説明

皮膚を若返らせるための方法及び装置

対象者、例えば、人の皮膚を若返らせるための方法及び装置を提供する。該方法は、対象者の皮膚領域に渡って刃を動かす工程を含む。該皮膚領域は、例えば、主として軟毛を含むことが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚を若返らせるための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スキンケアは、男性及び女性の外観を改善又は向上させるのに特に重要だといえる。皮膚の手入れには、多様な製品及び方法を用いることが可能である。例えば、見た目が健康な皮膚を維持するのに、剥離スクラブ、クレンザー、及びローションを用いることがある。剥離スクラブは、死んでいる皮膚細胞を皮膚表面から除去するのに使用することが可能で、皮膚に良好な色調を与えることができる。石鹸、及び他のクレンザーは、汚れ及び余分な油脂を皮膚から除去するのに使用することが可能で、毛穴が詰まるのを防ぐのに役立つ。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、場合によっては、ニキビ及び他の種類の吹き出物を防ぐことができる。また、ローション及び多様な他の局所軟膏を使用して、皮膚の外観及び/又は健康を改善するために皮膚に栄養素及び/又は保湿剤を与えることも可能である。皺等のエージングの兆候を解消するために、他の種類の化粧品(例えば、クリーム及びローション)又は薬物の活性物質を使用する場合もある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、皮膚を若返らせるための方法及び装置を特徴とする。本明細書において使用するとき、皮膚若返りとは、次のうちの1つ以上を包含する:小皺及び皺を減らす:深い皺を減らす;皮膚の色調及び弾性を高める;吹き出物及び/又はしみを減らす;皮膚の凹凸を減らす;及び見た目が若い皮膚を生成する。
【0005】
一態様において、本発明は、対象者の皮膚を若返らせる方法を特徴とし、該方法は、主としてその上に軟毛を有する皮膚のある領域に渡って少なくとも1つの刃を動かす工程を含む。
【0006】
実施例は、以下の特徴のうち1つ以上を包含することが可能である。
【0007】
特定の実施例において、前記方法は、対象者の眼窩周囲の皮膚に渡って少なくとも1つの刃を動かす工程を含む。
【0008】
幾つかの実施例において、前記方法は、対象者の額の皮膚に渡って少なくとも1つの刃を動かす工程を含む。
【0009】
特定の実施例において、前記方法は、対象者の頬の皮膚に渡って少なくとも1つの刃を動かす工程を含む。
【0010】
幾つかの実施例において、前記少なくとも1つの刃を動かす工程において、皮膚に1つ以上の種類のサイトカインを放出させる。
【0011】
特定の実施例において、前記方法は、前記皮膚に処置を施す工程をさらに含む。
【0012】
幾つかの実施例において、前記施す工程は、皮膚の剥離を含む。
【0013】
特定の実施例において、前記施す工程は、機械的な皮膚の剥離を含む。
【0014】
幾つかの実施例において、前記施す工程は、前記皮膚に対してエネルギー(例えば、熱エネルギー、光熱エネルギー、IRエネルギー、及び/又は可視光線)を放出する工程を含む。
【0015】
特定の実施例において、前記処置は、前記皮膚に渡って前記刃を動かす前に施される。
【0016】
幾つかの実施例において、前記処置は、前記皮膚に渡って前記刃を動かすのと同時に施される。
【0017】
特定の実施例において、前記処置は、前記皮膚に渡って前記刃を動かした後に施される。
【0018】
幾つかの実施例において、前記領域上の毛の約10パーセント以下が硬毛終毛である。
【0019】
特定の実施例において、前記方法は、前記皮膚に渡って複数の刃を動かす工程を含む。
【0020】
幾つかの実施例において、前記複数の刃は、異なる相対的な鋭さを有する。
【0021】
特定の実施例において前記複数の刃は、異なる角度に向けられる。
【0022】
幾つかの実施例において、前記方法は、前記皮膚に対して皮膚若返り製品を塗布する工程をさらに含む。
【0023】
特定の実施例において、前記皮膚若返り製品は、保湿剤、日焼け止め製品、抗ニキビ製品、抗皺製品、色素脱失製品、皮膚若返り率を向上させる製品、トレチノイン、ビタミン類、及び/又は抗刺激剤を包含する。
【0024】
幾つかの実施例において、前記皮膚若返り製品は、前記皮膚に渡って前記刃を動かした後に塗布される。
【0025】
特定の実施例において、前記皮膚若返り製品は、前記皮膚に渡って前記刃を動かすのと同時に塗布される。
【0026】
幾つかの実施例において、前記皮膚若返り製品は、前記皮膚に渡って前記刃を動かす前に塗布される。
【0027】
前記方法は、次の利点のうちの1つ以上を包含することができる。
【0028】
特定の実施例において、高価な化粧品を必要とせず、皮膚を若返らせることが可能である。幾つかの実施例において、皮膚に感じられる刺激なく、皮膚を若返らせることが可能である。特定の実施例において、ユーザの定期的な衛生レジメンに容易に組み込むことができる簡便な技法を用いて、皮膚を若返らせることが可能である。幾つかの実施例において、ユーザは、制御された様式で皮膚を若返り及び/又は剥離をすることができ、ユーザの皮膚の刺激量を抑えることが可能である。
【0029】
本発明の他の特徴及び利点は、明細書、図面、及び請求項中にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
一般に、本明細書において論じる皮膚若返り方法は、皮膚のある領域に渡って皮膚若返り装置を動かす工程を含む。該皮膚若返り装置は、皮膚若返り装置が前記皮膚領域に渡って動かされるに従い、皮膚表面に接触するよう配置された1つ以上の鋭利な刃を含む。したがって、前記刃(単数又は複数)は、前記皮膚領域から生きている皮膚細胞を除去して、以下に論じるように、皮膚を若返らせるのに役立つことが可能である。
【0031】
図1及び2を参照して、皮膚若返り装置100は、底面107を有する筐体105を含む。筐体105は、底面107から内側に引きでる凹部109を規定する。刃115は、凹部109内に保持され、該筐体を横切る横断方向に引きでる。刃115の各一は、概ね底面107に向かって方向付けられた鋭利な刃先130を含む。図3に示されるように、刃115は、底面107に対して約15度〜約30度(例えば、約20度〜約25度)の角度で配列される。以下にさらに詳細に論じるように、刃115のこうした向きは、皮膚若返り装置100がユーザの皮膚に渡って動かされると、刃115の鋭利な刃先130がユーザの皮膚表面に軽い外傷又は損傷を生じさせる原因となる。刃の鋭さは、皮膚若返り装置100を皮膚表面に渡って動かす間、ユーザの快適さを増すよう調整することが可能である。あるいは又はその上、鋭利な刃先130をコーティングして(例えば、テロメリックコーティングを用いる)、皮膚若返り装置100がユーザの皮膚に渡って動かされるに従いユーザの快適さを増すことが可能である。
【0032】
図1に示されるように、筐体105は、また、スキンケア製品供給機構125を含む。供給機構125は、収納部150と、収納部150内に含有されたスキンケア製品160と、作動ボタン155と、排出口165とを含む。排出口165は、筐体105の底面107によって規定され、凹部109の対向端部に隣接して配置される。排出口165は、収納部150と流体連通した状態である。例えば、収納部150と排出口165を連結するのに管類を用いてもよい。
【0033】
作動ボタン155は、押すと、バルブを作動させるよう構成されており、そのため収納部150を加圧することができる。ボタン155を1回以上押すと、収納部155内の圧力を増すことができ、スキンケア製品160が排出口165を通って押し出される。幾つかの実施例において、スキンケア製品160は、剥離剤を含む。例えば、スキンケア製品として、αヒドロキシ酸及び/又はβヒドロキシ酸等の化学薬品を用いた剥離剤を挙げることができる。別の例として、スキンケア製品160は、アルミニウムオキシド等の機械的剥離剤を包含することが可能である。多様な他の機械的剥離剤のいずれも別途又は追加的に使用することが可能である。機械的剥離剤(単数又は複数)は多様な形状及び粒径のうちのいずれかの粒子を包含することが可能である。粒子は、例えば、相対的に離散形の縁部を包含する多様な3次元形状のうちのいずれであってもよい。スキンケア製品160を剥離剤として説明してきたが、スキンケア製品160は、別途又は追加的に保湿剤、日焼け止め製品、抗ニキビ製品、抗皺製品、色素脱失製品、皮膚の若返り率を向上させる製品、トレチノイン、ビタミン類、及び/又は抗刺激剤であってもよい。
【0034】
スキン若返り装置100を使用する方法は、若返らせる皮膚のある領域を第1選択する工程を含む。若返らせる皮膚領域を選択した後、ユーザは、皮膚若返り装置100の刃115を該選択領域に渡って擦り、該選択領域に処理剤(例えば、スキンケア製品)を施す。このプロセスは、皮膚の該選択領域を若返らせるのに役立つ。
【0035】
若返らせる皮膚領域を選択する工程は、主として軟毛(例えば、比較的細く、軟らかい、着色されてない毛)が伸びる多様な皮膚領域のいずれかを選択する工程を含む。幾つかの実施例において、前記選択領域上の毛の約10パーセント以下(例えば、約5パーセント〜約10パーセント)が硬毛(例えば、比較的長く、粗い、着色された毛)である。特定の実施例において、軟毛は、前記選択領域(単数又は複数)上の毛のうち約90パーセント以上(例えば、約95パーセント以上)を占める。主として軟毛を有する皮膚領域は、眼窩周囲領域、上唇、頬、顎、額、及び/又は首等の多様な顔面領域のいずれかを包含することが可能である。特に多くの女性にとって、前記選択領域は、顔及び首の実質的にいずれの領域でもあり得る。前記選択皮膚領域は、別途又は付加的に、手及び/又は足の領域といった多様な他の皮膚領域のいずれでもあり得る。ユーザによって選択された領域は、典型的には、手動又は電動かみそり等の従来の剃毛装置を用いて定期的に剃られることのない皮膚の領域である。
【0036】
若返らせる皮膚の領域を選択した後、ユーザは、底面107の少なくとも一部を該選択領域に接触させたまま、皮膚若返り装置100を動かす。したがって、刃115の鋭利な刃先130は、ユーザの皮膚に渡って動かされる。刃115は、刃115を皮膚を横切って動かすに従い、皮膚表面に実質的に表面だけの損傷が生じるのを可能にする、皮膚表面に対してある角度の傾斜をもって配列することが可能である。皮膚領域を横切って動かされる間、例えば、刃115は、前記選択皮膚領域の表面に対して約15度〜約30度(例えば、約20度〜約25度)の角度で配置することが可能である。刃115の鋭さ及び向きのために、刃115がユーザの皮膚表面に渡って擦られるに従い、皮膚細胞(例えば、生きている及び死んでいる皮膚細胞)が除去される。
【0037】
例えば、皮膚表面の凹凸のために、皮膚表面から皮膚細胞が除去される。例えば、角質層は、ミクロのレベルで皮膚表面を凹凸にしているたくさんの谷部と隆起部とを有する。皮膚若返り装置100が皮膚表面に渡って動かされるに従い、皮膚細胞の除去につながり得るミクロの表皮剥離を生じることが可能である。一般に、生きている及び/又は死んでいる皮膚の幾つかの層(例えば、3層以下)のみが、皮膚若返り装置100の1ストロークによって影響を受ける(例えば、除去される)。幾つかの実施例において、選択領域内にある角質層の約10ほどのたくさんの層(約5〜約8層)を除去するのに約5以上(例えば、約5〜約10)のストロークを適用するのが有益といえる。皮膚の除去された層は、例えば、選択領域内において表皮の約10パーセント(例えば、約5パーセント〜約8パーセント)を占めることが可能である。以下に記載されるように、細胞の塊(例えば、生きている及び死んでいる皮膚細胞)を除去することは、選択皮膚領域からのサイトカインの放出率を実質的に上げて、若返り効果をもたらすことが可能であると考えられる。
【0038】
生きている皮膚細胞は、皮膚領域から除去された細胞の塊の約7パーセント以上(例えば、約10パーセント以上、約15パーセント以上、約20パーセント以上、約7パーセント〜約20パーセント、約7パーセント〜約15パーセント)になることが可能である。理論に束縛されるものではないが、刃115によって(生きている皮膚細胞の除去によって)皮膚の選択領域に生じた小さな摂動(例えば、瞬間的に又は素早く消される摂動)が皮膚内において創傷治癒の段階的現象を開始すると考えられる。創傷治癒の段階的現象は、皮膚の選択領域が1つ以上の種類のサイトカイン(例えば、インターロイキン)を高速で放出するのをもたらす。高速なサイトカインの放出は、新細胞の代謝回転及び増殖を誘発し、皮膚の選択領域に対する血流を増大することが可能である。さらに、生きている細胞の除去は、増殖因子と生物学的に活性なペプチドの合成を増加させることが可能で、このことは、皮膚の構造蛋白質の合成を活発にし、皮膚の若返りにさらに貢献することが可能である。サイトカインを高速に放出し、及び/又は増殖因子と生物学的に活性なペプチドの合成を増加させた結果、皮膚の肌ざわり、硬さ、及び/又は色調を改良することが可能である。
【0039】
一般に、サイトカインの放出速度が増すに従い、皮膚若返りレベルが高くなり、サイトカインの放出速度が低下するに従い、皮膚若返りレベルが落ちる。上で示したように、本明細書に記載されている方法を用いることによって、皮膚若返り装置100のユーザは、そのような方法が全く適用されない対象皮膚部位と比較するとサイトカインの放出速度の上昇を達成することが可能である。幾つかの実施例において、対象皮膚部位内における速度に対して約1.3倍以上(例えば、約1.5倍以上、約2倍以上、約4倍以上、約2倍〜約4倍)の速度で選択皮膚領域からサイトカインを放出することが可能である。
【0040】
一部、皮膚表面に対する刃115の向きによって、一般に、細胞の塊(例えば、生きている及び死んでいる皮膚細胞)を、皮膚に感知される刺激なしに、選択領域から除去することが可能である。例えば、皮膚若返り装置100を上述に従って選択領域に渡って動かすことが、発赤、刺痛、炎症、又は不快感を皮膚の選択領域内において実質的に全く生じることなく行うことができる。
【0041】
選択皮膚領域に渡って刃115を擦ると同時に、ユーザは付加的に皮膚に対して処置を提供することが可能である。例えば、ユーザは、空洞150内における圧力を増すため、作動ボタン155を押すことによって選択皮膚領域にスキンケア製品160を放出することができる。上述のように、空洞150内の圧力が増すに従い、スキンケア製品160の幾らかが排出口165から、ユーザの皮膚表面上へと押し出される。特定の実施例において、上述のように、スキンケア製品160は、化学薬品を用いた剥離剤である。そのような実施例において、化学薬品の剥離剤を皮膚に塗布すると、細胞外マトリックスが溶解して、皮膚の選択領域の角質層内の死んでいる細胞を捨てることが可能である。
【0042】
本明細書に記載されている技法を用いて、皮膚のある領域を、該皮膚に実質的な刺激を生じない優しい刺激によって若返らせることが可能である。例えば、刃115は、皮膚表面内に軽い外傷又は他の種類の損傷を生じて、創傷反応の段階的現象を開始することが可能である。刃115によって生じた軽い表皮剥離は、皮膚の選択領域に実質的に感知されない刺激を生じることが可能である。また、1つ以上の付加的な処理剤を皮膚に塗布して、皮膚の若返りを向上することも可能である。本明細書に記載されている方法によって生じる軽い刺激のため、これらの方法を比較的頻繁に繰り返すことが可能になる。これらの方法を、例えば、少なくとも週に3回(少なくとも週に5回、少なくとも日に1回)実施することが可能である。
【0043】
これまで、たくさんの実施例について説明してきたが、他の実施例も可能である。
【0044】
幾つかの実施例において、刃115は、複数の異なる角度で引きでている。特定の実施例において、例えば、刃が配列される角度は、最前列の刃から最後尾の刃へと増す。他の実施例において、刃が配列される角度は、最前列の刃から最後尾の刃へと小さくなる。
【0045】
特定の実施例において、刃115は、異なる鋭さのレベルを有する。例えば、刃の鋭さは、最前列の刃から最後尾の刃へと増す又は減少させることが可能である。
【0046】
幾つかの実施例において、皮膚若返り装置100は、1つの刃115のみを含む。
【0047】
特定の実施例において、供給装置125は、電気的立ち上げを受けてスキンケア製品160を放出するよう構成される。例えば、電動アクチュエータ又はポンプ及び電源(例えば、電池)を筐体150内に包蔵することが可能である。アクチュエータボタン155は、押されると、アクチュエータとポンプの間の電気的接続を生じるよう構成することが可能である。したがって、作動ボタン155を押すと、アクチュエータ/ポンプは、スキンケア製品160の幾らかを排出口165から、ユーザの皮膚の表面上へと押し出すことが可能である。
【0048】
幾つかの実施例において、供給装置125は、運動に反応して皮膚若返り成分溶液160を放出するよう構成することが可能である。例えば、供給装置125は、ユーザの皮膚に皮膚若返り装置100が触れると、開路を完了するために励起される電動供給ポンプを有することが可能である。したがって、皮膚若返り装置が皮膚に触れると、スキンケア製品160を自動的に皮膚に供給することが可能である。
【0049】
剥離剤供給装置125に替えて、又は加えて、皮膚領域にスキンケア製品160を供給する他の手段を使用することが可能である。特定の実施例において、例えば、スキンケア製品160は、筐体105に取り付けられた(例えば、底面107に取り付けられた)溶解可能なマトリックス内に含まれる。溶解可能なマトリックスは、水等の液体に曝されると、一部溶解するよう構成することが可能である。したがって、水に曝されると、所定量のスキンケア製品を放出することが可能である。溶解可能なマトリックスは、水溶性ポリマー系(例えば、ポリオクス(polyox)及び/又はポリエチレングリコール)のような多様な材料のうちのいずれかから形成することが可能である。スキンケア製品160は、多様な標準的合成方法のいずれかを用いて、マトリックス内に配置することが可能である。
【0050】
特定の実施例において、皮膚若返り装置100は、自動的剥離剤を含む。例えば、皮膚若返り装置100の底面は、皮膚を横切って擦られると、生きている皮膚細胞及び/又は死んでいる皮膚細胞を除去する非平滑表面を含むことが可能である。非平滑表面は、例えば、皮膚若返り装置がユーザの皮膚の領域に渡って擦られるに従い、皮膚細胞を除去することのできるリブ、スパイク、及び/又は他の種類の突出部を含むことが可能である。剥離剤の他例が米国公開出願第US2004−0181943−A1及び2003年10月12日出願の所有者が同じで同時係属中の米国特許出願第10/732,555号に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
特定の実施例において、皮膚若返り装置100は、スキンケア製品供給機構を含まない。このような実施例において、スキンケア製品160は、望ましければ、他の手段を用いて皮膚の選択領域に供給することが可能である。例えば、供給機構を、個別の装置内に含むことが可能である。したがって、皮膚若返り装置100は、スキンケア製品160が該個別の装置を用いて選択皮膚領域に供給される前又は後に皮膚領域に渡って動かされる。幾つかの実施例において、スキンケア製品160は、供給機構によって供給されるというよりむしろ、手によって塗布することが可能なローション、クリーム、又は溶液である。例えば、ユーザは、皮膚若返り装置100を皮膚領域に渡って動かす前又は後に、彼又は彼女の指を使ってスキンケア製品を選択皮膚領域内に擦り付けることが可能である。
【0052】
スキンケア製品160に替えて、又は加えて、他の形態の処置を施すことが可能である。幾つかの実施例において、例えば、特定種類のエネルギーを選択皮膚領域にあてて、若返りを増加させることが可能である。好適な種類のエネルギー例として、熱エネルギー、光熱エネルギー、IRエネルギー、及び可視光線が挙げられる。皮膚に低レベル量のエネルギーをあてると、皮膚内の一過性の創傷を生むことが可能で、このことは、サイトカイン放出を増大させる又は誘導することが可能である。幾つかの実施例において、エネルギーは、約400nm〜約1300nmの波長を有する。特定の実施例において、前記エネルギーを、約1.0J/cm〜約100J/cm(例えば、約2.0J/cm〜約15J/cm)の強度で伝播することが可能である。エネルギー放出機能を提供するため、皮膚若返り装置100の筐体105は、例えば、作動ボタン155が押されると、上述のエネルギーのうちの1つ以上をユーザの皮膚の選択領域に放出するよう構成されたトランスミッタを含むことが可能である。
【0053】
幾つかの実施例において、前記プロセスは、上述の工程に加えて1つ以上の工程を含む。例えば、選択皮膚領域に渡って刃115を動かし、スキンケア製品160及び/又はエネルギーを選択領域に適用した後、ユーザは、多様な他の皮膚若返り製品のうちのいずれかを選択皮膚領域に付加的に塗布することが可能である。例えば、ユーザは、保湿剤、日焼け止め製品、抗ニキビ製品、抗皺製品、色素脱失製品、皮膚の若返り率を向上させる製品、トレチノイン、ビタミン類、及び/又は抗刺激剤を塗布することが可能である。これらの処置製品は、皮膚の鎮静、保護、及び/又はさらに皮膚の若返りに貢献するのに役立たせることが可能である。
【0054】
特定の実施例において、前記プロセスは、本明細書に記載されている工程の部分集合のみを含む。例えば、前記プロセスは、皮膚領域に渡って刃を擦る工程のみを含む。
【0055】
他の実施例も、請求の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】皮膚若返り装置のある実施例を示す断面図。
【図2】図1の皮膚若返り装置の実施例を示す底面図。
【図3】図1の領域Aを示す拡大図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主としてその上に軟毛を有する皮膚のある領域に渡って少なくとも1つの刃を動かすことを含む、対象者の皮膚を若返らせる方法。
【請求項2】
対象者の眼窩周囲の皮膚に渡って少なくも1つの刃を動かすことを含む、対象者の皮膚を若返らせる方法。
【請求項3】
対象者の額の皮膚に渡って少なくとも1つの刃を動かすことを含む、対象者の皮膚を若返らせる方法。
【請求項4】
対象者の頬の皮膚に渡って少なくとも1つの刃を動かすことを含む、対象者の皮膚を若返らせる方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの刃を動かす工程において、前記皮膚に1つ以上の種類のサイトカインを放出させる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記皮膚に処置を施す工程をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記処置を施す工程は、皮膚の剥離を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記処置を施す工程は、機械的な皮膚の剥離を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記処置を施す工程は、前記皮膚に対してエネルギーを放出することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記エネルギーは、熱エネルギー、光熱エネルギー、赤外線(IR)エネルギー、及び可視光線から成る群から選択される1つ以上の要素を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記処置は、前記皮膚に渡って前記刃を動かす前に施される、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記処置は、前記皮膚に渡って前記刃を動かすと同時に施される、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
前記処置は、前記皮膚に渡って前記刃を動かした後に施される、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
前記領域上の毛の約10パーセント以下が硬毛である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、前記皮膚に渡って複数の刃を動かす工程を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の刃は、異なる相対的な鋭さを有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の刃は、異なる角度に向けられている、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記皮膚に対して皮膚若返り製品を塗布する工程をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記皮膚若返り製品は、保湿剤、日焼け止め製品、抗ニキビ製品、抗皺製品、色素脱失製品、皮膚の再生率を向上させる製品、トレチノイン、ビタミン類、及び抗刺激剤から成る群から選択される1つ以上の要素を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記皮膚若返り製品は、前記皮膚に渡って前記刃を動かした後に塗布される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記皮膚若返り製品は、前記皮膚に渡って前記刃を動かすと同時に塗布される、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記皮膚若返り製品は、前記皮膚に渡って前記刃を動かす前に塗布される、請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−534176(P2008−534176A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504543(P2008−504543)
【出願日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/013130
【国際公開番号】WO2006/115742
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(593093249)ザ ジレット カンパニー (349)
【Fターム(参考)】