説明

省エネルギーアドバイス提供システム、省エネルギーアドバイス提供方法およびそのプログラム

【課題】電気機器の無駄な電力消費を確実に検知し、検知した無駄の解消が確実に可能なアドバイス情報を当該電気機器の管理者に提供する省エネルギーアドバイス提供システムを実現する。
【解決手段】各電気機器の消費電力を測定した測定結果を設定データDB224に電気機器ごとに登録している無駄判定閾値と比較した比較結果が、関連付けDB223に登録されている無駄検知トリガ条件すなわち各電気機器の使用時間帯において当該電気機器の無駄な電力消費状態を検知するための条件を満たす電気機器があった場合、当該電気機器の消費電力の無駄を検知し、検知した無駄の内容、当該電気機器の種別、無駄を検知した電力測定時点が含まれる当該電気機器の使用時間帯に応じたアドバイス情報をアドバイスDB222から抽出して、ユーザ情報DB221に登録されている当該電気機器の管理権限を有するユーザに対してデータ出力インタフェース4を介して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省エネルギーアドバイス提供システム、省エネルギーアドバイス提供方法および省エネルギーアドバイス提供プログラムに関し、オフィス機器等の電気機器の省エネルギーを促進するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギーに対する関心が高まる中、建物管理システムとして、各種のエネルギー管理システムを組み込む事業者や需要家が増加しつつあり、かかるシステム構築が定着し始めてきている。かくのごとき状況下においては、建物内に設置されている各オフィス機器等の電気機器の消費電力量等をモニタリングすることが、省エネルギー対策の基本であり、「エネルギーの使用の合理化に関する法律」の規定においても、電力測定を行うことが不可欠の構成要件になってきている。
【0003】
このような状況から、特許文献1の特開2010−176373号公報「省エネルギー支援システムおよび省エネルギー支援プログラム」においては、オフィスを運営する事業者や需要家に省エネルギー対策への意欲を維持させ、省エネルギーを継続的に実施させるために、電力使用状況を常時把握して、電力使用量の削減が可能な電気機器を推定し、該電気機器に対応付けられた省エネルギー行動案を定期的に事業者や需要家に送付する仕組みを備えた省エネルギー支援システムを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−176373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
オフィス等の事業所や家庭内の電気機器の省エネルギーを促進するための一般的な方策としては、例えば、「離席時には、電気機器のモニタ電源を消しましょう」といった一般的なアドバイスを事務所や家庭内のユーザ全員が共有するという方法が採用されている場合が多い。しかしながら、このような一般的なアドバイスだけでは、電気機器を共有して使用していたり、電気機器の使用時間帯に応じて当該電気機器の望ましい使用形態が異なっていたりすることも考慮すると、誰が、どのタイミングで、どの電気機器に対して、どのような省エネルギー行動を取れば良いのかということを特定することができないために、具体的な行動に結び付けることが困難であった。
【0006】
また、前記特許文献1に提案されている省エネルギー支援システムの場合においても、省エネルギーの対象となる電気機器を特定することはできるものの、誰がどのようなタイミングでどのような省エネルギー行動を取るべきかを特定するまでには至っていないため、具体的な省エネルギーを実施させることができない場合が発生しかねない。
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、使用時間帯によって望ましい使用状態が異なる場合であっても、電気機器ごとに電力消費の無駄を確実に検知し、省エネルギーの対象となる電気機器を特定するとともに、該省エネルギー行動を実施すべきユーザを特定し、検知した無駄の内容や対象となる電気機器の種別、使用時間帯に適合した省エネルギーに関するアドバイス情報を、特定したユーザに対して提供する省エネルギーアドバイス提供システム、省エネルギーアドバイス提供方法および省エネルギーアドバイス提供プログラムを提供することを、その目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述の課題を解決するために、以下のごとき各技術手段から構成されている。
【0009】
第1の技術手段は、事業所や家庭内に設置されている電気機器の省エネルギー用のアドバイス情報を提供する省エネルギーアドバイス提供システムであって、前記電気機器の消費電力を測定するための時間間隔を示すサンプリング周期と、前記電気機器の消費電力の無駄を判定する無駄判定閾値と、前記電気機器の使用時間帯において当該電気機器が無駄な電力消費状態になっているか否かを検知するための無駄検知トリガ条件と、を少なくともあらかじめ設定登録する設定登録手段と、あらかじめ設定登録した前記サンプリング周期ごとに前記電気機器の消費電力を測定した電力測定結果と、あらかじめ設定登録した前記無駄判定閾値と、の比較結果が、当該電気機器に関する前記使用時間帯における前記無駄検知トリガ条件を満たしていた場合には、当該電気機器の電力消費の無駄が発生していることを検知する無駄検知手段と、無駄が検知された当該電気機器の消費電力の無駄の内容、無駄が検知された当該電気機器の種別、無駄が検知された電力測定時点が含まれる当該電気機器の使用時間帯に適合した省エネルギーアドバイス情報を、当該電気機器の管理権限を有するユーザに対して提供するアドバイス提供手段と、を少なくとも備えていることを特徴とする。
【0010】
第2の技術手段は、前記第1の技術手段に記載の省エネルギーアドバイス提供システムにおいて、前記電気機器の使用時間帯が、事業所や家庭内のユーザが作業している就業中の時間帯、昼休みの時間帯、就業前の時間帯、就業後の時間帯、就業外の時間帯、夜間の時間帯、早朝の時間帯に区分けした時間帯のうち、1ないし複数の時間帯からなり、前記設定登録手段は、それぞれの前記使用時間帯の開始時刻、終了時刻を、各ユーザごとの時間帯として任意に設定登録することができることを特徴とする。
【0011】
第3の技術手段は、前記第1または第2の技術手段に記載の省エネルギーアドバイス提供システムにおいて、前記電気機器の使用時間帯において当該電気機器が無駄な電力消費状態になっているか否かを検知するための前記無駄検知トリガ条件は、前記電気機器ごとに、或るサンプリング周期における前記電力測定結果が前記無駄判定閾値以上であった場合、または、或るサンプリング周期における前記電力測定結果が前記無駄判定閾値以下ではなかった場合、または、或るサンプリング周期における前記電力測定結果が1つ前のサンプリング周期における前記電力測定結果に比し前記無駄判定閾値以上増加した場合、または、或るサンプリング周期における前記電力測定結果が1つ前のサンプリング周期における前記電力測定結果に比し前記無駄判定閾値以上減少しなかった場合、のいずれかと、電気機器の電力測定結果の取得時点における当該電気機器の使用時間帯と、の組み合わせからなっていることを特徴とする。
【0012】
第4の技術手段は、前記第1ないし第3の技術手段のいずれかに記載の省エネルギーアドバイス提供システムにおいて、前記省エネルギーアドバイス情報は、検知した無駄を解消させるための具体的な省エネルギー行動を促すテキスト形式の文言からなっていることを特徴とする。
【0013】
第5の技術手段は、前記第1ないし第4の技術手段のいずれかに記載の省エネルギーアドバイス提供システムにおいて、管理権限を有する前記電気機器、前記使用時間帯となる各時間帯の開始時刻、終了時刻に関するユーザごとの情報を少なくとも含んで構成されるユーザ情報データベース、前記省エネルギーアドバイス情報を少なくとも含んで構成されるアドバイスデータベース、前記電気機器の消費電力を測定する時間間隔を示す前記サンプリング周期、前記電気機器の消費電力の無駄を判定するための前記無駄判定閾値に関する情報を消費電力測定用の設定データとして少なくとも含んで構成される設定データデータベース、前記電気機器の使用時間帯ごとに、当該電気機器が無駄な電力消費状態になっているか否かを検知するための前記無駄検知トリガ条件を少なくとも含み、かつ、前記無駄検知トリガ条件それぞれが、前記設定データデータベースに設定登録された前記無駄判定閾値、前記アドバイスデータベースに設定登録された前記省エネルギーアドバイス情報、前記ユーザ情報データベースに設定登録された前記ユーザごとの情報のそれぞれに少なくとも関連付けた形式にして構成される関連付けデータベース、の4つのデータベースを備えていることを特徴とする。
【0014】
第6の技術手段は、事業所や家庭内に設置されている電気機器の省エネルギー用のアドバイス情報を提供する省エネルギーアドバイス提供方法であって、前記電気機器の消費電力を測定するための時間間隔を示すサンプリング周期と、前記電気機器の消費電力の無駄を判定する無駄判定閾値と、前記電気機器の使用時間帯において当該電気機器が無駄な電力消費状態になっているか否かを検知するための無駄検知トリガ条件と、を少なくともあらかじめ設定登録手段により設定登録する設定登録ステップと、あらかじめ設定登録した前記サンプリング周期ごとに前記電気機器の消費電力を測定した電力測定結果と、あらかじめ設定登録した前記無駄判定閾値と、の比較結果が、当該電気機器に関する前記使用時間帯における前記無駄検知トリガ条件を満たしていた場合には、当該電気機器の電力消費の無駄が発生していることを無駄検知手段により検知する無駄検知ステップと、無駄が検知された当該電気機器の消費電力の無駄の内容、無駄が検知された当該電気機器の種別、無駄が検知された電力測定時点が含まれる当該電気機器の使用時間帯に適合した省エネルギーアドバイス情報を、当該電気機器の管理権限を有するユーザに対してアドバイス提供手段により提供するアドバイス提供ステップと、を少なくとも有していることを特徴とする。
【0015】
第7の技術手段は、前記第6の技術手段に記載の省エネルギーアドバイス提供方法において、前記電気機器の使用時間帯が、事業所や家庭内のユーザが作業している就業中の時間帯、昼休みの時間帯、就業前の時間帯、就業後の時間帯、就業外の時間帯、夜間の時間帯、早朝の時間帯に区分けした時間帯のうち、1ないし複数の時間帯からなり、前記設定登録ステップにおいて、それぞれの前記使用時間帯の開始時刻、終了時刻を、各ユーザごとの時間帯として任意に設定登録することができることを特徴とする。
【0016】
第8の技術手段は、前記第6または第7の技術手段に記載の省エネルギーアドバイス提供方法において、前記電気機器の使用時間帯において当該電気機器が無駄な電力消費状態になっているか否かを検知するための前記無駄検知トリガ条件は、前記電気機器ごとに、或るサンプリング周期における前記電力測定結果が前記無駄判定閾値以上であった場合、または、或るサンプリング周期における前記電力測定結果が前記無駄判定閾値以下ではなかった場合、または、或るサンプリング周期における前記電力測定結果が1つ前のサンプリング周期における前記電力測定結果に比し前記無駄判定閾値以上増加した場合、または、或るサンプリング周期における前記電力測定結果が1つ前のサンプリング周期における前記電力測定結果に比し前記無駄判定閾値以上減少しなかった場合、のいずれかと、電気機器の電力測定結果の取得時点における当該電気機器の使用時間帯と、の組み合わせからなっていることを特徴とする。
【0017】
第9の技術手段は、前記第1ないし第8の技術手段のいずれかに記載の省エネルギーアドバイス提供方法において、前記省エネルギーアドバイス情報は、検知した無駄を解消させるための具体的な省エネルギー行動を促すテキスト形式の文言からなっていることを特徴とする。
【0018】
第10の技術手段は、前記第6ないし第9の技術手段のいずれかに記載の省エネルギーアドバイス提供方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施している省エネルギーアドバイス提供プログラムとすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の省エネルギーアドバイス提供システム、省エネルギーアドバイス提供方法および省エネルギーアドバイス提供プログラムによれば、以下のごとき効果を奏することができる。
【0020】
たとえ、使用時間帯によって望ましい使用状態が異なる電気機器の場合であっても、無駄な消費電力を発生させていて、省エネルギーの対象となる電気機器を確実に検知することが可能になるとともに、電気機器を複数のユーザが共有して使用しているような場合であっても、無駄な消費電力を発生させている電気機器の管理権限を有していて、省エネルギー行動を行うべきユーザを特定することができ、特定した当該ユーザに対して、検知した無駄の内容、対象となる電気機器の種別、使用時間帯に応じて決定される省エネルギーの具体的な行動内容を示す省エネルギーアドバイス情報を提供することにより、効率的かつ効果的な省エネルギー行動を実行することが可能になるので、無駄な電力消費の削減を図ることが容易に可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る省エネルギーアドバイス提供システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】図1に示すユーザ情報DBに設定登録されるユーザ情報の一例を示すテーブルである。
【図3】ユーザ情報DBにユーザ情報を設定登録するユーザに対して案内画面として表示する設定登録メニューの一例を示す説明図である。
【図4】ユーザ情報DBに労働時間帯に関して設定登録したユーザ情報を確認するためにユーザに対して確認画面として表示した表示例を示す説明図である。
【図5】図1に示すアドバイスDBに設定登録されている省エネルギーアドバイス情報の一例を示すテーブルである。
【図6】図1に示す関連付けDBに設定登録されている無駄検知用の関連付け情報の一例を示すテーブルである。
【図7】図1に示す省エネルギーアドバイス提供システムの無駄検知動作の一例を説明するためのタイムチャートである。
【図8】図1に示す省エネルギーアドバイス提供システムの無駄検知動作の他の例を説明するためのタイムチャートである。
【図9】図1に示す省エネルギーアドバイス提供システムにおいて省エネルギーアドバイス情報を該当するユーザに提示するまでの動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明に係る省エネルギーアドバイス提供システム、省エネルギーアドバイス提供方法および省エネルギーアドバイス提供プログラムの好適な実施形態について、その一例を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、本発明による省エネルギーアドバイス提供システムおよび省エネルギーアドバイス提供方法について、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)によって実行可能な省エネルギーアドバイス提供プログラムを備えて実現する場合について説明するが、本発明は、かかる場合に限るものではなく、本発明による省エネルギーアドバイス提供システムおよび省エネルギーアドバイス提供方法として、以下に説明するすべてまたは一部の動作を、1つのCPUではなく、多数の処理部に分散して処理するようにしても良いし、あるいは、プログラム論理ではなく、ハードウェア論理やファームウェア論理によって実現するようにしても良い。つまり、本発明による省エネルギーアドバイス提供方法を、ハードウェア論理からなる省エネルギー提供システム(省エネルギー提供装置)として実施するようにしても良いし、1ないし複数のコンピュータにより実行可能な省エネルギーアドバイス提供プログラムとして実施するようにしても良いし、さらに、かかる省エネルギーアドバイス提供プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。
【0023】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、オフィス等の事業所や家庭内に設置されている各電気機器の消費電力を測定するための時間間隔を示すサンプリング周期と、各電気機器の消費電力の無駄を判定する無駄判定閾値と、各電気機器の使用時間帯において当該電気機器が無駄な電力消費状態になっているか否かを検知するための無駄検知トリガ条件と、を設定登録手段により少なくともあらかじめ設定登録しておき、あらかじめ設定登録したサンプリング周期ごとに電気機器の消費電力を測定した電力測定結果と、あらかじめ設定登録した無駄判定閾値と、の比較結果が、当該電気機器に関する前記使用時間帯における前記無駄検知トリガ条件を満たしていた場合には、当該電気機器の電力消費の無駄が発生していることを無駄検知手段により検知して、省エネルギー対象の電気機器として特定することを、主要な特徴としている。
【0024】
さらに、省エネルギー対象の電気機器を特定した場合には、無駄が検知された当該電気機器の消費電力の無駄の内容、無駄が検知された当該電気機器の種別、無駄が検知された電力測定時点が含まれる当該電気機器の使用時間帯に適合した省エネルギーアドバイス情報を、無駄を解消させるための省エネルギー行動の具体的な内容を示す情報として、当該電気機器の管理者(すなわち、当該電気機器の管理権限を有するユーザ)に対してアドバイス提供手段により提供することも、主要な特徴としている。
【0025】
ここで、オフィス等の事業所や家庭内に設置されている電気機器に関する使用時間帯ごとの使用状況の一例として、例えば、オフィス等の事業所内の就業場所に設置されている照明機器の場合、ユーザが作業を行っている就業中の時間帯においては、点灯している状態にあるべきであるが、就業時間外や昼休みの時間帯においては、消灯している状態に設定すべきであり、就業時間外や昼休みの時間帯においても点灯されている状態になっている場合には、無駄な電力消費が発生していることになる。
【0026】
かくのごとく、電気機器それぞれについては、使用時間帯ごとに無駄な電力消費状況(逆に言えば、望ましい電力消費状況)にあるか否かを規定することが必要であり、電気機器の使用時間帯に応じて無駄な電力消費であるか否かを検知する仕組みを設定することによって、時間帯別に、適正な省エネルギーアドバイス情報を提供することを可能としている。
【0027】
さらに、ユーザごとに、管理権限を有する電気機器を示す情報を、ユーザ情報データとして保有することによって、省エネルギー対象となる電気機器に関する省エネルギーアドバイス情報を、当該電気機器の管理権限を有するユーザのみに特定して提供することができ、より確実に、省エネルギー行動を実施させることができる。
【0028】
より具体的には、例えば、本発明に係る省エネルギーアドバイス提供システムは、ユーザ情報を格納するユーザ情報データベース、各電気機器の消費電力測定用のデータを設定データとして格納する設定データデータベース、省エネルギー用のアドバイス情報を少なくとも格納するアドバイスデータベース、前記ユーザ情報、前記設定データ、前記アドバイス情報と関連付けて、使用時間帯に応じて電気機器の消費電力の無駄を検知するための条件を、省エネルギー情報を提供するためのトリガ条件すなわち無駄検知トリガ条件として格納する関連付けデータベース、の4つのデータベースを少なくとも備えた構成からなっており、これらのデータベースに登録されている情報を活用することによって、電気機器の消費電力の定期的な測定結果に基づいて、各電気機器の時間帯に応じた省エネルギーを効率的かつ効果的に実現することを可能としている。
【0029】
ここで、ユーザ情報データベース(ユーザ情報DB:DataBase)は、ユーザ情報として、オフィス等の事業所や家庭内におけるユーザごとに、各ユーザの労働時間帯(各電気機器の使用時間帯の開始時刻、終了時刻に相当する時間帯)や各ユーザが管理権限を有する電気機器を示す情報を少なくとも格納し、設定データデータベース(設定データDB)は、消費電力測定用の設定データとして、オフィス等の事業所や家庭内に設置されている電気機器の消費電力に関する無駄を判定するための消費電力量の閾値を定義した無駄判定閾値、各電気機器の消費電力を測定するためのサンプリング周期や当該オフィス等の事業所や家庭内における深夜時間帯および早朝時間帯の定義等の情報を少なくとも格納する。
【0030】
また、関連付けデータベースは、各電気機器ごとに、それぞれの各使用時間帯(ユーザ情報DBに設定されている各時間帯の開始時刻、終了時刻によって特定される時間帯)における消費電力の無駄を検知するための無駄検知トリガ条件として、各電気機器の消費電力の測定結果と前記設定データベースに設定されている各電気機器の無駄検知閾値との比較結果から、無駄が発生しているか否かを検知するための条件を、各電気機器の使用時間帯に応じて格納しており、ユーザ情報データベース(ユーザ情報DB)に設定登録されたユーザごとの情報、設定データデータベース(設定データDB)に設定登録された消費電力測定用の設定データそれぞれを索引するための索引情報のみならず、無駄が検知された場合に、前記アドバイスデータベースに格納されているアドバイス情報を索引するための索引情報も各無駄検知トリガ条件それぞれに関連付けて格納している。
【0031】
以上のような各種データベースを備える省エネルギーアドバイス提供システムにおける動作について簡単に説明すると、次の通りである。まず、オフィス等の事業所や家庭内に設置されている各電気機器の消費電力を、前記設定データベースに設定登録されているサンプリング周期により定期的に測定し、前記関連付けデータベースを参照して、消費電力の測定を行った時点が含まれている電気機器の使用時間帯における無駄を検知するための無駄検知トリガ条件を用いて、電気機器の消費電力に関する無駄が検知されたか否かを無駄検知手段により確認する。
【0032】
つまり、測定した消費電力を、前記設定データベースに設定登録されている当該電気機器の無駄判定閾値と比較した結果について、当該電気機器の使用時間帯における無駄検知トリガ条件を用いて、無駄な消費電力が発生しているか否かを判定する。
【0033】
測定した電気機器の消費電力が、前記無駄判定閾値に関する無駄検知トリガ条件を満たしていて、当該電気機器に関して無駄な消費電力が発生していると判定した場合は、当該電気機器の使用時間帯における無駄を適切に対策することが可能な省エネルギー用のアドバイス情報を、前記アドバイスデータベースに格納されているアドバイス情報から取り出すとともに、前記ユーザ情報データベースに格納されている当該電気機器の管理権限を有するユーザに関する情報を取り出して、当該ユーザに対して省エネルギーアドバイス情報をアドバイス提供手段により送信する。
【0034】
かくのごとく、電気機器の消費電力の測定結果が、当該電気機器の使用時間帯において、無駄な消費電力であるとの無駄検知トリガ条件を満たしていた場合には、当該電気機器の管理権限を有するユーザ(管理者)に対して、無駄検知トリガ条件(すなわち、検知した無駄の内容、電気機器の種別、使用時間帯に関する情報)と関連付けられた省エネルギーアドバイス情報を送信する。而して、無駄な電力使用が発生していた場合には、対象となる電気機器や使用時間帯に適合した適切な省エネルギーアドバイス情報を、当該電気機器の管理権限を有するユーザに対して、タイムリーに発信することができ、効率的かつ効果的な省エネルギーアドバイス情報の提供を可能としている。
【0035】
すなわち、本発明においては、従来技術の場合とは異なり、単に省エネルギー対象の電気機器のみを任意のユーザに対して提示するような汎用的な省エネルギーアドバイス情報ではなく、検知した無駄の内容や省エネルギー対象の電気機器やその使用時間帯に適合した省エネルギーアドバイス情報を、当該電気機器の管理者に対して自動的に送信することを可能としている。
【0036】
(実施形態の構成例)
次に、本発明に係る省エネルギーアドバイス提供システムのシステム構成の一例について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る省エネルギーアドバイス提供システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図であり、オフィス等の事業所や家庭内に設置されている電気機器に関する情報や当該事業所や家庭内におけるユーザに関する情報や電気機器の消費電力の測定結果に基づいて、各電気機器に関する省エネルギーアドバイス情報を、省エネルギー行動の対象となる電気機器を管理する管理者(管理権限を有するユーザ)に対して適宜提供する仕組みを構築している例を示している。
【0037】
図1に示す省エネルギーアドバイス提供システム100は、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)1、記憶部2、データ入力インタフェース3、データ出力インタフェース4を少なくとも含んで構成されている。CPU1は、記憶部2に格納されている省エネルギーアドバイス提供プログラム210を実行することによって各種の演算処理を実行し、ユーザが行うべき省エネルギー行動を支援するためのアドバイス情報を提供するための制御を行う。
【0038】
記憶部2は、省エネルギーアドバイス提供プログラム210を格納するプログラム領域21と各種のデータを格納するデータ記憶領域22とに大きく大別されている。省エネルギーアドバイス提供プログラム210には、電気機器の消費電力の無駄を検知する処理を行う無駄検知手段の一例である無駄検知プログラム211の他に、図示していないが、電気機器の消費電力を測定するための時間間隔を示すサンプリング周期、電気機器の無駄を判定するための無駄判定閾値、電気機器の使用時間帯において当該電気機器が無駄な電力消費になっているか否かを検知するための無駄検知トリガ条件等を少なくとも含む各種データを各データベースに設定登録する設定登録手段の一例である設定登録プログラム、無駄が検知された電気機器の消費電力の無駄の内容、無駄が検知された当該電気機器の種別、無駄が検知された電力測定時点が含まれる当該電気機器の使用時間帯に適合した省エネルギーアドバイス情報を当該電気機器の管理権限を有するユーザに対して提供するアドバイス提供手段の一例である情報提供プログラムが少なくとも含まれている。
【0039】
また、データ記憶領域22には、ユーザ情報DB(Database:データベース)221、アドバイスDB222、関連付けDB223、設定データDB224が、少なくとも設けられている。ユーザ情報DB221は、省エネルギーの対象となるオフィス等の事業所や家庭内におけるユーザに関する情報として、管理権限を有する電気機器、該電気機器の使用時間帯となる各時間帯の開始時刻、終了時刻に関する情報を少なくとも含んで構成されるデータベースであり、また、アドバイスDB222は、ユーザに提供する省エネルギーアドバイスに関する情報を少なくとも含んで構成されるデータベースである。
【0040】
また、設定データDB224は、各電気機器の消費電力を測定する時間間隔を示すサンプリング周期、各電気機器の消費電力の無駄を判定するための閾値となる無駄判定閾値等を、消費電力測定用の設定データとして少なくとも含んで構成されるデータベースであり、関連付けDB223は、各電気機器の使用時間帯において各電気機器が無駄な電力消費状態になっているか否かを検知するための条件となる無駄検知トリガ条件を少なくとも含み、かつ、各無駄検知トリガ条件それぞれが、設定データDB224に設定登録された無駄判定閾値、アドバイスDB222に設定登録された省エネルギーアドバイス情報、ユーザ情報DB221に設定登録されたユーザごとのユーザ情報のそれぞれに少なくとも関連付けた形式にして構成されるデータベースである。
【0041】
また、データ入力インタフェース3は、外部からのデータを入力するためのインタフェース回路であり、CPU1の制御の下、オフィス等の事業所や家庭内におけるユーザに関する情報として入力されるユーザ情報データ31、電気機器に関する各種の省エネルギー用の情報として入力される設定データ32、各電気機器の消費電力の測定結果である電力データ33、等を受信して記憶部2に格納する。
【0042】
また、データ出力インタフェース4は、外部に対して各種データを出力するためのインタフェース回路であり、CPU1の制御の下、例えば、省エネルギーアドバイスに関する情報として、アドバイス情報41を指定された出力先に送信する。
【0043】
(実施形態の動作例)
次に、図1に示す省エネルギーアドバイス提供システムの動作について、その一例を詳細に説明する。
【0044】
まず、ユーザ情報DB221に設定登録されるユーザ情報は、データ入力インタフェース3を介して、各ユーザ自身が入力することにより、ユーザごとに設定登録されるものであり、図2に一例を示すように、オフィス等の事業所や家庭内における各ユーザが作業する始業時間、終業時間、昼休み開始時間、昼休み終了時間等の労働時間帯に関する情報と、各ユーザの管理権限を有する電気機器に関する情報とを少なくとも含む情報からなっている。図2は、図1に示すユーザ情報DB221に設定登録されるユーザ情報の一例を示すテーブルである。
【0045】
図2に示すユーザ情報DB221は、ユーザ名221a、管理機器221b、就業前時間帯221c、就業中時間帯221d、昼休み時間帯221e、就業後時間帯221f、就業外時間帯221g、夜間時間帯221h、早朝時間帯221i、の各データを少なくとも含んで構成されている。ここで、就業前時間帯221c、就業中時間帯221d、昼休み時間帯221e、就業後時間帯221f、就業外時間帯221g、夜間時間帯221h、早朝時間帯221i、に区分けした時間帯のうち、1ないし複数の時間帯を、管理機器221bに設定登録した電気機器の使用時間帯として利用するために、それぞれの時間帯には、それぞれの時間帯を規定するための開始時刻と終了時刻とが設定登録される。ここで、設定登録手段は、各ユーザごとに自身の時間帯として任意の時刻に設定登録することができ、設定登録された時間帯は、前述のように、各ユーザそれぞれが管理権限を有する電気機器として、管理機器221bに設定登録した電気機器に関する使用時間帯を示す情報として設定される。
【0046】
例えば、図2に示すように、ユーザ名221aが‘東京 太郎’の場合、管理機器221bに示すように、管理権限を有する電気機器は自席のPC(Personal Computer)と照明機器とであり、就業中時間帯221dに示すように、09:00−18:00が昼休みも含む労働時間帯であって、自席のPC、照明機器それぞれに給電することが望ましい時間帯であるが、そのうち、昼休み時間帯221eに示すように、12:00−13:00が昼休みの時間帯であり、さらに、就業外時間帯221gに示すように、00:00−09:00、18:00−24:00は労働時間外の時間帯であって、自席のPC、照明機器それぞれへの給電を停止することが望ましい時間帯である旨が、当該ユーザ‘東京 太郎’のユーザ情報として設定登録される。
【0047】
なお、労働時間外の時間帯の内訳として、就業前時間帯221c、就業後時間帯221fに示すように、それぞれ、00:00−09:00が就業前の時間帯であり、18:00−24:00が就業後の時間帯である。また、夜間時間帯221h、早朝時間帯221iに示すように、21:00−24:00が夜中の時間帯であり、02:00−06:00が早朝の時間帯である。
【0048】
次に、ユーザ情報DB221に対して、データ入力インタフェース3を介して、各ユーザが各自の労働時間帯に関するユーザ情報を設定登録しようとする際に、データ出力インタフェース4を介して、ユーザに提示されるメニューおよび設定登録結果の表示例について、図3および図4を用いて説明する。図3は、ユーザ情報DB221にユーザ情報を設定登録するユーザに対して案内画面として表示する設定登録メニューの一例を示す説明図であり、図4は、ユーザ情報DB221に労働時間帯に関して設定登録したユーザ情報を確認するためにユーザに対して確認画面として表示した表示例を示す説明図である。
【0049】
図3のメニュー画面の時間帯名称51、説明52に示すように、ユーザの労働時間帯としてユーザ情報DB221に設定登録する各項目それぞれについて、その意味するところを平易な説明文として画面表示することによって、ユーザに提示している。
【0050】
例えば、図3に示すように、‘就業前時間帯’とは、‘0時から労働開始時刻’までの時間帯であり、‘就業中時間帯’とは、‘労働開始時刻から労働終了時刻(昼休みを含む)’時間帯である旨が画面表示される。また、‘夜間時間帯’とは、‘設定データで指定の時刻(デフォルト時刻は23:00)から24時’までの時間帯であり、‘早朝時間帯’とは、‘深夜の2時から設定データで指定の時刻(デフォルト時刻は4:00)’までの時間帯である。
【0051】
なお、時間帯それぞれの開始時刻、終了時刻に関するユーザ情報の入力を行う具体的な入力画面については、説明を省略しているが、例えば、ユーザに対しては、労働時間帯と昼休み時間帯とに関するユーザ情報のみを入力させて、その他の時間帯については、省エネルギーアドバイス提供システム100において自動的に算出して設定登録するようにしても良いし、あるいは、図3のメニュー画面の説明52欄の右側に各時間帯名称51ごとの入力欄を設けるようにしても良い。
【0052】
図3のメニュー画面の画面表示にしたがって、ユーザが、設定登録手段を介して、労働時間帯つまり当該ユーザが管理すべき電気機器の使用時間帯に関するユーザ情報を設定登録しようとすると、設定登録した内容を確認するために、例えば、図4に示すような確認画面が、ユーザに提示される。図4に示す確認画面においては、ユーザが、労働時間帯を‘9:00−18:00’、昼休み時間帯を‘12:00−13:00’と設定登録した場合、時間軸上に、就業前時間帯、就業中時間帯、昼休み時間帯、就業後時間帯、就業外時間帯をそれぞれ区分けして明示した形式で分かり易く画面表示する。したがって、ユーザは、設定登録しようとする労働時間帯に関する内容を、容易に把握することができ、ユーザ情報DB221に設定登録した労働時間帯に関するユーザ情報を利用して規定される、それぞれのユーザが管理する電気機器の使用時間帯を区分けする開始時刻、終了時刻を正確に確認することができる。
【0053】
次に、アドバイスDB222に設定登録される省エネルギーアドバイス情報について、その一例を、図5を用いて説明する。図5は、図1に示すアドバイスDB222に設定登録されている省エネルギーアドバイス情報の一例を示すテーブルであり、番号222a、アドバイス情報222bからなっていて、オフィス等の事務所や家庭内に設定されている電気機器に関する省エネルギーアドバイス情報が、検知された電力消費の無駄を解消させるための具体的な省エネルギー行動を促すために、分かり易いテキスト形式の文言として格納されている。アドバイスDB222に設定登録される省エネルギーアドバイス情報は、データ入力インタフェース3を介して、システム運用者(当該事業所の省エネルギー担当者)によって設定登録され、設定登録された順番に、設定登録手段により順次格納されていく。ただし、省エネルギーアドバイス情報の設定順序は、かかる場合のみに限るものではなく、例えば、対象とする電気機器ごとにソーティングして格納するようにしても良い。
【0054】
図5のアドバイスDB222の登録例において、例えば、アドバイスDB222に最初に設定登録された番号222aが‘01’の場合は、ユーザの労働時間外の夜中に電気機器の消費電力を測定した際に、FAXなし複合機に関する無駄な消費電力を検知した場合の省エネルギーアドバイス情報の例を示しており、‘夜中にFAXなし複合機の消費電力があったようです。帰宅前には必ず電源を落としましょう’というテキスト形式のアドバイス情報が設定登録されており、当該FAXなし複合機の管理権限を有しているユーザ向けに送信されることを示している。当該FAXなし複合機の管理権限を有しているユーザは、無駄を検知した際に、関連付けDB223の無駄検知トリガ条件に関連付けられているユーザ情報DB221の管理機器221b欄を検索することによって決定される。
【0055】
次に、設定データDB224に設定登録される電気機器ごとの設定データについて、図示していないが、その一例を説明する。設定データDB224に設定登録する設定データについても、アドバイスDB222の場合と同様、データ入力インタフェース3を介して、システム運用者(当該事業所の省エネルギー担当者)によって設定登録され、各電気機器に対応付ける形式で格納される。
【0056】
設定データDB224に設定登録する設定データとしては、各電気機器の消費電力を測定する時間間隔を示すサンプリング周期、各電気機器の消費電力の無駄を判定するための閾値すなわち無駄判定閾値、等の電気機器の消費電力に関する情報を設定登録するが、この他に、さらに、当該事業所の夜間時間帯の開始時刻と早朝時間帯の終了時刻とに関する情報を必要に応じて設定登録手段により設定登録する。ここで、当該事業所の夜間時間帯の開始時刻と早朝時間帯の終了時刻とに関しては、設定データとしてシステム運用者が設定登録しない場合のデフォルト値として、図3において説明したように、例えば、夜間時間帯の開始時刻が23:00、早朝時間帯の終了時刻が4:00である旨が、あらかじめ設定されている。
【0057】
次に、関連付けDB223に設定登録される無駄検知トリガ条件に基づいて、電気機器の使用時間帯それぞれにおいて測定した消費電力が、無駄な電力消費になっているか否かを検知する動作の一例について、図6を用いて説明する。図6は、図1に示す関連付けDB223に設定登録されている無駄検知用の関連付け情報の一例を示すテーブルであり、機器種別223a、時間帯223b、検知トリガ223cを少なくとも含んで構成されている。
【0058】
この他に、関連付けDB223には、前述したように、それぞれの無駄検知トリガ条件に対応して、ユーザ情報DB221、アドバイスDB222、設定データDB224それぞれと関連付けるインデックス情報も合わせて設定登録されているが、図6には、そのうち、無駄検知トリガ条件によって無駄を検知した際にアドバイス提供手段により送信すべき省エネルギーアドバイス情報について示している。
【0059】
なお、関連付けDB223には、実際には、前述のように、アドバイスDB222に関連付けるインデックス情報が設定されているが、理解し易いように、図6には、関連付けるインデックス情報の代わりに、図5に例示したアドバイスDB222の番号222a欄の番号順にアドバイスDB222のアドバイス情報222b欄のアドバイス情報そのものを示しており、かつ、関連付けDB223の無知検知トリガ条件(つまり機器種別223a、時間帯223b、検知トリガ223cの設定内容)が、アドバイスDB222の番号222a欄の番号順に設定登録手段により設定登録されていて、アドバイスDB222の各アドバイス情報と対応付ける形式になっている場合を示している。しかし、関連付けDB223の無知検知トリガ条件の設定順序は、かかる場合に限るものではなく、例えば、機器種別223aに設定する電気機器の種別ごとにソーティングして格納するようにしても良い。
【0060】
図6の関連付けDB223において、機器種別223a欄には、オフィス等の事務所や家庭内に設置されていて、省エネルギー対象となる電気機器の種別が登録されており、時間帯223b欄には、検知トリガ223cに設定した条件が有効になる電気機器の使用時間帯を示す情報(すなわち、電気機器は使用時間帯によって無駄な電力を消費しているか否かが異なるので、検知トリガ223cに設定されている無駄検知トリガ条件に基づいて無駄な消費電力が発生しているか否かを判定する際に必要となる時間帯を示す情報)が登録されている。
【0061】
なお、時間帯223b欄に設定登録される時間帯の具体的な時刻情報例えば‘夜中’や‘早朝’や‘就業時間外’等の具体的な時刻情報(開始時刻〜終了時刻)については、機器種別223a欄に示す電気機器それぞれの管理権限を有するユーザが設定するものであり、当該ユーザ自身がユーザ情報DB221に設定登録している。
【0062】
また、検知トリガ223c欄は、条件223c1、有無223c2からなっていて、機器種別223a欄の電気機器に関して、時間帯223b欄の時間帯において、当該電気機器の消費電力が無駄であるか否かを判定するための無駄検知トリガに関する条件が登録されている。条件223c1は、機器種別223a欄の電気機器に関して、時間帯22b欄に設定した時間帯において測定した消費電力が、設定データDB224に設定登録されている無駄判定閾値以上になっているか否か、または、該消費電力が該無駄判定閾値以下になっているか否か、または、該消費電力が急増するような立ち上がりが発生したか否か、または、該消費電力が急減するような立ち下がりが発生したか否か、のいずれかを設定することによって、消費電力の無駄が発生したか否かを検知する。
【0063】
また、有無223c2は、無駄が発生しているか否かを検知するための要件として、測定した消費電力が、条件223c1欄に示す条件を満たしているか否かのいずれであるかを指定する。ここで、条件223c1および有無223c2からなる検知トリガ223cは、それぞれに設定した条件が満たされた場合に、無駄の発生を検知するとともに、アドバイスDB222を参照して、検知した無駄の内容、電気機器の種別、その使用時間帯に応じた省エネルギーアドバイス情報をアドバイス提供手段により送信するためのトリガ条件としても機能している。
【0064】
例えば、図6に示す関連付けDB223の第1行目に設定登録されている関連付け情報の場合には、無駄検知手段は次のような無駄検知動作を行う。
【0065】
図6に示す関連付けDB223の機器種別223aに示すように、‘FAXなし複合機’の消費電力を測定した際に、時間帯223bに示すように、夜中の時間帯(つまり、例えば、図2のユーザ情報DB221のユーザ名221aの‘東京 太郎’の場合と同様の時間帯が設定登録されていた場合には、‘21:00:24:00’の時間帯)の場合であって、かつ、当該FAXなし複合機に関して測定された消費電力が、検知トリガ223cの条件223c1に示すように、あらかじめ定めた一定値(設定データDB224に設定されている無駄判定閾値)以上であった場合には、有無223c2に示すように、条件223c1欄に示す条件が成立しているので、FAXなし複合機に関して夜中に無駄な電力が消費されていることを検知する。
【0066】
その結果として、検知した無駄を解消させるための具体的な省エネルギー行動を促すアドバイス情報を該当するユーザに提示する動作を行うアドバイス提供手段を起動させる(トリガさせる)ことによって、アドバイスDB222に関連付けられて登録している番号222aが‘01’のアドバイス情報すなわち‘夜中にFAXなし複合機の消費電力があったようです。帰宅前には必ず電源を落としましょう’というアドバイス情報222bに示すアドバイス情報が、ユーザ情報DB221の管理機器221bに‘FAXなし複合機’が設定登録されているユーザ(つまり、当該FAXなし複合機の管理権限を有するユーザ)に対して、データ出力インタフェース4を介して送信されることになる。
【0067】
以上のような無駄検知手段による無駄検知動作は、例えば、記憶部2のプログラム領域21に格納されている省エネルギーアドバイス提供プログラム210の無駄検知プログラム211が、CPU1において、関連付けDB223の設定登録データを参照しながら動作することによって実現される。関連付けDB223には、前述のように、電気機器と無駄検知トリガ条件との関連付けや、使用時間帯と無駄検知トリガ条件との関連付けや、省エネルギーアドバイス情報と無駄検知トリガ条件との関連付け、に関する情報がすべて機器種別223a、時間帯223b、検知トリガ223cに設定した無駄検知トリガ条件それぞれの関連付け情報として格納されており、無駄検知プログラム211は、各電気機器の消費電力が、各電気機器の使用時間帯において、関連付けDB223に設定登録されている無駄検知トリガ条件を満たしているか否かを判定することによって、無駄な消費電力の発生を検知し、適切な省エネルギーアドバイス情報を該当のユーザに送信する動作を起動することになる。
【0068】
次に、以上に説明した無駄検知手段による無駄検知動作について、図7、図8のタイムチャートを用いてさらに説明する。ここに、図7は、図1に示す省エネルギーアドバイス提供システム100の無駄検知動作の一例を説明するためのタイムチャートであり、図8は、図1に示す省エネルギーアドバイス提供システム100の無駄検知動作の他の例を説明するためのタイムチャートである。
【0069】
なお、図7、図8において、時間帯開始時刻t1、時間帯終了時刻t2によって示される時間帯とは、図6に示す関連付けDB223の時間帯223b欄に設定登録されている時間帯のことであり、サンプリング周期sとは、設定データDB224に設定登録されている各電気機器の消費電力の測定を行うためのサンプリング周期を意味している。
【0070】
図7において、図7(A)に示すパターン1は、或る電気機器に関して或る時間帯(時間帯開始時刻t1から時間帯終了時刻t2まで)の間の消費電力が、設定データDB224に設定されている無駄判定閾値X以上の場合、つまり、消費電力p(t)として
p(t)≧X (t∈t1〜t2)
という無駄検知式の関係が成立する場合を示している。
【0071】
また、図7(B)に示すパターン2は、或る電気機器に関して或る時間帯(時間帯開始時刻t1から時間帯終了時刻t2まで)の間の消費電力が、設定データDB224に設定されている無駄判定閾値X以下の場合、つまり、消費電力p(t)として
p(t)≦X (t∈t1〜t2)
という無駄検知式の関係が成立する場合を示している。
【0072】
また、図8において、図8(A)に示すパターン3は、或る電気機器に関して、或る時間帯(時間帯開始時刻t1から時間帯終了時刻t2まで)の間において、消費電力が、直前に測定した消費電力つまり1つ前のサンプリング周期sにて測定した消費電力に比して、設定データDB224に設定されている無駄判定閾値X以上の立ち上がりがあって、消費電力が急増した場合、つまり、消費電力p(t)と1つ前のサンプリング周期sにおける消費電力p(t−s)との関係として、
p(t)−p(t−s)≧X (t∈t1〜t2)
という無駄検知式の関係が成立する場合を示している。
【0073】
また、図8(B)に示すパターン4は、或る電気機器に関して、或る時間帯(時間帯開始時刻t1から時間帯終了時刻t2まで)の間において、消費電力が、直前に測定した消費電力つまり1つ前のサンプリング周期sにて測定した消費電力に比して、設定データDB224に設定されている無駄判定閾値X以上の立ち下がりがあって、消費電力が急減した場合、つまり、消費電力p(t)と1つ前のサンプリング周期sにおける消費電力p(t−s)との関係として
p(t)−p(t−s)≦−X (t∈t1〜t2)
という無駄検知式の関係が成立する場合を示している。
【0074】
図7(A)のパターン1のタイムチャートに示す電力測定結果の場合は、時間帯開始時刻t1から時間帯終了時刻t2までの間の時間帯における各サンプリング周期sごとの消費電力p(t)が、設定データDB224に設定されている無駄判定閾値X以上になっているので、関連付けDB223の検知トリガ223cを参照して、該当する電気機器の消費電力には無駄があることを検知して、アドバイスDB222に設定登録されている当該電気機器に関する省エネルギーアドバイス情報を、当該電気機器の管理権限を有するユーザに対して送信する。
【0075】
また、図7(B)のパターン2のタイムチャートに示す電力測定結果の場合は、時間帯開始時刻t1から時間帯終了時刻t2までの間の時間帯における各サンプリング周期sごとの消費電力p(t)が、設定データDB224に設定されている無駄判定閾値X以下になっているので、関連付けDB223の検知トリガ223cを参照して、該当する電気機器の消費電力には無駄が発生していないことを検知して、当該電気機器に関する省エネルギーアドバイス情報をユーザに対して送信する動作は行わない。
【0076】
また、図8(A)のパターン3のタイムチャートに示す電力測定結果の場合は、時間帯開始時刻t1から時間帯終了時刻t2までの間の時間帯において、或るサンプリング周期sにおける消費電力p(t)が、1つ前のサンプリング周期(t−s)における消費電力p(t−s)から立ち上がって、設定データDB224に設定されている無駄判定閾値X以上に急増しているので、関連付けDB223の検知トリガ223cを参照して、該当する電気機器の消費電力には無駄があることを検知して、アドバイスDB222に設定登録されている当該電気機器に関する省エネルギーアドバイス情報を、当該電気機器の管理権限を有するユーザに対して送信する。
【0077】
また、図8(B)のパターン4のタイムチャートに示す電力測定結果の場合は、時間帯開始時刻t1から時間帯終了時刻t2まで)の間の時間帯において、或るサンプリング周期sにおける消費電力p(t)が、1つ前のサンプリング周期(t−s)における消費電力p(t−s)から立ち下がって、設定データDB224に設定されている無駄判定閾値X以上に急減しているので、関連付けDB223の検知トリガ223cを参照して、該当する電気機器の消費電力には無駄が発生していないことを検知して、当該電気機器に関する省エネルギーアドバイス情報をユーザに対して送信する動作は行わない。
【0078】
以上の図7、図8における説明からも明らかなように、関連付けDB223の検知トリガ223c欄の有無223c2欄における‘有’、‘無’は、次のような意味を有している。
【0079】
(1)有無223c2欄が‘有’の場合、
パターン1、パターン3として前述した無駄検知式が「真」であった場合には、無駄を検知し、省エネルギーアドバイス情報を該当するユーザに対して提示する。
【0080】
(2)有無223c2欄が‘無’の場合、
パターン2、パターン4として前述した無駄検知式が「偽」であった場合には、無駄を検知し、省エネルギーアドバイス情報を該当するユーザに対して提示する。
【0081】
以上のように、電気機器が無駄な電力消費状態になっているか否かを検知するための無駄検知トリガ条件は、図6の関連付けDB223の検知トリガ223cに示すように、機器種別223aに示す電気機器ごとに、或るサンプリング周期sにおける電力測定結果p(t)が設定データDB224に設定登録した無駄判定閾値X以上であった場合、または、或るサンプリング周期sにおける電力測定結果p(t)が無駄判定閾値X以下ではなかった場合、または、或るサンプリング周期sにおける電力測定結果p(t)が1つ前のサンプリング周期sにおける前記電力測定結果p(t−s)に比し無駄判定閾値X以上増加した場合、または、或るサンプリング周期sにおける電力測定結果p(t)が1つ前のサンプリング周期sにおける電力測定結果p(t−s)に比し無駄判定閾値X以上減少しなかった場合、のいずれかと、電気機器の電力測定結果p(t)の取得時点における電気機器の使用時間帯(関連付けDB223の時間帯223bに示す時間帯)と、の組み合わせからなっている。
【0082】
最後に、省エネルギー行動を促す省エネルギーアドバイス情報を、該当するユーザ(無駄が検知された電気機器の管理権限を有するユーザ)に対して提示するまでの動作について、図9のフローチャートを用いてさらに説明する。図9は、図1に示す省エネルギーアドバイス提供システム100の無駄検知プログラム211において省エネルギーアドバイス情報を該当するユーザに提示するまでの動作の一例を説明するためのフローチャートであり、本発明に係る省エネルギーアドバイス提供方法の一例を示している。
【0083】
図9のフローチャートにおいて、まず、前述したような手順に従って、設定データDB224に設定登録されているサンプリング周期sごとに、各電気機器の消費電力の測定データを収集して(ステップS0)、収集した電力測定結果について、関連付けDB223に設定登録されている機器種別223a、時間帯223b、検知トリガ223cの無駄検知トリガ条件を満たしているか否かを判定することによって、電気機器の消費電力の無駄を検知したか否かを判定する(ステップS1)。無駄を検知していない場合は(ステップS2のno)、ステップS1に復帰して、次のサンプリング周期における電気機器の測定データの収集動作を繰り返す。
【0084】
一方、電気機器の消費電力の無駄を検知した場合には(ステップS2のyes)、無駄を検知した電気機器をキーにして、ユーザ情報DB221の管理機器221bに設定登録されている電気機器を検索することによって、当該電気機器の管理権限を有するユーザを抽出する(ステップS3)。しかる後、検知した電気機器の消費電力の無駄に関して、関連付けDB223に関連付けられてアドバイスDB222のアドバイス情報222bに設定登録されている、省エネルギーアドバイス情報を取り出して、ステップS3において抽出した当該電気機器の管理権限を有するユーザに対して、データ出力インタフェース4を介して送信する(ステップS4)。
【0085】
つまり、図9のステップS1〜S2は、あらかじめ設定登録したサンプリング周期ごとに各電気機器の消費電力を測定した電力測定結果と、あらかじめ設定登録した当該無駄判定閾値と、の比較結果が、当該電気機器に関する使用時間帯における無駄検知トリガ条件を満たしていた場合には、当該電気機器の電力消費の無駄が発生していることを無駄検知手段により検知して、省エネルギー対象の電気機器として特定するという動作を行う無駄検知ステップに該当している。
【0086】
また、ステップS3〜S4は、無駄が検知された電気機器の消費電力の無駄の内容、無駄が検知された当該電気機器の種別、無駄が検知された電力測定時点が含まれる当該電気機器の使用時間帯に適合した省エネルギーアドバイス情報を、無駄を解消させるための省エネルギー行動の具体的な内容を示す情報として、当該電気機器の管理者(すなわち、当該電気機器の管理権限を有するユーザ)に対してアドバイス提供手段により提供するアドバイス提供ステップに該当している。
【0087】
なお、図9のフローチャートには示していないが、この他に、設定登録ステップを少なくとも別途有しており、図9のフローチャートが起動される前に、ユーザ情報DB221、アドバイスDB222、関連付けDB223、設定データDB224それぞれに、各電気機器の消費電力を測定するサンプリング周期や、各電気機器の消費電力の無駄を判定する無駄判定閾値や、各電気機器の使用時間帯や、各前記電気機器の使用時間帯において当該電気機器が無駄な電力消費状態になっているか否かを検知するための無駄検知トリガ条件等の各種データを設定登録手段により少なくともあらかじめ設定登録するようにしている。
【0088】
(実施形態の効果の説明)
以上に詳細に説明したように、本実施形態においては、次のような効果が得られる。
【0089】
すなわち、ユーザ情報DB221、アドバイスDB222、関連付けDB223、および、設定データDB224の4つのデータベースに登録されている情報を活用することによって、たとえ、使用時間帯によって望ましい使用状態が異なる電気機器の場合であっても、無駄な消費電力を発生させていて、省エネルギーの対象となる電気機器を確実に検知することが可能になるとともに、電気機器を複数のユーザが共有して使用しているような場合であっても、無駄な消費電力を発生させている電気機器の管理権限を有していて、省エネルギー行動を行うべきユーザを特定することができ、特定した当該ユーザに対して、検知した無駄の内容、対象となる電気機器の種別、使用時間帯に応じて決定される省エネルギーの具体的な行動内容を示す省エネルギーアドバイス情報を提供することにより、効率的かつ効果的な省エネルギー行動を実行することが可能になるので、無駄な電力消費の削減を図ることが容易に可能になる。
【符号の説明】
【0090】
1…CPU、2…記憶部、3…データ入力インタフェース、4…データ出力インタフェース、21…プログラム領域、22…データ記憶領域、31…ユーザ情報データ、32…設定データ、33…電力データ、41…アドバイス情報、100…省エネルギーアドバイス提供システム、210…省エネルギーアドバイス提供プログラム、211…無駄検知プログラム、221…ユーザ情報DB、221a…ユーザ名、221b…管理機器、221c…就業前時間帯、221d…就業中時間帯、221e…昼休み時間帯、221f…就業後時間帯、221g…就業外時間帯、221h…夜間時間帯、221i…早朝時間帯、222…アドバイスDB、222a…番号、222b…アドバイス情報、223…関連付けDB、223a…機器種別、223b…時間帯、223c…検知トリガ、223c1…条件、223c2…有無、224…設定データDB。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
事業所や家庭内に設置されている電気機器の省エネルギー用のアドバイス情報を提供する省エネルギーアドバイス提供システムであって、前記電気機器の消費電力を測定するための時間間隔を示すサンプリング周期と、前記電気機器の消費電力の無駄を判定する無駄判定閾値と、前記電気機器の使用時間帯において当該電気機器が無駄な電力消費状態になっているか否かを検知するための無駄検知トリガ条件と、を少なくともあらかじめ設定登録する設定登録手段と、あらかじめ設定登録した前記サンプリング周期ごとに前記電気機器の消費電力を測定した電力測定結果と、あらかじめ設定登録した前記無駄判定閾値と、の比較結果が、当該電気機器に関する前記使用時間帯における前記無駄検知トリガ条件を満たしていた場合には、当該電気機器の電力消費の無駄が発生していることを検知する無駄検知手段と、無駄が検知された当該電気機器の消費電力の無駄の内容、無駄が検知された当該電気機器の種別、無駄が検知された電力測定時点が含まれる当該電気機器の使用時間帯に適合した省エネルギーアドバイス情報を、当該電気機器の管理権限を有するユーザに対して提供するアドバイス提供手段と、を少なくとも備えていることを特徴とする省エネルギーアドバイス提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載の省エネルギーアドバイス提供システムにおいて、前記電気機器の使用時間帯が、事業所や家庭内のユーザが作業している就業中の時間帯、昼休みの時間帯、就業前の時間帯、就業後の時間帯、就業外の時間帯、夜間の時間帯、早朝の時間帯に区分けした時間帯のうち、1ないし複数の時間帯からなり、前記設定登録手段は、それぞれの前記使用時間帯の開始時刻、終了時刻を、各ユーザごとの時間帯として任意に設定登録することができることを特徴とする省エネルギーアドバイス提供システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の省エネルギーアドバイス提供システムにおいて、前記電気機器の使用時間帯において当該電気機器が無駄な電力消費状態になっているか否かを検知するための前記無駄検知トリガ条件は、前記電気機器ごとに、或るサンプリング周期における前記電力測定結果が前記無駄判定閾値以上であった場合、または、或るサンプリング周期における前記電力測定結果が前記無駄判定閾値以下ではなかった場合、または、或るサンプリング周期における前記電力測定結果が1つ前のサンプリング周期における前記電力測定結果に比し前記無駄判定閾値以上増加した場合、または、或るサンプリング周期における前記電力測定結果が1つ前のサンプリング周期における前記電力測定結果に比し前記無駄判定閾値以上減少しなかった場合、のいずれかと、電気機器の電力測定結果の取得時点における当該電気機器の使用時間帯と、の組み合わせからなっていることを特徴とする省エネルギーアドバイス提供システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の省エネルギーアドバイス提供システムにおいて、前記省エネルギーアドバイス情報は、検知した無駄を解消させるための具体的な省エネルギー行動を促すテキスト形式の文言からなっていることを特徴とする省エネルギーアドバイス提供システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の省エネルギーアドバイス提供システムにおいて、管理権限を有する前記電気機器、前記使用時間帯となる各時間帯の開始時刻、終了時刻に関するユーザごとの情報を少なくとも含んで構成されるユーザ情報データベース、前記省エネルギーアドバイス情報を少なくとも含んで構成されるアドバイスデータベース、前記電気機器の消費電力を測定する時間間隔を示す前記サンプリング周期、前記電気機器の消費電力の無駄を判定するための前記無駄判定閾値に関する情報を消費電力測定用の設定データとして少なくとも含んで構成される設定データデータベース、前記電気機器の使用時間帯ごとに、当該電気機器が無駄な電力消費状態になっているか否かを検知するための前記無駄検知トリガ条件を少なくとも含み、かつ、前記無駄検知トリガ条件それぞれが、前記設定データデータベースに設定登録された前記無駄判定閾値、前記アドバイスデータベースに設定登録された前記省エネルギーアドバイス情報、前記ユーザ情報データベースに設定登録された前記ユーザごとの情報のそれぞれに少なくとも関連付けた形式にして構成される関連付けデータベース、の4つのデータベースを備えていることを特徴とする省エネルギーアドバイス提供システム。
【請求項6】
事業所や家庭内に設置されている電気機器の省エネルギー用のアドバイス情報を提供する省エネルギーアドバイス提供方法であって、前記電気機器の消費電力を測定するための時間間隔を示すサンプリング周期と、前記電気機器の消費電力の無駄を判定する無駄判定閾値と、前記電気機器の使用時間帯において当該電気機器が無駄な電力消費状態になっているか否かを検知するための無駄検知トリガ条件と、を少なくともあらかじめ設定登録手段により設定登録する設定登録ステップと、あらかじめ設定登録した前記サンプリング周期ごとに前記電気機器の消費電力を測定した電力測定結果と、あらかじめ設定登録した前記無駄判定閾値と、の比較結果が、当該電気機器に関する前記使用時間帯における前記無駄検知トリガ条件を満たしていた場合には、当該電気機器の電力消費の無駄が発生していることを無駄検知手段により検知する無駄検知ステップと、無駄が検知された当該電気機器の消費電力の無駄の内容、無駄が検知された当該電気機器の種別、無駄が検知された電力測定時点が含まれる当該電気機器の使用時間帯に適合した省エネルギーアドバイス情報を、当該電気機器の管理権限を有するユーザに対してアドバイス提供手段により提供するアドバイス提供ステップと、を少なくとも有していることを特徴とする省エネルギーアドバイス提供方法。
【請求項7】
請求項6に記載の省エネルギーアドバイス提供方法において、前記電気機器の使用時間帯が、事業所や家庭内のユーザが作業している就業中の時間帯、昼休みの時間帯、就業前の時間帯、就業後の時間帯、就業外の時間帯、夜間の時間帯、早朝の時間帯に区分けした時間帯のうち、1ないし複数の時間帯からなり、前記設定登録ステップにおいて、それぞれの前記使用時間帯の開始時刻、終了時刻を、各ユーザごとの時間帯として任意に設定登録することができることを特徴とする省エネルギーアドバイス提供方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載の省エネルギーアドバイス提供方法において、前記電気機器の使用時間帯において当該電気機器が無駄な電力消費状態になっているか否かを検知するための前記無駄検知トリガ条件は、前記電気機器ごとに、或るサンプリング周期における前記電力測定結果が前記無駄判定閾値以上であった場合、または、或るサンプリング周期における前記電力測定結果が前記無駄判定閾値以下ではなかった場合、または、或るサンプリング周期における前記電力測定結果が1つ前のサンプリング周期における前記電力測定結果に比し前記無駄判定閾値以上増加した場合、または、或るサンプリング周期における前記電力測定結果が1つ前のサンプリング周期における前記電力測定結果に比し前記無駄判定閾値以上減少しなかった場合、のいずれかと、電気機器の電力測定結果の取得時点における当該電気機器の使用時間帯と、の組み合わせからなっていることを特徴とする省エネルギーアドバイス提供方法。
【請求項9】
請求項6ないし8のいずれかに記載の省エネルギーアドバイス提供方法において、前記省エネルギーアドバイス情報は、検知した無駄を解消させるための具体的な省エネルギー行動を促すテキスト形式の文言からなっていることを特徴とする省エネルギーアドバイス提供方法。
【請求項10】
請求項6ないし9のいずれかに記載の省エネルギーアドバイス提供方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施していることを特徴とする省エネルギーアドバイス提供プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−160028(P2012−160028A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19374(P2011−19374)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(501436861)株式会社イーアンドイープラニング (12)
【Fターム(参考)】