説明

盗撮防止システムおよび盗撮防止方法並びにそのプログラム

【課題】撮影実施端末による撮影制限区域内における撮影の実施を保障するとともに、盗撮などの不正な撮影を制限することのできる盗撮防止システムを提供する。
【解決手段】撮影機能を備えた撮影実施端末からの、撮影実施を示す撮影実施情報の受信に基づいて、報知対象端末へ撮影実施情報を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影機能を備えた端末での不正な撮影を防止することのできる盗撮防止システムおよび盗撮防止方法並びにそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラ等の撮影機能付き端末(例えば携帯電話など)は、撮影開始時にLED等の発光体を発光させる、撮影の瞬間に端末の周囲の他人が認識できる程度の音量でシャッター音を発生させる等の盗撮防止方法を使用している。ここで、これらの盗撮防止方法では、撮影を行う端末の盗撮防止用のLEDの点灯を被写体となる人物が見る、または、被写体となる人物が「カメラ撮影中」の表示を見る、または被写体となる人物が撮影の際のシャッター音を聴く、などにより、撮影があったことを認識するしかなく、不正な撮影自体を未然に防止する策が不足している。また、端末による盗撮は、周囲からは別操作をしているように見えている場合があり、被写体となる人物は、盗撮に対して十分な警戒をすることが困難である。さらに撮影内容は秘匿されるため、盗撮の内容は他者には知ることのできないものである。従って、盗撮などの不正な撮影を未然に防ぐことが困難であるという課題がある。なお、関連する技術として、不正な撮影を防ぐことが可能な不正撮影防止システムが特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−88273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1の技術は、撮影を行う際に、周囲の人、または被撮影者に撮影中であることを知らせる手段を持つカメラ付き端末と、撮影中であることを検知して撮影者のカメラ付き端末を制御する手段を持つ端末と、からなるシステムである。しかしながら、この技術では、カメラ付き端末の近くに、カメラ付き端末を制御できる端末が存在する場合、不正な撮影であってもカメラ付き端末で自由に撮影ができなくなってしまうという可能性がある。
【0005】
そこでこの発明は、上述の課題を解決することのできる盗撮防止システムおよび盗撮防止方法並びにそのプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、撮影機能を備えた撮影実施端末からの、撮影実施を示す撮影実施情報の受信に基づいて、報知対象端末へ撮影実施情報を送信する撮影実施情報報知部と、を備えることを特徴とする盗撮防止システムである。
【0007】
また本発明は、上述の盗撮防止システムにおいて、前記撮影実施端末からの、前記撮影処理の起動を示す起動情報の受信に基づいて、前記報知対象端末へ撮影処理の起動情報を送信する起動情報報知部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上述の盗撮防止システムにおいて、撮影制限区域内に存在するかの判定を要求する撮影制限区域内判定要求情報の、前記報知対象端末からの受信に基づいて、当該報知対象端末へ撮影制限区域内に存在することを示す撮影制限区域通知情報を送信するとともに、前記撮影制限区域内判定要求情報を所定の間隔で前記報知対象端末より受信しているかを判定する撮影制限区域報知部と、を備え、前記撮影実施情報報知部は、前記撮影制限区域内判定要求情報を前記所定の間隔で受信している場合に、当該撮影制限区域内判定要求情報を送信した前記報知対象端末へ、前記撮影実施端末から受信した前記撮影実施情報を送信することを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上述の盗撮防止システムにおいて、前記起動情報報知部は、前記撮影制限区域内判定要求情報を前記所定の間隔で受信している場合に、当該撮影制限区域内判定要求情報を送信した前記報知対象端末へ、前記撮影実施端末から受信した前記起動情報を送信することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上述の盗撮防止システムにおいて、前記撮影実施端末より撮影画像を受信する撮影画像受信部と、前記受信した撮影画像と、前記報知対象端末より予め受信した判定対象画像と、が一致するかを判定する画像一致判定手段と、を備え、さらに、前記撮影画像と前記判定対象画像とが一致すると判定した場合に、前記撮影実施端末へ前記撮影画像の使用制限を要求する第1使用制限要求部、または、前記撮影画像と前記判定対象画像とが一致すると判定した場合に、前記判定対象画像を送信した前記報知対象端末へ前記撮影画像の開示可否判定要求を送信するとともに、当該報知対象端末より開示不可を示す情報を受信した場合に、前記撮影実施端末へ前記撮影画像の使用制限を要求する第2使用制限要求部、の何れかを備えることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、盗撮防止システムにおける盗撮防止方法であって、撮影実施情報受信部が、被写体の撮影処理を行う撮影実施端末より撮影実施を示す撮影実施情報を受信し、撮影実施情報報知部が、前記撮影実施情報の受信に基づいて、報知対象端末へ撮影実施情報を送信することを特徴とする盗撮防止方法である。
【0012】
また本発明は、盗撮防止システムのコンピュータを、被写体の撮影処理を行う撮影実施端末より撮影実施を示す撮影実施情報を受信する撮影実施情報受信手段、前記撮影実施情報の受信に基づいて、報知対象端末へ撮影実施情報を送信する撮影実施情報報知手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、報知対象端末を利用するユーザは、盗撮防止機能を起動することで、積極的に、撮影制限区域内に位置する他の端末が撮影を実施しているかどうかを把握することができる。従って、報知対象端末を利用するユーザは、自身の保持する端末の近くに存在する撮影実施端末が撮影を行う可能性があることを知ることができるため、盗撮に警戒することができ、これにより、盗撮されることの防止や抑止を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】盗撮防止システムの構成を示すブロック図である。
【図2】盗撮防止機器および盗撮防止サーバの機能構成を示す図である。
【図3】盗撮防止機器と報知対象端末の処理フローを示す図である。
【図4】盗撮防止機器と撮影実施端末と報知対象端末の処理フローを示す図である。
【図5】盗撮防止サーバの処理フローを示す第3の図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例による盗撮防止システムを図面を参照して説明する。
図1は同実施例による盗撮防止システムの構成を示すブロック図である。
この図において、符号1は盗撮防止システムである。また盗撮防止システム1は、駅構内などの撮影制限区域内に設置される盗撮防止機器2と、盗撮防止サーバ3とを備えており、これら盗撮防止機器2と盗撮防止サーバ3とは通信ネットワークを介して接続されている。また図1において符号4は撮影機能(例えばカメラ機能)を備えた撮影実施端末である。また5は撮影実施端末による撮影の実施が行われることの報知を受ける報知対象端末である。なお報知対象端末5が撮影機能を備えているかどうかは問わない。撮影実施端末4と報知対象端末5は、盗撮防止機器2や盗撮防止サーバ2と無線により通信を行う。ここで、図1においては盗撮防止機器2を一つのみ表示しているが、撮影制限区域内には複数の盗撮防止機器2が配置されていてもよい。具体的には、撮影制限区域内の全ての位置において撮影実施端末4や報知対象端末5と通信できるように、複数の盗撮防止機器2の通信可能範囲が撮影制限区域内の全域を覆うように配置される。また、盗撮防止サーバ2は、例えば撮影実施端末4や報知対象端末5が携帯電話等であれば、その携帯通信の基地局装置内などに設置される。
【0016】
図2は、盗撮防止機器および盗撮防止サーバの機能構成を示す図である。
この図が示すように、盗撮防止機器2は、撮影実施端末4や報知対象端末5と無線により通信を行う無線通信部21、撮影実施端末4が撮影実施を行ったことを示す撮影実施情報を報知対象端末5へ送信する撮影実施情報報知部22、撮影実施端末4が撮影処理の起動を行ったことを示す起動情報を報知対象端末5へ送信する起動情報報知部23、盗撮防止サーバ2と通信を行う通信処理部24、撮影実施端末4や報知対象端末5へ撮影制限区域に位置することを報知する撮影禁止区域報知部25、撮影実施端末5における撮影制限のための処理を行う撮影制限処理部26、の各処理部を備えている。
また、盗撮防止サーバ3は、盗撮防止機器2と通信を行う通信処理部31、撮影実施端末5における撮影制限のための処理に利用する情報を記憶する記憶部32、報知対象端末5より受信した判定対象画像と、撮影実施端末4より受信した撮影画像とが一致するかを判定する画像一致判定部33、画像一致判定部33の処理に基づいて撮影実施端末4において撮影した撮影画像の使用制限を要求する使用制限要求部34、の各処理部を備えている。
このような各処理部を備えた、盗撮防止機器2と盗撮防止サーバ3の処理によって、撮影実施端末5による撮影制限区域内における撮影の実施をある程度保障するとともに、盗撮などの不正な撮影を制限することを目的とする。
【0017】
次に、盗撮防止システムの処理について説明する。
図3は盗撮防止機器と報知対象端末の処理フローを示す図である。
図3より、まず、報知対象端末5は、ユーザの操作に基づいて盗撮防止機能を起動すると(ステップS101)、盗撮防止機器2に対して撮影制限区域内に存在するかの判定を要求する撮影制限区域内判定要求情報を盗撮防止機器2へ送信する(ステップS102)。盗撮防止機器2の撮影制限区域報知部25は、撮影制限区域内判定要求情報を受信すると、その情報を送信した報知対象端末5へ撮影制限区域内に存在することを示す撮影制限区域通知情報を送信する(ステップS103)。報知対象端末5は、初回の撮影制限区域内判定要求情報の送信の後、所定の間隔で当該撮影制限区域内判定要求情報を盗撮防止機器2へ送信するとともに、その応答である撮影制限区域通知情報を受信する。また盗撮防止機器2の撮影制限区域報知部25は、報知対象端末5より、所定の間隔で撮影制限区域内判定要求情報を受信しているかを判定する(ステップS104)。所定の間隔で撮影制限区域内判定要求情報を受信している場合には、報知対象端末5が撮影制限区域内に位置すると判定し(ステップS105)、また、撮影制限区域内判定要求情報の所定の間隔での受信が途絶えた場合には、報知対象端末5が撮影制限区域外に移動したと判定する(ステップS106)。
【0018】
なお、盗撮防止機器2が所定の間隔で撮影制限区域内判定要求情報を報知対象端末5より受信できている状態をペアリングと呼ぶ。ペアリングは、この処理以外にも、報知対象端末5が盗撮防止機器2と通信可能な状態にあることを検知できる処理であればどのようなものでも良い。報知対象端末5は、撮影制限区域内判定要求情報の応答である撮影制限区域通知情報を受信できなくなった場合、または盗撮防止機能の停止の指示をユーザから受けたと判定した場合には、撮影制限区域内判定要求情報の盗撮防止機器2への送信を停止する。これによりペアリングが解除される。盗撮防止機器2はペアリングしている報知対象端末5のIDやIPアドレスなどを記憶部27などに記憶しておく。
【0019】
図4は盗撮防止機器と撮影実施端末と報知対象端末の処理フローを示す図である。
今、盗撮防止機器2と報知対象端末5とがペアリング状態であるとする。また、撮影実施端末4が盗撮防止機器2と通信可能な範囲に存在しているとする。そして、撮影実施端末4において、ユーザの操作に基づいて撮影機能を起動すると(ステップS201)、撮影実施端末4は起動情報を送信し(ステップS202)、盗撮防止機器2は、その起動情報を受信する。盗撮防止機器2の起動情報報知部23は起動情報を受信すると、起動情報の受信応答を撮影実施端末4へ送信する(ステップS203)とともに、自装置の記憶部24に記憶されているペアリング状態の報知対象端末5のIDやIPアドレスなどを読み取り、当該IDやIPアドレスを用いて報知対象端末5へ撮影実施端末4の起動情報を送信する(ステップS204)。報知対象端末5は起動情報を受信すると、撮影機能が起動されたことを示す警告をディスプレイ等に出力する(ステップS205)。これにより報知対象端末5のユーザは、撮影機能を備えた撮影実施端末4において撮影機能が起動され、自身が被写体となって撮影される可能性があることを検知することができ、盗撮の警戒を行うことができる。
【0020】
一方、撮影実施端末4は、起動情報の送信後、その応答を盗撮防止機器2より受信する。すると、撮影実施端末4は、撮影制限区域への侵入を示す情報と、撮影続行の諾否の入力を受け付けるための画面をディスプレイ等に出力する(ステップS206)。これにより、撮影実施端末4のユーザは、撮影制限区域に侵入したことを検知する。そして、撮影実施端末4は、画面において撮影続行承諾または撮影続行不可のどちらの情報が入力されたかを判定する(ステップS207)。撮影実施端末4は、画面において撮影続行承諾の情報の入力を受け付けると、撮影機能の起動を継続する(ステップS208)。また画面において撮影続行不可の情報の入力を受け付けると、撮影機能を停止する(ステップS209)。そして撮影実施端末4は、撮影機能を停止した場合、撮影停止情報を盗撮防止機器2へ送信する(ステップS210)。盗撮防止機器2は撮影停止情報を受信すると、自装置の記憶部24に記憶されているペアリング状態の報知対象端末5のIDやIPアドレスなどを読み取り、当該IDやIPアドレスを用いて報知対象端末5へ撮影実施端末4の撮影停止情報を送信する。報知対象端末5は撮影停止情報を受信すると、撮影機能が停止されたことを示す情報をディスプレイ等に出力する。これにより報知対象端末5のユーザは、盗撮の警戒を解くことができる。
【0021】
また、撮影機能の起動が継続され、撮影実施端末4において撮影処理が実行されるとする。この場合、撮影実施端末4は撮影実施情報を送信し(ステップS211)、盗撮防止機器2は、その撮影実施情報を受信する。盗撮防止機器2の撮影実施情報報知部22は撮影実施情報を受信すると、自装置の記憶部24に記憶されているペアリング状態の報知対象端末5のIDやIPアドレスなどを読み取り、当該IDやIPアドレスを用いて報知対象端末5へ撮影実施端末4の撮影実施情報を送信する。報知対象端末5は撮影実施情報を受信すると、撮影が実施されたことを示す警告をディスプレイ等に出力する。これにより報知対象端末5のユーザは、撮影機能を備えた撮影実施端末4において撮影が実施され、自身が被写体となって撮影される可能性があることを検知することができ、盗撮の警戒を行うことができる。
【0022】
上述の処理によれば、報知対象端末5を利用するユーザは、盗撮防止機能を起動することで、積極的に、撮影制限区域内に位置する他の端末が撮影を実施しているかどうかを把握することができる。従って、報知対象端末を利用するユーザは、自身の保持する端末の近くに存在する撮影実施端末が撮影を行う可能性があることを知ることができるため、盗撮に警戒することができ、これにより、盗撮されることの防止や抑止を行うことができる。
【0023】
(実施例2)
図5は盗撮防止サーバの処理フローを示す第3の図である。
上述の処理において、さらに撮影実施端末4で撮影した撮影画像が、報知対象端末5のユーザが登録した判定対象画像と一致する場合には、その撮影画像の使用制限をするようにしても良い。
具体的には、まず、報知対象端末5のユーザは、当該端末を用いて自身の顔画像等の判定対象画像とユーザIDと報知対象端末5のIDやIPアドレスを格納した判定画像登録要求を盗撮防止サーバ3へ送信する。この判定画像登録要求の送信はペアリングを行っている盗撮防止機器2を介して盗撮防止サーバ3へ送信するようにしても良い。すると盗撮防止サーバ3は記憶部32に、判定画像登録要求に格納されている、判定対象画像、ユーザID、報知対象端末5のIDおよびIPアドレスを対応付けて記憶部32に登録する(ステップS301)。
【0024】
そして、本実施例においては、撮影実施端末4が、上述の撮影処理によって撮影画像を取得すると、その撮影画像を盗撮防止サーバ3へ送信する。そして、盗撮防止サーバ3が撮影画像を受信する(ステップS302)。この撮影画像の送信は、盗撮防止サーバ3が基地局装置に備えられているような場合には直接送信してもよいし、また、盗撮防止機器2の撮影制限処理部26の処理により、当該盗撮防止機器2を介して盗撮防止サーバへ送信するようにしても良い。そして、盗撮防止サーバ3の画像一致判定部33は、受信した撮影画像内の一部が、記憶部32に予め登録されている判定対象画像と一致するか否かを判定する(ステップS303)。この画像一致の判定は、公知の画像認識等で利用されている技術を用いればよく、例えば、撮影画像内の一部の画像と、判定対象画像の被写体の輪郭の抽出や当該被写体の色差などの判定によって一致度が閾値以上かどうかによって判定すればよい。そして、画像一致判定部33は撮影画像の一部と判定対象画像とが一致する/一致しないを示す使用制限情報を使用制限要求部34へ出力する。
【0025】
盗撮防止サーバ3の使用制限要求部34は、使用制限情報を受けると、当該使用資源情報に格納されている一致する/一致しないを示す情報に基づいて、処理を開始する。例えば、使用制限要求部34は、撮影画像内の一部の画像と判定対象画像が一致しない場合には、撮影画像使用可を示す情報を撮影実施端末4へ送信する(ステップS304)。また使用制限要求部34は、撮影画像内の一部の画像と判定対象画像が一致する場合には、撮影使用制限を示す情報を撮影実施端末4へ送信する(ステップS305)。これらの情報の送信は、盗撮防止機器2を介して行うようにしても良い。そして、撮影実施端末4は、撮影画像使用可を示す情報を受信した場合には、撮影画像を記憶部へそのまま記録して、撮影処理を終了する。また撮影実施端末4は、撮影使用制限を示す情報を受信した場合には、撮影画像にモザイクをかける加工処理を自動的に行い、その加工後の撮影画像を記憶部へ記録して、撮影処理を終了する。
【0026】
また、使用制限要求部34は、上述の処理のほか、撮影画像内の一部の画像と判定対象画像が一致する場合には、報知対象端末5のユーザの確認を求めるようにしてもよい。
具体的には、使用制限要求部34は、撮影画像内の一部の画像と判定対象画像が一致しない場合には、撮影画像使用可を示す情報を撮影実施端末4へ送信する。これにより、上述の処理と同様に、撮影実施端末4は、撮影画像使用可を示す情報を受信した場合には、撮影画像を記憶部へそのまま記録して、撮影処理を終了する。また使用制限要求部34は、撮影画像内の一部の画像と判定対象画像が一致する場合には、撮影画像内の一部の画像が一致した判定対象画像を登録した報知対象端末5のIPアドレスや端末IDを記憶部32から読み取り、当該IPアドレスや端末IDを用いて、当該報知対象端末5へ撮影実施端末4で撮影された撮影画像を格納した開示可否判定要求を送信する。すると、報知対象端末5は、開示可、開示不可をユーザに登録させるための開示可否登録画面を画面に出力する。そして報知対象端末5は、その画面においてユーザから開示可または開示不可の情報の登録を受け付け、開示可または開示不可を示す開示可否情報を盗撮防止サーバ3へ送信する。そして、盗撮防止サーバ3の使用制限要求部34は、開示可否情報が開示可を示す場合には、撮影画像使用可を示す情報を撮影実施端末4へ送信する。これにより、上述の処理と同様に、撮影実施端末4は、撮影画像使用可を示す情報を受信した場合には、撮影画像を記憶部へそのまま記録して、撮影処理を終了する。また、盗撮防止サーバ3の使用制限要求部34は、開示可否情報が開示不可を示す場合には、撮影使用制限を示す情報を撮影実施端末4へ送信する。撮影実施端末4は、撮影使用制限を示す情報を受信した場合には、撮影画像の破棄や、撮影画像にモザイクをかける加工処理を自動的に行うことにより使用制限を行う。なお、上述の盗撮防止サーバ3の処理は盗撮防止機器2で行うようにしても良い。
【0027】
以上の処理により、撮影画像内の一部の画像が、報知対象端末のユーザによって登録された画像である場合には、撮影実施端末で撮影された撮影画像の当該撮影実施端末上での使用を制限することができる。
【0028】
なお、上述の盗撮防止機器、盗撮防止サーバ、撮影実施端末、報知対象端末は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0029】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0030】
1・・・盗撮防止システム
2・・・盗撮防止機器
3・・・盗撮防止サーバ
4・・・撮影実施端末
5・・・報知対象端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影機能を備えた撮影実施端末からの、撮影実施を示す撮影実施情報の受信に基づいて、報知対象端末へ撮影実施情報を送信する撮影実施情報報知部と、
を備えることを特徴とする盗撮防止システム。
【請求項2】
前記撮影実施端末からの、前記撮影処理の起動を示す起動情報の受信に基づいて、前記報知対象端末へ撮影処理の起動情報を送信する起動情報報知部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の盗撮防止システム。
【請求項3】
撮影制限区域内に存在するかの判定を要求する撮影制限区域内判定要求情報の、前記報知対象端末からの受信に基づいて、当該報知対象端末へ撮影制限区域内に存在することを示す撮影制限区域通知情報を送信するとともに、前記撮影制限区域内判定要求情報を所定の間隔で前記報知対象端末より受信しているかを判定する撮影制限区域報知部と、を備え、
前記撮影実施情報報知部は、前記撮影制限区域内判定要求情報を前記所定の間隔で受信している場合に、当該撮影制限区域内判定要求情報を送信した前記報知対象端末へ、前記撮影実施端末から受信した前記撮影実施情報を送信する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の盗撮防止システム。
【請求項4】
前記起動情報報知部は、前記撮影制限区域内判定要求情報を前記所定の間隔で受信している場合に、当該撮影制限区域内判定要求情報を送信した前記報知対象端末へ、前記撮影実施端末から受信した前記起動情報を送信する
ことを特徴とする請求項3に記載の盗撮防止システム。
【請求項5】
前記撮影実施端末より撮影画像を受信する撮影画像受信部と、
前記受信した撮影画像と、前記報知対象端末より予め受信した判定対象画像と、が一致するかを判定する画像一致判定手段と、を備え、
さらに、
前記撮影画像と前記判定対象画像とが一致すると判定した場合に、前記撮影実施端末へ前記撮影画像の使用制限を要求する第1使用制限要求部、
または、
前記撮影画像と前記判定対象画像とが一致すると判定した場合に、前記判定対象画像を送信した前記報知対象端末へ前記撮影画像の開示可否判定要求を送信するとともに、当該報知対象端末より開示不可を示す情報を受信した場合に、前記撮影実施端末へ前記撮影画像の使用制限を要求する第2使用制限要求部、
の何れかを備える
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の盗撮防止システム。
【請求項6】
盗撮防止システムにおける盗撮防止方法であって、
撮影実施情報受信部が、被写体の撮影処理を行う撮影実施端末より撮影実施を示す撮影実施情報を受信し、
撮影実施情報報知部が、前記撮影実施情報の受信に基づいて、報知対象端末へ撮影実施情報を送信する
ことを特徴とする盗撮防止方法。
【請求項7】
盗撮防止システムのコンピュータを、
被写体の撮影処理を行う撮影実施端末より撮影実施を示す撮影実施情報を受信する撮影実施情報受信手段、
前記撮影実施情報の受信に基づいて、報知対象端末へ撮影実施情報を送信する撮影実施情報報知手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−44935(P2011−44935A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−192184(P2009−192184)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】