説明

直流配電システム

【課題】設置に必要なスペースや導入・維持に要する費用を抑えつつ交流電力から直流電力への変換効率の低下を抑制する。
【解決手段】本実施形態の直流配電システムにおいては、直流機器4から伝達される情報(消費電力の予測結果)に基づき、電力変換ユニットにおける変換効率が最大値に近付くように、制御装置5が補助装置2による直流電力の供給を各別に入/切している。そのため、直流機器4の消費電力が少ないときでも主装置1の変換効率をほぼ最大値に維持することが可能となる。しかも、従来例のように分散電源を設置しなくても、主装置1よりも定格出力電力が低いAC/DCコンバータからなる補助装置2を追加すればよいので、設置に必要なスペースや導入・維持に要する費用を抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅やオフィスビルなどの建物内に直流電力を配電する直流配電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気機器に電力を供給する際には、建物内に先行配線された電力供給線路を介して交流電力を供給している。一方、電気機器において動力や熱を利用する場合を除けば、内部回路に直流電力を供給する場合が多い。この種の電気機器では、電力供給線路から供給される交流電力を電力変換アダプタ(いわゆる、ACアダプタ)で直流電力に変換している。その結果、この種の電気機器を扱うために多くの電力変換アダプタをコンセントに接続することになり、電気機器の周辺が乱雑になりやすいという問題を有している。このような問題を解決するために、先行配線によって直流電力を供給することが考えられている(たとえば、特許文献1参照)。すなわち、電力系統から供給される交流電力を電力変換装置(AC/DCコンバータ)で直流電力に変換して先行配線した電力供給線路を用いて供給すれば、電力変換アダプタが不要になり、電気機器の周辺が乱雑になるのを防止することができる。
【0003】
ところで、一般的な電力変換装置は交流電力を直流電力に変換する際の変換効率が定格出力電力のときに最大となるように構成されている。従って、建物内全体で電気機器が使用する電力量が少ない場合(軽負荷の場合)には電力変換装置を最大効率で動作させることができなかった。
【0004】
ここで、特許文献1に記載されている従来例では、太陽電池や蓄電池などで構成される分散電源を電力変換装置と並列に電力供給線路に接続するとともに、電力変換装置の変換効率が定格出力電力よりも低い値において最大となる特性を持たせている。故に、軽負荷の場合でも変換効率が最大値に近いところで電力変換装置を動作させることができ、しかも、重負荷の場合でも分散電源と分担して給電することで変換効率が最大値に近いところで電力変換装置を動作させることができる。その結果、軽負荷及び重負荷の何れの場合においても電力変換装置の変換効率の低下を抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−153301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されている従来例では分散電源を備えることが必須であり、分散電源を設置するスペースが必要となり、且つ分散電源の導入・維持に多くの費用がかかるという問題が生じる。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、設置に必要なスペースや導入・維持に要する費用を抑えつつ交流電力から直流電力への変換効率の低下を抑制することができる直流配電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、建物内に直流電力を配電する直流配電システムであって、電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換する電力変換ユニットと、当該電力変換ユニットで変換された直流電力を前記建物内に配電する配電設備と、当該配電設備で配電される直流電力により駆動される複数の電気機器と、前記電力変換ユニットを制御する制御装置とを備え、前記電気機器は、自らの動作状態に関する情報を前記制御装置へ伝達する通信機能を有し、前記電力変換ユニットは、交流電力を直流電力に変換する際の変換効率が可変であり、前記制御装置は、前記電気機器から伝達される前記情報に基づき、前記電力変換ユニットにおける変換効率が最大値に近付くように当該電力変換ユニットを制御することを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記電力変換ユニットは、交流電力を直流電力に変換する主装置と、交流電力を直流電力に変換するとともに定格出力電力が前記主装置よりも低い1乃至複数の補助装置とを有し、前記主装置と前記補助装置が互いに並列に接続されてなり、前記制御装置は、前記電気機器から伝達される前記情報に基づき、前記電力変換ユニットにおける変換効率が最大値に近付くように、前記補助装置による直流電力の供給を各別に入/切することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記建物が集合住宅であり、前記電力変換ユニット並びに前記制御装置が当該集合住宅の共用部に設置されるとともに、前記配電設備並びに前記電気機器が前記集合住宅の各住戸に設置されることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記電気機器は、自らの消費電力の変化を予測した予測結果の情報を前記情報として前記制御装置へ伝達することを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項2の発明において、前記電力変換ユニットは、前記主装置の出力端と前記補助装置の出力端の接続を選択的に開閉する開閉部を有し、前記制御装置は当該開閉部を制御することにより前記補助装置による直流電力の供給を各別に入/切することを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れか1項の発明において、前記電力変換ユニットが力率改善回路を搭載してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電気機器から伝達される情報に基づき、電力変換ユニットにおける変換効率が最大値に近付くように、制御装置が電力変換ユニットを制御するので、設置に必要なスペースや導入・維持に要する費用を抑えつつ交流電力から直流電力への変換効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態1を示すシステム構成図である。
【図2】AC/DCコンバータの出力電力と変換効率の特性図である。
【図3】実施形態2を示すシステム構成図である。
【図4】同上の別のシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態1)
本実施形態の直流配電システムは、戸建住宅や集合住宅の住戸、オフィスビルのテナントスペースなどの建物内に直流電力を配電するものであって、図1に示すように電力系統ACから供給される交流電力を直流電力に変換する電力変換ユニットと、電力変換ユニットで変換された直流電力を建物内に配電する配電設備(直流分電盤6)と、直流分電盤6で配電される直流電力により駆動される複数(図示例では3台)の電気機器(以下、「直流機器」と呼ぶ。)4と、電力変換ユニットを制御する制御装置5とを備えている。
【0017】
電力変換ユニットは、交流電力を直流電力に変換する主装置1と、交流電力を直流電力に変換するとともに定格出力電力が主装置1よりも低い複数(図示例では4台)の補助装置2と、主装置1の出力端と4台の補助装置2の出力端の接続を選択的に開閉する開閉部3とを有している。なお、主装置1の出力端には建物内に直流電力を配電するための電力供給線路Lpが接続されている。主装置1並びに補助装置2はダイオードブリッジからなる全波整流回路(図示せず)と、力率改善(PFC)回路たる昇圧チョッパ回路(図示せず)とを有するAC/DCコンバータである。そして、主装置1並びに補助装置2の入力端(全波整流器の交流入力端)が電力系統ACに並列接続されるとともに、補助装置2の出力端(昇圧チョッパ回路の出力端)が開閉部3を介して電力供給線路Lpに対して主装置1と並列に接続されている。なお、力率改善回路(昇圧チョッパ回路)については従来周知であるから詳細な回路構成の図示並びに動作の説明は省略する。
【0018】
開閉部3は主装置1の出力端(電力供給線路Lp)と各補助装置2の出力端との間に各別に挿入された複数(図示例では4つ)の電磁リレー30を有する。すなわち、電磁リレー30がオンしているときにだけ補助装置2の出力端が電力供給線路Lpと接続され、電磁リレー30がオフしているときには補助装置2の出力端が電力供給線路Lpから切り離されることになる。なお、開閉部3の電磁リレー30は制御装置5によってオン・オフ制御される。
【0019】
すなわち、本実施形態においては、制御装置5が開閉部3の電磁リレー30をオン・オフ制御して直流機器4へ直流電力を供給する補助装置2の台数を増減することにより、電力変換ユニットの変換効率、すなわち、主装置1の変換効率と補助装置2の変換効率を組み合わせたトータルの変換効率を可変しているのである。
【0020】
配電設備である直流分電盤6は、図示しない直流ブレーカを介して電力供給線路Lpを分岐している。ただし、図1では分岐された電力供給線路Lpの1系統のみを図示している。そして、電力供給線路Lpを通して各直流機器4に直流電力が供給される。直流機器4は、例えば、エアコンディショナやLED照明器具、電気冷蔵庫などの家電機器などである。また直流機器4は、自らの動作状態に関する情報を制御装置5へ伝達する通信機能を有し、通信用の情報線路Lsによって制御装置5と接続されている。情報線路Lsは、電力供給線路Lpと独立して設けるほか、電力供給線路Lpと兼用してもよい。電力供給線路Lpと情報線路Lsとを兼用する場合には、情報伝送に用いる高周波の搬送波を直流電圧に重畳することにより通信を行う。また、情報線路Lsに代えて無線による通信路を形成することも可能である。以下では、電力供給線路Lpと情報線路Lsとが有線であってそれぞれ別に設けられている場合を想定する。
【0021】
ここで、直流機器4から制御装置5へ伝達される前記情報とは、自らが消費する消費電力の情報である。例えば、エアコンディショナは常に定格出力で運転しているわけではなく、室温と設定温度との差が縮まるに従って出力を減少させるので、出力の減少に伴って消費電力も減少する。あるいは、LED照明器具が調光機能付である場合、調光レベルが低下(光出力が減少)するに従って消費電力が減少する。つまり、直流機器4においては、消費電力を変化させるイベント(例えば、エアコンディショナの設定温度の変更やLED照明器具の調光レベルの変更など)が生じた場合、消費電力の変化の向き(増加または減少)や変化後の消費電力を予測し、予測した結果を前記情報として情報線路Lsを通して制御装置5へ伝達(伝送)する。
【0022】
図示は省略するが、制御装置5はマイクロ・コンピュータやメモリ、情報線路Lsを通して通信するための通信インタフェース、開閉部3の電磁リレー30をオン・オフ制御するための出力インタフェースなどを具備している。メモリには制御用のプログラムが格納されており、マイクロ・コンピュータで当該プログラムを実行することによって、後述する制御装置5の制御機能(制御動作)が実現される。
【0023】
次に、制御装置5の制御機能(制御動作)について説明する。なお、以下の説明では主装置1並びに補助装置2の定格出力電力をそれぞれ1000ワット並びに500ワットと想定している。また、3台の直流機器4は何れも定格出力(定格消費電力)が1400ワットのエアコンディショナであると想定する。
【0024】
例えば、3台の直流機器4が何れも300ワットの消費電力で冷房運転されているとすると、その消費電力の合計は900ワット(=300ワット×3台)であり、主装置1の定格出力電力(1000ワット)未満である。故に、制御装置5は開閉部3の4つの電磁リレー30を全てオフすることで主装置1のみから電力供給線路Lpへ直流電力を供給させる。従来技術でも説明したように、一般的なAC/DCコンバータ(電力変換装置)では、図2に示すように交流電力を直流電力に変換する際の変換効率(縦軸:%)が定格出力電力(図示例では1000ワット)のときに最大値(図示例では、約97%)となる。故に、定格出力電力が1000ワットである主装置1から3台の直流機器4に対して900ワットの直流電力を供給すれば、主装置1の変換効率がほぼ最大値となる。
【0025】
この状況で何れか1台の直流機器4における設定温度が下げられたとする。当該直流機器4では、設定温度の低下に伴う消費電力の変化を予測し、その予測結果、例えば、消費電力が300ワットから800ワットまで500ワット増加するという予測結果を情報線路Lsを通して制御装置5に伝送(伝達)する。
【0026】
制御装置5では直流機器4から新たな情報(前記予測結果)を受け取ると、受け取った予測結果に基づいて3台の直流機器4の消費電力の合計を再計算する。今の場合、消費電力の合計は、300ワット×2台+800ワット=1400ワットとなるから、主装置1の定格出力電力を超えてしまう。そこで制御装置5は、再計算した消費電力の合計値(=1400ワット)と主装置1の定格出力電力との差分(=1400ワット−1000ワット=400ワット)を供給するために必要な補助装置2の台数を求める。この場合、補助装置2の定格出力電力が500ワットであるから、必要な台数は1台となる。
【0027】
そして、制御装置5は開閉部3の4つの電磁リレー30のうちの何れか1つの電磁リレー30をオンする。その結果、4台の補助装置2のうちの1台の補助装置2の出力端が前記電磁リレー30を介して電力供給線路Lpに接続され、主装置1だけでなく当該補助装置2からも3台の直流機器4に直流電力が供給されることになる。このとき、主装置1と補助装置2がそれぞれ3台の直流機器4の消費電力を分担し、例えば、950ワットと450ワットずつ供給したとする。そうすると、主装置1並びに補助装置2の何れの出力も各々の定格出力電力に近付くので、主装置1及び補助装置2の変換効率(電力変換ユニットのトータルの変換効率)がほぼ最大値となる。すなわち、制御装置5は直流機器4の消費電力の合計が主装置1の定格出力電力を超過していれば、超過した分の消費電力を供給するために必要な補助装置2の台数を算出し、開閉部3の電磁リレー30をオンすることで算出した台数と同数の補助装置2から電力供給線路Lpへ直流電力を供給させるのである。
【0028】
而して、主装置1のみで直流電力を供給する場合、3台の直流機器4の消費電力がすべて定格値となることを想定し、定格出力電力が非常に大きいAC/DCコンバータを主装置1に用いなければならない。しかしながら、実際には3台の直流機器4の消費電力がすべて定格値となることは非常に頻度が低く、通常、定格値の半分以下で運転されることが多い。そうすると、AC/DCコンバータも定格出力電力よりかなり少ない電力しか出力せず、変換効率も低下してしまうことになる。
【0029】
しかしながら、本実施形態の直流配電システムにおいては、直流機器4から伝達される情報(消費電力の予測結果)に基づき、電力変換ユニットにおける変換効率が最大値に近付くように、制御装置5が補助装置2による直流電力の供給を各別に入/切している。そのため、直流機器4の消費電力が少ないときでも主装置1の変換効率をほぼ最大値に維持することが可能となる。しかも、従来例のように分散電源を設置しなくても、主装置1よりも定格出力電力が低いAC/DCコンバータからなる補助装置2を追加すればよいので、設置に必要なスペースや導入・維持に要する費用を抑えることができる。
【0030】
なお、本実施形態では直流機器4をエアコンディショナと想定して制御装置5の制御動作を説明したが、エアコンディショナ以外の他の直流機器(例えば、調光機能付のLED照明器具や電気冷蔵庫など)であっても制御装置5の制御動作は共通である。
【0031】
(実施形態2)
本実施形態の直流配電システムは、図3に示すように電力変換ユニット並びに制御装置5が集合住宅の共用部(配電室など)に設置されるとともに、配電設備並びに直流機器4が集合住宅の各住戸H1,H2,…に設置されて構成されている。ただし、本実施形態の基本構成は実施形態1とほぼ共通であるから、共通する構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0032】
電力系統ACから供給される交流電力が交流分電盤7により分岐され、交流用の電力供給線路Lxを通して各住戸Hi(i=1,2,…)に配電される。また、これらの電力供給線路Lxは、各住戸Hiに設置されている交流分電盤(住宅用分電盤)8で分岐され、当該住戸Hi内において、交流電力で駆動される電気機器(以下、交流機器と呼ぶ。)9に交流電力を供給する。
【0033】
電力変換ユニットは、交流分電盤7で分岐された電力供給線路Lxを通して供給される交流電力を直流電力に変換する。電力変換ユニットは、1台の主装置1と、複数台(図示例では8台)の補助装置2と、補助装置2と同数の電磁リレー30を有する開閉部3とを具備している。
【0034】
電力変換ユニットで変換された直流電力が直流分電盤6で複数系統に分岐され、電力供給線路Lpを通して各住戸Hiに配電される。また、各住戸Hiにも直流分電盤60が設置されており、当該直流分電盤60で分岐された電力供給線路Lpを通して、住戸Hi内の直流機器4,4’に直流電力が供給される。なお、符号4’で示した直流機器は、調光機能付のLED照明器具である。
【0035】
各住戸Hiの直流機器4,4’と制御装置5は、直流分電盤60を介して情報線路Lsで接続されている。そして、実施形態1と同様に各直流機器4,4’から制御装置5へ情報(消費電力の予測結果)が伝送(伝達)される。
【0036】
而して、本実施形態においても実施形態1と同様に、各住戸Hiの直流機器4から伝達される情報(消費電力の予測結果)に基づき、電力変換ユニットにおける変換効率が最大値に近付くように、制御装置5が補助装置2による直流電力の供給を各別に入/切する。そのため、直流機器4の消費電力が少ないときでも主装置1の変換効率をほぼ最大値に維持することが可能となる。
【0037】
ところで、集合住宅の全ての住戸Hiの直流機器4,4’に対して、1台の主装置1から直流電力を供給する場合、定格出力電力が数キロワットから十数キロワット程度の非常に大きいAC/DCコンバータを主装置1に用いなければならず、主装置1の導入・維持にかかるコストが高くなってしまう虞がある。
【0038】
そこで、図4に示すように主装置1を各住戸Hi毎に設置すれば、定格出力電力が1キロワット程度のAC/DCコンバータを主装置1に用いることができる。この場合、主装置1は各住戸Hiの交流分電盤8で分岐された交流電力を直流電力に変換し、当該住戸Hiの直流分電盤60を経由して直流機器4,4’に直流電力を供給することになる。
【符号の説明】
【0039】
1 主装置(電力変換ユニット)
2 補助装置(電力変換ユニット)
3 開閉部
4 直流機器(電気機器)
5 制御装置
Lp 電力供給線路
Ls 情報線路
AC 電力系統

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内に直流電力を配電する直流配電システムであって、電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換する電力変換ユニットと、当該電力変換ユニットで変換された直流電力を前記建物内に配電する配電設備と、当該配電設備で配電される直流電力により駆動される複数の電気機器と、前記電力変換ユニットを制御する制御装置とを備え、
前記電気機器は、自らの動作状態に関する情報を前記制御装置へ伝達する通信機能を有し、
前記電力変換ユニットは、交流電力を直流電力に変換する際の変換効率が可変であり、
前記制御装置は、前記電気機器から伝達される前記情報に基づき、前記電力変換ユニットにおける変換効率が最大値に近付くように当該電力変換ユニットを制御することを特徴とする直流配電システム。
【請求項2】
前記電力変換ユニットは、交流電力を直流電力に変換する主装置と、交流電力を直流電力に変換するとともに定格出力電力が前記主装置よりも低い1乃至複数の補助装置とを有し、前記主装置と前記補助装置が互いに並列に接続されてなり、
前記制御装置は、前記電気機器から伝達される前記情報に基づき、前記電力変換ユニットにおける変換効率が最大値に近付くように、前記補助装置による直流電力の供給を各別に入/切することを特徴とする請求項1記載の直流配電システム。
【請求項3】
前記建物が集合住宅であり、前記電力変換ユニット並びに前記制御装置が当該集合住宅の共用部に設置されるとともに、前記配電設備並びに前記電気機器が前記集合住宅の各住戸に設置されることを特徴とする請求項1又は2記載の直流配電システム。
【請求項4】
前記電気機器は、自らの消費電力の変化を予測した予測結果の情報を前記情報として前記制御装置へ伝達することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の直流配電システム。
【請求項5】
前記電力変換ユニットは、前記主装置の出力端と前記補助装置の出力端の接続を選択的に開閉する開閉部を有し、前記制御装置は当該開閉部を制御することにより前記補助装置による直流電力の供給を各別に入/切することを特徴とする請求項2記載の直流配電システム。
【請求項6】
前記電力変換ユニットが力率改善回路を搭載してなることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の直流配電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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