説明

白色蛍光体、これを用いる発光装置、及び表示装置

【課題】本発明は、望む色温度により、一定比率の赤色、緑色、青色蛍光体を含む白色蛍光体、これを含んで輝度特性が改善された発光装置、及びこの発光装置を光源として用いる表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の白色蛍光体は、ZnS:(Ag、Cl)、ZnS:(Ag、Al)、ZnS:(Ag、Al、Cl)及びこれらの組み合わせで構成された群より選択される化合物を含む青色蛍光体を40〜45質量部で含み、ZnS:(Cu、Al)、ZnS:(Cu、Au、Al)及びこれらの組み合わせで構成された群より選択される化合物を含む緑色蛍光体を30〜40質量部で含み、Y:Eu、Y:(Eu、Tb)、YS:Eu、YS:(Eu、Tb)及びこれらの組み合わせで構成された群より選択される化合物を含む赤色蛍光体を20〜25質量部で含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は白色蛍光体、これを用いる発光装置、及びこの発光装置を光源として用いる表示装置に関し、より詳しくは、赤色、緑色、青色蛍光体を混合して、望む色温度を有するようにした白色蛍光体、これを用いる発光装置、及びこの発光装置を光源として用いる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、平板表示装置の一種の液晶表示装置が陰極線管の代わりとして幅広く使用されている。液晶表示装置は、印加電圧によってねじれ角が変化する液晶の誘電異方性を用いて、ピクセル別に光透過量を変化させる特徴を有する。
【0003】
このような液晶表示装置は、基本的に液晶パネル組立体と、液晶パネル組立体に光を提供するバックライトユニットを含み、液晶パネル組立体がバックライトユニットから出射される光を受けて、この光を液晶層の作用で透過又は遮断させることによって所定の画像を表示する。
【0004】
バックライトユニットは光源の種類によって区分できるが、そのうちの一つに冷陰極蛍光ランプ(Cold Cathode Fluorescent Lamp、以下、「CCFL」という)方式が公知である。しかし、CCFL方式では消費電力が大きい短所があって、構造上大面積化が難しいため、30インチ以上の大型表示装置への適用が難しい限界がある。
【0005】
また、従来のバックライトユニットとして、発光ダイオード(Light Emitting Diode、以下、「LED」という)方式が公知である。前記LED方式は応答速度が速く、色再現性に優れた長所があるが、値段が高く、厚さが大きい短所がある。
【0006】
このように、従来のバックライトユニットは、光源の種類により各々の問題を有している。また、従来のバックライトユニットは、表示装置駆動時に一定の明るさで常時点灯されているため、表示装置に求められる画質改善が難しい、という問題がある。
【0007】
このような問題に対して、例えば、液晶パネル組立体が映像信号によって明るい部分と暗い部分を含む任意の画面を表示する場合、バックライトユニットが明るい部分を表示する領域と暗い部分を表示する領域に強さの異なる光を提供すると、動的コントラスト(dynamic contrast)が優れた画面を実現できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来のバックライトユニットは前述した機能が実現できないため、従来の液晶表示装置は画面の動的コントラストを高めるには限界がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、望む色温度により一定の比率の赤色、緑色、青色蛍光体を含む白色蛍光体、これを含んで輝度特性が改善された発光装置、及びこの発光装置を光源として用いる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ZnS:(Ag、Cl)、ZnS:(Ag、Al)、ZnS:(Ag、Al、Cl)、及びこれらの組み合わせで構成された群より選択される化合物を含む青色蛍光体を40〜45質量部で含み、ZnS:(Cu、Al)、ZnS:(Cu、Au、Al)、及びこれらの組み合わせで構成された群より選択される化合物を含む緑色蛍光体を30〜40質量部で含み、Y:Eu、Y:(Eu、Tb)、YS:Eu、YS:(Eu、Tb)、及びこれらの組み合わせで構成された群より選択される化合物を含む赤色蛍光体を20〜25質量部で含む白色蛍光体が提供される。なお、例えば、「ZnS:(Ag,Cl)」とは、ZnSとAgとを必須成分として含み、Clを選択的に含む蛍光体を意味する。また、例えば、「ZnS:(Ag,Al,Cl)」とは、ZnSとAgとを必須成分として含み、Al及びClを選択的に含む蛍光体を意味する。すなわち、カッコ内の最初に記載された元素を必須成分として含み、カッコ内の他の元素を選択的に含む。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の他の観点によれば、互いに対向配置される第1基板及び第2基板と、前記第1基板の一面に提供される電子出射ユニットと、前記第2基板の一面に提供される発光ユニットと、を含み、前記発光ユニットは前記第2基板の一面に位置する蛍光層を含む発光装置が提供される。前記蛍光層は前述した白色蛍光体を含む。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明のさらに他の観点によれば、前述した構成の発光装置と、発光装置の前方に位置して発光装置から出射された光を受けて画像を表示する液晶パネル組立体と、を含む表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の白色蛍光体は、青色蛍光体、緑色蛍光体、及び赤色蛍光体を混合して製造できる。前記白色蛍光体は、前記青色蛍光体、緑色蛍光体、及び赤色蛍光体を一定の比率で混合して、一定の色温度を持つようにできる。
【0014】
従って、本発明の白色蛍光体を用いる発光ユニットは、発光装置の輝度特性を改善できる。
【0015】
また、本発明の発光装置を光源として用いる表示装置は画質が改善される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
本発明は、ZnS:(Ag、Cl)、ZnS:(Ag、Al)、ZnS:(Ag、Al、Cl)、及びこれらの組み合わせで構成された群より選択される化合物を含む青色蛍光体を40〜45質量部で含み、ZnS:(Cu、Al)、ZnS:(Cu、Au、Al)、及びこれらの組み合わせで構成された群より選択される化合物を含む緑色蛍光体を30〜40質量部で含み、Y:Eu、Y:(Eu、Tb)、YS:Eu、YS:(Eu、Tb)、及びこれらの組み合わせで構成された群より選択される化合物を含む赤色蛍光体を20〜25質量部で含む白色蛍光体を提供する。
【0018】
前記青色蛍光体は40〜44質量部に混合されるのが望ましく、41〜43質量部に混合されるのが更に望ましい。前記緑色蛍光体は32〜37質量部に混合されるのが望ましく、33〜36質量部に混合されるのが更に望ましい。また、前記赤色蛍光体は22〜25質量部に混合されるのが望ましく、23〜24質量部に混合されるのが更に望ましい。
【0019】
前記青色蛍光体が前記混合質量部の上限を超える場合は、色温度は増加するが輝度は減少し、緑色蛍光体が前記混合質量部の上限を超える場合は、輝度は増加するが色温度は減少して色差が発生して緑色を帯びる白色となり、赤色蛍光体が前記混合質量部の上限を超える場合は、輝度が減少して赤色を帯びる白色となって色温度が減少する問題が生じる。
【0020】
前記青色蛍光体が前記混合質量部の下限未満の場合は、輝度は増加するが色温度は減少し、緑色蛍光体が前記混合質量部の下限未満の場合は、輝度が減少して色温度が増加し、赤色蛍光体が前記混合質量部の下限未満の場合は、色差が発生して緑色を帯びる白色となる問題が生じる。
【0021】
前記白色蛍光体の色座標は、前記青色、緑色、赤色蛍光体の混合重量比を調節することによって調節できる。
【0022】
例えば、前記白色蛍光体は、前記青色蛍光体が40〜45質量部、前記緑色蛍光体が30〜40質量部、前記赤色蛍光体が20〜25質量部に混合される場合、前記白色蛍光体は電子線励起源によって励起される場合、白色蛍光体からの発色は、色温度が11000〜14000Kの範囲の値を有する。
【0023】
また、前記白色蛍光体は、前記青色蛍光体が40〜44質量部、前記緑色蛍光体が32〜37質量部、前記赤色蛍光体が22〜25質量部に混合される場合、前記白色蛍光体は、電子線励起源によって励起される場合、白色蛍光体からの発色は、色温度が11000〜14000Kの範囲の値を有する。
【0024】
また、前記白色蛍光体は、前記青色蛍光体が41〜43質量部、前記緑色蛍光体が33〜36質量部、前記赤色蛍光体が23〜24質量部に混合される場合、前記白色蛍光体は、電子線励起源によって励起される場合、白色蛍光体からの発色は、色温度が12000〜13000Kの範囲の値を有する。
【0025】
本発明は、また、互いに対向配置される第1基板、及び第2基板、前記第1基板の一面に提供される電子出射ユニット、及び前記第2基板の一面に提供される発光ユニットを含み、前記発光ユニットは前記第2基板の一面に位置する蛍光層を含む発光装置を提供する。前記蛍光層は前記白色蛍光体を含む。
【0026】
本発明は、また、前述した構成の発光装置と、発光装置の前方に位置して、発光装置から出射された光を受けて、画像を表示する表示パネルを含む表示装置を提供する。
【0027】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明の第1の実施形態による発光装置の断面図であり、図2は図1に示した発光装置の部分分解斜視図である。
【0029】
まず、図1を参照すると、本発明の第1実施形態による発光装置10は、所定の間隔をおいて平行に対向配置される第1基板12と第2基板14を含む。第1基板12と第2基板14の周縁には封止部材16が配置されて両基板を接合させ、内部空間がほぼ10−6Torrの真空度に排気されて、第1基板12と第2基板14及び封止部材16が真空容器を構成する。
【0030】
第1基板12と第2基板14は、封止部材16内側で実際に可視光出射に寄与する有効領域と、有効領域を囲む非有効領域を備える。第1基板12の有効領域には電子出射のための電子出射ユニット18が備えられ、第2基板14の有効領域には可視光出射のための発光ユニット20が備えられる。
【0031】
図2を参照すると、電子出射ユニット18は、第1基板12の一方向に沿って帯状に形成される第1電極のカソード電極ら22と、絶縁層24を間においてカソード電極22と交差方向に沿って帯状で形成される複数の第2電極のゲート電極26と、カソード電極22に電気的に連結される電子出射部28を含む。
【0032】
複数のカソード電極22は、第1基板12の行方向に沿って並んで配置され、走査信号の印加を受けて、走査電極として機能する。また、複数のカソード電極22は第1基板12の列方向に沿って並んで配置され、データ信号の印加を受けて、データ電極として機能する。
【0033】
カソード電極22とゲート電極26との交差領域毎に、ゲート電極26と絶縁層24に開口部261、241が形成されてカソード電極22の表面一部を露出させ、絶縁層24の開口部261、241内側にカソード電極22の上に電子出射部28が位置する。
【0034】
電子出射部28は、真空中に電界を加えると、電子を出射する物質、例えば炭素系物質又はナノサイズ物質で構成されてもよい。電子出射部28は、電子を出射する物質として、例えば炭素ナノチューブ、黒鉛、黒鉛ナノファイバー、ダイアモンド、ダイアモンド状炭素(diamond like carbon)、フラーレン、シリコンナノワイヤー又はこれらの組み合わせの物質を含むことができ、その製造法としては、スクリーン印刷、直接成長、化学気相蒸着又はスパッタリングなどを含むことができる。一方、電子出射部は、モリブデン(Mo)又はシリコン(Si)等を主材質とする先端が尖っているチップ構造物で構成できる。
【0035】
前述した構造でカソード電極22とゲート電極26の交差領域一つが発光装置10のあるピクセル領域に対応でき、また、2つ以上の交差領域が発光装置10のあるピクセル領域に対応できる。後者の場合、一つのピクセル領域に対応する2つ以上のカソード電極22及び/又は2つ以上のゲート電極26は互いに電気的に連結されて、同じ駆動電圧の印加を受ける。
【0036】
次に、発光ユニット20は、第2基板14の一面で所定のパターンを有して互いに距離をおいて位置する複数の蛍光層30、及び前記複数の蛍光層30との間に位置する複数の黒色層32と、前記複数の蛍光層30、及び複数の黒色層32の上に位置する金属反射膜34を含む。また、前記蛍光層30と蛍光層30との間に黒色層32なしに第2基板一面全体を蛍光層30で形成できる。
【0037】
前記金属反射膜34はアノード電極としての役割が果たせる。前記金属反射膜をアノード電極として用いる場合、前記金属反射膜34は電子ビームを引き寄せる加速電極として高電圧の印加を受けて、蛍光層30を高電位状態に維持させて、蛍光層30から出射された可視光中、第1基板12に向かって出射された可視光を第2基板14側に反射させて、輝度を高める役割を果たす。
【0038】
一方、前記アノード電極は、金属反射膜34ではなく、ITO(indium tinoxide)のような透明導電膜で構成できる。この場合、アノード電極は、第2基板14と複数の蛍光層30との間に位置し、所定のパターンで区分されて複数に形成できる。また、アノード電極として前述した透明導電膜と金属反射膜34を同時に形成する構造も可能である。
【0039】
蛍光層30は白色光を出射する白色蛍光層で構成される。前記白色蛍光層は本発明の第1実施形態による白色蛍光体を含む。前記白色蛍光体は、ZnS:(Ag、Cl)、ZnS:(Ag、Al)、ZnS:(Ag、Al、Cl)、及びこれらの組み合わせで構成された群より選択される化合物を含む青色蛍光体を40〜45質量部で含み、ZnS:(Cu、Al)、ZnS:(Cu、Au、Al)、及びこれらの組み合わせで構成された群より選択される化合物を含む緑色蛍光体を30〜40質量部で含み、Y:Eu、Y:(Eu、Tb)、YS:Eu、YS:(Eu、Tb)、及びこれらの組み合わせで構成された群より選択される化合物を含む赤色蛍光体を20〜25質量部で含む。
【0040】
前記蛍光層30はピクセル領域毎に一つずつ位置したり、一つのピクセル領域に2つ以上の蛍光層30が位置したり、一つの蛍光層30が2つ以上のピクセル領域にわたって位置してもよい。前記3つ場合全てにおいて、各々の蛍光層30は、例えば、図で示されたように四角形状に形成できる。
【0041】
そして、第1基板12と第2基板14との間には、真空容器に加えられる圧縮力を支持して両基板の間隔を一定に維持させる複数のスペーサ(図示せず)が備えられる。
【0042】
前述した構成の発光装置10は、真空容器外部から複数のカソード電極22と複数のゲート電極26及びアノード電極に所定の電圧を供給して駆動する。参考として、図1の符号36が複数のゲート電極26から延びたゲートリード線を示し、符号38がアノード電極から延びたアノードリード線を示す。
【0043】
複数のカソード電極22と複数のゲート電極26が所定の駆動電圧の印加を受けると、二つの電極の電圧差が閾値以上のピクセル領域において電子出射部28周囲に電界が形成されて、これから電子が出射される。出射された電子は、金属反射膜34に印加された高電圧に引き寄せられて、対応する蛍光層30部位に衝突することによってこれを発光させる。ピクセル別蛍光層30の発光強さは当該ピクセルの電子ビーム出射量に対応する。
【0044】
図3は図2に示した発光装置を光源として用いる本発明の第1実施形態による表示装置の分解斜視図である。図3において図2と同じ部材については同じ引用符号をつける。
【0045】
図3を参照すると、本発明の第1実施形態による表示装置200は、発光装置10と、発光装置10の前方に位置する表示パネル50を含む。発光装置10と表示パネル50との間には発光装置10から出射された光を均等に拡散させる拡散板52が位置でき、拡散板52と発光装置10は所定の距離をおいて離れて位置する。
【0046】
表示パネル50は、液晶表示パネル又は他の受光型表示パネルで構成される。以下、表示パネル50が液晶表示パネルの場合について説明する。
【0047】
表示パネル50は、多数の薄膜トランジスター(TFT)が形成された下部基板54と、カラーフィルターが形成された上部基板56と、この基板54、56の間に注入される液晶層(図示せず)を含む。上部基板56の上面と下部基板54の下面には偏光板(図示せず)が付着されて表示パネル50を通過する光を蛍光させる。
【0048】
下部基板54の内面には副画素(sub−pixel)別に、TFTによって駆動が制御される透明な複数の画素電極が位置し、上部基板56の内面にはカラーフィルター層と透明な共通電極が位置する。カラーフィルター層は副画素別に一つずつ位置する赤色フィルター層と緑色フィルター層及び青色フィルター層を含む。
【0049】
特定副画素のTFTが導通されると画素電極と共通電極の間に電界が形成され、この電界によって、液晶分子の配列角が変化し、変化された配列角により光透過度が変化する。表示パネル50は、このような過程を通して画素別輝度と発光色を制御できる。
【0050】
図3の引用符号58は、各TFTのゲート電極にゲート駆動信号を伝送するゲート回路ボードアセンブリーを示し、引用符号60は、各TFTのソース電極にデータ駆動信号を伝送するデータ回路ボードアセンブリーを示す。
【0051】
発光装置10は表示パネル50より少ない数の画素を形成して、発光装置10の一画素が表示パネル50の二つ以上の画素に対応する。発光装置10の各画素はこれに対応する表示パネル50の複数の画素のうちの最も高い階調に対応して発光でき、2〜8ビットの階調を表現できる。
【0052】
便宜上、表示パネル50の画素を第1画素とし、発光装置10の画素を第2画素とし、一つの第2画素に対応する複数の第1画素を第1画素群と称する。
【0053】
発光装置10の駆動過程は、(a)表示パネル50を制御する信号制御部(図示せず)が第1画素群の複数の第1画素のうちの最も高い階調を検出し、(b)検出された階調により第2画素発光に必要な階調を算出して、これをデジタルデータに変換し、(c)デジタルデータを用いて発光装置10の駆動信号を生成し、(d)生成された駆動信号を発光装置10の駆動電極に印加する段階を含むことができる。
【0054】
発光装置10の駆動信号は走査駆動信号とデータ駆動信号で構成される。前述したカソード電極とゲート電極の中、一方の電極(例えば、ゲート電極)が走査駆動信号の印加を受け、他方の電極(例えば、カソード電極)がデータ駆動信号の印加を受ける。
【0055】
発光装置10の駆動のための走査回路ボードアセンブリーとデータ回路ボードアセンブリーは、発光装置10の裏面に位置できる。図3の引用符号62がカソード電極とデータ回路ボードアセンブリーを連結する第1接続部材を示し、引用符号64がゲート電極と走査回路ボードアセンブリーを連結する第2接続部材を示し、引用符号66がアノード電極にアノード電圧を印加する第3接続部材を示す。
【0056】
このように、発光装置10の第2画素は対応する第1画素群に映像が表示される時、第1画素群に同期して所定の階調に発光する。つまり、発光装置10は表示パネル50が実現する画面の中、明るい領域には高い輝度の光を提供し、暗い領域には低い輝度の光を提供する。従って、本実施形態の表示装置200は、画面のダイナミックコントラストを高めて、より鮮明な画質を実現できる。
【実施例】
【0057】
以下、本発明の望ましい実施例及び比較例を記載する。しかし、下記の実施例は本発明の望ましい一つの実施例であり、本発明が下記の実施例に限定されるのではない。
【0058】
(発光装置製造)
(実施例1)
:Eu赤色蛍光体23.8質量部、ZnS:(Cu、Al)緑色蛍光体36.2質量部、ZnS:(Ag、Al)青色蛍光体40.0質量部を混合して、白色蛍光体を製造した。
【0059】
基板に四角状の電極層を形成し、その上に前記製造された白色蛍光体を全体面に塗布して白色蛍光層を形成した。
【0060】
次に、前記白色蛍光層が形成された基板前面にAlを化学気相蒸着して金属反射膜を形成した。次に前記白色蛍光層、及び金属反射膜が形成された基板を480℃で0.5〜1時間焼成して発光ユニットを製造した。
【0061】
また、前記製造された発光ユニットを用いて、通常の方法で発光装置を製造した。
【0062】
(実施例2)
:Eu赤色蛍光体23.4質量部、ZnS:(Cu、Al)緑色蛍光体35.8質量部、ZnS:(Ag、Al)青色蛍光体40.8質量部を混合して、白色蛍光体を製造したのを除いて、実施例1と同様に実施して発光装置を製造した。
【0063】
(実施例3)
:Eu赤色蛍光体23.4質量部、ZnS:(Cu、Al)緑色蛍光体35.1質量部、ZnS:(Ag、Al)青色蛍光体41.5質量部を混合して、白色蛍光体を製造したのを除いて、実施例1と同様に実施して発光装置を製造した。
【0064】
(実施例4)
:Eu赤色蛍光体23.1質量部、ZnS:(Cu、Al)緑色蛍光体34.6質量部、ZnS:(Ag、Al)青色蛍光体42.33質量部を混合して、白色蛍光体を製造したのを除いて、実施例1と同様に実施して発光装置を製造した。
【0065】
(実施例5)
:Eu赤色蛍光体23.1質量部、ZnS:(Cu、Al)緑色蛍光体33.8質量部、ZnS:(Ag、Al)青色蛍光体43.1質量部を混合して、白色蛍光体を製造したのを除いて、実施例1と同様に実施して発光装置を製造した。
【0066】
前記実施例1〜5で製造した白色蛍光体の組成を下記表1に記載した。
【0067】
【表1】

【0068】
(実施例6)
赤色蛍光体をY:(Eu、Tb)を用いたのを除いて、実施例1と同様に実施して発光装置を製造した。
【0069】
(実施例7)
赤色蛍光体をYS:Euを用いたのを除いて、実施例1と同様に実施して発光装置を製造した。
【0070】
(実施例8)
赤色蛍光体をYS:(Eu、Tb)を用いたのを除いて、実施例1と同様に実施して発光装置を製造した。
【0071】
(実施例9)
緑色蛍光体をZnS:(Cu、Au、Al)を用いたのを除いて、実施例1と同様に実施して発光装置を製造した。
【0072】
(実施例10)
青色蛍光体をZnS:(Ag、Cl)を用いたのを除いて、実施例1と同様に実施して発光装置を製造した。
【0073】
(実施例11)
青色蛍光体をZnS:(Ag、Al、Cl)を用いたのを除いて、実施例1と同様に実施して発光装置を製造した。
【0074】
(製造された発光装置の発光特性測定)
前記実施例1〜11で製造された発光装置を接触式輝度系(CA−100、ミノルタ社製品)を用いて、前記発光装置から出る白色光の色温度、輝度、色座標、及び発光スペクトルを測定した。
【0075】
実施例1〜5で製造された発光装置の色温度、輝度、及び色座標を下記表2に記載し、実施例2で製造された発光装置の発光スペクトルを図4に示した。
【0076】
【表2】

【0077】
前記表2及び図4を参照すると、前記発光装置は11000〜14000Kの色温度を有する白色光を出射することが分かる。
【0078】
実施例6〜11の場合にも、11000〜14000Kの色温度を有する白色光を出射することを確認できた。
【0079】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の第1実施形態による発光装置の断面図である。
【図2】図1に示した発光装置の部分分解斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態による表示装置の分解斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態で製造された発光ユニットの発光スペクトルを示したグラフである。
【符号の説明】
【0081】
10 発光装置
12、14 基板
16 封止部材
18 電子出射ユニット
20 発光ユニット
22 カソード電極
24 絶縁層
26 ゲート電極
28 電子出射部
200 表示装置
241、261 開口部
30 蛍光層
32 黒色層
34 金属反射膜
36 ゲートリード線
38 アノードリード線
50 表示パネル
52 拡散板
54、56 基板
58 ゲート回路ボードアセンブリー
60 データ回路ボードアセンブリー
62、64、66 接続部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ZnS:(Ag、Cl)、ZnS:(Ag、Al)、ZnS:(Ag、Al、Cl)、及びこれらの組み合わせで構成された群より選択される化合物を含む青色蛍光体を40〜45質量部で含み、
ZnS:(Cu、Al)、ZnS:(Cu、Au、Al)、及びこれらの組み合わせで構成された群より選択される化合物を含む緑色蛍光体を30〜40質量部で含み、
:Eu、Y:(Eu、Tb)、YS:Eu、YS:(Eu、Tb)、及びこれらの組み合わせで構成された群より選択される化合物を含む赤色蛍光体を20〜25質量部で含むことを特徴とする、白色蛍光体。
【請求項2】
前記白色蛍光体は、電子線励起源によって励起される場合、色温度が11000〜14000Kの範囲にあることを特徴とする、請求項1に記載の白色蛍光体。
【請求項3】
前記青色蛍光体は40〜44質量部、前記緑色蛍光体は32〜37質量部、前記赤色蛍光体は22〜25質量部に混合されたことを特徴とする、請求項1に記載の白色蛍光体。
【請求項4】
前記白色蛍光体は、電子線励起源によって励起される場合、色温度が11000〜14000Kの範囲にあることを特徴とする、請求項3に記載の白色蛍光体。
【請求項5】
前記青色蛍光体は41〜43質量部、前記緑色蛍光体は33〜36質量部、前記赤色蛍光体は23〜24質量部に混合されたことを特徴とする、請求項1に記載の白色蛍光体。
【請求項6】
前記白色蛍光体は、電子線励起源によって励起される場合、色温度が12000〜13000Kの範囲にあることを特徴とする、請求項5に記載の白色蛍光体。
【請求項7】
互いに対向配置される第1基板及び第2基板と、前記第1基板の一面に提供される電子出射ユニットと、前記第2基板の一面に提供される発光ユニットと、を含み、
前記発光ユニットは、前記第2基板の一面に位置する蛍光層を含み、
前記蛍光層は、ZnS:(Ag、Cl)、ZnS:(Ag、Al)、ZnS:(Ag、Al、Cl)及びこれらの組み合わせで構成された群より選択される化合物を含む青色蛍光体を40〜45質量部で含み、ZnS:(Cu、Al)、ZnS:(Cu、Au、Al)及びこれらの組み合わせで構成された群より選択される化合物を含む緑色蛍光体を30〜40質量部で含み、Y:Eu、Y:(Eu、Tb)、YS:Eu、YS:(Eu、Tb)及びこれらの組み合わせで構成された群より選択される化合物を含む赤色蛍光体を20〜25質量部で含有する白色蛍光体を含むことを特徴とする、発光装置。
【請求項8】
前記発光装置は、色温度が11000〜14000Kの範囲にあることを特徴とする、請求項7に記載の発光装置。
【請求項9】
前記青色蛍光体は40〜44質量部、前記緑色蛍光体は32〜37質量部、前記赤色蛍光体は22〜25質量部で混合されたことを特徴とする、請求項7に記載の発光装置。
【請求項10】
前記発光装置は、色温度が11000〜14000Kの範囲にあることを特徴とする、請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記青色蛍光体は41〜43質量部、前記緑色蛍光体は33〜36質量部、前記赤色蛍光体は23〜24質量部に混合されたことを特徴とする請求項7に記載の発光装置。
【請求項12】
前記発光装置は、色温度が12000〜13000Kの範囲にあることを特徴とする、請求項11に記載の発光装置。
【請求項13】
前記発光ユニットは、前記蛍光層の上層に位置する金属反射膜を含み、前記金属反射膜がアノード電極であることを特徴とする、請求項7に記載の発光装置。
【請求項14】
前記発光ユニットは、
前記第2基板の一面に位置する蛍光層と、
前記第2基板と複数の蛍光層との間に位置し、透明導電膜で構成されるアノード電極と、
前記複数の蛍光層の上層に位置する金属反射膜と、
を含むことを特徴とする、請求項7に記載の発光装置。
【請求項15】
前記電子出射ユニットは、
前記第1基板上に第1基板の一の方向に沿って形成される複数の第1電極と、
絶縁層を間において前記複数の第1電極と交差する方向に沿って形成される複数の第2電極と、
前記複数の第1電極に電気的に連結される電子出射部と、
を含むことを特徴とする、請求項7に記載の発光装置。
【請求項16】
前記電子出射部は、炭素系物質、ナノサイズ物質、及びこれらの組み合わせで構成された群より選択されることを含むことを特徴とする請求項15に記載の発光装置。
【請求項17】
互いに対向配置される第1基板及び第2基板と、前記第1基板の一面に提供される電子出射ユニットと、前記第2基板の一面に提供される発光ユニットと、を含む発光装置と、
前記発光装置の前方に位置して、発光装置から出射された光を受けて、画像を表示する表示パネルと、
を備え、
前記発光ユニットは、前記第2基板の一面に位置する蛍光層を含み、
前記蛍光層は、ZnS:(Ag、Cl)、ZnS:(Ag、Al)、ZnS:(Ag、Al、Cl)及びこれらの組み合わせで構成された群より選択される化合物を含む青色蛍光体を40〜45質量部で含み、ZnS:(Cu、Al)、ZnS:(Cu、Au、Al)及びこれらの組み合わせで構成された群より選択される化合物を含む緑色蛍光体を30〜40質量部で含み、Y:Eu、Y:(Eu、Tb)、YS:Eu、YS:(Eu、Tb)及びこれらの組み合わせで構成された群より選択される化合物を含む赤色蛍光体を20〜25質量部で含有する白色蛍光体を含むことを特徴とする、表示装置。
【請求項18】
前記表示パネルは、液晶表示パネルであることを特徴とする、請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記発光装置は、色温度が11000〜14000Kの範囲にあることを特徴とする、請求項17に記載の表示装置。
【請求項20】
前記青色蛍光体は40〜44質量部、前記緑色蛍光体は32〜37質量部、前記赤色蛍光体は22〜25質量部に混合されたことを特徴とする、請求項17に記載の表示装置。
【請求項21】
前記発光装置は、色温度が11000〜14000Kの範囲にあることを特徴とする請求項20に記載の表示装置。
【請求項22】
前記青色蛍光体は41〜43質量部、前記緑色蛍光体は33〜36質量部、前記赤色蛍光体は23〜24質量部に混合されたことを特徴とする請求項17に記載の表示装置。
【請求項23】
前記発光装置は、色温度が12000〜13000Kの範囲にあることを特徴とする請求項22に記載の表示装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−46668(P2009−46668A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−190632(P2008−190632)
【出願日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】