説明

直管式超音波流量計

【課題】超音波計測の誤差要因を解消し、計測精度をより一層向上させた直管式超音波流量計を提供する。
【解決手段】筐体10の測定空間13内に設置された測定部20が、測定用流体を流す直管の測定用管体21と、該測定用管体21の外周に軸方向へ所定の間隔を設けて配設した一対の振動子22a,22bとを備え、振動子22a,22b間で検出される両方向の超音波伝播時間差から測定用流体の流速を求めて流体流量を測定する直管式超音波流量計1において、測定部20の筐体10への固定及び外部配管との接続が、筐体10に対する軸方向中心側への移動及び回動を規制するとともに、流体流路を形成する測定部保護継手30を介してなされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を用いて管路内を流れる測定用流体の流量を測定する直管式超音波流量計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、管路内を流れる流体の流量を測定する流量計として、超音波を用いた超音波流量計が知られている。
このうち、流量測定用の流体を流す測定用管体に直管を使用して測定部を形成した超音波流量計は、一般的には直管式超音波流量計と呼ばれている。直管式超音波流量計の測定部は、直管とした測定用管体の外周に、軸(長手)方向へ所定の間隔を設けて一対の振動子(超音波振動子)を配設したものである。
【0003】
このような直管式超音波流量計は、一方側の振動子から超音波を発信させて他方側の振動子にて受信させ、同時に、他方側の振動子から超音波を発信させて一方側の振動子に受信させることにより、これらの超音波伝搬時間に生じる差から測定用管体内の流体流速を求め、この流速から流体の流量を測定することができる。
上述した超音波流量計には、たとえば下記の特許文献1に示されているように、一対の振動子を配設して測定部を形成する測定用管体に曲がりのない直管を用いた直管式超音波流量計がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−303542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した直管式超音波流量計は、その計測精度をより一層向上させることが求められている。しかし、従来の直管式超音波流量計においては、超音波伝搬時間の計測に対して、下記の誤差要因が影響すると考えられている。
第1の誤差要因としては、振動子を設置して測定部を形成する測定用管体に対し、外部の接続配管(外部配管)等を介して外部から作用する振動がある。このような外部振動の原因としては、たとえば外部配管等から測定用管体に作用するストレスが考えられる。
【0006】
第2の誤差要因としては、測定用配管内に形成されて内壁面の近傍に集まる小さな気泡がある。このような気泡は、測定用配管内を流れる流量が小流量の場合、特に生じやすくなる。
なお、測定用配管をコの字形にして流路に曲がりを設けた超音波流量計もあるが、このような超音波流量計においては、測定用配管(流路)の曲がりにより圧力損失が生じて気泡を潰すと考えられるため、測定用配管の気泡による誤差は問題となっていない。
【0007】
このような背景から、直管式超音波流量計においては、測定用管体に作用する外部振動(ストレス)や内壁面に集まる気泡のような誤差要因を解消することが望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、超音波計測の誤差要因を解消し、計測精度をより一層向上させた直管式超音波流量計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係る直管式超音波流量計は、筐体の測定空間内に設置された測定部が、測定用流体を流す直管の測定用管体と、該測定用管体の外周に軸方向へ所定の間隔を設けて配設した一対の振動子とを備え、前記振動子間で検出される両方向の超音波伝播時間差から前記測定用流体の流速を求めて流体流量を測定する直管式超音波流量計であって、前記測定部の前記筐体への固定及び外部配管との接続が、前記筐体に対する軸方向中心側への移動及び回動を規制するとともに、流体流路を形成する測定部保護継手を介してなされることを特徴とするものである。
【0009】
このような直管式超音波流量計によれば、測定部の前記筐体への固定及び外部配管との接続が、筐体に対する軸方向中心側への移動及び回動を規制するとともに、流体流路を形成する測定部保護継手を介してなされるので、測定部に対して外部から軸方向や回転方向のストレスが作用することを防止または抑制できる。
【0010】
上記の発明において、前記測定部保護継手は、前記測定用配管を規定位置まで挿入して端部付近を支持する配管支持部と、前記筐体に形成した回転防止断面形状の壁面開口部に挿入して組み付けられる同形状の筐体開口挿入部と、該筐体開口挿入部の軸方向中心側への挿入位置を規定する当接面と、前記測定用流体の外部配管と接続する配管継手部とを備えた保護継手本体と、前記筐体の壁面に設けた内ネジ部と螺合して前記保護継手本体の軸方向移動を阻止する固定リングと、を具備して構成されることが望ましい。
このような構成の測定部保護継手は、回転防止断面形状とした壁面開口部及び筐体開口挿入部の係合により保護継手本体の回動が阻止され、当接面と筐体壁面との係合により保護継手本体の測定部方向への移動が阻止される。すなわち、外部配管から測定用配管に対するスラスト力や回転力が作用しないように、測定部が外部配管から分離された接続構造となる。
【0011】
上記の発明において、前記測定部は、前記振動子の下流側に気泡圧潰部を備えていることが好ましく、これにより、小流量時に発生して内壁面近傍に集まる小さな気泡を圧潰してなくすことができるようになるため、超音波を用いた流量測定の誤差要因を取り除くことができる。
この場合に好適な気泡圧潰部は、測定用管体の流路断面積を10〜75%程度まで縮径した部分(縮径部)である。なお、縮径の下限(最小径)は、測定用流体が詰まることなくスムーズに流れる値となるので、縮径の程度は配管径に応じて異なる。
【0012】
上記の発明において、前記気泡圧潰部は、前記測定部保護継手に形成されているものでもよいし、あるいは、前記測定用管体の下流側出口部に縮径部形成部材を挿入して着脱可能に形成されているものでもよい。
また、前記測定部を水平配置とし、前記気泡圧潰部と前記測定用管体との流路下面が一致する位置まで、前記気泡圧潰部の中心軸を下方へ移動させることにより、流体の泡抜けがよい上に、滞留物の除去が容易になる。
【発明の効果】
【0013】
上述した本発明の直管式超音波流量計によれば、測定用管体に作用する外部振動(ストレス)や内壁面に集まる気泡のような超音波計測の誤差要因を解消できるので、計測精度をより一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る直管式超音波流量計について、一実施形態を示す要部断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1に示す直管式超音波流量計について、上部筐体及び制御基板を取り外した状態を示す平面図である。
【図4】図1に示す直管式超音波流量計について、上流側の測定部保護継手周辺構造を拡大した要部拡大断面図である。
【図5】図1に示した直管式超音波流量計について、気泡圧潰部を備えた下流側の測定部保護継手周辺構造を拡大した要部拡大断面図である。
【図6】(a)は図5に示す気泡圧潰部の拡大図、(b)は(a)の右側面図である。
【図7】気泡圧潰部の第1変形例を示す図であり、(a)は気泡圧潰部の拡大図、(b)は(a)の右側面図である。
【図8】気泡圧潰部を測定用管体に形成した第2変形例を示す下流側の測定部保護継手周辺構造を拡大した要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る直管式超音波流量計の一実施形態を図面に基づいて説明する。
直管式超音波流量計は、流量測定用の流体を流す測定用管体を直管とし、この直管に一対の振動子を取り付けて測定部を形成したものである。すなわち、以下に説明する直管式超音波流量計の測定部は、直管とした測定用管体の外周に、軸(長手)方向へ所定の間隔を設けて一対の振動子を配設した構成となる。
【0016】
図1に示す実施形態の直管式超音波流量計1は、筐体10の内部に測定部20が設置されている。すなわち、図示の直管式流量計1は、測定用流体を流す直管の測定用管体21と、測定用管体21の外周に軸方向へ所定の間隔を設けて配設した一対の振動子22a,22bとを備え、離間する振動子22a,22b間で検出される両方向の超音波伝播時間差から測定用流体の流速を求めて流体流量を測定する装置である。
【0017】
筐体10は、上部筐体11と下部筐体12とに分離可能であり、下部筐体12の内部に測定部20を収納する測定空間13が形成されている。この測定空間13は、測定部20の測定用管体21を水平に配置するものである。測定空間13の左右壁面には、測定部保護継手30,30Aを固定するため、内ネジ開口部14が設けられている。この測定部保護継手30,30Aは、測定部20を筐体10に固定するとともに、測定用流体を流す外部配管Pとの接続を行うための部材である。以下の説明では、必要な場合においてのみ、後述する気泡圧潰部となる縮径部50を備えたものを測定部保護継手30Aとして区別することにする。
【0018】
測定空間13は、測定部20のみが設置される空間であり、たとえば図2及び図3に示すように、底面部15と、周囲を囲む縦壁16と、空間上部を仕切る仕切板17とにより囲まれて略密閉された空間である。この測定空間13には、測定部20を構成する1本の測定用管体21が水平に配設されている。なお、図3における縦壁16は、略「I」を横にした平面形状を有しており、その上端が着脱可能な仕切板17により塞がれるようになっている。
測定用管体21は直管であり、その外周には、軸方向に所定の間隔を設けて一対の振動子22a,22bが取り付けられている。以下の説明では、必要に応じて上流側の振動子を22aとし,下流側の振動子を22bとして区別するが、区別不要の場合は振動子22と呼ぶことにする。なお、振動子22a,22bは、いずれも独立した配線23により制御基板24と接続されている。なお、この配線23が仕切板17を貫通する部分には、シール用のパッキン25が配設されている。
【0019】
制御基板24は、測定空間13の外部に形成された基板設置空間26の内部に設置されている。図示の構成例では、直管式超音波流量計1を小型化するため、制御基板24が上下方向に縦置きされており、従って、制御基板24は測定用管体21の横に配置されている。このため、制御基板24に薬液等の測定用流体が接触して損傷の原因になることを防止する目的から、測定空間13と基板設置空間26との間は、縦壁16等の隔壁により完全に分離されている。なお、図中の符号24aは、制御基板24の端部を支持する溝部である。
また、筐体10の上部には、基板設置空間26内の制御基板24と外部の制御機器等との間を電気的に接続するため、外部配線Wが設けられている。
【0020】
さて、上述した測定部20の測定用管体21を筐体10へ固定し、かつ、外部配管Pとの接続を行う測定部保護継手30は、筐体10に対する軸方向中心側(測定部20側)への移動及び回動を規制するとともに、流体流路31aを形成する機能を有している。換言すれば、測定部保護継手30は、測定用管体21を筐体10の外部に出さない構造とするものであり、測定用管体21及び一対の振動子22により構成される測定部20に対し、外部からストレスをかけないようにする機能を有している。
この測定部保護継手30は、図4の拡大図に示すように、軸中心に流体流路31aを形成する保護継手本体31と、筐体10の壁面である縦壁16に設けた内ネジ部18との螺合により保護継手本体31の軸方向移動を阻止する固定リング40とを具備して構成される。
【0021】
保護継手本体31は、測定用管体21を規定位置まで挿入して端部付近を支持する配管支持部32と、筐体10に形成した回転防止断面形状の壁面開口部19に挿入して組み付けられる同形状の筐体開口挿入部33と、筐体開口挿入部33の軸方向中心側への挿入位置を規定する当接面34と、測定用流体の外部配管Pと接続する配管継手部35とを備えている。
【0022】
配管支持部32は、保護継手本体31の振動子側端面から外部配管Pを接続する外側へ向けて形成された円柱形状の空間であり、測定用管体21の挿入が可能となる内径を有している。この配管支持部32は、測定用管体21の挿入量を規定するため、外側端部に段差面32aを有している。
図示の構成例では、保護継手本体31に挿入した測定用管体21の内部流路をシールするため、すなわち、測定部保護継手30に挿入された測定用管体21の外周面に沿って測定用流体が漏出することを防止するため、測定用管体21の外周面にOリング36が取り付けられている。
【0023】
本実施形態では、上述したOリング36の着脱を容易にするため、別体のOリング着脱部材37を備えている。このOリング着脱部材37は、保護継手本体31の振動子側端面からリング状の部材を別体化するとともに、互いに螺合することで着脱可能とした部材である。なお、Oリング着脱部材37の着脱は、振動子側端面の円周方向に複数設けた工具穴37aを用い、工具穴に挿入される複数の凸部を備えた工具(不図示)により回動させて行われる。
【0024】
このようなOリング着脱部材37を設けることにより、Oリング着脱用部材37を取り外した状態では、Oリング36の着脱用として大きな穴径を確保することが可能になる。しかし、Oリング着脱用部材37は、測定用管体21の径が小さく作業性に問題を有する場合に必要となる部材であり、測定用管体21の径が大きい場合は不要となる。
すなわち、測定用管体21の径が小さいと、測定用管体21の外径と一致する配管支持部32の径も小さくなり、従って、Oリング36の着脱に使用できるスペースの穴径も小さなものになるので、Oリング36の着脱作業は困難になる。そこで、保護継手本体31からリング状の部材を別体化してOリング着脱用部材37を設ければ、このOリング着脱用部材37を取り外すことにより、Oリング着脱用として大きな穴径を確保できる。
【0025】
筐体開口挿入部33は、たとえば図6に示すように、円筒形状に面取部33aを4面形成した略矩形状の回転防止断面形状を有している。この筐体開口挿入部33は、筐体10に測定空間13を形成している縦壁16に開口し、回転防止断面形状を有する壁面開口部19に挿入されることにより、筐体10に対して、保護継手本体31が回転することを阻止する部分である。
なお、図6には、上述したOリング36及びOリング着脱用部材37を取り外した状態が示されており、回転防止断面形状については、たとえば多角形など、図示の形状に限定されることはない。
【0026】
当接面34は、保護継手本体31に形成された段差面であり、筐体10に形成された壁面開口部19の周囲面に当接して外部配管Pから作用するスラスト荷重が測定用管体21に伝達することを阻止する部分である。なお、この当接面34は、回転防止断面形状とした筐体開口挿入部33から、通常断面の保護継手本体31に拡大した部分の端面を利用して形成されている。
この当接面34は、外部配管Pから測定用管体21にスラスト荷重のストレスが作用することを防止するものであり、筐体10側に設けた周囲面との係合により、測定用管体21は振動子22の方向へ向かう軸方向の移動が制限される。
【0027】
配管継手部35は、市販の配管継手を用いて測定用流体を流す外部配管Pと接続する部分である。図示の構成例では、銅管接続用として一般的に使用される規格品の配管継手Nが使用されている。
【0028】
固定リング40は、上述した保護継手本体31を固定する部材であり、筐体10の取付穴となる縦壁16の内ネジ部18に外ネジ部41をねじ込んで固定するための部材である。この固定リング40は、外側端面の円周方向に複数設けた工具用係止穴42を備えている。なお、図中の符号43は、シール用のOリングである。
【0029】
固定リング40の着脱は、工具用係止穴42係合する凸部を備えた工具(不図示)により、固定リング40を回動させて行われる。
固定リング40を所定位置までねじ込むことにより、内周面に形成した段差部40aが保護継手本体31の外周に設けた段差部38と係合するので、保護継手本体31が軸方向に移動すること阻止できる。
なお、固定リング40の外側には、たとえば工具用係止穴42を隠すなど、美観状の理由により着脱式のカバー部材44が取り付けられている。
【0030】
上述したように、筐体10の両側面には、測定用流体を直管式超音波流量計1に導入して流出させるための外部配管Pを接続する配管継手として、筐体10に対する軸方向中心側(測定部20側)への移動及び回動を規制する機能を備えた測定部保護継手30が設けられているので、測定部20に対して外部配管Pから軸方向や回転方向のストレスが作用することを防止できる。
すなわち、上述した構成の測定部保護継手30は、回転防止断面形状とした壁面開口部19及び筐体開口挿入部33の係合により保護継手本体31の回動が阻止され、かつ、当接面34と筐体壁面となる壁面開口部19の周囲面との係合により保護継手本体31の測定部20方向への移動が阻止される。この結果、外部配管Pから測定用管体21に対してスラスト力や回転力が作用しない構造となり、ストレス面で測定部20が外部配管Pから分離された接続構造となるので、超音波を用いて流量測定を行う測定部20は、誤差要因の一つである外部振動の影響が取り除かれる。
【0031】
ところで、上述した測定部20は、振動子22の下流側に気泡圧潰部となる縮径部50を備えていることが望ましい。この縮径部50は、流路断面積を減少させることによって流路内の圧力が上昇するので、測定用管体21の内壁面近傍に集まる小さな気泡を圧潰させてなくす機能を有するものである。図1、図5及び図6に示す縮径部50は、測定部保護継手30Aの保護継手本体31Aに対し、測定用管体21に軸中心と一致するようにして一体に形成されている。
【0032】
測定用管体21の内壁面近傍に集まる小さな気泡は、特に、小流量時に発生して超音波を用いた流量測定の誤差要因となっている。このため、小さな気泡を圧潰させてなくすことは、超音波を用いた流量測定の誤差要因を取り除くことになる。
この場合の縮径部50は、確実に気泡を圧潰するため、測定用管体21の流路断面積を10〜75%程度の範囲内で縮径することが望ましい。
【0033】
上述した縮径部50は、縮径後の流路断面積が10%程度と狭い場合、測定用液体が流れる最小流路断面積は非常に小さくなる。このため、測定用管体21の流路は、測定用流体とともに流れる異物の詰まりを生じやすくなる。従って、縮径部50の下限(最小径)は、測定用流体が詰まることなくスムーズに流れる値となり、従って、縮径の下限については測定用管体21の配管径に応じて変化する。
一方、上述した縮径部50は、縮径後の流路断面積が75%程度と広い場合、測定用液体が流れる流路断面積の縮径変化は小さくなる。このため、圧力変化も小さくなり、気泡の圧潰を確実に行うことは困難となる。
【0034】
また、図7に示す第1変形例の縮径部50Aは、特に測定部20を水平配置とした場合に有効である。この場合、縮径部50A及び測定用管体21の流路下面が一致する位置まで、縮径部50Aの中心軸を下方へ移動させた構造の保護継手本体31Bとなっている。このような縮径部50Aは、流路下面に段差を生じないことから、たとえば洗浄のようなメンテナンス時等において、測定用管体21内の滞留物除去が容易になる。
また、図8に示す第2変形例の縮径部50Bは、測定用管体21の下流側出口部に縮径部形成部材51を挿入して着脱可能に形成されている。このような構成を採用すると、流路断面積(縮径率)の異なる縮径部形成部材51を着脱して適宜交換することにより、縮径部50Bの流路断面積を容易に変化させることができる。
【0035】
このように、上述した実施形態及びその変形例によれば、測定用管体21に作用する外部振動のストレスや内壁面に集まる気泡のような超音波計測の誤差要因を低減または解消することができるので、超音波を用いた流量測定の計測精度をより一層向上させることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 直管式超音波流量計
10 筐体
13 測定空間
14 内ネジ開口部
16 縦壁
18 内ネジ部
19 壁面開口部
20 測定部
21 測定用管体
22,22a,22b 振動子
24 制御基板
30,30A 測定部保護継手
31,31A,31B 保護継手本体
31a 流体流路
32 配管支持部
33 筐体開口挿入部
33a 面取部
34 当接面
35 配管継手部
37 Oリング着脱部材
40 固定リング
41 外ネジ部
44 カバー部材
50,50A,50B 縮径部
51 縮径部形成部材
P 外部配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の測定空間内に設置された測定部が、測定用流体を流す直管の測定用管体と、該測定用管体の外周に軸方向へ所定の間隔を設けて配設した一対の振動子とを備え、前記振動子間で検出される両方向の超音波伝播時間差から前記測定用流体の流速を求めて流体流量を測定する直管式超音波流量計であって、
前記測定部の前記筐体への固定及び外部配管との接続が、前記筐体に対する軸方向中心側への移動及び回動を規制するとともに、流体流路を形成する測定部保護継手を介してなされることを特徴とする直管式超音波流量計。
【請求項2】
前記測定部保護継手が、
前記測定用配管を規定位置まで挿入して端部付近を支持する配管支持部と、前記筐体に形成した回転防止断面形状の壁面開口部に挿入して組み付けられる同形状の筐体開口挿入部と、該筐体開口挿入部の軸方向中心側への挿入位置を規定する当接面と、前記測定用流体の外部配管と接続する配管継手部とを備えた保護継手本体と、
前記筐体の壁面に設けた内ネジ部と螺合して前記保護継手本体の軸方向移動を阻止する固定リングと、
を具備して構成されることを特徴とする請求項1に記載の直管式超音波流量計。
【請求項3】
前記測定部が、前記振動子の下流側に気泡圧潰部を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の直管式超音波流量計。
【請求項4】
前記気泡圧潰部が、前記測定部保護継手に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の直管式超音波流量計。
【請求項5】
前記気泡圧潰部が、前記測定用管体の下流側出口部に縮径部形成部材を挿入して着脱可能に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の直管式超音波流量計。
【請求項6】
前記測定部を水平配置とし、前記気泡圧潰部と前記測定用管体との流路下面が一致する位置まで、前記気泡圧潰部の中心軸を下方へ移動させたことを特徴とする請求項4または5に記載の直管式超音波流量計。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate