説明

発泡処方用混練ゴム

【課題】 成形時の流動性が良好で、かつ、混練終了後の混練ゴム取扱性(ロールからの取り出し、保管、玉材準備、成形機への材料装填性)に優れている発泡処方用混練ゴムを提供すること。
【解決手段】 エチレン−αオレフィン−非共役ポリエン三元共重合体ゴムを海相12としポリオレフィン樹脂を島相14とするポリマーアロイをベースとする発泡処方用混練ゴム。ポリオレフィン樹脂が、炭素数4〜6のαオレフィンをモノマーの全部又は主体とする重合体で、かつ、MFR(ASTM D 1238 190 ℃、荷重2.196kgf)15g/10分以上である。混練ゴムのムーニー粘度特性が、(ML1+4 80℃)ー(ML1+4 160℃)≧15を満足するように調製されている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、未加硫の発泡処方用混練ゴムに関する。特に、ドア・ルーフウェザストリップ等のスポンジ部(連続気泡が主体)の型成形部用材料として好適な発泡処方用混練ゴムに関する発明である。
【0002】本発明の発泡処方用混練ゴムは、上記のような型成形用材料及びスポンジゴム用材料としてばかりでなく、押出成形用材料としても、また、独立気泡が主体の発泡ゴム製品用材料としても適用可能である。
【0003】
【背景技術】ここでは、ドアウェザストリップを例に採り説明する。ドアウェザストリップ等においては、シール性とともに、開閉時の感触はソフトであることが要求される。このため、少なくともドア当たり部においては、反発弾性の小さいスポンジゴムで形成されている。
【0004】そして、一般部は押出成形して、コーナ部や端末部は型成形(射出やトランスファー)する。
【0005】そして、型成形する場合においては、型内での流動性を、さらには、射出成形の場合は射出流動性も確保するために、高温時流動性に優れた低粘度配合となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そして、バンバリーミキサー、練りロール機等の混練機等を経て調製した発泡処方用混練ゴム(通常、連続状のシート状又はテープ状のものが折り畳み状態で保管される。)は、相対的に低粘度である。このため、粘着性を有するとともに、混練ゴム粘度(グリーン強度)も小さい。
【0007】このため、混練終了後の混練ゴムのハンドリング性(取扱性)において、下記のような問題点があった。
【0008】■粘着性が高いため、混練終了後の混練ゴムを混練ロールからシート状又はテープ状に切り出して取り出す際に、混練ロールに粘着残存し易くて単位面積当たりの材料重量に大きなバラツキが発生し易い。なお、バンバリミキサーにおいても、ロータへの残材が発生し易く、別バッチにおける異物混入の一因となり易い。
【0009】■同様の理由で、混練ゴムを折り畳み保管する際、タルク、界面活性剤等の防着剤では対応が困難で、水槽中に浸漬して保管する必要がある。即ち、多量の防着剤の使用は、型汚れ(トランスファー、射出)の原因となるとともに、ウェザストリップ等においては、型成形部と一般部(押出成形部)との間に接続不良が発生するおそれがある。更に、水槽保管は、吸水して発泡倍率のバラツキが発生し易い。
【0010】■同様の理由で、トランスファー成形等のおける一回分材料(いわゆる玉材)の調製のカットに際して、玉材相互が粘着して、玉材重量バラツキが発生し易い。
【0011】■グリーン強度が小さいため、射出成形機や押出機等の材料投入機への送り込みロールへの食い込みが不十分で、材料投入不良に伴う成形不良が発生し易い。
【0012】本発明は、上記にかんがみて、成形時の流動性が良好で、かつ、混練終了後の混練ゴム取扱性(ロールからの取り出し、保管、玉材準備、成形機への材料装填性)に優れている発泡処方用混練ゴムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意開発に努力をした結果、下記構成の新規な発泡処方用混練ゴムに想到した。
【0014】エチレン−αオレフィン−非共役ポリエン三元共重合体ゴムを海相としポリオレフィン樹脂を島相とするポリマーアロイをベースとする発泡処方用の混練ゴムにおいて、前記ポリオレフィン樹脂が、炭素数4〜6のαオレフィンをモノマーの全部又は主体とする重合体で、かつ、MFR(ASTM D 1238 190 ℃、荷重2.196kgf)15g/10分以上であり、前記混練ゴムのムーニー粘度特性が(JIS K 6300;以下同じ)、(ML1+4 80℃)ー(ML1+4 160℃)≧15を満足するものであることを特徴とする。
【0015】上記構成において、前記混練ゴムのムーニー粘度特性が、(ML1+4 80℃)ー(ML1+4 160℃)≧30を満足するものとすることが望ましい。
【0016】当該構成発泡処方用混練ゴムは、島相のモルフォロジー(凝集形態)が非球状とすることにより容易に達成できる。
【0017】このとき、島相を形成するポリオレフィン樹脂は、結晶性であることが望ましい。
【0018】上記構成の発泡処方用混練ゴムは、前記発泡処方用混練ゴムの混練に際して、前記ポリオレフィンを軟化ないし融解させて前記島相のモルフォロジー(凝集形態)を非球状化させる方法により調製できる。
【0019】
【構成の詳細な説明】以下、本発明の構成を、さらに詳細に説明をする。なお、配合部数を示す「部」は、特に断らない限り「重量部」を意味する。
【0020】(1) エチレン−αオレフィン−非共役ポリエン三元共重合体ゴム(以下「EOR」と略す。)を海相12としポリオレフィン樹脂を島相14とするポリマーアロイをベースとする混練ゴムを上記概念的構成とする(図1参照)。
【0021】ここでEORに使用するαオレフィンとしては、通常、炭素数3〜6の群から選択される単独又は2種以上を併用して使用する。具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチルペンテン、1−ヘキセン等を挙げることができる。これらの内で、プロピレンが望ましい。
【0022】このときエチレンとαオレフィンのモル比は、前者/後者=60/40〜80/20、望ましくは63/37〜77/23、更に望ましくは65/35〜75/25とする。エチレン過多ではEORの樹脂的性質が高くなり、エチレン過少ではEORに強度が得難くなる。
【0023】また、EORに使用する非共役ポリエン(孤立ポリエン)としては、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン(DCP)、5−ビニル−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン、メチルテトラヒドロインデン(以上、環状ジエン)、1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン(以上、鎖状ジエン)、及び、8−メチル−4−エチリデン−1,7−ノナジエン、4−エチリデン−1,7−ウンデカジエン(以上、鎖状トリエン)等を挙げることができる。
【0024】このときの非共役ポリエンは、単独又は2種以上を併用して使用する。その共重合量は、ヨウ素価表示で、10〜50、望ましくは15〜40、更に望ましくは20〜30とする。
【0025】また、EORの分子量は、通常、ムーニー粘度(ML1+4 100℃)(JIS K6300;以下同じ。)が20〜50、望ましくは25〜45を示すものを使用する。
【0026】当該混練ゴムに配合する副資材としては、カーボンブラック、亜鉛華、プロセスオイル、ステアリン酸、老化防止剤、無機充填剤(カーボンブラックを除く)等を挙げることができる。
【0027】ここで、カーボンブラックとしては、通常の、例えば、SRFのハイストラクチャー(高吸油タイプ)のものを使用することがグリーン強度が得易くて望ましい。
【0028】無機充填剤としては、シリカ、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー等を挙げることができる。
【0029】(2) 上記構成において、ポリオレフィン樹脂が、炭素数4〜6のαオレフィンをモノマーの全部又は主体とする重合体で、かつ、MFR(ASTM D 1238 190 ℃、荷重2.196kgf)15g/10分以上、望ましくは20g/10分以上であることを第一の特徴的要件とする。
【0030】ここで、炭素数4〜6のαオレフィンとしては、前述のものを挙げることができるが、1ーブテンが望ましい。ポリ−1−ブテンの場合、上記MFRは、通常15〜100g/10分である。
【0031】ポリオレフィン樹脂としては、1−ブテン単独重合体又は1−ブテン含量90mol%以上である1−ブテン・エチレン共重合体、1−ブテン・プロピレン共重合体等の1−ブテンブロック又はランダム共重合体が望ましい。このとき、ポリオレフィン樹脂は、結晶性であっても非結晶性であってもよいが、結晶化度20%以上の結晶性のものが、後述の島相のモルフォロジー(凝集形態)を非球状化(配向化)し易くて望ましい。
【0032】このとき、MFRが小さ過ぎると、混練ゴムにおけるポリオレフィン樹脂の作用である成形品への硬度・強度付与を奏し難い。
【0033】そして、ポリオレフィン樹脂の配合量は、通常、10〜35重量部、望ましくは15〜30重量部とする。
【0034】(3) 本混練ゴムは、そのムーニー粘度特性が、(ML1+4 80℃)ー(ML1+4 160℃)≧15を満足するものであることを、第二の特徴的要件とする。
【0035】上記のような粘度特性を示すことにより、相対的に低温側(常温ないし100℃)における混練ゴムのハンドリング性に優れる結果となる。
【0036】高温側(加硫温度近傍)と低温側(混練ゴム取扱い上限温度近傍)との粘度差が15未満では、従来との効果における差が発生し難い。
【0037】更に望ましくは、混練ゴムのムーニー粘度特性が、(ML1+4 80℃)ー(ML1+4 160℃)≧30であることが望ましい。
【0038】当該ムーニー粘度特性を得るためには、混練工程において、前記ポリオレフィン樹脂を軟化ないし融解させて島相14のモルフォロジー(凝集形態)を非球状化(配向化)することにより容易に達成できる(図1R>1参照)。
【0039】即ち、ポリオレフィン樹脂が混練工程で、軟化温度以上になって軟化ないし融点以上になって融解状態となり、混練により配向化されて軟化温度以下となることにより、島相のモルフォロジーが非球状化、即ち、板状(二軸フィブリル状)又は一軸フィブリル状となる。
【0040】例えば、ポリオレフィン樹脂が1−ポリブテン(半結晶性樹脂)の場合、軟化点(ASTM D 1238 )124〜130℃であるため、1−ポリブテンが124℃を越えるような温度下に置かれるように混練すればよい。即ち、制御温度(混練ゴム表面温度)が124℃以下であっても、内部温度が混練(内部摩擦熱)により124℃を越えておればよい。
【0041】具体的には、確実に配向させためには、即ち、ム−ニー粘度特性として、(ML1+4 80℃)ー(ML1+4 160℃)≧30を満足させたいときには、130℃以上(上限は混練性の兼ね合い150℃以下、望ましくは140℃以下)で、約2〜10分混練する。ムーニー粘度特性として、(ML1+4 80℃)ー(ML1+4 160℃)≧15を満足させればよいときは、1−ポリブテンを完全に配向化させる必要はなく、軟化させてある程度配向させればよく、約110℃以上、望ましくは120〜130℃で、約2〜10分であってもよい。
【0042】後者の場合においては、通常、夏季においては、ゴム混練の摩擦熱(剪断熱)により昇温するため加熱する必要はない。前者においては、夏季においても、130℃以上に昇温しないため、通常、原料ゴムを予め60℃くらいに昇温させて行うか、又は、ミキサーを加温して当該温度まで昇温させる。
【0043】(4) こうして、バンバリーミキサー等の密閉式混練機による混練が終了した混練ゴムは、冷やした後、発泡剤及び加硫系薬剤を添加してオープンロール等を用いて、例えば、約80℃以下の温度で仕上げ混練を行う。
【0044】上記発泡剤としては、加硫温度で分解可能な温度を有するものを使用でき、下記無機発泡剤・有機発泡剤を使用でき、発泡助剤を併用する。
【0045】無機発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等を挙げることができる。
【0046】有機発泡剤としては、アゾジカルボアミド(アゾビスホルムアミド)(ADCA)、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジシクロヘキシルニトリル、N,N′−ジメチル−N,N−ジニトロソテレフタルアミド、N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレート、ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3′−ジスルホニルヒドラジド、カルシウムアジド、4,4′−ジフェニルジスルホニルアジド、p−トルエンホルマニルアジド等を挙げることができる。
【0047】こららの内で、ウェザストリップのスポンジ部を形成する場合は、ADCAに発泡助剤(例えば、尿素,亜鉛化合物等)を添加して、分解温度を120〜170℃に調整したものが好ましい。そのときの発泡剤の添加量は4〜16phr 、発泡助剤は発泡剤10部に対して0.2〜3.0部を配合する。
【0048】また、加硫系薬剤には、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、スコーチ防止剤等が含まれる。
【0049】本発明の混練ゴムにおける加硫系は、通常、硫黄加硫系又は有機過酸化物加硫系とする。
【0050】そして、硫黄加硫系の場合は、通常、硫黄とともに加硫促進剤を併用する。
【0051】加硫促進剤としては、汎用のものを使用でき、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系;ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛等のジチオカルバミン酸系;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等のチウラウム系の3種の系を併用して使用することが望ましい。
【0052】これらの加硫促進剤は、硫黄4部の場合、チアゾール系/ジチオカルバミン酸系/チウラム系=8/4/4〜3/2/1(部)の割合で配合する。
【0053】また、有機過酸化物加硫系の場合は、通常、有機過酸化物とともに加硫助剤を併用する。有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等の内から1種又は2種以上を併用して使用することが望ましい。
【0054】更に、加硫助剤としては、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート等を好適に使用でき、有機過酸化物1部に対して、加硫助剤を0.25〜1部の割合で配合する。
【0055】
【発明の作用・効果】本発明の発泡処方用混練ゴムは、エチレン−αオレフィン−非共役ポリエン三元共重合体ゴムを海相としポリオレフィン樹脂を島相とするポリマーアロイをベースとする発泡処方用の混練ゴムにおいて、ポリオレフィン樹脂が、炭素数4〜6のαオレフィンをモノマーの全部又は主体とする重合体で、かつ、MFR(ASTM D 1238 190 ℃、荷重2.196kgf)15g/10分以上であり、混練ゴムのムーニー粘度特性が、(ML1+4 80℃)ー(ML1+4 160℃)≧15、望ましくは、(ML1+4 80℃)ー(ML1+4 160℃)≧30を満足する構成により、後述の実施例で支持される如く、成形材料の流動性を維持したまま、グリーン強度を大きくできる。
【0056】したがって、混練終了後の混練ゴムのハンドリング性(取扱性)において、従来の問題点を解決できる。即ち、本発明の発泡処方用混練ゴムは、混練終了後の混練ゴム取扱性(ロールからの取り出し、保管、玉材準備、成形機への材料装填性)に優れている。
【0057】なお、上記ムーニー粘度特性を、従来例のそれとともにモデル的に図2に示す。
【0058】
【実施例】(1) 混練ゴムの調製(図3参照)
表1に示す各配合処方のゴム配合物(保持温度40℃)をバンバリーミキサー(容量1.75L)に投入し、混練物温度が125℃になってから5分間混練を継続したあと、バンバリーミキサーから取り出して非加熱処理混練ゴムとした。
【0059】また、上記において、バンバリーミキサーを外部加熱をするとともに、混練物温度が135℃になってから5分間混練を継続した後、バンバリーミキサーから取り出して加熱処理混練ゴムとした。
【0060】非加熱処理・加熱処理試料についてムーニー粘度(ML1+4 80℃)及びムーニー粘度(ML1+4 160℃)を測定した。
【0061】更に、非加熱処理・加熱処理試料について、グリーン強度を、下記試験方法に基づいて、測定をした。
【0062】<試験方法>2mm厚に形成した未加硫ゴムシートから、JIS ダンベル1号形の試験片をロールシート出し方向と平行に打ち抜いて作成する。該試験片を、JIS K 6301に準じて、オートグラフを用いて引張りその最大強度を読み取る。
【0063】(2) 試験結果を示す表2から、各実施例の混練ゴムは、各比較例の混練ゴムに比して、グリーン強度が大きいことが分かる。特に、加熱処理試料は、格段にグリーン強度が大きいことが分かる。
【0064】
【表1】


【0065】
*1)ポリブテン−1:結晶化度 20% MFR(190℃)22g/10分 *2)エチレン含量56wt%、第三成分ENB、ヨウ素価26 ムーニー粘度(ML1+4 100℃)25 *3)エチレン含量54wt%、第三成分ENB、ヨウ素価27 ムーニー粘度(ML1+4 100℃)45 *4)エチレン含量65wt%、第三成分ENB、ヨウ素価24 ムーニー粘度(ML1+4 100℃)9
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の混練ゴムにおける混練前後のモデル断面図
【図2】本発明例(非加熱混練・加熱混練ゴム)と従来例の混練ゴムのムーニー粘度特性を示すモデル図
【符号の説明】
12 海相(ゴム成分)
14 島相(樹脂成分)

【特許請求の範囲】
【請求項1】 エチレン−αオレフィン−非共役ポリエン三元共重合体ゴムを海相としポリオレフィン樹脂を島相とするポリマーアロイをベースとする発泡処方用の混練ゴムにおいて、前記ポリオレフィン樹脂が、炭素数4〜6のαオレフィンをモノマーの全部又は主体とする重合体で、かつ、MFR(ASTM D 1238 190 ℃、荷重2.196kgf)15g/10分以上であり、前記混練ゴムのムーニー粘度特性が(JIS K 6300;以下同じ)、(ML1+4 80℃)ー(ML1+4 160℃)≧15を満足するように調製されてなることを特徴とする発泡処方用混練ゴム。
【請求項2】 前記混練ゴムのムーニー粘度特性が、(ML1+4 80℃)ー(ML1+4 160℃)≧30を満足するものであることを特徴とする請求項1記載の発泡処方用混練ゴム。
【請求項3】 前記島相のモルフォロジー(凝集形態)が非球状であることを特徴とする請求項1又は2記載の発泡処方用混練ゴム。
【請求項4】 前記ポリオレフィンが結晶性ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする請求項3記載の発泡処方用混練ゴム。
【請求項5】 請求項3又は4記載の発泡処方用混練ゴムの調製方法であって、前記混練工程において、前記ポリオレフィン樹脂を軟化ないし融解させて前記島相のモルフォロジー(凝集形態)を非球状化(配向化)させることを特徴とする発泡処方用混練ゴムの調製方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2000−44711(P2000−44711A)
【公開日】平成12年2月15日(2000.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−213211
【出願日】平成10年7月28日(1998.7.28)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】