説明

直立ハニカム式綿及びその製造方法

【課題】直立ハニカム式綿及びその製造方法の提供。
【解決手段】高収縮性PET繊維にローメルトPET弾性繊維を混合後、開綿機で開綿し、更に梳綿機で開いてシート状繊維網となし、折綿機で繊維網を折って90度の連続平行直立の繊維綿網となし、更にオーブンで熱風ベークし、高収縮性PET繊維に捲縮を形成させ、ローメルトPET弾性繊維と溶接させて絡ませ収縮させて相互に結合させ、層と層の繊維網繊維を相互に絡ませ収縮させてハニカム状を形成させ、安定した弾性を具備させ、使用の厚み要求により裁断可能とし、既存のスポンジの代わりに使用でき、並びに濾過、断熱、吸音の用途に運用可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は直立ハニカム式綿及びその製造方法に係り、特に、高収縮性PET繊維とホットメルト繊維を混合して、開繊機で混合された二種類の繊維を開き、更に繊維を梳いて網となすシステムで開いた繊維を梳いて網となし、並びに折綿機で繊維網を折って90度近くの直立状態で重畳させ、更に高収縮性繊維を熱収縮させて螺旋型となし、並びに高い巻き取り度を具備した時、溶融したローメルト繊維と絡み合わせて成形し、直立状態で重畳する繊維網層と層の間を繊維の絡み合いによりハニカム状に複合させて、更に加熱して固化成形することで、弾性を具備する直立ハニカム式綿を形成するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、人造の、弾性体を具備する製品は、分子構造を具備するウレタンフォーム等の化学製品のほかは、繊維状構造を有する弾性体は未だなく、環境保護と回収再利用が要求される現代にあって、直立式ハニカム式繊維網はこのような要求に符合する。化学繊維は生産技術を利用し、人々の必要に応じて各種の物性、例えば通気性、吸水性、耐久性、防火、抗菌、防臭を具備するよう製造でき、また、織物自身の変化と要求に応じて、繊維の長さ、捲縮、温度変化、太さ、柔軟性、硬さなどの繊維の特性を利用することができ、また、直立方式で成形したものは、弾性を具備する物性を現出できる。これを鑑み、本発明は繊維を開綿及び梳綿機で梳いた後に形成される平面網状綿を、折綿機で折り畳む方式により、網状綿を直立形式としてオーブンに入れて乾燥させ、その後、更に熱風で収縮させて直立ハニカム式に定型成形し、弾性と高い伸縮回復性を具備した直立ハニカム式綿を形成し、上述の問題を解決する。
【0003】
伝統的な製品、例えばウレタンフォーム及びスポンジは、その製造方法が本発明とは関係なく、一般に熱風綿成形方式は、わずかに繊維を梳綿機で梳いた後に、平面網状綿とし、更に乾燥機で定型成形するが、それは平面綿体にすぎず、弾性機能を提供できない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主要な目的は、一種の直立ハニカム式綿及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明の方法によると、二種類或いは二種類以上の繊維を混合し、そのうちの一種類はローメルトPET弾性繊維であり、もう一種類は自己捲縮(Self Crimp)のPET繊維であり、二種類のPET繊維の融点の違いを組合せ、また、加入する繊維は使用目的により配置し、例えば、天然綿、回収した古着、廃棄紡織材、古い絨毯、再生綿等とし、混合後に、開綿機で全ての繊維をほぐし、更に梳綿機で全ての繊維の混合体を展開して連続する繊維網となし、更に繊維網を折綿機に送り、折り畳み、繊維網を起立させて90度の垂直平行連続折り畳み状態となし、並びに熱風オーブン中に送り、圧力を具備する熱風を吹きつけて乾燥させ、熱で捲縮するPET繊維を捲縮させ、直立のローメルトPET弾性繊維と溶接させて絡み合わせて収縮させ、ハニカム状を具備する直立綿体を形成し、良好な弾性及び伸縮回復性の直立ハニカム状綿を形成し、並びに弾性の要求に応じて、天然綿、回収した古着、廃棄紡織材、古い絨毯、再生綿等の繊維を加え、その弾性を調整する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、直立ハニカム式綿の製造方法において、
(a)二種類以上の繊維を混合し、まず開綿機で開綿処理した後に、梳綿機で梳綿処理して連続する繊維網層を形成するステップ、
(b)上述の連続する繊維網層を折綿機で処理して90度の垂直平行連続折り畳み状態となし、更にオーブン中に送り、圧力を具備する熱風を吹きつけて処理し、二種類以上の繊維を溶接させて固化させハニカム状を具備する直立式弾性綿を形成し、直立ハニカム式綿を得るステップを包含することを特徴とする、直立ハニカム式綿の製造方法としている。
請求項2の発明は、請求項1記載の直立ハニカム式綿の製造方法において、繊維の一種類はローメルトPET弾性繊維であることを特徴とする、直立ハニカム式綿の製造方法としている。
請求項3の発明は、請求項1記載の直立ハニカム式綿の製造方法において、繊維の一種類は自己捲縮のPET繊維であることを特徴とする、直立ハニカム式綿の製造方法としている。
請求項4の発明は、請求項1記載の直立ハニカム式綿の製造方法において、繊維に弾性要求により、天然綿、回収した古着、廃棄紡織材、古い絨毯、再生綿等の繊維を組み合わせることを特徴とする、直立ハニカム式綿の製造方法としている。
請求項5の発明は、請求項2記載の直立ハニカム式綿の製造方法において、ローメルトPET弾性繊維の含有量は繊維全体の30から70重量%であることを特徴とする、直立ハニカム式綿の製造方法としている。
請求項6の発明は、請求項3記載の直立ハニカム式綿の製造方法において、自己捲縮のPET繊維の含有量は繊維全体の30から70重量%であることを特徴とする、直立ハニカム式綿の製造方法としている。
請求項7の発明は、請求項4記載の直立ハニカム式綿の製造方法において、その他の繊維の含有量は繊維全体の5から40重量%であることを特徴とする、直立ハニカム式綿の製造方法としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明により製造された直立ハニカム式綿は、直接既存のウレタンフォームに代わり使用可能で、アパレル、シートクッション、枕、マットレス等関係用途に使用される。また直立ハニカム式綿はその他の材料を被覆する外皮に使用されて断熱及び防音吸音材料として応用可能であり、ゆえに直立ハニカム式綿の運用は極めて大きな産業上の応用価値を具備する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の技術により開発された直立ハニカム式綿の製造方法の技術特徴について、図1を参照されたい。図1の拡大図は本発明において二種類或いは二種類以上の繊維を混合することを示す。そのうちのの一種類はローメルトPET弾性繊維12であり、もう一種類は自己捲縮(Self Crimp)のPET繊維11であり、二種類の基本材料のPET繊維を組み合わせる。このほかに加入する繊維は使用目的により配置し、例えば、天然綿、回収した古着、廃棄紡織材、古い絨毯、再生綿等とし、使用する弾性設定の違いにより、異なる比例の二種類の基本材料を混合する。そのうち、ローメルトPET弾性繊維12は30から70%、もう一種類の自己捲縮(Self Crimp)のPET繊維11は30から70%、その他の繊維体は5から40%とし、全部混合後に、開綿機で全ての繊維をほぐし、さらに梳綿機で全ての繊維の混合体を展開して連続する繊維網10となし、それを均一に分布させ、更に、繊維網10を折綿機に送り、繊維網を切断しては折り畳む動作を行い、繊維網10を起立させて90度の垂直平行連続折り畳み状態となし、これは図1に示されるとおりである。並びに、熱風オーブン中に送り、圧力を具備する熱風を吹きつけて乾燥させ、熱で捲縮するPET繊維を捲縮させる。図2は高い捲縮度のPET繊維11の異なる温度下での状況を示し、温度が高くなるほど、捲縮の程度は高くなり、異なる捲縮程度により製造される直立ハニカム式綿の弾性に異なる変化が生じる。捲縮したPET繊維11と直立のローメルトPET弾性繊維12が溶接され絡み合い収縮し、直立ハニカム式綿体を形成し、弾性体の直立ハニカム式綿20が得られ、これは図3に示されるとおりである。そのうち、各一層の繊維網が包含する高収縮性PET繊維11が熱で収縮して螺旋型となる時、熱で溶融したローメルトPET弾性繊維2と溶接され絡み合い収縮し、 高収縮性PET繊維11と高収縮性PET繊維11の間が高度に捲縮し且つ均一に分布し、加熱によりそれが固化され成形された後は、横断面がハニカム構造を有する直立ハニカム式綿20となり、これは図3のA−A断面図に示されるとおりである。この直立ハニカム式綿20は独立した弾性体であり、通気性と良好な可塑性及び高弾性と伸縮回復性を具備する。その形成する化学繊維で製造されたハニカム状の直立綿体は、均一な弾性を具備し、並びに良好な回復性を具備し、良好な環境保護機能を具備し、全体の製造過程中に発生する繊維廃棄物は前述の過程で重複使用でき、完全に廃材の問題がなく、全体の過程で化学薬剤を添加することがなく、化学物品による汚染の状況を発生しない。
【0009】
本発明は使用要求により、異なる厚さに裁断でき、並びに各種の弾性体を必要とする用品、例えば、ブラ、シートクッション、背もたれ、靴パッド、マットレス、枕、衝突保護材に、既存のスポンジに代わり使用されるほか、そのハニカム構造により吸音材、断熱パッド等に利用可能である。この直立ハニカム式綿は濾過材とすることもでき、濾過物質を均一に直立綿中に分散吸収できる。
【0010】
本発明の好ましい実施例によると、その使用するローメルトPET弾性繊維12の含有量は45から50%、自己捲縮のPET繊維11の含有量は45から50%、その他の繊維は5から40%で、いずれも直立ハニカム式綿を製造する規範下である。
【0011】
実施例:
二種類以上の繊維を以下の配分で混合し、並びに開綿機で開綿処理の後、梳綿機で梳綿処理し、連続する繊維網層となす。各種の繊維の配合(重量比)はローメルトPET弾性繊維/PET繊維(自己捲縮)/その他の材質繊維=(45−50%)/(45−50%)/(5−40%)。
【0012】
折綿及び熱乾燥収縮溶接製造:
連続する繊維網10を折綿機で処理して90度の垂直平行連続折り畳み状態となし、更にオーブンに送り圧力熱風処理し、繊維を熱収縮させて螺旋型となし、並びに高巻き取り度を具備させる時、PET繊維11とPET繊維11の間が熱収縮により螺旋型となり相互に係合し且つ均一に分布し、それと溶融したローメルトPET弾性繊維12が溶接されて固化成形されハニカム状の直立式弾性綿20となる。以上で製造された直立ハニカム式綿は、直接既存のウレタンフォームに代わり使用可能で、椅子、マットレス等関係用途に使用される。また直立ハニカム式綿はその他の材料を被覆する外皮に使用されて断熱及び防音吸音材料として応用可能であり、ゆえに直立ハニカム式綿の運用は極めて大きな産業上の応用価値を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の直立ハニカム式綿の二種類以上の繊維の混合の表示図である。
【図2】本発明の直立ハニカム式綿に使用される高捲縮度のPET繊維の異なる温度下での捲縮変化表示図である。
【図3】本発明の直立ハニカム式綿の直立綿層の溶接表示図である。
【符号の説明】
【0014】
10 繊維網
11 PET繊維
12 ローメルトPET弾性繊維
20 直立式弾性綿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直立ハニカム式綿の製造方法において、
(a)二種類以上の繊維を混合し、まず開綿機で開綿処理した後に、梳綿機で梳綿処理して連続する繊維網層を形成するステップ、
(b)上述の連続する繊維網層を折綿機で処理して90度の垂直平行連続折り畳み状態となし、更にオーブン中に送り、圧力を具備する熱風を吹きつけて処理し、二種類以上の繊維を溶接させて固化させハニカム状を具備する直立式弾性綿を形成し、直立ハニカム式綿を得るステップを包含することを特徴とする、直立ハニカム式綿の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の直立ハニカム式綿の製造方法において、繊維の一種類はローメルトPET弾性繊維であることを特徴とする、直立ハニカム式綿の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の直立ハニカム式綿の製造方法において、繊維の一種類は自己捲縮のPET繊維であることを特徴とする、直立ハニカム式綿の製造方法。
【請求項4】
請求項1記載の直立ハニカム式綿の製造方法において、繊維に弾性要求により、天然綿、回収した古着、廃棄紡織材、古い絨毯、再生綿等の繊維を組み合わせることを特徴とする、直立ハニカム式綿の製造方法。
【請求項5】
請求項2記載の直立ハニカム式綿の製造方法において、ローメルトPET弾性繊維の含有量は繊維全体の30から70重量%であることを特徴とする、直立ハニカム式綿の製造方法。
【請求項6】
請求項3記載の直立ハニカム式綿の製造方法において、自己捲縮のPET繊維の含有量は繊維全体の30から70重量%であることを特徴とする、直立ハニカム式綿の製造方法。
【請求項7】
請求項4記載の直立ハニカム式綿の製造方法において、その他の繊維の含有量は繊維全体の5から40重量%であることを特徴とする、直立ハニカム式綿の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2007−277764(P2007−277764A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−106362(P2006−106362)
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【出願人】(506120024)雅康寧科技繊維(深▲せん▼)有限公司 (1)
【出願人】(506120013)迦晟内衣輔料(東莞)有限公司 (1)
【Fターム(参考)】