説明

発現システム

本発明は組換えポリヌクレオチドを提供し、このポリヌクレオチドは第1の配列および第2の配列を含み、この第1の配列はTATシグナルおよびSec回避シグナルを含むシグナル配列をコードし、かつ第2の配列は異種タンパク質をコードする。シグナルペプチドの配列はM-X1-K/R-X2-K/R-X3-RR-X4-K/R-Aであり、式中、X1は0個から10個までのアミノ酸の配列であり、X2は0個から3個までのアミノ酸の配列であり、X3は0個から10個までのアミノ酸の配列であり、かつX4は、残基の少なくとも75%から約90%までが疎水性である15個から24個のアミノ酸の配列である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリペプチドの輸送および分泌のための改変された発現系に関する。より詳細には、本発明は、細胞質中で容易にフォールディングするタンパク質の発現に関する。
【背景技術】
【0002】
組換えタンパク質の細菌での産生を可能にする発現系への興味が増大している。特に、とりわけ農業的および工業的な用途のための、培養上清中に組換えタンパク質を高収量で提供する系についての必要性が存在する。最近、高収量の組換えタンパク質の分泌はBrevibacillusを使用して得られてきた。
【0003】
細菌において、タンパク質の発現後、タンパク質の膜貫通トランスロケーションは、標的化シグナルおよび基質の両方の性質に依存していくつかの経路によって処理され得る。一般的に、搬出されるよう運命付けられている大部分のタンパク質は、シグナルペプチドと呼ばれるN末端延長部分を伴って合成される。シグナルペプチドはアミノ酸の短い伸長領域からなり、これは細胞内画分へのタンパク質送達後に取り除かれる。細菌においては、2つの分泌経路が同定されている。最もよく特徴付けられている系は、タンパク質の一般的な分泌のためのSec系である。この輸送系においては、タンパク質は膜を通り抜け、そして輸送後に正しいフォールディングが起こる。
【0004】
Berks(1996)によって最近同定された第2の系はTAT系(ツインアルギニン輸送ペプチド依存性タンパク質トロンスロカーゼについての系)である。この系は、シグナルペプチドが一般的に特有の(S/T)RRXFLKモチーフを含むのでこのように呼ばれている。この系によって輸送されるタンパク質はトランスロケーションの前にフォールディングされる。それゆえに、この型のタンパク質は、Sec分泌シグナルを伴って膜を通してそれらを輸送する試みがなされると、細胞にとって毒性であり、これらの系における酵素の産生および回収を顕著に制限する。
【0005】
一般的に、細胞質タンパク質は、異種宿主の細胞質中で容易にフォールディングする。それゆえに、このグループのタンパク質は、Sec系によって容易には分泌されないかもしれないことが予測される。β-ガラクトシダーゼはこの古典的な例である。E.coli由来のこの特定の酵素は120kDaのサブユニットを有する大きなタンパク質であり、Sec型分泌ペプチドに結合された場合には原形質膜を通過しないことが知られている(ManoilおよびBeckwith、1985;Bassfordら、1979)。細胞質中で容易にフォールディングするタンパク質の回収を容易にするために、代替となる系が必要である。
【0006】
高収量が必要とされる組換えタンパク質の1つの例は、有機汚染物質を分解するために使用され得る酵素である。
【0007】
微生物は多くの有機化合物の分解に関与し、生物分解および有機物質のリサイクルのための主要な作用因子である。微生物による有機化合物の分解は、主として微生物によって産生される種々の酵素の作用による。有機汚染物質の分解におけるこれらの酵素の役割が研究されており、環境汚染物質および毒性化合物(例えば、有機リン系農薬)のバイオレメディエーションおよび浄化を補助するのに有用であり得る微生物に由来するいくつかの酵素が同定されてきた。
【0008】
有機リン系殺虫剤の残留物は環境および様々な商品の望ましくない汚染物である。特に注意を要する分野には、土壌の汚染や、リサイクルされ、下流の灌漑耕作者によって使用されるかまたは単に農地外に流される灌漑用水、ならびに、肉および園芸作物の輸出において許容可能なレベルを超える残留物が含まれる。有機リン系中毒は、これらの化学物質にさらされる農業労働者、ならびに化学兵器戦争において使用される有機リン系物質にさらされる軍人にとっての問題を提起する。さらに、有機リン系神経系作用物質の蓄積により、これらの蓄積を解毒することの必要が生じてきた。それゆえに、バイオレメディエーションのストラテジーが、これらの有機リン系の残留物および/または蓄積を除去または減少させるために必要である。
【0009】
1つの提案されるストラテジーは、有機リン系残留物を固定化または分解することができる酵素の使用を含む。このような酵素は、例えば、汚染された水がそれを通って通過し得るバイオリアクター中で、または、残留のレベルおよび保留時間を減少させるために、果物、野菜、もしくは動物の製品のポストハーベスト害虫駆除後の洗浄溶液中で利用され得る。有機リン系残留物を分解するために適切な酵素には、細菌(Mulbry、1992;MulbryおよびKearney、1991;Chengら、1999;米国特許第5,484,728号;米国特許第5,589,386号;Horneら、2002;PCT/AU02/00594号)、植物(Wangら、1993;1998;Ganら、1991;Broomfieldら、1999)、およびOP耐性昆虫(PCT/AU95/00016号およびPCT/AU96/00746号)由来のOPヒドロラーゼが含まれる。
【0010】
最も徹底的に研究されているOP分解酵素は細菌の有機リン酸エステルデヒドロラーゼ(OPD)であり、これは、Flavobacterium sp.ATCC 27551およびBrevundimonas diminuta MGの両方において異なるプラスミド上の同じ遺伝子によってコードされている(Harperら、1988;MulbryおよびKarns、1989)。OPDは、広範なリン酸トリエステル(オキソンおよびチオンの両方のOP)をめざましい反応速度論で加水分解することができるホモダイマー性タンパク質である(Dumasら、1989a、b)。その反応メカニズムは、直接的または間接的に金属イオン、好ましくはZn++を含む。OPDはリン酸モノエステルまたはジエステルについては検出可能な活性を有しない(Dumasら、1989a、b;1990)。
【0011】
OPDホモログ(ホスホトリエステラーゼ相同タンパク質、またはPHP)はEscherichia coli(ePHP)、Mycobacterium tuberculosis(mtPHP)、およびMycoplasma pneumoniae(mpPHP)のゲノムにおいて同定されてきたが、ホスホトリエステラーゼ活性について試験されているのはePHPのみである(ScanlanおよびReid、1995;Buchbinderら、1998)。OPDホモログもまた、植物において同定されたが(Daviesら、1997)、これらの生物におけるそれらの機能は知られていない。
【0012】
OPD/OpdAは、環境の有機リン汚染物質のバイオレメディエーションおよび浄化を補助し得る重要な酵素として同定された。細菌などの微生物はOPD/OpdAのための重要な製造ツールを提供するはずであり、種々の系がこの酵素の産生および産出を増大させるために利用されてきた。しかし発現系は、増大する要求を満たすために十分な量のこの酵素を供給するために利用可能ではなかった。
【0013】
国際公開WO 02/22667は、PhoDまたはLipAからのシグナル配列を使用してポリペプチドを産生する方法を特許請求している。しかし、この文献は、LipAシグナル配列を使用するポリペプチドの産生の実施例を提供していない。
【非特許文献1】Berks(1996)
【非特許文献2】ManoilおよびBeckwith、1985
【非特許文献3】Bassfordら、1979
【非特許文献4】Mulbry、1992
【非特許文献5】MulbryおよびKearney、1991
【非特許文献6】Chengら、1999
【特許文献1】米国特許第5,484,728号
【特許文献2】米国特許第5,589,386号
【非特許文献7】Horneら、2002
【特許文献3】PCT/AU02/00594号
【非特許文献8】Wangら、1993
【非特許文献9】Wangら、1998
【非特許文献10】Ganら、1991
【非特許文献11】Broomfieldら、1999
【特許文献4】PCT/AU95/00016号
【特許文献5】PCT/AU96/00746号
【非特許文献12】Harperら、1988
【非特許文献13】MulbryおよびKarns、1989
【非特許文献14】Dumasら、1989a
【非特許文献15】Dumasら、1989b
【非特許文献16】Dumasら、1990
【非特許文献17】ScanlanおよびReid、1995
【非特許文献18】Buchbinderら、1998
【非特許文献19】Daviesら、1997
【特許文献6】国際公開WO 02/22667
【特許文献7】米国特許第4,946,789号
【非特許文献20】Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版(1989)Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.
【非特許文献21】Ausubelら、Short Protocols in Molecular Biology(1999)第4版、John Wiley & Sons,Inc.
【非特許文献22】Current Protocols in Molecular Biology
【非特許文献23】Raibaudら、Ann.Rev.Genet.、18:173、1984
【特許文献8】米国特許第4,551,433号
【非特許文献24】Amannら、Gene 25:167、1983
【非特許文献25】de Boerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、80:21、1983
【非特許文献26】Tjalsmaら(2000)
【非特許文献27】ManoilおよびBeckwith、1985;Bassfordら、1979
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明者らは、Sec回避シグナルを含む修飾されたシグナルペプチドを含む新規な発現系を開発した。このSec回避シグナルはポリペプチドの産生のために非常に重要であることが見い出された。この発現系は、OpdAおよび他の細胞質タンパク質の産生をBrevibacillusから高収量で可能にした。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の態様において、本発明は組換えポリヌクレオチドを提供し、上記ポリヌクレオチドは第1の配列および第2の配列を含み、上記第1の配列はTATシグナルおよびSec回避シグナルを含むシグナルペプチドをコードし、かつ上記第2の配列は異種タンパク質をコードし、上記シグナルペプチドの配列は、
M-X1-K/R-X2-K/R-X3-RR-X4-K/R-A
であり、
式中、X1は0〜10アミノ酸の配列であり;
X2は0〜3アミノ酸の配列であり;
X3は0〜10アミノ酸の配列であり;かつ
X4は、残基の少なくとも75%から約90%までが疎水性である15〜24アミノ酸の配列である。
【0016】
第2の態様において、本発明はシグナルペプチドを提供し、上記シグナルペプチドは配列
M-X1-K/R-X2-K/R-X3-RR-X4-K/R-A
を有し、
式中、X1は0〜10アミノ酸の配列であり;
X2は0〜3アミノ酸の配列であり;
X3は0〜10アミノ酸の配列であり;かつ
X4は、残基の少なくとも75%から約90%までが疎水性である15〜24アミノ酸の配列である。
【0017】
第3の態様において、本発明は、TATトランスロケーション系を含む宿主細胞系から異種ポリペプチドを生産する方法を提供し、上記方法は以下の工程を含む:
(i)異種ポリペプチドおよびシグナルペプチドをコードするDNA配列を用いて宿主細胞を形質転換する工程であって、上記シグナルペプチドはTATシグナルおよびSec回避シグナルを含み、上記シグナルペプチドの配列は
M-X1-K/R-X2-K/R-X3-RR-X4-K/R-A
であり、
式中、X1は0〜10アミノ酸の配列であり;
X2は0〜3アミノ酸の配列であり;
X3は0〜10アミノ酸の配列であり;かつ
X4は、残基の少なくとも75%から約90%までが疎水性である15〜24アミノ酸の配列である工程
(ii)異種ポリペプチドの発現を可能にする条件下で宿主細胞を培養する工程;ならびに
(iii)TATトランスロケーション系を介して宿主細胞から分泌される異種ポリペプチドを回収する工程。
【0018】
好ましくは、宿主細胞はバチルス種(Bacillus sp.)であり、特に、発現されるタンパク質の分解が最小化されるように、エキソプロテアーゼをほとんど産生しないか、またはエキソプロテアーゼを産生しない株である。より好ましくは、宿主細胞は、Bacillus choshinensis、Bacillus brevis、Bacillus subtilis、Bacillus licheniformis、またはBacillus megatoriumである。最も好ましくは、宿主細胞はBrevibacillus sp、特にBacillus choshinensisである。宿主細胞は米国特許第4,946,789号に記載されるようなものであることがさらに好ましい。
【0019】
さらに好ましい実施形態において、異種ポリペプチドは、細胞質中で容易にフォールディングするポリペプチドである。特定の実施形態において、そのポリペプチドはOpdAである。
【0020】
第4の態様において、本発明は、第1の態様の方法に従って生産された、実質的に精製されたポリペプチドを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
上記に論じたように、本発明は、Sec回避シグナルを含む修飾したシグナルペプチドを含む新規な発現系を創出した。このSec回避シグナルはポリペプチドの産生のために非常に重要であることが見出された。この発現系は、OpdAおよび他の細胞質タンパク質の生産をBrevibacillusから高収量で可能にした。
【0022】
したがって、第1の態様において、本発明は組換えポリヌクレオチドを提供し、上記ポリヌクレオチドは第1の配列および第2の配列を含み、上記第1の配列はTATシグナル配列およびSec回避シグナルを含むシグナルペプチドをコードし、かつ上記第2の配列は異種タンパク質をコードし、上記シグナルペプチドの配列は、
M-X1-K/R-X2-K/R-X3-RR-X4-K/R-A
であり、
式中、X1は0〜10アミノ酸の配列であり;
X2は0〜3アミノ酸の配列であり;
X3は0〜10アミノ酸の配列であり;かつ
X4は、残基の少なくとも75%から約90%までが疎水性である15〜24アミノ酸の配列である。
【0023】
第2の態様において、本発明はシグナルペプチドを提供し、上記シグナルペプチドは配列
M-X1-K/R-X2-K/R-X3-RR-X4-K/R-A
を有し、
式中、X1は0〜10アミノ酸の配列であり;
X2は0〜3アミノ酸の配列であり;
X3は0〜10アミノ酸の配列であり;かつ
X4は、残基の少なくとも75%から約90%までが疎水性である15〜24アミノ酸の配列である。
【0024】
第3の態様において、本発明は、TATトランスロケーション系を含む宿主細胞から異種ポリペプチドを生産する方法を提供し、上記方法は以下の工程を含む:
(i)異種ポリペプチドおよびシグナルペプチドをコードするDNA配列を用いて宿主細胞を形質転換する工程であって、上記シグナルペプチドはTATシグナルおよびSec回避シグナルを含み、上記シグナルペプチドの配列は
M-X1-K/R-X2-K/R-X3-RR-X4-K/R-A
であり、
式中、X1は0〜10アミノ酸の配列であり;
X2は0〜3アミノ酸の配列であり;
X3は0〜10アミノ酸の配列であり;かつ
X4は、残基の少なくとも75%から約90%までが疎水性である15〜24アミノ酸の配列である工程
(ii)異種ポリペプチドの発現を可能にする条件下で宿主細胞を培養する工程;ならびに
(iii)TATトランスロケーション系を介して宿主細胞から分泌される異種ポリペプチドを回収する工程。
【0025】
好ましくは、宿主細胞はバチルス種(Bacillus sp.)であり、特に、発現されるタンパク質の分解が最小化されるように、エキソプロテアーゼをほとんど産生しないか、またはエキソプロテアーゼを産生しない株である。より好ましくは、宿主細胞は、Bacillus choshinensis、Bacillus brevis、Bacillus subtilis、Bacillus licheniformis、またはBacillus megatoriumである。最も好ましくは、宿主細胞はBrevibacillus sp、特にBacillus choshinensisである。宿主細胞は米国特許第4,946,789号に記載されるようなものであることがさらに好ましい。
【0026】
さらに好ましい実施形態において、異種ポリペプチドは、細胞質中で容易にフォールディングするポリペプチドである。特定の実施形態において、そのポリペプチドはOpdAである。
【0027】
第4の態様において、本発明は、第1の態様の方法に従って生産された、実質的に精製されたポリペプチドを提供する。
【0028】
本発明の好ましい実施形態において、X1は0〜5アミノ酸の配列であり、好ましくは0アミノ酸の配列である。X2は0または1アミノ酸の配列であり、好ましくは0アミノ酸の配列であることが好ましい。X3は0〜5アミノ酸の配列であり、好ましくは0アミノ酸の配列であることが好ましい。
【0029】
X4は少なくとも20アミノ酸の配列であり、そのうち少なくとも18アミノ酸が疎水性アミノ酸であることが好ましい。X4は23アミノ酸であることが好ましい。
【0030】
いかなる疑いも避けるために、本明細書中で使用される場合、用語「疎水性アミノ酸」とは、イソロイシン、ロイシン、アラニン、バリン、グリシン、フェニルアラニン、およびプロリンからなる群より選択されるアミノ酸を意味する。
【0031】
さらなる好ましい実施形態において、シグナルペプチドの配列はMKKRRVVNSVLLLLLLASALALTVAPMAKA(配列番号1)である。
【0032】
TATシグナルを含むシグナル配列の概念は周知であることと考えられているが、明確化のために多数のこのような配列を表1に列挙する。
【0033】
【表1】

【0034】
当業者によって理解されるように、本発明の方法は、リパーゼ、プロテアーゼ、エステラーゼ、および炭水化物代謝に関与する酵素を含むがこれらに限定されない、多数の細胞質タンパク質の発現のために適切である。
【0035】
当該分野において周知であるように、シグナルペプチダーゼは分泌タンパク質からシグナルペプチドを除去する。シグナルペプチダーゼI(SPアーゼI)のようなシグナルペプチダーゼは、連続するアラニン残基間の切断など、特定の部位でシグナルペプチドを切断する。本発明において、シグナルペプチドのC末端残基はアラニンである。したがって、このシグナルペプチドは、成熟タンパク質のN末端のアラニン残基を含むポリペプチドを用いる使用のために適合される。
【0036】
第4の態様において、本発明は、第1の態様の方法に従って生産された、実質的に精製されたポリペプチドを提供する。
【0037】
別の好ましい実施形態において、成熟ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは以下から選択される配列を有する:
(i)配列番号29のヌクレオチド85〜1155に示されるヌクレオチドの配列;
(ii)配列番号29のヌクレオチド85〜1155の配列に高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする配列;および
(iii)配列番号29のヌクレオチド85〜1155の配列に90%より高い同一性を有する配列。
【0038】
好ましくは、第3の態様の方法によって発現される成熟異種ポリペプチドは、配列番号30の残基29〜384において規定される配列、または配列番号30において規定される配列に90%より高い同一性を有するポリペプチドを含む。より好ましくは、このポリペプチドは、配列番号30において規定される配列に対して少なくとも95%同一、なおより好ましくは、配列番号30において規定される配列に対して、少なくとも97%同一、およびさらにより好ましくは、少なくとも99%同一である。
【0039】
本発明はまた、ポリヌクレオチドの複製および/または発現のために適切なベクターを提供する。このベクターは、例えば、複製起点を、ならびに好ましくはポリヌクレオチドの発現のためのプロモーターおよび任意選択でプロモーターのレギュレーターを提供する、プラスミドベクターまたはファージベクターであり得る。このベクターは、1つまたは複数の選択マーカー(例えば、細菌プラスミドの場合にはアンピシリン耐性遺伝子)を含み得る。このベクターは、例えば、宿主細胞をトランスフェクトまたは形質転換するためにin vitroで使用され得る。
【0040】
さらなる態様において、本発明は、第3の態様での形質転換された宿主細胞に関する。
【0041】
好ましい実施形態において、宿主細胞はBrevibacillus sp.であり、好ましくは、Bacillus choshinensisである。好ましくは、宿主細胞は、発現されるタンパク質の分解が最小化されるように、エキソプロテアーゼをほとんど産生しないか、またはエキソプロテアーゼを産生しない。宿主細胞は米国特許第4,946,789号に記載されるようなものであることがさらに好ましい。このような細胞は、商業的に有用な量のコードされたポリペプチドの生産のために使用され得る。
【0042】
なお別の態様において、本発明は、少なくとも1つの他のポリペプチド配列に融合された第1の態様に従うポリペプチドを含む融合タンパク質を提供する。
【0043】
この態様の好ましい実施形態において、少なくとも1つの他のポリペプチドは、第1の態様または第2の態様のポリペプチドの安定性を増強するポリペプチド、および融合タンパク質の精製を補助するポリペプチドからなる群より選択される。
【0044】
別の態様において、本発明は、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを提供する。
【0045】
本発明はまた、有機リン酸エステル類分子を加水分解するための組成物を提供し、この組成物は、本発明の第3の態様の方法によって生産されるポリペプチドおよび1種または複数の許容可能な担体を含む。
【0046】
なおさらなる態様において、本発明は、有機リン酸エステル類分子を加水分解するための組成物を提供し、この組成物は、本発明の宿主細胞および1種または複数の許容可能な担体を含む。
【0047】
好ましい実施形態において、本発明のポリペプチドは試料中の有機リン酸エステル類を加水分解するために使用され得ることが理解されよう。例えば、農作物に有機リン系農薬が噴霧された後に、種子、果物、および野菜からの有機リン系の残留物を、人による消費の前に加水分解することができる。同様に、有機リン系物質で汚染された土壌または水を、本発明の第2の態様のポリペプチドを用いて処理し得る。
【0048】
他に定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的および科学的な用語は、当該分野(例えば、細胞培養、分子遺伝学、核酸化学、ハイブリダイゼーション技術、および生化学)の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。分子的、遺伝的、および生化学的な方法(一般的には、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版(1989)Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.ならびにAusubelら、Short Protocols in Molecular Biology(1999)第4版、John Wiley & Sons,Inc.およびCurrent Protocols in Molecular Biologyという表題のフルバージョンを参照のこと、これらは参照として本明細書に組み入れられる)、ならびに化学的方法のための標準的な技術が使用される。
【0049】
有機リン酸エステル類は、合成有機リン酸エステル、および、ホスホルアミデートなどの関連する化合物である。これらは、一般式(RR'X)P=Oまたは(RR'X)P=Sを有し、ここで、RおよびR'は短鎖基である。殺虫剤である有機リン酸エステル類では、Xは良好な脱離基であり、これはアセチルコリンエステラーゼの不可逆的阻害のための必要条件である。本発明のポリペプチドは有機リン酸エステル類のリン酸エステル結合を加水分解する。
【0050】
農薬としてのそれらの使用について周知であるが、有機リン酸エステル類はまた、哺乳動物に対する神経ガスとしても使用されてきた。したがって、本発明のポリペプチドはまた、農薬でない有機リン酸エステル類の加水分解のために有用であることも理解されよう。
【0051】
「実質的に精製された」によって、本発明者らは、その未処理の状態においてポリペプチドに付随している脂質、核酸、他のポリペプチド、および他の夾雑物質から分離されたポリペプチドを意味する。
【0052】
ポリペプチドの同一性%は、デフォルト設定および少なくとも50アミノ酸長の問い合わせ配列を使用するFASTA(PearsonおよびLipman、1988)分析(GCGプログラム)によって決定され、そのために、FASTA分析は、少なくとも50アミノ酸の領域にわたって2つの配列を整列させる。より好ましくは、FASTA分析は、100アミノ酸の領域にわたって2つの配列を整列させる。
【0053】
OPDA活性とは、本明細書中で使用される場合、有機リン酸エステル類分子を加水分解する酵素の能力をいう。OPDA活性は、例えば、有機リン酸エステル類分子に対する活性について、分泌されたOPDAを含む培養上清をアッセイすることによって決定され得る。有機リン酸エステル類分子は、クーマホス、コルオキソン、パラオキソン、パラチオン、パラチオン-メチル、ホスメット、フェンチオン、ジアジノン、クロルピリホス、およびdMUPからなる群より選択され得る。より好ましくは、有機リン酸エステル類はホスメットまたはフェンチオンである。
【0054】
例えば、上清中のクーマホスに対する活性などのOPDA活性は、細胞画分における活性、または修飾されていないOPDAなどのコントロールを発現する細胞から得られた上清画分と比較され得る。
【0055】
本発明のポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドをコードする核酸配列を含む。本発明のポリヌクレオチドはDNAまたはRNAを含み得る。これらはまた、それらの中に合成または修飾されたヌクレオチドを含むポリヌクレオチドであり得る。オリゴヌクレオチドに対する多数の異なる型の修飾が当該分野で公知である。これらには、メチルホスホネートおよびホスホロチオエートのバックボーン、分子の3'末端および/または5'末端でのアクリジン鎖またはポリリジン鎖の付加が含まれる。本発明の目的のために、本明細書中に記載されるポリヌクレオチドは当該分野において利用可能である任意の方法によって修飾され得ることが理解されるべきである。このような修飾は、本発明のポリヌクレオチドのin vivo活性または寿命を増強するために実行され得る。
【0056】
多数の異なるポリヌクレオチドが、遺伝コードの縮重の結果として同じポリペプチドをコードし得ることは当業者によって理解される。
【0057】
本発明のポリヌクレオチドは、組換え複製ベクターに組み込まれ得る。このベクターは、適合性の宿主細胞中で核酸を複製するために使用され得る。したがって、さらなる実施形態において、本発明は、本発明のポリヌクレオチドを複製可能ベクターに導入すること、適合可能な宿主細胞にベクターを導入すること、およびベクターの複製を実行する条件下で宿主細胞を増殖させることによって本発明のポリヌクレオチドを作製する方法を提供する。このベクターは宿主細胞から回収され得る。適切な宿主細胞には、Brevibacillusのような細菌が含まれる。
【0058】
好ましくは、ベクター中の本発明のポリヌクレオチドは、宿主細胞によるコード配列の発現を提供することができる調節配列に作動可能に連結される。すなわち、このベクターは発現ベクターである。用語「作動可能に連結される」とは近位配置をいい、ここで、記載される構成要素は、これらの意図される様式で機能することをこれらに可能にする関係にある。「作動可能に連結された」調節配列は、コード配列の発現が、コントロール配列に適合可能な条件下で達成されるような方法でコード配列に連結される。
【0059】
このようなベクターは、本発明のポリペプチドの発現を提供するために、上記したような適切な宿主細胞に形質転換またはトランスフェクトされ得る。このプロセスは、上記した発現ベクターによってこのポリペプチドをコードするコード配列を発現させる条件下で、この発現ベクターを用いて形質転換した宿主細胞を培養すること、および任意選択で、この発現されたポリペプチドを回収することを包含し得る。
【0060】
このベクターは、例えば、複製起点、任意選択で上記ポリヌクレオチドの発現のためのプロモーター、および任意選択でプロモーターのレギュレーターを提供するプラスミドベクターであり得る。このベクターは、1つまたは複数の選択マーカー遺伝子、例えば、細菌プラスミドの場合はアンピシリン耐性遺伝子を含み得る。ベクターは、例えば、宿主細胞をトランスフェクトまたは形質転換するためにin vitroで使用され得る。
【0061】
プロモーター/エンハンサーおよび他の発現調節シグナルは、発現ベクターがそのために設計される宿主細胞と適合可能であるように選択され得る。例えば、原核生物プロモーターが使用され得、特にBrevibacillus株(例えば、Bacillus brevisおよびBacillus choshinensis)における使用のために適切であるものである。細菌プロモーターはまた、オペレーターと呼ばれる第2のドメインを有し得、これは、RNA合成が開始する隣接するRNAポリメラーゼ結合部位と重複し得る。オペレーターはネガティブに調節される(誘導可能な)転写を可能にする。なぜなら、遺伝子リプレッサータンパク質がオペレーターに結合し得、それによって特定の遺伝子の転写を阻害するからである。構成的発現は、オペレーターのようなネガティブな調節エレメントの非存在において起こり得る。さらに、ポジティブな調節は、遺伝子アクチベータータンパク質結合配列によって達成され得、これは、存在する場合、通常、RNAポリメラーゼ結合配列に対して近位(5')である。遺伝子アクチベータータンパク質の例は、カタボライト活性化タンパク質(CAP)であり、これは、E.coliにおけるlacオペロンの転写の開始を補助する(Raibaudら、Ann.Rev.Genet.、18:173、1984)。さらに、天然には存在しない合成プロモーターもまた、細菌プロモーターとして機能する。例えば、1つの細菌またはバクテリオファージプロモーターの転写活性化配列は、別の細菌またはバクテリオファージプロモーターのオペロン配列と接続され得、合成ハイブリッドプロモーターを作製する(米国特許第4,551,433号)。例えば、tacプロモーターは、lacリプレッサーによって調節されるtrpプロモーター配列およびlacオペロン配列の両方から構成されるハイブリッドtrp-lacプロモーターである(Amannら、Gene 25:167、1983;de Boerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、80:21、1983)。さらに、細菌プロモーターは、細菌RNAポリメラーゼに結合し、かつ転写を開始する能力を有する細菌起源でない天然に存在するプロモーターを含み得る。細菌起源でない天然に存在するプロモーターはまた、原核生物においていくつかの遺伝子の高レベル
発現を生じるために適合可能なRNAポリメラーゼと連結され得る。
【0062】
ファージプロモーターもまた使用し得る(例えば、λ)。これらのプロモーターは当該分野で容易に利用可能である。
【0063】
本発明のオリゴヌクレオチドおよび/またはポリヌクレオチドは、高ストリンジェンシー下で配列番号29に示される配列に選択的にハイブリダイズし得る。本明細書中で使用される場合、ストリンジェントな条件とは、(1)洗浄のために低イオン強度および高温を利用する条件(例えば、0.015M NaCl/0.0015Mクエン酸ナトリウム/0.1%NaDodSO4、50℃);(2)ハイブリダイゼーションの間にホルムアミドのような変性剤を利用する条件(例えば、50%(容量/容量)の、0.1%ウシ血清アルブミン、0.1%フィコール、0.1%ポリビニルピロリドンを有するホルムアミド、750mM NaCl、75mMクエン酸ナトリウムを有する50mMリン酸ナトリウム緩衝液pH6.5、42℃);または(3)50%ホルムアミド、5×SSC(0.75M NaCl、0.075Mクエン酸ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、5×Denhardt溶液、超音波処理したサケ精子DNA(50g/ml)、0.1% SDS、および10%硫酸デキストランを42℃で、0.2×SSCおよび0.1%SDS中で利用する条件である。
【0064】
本発明のベクターおよびポリヌクレオチドは、ベクター/ポリヌクレオチドを複製する目的のために、および/または本発明のポリヌクレオチドによってコードされる本発明のポリペプチドを発現する目的のために、宿主細胞に導入され得る。適切な宿主細胞にはBrevibacillusなどの原核生物が含まれる。
【0065】
形質転換するための適切な宿主細胞には、本発明のポリヌクレオチドを用いて形質転換され得るいかなる細胞も包含される。宿主細胞は、形質転換されていない細胞、または少なくとも1種の核酸分子(例えば、本発明の1種または複数のタンパク質をコードする核酸分子)を用いてすでに形質転換されている細胞のいずれかであり得る。本発明の宿主細胞は、本発明の少なくとも1種の核酸分子を用いて形質転換した後にこのようなタンパク質を生産することを可能にし得る。本発明の宿主細胞は、本発明の少なくとも1種のタンパク質を産生することができる任意の細胞であり得る。
【0066】
本発明のベクター/ポリヌクレオチドは、トランスフェクション、形質転換、およびエレクトロポレーションのような当該分野で公知の種々の方法を使用して適切な宿主細胞に導入され得る。より好ましい宿主細胞は、以下の種、すなわちBacillus brevis、Bacillus agri、Bacillus centrosporus、Bacillus choshinensis、Bacillus parabrevis、Bacillus reuszeri、Bacillus formosus、Bacillus borstelensis、Bacillus laterosporus、およびBacillus thermoruberを含むBrevibacillusの集団から選択される。なおより好ましくは、宿主細胞はBacillus brevisおよびBacillus choshinensisである。
【0067】
本発明の宿主細胞は、従来的な発酵バイオリアクター中で培養され得る。この宿主細胞は、バッチ、流加バッチ、細胞リサイクル、および連続発酵を含むがこれらに限定されない任意の発酵プロセスによって培養され得る。好ましくは、本発明の宿主細胞は、バッチまたは流加バッチの発酵プロセスによって増殖される。
【0068】
本発明の別の実施形態には、本発明の1種または複数の組換え分子を用いて形質転換された宿主細胞を含む組換え細胞が含まれる。細胞への核酸分子の形質転換は、それによって核酸分子が細胞に挿入され得る任意の方法によって達成され得る。
【0069】
本発明のポリヌクレオチドを含む宿主細胞は本発明のポリペプチドを発現するために使用され得る。宿主細胞は、本発明に従って産生されるポリペプチドの発現を可能にする適切な条件下で培養され得る。本発明のポリペプチドの発現は、それらが連続的に産生されるように構成的であり得るか、または発現を開始するための刺激を必要とするように誘導性であり得る。誘導性発現の場合、タンパク質産生は、必要とされる場合、例えば、培養培地への誘導物質(例えば、デキサメタゾンまたはIPTG)の添加によって開始され得る。
【0070】
本発明のポリペプチドは、本発明のOpdAを発現する宿主細胞の培養物の上清から収集され得る。
【0071】
ポリペプチドの精製は、任意選択で、アフィニティークロマトグラフィー(免疫アフィニティークロマトグラフィーを含む)、イオン交換クロマトグラフィーなどのような周知の技術、または当該分野において公知であるもののような融合タンパク質配列に基づくアフィニティークロマトグラフィーシステムを使用して実行され得る。
【0072】
組換えDNA技術は、例えば、宿主細胞中のポリヌクレオチドのコピー数、これらのポリヌクレオチド分子が転写される効率、および得られる転写物が翻訳される効率を操作することによってポリペプチド分子の発現を改善するために使用され得る。本発明のポリヌクレオチド分子の発現を増大させるために有用な組換え技術には以下が含まれるがこれらに限定されない。高コピー数プラスミドにポリヌクレオチド分子を作動可能に連結すること、プラスミドへのベクター安定化配列の付加、転写制御シグナル(例えば、プロモーター、オペレーター、エンハンサー)の置換または修飾、翻訳制御シグナル(例えば、リボソーム結合部位、Shine-Dalgarno配列)の置換または修飾、宿主細胞のコドン使用頻度に一致させるための本発明のポリヌクレオチド分子の修飾、および転写を不安定化する配列の欠失。本発明の発現された組換えタンパク質の活性は、このようなタンパク質をコードするポリヌクレオチド分子をフラグメント化、修飾、または誘導体化することによって改善され得る。
【0073】
上記の明細書中に言及されるすべての刊行物は、参考としてここに取り込まれる。本発明の記載された方法およびシステムの種々の改良例および変形例は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者には明らかである。本発明は、特定の好ましい実施形態に関連して記載されてきたが、特許請求されるような本発明は、このような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことが理解されるべきである。実際に、分子生物学または関連する分野における当業者に明らかである本発明を実行するために記載された様式の種々の改変が、本発明の範囲内にあることが意図される。
【0074】
本明細書中に含まれてきた文書、行為、物質、装置、論文などのいかなる議論も、単に本発明の情況を示す目的のためである。これらの内容のいずれかまたはすべてが先行技術の基礎の一部を形成すること、またはこれらは本発明に関連する分野におけるオーストラリアでの共通の一般的な知見であったことが認められることとして取られるべきでない。
【0075】
本明細書を通して、用語「含む(comprise)」または「含む(comprises)」もしくは「含んでいる(comprising)」のようなバリエーションは、言及される要素、整数、もしくは工程、または要素、整数、もしくは工程の群を含むことを意味するが、任意の他の要素、整数、もしくは工程、または要素、整数、もしくは工程の群を排除することを意味するものではないことが理解される。
【0076】
本発明の性質がより明確に理解され得るために、その好ましい形態を、ここで以下の非限定的な実施例を参照して記載する。
【実施例】
【0077】
OpdAの発現
ネイティブシグナルペプチドを含むOpdAのアミノ酸配列を配列番号30に示す。この配列において、シグナルペプチドは1残基から28残基までであり、その配列を以下に示す。この配列を調べると、これが特徴的なTAT系のツインアルギニンモチーフを有することが示され、このことは、OpdAがシグナルペプチドの分泌および切断に先立ってフォールディングされることを意味する。それゆえに、OpdAがSec系を介して分泌され得る可能性は低い。
[配列1]

(下線で示したTATモチーフを有する、OpdAのシグナルペプチド)
【0078】
より高収量のOpdAを得るための試みにおいて、タンパク質の発現を、Higeta Shoya Co.Ltd.によって開発されたBrevibacillus発現系を使用して試みた。この系を使用する際に、ネイティブなシグナルペプチドを欠失させ、以下の配列で置き換えた:
MKKRRVVNSVLLLLLLASALALTVAPMAFA|AGS(配列番号32)
(|はSpアーゼI切断部位を示す)
この発現系を使用する試みは成功しなかった。
【0079】
この失敗を理解するための試みにおいて、修飾されたシグナルペプチドはTAT系の「ツインアルギニン」モチーフを有した一方で、Bacillus subtilisにおいてSec回避シグナルとして機能する、Tjalsmaら(2000)が発見した切断部位の近くの正に荷電した残基を欠くこと、が注目された。Sec回避シグナルの組み込みによって発現が達成され得るか否かを決定するための試みにおいて、シグナルペプチドを、正に荷電した残基および「Bacillus」型シグナルペプチダーゼ(SPアーゼI)切断部位を含むように修飾した。
【0080】
一方の末端にNcoI部位(下線を付した)および他方の末端にBamHI部位(太字)を含む2つの相補的オリゴ配列(oligos)(NCMO25'、5'GTTCAGCCCATGGCTAAAGCTGCAGAGCACGGATCCGATC(配列番号33)およびNCMO23'、5'GATCGGATCCGTGCTCTGCAGCTTTAGCCATGGGCTGAAC(配列番号34))を、シグナルペプチドを以下に示すものに変化させるために設計した。
(a)MKKRRVVNSVLLLLLLASALALTVAPMAFA|AGS(配列番号35)
(b)MKKRRVVNSVLLLLLLASALALTVAPMAKA|AEH(配列番号36)
pNCMO2における元のシグナルペプチドの(a)、およびpNC(mod)における変化させたシグナルペプチドの(b)アミノ酸配列である。
【0081】
2種のオリゴ配列をTE緩衝液中で44nmol/mlまで溶解させた。各10μlを95℃で10分間インキュベートし、次いで、室温までゆっくりと冷却した。このことにより、2種の相補性バンドをいずれも融解させる。次いで、これをNcoIおよびBamHIを用いて消化した。プラスミドpNCMO2をNcoIおよびBamHIを用いて消化し、QIAquickPCR精製キット(QIAgen)を使用して1%アガロースゲルから抽出した。消化したpNCMO2および消化したオリゴ配列を一晩ライゲーションし、翌日にE.coli DH10βにトランスフォーメーション(形質転換)した。E.coliにおけるすべての形質転換を、修正されたHanahan法(Sambrookら、1989)に従って実行した。形質転換体を、100μg/mlアンピシリンを含むLB寒天プレート(10g/トリプトン、5g/l酵母抽出物、2.5g/l NaCl)上で選択した。変化したシグナルペプチドを含む1つの形質転換体(DNAシークエンシングによって決定された)を選択し、pNC(mod)と命名した。
【0082】
pNC(mod)-opdAの構築
プラスミドpNC(mod)をBamHIおよびEcoRIで消化し、QIAquickPCR精製キット(QIAgen)を使用して1%アガロースゲルから切り出した。プラスミドpGAfullをBamHIおよびEcoRIで消化し、1kbのopdA含有フラグメントをQIAquickPCR精製キットを使用して1%アガロースゲルから切り出し、抽出されたpNC(mod)フラグメントとともに一晩ライゲーションした。このライゲーション混合物を、E.coli CC118(araD139、Δ(ara,leu)7697、ΔlacX74、phoAΔ20、galE、galK、thi、rpsE、rpoB、argEam1、recA1;ManoilおよびBeckwith、1985)に形質転換し、形質転換体をアンピシリン(100μg/ml)を含むLBプレート上で選択した。pNC(mod)-opdAにおけるopdA発現がlacZプロモーターから駆動され、いくつかのE.coli株においてはlacプロモーターからの漏出性の発現が存在する。しかし、lacプロモーターからの発現はlacオペロンの欠失に起因してE.coli CC118においては存在しない。E.coli DH10βへの形質転換はopdAにおける点変異を生じ、これは、機能的でないタンパク質の産生を生じさせた。これはおそらく、シグナルペプチドが、TAT分泌系を標的とすることができないこと、およびE.coliにおいてSec系を回避することができないことに起因する。
【0083】
Brevibacillus choshinensisにおけるopdAの発現
プラスミドpNC(mod)-opdAを、UdakaおよびYamagata(1993)のTris-PEG法を使用してBrevibacillus choshinensis HPD31(Takagiら、1989)に形質転換し、形質転換体を20mM MgCl2および50μg/mlネオマイシンを有するBTY培地(グルコース、1.0%;トリプトン、2.0%;酵母抽出物、0.5%;FeSO4・7H2O、0.001%;MnSO4・4H2O、0.001%;ZnSO4・7H2O、0.001%)上、28℃で選択した。1つの形質転換体を取り出し、さらなる分析のために増殖させた。この形質転換体に含まれるプラスミドを抽出および試験し、pNC(mod)-opdAであることを示した。B.choshinensis pNC(mod)-opdAを対数期の中期まで増殖させ、50μg/mlネオマイシンを有するBTY培地中で、28℃、24時間、1mM IPTGで誘導した。培養上清と細胞とを遠心分離によって分離した(7000g、10分間)。細胞ペレットを2mlの50mM Tris-HCl pH7.5中に再懸濁し、超音波処理した。
【0084】
形質転換のTris-PEG法
B.choshinensisをBTY培地上にストリークし、37℃で2日間増殖させた。次いで、増殖物用のループ状白金耳を使用して5mlのBTY培地に接種し、37℃で一晩増殖させた。一晩培養物を5mlの同じ培地で100倍に希釈し、37℃で5時間インキュベートした。次いで、細胞を遠心分離(4000g、5分間)によってペレット化し、5mlの50mM Tris-HCl pH7.5で洗浄した。このペレットを最終的に5mlの50mM Tris-HCl pH8.5中に再懸濁し、37℃で30分間インキュベートした。このインキュベーションの後、細胞ペレットを1mlのMTPで洗浄した。MTPは以下のように調製した:
0.1Mマレイン酸ナトリウムpH6.5 20ml
リン酸緩衝液(7%(w/v)K2HPO4/2.5%(w/v)KH2PO4) 10ml
H2O 18ml
オートクレーブし、次いで以下を加える:
1M MgCl2(フィルター滅菌したもの) 2ml
BTY 50ml
【0085】
プラスミドDNAを細胞懸濁物に加え、その後1.5mlのPEG溶液(40g PEG8000、20ml 0.1Mマレイン酸ナトリウムpH6.5、およびH2Oで100mlにする)を加え、そして混合物を室温で2分間インキュベートした。MTP(5ml)を加え、十分に混合した。細胞を遠心分離(4000g、10分間、室温)によって収集した。次いで、細胞を20mM MgCl2を有する1mlのBTY中に再懸濁し、穏やかに振盪しながら30℃で2.5時間インキュベートした。
【0086】
発現のチェック
上清および細胞抽出物の両方を、クーマホス加水分解活性およびSDS-PAGEについて試験した。pNC(mod)-opdAの非存在下ではB.choshinensis中でクーマホス加水分解活性は検出することができなかった。クーマホス加水分解活性の大部分は、培養上清中に分泌された(表2)。上清の比活性は5.09μmol/分/mgタンパク質であった。これは、精製OpdAの比活性(8.0μmol/分/mgタンパク質)に近く、このことは、上清中のOpdAが比較的純粋であることを示唆する。
【0087】
【表2】

【0088】
シグナルペプチドは活性な細胞質タンパク質の分泌を可能にする
一般的に、細胞質タンパク質は異種宿主の細胞質中で容易にフォールディングする。それゆえに、このグループのタンパク質はSec系によって容易には分泌されないかもしれないことが予測される。β-ガラクトシダーゼはこの古典的な例である。E.coliからのこの特定の酵素は120kDaの大きなタンパク質であり、Sec型分泌ペプチドが付随した場合には細胞膜を通過しないことが知られている(ManoilおよびBeckwith、1985;Bassfordら、1979)。それゆえに、このタンパク質を、このBrevibacillus系による活性な細胞質タンパク質の分泌を試験するために選択した。
【0089】
lacZ遺伝子を、pEM32mをテンプレートとして使用してPCRによって増幅した。使用したプライマーは、それぞれSalI部位およびEcoRI部位を含む、lac5c
[配列2]

およびlac3b
[配列3]

であった。PCRを、StratageneからのPfu Turbo DNAポリメラーゼを使用して、製造業者の指示書に従って実行した。3kbのPCR産物を、QIAquick PCR精製キットを使用して精製し、pGEM T Easy(Promega)を用いて一晩ライゲーションした。次いで、ライゲーション混合物をE.coli DH10βに形質転換し、形質転換体を、アンピシリン(100μg/ml)、X-gal(5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルβ-D ガラクトシド、40μg/ml)、およびIPTG(40μg/ml)を含むLBプレート上で選択した。プレート上にいくつかの強い青色コロニーが存在したことが注目された。1つを試験し、これがβ-ガラクトシダーゼをコードする3kbのPCR産物を含むことが示された。このプラスミドはpGEMlacと呼ばれ、機能的β-ガラクトシダーゼ酵素が存在することの証明となる。このインサートが反対方向で含まれた場合、β-ガラクトシダーゼ活性は生じなかった(表3)。
【0090】
【表3】

【0091】
β-ガラクトシダーゼを含むSalI-EcoRIフラグメントを同様に消化したpNC(mod)とライゲーションした。ライゲーション混合物をE.coli CC118に形質転換し、形質転換体をアンピシリン(100μg/ml)を含むLBプレート上で選択した。いくつかの形質転換体を拾い上げ、インサートについて試験した。1つを選び、これは3kbのSalI-EcoRIフラグメントを含むことが示された。このプラスミドをpNC(mod)-lacと名付けた。次いで、このプラスミドを、Brevibacillusに形質転換し、形質転換体を、50μg/mlネオマイシンを有するBTY培地上、30℃で選択した。2日間の増殖後、1つのコロニーを取り出し、IPTGを用いて誘導したときのβ-ガラクトシダーゼの産生について試験した。培養物を遠心分離(7000g、10分間)によってペレット化し、そして細胞ペレットを50mM Tris-HCl pH7.5中に再懸濁し、その後でそれを超音波処理した。細胞抽出物と培養上清の両方をガラクトシダーゼ活性について試験した。ガラクトシダーゼ活性の大部分は上清に含まれていた(表4)。Brevibacillus choshinensisはいかなる固有のβ-ガラクトシダーゼ活性も有しない。
【0092】
【表4】

【0093】
この分泌系を、これもまたホスホトリエステラーゼである別の細胞質タンパク質で試験した。Horneら(2002b)は、有機リン酸エステル類を加水分解することができるPseudomonas monteilli株からタンパク質HocAを同定した。このタンパク質は、配列および反応機構においてOpdAに関連しない20kDaの細胞質タンパク質である。hocA遺伝子を、それぞれBamHIおよびHindIII制限部位(下線部)を有する上流および下流のオリゴヌクレオチドプライマー、hoc5
[配列4]

およびhoc3
[配列5]

、ならびにテンプレートとしてテンプレートpBSRK7(1)を使用して、PCRによって増幅した。PCR産物をBamHIおよびHindIIIで消化し、同様に消化したpK18にクローニングした。ライゲーション産物をE.coli DH10βに形質転換した。1つの形質転換体を選び、正しいhocA遺伝子を有することを配列分析によって示した。このクローンをpKhoc2と名付けた。次いで、pKhoc2の501bp hocA含有BamHI-HindIIIフラグメントをpNC(mod)にクローニングし、E.coli CC118に形質転換した。hocAを有する1つのクローンを選択し、このクローンをpNC(mod)-hocと名付けた。プラスミドpNC(mod)-hocを、50μg/mlネオマイシンを有するBTY上で30℃にて選択された形質転換体を用いてBrevibacillus choshinensisに形質転換した。2日間の増殖後1つのコロニーを取り出し、50mlのBTY培地中で対数期の中間期まで増殖させ、次いで、1mM IPTGで28℃、24時間誘導した。培養上清および細胞を遠心分離(7000g、10分間)によって分離した。細胞ペレットを50mM Tris-HCl pH7.5中に再懸濁し、超音波処理した。細胞抽出物中および培養上清中のクーマホス加水分解活性を測定した。表5は活性の相対量を示す。タンパク質の大部分は培養上清中に活性型で分泌された。
【0094】
【表5】

【0095】
当業者には、多数の変形および/または改良が、広範に記載される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、特定の実施形態において示されるような本発明に対してなされ得ることが理解されよう。それゆえに、本発明の実施形態は、あらゆる点で例示的とみなされるべきであり、限定的とはみなされるべきではない。
【0096】
[参考文献]



【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の配列および第2の配列を含む組換えポリヌクレオチドであって、前記第1の配列はTATシグナル配列およびSec回避シグナルを含むシグナルペプチドをコードし、かつ前記第2の配列は異種タンパク質をコードし、前記シグナルペプチドの配列は、
M-X1-K/R-X2-K/R-X3-RR-X4-K/R-A
であり、
式中、X1は0〜10アミノ酸の配列であり;
X2は0〜3アミノ酸の配列であり;
X3は0〜10アミノ酸の配列であり;かつ
X4は、残基の少なくとも75%から約90%までが疎水性である15〜24アミノ酸の配列である
組換えポリヌクレオチド。
【請求項2】
X1が0〜5アミノ酸の配列であり、好ましくは0アミノ酸の配列である、請求項1に記載の組換えポリヌクレオチド。
【請求項3】
X2が0または1アミノ酸の配列であり、好ましくは0アミノ酸の配列である、請求項1または2に記載の組換えポリヌクレオチド。
【請求項4】
X3が0〜5アミノ酸の配列であり、好ましくは0アミノ酸の配列である、請求項1から3のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチド。
【請求項5】
X4が少なくとも20アミノ酸の配列であり、そのうち少なくとも18アミノ酸が疎水性アミノ酸である、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチド。
【請求項6】
X4が23アミノ酸である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチド。
【請求項7】
シグナルペプチドの配列がMKKRRVVNSVLLLLLLASALALTVAPMAKA(配列番号1)である、請求項1から6のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチド。
【請求項8】
配列
M-X1-K/R-X2-K/R-X3-RR-X4-K/R-A
を有するシグナルペプチドであって、
式中、X1は0〜10アミノ酸の配列であり;
X2は0〜3アミノ酸の配列であり;
X3は0〜10アミノ酸の配列であり;かつ
X4は、残基の少なくとも75%から約90%までが疎水性である15〜24アミノ酸の配列である
シグナルペプチド。
【請求項9】
X1が0〜5アミノ酸の配列であり、好ましくは0アミノ酸の配列である、請求項8に記載のシグナルペプチド。
【請求項10】
X2が0または1アミノ酸の配列であり、好ましくは0アミノ酸の配列である、請求項8または9に記載の組換えシグナルペプチド。
【請求項11】
X3が0〜5アミノ酸の配列であり、好ましくは0アミノ酸の配列である、請求項8から10のいずれか一項に記載のシグナルペプチド。
【請求項12】
X4が少なくとも20アミノ酸の配列であり、そのうち少なくとも18アミノ酸が疎水性アミノ酸である、請求項8から11のいずれか一項に記載のシグナルペプチド。
【請求項13】
X4が23アミノ酸である、請求項8から12のいずれか一項に記載のシグナルペプチド。
【請求項14】
シグナルペプチドの配列がMKKRRVVNSVLLLLLLASALALTVAPMAKA(配列番号1)である、請求項8から13のいずれか一項に記載のシグナルペプチド。
【請求項15】
TATトランスロケーション系を含む宿主細胞系から異種ポリペプチドを生産する方法であって、以下の工程:
(i)異種ポリペプチドおよびシグナルペプチドをコードするDNA配列を用いて宿主細胞を形質転換する工程であって、シグナルペプチドはTATシグナルおよびSec回避シグナルを含み、シグナルペプチドの配列は
M-X1-K/R-X2-K/R-X3-RR-X4-K/R-A
であり、式中、
X1は0〜10アミノ酸の配列であり;
X2は0〜3アミノ酸の配列であり;
X3は0〜10アミノ酸の配列であり;かつ
X4は、残基の少なくとも75%から約90%までが疎水性である15〜24アミノ酸の配列である工程、
(ii)異種ポリペプチドの発現を可能にする条件下で宿主細胞を培養する工程;ならびに
(iii)TATトランスロケーション系を介して宿主細胞から分泌される異種ポリペプチドを回収する工程、
を含む方法。
【請求項16】
X1が0〜5アミノ酸の配列であり、好ましくは0アミノ酸の配列である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
X2が0または1アミノ酸の配列であり、好ましくは0アミノ酸の配列である、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
X3が0〜5アミノ酸の配列であり、好ましくは0アミノ酸の配列である、請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
X4が少なくとも20アミノ酸の配列であり、そのうち少なくとも18アミノ酸が疎水性アミノ酸である、請求項15から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
X4が23アミノ酸である、請求項15から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
シグナルペプチドの配列がMKKRRVVNSVLLLLLLASALALTVAPMAKA(配列番号1)である、請求項15から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
宿主細胞がバチルス種(Bacillus sp.)である、請求項15から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
宿主細胞がBacillus choshinensis、Bacillus brevis、Bacillus subtilis、Bacillus licheniformis、およびBacillus megatoriumからなる群より選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
宿主細胞がBacillus choshinensisである、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
異種ポリペプチドが細胞質中で容易にフォールディングするポリペプチドである、請求項15から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
成熟ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが、
(i)配列番号29のヌクレオチド85〜1155に示されるヌクレオチドの配列;
(ii)配列番号29のヌクレオチド85〜1155の配列に高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする配列;
(iii)配列番号29のヌクレオチド85〜1155の配列に90%より高い同一性を有する配列;および
(iv)配列番号30の残基29〜384において規定されるアミノ酸配列をコードする配列
から選択される配列を有する
請求項15から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
成熟異種ポリペプチドが、配列番号30の残基29〜384において規定される配列、または配列番号30において規定される配列に90%より高い同一性を有するポリペプチドを含む、請求項15から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
請求項15から27のいずれか一項に記載の方法に従って生産される、実質的に精製されたポリペプチド。
【請求項29】
請求項1から8のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドを含むベクター。
【請求項30】
請求項1から8のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドを含む宿主細胞。

【公表番号】特表2006−514539(P2006−514539A)
【公表日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−523647(P2004−523647)
【出願日】平成15年7月28日(2003.7.28)
【国際出願番号】PCT/AU2003/000951
【国際公開番号】WO2004/011492
【国際公開日】平成16年2月5日(2004.2.5)
【出願人】(591269435)コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガニゼーション (23)
【氏名又は名称原語表記】COMMONWEALTH SCIENTIFIC AND INDUSTRIAL RESEARCH ORGANIZATION
【Fターム(参考)】