説明

皮膚創傷の処置のための方法および組成物

皮膚創傷の創面切除法が提供される。主題の方法の具体例には皮膚創傷とハイドロゲル貼付剤創面切除組成物を接触させ、その創傷を創面切除する。また、主題の方法の実施に使用されるキットおよびシステムも提供される。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本願は、米国仮特許出願第60/529150号(出願日:2003年12月11日)に優先日を主張する出願であり、この開示はレファレンス(reference)として、ここに合体される。
【0002】
(技術分野)
一般的に、皮膚創傷は、表面組織であれ、深部組織であれ、毎年非常に沢山の人々を悩ませている。皮膚創傷には沢山の異なるタイプがあり、原因、重篤度、治癒時間、部位など様々である。例えば、いくつかの皮膚創傷は、急性であれば、速やかに治癒するが、多くは、即ち慢性の場合、比較的長い治癒時間を要し、数週間、数ヶ月、数年すら要する。そしていくつかの例では、治癒されない場合もある。従って、創傷の症状、兆候は様々であり、例えば緩和な擦傷から、例えば開いた傷、吹き出物、および潰瘍などの開放皮膚創傷などの更に重篤な創傷に亘り、それが衰弱しているかもしれない。創傷は皮膚の陥没や削除、やけど、例えば年齢や病気が原因となる血管障害など、のように沢山の様々な原因で生じる。原因や特別な症状に関わりなく、皮膚創傷はその創傷の有効で、効果的治癒を促進するために、適切に治療される必要がある。創傷が有効で、効果的に治癒されるか否かについての重要な決定は、その創傷が有効に創面切除(debride)されたか否かである。
【0003】
外科的/sharp、生物外科的、機械的、化学的、酵素的および自己融解的に広く分類されうる、創傷を創面切除するために、現在使用されている様々な異なる技術および物がある。例えば、緩和な擦傷は、浸食した土などの異物を創傷から除こうとして、石鹸や水で洗浄や擦られる。
しかし、この方法は患者にとって概して苦痛であり、そして水洗や擦りは事実生存に適した組織を損なう可能性がある。他の方法にはアルコールやヨード放出高分子のような消毒剤を使用することを含む。しかし、この様な方法は石鹸や水よりも一層の組織障害すらきたし、重篤な瘢痕を残す可能性がある。
従って、創傷ケアのための新しい方法と組成物の開発に関心が注がれてきた。特に、多くの様々なタイプの皮膚創傷を有効に創面切除することができ、皮膚創傷から種々の異なったものを有効に除去し、使用が容易であり、患者に不当な痛みを引き起こさず、そして価格が効果的であるような方法や組成物の開発に関心がある。
【0004】
(背景技術)
関心のあるレファレンスは米国特許4470962; 同4783257; 同5705485; 同6342213; 同6548728; 同6201164; および同5705485である。
【0005】
(発明の要約)
皮膚創傷の創面切除方法が提供される。主題の方法の形態は皮膚損傷を創面切除するために、粘着性ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と該創傷を接触させることを含む。ある形態は創傷治癒を促進させるために、皮膚創傷に有効量の活性剤を適用することを含む。また主題の方法の実施に使用されるいくつかのシステムおよびキットが提供される。
【0006】
(本発明の詳細な説明)
皮膚創傷の創面切除方法が提供される。主題の方法の形態は皮膚創傷を創面切除するために、粘着性ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と該創傷を接触させることを含む。ある形態は創傷治癒を促進させるために、皮膚創傷に有効量の活性剤を適用することを含む。また主題の方法の実施に使用されるいくつかのシステムおよびキットが提供される。
本発明を更に説明する前に、本発明は記載された特定の具体例によって限定されず、それなりに勿論変化すると理解されるべきである。本発明の範囲は添付の請求項によってのみ制限されるだろうから、ここで使用される用語は特定の形態のみのためであり、限定を意図するものでない。
【0007】
ある値の範囲が示されている場合、その間に存在する値のそれぞれ(その範囲の上限と下限との間において、文脈がそうでないことを明らかに示さない限り、下限の1/10 の単位にまで)、および、その言及された範囲における任意の他の言及された値または間に存在する値は本発明に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限は独立してそれらのより小さい範囲に含まれうる。従って、そのような実施形態もまた本発明に包含される。しかし、そのような実施形態は、言及された範囲における何らかの特に含まれない限界に依存する。言及された範囲が上限、下限の一方または両方を含む場合、それらの含まれる上限、下限のいずれかまたは両方を含まない範囲もまた、本範囲において含まれる。
【0008】
ここに挙げた方法は、事象の挙げた順番のみならず、論理的に可能な挙げた事象のいかなる順番で実施してもよい。
他に規定がなければ、ここで使用された全ての技術的、科学的用語は本発明が属する当業者によって共通的に理解される意味と同じ意味を有する。ここに記載した方法、材料と類似または均等なそれらは、また、本発明の実施または試験に使用されうるが、好ましい方法、材料を目下記載する。
ここで述べた全ての刊行物はレファレンスによってここに合体され、それに関連してその刊行物が引用されている方法および/または材料を開示、記述する。
本文および請求項で使用されている如く、単数形、"a"、"an"、および"the"は、文脈が明確に他のことを指示していなければ、複数対象物を含む。請求項がいかなる任意の要素を除外するよう起案されているかもしれないことが更に注意される。従って、この記述はクレーム要素の列挙に関連して、"solely"、"only" 等の排他的用語の使用、または"negative" 限定の使用のための先行基礎として、使用されると意図される。
ここで議論される刊行物は本願の出願日前の単なる開示を提供するものである。ここでは、本発明が先発明の特典によりそのような刊行物に先行する権利を放棄したものであることを容認するものでない。更に、提供された刊行物の日付は現実の刊行日と異なるかもしれず、ここに確認される必要があるかもしれない。
【0009】
この開示を読めば、当業者にとって明らかなように、ここに記載の、そして例示の各個々の事例は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、他のいくつかの事例の特徴と容易に分離、或いは結合されうる別々の組成および特徴を有する。
ここに示した図面は必ずしも縮尺通りでなく、いくつかは明快さのため、誇大された組成物および特徴を有する。
上に要約した通り、本発明は皮膚創傷のための創面切除方法および組成物を提供する。更に主題の発明を述べるならば、まず方法および組成物が詳細に述べられ、ついでその方法および組成物が採用される代表的応用について概観し、最後に、主題の方法の実施に使用されるシステムとキットが記載される。
【0010】
方法と組成物
上に概観したように、主題の方法は、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物を採用して皮膚創傷を創面切除することを含む。主題の発明の実施に採用されるハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は以下に詳細に記述される。一般に、"ハイドロゲル"はゲル状態を維持しうる水性組成物とここでは広義に定義される。
主題の発明の態様に従えば、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は、皮膚創傷中やその周りに存在する非所望物がそのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物に、接着するように、皮膚創傷と接触される。ついで、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は、そこに接着した非所望物と共に剥がされる。
【0011】
主題の方法に採用される主題のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物の特徴は、それらが皮膚損傷の創面切除に有効であるということである。更に具体的には、主題のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は、皮膚創傷への接着と皮膚から非所望物の除去に有効であり、そして患者に不当な痛みを与えることなく、皮膚創傷から非所望物を有効に除去しうる。即ち、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は、皮膚表面から容易に剥離しうるように、しかし創傷の中や周りに存する非所望物が効果的にそのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物に粘着または接着するように、十分に粘着性がある。"非所望物(unwanted matter)" は、除去が必要である創傷の中または周りに存するあらゆるものを広く意味し、無機物、生きているまたは死んでいる有機物を含む。非所望物は本来主体の1部でないもの、即ち、土、タール、砂利、グリース、オイル、うじ、紙、鉄などの金属、などの有機または無機物のような、主体の周辺からのもの、あるいは、抜け毛のような主体の体から生じたもの、かさぶた、生命力のない、あるいは壊死した組織、創傷からの繊維素などの創傷の崩壊の結果として生じたものが含まれる。態様によっては、このハイドロゲル貼付剤は皮膚からの体液や浸出物の除去や吸収を加速しうる。
【0012】
この様に、主題の発明の態様を実施するに際して、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は皮膚創傷と接触され、皮膚創傷中、あるいは周りに非所望物があれば、それをハイドロゲル貼付剤創面切除組成物に接着させ、その非所望物と共に除去、剥離される。即ち、ハイドロゲル貼付剤はそこに接着した非所望物と共に皮膚から除去される。
主題の方法のある態様によれば、皮膚創傷からハイドロゲル貼付剤創面切除組成物を除去した後に、少なくとも第2のハイドロゲル貼付剤がその皮膚創傷に接触される。そのような態様において、その創傷は少なくとも第1と第2のハイドロゲル貼付剤で連続して接触される。本発明のこのような特別な態様において、第2のハイドロゲル貼付剤が第1のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と同じ(同一)であってもよく、あるいは第1のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と異なっていてもよいが、いずれにしても、皮膚創傷から、付加的な、および/または新たに形成された非所望物を粘着、除去しうる。
従って、主題の発明のある態様に従って皮膚創傷を創面削除するために、第1のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は、まず収納容器があれば、その容器から取り出し、ついで、存在すれば、保護層を貼付剤から剥がし、それによりハイドロゲル貼付剤創面切除組成物をさらす。ある態様においては、2つ以上のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が単一または分離単位として、例えば同じ支持体上に提供されてもよい。そのような態様において、1つのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物を使用する前に、それがくっついている他のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物から、(例えばミシン穴に沿って破るか、切断などにより、)分離される。いずれにしても、少なくとも第1ハイドロゲル貼付剤が使用状態、即ち、一旦収納容器から取り出し、そいて/または他のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物から分離されれば、そのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が皮膚創傷上に位置することにより、それが皮膚創傷と接触される。
【0013】
主題の方法に従って処置される皮膚創傷は、主体の体のどの部分でもよく、例えば、腕、手、すね、足、顔、首、幹(torso)、額(顔、頭皮などを含む)などである。ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は体並びに創傷の輪郭によく順応し、従って、創傷を有する体のどの部分にも適応しうる。
【0014】
ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と接触する表面領域の量は創面切除されるべき皮膚創傷の規模などにより、異なる。その際にハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と接触される表面領域が皮膚創傷の所望の表面切除のために提供するに十分である。主題の発明に従って表面切除される皮膚創傷の規模は変わるであろう。その場合、主題の発明は、様々な皮膚創傷の規模に採用されうる。従って、皮膚創傷の特別なサイズが主題の発明の適用を制限しない。例えば、主題の発明のある態様に従って創面切除される皮膚創傷の創面領域は、0.1cmまたはそれ以下から1000cmまたはそれ以上、例えば約1cmまたはそれ以下から1000cm、あるいはそれ以上、例えば約10cmから約300cm、例えば20cmから約200cm、例えば約130cmから約150cmの範囲でよい。その際に、ある態様においては、創傷はtruckの本質的部分または全truck部分でさえ、または主体の全部分の全てを含む十分な部分をカバーしてもよい。従って、ある態様においては、皮膚創傷の表面領域は約1000cmから5000cmまたはそれ以上でもよい。その際に、ある態様では、その表面は約1m四方に亘る。例えばある態様において、主題の方法が約0.01cmから20cmの範囲のサイズの創傷を創面切除するために採用されてもよい。ある態様においては、主題の発明に従って創面切除される皮膚創傷の表面領域は、約10cmx約14cmまたはそれ以下の範囲でもよい。主題の発明に従って創面切除されうる皮膚創傷の深さは、変わるが、その際に主題の発明がいろんな深さの創傷を創面切除するために使用しうる。例えば、皮膚創傷は、例えばある態様において約0.005mmから約0.01mmほどの深さを有する浅い創傷から、例えば、ある態様においては、約2mmから約2.35mm、あるいはそれ以上、例えば、ある態様においては約0.007mmから約2.3mm、例えば外科的、器官の創傷など態様においては、約0.01mmから2mmに亘るようなより深い創傷に亘る。
【0015】
従って、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と接触する表面領域は、約1cmか、それ以下から約1000cmか、それ以上、例えば、約10cmから約300cm、例えば、約20cmから約200cm、例えば、約130cmから約150cmである。ある態様においては、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と接触する表面領域は約10cmx14cm、あるいはそれ以下である。ある態様では、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は主体の体の本質的部分と接触され、例えば、ある事例においては、創傷が上に挙げたように主体の体のすべてを本質的に含む、大部分、例えば、やけどの場合において、をカバーするように、そしてハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が創傷の全てを含む本質的部分と接触されるように、主体の体の約0.001%から約20%、例えば、約0.003%から約15%、例えば、約0.004%から約10%をカバーされうる。例えば、ある態様においては、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物で接触される表面領域は、本質的な部分、あるいは全truckまたは本質的部分でさえ、あるいは主体の全体でさえカバーするに十分である。従って、その表面領域は、約1000cmから約5000cmあるいはそれ以上であり、その際にある態様においては、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物で接触される表面領域は、約1mx約1mの範囲でもよい。
【0016】
以下に詳細に記述するように、代表的態様において、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は自己接着、即ち固有的に接着性であり、従って、皮膚創傷の位置に固定しうる、即ち、追加の接着剤を用いず、あるいは製剤の上に貼付剤を維持する手段を使用せずに、該当の皮膚創傷またはその周辺に、剥離しうるように結合されうる。例えば、ハイドロゲル組成物マトリックス自体は接着性でもよい。
ある他の態様においては、主題のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は接着支持体など或いは固有の接着剤の組合せのような別の接着剤を用い皮膚創傷の周辺の固定位置に保持させてもよく、そして追加の別の接着手段を採用しうる。
【0017】
主題の方法を実施するに際して、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は、皮膚創傷中或いは周辺に、存在すれば、非所望物の少なくとも、いくらか、全てでないにしても、あるいは実質的に全てをそのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物に接着するに十分な時間、皮膚創傷と接触される。ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が適用部位で保持される特定の時間は、限定的でなく、皮膚創傷のタイプ、皮膚創傷の規模(例えば深さなど)、皮膚創傷の年齢、などの様々な要因で異なるが、しかしある態様においては、概して、少なくとも約10秒間、ある態様においては、約30秒間から約60分間、ある態様においては、約1分間から約2時間、或いはそれ以上、ある態様においては、約15分間から約2時間、或いはそれ以上、ある態様においては、約30分間から約2時間、或いはそれ以上、ある態様においては、約1時間から約2時間、或いはそれ以上である。ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物の皮膚創傷との接触は、多くの例で、皮膚創傷との第1のハイドロゲル貼付剤の接触が約2時間から3時間より少ない、更に、例えばある態様では約2時間以下になるように、ある態様においては約4時間から約5時間を超えず、例えばある態様においては、約3時間から約4時間を超えず、例えばある態様においては、約2時間から約3時間を超えず、例えばある態様においては、約1時間から約2時間を超えない。
【0018】
一旦十分な時間経過すれば、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は皮膚創傷から剥がされる。上に述べたように、主題の方法に採用されるハイドロゲル貼付剤の性質は、皮膚創傷から、そのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物を単純に剥がすことによって、皮膚創傷から容易に、外傷を与えることなく、それの除去を可能にする。除去の際、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は、無傷で除去される、即ち、そのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物はその場所に残骸物を残さない。また、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物の除去の際に、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物に接着された皮膚創傷中或いは周囲からの非所望物がハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と共に除去される。ある態様においては、主題の方法で、創傷中の非所望物の最初の量の少なくとも約50%(w/w)が除去されるので、非常に効率的である。その際にある態様においては、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%またはそれ以上、例えば、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%またはそれ以上の除去が観察される。
【0019】
上記のように、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物の創面切除に加えて、ある態様は、皮膚創傷からの体液や滲出物を除去、吸収することを含む。従って、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は皮膚創傷からの全血、血清などの体液や滲出物を除去あるいは吸収しうる。当該ハイドロゲル貼付剤は創傷からの体液や滲出物を除去、吸収/吸着するかいなかは、少なくとも使用する特定のハイドロゲル貼付剤の水分含量に依存する。例えば、ある態様では、主題のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は比較的に高含水(例えば、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と異なるハイドロコロイド組成物に比べて)であり、従って、いやしくも、液を吸収するその能力に限定される。即ち、ある態様では、当該ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物はそのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物に液体の吸収または大量の液体を吸収し得ないような水含量を有しうる。しかしながら、当該ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が皮膚創傷から液体を吸収する能力を有する場合のいくらかの態様においては、そのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物によって除去或いは吸収される体液または滲出物の量は、当該液体の特殊性、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物の特殊性などにより、変わるが、しかしある態様では約0.01cc/cmから0.15cc/cm、ある態様では約0.03cc/cmから0.12cc/cm、ある態様では約0.05cc/cmから0.1cc/cmである。例えばある態様では、約1000g/mの重量のゲル基剤と約50%の水分含量を有するハイドロゲル貼付剤創面切除組成物では、約1cc/cmの体液または滲出物がこのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物により吸収されうる。
【0020】
上記の通り、ある代表的態様においては、少なくとも2個のハイドロゲル貼付剤が連続して皮膚創傷と接触され、皮膚創傷を創面切除する。そのような態様によれば、第1のハイドロゲル貼付剤が一旦皮膚創傷から除去されると、ついで少なくとも1個以上のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が皮膚創傷と接触される。皮膚創傷に接触される第2のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は、第1のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と同じものでよく、あるいは第2のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が、第1のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物に存在していない1つ以上の成分の追加を含むもの、第2のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が、第1のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物に存在する1つ以上の成分が欠如しているもの、第2のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が、第1のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物のそれよりも1つ以上の組成物の濃度がことなるもの、第2のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が、第1のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物よりことなった規模のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物など、のような少なくとも1つの点で、第1のものと異なるような異なるタイプのものでもよい。
従って、主題の方法のある代表的態様の特徴は、主題の方法が少なくとも2つの創面切除工程、(1)第1のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物での最初の創面切除、および(2)少なくとも第2のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物での第2の創面切除を含む。この方法で、主題の方法は、一層完全な創傷の創面切除を可能とする。例えば、第1のハイドロゲル貼付剤と皮膚創傷と接触させる事例において、全ての非所望物が結果として、除去されず、そして/または非所望物が連続して生産される(即ち、第1のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物の除去の後その皮膚創傷中に、或いは周辺にものが沈殿する。)事例においては、主題の方法は完全なおよび/または連続する創面切除を提供する。
創傷と第2のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物を接触させる場合に、第2のハイドロゲル貼付剤は、まず存在すればその収納容器から取り出し、および/あるいはそこに付着していれば他のハイドロゲル貼付剤組成物から切り離し、もし存在すれば、保護層を
第2のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物から除去し、それによって第2のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物をさらす。そのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は、第1のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物について上に述べたと同様の方法で皮膚創傷上に、そのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物を配置し、皮膚創傷と接触される。
第1のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物の皮膚創傷からの除去と第2のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物の皮膚創傷への接触の間の時間は、様々であるが、しかし、第2のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は、第1のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物の除去に従う最小の時間内で、皮膚創傷と典型的に接触されるような通常は最小である。例えば、ある態様においては、第2のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は、第1のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物の除去後、約10秒から約90分より以前に、皮膚創傷と接触されうる。態様は、第1のハイドロゲル貼付剤の除去後約10秒より短く、そして約90分より長く皮膚創傷と第2のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物を接触させることを含む。
【0021】
第2のハイドロゲル貼付剤は、第1のハイドロゲル貼付剤と創傷の同じ表面領域と接触させてもよく、あるいは異なった表面領域と接触させてよいが、しかし第1のハイドロゲル貼付剤と接触した皮膚創傷の少なくとも1部分が第2のハイドロゲル貼付剤と接触される。例えば、第1のハイドロゲル貼付剤はその皮膚創傷の全てと接触されてよく、そして第2のハイドロゲル貼付剤は皮膚創傷の1部分などと接触されうるが、いずれにしても、少なくとも第1および第2のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と接触される皮膚創傷の少なくともいくらかの領域がある。第2のハイドロゲル貼付剤が皮膚創傷と接触される時間は、第1のハイドロゲル貼付剤が皮膚創傷と接触される時間と同じか、あるいはそれ以下か、以上でもよい。皮膚創傷と接触される第2のハイドロゲル貼付剤の時間は、例えば、創傷の更なる創面切除が必要か否かによる。第2のハイドロゲル貼付剤が皮膚創傷と接触する時間は、一般的には少なくとも約10秒間であり、そしてある態様においては、約30秒から約60秒、例えば約1分から約2時間、あるいはそれ以上、例えば15分から約2時間、或いはそれ以上、例えば約30分から約2時間、あるいはそれ以上、例えば約1時間から約2時間、あるいはそれ以上である。ある態様においては、第2のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物の皮膚創傷との接触時間は、多くの態様においては、そのハイドロゲル貼付剤の皮膚創傷との接触時間は、約2時間から3時間より少なく、例えば約2時間より少ないように、約4時間から5時間を超えず、例えば約3時間から4時間を超えず、例えば約2時間から3時間を超えず、例えば約1時間から2時間を超えない。
【0022】
一旦第2のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が創傷と十分な時間接触されると、その第2のハイドロゲル貼付剤は創傷から剥がされる。第1のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物に関して上に述べたと同様にして、第2のハイドロゲル貼付剤に接着した非所望物は第2のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と共に創傷から、また除去される。
第2のハイドロゲル貼付剤の除去に続いて、ある態様においては、主題の方法は皮膚創傷と1つ以上の更なるハイドロゲル貼付剤創面切除組成物との接触を含んでもよい。特定の皮膚創傷の処置に使用されるハイドロゲル貼付剤創面切除組成物の正確な数は、創傷のタイプ、創傷を治癒するに要する時間、などにより異なる。例えば、少なくとも2つのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物を使用する場合、当該皮膚創傷の創面切除に使用されるハイドロゲル貼付剤創面切除組成物の数は、2から約50個、あるいはそれ以上、例えば約2から約20個、例えば約2から約10個である。例えば、ある態様においては、治癒の最初の段階(例えば、皮膚創傷が提供後の最初の24時間)は、ハイドロゲル貼付剤が皮膚創傷と絶えず接触し、剥がされ、そしてもう1つのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と24時間の間で交換される。ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が交換される時間は、例えば1日の間で、24時間以内で少なくとも2回から48回(例えば30分に1回)、例えば24時間で24回(例えば1時間に1回)、例えば24時間に12回(例えば2時間毎に1回)等である。ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物の除去後に採用されるハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は、前に皮膚創傷と接触されたハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と同じタイプでも、異なったタイプでもよい。例えば、1つ以上の追加ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物(即ち第3、第4、第5、第6、第7等のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物)は、1つ以上のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が以前に使用した1つ以上のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物に存在しない1つ以上の追加の成分を含み、或いは1つ以上の追加のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が以前に使用した1つ以上のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物に存在する1つ以上の成分を欠くもの、あるいは1つ以上の追加のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が1つ以上の以前に使用したハイドロゲル貼付剤創面切除組成物の成分の濃度と異なる濃度の1つ以上の成分を含むもの、或いは1つ以上のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が1つ以上の以前に使用したハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と異なったハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と異なった規模のものなど、のような少なくとも1つの点で1つ以上の以前に使用されたハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と異なってもよい。
【0023】
上述の通り、ある代表的態様は皮膚創傷に薬学的に活性剤の有効量の適用を含む、その場合、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物で皮膚創傷と接触前、接触中、接触後適用できる。所望の結果を提供するに十分な投与量は有効量で意味される。例えば、活性剤が麻酔薬であれば、その有効量は所望の麻酔効果を提供する量である。当業者にとって明らかなように、有効で、最適量は使用される特定の活性剤や治療される特定の創傷、などにより異なる。ある態様では、1つ以上の活性剤の有効量の多重投与が当該創傷に適用可能であり、その際にいくつか、或いは全ての適用が同じまたは異なる活性剤を含んでいてもよい。この様に、主題の発明に従えば、一旦適切な活性剤が選ばれると、活性剤の有効または最適量が創面切除される皮膚創傷またはその周辺に適用される。
活性剤の有効量は、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物から分離された組成でもよく、あるいはハイドロゲル貼付剤創面切除組成物自身に組み込まれていてもよい。従って、活性剤の適用は、都合のよい方法で遂行され、そして少なくともある程度の活性剤が存在する形、即ち活性剤がハイドロゲル貼付剤創面切除組成物自身中に存在するか、分離された成分として、分離された顆粒、アエロゾル、クリーム、ローション、乳剤、ゲル、溶液、泡、パウダー等の形で存在するかどうか指示される。この様に、薬理学的活性剤は種々の治療用投与のための種々の剤型に混合される。一層とりわけ、活性剤は適当な薬学的に許容される賦形剤、希釈剤と混合して薬学的組成物に製剤されてもよく、そして固体、液体、半液体或いはガス状の製剤に調製してもよい。従って、投与の形式は、活性剤が存在する形で指示される。例えば、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物から分離された形で存在すれば、活性剤が皮膚創傷に噴霧され、塗られ、注入され、或いは活性剤が皮膚創傷に綿球、指、スポイトなどを用いて適用されてもよい。皮膚創傷への活性剤の適用の他のプロトコールは当業者に知られており、そして主題の方法に従って採用される。活性剤が当該ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物に合体されている態様においては、その活性剤は皮膚創傷に、その活性剤含有ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物を皮膚創傷に接触することにより、適用される。
【0024】
活性剤が適用される表面領域の量は特定の皮膚創傷、使用する特定の活性剤などによって、異なり、その際に活性剤が創面切除される皮膚創傷の全て、或いは1部のみに適用される。いずれにしても、活性剤と接触される表面領域は、投与活性剤所望量を提供するに、一般的に十分であり、そして多くの態様において、活性剤がハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と接触される規模のために上記したそれと類似の規模を有する表面領域に適用される。
種々の異なった薬学的活性剤が使用され、その際に、使用される特定の活性剤は当該創傷特性などにより指示される。水溶性、或いは非水溶性活性剤は採用されうる。関心のある活性剤は、限定的でなく、痛みや痒みを緩和する麻酔薬、消炎剤、抗菌剤、感染を防ぐ抗生剤、組織成長を促す成長因子、などが含まれる。従って、特定の活性剤が処置される皮膚創傷特定の環境に基づき、選択される。例えば、創傷が皮膚潰瘍であれば、皮膚潰瘍の治療を促進する1つ以上の活性剤(例えばヒアルロン酸ナトリウムなど)が採用される;創傷がやけどであれば、やけどの治療を促進する1つ以上の活性剤(例えば銀スルファジアジン、その誘導体、等の抗菌剤)が採用される;創傷が瘢痕(scar)を生じる場合、瘢痕の発生または重さを軽減する1つ以上の活性剤が採用される。例えば、瘢痕の重さを防止、或いは軽減することに関して、非ステロイド性消炎剤、抗ヒスタミン、インターフェロン、プトレッシンのようなコラーゲン架橋を阻止する薬剤、カルモジュリン、プロテインキナーゼC阻害剤などのコラーゲンおよびマトリックスプロテインの分解率を増加させることによって、蛋白分解酵素を刺激する薬剤、カルシウムチャンネルブロッカーのような細胞外のマトリックスプロテインへの蛋白の取り込みを阻害する薬剤、などの1つ以上の薬剤が採用されうる。
【0025】
更に特定的には、主題の発明に従い使用される適切な活性剤は、限定的でなく、アミノ配糖体抗生剤、β−ラクタム抗生剤、クロファジミン、ピマリシン、セフォキシチン、n−ホルムアミドイルチエノマイシンおよび他のチエノマイシン誘導体、アムポテリシン、クロラムフェニコール、テトラサイクリン類、スルフアセタミド、ムピロシン、クロラムフェニコール、ネオマイシン、グラミシジン、バシトラシン、クロルヘキシジン、ニトロフラゾン、スルフォナミド;ゲンタミシン、カナマイシン、アミカシン、シソマイシンおよびトブラマイシン;ナリジクス酸およびノルフロキサシン等の類似体、銀スルファジアジンまたは硝酸セシウム−銀スルファジアジンなどのその誘導体、およびフルダラニン/ペンチジドンの抗菌性合剤;ニトロフラゾーン、ヨード、クロラミン、ベンザルコニウムクロライド、フェノール等の抗感染薬や消毒剤;ケトプロフェン、フルビプロフェン、フェルビナック、および ジクロフェナックの塩および誘導体などの非ステロイド性消炎剤、コーチゾン、ハイドロコーチゾン、ベタメサゾン、デキサメタゾン、フルオコルトロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、インドメサシン、スリンダック、その塩およびそれに対応するサルファイドなどを含む消炎剤; ベンゾカイン、リドカイン、ジブカイン、ブタンベン、ブタニリカイン、エチルアミノベンンゾエイト、ホルノカイン(fornocaine)、ヒドロキシプロカイン、イソブチル p−アミノベンゾエイト、ナエパイン、オクタカイン、パレトキシカイン(parethoxycaine)、ピリドカイン、ピリロカイン(prilocaine)、プロカイン、リソカイン、トリカイン(tolycaine)、トリメカイン(trimecaine)、テトラカイン、キシロカイン、エチルアミノベンゾエイト(ベンゾカイン)などの麻酔薬; サルチル酸メチル、メントール、カンファー、ニコチン酸メチル、サルチル酸トリエタノールアミン、サルチル酸グリコール、サルチル酸アミド などの鎮痛剤; トルナフテート(tolnaftate)、ウンデシレン酸、サルチル酸、ウンデシレン酸亜鉛、サイアベンダゾールなどの抗かび剤; 抗真菌剤;イベルメクチンなどの抗原虫剤;イドクスウリジン(idoxuridine)、アシクロビル、インターフェロンなどの抗ウィルス有効剤; 酵素および フィブリノリジンのようなトロンビンを消化する能力のあるプラスミンタイプの酵素のような酵素阻害剤;ポリペプチド成長因子(例えば 表皮成長因子、酸性繊維芽細胞成長因子、塩基性繊維芽細胞成長因子、血小板由来成長因子、交換成長因子α、交換成長因子β、神経成長因子、インスリン様成長因子(IGF-I、IGF-II)またはそれらの混合物)のような成長因子;ステロイド; インスリン;アロエ; gotu kola(Centella asiatica)などの生薬エキス;コラーゲン; ビタミン;亜鉛など鉱物;パパヤ(papaya);ヒアルロン酸ナトリウムなどのヒアルロン酸塩の様なヒアルロン酸誘導体;糖質コルチコイド;ドキセピン (Prudoxin)などの抗ヒスタミン剤;抗酸化剤;カルモジュリン;プロテインキナーゼC;カルシウムチャンネルブロッカー;デオキシリボ核酸;などを含む。その際に上記のものは自然界から抽出されたもの、組み換え技術、或いは化学合成により製造されたものでもよい。
【0026】
上記の通り、1種以上のステロイド剤が採用されてよい。この様に、主題の発明によれば、いかなるクラスのステロイドも主題の発明に従って採用される。即ち、クラス I ステロイド(非常に強力なステロイド)、クラスllステロイド(強力なステロイド)、クラスIIIステロイド(緩和な作用のステロイド)、およびクラスIVステロイド (比較的緩和なステロイド)、などが主題の発明に伴い使用される。主題の発明に従い使用される種々のステロイドは、特に限定されず、以下のものを含む: トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトナイド、クロベタゾール、プロピオン酸クロベタゾール(clobetasol propionate)、酪酸クロベタゾン(clobetasone butyrate)、デソニド(desonide)、アルクロメサゾーン、フルランドレノリド(flurandrenolide)、デスオキシメサゾーン、ベタメサゾーン、ロテプレドノール(loteprednol)、フルオロメトロン(fluorometholone)、ジフルプレドナート(difluprednate)、フランカルボン酸モメタゾン(momethasonefuroate)、酢酸ジフロラゾン(diflorasone diacetate)、吉草酸ジフルコルトロン(diflucortolone valerat)、フルオシノニド(fluocinonide)、アムシノニド(amcinonide)、ハルシノニド(halcinonide)、フルオシノロンアセトニド(fluocinolone acetonide)、ピバル酸フルメタゾン(flumetasone pivalate)、ハイドロコーチゾン(hydrocortisone)などの糖質コルチコイド、ヒドロキシトリアムシノロン(hydroxyltriamcinolone)、アルファメチルデキサメサゾン(alpha-methyl dexamethasone)、リン酸デキサメサゾン(dexamethasone-phosphate)、プロピオン酸ベクロメサゾン(beclomethasone dipropionates)、吉草酸クロベタゾール(clobetasol valerate)、デソニド(desonide)、デスオキシメサゾン(desoxymethasone)、酢酸デスオキシコルチコステロン(desoxycorticosterone acetate)、デキサメタゾン(dexamethasone)、ジクロリゾン(dichlorisone)、酢酸ジフロラゾン(diflorasone diacetate)、吉草酸ジフルコルトロン(diflucortolone valerate)、フルアドレノロン(fluadrenolone)、フルクロロロンアセトニド(fluclorolone acetonide)、フルドロコルチゾン(fludrocortisone)、ピバル酸フルメタゾン(flumethasone pivalate)、フルオロシノロンアセトニド(fluosinolone acetonide)、フルオシノニド(fluocinonide)、フルコーチン酪酸エステル(flucortine butylesters)、フルコルトロン(fluocortolone)、酢酸フルプレドニデン(fluprednidene (fluprednylidene) acetate)、フルランドレノロン(flurandrenolone)、ハルシノニド(halcinonide)、酢酸ヒドロコルチゾン(hydrocortisone acetate)、酪酸ヒドロコルチゾン(hydrocortisone butyrate)、メチルプレドニゾロン(methylprednisolone)、トリアムシノロンアセトニド(triamcinolone acetonide)、コーチゾン、コルトドキソン(cortodoxone)、フルセトニド(flucetonide)、フルドロコルチゾン(fludrocortisone)、酢酸ジフルオロゾン(difluorosone diacetate)、フルラドレノロン、フルドロコルチゾン(fludrocortisone)、酢酸ジフルロゾン(diflurosone diacetate)、フルアドレノロンアセトニド(fluradrenolone acetonide)、メドリゾン(medrysone)、アムシナフェル(amcinafel)、アムシナフィド(amcinafide)、クロロプレドニゾン、酢酸クロロプレドニゾン(chlorprednisone acetate)、クロコルテロン(clocortelone)、クレスシノロン(clescinolone)、ジクロリゾン(dichlorisone)、ジフルプレドナート(diflurprednate)、フルクロロニド(flucloronide)、フルニソリド(flunisolide)、フルオロメサロン(fluoromethalone)、フルペロロン(fluperolone)、フルプレドニゾロン(fluprednisolone)、吉草酸ヒドロコルチゾン(hydrocortisone valerat)、シクロペンチルプロピオン酸ヒドロコルチゾン(hydrocortisone cyclopentylpropionate)、ハイドロコルタマート(hydrocortamate)、メプレドニゾン(meprednisone)、パラメサゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プロピオン酸ベクロメサゾン、トリアムシノロン。上記の皮膚病治療剤の組合せ、または混合を用いてもよい。2種以上の活性剤の組合せを当該創傷に、同時に或いは連続して接触させてもよい。例えば、第1の活性剤は 第1のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物で最初の創面切除する前か、あるいは同時に採用してよく、そして第2の薬剤は最初の創面切除後、例えば、第2のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物で第2の創面切除する前か、あるいは同時に採用してよい。
例えば、局所麻酔薬は、第1のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物を用いる創面切除と一緒に採用してもよく、そして抗生剤は第2のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物を用いる創面切除と一緒に採用してもよい。更には、瘢痕の重さを防止或いは減少する1つ以上の薬剤が、例えば第2のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物の除去後採用してもよい。例えば、抗瘢痕剤は、第3、第4、第5、第6番目のなどのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物、等と一緒に採用してよい。
【0027】
ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物
一般的に、主題の方法で採用されるハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は、ゲル基剤またはゲルマトリックスを含み、その際に代表的態様ではゲル基剤は例えばゲル基剤自体が粘着性であるような粘着性ゲル基剤である。代表的態様では、ハイドロゲル組成物は日本工業規格(JIS)Z−0237粘着度プロトコール(例えば、下記の実験項参照)を用いて決められたような粘着性である。
【0028】
当該ハイドロゲル組成物は、それがこのプロトコールにおいて、少なくとも約No.5サイズのボールを含み少なくともNo.4のサイズのボールのような少なくともNo.3のサイズのボールを停止させれば、粘着性ありと見なす。ある態様では、その組成物がNo.6のボール、またはそれ以上、例えばNo.7のボール、またはそれ以上、例えばNo.8のボール、またはそれ以上、例えばNo.9のボール、またはそれ以上を停止させるに十分に粘着性である。ある態様では、主題の組成物が生体を妨害する非生体物に、より強い粘着性を示す点で、格別に粘着性である。
一般に、主題のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は、水溶性高分子物質、例えば水溶性ポリマー、水および保湿剤から作製される。関心のある水溶性高分子物質は、水溶性ポリマー、例えば、限定的でなく、ゼラチン、デンプン、寒天、マンナン、アルギン酸、ポリアクリル酸、ナトリウムポリアクリル酸等のポリアクリル酸塩、デキストリン、メチルセルロース、ナトリウムメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロースガム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、acacia、トラガントガム、カラヤガム、デンプンアクリル酸エステル共重合体または他のデンプンナトリウムアクリル酸グラフト共重合体を含む。これらの金属塩並びに無機または有機の架橋剤で架橋した物質も、また含まれる。特に、架橋剤が主題のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物に含有されていてもよい。その例示としては、限定的でなく、乾燥水酸化アルミニウムゲル、酢酸ジヒドロキシアルミニウム、マグネシウムアルミノメタケイ酸塩、水酸化アルミニウム、マグネシウムメタケイ酸アルミン酸塩、合成アルミニウム珪酸塩、水酸化カルシウム、硫酸アルミニウムアンモニウム塩および塩化カルシウムが挙げられる。
これらの水溶性ポリマーはハイドロゲル貼付剤創面切除組成物に使用されている他の原料物質の性質や特性を引き出すために使用してもよく、そして実際には、単独か、あるいは2つ以上の組合せで使用しうる。粘着性ゲル基剤に存在する水溶性高分子物質の量は約0.5%から約20%(w/w)の範囲でよく、通常は約2から15%(w/w)であり、そして架橋剤が存在する場合の架橋剤の量は、約0.001%から約2%(w/w)の範囲、例えば、約0.003%から約1.5% (w/w)、例えば約0.05%から約1%(w/w)の範囲である。
【0029】
好都合な水が水成分として採用されるが、蒸留水、イオン交換水などが挙げられる。ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物中に存在する水の含量は、そのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物に所望の物理的性質を付与するに十分量である。水の量は採用した特定の高分子量物質等により変わるが、その際にハイドロゲル貼付剤創面切除組成物中の水分含量は、典型的には、少なくとも約25重量%水、そして更に通常には、少なくとも約30%水(w/w)である。例えば、典型的には水の含量は約25%(w/w)から約90%(w/w)の範囲、通常は約20%(w/w)から約80%(w/w)の範囲で、その際にある態様では、約30%(w/w)から約50%(w/w)の範囲、例えば約30%(w/w)から約40%(w/w)の範囲である。
【0030】
主題のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物における保湿剤は、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物基剤中の水含量が少なくとも実質的に一定になるように、もし一定でなければ、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物の貯蔵および使用の間変化がないように、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物基剤に含まれる水の蒸発を少なくとも減少させうるような剤である。1つ以上の保湿剤は主題の組成物に採用されうる。その際に粘着性ゲル基剤に存在する保湿剤の量は一般的には、約1重量%から約40重量%の範囲、通常は約3重量%から約30重量%の範囲である。適切な保湿剤の例としては、限定的でなく、グリセリン、D−ソルビトールなどのソルビトール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1, 3-ブチレングリコール、エチレングリコールなどの多価、或いはポリハイドリック糖またはアルコールの一種以上のものが挙げられる。
【0031】
上記の成分の他に、種々の添加剤が、また採用される。例えば限定的でなく、カオリン、ベントナイト、酸化チタンなどの無機物質;パラベンなどの保存剤;アニオン性、カチオン性、ノニオン性界面活性剤; 塩化アルミニウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ジヒドロキシアルミニウムアミノ酢酸などの金属アルミニウム架橋剤; ホウホウバ油、ひまし油などの油;EDTAなどのキレート化剤;リンゴ酸、酒石酸ジイソプロパノールアミンなどのpH調節剤;エタノールなどのアルコール;ヒアルロン酸、アロエエキス、尿素などの保湿剤;および他の芳香剤や着色剤が挙げられる。
ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物のpHは、典型的には、生理学的に許容される範囲にあるものである。その際のpHが典型的には、約3.0から8.0の範囲、更に典型的には、約4.0から7.0の範囲である。
【0032】
上記の通り、一種以上の活性剤がハイドロゲル貼付剤創面切除組成物に含有されていてもよい。活性剤や組成物の種々の配列(array)が上記の通り、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物に存在してもよい。活性剤の性質に応じ、組成物中に存在する活性剤の量は、約0.2から10%、例えば約0.2から5%、例えば0.5から5%である。
ある態様では、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物(即ち水溶性高分子ゲル、水、保湿剤)が支持体上に存在してもよい。支持体は人体の動きに適応できる柔軟な材料から作製され、そして、例えば、種々の非織布、織布、スパンデックス、フランネル、或いはこれらの材料とポリエチレンフィルム、ポリエチレングリコールテレフタレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、エチレン−ビニル酢酸共重合フィルム、ポリウレタンフィルムなどとのラミネートが挙げられる。柔軟”flexible"とは、支持体が実質的に、壊れることなく、破れることなく、裂けることなく、曲げ、折りたたまれうることを意味する。その支持体は多孔性でも非多孔性でもよいが、しかし、典型的には、ハイドロゲル組成物、採用していれば活性剤、および創傷側から滲みだした液などの液に不浸透性、或いは非多孔性である。
【0033】
支持体の長さと幅は、典型的には、実質的にその支持体が関係するハイドロゲル貼付剤創面切除組成物の長さと幅に、正確に相応することを含み、相応する。支持層は典型的には、約10μmから約1000μmの範囲の厚さでよいが、しかしある態様では、10μmより小か、および/または1000μmより大でもよい。
ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物および任意の支持層に加えて、主題の貼付剤は、また、環境からハイドロゲル組成物層の保護を提供する、支持体の反対側にあるそのハイドロゲル組成物層の表面に剥離フィルムを含んでよい。その剥離フィルムは好都合な材料でよく、その際の代表的剥離フィルムはPETやPPなどのポリエステルを含んでいてもよい。
【0034】
ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は、好都合なプロトコールを使用して作製されうる。主題の貼付剤作製用の好都合な1つのプロトコールは、上記の成分を均質に混合し、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物ペイストを作製し、ついで支持体(採用する場合)上にペイストを塗布し、ついで特定のサイズに切断し、所望のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物を製造する。貼付剤の形はさまざまで、代表的形は正方形、長方形、楕円形、円形、三角形などである。貼付剤のサイズは、さまざまで、多くの態様においては、約1cmまたはそれ以下から約1000cmまたはそれ以上、例えば、ある態様においては、約10cmから約300cm、例えば約20cmから約200cm、例えば約130cmから約150cmである。上に述べたように、ある態様においては、表面領域は実質的部分、全truckさえ、体全体の実質的部分さえ、あるいは主題の体全体さえ覆うに十分である。従って、表面領域は約1000cmから約5000cmまたはそれ以上でよく、その際に、ある態様では、主題のハイドロゲル貼付剤の規模は約1mx約1mでもよい。例えば、ある態様では、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は体全体を包む組成物でもよい。具体的製造用プロトコールの一層詳細な記述に関しては、例えば米国特許5827529を参照のこと、そしてその開示はレファレンスでここに合体される。上記の製造法は単なる代表例であることに注意すべきである。上記のようなハイドロゲル貼付剤創面切除組成物を製造しうるいかなる都合のよいプロトコールも採用されてよい。
いくらかのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は主題の発明の用途に採用されてもよい。主題の発明の用途に採用される代表的ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物には、限定的でなく、WO02/078,757、WO02/78756、米国特許 5120544; 同5160328; 同5270358; 同5423737; 同5476443; 同5489262; 同5501661; 同5827529; 同6039940; 同6096333; 同6214374; 同6296869; 同6348212; 同6455065; これらの開示はレファレンスによりここに合体される。
主題のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物の1つの具体例は、Fig.1に示され、そしてハイドロゲル貼付剤創面切除組成物4とその上にそのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が位置する任意の支持体6を含む。そしてFig.1において、集合的に要素2として参照される。この事例では、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は長方形であるが、しかしこの形は、他の形が円形、四角形、三角形などとして可能であるように、本発明を制限する意図ではないし、また混合した、あるいは不規則なものでもよい。
【0035】
有用性
主題の方法は主体の創傷の創面切除が望まれているいかなる適用への使用を提供する。
一般的には、そのような主体は哺乳動物、哺乳類である。これらの用語は、食肉動物(例えば、犬、猫)、けっし類(例えば、マウス、モルモット、ウサギ)、および霊長類(例えば、ヒト、チンパンジー、サル)を含む哺乳綱(class)に入る有機体を広く記載するのに使用される。多くの態様において、主体はヒトである。
従って主題の方法は、主題の方法が種々の原因、例えば、病状、転倒傷、すり傷、刺し傷、弾丸傷、外科傷、感染などの様な身体の怪我、爆弾、弾丸、破片などの戦時傷などの状態の結果として生じた創傷の創面切除に使用できるように、広範な種々の開いたあるいは閉じた創傷の処置に使用されうる。同様に主題の方法は様々な規模の創傷を処置できる。例えば、主題の方法は、深い組織の創傷と浅い組織の創傷の両者を創面切除に採用してもよく、その際にいくらかの創傷は筋肉に達する深さでもよい。従って、主題の方法で創面切除される創傷は、それが真皮層に浸透していない表皮に限定してもよく、真皮に浸透あるいはそれより深部でもよい、例えば、真皮に浸透またはそれを通して、そして皮下組織に、あるいはそれを通して、あるいはより深く浸透、例えば筋肉層またはそれ以上に浸透してもよい。例えば、主題の方法は約0.005mmから約2.35mm、例えば約0.007mmから約2.3mm、例えば約0.01mmから約2mmの範囲の深さの創傷を創面切除するために使用されうる。
【0036】
主題の方法は、また種々のサイズ(種々の長さ、幅)や形の創傷を創面切除するために使用してもよい。例えば、ある態様においては、主題の方法は、例えば主体の体の全表面積に関して、相対的に小さいとして特徴付けられる創傷を創面切除するために使用してもよい。上述の通り、ある態様においては、主題の方法は、例えば主体の体の全表面積に関して、相対的に大きいとして特徴付けられる創傷を創面切除するために使用してもよい。例えば、ある態様においては、主題の方法は、主体の主要部(trunk)を含む、実質的に全ての主要部、そし主体の全部の体のすべてを含む実質的に全ての体を覆う創傷を創面切除するために使用されてもよい。例えば、ある態様においては、主題の方法は、約0.01cmから約20cmのサイズの創傷を創面切除するために使用してもよい。例えば、ある態様においては、主題の方法は、約10cmx14cm、或いはそれ以下の範囲のサイズの創傷を創面切除するために使用してもよい。
主題の発明で処置されうる創傷のタイプは、限定的でなく、圧迫潰瘍、糖尿病性潰瘍(例えば、糖尿病性足部潰瘍)、静脈性潰瘍、下肢潰瘍などを含む潰瘍;熱湯傷、化学的やけど、炎やフラッシュによる熱傷、紫外線によるやけど、接触性やけど、放射能やけど、電気やけどなどを含むやけど(第1、第2、第3度のやけど);骨感染(骨髄炎);壊疽;ナイフ傷等による皮膚破損;表皮剥離;爪、針、ワイヤ、銃弾などによりなされた穴;ナイフ、爪、尖ったガラス、カミソリなどによる切り傷;avuls;切断;術後感染;外科傷;褐色出家グモ創傷;易感染性皮膚/筋肉移植片または弁の欠落;咬傷;切り傷、即ち深さにくらべ長さが大きい創傷;打撲傷;などなど、あるいは上記の1つ以上の組合せを含む。
【0037】
システム
主題の発明は、また主題の方法の実施に使用するためのシステムを含む。主題のシステムは、1つ、あるいはそれ以上、例えば少なくとも2つのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物を含み。その際には、システムのいかなる2つ以上のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は同一でも、異なっていてもよく、例えば、少なくとも1つの点で異なってもよい。1つ以上のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は、支持体、例えば上記したような非多孔性支持体上に存してもよい。
【0038】
主題のシステムは、また1つ以上の活性剤を含んでもよく、それは1つ以上のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物に組み込まれていてもよく、或いは1つ以上のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物から分離したものでもよい。ある態様においては、1つ以上のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は、そこに組み込まれた活性剤を有していてもよく、そして1つ以上のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は、組み込まれた活性剤を欠く、例えば活性剤が分離された成分でもよい。1つ以上の分離された活性剤を含むこれらの態様において、例えば注入器、綿棒などの活性剤供給部品が含まれていてよい。
【0039】
キット
また、キットが提供される。その際に主題のキットは少なくとも1つのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物を少なくとも含む。ある態様においては、そのキットは2つ以上のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物を含んでいてもよく、それが同一或いは異なっていてもよく、例えば少なくとも1つの点で異なっていてもよい。主題のキットに存する1つ以上のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は、支持体、例えば上記したような非多孔性支持体上に存してもよい。ある態様においては、1つを超えるハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が1つの容器に封入されていてもよい。しかし、キットに存する典型的各ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は、1つのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が容器から取り出し、使用できるように、そしてその間に、キットの他のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が影響されずに、むきずのままでいるように、個別の容器に封入される。ある態様においては、2つ以上のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が1つの支持体上に存在していてもよい。
【0040】
主題のキットは、また主題の発明に従って、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物を用いて如何にして皮膚創傷を創面切除するかの指示を含む。その指示は一般的には適当な記録媒体またはその代替物に記録される。例えば、その指示は紙やプラスチックなどのようなsubstituteに印刷されてもよい。従って、その指示は、容器挿入物として、キットの中、キットの容器のラベルの中にあるいはその部品の中(即ち、容器またはサブ容器と共に)などに存在してもよい。他の態様においては、指示は、CD−ROM、デスケットなどの適当なコンピュターで読み取り可能な貯蔵媒体に存する電子貯蔵データとして存在する。なお他の態様としては、実際の指示はキットに存在しないが、しかし遠方の源から指示を得る手段、例えば、インターネットを通じての手段が提供される。この具体例は、ウエブアドレスを含むキットであり、そこで指示が見られ、そして/またはそこから指示がダウンロードされうる。指示に応じて、指示を得るこの手段は適切な代替物に記録される。
主題のキットは、1つ以上の活性剤を含んでもよく、それは、貼付剤組成物と一体でもよく、或いはキットから分離した成分でもよい。
【0041】
ある態様において、当該キットの1つ以上のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は、そこに組み込まれた活性剤を有してもよく、そして1つ以上のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物は、組み込まれた活性剤を欠き、例えば分離した成分でもよい。1つ以上の分離した活性剤を含むこれらの態様において、活性剤供給部品、例えば注入器、綿棒などを含んでもよい。
【0042】
キットで提供される当該活性剤の用量は、単回投与、または複数回投与に十分量である。従って、主題のキットのある態様において、1つ以上の活性剤の単回投与量はキット中に存する。例えば、キットは2つ以上のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と活性剤の単回投与量を含んでもよい。Fig2は、2つのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物34a
と34bおよび活性剤40の単回投与量を含む主題のキット30(正面−1部カット)の具体例である。
【0043】
ある他の態様では、活性剤の多投与量が1つのキットに存する。例えば、1つのキットは、2つ以上のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と1つ以上の活性剤の多投与量を含んでもよい。活性剤の多投与量を有するこれらの態様において、それは単一の容器、例えば単一チューブ、瓶、バイアル、などにパックされてよく、或いは1回以上の投与量は、いくつかのキットが1つの活性剤の1つの容器以上に有するように個別にパックされてもよい。Fig3は、複数のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物44a-44eと活性剤46の多投与量を含む主題のキット42(正面−1部カット)の具体例である。キット42は5つのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物を有することを示しているが、より少ない(即ち少なくとも2)またはそれ以上のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が1つのキット中に含まれていてもよく、そして追加の活性剤が(単或いは複数投与量で)含まれていてもよいと理解されるべきである。上記の通り、ある態様においては、活性剤の1つ以上の容器が1つのキットに提供される。Fig4は、複数のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物54a-54eと活性剤の複数容器56a-56eを含む主題のキット50(正面−1部カット)の具体例である。その際に、各容器は活性剤の単または複数投与量を含んでいてもよく、その活性剤のいくらかあるいは全てが同じか、一部あるいは全てが異なってよい。キット50は5つのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と活性剤の5容器を有することを示しているが、より少ない(即ち少なくとも2)またはそれ以上のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物および/または活性剤のより少ないあるいはそれ以上の容器が1つのキット中に含まれていてもよい。
【0044】
主題のキットのある態様において、ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物および任意の活性剤がキットの包装要素にパックされ、単一の、取り扱い容易な単位に作製される。その際にキット包装要素、例えば箱あるいは類似体は密封であってもなくてもよく、例えば、貼付剤組成物、存すれば、活性剤を使用するまで保存される。
【0045】
以下に挙げる実施例は、例示であって、限定の目的で提供されるものではない。
実験
I.ハイドロゲル貼付剤組成物の粘着性を測定するために用いた日本工業規格試験Z−0237(即ちJIS Z−0237)の要約
【0046】
A.粘着強度測定用スチールボール

【0047】
B.粘着強度試験法
試験する製剤のシートを、まず、水平に対し30度の角度の長さ30cmの平らな支持体上に、粘着層を上にして置く。次に、その製剤の晒された粘着部の上部10cmと底部15cmを紙で覆い、中央の5cmの部分を晒しておく。次に、スチールボールを上端からその構造を転がらせる。もし当該ボールが粘着層側に5秒またはそれ以上留まれば、その製剤の粘着性は少なくともその規模またはそれ以下のボールにとって粘着性ありと決定される。
【0048】
II.創面切除検定
A.ハイドロゲル貼付剤組成物
以下のハイドロゲル組成物を有するハイドロゲル貼付剤組成物

【0049】
上記組成物のpHは6.0であった。この組成物をPETフィルムとPET非織支持体上に塗布した。基剤重量は1000g/mであった。
該組成物は、上記の実施例Iに記載のJIS Z−0237法により決定したところ、No.9のスチールボール(16.3g)の粘着強度を有していた。
【0050】
B.創面切除検定
1.材料と方法
動物:Sprague Dawley ラット
ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物 (上記 II.Aの通り)
サイズ:10cm x14cm、基剤重量:1000g/m
粘着強度: No.9 スチールボール(16.3g)が停止
非所望物: 直径0.5mmより小さい微粒子を有する砂
【0051】
2.方法
ラットの背中の毛を皮膚に接近して剃る。次に、いくつかのひっかき傷を皮下注射針で、剃った背中につくり、砂をそのひっかき傷とその周りにつける。
以下の創面切除手順において、2つのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物を採用した。この手順で、第1のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物を創傷と接触させ、除去する。砂の除去量が決定される。ついで、同じ手順を第2のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物にも適用する。
その創傷から除去される砂の量は次の尺度に従って肉眼的に決定される。
尺度
6+:ひっかき創傷とその周りから99%以上の砂の除去(皮膚および傷はきれい。)。
5+:ひっかき創傷とその周りから90%以上の砂の除去(皮膚および傷は殆どきれい。)
4+:ひっかき創傷とその周りから80から90%未満の砂の除去。
3+:ひっかき創傷とその周りから70から80%未満の砂の除去。
2+:ひっかき創傷とその周りから50から70%未満の砂の除去。
1+:ひっかき創傷とその周りから50%未満の砂の除去。
【0052】
3.結果
No.1

No.2

No.3

【0053】
上記の結果は、ハイドロゲル創面切除が皮膚および創傷に損傷を与えることなく、非所望物を除去したことを示している。そのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物の粘着力はスチールボールNo.9の強度を有していたが、ある態様では、結果は、No.9より少ない強度、例えばNo.8、No.7、No.6、No.5、No.4、No.3、No.2、そしてNo.1すらよりも少ない粘着強度で得られる。しかしながら、代表的態様においては、粘着強度は、少なくとも約No.3、例えば少なくとも約No.4である。上記の結果は、ハイドロゲル創面切除が作動し、組織に優しいことを示している。
主題の発明は、創傷に対し機械的、化学的損傷無しに創傷の効果的創面切除を提供できることが上の結果並びに議論から明らかである。更には、主題の発明が幅広い多様な適用を有する。その様な適用は、深くそして浅い創傷、開口や閉口創傷、大きいのやら小さい創傷、様々な異なる原因でつくられた創傷などを含む、様々な異なったタイプの創傷の創面切除を含む。更には、主題の方法は主体にとって耐えやすく、即ち主体に過度の痛みを与えない。従って、主題の発明は、当技術に対し重大な貢献を示す。
【0054】
本明細書で引用した刊行物、特許は、あたかも各個々の刊行物または特許が特別にそして個々にレファレンスにより合体されると指示されているように、ここでレファレンスで合体される。刊行物のいかなる引用も出願前の開示のためであり、本発明が先発明の特典により、そのような刊行物に優先する権利を放棄したものであることを容認するものではない。
理解の明快さのために例示、実施例を挙げて、ある程度詳細に記載しているが、いくらかの変更、修正が添付のクレームの精神または範囲から逸脱せずに、そこになされうることは、本発明の教示に照らし、当業者にとって極めて明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】は主題のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物の例示である。
【図2】は2つのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と活性成分の単投与量を有する主題のキットの例示である。
【図3】は複数のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と活性成分の複数回投与量を有する1つの収納容器からなる主題のキットの例示である。
【図4】は複数のハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と活性成分の複数の収納容器からなる主題のキットの例示である。
【符号の説明】
【0056】
2は要素、
4はハイドロゲル貼付剤創面切除組成物、
6は支持体、
30はキット、
34a,34bはハイドロゲル貼付剤創面切除組成物、
40は単回投与用活性剤、
42はキット、
44a-44eはハイドロゲル貼付剤創面切除組成物、
46は多投与用活性剤、
50はキット、
54a-54eはハイドロゲル貼付剤創面切除組成物、
56a-56eは活性剤の容器をそれぞれ意味する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚創傷を創面切除(debride)するために、粘着性ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物と該創傷を接触させることよりなる皮膚創傷の創面切除方法。
【請求項2】
該ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が少なくとも10秒間該創傷と接触させることよりなる請求項1記載の方法。
【請求項3】
該ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が約30秒から約5時間の間該創傷と接触させることよりなる請求項2記載の方法。
【請求項4】
該創面切除が該創傷から非生物を除去することよりなる請求項1記載の方法。
【請求項5】
該方法が、少なくとも第1、第2ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物を該創傷と連続して接触させることよりなる請求項1記載の方法。
【請求項6】
該皮膚創傷に更に活性剤の有効量を適用することよりなる請求項1記載の方法。
【請求項7】
該活性剤が該ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物に組み込まれている請求項6記載の方法。
【請求項8】
該活性剤が該ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物から分離されている請求項6記載の方法。
【請求項9】
該活性剤が抗菌剤、抗感染剤、防腐剤、消炎剤、非ステロイド性消炎剤、麻酔剤、鎮痛剤、抗真菌剤、抗かび剤、駆虫剤、抗ウィルス剤、酵素、酵素阻害剤、成長因子、ステロイド、インスリン、アロエ、薬草エキス、コラーゲン、ビタミン、ミネラル、ヒアルロン酸塩および誘導体、糖質コルチコイド、抗ヒスタミン剤、抗酸化剤、カルモジュリン、プロテインキナーゼC、カルシウムチャンネルブロッカーおよびデオキシリボ核酸の少なくとも1つである請求項6記載の方法。
【請求項10】
該ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が
(a)水溶性高分子ゲル、
(b)水、および
(c)保湿剤
を含む請求項1記載の方法。
【請求項11】
該皮膚創傷が潰瘍、やけど、骨感染、壊疽、裂傷、擦傷、切傷、剥離(avul)、切断、術後感染、外科創傷、褐色出家グモ創傷、易感染性皮膚/筋肉移植片又は弁の欠落、咬傷、切り傷および打撲傷の少なくとも1つである請求項1の方法。
【請求項12】
該ハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が腕、手、体幹(trunk)、すね、足、足首、顔、首、頭皮および胴の少なくとも1つに接触する請求項1記載の方法。
【請求項13】
該方法が該創傷から少なくとも約50%の非所望物を除去する請求項1記載の方法。
【請求項14】
該方法が該創傷から少なくとも約70%の非所望物を除去する請求項13記載の方法。
【請求項15】
該方法が該創傷から少なくとも約90%の非所望物を除去する請求項14記載の方法。
【請求項16】
同じ支持体上に少なくとも2つのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が存する皮膚創傷創面切除用システム。
【請求項17】
少なくとも2つのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物;および請求項1記載の方法を実施するための該少なくとも2つのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物を使用するための指示;を含む皮膚創傷創面切除用キット。
【請求項18】
更に少なくとも1つの活性成分を含んでなる請求項17記載のキット。
【請求項19】
該少なくとも2つのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が別々の容器に存する請求項17記載のキット。
【請求項20】
該少なくとも2つのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が同じ支持体上に存する請求項17記載のキット。
【請求項21】
該少なくとも2つのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が同じである請求項17記載のキット。
【請求項22】
少なくとも2つのハイドロゲル貼付剤創面切除組成物が異なる請求項17記載のキット。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−513693(P2007−513693A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543884(P2006−543884)
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/040269
【国際公開番号】WO2005/060550
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(502346286)テイコク ファーマ ユーエスエー インコーポレーテッド (26)
【Fターム(参考)】