説明

発泡性プラスチック容器のためのプロセス制御システムおよび成形型アセンブリ

たとえば発泡性ポリスチレン粒子など、発泡性熱可塑性粒子からなる容器を形成するための成形型アセンブリは、熱可塑性粒子を受ける成形キャビティを形成するように組み立てられる内側成形型および外側成形型を備える。蒸気および冷却流体は内側成形型および外側成形型内の通路に供給される。たとえば熱電対など温度感知装置が内側成形型の内側壁および外側成形型の外側壁に恒久的に取り付けられ、成形型アセンブリの温度を検出する。通路内に供給される蒸気および冷却流体と連通している圧力変換器は、通路内に供給される蒸気および水の圧力を検出する。こうした装置は成形サイクルの蒸気および冷却流体の供給中に連続的に作動して、蒸気の圧力および/またはサイクル時間を調整し、冷却流体のサイクル時間を調整し、成形型アセンブリ内の粒子が共に最適に溶解し冷却される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば発泡性ポリスチレン粒子など発泡性プラスチック材料から成形される容器の成形型アセンブリに関する。本発明は、より詳細には、成形型アセンブリの設計変更、および、成形型アセンブリの処理パラメータを示す実データ収集情報を連続して検出し、使用し、こうしたパラメータを調整して、成形サイクルでの粒子の溶解および冷却を最適化するプロセス制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
発泡または気泡プラスチック容器、たとえばカップ、ボウルなどは、従来、成形サイクルで、適した熱可塑性材料の粒子を所望の形状の容器を画定する成形キャビティ内に注入し、その成形キャビティ内に蒸気を送出し、粒子を共に溶解して容器を形成し、その後、冷却流体を成形キャビティ内に送出して粒子を冷却することによって形成される。粒子は、蒸気または熱を受けた場合に粒子を発泡性にする起泡剤または発泡剤が含浸されている点で発泡性である。
【0003】
最も一般に使用される熱可塑性粒子はEPSとして知られている発泡性ポリスチレン粒子である。起泡剤または発泡剤はポリスチレンの軟化点未満で沸騰し、加熱されると粒子を発泡させる。
【0004】
含浸したポリスチレン粒子からの成形容器の形成は、一般に2つのステップで行われる。第1に、含浸したポリスチレン粒子が密度約2から12ポンド/立方フィートまで予備発泡される。第2に、予備発泡した粒子が閉鎖された成形キャビティ内で全体的に加熱されて、予備発泡粒子がさらに発泡され、粒子が共に溶解して、気泡容器が形成される。
【0005】
気泡容器の作成に使用される発泡性ポリスチレン粒子は、一般に、水性懸濁重合プロセスで用意され、得られたビーズをふるいにかけて比較的正確なビーズサイズにすることができる。通常、ビーズ径は約0.008から約0.02インチの範囲である。場合によっては、カップはビーズ径0.03インチを有する粒子から作成される。
【0006】
慎重なビーズサイズ制御にも関わらす、容器業界を悩ませ続けている問題は、しばらくするとESP容器に漏れが生じる傾向があることである。すなわち液体が、溶解したポリスチレンビーズの周囲に、かつ容器の側壁の外側面に浸出する傾向があることである。
【0007】
こうした容器の漏れの低減を対象とした幾つかの手法が長年にわたって講じられてきた。一部の手法は、米国特許第4,036,675号に開示されているように、気泡材料に積層されたポリプロピレン膜ライナを使用するものである。
【0008】
他の手法は、ビーズ表面を処理するものである。たとえば、Sonnenbergの米国特許第4,703,065号および第4,720,419号は、成形前にフッ素界面活性剤でコーティングされた表面を有し、重合体粒子から成形された熱可塑性重合体気泡カップを開示しており、米国特許第4,785,022号は、粒子への多様なゴム重合体および共重合体のコーティングを開示している。
【0009】
他の手法は、容器の形成に使用される成形型アセンブリに関するものである。成形型アセンブリは、容器の成形プロセスの特定のステップを行うため、蒸気、水、または空気が通過する通路を提供する加熱および冷却通路を有する。容器の成形処理の障害を発見するには、成形型アセンブリの外壁上に一時的に、たとえば熱電対などデータ収集装置を取り付け、成形処理パラメータに必要な調整を行うことが知られている。データ収集を行うこの一時的な方法は一部の状況では使用可能であるが、成形処理パラメータが成形型アセンブリ内の粒子の溶解および冷却作用を最適化するための推奨範囲内に維持されていることを保証する手段および方法を提供するものではない。
【0010】
すなわち、この実施では、重要な情報を連続的に長期間にわたり獲得し、その情報を使用して、成形型アセンブリの成形処理パラメータ、すなわち少なくとも蒸気の圧力および/またはサイクル時間、並びに冷却液体のサイクル時間を連続的かつ自動的に適切に調整して、こうしたパラメータを推奨範囲内に維持し、それによって良好な成形サイクルを獲得し、発泡性粒子が最適に共に溶解されてから冷却されて、液体保持特性の向上した容器を形成することができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、成形型アセンブリの設計変更、および成形サイクルで熱可塑性粒子を最適に溶解し冷却するプロセス制御システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、発泡性プラスチック粒子から容器を成形するための成形型アセンブリであって、容器が、底壁、および底壁から容器の口まで上方に延びる側壁を有し、成形型アセンブリが、
容器を画定する成形キャビティを形成するように共に組み立てられる内側成形型および外側成形型と、
発泡性プラスチック粒子を成形キャビティ内に送出する外側成形型と連通しているポート手段と、
蒸気および冷却流体を成形キャビティに隣接する内側成形型および外側成形型に搬送し、容器の底壁および側壁を画定する成形キャビティの部分に隣接して延びる通路手段と、
蒸気および冷却流体を前記通路手段に送出する導管手段と、
内側成形型の内側壁および外側成形型の外側壁に恒久的に取り付けられて成形型アセンブリの温度を感知する温度感知手段と、
少なくとも導管手段内の蒸気圧を感知する前記導管手段と関連する圧力変換手段と、
温度感知手段および圧力変換手段と連通して、容器の形成のため、成形型アセンブリの温度および導管手段内の蒸気の圧力を連続して監視し、少なくとも成形型アセンブリ内の蒸気の圧力および/またはサイクル時間を調整して、発泡性プラスチック粒子を最適に溶解し、成形型アセンブリの温度および導管手段内の冷却流体の圧力を連続して監視し、少なくとも冷却流体のサイクル時間を調整して、成形型アセンブリ内の発泡性プラスチック粒子を最適に冷却する制御手段とを備える成形型アセンブリに関する。
【0013】
好ましくは、温度感知手段は、1つが成形型アセンブリの内側に配置され、1つが成形型アセンブリの外側に配置された熱電対からなる。こうした感知装置は、内側成形型および外側成形型に恒久的に取り付けられる。具体的には、1つの熱装置が内側成形型の内側壁に恒久的に取り付けられ、1つの熱装置が外側成形型の外側壁に恒久的に取り付けられる。一部の実施形態では、温度感知装置を互いに直接位置合せして配置して、成形型アセンブリの壁の温度を検出し測定することができ、一部の実施形態では、こうした装置を直接互いに位置合せしなくてもよい。
【0014】
圧力変換手段は、成形サイクルで蒸気および冷却流体を成形型アセンブリの通路内に送出する導管と連通している。成形加熱サイクルでは、成形型の温度と蒸気圧の両方が連続して感知され、この情報が統合データ収集手段に自動的に送信される。統合データ収集手段はコンピュータシステムでもよい。圧力変換手段は、蒸気の圧力値を統合データ収集機器に送信し、この情報が、温度感知装置によって感知される成形型アセンブリの温度値と共に使用されて、蒸気圧または蒸気サイクル時間が調整され、従って、蒸気の温度が成形型アセンブリ内の発泡性粒子を最適に溶解する許容範囲内に調整される。
【0015】
成形冷却サイクルでは、成形型の温度と冷却流体の圧力の両方が連続して感知され、この情報が統合データ収集手段に自動的に送信される。圧力変換手段は、冷却流体の圧力値を統合データ収集機器に送信し、この情報が、温度感知装置によって感知される成形型アセンブリの温度値と共に使用されて、少なくとも冷却流体のサイクル時間が、成形型アセンブリ内の発泡性粒子を最適に冷却するように調整される。
【0016】
本発明はさらに、発泡性プラスチック粒子で作成される容器を形成するための成形型アセンブリの通路内に導管手段を通して送出される蒸気または冷却流体の圧力を連続して監視するプロセスであって、
成形型アセンブリの温度を感知する成形型アセンブリに恒久的に取り付けられた温度感知手段を提供するステップと、
蒸気または冷却流体の圧力を感知し、蒸気または冷却流体を成形型アセンブリの加熱/冷却通路内に送出する導管手段と連通している圧力変換手段を提供するステップと、
容器の形成の際に、成形型アセンブリの温度および蒸気の圧力を連続して監視し、少なくとも成形型アセンブリ内の蒸気の圧力および/またはサイクル時間を調整して、発泡性プラスチック粒子を最適に溶解し、成形型アセンブリの温度および冷却流体の圧力を連続して監視し、少なくとも冷却流体のサイクル時間を調整して、成形型アセンブリ内の発泡性プラスチック粒子を最適に冷却するステップとを含むプロセスに関する。
【0017】
本発明はさらに、発泡性プラスチックビーズから容器を成形するための成形型アセンブリ用のプロセス制御システムであって、容器が底壁および底壁から容器の口まで上方に延びる側壁を有し、プロセス制御システムが、
容器を画定する成形キャビティを形成するように共に組み立てられる内側成形型および外側成形型を有する成形型アセンブリと、
発泡性プラスチックビーズを成形キャビティ内に送出する外側成形型と連通しているポート手段と、
蒸気および冷却流体を成形キャビティに隣接する内側成形型および外側成形型に送出し、容器の側壁および底壁を画定するキャビティの部分に隣接して延びる通路手段と、
蒸気および冷却流体を前記通路手段に送出する導管手段と、
成形型アセンブリの温度を感知する内側成形型および外側成形型に恒久的に取り付けられた温度感知手段と、
少なくとも導管手段内の蒸気圧を感知する前記導管手段と関連する圧力変換手段と、
温度感知手段および圧力変換手段と連通して、容器の形成の際に、成形型アセンブリの温度および導管手段内の蒸気の圧力を連続して監視し、少なくとも蒸気の圧力および/またはサイクル時間を調整して、発泡性プラスチックビーズを最適に溶解し、成形型アセンブリの温度および導管手段内の冷却流体の圧力を連続して監視し、少なくとも冷却流体のサイクル時間を調整して、成形型アセンブリ内の発泡性プラスチック粒子を最適に冷却する制御手段とを備える、プロセス制御システムに関する。
【0018】
本発明の他の実施形態は、本発明のプロセス制御および成形型アセンブリを使用し、発泡性プラスチックビーズを最適に溶解し冷却して、容器を形成するプロセスに関する。
【0019】
一部の実施形態では、本発明は、粒子を最適に溶解するため、内側成形型および外側成形型の通路内に送出される蒸気の圧力および温度を連続して検出する成形型アセンブリおよびプロセス制御システムを提供する。
【0020】
本発明の上記その他の態様は、図面および以下の説明、並びに添付の特許請求の範囲から、当業者にはよりよく理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1を参照すると、発泡または気泡プラスチックカップ10は発泡ポリスチレン粒子から成形され、本発明では、気泡プラスチック材料の製品であり、凝集した連続面になるように粒子が最適に溶解され冷却されることによって粒子間の間隙が本質的に回避される。
【0022】
カップ10は円形状であり、底壁12、底壁からカップの頂部にある口16まで上方に外側に延びる側壁14を備え、カップの頂部で側壁14は環状の平坦なフランジ18で終端する。カップ10は、従来の方式で、カップ10の底部の内側に隣接する環状の平坦な内側スタッキングショルダ20を有するように成形される。幾つかのカップが入れ子関係になされた場合、下方のカップのスタッキングショルダ20が上方のカップの底部22の周囲と係合して、内側のカップが外側のカップによる圧縮に耐えるようになされる。
【0023】
図2aを参照すると、従来の一方式で、カップ10の底部22を最上に向け、口16を下方に向けた状態でカップ10を成形するように成形型アセンブリ24が使用される。当業者は成形型アセンブリ24および成形型アセンブリ24のカップを作成する動作に精通しているであろうが、それは、参照により全体が本明細書に組み込まれている、2003年8月7日に発行された米国特許出願第2003/0146533号の教示と全般的に同様である。
【0024】
具体的には図2bを参照すると、成形型アセンブリ24は、内側成形型26および外側成形型28からなり、それらが組み立てられて成形キャビティ30が形成され、成形キャビティ30が発泡性ポリスチレン粒子を受けて、カップ10が形成される。内側成形型26はコアセクション32および外側シェル34を有し、外側シェル34はコアセクション32上に嵌合されて、外側シェル34とコアセクション32の間に加熱/冷却通路36が形成される。外側成形型28は、カップの底壁および側壁の外面を成形する内側シェル38、および頂部成形型部材40を備える。頂部成形型部材40は、内側シェル38の外側を覆うように嵌合されて、外側成形型28の内側シェル38と頂部成形型部材40との間に加熱/冷却通路42が作成される。図2aで示したように、成形キャビティ30の底端で、内側成形型26の外側シェル34と外側成形型28の内側シェル38がカップ10の環状の平坦なフランジ18を画定する。
【0025】
内側成形型26のコアセクション32および外側シェル34は、図2aでは示していないが当業者に知られている手段によって、成形型アセンブリ24の底端に共に固定される。外側成形型28の内側シェル38および頂部成形型部材40は、図2aでは示していないが当業者に知られている手段によって、成形型アセンブリ24の底端に共に固定される。
【0026】
図2aでは、中央導管44が内部コアセクション32の中央を通ってコアセクション32の上端に隣接する位置まで延び、容器を形成する際に粒子を溶かす溶解サイクル中に、成形型アセンブリ24を加熱するための蒸気、または溶解サイクルの最後に、成形型アセンブリ24を冷却し、それによって容器を冷却するための冷却流体、たとえば水を、通路36に供給する。
【0027】
蒸気または冷却流体は、導管50によって中央導管44に送出される。導管50はスリーブ46を介して中央導管44と連通しており、スリーブ46は図2aの48で示したように内部コアセクション32に取り付けられる。導管50は接合導管52を備え、接合導管52は圧力変換器54を導管50と連通状態になるように連結し、導管50は上記のように蒸気または冷却流体を中央導管44内に向ける。
【0028】
中央導管44は、その上端で弁ポート56を介して空圧式作動機構58と連通するように連結され、空圧式作動機構58は知られている方式で圧縮空気を成形キャビティ30内に供給して、成形サイクルの最後に、成形されたカップ10を成形キャビティ30から取り外す助けをする。
【0029】
蒸気および冷却流体は、蒸気または冷却流体を外側加熱/冷却通路42内に搬送するポート60および導管62を介して通路42にも供給される。導管62は接合導管64を備え、接合導管64は圧力変換器66を導管62に連結し、従って通路42内に供給される蒸気または冷却流体と連通状態である。
【0030】
カップ10に適した成形材料の粒子であり、発泡剤を含む粒子が、図2aの左上部分で示したように、ポート68を通って成形キャビティ30に供給される。
【0031】
知られている方法で、圧縮空気が空圧式作動手段58によってポート56内に送出されて、粒子またはビーズがポート68からポート56内に押し込まれ、成形キャビティ30内に下落される。成形型アセンブリ24の内側成形型26および外側成形型28が成形サイクルの最後に分離されて、成形型アセンブリ24からカップ10を取り外す準備として、カップ10が内側成形型26上に保持されたときに、圧縮空気が空圧式作動手段58によってポート56内に送出される。
【0032】
図2bではっきり見ることができるように、内側成形型26のコアセクション32は、温度感知装置70を内側成形型26のコアセクション32の内部壁に取り付けるように中空になされている。第2の温度感知装置72は、コアセクション32内の温度感知装置70と直接位置合せされて、外側成形型28の頂部成形型部材40の外側壁に取り付けられる。装置70および72は恒久的に取り付けられ、それぞれ内側成形型26のコアセクション32の内側壁および外側成形型28の頂部成形型部材40の外側壁に成形サイクルの全範囲にわたって固定されたままである。
【0033】
こうした温度感知装置70および72は、成形型アセンブリ24の温度の検出に使用される。好ましくは、こうした装置70および72は熱電対であり、図2aで示したように、それぞれ電線74および76を有し、電線74および76は、図2aの右下部分で概略的に示したように、データ収集機器78に連結される。電線74は内側成形型26の底部に取り付けられたポート80を介してコアセクション32の外側に延びる。
【0034】
本明細書で上述したように、圧力変換器54は導管50内の蒸気および冷却流体の圧力を感知し、圧力変換器66は導管62内の蒸気および冷却流体の圧力を感知する。この圧力情報は、温度感知装置70および72によって検出される成形温度情報と共にデータ収集機器78に連続して送信される。データ収集機器78は、温度感知装置70および72、並びに、圧力変換器54および66から受信する情報を使用して、それぞれ内側成形型26および外側成形型28内の導管50および62を通って通路36および42内に移動する、(成形サイクルの加熱部分では)蒸気の圧力および/またはサイクル時間を調整し、(成形サイクルの冷却部分では)冷却流体のサイクル時間を調整する。十分な熱を加えて発泡性粒子を共に最適に溶解してカップ10を形成するには、蒸気の圧力および/またはサイクル時間が所望の範囲内であり、発泡性粒子を最適に冷却するには、冷却流体のサイクル時間が所望の範囲内である。蒸気圧を考慮した蒸気温度は、約100°Fから約300°Fであり、好ましくは約160°Fから約260°Fである。
【0035】
発泡プラスチックカップ10を成形するには、図2aで示したように、内側成形型26と外側成形型28が組み立てられ、プラスチック成形ビーズまたは粒子が外側成形型28の漏斗形状のポート68を通って成形キャビティ30内に注入される。成形キャビティ30に粒子が充填されると、蒸気が導管50を通して注入され、内側通路36内に供給され、蒸気が導管62を通して注入され、外側通路42に供給されて、通路36、42の壁が加熱され、従って、成形キャビティ30内の粒子が加熱される。
【0036】
成形サイクルの全範囲にわたり、蒸気が通路36および42を通って移動するときに、温度感知装置70および72が連続的に作動して、成形型アセンブリ24の壁の温度を検出し、この情報を信号の形で電線74および76を通してデータ収集機器78に送信する。
【0037】
同時に、圧力変換器54および66は導管50および62内の蒸気圧を検出し、この情報を信号の形でデータ収集機器78に送信する。蒸気圧の温度は標準の蒸気表で決定される。導管50および62内に、従って通路36および42内に移動する蒸気の蒸気温度が所望の温度と比較される。成形キャビティ30内の粒子が最適に溶解されるように蒸気の温度を調整すべき場合、データ収集機器78は信号を制御部(図示せず)に送信し、それに応じて蒸気圧が調整され、または、場合によっては、成形型アセンブリに供給される蒸気のサイクル時間が調整される。
【0038】
成形サイクルの加熱サイクルの終わりに、蒸気供給用の弁部材(図示せず)が閉鎖され、冷却流体が導管50および62を介して加熱/冷却通路36および42内に供給されて、成形型アセンブリ24および成形されたカップ10が冷却される。この手順では、温度感知装置70および72、並びに圧力変換器54および66は、成形型アセンブリ24の温度を検出するように動作し、こうした信号がデータ収集機器78に送信される。成形キャビティ30内の粒子の最適な冷却のために冷却流体を調整すべき場合、データ収集機器78は適切な信号を制御部(図示せず)に送信して、成形型アセンブリに供給される冷却流体のサイクル時間が調整される。
【0039】
データ収集機器78は、データ制御および収集プログラムへの熱電対および圧力変換器の信号とインターフェースすることができるコンピュータシステムを備えることができる。
【0040】
熱電対および圧力変換器が開示されたが、理解されるように、他の温度感知装置および圧力感知装置を使用することもできる。また、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)など他の記録データおよびフィードバックシステムをコンピュータプログラムの代わりに使用することもできる。
【0041】
特定の実施形態が開示されたが、理解されるように、添付の特許請求の範囲に記載したように、本発明の範囲から逸脱することなく本発明に変更を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明により作成された発泡プラスチックカップを示す片側断面、片側正面図である。
【図2a】本発明で使用される成形型アセンブリおよび装置を示す軸方向断面図である。
【図2b】成形型アセンブリの温度感知装置を示す拡大図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形サイクルで発泡性プラスチック粒子から容器を成形するための成形型アセンブリであって、容器が底壁および底壁から容器の口まで上方に延びる側壁を有し、成形型アセンブリが、
容器を画定する成形キャビティを形成するように共に組み立てられる内側成形型および外側成形型と、
発泡性プラスチック粒子を成形キャビティ内に送出する外側成形型と連通しているポート手段と、
蒸気および冷却流体を成形キャビティに隣接する内側成形型および外側成形型に搬送し、容器の底壁および側壁を画定する成形キャビティの部分に隣接して延びる通路手段と、
蒸気および冷却流体を前記通路手段内に送出する導管手段と、
前記内側成形型の内側壁および前記外側成形型の外側壁に取り付けられて成形型アセンブリの温度を感知する温度感知手段と、
前記導管手段内の蒸気および冷却流体の圧力を感知する前記導管手段と関連する圧力変換手段と、
温度感知手段および圧力変換手段と連通して、容器の形成のための成形サイクル中に、成形型アセンブリの温度および前記導管手段内の蒸気の圧力を連続して監視し、少なくとも蒸気の圧力および/またはサイクル時間を調整して、発泡性プラスチック粒子を最適に溶解し、成形型アセンブリの温度および前記導管手段内の冷却流体の圧力を連続して監視し、少なくとも冷却流体のサイクル時間を調整して、成形型アセンブリ内の発泡性プラスチック粒子を最適に冷却する制御手段とを備える、成形型アセンブリ。
【請求項2】
前記温度感知手段が前記成形型アセンブリの内側成形型および外側成形型に恒久的に取り付けられる、請求項1に記載の成形型アセンブリ。
【請求項3】
前記温度感知手段が前記成形型アセンブリの前記内側成形型および前記外側成形型に恒久的に取り付けられた熱電対からなる、請求項2に記載の成形型アセンブリ。
【請求項4】
蒸気および冷却流体を成形型アセンブリの前記通路内に送出する前記導管手段に連結された接合導管手段をさらに備え、前記圧力変換手段が前記接合導管手段に取り付けられ、前記接合導管手段と連通している、請求項1に記載の成形型アセンブリ。
【請求項5】
前記制御手段が、成形型アセンブリ内の通路内の蒸気の圧力および/またはサイクル時間を調整して発泡性プラスチックビーズを最適に溶解し冷却する手段を含む統合データ収集手段を備える、請求項1に記載の成形型アセンブリ。
【請求項6】
発泡性プラスチック粒子からなる容器を形成するための成形型アセンブリの導管手段を通って通路内に送出される蒸気または冷却流体の圧力を連続して監視するプロセスであって、
成形型アセンブリの温度を感知する成形型アセンブリに恒久的に取り付けられた温度感知手段を提供するステップと、
蒸気または冷却流体の圧力を感知し、蒸気または冷却流体を成形型アセンブリの前記通路内に送出する前記導管手段と連通している圧力変換手段を提供するステップと、
容器の形成の際に、成形型アセンブリの温度および蒸気の圧力を連続して監視し、少なくとも成形型アセンブリ内の蒸気の圧力および/またはサイクル時間を調整して、発泡性プラスチック粒子を最適に溶解し、成形型アセンブリの温度および冷却流体の圧力を連続して監視し、少なくとも冷却流体のサイクル時間を調整して、成形型アセンブリ内の発泡性プラスチック粒子を最適に冷却するステップとを含む、プロセス。
【請求項7】
請求項6のプロセスを使用し、成形型アセンブリ内の発泡性プラスチックビーズを最適に溶解して容器を形成するためのプロセス。
【請求項8】
請求項6のプロセスを使用し、成形型アセンブリ内の発泡性プラスチックビーズを最適に冷却して容器を形成するためのプロセス。
【請求項9】
発泡性プラスチック粒子から容器を成形するための成形型アセンブリ用の制御システムであって、容器が底壁および底壁から容器の口まで上方に延びる側壁を有し、プロセス制御システムが、
容器を画定する成形キャビティを形成するように組み立てられる内側成形型および外側成形型を有する成形型アセンブリと、
発泡性プラスチックビーズを成形キャビティ内に送出する外側成形型と連通しているポート手段と、
蒸気および冷却流体を成形キャビティに隣接する内側成形型または外側成形型の少なくとも1つに送出し、容器の側壁および底壁を画定するキャビティの部分に隣接して延びる通路手段と、
蒸気および冷却流体を前記通路手段内に送出する導管手段と、
成形型アセンブリの温度を感知する内側成形型および外側成形型に恒久的に固定された温度感知手段と、
導管手段内の蒸気および冷却流体の圧力を感知する前記導管手段と関連する圧力変換手段と、
前記温度感知手段および前記圧力変換手段と連通して、前記容器の形成の際に、成形型アセンブリの温度および導管手段内の蒸気の圧力を連続して監視し、少なくとも蒸気の圧力および/またはサイクル時間を調整して、発泡性プラスチックビーズを最適に溶解し、成形型アセンブリの温度および導管手段内の冷却流体の圧力を連続して監視し、少なくとも冷却流体のサイクル時間を調整して、成形型アセンブリ内の発泡性プラスチック粒子を最適に冷却する制御手段とを備える、制御システム。
【請求項10】
前記制御手段が、成形型アセンブリ内の通路内の蒸気の圧力および/またはサイクル時間を調整して発泡性プラスチックビーズを最適に溶解し冷却する手段を含む統合データ収集手段を備える、請求項9に記載の制御システム。
【請求項11】
前記温度感知手段が成形型アセンブリの内側成形型および外側成形型に恒久的に取り付けられる、請求項9に記載の制御システム。
【請求項12】
前記温度感知手段が前記成形型アセンブリの前記内側成形型および前記外側成形型に恒久的に取り付けられた熱電対からなる、請求項9に記載の制御システム。
【請求項13】
蒸気および冷却流体を成形型アセンブリ内の前記通路内に送出する前記導管手段に連結された接合導管手段をさらに備え、前記圧力変換手段が前記接合導管手段に取り付けられ、前記接合導管手段と連通している、請求項9に記載の制御システム。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【公表番号】特表2008−542061(P2008−542061A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513536(P2008−513536)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/018952
【国際公開番号】WO2006/127333
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(503200752)ノバ・ケミカルズ・インコーポレイテツド (19)
【Fターム(参考)】