表面多層配線パターン2aは、発光ダイオード3が配置される位置を中心として互いに反対方向に延びるように配置されており、発光ダイオード3を中心とする回転対称となっている。表面多層配線パターン2aの2つの領域において、発光ダイオード3が実装された位置と反対側の端部に熱伝導用ビア4bが配置されている。
【0039】
その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0040】
以上のように構成した本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0041】
また、熱エネルギーは、熱伝導率がより低い材料に伝達し易いので、発光ダイオード3で発生した熱は、基板1よりも表面多層配線パターン2bにより多く伝達される。したがって、表面多層配線パターン2bを効率的に配置することにより、表面多層配線パターン2aの配置されない位置に、例えば、温度センサなど他の素子を搭載することができる。
【0042】
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0043】
図5は、本実施の形態に係る基板1における各ビアの配置を示す平面図である。本実施の形態は、上記第1の実施の形態の発光装置100において、熱伝導用ビア4bをライン形状の熱伝導用ビア4cとしたものである。なお、第1の実施の形態と同様の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0044】
図5において、表面多層配線パターン2aは互いに絶縁された2つの領域に分かれており、表面多層配線パターン2aの2つの領域に跨るように発光ダイオード3が実装される。表面多層配線パターン2aは、発光ダイオード3が配置される位置を中心とする回転対称となっている。また、表面多層配線パターン2aの2つの領域において、熱伝導用ビア4cは、発光ダイオード3が配置される位置を中心とする回転対称となるよう配置されている。
【0045】
その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0046】
以上のように構成した本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
なお、本実施の形態において、熱伝導用ビア4cを形成する方法としては、例えば、コファイア法がある。コファイア法は、セラミックグリーンシートと呼ばれる焼結前のセラミック前駆体に貫通孔を穿孔した後にこの貫通孔に金属粉末(例えばタングステン)を充填して焼成する方法である。
【0048】
<第4の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0049】
図6は、本実施の形態に係る基板1における各ビアの配置を示す平面図である。本実施の形態は、上記第1の実施の形態の発光装置100において、表面多層配線パターン2aの2つの領域において、電気伝導用ビア4aから各熱伝導用ビア4bまでの距離の合計が同じとなるように、それら熱伝導用ビア4bを配置したものである。なお、第1の実施の形態と同様の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0050】
図6において、表面多層配線パターン2aは互いに絶縁された2つの領域に分かれており、表面多層配線パターン2aの2つの領域に跨るように発光ダイオード3が実装される。また、表面多層配線パターン2aの2つの領域のそれぞれにおいて、電気伝導用ビア4aから各熱伝導用ビア4bまでの距離の和が同じになるように熱伝導用ビア4bが配置されている。
【0051】
その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0052】
以上のように構成した本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0053】
また、図6に示したように発光ダイオード3の配置が基板1の片側に偏って配置される場合において、電気伝導用ビア4aに対する各熱伝導用ビア4bまでの長さの和を同等にすることによって、基板1での熱の流れを均一にすることができる。これにより、基板1の裏面(裏面多層配線パターン2b)において熱を均一に拡散させることができる。
【0054】
<第5及び第6の実施の形態>
本発明の第5及び第6の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0055】
第5及び第6の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態における電気伝導用ビア4a及び熱伝導用ビア4bに対して異なる構成のビア4c又は4dを適用した場合の実施の形態である。
【0056】
図7及び図8は、本発明の第5及び第6の実施の形態に係る基板1における各ビアを拡大して示す断面図である。図7及び図8において、図1に示した部材と同等の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0057】
すなわち、図7に示す本発明の第5の実施の形態におけるビア4cは以下の手順によって形成される。まず、セラミックスにより形成した基板1に対して、マイクロブラスト加工に対応したマスクを形成し、基板1の片面からマイクロブラスト加工法によってビア4cを構成する貫通穴を形成する。貫通穴の形成後、レジスト等を用いてビア4c用の貫通穴を含むように多層配線パターン2a,2bを金属膜により形成することにより貫通穴内にも金属膜が形成され、表面多層配線パターン2aと裏面多層配線パターン2bが電気的及び熱的に接続される。ビア4cは、例えば、貫通穴の内面にチタン又はクロムを下地膜として形成した上にニッケル及び金の膜を形成し、電解銅めっきによって貫通穴を埋め込むことにより形成される。このとき、ビア4c用の貫通穴を電解銅メッキによって全体に埋め込むのではなく、空気層13を形成した状態でメッキを停止する。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0058】
同様に、図8に示す本発明の第6の実施の形態におけるビア4dは以下の手順によって形成される。まず、セラミックスにより形成した基板1に対して、マイクロブラスト加工に対応したマスクを形成し、基板1の両面からマイクロブラスト加工法によってビア4dを構成する貫通穴を形成する。貫通穴の形成後、レジスト等を用いてビア4d用の貫通穴を含むように多層配線パターン2a,2bを金属膜により形成することにより貫通穴内にも金属膜が形成され、表面多層配線パターン2aと裏面多層配線パターン2bが電気的及び熱的に接続される。ビア4dは、例えば、貫通穴の内面にチタン又はクロムを下地膜として形成した上にニッケル及び金の膜を形成し、電解銅めっきによって貫通穴を埋め込むことにより形成される。このとき、ビア4d用の貫通穴を電解銅メッキによって全体に埋め込むのではなく、空気層13を形成した状態でメッキを停止する。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0059】
以上のように構成した第5及び第6の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0060】
また、ビア用の貫通穴を電解銅メッキによって全体に埋め込まずにビア4c,4dを形成するので、電解銅メッキを行う工程を短縮することができ、貫通穴を電解銅メッキによって完全に埋め込むことにより、表面から突出して成長した部分の銅を研削加工、もしくは研磨加工によって平滑化する工程を短縮することができるので、生産性を向上することができる。
【0061】
<第7の実施の形態>
本発明の第7の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0062】
本実施の形態は、図1及び図2に示した第1の実施の形態において、リフレクタ8、樹脂レンズ9、及び冷却フィン10を設けたものである。
【0063】
図9は本発明の第7の実施の形態に係る発光装置200の全体構成を模式的に示す断面図であり、図10は発光ダイオード3から発生した熱の伝達の様子を模式的に示す図である。図9及び図10において、図1及び図2に示した部材と同等の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0064】
図9において発光装置200は、絶縁性の部材で形成された基板1と、基板1の表面(図9中上側の面)に形成された表面多層配線パターン2aと、基板1の裏面(図9中下側の面)に形成された裏面多層配線パターン2bと、基板1を貫通して設けられ、表面多層配線パターン2aと裏面多層配線パターン2bとを電気的に接続する複数(例えば2つ:後の図3参照)の電気伝導用ビア4aと、基板1の表面に表面多層配線パターン2bと電気的に接続されるように実装された発光ダイオード3と、基板1を貫通して設けられ、表面多層配線パターン2aと裏面多層配線パターン2bとを熱的に接続する複数(例えば6つ:後の図3参照)の熱伝導用ビア4bと、発光ダイオード3からの光14(後の図10参照)を上側に反射するリフレクタ8と、発光ダイオード9を覆うように設けられた樹脂レンズ9と、基板1の裏面に接合層6を介して接合された冷却フィン10とを備えている。表面多層配線パターン2aは、互いに絶縁された複数(例えば2つ)の領域を有しており、発光ダイオード3はこれらの領域に跨るように実装されている。発光装置200に実装された発光ダイオード3は、表面多層配線パターン2a、電気伝導用ビア4a、及び裏面多層配線パターン2bを介して図示しない電源と電気的に接続されており、電源から電力を供給されることにより発光する。
【0065】
リフレクタ8の表面には反射膜(図示せず)が設けられており、発光ダイオード3からの光を前方(図9中上側)に反射する。
【0066】
冷却フィン10は、基板1から結合層6を介して伝達された熱を雰囲気中に放射するものである。この冷却フィン10は、例えは、ベリリウムを含んだ窒化ケイ素により形成されている。窒化ケイ素は絶縁性であり、熱伝達率は約300W/mKである。
【0067】
接合層6は、例えば、金−錫はんだにより形成されている。金−錫はんだは融点が約280℃であり、一般的な熱伝導シート(耐熱温度が約120℃)と比較して、より高い耐熱性を有している。また、冷却フィン10が絶縁性の材料で形成されている場合、接合層6は、基1板の裏面に形成した裏面多層配線パターン2bと同様のパターンで構成することができる。これにより、絶縁シートなどを介して接合する必要が無く、接合層6において基板1から冷却フィン10への熱の伝達効率の低下を抑制することができる。
【0068】
ここで、発光装置200における発光ダイオード3から発生した熱の伝達について説明する。
【0069】
図10に示すように、発光ダイオード3で発生した熱のうち、一部は矢印5cで示すように基板1の表面多層配線パターン2aに伝達される。表面多層配線パターン2aに伝達された熱は矢印5dで示すように表面多層配線パターン2aを介して基板1の表面を伝達され、そのうちの一部は矢印5iに示すようにリフレクタ8に伝達されて発光装置200の雰囲気中に放出され、一部は矢印5fに示すように電気伝導用ビア4aを介して裏面多層配線パターン2bに伝達され、一部は矢印5eに示すように基板1に伝達され、一部は矢印5gに示すように熱伝導用ビア4bを介して裏面多層配線パターン2bに伝達される。また、基板1に伝導された熱の一部は矢印5hで示すように裏面多層配線パターン2bに伝達される。裏面多層配線パターン2bに伝達された熱は、さらに、接合層6を介して冷却フィン10に伝達され、この冷却フィン10から雰囲気中に放出される
以上のように構成した本実施の形態における動作を説明する。
【0070】
発光装置200において、図示しない電源から、裏面多層配線パターン2b、電気伝導用ビア4a、及び表面多層配線パターン2aを介して発光ダイオード3に電力が供給されると、発光ダイオード3は発光および発熱する。発光ダイオード3で発生した光は直接、又はリフレクタ8の反射膜に反射されて、発光装置200の前方(図9中上側)に放出される。発光ダイオード3で発生した熱の一部は、電気伝導用ビア4aを介して裏面多層配線パターン2bに伝達されて発光装置200の雰囲気中に放出され、また、他の一部は表面多層配線パターン2aおよび熱伝導用ビア4bを介して裏面多層配線パターン2bに伝達され、さらに、接合層6を介して冷却フィン10に伝達されて発光装置200の雰囲気中に放出される。
【0071】
その他の構成は本実施の形態の第1の実施の形態と同様である。
【0072】
ここで、発光装置200において、熱伝達に関するシミュレーションを行った結果、発光ダイオード3の温度と冷却フィン10の下面の温度差は約10度程度であった。この結果より、本実施の形態における発光装置200の発光ダイオード3から冷却フィン10への熱伝達の効率が高く、冷却効果が高いことが確認できる。
【0073】
以上のように構成した本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0074】
また、裏面多層配線パターン2bに放熱面積の広い冷却フィン10を接合し、発光装置200の裏面からの放熱効果を高めるように構成したので、発光装置200における温度上昇をさらに抑制することができる。したがって、発光ダイオード3の発光効率の低下を抑制することができる。
【0075】
なお、冷却フィン10の材料として窒化ケイ素を用いた場合を例に説明したが、これに限られず、例えば、炭化ケイ素を用いて冷却フィン10を形成しても良い。この場合は、セラミックスにより形成した基板1と冷却フィン10との線膨張率を同等とすることができるので、これらを接合する接合層6周辺の温度が変化した場合においても、両者の間にかかる力が抑制され、発光装置200の変形や基板1と冷却フィン10の剥離などを抑制することができる。
【0076】
また、基板1と冷却フィン10を接合する接合層6として金−錫はんだを用いたが、これに限られず、例えば、真空中で表面をプラズマ或いはイオンビームで活性化した後、低温で接合する表面活性接合を用いて両者を接合しても良い。
【0077】
さらに、冷却フィン10の周囲に意図的に空気の流れを作ったり、冷却フィン10を水冷したりしても良く、これによって、冷却効果をさらに向上させることができる。
【0078】
また、基板1と冷却フィン10の絶縁性を適当な方法によって確保した場合に、金属から構成された冷却フィンを用いても良い。この場合においても、発光ダイオード3から裏面多層配線パターン2bまでの熱伝達の性能は確保されるので、発光装置200の冷却効果を得ることができる。
【0079】
<第8の実施の形態>
本発明の第8の実施の形態を図11及び図12を参照しつつ説明する。本実施の形態は、図9及び図10に示した第7の実施の形態における発光装置200の冷却フィン10に換えて、図11及び図12に示した冷却フィン50を用いた場合の実施の形態である。
【0080】
図11は本実施の形態に係る冷却フィン50を裏面側から見た図であり、図12は冷却フィン50の断面の一部を拡大して示す縦断面図である。以下、図11において手前側を冷却フィン50の裏側、奥側を表側とする。また、図12において、上側を冷却フィン50の裏側、下側を表側とする。
【0081】
図11において、冷却フィン50は、その裏側の面に厚さ方向に格子状に溝50bを設けて形成されており、表側の面を基板1に接合層6(前出の図9,10等参照)を介して接合される。また、図12において冷却フィン50の溝50bの裏側の端部50aが複数の面を有するように構成されている。
【0082】
また、冷却フィン50は、絶縁性の部材で形成されており、例えば、ベリリウムを含有する炭化ケイ素で形成されている。冷却フィン50の厚さは、例えば2mm程度であるが、厚さを厚く形成すると絶縁性から導電性の特性を有するようになる。そこで、絶縁性を示す厚さの炭化ケイ素(ベリリウム含有)にダイシングマシンなどによって溝50bを形成する。
【0083】
また、冷却フィン50において、冷却効率を向上されるためには、表面積を増加させることで効果が高められるが、表面積を増加させようとすると冷却フィン50における溝50bの間隔が狭くなり、破損しやすくなる。そこで、溝50bの端部50aの形状を応力が集中しにくい形状にすることによって冷却フィン50の破損を抑制する。端部50aの形状は、ダイシング用ブレードの先端形状を所望の形状とすることによって達成できる。
【0084】
その他の構成は本実施の形態の第7の実施の形態と同様である。
【0085】
以上のように構成した本実施の形態においても、第1及び第7の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0086】
<第9の実施の形態>
本発明の第9の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0087】
本実施の形態は、図9及び図10に示した第7の実施の形態における発光装置200の冷却フィン10を厚さ方向に複数(例えば2層)に重ねた場合のものである。図13は、本実施の形態に係る冷却フィン10の構成を示す断面図である。図中、図9及び図10に示したものと同等の部材には同じ符号を付し説明を省略する。図13において、上側を冷却フィン10の表側、下側を裏側とする。
【0088】
図13に示すように、本実施の形態においては、複数(例えば、2つ)の冷却フィン10を用いており、一方の冷却フィン10の裏側と他方の冷却フィン10の表面を接合層6を介して接合している。その他の構成は、本実施の形態の第7の実施の形態と同様である。
【0089】
以上のように構成した本実施の形態においても、第1及び第7の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0090】
なお、基板1に接合層6を介して接合される冷却フィン10を炭化ケイ素を用いて形成すれば、その他の冷却フィン10の材質は他の材料を用いてもよい。
【0091】
<第10及び第11の実施の形態>
本発明の第10及び第11の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0092】
図9及び図10に示した第7の実施の形態における発光装置200では1つの発光ダイオード3を搭載したのに対し、本実施の形態は、発光装置300に複数(例えば2個)の発光ダイオード3を搭載したものである。図14は第10の実施の形態に係る発光装置300の構成を示す断面図であり、図15は第11の実施の形態に係る発光装置400の構成を示す断面図である。図中、図9及び図10に示す部材と同等の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0093】
図14に示す第10の実施の形態に係る発光装置300は、絶縁性の部材で形成された基板1と、基板1の表面(図14中上側の面)に形成された表面多層配線パターン2aと、基板1の裏面(図14中下側の面)に形成された裏面多層配線パターン2bと、基板1を貫通して設けられ、表面多層配線パターン2aと裏面多層配線パターン2bとを電気的に接続する複数(例えば4つ)の電気伝導用ビア4aと、基板1の表面に表面多層配線パターン2bと電気的に接続されるように実装された複数(例えば2つ)の発光ダイオード3と、基板1を貫通して設けられ、表面多層配線パターン2aと裏面多層配線パターン2bとを熱的に接続する複数(例えば6つ)の熱伝導用ビア4bと、基板1の裏面に接合層6を介して接合された冷却フィン10とを備えている。表面多層配線パターン2a及び裏面多層配線パターン2bは、複数の発光ダイオード3のそれぞれに対応して別々に設けられており、各発光ダイオード3に対応する多層配線パターン2a,2bは互いに絶縁された複数の領域を有している。それぞれの発光ダイオード3はこれらの領域に跨るように実装されている。発光装置200に実装された発光ダイオード3は、それぞれ対応する表面多層配線パターン2a、電気伝導用ビア4a、及び裏面多層配線パターン2bを介して図示しない電源と電気的に接続されており、電源から電力を供給されることにより発光する。その他の構成は、本発明の第7の実施の形態と同様である。
【0094】
同様に、図15に示す第11の実施の形態に係る発光装置400は、絶縁性の部材で形成された基板1と、基板1の表面(図15中上側の面)に形成された表面多層配線パターン2aと、基板1の裏面(図15中下側の面)に形成された裏面多層配線パターン2bと、基板1を貫通して設けられ、表面多層配線パターン2aと裏面多層配線パターン2bとを電気的に接続する複数(例えば4つ)の電気伝導用ビア4aと、基板1の表面に表面多層配線パターン2bと電気的に接続されるように実装された複数(例えば2つ)の発光ダイオード3と、基板1を貫通して設けられ、表面多層配線パターン2aと裏面多層配線パターン2bとを熱的に接続する複数(例えば6つ)の熱伝導用ビア4bと、基板1の裏面に接合層6を介して接合された冷却フィン10と、裏面多層配線パターン2bに接続された配線12とを備えている。表面多層配線パターン2a及び裏面多層配線パターン2bは、複数の発光ダイオード3のそれぞれに対応して別々に設けられており、各発光ダイオード3に対応する多層配線パターン2a,2bは互いに絶縁された複数の領域を有している。それぞれの発光ダイオード3はこれらの領域に跨るように実装されており、例えば、電気的に直列に配置されている。発光装置400に実装された発光ダイオード3は、表面多層配線パターン2a、電気伝導用ビア4a、及び裏面多層配線パターン2bを介して図示しない電源と電気的に接続されており、電源から電力を供給されることにより発光する。その他の構成は、本発明の第7の実施の形態と同様である。
【0095】
以上のように構成した第10及び第11の実施の形態においても、第1及び第7の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0096】
<その他の実施の形態>
以上に本発明の幾つかの実施の形態を説明したが、これら実施の形態は本発明の精神の範囲内で種々の変形および組み合わせが可能である。例えば、第1〜第4の実施の形態では、図3〜図5に示したビア4a,4bの配置を適用したが、同様に、第5〜第11の実施の形態においても図3〜図5に示したビア4a,4bの配置を適用しても良い。また、第5及び第6の実施の形態では、図7及び図8に示したビア4c,4dを適用したが、他の実施の形態においても、同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0097】
1 絶縁基板
2a,2b 多層配線パターン
3 発光ダイオード
4a 電気伝導用埋め込みビア
4b,4c 熱伝導用埋め込みビア
6 接合層
8 LEDリフレクタ
9 樹脂レンズ
10,50 冷却フィン
11 円周
50b 溝構造
12 配線
13 空間
14 光
100,200,300,400 発光装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックスにより形成された基板と、
前記基板の表面に実装された発光ダイオードと、
前記基板の表面に形成され、前記発光ダイオードに電気的に接続された表面金属配線と、
前記基板の裏面に形成された裏面金属配線と、
前記基板を通して形成され、前記表面金属配線と前記裏面金属配線とを電気的に接続する複数の電気伝導用ビアと、
前記基板を通して形成され、前記表面金属配線と前記裏面金属配線とを熱的に接続する1つ以上の熱伝導用ビアと
を備えたことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
請求項1記載の発光装置において、
前記複数の熱伝導用ビアは、前記発光ダイオードに関して点対称に配置されたことを特徴とする発光装置。
【請求項3】
請求項1記載の発光装置において、
前記発光ダイオードは、前記表面金属配線の互いに絶縁された領域を跨いで実装され、前記熱伝導用ビアは、前記発光ダイオードから各熱伝導ビアまでの距離の合計が前記表面金属配線の各領域において同じとなるように配置されたことを特徴とする発光装置。
【請求項4】
請求項1記載の発光装置において、
前記基板の裏面に、前記裏面金属配線と熱的に接合された放熱フィンを備えたことを特徴とする発光装置。
【請求項5】
請求項記載の発光装置において、
前記放熱フィンは、炭化ケイ素により形成されたことを特徴とする発光装置。
【請求項6】
請求項1記載の発光装置において、
前記基板を形成したセラミックスは、アルミナ、炭化ケイ素、窒化アルミニウムの何れかであることを特徴とする発光装置。
【請求項7】
請求項1記載の発光装置において、
前記ビアは、電解銅メッキ法を用いて形成されたことを特徴とする発光装置。
【請求項8】
請求項1記載の発光装置において、
前記基板、前記表面金属配線、前記裏面金属配線、前記電気伝導用ビア、及び、前記熱伝導用ビアが無機材料で形成されたことを特徴とする発光装置。
【請求項9】
発光ダイオードを実装するためのセラミックスにより形成された基板と、
前記基板の表面に形成され、前記発光ダイオードに電気的に接続された表面金属配線と、
前記基板の裏面に形成された裏面金属配線と、
前記基板を通して形成され、前記表面金属配線と前記裏面金属配線とを電気的に接続する複数の電気伝導用ビアと、
前記基板を通して形成され、前記表面金属配線と前記裏面金属配線とを熱的に接続する複数の熱伝導用ビアと
を備えたことを特徴とする発光装置用基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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