発送先照合装置
【課題】 発送物の内容と、当該発送物の発送先とが一致するか否かを照合する発送先照合装置を簡素な構成で提供する。
【解決手段】 発送伝票Shに所定の伝票番号を示す第1の識別子M1などを印刷(S102)。第1の識別子M1に対応する第2の識別子M2を生成し(S104)、データベースに記憶(S106)。複数の発送先について第2の識別子M2を発送物に順に印刷(S108)。第1の識別子M1を印刷した発送伝票Shを封筒Enに貼付(S110)。第1の識別子M1および第2の識別子M2のデータが対応するか否かを照合(S114)。
【解決手段】 発送伝票Shに所定の伝票番号を示す第1の識別子M1などを印刷(S102)。第1の識別子M1に対応する第2の識別子M2を生成し(S104)、データベースに記憶(S106)。複数の発送先について第2の識別子M2を発送物に順に印刷(S108)。第1の識別子M1を印刷した発送伝票Shを封筒Enに貼付(S110)。第1の識別子M1および第2の識別子M2のデータが対応するか否かを照合(S114)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、郵送または運送の際に、発送物とその発送先の齟齬が生じるのを未然に防止するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
郵送または運送で複数の発送先に異なった発送物を発送する際、発送元で誤った発送物を封入したり、発送先を間違えて印字する等により、発送物と発送先の齟齬を生じる場合がある。このため、発送先の齟齬を防止するための技術が従来から存在する(特許文献1、2)。特許文献1、2において発送先齟齬防止のために行われる処理の概要を、それぞれ図17A、Bに示す。
【0003】
特許文献1の技術では、図17Aに示すように、まず、表紙に識別子を付した帳票が印刷、丁合、製本され(S200)、封筒に封入封緘される(S202)。さらに、封筒に封入された帳票に付された識別マークをキーとしてデータベースを参照して発送先の住所などを伝票に印刷し(S204)、印刷した伝票を封筒に貼り付ける(S206)ようにしている(特許文献1の明細書、段落番号0015など)。
【0004】
特許文献2の技術では、図17Bに示すように、まず、発送しようとするICカードとこれを添付する台紙が順に積み上げてセットされ(S210)、搬送されたICカードのICと台紙のバーコードからそれぞれデータが読み取られる(S212)。さらに、ICカードから読み出した情報と、当該ICカードを貼り付ける台紙に表示された発送先の情報とが一致しているか否かを照合し(S214)、その結果、これらの情報が一致している場合にICカードを台紙に貼り付ける(S216)ようにしている(特許文献2の明細書、段落番号0019など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−276940号公報
【特許文献2】特開2000−67178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術では、図17Aに示すように、封入作業の後に識別マークをキーとして抽出した発送先の住所などのデータを伝票に印刷して貼り付けるという構成を採用しており(図17AのS204、S206)、封入作業と発送先の印刷工程および伝票の貼付工程を一連の工程で行う必要がある。このため、発送先の齟齬が生じ難いという利点はあるが、(i)封入作業の後に伝票を印刷し、封筒に貼り付ける工程が必要となり装置全体の構成が複雑かつ大規模になる、(ii)多くの発送物について封入作業を全て終えた後に、発送元の照合だけを一括して簡単に行いたいような場合に用いることができない(例えば、発送内容物の封入作業と発送先の照合作業とを異なる事業者が行う必要がある場合等)、といった問題がある。
【0007】
特許文献2の技術でも、ICカードから読み出した情報と、台紙に表示された発送先の情報とが一致するかを照合した後、一連の工程でICカードを台紙に貼り付けるようにしているため(図17BのS214、S216)、特許文献1の技術と同様に上記(i)(ii)示すような問題がある。また、特許文献2の技術では、台紙に印刷されたバーコードとICカードからそれぞれ異なる読取装置を用いてデータを読み出す必要があり(S212)、さらに装置の構成が複雑になる。
【0008】
一方で、同一の識別子を発送物と発送伝票にそれぞれ印刷し、発送物を発送伝票に貼り付けなどした状態でこれらの識別子を読み取って照合するような場合には、単一の読取端末で読み取りが可能で、かつ、照合の後に貼り付け工程や印刷工程を別途設ける必要も無いが、不注意により片方のバーコードだけ二度読み取った時に、誤って発送先が一致すると判断してしまうおそれがある。さらに、運送業者などで用いられる発送伝票には、通常、配送状況を確認するためのバーコードが予め印刷されているが、配送状況を確認する用途以外には用いられていなかった。
【0009】
この発明は、所定の伝票番号を示す第1の識別子とは異なる第2の識別子を新たに生成して照合に用いることで、発送先ごとに様々な発送物を発送する場合であっても、発送先の齟齬を未然に防止することが可能な発送先照合装置を簡易な構成によって実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)この発明の発送先照合装置は、
発送伝票に第1の識別子を印刷した発送物と、当該発送物の発送先とが一致するか否かを発送元において照合するための発送先照合装置であって、
所定の伝票番号示す前記第1の識別子と読取形式が同種で、かつ、内容を表すデータが異なる第2の識別子を各発送先毎に生成する第2の識別子生成手段、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とを対応付けて記憶する照合データ記憶部、
前記第2の識別子を前記所定の順番で発送物に印刷する第2の識別子印刷手段、
前記第1の識別子および前記第2の識別子からデータを読み取るための識別子読取手段、
前記照合データ記憶部を参照し、前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かを照合する照合手段、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かの結果を出力する出力手段、
を備えたこと、を特徴とする。
【0011】
これにより、予め発送伝票に印刷されたバーコードと異なるデータを示すバーコードを発送物に印刷し照合に用いることで、発送物が誤った発送先に送られるのを未然に防ぐことが可能な発送先照合装置を簡素な構成で提供することができる。また、照合対象のバーコードが異なるデータとなっているため、片方のバーコードを2度読み取ってしまったような場合でも、照合が正常に完了したと誤って判断するのを防止できる。
【0012】
(2)この発明の発送先照合装置は、
発送物と、当該発送物の発送先とが一致するか否かを発送元において照合するための発送先照合装置であって、
所定の伝票番号を示す第1の識別子を発送伝票に所定の順番で印刷する第1の識別子印刷手段、
前記第1の識別子と読取形式が同種で、かつ、識別子に変換される前の元データが前記第1の識別子と異なる第2の識別子を各発送先毎に生成する第2の識別子生成手段、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とを対応付けて記憶する照合データ記憶部、
前記第2の識別子を前記所定の順番で発送物に印刷する第2の識別子印刷手段、
前記第1の識別子および前記第2の識別子からデータを読み取るための識別子読取手段、
前記照合データ記憶部を参照し、前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かを照合する照合手段、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かの結果を出力する出力手段、
を備えたこと、を特徴とする。
【0013】
これにより、読取形式が同種で、かつ異なるデータ内容を表すバーコードを発送伝票と発送物にそれぞれ印刷し照合に用いることで、発送物が誤った発送先に送られるのを未然に防ぐことが可能な発送先照合装置を簡素な構成で提供することができる。また、照合対象のバーコードが異なるデータとなっているため、片方のバーコードを2度読み取ってしまったような場合でも、照合が正常に完了したと誤って判断するのを防止できる。
【0014】
(3)この発明の発送先照合装置は、
前記第2の識別子生成手段が、前記第2の識別子を連番として生成し、
前記第2の識別子印刷手段が、前記連番に対応して第2の識別子を順に印刷すること、を特徴とする。
【0015】
これにより、所定の順番で発送伝票に印刷されるバーコード(第1の識別子)とは別に連番として生成したバーコード(第2の識別子)を発送物に順に印刷することにより、発送伝票と発送物を正しく対応付けて貼り付けなどすることが可能となる。
【0016】
(4)この発明の発送先照合装置は、
前記発送物が、開口窓を有する封筒に封入されており、
前記第2の識別子印刷手段が、封筒に封入したときに前記第2の識別子を前記封筒の開口窓から認識可能な所定位置に印刷し、
前記照合手段が、発送伝票に印刷された前記第1の識別子と、前記封筒の開口窓から認識可能な位置に印刷された第2の識別子とが対応するか否かを照合すること、
を特徴とする。
【0017】
これにより、封筒の開口窓から認識可能な位置に印刷したバーコード(第2の識別子)を用いて照合することにより、発送物が誤った発送先に送られるのを未然に防ぐことが可能な発送先照合装置を簡素な構成で提供することができる。
【0018】
(5)この発明の発送先照合装置は、さらに、
前記各発送物の重量を測定し、発送物の内容が共通するものと重量が同じであるか否かを判定する重量判定手段、
を備えたこと、を特徴とする。
【0019】
これにより、発送物の重量に基づいて補助的な照合を行うことが可能となり、発送物が誤った発送先に送られるのをさらに未然に防ぐことがことができる。
【0020】
(6)この発明の発送先照合装置は、
前記発送物が、複数頁の書類または冊子であり、表紙となる頁だけを異なる色の用紙を用いて印刷すること、
を特徴とする。
【0021】
これにより、複数の発送先について一度にまとめて複数頁の書類を印刷したような場合でも、発送先毎に異なる色の用紙で仕切ることが可能となり、作業者が複数の冊子を丁合する作業に便利である。
【0022】
(7)この発明の発送先照合装置は、
前記第1の識別子が、特定業者から取得した伝票番号リストのデータをバーコードに変換することにより生成されること、
を特徴とする。
【0023】
これにより、運送業者等が配達状況の管理に使用するバーコードを利用して、発送される内容物と発送先の照合作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1a】印刷業者(本発明の発送先照合装置を所有)が発送物の封入作業および照合作業を委託された場合に行う処理や作業の概要を示す図である。
【図1b】印刷業者(本発明の発送先照合装置を所有)が発送物の封入作業および照合作業を委託された場合に行う処理や作業の概要を示す図である。
【図2a】発送先に発送物が到着するまでの手順を示す図である。
【図2b】発送する内容物の仕分け・封入工程、および発送物の完成工程の流れを示す図である。
【図3】本発明の発送先照合装置100のブロック図である。
【図4】印刷事業者で行われる作業および処理を示すフローチャートである。
【図5】封入作業後の発送物150の状態を示す図である。
【図6】本発明の発送先照合装置100のハードウェア構成を示す図である。
【図7】照合データベース32に記憶されるデータの具体例を示す図である。
【図8】発送内容物リスト34に記憶されるデータの具体例を示す図である。
【図9】発送先リスト36に記憶されるデータの具体例を示す図である。
【図10】発送先照合プログラム30が行う処理を示すフローチャートである。
【図11】第1の識別子を印刷する前の発送伝票の具体例を示す図である。
【図12】第1の識別子を印刷した後の発送伝票の具体例を示す図である。
【図13】発送物として封入される冊子の表紙に第2の識別子を印刷した状態を示す図である。
【図14】照合処理(ステップS14)の詳細を示すフローチャートである。
【図15】ディスプレイ上に表示される発送先エラー表示の例を示す図である。
【図16】他の実施形態におけるハードウェア構成を示す図である。
【図17】従来技術において発送先齟齬防止のために行われる処理の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[発明の概要]
最初に、図1aおよび図1bを用いて、発送物である封入書類の印刷・封入作業や発送先の照合作業の委託を受けた印刷業者が本発明の発送先照合装置を用いて行う処理や作業の概要について説明する。なお、図1aおよび図1bに示す例において、発送先は高校であり、発送元は各高校に対して推薦入試を実施する大学であって、発送物である封入書類は推薦入試の資料である。
【0026】
まず、印刷事業者は、高校ごとの推薦学科・人数データTable1、学科ごとの封入書類データTable2のほか、印刷物内容データ・高校住所データなどを入手する(図1aのステップS300)。次に、印刷事業者は、学科ごと、高校ごと(発送単位ごと)にデータを並べて封入順テーブルTable3を作成し、自社管理番号を付す(図1aのステップS302)。
【0027】
続いて、印刷事業者は、運送業者より荷物送り状(発送伝票)Shを入手し、あわせて運送業者指定の指定管理番号データData1を入手する(図1aのステップS304)。指定管理番号データは、運送業者が荷物の発送状況を管理するためのデータであり、各荷物送り状につきそれぞれ異なる指定管理番号データが割り当てられる。さらに、封入順テーブルTable3の自社管理番号データData2に指定管理番号データData1を対応付け、併せて記憶する(図1aのステップS306)。
【0028】
また、印刷事業者は、封入順テーブルTable3の順に、各高校の住所データに基づいて送り状(発送伝票)Shに宛先を印刷する。この時、あわせて封入書類の表紙頁に運送業者の指定管理番号Data1をバーコードM1として印刷する(図1aのステップS308)。
【0029】
また、印刷事業者は、封入順テーブルTable3の順に、人数も考慮して印刷物内容データに基づき、封入書類を印刷する。この時、あわせて自社管理番号Data2をバーコードM2として印刷する(図1bのステップS310)。これにより、図1bに示すように、A学科のα高校、γ高校、δ高校、ε高校、B学科のβ高校…の順に封入書類が印刷される。
【0030】
印刷した封入書類と、別途印刷済みの封入書類は、自社管理番号Data2のバーコードM2が印刷された表紙頁を一番上にして、窓あき封筒に封入順テーブルTable3の順に封入される(図1bのステップS312)。したがって、封筒の窓部分から、自社管理番号Data2が見られる状態で、書類が封入されることになる。さらに、送り状(発送伝票)Shが窓あき封筒に封入順テーブルTable3の順に貼り付けられる(図1bのステップS314)。
【0031】
最後に、封入が正しく行われたか否かをチェックする(図1bのステップS316)。まず、バーコードリーダーで送り状の指定バーコードM1を読み取る。さらに、封筒の窓を介してバーコードM2を読み取る。そして、読み取った両データの対応が封入順テーブルに記憶された指定管理番号Data1と自社管理番号Data2と合致しているか判断する。例えば、バーコードリーダーで読み取ったバーコードM1のデータが「J001」で、バーコードM2のデータが「K001」であれば、封入順テーブルTable3に対応して記憶されているため(図1bに斜線で示す)、封入が正しく行われたと判断される。封入が正しく行われていれば、発送物は運送業者に引き渡される。
【0032】
なお、図1bに示す封入書類の印刷例では、封入書類の印刷を封入順テーブルTable3に記憶された学科(例えば、A学科、B学科、…)の順に行うこととしたが、各高校毎(複数の学科を含む)に封入書類をまとめて印刷するようにしてもよい。例えば、図1aに示す封入順テーブルTable3に記憶されたデータを各高校についてソートしておき、図1bのステップS310において、α高校(A学科のみ:2人分)、β高校(B学科のみ:1人分)、γ高校(A学科:3人分を印刷し、続けてB学科:2人分)の順に印刷することもできる。
【0033】
これにより、さらに図1bのステップS312において、高校単位(複数の学科を含めたもの)で封入書類を封入することで、学科毎に各高校の封入書類を封入した場合よりも発送費用を低減することができる。
【0034】
[実施例]
つぎに、指定校推薦入試を実施する大学(発送元)から各高校(発送先)に対して受験資料(発送物)を送付する場合の実施例を、図2a〜図5などを用いて説明する。
【0035】
図2aは、発送物が発送先に到着するまでの手順を示す図である。図2bは、図2aに示す印刷事業者120において行われる発送物の仕分け・封入工程などの内容を示す図である。図3は、本発明の発送先照合装置のブロック図である。図4は、図2aに示す印刷事業者120において行われる作業および処理を示すフローチャートである。図5は、発送する受験資料が封入され、かつ、発送伝票が貼り付けられた状態の発送物150を示す図である。
【0036】
図2aに示すように、まず、印刷事業者120は、指定校推薦入試を実施する大学110(発送元)から、発送内容物リスト34や、高校140(発送先)の名称、住所などを示す発送先リスト36のデータを予め入手する(図2aに示す手順1)。なお、発送内容物リスト34には、発送物150として封筒などに封入される受験資料(内容物)のリストが、発送先リスト36には、発送先140である各高校(発送先)の名称、住所などのデータが示されている。
【0037】
また、印刷事業者120は、運送業社130から発送に必要な量の発送伝票Shと、伝票番号リスト38のデータを予め入手する(図2aに示す手順2)。なお、伝票番号リスト38には、発送伝票Shに第1の識別子M1を印刷するために必要な伝票番号であって、運送業者130が配達状況を確認するために用いるものが示されている。
【0038】
上記手順1および手順2(図2a)を済ませると、印刷事業者120が有する発送先照合装置100は、図4に示す以下のような処理を行う。
【0039】
図3に示す発送先照合装置100が備える第1の識別子印刷手段B02は、まず、発送伝票Shに運送業者130が用いる第1の識別子M1などを印刷する処理を実行する(図4のステップS102)。具体的には、図2aに示す伝票番号リスト38に示された複数の伝票番号を第1の識別子M1(バーコードなど)に変換し、これを伝票番号リスト38の順に発送伝票Sh(図5)に印刷する。
【0040】
つぎに、図3に示す第2の識別子生成手段B04は、伝票番号リスト38から読み出した複数の伝票番号に対応する第2の識別子M2(図2a)を生成する処理を行う(図4のステップS104)。また、照合データ記憶部B06には、伝票番号リスト38から読み出した複数の伝票番号に対応付けて、第2の識別子M2を示すデータが記憶される(図4のステップS106)。
【0041】
さらに、第2の識別子印刷手段B08は、複数の発送先について第2の識別子M2を所定の用紙(例えば、図2bに示す挨拶冊子B0の表紙)などに順番に印刷する(図4のステップS108)。
【0042】
また、作業者は、発送内容物リスト34の内容を参照して発送内容物の封入作業を行い、第1の識別子M1を印刷した発送伝票Shが封入した封筒Enに貼り付けられる(図4のステップS110)。
【0043】
例えば、図2bに示すように、丁合され製本された挨拶冊子B0の他、既製本である大学案内B1、履修要項B2等(発送内容物リスト34に封入資料として挙げられたもの)が封筒Enに封入される(図2bの丁合・封入工程a)。さらに、発送伝票Shが封筒Enに貼り付けられ(図2bの貼付工程b)、最終的に、図5に示すような発送物150ができあがる(図2bの発送物完成工程c)。図5は、発送物完成工程cを終えた発送物150の具体例を示す図である。
【0044】
作業者は、識別子読取手段B10(バーコードリーダーなど)を用いて、発送物150の第1の識別子M1および第2の識別子M2(図5を参照)からデータを読み取る(図4のステップS112)。照合手段B12は、照合データ記憶部B06を参照して、第1の識別子M1および第2の識別子M2のデータが対応するか否かを判断する(図4のステップS114)。
【0045】
ここで、第1の識別子M1および第2の識別子M2から読み取った各データが、照合データ記憶部B06に対応して記憶されていない場合には、発送先が一致していないと判断され、その旨が出力手段B14(ディスプレイなど)により結果として出力される(図4のステップS116)。
【0046】
印刷事業者120は、以上のように発送物150の封入、発送先の照合を行った後、発送物150を運送業者130に引き渡す(図2aに示す手順3)。
【0047】
さらに運送業者130に引き渡された発送物150は、発送伝票Shに記載された発送先の住所などの表示に従って、運送業者130により各高校140(図2aの高校A、高校B)に届けられる(図2aに示す手順4)。
【0048】
[発送先照合装置のハードウェア構成]
図6に、この発明の発送先照合装置100のハードウェア構成を示す。
【0049】
図6に示すように発送先照合装置100は、CPU10、RAM12、ディスプレイ14、ハードディスク16、キーボード/マウス18、CD−I/Oポート20などを備えたパーソナルコンピュータ(PC)50と、I/Oポート20を介してPC50に外部接続されるプリンタ52、バーコードリーダー54とで構成される。
【0050】
図6に示すように、ハードディスク16には、発送先照合プログラム30、照合データベース32、発送内容物リスト34、発送先リスト36、伝票番号リスト38、冊子印刷用ファイル40が記憶されている。なお、これらのデータは、CD−ROM等の記録媒体を介してハードディスク16にインストールまたはコピーされる。
【0051】
パーソナルコンピュータ(PC)50のハードディスク16に記憶された発送先照合プログラム30は、パーソナルコンピュータ(PC)50、プリンタ52、バーコードリーダー54を、図3に示す各手段として機能させるための各処理を実行するためのプログラムであり、伝票番号を所定形式(JAN(EAN、UPC)、ITF、CODE39、NW-7(CODABAR)、CODE128など)のバーコードに変換する等の処理能力を有する。
【0052】
プリンタ52は、識別子であるバーコードを発送伝票や発送物である書類、冊子などの所定位置に印刷するようにCPU10によって制御される。なお、プリンタ52が、図3の第1の識別子印刷手段B02および第2の識別子印刷手段B08に対応する。
【0053】
バーコードリーダー54には、照合の対象であるバーコード(図5に示すM1、M2)からデータを読み取ることが可能な一般的な端末が用いられる。具体的には、検知して読み取った所定形式のバーコードを元データに変換してPC50に出力する処理を行う。なお、バーコードリーダー54が図3の識別子読取手段B10に対応に対応する。
【0054】
なお、図5に示すバーコードM1の種類は、発送伝票に付される一般的なNW-7(CODABAR)タイプであり、バーコードM2の種類は、標準物流コードとしてJIS化されているITFタイプであるため、両バーコードの種類は異なっているが、バーコードリーダー54は、何れの読取形式にも対応しているため何れのデータも読み取ることが可能である。
【0055】
照合データベース32は、発送伝票Shに印刷されたバーコードM1(図5)と発送物150に付されたバーコードM2(図5)から読み出した各データが対応するか否かを照合する際に参照されるデータベースである。ハードディスク16の照合データベース32に記憶されるデータの具体例を、図7に示す。
【0056】
図7に示すように、照合データベース32には、第1の識別子のデータ内容を示す伝票番号DM1に対応付けて、第2の識別子のデータ内容を示す連番DM2のデータが記憶される他、高校コード、学校名、人数のデータなどが記憶されている。なお、照合データベース32が図3の照合データ記憶部B06に対応する。
【0057】
発送内容物リスト34は、発送する内容物として封入する必要がある冊子、書類などの内容を記憶したデータである。発送内容物リスト34に記憶されるデータの具体例を、図8に示す。
【0058】
図8に示すように、発送内容物リスト34には、指定校推薦を実施する大学の学部・学科の種別に対応して、発送物150として封入する必要がある冊子、書類、資料などの各項目にフラグが立てられ、記憶されている。例えば、文学部・英文学科の受験者が割り当てられた高校に対しては、図8の発送内容物リスト34より、「挨拶冊子」、「大学案内」、「履修要項」、「出願用書類」、「シラバス・講義概要(CD−ROM)」、「Letters for Students」、「評定平均値の算出方法について」の資料が1つの封筒に同封して発送されることになる。
【0059】
発送先リスト36は、受験資料の発送先である高校の学校名、住所などの情報(高校データ)と大学が学部・学科毎に受け付ける受験者数を各高校毎に記憶したデータである。ハードディスク16の発送先リスト36に記憶されるデータの具体例を、図9に示す。
【0060】
図9の発送リスト36において、例えば、○○東高等学校(高校code「01101A」)に割り当てられた社会学部・教育文化学科Aの受験者数は2名であるため、当該発送先には2名分の資料が送られることになる。なお、図8の発送内容物リスト34に含まれる項目のうち、挨拶冊子は受験者数が複数人であっても各高校(発送先)に対して一部のみ封入されるが、他の項目については受験者数が複数人である場合にはその人数分の資料が同封される。
【0061】
伝票番号リスト38は、運送業者により提供される発送伝票Shにバーコードを印刷するために必要な伝票番号(バーコードに変換する前の元データ)をリスト化したデータである。具体的には、図7に示す照合データベース32に記憶されている伝票番号DM1のデータが該当する。
【0062】
冊子印刷用ファイル40は、冊子を丁合・製本するために必要な書類を印刷するためのデータである。なお、図8に示す発送リスト34に挙げられた資料のうち、挨拶冊子以外の資料は、既製本などであり印刷は不要である。
【0063】
[発送先照合プログラム30が行う処理の詳細]
図10は、発送先照合プログラム30が行う処理の内容を示すフローチャートである。なお、図10に示すフローチャートは、図2aに示す運送業者130から提供された、記入欄に何も印字されていない状態の発送伝票(図11)を用いて発送作業を行う場合の処理を示すものである。
【0064】
発送先照合プログラム30は、まず、図11に示すような未印字の発送伝票Shに、第1の識別子M1を印刷する処理を実行する(ステップS02)。具体的には、発送先照合装置100のCPU10が、伝票番号リスト38から読み出した伝票番号をバーコードM1に変換し、伝票番号リスト38の順番に従って各発送先について印刷するようにプリンタ52を制御する。
【0065】
図12は、図11に示す未印刷の発送伝票ShにバーコードM1を印刷した後の状態を示す図である。なお、図11および図12に示す発送伝票Shは一枚綴りとなっているが、発送伝票Shが複数綴りの状態で印刷し、その後で一枚ずつ切り離すようにしてもよい。
【0066】
図10に示すステップS02の処理により、発送伝票Shには、図12に示すような、バーコードM1の他、発送先・発送元の住所などが共に印刷される。なお、発送伝票Shは、送り状P1と受領書P2に分かれており、受領書P2は各高校(発送先)で受領印を押してもらった後、運送業者が控えとして保存するために分離できる構造となっている。
【0067】
つぎに、発送先照合プログラム30は、第2の識別子である連番の生成処理を行う(ステップS04)。例えば、図7に示すように、伝票番号リスト38の伝票番号に対応して順に、学科単位で連番を「1、2、3、…」と付与していく。なお、各学部単位や全ての学部を単位として連番を付与してもよい。
【0068】
さらに、CPU10は、ステップS04で生成された連番DM2(第2の識別子M2の元データ)を、伝票番号リスト38から抽出した伝票番号DM1(第1の識別子M1の元データ)に対応付けて、図7に示す照合データベース32に記憶する(ステップS06)。
【0069】
つぎに、CPU10は、冊子印刷用ファイル40のデータを読み出して、挨拶冊子を構成する各頁の印刷を、複数の発送先(例えば、文学部の受験に関連する高校全て等)について順番に行い、同時に第2の識別子であるバーコードM2を所定の用紙(例えば、挨拶冊子の表紙)に印刷する(ステップS08)。なお、この実施形態において、挨拶冊子B0の印刷は、例えば、図7に示す大学の学部全て、文学部全て、文学部の学科単位毎など、所定の範囲に分けて行うことができる。なお、挨拶冊子は、発送する全ての高校に送られる冊子であって、他に封入される資料があっても、図5に示すように、その表紙が開口窓Wiから認識可能なように封筒Enの最も表側に自動的または手作業により封入される。
【0070】
図13に、バーコードM2が表紙に印刷された挨拶冊子B0の具体例を示す。図13に示す挨拶冊子B0は、プリンタ52で複数頁に渡って印刷した書類を作業者が丁合することで作成される。なお、図13に示すように、図9に示す発送先リスト36からデータを読み出すことにより、高校の名称などは発送先毎に印刷内容に反映されている。
【0071】
また、図13に示す挨拶冊子B0の表紙だけが、異なる色(例えば、青色)の用紙に印刷される。具体的には、表紙を印刷するのに青色の用紙をセッティングした用紙トレイを用い、その他の書類を印刷するのに白色の用紙をセッティングして用紙トレイを用いればよい。このように表紙だけを異なる色で印刷した場合、連続で印刷してから丁合する際に区切りが見やすくなり、複数の冊子となる書類を印刷した後で、作業者が丁合を行いやすいという利点がある。
【0072】
さらに、作業者は、図13に示す挨拶冊子B0の表紙に印刷された封入物の資料一覧リストLiを参照して発送内容物の封入作業を行う。さらに、発送伝票Shが封筒Enに貼り付けられて発送物150に一体化される(ステップS10)。なお、図13に示すように、異なる色(例えば、青色)の表紙に封入物の資料一覧リストLi(発送伝票リスト38からデータを抽出)を印刷しておくことで、手作業により封入する際に丁合すべき冊子を確認しながら丁合作業や資料の封入作業を容易に行うことが可能である。
【0073】
例えば、図2bに示すように、図8に示す発送内容物リスト34に基づく所定の資料、例えば、文学部・英文学科を受験する場合、丁合された挨拶冊子B0の他、既製本である大学案内B1、履修要項B2等が封筒Enに封入される(図2bの工程a)。さらに、図2bに示すように、上記封入作業の際に発送伝票Shが封筒Enに貼り付けられ(図2bの工程b)、発送物150として一体化される(図2bの工程c)。これにより、図5に示すような、発送先の照合を行う際の発送物150が完成する。
【0074】
さらに、作業者が、重量計56(図6)により発送物150の重量を測定し、例えば、各資料の重さを記憶したテーブルなど等から算出した総重量と比較することで、重量チェックが行われる(ステップS12)。なお、同封される受験資料の学部と学科が同じで、かつ、受験者数も同じ発送物と重量が同じかどうかを比較することで簡単に重量チェックを行ってもよい。
【0075】
また、重量チェック工程(ステップS12)を作業者が行うこととしたが、搬送手段等を備えた装置を用いて自動的に行うようにしてもよい。さらに、図10に示す重量チェック工程(ステップS12)を、以下に示す照合処理(ステップS14)の後に行ってもよい。
【0076】
次に、バーコードリーダー54等を用いて照合処理が行われる(ステップS14)。図14は、発送先照合プログラム30が行う照合処理(ステップS14)の詳細を示す図である。
【0077】
図14に示すように、まず、作業者がバーコードリーダー54を用いて、バーコードM1を読み取ることにより、元データが取得され(ステップS16)、さらにバーコードM2を読み取ることにより元データが取得される(ステップS18)。ここで取得した各元データはRAM12(図6)に一時的に記憶される。
【0078】
さらに、図14に示すように、CPU10は、照合データベース30を参照して、ステップS16およびステップS18で取得した各元データが対応するか否かを判断する(ステップS20)。具体的には、ステップS16、S18で読み出したバーコードM1、バーコードM2の何れか一方の元データが、照合データベース30に記憶された伝票番号DM1、連番DM2のデータと一致するかを検索し、何れかの元データが記憶されている場合には、さらに他方のバーコードの元データが照合データベース30に対応して記憶されたものと一致するか否かを照合する。
【0079】
各元データが、照合データベース30に対応して記憶されている場合には(ステップS20のYes)、発送先が一致していると判断される。さらに、全ての発送物について照合処理が完了するまで(ステップS24のYes)、ステップS16に戻って処理が繰り返される。なお、全ての発送物について照合処理が完了したか否かを判断するためには、照合データベース32に照合処理が済んだことを示すフラグを立てればよい。
【0080】
一方、ステップS16、S18で取得した各元データが、照合データベース30に対応して記憶されていない場合には(ステップS20のNo)、アラームと共にディスプレイ上に発送先エラーの表示が行われる(ステップS22)。図15に、発送先エラー表示150の例を示す。
【0081】
さらに、照合の結果、照合データベース30に対応して記憶されていない発送物150については、作業者が開封して内容物を再びチェックする。なお、図15に示すように、発送物エラーの表示が行われた内容物のチェックは、エラー表示の度に行ってもよく、後でまとめて行うことも可能である。
【0082】
その後は、全ての発送物について照合処理が完了するまで(ステップS24のYes)、ステップS16に戻って処理を繰り返す。
【0083】
図14に示す発送先照合プログラム30による照合処理が終わると、図7に示すように、印刷事業者120は、発送を運送業者130に依頼し、発送物150が各高校140に発送される。
【0084】
[その他の実施形態]
なお、上記実施形態では、印刷事業者120(図2a)が発送伝票150に第1の識別子M1を所定の順番で印刷することとしたが、運送業者130(図2a)が予め第1の識別子M1を印刷した発送伝票Shを印刷事業者120に提供してもよい。この場合、伝票番号リスト38(図6)のデータは運送業者130から取得してもよいが、運送業者130から取得せずに、印刷事業者120が発送伝票Shに印刷されたバーコードM1をバーコードリーダー54を用いて順に読み取って自ら伝票番号リスト38を生成することも可能である。
【0085】
なお、上記実施形態では、パーソナルコンピュータ(PC)50、プリンタ52、バーコードリーダー54などを用いて本発明を実現したが、図16に示すように、インターネット等のネットワーク70を介して接続されるバーコードリーダー82と発送先照合サーバ60を用いたシステムにより発送先の照合を行うようにしてもよい。
【0086】
図16に示す発送先照合システム200は、CPU10、RAM12、ディスプレイ14、ハードディスク16、キーボード/マウス18、通信回路22などを備えた発送先照合サーバ60と、インターネットなどのネットワーク70を介して接続されるクライアント端末80のバーコードリーダー82とで構成される。
【0087】
図16に示すように、ハードディスク16には、少なくとも発送先照合プログラム30、照合データベース32が記憶されおり、バーコードリーダー82で読み出された第1の識別子M1および第2の識別子M2の元データは、発送先照合サーバ60に送信され、照合処理(図10と同様の処理)の結果がクライアント端末80に返送される。
【0088】
なお、上記実施形態では、図10のステップS10に示すように、第1の識別子M1などを印刷した発送伝票Shを封筒Enに順に貼り付けることしたが、発送伝票Shを封筒Enに一体的に設けた状態(発送伝票Shを封筒Enに予め貼り付ける、封筒Enと発送伝票Shの同一の素材で作成するなど)で第1の識別子M1などを印刷してもよい。
【0089】
なお、上記実施形態では、識別子としてバーコードを用いたが、これに限定されるものではなく、他の識別子(例えば、QRコード等)を識別子として用いてもよい。
【0090】
なお、上記実施形態では、照合処理の前に重量チェック(図10のステップS12)を行うこととしたが、重量チェックを行わないようにしてもよい。
【0091】
なお、上記実施形態では、図2bに示す冊子の丁合・資料の封入工程a、貼り付け工程bおよび発送物150を完成する工程cを作業者が手作業で行うこととしたが、搬送手段等を備えた装置を用いて自動的に行うようにしてもい。
【0092】
なお、上記実施形態では、連番を生成して第2の識別子の元データDM2としたが、第2の識別子は連番に限定されるものではなく、連番に高校コードを付加したデータ(例えば、図7に示す○○西高等学校の場合、連番「0001」に高校codeを「01102K」を付加したデータ「000101102K」)を生成するなど他の方法で生成したデータを第2の識別子の元データDM2としてもよい。
【0093】
なお、上記実施形態では、開口窓Wiを有する封筒Enを用いることとしたが(図5)、これに限定されるものではなく、例えば、封筒Enの全体または一部(第2の識別子M2の印刷位置に対応する部分)を透明の素材により成形してもよい。
【0094】
なお、上記実施形態では、バーコードM2をバーコードM1とは異なるITFタイプで印刷したが、これらに限定されるものではなく、バーコードM1とM2とを同じタイプのバーコードで印刷してもよい。また、上記実施形態では、バーコードM1をNW-7(CODABAR)タイプで印刷し、バーコードM2をバーコードM1とは異なるITFタイプで印刷したが、これらに限定されるものではなく、それぞれ他のタイプのバーコードで印刷しても良い。
【符号の説明】
【0095】
B02・・・・第1の識別子印刷手段
B04・・・・第2の識別子生成手段
B06・・・・照合データ記憶部
B08・・・・第2の識別子印刷手段
B10・・・・識別子読取手段
B12・・・・照合手段
B14・・・・出力手段
【技術分野】
【0001】
この発明は、郵送または運送の際に、発送物とその発送先の齟齬が生じるのを未然に防止するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
郵送または運送で複数の発送先に異なった発送物を発送する際、発送元で誤った発送物を封入したり、発送先を間違えて印字する等により、発送物と発送先の齟齬を生じる場合がある。このため、発送先の齟齬を防止するための技術が従来から存在する(特許文献1、2)。特許文献1、2において発送先齟齬防止のために行われる処理の概要を、それぞれ図17A、Bに示す。
【0003】
特許文献1の技術では、図17Aに示すように、まず、表紙に識別子を付した帳票が印刷、丁合、製本され(S200)、封筒に封入封緘される(S202)。さらに、封筒に封入された帳票に付された識別マークをキーとしてデータベースを参照して発送先の住所などを伝票に印刷し(S204)、印刷した伝票を封筒に貼り付ける(S206)ようにしている(特許文献1の明細書、段落番号0015など)。
【0004】
特許文献2の技術では、図17Bに示すように、まず、発送しようとするICカードとこれを添付する台紙が順に積み上げてセットされ(S210)、搬送されたICカードのICと台紙のバーコードからそれぞれデータが読み取られる(S212)。さらに、ICカードから読み出した情報と、当該ICカードを貼り付ける台紙に表示された発送先の情報とが一致しているか否かを照合し(S214)、その結果、これらの情報が一致している場合にICカードを台紙に貼り付ける(S216)ようにしている(特許文献2の明細書、段落番号0019など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−276940号公報
【特許文献2】特開2000−67178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術では、図17Aに示すように、封入作業の後に識別マークをキーとして抽出した発送先の住所などのデータを伝票に印刷して貼り付けるという構成を採用しており(図17AのS204、S206)、封入作業と発送先の印刷工程および伝票の貼付工程を一連の工程で行う必要がある。このため、発送先の齟齬が生じ難いという利点はあるが、(i)封入作業の後に伝票を印刷し、封筒に貼り付ける工程が必要となり装置全体の構成が複雑かつ大規模になる、(ii)多くの発送物について封入作業を全て終えた後に、発送元の照合だけを一括して簡単に行いたいような場合に用いることができない(例えば、発送内容物の封入作業と発送先の照合作業とを異なる事業者が行う必要がある場合等)、といった問題がある。
【0007】
特許文献2の技術でも、ICカードから読み出した情報と、台紙に表示された発送先の情報とが一致するかを照合した後、一連の工程でICカードを台紙に貼り付けるようにしているため(図17BのS214、S216)、特許文献1の技術と同様に上記(i)(ii)示すような問題がある。また、特許文献2の技術では、台紙に印刷されたバーコードとICカードからそれぞれ異なる読取装置を用いてデータを読み出す必要があり(S212)、さらに装置の構成が複雑になる。
【0008】
一方で、同一の識別子を発送物と発送伝票にそれぞれ印刷し、発送物を発送伝票に貼り付けなどした状態でこれらの識別子を読み取って照合するような場合には、単一の読取端末で読み取りが可能で、かつ、照合の後に貼り付け工程や印刷工程を別途設ける必要も無いが、不注意により片方のバーコードだけ二度読み取った時に、誤って発送先が一致すると判断してしまうおそれがある。さらに、運送業者などで用いられる発送伝票には、通常、配送状況を確認するためのバーコードが予め印刷されているが、配送状況を確認する用途以外には用いられていなかった。
【0009】
この発明は、所定の伝票番号を示す第1の識別子とは異なる第2の識別子を新たに生成して照合に用いることで、発送先ごとに様々な発送物を発送する場合であっても、発送先の齟齬を未然に防止することが可能な発送先照合装置を簡易な構成によって実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)この発明の発送先照合装置は、
発送伝票に第1の識別子を印刷した発送物と、当該発送物の発送先とが一致するか否かを発送元において照合するための発送先照合装置であって、
所定の伝票番号示す前記第1の識別子と読取形式が同種で、かつ、内容を表すデータが異なる第2の識別子を各発送先毎に生成する第2の識別子生成手段、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とを対応付けて記憶する照合データ記憶部、
前記第2の識別子を前記所定の順番で発送物に印刷する第2の識別子印刷手段、
前記第1の識別子および前記第2の識別子からデータを読み取るための識別子読取手段、
前記照合データ記憶部を参照し、前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かを照合する照合手段、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かの結果を出力する出力手段、
を備えたこと、を特徴とする。
【0011】
これにより、予め発送伝票に印刷されたバーコードと異なるデータを示すバーコードを発送物に印刷し照合に用いることで、発送物が誤った発送先に送られるのを未然に防ぐことが可能な発送先照合装置を簡素な構成で提供することができる。また、照合対象のバーコードが異なるデータとなっているため、片方のバーコードを2度読み取ってしまったような場合でも、照合が正常に完了したと誤って判断するのを防止できる。
【0012】
(2)この発明の発送先照合装置は、
発送物と、当該発送物の発送先とが一致するか否かを発送元において照合するための発送先照合装置であって、
所定の伝票番号を示す第1の識別子を発送伝票に所定の順番で印刷する第1の識別子印刷手段、
前記第1の識別子と読取形式が同種で、かつ、識別子に変換される前の元データが前記第1の識別子と異なる第2の識別子を各発送先毎に生成する第2の識別子生成手段、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とを対応付けて記憶する照合データ記憶部、
前記第2の識別子を前記所定の順番で発送物に印刷する第2の識別子印刷手段、
前記第1の識別子および前記第2の識別子からデータを読み取るための識別子読取手段、
前記照合データ記憶部を参照し、前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かを照合する照合手段、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かの結果を出力する出力手段、
を備えたこと、を特徴とする。
【0013】
これにより、読取形式が同種で、かつ異なるデータ内容を表すバーコードを発送伝票と発送物にそれぞれ印刷し照合に用いることで、発送物が誤った発送先に送られるのを未然に防ぐことが可能な発送先照合装置を簡素な構成で提供することができる。また、照合対象のバーコードが異なるデータとなっているため、片方のバーコードを2度読み取ってしまったような場合でも、照合が正常に完了したと誤って判断するのを防止できる。
【0014】
(3)この発明の発送先照合装置は、
前記第2の識別子生成手段が、前記第2の識別子を連番として生成し、
前記第2の識別子印刷手段が、前記連番に対応して第2の識別子を順に印刷すること、を特徴とする。
【0015】
これにより、所定の順番で発送伝票に印刷されるバーコード(第1の識別子)とは別に連番として生成したバーコード(第2の識別子)を発送物に順に印刷することにより、発送伝票と発送物を正しく対応付けて貼り付けなどすることが可能となる。
【0016】
(4)この発明の発送先照合装置は、
前記発送物が、開口窓を有する封筒に封入されており、
前記第2の識別子印刷手段が、封筒に封入したときに前記第2の識別子を前記封筒の開口窓から認識可能な所定位置に印刷し、
前記照合手段が、発送伝票に印刷された前記第1の識別子と、前記封筒の開口窓から認識可能な位置に印刷された第2の識別子とが対応するか否かを照合すること、
を特徴とする。
【0017】
これにより、封筒の開口窓から認識可能な位置に印刷したバーコード(第2の識別子)を用いて照合することにより、発送物が誤った発送先に送られるのを未然に防ぐことが可能な発送先照合装置を簡素な構成で提供することができる。
【0018】
(5)この発明の発送先照合装置は、さらに、
前記各発送物の重量を測定し、発送物の内容が共通するものと重量が同じであるか否かを判定する重量判定手段、
を備えたこと、を特徴とする。
【0019】
これにより、発送物の重量に基づいて補助的な照合を行うことが可能となり、発送物が誤った発送先に送られるのをさらに未然に防ぐことがことができる。
【0020】
(6)この発明の発送先照合装置は、
前記発送物が、複数頁の書類または冊子であり、表紙となる頁だけを異なる色の用紙を用いて印刷すること、
を特徴とする。
【0021】
これにより、複数の発送先について一度にまとめて複数頁の書類を印刷したような場合でも、発送先毎に異なる色の用紙で仕切ることが可能となり、作業者が複数の冊子を丁合する作業に便利である。
【0022】
(7)この発明の発送先照合装置は、
前記第1の識別子が、特定業者から取得した伝票番号リストのデータをバーコードに変換することにより生成されること、
を特徴とする。
【0023】
これにより、運送業者等が配達状況の管理に使用するバーコードを利用して、発送される内容物と発送先の照合作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1a】印刷業者(本発明の発送先照合装置を所有)が発送物の封入作業および照合作業を委託された場合に行う処理や作業の概要を示す図である。
【図1b】印刷業者(本発明の発送先照合装置を所有)が発送物の封入作業および照合作業を委託された場合に行う処理や作業の概要を示す図である。
【図2a】発送先に発送物が到着するまでの手順を示す図である。
【図2b】発送する内容物の仕分け・封入工程、および発送物の完成工程の流れを示す図である。
【図3】本発明の発送先照合装置100のブロック図である。
【図4】印刷事業者で行われる作業および処理を示すフローチャートである。
【図5】封入作業後の発送物150の状態を示す図である。
【図6】本発明の発送先照合装置100のハードウェア構成を示す図である。
【図7】照合データベース32に記憶されるデータの具体例を示す図である。
【図8】発送内容物リスト34に記憶されるデータの具体例を示す図である。
【図9】発送先リスト36に記憶されるデータの具体例を示す図である。
【図10】発送先照合プログラム30が行う処理を示すフローチャートである。
【図11】第1の識別子を印刷する前の発送伝票の具体例を示す図である。
【図12】第1の識別子を印刷した後の発送伝票の具体例を示す図である。
【図13】発送物として封入される冊子の表紙に第2の識別子を印刷した状態を示す図である。
【図14】照合処理(ステップS14)の詳細を示すフローチャートである。
【図15】ディスプレイ上に表示される発送先エラー表示の例を示す図である。
【図16】他の実施形態におけるハードウェア構成を示す図である。
【図17】従来技術において発送先齟齬防止のために行われる処理の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[発明の概要]
最初に、図1aおよび図1bを用いて、発送物である封入書類の印刷・封入作業や発送先の照合作業の委託を受けた印刷業者が本発明の発送先照合装置を用いて行う処理や作業の概要について説明する。なお、図1aおよび図1bに示す例において、発送先は高校であり、発送元は各高校に対して推薦入試を実施する大学であって、発送物である封入書類は推薦入試の資料である。
【0026】
まず、印刷事業者は、高校ごとの推薦学科・人数データTable1、学科ごとの封入書類データTable2のほか、印刷物内容データ・高校住所データなどを入手する(図1aのステップS300)。次に、印刷事業者は、学科ごと、高校ごと(発送単位ごと)にデータを並べて封入順テーブルTable3を作成し、自社管理番号を付す(図1aのステップS302)。
【0027】
続いて、印刷事業者は、運送業者より荷物送り状(発送伝票)Shを入手し、あわせて運送業者指定の指定管理番号データData1を入手する(図1aのステップS304)。指定管理番号データは、運送業者が荷物の発送状況を管理するためのデータであり、各荷物送り状につきそれぞれ異なる指定管理番号データが割り当てられる。さらに、封入順テーブルTable3の自社管理番号データData2に指定管理番号データData1を対応付け、併せて記憶する(図1aのステップS306)。
【0028】
また、印刷事業者は、封入順テーブルTable3の順に、各高校の住所データに基づいて送り状(発送伝票)Shに宛先を印刷する。この時、あわせて封入書類の表紙頁に運送業者の指定管理番号Data1をバーコードM1として印刷する(図1aのステップS308)。
【0029】
また、印刷事業者は、封入順テーブルTable3の順に、人数も考慮して印刷物内容データに基づき、封入書類を印刷する。この時、あわせて自社管理番号Data2をバーコードM2として印刷する(図1bのステップS310)。これにより、図1bに示すように、A学科のα高校、γ高校、δ高校、ε高校、B学科のβ高校…の順に封入書類が印刷される。
【0030】
印刷した封入書類と、別途印刷済みの封入書類は、自社管理番号Data2のバーコードM2が印刷された表紙頁を一番上にして、窓あき封筒に封入順テーブルTable3の順に封入される(図1bのステップS312)。したがって、封筒の窓部分から、自社管理番号Data2が見られる状態で、書類が封入されることになる。さらに、送り状(発送伝票)Shが窓あき封筒に封入順テーブルTable3の順に貼り付けられる(図1bのステップS314)。
【0031】
最後に、封入が正しく行われたか否かをチェックする(図1bのステップS316)。まず、バーコードリーダーで送り状の指定バーコードM1を読み取る。さらに、封筒の窓を介してバーコードM2を読み取る。そして、読み取った両データの対応が封入順テーブルに記憶された指定管理番号Data1と自社管理番号Data2と合致しているか判断する。例えば、バーコードリーダーで読み取ったバーコードM1のデータが「J001」で、バーコードM2のデータが「K001」であれば、封入順テーブルTable3に対応して記憶されているため(図1bに斜線で示す)、封入が正しく行われたと判断される。封入が正しく行われていれば、発送物は運送業者に引き渡される。
【0032】
なお、図1bに示す封入書類の印刷例では、封入書類の印刷を封入順テーブルTable3に記憶された学科(例えば、A学科、B学科、…)の順に行うこととしたが、各高校毎(複数の学科を含む)に封入書類をまとめて印刷するようにしてもよい。例えば、図1aに示す封入順テーブルTable3に記憶されたデータを各高校についてソートしておき、図1bのステップS310において、α高校(A学科のみ:2人分)、β高校(B学科のみ:1人分)、γ高校(A学科:3人分を印刷し、続けてB学科:2人分)の順に印刷することもできる。
【0033】
これにより、さらに図1bのステップS312において、高校単位(複数の学科を含めたもの)で封入書類を封入することで、学科毎に各高校の封入書類を封入した場合よりも発送費用を低減することができる。
【0034】
[実施例]
つぎに、指定校推薦入試を実施する大学(発送元)から各高校(発送先)に対して受験資料(発送物)を送付する場合の実施例を、図2a〜図5などを用いて説明する。
【0035】
図2aは、発送物が発送先に到着するまでの手順を示す図である。図2bは、図2aに示す印刷事業者120において行われる発送物の仕分け・封入工程などの内容を示す図である。図3は、本発明の発送先照合装置のブロック図である。図4は、図2aに示す印刷事業者120において行われる作業および処理を示すフローチャートである。図5は、発送する受験資料が封入され、かつ、発送伝票が貼り付けられた状態の発送物150を示す図である。
【0036】
図2aに示すように、まず、印刷事業者120は、指定校推薦入試を実施する大学110(発送元)から、発送内容物リスト34や、高校140(発送先)の名称、住所などを示す発送先リスト36のデータを予め入手する(図2aに示す手順1)。なお、発送内容物リスト34には、発送物150として封筒などに封入される受験資料(内容物)のリストが、発送先リスト36には、発送先140である各高校(発送先)の名称、住所などのデータが示されている。
【0037】
また、印刷事業者120は、運送業社130から発送に必要な量の発送伝票Shと、伝票番号リスト38のデータを予め入手する(図2aに示す手順2)。なお、伝票番号リスト38には、発送伝票Shに第1の識別子M1を印刷するために必要な伝票番号であって、運送業者130が配達状況を確認するために用いるものが示されている。
【0038】
上記手順1および手順2(図2a)を済ませると、印刷事業者120が有する発送先照合装置100は、図4に示す以下のような処理を行う。
【0039】
図3に示す発送先照合装置100が備える第1の識別子印刷手段B02は、まず、発送伝票Shに運送業者130が用いる第1の識別子M1などを印刷する処理を実行する(図4のステップS102)。具体的には、図2aに示す伝票番号リスト38に示された複数の伝票番号を第1の識別子M1(バーコードなど)に変換し、これを伝票番号リスト38の順に発送伝票Sh(図5)に印刷する。
【0040】
つぎに、図3に示す第2の識別子生成手段B04は、伝票番号リスト38から読み出した複数の伝票番号に対応する第2の識別子M2(図2a)を生成する処理を行う(図4のステップS104)。また、照合データ記憶部B06には、伝票番号リスト38から読み出した複数の伝票番号に対応付けて、第2の識別子M2を示すデータが記憶される(図4のステップS106)。
【0041】
さらに、第2の識別子印刷手段B08は、複数の発送先について第2の識別子M2を所定の用紙(例えば、図2bに示す挨拶冊子B0の表紙)などに順番に印刷する(図4のステップS108)。
【0042】
また、作業者は、発送内容物リスト34の内容を参照して発送内容物の封入作業を行い、第1の識別子M1を印刷した発送伝票Shが封入した封筒Enに貼り付けられる(図4のステップS110)。
【0043】
例えば、図2bに示すように、丁合され製本された挨拶冊子B0の他、既製本である大学案内B1、履修要項B2等(発送内容物リスト34に封入資料として挙げられたもの)が封筒Enに封入される(図2bの丁合・封入工程a)。さらに、発送伝票Shが封筒Enに貼り付けられ(図2bの貼付工程b)、最終的に、図5に示すような発送物150ができあがる(図2bの発送物完成工程c)。図5は、発送物完成工程cを終えた発送物150の具体例を示す図である。
【0044】
作業者は、識別子読取手段B10(バーコードリーダーなど)を用いて、発送物150の第1の識別子M1および第2の識別子M2(図5を参照)からデータを読み取る(図4のステップS112)。照合手段B12は、照合データ記憶部B06を参照して、第1の識別子M1および第2の識別子M2のデータが対応するか否かを判断する(図4のステップS114)。
【0045】
ここで、第1の識別子M1および第2の識別子M2から読み取った各データが、照合データ記憶部B06に対応して記憶されていない場合には、発送先が一致していないと判断され、その旨が出力手段B14(ディスプレイなど)により結果として出力される(図4のステップS116)。
【0046】
印刷事業者120は、以上のように発送物150の封入、発送先の照合を行った後、発送物150を運送業者130に引き渡す(図2aに示す手順3)。
【0047】
さらに運送業者130に引き渡された発送物150は、発送伝票Shに記載された発送先の住所などの表示に従って、運送業者130により各高校140(図2aの高校A、高校B)に届けられる(図2aに示す手順4)。
【0048】
[発送先照合装置のハードウェア構成]
図6に、この発明の発送先照合装置100のハードウェア構成を示す。
【0049】
図6に示すように発送先照合装置100は、CPU10、RAM12、ディスプレイ14、ハードディスク16、キーボード/マウス18、CD−I/Oポート20などを備えたパーソナルコンピュータ(PC)50と、I/Oポート20を介してPC50に外部接続されるプリンタ52、バーコードリーダー54とで構成される。
【0050】
図6に示すように、ハードディスク16には、発送先照合プログラム30、照合データベース32、発送内容物リスト34、発送先リスト36、伝票番号リスト38、冊子印刷用ファイル40が記憶されている。なお、これらのデータは、CD−ROM等の記録媒体を介してハードディスク16にインストールまたはコピーされる。
【0051】
パーソナルコンピュータ(PC)50のハードディスク16に記憶された発送先照合プログラム30は、パーソナルコンピュータ(PC)50、プリンタ52、バーコードリーダー54を、図3に示す各手段として機能させるための各処理を実行するためのプログラムであり、伝票番号を所定形式(JAN(EAN、UPC)、ITF、CODE39、NW-7(CODABAR)、CODE128など)のバーコードに変換する等の処理能力を有する。
【0052】
プリンタ52は、識別子であるバーコードを発送伝票や発送物である書類、冊子などの所定位置に印刷するようにCPU10によって制御される。なお、プリンタ52が、図3の第1の識別子印刷手段B02および第2の識別子印刷手段B08に対応する。
【0053】
バーコードリーダー54には、照合の対象であるバーコード(図5に示すM1、M2)からデータを読み取ることが可能な一般的な端末が用いられる。具体的には、検知して読み取った所定形式のバーコードを元データに変換してPC50に出力する処理を行う。なお、バーコードリーダー54が図3の識別子読取手段B10に対応に対応する。
【0054】
なお、図5に示すバーコードM1の種類は、発送伝票に付される一般的なNW-7(CODABAR)タイプであり、バーコードM2の種類は、標準物流コードとしてJIS化されているITFタイプであるため、両バーコードの種類は異なっているが、バーコードリーダー54は、何れの読取形式にも対応しているため何れのデータも読み取ることが可能である。
【0055】
照合データベース32は、発送伝票Shに印刷されたバーコードM1(図5)と発送物150に付されたバーコードM2(図5)から読み出した各データが対応するか否かを照合する際に参照されるデータベースである。ハードディスク16の照合データベース32に記憶されるデータの具体例を、図7に示す。
【0056】
図7に示すように、照合データベース32には、第1の識別子のデータ内容を示す伝票番号DM1に対応付けて、第2の識別子のデータ内容を示す連番DM2のデータが記憶される他、高校コード、学校名、人数のデータなどが記憶されている。なお、照合データベース32が図3の照合データ記憶部B06に対応する。
【0057】
発送内容物リスト34は、発送する内容物として封入する必要がある冊子、書類などの内容を記憶したデータである。発送内容物リスト34に記憶されるデータの具体例を、図8に示す。
【0058】
図8に示すように、発送内容物リスト34には、指定校推薦を実施する大学の学部・学科の種別に対応して、発送物150として封入する必要がある冊子、書類、資料などの各項目にフラグが立てられ、記憶されている。例えば、文学部・英文学科の受験者が割り当てられた高校に対しては、図8の発送内容物リスト34より、「挨拶冊子」、「大学案内」、「履修要項」、「出願用書類」、「シラバス・講義概要(CD−ROM)」、「Letters for Students」、「評定平均値の算出方法について」の資料が1つの封筒に同封して発送されることになる。
【0059】
発送先リスト36は、受験資料の発送先である高校の学校名、住所などの情報(高校データ)と大学が学部・学科毎に受け付ける受験者数を各高校毎に記憶したデータである。ハードディスク16の発送先リスト36に記憶されるデータの具体例を、図9に示す。
【0060】
図9の発送リスト36において、例えば、○○東高等学校(高校code「01101A」)に割り当てられた社会学部・教育文化学科Aの受験者数は2名であるため、当該発送先には2名分の資料が送られることになる。なお、図8の発送内容物リスト34に含まれる項目のうち、挨拶冊子は受験者数が複数人であっても各高校(発送先)に対して一部のみ封入されるが、他の項目については受験者数が複数人である場合にはその人数分の資料が同封される。
【0061】
伝票番号リスト38は、運送業者により提供される発送伝票Shにバーコードを印刷するために必要な伝票番号(バーコードに変換する前の元データ)をリスト化したデータである。具体的には、図7に示す照合データベース32に記憶されている伝票番号DM1のデータが該当する。
【0062】
冊子印刷用ファイル40は、冊子を丁合・製本するために必要な書類を印刷するためのデータである。なお、図8に示す発送リスト34に挙げられた資料のうち、挨拶冊子以外の資料は、既製本などであり印刷は不要である。
【0063】
[発送先照合プログラム30が行う処理の詳細]
図10は、発送先照合プログラム30が行う処理の内容を示すフローチャートである。なお、図10に示すフローチャートは、図2aに示す運送業者130から提供された、記入欄に何も印字されていない状態の発送伝票(図11)を用いて発送作業を行う場合の処理を示すものである。
【0064】
発送先照合プログラム30は、まず、図11に示すような未印字の発送伝票Shに、第1の識別子M1を印刷する処理を実行する(ステップS02)。具体的には、発送先照合装置100のCPU10が、伝票番号リスト38から読み出した伝票番号をバーコードM1に変換し、伝票番号リスト38の順番に従って各発送先について印刷するようにプリンタ52を制御する。
【0065】
図12は、図11に示す未印刷の発送伝票ShにバーコードM1を印刷した後の状態を示す図である。なお、図11および図12に示す発送伝票Shは一枚綴りとなっているが、発送伝票Shが複数綴りの状態で印刷し、その後で一枚ずつ切り離すようにしてもよい。
【0066】
図10に示すステップS02の処理により、発送伝票Shには、図12に示すような、バーコードM1の他、発送先・発送元の住所などが共に印刷される。なお、発送伝票Shは、送り状P1と受領書P2に分かれており、受領書P2は各高校(発送先)で受領印を押してもらった後、運送業者が控えとして保存するために分離できる構造となっている。
【0067】
つぎに、発送先照合プログラム30は、第2の識別子である連番の生成処理を行う(ステップS04)。例えば、図7に示すように、伝票番号リスト38の伝票番号に対応して順に、学科単位で連番を「1、2、3、…」と付与していく。なお、各学部単位や全ての学部を単位として連番を付与してもよい。
【0068】
さらに、CPU10は、ステップS04で生成された連番DM2(第2の識別子M2の元データ)を、伝票番号リスト38から抽出した伝票番号DM1(第1の識別子M1の元データ)に対応付けて、図7に示す照合データベース32に記憶する(ステップS06)。
【0069】
つぎに、CPU10は、冊子印刷用ファイル40のデータを読み出して、挨拶冊子を構成する各頁の印刷を、複数の発送先(例えば、文学部の受験に関連する高校全て等)について順番に行い、同時に第2の識別子であるバーコードM2を所定の用紙(例えば、挨拶冊子の表紙)に印刷する(ステップS08)。なお、この実施形態において、挨拶冊子B0の印刷は、例えば、図7に示す大学の学部全て、文学部全て、文学部の学科単位毎など、所定の範囲に分けて行うことができる。なお、挨拶冊子は、発送する全ての高校に送られる冊子であって、他に封入される資料があっても、図5に示すように、その表紙が開口窓Wiから認識可能なように封筒Enの最も表側に自動的または手作業により封入される。
【0070】
図13に、バーコードM2が表紙に印刷された挨拶冊子B0の具体例を示す。図13に示す挨拶冊子B0は、プリンタ52で複数頁に渡って印刷した書類を作業者が丁合することで作成される。なお、図13に示すように、図9に示す発送先リスト36からデータを読み出すことにより、高校の名称などは発送先毎に印刷内容に反映されている。
【0071】
また、図13に示す挨拶冊子B0の表紙だけが、異なる色(例えば、青色)の用紙に印刷される。具体的には、表紙を印刷するのに青色の用紙をセッティングした用紙トレイを用い、その他の書類を印刷するのに白色の用紙をセッティングして用紙トレイを用いればよい。このように表紙だけを異なる色で印刷した場合、連続で印刷してから丁合する際に区切りが見やすくなり、複数の冊子となる書類を印刷した後で、作業者が丁合を行いやすいという利点がある。
【0072】
さらに、作業者は、図13に示す挨拶冊子B0の表紙に印刷された封入物の資料一覧リストLiを参照して発送内容物の封入作業を行う。さらに、発送伝票Shが封筒Enに貼り付けられて発送物150に一体化される(ステップS10)。なお、図13に示すように、異なる色(例えば、青色)の表紙に封入物の資料一覧リストLi(発送伝票リスト38からデータを抽出)を印刷しておくことで、手作業により封入する際に丁合すべき冊子を確認しながら丁合作業や資料の封入作業を容易に行うことが可能である。
【0073】
例えば、図2bに示すように、図8に示す発送内容物リスト34に基づく所定の資料、例えば、文学部・英文学科を受験する場合、丁合された挨拶冊子B0の他、既製本である大学案内B1、履修要項B2等が封筒Enに封入される(図2bの工程a)。さらに、図2bに示すように、上記封入作業の際に発送伝票Shが封筒Enに貼り付けられ(図2bの工程b)、発送物150として一体化される(図2bの工程c)。これにより、図5に示すような、発送先の照合を行う際の発送物150が完成する。
【0074】
さらに、作業者が、重量計56(図6)により発送物150の重量を測定し、例えば、各資料の重さを記憶したテーブルなど等から算出した総重量と比較することで、重量チェックが行われる(ステップS12)。なお、同封される受験資料の学部と学科が同じで、かつ、受験者数も同じ発送物と重量が同じかどうかを比較することで簡単に重量チェックを行ってもよい。
【0075】
また、重量チェック工程(ステップS12)を作業者が行うこととしたが、搬送手段等を備えた装置を用いて自動的に行うようにしてもよい。さらに、図10に示す重量チェック工程(ステップS12)を、以下に示す照合処理(ステップS14)の後に行ってもよい。
【0076】
次に、バーコードリーダー54等を用いて照合処理が行われる(ステップS14)。図14は、発送先照合プログラム30が行う照合処理(ステップS14)の詳細を示す図である。
【0077】
図14に示すように、まず、作業者がバーコードリーダー54を用いて、バーコードM1を読み取ることにより、元データが取得され(ステップS16)、さらにバーコードM2を読み取ることにより元データが取得される(ステップS18)。ここで取得した各元データはRAM12(図6)に一時的に記憶される。
【0078】
さらに、図14に示すように、CPU10は、照合データベース30を参照して、ステップS16およびステップS18で取得した各元データが対応するか否かを判断する(ステップS20)。具体的には、ステップS16、S18で読み出したバーコードM1、バーコードM2の何れか一方の元データが、照合データベース30に記憶された伝票番号DM1、連番DM2のデータと一致するかを検索し、何れかの元データが記憶されている場合には、さらに他方のバーコードの元データが照合データベース30に対応して記憶されたものと一致するか否かを照合する。
【0079】
各元データが、照合データベース30に対応して記憶されている場合には(ステップS20のYes)、発送先が一致していると判断される。さらに、全ての発送物について照合処理が完了するまで(ステップS24のYes)、ステップS16に戻って処理が繰り返される。なお、全ての発送物について照合処理が完了したか否かを判断するためには、照合データベース32に照合処理が済んだことを示すフラグを立てればよい。
【0080】
一方、ステップS16、S18で取得した各元データが、照合データベース30に対応して記憶されていない場合には(ステップS20のNo)、アラームと共にディスプレイ上に発送先エラーの表示が行われる(ステップS22)。図15に、発送先エラー表示150の例を示す。
【0081】
さらに、照合の結果、照合データベース30に対応して記憶されていない発送物150については、作業者が開封して内容物を再びチェックする。なお、図15に示すように、発送物エラーの表示が行われた内容物のチェックは、エラー表示の度に行ってもよく、後でまとめて行うことも可能である。
【0082】
その後は、全ての発送物について照合処理が完了するまで(ステップS24のYes)、ステップS16に戻って処理を繰り返す。
【0083】
図14に示す発送先照合プログラム30による照合処理が終わると、図7に示すように、印刷事業者120は、発送を運送業者130に依頼し、発送物150が各高校140に発送される。
【0084】
[その他の実施形態]
なお、上記実施形態では、印刷事業者120(図2a)が発送伝票150に第1の識別子M1を所定の順番で印刷することとしたが、運送業者130(図2a)が予め第1の識別子M1を印刷した発送伝票Shを印刷事業者120に提供してもよい。この場合、伝票番号リスト38(図6)のデータは運送業者130から取得してもよいが、運送業者130から取得せずに、印刷事業者120が発送伝票Shに印刷されたバーコードM1をバーコードリーダー54を用いて順に読み取って自ら伝票番号リスト38を生成することも可能である。
【0085】
なお、上記実施形態では、パーソナルコンピュータ(PC)50、プリンタ52、バーコードリーダー54などを用いて本発明を実現したが、図16に示すように、インターネット等のネットワーク70を介して接続されるバーコードリーダー82と発送先照合サーバ60を用いたシステムにより発送先の照合を行うようにしてもよい。
【0086】
図16に示す発送先照合システム200は、CPU10、RAM12、ディスプレイ14、ハードディスク16、キーボード/マウス18、通信回路22などを備えた発送先照合サーバ60と、インターネットなどのネットワーク70を介して接続されるクライアント端末80のバーコードリーダー82とで構成される。
【0087】
図16に示すように、ハードディスク16には、少なくとも発送先照合プログラム30、照合データベース32が記憶されおり、バーコードリーダー82で読み出された第1の識別子M1および第2の識別子M2の元データは、発送先照合サーバ60に送信され、照合処理(図10と同様の処理)の結果がクライアント端末80に返送される。
【0088】
なお、上記実施形態では、図10のステップS10に示すように、第1の識別子M1などを印刷した発送伝票Shを封筒Enに順に貼り付けることしたが、発送伝票Shを封筒Enに一体的に設けた状態(発送伝票Shを封筒Enに予め貼り付ける、封筒Enと発送伝票Shの同一の素材で作成するなど)で第1の識別子M1などを印刷してもよい。
【0089】
なお、上記実施形態では、識別子としてバーコードを用いたが、これに限定されるものではなく、他の識別子(例えば、QRコード等)を識別子として用いてもよい。
【0090】
なお、上記実施形態では、照合処理の前に重量チェック(図10のステップS12)を行うこととしたが、重量チェックを行わないようにしてもよい。
【0091】
なお、上記実施形態では、図2bに示す冊子の丁合・資料の封入工程a、貼り付け工程bおよび発送物150を完成する工程cを作業者が手作業で行うこととしたが、搬送手段等を備えた装置を用いて自動的に行うようにしてもい。
【0092】
なお、上記実施形態では、連番を生成して第2の識別子の元データDM2としたが、第2の識別子は連番に限定されるものではなく、連番に高校コードを付加したデータ(例えば、図7に示す○○西高等学校の場合、連番「0001」に高校codeを「01102K」を付加したデータ「000101102K」)を生成するなど他の方法で生成したデータを第2の識別子の元データDM2としてもよい。
【0093】
なお、上記実施形態では、開口窓Wiを有する封筒Enを用いることとしたが(図5)、これに限定されるものではなく、例えば、封筒Enの全体または一部(第2の識別子M2の印刷位置に対応する部分)を透明の素材により成形してもよい。
【0094】
なお、上記実施形態では、バーコードM2をバーコードM1とは異なるITFタイプで印刷したが、これらに限定されるものではなく、バーコードM1とM2とを同じタイプのバーコードで印刷してもよい。また、上記実施形態では、バーコードM1をNW-7(CODABAR)タイプで印刷し、バーコードM2をバーコードM1とは異なるITFタイプで印刷したが、これらに限定されるものではなく、それぞれ他のタイプのバーコードで印刷しても良い。
【符号の説明】
【0095】
B02・・・・第1の識別子印刷手段
B04・・・・第2の識別子生成手段
B06・・・・照合データ記憶部
B08・・・・第2の識別子印刷手段
B10・・・・識別子読取手段
B12・・・・照合手段
B14・・・・出力手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発送伝票に第1の識別子を印刷した発送物と、当該発送物の発送先とが一致するか否かを発送元において照合するための発送先照合装置であって、
所定の伝票番号示す前記第1の識別子と読取形式が同種で、かつ、内容を表すデータが異なる第2の識別子を各発送先毎に生成する第2の識別子生成手段、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とを対応付けて記憶する照合データ記憶部、
前記第2の識別子を前記所定の順番で発送物に印刷する第2の識別子印刷手段、
前記第1の識別子および前記第2の識別子からデータを読み取るための識別子読取手段、
前記照合データ記憶部を参照し、前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かを照合する照合手段、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かの結果を出力する出力手段、
を備えたこと、を特徴とする発送先照合装置。
【請求項2】
発送物と、当該発送物の発送先とが一致するか否かを発送元において照合するための発送先照合装置であって、
所定の伝票番号を示す第1の識別子を発送伝票に所定の順番で印刷する第1の識別子印刷手段、
前記第1の識別子と読取形式が同種で、かつ、識別子に変換される前の元データが前記第1の識別子と異なる第2の識別子を各発送先毎に生成する第2の識別子生成手段、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とを対応付けて記憶する照合データ記憶部、
前記第2の識別子を前記所定の順番で発送物に印刷する第2の識別子印刷手段、
前記第1の識別子および前記第2の識別子からデータを読み取るための識別子読取手段、
前記照合データ記憶部を参照し、前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かを照合する照合手段、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かの結果を出力する出力手段、
を備えたこと、を特徴とする発送先照合装置。
【請求項3】
請求項1または2の発送先照合装置において、
前記第2の識別子生成手段は、前記第2の識別子を連番として生成し、
前記第2の識別子印刷手段は、前記連番に対応して第2の識別子を順に印刷すること、
を特徴とする発送先照合装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかの発送先照合装置において、
前記発送物は、開口窓を有する封筒に封入されており、
前記第2の識別子印刷手段は、封筒に封入したときに前記第2の識別子を前記封筒の開口窓から認識可能な所定位置に印刷し、
前記照合手段は、発送伝票に印刷された前記第1の識別子と、前記封筒の開口窓から認識可能な位置に印刷された第2の識別子とが対応するか否かを照合すること、
を特徴とする発送先照合装置。
【請求項5】
請求項1〜5の何れかの発送先照合装置において、さらに、
前記各発送物の重量を測定し、発送物の内容が共通するものと重量が同じであるか否かを判定する重量判定手段、
を備えたこと、を特徴とする発送先照合装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかの発送先照合装置において、
前記発送物は、複数頁の書類または冊子であり、表紙となる頁だけを異なる色の用紙を用いて印刷すること、
を特徴とする発送先照合装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかの発送先照合装置において、
前記第1の識別子は、特定業者から取得した伝票番号リストのデータをバーコードに変換することにより生成されること、
を特徴とする発送先照合装置。
【請求項8】
発送伝票に所定の伝票番号から生成した第1の識別子を印刷した発送物と、当該発送物の発送先とが一致するか否かを発送元において照合するための発送先照合プログラムであって、
コンピュータを、
前記第1の識別子と読取形式が同種で、かつ、内容を表すデータが異なる第2の識別子を各発送先毎に生成する第2の識別子生成手段、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とを対応付けて記憶する照合データ記憶部、
前記第2の識別子を前記所定の順番で発送物に印刷する第2の識別子印刷手段、
前記第1の識別子および前記第2の識別子からデータを読み取るための識別子読取手段、
前記照合データ記憶部を参照し、前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かを照合する照合手段、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かの結果を出力する出力手段、
として機能させること、を特徴とする発送先照合プログラム。
【請求項9】
ネットワークを介して接続された照合サーバーと識別子読取端末とを用いて、発送伝票に第1の識別子を印刷した発送物と、当該発送物の発送先とが一致するか否かを発送元において照合するための発送先照合システムであって、
前記照合サーバーが、
所定の伝票番号を示す前記第1の識別子と読取形式が同種で、かつ、内容を表すデータが異なる第2の識別子を各発送先毎に生成する第2の識別子生成手段、
前記第1の識別子と発送物に順に印刷した前記第2の識別子とを対応付けて記憶する照合データ記憶部、
前記照合データ記憶部を参照し、前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かを照合する照合手段、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かの結果を出力する出力手段、を備えており、
前記識別子読取端末が、
前記第1の識別子および前記第2の識別子からデータを読み取るための識別子読取手段、を備えること、
を特徴とする発送先照合システム。
【請求項10】
発送伝票に第1の識別子を印刷した発送物と、当該発送物の発送先とが一致するか否かを発送元において照合するための発送先照合方法であって、
所定の伝票番号を示す前記第1の識別子と読取形式が同種で、かつ、内容を表すデータが異なる第2の識別子を各発送先毎に生成する第2の識別子生成ステップ、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とを対応付けて記憶する照合データ記憶ステップ、
前記第2の識別子を前記所定の順番で発送物に印刷する第2の識別子印刷ステップ、
前記第1の識別子および前記第2の識別子からデータを読み取るための識別子読取ステップ、
前記照合データ記憶部を参照し、前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かを照合する照合ステップ、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かの結果を出力する出力ステップ、
を備えたこと、を特徴とする発送先照合方法。
【請求項1】
発送伝票に第1の識別子を印刷した発送物と、当該発送物の発送先とが一致するか否かを発送元において照合するための発送先照合装置であって、
所定の伝票番号示す前記第1の識別子と読取形式が同種で、かつ、内容を表すデータが異なる第2の識別子を各発送先毎に生成する第2の識別子生成手段、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とを対応付けて記憶する照合データ記憶部、
前記第2の識別子を前記所定の順番で発送物に印刷する第2の識別子印刷手段、
前記第1の識別子および前記第2の識別子からデータを読み取るための識別子読取手段、
前記照合データ記憶部を参照し、前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かを照合する照合手段、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かの結果を出力する出力手段、
を備えたこと、を特徴とする発送先照合装置。
【請求項2】
発送物と、当該発送物の発送先とが一致するか否かを発送元において照合するための発送先照合装置であって、
所定の伝票番号を示す第1の識別子を発送伝票に所定の順番で印刷する第1の識別子印刷手段、
前記第1の識別子と読取形式が同種で、かつ、識別子に変換される前の元データが前記第1の識別子と異なる第2の識別子を各発送先毎に生成する第2の識別子生成手段、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とを対応付けて記憶する照合データ記憶部、
前記第2の識別子を前記所定の順番で発送物に印刷する第2の識別子印刷手段、
前記第1の識別子および前記第2の識別子からデータを読み取るための識別子読取手段、
前記照合データ記憶部を参照し、前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かを照合する照合手段、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かの結果を出力する出力手段、
を備えたこと、を特徴とする発送先照合装置。
【請求項3】
請求項1または2の発送先照合装置において、
前記第2の識別子生成手段は、前記第2の識別子を連番として生成し、
前記第2の識別子印刷手段は、前記連番に対応して第2の識別子を順に印刷すること、
を特徴とする発送先照合装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかの発送先照合装置において、
前記発送物は、開口窓を有する封筒に封入されており、
前記第2の識別子印刷手段は、封筒に封入したときに前記第2の識別子を前記封筒の開口窓から認識可能な所定位置に印刷し、
前記照合手段は、発送伝票に印刷された前記第1の識別子と、前記封筒の開口窓から認識可能な位置に印刷された第2の識別子とが対応するか否かを照合すること、
を特徴とする発送先照合装置。
【請求項5】
請求項1〜5の何れかの発送先照合装置において、さらに、
前記各発送物の重量を測定し、発送物の内容が共通するものと重量が同じであるか否かを判定する重量判定手段、
を備えたこと、を特徴とする発送先照合装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかの発送先照合装置において、
前記発送物は、複数頁の書類または冊子であり、表紙となる頁だけを異なる色の用紙を用いて印刷すること、
を特徴とする発送先照合装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかの発送先照合装置において、
前記第1の識別子は、特定業者から取得した伝票番号リストのデータをバーコードに変換することにより生成されること、
を特徴とする発送先照合装置。
【請求項8】
発送伝票に所定の伝票番号から生成した第1の識別子を印刷した発送物と、当該発送物の発送先とが一致するか否かを発送元において照合するための発送先照合プログラムであって、
コンピュータを、
前記第1の識別子と読取形式が同種で、かつ、内容を表すデータが異なる第2の識別子を各発送先毎に生成する第2の識別子生成手段、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とを対応付けて記憶する照合データ記憶部、
前記第2の識別子を前記所定の順番で発送物に印刷する第2の識別子印刷手段、
前記第1の識別子および前記第2の識別子からデータを読み取るための識別子読取手段、
前記照合データ記憶部を参照し、前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かを照合する照合手段、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かの結果を出力する出力手段、
として機能させること、を特徴とする発送先照合プログラム。
【請求項9】
ネットワークを介して接続された照合サーバーと識別子読取端末とを用いて、発送伝票に第1の識別子を印刷した発送物と、当該発送物の発送先とが一致するか否かを発送元において照合するための発送先照合システムであって、
前記照合サーバーが、
所定の伝票番号を示す前記第1の識別子と読取形式が同種で、かつ、内容を表すデータが異なる第2の識別子を各発送先毎に生成する第2の識別子生成手段、
前記第1の識別子と発送物に順に印刷した前記第2の識別子とを対応付けて記憶する照合データ記憶部、
前記照合データ記憶部を参照し、前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かを照合する照合手段、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かの結果を出力する出力手段、を備えており、
前記識別子読取端末が、
前記第1の識別子および前記第2の識別子からデータを読み取るための識別子読取手段、を備えること、
を特徴とする発送先照合システム。
【請求項10】
発送伝票に第1の識別子を印刷した発送物と、当該発送物の発送先とが一致するか否かを発送元において照合するための発送先照合方法であって、
所定の伝票番号を示す前記第1の識別子と読取形式が同種で、かつ、内容を表すデータが異なる第2の識別子を各発送先毎に生成する第2の識別子生成ステップ、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とを対応付けて記憶する照合データ記憶ステップ、
前記第2の識別子を前記所定の順番で発送物に印刷する第2の識別子印刷ステップ、
前記第1の識別子および前記第2の識別子からデータを読み取るための識別子読取ステップ、
前記照合データ記憶部を参照し、前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かを照合する照合ステップ、
前記第1の識別子と前記第2の識別子とが対応するか否かの結果を出力する出力ステップ、
を備えたこと、を特徴とする発送先照合方法。
【図1a】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−205036(P2010−205036A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−50640(P2009−50640)
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(506405725)大枝印刷株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(506405725)大枝印刷株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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