皮膚灌流圧の自動測定のためのシステム
【課題】皮膚灌流圧の自動測定のためのシステムを提供すること。
【解決手段】モーションアーチファクトとSPP値を特定するため自動的に血流測定値を分析する計装器具を含む、皮膚の血流を自動測定するシステムおよびセンサ設置デバイスを提供する。計装器具はモーションアーチファクトを無視できないよう構成されている。さまざまな基準が満たされると血流測定値はSPP値として認められる。SPP値の基準はカフ圧、血流、前後の血流測定値に対する血流変化量、および前後の血流測定値に対してその値が増加または減少するかどうかの要因に関係する。センサ設置デバイスは複数回の測定が望まれる時でも信頼できるデータが提供されることを保証する。
【解決手段】モーションアーチファクトとSPP値を特定するため自動的に血流測定値を分析する計装器具を含む、皮膚の血流を自動測定するシステムおよびセンサ設置デバイスを提供する。計装器具はモーションアーチファクトを無視できないよう構成されている。さまざまな基準が満たされると血流測定値はSPP値として認められる。SPP値の基準はカフ圧、血流、前後の血流測定値に対する血流変化量、および前後の血流測定値に対してその値が増加または減少するかどうかの要因に関係する。センサ設置デバイスは複数回の測定が望まれる時でも信頼できるデータが提供されることを保証する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、人体の局所部位または領域部位の皮膚灌流圧(skin perfusion pressure)の自動化測定用システムに関する。特に、本発明は、毛細血管血流を測定するための測定手段、再現性を保証するための取り付け手段、毛細血管血流のある組織部位に圧力を印加するための圧力手段、印加圧を測定するための手段、ならびにモーションアーチファクトを検出および排除し、SPP値を示すそれらの間の関係を判断するための手段を含むシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の説明)
潰瘍または創傷のある局所部位または領域部位の局所的な血流、すなわち毛細血管灌流が、創傷の治癒を助けるのに十分であるか否かを判断する目的で、皮膚灌流圧の測定値が用いられている。このため、糖尿病、圧迫潰傷(pressure ucler)、火傷、事故などの合併症に起因する皮膚開放創に苦しむ患者を治癒する医師にとっては、このパラメータを正確に測定することは大きな意味を持つ。
【0003】
従来、皮膚灌流圧または表面灌流圧の測定には、レーザドップラー式あるいは他のタイプの光センサに連結された表面灌流圧モニタリング装置または皮膚灌流圧モニタリング装置が用いられていた。例えば、Borgosらに付与された特許文献1には、微小血管の観察量内に含まれる、流れている血液の「量」を組織ヘマトクリット値として測定するレーザドップラープローブと共に用いられる表面灌流圧器具が開示されている。この測定値は、印加圧の関数として求められる。レーザドップラー式の光プローブは、患者の体表付近の皮膚における観察量を規定し、加圧カフは、光プローブ近傍の肢に対して手動で圧力を印加するために用いられる。
【0004】
このようなレーザドップラーのセンサは、患肢(すなわち、つま先、足首、腕、脚など)に固定される空気カフの下で皮膚に接して設置される。膨張ポンプを使う使用者が手で空気カフを膨らませる。膨張圧は、光プローブのある部分で局所的な血流を止めることができるように十分高くなければならない。光プローブには、通常は光ファイバケーブルを介して表示器具が連結され、この表示器具はさらに、管を介して膨張ポンプにも連結される。収縮が開始されると、このプローブは、観察量に出入りする、流れている赤血球の数を速度とは無関係にモニタする。制御量内で検出された、流れている赤血球の数は、パーセント単位で表され、ディスプレイモニタに表示される。この値は、数値とY軸上の棒グラフの両方で示される。また、この器具は、カフ内圧をも測定し、印加カフ圧をディスプレイのX軸上に水銀柱の高さとしてミリメートル単位で表示する。X軸に沿って変化する棒グラフは、その時点でどのカフ圧が測定されているのかを操作者に対して示す。圧力を手で徐々に開放していくにつれて、血流回復の指標が棒グラフの形で出力される。技士が検査を行っている間、医師はディスプレイモニタに表示されるデータを解釈する。
【0005】
このように、Borgosらによって説明された皮膚灌流圧器具を使用するにあたっての大きな問題のひとつに、高信頼度で再現可能な測定値が、操作者/技士のスキルおよび表面灌流圧の測定値を解釈する医師のスキルに依存する側面が強い点がある。手動での収縮に付随するもうひとつの問題として、この方法は操作者または患者によって生じるモーションアーチファクト(例えば、患者の動き、加圧管類の動きまたはセンサの動き)に対する感度が高いことがある。また、モーションアーチファクトは、患者の動き、無意識的な筋肉の動き、操作者の介入、皮膚灌流圧の読み値に影響する他の原因に起因することもある。患者がセンサ/空気カフを取り付けた肢を動かすと、流れが回復する圧力を判断する医師が「モーションアーチファクト」を表面灌流圧の測定値であると読み違えることが極めて起こりやすい。病気の患者で皮膚灌流圧検査を行う場合、医師は表面灌流圧の測定値が低いことを事前に想定する。このため、「モーションアーチファクト」が生じると、皮膚灌流圧の実測値よりも人為的に高いこれを医師が皮膚灌流圧の読み値だと解釈してしまう可能性がある。
【0006】
例えば、図2Aに示されているのは、従来技術のモニタによる表示である。同図から明らかなように、カフ圧が低下するにつれて測定される灌流のパーセント値が高くなる。皮膚灌流検査を実施する医師は、皮膚灌流圧の値を水銀45ミリメートルと記録し得る。図2Bも、カフ圧が低下するにつれて灌流測定値のパーセント値が上昇する従来技術のモニタによる表示を示している。しかしながら、ここではモーションアーチファクトが水銀柱45ミリメートルとして表示されている。皮膚灌流検査を実施する医師は、皮膚灌流圧の値を誤って水銀柱45ミリメートルと記録してしまうことがある。
【0007】
従来装置のさらなる問題は、繰り返し測定が必要な時、レーザドップラーの光プローブを必ずしも同一部位にあてられないという理由による再現性のなさである。その結果として、一般的にセンサは、異なる微小循環が流れる異なる部位に置かれるので、表面灌流圧の測定結果が変わる可能性がある。例えば、光ファイバプローブは加圧カフ下の患者の組織表面に直接置かれる。繰り返し測定が必要な場合、光ファイバプローブまたはセンサはその後の測定で同一部位に置かることはない。
【0008】
加えて、光ファイバプローブを複数の患者に使用すると、院内感染、および病院または医療現場で発生するその他の感染のリスクを生じる。感染の問題は使い捨てのプローブまたはセンサの使用によって対処されることがある。しかしながら、使い捨てのプローブは使い捨てではないプローブまたは再利用可能なプローブより高価であり、また取り外しや交換に時間がかかる。プローブの定期的な取り外しや交換はまた、器具の誤差を生じ、キャリブレーション不具合、全般的なシステムの不調、およびおそらく何より再現性に影響を与える。
【0009】
従来システムの別の問題は、前記レーザドップラープローブまたはセンサが、測定のために加圧カフ下または加圧カフの外側に置かれ得るということである。レーザドップラーセンサは光の透過量を測定するので、測定部位から周囲光の除去に有用であるデバイスに提供できれば理想的である。
【0010】
それゆえ、新しいプローブと交換するためにモニタリングシステムからプローブを断線する必要なしにプローブと共に使用され得、再現性および周囲光の問題に対処するデバイスが必要である。
【0011】
従来のシステムによる前述の問題を考慮すると、(i)代替部位を測定するか、または別の患者を測定するために表面灌流圧計測器具からプローブを切断することを除去し;(ii)繰り返し測定が必要な場合、再現性を保証して周囲光を減らすセンサ配置デバイスを提供し;および(iii)患者に装着したクリティカルケアモニタ器具の動きによって誘発されるアーチファクトを補正または除去するシステムが必要である。加えて、ユーザが作成した誤差、例えば可変的な膨張や収縮、および/または可変的な結果の判定を除去することにより信頼性および再現性を高めるシステムが必要である。新しく改良された皮膚灌流システムであって、圧力カフを自動的に膨張および収縮し、膨張および収縮を制御し、モーションアーチファクトを検出および排除し、SPP値を自動的に決定する皮膚灌流システムが、必要とされる。
【特許文献1】米国特許第6,178,342号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の目的は、従来技術の表面灌流圧器具の課題ならびに欠点を解決することにある。よって、本発明の一目的は、皮膚灌流圧の測定を自動化し、SPP値を生成することにある。
【0013】
本発明のさらなる目的は、自動的に膨脹および収縮し、膨脹圧とカフ圧の収縮速度とを制御する皮膚灌流圧システムを提供することにある。
【0014】
本発明のさらなる目的は、モーションアーチファクトを自動的に検出および排除する皮膚灌流圧モニタリングシステムを提供することにある。
【0015】
本発明のさらなる目的は、灌流が回復したときに感度閾値を徐々に調節する灌流感度の許容誤差を用いる皮膚灌流圧モニタリングシステムを提供することにある。
【0016】
本発明のさらなる目的は、カフの収縮速度を積極的に制御する皮膚灌流圧モニタリングシステムを提供することにある。
【0017】
本発明のさらなる目的は、動きがカフの収縮速度またはSPP値の正確な判断に影響するほど大きなものとなった時点を判断する皮膚灌流圧モニタリングシステムを提供することにある。
【0018】
本発明のさらなる目的は、動きが大きすぎるとの判断がなされるか、得られたSPP波形が認識可能な灌流特性を持たない場合にはSPP値を記録しない皮膚灌流圧モニタリングシステムを提供することにある。
【0019】
本発明のさらなる目的は、灌流変動の持続時間を評価する皮膚灌流圧モニタリングシステムを提供することにある。
【0020】
本発明のさらなる目的は、灌流変動のプロファイルを評価する皮膚灌流圧モニタリングシステムを提供することにある。
【0021】
本発明のさらなる目的は、多数の測定値が必要な場合の再現性を改善し、院内感染の危険性を減らし、使い捨てセンサの必要性を減らし、周囲光が測定結果に影響する尤度を減らし、自動化システムとセンサとの間の接続を確実に維持する目的でSPPセンサを組織測定部位に固定する信頼性の高い手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
(発明の概略)
本発明の第1の実施形態では、システムは、毛細管血流のある組織部位と連通状態にある毛細管血流測定手段と、制御可能な圧力を毛細管血流測定手段および組織に同時に印加するための加圧手段であって、(i)組織内の毛細管血流を駆血し、(ii)圧力を制御可能に放出しつつ毛細管血流を戻すことを含む自動シーケンスに応答する加圧手段と、印加された制御可能な圧力を測定するための測定手段と、印加された制御可能な圧力と毛細管血流との間の関係を表示するための表示手段であって、毛細管血流測定手段および印加された制御可能な加圧手段と連通状態にある表示手段と、を含む。
【0023】
本発明のさらなる実施形態では、毛細管血流手段を組織部位に固定するためのセンサ設置装置が得られる。
【0024】
本発明の別の実施形態では、灌流測定値からSPP値を自動的に計算する皮膚灌流圧モニタリングシステムが開示される。このモニタリングシステムは、カフ圧を制御および測定し、皮膚灌流圧試験サイクルの臨界収縮期にカフの収縮速度を厳密に制御する。
【0025】
本発明の別の実施形態では、このモニタリングシステムは、灌流が戻る際の感度閾値を徐々に調節する灌流感度の許容誤差を利用する。これによって、過渡運動に対する感度を抑えつつ広いダイナミックレンジで灌流を測定することができるようになる。
【0026】
本発明の別の実施形態では、このモニタリングシステムは、カフの収縮速度を能動的に制御し、動きがこの速度に影響するほど大きなものとなった時点を判断する。動きが大きすぎるとの判断がなされると、試験は終了する。
【0027】
本発明の別の実施形態では、このモニタリングシステムは、灌流変動の持続時間をモニタする。微小循環が回復すると、基線流から変化する灌流信号が生成される。一方、モーションアーチファクト(Motion aritfact)は、これよりも振動成分が大きな灌流信号を生じる。
【0028】
本発明の別の実施形態では、このモニタリングシステムは、灌流変動のプロファイルをモニタする。大循環と微小循環の両方の正常な流れが再開されたときに、認識可能かつ区別可能なパターンを有する灌流信号に変化が生じる。一方、モーションアーチファクトの場合は、一般にはランダムで短時間しか継続せず、振動成分が多い灌流信号が生成される。よって、本発明のモニタリングシステムでは灌流回復特性にならわない変化は無視される。また、SPP値の自動定量化に合った特性を持たない周知の灌流回復特性もあり、データは医師が解釈可能なように表示される。例えば、このような周知の灌流パターンが生じる循環状態のひとつに非反応性充血がある。
【0029】
本発明の上述の目的および他の目的ならびに利点は、以下の詳細な説明ならびに添付の特許請求の範囲を通して明らかになる。一例としての実施形態が図示された添付の図面を参照すれば、本発明を最もよく理解することができるであろう。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
膨張可能なカフと、
該カフと連通状態にある第1のセンサと、
該カフの加圧レベルを読むための該カフと連通状態にある第2のセンサと、
膨張および収縮のために該カフと流体連通状態にある加圧器具と
を備えている自動皮膚灌流測定装置であって、該加圧器具は、
加圧空気源と、
該加圧空気源および該カフと接続されることで、該加圧空気源を該カフと流体連通状態におく導管と、
該第1のセンサおよび該第2のセンサからの入力を受信するよう配置され、該カフに対する加圧空気流の流出入を制御可能なマイクロプロセッサと、
該マイクロプロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムであって、実行時に該マイクロプロセッサに、
流れのない状態になる自動膨張シーケンスを開始させ、
自動収縮シーケンスを開始させ、
収縮シーケンスの間、1つ以上の条件が満たされた際に灌流測定値を自動的にSPP値とさせる、コンピュータプログラムと
を含む、自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目2)
上記第1のセンサは上記カフの下に配置される、項目1に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目3)
上記第1のセンサは上記カフよりも外側に配置される、項目1に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目4)
上記第1のセンサは上記カフ内にある空気袋の内側に配置される、項目1に記載の自動皮膚血流圧測定装置。
(項目5)
上記第1のセンサは、光プローブ手段、パルスオキシメータ手段、光学的脈波記録手段、動き検出手段、およびレーザドップラー手段からなる群から選択される、項目1に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目6)
上記光プローブ手段は、レーザ送信器のファイバおよび受信器のフォトダイオードを含む、項目5に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目7)
上記光プローブ手段は、レーザ送信器を含む、項目5に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目8)
上記光プローブ手段は、受信器のフォトダイオードをさらに含む、項目7に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目9)
上記光プローブ手段は、光ファイバケーブル経由で上記加圧器具に接続されている、項目5に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目10)
上記1つ以上の条件は、灌流測定値が1mmHg以内からおよそ150mmHgの範囲内にあることを含む、項目1に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目11)
上記灌流測定値が0.20%未満であり、なおかつ上記カフ圧が100mmHg未満である場合、上記1つ以上の条件は前の灌流測定値に対して10%から50%の灌流増加を含む、項目10に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目12)
上記灌流測定値が0.02%を上回り、なおかつ上記カフ圧が100mmHg以上である場合、上記1つ以上の条件は約20%から約80%の灌流増加を含む、項目10に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目13)
上記灌流測定値が0.15%から約0.20%であり、なおかつ上記カフ圧が有効な任意のカフ圧である場合、上記1つ以上の条件は約25%から約100%の灌流増加を含む、項目10に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目14)
上記灌流測定値が0.15%未満であり、なおかつ上記カフ圧が有効な任意のカフ圧である場合、上記1つ以上の条件は約50%から約200%の灌流増加を含む、項目10に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目15)
上記1つ以上の条件は、上記灌流測定値が約0.05%から約0.2%であることを含む、項目1に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目16)
上記1つ以上の条件は、SPP値の検査対象である上記灌流測定値に続く段階が減少しているか否かということを含む、項目1に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目17)
上記カフ圧が低い場合、SPP値の検査対象である上記灌流測定値に続いて分析される段階数が1である、項目16に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目18)
上記カフ圧が中程度の範囲にある場合、SPP値の検査対象である上記灌流測定値に続いて分析される段階数が2である、項目16に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目19)
上記カフ圧が高い場合、SPP値の検査対象である上記灌流測定値に続いて分析される段階数が3である、項目16に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目20)
上記カフ圧が極めて高い場合、SPP値の検査対象である上記灌流測定値に続いて分析される段階数が5である、項目16に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目21)
上記1つ以上の条件は、SPP値の検査対象である上記灌流測定値に続く段階が増加しているか否かということを含む、項目1に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目22)
上記カフ圧が低い場合、SPP値の検査対象である上記灌流測定値に続いて分析される段階数が1である、項目21に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目23)
上記カフ圧が中程度の範囲にある場合、SPP値の検査対象である上記灌流測定値に続いて分析される段階数が2である、項目21に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目24)
上記カフ圧が高い場合、SPP値の検査対象である上記灌流測定値に続いて分析される段階数が3である、項目21に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目25)
上記カフ圧が極めて高い場合、SPP値の検査対象である上記灌流測定値に続いて分析される段階数が5である、項目21に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目26)
上記加圧器具に動作可能なように接続され、データを表示することができるディスプレイモニタをさらに含む、項目1に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目27)
上記ディスプレイモニタは、観察量の組織内の微小循環に関連するデータを表示することができる、項目26に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目28)
上記ディスプレイモニタは、カフ圧に関連するデータもさらに表示することができる、項目26に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目29)
上記ディスプレイモニタは、観察量の組織内でのカフ圧対微小循環をさらにグラフィック表示することができる、項目28に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目30)
上記カフは、上記灌流センサの観察に使用可能な透明窓を含む、項目1に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目31)
患者の皮膚灌流圧の測定方法であって、
第1のセンサと連通状態にある膨脹可能なカフを提供することと、
流れのない状態になる自動膨脹シーケンスを開始することと、
自動収縮シーケンスを開始することと、
該収縮シーケンスの間に1つ以上の条件が満たされた際に灌流測定値を自動的にSPP値とすることと
を含む、方法。
(項目32)
自動膨脹シーケンスを開始することは、
上記カフを第1の圧力まで膨脹させることと、
該第1のセンサが灌流を検出して測定していることを確認することと、
該カフを第2の圧力まで膨脹させることと、
流れのない状態が達成されたことを確認し、これが達成されていなければ、
流れのない状態が達成されるまであらかじめ定められた増分だけカフ圧を上昇させ、
流れのない状態が達成される前に該カフ圧があらかじめ定められた最大値に至った場合には、該膨脹シーケンスを中断することと
を含む、項目31に記載の方法。
(項目33)
上記カフを第1の圧力まで膨脹させることは、該カフを5mmHgから10mmHgまで膨脹させることを含む、項目32に記載の方法。
(項目34)
上記カフを第2の圧力まで膨脹させることは、該カフを上記患者の最高血圧付近まで膨脹させることを含む、項目32に記載の方法。
(項目35)
流れのない状態が達成されるまであらかじめ定められた増分だけ上記カフ圧を上昇させることは、流れのない状態が達成されるまで該カフ圧をあらかじめ定められた増分である約40mmHgだけ上昇させることを含む、項目32に記載の方法。
(項目36)
上記収縮シーケンスの間に1つ以上の条件が満たされた際に灌流測定値を自動的にSPP値とすることは、測定された皮膚灌流圧がモーションアーチファクトに起因するものではないと特定することを含む、項目31に記載の方法。
(項目37)
上記収縮シーケンスの間に1つ以上の条件が満たされた際に灌流測定値を自動的にSPP値とすることは、該灌流測定値が許容可能なSPP値とみなせる有効範囲内にあるか否かを判断することを含む、項目31に記載の方法。
(項目38)
上記灌流測定値が許容可能なSPP値とみなせる有効範囲内にあるか否かを判断することは、該灌流測定値が1mmHg以内から約150mmHgであるか否かを判断することを含む、項目37に記載の方法。
(項目39)
上記収縮シーケンスの間に1つ以上の条件が満たされた際に灌流測定値を自動的にSPP値とすることは、前の測定値からの灌流増加があらかじめ定められた最小増加値を上回るか否かを判断することを含む、項目31に記載の方法。
(項目40)
前の測定値からの灌流増加があらかじめ定められた最小増加値を上回るか否かを判断することは、上記灌流測定値が0.20%を上回り、なおかつ上記カフ圧が100mmHg未満である場合に、上記灌流増加が10%から50%であるか否かを判断することを含む、項目39に記載の方法。
(項目41)
前の測定値からの灌流増加があらかじめ定められた最小増加値を上回るか否かを判断することは、上記灌流測定値が0.20%を上回り、なおかつ上記カフ圧が100mmHg以上である場合に、該灌流増加が20%から80%であるか否かを判断することを含む、項目39に記載の方法。
(項目42)
前の測定値からの灌流増加があらかじめ定められた最小増加値を上回るか否かを判断することは、上記灌流測定値が0.15%から0.20%であり、なおかつ上記カフ圧が有効な任意のカフ圧である場合に、該灌流増加が25%から100%であるか否かを判断することを含む、項目39に記載の方法。
(項目43)
前の測定値からの灌流増加があらかじめ定められた最小増加値を上回るか否かを判断することは、上記灌流測定値が0.15%未満であり、なおかつ上記カフ圧が有効な任意のカフ圧である場合に、該灌流増加が50%から200%であるか否かを判断することを含む、項目39に記載の方法。
(項目44)
上記収縮シーケンスの間に1つ以上の条件が満たされた際に灌流測定値を自動的にSPP値とすることは、複数の後続する灌流測定値を分析して該後続する灌流測定値が増加しているか減少しているかを判断することをさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目45)
複数の後続する灌流測定値を分析して後続する灌流測定値が増加しているか減少しているかを判断することは、上記カフ圧が0から20mmHgの場合に1つの次の灌流測定値を分析することを含む、項目44に記載の方法。
(項目46)
複数の後続する灌流測定値を分析して後続する灌流測定値が増加しているか減少しているかを判断することは、上記カフ圧が10から50mmHgの場合に2つの次の灌流測定値を分析することを含む、項目44に記載の方法。
(項目47)
複数の後続する灌流測定値を分析して後続する灌流測定値が増加しているか減少しているかを判断することは、上記カフ圧が40から120mmHgの場合に3つの次の灌流測定値を分析することを含む、項目44に記載の方法。
(項目48)
複数の後続する灌流測定値を分析して後続する灌流測定値が増加しているか減少しているかを判断することは、上記カフ圧が80mmHgから150mmHgの場合に5つの次の灌流測定値を分析することを含む、項目44に記載の方法。
(項目49)
上記収縮シーケンスの間に1つ以上の条件が満たされた際に灌流測定値を自動的にSPP値とすることは、(i)カフ圧が15mmHg未満であり、1つの次の灌流測定値が増加している場合、(ii)カフ圧が15から20mmHgであり、2つの次の灌流測定値が増加している場合、(iii)カフ圧が50から100mmHgであり、3つの次の灌流測定値が増加している場合、(iv)カフ圧が100mmHgから150mmHgであり、5つの次の灌流測定値が増加している場合、からなる群から選択される条件をさらに含む、項目44に記載の方法。
(項目50)
患者の皮膚灌流圧を測定する装置であって、
膨張可能なカフであって、該カフと連通状態にある灌流を検知するための灌流検知手段を有する、カフと、
自動膨脹シーケンスに従って、流れのない状態を作り出す圧力まで該カフを自動的に膨脹させるための手段と、
自動収縮シーケンスに従って該カフを自動的に収縮させるための手段と、
あらかじめ定められた一連の基準に対して灌流測定値を検査して、モーションアーチファクトを排除して自動的にSPP値を求めるための手段と
を含む、装置。
(項目51)
上記自動膨脹シーケンスは、
上記カフを第1の圧力まで膨脹させることと、
上記灌流検知手段が灌流を検出して測定していることを確認することと、
該カフを第2の圧力まで膨脹させることと、
流れのない状態が達成されたことを確認することと、
流れのない状態が達成されるまであらかじめ定められた増分だけカフ圧を上昇させることと、
流れのない状態が達成される前に該カフ圧があらかじめ定められた最大値に至った場合には、該膨脹シーケンスを中断することと
を含む、項目50に記載の装置。
(項目52)
上記自動膨脹シーケンスは、上記カフを5mmHgから10mmHgの第1の圧力まで膨脹させる、項目50に記載の装置。
(項目53)
上記自動膨脹シーケンスは、上記カフを上記患者の最高血圧まで膨脹させる、項目50に記載の装置。
(項目54)
上記自動膨脹シーケンスは、流れのない状態が達成されるまで上記カフ圧をあらかじめ定められた増分である約40mmHgだけ上昇させる、項目50に記載の装置。
(項目55)
上記自動収縮シーケンスは、
(a)所望の制御された速度で上記カフから圧力を開放することと、
(b)収縮速度をモニタすることと、
(c)上記収縮速度が上記所望の制御された速度と実質的に等しくない場合に、上記収縮シーケンスを中断することと、
(d)検査する手段を利用して灌流測定値がSPP値とみなされるか否かを分析することと、
(e)少なくとも1つの自動停止基準が満たされているか否かを判断することと、
(f)少なくとも1つの自動停止基準が満たされるまでステップ(a)〜(e)を繰り返すことと、
(g)ステップ(d)で得られた上記SPP値がある場合にはこれを報告することと
を含む、項目50に記載の装置。
(項目56)
上記自動収縮シーケンスは、
(h)許容可能なSPP値がない状態でステップ(a)〜(e)をあらかじめ定められた回数繰り返した後、ステップ(a)〜(e)をあらかじめ定められた時間継続することと、
(i)医師が解釈できるようディスプレイに灌流測定値を表示することと
をさらに含む、項目55に記載の装置。
(項目57)
灌流測定値を許容可能なSPP値とみなせるか否かを分析することは、測定された灌流圧がモーションアーチファクトに起因するものではないと特定することを含む、項目55に記載の装置。
(項目58)
灌流測定値を許容可能なSPP値とみなせるか否かを分析することは、該灌流測定値が許容可能なSPP値とみなせる圧力の有効範囲内にあるか否かを判断することを含む、項目55に記載の装置。
(項目59)
灌流測定値が許容可能なSPP値とみなせる有効範囲内にあるか否かを判断することは、該灌流測定値が1mmHg以内から約150mmHgであるか否かを判断することを含む、項目58に記載の装置。
(項目60)
灌流測定値が許容可能なSPP値とみなせるか否かを判断することは、前の測定値からの灌流増加があらかじめ定められた最小増加値を上回るか否かを判断することを含む、項目55に記載の装置。
(項目61)
前の測定値からの灌流増加があらかじめ定められた最小増加値を上回るか否かを判断することは、以下の基準すなわち、
カフ圧が100mmHg未満であり、なおかつ灌流増加が10%から50%である場合に、灌流測定値が0.20%を上回ることと、
カフ圧が100mmHg以上であり、なおかつ灌流増加が20%から80%である場合に、灌流測定値が0.20%を上回ることと、
上記カフ圧が有効な任意のカフ圧であり、なおかつ灌流増加が25%から100%である場合に、灌流測定値0.15%から0.20%であることと、
上記カフ圧が有効な任意のカフ圧であり、灌流増加が50%から200%である場合に、灌流測定値が0.15%未満であることと
のうちの少なくとも1つが満たされるか否かを判断することを含む、項目60に記載の装置。
(項目62)
前の測定値からの灌流増加があらかじめ定められた最小増加値を上回るか否かを判断することが、以下の基準すなわち、
100mmHg未満のカフ圧で灌流測定値が0.20%を上回り、なおかつ灌流増加が25%であることと、
100mmHg以上のカフ圧で灌流測定値が0.20%を上回り、なおかつ灌流増加が40%であることと、
有効な任意のカフ圧で灌流測定値が0.15%から0.20%に等しく、なおかつ灌流増加が50%であることと、
有効な任意のカフ圧で灌流測定値が0.15%未満であり、なおかつ上記灌流増加が100%であることと、
のうちの1つが満たされるか否かを判断することを含む、項目60に記載の装置。
(項目63)
灌流測定値を許容可能なSPP値とみなせるか否かを分析することは、上記灌流測定値が0.05%から0.2%であるか否かを判断することを含む、項目55に記載の装置。
(項目64)
灌流測定値を許容可能なSPP値とみなせるか否かを分析することは、
該灌流測定値と次の灌流測定値とを比較して、該次の灌流測定値が増加しているのか減少しているのかを判断することと、
(i)カフ圧0から20mmHgで、1つの次の灌流測定値が増加している、(ii)カフ圧10から50mmHgで、2つの次の灌流測定値が増加している、(iii)カフ圧40から120mmHgで、3つの次の灌流測定値が増加している、(iv)カフ圧が80mmHgを上回り、5つの次の灌流測定値が増加している、からなる群から選択される1つの基準が満たされる場合に、該灌流測定値をSPP値とみなすことを含む、項目55に記載の装置。
(項目65)
上記灌流測定値をSPP値とみなすことは、(i)カフ圧が15mmHg未満で、1つの次の灌流測定値が増加している、(ii)カフ圧が15から20mmHgで、2つの次の灌流測定値が増加している、(iii)カフ圧が50から100mmHgで、3つの次の灌流測定値が増加している、(iv)カフ圧が100mmHgから150mmHgで、5つの次の灌流測定値が増加している、からなる群から選択される1つの基準が満たされる場合に、該灌流測定値をSPP値とみなすことを含む、項目64に記載の装置。
(項目66)
灌流測定値をSPP値とみなせるか否かを判断することは、
灌流変動のプロファイルを規定することと、
該灌流測定値が、該灌流変動のプロファイルにフィットする一連の灌流測定値のうちの1つであるか否かを判断することと
を含む、項目55に記載の装置。
(項目67)
灌流変動のプロファイルを規定することは、測定された灌流測定値が、(i)カフ圧が0から20mmHgの場合、次の灌流測定値が減少していない、(ii)カフ圧が10から50mmHgの場合、すぐ次の2つの灌流測定値が減少していない、(iii)カフ圧が40から120mmHgの場合、すぐ次の3つの灌流測定値が減少していない、(iv)カフ圧が80mmHgを上回る場合、すぐ次の5つの灌流測定値が減少していない、からなる群から選択される基準を満たすプロファイルを規定することを含む、項目66に記載の装置。
(項目68)
灌流変動のプロファイルを規定することは、測定された灌流測定値が、(i)カフ圧が15mmHg未満の場合、次の灌流測定値が減少していない、(ii)カフ圧が15から20mmHgの場合、すぐ次の2つの灌流測定値が減少していない、(iii)カフ圧が50から100mmHgの場合、すぐ次の3つの灌流測定値が減少していない、(iv)カフ圧が100mmHgから150mmHgの場合、すぐ次の5つの灌流測定値が減少していない、からなる群から選択される基準を満たすプロファイルを規定することを含む、項目67に記載の装置。
(項目69)
a.毛細管血流のある組織部位と連通状態にある毛細管血流測定手段と、
b.制御可能な圧力を該毛細管血流測定手段および該組織に同時に印加するための加圧手段であって、該加圧手段は、(i)該組織内の該毛細管血流を駆血し、(ii)該圧力を制御可能に放出しつつ該毛細管血流を回復させることを含む自動シーケンスに応答する、加圧手段と、
c.該印加された制御可能な圧力を測定するための測定手段と、
d.該印加された制御可能な圧力と該毛細管血流との間の関係を表示するための表示手段であって、該表示手段は、該毛細管血流測定手段および該印加された制御可能な加圧手段と連通状態にある、表示手段と
を含む、自動皮膚灌流圧測定システム。
(項目70)
上記毛細管血流測定手段は、多数の組織部位と連通状態にある複数の血流センサを含む、項目69に記載の自動皮膚灌流圧測定システム。
(項目71)
上記複数の血流センサは、レーザドップラーセンサ、白色光センサ、パルスオキシメトリセンサ、および超音波センサからなる群から選択される、項目70に記載の自動皮膚灌流圧測定システム。
(項目72)
上記毛細管血流測定手段は、血流センサを含む、項目69に記載の自動皮膚灌流圧測定システム。
(項目73)
上記血流センサは、レーザドップラーセンサ、白色光センサ、パルスオキシメトリセンサ、および超音波センサからなる群から選択される、項目72に記載の自動皮膚灌流圧測定システム。
(項目74)
SPP値を判断および表示するための手段をさらに含む、項目69に記載の自動皮膚灌流圧測定システム。
(項目75)
上記自動シーケンスは、制御装置で実行可能なプログラムによって生成される、項目69に記載の自動皮膚灌流圧測定システム。
(項目76)
上記血流測定手段は上記組織部位と接触してカフの下に位置し、該血流測定手段が該組織部位に近接している、項目69に記載の自動皮膚灌流圧測定システム。
(項目77)
上記血流測定手段がカフの内部に位置し、該カフは上記組織部位と接触している、項目69に記載の自動皮膚灌流圧測定システム。
(項目78)
上記表示手段は、X軸がmmHg、Y軸が灌流率を有するグラフを含む、項目69に記載の自動皮膚灌流圧測定システム。
(項目79)
皮膚灌流圧の測定方法であって、
a.毛細管血流のある組織部位に毛細管血流測定手段を印加することと、
b.自動シーケンスに応答して上記血流測定手段と上記組織部位とに同時かつ制御可能に圧力を印加することと、
c.上記印加された制御可能な圧力を測定することと、
d.上記印加された制御可能な圧力と上記毛細管血流との関係を表示することと
を含む、方法。
(項目80)
SPP値を示すことをさらに含む、項目79に記載の方法。
(項目81)
上記毛細管血流測定手段が、多数の組織部位と連通状態にある複数の血流センサを含む、項目79に記載の方法。
(項目82)
上記複数の血流センサは、レーザドップラーセンサ、白色光センサ、パルスオキシメトリセンサ、および超音波センサからなる群から選択される、項目81に記載の方法。
(項目83)
上記血流測定手段は、レーザドップラーセンサ、白色光センサ、パルスオキシメトリセンサ、および超音波センサからなる群から選択される血流センサを含む、項目79に記載の方法。
(項目84)
上記自動シーケンスは、制御装置で実行可能なプログラムによって生成される、項目79に記載の方法。
(項目85)
上記血流測定手段はカフの内側に位置し、該カフは上記組織部位と接触している、項目79に記載の方法。
(項目86)
上記血流測定手段は上記組織部位と接触してカフの下に位置し、該血流測定手段は該組織部位に近接している、項目79に記載の方法。
(項目87)
上記印加される制御可能な圧力と上記毛細管血流との間の上記関係は、該関係をグラフ化することによって表示される、項目79に記載の方法。
(項目88)
上記関係をグラフ化することが、X軸がmmHgを含み、Y軸が灌流率を含むように該関係をグラフ化することを含む、項目87に記載の方法。
(項目89)
1回以上の測定時に上記血流測定手段を適所に固定するための設置装置をさらに含む、項目69に記載の自動皮膚灌流圧測定システム。
(項目90)
上記装置は使い捨てである、項目89に記載の設置装置。
(項目91)
上記血流測定手段を患者に固定するよう構成された取り外し可能なシースをさらに含む、項目89に記載の設置装置。
(項目92)
上記シースの近位端の両側に設けられた少なくとも2つのウィングと、該シースの遠位端の両側に配置された受入用開口部をさらに含む、項目91に記載の設置装置。
(項目93)
上記シースの少なくとも1つの長手方向の側に沿って延在する測定用ガイドをさらに含む、項目91に記載のセンサ設置装置。
(項目94)
穴のあいた部分をさらに含み、第1の穴のあいた部分は上記シースの上記遠位端に隣接し、さらに、第2の穴のあいた部分は、上記第1の穴のあいた部分と、上記シースの上記近位端のほうに近い位置にある第3の穴のあいた部分との間にある、項目91に記載のセンサ設置装置。
(項目95)
ケーブルクランプをさらに含み、該ケーブルクランプは、上記シースの上記遠位端に隣接し、上記センサ設置装置から取り外しできるよう構成され、上記プローブとモニタリングシステムとの間に延在するケーブルの上に配置されている、項目91に記載のセンサ設置装置。
(項目96)
上記ウィングは少なくとも1つの位置表示器を含む、項目92に記載のセンサ設置装置。
(項目97)
上記シースは、上記センサ設置装置を患者の組織に固定するように構成されたシースの表面上に接着性コーティングを含む、項目91に記載のセンサ設置装置。
(項目98)
上記設置装置は、表面に上記血流測定手段を挿入するための窓を含む粘着性の布を含む、項目89に記載の血流測定手段設置装置。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、患者に使用する灌流圧モニタの概略図。
【図2A】図2Aは、通常の検査経過を棒グラフで示している従来技術のディスプレイモニタの概略図である。
【図2B】図2Bは、モーションアーチファクトを急に上昇している棒の部分として示す従来技術のディスプレイモニタの概略図である。
【図3】図3は、灌流圧モニタの膨張時における動作を示すフローチャートである。
【図4】図4は、灌流圧モニタの収縮における動作を示すフローチャートである。
【図5A】図5Aは、本発明による皮膚灌流圧モニタリングシステムの圧力ラインの出力表示を示す概略図である。
【図5B】図5Bは、本発明による皮膚灌流圧モニタリングシステムの圧力ラインの出力表示を、モーションアーチファクトを示す急に上昇している棒の部分として示した概略図である。
【図5C】図5Cは、本発明による皮膚灌流圧モニタリングシステムの圧力ラインの出力表示を、モーションアーチファクトを示す急に上昇している棒の部分、棒グラフ、表面灌流圧の真の読み値とともに示した概略図である。
【図5D】図5Dは、非反応性充血として知られる循環状態での圧力ラインの出力表示を示す概略図である。
【図6】図6は、本発明によるセンサ取り付け具の上面図である。
【図7】図7は、本発明によるSPPセンサが内蔵されたセンサ取り付け具設置の斜視図である。
【図8】図8は、センサ取り付け具の別の実施形態の上平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(発明の詳細な説明)
本発明のデバイスおよび方法を開示および説明する前に、本発明を説明するにあたり特定の専門用語を使用しているが異なる場面では変わることもあることを理解されたい。また、ここで用いる専門用語は特定の実施形態を説明するだけのためのものであり、限定を意図したものではない点も理解されたい。
【0032】
文脈上明らかに他の意味に解すべき場合を除き、明細書および添付の特許請求項の範囲に使用される単数形「a」「an」および「the」は、複数形の場合も含むことに留意しなければならない。
【0033】
用語「適切な灌流」とは、カフ膨張シーケンスを継続するため用いられる灌流基準を意味する。この基準は、プローブと患者の皮膚とが適切に接触していることを保証するものである。0.1%より大きいものが一般に灌流である。
【0034】
用語「流れがない」とは、カフの収縮が開始され、およそ0.1%より小さいという灌流基準を意味する。
【0035】
用語「基線(baseline)の流れ」とは、「流れがない」と判断される流れと修正されたSPP値との間の流れを意味する。
【0036】
用語「モーションアーチファクト」とは、患者の動き、意識下および無意識下の筋肉収縮、不要なノイズ、介護者および操作者の抵触など、介護者、操作者あるいは環境による影響を含む、特徴ある灌流が戻るパターンがないことを意味する。
【0037】
用語「灌流測定値」は、印加カフ圧で測定した、灌流センサによって得られる信号のAC/DC比に比例する計算値である。
【0038】
用語「灌流率」とは、最大限に灌流した組織と比べた毛細血管の血流の量的な測定値を意味する。
【0039】
用語「加圧カフ」または「カフ」および類似の出典用語は、例えば上から、部位に接触して、巻き付けて、などの形で圧力を印可する空気カフまたは任意の装置を意味する。
【0040】
用語「P0」とは、SPP値の評価または判定対象となっている灌流測定値である。
【0041】
用語「再流入」は正常な微小循環の流れを再開することを意味する。
【0042】
用語「皮膚灌流圧の値」または「SPP値」は、検査のカフ収縮時に、微小循環流が観察量の組織に戻る微小循環流を戻すカフ圧を意味する。
【0043】
(表面灌流圧システム)
図1を参照すると、代表的な、しかし限定されていない灌流圧モニタシステム10を示す概略図が図示されている。この皮膚灌流圧モニタシステム10は主に、光プローブまたはセンサ12、加圧カフ14、およびディスプレイモニタ30付き皮膚灌流圧器具22を含む。光プローブ12は患者の肢18の皮膚に近接して加圧カフ14の内面側に配置されている。あるいは、光プローブ12はカフ14よりも外側またはカフの空気袋14内に配置されてもよい。他の実施形態では、カフ14は光プローブ12を観察するための透明窓を含むこともある。この皮膚灌流圧器具はチューブ26を介して加圧カフ14を膨張させる。圧力カフ14のサイズは、対象となる肢が腕、つま先、脚、足首、などのどれなのかによって変わってくるが、観察量の組織20における光プローブ12の部位で局部の血流を止められるだけの十分に高い圧力(最高血圧よりも高い)を維持できるものでなければならない。観察量の組織20は印加圧力と同一場所、印加圧の近くの場所、または印加圧力よりも遠位であり、この場合例えば、つま先で流量を測定し、足首で圧力を印加する。皮膚灌流圧器具22は、光ファイバケーブル24を介して光プローブ12に接続され、加圧カフ14にも接続されている。
【0044】
光プローブ12は観察量の組織20中の微小循環の流れをモニタする。観察量の組織20で検知される微小循環はパーセントで表され、灌流圧ディスプレイ器具のY軸に表示される。図5Cで最もよくわかるように、このパーセント値は一般に0%から10%の数値として示され、器具ディスプレイ30のY軸に棒グラフとしても図示される。皮膚灌流圧器具22は、カフ14内の圧力を測定し、カフの印加圧力を水銀柱ミリメートル単位でディスプレイX軸に一定減分ごとに表示する。図5Aおよび図5Bで最もよくわかるように、線15はX軸に沿って動き、その時点で測定中のカフ圧を操作者に対して示す。
【0045】
図1に示す光プローブ12は、少なくともレーザ送信器であるファイバ32と、少なくとも1つの受信器であるフォトダイオード34を含んでいる。他の実施形態では、レーザまたはフォトダイオードまたはその両方は、光ファイバ要素を必要とせずプローブ12に設置される。動作中、灌流圧ディスプレイ器具22内の固体レーザデバイスまたは他のレーザデバイスから供給されるコヒーレントな光は、加圧カフ14の空気袋を通して患者の皮膚と接触するファイバ送信器32に導かれる。送信側ファイバ32から放出された光子は、患者の組織によって散乱する。放出された光子のほんの一部(5%未満)が、受信器であるファイバ34によって集められる。ファイバとファイバの光学的開口との間の空間によって、モニタ対象となる組織の量が決まる。一般に、送信器のファイバ一本は、受信器のファイバ一対と共に使用される。ファイバーコアの公称直径はおよそ50から100ミクロンであり、約1から2立方ミリメートルの観察量に対して使用される。好適な光プローブの例は、Borgosに付与された米国特許第5,654,539号(その全体を本明細書に援用する)に開示されている。
【0046】
それにもかかわらず、微小循環流が、特定の観察量に戻る点を判断するための多くの方法があることを、当業者であれば理解できよう。例えば、観察部位の色の変化などの目視観察;超音波;光プレチスモグラフィー;体温上昇の測定;音波、例えばマクロ循環中の拍動流のためのマイクロホン;pCO2または乳酸塩などの代謝インジケーター;および生体インピーダンスまたはパルス酸素濃度計またはこれらの両方であるが、各々は脈動測定および血圧測定と共に用いられる。
【0047】
後方散乱光子の中には、微小循環内で移動する細胞によって頻繁にシフトするものもある。集められた光子は、ケーブル24を介して皮膚血流圧器具22によって集められるが、そこでフォトダイオードと衝突する。このように、光子は移動している細胞および静止した細胞から散乱される結果、フォトダイオードと衝突する。フォトダイオードの電圧は周波数およびパワー情報の両方を含む。ドップラーシフト周波数が細胞速度に関連しているのに対し、スペクトルパワー情報は特定の周波数で移動する細胞の量に関連している。受信側ファイバ34によって受信した光子総数から、DC信号成分が得られる。AC信号成分は周波数シフトした光子と定常構造の光子とが混ざることで得られる。観測量中で移動する細胞の数が増加すると、AC成分の大きさも大きくなるが、DCオフセットはほぼ一定のままである。跳ね返った光子でさらにドップラーシフトが生じるため、AC成分が大きくなる。測定量中の定常細胞との衝突によって散乱する光子の総数が移動している細胞によって減る量はわずかしかないので、DC成分はほぼ一定のままである。よって、灌流測定値はDC信号に対するAC信号の比に比例し、これが観察量の組織中で移動している細胞の量を示す指標となる。このタイプの測定値は通常、アナログ信号処理およびデジタル信号処理の両方を用いて計算される。例えば、AC信号をアナログ処理によってRMSの等価物に換算するのが一般的である。A/Dコンバータへ提供されるのはこれらの値である。マイクロプロセッサでは、上述の比を得る前に、これらのデジタル化された値を2乗し得る。この比の値は、信号処理経路全体での利得分布に依存する、実験的に導いた倍率で増減され得る。
【0048】
図1および図3を参照すると、カフの膨張シーケンスが図示されている。皮膚灌流圧器機22は、カフ膨張プロセスを開始し、光プローブ12のレーザを有効にする。前記カフ14の空気袋では最初、適切な灌流を検知および測定できるように、検知用プローブを確実に患者の皮膚と接触させるため、5から10mmHgなどの低圧力が保たれている。適切な灌流が測定できない場合は、カフ膨張を中断し、検査の続行はしない。適切な灌流を測定可能であれば、加圧カフ14を最高血圧またはその前後の目標圧力まで膨張させ、灌流を測定する。その目標圧力では「流れがない」状態にならないが、最大目標圧力に達してもいない場合は、徐々に圧力を高めて(例えば40mmHg増)「流れがない」基準を再度試験する。最大目標圧力には達したが、依然として「流れがない」基準には達していない場合、カフ膨張を中断し、検査の続行はしない。
【0049】
図4はカフ縮小シーケンスを示す。上述のように、皮膚灌流圧器具が「流れがない」信号を認識したら、カフ圧は制御された速度で自動的に収縮を開始する。収縮速度を制御しておくことで、同一患者での測定間の再現性や患者間の再現性が得られる。深刻な患者の動きなどが理由で圧力が制御された速度で下降していないのであれば、カフ収縮を中断し、検査の続行はしない。圧力が制御された速度で降下しているのであれば、SPP値についてP0を分析する。SPP値に必要な全ての条件が満たされたなら、例えば以下に論ずるように、SPP値が報告される。この条件が満たされなければ、検査は一定の時間継続され、その後で医師が解釈できるよう灌流測定値が表示されるが、その検査についてSPP値は報告されない。その後医師は、表示された灌流データを、別の検査をすべきであるか否かの判断に利用可能な他の情報と一緒に利用し、自らの専門知識に基づくのであれば適切なSPP値を判断することができる。
【0050】
図5A〜図5Dはディスプレイモニタ上に描かれた異なる段階の出力データを示す。図5Aを参照すると、検査行為の間に記録されたデータが表示されている。移動線15は圧力が低下すると上昇する。図から明らかなように、適切な血流35、流れがない36、基線の流れ37、SPP値38、通常の微小循環への戻り39を示す点が描かれている。図5Bは圧力が低下すると上昇するが、現在はモーションアーチファクト40が表われている同じ圧力ラインを示す。図示のように、本発明による皮膚灌流圧モニタリングシステムでは、モーションアーチファクトを灌流測定値ではないとして排除し、継続する線15によってみられるように検査を続行する。図5Cを参照すると、本発明による皮膚灌流圧モニタは、P0をSPP値とするにあたってモーションアーチファクトを検出して排除するために、多数の異なる基準を分析する。P0をSPP値とみなしている場合、図5Cで最もよく見られるように、線15に棒グラフが重ねられ、SPP値38が記録される。当業者であれば理解できるように、灌流測定データセットの描画にはどのようなグラフ表示を用いても構わない。皮膚灌流圧モニタリングシステム10ではP0をSPP値とみなし、モーションアーチファクトが存在するか否かを評価する独自の基準を考慮する。当業者であれば、多くの基準または少しの基準を考慮すればよいことは理解できよう。加えて、以下に記載した以外の他の基準を使用することも可能である。例えば、線形回帰、勾配切片、微分、加重平均、その他周知の数理モデルを以下に記載されている基準に加えて、あるいはこれらの代わりに用いることができる。考慮された基準の数が少ないか多いかを問わず、微小循環流が観察量または測定量に戻る圧力の判定と組み合わせて全ての基準を用いて、不要なノイズ、環境による影響、または動きを排除する。
【0051】
準備段階のスクリーニングステップとして、モーションアーチファクトが収縮の速度に影響するほど大きいすなわち患者の動きが大きい場合、器具では検査を中断し、センサ/プローブでは正確な測定ができない旨の情報を操作者に伝える。
【0052】
第1の基準として最初に、P0はSPP値を判定するシステムの有効な値域内でなければならない。例えば約1mmHgから約150mmHgなど、P0が有効な値域内にない場合、システムは特定のP0がSPP値であるとは示さない。
【0053】
【表1】
別の基準は、測定値に比して灌流の増加が十分に大きいか否かである。灌流の増加が十分に大きくないならば、SPP値にはならない。「ステップサイズ」(すなわち前の測定値から灌流が十分に大きく増加する)を解釈するにあたり、器具では灌流の戻りとして感度閾値を徐々に調節する灌流の許容誤差を使用する。これは、過渡的な動きに対する感度が低い間、システムが広ダイナミックレンジでSPP値を定めることを可能にする。例えば、灌流が極めて低いならば、器具ではその灌流許容誤差のためモーションアーチファクトの検出および排除を可能にする。表1を参照すると、好適な灌流増加が記録されている。灌流測定値が0.20%(すなわち高灌流測定値)より高く、印加したカフ圧が100mmHg未満であれば、前の測定値に対して、灌流が10%から50%、好ましくは25%増加することが必要である。灌流測定値が0.20%(すなわち高灌流測定値)より高く、印加したカフ圧が100mmHg以上であれば、前の測定値に対して、灌流が20%から約80%、好ましくは40%増加することが必要である。灌流測定値が0.15から0.20%(すなわち中程度の灌流測定)の間で、印加したカフ圧が有効な圧力のいずれかであれば、前の灌流測定値に対して、灌流が25%から100%、好ましくは50%増加することが必要である。灌流測定値が0.15%(すなわち低灌流測定値)より低く、印加したカフ圧が有効な圧力のいずれかであれば、前の灌流測定値に対して、灌流が50%から200%、好ましくは100%増加することが必要である。
【0054】
当業者であれば、以下の基準が高、中、低灌流測定値、印加したカフ圧について独立したいくつかの点、すなわち100mmHgを超える圧とこれ未満の圧に限定する必要のないものであることがわかるであろう。これらを、灌流測定値または印加したカフ圧、またはその両方の連続関数として表してもよい。
【0055】
別の基準に、評価中の血流測定値すなわちP0が十分大きいか否か、すなわち流れが基線よりも上にあるか否かがある。灌流は点P0において好ましくは0.05から0.2%の間、一層好ましくは少なくとも0.10%にすべきであり、そうでなければ皮膚灌流圧は記録されない。
【0056】
別の基準は「次の段階」、すなわちポイントP0に続く段階が増加しているか減少しているかを判断する。次の段階は、圧力が低下している観察量への微小循環流の戻りを示す典型的な形跡の特徴ではないため、減少してはならない。この4番目の基準は、灌流の変化が増加している時間に焦点を合わせている。微小循環の流れが戻ると形跡パターンに増加および保持する灌流信号が発生する。モーションアーチファクトは、振動成分がさらに多いため減少傾向が一層強い灌流信号を発生する。
【0057】
【表2−1】
【0058】
【表2−2】
印加カフ圧が低い、すなわち好ましくは約0から20mmHg、一層好ましくは15mmHg未満である場合、次のステップが増加または減少しているかどうかを判断する際に分析される次のステップの数は1である。印加カフ圧が中程度、例えば約10から50mmHg、一層好ましくは15から20mmHGの時、次のステップが増加または減少しているかどうかを判断する際に分析される次のステップの数は2である。印加カフ圧が高く、例えば約40から120mmHg、一層好ましくは50mmHgより高いが100mmHg未満の時、次のステップが増加または減少しているかどうかを判断する際に分析される次のステップの数は3である。圧力が極めて高く、好ましくは80から150mmHg、最も好ましくは100mmHgより高い時、次のステップが増加または減少しているかどうかを判断する際に分析される次のステップの数は5である。分析対象となる次のステップの数すなわちNがさらに多い場合、システムがSPP値を定めた信頼性がさらに高くなる。
【0059】
モーションアーチファクトを検出および排除するための別の基準に、灌流変化のプロファイルがある。微小循環は段階的に増加する灌流信号を発生するのに対し、動きは微小循環よりも振動成分の多い灌流信号を発生する。灌流の戻る形跡に沿っていない変化は無視される。表IIを再び参照すると、モーションアーチファクトを検出し排除するための灌流変化のプロファイル基準はP1に続く特定数のステップが少なくともP1の灌流値であるか、これを上回ることである。これらのステップは減少してはならない。言い換えれば、P2からPNはP1を全て超えなければならない。このような信号は長くは続かないため、この基準は動きを排除する上で特に効果的である。
【0060】
全ての基準が満たされたら、皮膚灌流圧システムはP0をSPP値38とする。
【0061】
図5Dは、患者に無反応な充血がある際に見られるであろうモデルを示す。この場合、皮膚灌流圧システムでは、このようなパターンを通常の灌流測定値の特徴がないパターンとして認識し、SPP値は生成されない。このような場合、灌流データが報告され、その検査でのSPP値の判断は医師にゆだねられる。
【0062】
(センサまたはプローブ設置デバイス)
好都合なことに、本発明による表面灌流圧システムは、上述したように、キットとして含まれるか、あるいは単独で提供される、再現性のあるデータを保証するためのセンサまたはプローブ設置デバイスを含むものであってもよい。
【0063】
図6を参照すると、本発明によるセンサ配置デバイス100の一実施形態が示されている。センサ配置デバイス100は、微小循環の血流測定に使用する例となるプローブ120にフィットするサイズの使い捨てシース130を含む。センサ配置デバイス100を使用して、さまざまな形状およびサイズのプローブ、電極および他のモニタリングデバイスのカバーを固定することができることを当業者であれば理解できよう。
【0064】
センサ配置デバイス100の第1の実施例によれば、近位端150の両側に設けられた2つのウィング140が提供される。プローブ120をその上に固定するため、ウィング140は患者の手足に巻き付けられている。異なるサイズの手足にも適応するためウィング140はさまざまなサイズにできる。
【0065】
センサ配置デバイス100にはまた、近位端150にある2つの対象となる位置インジケーター160が含まれる。位置インジケーター160は医療提供者がセンサ配置デバイス100の設置場所の印を付けられるような形状となっている。さらなる測定値が必要なら、センサ配置デバイス100およびプローブ120は組織の表面の同一場所に設置可能であり、その結果、再現性のあるデータが保証される。
【0066】
センサ配置デバイス100には、シース130の少なくとも片側に位置する測定用ガイド180が含まれる。測定用ガイド180は正確な設置位置を決めるため使用される。測定用ガイド180は穿孔200に合わせたサイズにでき、併用して使用できる。例えば、測定単位は近位端150から始まることができ、遠位端170に向かって増加する。この方法によると、測定用ガイド180は遠位端170付近の穿孔部分が取り外された後も設置場所を測定するために有用である。
【0067】
シース130の遠位端170はシース130の両側に設置された受取開口部220へプローブを固定する手段を含む。受取開口部220は、プローブ固定手段290を受けいれるような大きさおよび位置にある。受取開口部220は、シース130の遠位端がシース留め280と完全に平行するよう、プローブ120のケーブル端の両側に設置される。この方法によると、センサ配置デバイス100はプローブ120に堅く固定される。図6および図7に示す受取開口部220は弓形状である。当業者であれば、受取開口部がどのようなサイズまたは形状のプローブを固定する手段290でも受け入れるようなサイズ、形状になりうることを理解できよう。
【0068】
一実施形態では、シース130の遠位端170はケーブル固定金具240に隣接している。ケーブル固定金具240は裏側が粘着性で取り外し可能なため、センサ配置デバイス100から切り離し、プローブ120とモニタリングシステム間を適した表面へ向かって伸びるケーブル260を固定するため使用できる。
【0069】
患者の組織と接触するセンサ配置デバイス100の表面は、接着剤コーティング処理がされている。生理学的パラメータのモニタリングを邪魔しない接着剤コーティングは、どこでも再設置可能な感圧接着剤を含む。接着剤コーティングは本質的に粘着性があり、エラストマー系、溶媒分散性、溶媒不溶性な感圧接着剤である。一実施形態では、接着剤コーティングはアクリル酸アルキル、エステルメタクリル酸アルキル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、メタクリル酸スルホエチル、およびナトリウムmethacryate、アクリル酸アンモニウム、アクリル酸ナトリウム、トリメチルアミンP−ビニル安息香酸イミド、4,4,9−トリメチル−4−アゾニア−7−オキソ−8−オキサ−デカ−9−エン−1−スルホン、N,N−ジメチル−N−(ベーターメタクリロキシエチルオキシ−エチル)プロピオン酸アンモニウムベタイン、トリメチルアミンメタクリルイミド、および1,1−ジメチル−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)メタクリルイミドアミンのようなイオンモノマーからなる群から選択されるモノマーまたはポリマーのブレンドである。もうひとつの実施形態では、接着剤コーティングはアクリレート系、アルキルアクリル酸およびアルキルアクリレートエステルモノマー単体またはビニルモノマーとの組み合わせからなる群から選択されるミクロスフェアを含む。接着剤コーティングは保管、輸送およびその他使用しない状況下では、接着剤コーティングの粘着性を保持するために用いる取り外し可能なフィルム用紙で覆われている。
【0070】
センサ配置デバイス100のサイズおよび形状は多様にできる。センサ配置デバイス100のどんな場所にも、ロゴまたはその他のアートデザインをエンボス加工可能である。センサ配置デバイス100の色もまた多様にでき、さまざまなパターンを含む。
【0071】
使用にあたってセンサ配置デバイス100は、低コストのために、手術室、集中治療室、診察室または患者の病室、看護領域、医師の仕事場のようなどこででも都合の良い場所で施行され、基本的にどこででも生理学的パラメータの測定にプローブ120を使用する。医療関係者はディスペンサーデバイス、ボックスまたはそのほかの備品入れからセンサ配置デバイス100を移動し、プローブ120をシース130の遠位端170へはめ込める。開口部220はプローブ固定方法290を調整する。図7で示すように、シース130はシース留め280に隣接するシースの遠位端170があるプローブ120にフィットする。センサ配置デバイス100が測定部位に対して長すぎるなら、センサ配置デバイス100の部品は目的とする穿孔200で切り取り可能である。センサ配置デバイス100がプローブ120上に取り付けられた後、該当する場合、はがせるフィルム用紙(図示せず)ははがし、測定用ガイド180は患者の組織の目的とする部分上にセンサ配置デバイス100を正確に設置するために使用できる。ウィング140はセンサ配置デバイス100をその上に固定するため、つま先または足のような患者の手足に巻き付けられる。ケーブル固定金具240は、シース130の遠位端170との間を穿孔の位置のミシン目に沿って切り取り可能である。そしてケーブル固定金具240は、患者の身体の異なる部位、病院のベッドなど、好適なサポートのため、ケーブル260の固定に使用される。
【0072】
いったん位置決めをしたら、ケーブル固定金具240は切り離し可能で、プローブ120はセンサ配置デバイス100の位置に邪魔されることなくセンサ配置デバイス100から取り外し可能である。再度センサ配置デバイス100の位置に邪魔されることなく、その後違うプローブ120は、センサ配置デバイス100に挿入される。この方法によると、プローブ120は、新しいセンサ配置デバイス100または再設置されるセンサ配置デバイス100を要求することなく交換可能である。新しいセンサ配置デバイス100が必要な場合には、位置インジケーター160で、取り替え用センサ配置デバイス100がセンサ配置デバイス100の以前に置かれていた場所と同じ位置になるよう印をつける。この場合、生理学的パラメータのモニタリング中、中断および誤差は最低限に抑えられる。
【0073】
モニタリングが完了した時点で、医療関係者はセンサ配置デバイス100を患者の組織から取り外し、廃棄するだけである。この場合、センサ配置デバイス100は精密な位置決め、再位置決め、および患者の組織へプローブの固定を提供している間、感染症を予防する。
【0074】
図8を参照すると、センサ配置デバイス300のもうひとつの実施形態が示されている。図8に示されているようにセンサ配置デバイス300は、接着剤を使用せずにより大きな四肢を測定するため使用され、全ての測定が終了するまで患者の測定部位にとどまる。センサ配置デバイス300は1枚のシートまたは複数の部分から構成されている。センサ配置デバイス300は弾力をもたせるため不織布素材のラミネートおよび縦に織られた弾性繊維を含む弾性包帯からなる。センサ配置デバイス300の布は水蒸気透過性で、縦に撚ったポリエステルウレタンのひもを含んでいる不織布ポリエステル布、またはエラスタインである。布は皮膚または衣類にではなくそれ自体に貼り付く力がある粘着素材でコーティングされている。エラスタイン繊維は包帯にある一定の弾力性を与え、いったん適応すると置き換えられないほど粘着力のあるコーティングを保証している。前記布はCoban(商標)の商品名で販売されおよびSt.Paul、Minnの3M社から入手できる。
【0075】
センサ設置デバイス300は複数の部分から作成されたものとして示されているが、1枚の適切なサイズのシートを使用することを当業者であれば理解できよう。第1および第2の端312、314がある透明なプラスチック窓310はシートの片側上に位置し、固定されている。窓310はプローブ(図示せず)が容易に挿入、取り外しができるよう端312、314で開いたままになっている。センサ配置の目的を達成するために、窓310の片方の端だけ開いている必要があることを当業者であれば理解できよう。複数の部分が使用されるなら、弾性包帯の加熱または化学的シーリングによって窓310はさまざまな部位316と接合する。
【0076】
動作中センサ配置デバイス300は、例えば、前記窓310から露出した脚に部分的に巻き付いている。プローブ(図示せず)は窓310に位置し、測定を受けている間センサ配置デバイスはプローブ上の四肢にさらに巻き付き、窓はプローブで固定されている。
【0077】
当業者であれば、図6に示されているセンサ配置デバイスが窓310に設置されることを当業者なら理解できよう。
【0078】
好適な実施形態の詳細が提示されてきたが、本発明の精神から逸脱することなく、前述のものを含め、さまざまな修正が行われてきたと考えられる。それゆえ本実施例は限定されるものではなく、その要旨を超えない限り変更可能であり、および本発明の範囲を示す前述の説明よりむしろ添付の特許請求項を参照することが望ましい。
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、人体の局所部位または領域部位の皮膚灌流圧(skin perfusion pressure)の自動化測定用システムに関する。特に、本発明は、毛細血管血流を測定するための測定手段、再現性を保証するための取り付け手段、毛細血管血流のある組織部位に圧力を印加するための圧力手段、印加圧を測定するための手段、ならびにモーションアーチファクトを検出および排除し、SPP値を示すそれらの間の関係を判断するための手段を含むシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の説明)
潰瘍または創傷のある局所部位または領域部位の局所的な血流、すなわち毛細血管灌流が、創傷の治癒を助けるのに十分であるか否かを判断する目的で、皮膚灌流圧の測定値が用いられている。このため、糖尿病、圧迫潰傷(pressure ucler)、火傷、事故などの合併症に起因する皮膚開放創に苦しむ患者を治癒する医師にとっては、このパラメータを正確に測定することは大きな意味を持つ。
【0003】
従来、皮膚灌流圧または表面灌流圧の測定には、レーザドップラー式あるいは他のタイプの光センサに連結された表面灌流圧モニタリング装置または皮膚灌流圧モニタリング装置が用いられていた。例えば、Borgosらに付与された特許文献1には、微小血管の観察量内に含まれる、流れている血液の「量」を組織ヘマトクリット値として測定するレーザドップラープローブと共に用いられる表面灌流圧器具が開示されている。この測定値は、印加圧の関数として求められる。レーザドップラー式の光プローブは、患者の体表付近の皮膚における観察量を規定し、加圧カフは、光プローブ近傍の肢に対して手動で圧力を印加するために用いられる。
【0004】
このようなレーザドップラーのセンサは、患肢(すなわち、つま先、足首、腕、脚など)に固定される空気カフの下で皮膚に接して設置される。膨張ポンプを使う使用者が手で空気カフを膨らませる。膨張圧は、光プローブのある部分で局所的な血流を止めることができるように十分高くなければならない。光プローブには、通常は光ファイバケーブルを介して表示器具が連結され、この表示器具はさらに、管を介して膨張ポンプにも連結される。収縮が開始されると、このプローブは、観察量に出入りする、流れている赤血球の数を速度とは無関係にモニタする。制御量内で検出された、流れている赤血球の数は、パーセント単位で表され、ディスプレイモニタに表示される。この値は、数値とY軸上の棒グラフの両方で示される。また、この器具は、カフ内圧をも測定し、印加カフ圧をディスプレイのX軸上に水銀柱の高さとしてミリメートル単位で表示する。X軸に沿って変化する棒グラフは、その時点でどのカフ圧が測定されているのかを操作者に対して示す。圧力を手で徐々に開放していくにつれて、血流回復の指標が棒グラフの形で出力される。技士が検査を行っている間、医師はディスプレイモニタに表示されるデータを解釈する。
【0005】
このように、Borgosらによって説明された皮膚灌流圧器具を使用するにあたっての大きな問題のひとつに、高信頼度で再現可能な測定値が、操作者/技士のスキルおよび表面灌流圧の測定値を解釈する医師のスキルに依存する側面が強い点がある。手動での収縮に付随するもうひとつの問題として、この方法は操作者または患者によって生じるモーションアーチファクト(例えば、患者の動き、加圧管類の動きまたはセンサの動き)に対する感度が高いことがある。また、モーションアーチファクトは、患者の動き、無意識的な筋肉の動き、操作者の介入、皮膚灌流圧の読み値に影響する他の原因に起因することもある。患者がセンサ/空気カフを取り付けた肢を動かすと、流れが回復する圧力を判断する医師が「モーションアーチファクト」を表面灌流圧の測定値であると読み違えることが極めて起こりやすい。病気の患者で皮膚灌流圧検査を行う場合、医師は表面灌流圧の測定値が低いことを事前に想定する。このため、「モーションアーチファクト」が生じると、皮膚灌流圧の実測値よりも人為的に高いこれを医師が皮膚灌流圧の読み値だと解釈してしまう可能性がある。
【0006】
例えば、図2Aに示されているのは、従来技術のモニタによる表示である。同図から明らかなように、カフ圧が低下するにつれて測定される灌流のパーセント値が高くなる。皮膚灌流検査を実施する医師は、皮膚灌流圧の値を水銀45ミリメートルと記録し得る。図2Bも、カフ圧が低下するにつれて灌流測定値のパーセント値が上昇する従来技術のモニタによる表示を示している。しかしながら、ここではモーションアーチファクトが水銀柱45ミリメートルとして表示されている。皮膚灌流検査を実施する医師は、皮膚灌流圧の値を誤って水銀柱45ミリメートルと記録してしまうことがある。
【0007】
従来装置のさらなる問題は、繰り返し測定が必要な時、レーザドップラーの光プローブを必ずしも同一部位にあてられないという理由による再現性のなさである。その結果として、一般的にセンサは、異なる微小循環が流れる異なる部位に置かれるので、表面灌流圧の測定結果が変わる可能性がある。例えば、光ファイバプローブは加圧カフ下の患者の組織表面に直接置かれる。繰り返し測定が必要な場合、光ファイバプローブまたはセンサはその後の測定で同一部位に置かることはない。
【0008】
加えて、光ファイバプローブを複数の患者に使用すると、院内感染、および病院または医療現場で発生するその他の感染のリスクを生じる。感染の問題は使い捨てのプローブまたはセンサの使用によって対処されることがある。しかしながら、使い捨てのプローブは使い捨てではないプローブまたは再利用可能なプローブより高価であり、また取り外しや交換に時間がかかる。プローブの定期的な取り外しや交換はまた、器具の誤差を生じ、キャリブレーション不具合、全般的なシステムの不調、およびおそらく何より再現性に影響を与える。
【0009】
従来システムの別の問題は、前記レーザドップラープローブまたはセンサが、測定のために加圧カフ下または加圧カフの外側に置かれ得るということである。レーザドップラーセンサは光の透過量を測定するので、測定部位から周囲光の除去に有用であるデバイスに提供できれば理想的である。
【0010】
それゆえ、新しいプローブと交換するためにモニタリングシステムからプローブを断線する必要なしにプローブと共に使用され得、再現性および周囲光の問題に対処するデバイスが必要である。
【0011】
従来のシステムによる前述の問題を考慮すると、(i)代替部位を測定するか、または別の患者を測定するために表面灌流圧計測器具からプローブを切断することを除去し;(ii)繰り返し測定が必要な場合、再現性を保証して周囲光を減らすセンサ配置デバイスを提供し;および(iii)患者に装着したクリティカルケアモニタ器具の動きによって誘発されるアーチファクトを補正または除去するシステムが必要である。加えて、ユーザが作成した誤差、例えば可変的な膨張や収縮、および/または可変的な結果の判定を除去することにより信頼性および再現性を高めるシステムが必要である。新しく改良された皮膚灌流システムであって、圧力カフを自動的に膨張および収縮し、膨張および収縮を制御し、モーションアーチファクトを検出および排除し、SPP値を自動的に決定する皮膚灌流システムが、必要とされる。
【特許文献1】米国特許第6,178,342号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の目的は、従来技術の表面灌流圧器具の課題ならびに欠点を解決することにある。よって、本発明の一目的は、皮膚灌流圧の測定を自動化し、SPP値を生成することにある。
【0013】
本発明のさらなる目的は、自動的に膨脹および収縮し、膨脹圧とカフ圧の収縮速度とを制御する皮膚灌流圧システムを提供することにある。
【0014】
本発明のさらなる目的は、モーションアーチファクトを自動的に検出および排除する皮膚灌流圧モニタリングシステムを提供することにある。
【0015】
本発明のさらなる目的は、灌流が回復したときに感度閾値を徐々に調節する灌流感度の許容誤差を用いる皮膚灌流圧モニタリングシステムを提供することにある。
【0016】
本発明のさらなる目的は、カフの収縮速度を積極的に制御する皮膚灌流圧モニタリングシステムを提供することにある。
【0017】
本発明のさらなる目的は、動きがカフの収縮速度またはSPP値の正確な判断に影響するほど大きなものとなった時点を判断する皮膚灌流圧モニタリングシステムを提供することにある。
【0018】
本発明のさらなる目的は、動きが大きすぎるとの判断がなされるか、得られたSPP波形が認識可能な灌流特性を持たない場合にはSPP値を記録しない皮膚灌流圧モニタリングシステムを提供することにある。
【0019】
本発明のさらなる目的は、灌流変動の持続時間を評価する皮膚灌流圧モニタリングシステムを提供することにある。
【0020】
本発明のさらなる目的は、灌流変動のプロファイルを評価する皮膚灌流圧モニタリングシステムを提供することにある。
【0021】
本発明のさらなる目的は、多数の測定値が必要な場合の再現性を改善し、院内感染の危険性を減らし、使い捨てセンサの必要性を減らし、周囲光が測定結果に影響する尤度を減らし、自動化システムとセンサとの間の接続を確実に維持する目的でSPPセンサを組織測定部位に固定する信頼性の高い手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
(発明の概略)
本発明の第1の実施形態では、システムは、毛細管血流のある組織部位と連通状態にある毛細管血流測定手段と、制御可能な圧力を毛細管血流測定手段および組織に同時に印加するための加圧手段であって、(i)組織内の毛細管血流を駆血し、(ii)圧力を制御可能に放出しつつ毛細管血流を戻すことを含む自動シーケンスに応答する加圧手段と、印加された制御可能な圧力を測定するための測定手段と、印加された制御可能な圧力と毛細管血流との間の関係を表示するための表示手段であって、毛細管血流測定手段および印加された制御可能な加圧手段と連通状態にある表示手段と、を含む。
【0023】
本発明のさらなる実施形態では、毛細管血流手段を組織部位に固定するためのセンサ設置装置が得られる。
【0024】
本発明の別の実施形態では、灌流測定値からSPP値を自動的に計算する皮膚灌流圧モニタリングシステムが開示される。このモニタリングシステムは、カフ圧を制御および測定し、皮膚灌流圧試験サイクルの臨界収縮期にカフの収縮速度を厳密に制御する。
【0025】
本発明の別の実施形態では、このモニタリングシステムは、灌流が戻る際の感度閾値を徐々に調節する灌流感度の許容誤差を利用する。これによって、過渡運動に対する感度を抑えつつ広いダイナミックレンジで灌流を測定することができるようになる。
【0026】
本発明の別の実施形態では、このモニタリングシステムは、カフの収縮速度を能動的に制御し、動きがこの速度に影響するほど大きなものとなった時点を判断する。動きが大きすぎるとの判断がなされると、試験は終了する。
【0027】
本発明の別の実施形態では、このモニタリングシステムは、灌流変動の持続時間をモニタする。微小循環が回復すると、基線流から変化する灌流信号が生成される。一方、モーションアーチファクト(Motion aritfact)は、これよりも振動成分が大きな灌流信号を生じる。
【0028】
本発明の別の実施形態では、このモニタリングシステムは、灌流変動のプロファイルをモニタする。大循環と微小循環の両方の正常な流れが再開されたときに、認識可能かつ区別可能なパターンを有する灌流信号に変化が生じる。一方、モーションアーチファクトの場合は、一般にはランダムで短時間しか継続せず、振動成分が多い灌流信号が生成される。よって、本発明のモニタリングシステムでは灌流回復特性にならわない変化は無視される。また、SPP値の自動定量化に合った特性を持たない周知の灌流回復特性もあり、データは医師が解釈可能なように表示される。例えば、このような周知の灌流パターンが生じる循環状態のひとつに非反応性充血がある。
【0029】
本発明の上述の目的および他の目的ならびに利点は、以下の詳細な説明ならびに添付の特許請求の範囲を通して明らかになる。一例としての実施形態が図示された添付の図面を参照すれば、本発明を最もよく理解することができるであろう。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
膨張可能なカフと、
該カフと連通状態にある第1のセンサと、
該カフの加圧レベルを読むための該カフと連通状態にある第2のセンサと、
膨張および収縮のために該カフと流体連通状態にある加圧器具と
を備えている自動皮膚灌流測定装置であって、該加圧器具は、
加圧空気源と、
該加圧空気源および該カフと接続されることで、該加圧空気源を該カフと流体連通状態におく導管と、
該第1のセンサおよび該第2のセンサからの入力を受信するよう配置され、該カフに対する加圧空気流の流出入を制御可能なマイクロプロセッサと、
該マイクロプロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムであって、実行時に該マイクロプロセッサに、
流れのない状態になる自動膨張シーケンスを開始させ、
自動収縮シーケンスを開始させ、
収縮シーケンスの間、1つ以上の条件が満たされた際に灌流測定値を自動的にSPP値とさせる、コンピュータプログラムと
を含む、自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目2)
上記第1のセンサは上記カフの下に配置される、項目1に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目3)
上記第1のセンサは上記カフよりも外側に配置される、項目1に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目4)
上記第1のセンサは上記カフ内にある空気袋の内側に配置される、項目1に記載の自動皮膚血流圧測定装置。
(項目5)
上記第1のセンサは、光プローブ手段、パルスオキシメータ手段、光学的脈波記録手段、動き検出手段、およびレーザドップラー手段からなる群から選択される、項目1に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目6)
上記光プローブ手段は、レーザ送信器のファイバおよび受信器のフォトダイオードを含む、項目5に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目7)
上記光プローブ手段は、レーザ送信器を含む、項目5に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目8)
上記光プローブ手段は、受信器のフォトダイオードをさらに含む、項目7に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目9)
上記光プローブ手段は、光ファイバケーブル経由で上記加圧器具に接続されている、項目5に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目10)
上記1つ以上の条件は、灌流測定値が1mmHg以内からおよそ150mmHgの範囲内にあることを含む、項目1に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目11)
上記灌流測定値が0.20%未満であり、なおかつ上記カフ圧が100mmHg未満である場合、上記1つ以上の条件は前の灌流測定値に対して10%から50%の灌流増加を含む、項目10に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目12)
上記灌流測定値が0.02%を上回り、なおかつ上記カフ圧が100mmHg以上である場合、上記1つ以上の条件は約20%から約80%の灌流増加を含む、項目10に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目13)
上記灌流測定値が0.15%から約0.20%であり、なおかつ上記カフ圧が有効な任意のカフ圧である場合、上記1つ以上の条件は約25%から約100%の灌流増加を含む、項目10に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目14)
上記灌流測定値が0.15%未満であり、なおかつ上記カフ圧が有効な任意のカフ圧である場合、上記1つ以上の条件は約50%から約200%の灌流増加を含む、項目10に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目15)
上記1つ以上の条件は、上記灌流測定値が約0.05%から約0.2%であることを含む、項目1に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目16)
上記1つ以上の条件は、SPP値の検査対象である上記灌流測定値に続く段階が減少しているか否かということを含む、項目1に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目17)
上記カフ圧が低い場合、SPP値の検査対象である上記灌流測定値に続いて分析される段階数が1である、項目16に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目18)
上記カフ圧が中程度の範囲にある場合、SPP値の検査対象である上記灌流測定値に続いて分析される段階数が2である、項目16に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目19)
上記カフ圧が高い場合、SPP値の検査対象である上記灌流測定値に続いて分析される段階数が3である、項目16に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目20)
上記カフ圧が極めて高い場合、SPP値の検査対象である上記灌流測定値に続いて分析される段階数が5である、項目16に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目21)
上記1つ以上の条件は、SPP値の検査対象である上記灌流測定値に続く段階が増加しているか否かということを含む、項目1に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目22)
上記カフ圧が低い場合、SPP値の検査対象である上記灌流測定値に続いて分析される段階数が1である、項目21に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目23)
上記カフ圧が中程度の範囲にある場合、SPP値の検査対象である上記灌流測定値に続いて分析される段階数が2である、項目21に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目24)
上記カフ圧が高い場合、SPP値の検査対象である上記灌流測定値に続いて分析される段階数が3である、項目21に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目25)
上記カフ圧が極めて高い場合、SPP値の検査対象である上記灌流測定値に続いて分析される段階数が5である、項目21に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目26)
上記加圧器具に動作可能なように接続され、データを表示することができるディスプレイモニタをさらに含む、項目1に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目27)
上記ディスプレイモニタは、観察量の組織内の微小循環に関連するデータを表示することができる、項目26に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目28)
上記ディスプレイモニタは、カフ圧に関連するデータもさらに表示することができる、項目26に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目29)
上記ディスプレイモニタは、観察量の組織内でのカフ圧対微小循環をさらにグラフィック表示することができる、項目28に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目30)
上記カフは、上記灌流センサの観察に使用可能な透明窓を含む、項目1に記載の自動皮膚灌流圧測定装置。
(項目31)
患者の皮膚灌流圧の測定方法であって、
第1のセンサと連通状態にある膨脹可能なカフを提供することと、
流れのない状態になる自動膨脹シーケンスを開始することと、
自動収縮シーケンスを開始することと、
該収縮シーケンスの間に1つ以上の条件が満たされた際に灌流測定値を自動的にSPP値とすることと
を含む、方法。
(項目32)
自動膨脹シーケンスを開始することは、
上記カフを第1の圧力まで膨脹させることと、
該第1のセンサが灌流を検出して測定していることを確認することと、
該カフを第2の圧力まで膨脹させることと、
流れのない状態が達成されたことを確認し、これが達成されていなければ、
流れのない状態が達成されるまであらかじめ定められた増分だけカフ圧を上昇させ、
流れのない状態が達成される前に該カフ圧があらかじめ定められた最大値に至った場合には、該膨脹シーケンスを中断することと
を含む、項目31に記載の方法。
(項目33)
上記カフを第1の圧力まで膨脹させることは、該カフを5mmHgから10mmHgまで膨脹させることを含む、項目32に記載の方法。
(項目34)
上記カフを第2の圧力まで膨脹させることは、該カフを上記患者の最高血圧付近まで膨脹させることを含む、項目32に記載の方法。
(項目35)
流れのない状態が達成されるまであらかじめ定められた増分だけ上記カフ圧を上昇させることは、流れのない状態が達成されるまで該カフ圧をあらかじめ定められた増分である約40mmHgだけ上昇させることを含む、項目32に記載の方法。
(項目36)
上記収縮シーケンスの間に1つ以上の条件が満たされた際に灌流測定値を自動的にSPP値とすることは、測定された皮膚灌流圧がモーションアーチファクトに起因するものではないと特定することを含む、項目31に記載の方法。
(項目37)
上記収縮シーケンスの間に1つ以上の条件が満たされた際に灌流測定値を自動的にSPP値とすることは、該灌流測定値が許容可能なSPP値とみなせる有効範囲内にあるか否かを判断することを含む、項目31に記載の方法。
(項目38)
上記灌流測定値が許容可能なSPP値とみなせる有効範囲内にあるか否かを判断することは、該灌流測定値が1mmHg以内から約150mmHgであるか否かを判断することを含む、項目37に記載の方法。
(項目39)
上記収縮シーケンスの間に1つ以上の条件が満たされた際に灌流測定値を自動的にSPP値とすることは、前の測定値からの灌流増加があらかじめ定められた最小増加値を上回るか否かを判断することを含む、項目31に記載の方法。
(項目40)
前の測定値からの灌流増加があらかじめ定められた最小増加値を上回るか否かを判断することは、上記灌流測定値が0.20%を上回り、なおかつ上記カフ圧が100mmHg未満である場合に、上記灌流増加が10%から50%であるか否かを判断することを含む、項目39に記載の方法。
(項目41)
前の測定値からの灌流増加があらかじめ定められた最小増加値を上回るか否かを判断することは、上記灌流測定値が0.20%を上回り、なおかつ上記カフ圧が100mmHg以上である場合に、該灌流増加が20%から80%であるか否かを判断することを含む、項目39に記載の方法。
(項目42)
前の測定値からの灌流増加があらかじめ定められた最小増加値を上回るか否かを判断することは、上記灌流測定値が0.15%から0.20%であり、なおかつ上記カフ圧が有効な任意のカフ圧である場合に、該灌流増加が25%から100%であるか否かを判断することを含む、項目39に記載の方法。
(項目43)
前の測定値からの灌流増加があらかじめ定められた最小増加値を上回るか否かを判断することは、上記灌流測定値が0.15%未満であり、なおかつ上記カフ圧が有効な任意のカフ圧である場合に、該灌流増加が50%から200%であるか否かを判断することを含む、項目39に記載の方法。
(項目44)
上記収縮シーケンスの間に1つ以上の条件が満たされた際に灌流測定値を自動的にSPP値とすることは、複数の後続する灌流測定値を分析して該後続する灌流測定値が増加しているか減少しているかを判断することをさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目45)
複数の後続する灌流測定値を分析して後続する灌流測定値が増加しているか減少しているかを判断することは、上記カフ圧が0から20mmHgの場合に1つの次の灌流測定値を分析することを含む、項目44に記載の方法。
(項目46)
複数の後続する灌流測定値を分析して後続する灌流測定値が増加しているか減少しているかを判断することは、上記カフ圧が10から50mmHgの場合に2つの次の灌流測定値を分析することを含む、項目44に記載の方法。
(項目47)
複数の後続する灌流測定値を分析して後続する灌流測定値が増加しているか減少しているかを判断することは、上記カフ圧が40から120mmHgの場合に3つの次の灌流測定値を分析することを含む、項目44に記載の方法。
(項目48)
複数の後続する灌流測定値を分析して後続する灌流測定値が増加しているか減少しているかを判断することは、上記カフ圧が80mmHgから150mmHgの場合に5つの次の灌流測定値を分析することを含む、項目44に記載の方法。
(項目49)
上記収縮シーケンスの間に1つ以上の条件が満たされた際に灌流測定値を自動的にSPP値とすることは、(i)カフ圧が15mmHg未満であり、1つの次の灌流測定値が増加している場合、(ii)カフ圧が15から20mmHgであり、2つの次の灌流測定値が増加している場合、(iii)カフ圧が50から100mmHgであり、3つの次の灌流測定値が増加している場合、(iv)カフ圧が100mmHgから150mmHgであり、5つの次の灌流測定値が増加している場合、からなる群から選択される条件をさらに含む、項目44に記載の方法。
(項目50)
患者の皮膚灌流圧を測定する装置であって、
膨張可能なカフであって、該カフと連通状態にある灌流を検知するための灌流検知手段を有する、カフと、
自動膨脹シーケンスに従って、流れのない状態を作り出す圧力まで該カフを自動的に膨脹させるための手段と、
自動収縮シーケンスに従って該カフを自動的に収縮させるための手段と、
あらかじめ定められた一連の基準に対して灌流測定値を検査して、モーションアーチファクトを排除して自動的にSPP値を求めるための手段と
を含む、装置。
(項目51)
上記自動膨脹シーケンスは、
上記カフを第1の圧力まで膨脹させることと、
上記灌流検知手段が灌流を検出して測定していることを確認することと、
該カフを第2の圧力まで膨脹させることと、
流れのない状態が達成されたことを確認することと、
流れのない状態が達成されるまであらかじめ定められた増分だけカフ圧を上昇させることと、
流れのない状態が達成される前に該カフ圧があらかじめ定められた最大値に至った場合には、該膨脹シーケンスを中断することと
を含む、項目50に記載の装置。
(項目52)
上記自動膨脹シーケンスは、上記カフを5mmHgから10mmHgの第1の圧力まで膨脹させる、項目50に記載の装置。
(項目53)
上記自動膨脹シーケンスは、上記カフを上記患者の最高血圧まで膨脹させる、項目50に記載の装置。
(項目54)
上記自動膨脹シーケンスは、流れのない状態が達成されるまで上記カフ圧をあらかじめ定められた増分である約40mmHgだけ上昇させる、項目50に記載の装置。
(項目55)
上記自動収縮シーケンスは、
(a)所望の制御された速度で上記カフから圧力を開放することと、
(b)収縮速度をモニタすることと、
(c)上記収縮速度が上記所望の制御された速度と実質的に等しくない場合に、上記収縮シーケンスを中断することと、
(d)検査する手段を利用して灌流測定値がSPP値とみなされるか否かを分析することと、
(e)少なくとも1つの自動停止基準が満たされているか否かを判断することと、
(f)少なくとも1つの自動停止基準が満たされるまでステップ(a)〜(e)を繰り返すことと、
(g)ステップ(d)で得られた上記SPP値がある場合にはこれを報告することと
を含む、項目50に記載の装置。
(項目56)
上記自動収縮シーケンスは、
(h)許容可能なSPP値がない状態でステップ(a)〜(e)をあらかじめ定められた回数繰り返した後、ステップ(a)〜(e)をあらかじめ定められた時間継続することと、
(i)医師が解釈できるようディスプレイに灌流測定値を表示することと
をさらに含む、項目55に記載の装置。
(項目57)
灌流測定値を許容可能なSPP値とみなせるか否かを分析することは、測定された灌流圧がモーションアーチファクトに起因するものではないと特定することを含む、項目55に記載の装置。
(項目58)
灌流測定値を許容可能なSPP値とみなせるか否かを分析することは、該灌流測定値が許容可能なSPP値とみなせる圧力の有効範囲内にあるか否かを判断することを含む、項目55に記載の装置。
(項目59)
灌流測定値が許容可能なSPP値とみなせる有効範囲内にあるか否かを判断することは、該灌流測定値が1mmHg以内から約150mmHgであるか否かを判断することを含む、項目58に記載の装置。
(項目60)
灌流測定値が許容可能なSPP値とみなせるか否かを判断することは、前の測定値からの灌流増加があらかじめ定められた最小増加値を上回るか否かを判断することを含む、項目55に記載の装置。
(項目61)
前の測定値からの灌流増加があらかじめ定められた最小増加値を上回るか否かを判断することは、以下の基準すなわち、
カフ圧が100mmHg未満であり、なおかつ灌流増加が10%から50%である場合に、灌流測定値が0.20%を上回ることと、
カフ圧が100mmHg以上であり、なおかつ灌流増加が20%から80%である場合に、灌流測定値が0.20%を上回ることと、
上記カフ圧が有効な任意のカフ圧であり、なおかつ灌流増加が25%から100%である場合に、灌流測定値0.15%から0.20%であることと、
上記カフ圧が有効な任意のカフ圧であり、灌流増加が50%から200%である場合に、灌流測定値が0.15%未満であることと
のうちの少なくとも1つが満たされるか否かを判断することを含む、項目60に記載の装置。
(項目62)
前の測定値からの灌流増加があらかじめ定められた最小増加値を上回るか否かを判断することが、以下の基準すなわち、
100mmHg未満のカフ圧で灌流測定値が0.20%を上回り、なおかつ灌流増加が25%であることと、
100mmHg以上のカフ圧で灌流測定値が0.20%を上回り、なおかつ灌流増加が40%であることと、
有効な任意のカフ圧で灌流測定値が0.15%から0.20%に等しく、なおかつ灌流増加が50%であることと、
有効な任意のカフ圧で灌流測定値が0.15%未満であり、なおかつ上記灌流増加が100%であることと、
のうちの1つが満たされるか否かを判断することを含む、項目60に記載の装置。
(項目63)
灌流測定値を許容可能なSPP値とみなせるか否かを分析することは、上記灌流測定値が0.05%から0.2%であるか否かを判断することを含む、項目55に記載の装置。
(項目64)
灌流測定値を許容可能なSPP値とみなせるか否かを分析することは、
該灌流測定値と次の灌流測定値とを比較して、該次の灌流測定値が増加しているのか減少しているのかを判断することと、
(i)カフ圧0から20mmHgで、1つの次の灌流測定値が増加している、(ii)カフ圧10から50mmHgで、2つの次の灌流測定値が増加している、(iii)カフ圧40から120mmHgで、3つの次の灌流測定値が増加している、(iv)カフ圧が80mmHgを上回り、5つの次の灌流測定値が増加している、からなる群から選択される1つの基準が満たされる場合に、該灌流測定値をSPP値とみなすことを含む、項目55に記載の装置。
(項目65)
上記灌流測定値をSPP値とみなすことは、(i)カフ圧が15mmHg未満で、1つの次の灌流測定値が増加している、(ii)カフ圧が15から20mmHgで、2つの次の灌流測定値が増加している、(iii)カフ圧が50から100mmHgで、3つの次の灌流測定値が増加している、(iv)カフ圧が100mmHgから150mmHgで、5つの次の灌流測定値が増加している、からなる群から選択される1つの基準が満たされる場合に、該灌流測定値をSPP値とみなすことを含む、項目64に記載の装置。
(項目66)
灌流測定値をSPP値とみなせるか否かを判断することは、
灌流変動のプロファイルを規定することと、
該灌流測定値が、該灌流変動のプロファイルにフィットする一連の灌流測定値のうちの1つであるか否かを判断することと
を含む、項目55に記載の装置。
(項目67)
灌流変動のプロファイルを規定することは、測定された灌流測定値が、(i)カフ圧が0から20mmHgの場合、次の灌流測定値が減少していない、(ii)カフ圧が10から50mmHgの場合、すぐ次の2つの灌流測定値が減少していない、(iii)カフ圧が40から120mmHgの場合、すぐ次の3つの灌流測定値が減少していない、(iv)カフ圧が80mmHgを上回る場合、すぐ次の5つの灌流測定値が減少していない、からなる群から選択される基準を満たすプロファイルを規定することを含む、項目66に記載の装置。
(項目68)
灌流変動のプロファイルを規定することは、測定された灌流測定値が、(i)カフ圧が15mmHg未満の場合、次の灌流測定値が減少していない、(ii)カフ圧が15から20mmHgの場合、すぐ次の2つの灌流測定値が減少していない、(iii)カフ圧が50から100mmHgの場合、すぐ次の3つの灌流測定値が減少していない、(iv)カフ圧が100mmHgから150mmHgの場合、すぐ次の5つの灌流測定値が減少していない、からなる群から選択される基準を満たすプロファイルを規定することを含む、項目67に記載の装置。
(項目69)
a.毛細管血流のある組織部位と連通状態にある毛細管血流測定手段と、
b.制御可能な圧力を該毛細管血流測定手段および該組織に同時に印加するための加圧手段であって、該加圧手段は、(i)該組織内の該毛細管血流を駆血し、(ii)該圧力を制御可能に放出しつつ該毛細管血流を回復させることを含む自動シーケンスに応答する、加圧手段と、
c.該印加された制御可能な圧力を測定するための測定手段と、
d.該印加された制御可能な圧力と該毛細管血流との間の関係を表示するための表示手段であって、該表示手段は、該毛細管血流測定手段および該印加された制御可能な加圧手段と連通状態にある、表示手段と
を含む、自動皮膚灌流圧測定システム。
(項目70)
上記毛細管血流測定手段は、多数の組織部位と連通状態にある複数の血流センサを含む、項目69に記載の自動皮膚灌流圧測定システム。
(項目71)
上記複数の血流センサは、レーザドップラーセンサ、白色光センサ、パルスオキシメトリセンサ、および超音波センサからなる群から選択される、項目70に記載の自動皮膚灌流圧測定システム。
(項目72)
上記毛細管血流測定手段は、血流センサを含む、項目69に記載の自動皮膚灌流圧測定システム。
(項目73)
上記血流センサは、レーザドップラーセンサ、白色光センサ、パルスオキシメトリセンサ、および超音波センサからなる群から選択される、項目72に記載の自動皮膚灌流圧測定システム。
(項目74)
SPP値を判断および表示するための手段をさらに含む、項目69に記載の自動皮膚灌流圧測定システム。
(項目75)
上記自動シーケンスは、制御装置で実行可能なプログラムによって生成される、項目69に記載の自動皮膚灌流圧測定システム。
(項目76)
上記血流測定手段は上記組織部位と接触してカフの下に位置し、該血流測定手段が該組織部位に近接している、項目69に記載の自動皮膚灌流圧測定システム。
(項目77)
上記血流測定手段がカフの内部に位置し、該カフは上記組織部位と接触している、項目69に記載の自動皮膚灌流圧測定システム。
(項目78)
上記表示手段は、X軸がmmHg、Y軸が灌流率を有するグラフを含む、項目69に記載の自動皮膚灌流圧測定システム。
(項目79)
皮膚灌流圧の測定方法であって、
a.毛細管血流のある組織部位に毛細管血流測定手段を印加することと、
b.自動シーケンスに応答して上記血流測定手段と上記組織部位とに同時かつ制御可能に圧力を印加することと、
c.上記印加された制御可能な圧力を測定することと、
d.上記印加された制御可能な圧力と上記毛細管血流との関係を表示することと
を含む、方法。
(項目80)
SPP値を示すことをさらに含む、項目79に記載の方法。
(項目81)
上記毛細管血流測定手段が、多数の組織部位と連通状態にある複数の血流センサを含む、項目79に記載の方法。
(項目82)
上記複数の血流センサは、レーザドップラーセンサ、白色光センサ、パルスオキシメトリセンサ、および超音波センサからなる群から選択される、項目81に記載の方法。
(項目83)
上記血流測定手段は、レーザドップラーセンサ、白色光センサ、パルスオキシメトリセンサ、および超音波センサからなる群から選択される血流センサを含む、項目79に記載の方法。
(項目84)
上記自動シーケンスは、制御装置で実行可能なプログラムによって生成される、項目79に記載の方法。
(項目85)
上記血流測定手段はカフの内側に位置し、該カフは上記組織部位と接触している、項目79に記載の方法。
(項目86)
上記血流測定手段は上記組織部位と接触してカフの下に位置し、該血流測定手段は該組織部位に近接している、項目79に記載の方法。
(項目87)
上記印加される制御可能な圧力と上記毛細管血流との間の上記関係は、該関係をグラフ化することによって表示される、項目79に記載の方法。
(項目88)
上記関係をグラフ化することが、X軸がmmHgを含み、Y軸が灌流率を含むように該関係をグラフ化することを含む、項目87に記載の方法。
(項目89)
1回以上の測定時に上記血流測定手段を適所に固定するための設置装置をさらに含む、項目69に記載の自動皮膚灌流圧測定システム。
(項目90)
上記装置は使い捨てである、項目89に記載の設置装置。
(項目91)
上記血流測定手段を患者に固定するよう構成された取り外し可能なシースをさらに含む、項目89に記載の設置装置。
(項目92)
上記シースの近位端の両側に設けられた少なくとも2つのウィングと、該シースの遠位端の両側に配置された受入用開口部をさらに含む、項目91に記載の設置装置。
(項目93)
上記シースの少なくとも1つの長手方向の側に沿って延在する測定用ガイドをさらに含む、項目91に記載のセンサ設置装置。
(項目94)
穴のあいた部分をさらに含み、第1の穴のあいた部分は上記シースの上記遠位端に隣接し、さらに、第2の穴のあいた部分は、上記第1の穴のあいた部分と、上記シースの上記近位端のほうに近い位置にある第3の穴のあいた部分との間にある、項目91に記載のセンサ設置装置。
(項目95)
ケーブルクランプをさらに含み、該ケーブルクランプは、上記シースの上記遠位端に隣接し、上記センサ設置装置から取り外しできるよう構成され、上記プローブとモニタリングシステムとの間に延在するケーブルの上に配置されている、項目91に記載のセンサ設置装置。
(項目96)
上記ウィングは少なくとも1つの位置表示器を含む、項目92に記載のセンサ設置装置。
(項目97)
上記シースは、上記センサ設置装置を患者の組織に固定するように構成されたシースの表面上に接着性コーティングを含む、項目91に記載のセンサ設置装置。
(項目98)
上記設置装置は、表面に上記血流測定手段を挿入するための窓を含む粘着性の布を含む、項目89に記載の血流測定手段設置装置。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、患者に使用する灌流圧モニタの概略図。
【図2A】図2Aは、通常の検査経過を棒グラフで示している従来技術のディスプレイモニタの概略図である。
【図2B】図2Bは、モーションアーチファクトを急に上昇している棒の部分として示す従来技術のディスプレイモニタの概略図である。
【図3】図3は、灌流圧モニタの膨張時における動作を示すフローチャートである。
【図4】図4は、灌流圧モニタの収縮における動作を示すフローチャートである。
【図5A】図5Aは、本発明による皮膚灌流圧モニタリングシステムの圧力ラインの出力表示を示す概略図である。
【図5B】図5Bは、本発明による皮膚灌流圧モニタリングシステムの圧力ラインの出力表示を、モーションアーチファクトを示す急に上昇している棒の部分として示した概略図である。
【図5C】図5Cは、本発明による皮膚灌流圧モニタリングシステムの圧力ラインの出力表示を、モーションアーチファクトを示す急に上昇している棒の部分、棒グラフ、表面灌流圧の真の読み値とともに示した概略図である。
【図5D】図5Dは、非反応性充血として知られる循環状態での圧力ラインの出力表示を示す概略図である。
【図6】図6は、本発明によるセンサ取り付け具の上面図である。
【図7】図7は、本発明によるSPPセンサが内蔵されたセンサ取り付け具設置の斜視図である。
【図8】図8は、センサ取り付け具の別の実施形態の上平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(発明の詳細な説明)
本発明のデバイスおよび方法を開示および説明する前に、本発明を説明するにあたり特定の専門用語を使用しているが異なる場面では変わることもあることを理解されたい。また、ここで用いる専門用語は特定の実施形態を説明するだけのためのものであり、限定を意図したものではない点も理解されたい。
【0032】
文脈上明らかに他の意味に解すべき場合を除き、明細書および添付の特許請求項の範囲に使用される単数形「a」「an」および「the」は、複数形の場合も含むことに留意しなければならない。
【0033】
用語「適切な灌流」とは、カフ膨張シーケンスを継続するため用いられる灌流基準を意味する。この基準は、プローブと患者の皮膚とが適切に接触していることを保証するものである。0.1%より大きいものが一般に灌流である。
【0034】
用語「流れがない」とは、カフの収縮が開始され、およそ0.1%より小さいという灌流基準を意味する。
【0035】
用語「基線(baseline)の流れ」とは、「流れがない」と判断される流れと修正されたSPP値との間の流れを意味する。
【0036】
用語「モーションアーチファクト」とは、患者の動き、意識下および無意識下の筋肉収縮、不要なノイズ、介護者および操作者の抵触など、介護者、操作者あるいは環境による影響を含む、特徴ある灌流が戻るパターンがないことを意味する。
【0037】
用語「灌流測定値」は、印加カフ圧で測定した、灌流センサによって得られる信号のAC/DC比に比例する計算値である。
【0038】
用語「灌流率」とは、最大限に灌流した組織と比べた毛細血管の血流の量的な測定値を意味する。
【0039】
用語「加圧カフ」または「カフ」および類似の出典用語は、例えば上から、部位に接触して、巻き付けて、などの形で圧力を印可する空気カフまたは任意の装置を意味する。
【0040】
用語「P0」とは、SPP値の評価または判定対象となっている灌流測定値である。
【0041】
用語「再流入」は正常な微小循環の流れを再開することを意味する。
【0042】
用語「皮膚灌流圧の値」または「SPP値」は、検査のカフ収縮時に、微小循環流が観察量の組織に戻る微小循環流を戻すカフ圧を意味する。
【0043】
(表面灌流圧システム)
図1を参照すると、代表的な、しかし限定されていない灌流圧モニタシステム10を示す概略図が図示されている。この皮膚灌流圧モニタシステム10は主に、光プローブまたはセンサ12、加圧カフ14、およびディスプレイモニタ30付き皮膚灌流圧器具22を含む。光プローブ12は患者の肢18の皮膚に近接して加圧カフ14の内面側に配置されている。あるいは、光プローブ12はカフ14よりも外側またはカフの空気袋14内に配置されてもよい。他の実施形態では、カフ14は光プローブ12を観察するための透明窓を含むこともある。この皮膚灌流圧器具はチューブ26を介して加圧カフ14を膨張させる。圧力カフ14のサイズは、対象となる肢が腕、つま先、脚、足首、などのどれなのかによって変わってくるが、観察量の組織20における光プローブ12の部位で局部の血流を止められるだけの十分に高い圧力(最高血圧よりも高い)を維持できるものでなければならない。観察量の組織20は印加圧力と同一場所、印加圧の近くの場所、または印加圧力よりも遠位であり、この場合例えば、つま先で流量を測定し、足首で圧力を印加する。皮膚灌流圧器具22は、光ファイバケーブル24を介して光プローブ12に接続され、加圧カフ14にも接続されている。
【0044】
光プローブ12は観察量の組織20中の微小循環の流れをモニタする。観察量の組織20で検知される微小循環はパーセントで表され、灌流圧ディスプレイ器具のY軸に表示される。図5Cで最もよくわかるように、このパーセント値は一般に0%から10%の数値として示され、器具ディスプレイ30のY軸に棒グラフとしても図示される。皮膚灌流圧器具22は、カフ14内の圧力を測定し、カフの印加圧力を水銀柱ミリメートル単位でディスプレイX軸に一定減分ごとに表示する。図5Aおよび図5Bで最もよくわかるように、線15はX軸に沿って動き、その時点で測定中のカフ圧を操作者に対して示す。
【0045】
図1に示す光プローブ12は、少なくともレーザ送信器であるファイバ32と、少なくとも1つの受信器であるフォトダイオード34を含んでいる。他の実施形態では、レーザまたはフォトダイオードまたはその両方は、光ファイバ要素を必要とせずプローブ12に設置される。動作中、灌流圧ディスプレイ器具22内の固体レーザデバイスまたは他のレーザデバイスから供給されるコヒーレントな光は、加圧カフ14の空気袋を通して患者の皮膚と接触するファイバ送信器32に導かれる。送信側ファイバ32から放出された光子は、患者の組織によって散乱する。放出された光子のほんの一部(5%未満)が、受信器であるファイバ34によって集められる。ファイバとファイバの光学的開口との間の空間によって、モニタ対象となる組織の量が決まる。一般に、送信器のファイバ一本は、受信器のファイバ一対と共に使用される。ファイバーコアの公称直径はおよそ50から100ミクロンであり、約1から2立方ミリメートルの観察量に対して使用される。好適な光プローブの例は、Borgosに付与された米国特許第5,654,539号(その全体を本明細書に援用する)に開示されている。
【0046】
それにもかかわらず、微小循環流が、特定の観察量に戻る点を判断するための多くの方法があることを、当業者であれば理解できよう。例えば、観察部位の色の変化などの目視観察;超音波;光プレチスモグラフィー;体温上昇の測定;音波、例えばマクロ循環中の拍動流のためのマイクロホン;pCO2または乳酸塩などの代謝インジケーター;および生体インピーダンスまたはパルス酸素濃度計またはこれらの両方であるが、各々は脈動測定および血圧測定と共に用いられる。
【0047】
後方散乱光子の中には、微小循環内で移動する細胞によって頻繁にシフトするものもある。集められた光子は、ケーブル24を介して皮膚血流圧器具22によって集められるが、そこでフォトダイオードと衝突する。このように、光子は移動している細胞および静止した細胞から散乱される結果、フォトダイオードと衝突する。フォトダイオードの電圧は周波数およびパワー情報の両方を含む。ドップラーシフト周波数が細胞速度に関連しているのに対し、スペクトルパワー情報は特定の周波数で移動する細胞の量に関連している。受信側ファイバ34によって受信した光子総数から、DC信号成分が得られる。AC信号成分は周波数シフトした光子と定常構造の光子とが混ざることで得られる。観測量中で移動する細胞の数が増加すると、AC成分の大きさも大きくなるが、DCオフセットはほぼ一定のままである。跳ね返った光子でさらにドップラーシフトが生じるため、AC成分が大きくなる。測定量中の定常細胞との衝突によって散乱する光子の総数が移動している細胞によって減る量はわずかしかないので、DC成分はほぼ一定のままである。よって、灌流測定値はDC信号に対するAC信号の比に比例し、これが観察量の組織中で移動している細胞の量を示す指標となる。このタイプの測定値は通常、アナログ信号処理およびデジタル信号処理の両方を用いて計算される。例えば、AC信号をアナログ処理によってRMSの等価物に換算するのが一般的である。A/Dコンバータへ提供されるのはこれらの値である。マイクロプロセッサでは、上述の比を得る前に、これらのデジタル化された値を2乗し得る。この比の値は、信号処理経路全体での利得分布に依存する、実験的に導いた倍率で増減され得る。
【0048】
図1および図3を参照すると、カフの膨張シーケンスが図示されている。皮膚灌流圧器機22は、カフ膨張プロセスを開始し、光プローブ12のレーザを有効にする。前記カフ14の空気袋では最初、適切な灌流を検知および測定できるように、検知用プローブを確実に患者の皮膚と接触させるため、5から10mmHgなどの低圧力が保たれている。適切な灌流が測定できない場合は、カフ膨張を中断し、検査の続行はしない。適切な灌流を測定可能であれば、加圧カフ14を最高血圧またはその前後の目標圧力まで膨張させ、灌流を測定する。その目標圧力では「流れがない」状態にならないが、最大目標圧力に達してもいない場合は、徐々に圧力を高めて(例えば40mmHg増)「流れがない」基準を再度試験する。最大目標圧力には達したが、依然として「流れがない」基準には達していない場合、カフ膨張を中断し、検査の続行はしない。
【0049】
図4はカフ縮小シーケンスを示す。上述のように、皮膚灌流圧器具が「流れがない」信号を認識したら、カフ圧は制御された速度で自動的に収縮を開始する。収縮速度を制御しておくことで、同一患者での測定間の再現性や患者間の再現性が得られる。深刻な患者の動きなどが理由で圧力が制御された速度で下降していないのであれば、カフ収縮を中断し、検査の続行はしない。圧力が制御された速度で降下しているのであれば、SPP値についてP0を分析する。SPP値に必要な全ての条件が満たされたなら、例えば以下に論ずるように、SPP値が報告される。この条件が満たされなければ、検査は一定の時間継続され、その後で医師が解釈できるよう灌流測定値が表示されるが、その検査についてSPP値は報告されない。その後医師は、表示された灌流データを、別の検査をすべきであるか否かの判断に利用可能な他の情報と一緒に利用し、自らの専門知識に基づくのであれば適切なSPP値を判断することができる。
【0050】
図5A〜図5Dはディスプレイモニタ上に描かれた異なる段階の出力データを示す。図5Aを参照すると、検査行為の間に記録されたデータが表示されている。移動線15は圧力が低下すると上昇する。図から明らかなように、適切な血流35、流れがない36、基線の流れ37、SPP値38、通常の微小循環への戻り39を示す点が描かれている。図5Bは圧力が低下すると上昇するが、現在はモーションアーチファクト40が表われている同じ圧力ラインを示す。図示のように、本発明による皮膚灌流圧モニタリングシステムでは、モーションアーチファクトを灌流測定値ではないとして排除し、継続する線15によってみられるように検査を続行する。図5Cを参照すると、本発明による皮膚灌流圧モニタは、P0をSPP値とするにあたってモーションアーチファクトを検出して排除するために、多数の異なる基準を分析する。P0をSPP値とみなしている場合、図5Cで最もよく見られるように、線15に棒グラフが重ねられ、SPP値38が記録される。当業者であれば理解できるように、灌流測定データセットの描画にはどのようなグラフ表示を用いても構わない。皮膚灌流圧モニタリングシステム10ではP0をSPP値とみなし、モーションアーチファクトが存在するか否かを評価する独自の基準を考慮する。当業者であれば、多くの基準または少しの基準を考慮すればよいことは理解できよう。加えて、以下に記載した以外の他の基準を使用することも可能である。例えば、線形回帰、勾配切片、微分、加重平均、その他周知の数理モデルを以下に記載されている基準に加えて、あるいはこれらの代わりに用いることができる。考慮された基準の数が少ないか多いかを問わず、微小循環流が観察量または測定量に戻る圧力の判定と組み合わせて全ての基準を用いて、不要なノイズ、環境による影響、または動きを排除する。
【0051】
準備段階のスクリーニングステップとして、モーションアーチファクトが収縮の速度に影響するほど大きいすなわち患者の動きが大きい場合、器具では検査を中断し、センサ/プローブでは正確な測定ができない旨の情報を操作者に伝える。
【0052】
第1の基準として最初に、P0はSPP値を判定するシステムの有効な値域内でなければならない。例えば約1mmHgから約150mmHgなど、P0が有効な値域内にない場合、システムは特定のP0がSPP値であるとは示さない。
【0053】
【表1】
別の基準は、測定値に比して灌流の増加が十分に大きいか否かである。灌流の増加が十分に大きくないならば、SPP値にはならない。「ステップサイズ」(すなわち前の測定値から灌流が十分に大きく増加する)を解釈するにあたり、器具では灌流の戻りとして感度閾値を徐々に調節する灌流の許容誤差を使用する。これは、過渡的な動きに対する感度が低い間、システムが広ダイナミックレンジでSPP値を定めることを可能にする。例えば、灌流が極めて低いならば、器具ではその灌流許容誤差のためモーションアーチファクトの検出および排除を可能にする。表1を参照すると、好適な灌流増加が記録されている。灌流測定値が0.20%(すなわち高灌流測定値)より高く、印加したカフ圧が100mmHg未満であれば、前の測定値に対して、灌流が10%から50%、好ましくは25%増加することが必要である。灌流測定値が0.20%(すなわち高灌流測定値)より高く、印加したカフ圧が100mmHg以上であれば、前の測定値に対して、灌流が20%から約80%、好ましくは40%増加することが必要である。灌流測定値が0.15から0.20%(すなわち中程度の灌流測定)の間で、印加したカフ圧が有効な圧力のいずれかであれば、前の灌流測定値に対して、灌流が25%から100%、好ましくは50%増加することが必要である。灌流測定値が0.15%(すなわち低灌流測定値)より低く、印加したカフ圧が有効な圧力のいずれかであれば、前の灌流測定値に対して、灌流が50%から200%、好ましくは100%増加することが必要である。
【0054】
当業者であれば、以下の基準が高、中、低灌流測定値、印加したカフ圧について独立したいくつかの点、すなわち100mmHgを超える圧とこれ未満の圧に限定する必要のないものであることがわかるであろう。これらを、灌流測定値または印加したカフ圧、またはその両方の連続関数として表してもよい。
【0055】
別の基準に、評価中の血流測定値すなわちP0が十分大きいか否か、すなわち流れが基線よりも上にあるか否かがある。灌流は点P0において好ましくは0.05から0.2%の間、一層好ましくは少なくとも0.10%にすべきであり、そうでなければ皮膚灌流圧は記録されない。
【0056】
別の基準は「次の段階」、すなわちポイントP0に続く段階が増加しているか減少しているかを判断する。次の段階は、圧力が低下している観察量への微小循環流の戻りを示す典型的な形跡の特徴ではないため、減少してはならない。この4番目の基準は、灌流の変化が増加している時間に焦点を合わせている。微小循環の流れが戻ると形跡パターンに増加および保持する灌流信号が発生する。モーションアーチファクトは、振動成分がさらに多いため減少傾向が一層強い灌流信号を発生する。
【0057】
【表2−1】
【0058】
【表2−2】
印加カフ圧が低い、すなわち好ましくは約0から20mmHg、一層好ましくは15mmHg未満である場合、次のステップが増加または減少しているかどうかを判断する際に分析される次のステップの数は1である。印加カフ圧が中程度、例えば約10から50mmHg、一層好ましくは15から20mmHGの時、次のステップが増加または減少しているかどうかを判断する際に分析される次のステップの数は2である。印加カフ圧が高く、例えば約40から120mmHg、一層好ましくは50mmHgより高いが100mmHg未満の時、次のステップが増加または減少しているかどうかを判断する際に分析される次のステップの数は3である。圧力が極めて高く、好ましくは80から150mmHg、最も好ましくは100mmHgより高い時、次のステップが増加または減少しているかどうかを判断する際に分析される次のステップの数は5である。分析対象となる次のステップの数すなわちNがさらに多い場合、システムがSPP値を定めた信頼性がさらに高くなる。
【0059】
モーションアーチファクトを検出および排除するための別の基準に、灌流変化のプロファイルがある。微小循環は段階的に増加する灌流信号を発生するのに対し、動きは微小循環よりも振動成分の多い灌流信号を発生する。灌流の戻る形跡に沿っていない変化は無視される。表IIを再び参照すると、モーションアーチファクトを検出し排除するための灌流変化のプロファイル基準はP1に続く特定数のステップが少なくともP1の灌流値であるか、これを上回ることである。これらのステップは減少してはならない。言い換えれば、P2からPNはP1を全て超えなければならない。このような信号は長くは続かないため、この基準は動きを排除する上で特に効果的である。
【0060】
全ての基準が満たされたら、皮膚灌流圧システムはP0をSPP値38とする。
【0061】
図5Dは、患者に無反応な充血がある際に見られるであろうモデルを示す。この場合、皮膚灌流圧システムでは、このようなパターンを通常の灌流測定値の特徴がないパターンとして認識し、SPP値は生成されない。このような場合、灌流データが報告され、その検査でのSPP値の判断は医師にゆだねられる。
【0062】
(センサまたはプローブ設置デバイス)
好都合なことに、本発明による表面灌流圧システムは、上述したように、キットとして含まれるか、あるいは単独で提供される、再現性のあるデータを保証するためのセンサまたはプローブ設置デバイスを含むものであってもよい。
【0063】
図6を参照すると、本発明によるセンサ配置デバイス100の一実施形態が示されている。センサ配置デバイス100は、微小循環の血流測定に使用する例となるプローブ120にフィットするサイズの使い捨てシース130を含む。センサ配置デバイス100を使用して、さまざまな形状およびサイズのプローブ、電極および他のモニタリングデバイスのカバーを固定することができることを当業者であれば理解できよう。
【0064】
センサ配置デバイス100の第1の実施例によれば、近位端150の両側に設けられた2つのウィング140が提供される。プローブ120をその上に固定するため、ウィング140は患者の手足に巻き付けられている。異なるサイズの手足にも適応するためウィング140はさまざまなサイズにできる。
【0065】
センサ配置デバイス100にはまた、近位端150にある2つの対象となる位置インジケーター160が含まれる。位置インジケーター160は医療提供者がセンサ配置デバイス100の設置場所の印を付けられるような形状となっている。さらなる測定値が必要なら、センサ配置デバイス100およびプローブ120は組織の表面の同一場所に設置可能であり、その結果、再現性のあるデータが保証される。
【0066】
センサ配置デバイス100には、シース130の少なくとも片側に位置する測定用ガイド180が含まれる。測定用ガイド180は正確な設置位置を決めるため使用される。測定用ガイド180は穿孔200に合わせたサイズにでき、併用して使用できる。例えば、測定単位は近位端150から始まることができ、遠位端170に向かって増加する。この方法によると、測定用ガイド180は遠位端170付近の穿孔部分が取り外された後も設置場所を測定するために有用である。
【0067】
シース130の遠位端170はシース130の両側に設置された受取開口部220へプローブを固定する手段を含む。受取開口部220は、プローブ固定手段290を受けいれるような大きさおよび位置にある。受取開口部220は、シース130の遠位端がシース留め280と完全に平行するよう、プローブ120のケーブル端の両側に設置される。この方法によると、センサ配置デバイス100はプローブ120に堅く固定される。図6および図7に示す受取開口部220は弓形状である。当業者であれば、受取開口部がどのようなサイズまたは形状のプローブを固定する手段290でも受け入れるようなサイズ、形状になりうることを理解できよう。
【0068】
一実施形態では、シース130の遠位端170はケーブル固定金具240に隣接している。ケーブル固定金具240は裏側が粘着性で取り外し可能なため、センサ配置デバイス100から切り離し、プローブ120とモニタリングシステム間を適した表面へ向かって伸びるケーブル260を固定するため使用できる。
【0069】
患者の組織と接触するセンサ配置デバイス100の表面は、接着剤コーティング処理がされている。生理学的パラメータのモニタリングを邪魔しない接着剤コーティングは、どこでも再設置可能な感圧接着剤を含む。接着剤コーティングは本質的に粘着性があり、エラストマー系、溶媒分散性、溶媒不溶性な感圧接着剤である。一実施形態では、接着剤コーティングはアクリル酸アルキル、エステルメタクリル酸アルキル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、メタクリル酸スルホエチル、およびナトリウムmethacryate、アクリル酸アンモニウム、アクリル酸ナトリウム、トリメチルアミンP−ビニル安息香酸イミド、4,4,9−トリメチル−4−アゾニア−7−オキソ−8−オキサ−デカ−9−エン−1−スルホン、N,N−ジメチル−N−(ベーターメタクリロキシエチルオキシ−エチル)プロピオン酸アンモニウムベタイン、トリメチルアミンメタクリルイミド、および1,1−ジメチル−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)メタクリルイミドアミンのようなイオンモノマーからなる群から選択されるモノマーまたはポリマーのブレンドである。もうひとつの実施形態では、接着剤コーティングはアクリレート系、アルキルアクリル酸およびアルキルアクリレートエステルモノマー単体またはビニルモノマーとの組み合わせからなる群から選択されるミクロスフェアを含む。接着剤コーティングは保管、輸送およびその他使用しない状況下では、接着剤コーティングの粘着性を保持するために用いる取り外し可能なフィルム用紙で覆われている。
【0070】
センサ配置デバイス100のサイズおよび形状は多様にできる。センサ配置デバイス100のどんな場所にも、ロゴまたはその他のアートデザインをエンボス加工可能である。センサ配置デバイス100の色もまた多様にでき、さまざまなパターンを含む。
【0071】
使用にあたってセンサ配置デバイス100は、低コストのために、手術室、集中治療室、診察室または患者の病室、看護領域、医師の仕事場のようなどこででも都合の良い場所で施行され、基本的にどこででも生理学的パラメータの測定にプローブ120を使用する。医療関係者はディスペンサーデバイス、ボックスまたはそのほかの備品入れからセンサ配置デバイス100を移動し、プローブ120をシース130の遠位端170へはめ込める。開口部220はプローブ固定方法290を調整する。図7で示すように、シース130はシース留め280に隣接するシースの遠位端170があるプローブ120にフィットする。センサ配置デバイス100が測定部位に対して長すぎるなら、センサ配置デバイス100の部品は目的とする穿孔200で切り取り可能である。センサ配置デバイス100がプローブ120上に取り付けられた後、該当する場合、はがせるフィルム用紙(図示せず)ははがし、測定用ガイド180は患者の組織の目的とする部分上にセンサ配置デバイス100を正確に設置するために使用できる。ウィング140はセンサ配置デバイス100をその上に固定するため、つま先または足のような患者の手足に巻き付けられる。ケーブル固定金具240は、シース130の遠位端170との間を穿孔の位置のミシン目に沿って切り取り可能である。そしてケーブル固定金具240は、患者の身体の異なる部位、病院のベッドなど、好適なサポートのため、ケーブル260の固定に使用される。
【0072】
いったん位置決めをしたら、ケーブル固定金具240は切り離し可能で、プローブ120はセンサ配置デバイス100の位置に邪魔されることなくセンサ配置デバイス100から取り外し可能である。再度センサ配置デバイス100の位置に邪魔されることなく、その後違うプローブ120は、センサ配置デバイス100に挿入される。この方法によると、プローブ120は、新しいセンサ配置デバイス100または再設置されるセンサ配置デバイス100を要求することなく交換可能である。新しいセンサ配置デバイス100が必要な場合には、位置インジケーター160で、取り替え用センサ配置デバイス100がセンサ配置デバイス100の以前に置かれていた場所と同じ位置になるよう印をつける。この場合、生理学的パラメータのモニタリング中、中断および誤差は最低限に抑えられる。
【0073】
モニタリングが完了した時点で、医療関係者はセンサ配置デバイス100を患者の組織から取り外し、廃棄するだけである。この場合、センサ配置デバイス100は精密な位置決め、再位置決め、および患者の組織へプローブの固定を提供している間、感染症を予防する。
【0074】
図8を参照すると、センサ配置デバイス300のもうひとつの実施形態が示されている。図8に示されているようにセンサ配置デバイス300は、接着剤を使用せずにより大きな四肢を測定するため使用され、全ての測定が終了するまで患者の測定部位にとどまる。センサ配置デバイス300は1枚のシートまたは複数の部分から構成されている。センサ配置デバイス300は弾力をもたせるため不織布素材のラミネートおよび縦に織られた弾性繊維を含む弾性包帯からなる。センサ配置デバイス300の布は水蒸気透過性で、縦に撚ったポリエステルウレタンのひもを含んでいる不織布ポリエステル布、またはエラスタインである。布は皮膚または衣類にではなくそれ自体に貼り付く力がある粘着素材でコーティングされている。エラスタイン繊維は包帯にある一定の弾力性を与え、いったん適応すると置き換えられないほど粘着力のあるコーティングを保証している。前記布はCoban(商標)の商品名で販売されおよびSt.Paul、Minnの3M社から入手できる。
【0075】
センサ設置デバイス300は複数の部分から作成されたものとして示されているが、1枚の適切なサイズのシートを使用することを当業者であれば理解できよう。第1および第2の端312、314がある透明なプラスチック窓310はシートの片側上に位置し、固定されている。窓310はプローブ(図示せず)が容易に挿入、取り外しができるよう端312、314で開いたままになっている。センサ配置の目的を達成するために、窓310の片方の端だけ開いている必要があることを当業者であれば理解できよう。複数の部分が使用されるなら、弾性包帯の加熱または化学的シーリングによって窓310はさまざまな部位316と接合する。
【0076】
動作中センサ配置デバイス300は、例えば、前記窓310から露出した脚に部分的に巻き付いている。プローブ(図示せず)は窓310に位置し、測定を受けている間センサ配置デバイスはプローブ上の四肢にさらに巻き付き、窓はプローブで固定されている。
【0077】
当業者であれば、図6に示されているセンサ配置デバイスが窓310に設置されることを当業者なら理解できよう。
【0078】
好適な実施形態の詳細が提示されてきたが、本発明の精神から逸脱することなく、前述のものを含め、さまざまな修正が行われてきたと考えられる。それゆえ本実施例は限定されるものではなく、その要旨を超えない限り変更可能であり、および本発明の範囲を示す前述の説明よりむしろ添付の特許請求項を参照することが望ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図1】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図1】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−236091(P2012−236091A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−198675(P2012−198675)
【出願日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【分割の表示】特願2008−530108(P2008−530108)の分割
【原出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【出願人】(504293883)ヴァサメッド インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−198675(P2012−198675)
【出願日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【分割の表示】特願2008−530108(P2008−530108)の分割
【原出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【出願人】(504293883)ヴァサメッド インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
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