説明

直流超伝導送電ケーブル及び送電システム

【課題】
敷設作業を容易化し、熱侵入を低減し効率を向上する伝送ケーブルの提供。
【解決手段】
冷媒の流路101、超伝導導体部102、電気絶縁部103を内側に収容する内側パイプ105と、外側パイプ106を備え、内側パイプと前記外側パイプの間に真空断熱部104を有し、さらに、内側パイプと前記外側パイプの間に、内側パイプの外側に摺動自在に当接する内側パイプ支持リングと、前記外側パイプの内側に固定される外側パイプ支持リングと、前記内側パイプ支持リングと前記外側パイプ支持リングに間に配設される支持部材とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超伝導送電ケーブル及び該ケーブルを用いた直流送電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
超伝導伝送ケーブルとして、従来より、各種構成が提案されている。敷設作業の容易化、熱侵入対策等の向上が求められている。なお、超伝導ケーブルに関して、以下の特許文献1、2等が参照される。また、熱電変換素子を備えた電流端子について特許文献3等が参照される。
【0003】
【特許文献1】特開2003−333746号公報
【特許文献2】特開平10−112407号公報
【特許文献3】特開2003−217735号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の主たる目的は、敷設作業を容易化し、熱侵入を低減し、伝送効率を向上するケーブル及び直流送電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記目的を達成するため、概略以下の構成とされる。
【0006】
本発明の1つの側面に係るケーブルは、超伝導導体部を内側に収容する内側パイプ(第1のパイプ)と、外側パイプ(第2のパイプ)を少なくとも備え、前記内側パイプと前記外側パイプの間に真空断熱部を有し、さらに、前記内側パイプと前記外側パイプの間に、前記内側パイプの外側に摺動自在に当接する内側パイプ支持リングと、前記外側パイプの内側に固定される外側パイプ支持リングと、前記内側パイプ支持リングと前記外側パイプ支持リングに間に配設される支持部材と、を備えている。
【0007】
本発明において、前記内側パイプ(第1のパイプ)内には、冷媒の流路、前記超伝導導体部、及び電気絶縁層が設けられている。
【0008】
本発明において、前記支持部材は、一端が前記内側パイプ支持リングに一端が接続され、他端が、前記外側パイプ支持リングに接続されてなる支持棒を備えている。
【0009】
本発明において、支持部材は、内側パイプ支持リングに一端が接続する第1の支持棒と、外側パイプ支持リングに一端が接続する第2の支持棒と、第1、第2の支持棒の他端同士を接続する接続部材を備えている。この接続部材は、第1、第2の支持棒の長手方向の位置を調節自在に固定する。
【0010】
本発明において、内側パイプがベローズを有する構成としてもよい。
【0011】
本発明において、スーパーインシュレータを真空断熱部に備える。
【0012】
本発明において、超伝導導体は、フォーマーにテープ線材が巻きつけられテープ線材部を有し、複数層のテープ線材部からなり層の間に層間絶縁層が設けられている。
【0013】
本発明において、ケーブルの常温端部は、超伝導素線は、真空シールと電気絶縁を行う第1のフィードスルーに接続され、第1のフィードスルーからリードを介して第2のフィードスルーに接続され、前記第2のフィードスルーには熱電変換素子が接続され、低温部への熱侵入を低減し、前記第2のフィードスルーからケーブルにて電源に接続される。
【0014】
本発明において、ケーブル同士の接続部において、一のケーブルの超伝導素線は、真空シールと電気絶縁を行うフィードスルーに接続され、前記フィードスルーからリードを介して、接続先のケーブルのフィードスルーに接続され、接続先のケーブルのフィードスルーには超伝導素線が接続され、リードには、熱電変換素子が接続され低温部への熱侵入を低減する第3のフィードスルーが接続される。
【0015】
本発明の超伝導ケーブル伝送システムにおいて、前記リード部に真空計を含むセンサを備え、センサでの測定結果を監視する監視装置を備えた構成としてもよい。
【0016】
本発明において、前記ケーブル同士の分岐接続部において、一のケーブルの超伝導素線は、真空シールと電気絶縁を行うフィードスルーに接続され、前記フィードスルーからリード部を介して、分岐接続先のケーブルのフィードスルーに接続され、分岐接続先のケーブルのフィードスルーには超伝導素線が接続される構成としてもよい。
【0017】
前記ケーブル接続部において、前記ケーブルの内側パイプを収容する管(ステンレス、鉄の管)にフランジを介して接続する内側パイプを収容し、長さが可変され、真空排気されるダイナミックベローズ管を介してケーブル固定部に接続され、ダイナミックベローズ管内の内側パイプは前記ケーブル固定部内の内側パイプに接続される構成としてもよい。本発明において、前記ケーブル固定部には、前記ケーブル固定部内の内側パイプを支持する支持部材を備えている構成としてもよい。
【0018】
本発明において、ケーブル接続部及び前記管を固定するプラットフォームが、移動自在とされる。前記ダイナミックベローズ管にフランジを備え、前記フランジにおいて、前記ダイナミックベローズ管内の内側パイプを支持する支持部材を備えた構成としてもよい。
【0019】
本発明において、前記ケーブルの常温端部において、前記超伝導素線は、真空シールと電気絶縁を行う第1のフィードスルーに接続され、前記第1のフィードスルーからリードを介して、真空と大気側間の第2のフィードスルーに接続され、1本の前記超伝導素線は前記第2のフィードスルーを介して対応する1つのインバータに接続される。
【0020】
本発明において、前記ケーブルの常温端部において、前記超伝導素線は、真空シールと電気絶縁を行う第1のフィードスルーに接続され、前記第1のフィードスルーからリードを介して、真空と大気側間の第2のフィードスルーに接続され、前記第2のフィードスルーから出力される複数のケーブルを共通接続し、複数のインバータの共通接続された出力に接続される。
【0021】
本発明において、前記ケーブルの常温端部において、前記超伝導素線は、真空シールと電気絶縁を行う第1のフィードスルーに接続され、前記第1のフィードスルーからリード部を介して、真空と大気側間の第2のフィードスルーに接続され、前記超伝導素線は、前記第2のフィードスルーを介して常温側にケーブルが接続され、前記リード部は、冷媒からの低温ガスで冷却されるガス冷却型電流リードよりなる。
【0022】
本発明において、前記リード部を収容し、前記第1のフィードスルーと前記第2のフィードスルーとの間を覆うカバーを備え、前記カバー内には、超伝導素線冷却のための冷媒からの低温ガス流が流される。
【0023】
本発明において、前記ケーブルの常温端部において、前記超伝導素線は、真空シールと電気絶縁を行う第1のフィードスルーに接続され、前記第1のフィードスルーからリードを介して、真空と大気側間の第2のフィードスルーに接続され、前記超伝導素線は、前記第2のフィードスルーを介して常温側にケーブルが接続され、前記第1のフィードスルーを構成する電極棒は中空円筒状とされ、中を低温ガスが流れ、前記電極棒に接続するリードは、中空円筒状とされ、中を低温ガスが流れる構成としてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、敷設作業を容易化し、常温端部、接続部、あるいは分岐部等における熱侵入を低減し、伝送効率を向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明を実施するための実施形態について以下に図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例の断面構造を示す図である。断面構成は、径方向に沿って一番内側に、冷媒の流路101が配設されており、次に、超伝導導体部102、電気絶縁部103、真空断熱部104を備えている。また最外層には、例えばPVC(塩化ビニル)等の防食層107が設けられている。
【0026】
組み立ては、冷媒流路101と超伝導導体102と電気絶縁部103までを一体として、これを、第1のパイプをなす内側のパイプ105に挿入する手法、あるいは、内側パイプ105までを一体化して組み立てる手法が用いられる。
【0027】
第2のパイプをなす外側パイプ106と、第1のパイプをなす内側パイプ105の間は、真空断熱を行う。断熱性能を上げるために、この領域に、「スーパーインシュレーション(super-insulation)」と呼ばれる薄膜のシートにアルミコーティングを行った膜を複数枚挿入する。これによって、輻射による熱侵入を低減する。
【0028】
スーパーインシュレーションによって、真空に接する表面積が増大する。真空度を上げるためには、真空ポンプとコンダクタンスを考慮する必要があり、真空断熱性能との比で真空断熱の厚さが決まる。
【0029】
内側パイプ105は熱収縮する。これは、例えば10kmで30m程度である。その分だけ、外側パイプ106より内側パイプ103は長い必要がある。また、熱収縮を許容する構造が必要になる。
【0030】
外側パイプ106は常温とされるため、通常の表面が平らなストレート配管を利用するとコストも抑えられる。ベローズタイプの配管を利用してもよい。なお、断熱2重管(外側パイプ106、内側パイプ105)は、強磁性材料で構成してもよい。さらに、断熱2重管の外側に、方向性の珪素鋼板等の強磁性材料を配設する構成としてもよい。強磁性材料は、例えば外側パイプ106の外側に巻きつけられる。
【0031】
一方、低温側の内側パイプ105は、熱収縮があるので、ベローズタイプ管を利用することが好ましい。内側パイプ106が、片側による(偏心する)と、断熱性能が悪化する。このため、常に、内側パイプ105は、外側パイプ106の中心に位置する構造とされる。
【0032】
図2には、かかる構造を実現するための内側パイプ支持構造の横断面が示されている。外側パイプ106の内側に嵌合するリング202と内側パイプ105の外側に嵌合するリング201を備え、そのリング間を支持棒203で結ぶ。かかる構造物を、図1の真空断熱部104に配設することによって、内側パイプ105は常に、外側パイプ106の中心に位置する。なお、支持棒203は、2本に限定されず、4本であっても1本でもよい。熱侵入の程度と、支持棒203にかかる力の大きさや方向によって決められる。支持棒203は、ステンレス、FRP, GFRP等のいずれかとされ、常温から低温まで熱伝導率が低く、高い降伏応力の材料が用いられる。
【0033】
図3は、内側パイプ105の支持構造の側面図を示す。この例では、外側パイプ306はストレート管であり、内側パイプ305はベローズ管である。外側パイプ用支持リング302は、外側パイプ306に固定しても良い。これによって、支持が強固になる。内側パイプ支持リング301は内側パイプ305を、図示のように支持する。内側パイプ305は、熱収縮するため、滑ることが出来る構造である必要があり、固定はしない。このため、内側パイプ支持リング301と内側パイプ305の当接領域は、テフロン(登録商標)等の潤滑膜を付けておくことが好ましい。スーパーインシュレーション307は、外側パイプの壁に巻いてある。熱収縮しないので、内側パイプ305側から外側パイプ306を押圧する構成であればよい。内側パイプ305に、巻く場合、支持棒をよけるように、分けて配設される。図3に示した内側パイプ支持構造は、外側パイプ306を接合する場所などに取り付けられる。例えば、パイプの長手方向に沿って、一定間隔で配設してもよい。
【0034】
図3において、支持棒303は、熱侵入の原因になるので、熱抵抗を大きくする。また、支持棒303の取り付けを簡易化するため、好ましくは、図4の構造とされる。
【0035】
図4は、内側パイプ支持構造の支持棒の構成を示す図である。支持棒403A、403Bと2つに分ける。熱伝導が2つの支持棒403A,403Bの表面を通じて行われる。一般に、一体物に比べて、表面を介すると、熱抵抗は著しく増大し熱侵入が低減する。更に、支持棒403A,403Bをリンクする構成として同軸構造403Cを備え、低温側支持棒を支持する構造とし、その構造はボルト等で、上下移動出来る。かかる構成により、支持棒の取り付け作業を容易化している。
【0036】
組み立てについて説明する。図5に示すように、2重パイプ505、506を先に作り、これに、超伝導導体部502を挿入する。この時、内側パイプ505は、内側パイプ支持構造507によって、管中央に配置されている。最初に、2重管部を共同溝等に敷設する。通常のガス管や水道管などの工事と同等である。但し、真空断熱部504に当たる部分にはスーパー・インシュレーション膜を複数枚入れてある。また、2つのパイプ505、506の真空側は反射率を上げるために、メッキや表面研磨等を行ってもよい。
【0037】
内側パイプ支持構造507によって、内側パイプ505は、外側パイプ506から支持されている。
【0038】
次ぎに、内側パイプ505に導体部を巻き、枠から取り出しながら挿入する。摩擦係数
を下げるために、導体部の表面にテフロンテープを巻いたり、テフロンコーティングが施される。また、内側パイプ505の内側にテフロンコーティング処理を行っておいてもよい。
【0039】
図6は、別の組み立て手法を説明する図である。内側パイプ605は、内側パイプ支持構造607によって管中央に配置される。導体部602に内側パイプ605とそれの支持構造物607まで入れて、外側パイプ606に、これを挿入する。スーパーインシュレーションは導体部に巻いてから挿入する。内側パイプ支持構造607はある一定の間隔で入れるため、入れる場所が外側パイプ606の接続部であると、組み立てが容易化する。
【0040】
導体部602が内側パイプ605によって保護されているため、移動時などの損傷には強い。内側パイプ605はステンレス合金を利用するが、外側パイプは鉄を材料として利用してもよい。これによって、ケーブルのインダクタンスが増大するために直流を用いると電力貯蔵能力が向上する。更に、パイプの材料コストが低減できる。また、ケーブルの敷設方向や運転状況によっては、磁気遮蔽の効果がある。
【0041】
次に、内側パイプに挿入する導体部の構成について説明をする。フォーマーと呼ばれる径方向一番内側にある枠にテープ線材をヘリカル状に巻き付けていく。それぞれのテープは全て電気絶縁をする。
【0042】
図7は、フォーマーと線材部の構成を示す図である。図7に示すように、フォーマーに巻きつけられたテープ線材は、多層とされ(図では第1〜第3層が示されている)、層毎に、層間絶縁をする。フォーマーは、フレキシブルにするためにベローズ管を用いる。
【0043】
図8は、交流超伝導送電ケーブルの構成を示している。三相交流用超伝導ケーブルの例であり、フォーマーにベローズが用いている。
【0044】
フォーマー内部に冷媒を通すが、冷媒と、テープ線材がより緊密に接するために、ベローズには、複数の小さい穴をあけたり、線上の切り口をつける。これによって、冷媒が線材に直接接触することができるようにする。そして、冷却効率を上げる。フォーマーにベローズを用いないときの例としては、針金を網膜状にして同様なフォーマーを作ってもよい。表面に渡り板状の板を取り付け、その上に線材を巻くようにしてもよい。このような構造を取ることによって、冷媒が線材に直接接触出来る。また、容易に曲げやすくなるので、ケーブル敷設工事が容易になる。
【0045】
フォーマーの構造によって冷媒を送るための圧力損が決まる。
【0046】
図7に示す例では、それぞれの層の線材のヘリカルピッチをもって巻いている。このような構成の場合、線材には、内側に向かう力と外側に向かう力の2種が発生し、それらのバランスで線材に働く力が決まる。それぞれの線材に流れる電流を、直接制御する方式も取り入れる。電流を流しても磁力が働かないピッチを取ることができる。
【0047】
図7に示したように、線材は、それぞれ電気絶縁を行う。かかる構成と電源構造によって、超伝導特有の偏流現象を避け、電流の変化によって新たに発生する交流損と言われる抵抗発生を抑制できる。
【0048】
次に、ケーブルの常温端部の構造について、図9を参照して説明する。真空断熱を行うため、冷媒があるパイプと、真空を保つパイプの2重管構造であり、常温に取り出す部分は、上記のような構造とされる。超伝導素線は、フィードスルー911に接続される。フィードスルー(「ハーメチックシール」と呼ばれる)は、電気絶縁を行うためにセラミックスが金属製のフランジに複数取り付けられ、そのセラミックス内に電極が配設されている。真空シールと電気絶縁が同時に出来る。フィードスルー911によって、冷媒が流れるパイプと真空断熱との間をつなぎ、次に、大気と真空を分けるフィードスルー912に銅リード913を接続し、常温大気側に電力ケーブル線914を引き出すことが出来る。内側パイプ905は熱収縮で短くなるので、常温で組み立てるときには、図8とは大きく異なる(後述する)。フィードスルー912には、熱電半導体915が取り付けられる。通電によってペルチェ効果が発生し、温度差が実現し、低温部への熱侵入を低減する効果がある。「ペルチェ電流リード」とも呼ばれる。電源回路に接続される。これは送電側であったり、受電側であったりする。
【0049】
更に、冷媒は、同様に、2重管構造で、常温大気に触れることなく。ポンプ側に送るか、ポンプから送り出されるようにしている。2重管構造の接続部にベローズ管を挿入し、ある程度の曲げや、収縮を吸収する構成としてもよい。2重管構造の接続部にベローズ管を挿入する構成は、以下の各種実施例についても適用できる。
【0050】
次に、長距離を伝送する場合には、ケーブルを途中で接続する必要がある。その接続構造について、図10を参照して説明する。
【0051】
ケーブルの接続地点では、 超伝導ケーブルの接続作業を行う必要がある。このため、作業ホールが設けられる。さらに、2つの超伝導素線1002が配設された内側パイプには、それぞれフィードスルーが取り付けられ、作業ホールから簡単に銅リード線などで接続できるような構成とされる。
【0052】
なお、冷却による熱収縮を吸収するために、銅リード1013には、長さ数cmのオーダのマージンが設けられる。フィードスルー1が配設される2つの内側パイプには、距離や位置が互いに変化しないように両端子固定具1016を取り付けてある。
【0053】
銅リード部1013に超伝導素線1002を利用して、この部分の損失を減らしてもよい。更に、接続部に配置される冷却ステーションに電力を供給するため、フィードスルー1から、大気と真空を分けるパイプ側にフィードスルー2を配置し、そこから電力を取り出す。図10では、超伝導素線1002が直流であるため、電位の一方しか示されていない。この場合、熱侵入を低減するために、熱電半導体を利用している。内側パイプは、熱収縮で短くなる。この長さは数十mにもなるときがある。常温で組み立てるときには、後で説明する。
【0054】
冷却ステーションは、超伝導システムの健全性の確認を常時行う必要がある。超伝導状態の監視が行われる。接続部にセンサー等を取り付け、システムを監視するステーションに送る。図11は、システム構成の一例を示す図である。センサーは、電圧タップ、電流計、真空計、磁気センサー、温度計、圧力計、変位計、歪ゲージなどを含む。これらのセンサーからの信号はフィードスルー4を通じて、大気側に取り出されて、測定監視装置1120に伝送される。測定監視装置1120は、計測器、コンピュータを備え、センサー出力を常時観測して、結果を、光ファイバーやインターネット、無線を通じて、不図示の中央制御監視装置に送る。冷却ステーションの機器類の監視信号も、同様に、不図示の中央制御監視装置に送られる。そして、それらの実時間データを基に、冷却ステーションの運転が決められる。例えば温度センサーとして、光ファイバーを通すことにより、ケーブルの各部の温度を長手方向に連続的に測定することができる。
【0055】
送電は、必要に応じて分岐する必要が生じる。図12は、分岐構造の一例を示している。分岐は、冷却ステーションで行うことが、工学的に合理性がある。この例では、3本の超伝導素線の接続を示しているが、3本以上でもあっても同様に適用可能である。更に、超伝導素線の本数が同じでなくてもよい。作業ホールから接続などの作業ができるように設計される。
【0056】
次に、内側パイプの熱収縮の問題について述べる。ステンレス系の材料を用いると熱収縮率は0.3%程度であるため、長さが10kmとすると30mの収縮が生じる。これを冷却ステーションで吸収する必要がある。
【0057】
図13は、本実施例における熱収縮を吸収するための構成の一例を示す図である。冷却ステーションでは、2つのケーブルの接続を、図10に示したように行う。
【0058】
2本のケーブルを、銅リード部を介して接続する部分で利用する内側/外側パイプは、ストレート管を利用し、外部からの圧力や力によって大きく変形しないようにする。そして、2本のケーブルは、フランジ1を介して、力学的に接続され、真空も保持される。内側パイプ1305は、フランジ3を介して、接続部のストレート管に接続される。また、フランジ2を通じて、外部からの力によって、その長さが可変されるダイナミックベローズ管1310が、真空を保つために利用され、真空ポンプ1307にストレート管1306を通じて接続される。そして、これは、最終的には、ケーブルの外側パイプに接続される。
【0059】
ダイナミックベローズ管1310は、フランジ4を通じて建物などに固定されたケーブル固定部1320に接続し、フランジ5を通じて、最終的にはケーブルの外側パイプに接続される。また、この部分には、内側パイプ支持構造を挿入し、内側パイプが中央位置に来るように固定する。但し、内側パイプは熱収縮によって長さが変化するので、内側パイプ支持構造は、ケーブル固定部の外側管に固定するだけである。
【0060】
真空ポンプや接続部を形成するストレート管部は、プラットフォームの上に固定される。プラットフォームは、図の矢印方向に移動自在とされている。真空に保ってから、内側パイプの内部にある導体部を冷却すると、熱収縮が発生し、このプラットフォームごと矢印の方向に移動する。この時、内側パイプは、配管固定部に取り付けた内側パイプ支持構造部に沿って縮む。
【0061】
最終的に、図13の下側に示された位置にプラットフォーム1301が移動し、熱収縮を吸収する。図13に示したが、水平の移動距離は熱収縮に応じた距離であり、内側パイプの熱収縮時の位置も示している。ケーブルの長さが10Kmであれば30mとなるが、両側で熱収縮を吸収するのであれば15mで良い。常温ダイナミックベローズ管部は、内側パイプと接触しないようにするため、その管径は、大とされる。また、同様に、固定部の管径も大とし、更に内側パイプ支持構造物の強度も、他で利用するよりは、強くされる。
【0062】
ダイナミックベローズ管部の内部には、スーパーインシュレーションが配設されるが、それは、前もって短くしておき、最終的な低温での位置で内側パイプを覆う長さとしておく。冷却を行うために、冷媒ポンプと冷凍機に接続する必要があるが、システムをもし移動可能なプラットフォームに乗せないのであれば、フランジ6を通じてダイナミックベローズ管を介して接続することになる。
【0063】
プラットフォームが移動する力は、熱収縮力であるが、過大な応力がパイプにかかることを回避するため、歪みゲージなどを取り付け、温度が低下していく途中の段階では、それらのデータを基に必要に応じて外部からプラットフォームの位置を制御する。
【0064】
また、プラットフォームの移動を制御するために、プラットフォームをレールに乗せても良い。
【0065】
常温ダイナミックベローズ管1310は曲がっているため、管径を大きくしても、内側パイプが触れる可能性がある。そこで、これを避けるために、例えば図14に示すように、常温ダイナミックベローズ管1310の途中に、フランジ7を配設し、フランジ7の内部に、内側パイプ支持構造物を配設するようにしてもよい。フランジの位置を制御すれば、内側パイプがダイナミックベローに触れることを避けるだけでなく、応力の緩和にも有効である。内側パイプ支持構造物は、内側パイプを滑らせることが出来るようになっている。
【0066】
長距離に渡る真空システムにおいて、一度に真空に引くことは、危険を伴うため、これを回避すべく、例えば2本のケーブルを接続する場合には、それぞれ分離して真空試験を行う。この場合、フランジ1の部分で2本のケーブルを分け、フランジ1には閉止フランジをそれぞれ取り付ける。すると、2本のパイプは独立した真空系となり、真空試験を行うことが出来る。
【0067】
冷却試験も、2本のケーブルに閉止フランジをフランジ1の部分に取り付けて、独立に行う。冷却試験を独立に行う場合、プラットフォームが2つに分かれ、独立に動くか、あるいは、連動して動くような構成(機構)としてもよい。
【0068】
電気試験は、図9で示した常温大気側にフィードスルー2を通じて電力を取り出すことができる端子を設け、電気試験をそれぞれ2本のケーブルに対して独立に行う。
【0069】
最後に2本のケーブルを電気的に、真空的に接続し、冷却系を取り付けて試験を行う。
【0070】
次に、電源と超伝導素線との接続構造について説明する。この直流超伝導伝送システムは、超伝導部は直流であるが、発電や電力利用は、交流を想定している。したがって、交流(発電)→直流(送電)→交流(ユーザ)の変換が必要になってくる。このため、インバータ(直流から交流への変換およびその逆も可能)、コンバータ(交流から直流への変換のみ)がシステムで利用される。インバータ/コンバータでは、高電圧・大電流にするには、それぞれのユニットを直並列に接続して、最終的に一つの電極に接合してから、他のシステムと取り合うのであるが、本実施例では、かかる構成はとらない。
【0071】
図15は、1つのインバータ1520は、それぞれの一本の超伝導素線1502に流す電流と同じ電流容量として、互いのインバータ1520は電気絶縁を行い接続を行っている。このような構成にすれば、それぞれの超伝導素線に流れる電流を個別に制御できる。但し、電圧は揃える。もちろん、それぞれの超伝導素線は、互いに電気絶縁がとられている。それぞれの超伝導素線に流す電流を制御する重要である。それは、超伝導状態は電流密度、磁場および温度で決まるため、何らかの問題である素線だけ大きな電流が流れると超伝導状態が破れるからである。それぞれのインバータを独立に超伝導素線に接続すれば、原理的にこの問題は発生しない。また、この様な構成にすれば、どの超伝導素線がどこの回路に接続してあるかが簡単に分かるので、故障時にも対応しやすいし、例えば冷却ステーションへの電力供給線と主送電線の回路を分けることもできる。
【0072】
インバータ/コンバータは送電側と受電側に接続されるので、送電を行う場合、それが個別に接続されているシステムに応じて電力を輸送することができる。この場合、素線間の絶縁電圧がどれだけ取れるかによるので、図7に示すような構成にすると、線材だけの絶縁ではなくて、層間絶縁が高く取れるので、それで利用先を分けても良い。もちろん、全体を一体化して大電力を一カ所に送電しても良い。
【0073】
超伝導素線の偏流に限れば、インバータ/コンバータのシステムを完全に個別に独立させる必要は必ずしもない。その場合の偏流防止策を、図16に示す。
【0074】
図16に示す例では、インバータ1620からの出力は一つになっているが、常温端にあるフィードスルー2から超伝導素線1602までは電気的に絶縁された個別回路になっている。
【0075】
このようにすると、超伝導素線に、常温から接続されたフィードスルー2の素線、熱電半導体1616、リード線1613、フィードスルー1の素線部の電気抵抗が入る。このため、大き偏流が生じない。作業性が向上するので、距離の短い超伝導送電システムや一体運転を行うシステムでは有効である。
【0076】
常温端部では、温度差があり、常伝導の銅リード1613を利用するためジュール発熱があり、熱侵入が発生する。これを避けるために、ペルチェ効果のある熱電半導体1616を接続しているが、それ以外の方法としては、常温部から低温部に流入する熱流束によって冷媒から低温ガスを発生させ、このガスを リード部に導き、そこで リード表面で熱交換すると、常温部からの熱をガスが奪って外に出ていく。これによって、熱侵入を低減することができる。このような構成は、 超伝導コイルの電流リードでは一般的に使われる構造であり、「ガス冷却型電流リード」と呼ばれている。
【0077】
図17は、ガス冷却型電流リードの構成を示している。図17に示す例では、フィードスルー1に小さな穴が設けられ、穴から銅リード1716側に流れ出た低温ガス1718が常温側に流れ、フィードスルー2には、同様に小さな穴が設けられ、そこから、常温大気側に流れ出る。ガスの流れを保証するために、電流リードカバー1717が設けられており、真空断熱部1704と分けている。また、ガスとの熱交換を良くするために、銅リードにフィンを付けたり、ガス流路を狭くしたりするのは、ガス冷却型電流リードの一般的な手法である。
【0078】
ガスの通り道であるが、一つはフィードスルー1を構成する電極極棒の内部に細い穴を設け、更に銅リード、熱電半導体、そして、真空と大気の間にあるフィードスルー2にも同様な穴を設け、該穴からガスを通す。図18は、この構成を示す図である。
【0079】
図18の構成とした場合、図17に示した電流リードカバー1717は不要になる。これは、銅リード等が真空を保つからである。図18には、図示されないが、別の部分からバルブなどを取り付けて冷媒を取り出し、そこに、リードからの熱を導入し、低温ガスを生成する方法も一般的である。冷媒中にヒーターを別途入れて、それに通電して、ガス発生を制御し、熱侵入を低減する方法も一般的な手法である。特に、スラッシュ窒素のように冷媒iceの潜熱を利用するような冷媒を用いるときには、熱侵入によって低温ガスは発生しない。そのような場合には、冷媒を別途導きそこにヒーターを設置してガスを発生するシステムは有用である。
【0080】
半導体素子を低温で利用すると、半導体での損失が極めて低くなる。特に、MOSFETなどでは、常温での利用に比べて、液体窒素温度では損失が10%程度まで低減する。このため、図15、図16に示す例では、インバータ部は常温部に配設されているが、これを低温部に配置してもよい。冷凍機の効率が10%以上になれば、全体で効率を向上させることが出来る。更に、装置を小型化できるメリットがある。インバータの下流側にくるトランスなども低温にすることが出来るので、超伝導トランスの利用も可能になる。機器全体を低温に保持することで、全体の効率向上が可能になる。
【0081】
また、図17、図18に示す例では、冷却ガスが最終的に大気側に出てくるのであるが、それをインバータなどの冷却に利用することができる。このような機器はビルなどでは地下室に設置されることが多いので、このような低温ガスは装置の冷却など利用範囲が多いと思料される。但し、ガスを大気側に流すことが出来ない場合、図9に示したように、ケーブルの一方から冷媒を取り出し、もう一方に流し込む構造を取ればよい。この構造では、ビルなどの地下に設置する場合、そこに冷媒ポンプなどを設置しなくてもよくなる。更に、直流で利用するような場合には、図9に示す構成で常温に取り出したフィードスルー2の電極に直接ケーブルを接続し、機器に接続してもよい。大幅に簡素化される。コンピュータなどが直流を利用しているので、それに合わせて送電するシステムが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施例のケーブルの断面構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施例の内部パイプ支持構造の断面構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施例の内部パイプ支持構造の側面構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施例の内部パイプ支持構造の支持構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施例の組み立て方法1を示す図である。
【図6】本発明の一実施例の組み立て方法2を示す図である。
【図7】フォーマーと線材部構成を示す図である。
【図8】交流超伝導送電ケーブルを示す図である。
【図9】本発明の一実施例の常温端部構成を示す図である。
【図10】本発明の一実施例のケーブル結合部/冷却ステーション部の構成を示す図である。
【図11】本発明の一実施例のケーブル結合部/冷却ステーション部の構成を示す図である。
【図12】本発明の一実施例のケーブル分岐構造と結合部/冷却ステーション部の構成を示す図である。
【図13】本発明の一実施例のケーブルの熱収縮吸収構造/冷却ステーション部の構成を示す図である。
【図14】本発明の一実施例のケーブルの熱収縮吸収構造/冷却ステーション部の構成を示す図である。
【図15】本発明の一実施例のインバータとの構成を示す図である。
【図16】本発明の一実施例のインバータとの構成を示す図である。
【図17】本発明の一実施例のガス冷却型常温端部の構成を示す図である。
【図18】本発明の一実施例のガス冷却型常温端部の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0083】
101 冷媒通過部
102 超伝導導体部
103 電気絶縁部
104 真空断熱部
105 内側パイプ
106 外側パイプ
107 PVC防食層
201 内側パイプ支持リング
202 外側パイプ支持リング
203 支持棒
301 内側パイプ支持リング
302 外側パイプ支持リング
303 支持棒
305 内側パイプ
306 外側パイプ
307 スーパーインシュレーション
403A、403B 支持棒
403C 同軸構造
501 冷媒通過部
502 超伝導導体部
503 電気絶縁部
504 真空断熱部
505 内側パイプ
506 外側パイプ
507 内側パイプ構造
601 冷媒通過部
602 超伝導導体部
603 電気絶縁部
604 真空断熱部
605 内側パイプ
606 外側パイプ
607 内側パイプ支持構造
902 素線
904 真空
905 内側パイプ
906 外側パイプ
911 フィードスルー1
912 フィードスルー2
913 銅リード
914 ケーブル線
915 半導体
1002 素線
1004 真空
1013 銅リード
1015 半導体
1016 両端子間固定具
1120 装置
1301 プラットフォーム
1305 パイプ
1306 ストレート管
1307 ポンプ
1310 ダイナミックベローズ管
1320 固定部
1502 素線
1520 インバータ
1602 素線
1613 銅リード
1616 半導体
1620 インバータ
1704 真空断熱部
1717 リードカバー
1718 ガス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超伝導導体部を内側に収容する第1のパイプと、
前記第1のパイプの外側に配設される第2のパイプと、
を少なくとも備え、
前記第1のパイプと前記第2のパイプとは真空断熱され、
前記第1のパイプと前記第2のパイプとの間に、前記第1のパイプと前記第2のパイプを径方向に支持する支持手段を備えている、ことを特徴とする超伝導送電ケーブル。
【請求項2】
超伝導導体部を内側に収容する第1のパイプと、
前記第1のパイプの外側に配設される第2のパイプと、
を少なくとも備え、
前記第1のパイプと前記第2のパイプとの間に真空断熱部を有し、
さらに、
前記第1のパイプと前記第2のパイプの間に、
前記第1のパイプの外壁に当接する第1のパイプ支持リングと、
前記第2のパイプの内壁側に嵌合される第2のパイプ支持リングと、
前記第1のパイプ支持リングと前記第2のパイプ支持リングとの間に配設される支持部材と、
を備えている、ことを特徴とする超伝導送電ケーブル。
【請求項3】
前記第1のパイプには、冷媒の流路、前記超伝導導体、及び電気絶縁層が設けられている、ことを特徴とする請求項1又は2記載の超伝導送電ケーブル。
【請求項4】
前記第1のパイプ支持リングは、前記第1のパイプの外壁に、前記第1のパイプと相対的に移動自在に当接する、ことを特徴とする請求項2記載の超伝導送電ケーブル。
【請求項5】
前記第1のパイプ支持リングは、前記第1のパイプの外壁に、前記第1のパイプと摺動自在に当接する、ことを特徴とする請求項2記載の超伝導送電ケーブル。
【請求項6】
前記支持部材は、一端が前記第1のパイプ支持リングに接続され、他端が前記第2のパイプ支持リングに接続されてなる支持棒を備えている、ことを特徴とする請求項2記載の超伝導送電ケーブル。
【請求項7】
前記支持部材は、前記第1のパイプ支持リングに一端が接続する第1の支持棒と、
前記第2のパイプ支持リングに一端が接続する第2の支持棒と、
前記第1、第2の支持棒の他端同士を接続する接続部材を備えている、ことを特徴とする請求項2記載の超伝導送電ケーブル。
【請求項8】
前記接続部材は、前記第1、第2の支持棒の他端同士の位置を調整自在に固定し、前記第1、第2の支持棒の長手方向の位置を調節する、ことを特徴とする請求項7記載の超伝導送電ケーブル。
【請求項9】
前記第1のパイプがベローズを有する、ことを特徴とする請求項1又は2記載の超伝導送電ケーブル。
【請求項10】
アルミニウムが被着された複数のシートよりなるインシュレータ部材を前記真空断熱部に備える、ことを特徴とする請求項2記載の超伝導送電ケーブル。
【請求項11】
前記超伝導導体部は、前記テープ線材よりなり、前記テープ線材が巻きつけられるパイプは、メッシュまたは穴があけられている、ことを特徴とする請求項1又は2記載の超伝導送電ケーブル。
【請求項12】
前記超伝導導体部は、フォーマーにテープ線材が巻きつけられテープ線材部を有し、複数層のテープ線材部からなり層の間に層間絶縁層が設けられている、ことを特徴とする請求項1又は2記載の超伝導送電ケーブル。
【請求項13】
請求項1又は2記載の超伝導送電ケーブルの常温端部において、
前記超伝導導体部をなす超伝導素線は、真空シールと電気絶縁を行う第1のフィードスルーに接続され、
前記第1のフィードスルーからリードを介して、真空と大気側間の第2のフィードスルーに接続され、
前記第2のフィードスルーには、熱電変換素子が接続されおり、熱侵入を低減し、
前記第2のフィードスルーからケーブルにて外部の電源に接続される、ことを特徴とする超伝導送電ケーブル。
【請求項14】
請求項1又は2記載の超伝導送電ケーブル同士の接続部において、
一のケーブルの前記超伝導導体部をなす超伝導素線は、真空シールと電気絶縁を行うフィードスルーに接続され、
前記第フィードスルーからリード部を介して、接続先のケーブルのフィードスルーに接続され、
前記接続先のケーブルのフィードスルーには、前記接続先のケーブルの前記超伝導導体部をなす超伝導素線が接続され、前記リード部には、熱電変換素子が接続され、低温部への熱侵入を低減する第3のフィードスルーが接続される、ことを特徴とする超伝導送電ケーブル。
【請求項15】
前記超伝導送電ケーブル同士が固定装置で固定される、ことを特徴とする請求項14記載の超伝導送電ケーブル。
【請求項16】
請求項1又は2記載の超伝導送電ケーブル同士の分岐接続部において、
一のケーブルの前記超伝導導体部をなす超伝導素線は、真空シールと電気絶縁を行うフィードスルーに接続され、
前記第フィードスルーからリード部を介して、分岐接続先のケーブルのフィードスルーに接続され、
前記分岐接続先のケーブルのフィードスルーには、前記分岐接続先のケーブルの前記超伝導導体部をなす超伝導素線が接続される、ことを特徴とする超伝導送電ケーブル。
【請求項17】
請求項14の超伝導送電ケーブルを備え、前記リード部に真空計を含むセンサを備え、センサでの測定結果を監視する監視装置を備えている超伝導ケーブル伝送システム。
【請求項18】
請求項1、又は2、又は14記載の超伝導送電ケーブルの接続部において、
前記ケーブルの第1のパイプを収容する管にフランジを介して接続する第1のパイプを収容し、
長さが可変され、真空排気されるダイナミックベローズ管を介して、ケーブル固定部に接続され、
前記ダイナミックベローズ管内の第1のパイプは前記ケーブル固定部内の第1のパイプに接続される、ことを特徴とする超伝導送電ケーブル。
【請求項19】
前記ケーブル固定部には、前記ケーブル固定部内の第1のパイプを支持する支持部材を備えている、ことを特徴とする請求項18記載の超伝導送電ケーブル。
【請求項20】
前記超伝導送電ケーブル接続部及び前記管を収容するプラットフォームが移動自在とされる、ことを特徴とする請求項18記載の超伝導送電ケーブル。
【請求項21】
前記ダイナミックベローズ管の両端の間にフランジを備え、
前記フランジにおいて、前記ダイナミックベローズ管内の第1のパイプを支持する支持部材を備えている、ことを特徴とする請求項18記載の超伝導送電ケーブル。
【請求項22】
請求項1又は2記載の超伝導送電ケーブルの常温端部において、
前記超伝導導体部をなす超伝導素線は、真空シールと電気絶縁を行う第1のフィードスルーに接続され、
前記第1のフィードスルーからリード部を介して、真空と大気側間の第2のフィードスルーに接続され、
1つの前記超伝導素線は、前記第2のフィードスルーを介して対応する1つのインバータに接続されている、ことを特徴とする超伝導送電ケーブル。
【請求項23】
請求項1又は2記載の超伝導送電ケーブルの常温端部において、
前記超伝導導体部をなす超伝導素線は、真空シールと電気絶縁を行う第1のフィードスルーに接続され、
前記第1のフィードスルーからリード部を介して、真空と大気側間の第2のフィードスルーに接続され、
前記第2のフィードスルーから出力される複数のケーブルを共通接続し、複数のインバータの共通接続された出力に接続されている、ことを特徴とする超伝導送電ケーブル。
【請求項24】
前記リード部に接続され熱侵入を低減する熱電変換素子を備えている、ことを特徴とする請求項22又は23記載の超伝導送電ケーブル。
【請求項25】
請求項1又は2記載の超伝導送電ケーブルの常温端部において、
前記超伝導導体部をなす超伝導素線は、真空シールと電気絶縁を行う第1のフィードスルーに接続され、
前記第1のフィードスルーからリード部を介して、真空と大気側間の第2のフィードスルーに接続され、
前記超伝導素線は、前記第2のフィードスルーを介して常温側にケーブルが接続され、
前記リード部は、冷媒からの低温ガスで冷却されるガス冷却型電流リードよりなる、ことを特徴とする超伝導送電ケーブル。
【請求項26】
前記リード部を収容し、前記第1のフィードスルーと前記第2のフィードスルーとの間を覆うカバーを備え、前記カバー内には、超伝導素線冷却のための冷媒からの低温ガス流が流される、ことを特徴とする請求項1又は2記載の超伝導送電ケーブル。
【請求項27】
請求項1又は2記載の超伝導送電ケーブルの常温端部において、
前記超伝導導体部をなす超伝導素線は、真空シールと電気絶縁を行う第1のフィードスルーに接続され、
前記第1のフィードスルーからリードを介して、真空と大気側間の第2のフィードスルーに接続され、
前記超伝導素線は、前記第2のフィードスルーを介して常温側にケーブルが接続され、
前記第1のフィードスルーを構成する電極棒は中空円筒状とされ、中を低温ガスが流れ、
前記電極棒に接続するリードは、中空円筒状とされ、中を低温ガスが流れる、ことを特徴とする超伝導送電ケーブル。
【請求項28】
前記第1及び第2のパイプの少なくとも1つ又は2つの管が、強磁性材料からなる、ことを特徴とする請求項1又は2記載の超伝導送電ケーブル。
【請求項29】
前記第1及び第2のパイプの断熱2重管の外側に強磁性材料を備えている、ことを特徴とする請求項1又は2記載の超伝導送電ケーブル。
【請求項30】
前記強磁性材料が方向性珪素鋼板を含む、ことを特徴とする請求項29記載の超伝導送電ケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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