説明

監視制御システム、画像情報伝送システムおよび画像情報伝送方法

【課題】伝送回線の変更を行うことなく、画像情報の伝送を可能とする監視制御システムを提供する。
【解決手段】監視対象の監視対象機器からの監視情報および画像入力装置からの画像情報を同一の伝送回線を介して取得して前記監視対象機器の制御を行う監視制御システムにおいて、前記伝送回線を介して前記画像情報を伝送する際に、前記監視情報の当該伝送回線の使用状況から算出される当該伝送回線の空き時間を利用して、前記画像情報を伝送する。このとき、前記画像情報のサイズが、前記伝送回線の使用状況から算出された空き時間にまとめて伝送することができないサイズであった場合、当該伝送回線の使用状況に応じて分割サイズを算出し、該分割サイズに基づいて前記画像情報を分割して、前記伝送回線の空き時間を利用して、順次、伝送する。前記伝送回線の空き時間は、前記伝送回線の回線速度と前記監視情報のデータサイズとに基づいて算出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視制御システム、画像情報伝送システムおよび画像情報伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信設備の監視制御を行う監視制御システムにおける監視対象機器は、山間部に存在する無人中継所など高速・大容量の伝送路を準備することが困難な場所に設置されていることが多くなってきている。したがって、このような場所に設置されている監視対象機器については、例えば、特許文献1の特開2002−140779号公報「遠隔総合監視システム」にも記載されているように、監視箇所を限定して、故障発生の有無や異常動作の有無を監視する程度であり、実際に故障や異常動作が発生した場合、直接、現地に行くまでは、詳細な内容を確認することができない状況にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−140779号公報(第2−3頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述したように、従来の監視制御システムにおいては、次のような課題がある。
【0005】
第1の課題は、監視対象となる各種機器の動作状態を詳細に監視することができなかった。なぜならば、各種機器の動作状態を詳細に監視しようとした場合、監視対象箇所が増加し伝送する情報量が増加してしまうからである。また、アナログ情報(例えば、周波数変動情報等)の状態を細かく確認するためには、サンプリング周期を短くし、取り出した情報を即時に上位の親局装置に送信する必要があるからである。したがって、高性能な機器と高速で大容量の伝送回線とが必要となるが、現状では、低速回線しか存在しない箇所が多く、設備投資が高額になるという問題がある。
【0006】
第2の課題は、低速回線で、大容量の画像情報を伝送すると、画像情報の伝送中は、伝送回線を占有してしまい、設備監視用の通常の監視情報の伝送が不能あるいは遅延され、設備監視に支障を与えるため、画像情報の伝送を行うことができなかった。このため、画像情報を伝送するには高速で大容量の伝送路が必要となるが、低速で小容量の伝送路を使用しているシステムの場合、画像情報を扱うには伝送路を変更する必要があり、立地的に対応困難な箇所や費用的にも対応することが困難な状態となっていた。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、伝送回線の変更を行うことなく、画像情報の伝送を可能とし、事象発生時の状況確認やアナログ情報の状態確認を容易に可能とする監視制御システム、画像情報伝送システムおよび画像情報伝送方法を提供することをその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の課題を解決するため、本発明による監視制御システムは、次のような特徴的な構成を採用している。
【0009】
(1)監視対象の監視対象機器からの監視情報および画像入力装置からの画像情報を同一の伝送回線を介して取得して前記監視対象機器の制御を行う監視制御システムであって、前記伝送回線を介して前記画像情報を伝送する際に、前記監視情報の当該伝送回線の使用状況から算出される当該伝送回線の空き時間を利用して、前記画像情報を伝送する監視制御システム。

【発明の効果】
【0010】
本発明の監視制御システム、画像情報伝送システムおよび画像情報伝送方法によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0011】
第1の効果は、低速回線を使用している監視制御システムや画像情報伝送システムであっても、伝送回線を変更することなく、画像情報の伝送が可能となることである。
【0012】
第2の効果は、監視情報などの既存の情報伝送に影響を与えることなく、画像情報の伝送が可能となることである。
【0013】
第3の効果は、監視情報だけでは詳細内容まで確認できなかった事象が、画像情報の伝送により容易に確認することが可能となることである。特に、故障発生時の状況を現場に行くことなく確認することが可能となり、早期対応・対策を実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る監視制御システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】図1の監視制御システムを構成する親局側監視制御装置の内部のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。
【図3】図1の監視制御システムを構成する子局側監視制御装置の内部のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。
【図4】図1の親局側監視制御装置と子局側監視制御装置との間の伝送回線を介した情報転送の様子の一例を示すシーケンスチャートである。
【図5】図1の親局側監視制御装置と子局側監視制御装置との間の伝送回線の空き状態に応じて、画像情報を適宜分割して転送する様子の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明による監視制御システム、画像情報伝送システムおよび画像情報伝送方法の好適な実施例について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明による監視制御システムを例にとって、低速な伝送回線であっても画像情報の伝送を可能にする仕組みについて説明するが、本発明は、かかる監視制御システムのみに限るものではなく、一般的な画像情報伝送システムに適用することも可能であるし、また、以下に詳細に説明する仕組みを、一般的な画像情報伝送方法として実施することも可能であることは言うまでもない。
【0016】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、低速回線を利用して構築された画像情報伝送システムの一つである監視制御システムにおいて、使用する伝送回線を変更することなく、詳細な監視情報の一つとして画像情報の伝送を可能とし、従来の数値情報による監視だけでなく、画像情報による状態確認が可能とする点に主要な特徴がある。
【0017】
具体的には、本発明は、伝送回線の使用状況を自動計測するとともに、伝送回線の空き時間と該空き時間に伝送可能な情報量(画像分割サイズ)とを算出することを特徴の一つとしている。さらに、算出した伝送可能な情報量を基にして、伝送しようとする画像情報を分割し、数値情報等の監視情報の伝送に影響を与えない空き時間を利用して、分割した画像情報を順次伝送することも特徴としている。したがって、数値情報等の監視情報のデータ量に変化があった場合でも、伝送可能な情報量を自動計算しているので、データ量に変化が発生する都度、パラメータなどの設定変更を行う必要はない。
【0018】
(実施形態の構成例)
次に、本発明に係る監視制御システムのシステム構成の一例を、図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る監視制御システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図であり、親局側監視制御装置1は、複数の子局側監視制御装置11,12,…,13と、それぞれ、低速の伝送回線21,22,…,23によって接続されており、監視情報の伝送を行う構成とされている。
【0019】
図1に示す監視制御システムにおいて、子局側監視制御装置11,12,…,13がそれぞれの監視対象としている監視対象機器31,32,…,33、監視対象機器34,…,35、監視対象機器36,…,37の状態変化を検出した場合、従来通り、子局側監視制御装置11,12,…,13は、数値情報等による監視情報を伝送するための監視情報パケットを作成し、上位の親局側監視制御装置1に対して、それぞれ、低速の伝送回線21,22,…,23を介して、状態変化が発生したことを通知する。また、子局側監視制御装置11,12,…,13は、各種機器状態を監視するカメラ等の画像入力装置41,42,…,43からの画像情報をそれぞれ取得して、図示していない内蔵の画像情報記録部にそれぞれ保存する。
【0020】
画像情報記録部にそれぞれ保存された画像情報は、あらかじめ定めた周期毎に定期的にまたは上位の親局側監視制御装置1からの要求に応じて、親局側監視制御装置1に、それぞれ、低速の伝送回線21,22,…,23を介して、伝送する。この時、子局側監視制御装置11,12,…,13は、伝送回線21,22,…,23の使用状況に応じて、画像情報の分割サイズを決定し、該分割サイズにより、画像情報記録部に保存されている画像情報を、複数の分割画像情報として分割し、分割した分割画像情報を単位として、数値情報等の監視情報の伝送に支障を与えることなく、親局側監視制御装置1に伝送する。
【0021】
次に、親局側監視制御装置1、複数の子局側監視制御装置11,12,…,13の内部の構成の一例を、それぞれ、図2、図3を用いて説明する。ここで、図2は、図1の監視制御システムを構成する親局側監視制御装置1の内部のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。また、図3は、図1の監視制御システムを構成する子局側監視制御装置11の内部のブロック構成の一例を示すブロック構成図であり、他の子局側監視制御装置12,…,13も同様のブロック構成からなっている。
【0022】
図2に示すように、親局側監視制御装置1は、伝送回線21,22,…,23を介してそれぞれ子局側監視制御装置11,12,…,13とデータを送受信するデータ送受信機能1a、子局側監視制御装置11,12,…,13と送受信したデータを処理するデータ処理機能1b、子局側監視制御装置11,12,…,13からの画像情報を処理する画像情報処理機能1cを少なくとも備えている。
【0023】
ここで、親局側監視制御装置1のデータ送受信機能1aは、子局側監視制御装置11,12,…,13から送信されてくる監視情報を受信する監視情報受信機能、子局側監視制御装置11,12,…,13から分割画像情報として適宜分割して送信されてくる画像情報を受信する画像情報受信機能を有し、また、データ処理機能1bは、子局側監視制御装置11,12,…,13に対する画像情報要求機能、および、子局側監視制御装置11,12,…,13から適宜分割して送信されてくる分割画像情報を一つの画像情報に編集して解析する画像情報解析機能を有する。
【0024】
また、図3に示すように、子局側監視制御装置11は、伝送回線21を介して親局側監視制御装置1とデータを送受信するデータ送受信機能11a、親局側監視制御装置1と送受信したデータを処理するデータ処理機能11b、接続されている監視対象機器31,32,…,33からの監視情報を入力する監視情報入力機能11c,接続されている画像入力装置41からの画像情報を入力する画像入力機能11d、画像入力機能11dにて受け取った画像情報を記録する画像情報記録部11e、伝送回線21の伝送状態を監視する通信状態監視機能11fを少なくとも備えている。
【0025】
つまり、子局側監視制御装置11の監視情報入力機能11cは、監視対象機器31,32,…,33からの数値情報等の監視情報を受信する監視情報受信機能を有し、データ処理機能11bは、監視情報入力機能11cが受信した監視情報の状態の変化を検出する状態変化検出機能を有する。さらに、データ処理機能11bは、あらかじめ定めた周期毎に、あるいは、親局側監視制御装置1から画像情報要求を受け取った際に、画像情報記録部11eに記録されている画像情報のうち該当する画像情報を、通信状態監視機能11fによって検知された伝送回線21の使用状況に応じて、伝送可能な分割サイズに分割した分割画像情報を作成する分割画像情報作成機能も有する。
【0026】
また、画像入力機能11dは、カメラ等の画像入力装置41からの画像情報を受信する画像情報受信機能を有し、画像情報記録部11eは、画像入力機能11dにより受信した画像情報を記録する画像情報記録機能を有する。データ送受信機能11aは、親局側監視制御装置1と伝送回線21を介してデータを伝送し合う情報伝送機能を有し、通信状態監視機能11fは、親局側監視制御装置1と接続される伝送回線21の使用状況を監視する伝送路使用状況監視機能を有する。
【0027】
子局側監視制御装置11,12,…,13は、それぞれに接続されている監視対象機器31,32,…,33、監視対象機器34,…,35、監視対象機器36,…,37から監視情報入力機能11c,12c,…,13cによって入力した監視情報が変化したか否かを監視している。子局側監視制御装置11,12,…,13がそれぞれの監視対象としている監視対象機器31,32,…,33、監視対象機器34,…,35、監視対象機器36,…,37の監視情報の変化を検出した場合、子局側監視制御装置11,12,…,13は、従来通り、データ処理機能11b,12b,…,13bによって監視情報パケットを作成して、データ送受信機能11a,12a,…,13aを用いて、上位の親局側監視制御装置1に対して、それぞれ、低速の伝送回線21,22,…,23を介して、状態変化が発生したことを監視情報として通知する。
【0028】
あるいは、子局側監視制御装置11,12,…,13は、あらかじめ定めた一定時間が経過する都度、それぞれに接続されている監視対象機器31,32,…,33、監視対象機器34,…,35、監視対象機器36,…,37の監視情報入力機能11c,12c,…,13cによる監視結果を監視情報として上位の親局側監視制御装置1に対して通知する。
【0029】
また、子局側監視制御装置11,12,…,13は、カメラなどの画像入力装置41,42,…,43から画像入力機能11d,12d,…,13dによって受信した画像情報を、それぞれに内蔵している画像情報記録部11e,12e,…,13eに保存する。
【0030】
一方、親局側監視制御装置1においては、低速の伝送回線21,22,…,23を介して、子局側監視制御装置11,12,…,13からデータ送受信機能1aによってそれぞれ受信した監視情報の内容を、データ処理機能1bによって解析し、画像情報の収集が必要であると判断した場合、あるいは、監視者の手動操作により画像情報の収集を指示された場合は、該当する子局側監視制御装置例えば子局側監視制御装置11に対して、データ送受信機能1aによって画像情報要求を通知する。
【0031】
親局側監視制御装置1からの画像情報要求をデータ送受信機能11aによって受信した子局側監視制御装置11は、データ処理機能11bにおいて、通信状態監視機能11fによる伝送回線21の監視結果に基づいて把握した伝送回線21の使用状況に基づいて、要求のあった画像情報の分割サイズを決定し、画像情報記録部11eに保存されている画像情報を決定した分割サイズに分割して、分割した画像情報を単位として、複数回に分けて、データ送受信機能11aにより、伝送回線21を介して、親局側監視制御装置1に送信する。
【0032】
(実施形態の動作の説明)
次に、図1ないし図3に示した本実施形態の監視制御システムに関する動作の一例について、図4のシーケンスチャートおよび図5の説明図を用いて以下に説明する。図4は、図1の親局側監視制御装置1と子局側監視制御装置例えば子局側監視制御装置11との間の伝送回線例えば伝送回線21を介した情報転送の様子の一例を示すシーケンスチャートであり、図5は、図1の親局側監視制御装置1と子局側監視制御装置例えば子局側監視制御装置11との間の伝送回線の空き状態に応じて、画像情報を適宜分割して転送する様子の一例を示す説明図である。
【0033】
図4において、子局側監視制御装置例えば子局側監視制御装置11は、接続されている監視対象機器例えば監視対象機器31,32,…,33と画像入力装置例えば画像入力装置41からの情報を監視情報入力機能11cおよび画像入力機能11dにより受信し、監視情報入力機能11cによって受信した監視対象機器例えば監視対象機器31,32,…,33からの数値情報等の監視情報SI1,SI2,…,SI7は、受信する都度、あるいは、あらかじめ定めた一定時間Tが経過する都度、定期的に、監視情報S1,S2,…,S7として、データ送受信機能11aによって親局側監視制御装置1に伝送し、一方、画像入力機能11dによって受信した画像情報P1,P2,…,P7は、子局側監視制御装置の画像情報記録部例えば子局側監視制御装置11の画像情報記録部11eに保存する。
【0034】
親局側監視制御装置1では、データ処理機能1bによって、子局側監視制御装置例えば子局側監視制御装置11から受信した監視情報S1,S2,S3を参照して、画像情報の取得が必要であると判断した場合は、データ送受信機能1aを用いて、当該子局側監視制御装置例えば子局側監視制御装置11に対して画像情報要求R1を通知する。
【0035】
子局側監視制御装置例えば子局側監視制御装置11では、データ送受信機能11aによって画像情報要求R1を受信すると、データ処理機能11bにおいて、伝送回線例えば伝送回線21の使用状況を取得して、例えば子局側監視制御装置11の画像情報記録部11eに保存されている画像情報のうち要求された画像情報を、取得した該使用状況に応じたサイズに分割し、分割画像情報PD1,PD2,PD3,PD4として、伝送回線21の空き時間を利用して、データ送受信機能11aを用いて、親局側監視制御装置1に伝送する。
【0036】
つまり、子局側監視制御装置例えば子局側監視制御装置11のデータ処理機能11bにおいては、画像情報要求R1を親局側監視制御装置1から受信した場合、伝送回線例えば伝送回線21の回線速度と送信する監視情報のデータ長とに基づいて回線使用率を求める。求めた回線使用率より伝送回線例えば伝送回線21の空き時間を算出し、図5(A)に示すように、算出した空き時間を利用して、要求された画像情報を親局側監視制御装置1に伝送する。
【0037】
算出した伝送回線例えば伝送回線21の空き時間に、要求された画像情報をまとめて伝送することができない場合、図5(B)に示すように、算出した伝送回線例えば伝送回線21の空き時間に伝送することができるサイズに、要求された画像情報を複数の分割画像情報に分割して、伝送回線21の複数の空き時間を利用して、順次、親局側監視制御装置1に伝送する。
【0038】
而して、子局側監視制御装置例えば子局側監視制御装置11は、数値情報等の監視情報の親局側監視制御装置1への伝送に影響を与えることなく、画像情報を親局側監視制御装置1へ送信することが可能となる。
【0039】
(実施形態の効果の説明)
以上に説明したように、本実施形態においては、以下に記載するような効果を奏することができる。
【0040】
第1の効果は、低速回線を使用している監視制御システムであっても、伝送回線を変更することなく、画像情報の伝送が可能となることである。
【0041】
第2の効果は、監視情報などの既存の情報伝送に影響を与えることなく、画像情報の伝送が可能となることである。
【0042】
第3の効果は、監視情報だけでは詳細内容まで確認できなかった事象が、画像情報の伝送により容易に確認することが可能となることである。特に、故障発生時の状況を現場に行くことなく確認することが可能となり、早期対応・対策を実施することが可能となる。
【0043】
なお、前述の実施形態では、監視制御システムを例にとって説明したが、一般の画像情報伝送システムであっても、前述の監視情報を、小容量の一般のテキスト情報と読み替えるだけで、全く同様である。さらに、伝送回線の空き時間を利用して伝送する情報が、画像情報である場合について説明したが、本発明は、画像情報に限るものではなく、例えば、大容量の情報ファイルの伝送についても、全く同様に、本発明の仕組みを適用することが可能である。
【0044】
また、説明を理解し易くするために、親局側監視制御装置、子局側監視制御装置を区別して記載したが、それぞれの監視制御装置が、親局側、子局側の全ての機能を備えて、双方向で監視情報や画像情報を伝送する場合にも、同様に、本発明の仕組みを適用することが可能である。
【0045】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。例えば、本発明の実施態様は、課題を解決するための手段における構成(1)に加えて、次のような構成として表現できる。
(2)前記画像情報のサイズが、前記伝送回線の使用状況から算出された空き時間にまとめて伝送することができないサイズであった場合、当該伝送回線の使用状況に応じて前記画像情報を分割する分割サイズを算出し、算出した前記分割サイズに基づいて前記画像情報を分割して、前記伝送回線の空き時間を利用して、順次、伝送する上記(1)の監視制御システム。
(3)前記伝送回線の空き時間は、前記伝送回線の回線速度と前記監視情報のデータサイズとに基づいて算出される上記(1)または(2)の監視制御システム。
(4)画像情報をテキスト情報と同一の伝送回線を介して伝送する画像情報伝送システムであって、前記伝送回線を介して前記画像情報を伝送する際に、前記テキスト情報の当該伝送回線の使用状況から算出される当該伝送回線の空き時間を利用して、前記画像情報を伝送する画像情報伝送システム。
(5)前記画像情報のサイズが、前記伝送回線の使用状況から算出された空き時間にまとめて伝送することができないサイズであった場合、当該伝送回線の使用状況に応じて前記画像情報を分割する分割サイズを算出し、算出した前記分割サイズに基づいて前記画像情報を分割して、前記伝送回線の空き時間を利用して、順次、伝送する上記(4)の画像情報伝送システム。
(6)前記伝送回線の空き時間は、前記伝送回線の回線速度と前記監視情報のデータサイズとに基づいて算出される上記(4)または(5)の画像情報伝送システム。
(7)画像情報をテキスト情報と同一の伝送回線を介して伝送する画像情報伝送方法であって、前記伝送回線を介して前記画像情報を伝送する際に、前記テキスト情報の当該伝送回線の使用状況から算出される当該伝送回線の空き時間を利用して、前記画像情報を伝送する画像情報伝送方法。
(8)前記画像情報のサイズが、前記伝送回線の使用状況から算出された空き時間にまとめて伝送することができないサイズであった場合、当該伝送回線の使用状況に応じて前記画像情報を分割する分割サイズを算出し、算出した前記分割サイズに基づいて前記画像情報を分割して、前記伝送回線の空き時間を利用して、順次、伝送する上記(7)の画像情報伝送方法。
(9)前記伝送回線の空き時間は、前記伝送回線の回線速度と前記監視情報のデータサイズとに基づいて算出される上記(7)または(8)の画像情報伝送方法。
【符号の説明】
【0046】
1 親局側監視制御装置
1a データ送受信機能
1b データ処理機能
1c 画像情報処理機能
11,12,13 子局側監視制御装置
11a,12a,13a データ送受信機能
11b,12b,13b データ処理機能
11c,12c,13c 監視情報入力機能
11d,12d,13d 画像入力機能
11e,12e,13e 画像情報記録部
11f,12f,13f 通信状態監視機能
21,22,23 伝送回線
31,32,33 監視対象機器
34,35 監視対象機器
36,37 監視対象機器
41,42,43 画像入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象の監視対象機器からの監視情報および画像入力装置からの画像情報を同一の伝送回線を介して取得して前記監視対象機器の制御を行う監視制御システムであって、前記伝送回線を介して前記画像情報を伝送する際に、前記監視情報の当該伝送回線の使用状況から算出される当該伝送回線の空き時間を利用して、前記画像情報を伝送することを特徴とする監視制御システム。
【請求項2】
前記画像情報のサイズが、前記伝送回線の使用状況から算出された空き時間にまとめて伝送することができないサイズであった場合、当該伝送回線の使用状況に応じて前記画像情報を分割する分割サイズを算出し、算出した前記分割サイズに基づいて前記画像情報を分割して、前記伝送回線の空き時間を利用して、順次、伝送することを特徴とする請求項1に記載の監視制御システム。
【請求項3】
前記伝送回線の空き時間は、前記伝送回線の回線速度と前記監視情報のデータサイズとに基づいて算出されることを特徴とする請求項1または2に記載の監視制御システム。
【請求項4】
画像情報をテキスト情報と同一の伝送回線を介して伝送する画像情報伝送システムであって、前記伝送回線を介して前記画像情報を伝送する際に、前記テキスト情報の当該伝送回線の使用状況から算出される当該伝送回線の空き時間を利用して、前記画像情報を伝送することを特徴とする画像情報伝送システム。
【請求項5】
前記画像情報のサイズが、前記伝送回線の使用状況から算出された空き時間にまとめて伝送することができないサイズであった場合、当該伝送回線の使用状況に応じて前記画像情報を分割する分割サイズを算出し、算出した前記分割サイズに基づいて前記画像情報を分割して、前記伝送回線の空き時間を利用して、順次、伝送することを特徴とする請求項4に記載の画像情報伝送システム。
【請求項6】
前記伝送回線の空き時間は、前記伝送回線の回線速度と前記監視情報のデータサイズとに基づいて算出されることを特徴とする請求項4または5に記載の画像情報伝送システム。
【請求項7】
画像情報をテキスト情報と同一の伝送回線を介して伝送する画像情報伝送方法であって、前記伝送回線を介して前記画像情報を伝送する際に、前記テキスト情報の当該伝送回線の使用状況から算出される当該伝送回線の空き時間を利用して、前記画像情報を伝送することを特徴とする画像情報伝送方法。
【請求項8】
前記画像情報のサイズが、前記伝送回線の使用状況から算出された空き時間にまとめて伝送することができないサイズであった場合、当該伝送回線の使用状況に応じて前記画像情報を分割する分割サイズを算出し、算出した前記分割サイズに基づいて前記画像情報を分割して、前記伝送回線の空き時間を利用して、順次、伝送することを特徴とする請求項7に記載の画像情報伝送方法。
【請求項9】
前記伝送回線の空き時間は、前記伝送回線の回線速度と前記監視情報のデータサイズとに基づいて算出されることを特徴とする請求項7または8に記載の画像情報伝送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−187283(P2010−187283A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−31160(P2009−31160)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】