説明

発泡成形体及び発泡成形体からなる車両用ラゲージボックス

【課題】 低密度であってもPS発泡成形体と同等程度の剛性を備えると共に、PP発泡成形体と同等程度の耐薬品性を備える発泡成形体を提供することを課題とする。
【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含む改質ポリスチレン系発泡性樹脂粒子を用いて発泡成形された発泡成形体であって、密度ρが0.025〜0.050g/cm3となるように成形された際の密度ρと80℃における曲げ最大点応力σ(単位:MPa)との関係がσ20/ρ≧14.0を満たすことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡性樹脂粒子から成形された発泡成形体とかかる発泡成形体からなる車両用ラゲージボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の発泡性樹脂粒子が成形金型内に充填されて発泡成形された発泡成形体は、軽量であると共に成形性に優れているため、様々な用途に利用されている。例えば、ポリスチレン系樹脂のみからなる発泡性樹脂粒子を用いて発泡成形された発泡成形体(以下、PS発泡成形体)は、優れた剛性を備えると共に、加工性、断熱性、耐水性に優れているため、建材用断熱材や包装用緩衝材等として広く利用されている。
【0003】
また、ポリプロピレン系樹脂のみからなる発泡性樹脂粒子を用いて発泡成形された発泡成形体(以下、PP発泡成形体)は、耐薬品性、耐衝撃性に優れているため、ガソリン等の薬品が接触したり、強い衝撃が加わったりする可能性がある自動車関連資材を構成する材料として広く利用されている。例えば、自動車のトランクルームやラゲージスペース等に備えられ、物品を収容可能に構成されたラゲージボックスを形成する材料として利用されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3759997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようなPP発泡成形体は、PS発泡成形体と比較して、同じ密度であっても剛性が劣るものであるため、PS発泡成形体と同様の優れた剛性を得るためには、高密度(例えば、0.06〜0.30g/cm3程度)なものを成形する必要がある。このため、PP発泡成形体自体の重量が重くなり、上述したような自動車関連資材として用いた場合には、自動車全体の重量の増加に繋がって走行時の燃費を低下させる要因となる場合もある。
一方、PS発泡成形体は、低密度であっても優れた剛性を示すため、軽量、且つ、剛性に優れた製品を形成することができるが、一般的に、PP発泡成形体よりも耐薬品性に劣るものであるため、自動車関連資材に使用する場合は、薬品との接触がない場所での使用に限られていた。
【0006】
そこで、本発明は、低密度であってもPS発泡成形体と同等程度の剛性を備えると共に、PP発泡成形体と同等程度の耐薬品性を備える発泡成形体を提供することを課題とする。また、かかる発泡成形体を用いて形成された車両用ラゲージボックスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる発泡成形体は、ポリプロピレン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含む改質ポリスチレン系発泡性樹脂粒子を用いて発泡成形された発泡成形体であって、密度ρが0.022〜0.040g/cm3となるように成形された際の密度ρと80℃における曲げ最大点応力σ(単位:MPa)との関係が下記(1)式を満たすことを特徴とする。
【数1】

【0008】
また、本発明にかかる発泡成形体は、ポリプロピレン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含む改質ポリスチレン系発泡性樹脂粒子を用いて発泡成形された発泡成形体であって、密度ρが0.022〜0.040g/cm3となるように成形された際の密度ρと20℃における曲げ最大点応力σ(単位:MPa)との関係が下記(2)式を満たすことを特徴とする。
【数2】

【0009】
かかる構成の発泡成形体は、ポリプロピレン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含む改質ポリスチレン系発泡性樹脂粒子を用いて発泡成形されると共に、上記の密度ρの範囲において曲げ最大点応力σと密度ρとの関係が、80℃において上記(1)式を満たし、20℃において上記(2)式を満すよう成形されているため、上記のような密度ρ、即ち、低密度で成形された際にも、前記PS発泡成形体と同等程度の剛性を備えるものとなる。
【0010】
また、発泡成形体がポリプロピレン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含む改質ポリスチレン系発泡性樹脂粒子を用いて成形されているため、前記PP発泡成形体と同等程度の耐薬品性を備えるものとなる。
【0011】
このため、軽量であると共に優れた剛性と耐薬品性とを必要とする製品(例えば、自動車用ラゲージボックス等)を形成する素材として本願にかかる発泡成形体を用いることができる。
【0012】
また、本発明にかかる発泡成形体は、FMVSS 302に準拠した方法で測定される燃焼速度が、80mm/min以下であることが好ましい。
【0013】
本発明にかかる車両用ラゲージボックスは、上記の何れかの発泡成形体からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、低密度であってもPS発泡成形体と同等程度の剛性を備えると共に、PP発泡成形体と同等程度の耐薬品性を備える発泡成形体を提供することができる。また、かかる発泡成形体からなる車両用ラゲージボックスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態にかかる発泡成形体からなる車両用ラゲージボックスAの一例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0017】
本実施形態にかかる発泡成形体は、複数の発泡性樹脂粒子が予備発泡された予備発泡樹脂粒子を成形金型(図示せず)内で発泡成形したものである。かかる発泡成形体は、軽量であると共に優れた剛性と耐薬品性とを必要とする製品に用いられるものである。例えば、図1に示すように、自動車のトランクルームやラゲージスペース等で用いられる車両用ラゲージボックスA(以下、ラゲージボックスAと記す)に用いられている。
【0018】
該ラゲージボックスAは、物品を収容可能に構成された少なくとも一つ(本実施形態では8つ)の収容部A1を備え、全体が発泡成形体によって一体的に成形されている。また、ラゲージボックスAは、車体に取り付けられて継続的に衝撃が加わるような状態で使用されたり、オイル等の薬品と接触したりする場合があるため、優れた剛性と耐薬品性とを備える必要があると共に、自動車全体の重量を軽減し、走行時の燃費を向上させる目的から軽量であることも必要とされている。
【0019】
前記発泡成形体は、ポリプロピレン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含む改質ポリスチレン系発泡性樹脂粒子(以下、改質PS樹脂粒子と記す)を用いて成形される。具体的には、発泡成形体は、成形金型内の成形空間に充填された複数の改質PS樹脂粒子からなる予備発泡樹脂粒子が発泡成形されることによって形成されるものである。
【0020】
前記改質PS樹脂粒子の樹脂材料の一つであるポリプロピレン系樹脂は、粒子状に形成されたもの(以下、PP樹脂粒子と記す)が用いられる。ポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されず、公知の重合方法で得られた樹脂を使用できる。例えば、プロピレン−エチレン共重合体を使用できる。このプロピレン−エチレン共重合体は、エチレンとプロピレンとの共重合体を主成分とするものであり、これら以外に他の単量体を分子内に含有するものであってもよい。かかる単量体としては、エチレンまたはプロピレンと共重合し得る単量体であって、例えば、α−オレフィン、環状オレフィン、ジエン系単量体から選択された一種または二種以上のものが挙げられる。
【0021】
また、前記ポリプロピレン系樹脂としては、120℃〜145℃の範囲に融点を有するものが好ましい。融点が120℃以上であることで、耐熱性に優れた発泡成形体を得ることができると共に、融点が145℃以下であることで、ポリプロピレン系樹脂を良好な重合状態とすることができる。
【0022】
前記ポリプロピレン系樹脂には、必要に応じて、難燃剤、難燃助剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、顔料、着色剤などの添加物が含まれていてもよい。前記着色剤としては、無機系の顔料であっても、有機系の顔料であってもよい。無機系の顔料としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、バリウム黄などのクロム酸塩、紺青などのフェロシアン化物、カドミウムイエロー、カドミウムレッドなどの硫化物、鉄黒、紅殻などの酸化物、群青などのケイ酸塩、酸化チタンなどが挙げられる。また、有機系の顔料としては、例えば、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アゾレーキ、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などのアゾ顔料、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、チオインジゴ系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系などの多環式顔料などが挙げられる。
【0023】
前記改質PS樹脂粒子のもう一つの樹脂材料である、ポリスチレン系樹脂としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレンなどのスチレン系単量体を重合させて得られる樹脂が挙げられる。さらに、前記ポリスチレン系樹脂は、前記スチレン系単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。他の単量体としては、例えば、ジビニルベンゼンのような多官能性単量体や、(メタ)アクリル酸ブチルのような構造中にベンゼン環を含まない(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが例示される。
これら他の単量体は、実質的にポリスチレン系樹脂の質量に対して5質量%を超えない範囲で使用することが好ましい。なお、本明細書では、スチレン及びスチレンと共重合可能な単量体も含めてスチレン系単量体と称する。
【0024】
ポリスチレン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して130〜200質量部となることが好ましい。このポリスチレン系樹脂の配合量が200質量部以下であることで、前記発泡成形体の耐熱性を良好なものとすることができる。一方、配合量が130質量部以上であることで、前記発泡成形体の剛性を良好なものとすることができる。
【0025】
前記改質PS樹脂粒子は、次の(A)〜(D)の各工程を備えた、改質PS樹脂粒子の製造方法により、効率よく、また歩留まりよく製造することができる。
(A)反応槽内において、分散剤を含む水性媒体(水性懸濁液)中に、PP樹脂粒子100質量部と、スチレン系単量体130質量部以上200質量部以下と、重合開始剤とを分散させる工程、
(B)得られた分散液を前記スチレン系単量体が実質的に重合しない温度に加熱して前記スチレン系単量体を前記PP樹脂粒子に含浸させる工程、
(C)前記PP樹脂粒子の融点をT℃としたとき、(T−10)℃〜(T+20)℃の温度で、前記スチレン系単量体の第1の重合を行う工程、
(D)前記第1の重合工程に続いて、スチレン系単量体と、重合開始剤とを加え、かつ、前記PP樹脂粒子の融点をT℃としたとき、(T−25)℃〜(T+10)℃の温度とすることにより、前記PP樹脂粒子への前記スチレン系単量体の含浸および第2の重合を行う工程。
【0026】
なお、この(A)〜(D)の各工程は、スチレン系単量体を原料としてビーズ状のポリスチレン系樹脂粒子を製造するポリスチレン系樹脂の懸濁重合法、またはシード重合法などの周知の重合方法を実施する際に用いられるオートクレーブ重合装置などを用いて実施できるが、使用する製造装置はこれに限定されない。
【0027】
前記(A)工程において、PP樹脂粒子は、例えば、前記のポリプロピレン系樹脂を押出機で溶融し、ストランドカット、水中カット、ホットカットなどにより造粒ペレット化したり、また粉砕機にて直接樹脂粒子を粉砕しペレット化したりすることにより得られる。また、その形状は、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状などが挙げられる。このPP樹脂粒子の好ましい樹脂粒径は、0.5mm〜1.5mmの範囲であり、より好ましくは、0.6mm〜1.0mmの範囲である。
【0028】
また、前記(A)工程において、ポリプロピレン系樹脂としては、融点が120℃〜145℃であるものが好適である。また、(A)工程で用いられる分散剤としては、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの有機系分散剤や、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウムなどの無機系分散剤が挙げられる。この内、無機系分散剤を用いることが好ましい。無機系分散剤を用いる場合、界面活性剤を併用することがより好ましい。界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、α−オレフィンスルホン酸ソーダなどが挙げられる。
【0029】
また、(A)工程で用いられる重合開始剤としては、スチレン系単量体の重合に汎用されている従来周知の重合開始剤を使用できる。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−アミルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−アミルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシビバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物が挙げられる。なお、重合開始剤は、単独で用いられても併用されてもよい。
【0030】
また、(A)工程において架橋剤を添加する場合、その添加方法としては、例えば、架橋剤をポリプロピレン系樹脂に直接添加する方法、溶剤、可塑剤またはスチレン系単量体に架橋剤を溶解させた上で添加する方法、架橋剤を水に分散させた上で添加する方法などが挙げられる。この内、スチレン系単量体に架橋剤を溶解させた上で添加する方法が好ましい。
【0031】
スチレン系単量体は、PP樹脂粒子に含浸させるために、水性媒体に、連続的に、或いは断続的に添加される。スチレン系単量体は、水性媒体中に徐々に添加していくのが好ましい。水性媒体としては、水、水と水溶性媒体(例えば、アルコール)との混合媒体が挙げられる。
【0032】
前記(B)工程において、(A)工程で得られた分散液を、スチレン系単量体が実質的に重合しない温度に加熱し、スチレン系単量体をPP樹脂粒子に含浸させる。含浸させる際の温度は、45℃〜70℃の範囲とすることが好ましく、50℃〜65℃の範囲とすることがより好ましい。含浸温度を上記の範囲とすることで、スチレン系単量体の含浸が十分に行なわれ、ポリスチレンの重合粉末が生成を抑制することができる。また、スチレン系単量体がPP樹脂粒子に十分含浸される前に重合が開始されるのを抑制することができる。
【0033】
前記(C)工程、および(D)工程において、重合温度は重要な要因であり、ポリプロ
ピレン系樹脂の融点をT℃としたとき、(C)工程(第1の重合)では、(T−10)℃
〜(T+20)℃の温度範囲とし、(D)工程(第2の重合)では、(T−25)℃〜(
T+10)℃の温度範囲とすることがよい。
【0034】
前記温度範囲で重合を行うことにより、改質PS樹脂粒子の中心部においてポリスチレン系樹脂の存在量が多く(つまり、表層にポリプロピレン系樹脂の存在量が多く)なり、その結果として、ポリプロピレン系樹脂とポリスチレン系樹脂のそれぞれの長所が生かされ、剛性、発泡成形性、耐薬品性および耐熱性に優れた改質PS樹脂粒子を得ることができる。
【0035】
重合温度を前記温度範囲とすることで、中心部にポリスチレン系樹脂の存在量を多くすることができると共に、スチレン系単量体がPP樹脂粒子に十分含浸される前に重合が開始してしまうのを防止することができ、良好な物性を示す改質PS樹脂粒子や発泡成形体が得られない。また、耐熱性に優れた高価格の重合設備を用いることなく、改質PS樹脂粒子を得ることができる。
【0036】
また、PP樹脂粒子に含浸させたスチレン系単量体の重合させる工程を、(C)工程(第1の重合)と、(D)工程(第2の重合)との二段階に分けることにより、一度に多くのスチレン系単量体をポリプロピレン系樹脂に含浸させようとした場合よりもPP樹脂粒子の中心部にまで十分にスチレン系単量体を含浸させることができ、ポリプロピレン系樹脂の表面にスチレン系単量体が残るのを防止することができる。即ち、本発明に係る改質PS樹脂粒子の製造方法のように、(C)工程と、(D)工程との二段階に分けることにより、(C)工程においてスチレン系単量体が確実にポリプロピレン系樹脂の中心部に含浸され、更に(D)工程においてもスチレン系単量体がポリプロピレン系樹脂の中心部に向かって含浸される。
【0037】
前記(D)工程の重合を行った後、反応槽を冷却し、形成された改質PS樹脂粒子を水性媒体と分離することで、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して、ポリスチレン系樹脂を130質量部以上200質量部以下含有する改質ポリスチレン系樹脂粒子が得られる。
【0038】
前記改質PS樹脂粒子の製造方法は、分散剤を含む水性懸濁液中に、PP樹脂粒子と、スチレン系単量体と重合開始剤とを分散させ、スチレン系単量体をPP樹脂粒子に含浸させた後、PP樹脂粒子の融点をT℃としたとき、(T−10)℃〜(T+20)℃の温度で第1段階の重合行い、次に(T−25)℃〜(T+10)℃の温度で第2段階の重合を行うことによって、改質PS樹脂粒子を製造することができる。
【0039】
得られた改質PS樹脂粒子は、発泡剤を含浸させて発泡性樹脂粒子とし、該発泡性樹脂粒子を予備発泡させて予備発泡樹脂粒子とした後、成形金型に充填されて発泡成形されることで、ポリプロピレン系樹脂とポリスチレン系樹脂のそれぞれの長所が生かされ、剛性、発泡成形性、耐薬品性及び耐熱性に優れた発泡成形体を提供することができる。
【0040】
また、前述した改質PS樹脂粒子は、発泡剤、好ましくは易揮発性発泡剤を含浸させて発泡性改質PS樹脂粒子とすることができる。易揮発性発泡剤としては、沸点が改質PS樹脂粒子の軟化温度以下であり、易揮発性を有するものが好ましい。例えば、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、シクロペンタン、炭酸ガス、窒素などが挙げられ、これらの発泡剤は、単独もしくは2種以上を併用して用いることができる。易揮発性発泡剤の使用量は、改質PS樹脂粒子100質量部に対して5〜25質量部の範囲とすることが好ましい。
【0041】
さらに、発泡助剤を発泡剤と共に用いてもよい。このような発泡助剤としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、D−リモネンなどの溶剤、ジイソブチルアジペート、ジアセチル化モノラウレート、やし油などの可塑剤(高沸点溶剤)が挙げられる。なお、発泡助剤の添加量としては、改質PS樹脂粒子100質量部に対して0.1〜2.5質量部とすることが好ましい。
【0042】
また、発泡性改質PS樹脂粒子は、結合防止剤、融着促進剤、帯電防止剤、展着剤などの表面処理剤が含有するものであってもよい。結合防止剤は、発泡性改質PS樹脂粒子を予備発泡させる際の予備発泡樹脂粒子同士の合着を防止する役割を果たすものであり、例えば、タルク、炭酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、水酸化アルミニウム、エチレンビスステアリン酸アミド、第三リン酸カルシウム、ジメチルポリシロキサンなどが挙げられる。なお、合着とは、予備発泡樹脂粒子の複数個が合一して一体化することをいう。
【0043】
融着促進剤は、予備発泡樹脂粒子を二次発泡成形する際の予備発泡樹脂粒子同士の融着を促進させる役割を果たすものであり、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸トリグリセリド、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸ソルビタンエステルなどが挙げられる。
【0044】
帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ステアリン酸モノグリセリド等が挙げられる。展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコール、シリコンオイルなどが挙げられる。なお、前記表面処理剤の総添加量は、改質PS樹脂粒子100質量部に対して0.01〜2.0質量部とすることが好ましい。
【0045】
改質PS樹脂粒子中に発泡剤を含浸させる方法は、発泡剤の種類に応じて適宜変更可能である。例えば、改質PS樹脂粒子が分散している水性媒体中に発泡剤を圧入して、該樹脂中に発泡剤を含浸させる方法、改質PS樹脂粒子を回転混合機に供給し、この回転混合機内に発泡剤を圧入して改質PS樹脂粒子に発泡剤を含浸させる方法などが挙げられる。なお、改質PS樹脂粒子に発泡剤を含浸させる温度は、通常、50℃〜140℃とすることが好ましい。
【0046】
得られた発泡性の改質PS樹脂粒子は、直ちに予備発泡機(笠原工業製 品名:PSX−40)に供給され、所定圧力(約0.15MPa)の水蒸気を用いて予備発泡されて予備発泡樹脂粒子が作製される。そして、該予備発泡樹脂粒子は、前記成形金型内に形成された成形空間に供給され、発泡成形される。
【0047】
前記成形金型としては、特に限定されるものではないが、雄型及び雌型から構成されるものを用いることができる。かかる成形金型は、雄型と雌型とが組み合わされることで前記成形空間が形成されるように構成されている。また、成形金型は、成形空間内に高温の水蒸気を噴霧可能に構成されている。具体的には、成形金型は、雄型及び雌型の内部に高温の水蒸気を導入可能に構成され、成形空間を形成する雄型及び雌型の面から高温の水蒸気を噴霧可能に構成されている。
【0048】
これにより、成形空間に充填された前記改質PS樹脂粒子に高温の水蒸気が噴霧され、改質PS樹脂粒子を水蒸気によって発泡成形することが可能となっている。この際、成形空間に充填された複数の改質PS樹脂粒子は、高温の水蒸気と接触することで膨張すると共に、隣接する改質PS樹脂粒子同士の表面が熱融着し、成形空間の形状に対応した形状の発泡成形体が形成される。
【0049】
該発泡成形体は、密度ρが0.022〜0.040g/cm3となるように形成されている。かかる発泡成形体は、20℃における曲げ最大点応力σ(単位:MPa)と密度ρとの関係が下記(1)式の関係を満たすように形成されている。
【数3】

【0050】
更に、前記発泡成形体は、前記密度ρの範囲において、80℃における曲げ最大点応力σ(単位:MPa)と密度ρとの関係が下記(2)式の関係を満たすように形成されている。
【数4】

【0051】
以上のように、本願実施形態に係る発泡成形体は、ポリスチレン系樹脂のみからなる発泡性樹脂粒子を用いて発泡成形された発泡成形体(以下、PS発泡成形体と記す)と同等程度の剛性を低密度であっても備えると共に、ポリプロピレン系樹脂のみからなる発泡性樹脂粒子を用いて発泡成形された発泡成形体(以下、PP発泡成形体と記す)と同等程度の耐薬品性を備える。
【0052】
即ち、前記発泡成形体は、ポリプロピレン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含む改質ポリスチレン系発泡性樹脂粒子を用いて成形されると共に、上記の密度ρの範囲において曲げ最大点応力σと密度ρとの関係が、20℃において上記(1)式を満たし、80℃において上記(2)式を満たすよう成形されるため、上記のような低密度の範囲で成形された際にもPS発泡成形体と同等程度の剛性を備えるものとなる。
【0053】
また、発泡成形体がポリプロピレン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含む改質ポリスチレン系発泡性樹脂粒子を用いて成形されているため、PP発泡成形体と同等程度の耐薬品性を備えるものとなる。
【0054】
このため、前記発泡成形体は、軽量であると共に優れた剛性と耐薬品性とを必要とする車両用ラゲージボックスAの素材として用いることができる。
【実施例】
【0055】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0056】
1.測定方法
<融点>
JIS K7122:1987「プラスチックの転移熱測定方法」記載の方法により融点を測定した。具体的には、示差走査熱量計装置DSC220型(セイコー電子工業社製)を用い、測定容器に試料を7mg充填して、窒素ガス流量30ml/minのもと、室温から220℃の間で昇温、降温、昇温の順位に昇降温を繰り返し、2回目の昇温時のDSC曲線の融解ピーク温度を融点とした。昇温及び降温速度としては、10℃/minとした。また、融解ピークが2つ以上ある場合、低い側のピーク温度を融点とした。
【0057】
<嵩密度>
予備発泡樹脂粒子の嵩密度は下記の要領で測定した。
まず、予備発泡樹脂粒子を500cm3、メスシリンダ内に500cm3の目盛りまで充填した。なお、メスシリンダの500cm3の目盛りを水平方向から目視し、予備発泡樹脂粒子が一粒でも500cm3の目盛りに達しているものがあれば、その時点で予備発泡樹脂粒子のメスシリンダ内への充填を終了した。
次に、メスシリンダ内に充填した予備発泡樹脂粒子の質量を小数点以下2位の有効数字で秤量し、その質量をW(g)とした。
そして、下記の式により予備発泡樹脂粒子の嵩密度を算出した。
嵩密度(g/cm3)=W/500
【0058】
<嵩発泡倍数>
予備発泡樹脂粒子の嵩発泡倍数は、次式により算出した。
嵩発泡倍数(倍)=1/密度(g/cm3
【0059】
<密度ρ>
発泡成形体の密度は下記の要領で測定した。
JIS K7122:1999「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」記載の方法で測定した。
50cm3以上(半硬質および軟質材料の場合は100cm3以上)の試験片を材料のセル構造を変えない様に切断し、その質量を測定し、次式により算出した。
密度(g/cm3)=試験片質量(g)/試験片体積(cm3
なお、試験片状態の調節及び測定用試験片は、成形後72時間以上経過した発泡成形体から切り取り、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の雰囲気条件、または、温度27℃±2℃、湿度65%±5%の雰囲気条件で16時間以上放置したものを用いた。測定結果については、下記表1に示す。
【0060】
<発泡倍数>
発泡成形体の発泡倍数は、次式により算出した。
発泡倍数(倍)=1/密度(g/cm3
【0061】
<耐薬品性>
発泡成形体から縦100mm×横100mm×厚み20mmの平面長方形状の板状試験片を切り出し、23℃、湿度50%の条件下で24時間放置した。なお、試験片の上面全面が発泡成形体の表面から形成されるように試験片を発泡成形体から切り出した。
次に、薬品としてガソリン1gを試験片の上面に均一に塗布し、23℃、湿度50%の条件で60分放置した。その後、試験片の上面から薬品を拭き取り、試験片の上面を目視にて観察して評価した。評価方法としては、試験片の上面に変化がないものを「○」、上面が軟化したものを「△」、上面が陥没(収縮)したものを「×」とし、評価結果を下記表1に示す。
【0062】
<曲げ最大点応力>
JIS K7221−2:1999「硬質発泡プラスチック−曲げ試験−第2部:曲げ特性の測定」記載の方法に準じて曲げ最大点応力の測定を行った。具体的には、テンシロン万能試験機UCT―10T(オリエンテック社製)を用いて、試験体サイズは75×300×25mmとし、圧縮速度を10mm/分、先端冶具は加圧くさび10R、支持台10Rで、支点間距離は200mmとして測定した。測定時の温度としては、20℃及び80℃で測定を行った。測定結果については、下記表1に示す。
【0063】
<燃焼速度>
燃焼速度は、米国自動車安全基準FMVSS 302に準拠した方法で測定した。
試験片は、嵩発泡倍数30倍、350mm×100mm×12mmとし、少なくとも350mm×100mmの二面には表皮が存在するものとした。
燃焼速度の評価方法は、燃焼速度が80mm/min以下であるものを「○」、80mm/minを超えるものを「×」とし、測定結果を下記表1に示す。
【0064】
2.実施例及び比較例
(1)実施例1
ポリプロピレン系樹脂(プライムポリマー社製、商品名「F−744NP」、融点:140℃)1920gと、ファーネスブラック(三菱化学社製、商品名「#900」)80gを混合し、この混合物を押出機に供給して溶融混練してストランドカットにより造粒してペレット化することにより、ポリプロピレン系樹脂の質量に対してファーネスブラックを4質量%含有させた球状(卵状)のカーボン含有ポリプロピレン系樹脂粒子(以下、カーボン含有PP樹脂粒子と記す)を得た。なお、カーボン含有PP樹脂粒子の100粒あたりの重量は、80mmgとなるように調整し、平均粒子径は、約1mmとなるように調整した。
【0065】
次に、攪拌機付5Lオートクレーブに、前記カーボン含有PP樹脂粒子800gを入れ、水性媒体として純水2kg、ピロリン酸マグネシウム20g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.5gを加え、攪拌して水性媒体中に懸濁させ、10分間保持し、その後60℃に昇温して水性懸濁液とした。
【0066】
次に、該水性懸濁液中にジクミルパーオキサイド0.7gを溶解させたスチレン単量体340gを30分で滴下した。滴下後30分保持し、カーボン含有PP樹脂粒子にスチレン単量体を含浸させた。
【0067】
次に、反応系の温度をカーボン含有PP樹脂粒子の融点と同じ140℃に昇温して2時間保持し、スチレン単量体をカーボン含有PP樹脂粒子中で重合(第1の重合)させた。
【0068】
次に、第1の重合を行なった後の反応液をカーボン含有PP樹脂粒子の融点より20℃低い120℃にし、該反応液中に、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.5gを加えた後、重合開始剤としてジクミルパーオキサイド3.6gを溶解したスチレン単量体860gを4時間かけて滴下し、カーボン含有PP樹脂粒子に含浸させながら重合(第2の重合)を行った。
【0069】
この滴下終了後、120℃で1時間保持した後、140℃に昇温して3時間保持し、重合を完結してカーボン含有改質ポリスチレン系樹脂粒子(以下、カーボン含有改質PS樹脂粒子と記す)を得た。
【0070】
その後、反応系の温度を60℃にし、難燃剤としてトリ(2,3−ジブロモプロピル)イソシアネート(日本化成社製)60gと、難燃助剤として2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン(化薬アクゾ社製)30gを投入した。そして、反応系の温度を130℃に昇温し、2時間攪拌を続け、難燃剤及び難燃助剤を含有するカーボン含有改質PS樹脂粒子を得た。
【0071】
次に、反応系の温度を常温まで冷却し、難燃剤及び難燃助剤を含有するカーボン含有改質PS樹脂粒子を5Lオートクレーブから取り出した。そして、かかるカーボン含有改質PS樹脂粒子2kgと水2Lとを攪拌機付5Lオートクレーブに投入し、発泡剤としてブタン300gを注入した。注入後、70℃に昇温して4時間攪拌を続けた。その後、常温まで冷却して5Lオートクレーブから取り出し、脱水乾燥を行なって発泡性カーボン含有改質PS樹脂粒子を得た。
【0072】
次に、得られた発泡性カーボン含有改質PS樹脂粒子を笠原工業株式会社製PSX40予備発泡機に1000g投入し、PSX40予備発泡機缶内に0.15MPaの圧力の水蒸気を用いて嵩密度0.033g/cm3に予備発泡させ、カーボン含有改質PS樹脂粒子の予備発泡樹脂粒子を得た。
【0073】
また、得られた予備発泡樹脂粒子を7日間室温で放置した後、400mm×300mm×30mmの大きさのキャビティ(成形空間)を有する成形金型の該キャビティ内に充填した。そして、キャビティ内に0.20MPaの水蒸気を50秒間導入して加熱し、その後、発泡成形体の面圧が0.001MPaに低下するまで冷却し、密度0.033g/cm3の発泡成形体を得た。この成形条件により外観、融着とも良好な発泡成形体を得た。そして、得られたカーボン含有改質PS樹脂発泡成形体を用いて、上記曲げ試験、燃焼試験、耐薬品性の測定を行った。
【0074】
(2)実施例2
密度ρが0.0286g/cm3となるように発泡成形体を成形したこと以外は、実施例1と同様の試験を行なった。試験結果については、下記表1に示す。
【0075】
(3)実施例3
密度ρが0.0222g/cm3となるように発泡成形体を成形したこと以外は、実施例1と同様の試験を行なった。試験結果については、下記表1に示す。
【0076】
(4)比較例1
密度ρが0.020g/cm3となるように発泡成形体を成形したこと以外は、実施例1と同様の試験を行なった。試験結果については、下記表2に示す。
【0077】
(5)比較例2
密度ρが0.050g/cm3となるように発泡成形体を成形したこと以外は、実施例1と同様の試験を行なった。試験結果については、下記表2に示す。
【0078】
(5)比較例3
ポリプロピレン系樹脂のみからなる発泡性樹脂粒子を用いて、密度ρが0.033g/cm3となるように発泡成形体を成形したこと以外は、実施例1と同様の試験を行なった。試験結果については、下記表2に示す。
【0079】
(5)比較例4
ポリスチレン系樹脂のみからなる発泡性樹脂粒子を用いて、密度ρが0.033g/cm3となるように発泡成形体を成形したこと以外は、実施例1と同様の試験を行なった。試験結果については、下記表2に示す。
【0080】
【表1】

【表2】

【0081】
<まとめ>
実施例1〜3と比較例1とを比較すると、比較例1は、実施例1〜3よりも密度ρが低いため軽量な発泡成形体であるが、20℃及び80℃における曲げ最大応力σが実施例1〜3よりも低くなっており、実施例1〜3よりも剛性の劣る発泡成形体であると認められる。また、燃焼速度試験の結果をみると密度ρが低いため、実施例1〜3よりも燃焼速度が速くなることが認められる。
一方、実施例1〜3と比較例2とを比較すると、比較例2は、実施例1〜3よりも密度ρが高いため曲げ最大応力σが実施例1〜3よりも高くなっており、また、燃焼速度に関しても実施例1〜3と同等の結果となっている。しかしながら、比較例2は、密度ρが高いため実施例1〜3よりも重量が重くなることが認められる。
また、実施例1〜3と比較例3とを比較すると、比較例3の方が20℃及び80℃における曲げ最大応力σ及びσ/ρの値が低い値となっている。即ち、ポリプロピレン系樹脂のみからなる発泡性樹脂粒子を用いた発泡成形体よりも、本願の改質PS樹脂粒子を用いた発泡成形体の方が、同一の密度において高い剛性を示すものとなることが認められる。
また、実施例1〜3と比較例4とを比較すると、比較例4の方が20℃及び80℃における曲げ最大応力σ及びσ/ρの値が大きい値となっているが、耐薬品性の試験において良好な結果が得られなかった。即ち、ポリスチレン系樹脂のみからなる発泡性樹脂粒子を用いた発泡成形体よりも、本願の改質PS樹脂粒子を用いた発泡成形体の方が、耐薬品性に優れたものとなることが認められる。
以上のように、密度ρが本願発明の範囲内であると共に、密度ρと曲げ最大点応力σとの関係が本願発明の範囲内であることで、20℃及び80℃の雰囲気下においても、軽量(低密度)で且つ優れた剛性を示し、更に、優れた耐薬品性を示す発泡成形体となることが認められる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリプロピレン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含む改質ポリスチレン系発泡性樹脂粒子を用いて発泡成形された発泡成形体であって、密度ρが0.022〜0.040g/cm3となるように成形された際の密度ρと80℃における曲げ最大点応力σ(単位:MPa)との関係が下記(1)式を満たすことを特徴とする発泡成形体。
【数1】

【請求項2】
ポリプロピレン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含む改質ポリスチレン系発泡性樹脂粒子を用いて発泡成形された発泡成形体であって、密度ρが0.022〜0.040g/cm3となるように成形された際の密度ρと20℃における曲げ最大点応力σ(単位:MPa)との関係が下記(2)式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の発泡成形体。
【数2】

【請求項3】
FMVSS 302に準拠した方法で測定される燃焼速度が、80mm/min以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡成形体。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一つに記載の発泡成形体からなることを特徴とする車両用ラゲージボックス。

【図1】
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【公開番号】特開2011−12136(P2011−12136A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156179(P2009−156179)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】