説明

監視装置、画像監視システムおよびプログラム

【課題】 一つのカメラで撮影した監視画像が異なる画質で記録されている複数の画像記録装置から、自動的に適切な画質の監視画像を選択して表示することのできる監視装置を提供する。
【解決手段】 監視装置2の記憶部16には、カメラ5(監視画像を撮影したカメラ5)と画像記録装置3(その監視画像が記録されている画像記録装置3)との関連付けを示す画像記録情報と画質情報が記憶されている。監視装置2は、記憶部16に記憶された画像記録情報と画質情報を参照して、ユーザが指定したカメラ5で撮影された監視画像が記録されている複数の画像記録装置3の中から、ユーザが指定した画質条件を満たす画質で監視画像を記録している画像記録装置3を選択し、選択された画像記録装置3から監視画像を受信して表示部10に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一つのカメラで撮影した監視画像が異なる画質で記録されている複数の画像記録装置と接続されており、画像記録装置から監視画像を受信して表示する機能を備えた監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視物件内の各所に設置された複数のカメラからの監視画像を監視物件内に設置されたレコーダに記録すると共に、その監視画像を監視端末で再生表示させることによって、監視物件内における異常の有無等を監視するシステムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
そして、従来、そのような監視システムにおいて、監視画像をレコーダに記録すると共に、重要な監視画像については遠隔のセンタに設置されたサーバにバックアップしておく技術も提案されている(例えば特許文献2参照)。このような従来のシステムでは、レコーダ又はサーバに記録された監視画像を監視端末にて再生表示させることによって、監視者は物件内の異常の有無等の状況を監視することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−050243号公報
【特許文献2】特開2007−180985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来のシステムのように、一つの監視画像をレコーダとサーバという複数の画像記録装置に保存する構成では、レコーダに記録する監視画像とサーバに記録する監視画像とを異なる画質(画像解像度、フレームレート等)で管理したいというニーズがあった。
【0006】
例えば、レコーダに高画質の監視画像が記録されている場合に、その監視画像の画質を落として監視画像のデータ容量を小さくしてからサーバへ送信することにより、監視画像の送信に要するネットワークトラフィック(特に、監視物件側のネットワークトラフィック)を減少させたいというニーズがあった。この場合、レコーダに記録される監視画像の画質が高く、サーバに記録される監視画像の画質が低い。
【0007】
一方、記憶容量の大きいサーバに高画質のオリジナル画像を保存し、記憶容量の小さいレコーダには画質を落とした低画質画像を保存することにより、レコーダに長期間の監視画像を保存したいというニーズもあった。この場合、レコーダに記録される監視画像の画質が低く、サーバに記録される監視画像の画質が高い。
【0008】
しかしながら、このように、複数の画像記録装置に同一のカメラからの監視画像が異なる画質で保存されている場合に、従来のシステムでは、利用者が画質を考慮して監視画像を再生表示させるのに手間を要していた。例えば、最も画質の良い監視画像を再生させたい場合、利用者は、手動によって最も画質の良い監視画像が保存されている画像記録装置を検索しておく必要があり、その上で、その画像記録装置を指定して再生操作を行う必要があった。
【0009】
そこで、本発明は、一つのカメラ画像(同一箇所を撮像したカメラ画像)が複数の画像記録装置に異なる画質で保存されている場合に、それらのカメラ画像の中から自動的に最適の画質(画像解像度、フレームレート)のカメラ画像を検索して再生することができ、利用者の利便性を向上させることのできる監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の監視装置は、一つのカメラで撮影した監視画像が異なる画質で記録されている複数の画像記録装置と接続されており、前記画像記録装置から前記監視画像を受信して表示する監視装置であって、前記監視画像を表示する表示部と、前記監視画像を撮影したカメラと前記監視画像が記録されている画像記録装置との関連付けを示す画像記録情報と、前記監視画像を撮影したカメラごとに対応付けて前記画像記録装置に記憶している当該監視画像の画質情報を記憶する記憶部と、前記表示部に表示する前記監視画像を撮影したカメラを指定するカメラ指定入力と、前記表示部に前記監視画像を表示するときの画質条件を指定する画質条件指定入力が行われる入力部と、前記記憶部に記憶された前記画像記録情報および前記画質情報を参照して、前記カメラ指定入力により指定されたカメラで撮影された監視画像が記録されている複数の画像記録装置の中から、前記画質条件指定入力により指定された画質条件を満たす画質で前記監視画像を記録している画像記録装置を選択する選択部と、前記選択部により選択された画像記録装置から前記監視画像を受信して前記表示部に表示する処理を行う表示処理部と、を備えている。
【0011】
これにより、一つのカメラで撮影した監視画像が異なる画質で記録されている複数の画像記録装置から、監視画像を受信して表示するときに、カメラ指定入力により指定されたカメラで撮影された監視画像が記録されている複数の画像記録装置の中から、画質条件指定入力により指定された画質条件を満たす画質で監視画像を記録している画像記録装置が自動的に選択され、その画像記録装置から監視画像を受信して、その監視画像が表示部に表示される。このようにして、一つのカメラで撮影した監視画像が異なる画質で記録されている複数の画像記録装置から、自動的に適切な画質の監視画像が選択されて表示されるので、利用者の利便性が向上する。
【0012】
また、本発明の監視装置では、前記画質条件として、前記一つのカメラで撮影した異なる画質の監視画像のうち、最も高い画質の監視画像を表示することが指定されてもよい。
【0013】
これにより、一つのカメラで撮影した異なる画質の監視画像のうち、最も高い画質の監視画像が、自動的に選択されて表示される。これにより、利用者は、同じカメラで撮影した複数の監視画像(異なる画質の監視画像)を一々確認することなく、最良画質の監視画像の再生(表示)を容易に行うことができる。
【0014】
また、本発明の監視装置では、前記画質条件として、前記一つのカメラで撮影した異なる画質の監視画像のうち、最も低い画質の監視画像を表示することが指定されてもよい。
【0015】
これにより、一つのカメラで撮影した異なる画質の監視画像のうち、最も低い画質の監視画像が、自動的に選択されて表示される。これにより、利用者は、データ容量を小さくした監視画像を自動的に再生することができ、再生速度を重視した再生(表示)を容易に行うことができる。
【0016】
また、本発明の監視装置では、前記画質条件として、前記一つのカメラで撮影した異なる画質の監視画像のうち、前記表示部の表示解像度に最も近い画像解像度に相当する画質の監視画像を表示することが指定されてもよい。
【0017】
これにより、一つのカメラで撮影した異なる画質の監視画像のうち、表示解像度に最も近い画像解像度の監視画像が、自動的に選択されて表示される。これにより、監視画像が表示されるときの表示解像度に適した再生(表示)を容易に行うことができる。
【0018】
本発明の画像監視システムは、一つのカメラで撮影した監視画像が異なる画質で記録されている複数の画像記録装置から前記監視画像を受信して表示する画像監視システムであって、前記監視画像を表示する表示手段と、前記監視画像を撮影したカメラと前記監視画像が記録されている画像記録装置との関連付けを示す画像記録情報を記憶する第一の記憶手段と、前記監視画像を撮影したカメラごとに対応づけて前記画像記録装置に記憶している当該監視画像の画質情報を記憶する第二の記憶手段と、前記表示手段に表示する前記監視画像を撮影したカメラを指定するカメラ指定入力と、前記表示手段に前記監視画像を表示するときの画質条件を指定する画質条件指定入力が行われる入力手段と、前記第一の記憶手段に記憶された前記画像記録情報と前記第二の記憶手段に記憶された前記画質情報を参照して、前記カメラ指定入力により指定されたカメラで撮影された監視画像が記録されている複数の画像記録装置の中から、前記画質条件指定入力により指定された画質条件を満たす画質で前記監視画像を記録している画像記録装置を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された画像記録装置から前記監視画像を受信して前記表示手段に表示する処理を行う表示処理手段と、を備えている。
【0019】
このシステムによっても、上記と同様に、一つのカメラで撮影した監視画像が異なる画質で記録されている複数の画像記録装置から、自動的に適切な画質の監視画像が選択されて表示されるので、利用者の利便性が向上する。
【0020】
本発明のプログラムは、一つのカメラで撮影した監視画像が異なる画質で記録されている複数の画像記録装置から前記監視画像を受信して表示するためのプログラムであって、記憶部には、前記監視画像を撮影したカメラと前記監視画像が記録されている画像記録装置との関連付けを示す画像記録情報と、前記監視画像を撮影したカメラごとに対応付けて前記画像記録装置に記憶している当該監視画像の画質情報が記憶されており、前記プログラムは、コンピュータに、表示部に表示する前記監視画像を撮影したカメラを指定するカメラ指定入力と、前記表示部に前記監視画像を表示するときの画質条件を指定する画質条件指定入力を受け付ける処理と、前記記憶部に記憶された前記画像記録情報および前記画質情報を参照して、前記カメラ指定入力により指定されたカメラで撮影された監視画像が記録されている複数の画像記録装置の中から、前記画質条件指定入力により指定された画質条件を満たす画質で前記監視画像を記録している画像記録装置を選択する処理と、前記選択部により選択された画像記録装置から前記監視画像を受信して前記表示部に表示する処理と、を実行させる。
【0021】
このプログラムによっても、上記と同様に、一つのカメラで撮影した監視画像が異なる画質で記録されている複数の画像記録装置から、自動的に適切な画質の監視画像が選択されて表示されるので、利用者の利便性が向上する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、一つのカメラ画像が複数の画像記録装置に異なる画質で保存されている場合に、それらのカメラ画像の中から自動的に最適の画質のカメラ画像を検索して再生することができ、利用者の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態における画像監視システムの一つの例を示す図
【図2】本発明の実施の形態における画像監視システムの他の例を示す図
【図3】本発明の実施の形態における監視装置の構成を説明するための機能ブロック図
【図4】本発明の実施の形態における画像記録情報の説明図
【図5】本発明の実施の形態における表示カメラ情報の説明図
【図6】本発明の実施の形態における画質条件情報の説明図
【図7】本発明の実施の形態における画像記録装置の構成を説明するための機能ブロック図
【図8】本発明の実施の形態における画質情報の説明図
【図9】本発明の実施の形態における監視装置の動作を説明するためのフロー図
【図10】本発明の実施の形態における記録装置の選択処理の流れを説明するためのフロー図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態の監視装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、画像監視システムに用いられる監視装置の場合を例示する。この監視装置は、一つのカメラで撮影した監視画像が異なる画質で記録されている複数の画像記録装置と接続されており、画像記録装置から監視画像を受信して表示する機能を備えている。この機能は、監視装置のHDDやメモリなどに格納されるプログラムによって実現される。
【0025】
(画像監視システム)
まず、本発明の実施の形態の画像監視システムの構成を、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の画像監視システムの一例を示す図である。図1に示すように、画像監視システム1は、監視装置2と画像記録装置3とで構成されている。監視装置2は、監視センターなどに設置される表示端末4(コンピュータ端末)で構成される。画像記録装置3は、監視物件の各所に設置されるカメラ5、監視物件に設置されカメラ5とLANを介して接続されるレコーダ6、あるいは、監視物件のカメラ5やレコーダ6とインターネットを介して接続されるサーバ7で構成される。この場合、カメラ5には、SDカードなどが内蔵されており、監視画像を記録することができるようになっている。
【0026】
なお、図1では、1つの監視物件に1台のレコーダ6が設置された例が示されているが、レコーダ6の台数はこれに限定されるものではなく、1つの監視物件に複数台のレコーダ6が設置されていてもよく、レコーダ6が設置されていなくてもよい。また、図1では、1台のサーバ7が設けられた例が示されているが、サーバ7の台数もこれに限定されるものではなく、複数台のサーバ7が設けられていてもよく、サーバ7が設けられていなくてもよい。
【0027】
図2は、本実施の形態の画像監視システム1の他の例を示す図である。図2に示すように、監視装置2は、監視センターなどに設置される表示端末4(コンピュータ端末)と、コンピュータ端末とインターネットを介して接続される管理サーバ8とで構成されてもよい。
【0028】
(監視装置)
つぎに、本実施の形態の監視装置2の構成について、図面を参照して説明する。図3は、本実施の形態の監視装置2の機能ブロック図である。図3に示すように、監視装置2は、ユーザからの入力が行われる入力部9と、カメラ5で撮影された監視画像を表示する表示部10と、インターネットなどのネットワークを介して画像記録装置3と通信する通信部11を備えている。入力部9は、例えば、キーボードやマウスなどで構成されており、表示部10は、例えば、液晶モニタなどで構成されている。
【0029】
また、監視装置2は、画質照会部12と画像記録装置選択部13と表示処理部14を備える制御部15と、画像記録情報と表示カメラ情報と画質条件情報が記憶される記憶部16を備えている。制御部15は、例えば、CPUやマイコンなどで構成されており、記憶部16は、例えば、大容量のメモリやHDDなどで構成されている。
【0030】
ここで、記憶部16に記憶される情報(画像記録情報と表示カメラ情報と画質条件情報)について、図面を参照しながら詳しく説明しておく。
【0031】
図4は、画像記録情報の説明図である。図4に示すように、画像記録情報は、カメラ5で撮影した監視画像が、どの画像記録装置3に記録されているかの対応を表した情報である。画像記録情報は、監視画像を撮影したカメラ5の識別子(カメラID)と、その監視画像が記録されている画像記録装置3の識別子(画像記録装置ID)との関連付けを示すテーブルとして記憶されている。例えば、図4の画像記録情報では、1つのカメラ5(カメラIDがC001のカメラ5)で撮影した監視画像が、3つの画像記録装置3(画像記録装置IDがC001のカメラ5と、画像記録装置IDがR001のレコーダ6と、画像記録装置IDがS001のサーバ7)に記録されていることが示されている。
【0032】
なお、ここでは特に図示していないが、画像記録情報には、監視画像の記録時刻の情報が含まれていてもよい。画像記録情報は、監視装置2の初期設定時などに、ユーザが入力部9から手動で設定(指定)してもよい。また、画像記録情報は、画像記録装置3へ問い合わせをすることにより、監視装置2で自動的に設定されてもよい。
【0033】
図5は、表示カメラ情報の説明図である。図5に示すように、表示カメラ情報は、表示部10に監視画像を表示するときの表示位置と、その監視画像を撮影したカメラ5の識別子(カメラID)を示した情報である。図5の例は、1つの画面に4つの監視画像を表示するときの表示カメラ情報である。この図5の表示カメラ情報では、表示位置1(例えば、左上)に、カメラIDがC001のカメラ5で撮影した監視画像が表示され、表示位置2(例えば、右上)に、カメラIDがC002のカメラ5で撮影した監視画像が表示され、表示位置3(例えば、左下)に、カメラIDがC003のカメラ5で撮影した監視画像が表示され、表示位置4(例えば、右下)に、カメラIDがC004のカメラ5で撮影した監視画像が表示されることが示されている。
【0034】
なお、1つの画面に表示される監視画像の数は4つに限られず、任意の数の監視画像が表示されてよい。表示カメラ情報は、ユーザが監視画像を表示部10に表示させるときに、ユーザが入力部9を用いて手動で設定(指定)する。ここでは、表示部10に表示する監視画像を撮影したカメラ5を指定するユーザ入力を、カメラ指定入力ともいう。
【0035】
図6は、画質条件情報の説明図である。図6に示すように、画質条件情報は、表示部10に表示させる監視画像の画質(フレームレートおよび解像度)についての条件を定める情報である。例えば、図6の画質条件情報では、「条件1」が「高画質(最も高い画質を優先)」であり、具体的には「解像度:1280×720、フレームレート:24fps」という条件が定められており、「条件2」が「低画質(最も低い画質を優先)」であり、具体的には「解像度:640×480、フレームレート:10fps」という条件が定められていることが示されている。
【0036】
なお、画質条件情報には、現在その条件が選択されていることを示す選択フラグが付されていてもよい。図6の選択フラグの例では、「条件1」が選択中であることが示されている。この画質条件情報は、監視装置2の初期設定時などに、ユーザが入力部9から手動で設定(指定)する。ここでは、表示部10に監視画像を表示するときの画質条件を指定するユーザ入力を、画質条件指定入力ともいう。なお、画質条件情報の条件の数は2つに限られず、任意の数の条件が設定されてよい。
【0037】
画質照会部12は、画像記録情報を参照して、表示カメラ情報に該当する監視画像が保存されている画像記録装置3を検索し、検索で見つかった画像記録装置3に画質情報(後述する)の問い合わせを行う。画像記録装置3からの応答(問い合わせに対する応答)に基づいて、画像記録装置選択部13は、複数の画像記録装置3の中から、画質条件情報に合致する監視画像を記録している画像記録装置3を選択する。ここでは、画質照会部12と画像記録装置選択部13が、本発明の選択部に相当する。そして、表示処理部14は、選択された画像記録装置3から監視画像を受信して表示部10に表示する処理を行う。
【0038】
なお、監視装置2が、表示端末4と管理サーバ8で構成されている場合(図2参照)、画像記録情報や画質条件情報は、管理サーバ8に保持させてもよい。
【0039】
管理サーバ8に、画像記録情報と画質条件情報を保持させた場合、ユーザが表示させたい監視画像を撮影したカメラ5を指定すると、表示端末4は、管理サーバ8へ問い合わせを行う。管理サーバ8は、そのカメラ5(ユーザにより指定されたカメラ5)で撮影した監視画像が記録されている画像記録装置3の中から、画質条件情報に合致する監視画像を記録している画像記録装置3を検索し、検索結果(画像記録装置ID)を表示端末4へ返信する。表示端末4は、この画像記録装置IDの画像記録装置3へ監視画像の送信要求を送り、その画像記録装置3から監視画像を受信して表示部10に表示する。なお、画質条件情報は、管理サーバ8に、予め設定されていてもよく、また、表示端末4から管理サーバ8への問い合わせの中に含められ、問い合わせが行われたときに設定されてもよい。
【0040】
管理サーバ8に、画像記録情報のみを保持させた場合、ユーザが表示させたい監視画像を撮影したカメラ5を指定すると、表示端末4は、管理サーバ8へ問い合わせを行う。管理サーバ8は、そのカメラ5(ユーザにより指定されたカメラ5)で撮影した監視画像が記録されている画像記録装置3を検索し、その検索結果(画像記録装置IDのリスト)を表示端末4へ返信する。表示端末4は、この画像記録装置IDのリストの中から、画質条件情報に合致する監視画像を記録している画像記録装置3を検索し、その画像記録装置3へ監視画像の送信要求を送り、その画像記録装置3から監視画像を受信して表示部10に表示する。
【0041】
(画像記録装置)
つづいて、本実施の形態の画像記録装置3の構成について、図面を参照しながら説明する。図7は、本実施の形態の画像記録装置3の機能ブロック図である。図7に示すように、画像記録装置3は、監視画像が入力される入力部17と、ネットワークを介して監視装置2と通信する通信部18を備えている。なお、入力部17と通信部18は、共通のインターフェースで構成されていてもよい。
【0042】
また、画像記録装置3は、CPUやマイコンで構成される制御部19と、大容量のSDカードやメモリやHDDなどで構成される記憶部20を備えている。記憶部20には、カメラ5で撮影された監視画像(入力部17から入力された監視画像)の画像情報(画像データ)と、その監視画像の画質情報が記憶されている。なお、画像記録装置3の記憶部20は、必ずしも画像記録装置3に内蔵されていなくてもよく、例えば、画像記録装置3の本体と別の場所に設けられ、ネットワークを介して画像記録装置3の本体と接続されているものでもよい。
【0043】
ここで、図面を参照して、画質情報について詳しく説明する。図8は、画質情報の説明図である。図8に示すように、画質情報は、その画像記録装置3に記録される監視画像の画質(フレームレートと解像度)が、カメラ5ごと(カメラIDごと)に対応づけて記録された情報である。画質情報は、その監視画像を撮影したカメラ5の識別子(カメラID)と、その監視画像の画質(フレームレートと解像度)との関連付けを示すテーブルとして記憶されている。例えば、図8の画質情報では、この画像記録装置3に、カメラIDがC001のカメラ5で撮影した監視画像が、1280×720の解像度、24fpsのフレームレートで記録されており、また、カメラIDがC002のカメラ5で撮影した監視画像が、640×480の解像度、10fpsのフレームレートで記録されていることが示されている。
【0044】
画質情報は、その監視画像が画像記録装置3に記録されるときに設定されてもよい。また、画質が予め定められている場合などには、画質情報は、予め設定されていてもよい。なお、画質情報は、監視画像ごとの画質を示す情報であってもよい。その場合、画質情報は、その監視画像の識別子(監視画像のファイル名)と、その監視画像を撮影したカメラ5の識別子(カメラID)と、その監視画像の画質(フレームレートと解像度)との関連付けを示すテーブルとして記憶される。
【0045】
以上のように構成された監視装置2について、図9および図10のフロー図を参照してその動作を説明する。
【0046】
ここでは、まず、図9を参照して、監視装置2の動作のメインフローについて説明する。図9に示すように、本実施の形態の監視装置2を用いて監視画像の表示を行う場合には、監視装置2を起動させた後に、まず監視装置2で初期設定を行う(S1)。この初期設定では、例えば、画質条件情報や画像記録情報の設定が行われる。この設定は、ユーザ(利用者または管理者)が入力部9から手動で行ってもよく、画像記録装置3への問い合わせにより自動で設定されてもよい。
【0047】
つぎに、ユーザ(利用者)は、監視装置2の入力部9を用いて表示カメラ情報の入力を行う(S2)。表示カメラ情報の入力では、ユーザは複数のカメラ5を選択することができる。複数のカメラ5が選択された場合には、ユーザによって選択されたカメラ数に応じて、監視画像が分割表示されるときの各監視画像の表示解像度が決定される。例えば、1つの監視画像を表示(1画面表示)するときの表示解像度が「1280×720」である場合、4つの監視画像を表示(4分割表示)するときの各監視画像の表示解像度は「640×360」になる。
【0048】
その後、監視装置2では、画像記録装置3の選択処理が実行される(S3)。画像記録装置3の選択処理では、画像記録情報を参照して、ユーザにより指定されたカメラ5で撮影された監視画像が記録されている画像記録装置3の中から、ユーザにより指定された画質条件を満たす画質で監視画像を記録している画像記録装置3が選択される。なお、画像記録装置3の選択処理については、図10を参照しながら後で詳しく説明する。そして、監視装置2は、選択された画像記録装置3に対して、監視画像の送信要求を送信し(S4)、その画像記録装置3から受信した監視画像を表示部10に表示する(S5)。
【0049】
つぎに、図10を参照して、画像記録装置3の選択処理について詳しく説明する。図10に示すように、画像記録装置3の選択処理では、まず、画像記録情報を参照して、ユーザにより指定されたカメラ5で撮影された監視画像が記録されている画像記録装置3を検索する(S10)。例えば、図4のような画像記録情報が記憶されている場合に、ユーザにより「C001」のカメラ5が指定されたときには、画像記録装置IDが「C001」のカメラ5と、画像記録装置IDが「R001」のレコーダ6と、画像記録装置IDが「S001」のサーバ7が見つけられる。
【0050】
つづいて、監視装置2は、検索で見つけられた画像記録装置3に画質の問い合わせを行って(S11)、画像記録装置3から画質情報を受信する(S12)。例えば、画像記録装置IDが「C001」のカメラ5と、画像記録装置IDが「R001」のレコーダ6と、画像記録装置IDが「S001」のサーバ7に画質の問い合わせを行って、それぞれから画質情報を受信する。
【0051】
なお、画質情報は、監視装置2に保持させてもよい。その場合には、監視装置2は、検索で見つけられた画像記録装置3(例えば、画像記録装置IDが「C001」のカメラ5と、画像記録装置IDが「R001」のレコーダ6と、画像記録装置IDが「S001」のサーバ7)について、自ら保持している(監視装置2の記憶部16に記憶している)画質情報を参照すればよい。
【0052】
その後、監視装置2は、検索で見つけられた画像記録装置3の画質条件を参照して、ユーザにより指定された画質条件を満たす画質で監視画像を記録している画像記録装置3を選び出す。例えば、ユーザにより指定された画質条件が画質優先(高画質)である場合には(S13)、検索で見つけられた画像記録装置3の中で最も高い画質で監視画像を記録している画像記録装置3を選択する(S14)。また、ユーザにより指定された画質条件が速度優先(低画質)である場合には(S15)、検索で見つけられた画像記録装置3の中で最も低い画質で監視画像を記録している画像記録装置3を選択する(S16)。また、ユーザにより指定された画質条件が画質優先(高画質)でも速度優先(低画質)でもない場合、表示解像度に最も近い画質で監視画像を記録している画像記録装置3を選択する(S17)。
【0053】
このような本実施の形態の画像監視システム1によれば、一つのカメラ画像が複数の画像記録装置3に異なる画質で保存されている場合に、それらのカメラ画像の中から自動的に最適の画質のカメラ画像を検索して再生することができ、利用者の利便性を向上させることができる。
【0054】
すなわち、本実施の形態では、一つのカメラ5で撮影した監視画像が異なる画質で記録されている複数の画像記録装置3から、監視画像を受信して表示するときに、カメラ指定入力により指定されたカメラ5で撮影された監視画像が記録されている複数の画像記録装置3の中から、画質条件指定入力により指定された画質条件を満たす画質で監視画像を記録している画像記録装置3が自動的に選択され、その画像記録装置3から監視画像を受信して、その監視画像が表示部10に表示される。このようにして、一つのカメラ5で撮影した監視画像が異なる画質で記録されている複数の画像記録装置3から、自動的に適切な画質の監視画像が選択されて表示されるので、利用者の利便性が向上する。
【0055】
例えば、一つのカメラ5で撮影した異なる画質の監視画像のうち、最も高い画質の監視画像が、自動的に選択されて表示される。これにより、利用者は、同じカメラ5で撮影した複数の監視画像(異なる画質の監視画像)を一々確認することなく、最良画質の監視画像の再生(表示)を容易に行うことができる。
【0056】
または、一つのカメラ5で撮影した異なる画質の監視画像のうち、最も低い画質の監視画像が、自動的に選択されて表示される。これにより、利用者は、データ容量を小さくした監視画像を自動的に再生することができ、再生速度を重視した再生(表示)を容易に行うことができる。
【0057】
または、一つのカメラ5で撮影した異なる画質の監視画像のうち、表示解像度に最も近い画像解像度の監視画像が、自動的に選択されて表示される。これにより、監視画像が表示されるときの表示解像度に適した再生(表示)を容易に行うことができる。
【0058】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
以上のように、本発明にかかる監視装置は、一つのカメラ画像が複数の画像記録装置に異なる画質で保存されている場合に、それらのカメラ画像の中から自動的に最適の画質のカメラ画像を検索して再生することができ、利用者の利便性を向上させることができるという効果を有し、画像監視システム等に用いられ、有用である。
【符号の説明】
【0060】
1 画像監視システム
2 監視装置
3 画像記録装置
4 表示端末
5 カメラ
6 レコーダ
7 サーバ
8 管理サーバ
9 入力部
10 表示部
11 通信部
12 画質照会部
13 画像記録装置選択部
14 表示処理部
15 制御部
16 記憶部
17 入力部
18 通信部
19 制御部
20 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つのカメラで撮影した監視画像が異なる画質で記録されている複数の画像記録装置と接続されており、前記画像記録装置から前記監視画像を受信して表示する監視装置であって、
前記監視画像を表示する表示部と、
前記監視画像を撮影したカメラと前記監視画像が記録されている画像記録装置との関連付けを示す画像記録情報と、前記監視画像を撮影したカメラごとに対応付けて前記画像記録装置に記憶している当該監視画像の画質情報を記憶する記憶部と、
前記表示部に表示する前記監視画像を撮影したカメラを指定するカメラ指定入力と、前記表示部に前記監視画像を表示するときの画質条件を指定する画質条件指定入力が行われる入力部と、
前記記憶部に記憶された前記画像記録情報および前記画質情報を参照して、前記カメラ指定入力により指定されたカメラで撮影された監視画像が記録されている複数の画像記録装置の中から、前記画質条件指定入力により指定された画質条件を満たす画質で前記監視画像を記録している画像記録装置を選択する選択部と、
前記選択部により選択された画像記録装置から前記監視画像を受信して前記表示部に表示する処理を行う表示処理部と、
を備えることを特徴とする監視装置。
【請求項2】
前記画質条件として、前記一つのカメラで撮影した異なる画質の監視画像のうち、最も高い画質の監視画像を表示することが指定される請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記画質条件として、前記一つのカメラで撮影した異なる画質の監視画像のうち、最も低い画質の監視画像を表示することが指定される請求項1に記載の監視装置。
【請求項4】
前記画質条件として、前記一つのカメラで撮影した異なる画質の監視画像のうち、前記表示部の表示解像度に最も近い画像解像度に相当する画質の監視画像を表示することが指定される請求項1に記載の監視装置。
【請求項5】
一つのカメラで撮影した監視画像が異なる画質で記録されている複数の画像記録装置から前記監視画像を受信して表示する画像監視システムであって、
前記監視画像を表示する表示手段と、
前記監視画像を撮影したカメラと前記監視画像が記録されている画像記録装置との関連付けを示す画像記録情報を記憶する第一の記憶手段と、
前記監視画像を撮影したカメラごとに対応づけて前記画像記録装置に記憶している当該監視画像の画質情報を記憶する第二の記憶手段と、
前記表示手段に表示する前記監視画像を撮影したカメラを指定するカメラ指定入力と、前記表示手段に前記監視画像を表示するときの画質条件を指定する画質条件指定入力が行われる入力手段と、
前記第一の記憶手段に記憶された前記画像記録情報と前記第二の記憶手段に記憶された前記画質情報を参照して、前記カメラ指定入力により指定されたカメラで撮影された監視画像が記録されている複数の画像記録装置の中から、前記画質条件指定入力により指定された画質条件を満たす画質で前記監視画像を記録している画像記録装置を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された画像記録装置から前記監視画像を受信して前記表示手段に表示する処理を行う表示処理手段と、
を備えることを特徴とする画像監視システム。
【請求項6】
一つのカメラで撮影した監視画像が異なる画質で記録されている複数の画像記録装置から前記監視画像を受信して表示するためのプログラムであって、
記憶部には、前記監視画像を撮影したカメラと前記監視画像が記録されている画像記録装置との関連付けを示す画像記録情報と、前記監視画像を撮影したカメラごとに対応付けて前記画像記録装置に記憶している当該監視画像の画質情報が記憶されており、
前記プログラムは、コンピュータに、
表示部に表示する前記監視画像を撮影したカメラを指定するカメラ指定入力と、前記表示部に前記監視画像を表示するときの画質条件を指定する画質条件指定入力を受け付ける処理と、
前記記憶部に記憶された前記画像記録情報および前記画質情報を参照して、前記カメラ指定入力により指定されたカメラで撮影された監視画像が記録されている複数の画像記録装置の中から、前記画質条件指定入力により指定された画質条件を満たす画質で前記監視画像を記録している画像記録装置を選択する処理と、
前記選択部により選択された画像記録装置から前記監視画像を受信して前記表示部に表示する処理と、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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