説明

盗難防止機能を有する電子装置及びその揺動検出器

【課題】本発明は、盗難防止機能を有する電子装置及びその揺動検出器を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る盗難防止機能を有する電子装置は、警報ユニットと、揺動検出器と、警報ユニットと揺動検出器との間に接続されるマイクロプロセッサーと、を備え、揺動検出器は、本体と、本体内に収容される水銀と、本体に設置される複数の導線と、を備え、隣り合う2つの導線は、マイクロプロセッサーの電源端及び接地端にそれぞれ接続され、マイクロプロセッサーが盗難防止モードに入ってから、電子装置が水平放置される場合、隣り合う2つの導線は電気接続しないが、電子装置が揺動される場合、本体内の水銀が移動して隣り合う2つの導線を電気接続することにより、マイクロプロセッサーの電源端及び接地端が導通し、マイクロプロセッサーは警報ユニットをスタートして警告する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盗難防止機能を有する電子装置及びその揺動検出器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ノートパソコン又はメディアプレーヤーのような電子装置は、便利に携帯することができるので、人々は常に公共場所に持ってきて使う。しかし、使用者がちょっと離れると、持ってきた携帯式電子装置が盗まれる現象が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、前記課題を解決し、盗難防止機能を有する電子装置及びその揺動検出器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る盗難防止機能を有する電子装置は、警報ユニットと、揺動検出器と、前記警報ユニットと前記揺動検出器との間に接続されるマイクロプロセッサーと、を備え、前記揺動検出器は、本体と、前記本体内に収容される水銀と、前記本体に設置される複数の導線と、を備え、隣り合う2つの前記導線は、前記マイクロプロセッサーの電源端及び接地端にそれぞれ接続され、前記マイクロプロセッサーが盗難防止モードに入ってから、前記電子装置が水平放置される場合、隣り合う2つの前記導線は電気接続しないが、前記電子装置が揺動される場合、前記本体内の水銀が移動して隣り合う2つの前記導線を電気接続することにより、前記マイクロプロセッサーの電源端及び接地端が導通し、前記マイクロプロセッサーは前記警報ユニットをスタートして警告する。
【0005】
本発明に係る揺動検出器は、電子装置内の電子素子の電源端及び接地端を導通するために用いられ、本体と、前記本体内に収容される水銀と、前記本体に設置される複数の導線と、を備え、隣り合う2つの前記導線は、前記電子素子の電源端及び接地端にそれぞれ接続され、前記電子装置が水平放置される場合、隣り合う2つの前記導線は電気接続しないが、前記電子装置が揺動される場合、前記本体内の水銀が移動して隣り合う2つの前記導線を電気接続する。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る電子装置において、マイクロプロセッサーが盗難防止モードに入ってから、窃盗者が前記電子装置を窃盗する時、前記電子装置が揺動されて、揺動検出器内の水銀が移動して、前記マイクロプロセッサーの電源端及び接地端を導通すると、前記マイクロプロセッサーは警報ユニットをスタートして、窃盗者に警告する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に係る盗難防止機能を有する電子装置の構造を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る電子装置の揺動検出器の1つの例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る電子装置の揺動検出器の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0009】
図1を参照すると、本発明の実施形態に係る盗難防止機能を有する電子装置100は、揺動検出器10と、マイクロプロセッサー20と、警報ユニット30と、電気スイッチ40と、を備える。前記揺動検出器10、前記マイクロプロセッサー20及び前記警報ユニット30は、前記電子装置100の内部に設置され、且つ前記マイクロプロセッサー20は、前記揺動検出器10と前記警報ユニット30との間に接続される。前記電気スイッチ40は、前記電子装置100のハウジングに設置され、且つ前記マイクロプロセッサー20と電源50との間に接続される。前記電気スイッチ40をオンして前記マイクロプロセッサー20を盗難防止モードに入らせるか、又はソフトウェアによって前記マイクロプロセッサー20を盗難防止モードに入らせる。本実施形態において、前記電子装置100は、ノートパソコンである。
【0010】
ソフトウェアによって前記マイクロプロセッサー20を盗難防止モードに入らせる場合、前記電子装置100が待ち状態又はロック状態になると、前記マイクロプロセッサー20を盗難防止モードに入らせるように設定する。
【0011】
ソフトウェアによって前記マイクロプロセッサー20を盗難防止モードに入らせる場合、前記電気スイッチ40を省略することができる。
【0012】
前記警報ユニット30は、警報ランプ32及びブザー34を備える。前記警報ユニット30がスタートされると、前記警報ランプ32が点滅し、前記ブザー34が警報音を出して警告する。他の実施形態において、前記警報ユニット30は、前記警報ランプ32及び前記ブザー34の中の一方だけを備えることができ、又は他の警報機能付き要素を備えることができる。
【0013】
図2を参照すると、前記揺動検出器10は、積層設置されるベース12及びカバー14からなる本体18、水銀16、複数の電源導線122及び複数の接地導線124を備える。前記本体18は、長方体である。前記ベース12の中心には、前記水銀16を収容するための円錐台状の凹部128が設けられる。複数の前記電源導線122及び複数の前記接地導線124は、前記凹部128の開口の周縁に交互に配列される。前記電源導線122の一端は、前記マイクロプロセッサー20の電源端(図示せず)に接続され、前記電源導線122の他端は、前記ベース12の前記カバー14に対面する表面における前記凹部128の開口の周縁に暴露される。前記接地導線124の一端は、前記マイクロプロセッサー20の接地端(図示せず)に接続され、前記接地導線124の他端は、前記ベース12の前記カバー14に対面する表面における前記凹部128の開口の周縁に暴露される。
【0014】
ソフトウェアによって前記マイクロプロセッサー20を盗難防止モードに入らせる場合、使用者は離れる前に前記電子装置100を待ち状態又はロック状態に設定すると、前記ソフトウェアによって前記マイクロプロセッサー20が盗難防止モードに入る。正常情況で前記電子装置100は水平放置状態になって、前記水銀16は前記凹部128の底部に留まり、前記凹部128の開口の周縁に暴露されている前記電源導線122及び前記接地導線124に接触しない。窃盗者が前記電子装置100を窃盗する時、前記電子装置100が遥動されて、前記水銀16は前記凹部128の底部から前記凹部128の開口の周縁に移動して隣り合う前記電源導線122及び前記接地導線124に接触する。前記水銀16の導電性によって、前記電源導線122及び前記接地導線124が電気接続して、前記マイクロプロセッサー20の電源端及び接地端が導通し、前記マイクロプロセッサー20は前記警報ユニット30をスタートして、前記警報ランプ32が点滅し且つ前記ブザー34が警報音を出して窃盗者に警告する。
【0015】
使用者が帰って前記電子装置100を作動状態又はロック解除状態に設定すると、前記マイクロプロセッサー20は盗難防止モードから退出する。
【0016】
他の実施形態において、ハードウエアによって前記マイクロプロセッサー20を盗難防止モードに入らせることができる。使用者が離れる前に前記電気スイッチ40をオンすると、前記マイクロプロセッサー20は盗難防止モードに入り、使用者が帰って前記電気スイッチ40をオフすると、前記マイクロプロセッサー20は盗難防止モードから退出する。
【0017】
本発明の電子装置100は、メディアプレーヤーであることもでき、前記電子装置100の揺動検出器の凹部の形状は、円錐台状に限定されるものではなく、柱状又は他の形状であることができ、前記揺動検出器に複数の凹部を設置して誤判断を免れることができる。
【0018】
図3は、本発明の実施形態に係る電子装置100の揺動検出器の他の例を示す図である。揺動検出器60は、積層設置されるベース62及びカバー64からなる本体68、水銀66、複数の電源導線622及び複数の接地導線624を備える。前記本体68は、長方体である。前記ベース62には、3行3列の9つの凹部63が設けられ、前記水銀66は、前記ベース62の中心に位置する前記凹部63に収容される。複数の前記電源導線622及び複数の前記接地導線624は、前記ベース62の四周辺縁に交互に配列される。前記電源導線622の一端は、前記マイクロプロセッサー20の電源端(図示せず)に接続され、前記電源導線622の他端は、前記ベース62の前記カバー64に対面する表面の周辺に暴露される。前記接地導線624の一端は、前記マイクロプロセッサー20の接地端(図示せず)に接続され、前記接地導線624の他端は、前記ベース62の前記カバー64に対面する表面の周辺に暴露される。前記ベース62と前記カバー64との間には、隙間が存在する。
【0019】
前記電子装置100がちょっと遥動されて、前記ベース62の中心に位置する前記凹部63に収容された前記水銀66が前記隙間によって前記ベース62の周辺に位置する前記凹部63内に移動すると、隣り合う前記電源導線622及び前記接地導線624は電気接続しないため、前記マイクロプロセッサー20の電源端及び接地端は導通しなく、前記マイクロプロセッサー20は前記警報ユニット30をスタートしなく、従って誤判断を免れることができる。窃盗者が前記電子装置100を窃盗する時、前記電子装置100が大きく遥動されて、前記ベース62の中心に位置する前記凹部63に収容された前記水銀66は、前記隙間によって前記ベース62の周辺に位置する前記凹部63内に移動し且つ該凹部63から再び前記隙間によって前記ベース62の前記カバー64に対面する表面の周辺に移動するか、又は前記隙間によって直接に前記ベース62の前記カバー64に対面する表面の周辺に移動して、隣り合う前記電源導線622及び前記接地導線624に接触すると、前記水銀66の導電性によって、前記電源導線622及び前記接地導線624が電気接続して、前記マイクロプロセッサー20の電源端及び接地端が導通し、前記マイクロプロセッサー20は前記警報ユニット30をスタートして、前記警報ランプ32が点滅し且つ前記ブザー34が警報音を出して窃盗者に警告する。
【0020】
本発明の電子装置において、マイクロプロセッサーが盗難防止モードに入ってから、窃盗者が前記電子装置を窃盗する時、前記電子装置が遥動されて、揺動検出器内の水銀が移動して、前記マイクロプロセッサーの電源端及び接地端を導通すると、前記マイクロプロセッサーは警報ユニットをスタートして、窃盗者に警告する。
【0021】
以上、本発明を実施例に基づいて具体的に説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種種の変更が可能であることは勿論であって、本発明の技術的範囲は、以下の特許請求の範囲から決まる。
【符号の説明】
【0022】
10,60 揺動検出器
12,62 ベース
14,64 カバー
16,66 水銀
18 本体
20 マイクロプロセッサー
30 警報ユニット
32 警報ランプ
34 ブザー
40 電気スイッチ
50 電源
63,128 凹部
100 電子装置
122,622 電源導線
124,624 接地導線


【特許請求の範囲】
【請求項1】
警報ユニットと、揺動検出器と、前記警報ユニットと前記揺動検出器との間に接続されるマイクロプロセッサーと、を備える電子装置であって、
前記揺動検出器は、本体と、前記本体内に収容される水銀と、前記本体に設置される複数の導線と、を備え、
隣り合う2つの前記導線は、前記マイクロプロセッサーの電源端及び接地端にそれぞれ接続され、
前記マイクロプロセッサーが盗難防止モードに入ってから、前記電子装置が水平放置される場合、隣り合う2つの前記導線は電気接続しないが、前記電子装置が揺動される場合、前記本体内の水銀が移動して隣り合う2つの前記導線を電気接続することにより、前記マイクロプロセッサーの電源端及び接地端が導通し、前記マイクロプロセッサーは前記警報ユニットをスタートして警告することを特徴とする盗難防止機能を有する電子装置。
【請求項2】
前記電子装置は、電源と前記マイクロプロセッサーとの間に接続される電気スイッチをさらに備え、前記電気スイッチをオンして、前記マイクロプロセッサーを盗難防止モードに入らせることを特徴とする請求項1に記載の盗難防止機能を有する電子装置。
【請求項3】
ソフトウェアによって、前記電子装置が待ち状態又はロック状態になると、前記マイクロプロセッサーを盗難防止モードに入らせるように設定することを特徴とする請求項1に記載の盗難防止機能を有する電子装置。
【請求項4】
電子装置内の電子素子の電源端及び接地端を導通するために用いられる揺動検出器であって、
本体と、前記本体内に収容される水銀と、前記本体に設置される複数の導線と、を備え、
隣り合う2つの前記導線は、前記電子素子の電源端及び接地端にそれぞれ接続され、
前記電子装置が水平放置される場合、隣り合う2つの前記導線は電気接続しないが、前記電子装置が揺動される場合、前記本体内の水銀が移動して隣り合う2つの前記導線を電気接続することを特徴とする揺動検出器。
【請求項5】
前記本体は、積層設置されるベース及びカバーからなり、
前記ベースの中心には、1つの凹部が設けられ、
前記水銀は前記凹部に収容され、
隣り合う2つの前記導線の一端は、前記電子素子の電源端及び接地端にそれぞれ接続され、
隣り合う2つの前記導線の他端は、前記ベースの前記カバーに対面する表面における前記凹部の開口の周縁に暴露されることを特徴とする請求項4に記載の揺動検出器。
【請求項6】
前記本体は、積層設置されるベース及びカバーからなり、
前記ベースには、3行3列の9つの凹部が設けられ、
前記水銀は前記ベースの中心に位置する前記凹部に収容され、
隣り合う2つの前記導線の一端は、前記電子素子の電源端及び接地端にそれぞれ接続され、
隣り合う2つの前記導線の他端は、前記ベースの前記カバーに対面する表面の周辺に暴露されることを特徴とする請求項4に記載の揺動検出器。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−187053(P2011−187053A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39960(P2011−39960)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】