説明

発光装置及び電子機器

【課題】発光動作や表示動作に実質的に利用されない光のエネルギーを回収して動作電源として再利用することにより、駆動時間の長い、もしくは、省エネルギー性能の高い発光装置、及び、該発光装置を実装した電子機器を提供する。
【解決手段】表示パネル110の側面の外方に、プリズムや反射板等の光学部材からなる導光部材120を設けて、表示動作時に画素アレイに配列された各有機EL素子OELから放射される光のうち、表示パネル110の出射側に出射されず、表示動作に寄与しない側面光LTsを任意の方向に屈折又は反射させ、さらに集光させた屈折光LTrを、光電変換素子である太陽電池130に照射する。これにより、太陽電池130において、屈折光LTrの光エネルギーが電気エネルギーに変換されて蓄電池140に蓄積される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置及び電子機器に関し、特に、基板上に複数の自発光素子が配列された発光パネルを備えた発光装置、及び、該発光装置を実装した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機やデジタルカメラ等のディスプレイとして、また、テレビジョンやパーソナルコンピュータ等のディスプレイやモニタとして、薄型ディスプレイが多用されている。現在、その主流は液晶表示装置(LCD)やプラズマディスプレイであるが、次世代の薄型ディスプレイとして、自発光素子を配列した表示パネルを備えた表示装置の研究開発が盛んに行われている。
【0003】
自発光素子の代表例である有機エレクトルミネセンス素子(以下、「有機EL素子」と略記する)は、概略、対向して配置された陽極(アノード電極)と陰極(カソード電極)との間に、正孔輸送層、有機発光層及び電子輸送層が積層された素子構造を有している。そして、有機EL素子は、一般に、透明な基板の一面側に形成され、さらに、外気や物理的衝撃等の外的環境から保護するために、上記の透明な基板の一面側に対向するように封止用の基板を貼り合わせた構成や、上記の有機EL素子を被覆するように封止樹脂で封止した構成が採用されている。有機EL素子の素子構造や封止構造については、例えば特許文献1に記載されている。
【0004】
このような有機EL素子における発光動作は、直流電圧源から陽極(アノード電極)と陰極(カソード電極)との間に発光しきい値を超える電圧を印加することにより、正孔輸送層に注入された正孔と、電子輸送層に注入された電子が有機発光層内で再結合する際のエネルギーに基づいて光(励起光)が放射される。ここで、上述した素子構造を有する有機EL素子において、例えば、透明な基板の一面側に陽極を形成し、かつ、当該陽極を透明電極材料により形成し、陰極を反射特性を有する金属材料により形成した場合、上記有機発光層から放射された光は、陽極及び透明基板を直接透過して、また、陰極で反射したのち、陽極及び透明基板を透過して、透明基板の他面側である出射側に出射される。これにより、透明基板の他面側(出射側)で光が認識される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−080307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、有機EL素子の有機発光層から放射される光は、全周の全角度に対して均一に放射される完全拡散型の放射特性を有していることが知られている。そのため、有機発光層から放射される光は、上述した出射方向以外の他の方向にも放射される。また、有機発光層から出射方向に放射された光においても、その一部は有機EL素子を構成する各層や透明基板内での反射や散乱により、出射方向以外に伝搬して、出射側に出射されない。すなわち、出射側に出射されず、認識されない光は、実質的に有機EL素子の発光動作や、当該有機EL素子を例えば表示装置に適用した場合には、その表示動作や照明動作に利用されていない(寄与していない)ことになる。
【0007】
詳しくは後述するが、有機EL素子の有機発光層から放射される光のうち、透明基板を透過して表示動作や照明動作に利用される面(表示面)側に出射されて、実質的に発光動作や表示動作に利用される光の割合(取り出し効率)は、一般に、概ね20〜30%程度に過ぎない(特開2010−114026号公報、特開2002−043054号公報参照)。
【0008】
一方で、有機EL素子をはじめとする自発光素子型の表示装置は、現在広く普及している液晶表示装置に比較して、表示特性に優れるとともに、導光板やバックライトを必要としないため、表示装置の薄型化や軽量化を図ることができるという特長を有している。そのため、自発光素子型の表示装置は、今後種々の電子機器や電化製品への搭載が期待されている。
【0009】
しかしながら、例えばデジタルカメラや携帯電話機、ノート型パーソナルコンピュータ(PC)等の携帯型又は可搬型の電子機器への適用を検討した場合、バッテリの電源容量に限界があるため、駆動時間が制約されて使い勝手が悪いという問題点を有している。また、薄型テレビジョンやデスクトップ型PC等の据え置き型の電子機器への適用を検討した場合には、近年の地球温暖化対策として重要視されている二酸化炭素排出量の削減のため、省エネルギー性能の高さが重要視されるようになっている。
【0010】
そこで、本発明は、上述したような課題に鑑み、発光動作や表示動作に実質的に利用されてない光のエネルギーを回収して動作電源として再利用することにより、駆動時間の長い、もしくは、省エネルギー性能の高い発光装置、及び、該発光装置を実装した電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の発明は、基板の一面側に発光素子が形成された発光パネルを備えた発光装置において、前記発光パネルは、前記発光素子の光を前記発光装置の外部に出射する第一出射面を備え、前記発光素子から放射され、前記第一出射面と異なる、少なくとも一面以上の第二出射面側から出射される光を受光する光電変換素子を有することを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発光装置において、前記第二出射面は、前記第一出射面と対向する面を含み、前記光電変換素子は、前記第一出射面と対向する面に伝搬する光を受光することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発光装置において、前記発光装置は、前記光の進路を任意の方向に変更する導光部材を有し、前記光電変換素子は、前記発光パネルの前記第一出射面側に出射されない光を、前記導光部材を介して受光することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発光装置において、前記発光パネル及び前記光電変換素子は、前記導光部材に密着して配置されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項3記載の発光装置において、前記導光部材は、透明な粘着性材料からなり、前記発光パネル及び前記光電変換素子は、前記導光部材により接合されていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項3記載の発光装置において、前記導光部材は、前記発光パネルの前記第一出射面側に出射されない光を、前記任意の方向に反射させる光学部材であることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項2記載の発光装置において、前記光電変換素子は、前記発光パネルの前記第一出射面側と反対側の面に直接形成されていることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発光装置において、前記発光パネルは、前記基板の一面側に対向し、少なくとも前記発光素子を封止するように接合された対向基板を有していることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の発光装置において、前記発光装置は、前記光電変換素子により生成された電気エネルギーを蓄積する蓄電池と、前記蓄電池に蓄積された前記電気エネルギーを、前記発光装置の駆動電源として利用するように制御する制御部と、を有することを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の発光装置において、前記発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする。
請求項11記載の発明に係る電子機器は、請求項1乃至10のいずれかに記載の発光装置が実装されてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、発光動作や表示動作に実質的に利用されない光のエネルギーを回収して動作電源として再利用することができる。したがって、本発明によれば、駆動時間の長い、もしくは、省エネルギー性能の高い発光装置、及び、該発光装置を実装した電子機器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る発光装置を適用した表示装置の第1の実施形態を示す概略ブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る表示パネルを示す概略断面図である。
【図3】第1の実施形態に係る表示パネルに配列される自発光素子の素子構造の一例を示す概略断面図である。
【図4】第1の実施形態に係る表示装置の第1の構成例を示す概略図である。
【図5】表示装置を表示動作(発光動作)させた場合の光の放射状態を示す概念図である。
【図6】有機EL素子の放射特性を示す図である。
【図7】第1の実施形態に係る表示装置の第2〜第4の構成例を示す概略図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る表示装置に適用される表示パネルの第1の構成例を示す概略構成図である。
【図9】第2の実施形態の第1の構成例に係る表示装置の表示状態を示す概略図である。
【図10】第2の実施形態の第1の構成例に係る表示パネルの他の例を示す概略構成図である。
【図11】第2の実施形態に係る表示装置に適用される表示パネルの第2の構成例を示す概略構成図である。
【図12】第2の実施形態の第2の構成例に係る表示装置の表示状態を示す要部断面図である。
【図13】第2の実施形態に係る表示装置に適用される表示パネルの第3の構成例を示す概略構成図である。
【図14】第2の実施形態の第3の構成例の他の例に係る表示装置の表示状態を示す要部断面図である。
【図15】本発明に係る表示装置に適用される画素及びドライバの第1の具体例を示す概略構成図である。
【図16】本発明に係る表示装置に適用される画素及びドライバの第2の具体例を示す概略構成図である。
【図17】本発明に係る発光装置を適用したデジタルカメラの構成例を示す斜視図である。
【図18】本発明に係る発光装置を適用した薄型テレビジョンの構成例を示す斜視図である。
【図19】本発明に係る発光装置を適用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成例を示す斜視図である。
【図20】本発明に係る発光装置を適用した携帯電話機の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る発光装置及び電子機器について実施の形態を示す。なお、以下に示す実施形態においては、本発明に係る発光装置を表示装置に適用した場合について説明するが、本発明は照明装置としても適用できるものである。
【0016】
<第1の実施形態>
(表示装置)
図1は、本発明に係る発光装置を適用した表示装置の第1の実施形態を示す概略ブロック図である。図2は、本実施形態に係る表示パネルを示す概略断面図である。図2(a)は、ザグリガラスを封止用基板に適用した構成例であり、図2(b)は、平板ガラスを封止用基板に適用した構成例である。図3は、本実施形態に係る表示パネルに配列される自発光素子の素子構造の一例を示す概略断面図である。ここで、図3においては、自発光素子として、ボトムエミッション型の発光構造を有する有機EL素子を適用した場合を示す。
【0017】
図1に示すように、第1の実施形態に係る表示装置(発光装置)100は、表示パネル(発光パネル)110と、導光部材120と、太陽電池(光電変換素子)130と、蓄電池140と、制御部150と、を有している。
【0018】
表示パネル110は、例えば図2(a)、(b)に示すように、ガラスや樹脂等の透明基板111の一面側(図面上面側)に、自発光素子である有機EL素子OELを含む画素が複数配列されている。各画素の有機EL素子OELは絶縁膜112により隔離されて相互に離間して配置されている。これらの複数の画素からなる画素アレイは、保護絶縁膜113により被覆され、さらに、外気や物理的衝撃等の外的環境から画素アレイ(有機EL素子OELを含む画素)を保護するために、透明基板111の一面側に対向するように封止用基板(対向基板)114が貼り合わせられている。
【0019】
ここで、封止用基板114は、図2(a)に示すように、画素アレイに対応する領域がザグリ加工されたザグリガラスを適用するものであってもよい。この場合、封止用基板114は、ザグリ加工されていない縁辺部において、接着剤を介して透明基板111に接合される。これにより、透明基板111上の画素アレイが封止用基板114のザグリ114zにより形成される封止空間115内に封止される。
【0020】
また、封止用基板114は、図2(b)に示すように、平板ガラスをそのまま適用するものであってもよい。この場合、透明基板111の縁辺部(画素アレイの周囲)に所定の高さの連続する突起部(具体的には所定の粒径のギャップ材を含む接着剤)118を形成し、当該突起部118を介して、封止用基板114となる平板ガラスが透明基板111に接合される。これにより、透明基板111上の画素アレイが突起部118と封止用基板114により形成される封止空間115内に封止される。
【0021】
封止空間115には、例えば不活性ガスが封止され、さらに、封止空間115内の封止用基板114の表面には、乾燥剤や乾燥シートが設けられている。これにより、封止空間115内の水分(湿気)や腐食性の気体が除去又は低減されて、有機EL素子OELの劣化の進行や不良の発生が抑制される。
【0022】
なお、図2(a)、(b)においては、画素アレイが形成された透明基板111に封止用基板を貼り合わせることにより封止する構造を示したが、画素アレイが形成された透明基板111の一面側に、少なくとも当該画素アレイを被覆するように樹脂材料により封止するものであってもよい。
【0023】
表示パネル110に配列される各画素に設けられる有機EL素子OELは、例えば図3に示すように、透明基板111の一面側(図面上面側)に、概略、アノード電極(陽極)ELaと、正孔輸送層TLhと、発光層Lelと、電子輸送層TLeと、カソード電極(陰極)ELcが順次積層された素子構造を有している。ここで、ボトムエミッション型の発光構造を有する有機EL素子OELにおいては、透明基板111側のアノード電極ELaが酸化インジウム−スズ(Indium Thin Oxide:ITO)等の透明電極膜により形成され、カソード電極ELcが反射特性を有する金属膜等により形成されている。これにより、図3に示すように、有機EL素子OELの発光層Lelから放射された光hνは、アノード電極ELa及び透明基板111を透過して、又は、カソード電極ELcで反射したのちアノード電極ELa及び透明基板111を透過して、透明基板111の他面側(図面下面側)である表示動作や照明動作に利用される面(表示面)側に出射される。
【0024】
導光部材120は、図1に示すように、矩形状を有する表示パネル110の各側面(端面)の外方に配置されている。導光部材120は、上述した表示パネル110の画素アレイに配列された各有機EL素子OELから放射され、透明基板111の他面側である表示面側に出射されない光(すなわち、表示パネル110における表示動作に寄与しない光)のうち、表示パネル110の側面から出射される光(以下、便宜的に「側面光」と記す)LTsを、後述する太陽電池130が配置された方向に導くとともに、集光して光の密度(光束)を高める光学部材である。導光部材120は、具体的には、例えばプリズムや反射板、高屈折レンズ等の光学部材が適用される。導光部材120による側面光LTsの屈折や反射の経路については、後述する具体例において詳しく説明する。
【0025】
光電変換素子である太陽電池130は、上述した導光部材120により導かれ、集光された光(以下、便宜的に「屈折光」と記す)LTrが照射されることにより、当該光エネルギーを光電変換作用により電気エネルギーに変換する。ここで、本実施形態に適用される太陽電池130については特に限定するものではなく、例えば結晶系や薄膜系のシリコン、化合物系、有機物系等の種々の太陽電池を適用することができる。
【0026】
蓄電池140は、上述した太陽電池130により生成された電気エネルギーを蓄積する。ここで、蓄電池140は、表示パネル110を駆動するための動作電源であるバッテリであってもよいし、当該バッテリとは別個に設けられた充電池やキャパシタであってもよい。
【0027】
制御部150は、少なくとも、上記蓄電池140における電気エネルギーの充放電動作を制御する。すなわち、制御部150は、表示パネル110の表示動作時に、表示パネル110の側面から出射された側面光LTsに基づいて、太陽電池130において生成された電気エネルギーを蓄電池140に蓄積する制御を行うとともに、当該蓄積された電気エネルギーを出力して、表示パネル110の表示動作(例えば、有機EL素子OELの発光動作)の動作電源として再利用する制御を行う。なお、制御部150は、蓄電池140に蓄積された電気エネルギーを上記表示パネル110の表示動作以外の動作電源として利用するように制御するものであってもよい。例えば、制御部150は、本実施形態に係る表示装置100を実装した電子機器において、表示動作以外の演算機能や通信機能等の動作電源として、上記電気エネルギーを利用するように制御するものであってもよい。
【0028】
(具体構成例)
次いで、上述した第1の実施形態に係る表示装置100の具体構成例を示して、詳しく説明する。
図4は、本実施形態に係る表示装置の第1の構成例を示す概略図である。ここで、図4(a)は、第1の構成例に係る表示装置、及び、その表示状態を示す概略斜視図であり、図4(b)は、第1の構成例に係る表示装置、及び、その表示状態を示す概略断面図である。ここでは、上述した図1に示した表示装置100の構成のうち、表示パネル110、導光部材120及び太陽電池130のみを示し、蓄電池140と制御部150の図示を省略する。
【0029】
第1の実施形態に係る表示装置100の第1の構成例は、図4(a)、(b)に示すように、矩形状の表示パネル110の四方の側面のそれぞれの外方に、各側面に対向するように、プリズムあるいは反射板、高屈折レンズ等からなる導光部材120が配置されている。また、各導光部材120において、表示パネル110の表示動作や照明動作に利用される面(表示面)側(図面上方側)とは反対方向側(反表示面側)に複数の太陽電池130が個別に配置されている。ここで、太陽電池130は、図4(b)に示すように、例えば表示パネル110を含む表示装置100の支持部材131等の任意の位置に固定されている。
【0030】
上述したような第1の構成例に係る表示装置100の製造方法は、まず、透明基板111の一面側に配列される各画素に含まれる有機EL素子OELを発光駆動するための機能素子(トランジスタやキャパシタ等)や、各種信号及び駆動電圧を印加するための信号線、電極等を形成する。次いで、図2、図3に示したように、画素ごとに透明電極膜からなるアノード電極ELaを形成した後、隣接する画素の有機EL素子OELと隔離するための絶縁膜112を形成する。次いで、各画素のアノード電極ELa上に有機EL薄膜層(正孔輸送層TLh、発光層Lel、電子輸送層TLe)を順次積層形成する。次いで、各画素に共通するように金属膜からなるカソード電極ELcを形成した後、画素アレイを構成する各画素を被覆するように保護絶縁膜113を形成する。その後、不活性ガス雰囲気中で、透明基板111の一面側に封止用基板114を接合して外気を遮断することにより、表示パネル110が完成する。次いで、表示パネル110の四方の側面の外方にプリズムや反射板からなる導光部材を個別に配置し、表示パネル110の側面光LTsを屈折又は反射させ、さらに集光させて出射される屈折光LTrの経路に光電変換素子として太陽電池130を配置する。
【0031】
そして、このような構成を有する表示装置100において、表示パネル110の表示動作時に、画素アレイを構成する各有機EL素子OELから放射された光の一部が、図4(a)、(b)に示すように、直接側面から、あるいは、透明基板111内や封止用基板114内で反射や散乱を繰り返した後、表示パネル110の側面から側面光LTsとして出射される。導光部材120は、表示パネル110の側面から出射される側面光LTsを屈折又は反射させ、さらに集光させて表示パネル110の表示面側とは反対方向に屈折光LTrとして出射させる。導光部材120から出射された屈折光LTrは、太陽電池130に照射されて、光電変換作用によりその光エネルギーが電気エネルギーに変換される。太陽電池130により生成された電気エネルギーは、上述したように、蓄電池140(図示を省略;図1参照)に蓄積され、制御部150(図示を省略;図1参照)により表示装置100の動作電源として再利用されるように制御される。
【0032】
(作用効果の検証)
次に、本実施形態の第1の構成例に係る表示装置の作用効果について、図面を参照して詳しく説明する。なお、以下の検証結果に基づく作用効果は、後述する他の構成例や実施形態においても同様に得られるものである。
【0033】
図5は、表示装置を表示動作(発光動作)させた場合の光の放射状態を示す概念図である。図5(a)は、表示動作時の表示パネルの要部断面図であり、図5(b)は、表示動作時の光の出射状態を示す概略斜視図である。ここで、上述した第1の実施形態と同等の構成については、同一の符号を付して説明を簡略化する。なお、図5(a)においては、図示の都合上、透明基板111の断面を示すハッチングを省略した。また、図6は、有機EL素子の放射特性を示す図である。
【0034】
第1の実施形態(第1の構成例を含む)に示したようなパネル構造を有する表示パネル110を適用した表示装置100において、表示動作(発光動作)を行うと、図3及び図5(a)に示すように、各有機EL素子OELの発光層Lelから放射された光は、透明なアノード電極ELa及び透明基板111を介して直接、あるいは、反射特性を有するカソード電極ELcで反射した後、アノード電極ELa及び透明基板111を介して、透明基板の他面側(図面上面側)の表示面側に出射される。
【0035】
ここで、図6に示すように、有機EL素子OELは、完全拡散型の放射特性を有しているので、発光層Lelを発光点Pelとする光は、全周の全角度に対して均一に放射される。そのため、図5(a)に示すように、表示パネル110の基板平面に略垂直方向(図面上下方向)に放射される光は、直接、又は、カソード電極ELcで反射して、透明基板111の他面側である表示面側に表示光LTfとして出射して表示装置100の表示動作に利用される(寄与する)。このとき、表示パネル110の表示面側に出射される表示光LTfの比率は、一般に、有機EL素子OELの全放射光の概ね20〜30%程度にすぎない。
【0036】
すなわち、有機EL素子OELの全放射光の概ね70〜80%が表示装置100の表示動作に利用されていない(寄与していない)。具体的には、有機EL素子OELを構成する各層や透明基板111の屈折率にもよるが、表示パネル110の基板平面に垂直方向(図6中、z方向)に対して、放射角θが例えば35〜40°以上となる方向に放射された光(図6中、Lθ)の大半が表示面側には出射されず、図5(b)に示すように、表示パネル110内部で反射や散乱を繰り返して基板平面方向に伝搬し、その一部が、透明基板111や封止用基板114の側面(端面)から側面光LTsとして出射される。このとき、表示パネル110の側面から出射される側面光LTsの比率は、有機EL素子OELの全放射光の最大30〜40%に達する場合があることが、発明者らの検証により判明した。従来、この側面光LTsは、表示装置100の表示動作に寄与しない光として放置されていた。
【0037】
そこで、本実施形態に係る表示装置100においては、図4(a)、(b)に示したように、表示パネル110の側面の外方に、プリズムや反射板等の光学部材からなる導光部材120を設けて、側面光LTsを任意の方向に屈折又は反射させ、さらに集光させた屈折光LTrを、光電変換素子である太陽電池130に照射する構成を有している。これにより、太陽電池130において、屈折光LTrの光エネルギーが電気エネルギーに変換されて蓄電池140に蓄積される。
【0038】
このように、本実施形態に係る表示装置100においては、表示動作時に画素アレイに配列された各有機EL素子OELから放射される光のうち、表示パネル110の表示面側に出射されず、表示動作に寄与しない光の一部(側面光LTsとして出射される光)のエネルギーを回収して電気エネルギーに変換し、表示装置100の動作電源として再利用することができる。したがって、本実施形態に係る表示装置を、携帯型又は可搬型の電子機器に適用した場合、バッテリの電源容量不足を補って、長時間の駆動が可能な使い勝手のよい電子機器を実現することができる。一方、本実施形態に係る表示装置を、据え置き型の電子機器に適用した場合、消費電力を抑制して、従来よりも省エネルギー性能の高い電子機器を実現することができる。
【0039】
なお、上述した第1の構成例においては、表示パネル110の各側面から出射された側面光LTsを、導光部材120により屈折又は反射させ、さらに集光させて表示面側とは反対方向に出射させる構成を示したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。また、上述した第1の構成例においては、表示パネル110の各側面と導光部材120、また、導光部材120と太陽電池130とが、互いに離間して配置された構成を示したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。以下に、その具体例を示して説明する。
【0040】
(他の具体構成例)
図7は、本実施形態に係る表示装置の第2〜第4の構成例を示す概略図である。ここでも、上述した図1に示した表示装置100の構成のうち、表示パネル110、導光部材120及び太陽電池130のみを示す。なお、第1の構成例と同等の構成については、その説明を簡略化する。
【0041】
第2の構成例に係る表示装置100は、図7(a)に示すように、表示パネル110の各側面と導光部材120、また、導光部材120と太陽電池130とが、互いに密着するように設けられた構成を有している。これによれば、表示パネル110と導光部材120間、及び、導光部材120と太陽電池130間に空気層が介在しないので、表示パネル110の側面から出射される側面光LTsや、導光部材120により屈折あるいは反射され、さらに集光されて出射される屈折光LTrの界面反射を抑制することができる。したがって、本構成例によれば、太陽電池130に照射される屈折光LTrの密度を高めて電気エネルギーへの変換効率(電気エネルギーの生成量)を改善することができ、省エネルギー性能を一層向上させることができる。
【0042】
第3の構成例に係る表示装置100は、図7(b)に示すように、表示パネル110の各側面と導光部材120と太陽電池130とが、互いに密着するように設けられ、かつ、太陽電池130が導光部材120を介して表示パネル110の各側面に対向するように配置された構成を有している。
【0043】
また、第4の構成例に係る表示装置100は、図7(c)に示すように、表示パネル110の各側面と導光部材120と太陽電池130とが、互いに密着するように設けられ、かつ、太陽電池130が表示パネル110の封止用基板114の反表示面側の縁辺領域(側面光LTsが出射される側面近傍の領域)に配置された構成を有している。
【0044】
これらの構成によれば、表示パネル110と導光部材120間、及び、導光部材120と太陽電池130間に空気層が介在しないので、上述した側面光LTsや屈折光LTrの界面反射を抑制することができ、太陽電池130の変換効率(電気エネルギーの生成量)を改善することができる。加えて、これらの構成によれば、太陽電池130の配置を比較的自由に決定することができるので、設計自由度を高めて、種々の電子機器への表示装置100の実装時に良好に対応することができる。
【0045】
なお、第2〜第4の構成例に示したように、表示パネル110と導光部材120、また、導光部材120と太陽電池130を密着させて配置する場合には、透明な接着剤の他、相互の接着面での界面反射を抑制することができる光学性の(例えば屈折率が調整された)接着剤や接着シートを良好に適用することができる。このような光学性の接着剤や接着シートとしては、例えばダイキン工業株式会社製の「オプトダイン(登録商標)UV」等を良好に適用することができる。
【0046】
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る発光装置を適用した表示装置の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0047】
図8は、本発明の第2の実施形態に係る表示装置に適用される表示パネルの第1の構成例を示す概略構成図である。図8(a)は、第1の構成例に係る表示パネルの背面側(反表示面側)を示す平面図であり、図8(b)は、図8(a)におけるVIIIA−VIIIA線(本明細書においては図8(a)中に示したローマ数字の「8」に対応する記号として便宜的に「VIII」を用いる)に沿った断面を示す概略断面図であり、図8(c)は、第1の構成例に係る表示パネルの表示面側を示す平面図である。ここで、本実施形態においては、図示の都合上、図8(b)の下方側を表示面側とする。また、上述した第1の実施形態と同等の構成については、同一の符号を付して説明を簡略化する。
【0048】
第2の実施形態に係る表示装置の第1の構成例は、図8(a)〜(c)に示すように、上述した第1の実施形態と同等の構成を有する表示パネル(発光パネル)110と、該表示パネル110の封止用基板114の表面に設けられた導光部材(光学部材)121と、該導光部材121を介して、封止用基板114に対向するように設けられた複数の太陽電池(光電変換素子)130と、を有している。
【0049】
導光部材(光学部材)121は、図8(a)、(b)に示すように、表示パネル110を構成する封止用基板114の表面(表示パネル110の表示面側と反対側;図8(a)の平面、又は、図8(b)の上面側)の全域に、所定の厚さを有して設けられている。導光部材121は、例えば特定の屈折率を有するように調整された透明な接着剤又は接着シート等の粘着性の光学部材が適用される。具体的には、導光部材121は、後述するように、表示パネル110の各画素に含まれる有機EL素子OELから放射され、内部反射や散乱を繰り返して、表示パネル110の背面側の封止用基板114に伝搬した光を取り出し、さらに集光して後述する太陽電池130に照射するように、屈折率が調整された光学部材である。このような光学特性を有する接着剤や接着シートとしては、上述した第1の実施形態にも示したダイキン工業株式会社製の「オプトダイン(登録商標)UV」等を良好に適用することができる。
【0050】
太陽電池130は、上記導光部材121を介して、表示パネル110の背面側の封止用基板114に対向し、かつ、当該封止用基板114の表面の縁辺領域に配置されるように接着されている。ここで、太陽電池130が配置される縁辺領域とは、図8(a)、(c)に示すように、封止用基板114の表面のうち、透明基板111の一面側(図8(b)の上面側)に形成された画素アレイにより、表示パネル110の略中央領域に設定される表示領域AReに対応する領域以外の領域を指す。太陽電池130は、表示パネル110の背面側の封止用基板114に伝搬した光のうち、上述した導光部材121により取り出され、さらに集光された光が照射されることにより、上述した第1の実施形態と同様に、当該光エネルギーを光電変換作用により電気エネルギーに変換する。
【0051】
図9は、第1の構成例に係る表示装置の表示状態を示す概略図である。図9(a)は、第1の構成例に係る表示装置の表示状態を示す概略斜視図であり、図9(b)は、第1の構成例に係る表示装置の表示状態を示す要部断面図である。ここでは、上述した図1に示した表示装置100の構成のうち、表示パネル110、導光部材120及び太陽電池130のみを示し、蓄電池140と制御部150の図示を省略する。
【0052】
上述した第1の実施形態においては、図5(a)、(b)に示したように、表示装置100において、表示パネル110の表示動作時に、画素アレイの各有機EL素子OELから放射された光の一部が、透明基板111内や封止用基板114内で反射や散乱を繰り返した後、表示パネル110の側面から側面光LTsとして出射されることを説明した。そして、このとき、表示パネル110の側面から出射される側面光LTsの比率は、有機EL素子OELの全放射光の最大30〜40%に達する場合があることを説明した。ここで、表示パネル110の表示面側に出射される表示光LTfの比率は、一般に、有機EL素子OELの全放射光の概ね20〜30%程度であることから、上述した第1の実施形態に示した構成によっても、依然として、有機EL素子OELの全放射光の概ね30〜50%の光が回収されず、放置されていることになる。
【0053】
そこで、第2の実施形態においては、図9(a)、(b)に示すように、画素アレイの各有機EL素子OELから放射された光のうち、透明基板111内や封止用基板114内で反射や散乱を繰り返して、表示パネル110(画素アレイ)の背面側の封止用基板114に伝搬し、減衰、喪失する光(以下、便宜的に「伝搬光」と記す)LTpの一部を、特定の屈折率を有するように調整された透明な接着剤又は接着シートからなる導光部材121により取り出し、さらに集光して太陽電池130に照射する構成を有している。これにより、太陽電池130において、伝搬光LTpの光エネルギーが電気エネルギーに変換されて蓄電池140に蓄積される。
【0054】
このように、本実施形態の第1の構成例に係る表示装置100においては、表示動作時に画素アレイに配列された各有機EL素子OELから放射される光のうち、表示パネル110の表示面側に出射されず、表示動作に寄与しない光の一部(伝搬光LTpとして表示パネル110の背面側の封止用基板114に伝搬した光)を取り出し、当該光のエネルギーを回収して電気エネルギーに変換し、表示装置100の動作電源として再利用することができる。したがって、本実施形態に係る表示装置を、携帯型又は可搬型の電子機器に適用した場合、バッテリの電源容量不足を補って、長時間の駆動が可能な使い勝手のよい電子機器を実現することができる。一方、本実施形態に係る表示装置を、据え置き型の電子機器に適用した場合、消費電力を抑制して、従来よりも省エネルギー性能の高い電子機器を実現することができる。
【0055】
なお、上述した第1の構成例(図8、図9参照)に示した表示装置においては、表示パネル110の背面側の封止用基板114の表面に、接着剤又は接着シート等からなる導光部材121を介して複数の太陽電池130を配置することにより、封止用基板114側に伝搬した伝搬光LTpを取り出して電気エネルギーに変換する場合についてのみ説明した。本実施形態はこれに限定されるものではなく、上述した第1の実施形態に示したように、表示パネル110の側面から出射される側面光LTsを導光部材120を介して太陽電池130に照射することにより電気エネルギーを生成する構成(図4、図7参照)を、本実施形態に適用して組み合わせた構成を有するものであってもよいことはいうまでもない。これによれば、表示パネル110の表示動作時に各有機EL素子OELから放射される光のうち、表示動作に寄与しない光のエネルギーの回収率を大幅に高めることができ、長時間の駆動、もしくは、省エネルギー性能の高い電子機器を実現することができる。
【0056】
また、上述した第1の構成例に示した表示装置においては、封止用基板114の表面の全域に導光部材121を設けた構成を示したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば図10に示すように、太陽電池130が配列される封止用基板114の縁辺領域にのみ導光部材121を設けて、封止用基板114の中央領域には導光部材121を設けないようにしたものであってもよい。ここで、図10は、第1の構成例に係る表示パネルの他の例を示す概略構成図である。図10(a)は、本構成例の他の例に係る表示パネルの背面側(反表示面側)を示す平面図であり、図10(b)は、図10(a)におけるXB−XB線(本明細書においては図10(a)中に示したローマ数字の「10」に対応する記号として便宜的に「X」を用いる)に沿った断面を示す概略断面図である。
【0057】
図11は、第2の実施形態に係る表示装置に適用される表示パネルの第2の構成例を示す概略構成図である。図11(a)は、第2の構成例に係る表示パネルの背面側(反表示面側)を示す平面図であり、図11(b)は、図11(a)におけるXIC−XIC線(本明細書においては図11(a)中に示したローマ数字の「11」に対応する記号として便宜的に「XI」を用いる)に沿った断面を示す概略断面図であり、図11(c)は、第2の構成例に係る表示パネルの表示面側を示す平面図である。また、図12は、第2の構成例に係る表示装置の表示状態を示す要部断面図である。
【0058】
第2の構成例に係る表示装置は、図11(a)〜(c)に示すように、上述した第1の実施形態と同等の構成を有する表示パネル(発光パネル)110と、少なくとも表示パネル110の側面を含む領域に設けられた反射特性を有する導光部材(光学部材)122と、該導光部材122を介して、封止用基板114の表面の縁辺領域に設けられた複数の太陽電池(光電変換素子)130と、を有している。
【0059】
導光部材(光学部材)122は、図11(a)、(b)に示すように、少なくとも矩形状の表示パネル110の四方の側面に密着して設けられている。ここで、導光部材122は、表示パネル110の四方の側面のみならず、透明基板111の表示面側の表面や封止用基板114の反表示面側の表面の縁辺領域にまで延在するように設けられている。導光部材122は、例えば金属薄膜等の反射特性を有する反射板が適用される。このような金属性の反射板は、例えば表示パネル110とは別部材として形成されたものを取り付けるものであってもよいし、例えば蒸着法やメッキ法等の周知の金属薄膜成膜法を用いて、少なくとも表示パネル110の側面に直接形成するものであってもよい。
【0060】
太陽電池130は、表示パネル110の背面側の封止用基板114の表面の縁辺領域に配置されている。ここで、太陽電池130が配置される縁辺領域とは、図12(a)、(c)に示すように、封止用基板114の表面のうち、画素アレイにより表示パネル110の略中央領域に設定される表示領域AReに対応する領域、及び、上述した導光部材122の延在領域を除く領域を指す。太陽電池130は、上述した導光部材122により表示パネル110の背面側の封止用基板114に伝搬した光が照射されることにより、上述した第1の実施形態と同様に、当該光エネルギーを光電変換作用により電気エネルギーに変換する。
【0061】
なお、太陽電池130は、透明な接着剤を介して、直接封止用基板114の表面に接着されているものであってもよいし、上述した第1の実施形態に示したような特定の光学特性を有する(例えば屈折率が調整された)接着剤や接着シートを適用するものであってもよい。また、光電変換素子として、薄膜系シリコン太陽電池を適用する場合には、太陽電池130を封止用基板114の表面に直接形成するものであってもよい。
【0062】
すなわち、第2の構成例においては、図12に示すように、画素アレイの各有機EL素子OELから放射された光のうち、表示パネル110の側面方向への光を、当該側面に密着して設けられた反射板からなる導光部材122により、表示パネル110の内部方向に反射する構成を有している。これにより、上記導光部材122により反射した光(以下、「反射光」と記す)LTqは、透明基板111内や封止用基板114内で反射や散乱を繰り返して、表示パネル110の背面側の封止用基板114に伝搬し、封止用基板114表面に配置された太陽電池130に照射されて、電気エネルギーに変換される。
【0063】
ここで、図11(a)、(b)に示したように、導光部材122を、表示パネル110の側面だけでなく、透明基板111や封止用基板114の表面の縁辺領域にまで延在するように構成することにより、画素アレイに配列された各有機EL素子OELから放射される光のうち、表示動作に寄与しない光をより多く、表示パネル110の背面側の封止用基板114に伝搬光LTpとして伝搬させることができる。
【0064】
このように、本実施形態の第2の構成例に係る表示装置においても、表示動作時に画素アレイに配列された各有機EL素子OELから放射される光のうち、表示パネル110の表示面側に出射されず、表示動作に寄与しない光の一部(伝搬光LTpとして表示パネル110の背面側の封止用基板114に伝搬した光)を、光エネルギーとして回収して電気エネルギーに変換し、表示装置100の動作電源として再利用することができる。
【0065】
図13は、第2の実施形態に係る表示装置に適用される表示パネルの第3の構成例を示す概略構成図である。図13(a)は、第3の構成例に係る表示パネルの背面側(反表示面側)を示す平面図であり、図13(b)は、図13(a)におけるXIIID−XIIID線(本明細書においては図13(a)中に示したローマ数字の「13」に対応する記号として便宜的に「XIII」を用いる)に沿った断面を示す概略断面図である。図13(c)は、第3の構成例の他の例に係る表示パネルの背面側を示す平面図である。また、図14は、第3の構成例の他の例に係る表示装置の表示状態を示す要部断面図である。図14(a)は、第3の構成例の他の例に係る表示装置の表示状態を示す概略斜視図であり、図14(b)は、第3の構成例の他の例に係る表示装置の表示状態を示す要部断面図である。
【0066】
第3の構成例に係る表示装置は、図13(a)〜(c)に示すように、上述した第1の実施形態と同等の構成を有する表示パネル(発光パネル)110と、封止用基板114の表面に設けられた複数の太陽電池(光電変換素子)130と、を有している。
【0067】
太陽電池130は、例えば図13(a)に示すように、表示パネル110の背面側の封止用基板114の表面の中央領域(表示領域AReに対応する領域)を除く縁辺領域に配置されているものであってもよいし、図13(c)に示すように、封止用基板114の表面の全域に配置されているものであってもよい。
【0068】
ここで、太陽電池130は、透明な接着剤を介して、直接封止用基板114の表面に接着されているものであってもよいし、薄膜系シリコン太陽電池を適用する場合には、封止用基板114を構成するガラス基板の表面に直接形成されているものであってもよい。
【0069】
すなわち、上述した第1の構成例においては、図8、図9に示したように、表示パネル110の背面側の封止用基板114の表面に、接着剤又は接着シートからなる導光部材121を介して、複数の太陽電池130を設けた構成を示したが、第3の構成例においては、図13に示すように、封止用基板114の表面に直接、太陽電池130が設けられた構成を有している。これにより、図14(a)、(b)に示すように、上述した第1の構成例の場合(図9参照)と同様に、各有機EL素子OELから放射される光のうち、表示パネル110の表示面側に出射されず、表示動作に寄与しない光の一部が、透明基板111内や封止用基板114内で反射や散乱を繰り返して、表示パネル110の背面側の封止用基板114に伝搬光LTpとして伝搬し、封止用基板114表面に配置された太陽電池130に照射されて、電気エネルギーに変換される。
【0070】
ここで、本構成例においては、上述した第1の構成例のように、封止用基板114と太陽電池130との間に導光部材121が介在していないので、上記伝搬光LTpが封止用基板114内部で反射や散乱を繰り返して、中央領域(表示領域AReに対応する領域)内部にまで伝搬する。したがって、図13(c)、図14に示すように、複数の太陽電池130を封止用基板114の表面の全域に配置することにより、封止用基板114内部を伝搬する伝搬光LTpを太陽電池130により多く照射して、電気エネルギーに変換することができる。
【0071】
このように、本実施形態の第3の構成例に係る表示装置においても、表示動作時に画素アレイに配列された各有機EL素子OELから放射される光のうち、表示パネル110の表示面側に出射されず、表示動作に寄与しない光の一部(伝搬光LTpとして表示パネル110の背面側の封止用基板114に伝搬した光)を、光エネルギーとして回収して電気エネルギーに変換し、表示装置100の動作電源として再利用することができる。
【0072】
なお、上述した各実施形態においては、透明基板111の一面側に有機EL素子OELを含む画素が形成され、発光層Lelから放射された光が透明基板111を透過して他面側の表示面側に出射されるボトムエミッション型の発光構造を有する表示パネル(発光パネル)110について説明した。本発明はこれに限定されるものではなく、透明基板111の一面側に形成された有機EL素子OELの発光層Lelから放射された光が封止用基板114を透過して透明基板111の一面側の表示面側に出射されるトップエミッション型の発光構造を有する表示パネルに適用するものであってもよい。この場合、上述した第2の実施形態においては、太陽電池130が透明基板111の他面側に配置されることになる。
【0073】
<表示装置の具体例>
次に、上述した各実施形態に係る表示装置(表示パネル)に適用される画素及びドライバ(駆動回路)について具体例を示して説明する。ここで、以下に示す具体例においては、有機EL素子を含む複数の画素を2次元配列した構成を有し、各画素が画像データに応じた輝度階調で発光動作することにより画像情報を表示するアクティブマトリクス駆動方式の有機EL表示パネルを備えた表示装置について説明する。なお、本発明はこの具体例に限定されるものではなく、他の駆動方式(表示方法)の表示パネルを備えた表示装置に適用するものであってもよい。
【0074】
図15は、本発明に係る表示装置に適用される画素及びドライバの第1の具体例を示す概略構成図であり、図16は、本発明に係る表示装置に適用される画素及びドライバの第2の具体例を示す概略構成図である。図15(a)、図16(a)は、各具体例に係る表示装置の概略構成図であり、図15(b)、図16(b)は、各具体例に係る表示装置に適用される画素の等価回路図である。なお、第2の具体例において、第1の具体例と同等の構成については同一の符号を付して説明を簡略化する。
【0075】
(第1の具体例)
図15(a)に示すように、第1の具体例に係る表示装置は、少なくとも、複数の画素PIXが二次元配列された表示パネル210と、各画素PIXを選択状態に設定するための選択ドライバ(選択駆動回路)220と、各画素PIXに画像データに応じた階調信号を供給するためのデータドライバ(信号駆動回路)230と、を備えている。ここで、表示パネル210は、上述した各実施形態に示した表示パネル110と同様に、周囲に導光部材120や太陽電池130が設けられている。
【0076】
本具体例に係る表示パネル210に配列される画素PIXは、例えば図15(b)に示すように、発光駆動回路DCと有機EL素子OELとを備え、発光駆動回路DCにより画像データに応じた電流値の発光駆動電流を生成して、有機EL素子OELに供給することにより、当該画像データに応じた所定の輝度階調で有機EL素子OELを発光させる。
【0077】
発光駆動回路DCは、例えば図15(b)に示すように、nチャネル型の薄膜トランジスタからなるトランジスタTr11、Tr12と、キャパシタCsと、を備えている。トランジスタTr11は、ゲート端子が選択ラインLsに接続され、ドレイン端子がデータラインLdに接続され、ソース端子が接点N11に接続されている。トランジスタTr12は、ゲート端子が接点N11に接続され、ドレイン端子が高電位の電源電圧Vsaに接続され、ソース端子が接点N12に接続されている。キャパシタCsは、トランジスタTr12のゲート端子(接点N11)及びソース端子(接点N12)に接続されている。
【0078】
また、有機EL素子OELは、アノード端子(アノード電極)が上記発光駆動回路DCの接点N12に接続され、カソード端子(カソード電極)が低電位の基準電圧Vsc(例えば接地電位Vgnd)に接続されている。
【0079】
画素PIXに接続される選択ラインLsは、上述した選択ドライバ220に接続されて、所定のタイミングで選択レベルの選択電圧Vselが印加される。また、データラインLdは、上述したデータドライバ230に接続されて、上記選択電圧Vselにより選択状態に設定された画素PIXに対して、画像データに応じた階調電圧(階調信号)Vdataが印加される。
【0080】
このような回路構成を有する画素PIXを備えた表示装置の表示動作について、簡単に説明する。まず、選択期間において、選択ドライバ220から特定の行の選択ラインLsに選択レベル(ハイレベル)の選択電圧Vselを印加することにより、各画素PIXのトランジスタTr11がオン動作して、当該行の画素PIXが選択状態に設定される。このタイミングに同期して、画像データに応じた階調電圧Vdataを、データドライバ230から各列のデータラインLdに印加することにより、階調電圧Vdataに応じた電位が各画素PIXの接点N11に印加される。
【0081】
これにより、各画素PIXのトランジスタTr12が階調電圧Vdataに応じた導通状態でオン動作して、ドレイン・ソース間に所定の電流値の発光駆動電流が流れ、有機EL素子OELは、階調電圧Vdata(すなわち画像データ)に応じた輝度階調で発光する。このとき、各画素PIXのトランジスタTr12のゲート・ソース間に接続されたキャパシタCsには、接点N11に印加された階調電圧Vdataに基づいて電荷が蓄積(充電)される。
【0082】
次いで、非選択期間において、選択ドライバ220から選択ラインLsに非選択レベル(ローレベル)の選択電圧Vselを印加することにより、各画素PIXのトランジスタTr11がオフ動作して、当該行の画素PIXが非選択状態に設定される。これにより、各画素PIXのキャパシタCsに蓄積された電荷(すなわち、ゲート・ソース間の電位差)が保持されて、トランジスタTr12のゲート端子に階調電圧Vdataに相当する電圧が印加される。したがって、各画素PIXのトランジスタTr12のドレイン・ソース間に上記の発光動作状態と同等の電流値の発光駆動電流が流れて、有機EL素子OELは発光状態を継続する。そして、このような表示動作を、表示パネル210に2次元配列された全ての行の画素PIXについて順次実行することにより、所望の画像情報が表示される。
【0083】
(第2の具体例)
図16(a)に示すように、第2の具体例に係る表示装置は、少なくとも、表示パネル210と、選択ドライバ220と、データドライバ230と、電源ドライバ240と、を備えている。すなわち、本具体例に係る表示装置は、第1の具体例(図15(a)参照)に示した構成に加え、電源ドライバ240を備えた構成を有している。
【0084】
本具体例に係る表示パネル210に配列される画素PIXに設けられる発光駆動回路DCは、例えば図16(b)に示すように、nチャネル型の薄膜トランジスタからなるトランジスタTr21〜Tr23と、キャパシタCsと、を備えている。トランジスタTr21は、ゲート端子が選択ラインLsに接続され、ドレイン端子が電源ラインLaに接続され、ソース端子が接点N21に接続されている。トランジスタTr22は、ゲート端子が選択ラインLsに接続され、ソース端子がデータラインLdに接続され、ドレイン端子が接点N22に接続されている。トランジスタTr23は、ゲート端子が接点N21に接続され、ドレイン端子が電源ラインLaに接続され、ソース端子が接点N22に接続されている。キャパシタCsは、トランジスタTr23のゲート端子(接点N21)及びソース端子(接点N22)に接続されている。
【0085】
また、有機EL素子OELは、アノード端子(アノード電極)が上記発光駆動回路DCの接点N22に接続され、カソード端子(カソード電極)が低電位の基準電圧Vsc(例えば接地電位Vgnd)に接続されている。画素PIXに接続される電源ラインLaは、上述した電源ドライバ240に接続されて、所定のタイミングで発光レベル又は非発光レベルの電源電圧Vsaが印加される。
【0086】
このような回路構成を有する画素PIXを備えた表示装置の表示動作について、簡単に説明する。まず、選択期間において、選択ドライバ220から特定の行の選択ラインLsに選択レベル(ハイレベル)の選択電圧Vselを印加するとともに、電源ドライバ240から当該行の電源ラインLaに非発光レベル(基準電圧Vsc以下の電圧レベル;例えば負電圧)の電源電圧Vsaを印加する。これにより、各画素PIXのトランジスタTr21、Tr22がオン動作して、当該行の画素PIXが選択状態に設定される。このタイミングに同期して、画像データに応じた負の電圧値の階調電圧Vdataを、データドライバ230から各列のデータラインLdに印加することにより、階調電圧Vdataに応じた電位が各画素PIXの接点N22に印加される。
【0087】
これにより、各画素PIXのトランジスタTr23がオン動作して、トランジスタTr23のゲート・ソース間に生じた電位差に応じた書込電流が、電源ラインLaからトランジスタTr23、接点N22、トランジスタTr22を介してデータラインLd方向に流れる。このとき、各画素PIXのキャパシタCsには、接点N21及びN22間に生じた電位差に応じた電荷が蓄積される。
【0088】
ここで、電源ラインLaには、基準電圧Vsc以下の電源電圧Vsaが印加され、さらに、書込電流が画素PIXからデータラインLd方向に引き抜かれるように設定されている。これにより、有機EL素子OELのアノード(接点N22)に印加される電位は、カソードの電位(基準電圧Vsc)よりも低くなるため、有機EL素子OELには電流が流れず、有機EL素子OELは発光しない(非発光動作)。そして、このような書込動作を、表示パネル210に2次元配列された全ての行の画素PIXについて順次実行する。
【0089】
次いで、非選択期間において、選択ドライバ220から選択ラインLsに非選択レベル(ローレベル)の選択電圧Vselを印加することにより、各画素PIXのトランジスタTr21、Tr22がオフ動作して、当該行の画素PIXが非選択状態に設定される。これにより、各画素PIXのキャパシタCsに選択期間において蓄積された電荷が保持されるので、トランジスタTr23はオン状態を維持する。そして、電源ドライバ240から電源ラインLaに発光レベル(基準電圧Vscよりも高い電圧レベル)の電源電圧Vsaを印加することにより、電源ラインLaからトランジスタTr23、接点N22を介して、有機EL素子OELに所定の発光駆動電流が流れる。
【0090】
このとき、各画素PIXのキャパシタCsに蓄積される電荷(電圧成分)は、トランジスタTr23において階調電圧Vdataに対応する書込電流を流す場合の電位差に相当するので、有機EL素子OELに流れる発光駆動電流は、当該書込電流と略同等の電流値となる。これにより、各画素PIXの有機EL素子OELは、書込動作時に書き込まれた画像データ(階調電圧Vdata)に応じた輝度階調で発光し、表示パネル210に所望の画像情報が表示される。
【0091】
このような各具体例に係る表示パネル210及びドライバ220〜240は、上述した各実施形態に示した表示装置100の表示パネル110及びその駆動回路として適用することができるものである。これにより、上述した表示動作により、各画素PIXの有機EL素子が発光して発光層から放射された光のうち、表示パネル110の表示面側に出射された表示光LTfが表示動作に寄与して、上述した画像情報として認識される。一方、表示パネル110の表示面側に出射されない光は、表示パネル110を構成する透明基板111や封止用基板114内で反射や散乱を繰り返した後、その一部が、表示パネル110の側面から側面光LTsとして出射され、あるいは、内部を伝搬する伝搬光LTpとなって、表示動作に寄与しない。上述した各実施形態においては、このような表示動作に寄与しない光を導光部材120〜122を介して、あるいは、直接、太陽電池130に照射することにより、その光エネルギーを回収して電気エネルギーに変換し、表示装置100の動作電源として再利用することができる。
【0092】
なお、上述した第1及び第2の具体例(図15、図16)においては、画像データに応じた電圧値の階調電圧Vdataを各画素PIXに印加することにより、有機EL素子OELに画像データに応じた発光駆動電流を流して、所望の輝度階調で発光動作(表示動作)させる電圧指定型の階調制御方式に対応した回路構成を有する発光駆動回路DCを備えた場合について説明した。本発明に係る表示装置はこれに限定されるものではなく、例えば、画像データに応じた電流値の階調電流を各画素PIXに供給することにより、各画素PIXの発光素子に画像データに応じた発光駆動電流を流して、所望の輝度階調で発光動作させる電流指定型の階調制御方式に対応した回路構成を有する発光駆動回路を備えたものであってもよい。なお、第2の具体例に示した発光駆動回路DCは、上記の電圧指定型及び電流指定型のいずれの階調制御方式にも対応した回路構成を有している。
【0093】
<電子機器への適用例>
次に、上述した各実施形態に係る表示装置を適用した電子機器について、図面を参照して説明する。
【0094】
上述したような表示パネル110や導光部材120、太陽電池130、蓄電池140、制御部150を備える表示装置100は、例えばデジタルカメラや薄型テレビジョン、モバイル型のパーソナルコンピュータ、携帯電話機等、種々の電子機器の表示デバイスとして良好に適用できるものである。
【0095】
図17は、本発明に係る発光装置を適用したデジタルカメラの構成例を示す斜視図であり、図18は、本発明に係る発光装置を適用した薄型テレビジョンの構成例を示す斜視図であり、図19は、本発明に係る発光装置を適用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成例を示す斜視図であり、図20は、本発明に係る発光装置を適用した携帯電話機の構成例を示す図である。
【0096】
図17において、デジタルカメラ310は、大別して、本体部311と、レンズ部312と、操作部313と、上述した実施形態に示した半導体装置を備えた表示装置100を適用した表示部314と、シャッターボタン315とを備えている。これによれば、表示部314における表示動作に寄与しない光を回収して電気エネルギーに変換し、デジタルカメラ310の動作電源として再利用することができる。したがって、バッテリの電源容量不足を補って、長時間の駆動が可能なデジタルカメラ310を実現することができる。
【0097】
また、図18において、薄型テレビジョン320は、大別して、本体部321と、上述した実施形態に示した半導体装置を備えた表示装置100を適用した表示部322と、操作用コントローラ(リモコン)323と、を備えている。これによれば、表示部322における表示動作に寄与しない光を回収して電気エネルギーに変換し、薄型テレビジョン320の動作電源として再利用することができる。したがって、消費電力を抑制して、従来よりも省エネルギー性能の高い薄型テレビジョン320を実現することができる。
【0098】
また、図19において、パーソナルコンピュータ330は、大別して、本体部331と、キーボード332と、上述した実施形態に示した半導体装置を備えた表示装置100を適用した表示部333とを備えている。この場合においても、表示部333における表示動作に寄与しない光を回収して電気エネルギーに変換し、パーソナルコンピュータ330の動作電源として再利用することができる。したがって、バッテリの電源容量不足を補って、長時間の駆動が可能な、あるいは、消費電力を抑制して、従来よりも省エネルギー性能の高いパーソナルコンピュータ330を実現することができる。
【0099】
また、図20において、携帯電話機340は、大別して、操作部341と、受話口342と、送話口343と、上述した実施形態に示した半導体装置を備えた表示装置100を適用した表示部344とを備えている。この場合においても、表示部344における表示動作に寄与しない光を回収して電気エネルギーに変換し、携帯電話機340の動作電源として再利用することができる。したがって、バッテリの電源容量不足を補って、長時間の駆動が可能な携帯電話機340を実現することができる。
【0100】
なお、上述した各電子機器においては、本発明に係る発光装置を、表示装置(表示デバイス)として適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る発光装置は、例えば単一の発光素子、もしくは、複数の発光素子が面状に配列された発光パネルを有する照明装置に適用するものであってもよい。また、本発明に係る発光装置は、例えば発光素子を含む複数の画素が一方向に配列された発光素子アレイを備え、感光体ドラムに画像データに応じて発光素子アレイから出射した光を照射して露光する露光装置に適用するものであってもよい。
【符号の説明】
【0101】
100 表示装置
110 表示パネル
111 透明基板
114 封止用基板
120 導光部材
121 導光部材
122 導光部材
130 太陽電池
140 蓄電池
150 制御部
210 表示パネル
OEL 有機EL素子
LTs 側面光
LTf 表示光
LTr 屈折光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の一面側に発光素子が形成された発光パネルを備えた発光装置において、
前記発光パネルは、前記発光素子の光を前記発光装置の外部に出射する第一出射面を備え、
前記発光素子から放射され、前記第一出射面と異なる、少なくとも一面以上の第二出射面側から出射される光を受光する光電変換素子を有することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記第二出射面は、前記第一出射面と対向する面を含み、
前記光電変換素子は、前記第一出射面と対向する面に伝搬する光を受光することを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
前記発光装置は、前記光の進路を任意の方向に変更する導光部材を有し、
前記光電変換素子は、前記発光パネルの前記第一出射面側に出射されない光を、前記導光部材を介して受光することを特徴とする請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記発光パネル及び前記光電変換素子は、前記導光部材に密着して配置されていることを特徴とする請求項3記載の発光装置。
【請求項5】
前記導光部材は、透明な粘着性材料からなり、
前記発光パネル及び前記光電変換素子は、前記導光部材により接合されていることを特徴とする請求項3記載の発光装置。
【請求項6】
前記導光部材は、前記発光パネルの前記第一出射面側に出射されない光を、前記任意の方向に反射させる光学部材であることを特徴とする請求項3記載の発光装置。
【請求項7】
前記光電変換素子は、前記発光パネルの前記第一出射面側と反対側の面に直接形成されていることを特徴とする請求項2記載の発光装置。
【請求項8】
前記発光パネルは、前記基板の一面側に対向し、少なくとも前記発光素子を封止するように接合された対向基板を有していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の発光装置。
【請求項9】
前記発光装置は、前記光電変換素子により生成された電気エネルギーを蓄積する蓄電池と、前記蓄電池に蓄積された前記電気エネルギーを、前記発光装置の駆動電源として利用するように制御する制御部と、を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の発光装置。
【請求項10】
前記発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の発光装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の発光装置が実装されてなることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−60008(P2012−60008A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203233(P2010−203233)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】