説明

省エネルギー制御装置

【課題】昼光の導入を利用した省エネルギー制御を行う場合に、エネルギー効率をさらに向上させることができる省エネルギー制御装置を提供する。
【解決手段】複数のスラットを建物の開口部に並設して、スラットの昇降位置およびスラットの回転角度を調整自在に構成されたブラインドを、協調制御ユニットU0が制御し、協調制御ユニットU0は、スラットの昇降位置を制御する昇降制御およびスラットの回転角度を制御する開閉制御を行い、ブラインドを介して建物内に入射する入射光を利用して、建物内の照明負荷および空調負荷の各消費エネルギーの和を抑制する方向に、スラットの昇降位置およびスラットの回転角度を制御する制御部11を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省エネルギー制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化などの環境に対する懸念により省エネルギー化への社会的要求が増加している。特に、昼光(日光)の導入を利用した省エネルギー制御は、自然エネルギー利用として期待は高い。このような背景により、近年の制御技術の発展に伴い、外環境の状態に合わせた日射遮蔽をブラインドのスラットの開閉制御により自動的に行うブラインド制御装置が普及しつつある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなブラインド制御装置を用いた省エネルギー制御システムは、図12に示すように、ブラインド制御ユニットU101と、空調制御ユニットU102と、照明制御ユニットU103とが、ネットワークNT101を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワークNT101には、BACnet等のオープンプロトコルが用いられる。ブラインド制御ユニットU101は、建物H101の窓W101に配置されたブラインドK101の開閉動作を制御する。さらに、空調制御ユニットU102は、建物H101内の空調負荷K102の動作を制御し、照明制御ユニットU103は、建物H101内の照明負荷K103の動作を制御する。
【0004】
そして、特に建物H101内の空調負荷K102および照明負荷K103が消費する総エネルギー量を考慮して、トータルでの省エネルギー化を目指したブラインドK101の制御方式が開発されてきた。このような類の制御方式では、ブラインドK101を介した取り入れ光量の微妙な調整が要求されるため、ブラインドK101のスラットSの昇降位置を制御する昇降制御よりも、スラットSの回転角度を制御する開閉制御のほうが優先されてきた。また、昇降制御よりも開閉制御のほうが優先される要因としては、スラットSの昇降動作時に不快な動作音が発生することも挙げられる。
【0005】
而して、従来のブラインド制御ユニットU101では、スラットSが完全に巻き下がった状態で、図13に示す開閉制御がなされることが一般的であった。図13は、建物H101内の空調負荷K102が冷房動作を行っている場合の開閉制御の基本ロジックを示す。建物H101内の空調負荷K102が冷房動作を行っている場合、屋外照度が高ければ(明るければ)、冷房負荷K103の過剰なエネルギー消費を避けるためにスラットSの回転角度(以降、スラット角度と称す)は「閉」方向に制御される。一方、屋外照度が低ければ(暗ければ)、昼光を積極的に取り入れて、照明負荷K103の消費エネルギーを補助するために、スラット角度は「開」方向に制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−52255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
省エネルギーを最優先の課題とする近年では、僅かなエネルギー効率の向上であっても要求される。そこで、夏季において、日射が弱い朝方等の時間帯にブラインドのスラットを巻き上げて積極的に昼光を取り込むことや、冬季において、日射が強い昼時等の時間帯に昼光を取り込むことが望ましい。
【0008】
しかしながら、従来技術では、昼光の導入を利用した省エネルギー制御を行う場合、上述のように、スラットが完全に巻き下がった状態で開閉制御のみがなされることが一般的であり、さらなるエネルギー効率の向上が望まれていた。
【0009】
また、ロールスクリーンのように昇降制御のみを用いて省エネルギー制御を行うものもあるが、エネルギー効率の向上が困難であった。
【0010】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、昼光の導入を利用した省エネルギー制御を行う場合に、エネルギー効率をさらに向上させることができる省エネルギー制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の省エネルギー制御装置は、複数のスラットを建物の開口部に並設して、前記スラットの昇降位置および前記スラットの回転角度を調整自在に構成されたブラインドを制御する省エネルギー制御装置であって、前記スラットの昇降位置を制御する昇降制御および前記スラットの回転角度を制御する開閉制御を行い、前記ブラインドを介して前記建物内に入射する入射光を利用して、前記建物内の照明負荷および空調負荷の各消費エネルギーの和を抑制する方向に、前記スラットの昇降位置および前記スラットの回転角度を制御する制御部を備えることを特徴とする。
【0012】
この発明において、前記建物外の照度の検出結果を取得する照度取得部と、前記建物外の照度と前記スラットの昇降位置との対応関係を登録した高さ情報を格納した高さ情報記憶部と、前記建物外の照度と前記スラットの回転角度との対応関係を前記スラットの昇降位置に応じて登録した角度情報を格納した角度情報記憶部とを備え、前記高さ情報における前記スラットの昇降位置は、対応する前記建物外の照度のときに、前記建物内の照明負荷および空調負荷の各消費エネルギーの和を抑制可能な昇降位置に設定され、前記角度情報における前記スラットの回転角度は、対応する前記建物外の照度のときに、前記建物内の照明負荷および空調負荷の各消費エネルギーの和を抑制可能な回転角度に設定され、前記制御部は、前記高さ情報を参照して、前記照度取得部が取得した前記建物外の照度に基づいて、前記スラットの昇降位置を決定し、前記角度情報を参照して、前記スラットの昇降位置と前記照度取得部が取得した前記建物外の照度とに基づいて、前記スラットの回転角度を決定することが好ましい。
【0013】
この発明において、前記高さ情報記憶部は、前記空調負荷の冷房動作時および前記空調負荷の暖房動作時の各々に対応させた前記高さ情報を格納し、前記空調負荷の冷房動作時に対応した前記高さ情報は、前記建物外の照度が高くなるにつれて、前記スラットの昇降位置を低く設定し、前記空調負荷の暖房動作時に対応した前記高さ情報は、前記建物外の照度が高くなるにつれて、前記スラットの昇降位置を高く設定することが好ましい。
【0014】
この発明において、前記制御部は、前記建物外の照度が変動して、前記スラットの昇降位置、回転角度を変更する場合、前記建物外の照度の変動状態が第1の所定時間以上継続したときに、前記高さ情報を参照して前記スラットの昇降位置を決定し、前記建物外の照度の変動状態が第2の所定時間以上継続したときに、前記角度情報を参照して、前記スラットの回転角度を決定し、前記第1の所定時間は、前記第2の所定時間より長いことが好ましい。
【0015】
この発明において、前記第1の所定時間は、前記スラットの昇降位置を高くする巻上動作および前記スラットの昇降位置を低くする巻下動作の各々に対応させて設定され、前記巻上動作に対応する前記第1の所定時間は、前記巻下動作に対応する前記第1の所定時間より長いことが好ましい。
【0016】
この発明において、太陽位置の軌跡を算出する太陽位置算出部と、前記開口部を通って前記建物内に照射される太陽の直射光が前記建物内に到達する範囲を照射範囲とし、この照射範囲の前記開口部からの水平距離を入射距離とした場合、入射距離の最大許容距離の情報を格納した入射距離情報記憶部と、前記太陽位置の軌跡に基づき、現在から所定時間が経過するまでの期間に亘って、前記入射距離が前記最大許容距離内になる前記スラットの昇降位置の上限を算出する直射防止データ生成部とを備え、前記制御部は、前記昇降制御時における前記スラットの昇降位置の上限を、前記直射防止部が算出した前記昇降位置の上限に設定することが好ましい。
【0017】
この発明において、前記スラットの昇降位置を変動させるためのユーザ操作が行われる操作部の操作による前記スラットの昇降位置の変動履歴を格納する操作履歴記憶部とを備え、前記制御部は、前記スラットの昇降位置の変動履歴に基づいて、前記昇降制御時における前記スラットの昇降位置の上限を、過去の所定期間において前記操作部の操作によって設定された最も低い前記スラットの昇降位置とすることが好ましい。
【0018】
この発明において、前記制御部による前記昇降制御および前記開閉制御の少なくとも一方を有効または無効に切り替えるためのユーザ操作が行われる操作部を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明では、昼光の導入を利用した省エネルギー制御を行う場合に、エネルギー効率をさらに向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態1の協調制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】同上の協調制御装置を用いた省エネルギー制御システムの構成を示すブロック図である。
【図3】同上の省エネルギー制御システムを設置した建物の概略構成を示す平面図である。
【図4】従来の総電力消費量を示すグラフである。
【図5】(a)は、実施形態1の総電力消費量を示すグラフであり、(b)は、同上の昇降制御および開閉制御の制御内容を示す概略図である。
【図6】同上の協調制御ユニットによるブラインド制御を示すフローチャート図である。
【図7】同上の入射距離情報を示す概略図である。
【図8】(a)(b)同上の冷房時および暖房時の各高さ情報を示す特性図である。
【図9】(a)〜(c)同上の冷房時の角度情報を示す特性図である。
【図10】(a)〜(c)同上の暖房時の角度情報を示す特性図である。
【図11】実施形態3の協調制御装置の構成を示すブロック図である。
【図12】従来の省エネルギー制御システムの構成を示すブロック図である。
【図13】従来の屋外照度とスラット角度との関係を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
(実施形態1)
図2は、本実施形態の省エネルギー制御システムの構成を示し、ブラインド制御ユニットU1と、空調制御ユニットU2と、照明制御ユニットU3とが、ネットワークNT1を介して互いに通信可能に接続される。さらに、協調制御ユニットU0がネットワークNT1に接続されており、協調制御ユニットU0は、ブラインド制御ユニットU1、空調制御ユニットU2、照明制御ユニットU3と、ネットワークNT1を介して互いに通信可能に構成されている。ネットワークNT1には、BACnet等のオープンプロトコルが用いられる。
【0023】
図3は、省エネルギー制御システムが設置される建物H1として、事務所ビルの概略構成を例示する。この建物H1は、緯度31度、経度121度に位置して、57(m)×21(m)の矩形状に構成されており、南面および東面に窓W1A,W1B(以降、区別しないときは、窓W1と称す)が設置されている。
【0024】
まず、ブラインド制御ユニットU1は、窓W1に配置されたブラインドK1の昇降動作、開閉動作を制御する。空調制御ユニットU2は、建物H1内の空調負荷K2の空調動作を制御し、セントラル空調方式によって、所定の冷房温度(例えば、26℃)、暖房温度(例えば、22℃)に制御される。照明制御ユニットU3は、建物H1内の照明負荷K3の照明動作を制御し、照明負荷K3(例えば、定格500(lx))を調光可能に構成される。
【0025】
協調制御ユニットU0は、省エネルギー制御装置に相当するものであり、ブラインド制御ユニットU1、空調制御ユニットU2、照明制御ユニットU3による配下の負荷の各制御状態を監視制御している。そして、協調制御ユニットU0は、システム全体が省エネルギー化を図ることができるように、ブラインドK1の昇降動作、開閉動作、空調負荷K2の空調動作、照明負荷K3の照明動作を決定する。ブラインド制御ユニットU1、空調制御ユニットU2、照明制御ユニットU3は、協調制御ユニットU0からの指示にしたがって、配下のブラインドK1、空調負荷K2、照明負荷K3の各制御を行う。
【0026】
本実施形態では、協調制御ユニットU0によるブラインドK1の制御について、以下詳述する。
【0027】
まず、協調制御ユニットU0は、屋外照度に応じて、ブラインドK1のスラットSの昇降位置を制御する昇降制御およびスラットSの回転角度(以降、スラット角度と称す)を制御する開閉制御の両制御を行う機能を有する。
【0028】
ブラインドK1は、図2に示すように、建物H1の窓W1(開口部)に配置される。ブラインドK1は、複数のスラットSを上下方向に並べて支持しており、昇降モータ、開閉モータ等の駆動手段(図示無し)によって、スラットSの昇降駆動、開閉駆動が行われる。
【0029】
図4は、ブラインドK1の昇降位置が、空調負荷K2および照明負荷K3の各々で消費されるエネルギーの和(総電力消費量)に及ぼす影響をシミュレーションで評価した結果である。総電力消費量は、屋外照度、昇降制御および開閉制御の制御内容の各条件下において、建物H1内のユーザが快適性を感じるように空調負荷K2および照明負荷K3を制御したときの値である。例えば、空調負荷K2は、冷房温度:26℃、暖房温度22℃に制御され、照明負荷K3は建物H1内の明るさを十分確保できる調光レベルに制御される。
【0030】
図4において、特性Y11(細実線)およびY21(細実線)は、冷房時および暖房時において、完全巻下位置を前提とした従来型のブラインド制御における総電力消費量を示す。従来型のブラインド制御では、スラットSの昇降位置を最も低い位置にまで巻き下げた完全巻下状態に維持し、屋外照度に応じてスラットSのスラット角度を制御する。また、図4の特性Y12(破線)およびY22(破線)は、冷房時および暖房時において、スラットSの昇降位置を最も高い位置にまで巻き上げた完全巻上状態に維持した場合の総電力消費量を示す。また、図4の特性Y13(一点鎖線)は、冷房時において、スラットSの昇降位置を中間位置にまで巻き上げた半巻上状態に維持し、且つスラット角度を閉状態に維持した場合の総電力消費量を示す。
【0031】
冷房時の特性Y11〜Y13に示される総電力消費量は、屋外照度の低領域において、屋外照度の上昇に伴って低下し、屋外照度の中〜高領域において、屋外照度の上昇に伴って増加する。また、暖房時の特性Y21,Y22に示される総電力消費量は、屋外照度の低領域において、屋外照度の上昇に伴って急峻に低下し、屋外照度の中〜高領域において、屋外照度の上昇に伴って緩やかに低下する。
【0032】
そして、夏季に空調負荷K2が冷房動作を行う場合、屋外照度が低ければ、スラットSの昇降位置を高くして、昼光を積極的に建物H1内に導入することによって、照明負荷K3の電力消費量が抑制され、総電力使用量が抑制されることがわかる。一方、屋外照度が高ければ、昼光を遮光することによって、空調負荷K2の電力消費量が抑制され、総電力消費量も抑制されることがわかる。
【0033】
また、冬季に空調負荷K2が暖房動作を行う場合、屋外照度が高ければ、昼光を積極的に建物H1内に導入することによって、昼光が補助暖房として機能し、空調負荷K2の電力消費量が抑制され、総電力消費量も抑制されることがわかる。一方、屋外照度が低ければ、ブラインドK1によって窓W1を遮蔽することによって、建物H1内から窓W1を通過して建物H1外へ伝達される貫流熱を低減でき、空調負荷K2の電力消費量が抑制され、総電力消費量も抑制されることがわかる。
【0034】
以上の結果から,屋外照度に連動した開閉制御に、屋外照度に連動した昇降制御を付加することによって、更なるエネルギー削減が期待できることがわかる。
【0035】
具体的には、図5(b)に示すように、冷房時において屋外照度が低いときおよび暖房時において屋外照度が高いときに、スラットSの昇降位置を高くする昇降制御を、屋外照度に連動したスラットSの開閉制御に加える。このとき、スラットSのスラット角度は、冷房時において、屋外照度が低いときに開方向に制御され、屋外照度が高いときに閉方向に制御され、暖房時において、屋外照度が低いときに閉方向に制御され、屋外照度が高いときに開方向に制御される。この場合の総電力使用量は、図5(a)に示す特性Y1,Y2(太実線)で表され、空調負荷K2および照明負荷K3の総電力消費量の削減につなげることができる。
【0036】
協調制御ユニットU0は、図1に示す構成を備える。
【0037】
協調制御ユニットU0は、時刻取得部1、照度取得部2、空調状態取得部3、直射光遮蔽予測部4、曇天判定部5、高さ決定部6、高さ情報記憶部7、角度決定部8、角度情報記憶部9、高さ/角度制御部10を備える。さらに、直射光遮蔽予測部4は、太陽位置算出部41、直射防止データ生成部42、入射距離情報記憶部43、建物情報記憶部44で構成される。また、高さ決定部6、角度決定部8、高さ/角度制御部10によって、制御部11が構成されており、本発明の制御部に相当する。
【0038】
時刻取得部1は、ネットワークNT1上の他の端末の計時部G1から現在時刻の情報を取得する。また、時刻取得部1は、自己が現在時刻の計時動作を行う構成でもよい。
【0039】
また、建物H1外には照度センサM1が配置されて、照度センサM1は、建物H1外の屋外照度(特に、昼光(日光)による照度)を検出しており、照度取得部2は、照度センサM1の検出信号が入力され、屋外照度情報を取得する。
【0040】
空調状態取得部3は、空調制御ユニットU2から、空調機器K2の空調状態情報を取得する。この空調状態情報は、空調機器K2の運転モード(冷房運転または暖房運転)の情報を含む。
【0041】
以下、協調制御ユニットU0によるブラインド制御について、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0042】
まず、時刻取得部1が現在時刻情報を取得する(S1)。
【0043】
建物情報記憶部44には、建物H1の位置、構造、立地条件等の建物情報が予め格納されており、建物H1の緯度、経度や、窓W1の大きさ、向きや、建物H1の周囲にある建築物の各情報などが、建物情報として予め登録されている。例えば図7に示すように、窓W1の上部に設けた庇H12の水平方向の長さ寸法X11、窓W1の上端と庇H12との間の上下方向の寸法X12、窓W1の高さ寸法X13、窓W1の下端と床面H11との間の上下方向の寸法X14の各情報も、建物情報に含まれる。
【0044】
そして、太陽位置算出部41は、時刻取得部1が取得した時刻情報と、建物情報記憶部44から読み込んだ建物H1の位置情報とに基づいて、建物H1に対する仮想的な太陽高度を太陽位置(太陽の見かけ高さ)として算出する。このとき、太陽位置算出部41は、現時点における太陽位置だけでなく、現時点から所定時間後(例えば、2時間後)までに亘る太陽位置の軌跡を予測する(S2)。
【0045】
次に、照度取得部2が屋外照度情報を取得する(S3)。曇天判定部5は、時刻取得部1が取得した現在時刻情報と、照度取得部2が取得した屋外照度情報とに基づいて、現在の天候を判定する(S4)。例えば、昼間における屋外照度が所定レベル以上であれば、晴天であると判定し、昼間における屋外照度が所定レベル未満であれば、曇天(雨天も含む)であると判定する。なお、日没から日の出までの夜間は、セキュリティを考慮して、ブラインドK1のスラットSを完全巻下状態、閉状態に維持することが多い。
【0046】
曇天判定部5が晴天であると判定した場合、直射光遮蔽予測部4によるステップS5の動作を行う。曇天判定部5が曇天であると判定した場合、直射光遮蔽予測部4によるステップS5の動作をスキップする。
【0047】
入射距離情報記憶部43には、入射距離情報が予め格納されている。この入射距離情報について、説明する。図7に示すように、窓W1を通って建物H1内に照射される太陽の直射光が建物H1内の床面H11に到達する範囲を照射範囲R1とすると、この照射範囲R1の窓W1からの水平距離を入射距離X1とする。そして、この入射距離X1の最大許容距離X1mが、入射距離情報となる。
【0048】
次に、直射防止データ生成部42は、太陽位置算出部41による太陽位置の予測結果と、入射距離情報記憶部43から読み込んだ入射距離情報とに基づいて、直射防止データを生成する(S5)。
【0049】
直射防止データは、遮光上限昇降位置、遮光上限角度で構成される。遮光上限昇降位置は、建物H1内に入射する太陽の直射光の入射距離X1が、現時点から所定時間後(例えば、2時間後)に亘って最大許容距離X1mを超えないようにするスラットSの昇降位置の上限位置(図7におけるXsが最小となる昇降位置)である。遮光上限角度は、現時点から所定時間後(例えば、2時間後)に亘って、太陽の直射光がブラインドK1を通過して建物H1内に入射しないようにするスラット角度の上限値である。この直射防止データは、太陽の直射光が、建物H1内に必要以上に差し込まないことを担保するために用いられる。なお、スラットSが全閉時におけるスラット角度を0度とし、スラットSが全開時におけるスラット角度を90度とする。
【0050】
例えば、建物H1が、緯度31度、経度121度に位置する場合、9月22日、午前8時における太陽高度,太陽方位角は、26.5度,−70.9度(南に対して東方向に70.9度)になり、東面の窓W1Bに対する太陽の見かけ高さは、27.8度となる。この場合、ブラインドK1が太陽の直射光を遮って、直射光が建物H1内に差し込まないようにするスラット角度の上限値(遮光上限角度)は、53.1度となる。すなわち、スラット角度が53.1度を超えると、太陽の直射光が建物H1内に入射してしまう。
【0051】
また、図7に示す建物構造の場合、入射距離X1≦最大許容距離X1mを満たすスラットSの遮光長さXsは、床面H11に対する太陽の直射光の入射角度をθとすると、
Xs=X13+X14−X1m・tanθ
となる。
【0052】
例えば、最大許容距離X1m=3(m)の条件下において、X12=0.5(m)、X13=2(m)、X14=0.75(m)、入射角度θ=27.8度とすると、遮光長さXs=1.2(m)となる。すなわち、スラットSの昇降位置が、遮光長さXs=1.2(m)より上方になると、太陽の直射光が、最大許容距離X1m=3(m)を超えて建物H1内に入射してしまう。
【0053】
上述の例では、直射防止データ[遮光上限角度:53.1度、遮光上限昇降位置:遮光長さXs=1.2(m)]となる。
【0054】
次に、高さ決定部6、角度決定部8によるスラットSの昇降位置、スラット角度の決定処理について説明する。
【0055】
高さ情報記憶部7には、屋外照度とスラットSの昇降位置との対応関係を登録した高さ情報が予め格納されている。図8(a)は、空調負荷K2が冷房運転を行っているときの高さ情報であり、図8(b)は、空調負荷K2が暖房運転を行っているときの高さ情報である。
【0056】
空調負荷K2の冷房運転時に対応する高さ情報(図8(a))は、屋外照度が高いほど、スラットSの昇降位置を巻下方向(昇降位置が低い方向)に設定して、昼光を遮光している。一方、屋外照度が低いほど、スラットSの昇降位置を巻上方向(昇降位置が高い方向)に設定して、昼光を積極的に建物H1内に導入している。図8(a)では、スラットSの昇降位置を、屋外照度に応じて4段階L1〜L4に設定している。なお、昇降位置L1は、完全巻上(100%巻上)、昇降位置L2は、66%巻上、昇降位置L3は、33%巻上、昇降位置L4は、完全巻下(0%巻上)である。
【0057】
空調負荷K2の暖房運転時に対応する高さ情報(図8(b))は、屋外照度が高いほど、スラットSの昇降位置を巻上方向(昇降位置が高い方向)に設定して、昼光を積極的に建物H1内に導入している。一方、屋外照度が低いほど、スラットSの昇降位置を巻下方向(昇降位置が低い方向)に設定して、建物H1内から窓W1を通過して建物H1外へ伝達される貫流熱を低減させている。図8(b)では、スラットSの昇降位置を、屋外照度に応じて4段階に設定している。なお、昇降位置L11は、完全巻上(100%巻上)、昇降位置L12は、66%巻上、昇降位置L13は、33%巻上、昇降位置L14は、完全巻下(0%巻上)である。
【0058】
図8(a)(b)に示す高さ情報は、建物H1の構造、窓W1の構造、空調負荷K2、照明負荷K3の各設備特性を考慮して、空調負荷K2、照明負荷K3の消費エネルギーを算出するシミュレーションを行い、このシミュレーション結果に基づいて作成されている。すなわち、屋外照度に応じて、空調負荷K2、照明負荷K3の各消費エネルギーの和が最も少ないスラットSの昇降位置をシミュレーションで導出し、この導出結果を統計的にまとめたものである。なお、図8(a)(b)において、1つの屋外照度に対して、2つの昇降位置が重複している領域は、巻上制御、巻下制御によって、昇降位置の切替タイミングが異なるためである。
【0059】
そして、高さ決定部6は、空調状態取得部3が取得した空調状態情報に基づいて、空調機器K2の運転モードが冷房運転、暖房運転のいずれであるかを判断する。空調機器K2の冷房運転時には、高さ情報記憶部7から図8(a)に示す冷房運転時の高さ情報を読み込み、空調機器K2の暖房運転時には、高さ情報記憶部7から図8(b)に示す暖房運転時の高さ情報を読み込む。高さ決定部6は、照度取得部2が取得した屋外照度情報を、読み込んだ高さ情報に適用して、スラットSの昇降位置を決定する(S6)。
【0060】
次に、角度情報記憶部9には、屋外照度とスラットSのスラット角度との対応関係を、スラットSの昇降位置に応じて登録した角度情報が予め格納されている。図9(a)〜(c)は、空調負荷K2が冷房運転を行っているときの角度情報であり、図10(a)〜(c)は、空調負荷K2が暖房運転を行っているときの角度情報である。
【0061】
空調負荷K2の冷房運転時に対応する角度情報は、屋外照度が高いほど、スラット角度を閉方向に設定している。図9(a)〜(c)では、高さ決定部6が決定した昇降位置に応じて、3段階の特性Y31〜Y33のいずれかを用いることによって、スラット角度を設定している。特性Y31は、屋外照度が高く、昇降位置が完全巻下となる屋外照度領域Z31に対応する。特性Y32は、屋外照度が中間で、昇降位置が33%巻上となる屋外照度領域Z32に対応する。特性Y33は、屋外照度が低く、昇降位置が66%巻上となる屋外照度領域Z33に対応する。
【0062】
空調負荷K2の暖房運転時に対応する角度情報は、屋外照度が高いほど、スラット角度を開方向に設定している。図10(a)〜(c)では、高さ決定部6が決定した昇降位置に応じて、3段階の特性Y41〜Y43のいずれかを用いることによって、スラット角度を設定している。特性Y41は、屋外照度が低く、昇降位置が66%巻上となる屋外照度領域Z41に対応する。特性Y42は、屋外照度が中間で、昇降位置が33%巻上となる屋外照度領域Z42に対応する。特性Y43は、屋外照度が高く、昇降位置が完全巻下となる屋外照度領域Z43に対応する。
【0063】
図9、図10に示す角度情報は、建物H1の構造、窓W1の構造、空調負荷K2、照明負荷K3の各設備特性を考慮して、空調負荷K2、照明負荷K3の消費エネルギーを算出するシミュレーションを行い、このシミュレーション結果に基づいて作成されている。すなわち、屋外照度、および高さ決定部6が決定した昇降位置に応じて、空調負荷K2、照明負荷K3の各消費エネルギーの和が最も少ないスラット角度をシミュレーションで導出し、この導出結果を統計的にまとめたものである。なお、図9(a)〜(c)、図10(a)〜(c)において、1つの屋外照度に対して、2つのスラット角度が重複している領域は、巻上制御、巻下制御によって、スラット角度の切替タイミングが異なるためである。
【0064】
そして、角度決定部8は、空調状態取得部3が取得した空調状態情報に基づいて、空調機器K2の運転モードが冷房運転、暖房運転のいずれであるかを判断する。空調機器K2の冷房運転時には、角度情報記憶部9から図9に示す冷房運転時の角度情報を読み込み、空調機器K2の暖房運転時には、角度情報記憶部7から図10に示す暖房運転時の角度情報を読み込む。角度決定部8は、照度取得部2が取得した屋外照度情報、および高さ決定部6が決定した昇降位置を、読み込んだ角度情報に適用して、スラットSのスラット角度を決定する(S7)。
【0065】
次に、高さ/角度制御部10は、直射防止データ生成部42が生成した直射防止データ、高さ決定部6が決定したスラットSの昇降位置、角度決定部8が決定したスラットSのスラット角度に基づいて、スラットSの昇降位置、スラット角度を制御する(S8)。
【0066】
本実施形態において、高さ/角度制御部10は、高さ決定部6が決定したスラットSの昇降位置が、遮光上限昇降位置より下方にあるか否かを判定する。高さ決定部6が決定したスラットSの昇降位置が、遮光上限昇降位置より下方にある場合、高さ決定部6が決定したスラットSの昇降位置を、ブラインドK1の制御内容として最終決定する。一方、高さ決定部6が決定したスラットSの昇降位置が、遮光上限昇降位置より上方にある場合、スラットSの昇降位置を遮光上限昇降位置とし、遮光上限昇降位置を、ブラインドK1の制御内容として最終決定する。
【0067】
さらに、高さ/角度制御部10は、角度決定部8が決定したスラットSのスラット角度が、遮光上限角度以下であるか否かを判定する。角度決定部8が決定したスラットSのスラット角度が、遮光上限角度以下である場合、角度決定部8が決定したスラットSのスラット角度を、ブラインドK1の制御内容として最終決定する。一方、角度決定部8が決定したスラットSのスラット角度が、遮光上限角度より大きい場合、スラットSの昇降位置を遮光上限角度とし、遮光上限角度を、ブラインドK1の制御内容として最終決定する。
【0068】
そして、高さ/角度制御部10は、上記のように最終決定されたスラットSの昇降位置およびスラット角度となるように、ブラインドK1を昇降制御、開閉制御する。
【0069】
例えば、冷房時において、高さ決定部6が決定したスラットSの昇降位置が「33%巻上」、角度決定部8が決定したスラットSのスラット角度が「60度」、直射防止データ[遮光上限角度:53.1度、遮光上限昇降位置:40%巻上]とする。この場合、高さ/角度制御部10は、昇降位置:33%巻上、スラット角度:53.1度となるように、ブラインドK1を昇降制御、開閉制御する。
【0070】
このように、昼光の導入を利用した省エネルギー制御を行う場合に、ブラインドK1の開閉制御だけでなく、昇降制御も併せて行うことによって、建物H1内の空調、照明におけるエネルギー効率を従来に比べてさらに向上させることができる。
【0071】
また、ブラインドK1の昇降位置に応じたスラット角度とすることによって、ブラインドK1を通らずに、建物H1内に直接入射する昼光分を考慮したスラット角度に設定でき、エネルギー効率を向上させることができる。
【0072】
また、窓W1の周辺の照明、空調に要するエネルギー量に影響する各種因子の中でも、影響度合の大きい屋外照度に応じた昇降制御、開閉制御を行うことによって、シンプルな制御を実現できる。
【0073】
また、本実施形態では、太陽の直射光が、建物H1内に必要以上に差し込まないことを担保するために、遮光上限昇降位置を設定しており、太陽の直射光による不快感を低減させている。さらに、ブラインドK1の昇降制御は、スラットSの昇降動作時に不快な動作音が発生し、ユーザに不快感を与える虞がある。しかしながら、遮光上限昇降位置を設定することによって、不要な昇降動作を抑制でき、ユーザの不快感を緩めることができる。
【0074】
(実施形態2)
本実施形態の省エネルギー制御システムは、実施形態1と同様の構成を備えており、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0075】
本実施形態の協調制御ユニットU0において、高さ決定部6、角度決定部8は、スラットSの昇降位置、スラット角度の決定時に、以下の処理を行う。
【0076】
まず、屋外照度が変動することによって、高さ決定部6、角度決定部8が決定するスラットSの昇降位置、スラット角度も変わる。しかしながら、特に昇降位置の頻繁な変化は、騒音やちらつきの発生によって、ユーザに不快感を与える虞がある。
【0077】
そこで、本実施形態の高さ決定部6、角度決定部8は、屋外照度が変動した場合に、スラットSの昇降位置の決定動作よりも、スラット角度の決定動作を優先して行う。
【0078】
高さ決定部6、角度決定部8は、内部タイマーを具備しており、照度取得部2が取得する屋外照度情報に基づいて、屋外照度が上昇方向または低下方向(1つの方向)に変化した場合、この上昇方向または低下方向への変化の継続時間を計時する。
【0079】
高さ決定部6は、屋外照度の1つの方向(上昇または低下)への変化が、第1の所定時間T1以上継続した場合にのみ、スラットSの昇降位置を更新する。また、角度決定部8は、屋外照度の1つの方向への変化が、第2の所定時間T2以上継続した場合にのみ、スラットSのスラット角度を更新する。
【0080】
そして、第1の所定時間T1>第2の所定時間T2の関係に設定することによって、スラットSの昇降位置の更新よりも、スラット角度の更新が優先して実行される。すなわち、騒音やちらつきの観点から高頻度の動作がユーザに不快感を与える虞のある昇降制御は、屋外照度の急激な変化の対応に適さないため、屋外照度が急激に変化した場合は、まず開閉制御で対応する。而して、ユーザの不快感を抑制するとともに、エネルギー効率の向上を図ることが可能となる。
【0081】
また、例えば冷房時の昇降制御等において、スラットSの昇降位置を上方に移動させる巻上制御を行った後、外の天候が曇天から晴天に急に変化した場合、スラットSを急に巻き下げてしまうと、騒音やちらつきの発生によって、ユーザに不快感を与える虞がある。
【0082】
そこで、高さ決定部6は、第1の所定時間T1を、スラットSの昇降位置を上方に移動させる巻上制御時と、スラットSの昇降位置を下方に移動させる巻下制御時とで、互いに異なる値に設定してもよい。この場合、巻上制御時の昇降位置を決定する際には第1の所定時間T11を用い、巻上制御時の昇降位置を決定する際には第1の所定時間T12を用いて、第1の所定時間T11>第1の所定時間T12の関係に設定される。
【0083】
したがって、巻上制御の可否判定を、巻下制御より厳しく行うことによって、巻上制御の頻度を低減し、ユーザの不快感を抑制することができる。
【0084】
(実施形態3)
本実施形態の省エネルギー制御システムは、図11に示す構成を備えており、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0085】
本実施形態において、ネットワークNT1上の他の端末に操作部G2が設けられており、ユーザが操作部G2を操作することによって、ブラインドK1のスラットSの昇降制御、開閉制御を手動で行うことができる。操作部G2による昇降制御、開閉制御の操作信号は、協調制御ユニットU0の操作内容取得部12が取得し、高さ/角度制御部10が、操作信号に基づいてスラットSの昇降制御、開閉制御を行う。操作信号に基づいて高さ/角度制御部10が行ったスラットSの昇降制御、開閉制御の履歴(昇降位置、スラット角度)は、操作履歴記憶部13に格納される。
【0086】
そして、高さ/角度決定部10は、屋外照度に応じてスラットSの昇降制御を行う場合、操作履歴記憶部13を参照して、現在から過去の所定期間(例えば、3日間)に操作信号によって手動制御された昇降位置のうち最も低い昇降位置を、昇降制御の上限とする。
【0087】
このように、ユーザの操作履歴から昇降制御の傾向を読み取り、ブラインドK1の昇降制御に反映させることによって、ユーザが感じる快適性を向上させることができる。
【0088】
また、操作部G2は、制御部11によって自動制御される昇降制御および開閉制御を有効または無効に切り替えるためのユーザ操作が可能に構成されている。すなわち、ユーザが操作部G2を操作することによって、スラットSの昇降制御、開閉制御の有効・無効設定を手動で行うことができる。
【0089】
ユーザによっては、制御部11が自動制御したスラットSの昇降位置およびスラット角度によって作り出される建物H1内の環境を好まない場合がある。そこで、スラットSの昇降位置、スラット角度の自動制御を無効設定した後に、ユーザが操作部G2を操作して、スラットSの昇降制御、開閉制御を手動で行うことによって、ユーザの好みの環境を作り出すことができる。
【0090】
なお、自動制御の有効・無効設定は、昇降制御および開閉制御の少なくとも一方を設定対象とすればよい。
【符号の説明】
【0091】
U0 協調制御ユニット(省エネルギー制御装置)
2 照度取得部
4 直射光遮蔽予測部
6 高さ決定部
7 高さ情報記憶部
8 角度決定部
9 角度情報記憶部
10 高さ/角度制御部
11 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスラットを建物の開口部に並設して、前記スラットの昇降位置および前記スラットの回転角度を調整自在に構成されたブラインドを制御する省エネルギー制御装置であって、
前記スラットの昇降位置を制御する昇降制御および前記スラットの回転角度を制御する開閉制御を行い、前記ブラインドを介して前記建物内に入射する入射光を利用して、前記建物内の照明負荷および空調負荷の各消費エネルギーの和を抑制する方向に、前記スラットの昇降位置および前記スラットの回転角度を制御する制御部を備える
ことを特徴とする省エネルギー制御装置。
【請求項2】
前記建物外の照度の検出結果を取得する照度取得部と、
前記建物外の照度と前記スラットの昇降位置との対応関係を登録した高さ情報を格納した高さ情報記憶部と、
前記建物外の照度と前記スラットの回転角度との対応関係を前記スラットの昇降位置に応じて登録した角度情報を格納した角度情報記憶部とを備え、
前記高さ情報における前記スラットの昇降位置は、対応する前記建物外の照度のときに、前記建物内の照明負荷および空調負荷の各消費エネルギーの和を抑制可能な昇降位置に設定され、
前記角度情報における前記スラットの回転角度は、対応する前記建物外の照度のときに、前記建物内の照明負荷および空調負荷の各消費エネルギーの和を抑制可能な回転角度に設定され、
前記制御部は、前記高さ情報を参照して、前記照度取得部が取得した前記建物外の照度に基づいて、前記スラットの昇降位置を決定し、前記角度情報を参照して、前記スラットの昇降位置と前記照度取得部が取得した前記建物外の照度とに基づいて、前記スラットの回転角度を決定する
ことを特徴とする請求項1記載の省エネルギー制御装置。
【請求項3】
前記高さ情報記憶部は、前記空調負荷の冷房動作時および前記空調負荷の暖房動作時の各々に対応させた前記高さ情報を格納し、
前記空調負荷の冷房動作時に対応した前記高さ情報は、前記建物外の照度が高くなるにつれて、前記スラットの昇降位置を低く設定し、
前記空調負荷の暖房動作時に対応した前記高さ情報は、前記建物外の照度が高くなるにつれて、前記スラットの昇降位置を高く設定する
ことを特徴とする請求項2記載の省エネルギー制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記建物外の照度が変動して、前記スラットの昇降位置、回転角度を変更する場合、前記建物外の照度の変動状態が第1の所定時間以上継続したときに、前記高さ情報を参照して前記スラットの昇降位置を決定し、前記建物外の照度の変動状態が第2の所定時間以上継続したときに、前記角度情報を参照して、前記スラットの回転角度を決定し、前記第1の所定時間は、前記第2の所定時間より長いことを特徴とする請求項2または3記載の省エネルギー制御装置。
【請求項5】
前記第1の所定時間は、前記スラットの昇降位置を高くする巻上動作および前記スラットの昇降位置を低くする巻下動作の各々に対応させて設定され、
前記巻上動作に対応する前記第1の所定時間は、前記巻下動作に対応する前記第1の所定時間より長い
ことを特徴とする請求項4記載の省エネルギー制御装置。
【請求項6】
太陽位置の軌跡を算出する太陽位置算出部と、
前記開口部を通って前記建物内に照射される太陽の直射光が前記建物内に到達する範囲を照射範囲とし、この照射範囲の前記開口部からの水平距離を入射距離とした場合、入射距離の最大許容距離の情報を格納した入射距離情報記憶部と、
前記太陽位置の軌跡に基づき、現在から所定時間が経過するまでの期間に亘って、前記入射距離が前記最大許容距離内になる前記スラットの昇降位置の上限を算出する直射防止データ生成部とを備え、
前記制御部は、前記昇降制御時における前記スラットの昇降位置の上限を、前記直射防止部が算出した前記昇降位置の上限に設定する
ことを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の省エネルギー制御装置。
【請求項7】
前記スラットの昇降位置を変動させるためのユーザ操作が行われる操作部の操作による前記スラットの昇降位置の変動履歴を格納する操作履歴記憶部とを備え、
前記制御部は、前記スラットの昇降位置の変動履歴に基づいて、前記昇降制御時における前記スラットの昇降位置の上限を、過去の所定期間において前記操作部の操作によって設定された最も低い前記スラットの昇降位置とする
ことを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の省エネルギー制御装置。
【請求項8】
前記制御部による前記昇降制御および前記開閉制御の少なくとも一方を有効または無効に切り替えるためのユーザ操作が行われる操作部を備えることを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の省エネルギー制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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