説明

白血病細胞の検出方法、および白血病の治療抵抗性を検査する方法

【課題】 白血病、特に急性白血病における選択的マーカーを用いて、定量性があり、かつ偽陽性の少ない簡便かつ正確な、白血病細胞の検出方法、および白血病の治療抵抗性の検査方法を提供する。
【解決手段】 白血病患者由来の血液検体においてDOCK180の発現が正常であるCD34陽性細胞を検出する方法である。本発明によれば、白血病、特に急性白血病の腫瘍細胞におけるDOCK180の特異的な発現パターンを確認することで、白血病の抵抗性を診断することができ、医師による治療に対し有益な情報を、血液検体を対象にした簡便な方法により提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、白血病、特に急性白血病の治療抵抗性を検査する方法、および白血病の治療抵抗性の検査に用いるキットに関する。
【背景技術】
【0002】
白血病は、腫瘍化した造血細胞が無制限に増殖して血液中に出現するという、血液の悪性腫瘍に属する疾患である。赤血球系や血小板系の細胞が腫瘍化したものもあるが、多くは白血球系の細胞が腫瘍化したものであり、こうした疾患をまとめて白血病と呼ばれている。白血病には、血液細胞の分化あるいは成熟のある一定の段階で分化が停止して、それより上流の未分化な芽球細胞が増殖することにより腫瘍を構成している場合と、生体の調節能を逸脱し自律性増殖を示すものの、一応分化あるいは成熟する能力を保持している場合とがあり、前者には急性白血病が、後者には慢性白血病あるいは骨髄異形成症候群(myelodaysplatic syndromes;MDS)が該当する。白血病の原因と発症機序の多くは不明であるが、早期発見と措置が治療にとって極めて重要である。
【0003】
白血病の診断には、血中細胞の形態学的観察、染色体検査、またはフローサイトメトリーを用いた血中細胞の表面抗原解析検査等によって行われる。また、染色体異常や遺伝子異常を伴う白血病については、疾患特異的なプライマーを用いたPCRあるいはRT−PCRも行われている。さらに、ウイルムス腫瘍遺伝子1(WT−1)の定量的RT−PCRの結果が白血病における腫瘍細胞の量を反映するという報告がなされている。
【0004】
前記の通り、白血病の治療にあたっては、その早期発見、具体的には白血病または白血病細胞の早期検出が重要であるほか、骨髄移植による物理療法や投薬による化学療法等の治療に抵抗性を示すか否かを検査・検出することが重要となる。治療抵抗性を検査・検出することは、治療効果を判定するうえで、あるいはその後のさらなる治療方針を決定するうえで、極めて重要である。
【0005】
白血病の治療抵抗性については、例えば、急性リンパ性白血病(acute lymphoblastic leukemia;ALL)において、MDR1(multidrug resistance protein 1)の発現量と治療不調のリスクとが関連するとの報告(非特許文献1)や、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia;AML)において、FMS−like tyrosine kinase 3/internal tandem duplication(FLT 3/ITD)陽性と治療抵抗性とが関連するとの報告(非特許文献2)がされている。
【0006】
また、特開2007−159416号公報には、慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia;CML)患者のチロシンキナーゼ阻害剤であるダサチニブによる治療に対する抵抗性を判定する方法が開示されている(特許文献1)。
【0007】
【非特許文献1】Kourti et. al., International Journal of Hematology 86 166-173 (2007)
【非特許文献2】医学検査 Vol.56 No.5、785−790(2007)
【特許文献1】特開2007−159416号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、白血病の治療抵抗性を簡便かつ正確に検査する方法、特にすべての白血病に共通して、定量性があり、かつ偽陽性の少ない検査方法の確立は、依然として望まれている。
【0009】
本発明は、白血病、特に急性白血病における選択的マーカーを用いて、定量性があり、かつ偽陽性の少ない簡便かつ正確な、白血病細胞の検出方法、および白血病の治療抵抗性の検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る白血病細胞の検出方法は、白血病患者由来の血液検体においてDOCK180の発現が正常であるCD34陽性細胞を検出する方法である。
【0011】
本発明においては、抗CD34抗体と抗DOCK180抗体とを用いた免疫学的検出法によって前記DOCK180の発現が正常であるCD34陽性細胞を検出する態様でもよい。
【0012】
また、本発明においては、白血病細胞が急性白血病細胞であることが好ましく、急性白血病細胞が急性骨髄性白血病細胞であることがより好ましい。
【0013】
本発明に係る白血病患者由来の血液検体において検出したDOCK180の発現が正常であるCD34陽性細胞の比率を測定する方法は、白血病患者由来の血液検体におけるCD34陽性細胞を検出し、健常人由来の血液検体におけるDOCK180の発現が正常なCD34陽性細胞および/または白血病患者由来の血液検体におけるDOCK180の発現が陰性であるCD34陽性細胞に対する比率を測定する方法である。
【0014】
本発明においては、抗CD34抗体と抗DOCK180抗体とを用いた免疫学的検出法によって、前記白血病患者由来の血液検体におけるDOCK180の発現が正常であるCD34陽性細胞と、前記健常人由来の血液検体におけるDOCK180の発現が正常であるCD34陽性細胞および/または前記白血病患者由来の血液検体におけるDOCK180の発現が陰性であるCD34陽性細胞との検出を行う態様でもよい。
【0015】
また、本発明においては、白血病が急性白血病であることが好ましく、急性白血病が急性骨髄性白血病であることがより好ましい。
【0016】
本発明に係る白血病の治療抵抗性を検査する方法は、前記いずれかの測定方法を含む検査方法である。
【0017】
本発明に係る白血病の治療抵抗性の検査用キットは、抗DOCK180抗体またはDOCK180をコードするDNAにハイブリダイズする核酸を含んでいる。
【0018】
本発明においては、さらに抗CD34抗体を含んでもよい。
【0019】
本発明に係る白血病の治療抵抗性を検査する方法は、健常人由来の血液検体中のCD34陽性細胞におけるDOCK180の発現量を指標値として、白血病患者由来の血液検体中のCD34陽性細胞におけるDOCK180の発現量を測定することにより行う検査方法である。
【0020】
また、本発明においては、白血病が急性白血病であることが好ましく、急性白血病が急性骨髄性白血病であることがより好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、白血病、特に急性白血病の腫瘍細胞におけるDOCK180の特異的な発現パターンを確認することで、白血病の抵抗性を診断することができ、医師による治療に対し有益な情報を、血液検体を対象にした簡便な方法により提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、白血病血液検体中のCD34陽性細胞におけるDOCK180の発現を確認、検出、ないし定量化することを要素とする、すなわち本発明は白血病の発症が前提となり、白血病発症後における検体中のCD34陽性細胞のDOCK180タンパク質またはそれをコードする遺伝子の発現を、白血病の治療抵抗性に関する診断用マーカーとして使用する方法に関する発明である。その様な本発明の一態様は、白血病血液検体においてDOCK180の発現が正常であるCD34陽性細胞を検出する、白血病細胞の検出方法である。
【0023】
CD34陽性細胞が腫瘍化した細胞では、DOCK180の発現が、正常なCD34陽性細胞と比較して著しく低下することが本発明者等により報告されている。このことは、DOCK180の発現が陰性であるCD34陽性細胞は腫瘍化した細胞であると判断することができることを意味する。
【0024】
一方、治療抵抗性を示す白血病患者由来の検体においては、CD34陽性細胞が腫瘍化した細胞では、DOCK180の発現が正常なCD34陽性細胞と同等ないし亢進するものがある。したがって、その様なCD34陽性細胞が白血病患者由来の血液検体、特に白血病患者由来の骨髄液検体において検出されたという本発明の方法における結果は、医師が、白血病検体が治療抵抗性を有しているか否かを判断するうえでの有益な情報となる。
【0025】
また、本発明における白血病または白血病細胞は、急性白血病、慢性白血病、ウイルス性白血病、混合系統白血病(mixed lineage leukemia;MLL)、および低形成白血病(hypoplastic leukemia)等の白血病とその腫瘍細胞(腫瘍化した白血球)の他、骨髄異形成症候群(myelodaysplatic syndromes;MDS)とその細胞が含まれる。急性白血病としては、例えば、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia;AML)や急性リンパ性白血病(acute lymphoblastic leukemia;ALL)等を挙げることができ、慢性白血病としては、例えば、慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia;CML)や慢性リンパ性白血病群、慢性骨髄増殖性疾患群を挙げることができ、ウイルス性白血病としては、成人T細胞白血病・リンパ腫(adult T−cell leukemia/lymphoma)を挙げることができる。さらに、慢性リンパ性白血病群としては、例えば、慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukemia;CLL)や前リンパ球性白血病(prolymphocytic leukemia;PLL)、毛様細胞白血病(hairly cell leukemia;HCL)、大顆粒リンパ球性白血病(large granular lymphocytic leukemia;LGLL)等を挙げることができ、慢性骨髄増殖性疾患群としては、例えば、真性赤血球増多症(polycythemia vera;PV)や本態性血小板血症(essential thrombocythemia)、慢性好中球性白血病(chronic neutrophilic leukemia;CNL)、骨髄線維症(myelofibrosis)等を挙げることができる。一方、MDSとしては、例えば、不応性貧血(refractory anemia;RA)や環状鉄芽球を伴うRA(refractory anemia with ringed sideroblast;RS)、芽球増加を伴うRA(refractory anemia with excess of blasts;RAEB)、慢性骨髄単球性白血病(chronic myelomonocytic leukemia;CMMoL)等を挙げることができる。
【0026】
また、本発明の別態様は、白血病患者由来の血液検体、特に白血病患者由来の骨髄液検体においてCD34陽性細胞を検出し、健常人由来の血液検体におけるDOCK180の発現が正常なCD34陽性細胞および/または白血病患者由来の血液検体におけるDOCK180の発現が陰性であるCD34陽性細胞に対する白血病患者由来の血液検体、特に白血病患者由来の骨髄液検体において検出したDOCK180の発現が正常であるCD34陽性細胞の比率を測定する方法である。例えば、白血病患者由来の血液検体、特に白血病患者由来の骨髄液検体の単位体積あたりに含まれるCD34陽性細胞の総数における、DOCK180の発現が正常であるCD34陽性細胞の割合に関する測定結果は、その検体における白血病の治療抵抗性を表すものであり、医師が患者の白血病の重症度等を診断するうえで、より有益かつ客観的な判断材料となる。
【0027】
さらに本発明は、健常検体のCD34陽性細胞におけるDOCK180の発現量を指標値として、白血病患者由来の血液検体、特に白血病患者由来の骨髄液検体中のCD34陽性細胞におけるDOCK180の発現量を測定する、白血病の治療抵抗性の検査方法を提供する。この方法は、白血病患者由来の血液検体、特に白血病患者由来の骨髄液検体中のDOCK180の発現が正常であるCD34陽性細胞を検出する代わりに、例えば単位体積中のCD34陽性細胞全体におけるDOCK180の発現量を測定し、その測定値が、健常検体のCD34陽性細胞におけるDOCK180の発現量を指標値とした場合に同等値(正常値)ないし高い値であることは、検査された白血病検体が治療抵抗性を有していることを意味する。したがってその様な結果は、医師が患者の白血病の重症度等を診断するうえで、より有益かつ客観的な判断材料となる。
【0028】
本発明における「血液検体」は、骨髄液、静脈から採取された末梢血、およびそれらをNishio等(Blood、2005年、第106巻、第1012−1020頁)に記載の方法に準じ、遠心分離処理及び血球画分を調製する際の公知の化学的処理を施して、CD34陽性細胞を含む血球画分検体としたもの、等を包含する用語である。本発明における血液検体の好ましい態様は骨髄液であり、特に好ましい態様は骨髄液から分画された血球画分検体である。
【0029】
CD34陽性細胞とは、細胞の表面に糖タンパク質CD34を高発現している造血前駆細胞である。CD34陽性細胞は血液、特にさい帯血、骨髄液などに含まれており、これらからNishio等(Exp.Hematology、2001年、第29巻、第19−29頁)に記載の方法に準じて検出ないし分離することができる。またCD34陽性細胞を血液等から分離する装置、例えばアイソレックスTM300i(タカラバイオ)を用いて分離することもできる。
【0030】
また本発明においてDOCK180とは、前癌遺伝子の発現産物であるCrkタンパク質に結合する、高等真核動物細胞の増殖を制御するタンパク質の一種である。またDOCK180は、Racと呼ばれる、低分子量Gタンパク質を活性化するグアニンヌクレオチド交換因子(Guaninenucleotide Exchange Factor;GEF)の一つとしても知られている。DOCK180をコードするDNAは既にクローニングされ、その塩基配列ならびにDOCK180のアミノ酸配列も決定されている(例えば、特許文献2:特開平8−196277号公報)。
【0031】
Crkタンパク質とDOCK180の結合が細胞増殖能を活性化することが明らかにされて以来、DOCK180タンパク質は、Crkタンパク質を発現する癌細胞の診断指標として、また各種抗癌剤によるミサイル療法等の標的として、注目されていた。本発明者らは、従来の報告とは異なり、白血病細胞、特にCD34陽性細胞が腫瘍化した細胞の多くが、DOCK180の発現が陰性である腫瘍細胞であること、および治療抵抗性を示す白血病患者由来の白血病細胞、特にCD34陽性細胞が腫瘍化した細胞の多くが、DOCK180の発現が正常である腫瘍細胞であることを見いだした。
【0032】
本発明において、「DOCK180の発現が正常」とは、前記白血病に罹患していない人(健常人)の腫瘍化していないCD34陽性細胞におけるDOCK180の発現と比較して、同等ないし亢進することをいい、具体的には遺伝子やタンパク質の発現を確認するための一般的な手法、例えば免疫学的検出法、あるいはハイブリダイゼーションやPCR等の遺伝子工学的手法を、通常の感度を伴って利用しても、CD34陽性細胞においてDOCK180タンパク質あるいはDOCK180をコードするmRNAが健常人と同等ないしそれ以上、あるいは正常なCD34陽性細胞におけるDOCK180の発現量を基準としたときに、DOCK180タンパク質あるいはDOCK180をコードするmRNAの発現量が60%〜140%、好ましくは70%〜130%、より好ましくは80%〜120%、さらに好ましくは90%〜110%であることを包含する意味である。
【0033】
また、本発明において、「DOCK180の発現が陰性」とは、DOCK180の発現が著しく低下ないし消失している、具体的には遺伝子やタンパク質の発現を確認するための一般的な手法、例えば免疫学的検出法、あるいはハイブリダイゼーションやPCR等の遺伝子工学的手法を、通常の感度を伴って利用しても、CD34陽性細胞においてDOCK180タンパク質あるいはDOCK180をコードするmRNAが確認できない、あるいは正常なCD34陽性細胞におけるDOCK180の発現量を基準としたときに、DOCK180タンパク質あるいはDOCK180をコードするmRNAの発現量が50%以下、好ましくは30%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下であることを包含する意味である。
【0034】
また、本発明においてDOCK180と呼ぶときは、前記特許文献2に具体的に記載されているアミノ酸配列からなるタンパク質の他、いわゆる一塩基多形によってそのアミノ酸配列の一部が置換等されたDOCK180が存在するときは、かかる多形型のDOCK180も包含するものとして理解される。
【0035】
本発明の方法におけるDOCK180の発現の検出手段あるいは発現量の測定手段は、CD34陽性細胞におけるDOCK180タンパク質および/またはDOCK180をコードするmRNAを的確に検出あるいはその量を定量することができる手段である限り、特に限定されないが、DOCK180タンパク質に対する免疫学的検出手段あるいはDOCK180をコードするmRNAに対する遺伝子工学的検出手段を利用することが好ましい。
【0036】
免疫学的検出手段を利用したDOCK180タンパク質の検出方法あるいは発現量の測定方法では、抗DOCK180タンパク質抗体、特に抗DOCK180抗体と抗CD34タンパク質抗体とを組み合わせて使用することが好ましい。係る抗体としては、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、Fab断片その他の、「抗体」として当業者に理解されるすべての生体分子を利用することができる。特にモノクローナル抗体の利用が特に好ましい。
【0037】
モノクローナル抗体の作成は、当業者に知られた種々のモノクローナル抗体作成技術(例えば、Kohler G. et.al., Nature, 256 495-497(1975), Kohler G. et.al., Eur. J. Immunol., 6 511-519(1976), Kohler G. et.al., Eur. J. Immunol., 4 292-295(1976))を利用して行えばよい。典型的には、前記特許文献2に記載される配列情報を利用して、当業者に知られた遺伝子工学的手法により組み換えDOCK180タンパク質や組み換えCD34タンパク質を作成し、これを抗原として動物に接種する一般的な手法にしたがって得られる抗体産生細胞と骨髄腫細胞とを基にハイブリドーマを調製し、モノクローナル抗体を産生させる、というものである。また、DOCK180タンパク質やCD34タンパク質のアミノ酸配列の部分配列からなるポリペプチドを抗原として使用してもよい。また既に市販化されている抗DOCK180タンパク質抗体や抗CD34タンパク質抗体を用いてもよい。
【0038】
免疫学的検出手段を利用した本発明において使用する抗体は、標識物質で標識することが好ましい。標識物質は、その標識物質単独で、またはその標識物質と他の物質とを反応させることにより検出可能なシグナルをもたらす物質であり、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase;HRP)、アルカリホスファターゼ(alkaline phosphatase;ALP)、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ(glucose oxidase;GOD) 、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(Glucose−6−phosphate dehydrogenase;G6PD)、アルコール脱水素酵素(alcohol dehydrogenase;ADH)、リンゴ酸脱水素酵素(malate dehydrogenase;MDH)、ペニシリナーゼ、カタラーゼ、アポグルコースオキシダーゼ、ウレアーゼ、ルシフェラーゼ、もしくはアセチルコリンエステラーゼ(acetylcholinestrase;AChE)等の酵素、フルオレスセインイソチオシアネート(fluorescein isothiocyanate;FITC)、フィコビリタンパク、希土類金属キレート、ダンシルクロライド、もしくはテトラメチルローダミンイソチオシアネート(tetramethylrhodamine isothiocyanate;TRITC)等の蛍光物質、125I、14C、H等の放射性同位体、ビオチン、アビジン、もしくはジゴケシゲニン等の化学物質、または化学発光物質等を挙げることができる。これらの標識物質による抗DOCK180抗体の標識方法は、選択すべき標識物質の種類に応じて、既に公知となっている標識方法を適宜用いて行えばよい。
【0039】
また、本発明は上記の抗体(標識されたものを含む)を不溶性担体に固定化した固定化抗体として利用することも出来る。不溶性担体としては、一般的に用いられている各種の不溶性担体、例えば、マイクロプレートに代表されるプレート、試験管、チューブ、ビーズ、ボール、フィルター、メンブレン、あるいはセルロース系担体、アガロース系担体、ポリアクリルアミド系担体、デキストラン系担体、ポリスチレン系担体、ポリビニルアルコール系担体、ポリアミノ酸系担体、あるいは多孔性シリカ系担体等のアフィニティークロマトグラフィーにおいて用いられる不溶性担体等を挙げることができる。また、これらの不溶性担体に対する抗体の固定化方法は、不溶性担体ごとに既に確立している方法を利用して行えばよい。
【0040】
免疫学的検出手段を利用したDOCK180タンパク質の検出方法あるいは発現量の測定方法としては、エンザイムイムノアッセイ(enzyme immunoassay;EIA)法、ラジオイムノアッセイ(radioimmunoassay;RIA)法、FACIS(Becton Dickinson)等のフローサイトメトリーによる解析、ウエスタンブロット法等を挙げることができる。それぞれの方法の原理、さらには詳細な条件、操作手順、抗原抗体複合体の検出方法等は、使用される抗体を検出対象に応じて変更することの他は、当業者に広く知られており、本発明でもその様な条件や操作に基づいて各種方法を行うことができる。
【0041】
本発明では、抗CD34抗体と抗DOCK180抗体とを用いたイムノアッセイ、特にこれら2種の抗体を用いたフローサイトメトリーを利用したイムノアッセイが好ましい。フローサイトメトリーを用いることによって、DOCK180の発現が陰性のCD34陽性細胞とDOCK180の発現が正常なCD34陽性細胞とを的確に判別し、さらに簡便に両者を分離することができ、本発明の方法またはその一部を自動化あるいは半自動化することも可能である。フローサイトメトリー法の詳細については、例えば山下(Flow cytometory、免疫研究法ハンドブック、1996年、2版、第247−262頁、中外医学社)に記載されており、本願にその内容のすべてが取り込まれる。
【0042】
遺伝子工学的検出手段を利用したDOCK180の発現の検出方法あるいは発現量の測定方法は、血液検体において発現しているDOCK180をコードするmRNAを検出あるいは定量化する方法であればよく、サザンハイブリダイゼーションや、RT−PCR、リアルタイムPCR、定量的PCR等のPCR技術を利用することができる。好ましい方法はPCR、特に好ましくはRT−PCRによる定量的PCRである。
【0043】
典型的には、公知の方法に従って血液検体から抽出されるtotal RNAに対して、あるいはtotal RNAから選別されたmRNAに対して、DOCK180をコードする塩基配列に対応するポリヌクレオチドを増幅用プライマーとして用いたPCR、例えばRT−PCRを行って、DOCK180をコードするcDNAを増幅し、得られた増幅産物の有無やその量を定量化するというものである。上記のPCR技術は、例えば前記特許文献2に記載された塩基配列を基にして増幅用プライマーの塩基配列の設計することも含め、すべて当業者により広く知られた技術であり、本発明の方法も、かかる広く知られた方法を適用して行うことができる。また、PCR法による遺伝子発現の検出あるいは定量化に際しては、様々な工夫を有するPCR法が多数報告されており、本発明ではその様な方法を利用してもよい。
【0044】
本発明は、上記に説明した各種方法に対して利用するための、抗DOCK180タンパク質抗体および/またはDOCK180をコードするDNAに特異的にハイブリダイズする核酸を含むキットも提供する。当該キットは抗CD34抗体をさらに含むことが好ましい。また本発明のキットは、二次抗体、標識物質その他の免疫学的検出手段の実施に有用な物質、または緩衝液、DNAポリメラーゼその他の遺伝子工学的検出手段の実施に有用な物質をキットの構成物として含んでいてもよい。
【0045】
以下、本発明に係る白血病細胞の検出方法について、実施例に基づいて説明する。なお、本発明の技術的範囲は、これらの実施例によって示される特徴に限定されない。
【実施例】
【0046】
<試薬類>
組み換え型ヒト顆粒コロニー刺激因子(recombinant human granulocyte colony stimulatory factor;以下、「rhG−CSF」と表す。)は中外製薬社から購入した。インターロイキン−3(Interleukin−3;以下、「IL−3」と表す。)および幹細胞因子(stem cell factor;以下、「SCF」と表す。)はPeproTech社から購入した。フィコエリスリン(phycoerythrin;以下、「PE」と表す。)標識抗ヒトCD14抗体はBeckman Coulter社から、フルオレセイン−イソチオシアネート(fluorescein−isothiocyanate;以下、「FITC」と表す。)標識抗ヒトCD34抗体はBD Biosciences社から購入した。またネガティブコントロールは、それに対応するクラスの抗体をDakoCytomation社から購入した。抗DOCK180抗体、ヤギ抗マウスIgG−HRP抗体およびヤギ抗ウサギIgG−HRPはSanta Cruz Biotechnology社から、抗β−アクチン(β−actin)抗体はSIGMA−ALDRICH社からそれぞれ購入したものを使用した。
【0047】
<実施例1>
(1)単核細胞の回収およびヒトCD34陽性細胞の回収
倫理規定に基づく同意を得て採取した健常人の骨髄液と末梢血それぞれから、Ficoll−Hypaque(Amersham)を用いた比重遠心法で、骨髄液由来の単核細胞(BM−MNC)と末梢血由来の単核細胞(PB−MNC)とを分離した。また、倫理規定に基づく同意を得た健常人成人に5μg/kgのrhG−CSFを5日間連日皮下投与して、ヒトCD34陽性細胞を動員した後に末梢血を採取した。この末梢血から血球分離装置を用いて白血球画分を回収し、液体窒素を用いて凍結保存した。以下、回収した白血球画分をアフェレーシスプロダクト(AP)と表す。さらに、凍結保存したAPから、比重遠心法で単核細胞(AP−MNC)を分離した。
【0048】
BM−MNCから、抗CD34磁気ビーズ抗体(Miltenyi Biotech社)と磁気細胞分離システム(Miltenyi Biotec社)とを用いて、ヒトCD34陽性細胞(BM−CD34)を純化し、回収した。また同様にしてAP−MNCからヒトCD34陽性細胞(AP−CD34)を純化し、回収した。
【0049】
さらに、倫理規定に基づく同意を得て採取した健常人の末梢血を、湯尾(好中球、血液・腫瘍科、2000年、第40巻、第10−16頁、科学評論社)に記載された方法に従って、1%デキストラン生理食塩水と混和させ、30分間室温にて放置し、分離した上層の浮遊液をFicoll−Hypaqueを用いた比重遠心法で顆粒球(GC)と赤血球との分画を分離回収した後、赤血球を溶血させ除去し、GCのみを採取した。
【0050】
(2)フローサイトメトリー解析
(1)で回収したBM−CD34、AP−CD34および急性骨髄性白血病と診断された患者の骨髄血由来のCD34陽性細胞(AML−CD34)それぞれを、0.5%牛血清アルブミンを添加したdeficient RPMI1640培地(SIGMA−ALDRICH社)に1×10細胞/mLの濃度で懸濁させた後、20μg/mLのPE抗ヒトCD14抗体、20μg/mLのFITC抗ヒトCD34抗体、およびそれぞれの抗体に対するマウスIgG1 negative controlを加えて氷上で30分間反応させた。反応後、遠心分離にて非付着抗体を除去し、200μLの前記培地に再懸濁させ、FACSCalibur(BD Biosciences社)とBD CellQuestTM Pro version5.2(BD Biosciences社)を用いて、解析を行った。その結果、純化後のBM−CD34およびAP−CD34のヒトCD34陽性細胞率は、いずれも90%以上であった。またAML−CD34のCD34陽性細胞率は70%以上であった。
【0051】
(3)定量RT−PCR法によるDOCK180発現の測定
(1)で得たPB−MNC、GC、AP−MNC、AP−CD34、BM−MNC、およびBM−CD34の各細胞5×10個から、RNeasy Mini Kit(QIAGEN社)を用いてtotal RNAを抽出した。これをRQ1 RNase free DNase1(Promega社)で処理後、SuperScriptTM First−Strand Synthesis System for RT−PCR(Invitrogen社)を用いてcDNAを合成した。得られたcDNA6μLをヒトDOCK180あるいはグリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素(GAPDH)に対する特異的プライマー(TaqMan Gene Expression Assays;Applied Biosystems社)とTaqMan Universal PCR Master Mix(Applied Biosystems社)とを全量25μLで混和し、初期変性(95℃、10分間)後、95℃で15秒間、60℃で1分間を1サイクルとするPCR反応を40サイクル行った。各サンプルのDOCK180mRNAの発現量はGAPDHのmRNAの発現量で補正し、293T細胞の発現量を1000 unitsに規定して、それに対する相対量として数値化した。
【0052】
その結果、AP−MNC、BM−MNC、PB−MNC、およびGCでは、DOCK180のmRNAはそれぞれ69±57units(mean±SD、n=2)、37±35units(mean±SD、n=3)、56±47units(mean±SD、n=10)、71±69units(mean±SD、n=3)と極めてわずかに検出されたのみであった。一方、AP−CD34とBM−CD34では、それぞれ1455±689units(mean±SD、n=4)、1263±783units(mean±SD、n=9)と、高い発現が認められた(図1)。
【0053】
(4)イムノブロッティング法によるDOCK180発現の測定
(3)のAP−CD34、BM−CD34、AP−MNC、およびBM−MNCと同じ各細胞種を、1%ノニデットP40(非イオン性界面活性剤;NP−40)を含有するlysis bufferで溶解後、14000rpm、4℃の条件下で15分間遠心して上清を回収し、タンパク質抽出液とした。各サンプルを7.5〜15%のポリアクリルアミノグラジエントゲル(BIO−RAD社)を用いたSDS−PAGEにより電気泳動後、泳動パターンをニトロセルロース膜(PALL社)に転写した。転写された膜を、5%スキムミルクを添加した1%Tween−phosphate buffered salineで30分間ブロッキング後、各一次抗体と室温で2時間反応させた。一次抗体には抗DOCK180抗体および抗β−アクチン抗体を用いた。膜を洗浄後、それぞれに対応する二次抗体と室温で30分間反応させ、ECL Western blotting detection reagent(Amersham社)を用いて発色させ、LAS1000(Fujifilm社)にて画像化した。
【0054】
その結果、(3)と同様に、AP−CD34およびBM−CD34にのみ、DOCK180の発現を認め、AP−MNCおよびBM−MNCでは、DOCK180の発現は認められなかった(図2)。以上より、骨髄および末梢血いずれにおいても、ヒトCD34陽性細胞にのみ、DOCK180が発現していることが確認された。
【0055】
(5)急性白血病細胞および慢性白血病細胞におけるDOCK180の発現
治療抵抗性を示す症例を含まない初発CD34陽性急性リンパ性白血病(ALL)症例3例、治療抵抗性を示す症例を2例含む再発CD34陽性ALL症例4例、治療抵抗性を示す症例を5例含む初発CD34陽性急性骨髄性白血病(AML)症例14例、治療抵抗性を示す症例を1例含む再発CD34陽性AML例2例、およびいずれも治療抵抗性を示す再発CD34陽性慢性骨髄性白血病(CML)症例2例、合計25例の骨髄液を、倫理規定に基づく患者の同意を得て採取し、この細胞から前記(3)と同様の手法でtotal RNAを抽出し、前記(3)と同様の定量RT−PCR法にて初診時におけるDOCK180mRNAの発現量を定量した。その結果を図3および図4に示す。
【0056】
前記25例の骨髄液検体のうち、治療抵抗性を示す初発CD34陽性AML例2例(図3に示すNo.8およびNo.10)、治療抵抗性を示す再発CD34陽性AML症例1例(同No.22)、および治療抵抗性を示す再発CD34陽性CML症例1例(同No.25)では、初診時におけるDOCK180mRNAの発現量は、正常のAP−CD34およびBM−CD34と比較して同等値(正常値)ないし高い値を示した。特に、前記No.8では、図3に示すように、初診時における前記発現量は751であったが、一旦寛解後に再発し、再発時における前記発現量は1405と初診時より増加するとともに、正常のAP−CD34およびBM−CD34と比較して同等値(正常値)を示した。
【0057】
また、前記(4)と同様のImmunoblottingを行った結果、前記No.8、No.10、No.22、およびNo.25の骨髄液検体では、DOCK180タンパク質の発現が正常のAP−CD34およびBM−CD34と同様に認められた。
【0058】
ここで、治療抵抗性を示す再発CD34陽性ALL症例2例(図3に示すNo.4およびNo.5)、治療抵抗性を示す初発CD34陽性AML症例5例(同No.8、No.9、No.10、No.11、およびNo.12)、治療抵抗性を示す再発CD34陽性AML症例1例(同No.22)、ならびに治療抵抗性を示す再発CD34陽性CML症例2例(同No.24およびNo.25)における物理療法あるいは化学療法の内容を図5に示す。
【0059】
以上のような実施例によれば、白血病、特に急性白血病の腫瘍細胞におけるDOCK180の特異的な発現パターンを確認することで、白血病の抵抗性を診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】定量RT−PCR法により測定した293T細胞におけるDOCK180mRNAの発現量を1000unitsとしたときの、各種細胞におけるDOCK180mRNAの相対的発現量を表したグラフである。数値は平均値と標準偏差(正方向のみ)で示した。
【図2】実施例で調製した各種細胞に対する、抗DOCK180抗体を用いたイムノブロッティングの結果を表した図(写真)である。293T細胞は陽性コントロール、Jurkat細胞は陰性コントロールとしてそれぞれ用いた。
【図3】定量RT−PCR法により測定した293T細胞におけるDOCK180mRNAの発現量を1000unitsとしたときの、初発CD34陽性ALL症例3例、再発CD34陽性ALL症例4例、初発CD34陽性AML症例14例、再発CD34陽性AML症例2例、再発CD34陽性CML症例2例、合計25例の腫瘍細胞におけるDOCK180mRNAの相対的発現量と治療反応性とを表した表である。
【図4】定量RT−PCR法により測定した293T細胞におけるDOCK180mRNAの発現量を1000unitsとしたときの、初発CD34陽性ALL症例3例、再発CD34陽性ALL症例4例、初発CD34陽性AML症例14例、再発CD34陽性AML症例2例、再発CD34陽性CML症例2例、合計25例の腫瘍細胞におけるDOCK180mRNAの相対的発現量を表したグラフである。なお、図中の◆で示す4例は、治療抵抗性を示す初発CD34陽性AML例2例(図3に示すNo.8およびNo.10)、治療抵抗性を示す再発CD34陽性AML症例1例(同No.22)、および治療抵抗性を示す再発CD34陽性CML症例1例(同No.25)である。
【図5】定量RT−PCR法により測定した293T細胞におけるDOCK180mRNAの発現量を1000unitsとしたときの、それぞれ治療抵抗性を示す再発CD34陽性ALL症例2例、初発CD34陽性AML症例5例、再発CD34陽性AML症例1例、再発CD34陽性CML症例2例、合計10例の腫瘍細胞におけるDOCK180mRNAの相対的発現量、治療反応性、および治療内容を表した表である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
白血病患者由来の血液検体においてDOCK180の発現が正常であるCD34陽性細胞を検出する、白血病細胞の検出方法。
【請求項2】
抗CD34抗体と抗DOCK180抗体とを用いた免疫学的検出法によって前記DOCK180の発現が正常であるCD34陽性細胞を検出する、請求項1に記載の白血病細胞の検出方法。
【請求項3】
前記白血病細胞が急性白血病細胞である、請求項1または請求項2に記載の白血病細胞の検出方法。
【請求項4】
前記急性白血病細胞が急性骨髄性白血病細胞である、請求項3に記載の白血病細胞の検出方法。
【請求項5】
白血病患者由来の血液検体におけるCD34陽性細胞を検出し、健常人由来の血液検体におけるDOCK180の発現が正常なCD34陽性細胞および/または白血病患者由来の血液検体におけるDOCK180の発現が陰性であるCD34陽性細胞に対する白血病患者由来の血液検体において検出したDOCK180の発現が正常であるCD34陽性細胞の比率を測定する方法。
【請求項6】
抗CD34抗体と抗DOCK180抗体とを用いた免疫学的検出法によって、前記白血病患者由来の血液検体におけるDOCK180の発現が正常であるCD34陽性細胞と、前記健常人由来の血液検体におけるDOCK180の発現が正常であるCD34陽性細胞および/または前記白血病患者由来の血液検体におけるDOCK180の発現が陰性であるCD34陽性細胞との検出を行う、請求項5に記載の測定方法。
【請求項7】
前記白血病が急性白血病である、請求項5または請求項6に記載の測定方法。
【請求項8】
前記急性白血病が急性骨髄性白血病である、請求項7に記載の測定する方法。
【請求項9】
請求項5から請求項8いずれかに記載の測定方法を含む、白血病の治療抵抗性を検査する方法。
【請求項10】
抗DOCK180抗体またはDOCK180をコードするDNAにハイブリダイズする核酸を含む、白血病の治療抵抗性の検査用キット。
【請求項11】
さらに抗CD34抗体を含む、請求項10に記載の検査用キット。
【請求項12】
健常人由来の血液検体中のCD34陽性細胞におけるDOCK180の発現量を指標値として、白血病患者由来の血液検体中のCD34陽性細胞におけるDOCK180の発現量を測定する、白血病の治療抵抗性を検査する方法。
【請求項13】
前記白血病が急性白血病である、請求項12に記載の白血病の治療抵抗性を検査する方法。
【請求項14】
前記急性白血病が急性骨髄性白血病である、請求項13に記載の白血病の治療抵抗性を検査する方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−133880(P2010−133880A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−311638(P2008−311638)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成20年11月16日 インターネットアドレス「http://abstracts.hematologylibrary.org/content/vol112/issue11/」、「http://abstracts.hematologylibrary.org/cgi/content/abstract/112/11/1476?maxtoshow=&HITS=10&hits=10&RESULTFORMAT=&fulltext=DOCK180&searchid=1&FIRSTINDEX=0&volume=112&issue=11&resourcetype=HWCIT」、「http://ash.confex.com/ash/2008/webprogram/start.html」、「http://ash.confex.com/ash/2008/webprogram/Paper1419.html」に発表
【出願人】(504173471)国立大学法人北海道大学 (971)
【Fターム(参考)】