説明

省燃費運転診断装置、車載システム、駆動制御装置および省燃費運転診断プログラム

【課題】走行する意思がない駐車車両に対してのみアイドリング状態である判定することで、運転者に対して不必要なアイドリングによる無駄な燃料消費を認識させ、運転者の省燃費運転に対する意識の向上を図ることを課題とする。
【解決手段】省燃費運転診断装置は、車両の速度を示す車速に基づいて、車両が停車したことを検出し、停車したと検出された車両のエンジン回転数が所定の閾値以上である場合に、車両がアイドリングをしている状態を示すアイドリング状態であると検出する。そして、省燃費運転診断装置は、検出されたアイドリング状態である車両のセレクトレバーおよび/またはパーキングブレーキに基づいて、当該アイドリング状態である車両が駐車状態であるか否かを判定する。その後、省燃費運転診断装置は、車両の駐車状態が維持されアイドリング駐車時間に基づいて、省燃費運転を診断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両における運転者の省燃費運転を診断する省燃費運転診断装置、車載システム、駆動制御装置および省燃費運転診断プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化対策などの地球環境問題がクローズアップされ、石油などの化石燃料を用いることによる二酸化炭素の排出、特に、ガソリンを用いる自動車などの排出ガスなどが問題となっている。
【0003】
このような問題の対策として、太陽電池を電源とするソーラーカー、燃料電池を用いる燃料電池カー、ガソリンと電力(電気モータ)とを用いるハイブリッドカーなど、排出ガスを低減する様々な電気自動車が開発されている。
【0004】
ところが、上記した電気自動車は、一般社会ではまだまだ普及しているとは言い難く、現在最も使用されているのは、従来からのガソリンを用いた自動車である。そのため、地球環境問題などの対策としては、ガソリンを用いる自動車における排出ガスを低減することが必要である。このようなことから、最近では、自動車を運転する運転者に対して、排出ガス低減を促す様々な技術が開示されている。
【0005】
例えば、排出ガス低減を促す技術として、車両が連続して所定時間以上(信号待ちは除く)停車状態にあり、かつ、エンジン回転速度がアイドリング閾値以下の場合に、アイドリング状態であると判定して、運転者に対して警告を出力する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2007−326574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した従来の技術では、走行する意思のある停車、走行する意思のない停車に関わらず、アイドリングを判定していたため、本当に不必要なアイドリングであるか否かを正確に判定できず、運転者の不必要なアイドリングによる無駄な燃料消費に対する意識の向上が図れないという課題があった。
【0008】
具体的には、従来の技術のような装置を車載装置に用いる場合には、車両が信号待ちを除く一定時間を予め決める必要がある。ところが、信号待ちの時間は、交通量などにより異なることが多く、一定に設定するのは現実的でない。そのため、交通量の多い都市部と交通量の少ない地方部とで同じ信号待ち時間を用いることは、運転者にとって平等な基準とは言い難く、アイドリング状態を正確に判定できていない。
【0009】
また、例えば、上記した従来の技術では、右折・左折時の歩行者待ち時間なども停車状態と判断されてしまうので、実際のアイドリング状態よりも多い時間を計数する恐れが強く、アイドリング状態を正確に判定できていない。
【0010】
そこで、本発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、走行する意思がない駐車車両に対してのみアイドリング状態であると判定することで、運転者に対して不必要なアイドリングによる無駄な燃料消費を認識させ、運転者の省燃費運転に対する意識の向上を図ることが可能な省燃費運転診断装置、車載システム、駆動制御装置および省燃費運転診断プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、車両が停車したことを検出する停車検出部と、前記停車検出部により検出された車両のエンジン回転数が所定の閾値以上である場合に、前記車両がアイドリングをしている状態を示すアイドリング状態であると検出するアイドリング停車検出部と、前記アイドリング停車検出部により検出されたアイドリング状態である車両のセレクトレバーまたはパーキングブレーキに基づいて、当該アイドリング状態である車両が駐車状態であるか否かを判定するアイドリング駐車判定部と、前記アイドリング駐車判定部により判定された前記車両の駐車状態が維持された経過時間であるアイドリング駐車時間を計数するアイドリング駐車時間計数部と、を備え、前記アイドリング駐車時間計数部により計数されたアイドリング駐車時間に基づいて、省燃費運転を診断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、既に走行する意思がない駐車車両に対してのみ、アイドリング状態であると判定しているため、運転者に対して不必要なアイドリングによる無駄な燃料消費を認識させることができ、運転者の省燃費運転に対する意識の向上を図れる。
【0013】
また、本発明によれば、車両が停車状態であるか否かをより正確に判定することが可能である。
【0014】
また、本発明によれば、運転者にわかり易い平均アイドリング時間を算出することにより、運転者に対して省燃費運転をより促すことが可能である。
【0015】
また、本発明によれば、本当に不必要なアイドリング状態だけを計数することができ、アイドリング状態をより正確に判定することが可能である。
【0016】
また、本発明によれば、運転者に対して省燃費運転のアドバイスを通知するので、運転者に対して省燃費運転をより強く促すことが可能である。
【0017】
また、本発明によれば、運転者にわかり易い情報の通知を行うことができ、運転者に対して省燃費運転をより促すことが可能である。
【0018】
また、本発明によれば、無駄なアイドリング、すなわち、無駄なガスを排出している運転者に対して、省燃費運転のアドバイスを即刻通知することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る省燃費運転診断装置、車載システム、駆動制御装置および省燃費運転診断プログラムの実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本実施例に係る省燃費運転診断装置の概要、省燃費運転診断装置の構成および処理の流れを順に説明し、最後に本実施例に対する種々の変形例を説明する。
【実施例1】
【0020】
[省燃費運転診断装置の概要および特徴]
図1に示すように、実施例1に係る省燃費運転診断装置10は、自動車などの車両における車載システムに搭載される装置であり、車両における運転者の省燃費運転を診断する。また、この車載システム1には、当該省燃費運転診断装置10と、車内に音声を出力するスピーカー16と、運転席者などに対して運転支援を行うカーナビゲーション装置17とが接続されるとともに、省燃費運転診断装置10とバス100を介して接続される車両の駆動に関する各種制御を行う駆動制御装置20とを有する。もっとも、ここで図示した省燃費運転診断装置10は、あくまで本発明を説明するための例示であり、これに限定されるものではなく、例えば、エアコン、空気清浄機など自動車に搭載されている各種装置が含まれていてもよい。
【0021】
そして、実施例1に係る省燃費運転診断装置10は、車両の速度を示す車速に基づいて、車両が停車したことを検出し、停車したと検出された車両のエンジン回転数が所定の閾値以上である場合に、車両がアイドリングをしている状態を示すアイドリング状態であると検出する。そして、省燃費運転診断装置10は、検出されたアイドリング状態である車両のセレクトレバーおよび/またはパーキングブレーキに基づいて、当該アイドリング状態である車両が駐車状態であるか否かを判定する。その結果、省燃費運転診断装置10は、アイドリング状態を正確に判定することが可能である。
【0022】
具体的には、実施例1に係る省燃費運転診断装置10は、アイドリング状態で停車している車両のセレクトレバーが「Pレンジ」である場合、または、パーキングブレーキが「ON」である場合に、当該アイドリング状態である車両が駐車状態であると判定する。つまり、省燃費運転診断装置10は、アイドリング状態で停車している車両のセレクトレバーが「Pレンジ」であるか否か、または、パーキングブレーキが「ON」であるか否かにより、当該アイドリング状態である車両に「走行する意思があるか否か」を判定している。そして、省燃費運転診断装置10は、「走行意思がない」と判定したアイドリング状態の車両、言い換えれば、車両のセレクトレバーが「Pレンジ」またはパーキングブレーキが「ON」である車両に対して、アイドリングをして無駄に燃費を消費している車両であると判定する。
【0023】
つまり、歩行者通過待ち、左折・右折時など走行する意志があるにも関わらず、一時的に停車しなければならない車両をアイドリング状態であると判定してしまうのは、運転者にとってあまりにも不都合であり、運転者に対して不利益になる。したがって、実施例1に係る省燃費運転診断装置10は、セレクトレバーが「Pレンジ」であったり、パーキングブレーキが「ON」になっているような、既に走行する意思がない駐車車両に対してのみ、アイドリング状態であると判定しているため、アイドリング状態を正確に判定することが可能である。
【0024】
[省燃費運転診断装置の構成]
次に、図1を用いて、実施例1に係る省燃費運転診断装置の構成を説明する。図1は、実施例1に係る省燃費運転診断装置を含む車載システムの構成を示すブロック図である。
【0025】
図1に示すように、この車載システム1は、省燃費運転診断装置10と、スピーカー16と、カーナビゲーション装置17と、駆動制御装置20と、エンジン制御装置21と、ブレーキ制御装置22と、車速センサ23と、アクセル操作量センサ24と、シフトセンサ25と、車速パルス信号積算値格納部26とを有する。
【0026】
このうち、スピーカー16は、省燃費運転診断装置10から入力された各種音声信号を音声として車内に出力したり、図示しないラジオや音楽プレーヤーなどから入力された各種音声信号を音声として車内に出力したりする。また、カーナビゲーション装置17は、タッチパネルや液晶などを有し、地図情報や道路情報などを表示したり、記憶する地図情報や道路情報から車両が現在走行している道路に関する情報を省燃費運転診断装置10に出力したりする一般的なカーナビゲーションである。
【0027】
(省燃費運転診断装置10の構成)
省燃費運転診断装置10は、出力インタフェース部11と、車載ネットワークインタフェース部12と、省燃費運転診断部13と、省燃費運転採点部14と、省燃費運転アドバイス生成部15とを有する。
【0028】
出力インタフェース部11は、省燃費運転診断装置10とスピーカー16との間でやり取りする各種情報に関する通信を制御するインタフェースであり、例えば、後述する省燃費運転診断部13から出力された運転者の省燃費運転診断結果、省燃費運転採点部14から出力された運転者の省燃費運転採点結果、省燃費運転アドバイス生成部15から出力された運転者への省燃費運転アドバイスなどを受け付けて、スピーカー16に出力する。
【0029】
車載ネットワークインタフェース部12は、省燃費運転診断装置10と後述する駆動制御装置20との間でやり取りする各種情報に関する通信を制御するインタフェースであり、例えば、省燃費運転診断装置10から出力される各種要求(例えば、速度取得要求やエンジン回転数速度取得要求など)を受け付けて、駆動制御装置20に対して出力したり、駆動制御装置20から出力される各種応答(例えば、速度情報やエンジン回転数情報など)を受け付けて、省燃費運転診断装置10に対して出力したりする。
【0030】
省燃費運転診断部13は、車両における運転者の省燃費運転を診断する制御部であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、メモリ13aと、停車検出部13bと、アイドリング停車検出部13cと、アイドリング駐車判定部13dと、アイドリング駐車時間計数部13eと、アイドリング駐車回数計数部13fと、平均アイドリング駐車時間計数部13gと、アイドリング放置判定部13hとを有する。
【0031】
メモリ13aは、省燃費運転診断部13が有する各機能部(停車検出部13b〜アイドリング放置判定部13h)などにより生成された各種情報を記憶するとともに、特に本発明に密接に関連するものとしては、車両がアイドリング停車状態であるか否かを判定するためのアイドリング停車状態判定条件と、車両がアイドリング駐車状態であるか否かを判定するアイドリング駐車状態判定条件と、車両がアイドリング状態を維持しているか否かを示すアイドリング放置状態判定条件とを記憶する。
【0032】
例えば、メモリ13aは、アイドリング停車状態判定条件として、図2に示すように、『車両の速度を示す「車速」、車両のエンジンの回転数を示す「エンジン回転数」』を用いて、『「SP1(車速)>=0km/h」、AND、「NE1(エンジン回転数)>0rpm」』を記憶する。なお、図2は、アイドリング停車状態判定条件を示す図である。
【0033】
また、例えば、メモリ13aは、アイドリング駐車状態判定条件として、図3に示すように、『車両がアイドリング停車状態であるか否かを示す「アイドリング停車状態判定」、車両のセレクトレバーがPレンジであるか否かを示す「Pレンジ信号」、車両のパーキングブレーキがONであるか否かを示す「PKB信号」』を用いて、『「アイドリング停車状態」、AND、「Pレンジ信号がON」、AND、「PKB信号がON」』を記憶する。なお、アイドリング駐車状態判定条件は任意に設定することができ、例えば、『「アイドリング停車状態」、AND、「Pレンジ信号がON」、OR、「PKB信号がON」』とすることもできる。また、図3は、アイドリング駐車状態判定条件を示す図である。
【0034】
また、例えば、メモリ13aは、アイドリング放置状態判定条件として、図4に示すように、『車両がアイドリング駐車状態であるか否かを示す「アイドリング駐車状態判定」、アイドリング駐車を維持している経過時間を示す「アイドル後駐車時間」』を用いて、『「アイドリング駐車状態」、AND、「アイドル後駐車時間>=10sec」』を記憶する。なお、ここで示したアイドル後駐車時間はあくまで例示であり、これに限定されるものではない。また、図4は、アイドリング放置状態判定条件を示す図である。
【0035】
停車検出部13bは、車両の速度を示す車速に基づいて、車両が停車したことを検出する。具体的には、停車検出部13bは、駆動制御装置20から取得した車速情報が「車速=0km」である場合に、車両が停車したことを検出する。そして、停車検出部13bは、車両が停車したことを後述するアイドリング停車検出部13cに通知する。
【0036】
アイドリング停車検出部13cは、停車検出部13bにより停車したと検出された車両のエンジン回転数が所定の閾値以上である場合に、車両がアイドリングをしている状態を示すアイドリング状態であると検出する。具体的には、アイドリング停車検出部13cは、車両が停車したことが停車検出部13bにより通知された後に、メモリ13aに記憶されるアイドリング停車状態判定条件を参照しつつ、車両がアイドリング状態であるか否か判定する。例えば、車両が停車したことが通知されたアイドリング停車検出部13cは、駆動制御装置20を介して、「車速」と「エンジン回転数」とを取得する。そして、アイドリング停車検出部13cは、メモリ13aに記憶されるアイドリング停車状態判定条件を満たす事象が発生した場合に、すなわち、『取得した車速が「0km/h以上」、かつ、取得したエンジン回転数が「0rpmより大きい」』場合に、車両がアイドリング停車状態であると判定する。アイドリング停車状態であると判定したアイドリング停車検出部13cは、車両がアイドリング停車状態であることをアイドリング駐車判定部13dに通知する。
【0037】
アイドリング駐車判定部13dは、アイドリング停車検出部13cにより検出されたアイドリング状態である車両のセレクトレバーおよび/またはパーキングブレーキに基づいて、当該アイドリング状態である車両が駐車状態であるか否かを判定する。具体的には、アイドリング駐車判定部13dは、車両がアイドリング停車状態であるとアイドリング停車検出部13cにより判定された場合に、メモリ13aに記憶されるアイドリング駐車状態判定条件を参照しつつ、車両がアイドリング状態で駐車しているか否か判定する。そして、アイドリング駐車判定部13dは、車両がアイドリング状態で駐車していると判定した場合に、車両がアイドリング駐車状態であることをアイドリング放置判定部13hに通知する。
【0038】
例えば、アイドリング駐車判定部13dは、車両がアイドリング停車状態であるとアイドリング停車検出部13cにより通知された後、メモリ13aに記憶されるアイドリング駐車状態判定条件を参照しつつ、車両がアイドリング状態で駐車しているか否か判定する。つまり、車両がアイドリング状態で停車していることが通知されたアイドリング駐車判定部13dは、駆動制御装置20を介して、「Pレンジ信号」と「PKB信号」とを取得する。そして、アイドリング駐車判定部13dは、メモリ13aに記憶されるアイドリング駐車状態判定条件を満たす事象が発生した場合に、すなわち、『「車両がアイドリング停車状態である」、かつ、取得したPレンジ信号が「ON」、かつ、取得したPKB信号が「ON」』となった場合に、車両がアイドリング状態で駐車していると判定する。
【0039】
アイドリング駐車時間計数部13eは、アイドリング駐車判定部13dにより判定された車両の駐車状態が維持された経過時間であるアイドリング駐車時間を計数する。具体的には、アイドリング駐車時間計数部13eは、アイドリング駐車判定部13dにより、車両がアイドリング駐車状態であると判定されたときから、車両がアイドリング停車状態を解消するまでの時間を計数してメモリ13aに格納する。
【0040】
アイドリング駐車回数計数部13fは、アイドリング状態である車両が駐車状態となった回数であるアイドリング駐車回数を計数する。具体的には、アイドリング駐車回数計数部13fは、アイドリング駐車判定部13dにより車両がアイドリング停車状態であると判定されるたびに、アイドリング駐車回数として計数してメモリ13aに格納する。
【0041】
平均アイドリング駐車時間計数部13gは、アイドリング駐車回数計数部13fにより計数されたアイドリング駐車回数と、アイドリング駐車時間計数部13eにより計数されたアイドリング駐車時間とに基づいて、アイドリング状態である車両が1回の停車状態でアイドリング状態を維持した時間を示す平均アイドリング駐車時間を算出する。具体的には、平均アイドリング駐車時間計数部13gは、アイドリング駐車回数計数部13fにより格納された駐車状態となった回数と、アイドリング駐車時間計数部13eにより格納された駐車状態を維持した経過時間とをメモリ13aから取得し、「経過時間/駐車回数」から平均アイドリング駐車時間を算出してメモリ13aに格納する。
【0042】
例えば、平均アイドリング駐車時間計数部13gは、メモリ13aから取得した駐車状態となった回数が「10」と駐車状態を維持した経過時間「0.3時間」である場合、平均アイドリング駐車時間を「0.3」と算出する。そして、省燃費運転採点部14は、算出した平均アイドリング駐車時間「0.3」をメモリ13aに格納する。
【0043】
アイドリング放置判定部13hは、アイドリング駐車判定部13dによりアイドリング状態である車両が駐車状態であると判定されてから所定の時間経過した場合に、当該車両がアイドル状態で放置されている状態を示すアイドリング放置であると判定して、運転者に対して省燃費運転のアドバイスを通知する。例えば、アイドリング放置判定部13hは、アイドリング駐車判定部13dによりアイドリング状態である車両が駐車状態であると判定された後、メモリ13aに記憶されるアイドリング放置状態判定条件を参照しつつ、車両がアイドリング状態で放置しているか否か判定する。
【0044】
つまり、アイドリング状態である車両が駐車状態であると通知されたアイドリング放置判定部13hは、アイドリング駐車時間計数部13eによりメモリ13aに計数される「車両がアイドリング状態で駐車している時間(経過時間)」を取得する。そして、アイドリング放置判定部13hは、メモリ13aに記憶されるアイドリング放置状態判定条件を満たす事象が発生した場合に、すなわち、『「車両がアイドリング駐車状態である」、かつ、取得した経過時間が「10秒以上」』となった場合に、車両がアイドリング状態で放置していると判定する。車両がアイドリング状態で放置していると判定しアイドリング放置判定部13hは、運転者に対して、スピーカー16を介して、「アイドリング放置状態です。速やかにエンジンを切ってください。」などのアドバイスを即刻通知する。
【0045】
省燃費運転採点部14は、平均アイドリング駐車時間計数部13gにより算出された平均アイドリング駐車時間から運転者の省燃費運転を採点し、当該採点結果に基づいて、運転者に対して省燃費運転のアドバイスを通知する。具体的には、省燃費運転採点部14は、平均アイドリング駐車時間計数部13gにより算出されてメモリ13aに格納される平均アイドリング駐車時間を取得して100を乗算することにより、運転者の省燃費運転を採点することもできる。上記した例では、省燃費運転採点部14は、平均アイドリング駐車時間「0.3」に100を乗算することにより、運転者の省燃費運転を「30」点と採点してメモリ13aに格納する。ここで採点される点数は、平均アイドリング時間を算出していることにより、アイドリング時間が多いほど高い点数が算出される。つまり、より大きい点数が算出されるほど、運転者は、省燃費運転を行っていないと判断されることとなる。
【0046】
また、省燃費運転採点部14は、アイドリング駐車時間計数部13eにより計数された「車両がアイドリング状態で駐車している時間(経過時間)」に基づいて、運転者の省燃費運転を採点することもできる。例えば、省燃費運転採点部14は、アイドリング駐車時間計数部13eにより計数されてメモリ13aに格納された「アイドリング状態で駐車している時間」が「所定の閾値(例えば、1分)以上」であった場合に、運転者の省燃費運転を「無駄な消費が多い」と採点したり、「アイドリング状態で駐車している時間」が「所定の閾値(例えば、1分)未満」であった場合に、運転者の省燃費運転を「無駄な消費が少ない」と採点したりすることもできる。
【0047】
省燃費運転アドバイス生成部15は、省燃費運転採点部14により算出(診断)された結果に基づいて、運転者に対して省燃費運転のアドバイスを通知する。具体的に例を挙げれば、省燃費運転アドバイス生成部15は、メモリ13aに格納された平均アイドリング駐車時間や採点結果を取得し、その割合に応じたメッセージを作成して運転者に通知する。例えば、省燃費運転アドバイス生成部15は、平均アイドリング駐車時間が「0.2時間」である場合、「アイドリング駐車に注意してください。」などのメッセージを作成して、運転者に対して省燃費運転のアドバイスを通知する。また、省燃費運転アドバイス生成部15は、採点結果が「70点」である場合、「アイドリング駐車が多いです。エコ運転を心がけましょう。」などのメッセージを作成し、スピーカー16を介して、運転者に対して省燃費運転のアドバイスを通知する。
【0048】
なお、ここで省燃費運転アドバイス生成部15がメッセージを作成する手法としては、平均アイドリング時間や採点結果などに対応付けたフォーマットなどを用いることで実現でき、それぞれと閾値とを比較して「メッセージA、B」を選択するようにしてもよい。フォーマットの例としては、「アイドリング駐車が多いです(XX)点。エコ運転を心がけましょう。」などをメモリ13aに記憶させておけばよい。また、閾値との比較としては、例えば、採点結果が閾値A未満であれば「メッセージA」、閾値A以上であれば「メッセージB」などをメモリ13aに格納しておき、省燃費運転アドバイス生成部15は、省燃費運転採点部14により採点された採点結果と閾値とを比較して、上記したメッセージを選択して通知することもできる。
【0049】
(駆動制御装置20と各種装置の構成)
次に、車両の駆動に関する各種制御を行う駆動制御装置20と駆動制御装置20に接続される各装置について説明する。駆動制御装置20に接続される装置としては、エンジン制御装置21と、ブレーキ制御装置22と、車速センサ23と、アクセル操作量センサ24と、シフトセンサ25と、車速パルス信号積算値格納部26とがある。
【0050】
駆動制御装置20は、接続される各装置から各種情報を取得して、省燃費運転診断装置10に出力する。当該駆動制御装置20が各種情報を取得して省燃費運転診断装置10に出力する契機としては、省燃費運転診断装置10から取得要求を受け付けた場合や定期的、さらには、予め定めた契機(例えば、車速が0となった場合)など様々な契機で、取得・通知することができる。また、駆動制御装置20が各種情報を取得して省燃費運転診断装置10に出力する情報としては、例えば、車速、エンジン回転率、セレクトレバー信号、アクセル操作量(アクセル開度率)などがある。
【0051】
また、駆動制御装置20は、エンジン制御装置21と、ブレーキ制御装置22と、車速センサ23と、アクセル操作量センサ24と、シフトセンサ25と、車速パルス信号積算値格納部26などから各種情報を取得して、車両の駆動を制御する。例えば、駆動制御装置20は、アクセル操作量センサ24からアクセス開放率が高くなったことを取得すると、エンジン回転率を上げるようにエンジン制御装置21を制御する。
【0052】
エンジン制御装置21は、車両を駆動するガソリンエンジンを制御する。具体的には、エンジン制御装置21は、駆動制御装置20から通知されるエンジン回転率上昇要求やエンジン回転率下降要求などを受け付けて、それぞれに対応したエンジン回転率を制御する。また、エンジン制御装置21は、現在制御しているエンジン回転率を、駆動制御装置20で説明した契機で、駆動制御装置20に出力する。
【0053】
ブレーキ制御装置22は、図示しない車両のブレーキペダルなどに接続され、運転者のブレーキ操作に応じてメカニカルブレーキを制御するとともに、運転者のシフトレバー操作に応じて回生ブレーキとして使用する様に制御する。車速センサ23は、現在の車両の車速を検知する。具体的には、車速センサ23は、スピードメータなどに表示される現在の車両の車速を検知し、駆動制御装置20で説明した契機で、検知した車速を駆動制御装置20に出力する。
【0054】
アクセル操作量センサ24は、現在の運転者のアクセル操作量を検知する。具体的には、アクセル操作量センサ24は、図示しない車両のアクセルペダルなどに接続され、運転者のアクセル操作に応じてアクセル操作量を検知し、駆動制御装置20で説明した契機で、検知したアクセル操作量を駆動制御装置20に出力する。
【0055】
シフトセンサ25は、車両のシフトレバー(セレクトレバー)の位置を検知する。具体的には、シフトセンサ25は、図示しない車両のシフトレバーなどに接続され、運転者のシフトレバー操作に応じてシフトレバーを検知し、駆動制御装置20で説明した契機で、検知したシフトレバーを示すレンジ信号を駆動制御装置20に出力する。
【0056】
車速パルス信号積算値格納部26は、車両の車輪の内径に備えられたパルスセンサが車輪の1回転毎に車速パルス信号を検知したとして1ずつ積算した値である。すなわち、車速パルス信号積算値は、車輪の回転回数を積算した値である。所定時間の車速パルス信号積算値を算出して車輪の外周長を乗じることによって、該所定時間の車両の走行距離を算出することができる。また、車速パルス信号積算値格納部26は、駆動制御装置20で説明した契機で、算出した車両の走行距離を駆動制御装置20に出力する。
【0057】
[省燃費運転診断装置による処理]
次に、図5と図6とを用いて、実施例1に係る省燃費運転診断装置による処理を説明する。図5は、実施例1に係る省燃費運転診断装置におけるアイドリング駐車判定処理の流れを示すフローチャートであり、図6は、実施例1に係る省燃費運転診断装置におけるアイドリング放置判定処理の流れを示すフローチャートである。
【0058】
(アイドリング駐車判定処理の流れ)
まず、図5を用いて、実施例1に係る省燃費運転診断装置におけるアイドリング駐車判定処理の流れを説明する。図5に示すように、省燃費運転診断装置10は、メモリ13aに記憶されるアイドリング駐車状態判定条件を参照しつつ、アイドリング停車状態であると判定した車両がアイドリング駐車状態であるか否かを判定する(ステップS101肯定とステップS102)。
【0059】
そして、省燃費運転診断装置10は、アイドリング停車状態であると判定した車両がアイドリング駐車状態であると判定すると(ステップS102肯定)、メモリ13aに記憶されるアイドリング駐車状態判定条件を参照しつつ、当該車両が駐車状態を解消するまで、駐車時間をメモリ13aに計数する(ステップS103とステップS104)。
【0060】
一方、省燃費運転診断装置10は、車両がアイドリング停車状態でないと判定した場合(ステップS101否定)や車両がアイドリング駐車状態でないと判定した場合(ステップS102否定)、処理を終了する。
【0061】
(アイドリング放置判定処理の流れ)
次に、図6を用いて、実施例1に係る省燃費運転診断装置におけるアイドリング放置判定処理の流れを説明する。図6に示すように、車両がアイドリング駐車状態であると判定した省燃費運転診断装置10は、メモリ13aに記憶されるアイドリング放置状態判定条件を参照しつつ、車両がアイドリング状態で放置される状態であるか否かを判定する(ステップS201)。
【0062】
そして、省燃費運転診断装置10は、車両がアイドリング状態で放置される状態であると判定した場合(ステップS201肯定)、エコ運転(省燃費運転)を促すメッセージを運転者に対して即刻通知する(ステップS202)。
【0063】
一方、車両がアイドリング状態で放置される状態でないと判定した場合(ステップS201否定)、省燃費運転診断装置10は、所定の契機で、平均アイドリング駐車時間を算出し(ステップS203)、算出した結果に基づいて運転者に対してアドバイスを通知する(ステップS204)。なお、ここで記載した所定の契機とは、例えば、自宅に帰って車両が駐車した場合や運転者により指示操作された場合など、どのような契機であってもよい。
【0064】
[実施例1による効果]
このように、実施例1によれば、省燃費運転診断装置10は、車両が停車したことを検出すし、検出された車両のエンジン回転数が所定の閾値以上である場合に、前記車両がアイドリングをしている状態を示すアイドリング状態であると検出する。そして、省燃費運転診断装置10は、検出されたアイドリング状態である車両のセレクトレバーまたはパーキングブレーキに基づいて、当該アイドリング状態である車両が駐車状態であるか否かを判定し、判定された車両の駐車状態が維持された経過時間であるアイドリング駐車時間を計数した後、計数されたアイドリング駐車時間に基づいて、省燃費運転を診断する。その結果、省燃費運転診断装置10は、既に走行する意思がない駐車車両に対してのみ、アイドリング状態であると判定しているため、アイドリング状態を正確に判定することが可能である。
【0065】
また、実施例1によれば、省燃費運転診断装置10は、アイドリング状態である車両が駐車状態となった回数と、アイドリング状態である車両が駐車状態を維持した経過時間とを計数し、当該計数した駐車状態となった回数と駐車状態を維持した経過時間とに基づいて、アイドリング状態である車両が1回の停車状態でアイドリング状態を維持した時間を示す平均アイドリング駐車時間を算出する。その結果、省燃費運転診断装置10は、運転者にわかり易い平均アイドリング時間を算出することにより、運転者に対して省燃費運転をより促すことが可能である。
【0066】
また、実施例1によれば、省燃費運転診断装置10は、平均アイドリング駐車時間に基づいて、運転者に対して省燃費運転のアドバイスを通知するので、運転者に対して省燃費運転をより強く促すことが可能である。
【0067】
また、実施例1によれば、省燃費運転診断装置10は、平均アイドリング駐車時間から運転者の省燃費運転を採点し、当該採点結果に基づいて、運転者に対して省燃費運転のアドバイスを通知する。その結果、運転者にわかり易い情報の通知を行うことができ、運転者に対して省燃費運転をより促すことが可能である。
【0068】
また、実施例1によれば、省燃費運転診断装置10は、アイドリング状態である車両が駐車状態であると判定されてから所定の時間経過した場合に、当該車両がアイドル状態で放置されている状態を示すアイドリング放置であると判定して、運転者に対して省燃費運転のアドバイスを通知する。その結果、省燃費運転診断装置10は、無駄なアイドリング、すなわち、無駄なガスを排出している運転者に対して、省燃費運転のアドバイスを即刻通知することが可能である。
【実施例2】
【0069】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下に示すように、(1)アドバイス生成手法、(2)停車状態の精度UP、(3)採点の精度UP、(4)機能構成、(5)システム構成等、(6)プログラム、にそれぞれ区分けして異なる実施例を説明する。
【0070】
(1)アドバイス生成手法
例えば、スピーカー16を介して音声により生成したアドバイスを運転者に通知する例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、アドバイスを画像データで生成して、カーナビゲーション装置17や図示しないヘッドアップディスプレイなどに表示出力することもできる。
【0071】
(2)停車状態の精度UP
また、本願が開示する省燃費運転診断装置10は、車両が信号待ち、踏み切り待ち、渋滞中を走行中のいずれでもない場合に、車速に基づいて、車両が停車したかを検出することもできる。具体的には、省燃費運転診断装置10は、カーナビゲーション装置17の地図情報や走行情報などを取得し、車両が信号待ち、踏み切り待ち、渋滞中を走行中の場合には、停車判定を行うようにすることができる。このようにすることで、車両が停車状態であるか否かをより正確に判定することが可能である。
【0072】
(3)採点の精度UP
また、本願が開示する省燃費運転診断装置10は、車両の車中に運転席者以外の人がいる場合、車両のエンジン水温が所定の閾値以下である場合、車両の車内温度が所定の閾値以上である場合を除いて、アイドリング状態である車両が駐車状態を維持した経過時間を計数することができる。具体的には、省燃費運転診断装置10は、座席に取り付けられる人検知センサーや駆動制御装置20から「車両の車中に運転席者以外の人がいるか否か」、「エンジン水温」、「車両の車内温度」などを取得する。そして、省燃費運転診断装置10は、取得した情報が上記したいずれかの条件を満たす時間については、アイドリング状態である車両が駐車状態を維持した経過時間から除くことができる。このようにすることで、省燃費運転診断装置10は、本当に不必要なアイドリング状態だけを計数することができ、アイドリング状態をより正確に判定することが可能である。
【0073】
(4)機能構成
また、実施例1では、省燃費運転診断部13がメモリ13aと、停車検出部13bと、アイドリング停車検出部13cと、アイドリング駐車判定部13dと、アイドリング駐車時間計数部13eと、アイドリング駐車回数計数部13fと、平均アイドリング駐車時間計数部13gと、アイドリング放置判定部13hとを有している場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら全ての機能を有している必要はない。例えば、図7に示すように、省燃費運転診断部13がメモリ13aだけを有し、駆動制御装置20が上記した機能部を有する構成であっても、運転者個々に対して、アイドリング状態を正確に判定することが可能である。また、メモリ13aを有していない場合、各機能部が一時領域などを持つことで処理を実行することができる。なお、図7は、省燃費運転診断機能を分散させた車載システムの例を示す図である。
【0074】
また、省燃費運転診断部13と駆動制御装置20とで各機能を分散することもできる。例えば、メモリ13aと、停車検出部13bとを省燃費運転診断部13に、アイドリング停車検出部13cと、アイドリング駐車判定部13dと、アイドリング駐車時間計数部13eと、アイドリング駐車回数計数部13fと、平均アイドリング駐車時間計数部13gと、アイドリング放置判定部13hを駆動制御装置20に分散して設けることもできる。また、車載システム1は、図1に示したように、必ずしも省燃費運転診断部13と駆動制御装置20とを分離して設けている必要はなく、例えば、駆動制御装置20を省燃費運転診断部13に組み込んだ構成としてもよい。
【0075】
(5)システム構成等
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報(例えば、図2〜図4など)については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0076】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合(例えば、停車検出部13bとアイドリング停車検出部13cとを統合するなど)して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0077】
(6)プログラム
なお、本実施例で説明した省燃費運転診断方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
以上のように、本発明に係る省燃費運転診断装置、車載システム、駆動制御装置および省燃費運転診断プログラムは、車両における運転者の省燃費運転を診断することに有用であり、特に、アイドリング状態を正確に判定することに適する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】実施例1に係る省燃費運転診断装置を含む車載システムの構成を示すブロック図である。
【図2】アイドリング停車状態判定条件を示す図である。
【図3】アイドリング駐車状態判定条件を示す図である。
【図4】アイドリング放置状態判定条件を示す図である。
【図5】実施例1に係る省燃費運転診断装置におけるアイドリング駐車判定処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】実施例1に係る省燃費運転診断装置におけるアイドリング放置判定処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】省燃費運転診断機能を分散させた車載システムの例を示す図である。
【符号の説明】
【0080】
1 車載システム
10 省燃費運転診断装置
11 出力インタフェース部
12 車載ネットワークインタフェース部
13 省燃費運転診断部
13a メモリ
13b 停車検出部
13c アイドリング停車検出部
13d アイドリング駐車判定部
13e アイドリング駐車時間計数部
13f アイドリング駐車回数計数部
13g 平均アイドリング駐車時間算出部
13h 判定しアイドリング放置判定部
14 省燃費運転採点部
15 省燃費運転アドバイス生成部
16 スピーカー
17 カーナビゲーション装置
20 駆動制御装置
21 エンジン制御装置
22 ブレーキ制御装置
23 車速センサ
24 アクセル操作量センサ
25 シフトセンサ
26 車速パルス信号積算値格納部
100 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が停車したことを検出する停車検出部と、
前記停車検出部により検出された車両のエンジン回転数が所定の閾値以上である場合に、前記車両がアイドリングをしている状態を示すアイドリング状態であると検出するアイドリング停車検出部と、
前記アイドリング停車検出部により検出されたアイドリング状態である車両のセレクトレバーまたはパーキングブレーキに基づいて、当該アイドリング状態である車両が駐車状態であるか否かを判定するアイドリング駐車判定部と、
前記アイドリング駐車判定部により判定された前記車両の駐車状態が維持された経過時間であるアイドリング駐車時間を計数するアイドリング駐車時間計数部と、を備え、
前記アイドリング駐車時間計数部により計数されたアイドリング駐車時間に基づいて、省燃費運転を診断することを特徴とする省燃費運転診断装置。
【請求項2】
前記停車検出部は、前記車両が信号待ち、踏み切り待ち、渋滞中を走行中のいずれでもない場合に、車両が停車したことを検出することを特徴とする請求項1に記載の省燃費運転診断装置。
【請求項3】
前記アイドリング状態である車両が駐車状態となった回数であるアイドリング駐車回数を計数するアイドリング駐車回数計数部を備え、
前記アイドリング駐車回数計数部により計数されたアイドリング駐車回数と、前記アイドリング駐車時間計数部により計数されたアイドリング駐車時間とに基づいて、前記アイドリング状態である車両が1回の停車状態でアイドリング状態を維持した時間を示す平均アイドリング駐車時間を算出する平均アイドリング駐車時間算出部をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の省燃費運転診断装置。
【請求項4】
前記車両の車中に運転席者以外の人がいる場合、前記車両のエンジン水温が所定の閾値以下である場合、前記車両の車内温度が所定の閾値以上である場合を除いて、前記アイドリング状態である車両が駐車状態を維持した経過時間を計数することを特徴とする請求項3に記載の省燃費運転診断装置。
【請求項5】
前記平均アイドリング駐車時間算出部により算出された平均アイドリング駐車時間に基づいて、前記運転者に対して省燃費運転のアドバイスを通知するアドバイス通知部をさらに備えたことを特徴とする請求項3または4に記載の省燃費運転診断装置。
【請求項6】
前記平均アイドリング駐車時間算出部により算出された平均アイドリング駐車時間から前記運転者の省燃費運転を採点し、当該採点結果に基づいて、前記運転者に対して省燃費運転のアドバイスを通知するアドバイス通知部をさらに備えたことを特徴とする請求項3または4に記載の省燃費運転診断装置。
【請求項7】
前記アイドリング駐車判定部によりアイドリング状態である車両が駐車状態であると判定されてから所定の時間経過した場合に、当該車両がアイドル状態で放置されている状態を示すアイドリング放置であると判定して、前記運転者に対して省燃費運転のアドバイスを通知することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の省燃費運転診断装置。
【請求項8】
車両の駆動に関する各種制御を行う駆動制御装置と、車両における運転者の省燃費運転を診断する省燃費運転診断装置とを有する車載システムであって、
車両が停車したことを検出する停車検出部と、
前記停車検出部により検出された車両のエンジン回転数が所定の閾値以上である場合に、前記車両がアイドリングをしている状態を示すアイドリング状態であると検出するアイドリング停車検出部と、
前記アイドリング停車検出部により検出されたアイドリング状態である車両のセレクトレバーまたはパーキングブレーキに基づいて、当該アイドリング状態である車両が駐車状態であるか否かを判定するアイドリング駐車判定部と、
前記アイドリング駐車判定部により判定された前記車両の駐車状態が維持された経過時間であるアイドリング駐車時間を計数するアイドリング駐車時間計数部と、を備え、
前記アイドリング駐車時間計数部により計数されたアイドリング駐車時間に基づいて、省燃費運転を診断することを特徴とする車載システム。
【請求項9】
車両の駆動に関する各種制御を行う駆動制御装置と、車両における運転者の省燃費運転を診断する省燃費運転診断装置とを有する車載システムにおける前記駆動制御装置であって、
車両が停車したことを検出する停車検出部と、
前記停車検出部により検出された車両のエンジン回転数が所定の閾値以上である場合に、前記車両がアイドリングをしている状態を示すアイドリング状態であると検出するアイドリング停車検出部と、
前記アイドリング停車検出部により検出されたアイドリング状態である車両のセレクトレバーまたはパーキングブレーキに基づいて、当該アイドリング状態である車両が駐車状態であるか否かを判定するアイドリング駐車判定部と、
前記アイドリング駐車判定部により判定された前記車両の駐車状態が維持された経過時間であるアイドリング駐車時間を計数するアイドリング駐車時間計数部と、を備え、
前記アイドリング駐車時間計数部により計数されたアイドリング駐車時間に基づいて、省燃費運転を診断することを特徴とする駆動制御装置。
【請求項10】
車両における運転者の省燃費運転を診断することをコンピュータに実行する省燃費運転診断プログラムであって、
車両が停車したことを検出する停車検出手順と、
前記停車検出手順により検出された車両のエンジン回転数が所定の閾値以上である場合に、前記車両がアイドリングをしている状態を示すアイドリング状態であると検出するアイドリング停車検出手順と、
前記アイドリング停車検出手順により検出されたアイドリング状態である車両のセレクトレバーまたはパーキングブレーキに基づいて、当該アイドリング状態である車両が駐車状態であるか否かを判定するアイドリング駐車判定手順と、
前記アイドリング駐車判定手順により判定された前記車両の駐車状態が維持された経過時間であるアイドリング駐車時間を計数するアイドリング駐車時間計数手順と、を備え、
前記アイドリング駐車時間計数手順により計数されたアイドリング駐車時間に基づいて、省燃費運転を診断することをコンピュータに実行させることを特徴とする省燃費運転診断プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−31811(P2010−31811A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−197015(P2008−197015)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】