説明

発光装置

【課題】 本発明は、優れた画質の映像を提供できる発光装置、電子機器を提供するこ
とを課題とする。
【解決手段】 本発明の一は、発光色がそれぞれ異なる発光素子を複数含む発光装置で
ある。複数の発光素子のなかの少なくとも一は、一対の電極間にn(n≧2の自然数)層
の発光層を有する。さらに、n層の発光層のなかの少なくとも一は三重項励起状態からの
発光を呈する物質を含む。このような構成を有する本発明の発光装置では、複数の発光素
子からの発光を組み合わせて像を映し出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子を画素として用いた発光装置と、そのような発光装置を表示装置と
して用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電流励起によって発光する発光素子を画素として用いた発光装置の開発が進んで
いる。このような発光装置は、テレビ受像機等の電子機器に実装され、電子機器の使用者
に映像を提供する表示装置として用いられる。
【0003】
発光装置には、赤、青、緑のそれぞれの発光を呈する発光素子が設けられている。そし
て、それぞれの発光素子からの発光を、輝度、発光時間等を変えながら組み合わせること
によって、明度、色度、濃淡の異なる像が映し出される。
【0004】
ところで、これまでに開発されている発光装置の多くは、赤、青、緑のそれぞれの発光
を組み合わせてるような構成であるが、例えば特許文献1のように白の発光を呈する発光
素子が設けられた構成を有する表示装置も開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−200061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、優れた画質の映像を提供できる発光装置、電子機器を提供することを課題と
する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一は、発光色がそれぞれ異なる発光素子を複数含む発光装置である。複数の発
光素子のなかの少なくとも一は、一対の電極間にn(n≧2の自然数)層の発光層を有す
る。このような構成を有する本発明の発光装置では、複数の発光素子からの発光を組み合
わせて像を映し出す。
【0008】
本発明の一は、発光色がそれぞれ異なる発光素子を複数含む発光装置である。複数の発
光素子のなかの少なくとも一は、一対の電極間にn(n≧2の自然数)層の発光層を有す
る。さらに、n層の発光層のなかの少なくとも一は三重項励起状態からの発光を呈する物
質を含む。このような構成を有する本発明の発光装置では、複数の発光素子からの発光を
組み合わせて像を映し出す。
【0009】
本発明の一は、発光色がそれぞれ異なる発光素子を複数含む発光装置である。複数の発
光素子のなかの少なくとも一は、一対の電極間にn(n≧2の自然数)層の発光層を有す
る。n層の発光層において、m(mは自然数)層目の発光層とm+1層目の発光層との間
には、m番目の発光層におけるイオン化ポテンシャルよりも大きいイオン化ポテンシャル
を有すると共に、前記m+1番目の発光層における電子親和力よりも小さい電子親和力を
有する層が設けられている。このような構成を有する本発明の発光装置では、複数の発光
素子からの発光を組み合わせて像を映し出す。
【0010】
本発明の一は、発光色がそれぞれ異なる発光素子を複数含む発光装置である。複数の発
光素子のなかの少なくとも一は、一対の電極間にn(n≧2の自然数)層の発光層を有す
る。さらに、n層の発光層のなかの少なくとも一は三重項励起状態からの発光を呈する物
質を含む。n層の発光層において、m(mは自然数)層目の発光層とm+1層目の発光層
との間には、m番目の発光層におけるイオン化ポテンシャルよりも大きいイオン化ポテン
シャルを有すると共に、前記m+1番目の発光層における電子親和力よりも小さい電子親
和力を有する層が設けられている。このような構成を有する本発明の発光装置では、複数
の発光素子からの発光を組み合わせて像を映し出す。
【0011】
本発明の一は、発光色がそれぞれ異なる発光素子を複数含む発光装置である。複数の発
光素子のなかの少なくとも一は、一対の電極間にn(n≧2の自然数)層の発光層を有す
る。n層の発光層において、m(mは自然数)層目の発光層とm+1層目の発光層との間
には、4族から8族のいずれかに属する金属原子を含む金属酸化物と共に、芳香族アミン
系化合物を含む層が設けられている。このような構成を有する本発明の発光装置では、複
数の発光素子からの発光を組み合わせて像を映し出す。
【0012】
本発明の一は、発光色がそれぞれ異なる発光素子を複数含む発光装置である。複数の発
光素子のなかの少なくとも一は、一対の電極間にn(n≧2の自然数)層の発光層を有す
る。さらに、n層の発光層のなかの少なくとも一は三重項励起状態からの発光を呈する物
質を含む。m(mは自然数)層目の発光層とm+1層目の発光層との間には、4族から8
族のいずれかに属する金属原子を含む金属酸化物と共に、芳香族アミン系化合物を含む層
が設けられている。このような構成を有する本発明の発光装置では、複数の発光素子から
の発光を組み合わせて像を映し出す。
【0013】
以上に述べたような発光装置において、n層の発光層のそれぞれに含まれている発光物
質は、それぞれ発光色が異なっていてもよい。
【0014】
本発明の一は、一対の電極間に第1の発光層を含む第1の発光素子と、一対の電極間に
第2の発光層を含む第2の発光素子と、一対の電極間に第3の発光層を含む第3の発光素
子と、一対の電極間に前記第1の発光層と、前記第2の発光層と、前記第3の発光層とを
含む第4の発光素子とを有する発光装置である。ここで、第4の発光素子は第1の発光素
子、及び第2の発光素子、第3の発光素子の何れとも近接している。そして、第1の発光
素子と第2の発光素子と第3の発光素子と第4の発光素子とを一組とした群が複数配列さ
れており、それぞれの群は画素として機能する。
【0015】
本発明の一は、発光装置と回路基板とを含むモジュールが筐体に組み込まれたテレビ受
像機である。ここで、発光装置は、発光色がそれぞれ異なる発光素子を複数含むものであ
る。そして、発光素子の少なくとも一は、一対の電極間にn(n≧2の自然数)層の発光
層を有する。このような構成の発光装置を含むテレビ受像機では、発光素子からの発光を
組み合わせて像が映し出される。
【0016】
本発明の一は、発光装置と回路基板とを含むモジュールが筐体に組み込まれたテレビ受
像機である。ここで、発光装置は、発光色がそれぞれ異なる発光素子を複数含むものであ
る。そして、発光素子の少なくとも一は、一対の電極間にn(n≧2の自然数)層の発光
層を有する。n層の発光層のなかで少なくとも一は三重項励起状態からの発光を呈する物
質を含む。このような構成の発光装置を含むテレビ受像機では、発光素子からの発光を組
み合わせて像が映し出される。
【0017】
本発明の一は、発光装置と回路基板とを含むモジュールが筐体に組み込まれたテレビ受
像機である。ここで、発光装置は、発光色がそれぞれ異なる発光素子を複数含むものであ
る。そして、発光素子の少なくとも一は、一対の電極間にn(n≧2の自然数)層の発光
層を有する。n層の発光層において、m(mは自然数)層目の発光層とm+1層目の発光
層との間には、m番目の発光層におけるイオン化ポテンシャルよりも大きいイオン化ポテ
ンシャルを有すると共に、m+1番目の発光層における電子親和力よりも小さい電子親和
力を有する層が設けられている。このような構成の発光装置を含むテレビ受像機では、発
光素子からの発光を組み合わせて像が映し出される。
【0018】
本発明の一は、発光装置と回路基板とを含むモジュールが筐体に組み込まれたテレビ受
像機である。ここで、発光装置は、発光色がそれぞれ異なる発光素子を複数含むものであ
る。そして、発光素子の少なくとも一は、一対の電極間にn(n≧2の自然数)層の発光
層を有する。n層の発光層のなかで少なくとも一は三重項励起状態からの発光を呈する物
質を含む。n層の発光層において、m(mは自然数)層目の発光層とm+1層目の発光層
との間には、m番目の発光層におけるイオン化ポテンシャルよりも大きいイオン化ポテン
シャルを有すると共に、m+1番目の発光層における電子親和力よりも小さい電子親和力
を有する層が設けられている。このような構成の発光装置を含むテレビ受像機では、発光
素子からの発光を組み合わせて像が映し出される。
【0019】
本発明の一は、発光装置と回路基板とを含むモジュールが筐体に組み込まれたテレビ受
像機である。ここで、発光装置は、発光色がそれぞれ異なる発光素子を複数含むものであ
る。そして、発光素子の少なくとも一は、一対の電極間にn(n≧2の自然数)層の発光
層を有する。n層の発光層において、m(mは自然数)層目の発光層とm+1層目の発光
層との間には、4族から8族のいずれかに属する金属原子を含む金属酸化物と共に、芳香
族アミン系化合物を含む層が設けられている。このような構成の発光装置を含むテレビ受
像機では、発光素子からの発光を組み合わせて像が映し出される。
【0020】
本発明の一は、発光装置と回路基板とを含むモジュールが筐体に組み込まれたテレビ受
像機である。ここで、発光装置は、発光色がそれぞれ異なる発光素子を複数含むものであ
る。そして、発光素子の少なくとも一は、一対の電極間にn(n≧2の自然数)層の発光
層を有する。n層の発光層のなかで少なくとも一は三重項励起状態からの発光を呈する物
質を含む。n層の発光層において、m(mは自然数)層目の発光層とm+1層目の発光層
との間には、4族から8族のいずれかに属する金属原子を含む金属酸化物と共に、芳香族
アミン系化合物を含む層が設けられている。このような構成の発光装置を含むテレビ受像
機では、発光素子からの発光を組み合わせて像が映し出される。
【0021】
以上に述べたようなテレビ受像機において、n層の発光層のそれぞれに含まれている発
光物質は、それぞれ発光色が異なっていてもよい。
【0022】
本発明の一は、発光装置と回路基板とを含むモジュールが筐体に組み込まれたテレビ受
像機である。発光装置は、一対の電極間に、第1の発光層と、第2の発光層と、第3の発
光層とを含む発光素子を含むものである。このような発光素子において、第1の発光層は
赤色系の発光を呈する発光物質を含み、第2の発光層は緑色系の発光を呈する発光物質を
含み、第3の発光層は青色系の発光を呈する発光物質を含む。
【0023】
本発明の一は、発光装置と回路基板とを含むモジュールが筐体に組み込まれたテレビ受
像機である。発光装置は、一対の電極間に、第1の発光層と、第2の発光層とを含む発光
素子を含むものである。このような発光素子において、第1の発光層は赤味を帯びた黄色
系の発光を呈する発光物質を含み、第2の発光層は青色系の発光を呈する発光物質を含む

【0024】
本発明の一は、発光装置と回路基板とを含むモジュールが筐体に組み込まれた構成を有
するテレビ受像機である。ここで、発光装置は、一対の電極間に、第1の発光層と、第2
の発光層とを含む発光素子を含むものである。このような発光素子において、第1の発光
層は赤色系の発光を呈する発光物質を含み、第2の発光層は青緑の発光を呈する発光物質
を含む。
【0025】
本発明において、赤色系の色とは、CIE−XYZ表色系で表したときに、色度図のx
が0.60以上、yが0.40以下の領域に座標を有する色をいう。また、緑色系の色と
は、CIE−XYZ表色系で表したときに、色度図のxが0.30以下、yが0.60以
上の領域に座標を有する色をいう。青色系の色とは、CIE−XYZ表色系で表したとき
に、色度図のxが0.20以下、yが0.20以下の領域に座標を有する色をいう。また
、青緑とは、CIE−XYZ表色系で表したときに、色度図のxが0.20以下、yが0
.25以上0.5以下の領域に座標を有する色をいう。なお、CIE−XYZ表色系とは
三刺激値X、Y、Zに基づく表色系である。また、赤味を帯びた黄色系の色とは、CIE
−XYZ表色系で表したときに、色度図のxが0.40以上0.55以下、yが0.40
以上の領域に座標を有する色をいう。なお、CIE−XYZ表色系とは三刺激値X、Y、
Zに基づく表色系である。色度図は、三刺激値X、Y、Zに基づいてx、y座標空間で色
を表したものである。なお、色度とは、明度を除いた光の色の種別を数量的に規定したも
のである。
【発明の効果】
【0026】
本発明を実施することによって、任意の電流を流したときに得られる輝度のより高い発
光素子を備えた発光装置を得ることができる。また、このような発光装置を組み込むこと
で、画質の良好なテレビ受像機を得ることができる。
【0027】
本発明を実施することで、任意の電流を流したときに外部に取り出される発光の輝度を
、発光素子に供給する電流値に依ってのみならず、ひとつの発光素子に含まれる発光層の
数を変えることによっても調整できる。そして、各色の輝度の調和がとれた良好な像を表
示できる発光装置を得ることができる。また、このような発光装置を組み込むことで、画
質の良好なテレビ受像機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の発光装置に含まれる発光素子の態様について説明する図。
【図2】本発明の発光装置に含まれる発光素子の態様について説明する図。
【図3】本発明の発光装置に含まれる発光素子の態様について説明する図。
【図4】本発明の発光装置に含まれる発光素子の態様について説明する図。
【図5】本発明の発光装置に含まれる発光素子の態様について説明する図。
【図6】本発明の発光装置に含まれる発光素子の態様について説明する図。
【図7】本発明の発光装置に含まれる発光素子の態様について説明する図。
【図8】本発明の発光装置の態様について説明する図。
【図9】本発明の発光装置の態様について説明する図。
【図10】本発明を適用した電子機器の態様について説明する図。
【図11】本発明を適用した電子機器の態様について説明する図。
【図12】本発明を適用した電子機器の態様について説明する図。
【図13】本発明の発光装置の態様について説明する図。
【図14】本発明の発光装置に含まれる発光素子の態様について説明する図。
【図15】画素構成の例を示す図。
【図16】実施例1に記載の信号線駆動回路の模式図。
【図17】実施例1に記載の発光装置の模式図。
【図18】実施例1に記載の発光装置の画素構成を示す図。
【図19】昇圧回路を示す図。
【図20】昇圧回路を示す図。
【図21】昇圧回路を示す図
【図22】安定化電源回路を示す図。
【図23】デジタルアナログ変換回路を示す図。
【図24】色要素毎の画素の電源線の電源電位を共通としたときの画素の模式図。
【図25】昇圧回路の模式図。
【図26】クロックパルスの機能を持つ回路図。
【図27】降圧回路を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の一態様について説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施する
ことが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を
様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本形態の記載内容に
限定して解釈されるものではない。
【0030】
(実施の形態1)
本発明の発光装置に含まれる発光素子の態様について図1(A)〜(C)を用いて説明
する。本発明の発光装置には、図1(A)で表される第1の発光素子と、図1(B)で表
される第2の発光素子と、図1(C)で表される第3の発光素子とが設けられている。第
1の発光素子と第2の発光素子と第3の発光素子とから射出される発光は、それぞれ色が
異なる。何れの発光素子が、どの様な発光色を呈するかについて特に限定はない。本形態
では、第1の発光素子が赤色系の発光を呈し、第2の発光素子が緑色系の発光を呈し、第
3の発光素子が青色系の発光を呈する場合について説明する。
【0031】
図1(A)に示す発光素子において、第1の電極101と第2の電極102との間には
、第1の発光層111aと第2の発光層111bとが設けられている。第1の発光層11
1aと第2の発光層111bとの間には、第1の層121が設けられている。第1の層1
21は、第1の発光層111a若しくは第2の発光層111bのいずれか一方にのみ励起
エネルギーが移動してしまうことを阻止する層、または電荷発生層として機能する。
【0032】
先ず、第1の層121が第1の発光層111a若しくは第2の発光層111bのいずれ
か一方にのみ励起エネルギーが偏ってしてしまうことを阻止する機能を有する場合につい
て説明する。この場合、発光素子は、次の様に動作する。第1の電極101の電位が第2
の電極102の電位よりも高い電位となるように、第1の電極101と第2の電極102
に電圧を印加すると、第1の電極101側から第1の層121の方へ正孔が注入され、第
2の電極102側から第1の層121の方へ電子が注入される。そして、第1の層121
、第1の発光層111a、および第2の発光層111bの中の少なくとも一層において、
電子と正孔とが再結合し、励起エネルギーが生じる。このようにして生じた励起エネルギ
ーによって第1の発光層111aおよび第2の発光層111bに含まれた発光物質は励起
し、その後基底状態に戻るときに発光する。このような第1の層121において、第1の
層121は、第1の発光層111aにおけるイオン化ポテンシャルよりも大きいイオン化
ポテンシャルを有すると共に、第2の発光層111bにおけるLUMO準位よりも大きい
LUMO準位を有する層であることが好ましい。また、第1の層121の厚さは1nm〜
30nmとなるように形成されていることが好ましい。このような第1の発光層111a
と第2の発光層111bとの間に第1の層121を設けることによって、第1の発光層1
11a若しくは第2の発光層111bのいずれか一方にのみ励起エネルギーが偏ってして
しまうことを阻止することができる。
【0033】
ここで、第1の発光層111aと第2の発光層111bのそれぞれに含まれる発光物質
について特に限定はない。蛍光を発光する物質であってもよいし、燐光を発光する物質で
あってもよい。ここで、第1の発光層111aと第2の発光層111bは、それぞれ、発
光物質のみを含む層であってもよいし、または、発光物質が、発光物質よりも大きいエネ
ルギーギャップを有する物質のなかに分散して含まれた層であってもよい。本発明におい
て、発光物質とは、発光効率が良好で、所望の発光波長の発光をし得る物質である。第1
の発光素子のように赤色系の発光を呈する場合に用いることのできる発光物質の具体例と
しては、4−ジシアノメチレン−2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テト
ラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTI)、4
−ジシアノメチレン−2−メチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリ
ジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン
−2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9
−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTB)やペリフランテン、2,5−ジ
シアノ−1,4−ビス[2−(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリ
ジン−9−イル)エテニル]ベンゼン等、600nmから680nmに発光スペクトルの
ピークを有する発光を呈する物質を発光物質として用いることができる。以上のような蛍
光を発光する物質の他、(アセチルアセトナト)ビス[2−(2−ベンゾチエニル)ピリ
ジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(btp)2(acac))、(2,3,7
,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリナト)白金
(II)等の燐光を発光する物質も赤色系の発光を呈する発光物質として用いることがで
きる。なお、第1の発光層111aと第2の発光層111bとに含まれる発光物質は、同
一であってもよいし異なっていてもよい。発光物質と共に第1の発光層111a若しくは
第2の発光層111bに含まれ、発光物質を分散状態にするために用いられる物質につい
て特に限定はなく、発光物質として用いる物質のエネルギーギャップ等を勘案して適宜選
択すればよい。例えば、9,10−ジ(2−ナフチル)−2−tert−ブチルアントラ
セン(略称:t−BuDNA)等のアントラセン誘導体、または4,4'−ビス(N−カ
ルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)等のカルバゾール誘導体、2,3−ビス(4−
ジフェニルアミノフェニル)キノキサリン(略称:TPAQn)、2,3−ビス{4−[
N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]フェニル}−ジベンゾ[f,h]キノキサ
リン(略称:NPADiBzQn)等のキノキサリン誘導体の他、ビス[2−(2−ヒド
ロキシフェニル)ピリジナト]亜鉛(略称:Znpp2)、ビス[2−(2−ヒドロキシ
フェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:ZnBOX)等の金属錯体等を発光物質と
共に用いることができる。
【0034】
また、第1の発光層111aと第1の電極101との間には、図1に示すように、正孔
輸送層122を設けてもよい。ここで、正孔輸送層とは、第1の電極101側から注入さ
れた正孔を第1の発光層111a側へ輸送する機能を有する層である。このように、正孔
輸送層122を設けることによって、第1の電極101と第1の発光層111aとの距離
を離すことができ、その結果、第1の電極101に含まれている金属に起因して発光が消
光することを防ぐことができる。正孔輸送層は、正孔輸送性の高い物質を用いて形成する
ことが好ましく、特に1×10-6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質を用いて形
成することが好ましい。なお、正孔輸送性の高い物質とは、電子よりも正孔の移動度が高
く、電子の移動度に対する正孔の移動度の比の値(=正孔移動度/電子移動度)が100
よりも大きい物質をいう。正孔輸送層122を形成するのに用いることができる物質の具
体例としては、4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニ
ル(略称:NPB)、4,4'−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミ
ノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4',4''−トリス(N,N−ジフェニルアミノ
)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4',4''−トリス[N−(3−メチ
ルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,
4'−ビス{N−[4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル]−N−フェニルア
ミノ}ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル
)アミノ]ベンゼン(略称:m−MTDAB)、4,4',4''−トリス(N−カルバゾ
リル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、フタロシアニン(略称:H2Pc
)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)
等が挙げられる。また、正孔輸送層122は、以上に述べた物質から成る層を二以上組み
合わせて形成した多層構造の層であってもよい。
【0035】
さらに、第1の電極101と正孔輸送層122との間には、図1に示すように、正孔注
入層を有していてもよい。正孔注入層は、第1の電極101から正孔輸送層122へ正孔
の注入を補助する機能を有する層である。正孔注入層を設けることによって、第1の電極
101と正孔輸送層122との間のイオン化ポテンシャルの差が緩和され、正孔が注入さ
れ易くなる。正孔注入層は、正孔輸送層122を形成している物質よりもイオン化ポテン
シャルが小さく、第1の電極101を形成している物質よりもイオン化ポテンシャルが大
きい物質、または正孔輸送層122と第1の電極101との間に1〜2nmの薄膜として
設けたときにエネルギーバンドが曲がるような物質を用いて形成することが好ましい。正
孔注入層を形成するのに用いることのできる物質の具体例として、フタロシアニン(略称
:H2Pc)や銅フタロシアニン(CuPC)等のフタロシアニン系の化合物、或いはポ
リ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PEDOT/
PSS)等の高分子等が挙げられる。つまり、正孔注入層におけるイオン化ポテンシャル
が正孔輸送層122におけるイオン化ポテンシャルよりも相対的に小さくなるような物質
を選択することによって、正孔注入層を形成することができる。なお、正孔注入層を設け
る場合、第1の電極101は、インジウム錫酸化物等の仕事関数の高い物質を用いて形成
することが好ましい。
【0036】
また、第2の電極102と第2の発光層111bとの間には、図1に示すように、電子
輸送層123を有していてもよい。ここで、電子輸送層とは、第2の電極102から注入
された電子を第2の発光層111b側へ輸送する機能を有する層である。このように、電
子輸送層123を設けることによって、第2の電極102と第2の発光層111bとの距
離を離すことができ、その結果、第2の電極102に含まれている金属に起因して発光が
消光することを防ぐことができる。電子輸送層は、電子輸送性の高い物質を用いて形成す
ることが好ましく、特に1×10-6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質を用いて
形成することが好ましい。なお、電子輸送性の高い物質とは、正孔よりも電子の移動度が
高く、正孔の移動度に対する電子の移動度の比の値(=電子移動度/正孔移動度)が10
0よりも大きい物質をいう。電子輸送層123を形成するのに用いることができる物質の
具体例としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、トリス
(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒ
ドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、ビス(2−メチ
ル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)、
ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX
2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(
BTZ)2)等の金属錯体の他、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチ
ルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(
p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン
(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(
4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert
−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2
,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhe
n)、バソキュプロイン(略称:BCP)、4,4−ビス(5−メチルベンズオキサゾル
−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)等が挙げられる。また、電子輸送層123は
、以上に述べた物質から成る層を二以上組み合わせて形成した多層構造の層であってもよ
い。
【0037】
また、第2の電極102と電子輸送層123との間には、図1に示すように、電子注入
層を有していてもよい。ここで、電子注入層は、第2の電極102から電子輸送層123
へ電子の注入を補助する機能を有する層である。電子注入層を設けることによって、第2
の電極102と電子輸送層123との間の電子親和力の差が緩和され、電子が注入され易
くなる。電子注入層は、電子輸送層123を形成している物質よりも電子親和力が大きく
第2の電極102を形成している物質よりも電子親和力が小さい物質、または電子輸送層
123と第2の電極102との間に1〜2nmの薄膜として設けたときにエネルギーバン
ドが曲がるような物質を用いて形成することが好ましい。電子注入層を形成するのに用い
ることのできる物質の具体例として、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、アルカリ金
属のフッ化物、アルカリ土類金属のフッ化物、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属
の酸化物等の無機物が挙げられる。また、無機物の他、BPhen、BCP、BCP、p
−EtTAZ、TAZ、BzOs等の電子輸送層123を形成するのに用いることのでき
る物質も、これらの物質の中から、電子輸送層123の形成に用いる物質よりも電子親和
力が大きい物質を選択することによって、電子注入層を形成する物質として用いることが
できる。つまり、電子注入層における電子親和力が電子輸送層123における電子親和力
よりも相対的に大きくなるような物質を選択することによって、電子注入層を形成するこ
とができる。なお、電子注入層を設ける場合、第2の電極102は、アルミニウム等の仕
事関数の低い物質を用いて形成することが好ましい。
【0038】
なお、正孔輸送層122と電子輸送層123とは、それぞれ、先に記載したの物質の他
、バイポーラ性の物質を用いて形成してもよい。バイポーラ性の物質とは、電子または正
孔のいずれか一方のキャリアの移動度と他方のキャリアの移動度とを比較したときに、一
方のキャリアの移動度に対する他方のキャリアの移動度の比の値が100以下、好ましく
は10以下である物質をいう。バイポーラ性の物質として、例えば、2,3−ビス(4−
ジフェニルアミノフェニル)キノキサリン(略称:TPAQn)、2,3−ビス{4−[
N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]フェニル}−ジベンゾ[f,h]キノキサ
リン(略称:NPADiBzQn)等が挙げられる。バイポーラ性の物質の中でも特に、
正孔及び電子の移動度が1×10-6cm2/Vs以上の物質を用いることが好ましい。ま
た同一のバイポーラ性の物質を用いて、正孔輸送層122と電子輸送層123とを形成し
ても構わない。
【0039】
次に、第1の層121が電荷発生層として機能する場合について図14(A)を用いて
説明する。この場合、発光素子は、次の様に動作する。第1の電極101の電位が第2の
電極102の電位よりも高い電位となるように、第1の電極101と第2の電極102に
電圧を印加すると、第1の電極101側から第1の層121の方へ正孔が注入され、第2
の電極102側から第1の層121の方へ電子が注入される。また、第1の層121から
第1の電極101の方へは電子が流れ、第1の層121から第2の電極102の方へは正
孔が流れる。第1の発光層111aと第2の発光層111bのそれぞれの層では、電子と
正孔が再結合し、励起エネルギーが生じる。生じた励起エネルギーによって発光物質は励
起状態となり、その後基底状態に戻るときに発光する。
【0040】
第1の層121が電荷発生層として機能する場合、第1の層121は、第1の層121
aと第1の層121bとが積層してなる層であることが好ましい。そして、第1の層12
1aは、第1の層121bよりも第2の電極102側に設けられ、金属酸化物と有機物と
が混合して成る層であることが好ましい。金属酸化物としては、モリブデン酸化物、バナ
ジウム酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物等の金属酸化物を用いることが好まし
い。但し、この他、チタン酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化
物、タンタル酸化物、タングステン酸化物、銀酸化物等の金属酸化物を用いても構わない
。また、有機物としては、これらの金属酸化物に対し、電子供与性を示す物質であること
が好ましく、4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル
(略称:NPB)、4,4'−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ
]ビフェニル(略称:TPD)、4,4',4''−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)
トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4',4''−トリス[N−(3−メチル
フェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4
'−ビス{N−[4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル]−N−フェニルアミ
ノ}ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル)
アミノ]ベンゼン(略称:m−MTDAB)、4,4',4''−トリス(N−カルバゾリ
ル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)等のトリフェニルアミン骨格を有する芳香族
アミン系化合物が特に好ましい。以上のような構成を有する第1の層121aは正孔を発
生することができる。
【0041】
また、このように、第1の層121が電荷を発生する層として機能する場合、第1の層
121bは、正孔よりも電子の移動度が高い物質及びバイポーラ性の物質の中から選ばれ
た少なくとも一の物質と、これらの物質に対して電子供与性を示す物質とを混合すること
によって電子発生層を形成された層であることが好ましい。ここで、正孔よりも電子の移
動度が高い物質としては電子輸送層を形成するのに用いることのできる物質と同様の物質
を用いることができる。また、バイポーラ性の物質についても、TPAQn等の先に記載
したバイポーラ性の物質を用いることができる。また、電子供与性を示す物質としては、
アルカリ金属およびアルカリ土類金属の中から選ばれた物質、具体的にはリチウム(Li
)、カルシウム(Ca)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)
等を用いることができる。また、アルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物、ア
ルカリ金属窒化物、アルカリ土類金属窒化物等、具体的にはリチウム酸化物(Li2O)
、カルシウム酸化物(CaO)、ナトリウム酸化物(Na2O)、カリウム酸化物(K2
)、マグネシウム酸化物(MgO)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(Cs
F)、フッ化カルシウム(CaF2)等から選ばれる少なくとも一の物質も電子供与性を
示す物質として用いることができる。以上のような構成の第1の層121bは電子を発生
することができる。
【0042】
また、第1の層121bと第1の発光層111aとの間には、電子輸送層が設けられて
いることが好ましい。なお、電子輸送層の態様については、先に記載した電子輸送層12
3に関する記載を準用する。また、第1の層121aと第2の発光層111bとの間には
、正孔輸送層が設けられていることが好ましい。なお、正孔輸送層の態様については、先
に記載した正孔輸送層121に関する記載を準用する。
【0043】
なお、第1の電極101と第2の電極102とについて特に限定はないが、第1の電極
101と第2の電極102の少なくとも一方は可視光を透過できるように、インジウム錫
酸化物、珪素を含むインジウム錫酸化物、2〜20%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム等
の所謂透明電極用の導電物を用いて形成されていることが好ましい。但し、これらの導電
物に限らず、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロ
ム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジ
ウム(Pd)等を可視光が透過できる程度の膜厚となるように成膜したものを第1の電極
101または第2の電極102として用いることができる。また、アルミニウムの他、マ
グネシウムと銀との合金、アルミニウムとリチウムとの合金等を用いても構わない。
【0044】
次に図1(B)に示す第2の発光素子について説明する。図1(B)に示す第2の発光
素子は、図1(A)に示す発光素子と同様に一対の電極間に複数の発光層を有するもので
ある。第1の電極201と第2の電極202との間に第1の発光層211aと第2の発光
層211bとを有する。第1の発光層211aと第2の発光層211bとの間には、第1
の層221を有する。また、第1の発光層211aと第1の電極201との間には正孔輸
送層222を有する。また、第2の発光層211bと第2の電極202との間には電子輸
送層223を有する。第1の発光層211aと第2の発光層211bの態様については、
それぞれ、先に記載した第1の発光層111a、第2の発光層111bに関する記載を準
用する。但し、発光物質については、第1の発光層111a、第2の発光層111b等に
含まれるものと異なる。具体的には、第1の発光層211aと第2の発光層211bとに
は、それぞれ、N,N'−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6やクマ
リン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)等、500
nmから550nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を発光物質が含
まれている。これらのような蛍光を発光する物質の他、トリス(2−フェニルピリジナト
)イリジウム(III)、(アセチルアセトナト)ビス(2−フェニルピリジナト)イリ
ジウム(III)のような燐光を発光する物質を発光物質として用いても構わない。
【0045】
なお、第1の層221、正孔輸送層222、電子輸送層223については、それぞれ、
先に記載した第1の層121、正孔輸送層122、電子輸送層123に関する記載を準用
する。
【0046】
次に図1(C)に示す第3の発光素子について説明する。図1(C)に示す第3の発光
素子は、図1(A)に示す発光素子と同様に一対の電極間に複数の発光層を有するもので
ある。第1の電極301と第2の電極302との間に第1の発光層311aと第2の発光
層311bとを有する。第1の発光層311aと第2の発光層311bとの間には、第1
の層321を有する。また、第1の発光層311aと第1の電極301との間には正孔輸
送層322を有する。また、第2の発光層311bと第2の電極302との間には電子輸
送層323を有する。第1の発光層311aと第2の発光層311bの態様については、
それぞれ、先に記載した第1の発光層111a、第2の発光層111bに関する記載を準
用する。但し、発光物質については、第1の発光層111a、第2の発光層111b等に
含まれるものと異なる。具体的には、第1の発光層311aと第2の発光層311bとに
は、それぞれ、9,10−ビス(2−ナフチル)−tert−ブチルアントラセン(略称
:t−BuDNA)、9,9'−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略
称:DPA)、9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)等、42
0nmから470nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質が含まれてい
る。これらのような蛍光を発光する物質の他、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル
)ピリジナト](テトラピラゾリルボロナト)イリジウム(III)のような燐光を発光
する物質を発光物質として用いても構わない。
【0047】
なお、第1の層321、正孔輸送層322、電子輸送層323については、それぞれ、
先に記載した第1の層121、正孔輸送層122、電子輸送層123に関する記載を準用
する。
【0048】
以上のような発光装置では、第1の発光層111a(または第1の発光層211a、ま
たは第1の発光層311a)と共に第2の発光層111b(または第2の発光層211b
、または第2の発光層311b)が発光する。つまり、第1の発光層111a(または第
1の発光層211a、または第1の発光層311a)と第2の発光層111b(または第
2の発光層211b、または第2の発光層311b)の両方から同時に発光を取り出すこ
とができる為、発光素子に流れる電流に応じて、外部に取り出される発光の輝度が高まる
。その結果、輝度が高く鮮明な表示を行うことができる。
【0049】
(実施の形態2)
本発明の発光装置は、図1(A)〜(C)で表されるような全ての発光素子が、一対の
電極間に複数の発光層を有するもので形成されている態様に限定されるものではない。例
えば図2(A)〜(C)に示すように、緑色系の発光のように人間の眼に対する感度の高
い発光色を呈する第2の発光素子については、赤色系あるいは青色系の発光を呈する発光
素子よりも一対の電極間に含まれる発光層の数を少なくなるように構成されていてもよい
。このように、任意の電流を流したときに得られる輝度の大きさがそれぞれ異なる発光素
子からの発光を組み合わせて像を表示するときに、人間の眼に対する感度の低い発光色を
呈する発光素子と、人間の眼に対する感度の高い発光色を呈する発光素子とで一対の電極
間に設ける発光層の数を異ならせることで、より効率的に各色の輝度の調和をとることが
できる。
【0050】
図2(A)〜(C)において、図2(A)、図2(C)は、それぞれ図1(A)、図1
(C)と同様であるため、説明を省略する。
【0051】
本形態では、図2(B)に示す第2の発光素子について説明する。図2(B)に示す第
2の発光素子は、第1の電極251と第2の電極252との間に発光層261を有する。
このような発光素子は、次の様に動作する。第1の電極251の電位が第2の電極252
の電位よりも高い電位となるように、第1の電極251と第2の電極252に電圧を印加
すると、第1の電極251側から発光層261へ正孔が注入され、第2の電極252側か
ら発光層261へ電子が注入される。そして、発光層261において電子と正孔とが再結
合し、励起エネルギーが生成される。生成された励起エネルギーによって発光層261に
含まれた発光物質は励起状態となり、その後基底状態に戻るときに発光する。
【0052】
発光層261には、緑色系の発光を呈することのできる発光物質が、発光物質のみ、ま
たは、発光物質よりも大きいエネルギーギャップを有する物質中に分散された状態で含ま
れている。発光物質の具体例としては、N,N'−ジメチルキナクリドン(略称:DMQ
d)、クマリン6やクマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称
:Alq3)等、500nmから550nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈
する物質を発光物質が挙げられる。これらのような蛍光を発光する物質の他、トリス(2
−フェニルピリジナト)イリジウム(III)、(アセチルアセトナト)ビス(2−フェ
ニルピリジナト)イリジウム(III)のような燐光を発光する物質も発光物質として用
いることができる。
【0053】
図2(B)に示すように、発光層261と第1の電極251との間には正孔輸送層27
2が設けられていることが好ましい。また、発光層261と第2の電極252との間には
電子輸送層273が設けられていることが好ましい。なお、電子輸送層273の態様につ
いては、先に記載した電子輸送層123に関する記載を準用する。また、正孔輸送層27
2の態様については、先に記載した正孔輸送層121に関する記載を準用する。
【0054】
(実施の形態3)
本発明の発光装置では、実施の形態1で説明したように、第1の発光層と第2の発光層
とに含まれている発光物質からの発光が同系色の発光であってもよいし、または、第1の
発光層と第2の発光層とに含まれている発光物質からの発光が異なる発光色の発光であっ
てもよい。このように、第1の発光層と第2の発光層とに含まれている発光物質からの発
光が異なる発光色の発光である発光素子の態様について図3を用いて説明する。
【0055】
図3において、第1の電極401と第2の電極402との間には、第1の発光層411
aと第2の発光層411bとが設けられている。第1の発光層411aと第2の発光層4
11bのそれぞれに含まれる発光物質の発光色について特に限定はないが、本形態では、
第1の発光層411aに赤色系の発光を呈する発光物質が含まれ、第2の発光層411b
には青緑色系の発光を呈する発光物質が含まれている態様について説明する。
【0056】
第1の発光層411aには、4−ジシアノメチレン−2−イソプロピル−6−[2−(
1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略
称:DCJTI)、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−[2−(1,1,7,7−
テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJT)、
4−ジシアノメチレン−2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメ
チルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTB)やペリフ
ランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス[2−(10−メトキシ−1,1,7,7−
テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]ベンゼン等、600nmから680n
mに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質が発光物質として含まれている。
以上のような蛍光を発光する物質の他、(アセチルアセトナト)ビス[2−(2−ベンゾ
チエニル)ピリジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(btp)2(acac))
、(2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフ
ィリナト)白金(II)等の燐光を発光する物質が赤色系の発光を呈する発光物質として
含まれていてもよい。
【0057】
なお、第1の発光層411aにおいて、発光物質は、発光物質のみ、または、発光物質
よりも大きいエネルギーギャップを有する物質中に分散された状態で含まれている。
【0058】
第2の発光層411bには、ビス(2−メチル−8−キノリノラト) (4−フェニルフ
ェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)やビス(2−メチル−8−キノリノラト) (
4−フェニルフェノラト)ガリウム(略称:BGaq)、3,6,11,14−テトラキ
ス(ジフェニルアミノ)ジベンゾ[g,p]クリセン等の青緑色系の発光を呈する物質が
発光物質として含まれている。これらのような蛍光を発光する物質の他、ビス{2−[3
,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト}(ピコリナト)イリジウム(
III)のような燐光を発光する物質も発光物質として用いることができる。
【0059】
なお、第2の発光層411bにおいて、発光物質は、発光物質のみ、または、発光物質
よりも大きいエネルギーギャップを有する物質中に分散された状態で含まれている。
【0060】
第1の発光層411aと第2の発光層411bとの間には第1の層421が設けられて
いる。第1の層421については、先に記載した第1の層121に関する記載を準用する

【0061】
第1の発光層411aと第1の電極401との間には、図3に示すように、正孔輸送層
422が設けられていてもよい。また、第2の発光層412bと第2の電極402との間
には、図3に示すように、電子輸送層423が設けられていてもよい。なお、正孔輸送層
422、電子輸送層423については、それぞれ正孔輸送層122、電子輸送層123に
関する記載を準用する。
【0062】
また、第1の電極401、第2の電極402についても、それぞれ、第1の電極101
、第2の電極102に関する記載を準用する。
【0063】
なお、第1の電極401または第2の電極402のいずれかを、アルミニウム等の反射
率の高い導電物から成る層403aと、インジウム錫酸化物等の可視光を透過できる導電
物から成る層403bとの積層構造としてもよい。さらに、このような構成とする場合に
おいて、可視光を透過できる層403bの厚さを変えることによって発光した光が通る光
路長を調整し、光の干渉効果を利用して色純度の高い発光を得られるようにしてもよい。
【0064】
本形態で説明した発光装置では、実施の形態1で述べた発光装置と同様の動作によって
、第1の発光層411aと第2の発光層411bとから発光を得ることができる。そして
第1の発光層411aからの発光と第2の発光層411bからの発光とは、第1の電極4
01または第2の電極402のいずれか、もしくは両電極を介して外部に取り出されたと
きに、それぞれの発光の発光色が視覚的に混合されて視認される。本形態のように、第1
の発光層411aから赤色の発光が呈され、第2の発光層411bから青緑色の発光が呈
される場合、それぞれの色が混合することにより、白色光として視認される。
【0065】
(実施の形態4)
実施の形態3では、一対の電極間に異なる発光色を呈する発光層を二層含む発光素子の
態様について記載したが、電極間に含まれる発光層の数は、例えば三層であってもよい。
【0066】
本発明の発光装置の一態様について図4を用いて説明する。
【0067】
図4には、第1の電極501と第2の電極502との間には、第1の発光層511、第
2の発光層512、第3の発光層513とを含む発光素子が示されている。第1の発光層
511には、赤色系の発光を呈する発光物質が含まれており、第2の発光層512には、
緑色系の発光を呈する発光物質が含まれており、第3の発光層513には青色系の発光を
呈する発光物質が含まれている。それぞれの発光色を呈する発光物質の具体例は、実施の
形態1における記載を準用する。
【0068】
第1の発光層511と第2の発光層512との間には、第1の層521が設けられてお
り、第2の発光層512と第3の発光層513との間には、第2の層524が設けられて
いる。本形態に示す発光素子において、第1の層521、及び第2の層524は、それぞ
れ電荷発生層として機能する。第1の層521は、第1の層521aと第1の層521b
とが積層して成る。また、第2の層524は、第2の層524aと第2の層524bとが
積層してなる。第1の層521aは、第1の層521bよりも第2の電極502側に設け
られている。また、第2の層524aも第2の層524bよりも第2の電極502側に設
けられている。第1の層521a、第2の層524aは、いずれも、先に説明した第1の
層121aと同様に金属酸化物と有機物とを含み、正孔を発生する層である。第1の層5
21a、第2の層524aに関する具体的な説明は、第1の層121aに関する記載を準
用する。また、第1の層521b、第2の層524bは、いずれも、先に説明した第1の
層121bと同様に電子を発生する層である。第1の層521b、第2の層524bに関
する具体的な説明は、第1の層121bに関する記載を準用する。
【0069】
第1の発光層511と第1の電極501との間には、図4のように正孔輸送層522が
設けられていてもよい。また、第3の発光層513と第2の電極502との間には、図4
のように電子輸送層523が設けられていてもよい。なお、正孔輸送層522、電子輸送
層523については、それぞれ正孔輸送層122、電子輸送層123に関する記載を準用
する。
【0070】
本形態の発光素子において、正孔輸送層522と第1の電極501との間には、正孔注
入層が設けられていてもよい。また、第2の電極502と電子輸送層523との間には、
電子注入層が設けられていてもよい。なお、電子注入層、正孔注入層については、それぞ
れ、実施の形態1におけるこれらに関する説明を準用する。
【0071】
また、上記に説明した以外にも、適宜、正孔輸送層、電子輸送層等を設けても構わない

【0072】
図4のような発光素子において、第1の電極501の電位よりも第2の電極502の電
位の方が低くなるように電圧を印加したとき、第1の電極501側から第1の発光層51
1の方へ正孔が注入され、第2の電極502側から第3の発光層513の方へ電子が注入
される。そして、第1の層521bから第1の発光層511の方へ電子が輸送され、第1
の層521aから第2の発光層512の方へ正孔が輸送される。また、第2の層524b
から第2の発光層512の方へ電子が輸送され、第2の層524bから第3の発光層51
3の方へ正孔が輸送される。そして、第1の発光層511、第2の発光層512、第3の
発光層513のそれぞれにおいて電子と正孔とは再結合し、励起エネルギーが生じる。生
じた励起エネルギーによって励起状態になった発光物質は、その後基底状態に戻るときに
発光する。
【0073】
第1の発光層511から呈される赤色系の発光と、第2の発光層512から呈される緑
色系の発光と、第3の発光層513から呈される青色系の発光とは、第1の電極501ま
たは第2の電極502のいずれか、または両電極を介して外部に取り出される。そして、
それぞれの発光は視覚的に混合され、白色光として視認される。
【0074】
なお、第1の電極501、第2の電極502については、それぞれ、第1の電極101
、第2の電極102に関する記載を準用する。
【0075】
本発明の発光装置には、以上に説明したような発光素子が含まれている。
【0076】
(実施の形態5)
本発明の発光装置の一態様について、図5を用いて説明する。本発明の発光装置には、
第1の発光素子601の他、第2の発光素子602と、第3の発光素子603と、第4の
発光素子604とが設けられている。これらの発光素子は何れも一対の電極間に発光層が
設けられて成るものである。第2の発光素子、第3の発光素子、および第4の発光素子の
3つの素子は、いずれか一が赤色系、いずれか一が緑色系、いずれか一が青色系の発光を
示す。ここでは一例として、第2の発光素子が赤色系、第3の発光素子が緑色系、第4の
発光素子が青色系の発光を示す場合を例示するが、その順序は限定されることはない。ま
た、第2の発光素子602と第3の発光素子603と第4の発光素子604のそれぞれは
、第1の発光素子と隣り合うように配置されている。具体的には、図5に示すように配置
されている。
【0077】
図5において、第1の発光素子601、第2の発光素子602と、第3の発光素子60
3と、第4の発光素子604は、何れも四角形で表されている。但し、各々の発光素子の
形状は図5に示すものには限定されず、例えば円形でもよい。第1の発光素子601の第
1の辺側には第2の発光素子602が設けられている。また、第1の発光素子601の第
2の辺側には第3の発光素子603が設けられている。また、第1の発光素子601の第
3の辺側には第4の発光素子604が設けられている。
【0078】
これらの発光素子の積層構造について図6(A)、(B)を用いて説明する。図6(A
)は、図5におい破線A−Bで表した部分の断面図である、図6(B)は図5において破
線C−Dで表した部分の断面図である。図6(A)において、点線652で囲まれている
領域には、第1の電極612、第1の発光層622、電子発生層631、第2の電極61
5、とが順に積層しており、このように組み合わせられることによって第2の発光素子6
02として機能する。また、点線654で囲まれている領域には、第1の電極614、第
2の発光層624、電子発生層635とが順に積層しており、このように組み合わせられ
ることによって第4の発光素子604として機能する。また、図6(B)において点線6
53で囲まれている領域には、第1の電極613、正孔発生層632、第3の発光層62
3、電子発生層633、正孔発生層634、第2の電極615、とが順に積層しており、
このように組み合わせられることによって第3の発光素子603として機能する。また、
点線651で囲まれている領域には、第1の電極611、第1の発光層622、電子発生
層631、正孔発生層632、第2の発光層623、電子発生層633、正孔発生層63
4、第3の発光層624、電子発生層635、第2の電極615とが、順に積層されてい
る。このように組み合わせられることによって第4の発光素子604として機能する。
【0079】
以上のようにして設けられた第1の発光素子601と第2の発光素子602と第3の発
光素子603と第4の発光素子604とは、一組の画素641として機能する。
【0080】
また、本形態は、第1の発光素子601が、第2の発光素子602、第3の発光素子6
03、第4の発光素子604のそれぞれと共通して設けられた層を含むように、作製され
たものである。各々の発光色を呈する層が、どの様に形成されるかについて図7(A)〜
(D)の上面図を用いて説明する。図7(A)〜(C)は、第1の発光層622、第2の
発光層623、第3の発光層624がそれぞれどの様に配置されているかを表した図であ
る。そして、図7(D)は、図7(A)〜(C)を重ね合わせた図である。図7(A)〜
(D)から、第1の発光層622、第2の発光層623、第3の発光層624がいずれも
積層した領域が設けられていることが分かる。このように、第2の発光素子602を作製
すると共に第1の発光素子601に含まれる赤色系の発光を呈する層を形成し、第3の発
光素子603を作製すると共に第1の発光素子601に含まれる緑色系の発光を呈する層
を形成し、第4の発光素子604を作製すると共に第1の発光素子601に含まれる青色
系の発光を呈する層を形成することによって、第1の発光素子601を他の発光素子の作
製工程とは独立した別の工程で作製するよりも、少ない工程数で発光装置を作製すること
ができる。また、第1の発光素子からは白色発光が得られる。
【0081】
なお、図6(A)、(B)には発光素子の他に、発光素子を駆動するために設けられ、
発光素子を電気的に接続したトランジスタ651も図示されている。なお、図6(A)に
示すトランジスタは、電流が流れる方向に対して垂直となる方向からみたときの断面構造
を模式的に表したものである。トランジスタ651は、発光素子と同様に基板652上に
設けられている。また、発光素子とトランジスタ651とは、絶縁層653を間に挟むよ
うにして異なる層に設けられている。また第1の発光素子601から第4の発光素子60
4のそれぞれに含まれる第1の電極611、612、613、614は、それぞれ端部を
隔壁層655によって覆われている。なお、隔壁層655とは、有機または無機の絶縁物
から成るものである。隔壁層655を設けることによって、第1の電極の端部に集中した
電界からの影響によって発光素子の電極間において短絡が生じることを防ぐことが出来る

【0082】
なお、第1の電極611および612と第1の発光層622との間、および/または、
第1の電極614と第3の発光層624との間には、正孔発生層が設けられていてもよい
。また、電子発生層631および/または635と第2の電極615との間にも、正孔発
生層が設けられていてもよい。
【0083】
(実施の形態6)
本発明の発光装置には、実施の形態1〜実施の形態5に記載したそれぞれの発光素子の
他、発光素子の駆動を制御する為の回路が設けられていてもよい。
【0084】
図8(A)、(B)において、基板701上にはトランジスタ702、配線等が設けら
れている。トランジスタ702と発光素子703とは電気的に接続されている。基板70
1上に設けられた回路に入力された信号によって発光素子ごとに発光・非発光、発光時間
、発光素子に供給される電流値等が決まる。そして、発光装置に設けられた複数の発光素
子における発光・非発光が組み合わさり、映像として映し出される。
【0085】
また、発光装置は、発光素子が直接大気に触れることがないように、封止されているこ
とが好ましい。封止方法について特に限定はない。例えば図8に示すように、基板701
と基板711とを、発光素子703を内部に封じ込めるようにしてシール材712を用い
て貼り合わせ、封止してもよい。また、封止した内部821には、窒素ガスまたは不活性
ガス等の気体を充填させてもよいし、若しくは樹脂等を充填させても構わない。図9は基
板811と発光素子803との接触によって発光素子803が損傷しないようにするため
に、発光素子と発光素子との間に設けられた隔壁層804の上にスペーサ813を設けて
封止した発光装置の態様を表した図である。また、図9に示す発光装置では、発光素子8
03と重畳するようにフィルター814が設けられている。発光素子803から射出され
た発光はフィルター814を通ることによって、所望の色味を帯び、発光装置外部へとと
り出される。なお、フィルター814を設けるか否かについて特に限定はない。さらに図
9に示す発光装置では、樹脂821によって発光素子803は、大気と接しないように封
じ込められている。なお、図9のような構成を有する発光装置からは、図13(A)に表
されるように、両方の基板から発光を取り出しても構わない。
【0086】
図8または図9で表されるような発光装置において、外部から送られた信号は、発光装
置内部から発光装置外部へ引き出された配線705または配線805を介して発光装置内
に設けれれた回路に伝達される。配線705、配線805はそれぞれ導電性接着剤715
、815によってフレキシブルプリントサーキット716、816と接続している。
【0087】
また、発光装置は、図13(B)に図示されるように、発光素子および回路が設けられ
た二つの基板901、911を、それぞれの基板に設けられた発光素子903、923が
内部に封じ込められるように貼り合わせて成るものであってもよい。図13のような発光
装置では、両基板からそれぞれ、別のまたは同一の像を取りだすことができる。
【0088】
(実施の形態7)
図10は発光装置7001と、回路基板7002とを組み合わせたモジュールを示して
いる。回路基板7002には、例えば、コントロール回路7003や信号分割回路700
4などが設けられている。発光装置7001は実施の形態1から実施の形態5に記載した
少なくとも一の発光素子を含み、実施の形態6で説明したように封止されたものである。
【0089】
この発光装置7001には、発光素子が各画素に設けられた画素部7005と、走査線
駆動回路7006、選択された画素にビデオ信号を供給する信号線駆動回路7007が備
えられている。また、回路基板7002から発光装置7001へは、接続配線7008を
介して信号が送られる。
【0090】
このモジュールを実装することによりテレビ受像機を完成させることができる。図11
は、テレビ受像機の主要な構成を示すブロック図である。チューナ7011は映像信号と
音声信号を受信する。映像信号は、映像信号増幅回路7012と、そこから出力される信
号を各色に対応した色信号に変換する映像信号処理回路7013と、その映像信号をドラ
イバICの入力仕様に変換するためのコントロール回路7014により処理される。コン
トロール回路7014は、走査線側と信号線側にそれぞれ信号が出力する。デジタル駆動
する場合には、信号線側に信号分割回路7015を設け、入力デジタル信号をm個に分割
して供給する構成としても良い。
【0091】
チューナ7011で受信した信号のうち、音声信号は音声信号増幅回路7016に送ら
れ、その出力は音声信号処理回路7017を経てスピーカー7018に供給される。制御
回路7019は受信局(受信周波数)や音量の制御情報を入力部7020から受け、チュ
ーナ7011や音声信号処理回路7017に信号を送出する。
【0092】
図12に示すように、モジュールを筐体7031に組みこんで、テレビ受像機を完成さ
せることができる。モジュールにより、表示部7032が形成される。また、スピーカー
7033、操作スイッチ7034などが適宜備えられている。
【0093】
このテレビ受像機は、発光装置7001を含んで構成されることにより、鮮明なな、優
れた画質の像を表示することができる。
【0094】
以上のように、本発明の発光装置を表示部として機能するように組み込むことで良好な
映像を提供できるテレビ受像機を完成できる。また、テレビ受像機の他にも電話機等に組
み込んでも構わない。これによって、良好な映像を提供できる携帯電話、テレビ電話機等
を完成することができる。
【実施例1】
【0095】
実施の形態1乃至6で示した発光装置に適用可能な画素の例を図15に示す。なお、ここ
では、一画素のみを図示しているが、発光装置の画素部は実際には行方向と列方向にマト
リクスに複数の画素が配置されている。
【0096】
画素はスイッチングトランジスタ1001、駆動トランジスタ1002、容量素子100
3、発光素子1004、走査線1005、信号線1006、電源線1007を有している
。スイッチングトランジスタ1001のゲート端子は走査線1005に接続され、第1端
子(ソース端子又はドレイン端子)は信号線1006に接続され、第2端子(ソース端子
又はドレイン端子)は駆動トランジスタ1002のゲート端子と接続されている。また、
スイッチングトランジスタ1001の第2端子は容量素子1003を介して電源線100
7と接続されている。さらに、駆動トランジスタ1002の第1端子(ソース端子又はド
レイン端子)も電源線1007に接続され、第2端子(ソース端子又はドレイン端子)は
発光素子1004の第1電極と接続されている。発光素子1004の第2の電極には低電
源電位が設定される。なお、低電源電位とは、電源線1007に設定される高電源電位を
基準にして低電源電位<高電源電位を満たす電位であり、低電源電位としては例えばGN
D、0Vなどが設定されていても良い。なお、容量素子1003は駆動トランジスタ10
02のゲート容量を代用して削除しても良い。なお、画素構成はこれに限定されない。
【0097】
ここで、本発明の発光素子を備えた画素の駆動方法として、電圧入力電圧駆動方式と電圧
入力電流駆動方式を例に説明する。
【0098】
まず、図15の画素構成による電圧入力電圧駆動方式について説明する。
【0099】
走査線1005により画素が選択されているとき、つまりスイッチングトランジスタ10
01がオンになっているときに信号線1006から画素にビデオ信号が入力される。そし
て、ビデオ信号に相当する電圧分の電荷が容量素子1003に蓄積され、容量素子100
3はその電圧を保持する。この電圧は駆動トランジスタ1002のゲート端子と第1端子
間の電圧であり、駆動トランジスタ1002のゲートソース間電圧Vgsに相当する。
【0100】
一般に、トランジスタの動作領域は、線形領域と飽和領域とに分けることが出来る。その
境目は、ドレイン・ソース間電圧をVds、ゲート・ソース間電圧をVgs、しきい値電圧をVt
hとすると、(Vgs-Vth)=Vdsの時になる。(Vgs-Vth)>Vdsの場合は、線形領域であり、Vds、
Vgsの大きさによって電流値が決まる。一方、(Vgs-Vth)<Vdsの場合は飽和領域になり、理
想的には、Vdsが変化しても、電流値はほとんど変わらない。つまり、Vgsの大きさだけに
よって電流値が決まる。
【0101】
ここで、電圧入力電圧駆動方式の場合には、この駆動トランジスタ1002のVgsは駆
動トランジスタ1002を十分にオンするか、オフするかの二つの状態となるようなビデ
オ信号を入力する。つまり、駆動トランジスタ1002は線形領域で動作させる。
【0102】
よって、駆動トランジスタ1002がオンするビデオ信号であるときには、理想的には電
源線1007に設定されている電源電位Vddをそのまま発光素子1004の第1の電極
に設定することができる。
【0103】
つまり、理想的には発光素子1004印加する電圧を一定にし、発光素子1004から得
られる輝度を一定にする。そして、1フレーム期間内に複数のサブフレーム期間を設け、
サブフレーム期間毎に画素へのビデオ信号の書き込みを行い、サブフレーム期間毎に画素
の点灯非点灯を制御し、その点灯しているサブフレーム期間の合計によって、階調を表現
する。
【0104】
一方、電圧入力電流駆動方式の場合には、駆動トランジスタ1002を飽和領域で動作さ
せる。
【0105】
そして、駆動トランジスタ1002のVgsの値によって、駆動トランジスタ1002に
流れる電流値が決まる。つまり、信号線1006から容量素子1003に入力されるビデ
オ信号にしたがって、発光素子1004の輝度が決定され、階調が表現される。
【0106】
ここで、発光装置が例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の色要素からなるフルカラー表
示の場合には、RGBのそれぞれの色要素の画素毎にその発光素子の必要な輝度を得るた
めの発光素子への印加電圧や印加電流が異なる。そこで色要素毎の画素によって、発光素
子に印加する電圧を変える方法について説明する。特に、実施の形態1乃至5で示したよ
うに、発光層を二層含む発光素子を備える画素は、二層の発光層にそれぞれ電圧を印加し
なければならないため、必要とする印加電圧が大きくなるからである。
【0107】
まず、電圧入力電圧駆動方式の場合について説明する。色要素の画素毎によって、発光素
子1004に印加する電圧を変えるには、色要素毎の電源線1007に設定する電位を変
えればよい。そして、そのとき、駆動トランジスタ1007が十分にオンオフするように
すればよい。つまり、駆動トランジスタ1002のソース端子となる第1端子の接続され
ている電源線1007の電位を高くした場合には、駆動トランジスタ1002を十分にオ
ンさせるのに必要なゲート電位(Lレベルのビデオ信号)は電源線1007の高くした分
の電位分高くてもよく、駆動トランジスタ1002を十分にオフさせるのに必要なゲート
電位(Hレベルの信号)は電源線1007の高くした分の電位分高くしなければならない
。つまり、電源線1007の電位を高くすると、駆動トランジスタ1002をオンオフす
るのに必要なビデオ信号のHレベルとLレベルの電位はその分高くなる。なお、Lレベル
の信号は低いままでも動作は可能なので、高くしないことも可能である。一方、電源線1
007の電位を低くした色要素の画素のビデオ信号は、駆動トランジスタ1003をオン
オフするのに必要なビデオ信号のHレベルとLレベルの電位はその分低くなる。なお、H
レベルの信号は高いままでも動作可能なので、低くしないことも可能である。
【0108】
次に、画素の色要素毎にビデオ信号のレベルをシフトさせるための信号線駆動回路を図1
6に示す。この信号線駆動回路から出力されるビデオ信号が画素に書き込まれ、そのビデ
オ信号にしたがって発光素子1004の点灯非点灯を制御する駆動トランジスタ1002
のオンオフが制御される。
【0109】
パルス出力回路1101から出力されるサンプリングパルスにより順次画素の列毎の信号
線(Sr、Sg、Sbなどのいずれか一)に設けられたスイッチ(スイッチ1111、ス
イッチ1112、スイッチ1113などのいずれか一)がオンする。そして、オンしたス
イッチを介してビデオ信号がレベルシフタ(レベルシフタ1121、レベルシフタ112
2、レベルシフタ1123などのいずれか一)に入力される。つまり、スイッチ1111
がオンしているときには、レベルシフタ1121にビデオ信号が入力され、スイッチ11
12がオンしているときには、レベルシフタ1122にビデオ信号が入力され、スイッチ
1113がオンしているときには、レベルシフタ1123にビデオ信号が入力される。
【0110】
なお、レベルシフタとビデオ信号線との間にラッチ回路が設けられていても良い。信号線
(Sr、Sg、Sbなど)に一個づつラッチ回路があってもよいし、複数個づつ(例えば
2個づつ)ラッチ回路があってもよい。
【0111】
そして、レベルシフタ1121にビデオ信号が入力されると、ビデオ信号のHレベルがV
Hr、LレベルがVLrとなるように信号のレベルが設定される。このレベルは、Rの色
要素の画素の電源線1007の電位を基準に設定するとよい。例えば、Rの色要素の画素
の発光素子1004が二層以上の発光層を含み、その必要とする印加電圧が大きい場合に
は電源線1007の電位を高めにするとともに、ビデオ信号のレベルも高くシフトさせる
。一方、Rの色要素の画素の発光素子1004の必要とする印加電圧が小さい場合には電
源線1007の電位を低めにするともに、ビデオ信号のレベルも低くシフトさせる。なお
、ここで、発光素子1004の必要とする印加電圧の大きい小さいとは、他の色要素の画
素の発光素子1004と比較して大きいか小さいかをいう。
【0112】
また、レベルシフタ1122にビデオ信号が入力されると、ビデオ信号のHレベルがVH
g、LレベルがVLgとなるように信号のレベルが設定される。また、レベルシフタ11
23にビデオ信号が入力されると、ビデオ信号のHレベルがVHb、LレベルがVLbと
なるように信号のレベルが設定される。
【0113】
レベルシフタ1121によって、レベルがシフトされたビデオ信号はバッファ1131に
入力され、バッファ1131により電流供給能力が高くされ、信号線Srに出力される。
バッファは、そこに入力された信号と同程度の電位をもった信号を出力する。信号線Sr
は図15の画素の信号線1006に相当する。同様に、レベルシフタ1122、によって
レベルがシフトされたビデオ信号はバッファ1132に入力され、バッファ1132によ
り電流供給能力が高くされ、信号線Sgに出力される。レベルシフタ1123によってレ
ベルがシフトされたビデオ信号はバッファ1133に入力され、バッファ1133により
電流供給能力が高くされ、信号線Sbに出力される。
【0114】
こうして、RGBの色要素毎にレベルが設定されたビデオ信号は、選択されている行の画
素に書き込まれる。なお、信号線SrからはRの色要素の画素に信号が入力される。信号
線Sg、信号線SbからはそれぞれG、Bの色要素の画素に信号が入力される。
【0115】
こうして、選択されている行の画素に順次スイッチのオンした列の信号線からビデオ信号
が入力される。
【0116】
色要素の画素毎に発光素子に印加する電圧を変えるため、ビデオ信号の大きさ(点灯期間
など)を補正する場合には、ガンマ補正を行うことも可能である。あらかじめ記憶手段に
ガンマ値を記憶させ、テーブルを作成する。そして、ビデオ信号をガンマ値に対応させて
補正する。
【0117】
なお、電圧入力電圧駆動方式において、1フレーム期間をサブフレームに分割して階調を
表現(デジタル時間階調法)すると、多くの階調数を表現するためフレーム周波数が高く
なってしまう。よって、高階調を表現する場合には、面積階調法とデジタル時間階調法を
組合わせることで、フレーム周波数が高くなるのを抑えつつ高階調表示が可能となる。例
えば、1024階調を表現したい場合、1画素に20、21、22、23、24の面積比を持
つ5つの副画素を配置し、1フレームを20、21、22、23、24の比を持つ5つのサブ
フレームに分割する。そして、これらを組み合わせることによって、1024階調を表現
することが可能である。つまり最下位ビットの階調はの最小面積の副画素を最小期間のサ
ブフレーム期間だけ発光させればよい。また最上位ビットの階調は、1画素中の全ての副
画素を全てのサブフレームにおいて発光させれば良い。
【0118】
次に、電圧入力電流駆動方式の場合について図17を用いて説明する。電圧入力電流駆動
方式の発光装置の模式図を図17に示す。発光装置はパルス出力回路1201、画素部1
202を有する。画素部1202には複数の画素1203がマトリクスに配置されている
。なお、画素1203には図15で示した画素を適用することができる。
【0119】
パルス出力回路から出力されるサンプリングパルスにより順次画素の列毎の信号線(Sr
、Sg、Sbなどのいずれか一)に設けられたスイッチ(1205r、1205g、12
05bなどのいずれか一)がオンする。そして、オンしたスイッチを介してそれぞれの画
素1203の列毎の信号線にビデオ信号が入力される。つまり、スイッチ1205rがオ
ンしているときには、信号線Srにビデオ信号が入力され、スイッチ1205gがオンし
ているときには、信号線Sgにビデオ信号が入力され、スイッチ1205bがオンしてい
るときには、信号線Sbに信号が入力される。そして、選択されている行の画素に信号が
入力される。なお、信号線SrからはRの色要素の画素に信号が入力される。信号線Sg
、信号線SbからはそれぞれG、Bの色要素の画素に信号が入力される。
【0120】
こうして、選択されている行の画素に順次スイッチのオンした列の信号線からビデオ信号
が入力される。
【0121】
電圧入力電流駆動方式の場合には、その画素の階調によって、このビデオ信号に相当する
電圧値が異なる。なお、電圧を入力する際には信号線に電位を設定する。
【0122】
よって、色要素毎の画素により、ビデオ信号の電位を補正する。つまり、同じ階調のビデ
オ信号であっても、RGBの色要素毎により電位を変えるとよい。発光素子の必要とする
印加電流が大きいときには、ビデオ信号の電位を他の色要素の同じ階調のビデオ信号より
も低くする。すると、駆動トランジスタに流れる電流が増加する。つまり、発光素子に流
れる電流が増加する。
【0123】
ここで、色要素毎に各階調のビデオ信号の電位をシフトさせる方法について説明する。な
お、本実施の形態では、デジタルアナログ変換回路を用いてその色要素毎に各階調のビデ
オ信号をシフトさせる方法について説明する。
【0124】
図23に8階調(3ビット)の抵抗ストリング型のデジタルアナログ変換回路を示す。
【0125】
抵抗素子が直列に接続された抵抗素子群1601と、第1のスイッチ群1602と、第2
のスイッチ群1603と、第3のスイッチ群1604とを有する。
【0126】
抵抗素子群1601の一方の端子には参照高電源電位VHrefが設定され、他方の端子には
参照低電源電位VLrefが設定されている。第3のスイッチ群1604の入力端子である入
力端子3には、3ビット目の信号が入力され、階調数0〜3のグループ又は4〜7のグル
ープのいずれかが選択される。また、第2のスイッチ群1603の入力端子である入力端
子2には2ビット目の信号が入力され、階調数0、1、4及び5のグループ又は2、3、
6、7のグループのいずれかが選択される。また、第1のスイッチ群1602の入力端子
である入力端子1には、1ビット目の信号が入力され、階調数0、2、4及び6のグルー
プ又は1、3、5及び7のグループが選択される。こうして、第1のスイッチ群1602
、第2のスイッチ群1603、第3のスイッチ群1604のそれぞれにおいて選択された
グループの全てに属している階調数に相当するビデオ信号が出力端子Voutより出力さ
れる。
【0127】
なお、出力端子Voutより出力される電位は、直列に接続された抵抗素子群の一端に設
定された参照高電源電位VHrefと参照低電源電位VLrefとの電位差が階調数に応じて抵抗
分割された電位として出力される。
【0128】
よって、本実施例においては、RGBの色要素毎にデジタルアナログ変換回路に設定する
参照電源電位の値を変える。つまり、発光素子に必要な印加電圧が大きい色要素の画素に
入力するビデオ信号をアナログ信号に変換する場合には、デジタルアナログ変換回路の参
照低電源電位VLrefの値を他の色要素の参照低電源電位より低くする。逆に、発光素子に
必要な印加電圧が小さい色要素の画素に入力するビデオ信号をアナログ信号に変換する場
合には、デジタルアナログ変換回路の参照低電源電位VLrefの値を他の色要素の参照低電
源電位より高くする。
【0129】
また、駆動トランジスタにNチャネル型トランジスタを採用している場合などにおいて、
発光素子に必要な印加電圧が大きい色要素の画素に入力するビデオ信号をアナログ信号に
変換する場合には、デジタルアナログ変換回路の参照高電源電位VHrefの値を他の色要素
の参照高電源電位より高くする。逆に、発光素子に必要な印加電圧が小さい色要素の画素
に入力するビデオ信号をアナログ信号に変換する場合には、デジタルアナログ変換回路の
参照高電源電位VHrefの値を他の色要素の参照高電源電位より低くする。
【0130】
こうして、色要素毎にビデオ信号を補正することが可能である。
【0131】
色要素の画素毎に発光素子に印加する電圧を変えるため、ビデオ信号の電圧値を補正する
場合には、ガンマ補正を行うことも可能である。あらかじめ記憶手段にガンマ値を記憶し
させ、テーブルを作成する。そして、ビデオ信号をガンマ値に対応させて補正する。
【0132】
なお、本実施例などに示すスイッチは、電気的スイッチでも機械的なスイッチでも何でも
良い。電流の流れを制御できるものなら、何でも良い。トランジスタでもよいし、ダイオ
ードでもよいし、それらを組み合わせた論理回路でもよい。よって、スイッチとしてトラ
ンジスタを用いる場合、そのトランジスタは、単なるスイッチとして動作するため、トラ
ンジスタの極性(導電型)は特に限定されない。ただし、オフ電流が少ない方が望ましい
場合、オフ電流が少ない方の極性のトランジスタを用いることが望ましい。オフ電流が少
ないトランジスタとしては、LDD領域を設けているもの等がある。また、スイッチとし
て動作させるトランジスタのソース端子の電位が、低電位側電源(Vss、Vgnd、0Vなど)
に近い状態で動作する場合はnチャネル型を、反対に、ソース端子の電位が、高電位側電
源(Vddなど)に近い状態で動作する場合はpチャネル型を用いることが望ましい。なぜ
なら、ゲート・ソース間電圧の絶対値を大きくできるため、スイッチとして、動作しやす
いからである。なお、nチャネル型とpチャネル型の両方を用いて、CMOS型のスイッ
チにしてもよい。
【0133】
上述したようにビデオ信号はアナログ値をとる。そして、発光素子の発光層に二層以上含
む画素は、必要とするビデオ信号の電圧値が高くなる。よって、アナログ値を信号線(S
r、Sg、Sb)に設定するためスイッチ1205r、スイッチ1205g及び1205
bのオンオフを制御するパルス出力回路からのサンプリングパルスとなる信号をレベルシ
フタ1206r、1206g、1206bにより変えてもよい。つまり、スイッチ120
5r、スイッチ1205g及び1205bとしてトランジスタを用いている場合に、ビデ
オ信号の値がそれぞれの色要素の画素毎で大きく異なっても、ビデオ信号の書き込みを行
う画素を選択するスイッチ1205r、1205g、1205bの機能を果たすトランジ
スタを線形領域で動作させやすくすることができる。
【0134】
つまり、画素1204の駆動トランジスタにPチャネル型のトランジスタを用いている場
合において、他の色要素の画素に比べて発光素子に必要な印加電圧が高い場合には、ビデ
オ信号の電位は他の色要素の画素の同階調のビデオ信号の電位よりも低くする必要がある
。すると、ビデオ信号の信号線への供給を制御するスイッチ(スイッチ1205r、スイ
ッチ1205g、スイッチ1205bなど)としてのトランジスタのソース端子の電位は
、その信号線の接続された画素の色要素によって大きく異なることになる。なお、アナロ
グのビデオ信号を画素へ入力するため、ビデオ信号の信号線への供給を制御するスイッチ
としてのトランジスタは、ドレイン端子が画素側に接続されていることになる。
【0135】
ここで、トランジスタをスイッチとして機能させるには、スイッチがオフのときにはVg
s<Vthを満たし、スイッチがオンのときにはVgs>Vth且つVds<Vgs−V
thを満たすようにする必要がある。なお、Vgsはトランジスタのゲートソース間電圧
であり、Vdsはトランジスタのドレインソース間電圧であり、Vthはトランジスタの
しきい値電圧である。
【0136】
したがって、ビデオ信号の信号線への供給を制御するスイッチとしてのトランジスタのソ
ース端子の電位が色要素の画素によって大きく異なる場合には、スイッチとして機能させ
るため、ゲート端子に入力するサンプリングパルスの電位も信号線の接続された色要素の
画素毎にレベルを変えると良いことがいえる。
【0137】
また、ビデオ信号の電位のみならず、電源線の電位も色要素毎に変えても良い。点線12
04の拡大図を図18に示す。図15と共通するところは共通の符号を用いている。図1
8の画素構成は、信号線Sr、Sg、Sbはそれぞれ図17と対応している。そして、図
15の電源線1007に相当する電源線は、Rの色要素の画素1301R、Gの色要素の
画素1301G、Bの色要素の画素1301B毎にそれぞれ電源線Vr、Vg、Vbが設
けられている。また、図15に示す走査線1005が図18の走査線Giに相当する。
【0138】
なお、電源線Vr、Vg、Vbのように電源線の電位を変えたとき、画素の非点灯にする
ビデオ信号のレベルも変化させる。例えば、Rの色要素の画素の電源線Vrの電位を高く
したとき、駆動トランジスタ1002のソース端子の電位も伴って高くなるため、駆動ト
ランジスタ1002をオフにするために必要なHレベルのビデオ信号の電位も高くなるか
らである。G,Bの色要素の画素についても同様のことがいえる。
【0139】
なお、図18に示す発光素子1004の第2の電極はRGBの色要素の画素のそれぞれに
おいても共通の電極である。よって、RGBの色要素の画素毎の電源線Vr、Vg、Vb
を共通の電位に設定し、ビデオ信号のみでRGBの色要素の画素毎に発光素子1004に
印加する電圧を調整すると、その発光素子1004に必要な印加電圧の差が大きい場合に
は、次のような問題が生じる。
【0140】
つまり、発光素子1004に必要な印加電圧が小さい画素では、駆動トランジスタ100
2のドレインソース間電圧が大きくなり、駆動トランジスタ1002の劣化が早くなって
しまう。また、発光素子1004に必要な印加電圧が大きい画素では、駆動トランジスタ
1002のドレインソース間電圧が小さくなりすぎ、線形領域の動作になってしまう。
【0141】
以下に図24を用いて詳細に説明する。図24はRGBの色要素毎の画素の模式図である
。画素1701はRの色要素の画素であり、画素1702はGの色要素の画素であり、画
素1703はBの色要素の画素である。
【0142】
画素1701、画素1702、画素1703は、それぞれ駆動トランジスタと発光素子と
を有する。画素1701の駆動トランジスタのドレインソース間電圧をVds1、発光素子
の印加電圧VELR、印加電流IRとし、画素1702の駆動トランジスタのドレインソース
間電圧をVds2、発光素子の印加電圧VELG、印加電流IGとし、画素1703の駆動トラ
ンジスタのドレインソース間電圧をVds3、発光素子の印加電圧VELB、印加電流IBとす
る。
【0143】
ここで、印加電圧VELRとしては大きな電圧が必要であり、一方印加電圧VELBとしては小
さな電圧が必要とする。つまり必要な印加電圧の関係がVELR≫VELG≫VELBであるとす
る。すると、ビデオ信号のみでこのように発光素子に印加電圧を設定しようとすると、高
電源電位Vddと低電源電位は色要素の画素毎で共通であるため、駆動トランジスタのド
レインソース間電圧はVds1≪Vds2≪Vds3となってしまう。
【0144】
よって、Bの色要素の画素の駆動トランジスタのドレインソース間電圧Vds3が大きくな
り過ぎてしまう。すると、トランジスタが破壊されてしまう。
【0145】
他方、Rの色要素の画素の駆動トランジスタのドレインソース間電圧Vds1は小さくなり
過ぎてしまう。すると、駆動トランジスタは線形領域で動作してしまう。
【0146】
よって、これらを解決するためには、RGB毎に電位の色要素毎に電源電位を設定すると
良いことが分かる。
【0147】
したがって、本実施例においては、同じ階調の画素であっても、色要素の画素毎に信号線
Sr、Sg、Sbに適宜ビデオ信号を補正して入力する。また、電源線Vr、Vg、Vb
も色要素の画素毎に高電源電位を設定することで、色要素の画素毎に適した輝度を得るた
めの発光素子1004の印加電圧を設定しやすくなる。
【0148】
なお、発光素子1004の第2電極を色毎に変えても良い。
【0149】
また、本実施例においては、デジタルアナログ変換回路として抵抗ストリング型(R−D
AC)を用いて参照高電源電位又は参照低電源電位を変えて、ビデオ信号の階調毎のレベ
ルをシフトする方法について説明したが、参照高電源電位及び参照低電源電位の両方を変
えてビデオ信号の階調毎のレベルをシフトさせても良い。また、抵抗ストリング型のデジ
タルアナログ変換回路に限られず、容量アレイ型(C−DAC)のデジタル変換回路を用
いてもいいし、容量アレイ型のデジタル変換回路と抵抗ストリング型のデジタル変換回路
を組み合わせて用いても良い。その場合においても、参照電源電位を適宜変えることで色
要素毎の画素によってビデオ信号の階調毎の電位をシフトさせることができる。
【0150】
なお、本実施例において、信号線から画素への書き込みを点順次方式の場合について説明
したが、もちろん一行分のビデオ信号をラッチしていき、ラッチしたビデオ信号を同時に
一行分の画素に書き込む線順次の方式であっても構わない。
【0151】
また、本実施例において、駆動トランジスタとしてPチャネル型のトランジスタを採用し
た場合について説明したが、もちろんNチャネル型のトランジスタであっても構わない。
その場合には、画素を点灯非点灯にするためのビデオ信号のレベルは反転する。つまり、
Hレベルのときに点灯となり、Lレベルのときに非点灯となる。
【実施例2】
【0152】
本実施例において異なる高電源電位を生成するための回路について図19を用いて説明す
る。本実施例において、いわゆるチャージポンプと呼ばれる昇圧回路を用いる。
【0153】
Vrefの電圧を供給する定電圧源1400と、容量素子1401、容量素子1402、
容量素子1403、容量素子1404、整流素子1411、整流素子1412、整流素子
1413及び整流素子1414を有する。整流素子1411、整流素子1412、整流素
子1413及び整流素子1414は直列に接続され、整流素子1411の入力端子には定
電圧源1400の高電位側が接続されている。そして定電圧源1400の低電位側はGN
Dに接続されている。整流素子1411の出力端子と整流素子1412の入力端子は交点
1421で接続され、整流素子1412の出力端子と整流素子1413の入力端子は交点
1422で接続され、整流素子1413の出力端子と整流素子1414の入力端子は交点
1423で接続されている。また、容量素子1401の第1の電極は交点1421と接続
され、第2の電極にはクロック信号(CLK)が入力されている。また、容量素子140
2の第1の電極は交点1422と接続され、第2の電極にはクロック反転信号(CLKB
)が入力されている。また、容量素子1403の第1の電極は交点1423と接続され、
第2の電極にはクロック信号(CLK)が入力されている。また、容量素子1404の第
1の電極は整流素子1414の出力端子1424と接続され、第2の電極はGNDに接続
されている。
【0154】
なお、交点1421は第1の出力端子、交点1422は第2の出力端子、交点1423は
第3の出力端子となり、整流素子1414の出力端子1424が第4の出力端子となる。
【0155】
ここで、クロック信号(CLK)及びクロック反転信号(CLKB)のLレベルがGND
で、Hレベルがvとすると、継続的にクロック信号及びクロック反転信号を入力すること
で、容量素子1401、1402、1403、1404に電荷が蓄積されていき、交点1
421の電位は交互にVrefとVref+vの電位となる。交点1422の電位は交互
にVref+2vとVref+v、交点1422の電位は交互にVref+2vとVre
f+3vの電位となる。
【0156】
したがって、第1の出力端子からVref又はVref+vの電位、第2の出力端子から
Vref+2v又はVref+vの電位、第3の出力端子からはVref+2v又はVr
ef+3vの電位が得られる。なお、第4の出力端子はVref+3vの電位が得られる

【0157】
よって、第1〜4の出力端子から得られる電位を安定化電源回路(レギュレータ)を通し
て、任意の電位を得るようにしても良い。第1の出力端子からはVref+v以下の電位
、第2の出力端子からはVref+2v以下の電位、第3の出力端子及び第4の出力端子
からはVref+3v以下の電位が得られる。よって、例えば、第1の出力端子からはV
ref〜Vref+v、第2の出力端子からはVref+v〜Vref+2v、第3の出
力端子からはVref+2v〜Vref+3v、第4の出力端子からはVref+2v〜
Vref+3vの間の任意の電位を得るようにすると良い。
【0158】
なお、容量素子1401、1402、1403などの第2電極に入力するクロックパルス
(CLK)やクロック反転パルス(CLKB)は常に入力する必要はなく、例えば、第4
の出力端子の電位がある電位となったら入力しないようにしても良い。
【0159】
クロックパルス(CLK)やクロック反転パルス(CLKB)の入力をしなくする場合の
構成を図25に示す簡単な模式図を用いて説明する。
【0160】
チャージポンプ1801の入力端子には定電圧源1800からVrefの電圧が供給され
、第1〜第4の出力端子から異なる電位を得ることができる。ここで、電位検出回路18
03は、最端の整流素子からの出力を得る第4の出力端子の電位を検出し、ある電位とな
ったら制御信号を出力し、クロックパルス発生回路1802からクロックパルス(CLK
)やクロック反転パルス(CLKB)をチャージポンプに入力するのをやめるようにする

【0161】
次に、第1の出力端子〜第4の出力端子から得られる電位を安定化電源として用いるため
の構成について説明する。
【0162】
4つの電源電位を供給する安定化電源として適用可能な構成を図20に示す。なお、図1
9と同じ構成のところは共通の符号を用いて説明する。図20の構成では、交点1421
、交点1422、交点1423から得られる電位を、それぞれ安定化電源回路1431、
安定化電源回路1432、安定化電源回路1433により一定の電位としている。また、
整流素子1414の出力端子1424の電位を一定にするため、容量素子1404には静
電容量の大きなものを用いる。すると、容量素子1404に蓄えられる電荷が多くなるた
め、電位の変動を抑制することができる。
【0163】
したがって、出力端子1〜4から得られる電位を安定化することが可能である。
【0164】
また、出力端子から出力を得る前に整流素子を介して出力を蓄積する大きな容量を持つ容
量素子の一方の電極を接続し、他方の電極はGNDに接続する。そして、その容量素子の
一方の電極側から出力を得るようにしても良い。すると出力電位の変動を抑えることがで
きる。
【0165】
つまり、安定化電源回路1431、1432、1433としては図21に示すように整流
素子と容量素子とで構成することが可能である。安定化電源回路1431は整流素子14
41と容量素子1451、安定化電源回路1432は整流素子1442と容量素子145
2、安定化電源回路1433は整流素子1443と容量素子1453とで構成される。
【0166】
なお、ここでは整流素子1441と容量素子1451とで構成される安定化電源回路の動
作について説明する。
【0167】
上述したように、交点1421の電位は交互にVrefとVref+vの電位となる。そ
して、交点1421の電位がVref+vのときに整流素子1441に電流が流れ、容量
素子1451に電荷が蓄積される。一方、交点1421の電位がVrefのときには、整
流素子1441に印加される電圧は逆方向電圧となることから電流は流れない。よって、
容量素子1451に一定の電圧分の電荷が蓄積されるように交点1421から電流が供給
される。また、第1の出力端子から容量素子1451に蓄積された電荷が放電されても、
容量素子1451の静電容量を大きくしておくことで、第1の出力端子から得られる電位
の変動を抑制することができる。
【0168】
なお、第2の出力端子、第3の出力端子についても同様であるためここでは説明は省略す
る。
【0169】
また、安定化電源回路1431、安定化電源回路1432、安定化電源回路1433に適
用可能な他の安定化電源回路(レギュレータ)の構成を図22(a)、(b)に示す。図
22(a)、(b)の構成によれば、交点1421、1422、1423から得られる最
も高い電位より低い、任意の電位を第1〜3の出力端子から得ることができる。
【0170】
図22(a)の構成について説明する。出力端子から出力を得る前にツェナーダイオード
の一方の端子と接続し、他方の端子をGNDに接続する。すると、出力の電位がある電位
を超えるとツェナーダイオードに電流が流れ、出力端子の電位を調整することができる。
【0171】
安定化電源回路1504は整流素子1501、容量素子1502、ツェナーダイオード1
503より構成される。
【0172】
安定化電源回路1504の入力端子から不安定電位が入力される。すると、不安定電位の
Hレベルのときに整流素子1501に電流が流れ、容量素子1502に電荷が蓄積される
。つまり、整流素子1501からは不安定電位のHレベルの電位となるように容量素子1
502に電流供給する。つまり、容量素子1502に電荷を蓄積する。また、ツェナーダ
イオード1503を容量素子1502と並列に接続することにより、容量素子1502の
電極間の電圧がある電圧を超えたら、蓄積された電荷を放電させる。つまり、ツェナーダ
イオード1503は、容量素子1502の電極間の電圧がある電圧を超えたら電圧をある
電圧まで下げるように働く。
【0173】
また、容量素子1502は静電容量が大きいものを用いる。こうして、容量素子1502
の電極間の電圧を一定に保つことができ、安定化電源回路1504からの出力端子からは
、一定の電位を得ることができる。
【0174】
なお、安定化電源回路1504の入力端子は図20の交点1421、1422、1423
などのいずれかと接続し、安定化電源回路1504の出力端子は図20のチャージポンプ
の第1の出力端子、第2の出力端子、第3の出力端子のいずれかの出力端子とすることが
できる。
【0175】
また、安定化電源回路1504は図20の安定化電源回路1431、1432、1433
に適用可能だが、第4の出力端子からの出力を安定化させるために用いることも可能であ
る。その場合、整流素子1501、容量素子1502は、図20の整流素子1414、容
量素子1404に対応する。よって、容量素子1404と並列にツェナーダイオード15
03を設けることにより、第4の出力端子の電位を任意の電位とすることができる。
【0176】
また、ツェナーダイオード1503は一つに限られず、直列に複数配置して電位を調整す
ることができる。例えば、安定化電源回路1431、1432、1433、出力端子14
24などで、各電位に合わせてツェナーダイオードを複数配置しても良い。また、ツェナ
ーダイオードの降伏電位が異なるものを直列につないで電位を調整することもできる。
【0177】
次に、図22(b)に示す安定化電源回路1517について説明する。
【0178】
安定化電源回路1517は、整流素子1511、容量素子1512、アンプ1513、第
1の抵抗1515、第2の抵抗1516から構成されている。安定化電源回路1517の
入力端子は交点1421、1422、1423などに接続される。交点1421、142
2、1423などは、クロックパルス(CLK)やクロック反転パルス(CLKB)のタ
イミングに伴って、HレベルとLレベルの電位となる。よって、安定化電源回路1517
の入力端子に入力される電位もHレベルとLレベルの電位が入力される。そして、入力端
子がHレベルの電位のときに、整流素子1511に電流が流れ、容量素子1512に電荷
を蓄積する。こうして、容量素子1512の電極間が一定の電圧となるように整流素子1
511から電流が供給される。
【0179】
この容量素子1512の電極間の電圧を、アンプ1513の電源として用いる。アンプ1
513の非反転入力端子には基準電源1514から一定の電圧が入力される。また、アン
プ1513の反転入力端子は出力端子と第2の抵抗1516を介して接続され、さらに反
転入力端子は抵抗1515を介して接地電源GNDと接続されている。なお、アンプ15
13は高利得増幅器を用いる。
【0180】
アンプ1513は、基準電源1514の電圧が非反転入力端子に入力され、アンプ151
3の出力電圧を第2の抵抗1516と第1の抵抗1515とで抵抗分割した電圧が反転入
力端子に入力され、これらの電圧値を比較する。
【0181】
アンプ1513の出力電圧V0は、基準電源1514の電圧をVr、第1の抵抗1515の
抵抗値をR1、第2の抵抗1516の抵抗値をR2とすると、以下のような式(1)で表さ
れる。
【0182】
【数1】

【0183】
よって、第1の抵抗1515と第2の抵抗1516の抵抗値の比R2/R1によってアンプ
1513の出力電位を調整することができる。つまり、安定化電源回路1517の出力端
子には、基準電源1514の電位以上且つ安定化電源回路1517の入力端子に入力され
るHレベルの電位以下の電位を任意に設定することができる。
【0184】
なお、図22(b)は、出力端子1424の先に複数設けて、複数の電位を出力してもよ
い。しかし、出力電位が低いときには、アンプ1513に大きな電圧がかかってしまい、
消費電力が大きくなってしまう。よって、安定化電源回路1431、1432、1433
の各々の端子に図22(b)を設けて、最適な電位を出力してもよい。すると、消費電力
を低減することができる。
【0185】
また、レギュレータの代わりに、平滑回路を通して第1〜4の出力端子から電位を得るよ
うにしても良い。
【0186】
また、出力端子から出力を得る前に出力電位を検出する手段を設けても良い。そして、あ
る設定された電位を超えると、容量素子の第2の電極に入力されるクロック信号(CLK
)やクロック反転信号(CLKB)の入力を遮断するようにしてもよい。
【0187】
なお、上述した整流素子1411、1412、1413及び1414では順方向しきい値
電圧が0Vである理想的な整流素子であるとして説明している。実際には整流素子141
1の順方向しきい値電圧Vthが存在すると交点1421の電位はVref−Vthまた
はVref−Vth+vというような電位となる。そして、整流素子を間に介する毎にし
きい値電圧分低くなっていくので、整流素子のしきい値電圧は低いことがのぞましい。な
お、整流素子のしきい値電圧分を補正する回路を設けても良い。
【0188】
整流素子としては、ダイオード接続したトランジスタや、PN接合やPIN接合のダイオ
ードやショットキー型のダイオードやカーボンナノチューブで形成されたダイオードを用
いることができる。
【0189】
また、クロック信号(CLK)やクロック反転信号(CLKB)と同期させ、整流素子の
順方向バイアスが印加されるときだけオンするようなスイッチを整流素子として代用して
も良い。スイッチとしてはトランジスタを用いることができる。
【0190】
なお、整流素子及び容量素子の数、クロック信号及びクロック反転信号の振幅を適宜設定
し、出力端子から得る電位を適宜調整することができることは言うまでもない。また、出
力端子は直列に接続された整流素子の任意の整流素子間とすることができる。よって、も
ちろん整流素子間によっては出力端子を設けないところがあっても良い。
【0191】
なお、本構成の昇圧回路の出力からの出力は、実施例1に示す高電源電位(例えばVHr
、VHg、VHbなど)に用いることができる。
【0192】
また、異なる複数の高電源電位を生成するチャージポンプについて説明したが、異なる複
数の低電源電位を生成することもできる。その場合には、図27に示すように直列に接続
された整流素子の向きを逆向きにし、定電圧源の高電位側と低電位側とを逆にする。
【0193】
容量素子2001、容量素子2002、容量素子2003、容量素子2004、整流素子
2011、整流素子2012、整流素子2013及び整流素子2014を有する。整流素
子2011、整流素子2012、整流素子2013及び整流素子2014は直列に接続さ
れ、整流素子2011の出力端子はGNDに接続されている。整流素子2011の入力端
子と整流素子2012の出力端子は交点2021で接続され、整流素子2012の入力端
子と整流素子2013の出力端子は交点2022で接続され、整流素子2013の入力端
子と整流素子2014の出力端子は交点1423で接続されている。また、容量素子20
01の第1の電極は交点2021と接続され、第2の電極にはクロック信号(CLK)が
入力されている。また、容量素子2002の第1の電極は交点2022と接続され、第2
の電極にはクロック反転信号(CLKB)が入力されている。また、容量素子2003の
第1の電極は交点2023と接続され、第2の電極にはクロック信号(CLK)が入力さ
れている。また、容量素子2004の第1の電極は整流素子2014の入力端子2024
と接続され、第2の電極はGNDに接続されている。
【0194】
交点2021、交点2022、交点2023から得られる電位を、それぞれ安定化電源回
路2031、安定化電源回路2032、安定化電源回路2033により一定の電位として
、第1の出力端子、第2の出力端子、第3の出力端子としている。また、整流素子201
4の出力端子2024の電位を一定にするため、容量素子2004には静電容量の大きな
ものを用いる。すると、容量素子2004に蓄えられる電荷が多くなるため、電位の変動
を抑制することができる。また、安定化電源回路(レギュレータ)としては、昇圧回路で
説明した構成を適宜用いることができる。
【0195】
よって、この降圧回路による出力は、実施例1に示す低電源電位(例えばVLr、VLg
、VLbなど)に用いることができる。
【0196】
また、本実施例においては、チャージポンプにクロックパルス(CLK)やクロック反転
パルス(CLKB)を入力したが、図26に示すように、容量素子1902の第2電極に
第1のスイッチ1903を介して定電圧源1901の高電位側を接続し、低電位側はGN
Dに接続する。また、容量素子1902の第2電極はスイッチ1904を介してGNDに
接続する。そして、スイッチ1903とスイッチ1904を交互にオンオフするようにし
ても良い。このとき、容量素子1902が図20に示す容量素子1401か1402であ
るかによって、スイッチ1903及び1904のオンオフは逆にすればよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光色がそれぞれ異なる発光素子を複数含み、
前記発光素子の少なくとも一は、
一対の電極間にn(n≧2の自然数)層の発光層を有し、
前記発光素子からの発光を組み合わせて像を映し出す
ことを特徴とする発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−23370(P2011−23370A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245172(P2010−245172)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【分割の表示】特願2004−374904(P2004−374904)の分割
【原出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】