説明

省電力指示装置および省電力指示プログラム

【課題】所定の時間帯で操作されなくなる複数の省電力実行装置に、省電力モード機能を実現させる省電力指示装置を提供する。
【解決手段】消費電力を抑える省電力モード機能を実現する2以上の省電力実行装置と通信可能に接続する送受信部と、予め、時刻が所定の時間間隔で区切られた単位時間内に、無操作開始時刻の情報を送信する頻度の高い省電力実行装置同士をグループ化したグループ化単位時間帯と、そのグループ化された省電力実行装置それぞれの識別情報とを対応付けて記憶するグループ省電力時間帯DBとを備える省電力指示装置が、グループ省電力時間帯DBに記憶されたグループ化単位時間帯内に、グループを構成する省電力実行装置から無操作開始時刻の情報を設定数以上受信したときに、無操作開始時刻の情報を送信した省電力実行装置へ、省電力実行指示を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省電力指示装置およびプログラムに関し、特に、消費電力を低減する省電力モード機能を有する2以上の省電力実行装置に省電力モード機能を実行させる指示をする省電力指示装置および省電力指示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
消費電力を低減する省電力モード機能を有する2以上の省電力実行装置と、それら省電力実行装置に省電力モード機能を実現させる省電力指示装置とを備える省電力制御システムにおいて、特許文献1の省電力制御装置は、利用者が利用者端末を利用しない時間を示す行動モデル(グラフ構造および条件付確率データにより構成されるベイジアンネット)を予め記憶部に記憶している。そして、省電力指示装置は、その行動モデルに基づき、省電力実行装置に省電力モード機能を実現させる指示をする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−93422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の省電力制御装置は、省電力実行装置(利用者端末)それぞれに対応する個別の行動モデルを記憶している。
そのため、定期的な会議が急遽中止になったときなど行動モデルに沿わない事象が発生した場合、省電力指示装置は、ユーザが省電力実行装置を操作(利用)しているにもかかわらず、行動モデルに基づき、省電力実行装置に省電力モード機能を実現させる指示をしてしまうという問題点がある。
【0005】
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであり、所定の時間帯で操作されなくなる複数の省電力実行装置に、省電力モード機能を実現させる省電力指示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の省電力指示装置は、消費電力を抑える省電力モード機能を実現する2以上の省電力実行装置と通信可能に接続し、前記省電力実行装置から、前記操作入力部にタスクが入力されなくなった無操作開始時刻の情報と、送信元の前記省電力実行装置を識別する識別情報とを受信する送受信部と、予め、時刻が所定の時間間隔で区切られた単位時間内に、前記無操作開始時刻の情報を送信する頻度の高い前記省電力実行装置同士をグループ化したグループ化単位時間帯と、そのグループ化された省電力実行装置それぞれの識別情報とを対応付けて記憶するグループ省電力時間帯DBとを備える省電力指示装置において、前記グループ省電力時間帯DBに記憶された前記グループ化単位時間帯内に、前記グループ化単位時間帯と対応付けて記憶された識別情報に該当する省電力実行装置それぞれから無操作開始時刻の情報を、前記送受信部が設定数以上受信したときに、前記無操作開始時刻の情報を送信した省電力実行装置へ、省電力実行指示を前記送受信部に送信させる省電力判定指示部をさらに備える構成とした。
【0007】
かかる構成によれば、所定の時間帯(例えば、グループ化単位時間)で操作(利用)されない傾向がある複数の省電力実行装置をグループ化してグループ省電力時間帯DBに記憶する。そのため、グループ化単位時間内において無操作開始時刻を送信した複数の省電力実行装置を、省電力指示装置は、省電力モード機能を実現させる指示の送信先とすることができる。
【0008】
また、グループ化単位時間内において、設定数以上の無操作開始時刻を受信したときに、省電力実行装置は、無操作開始時刻を送信した省電力実行装置に省電力モード機能を実現させる指示情報を送信することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、決まった時間帯で操作されなくなる傾向がある複数の省電力実行装置をグループ化することができる。そして、その時間帯において、グループ化した省電力実行装置それぞれが操作されなくなったときに、省電力指示装置がそれら省電力実行装置に省電力モード機能を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態に係る省電力実行装置および省電力指示装置を備える省電力制御システムの全体構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る省電力指示装置のブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る省電力指示装置の無操作時間帯DBの一例を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係る省電力指示装置の個別無操作開始頻度DBの一例を示す図である。
【図5】第1の実施形態に係る省電力指示装置のグループ省電力時間帯DBの一例を示す図である。
【図6】第1の実施形態に係る省電力指示装置のグループ化DBの一例を示す図である。
【図7】第1の実施形態に係る省電力指示装置を備える省電力制御システムの処理動作のフローチャートである。
【図8】図7に続く、第1の実施形態に係る省電力指示装置を備える省電力制御システムの処理動作のフローチャートである。
【図9】第1の実施形態に係る省電力指示装置の無操作時間帯生成部が無操作開始日時データを受信したときの処理動作のフローチャートである。
【図10】第1の実施形態に係る省電力指示装置の省電力判定指示部の処理動作のフローチャートである。
【図11】図10に続く、第1の実施形態に係る省電力指示装置の省電力判定指示部の処理動作のフローチャートである。
【図12】第1の実施形態に係る省電力指示装置の無操作時間帯生成部が無操作終了日時データを受信したときの処理動作のフローチャートである。
【図13】第1の実施形態に係る省電力指示装置の省電力グループ生成部の処理動作のフローチャートである。
【図14】図13に続く、第1の実施形態に係る省電力指示装置の省電力グループ生成部の処理動作のフローチャートである。
【図15】第2の実施形態に係る省電力指示装置のブロック図である。
【図16】第2の実施形態に係る省電力指示装置の個別無操作時間帯頻度DBの一例を示す図である。
【図17】第2の実施形態に係る省電力実行装置の操作あり/操作なしを時系列化した一例を示す図である。
【図18】第2の実施形態に係る省電力指示装置の相関対象DBの一例を示す図である。
【図19】第2の実施形態に係る省電力指示装置の省電力判定指示部の処理動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態について、適宜、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0012】
《第1の実施形態》
[省電力制御システムの構成]
図1は、省電力実行装置および省電力指示装置を含む省電力制御システムのブロック図である。この図1に示すように、省電力制御システム1は、省電力指示装置2と、省電力実行装置3(3a,3b,・・・)とを備える。そして、省電力指示装置2は、省電力実行装置3と、LAN(Local Area Network)などのネットワークNを介して接続される。
ここで、省電力実行装置3は、例えば、一般的なユーザU(図2)が操作するPC(Personal Computer)などのコンピュータである。省電力指示装置2は、例えば、省電力実行装置3を含む省電力制御システム1を管理するサーバなどのコンピュータである。
図2は、第1の実施形態に係る省電力指示装置のブロック図である。
【0013】
[省電力実行装置]
省電力実行装置3(PC)は、自身の消費電力を低減するための制御を行う「省電力モード機能」を有する装置であり、送受信部31と、操作入力部32と、無操作時刻取得部33と、省電力実行制御部34とを備える装置である。
なお、省電力実行装置3は、図示を省略したCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)などを備えた一般的なコンピュータで構成することができ、コンピュータを前記した各部(操作入力部32、無操作時刻取得部33、省電力実行制御部34)として機能させるプログラムにより実現することができる。
【0014】
(送受信部31)
送受信部31は、省電力指示装置2とネットワークNを介してデータ通信可能に接続されるインタフェース部であり、CPUで構成される制御部(不図示)に制御されて、受信したデータに応じた処理を行う。送受信部31は、省電力指示装置2にデータを送信するときに、省電力実行装置3をただ一つに識別する識別情報ID(例えばMACアドレス(Media Access Control address))を付与してから送信する。
(操作入力部32)
操作入力部32は、例えばキーボードやマウスなど、ユーザUからの入力を受け付ける入力部である。
【0015】
(無操作時刻取得部33)
無操作時刻取得部33は、無操作開始日時データと無操作終了日時データとを生成し、それらを送受信部31を介して、省電力指示装置2に送信させる処理部である。
無操作時刻取得部33は、操作入力部32に入力された時刻を取得し、入力されたとき(無操作開始日時Ts)から所定の時間t内に入力がないときに、無操作開始日時Tsを含むデータに識別情報IDを付与した無操作開始日時データを生成する。そして、送受信部31に、省電力指示装置2へ無操作開始日時データを出力させる。
この所定の時間tは、入力がないと判断する基準値であり、例えば、5分程度であることが望ましいが、省電力制御システム1の構成に応じて、システム管理者が変更することができる。
【0016】
その後、操作入力部32を介して入力されたとき(無操作終了日時Te)に、無操作時刻取得部33は、無操作終了日時Teを含むデータに識別情報IDを付与した無操作終了日時データを生成する。そして、送受信部31に、省電力指示装置2へ無操作終了日時データを出力させる。
ここで、時刻は不図示のタイマ部から取得する。
【0017】
(省電力実行制御部34)
省電力実行制御部34は、送受信部31を介して、省電力指示装置2から省電力実行指示データを受信したときに、「省電力モード機能」を実現する処理部である。
例えば、省電力実行制御部34は、「省電力モード機能」を実現して、省電力実行装置3が消費する電力を低減するために、省電力実行装置3を制御する制御装置(例えば、CPUなど)や、データを記憶する記憶装置(例えば、RAMなど)などの省電力実行装置3が内蔵する装置だけでなく、省電力実行装置3を介して電力供給される外部装置(例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置)への電力供給の制御を行う処理部である。
【0018】
[省電力指示装置]
図2に示すように、省電力指示装置2(サーバ)は、ネットワークNを介して接続された省電力実行装置3(PC)に「省電力モード機能」を実現させるように省電力実行指示データを送信する装置であり、送受信部21と、無操作時間帯生成部22と、省電力グループ生成部23(個別無操作開始頻度算出部231、個別省電力時間帯設定判定部232、省電力グループ化処理部233)と、省電力判定指示部24(省電力実行判定部241、省電力実行指示部242)と、各処理部で処理されたデータを記憶する記憶部25(無操作時間帯DB251、個別無操作開始頻度DB252、グループ省電力時間帯DB253)とを備える。
【0019】
なお、省電力指示装置2は、図示を省略したCPU、ROM、RAM、HDDなどを備えた一般的なコンピュータで構成することができ、コンピュータを前記した各部(無操作時間帯生成部22、省電力グループ生成部23、省電力判定指示部24)として機能させるプログラムにより実現することができる。
【0020】
[送受信部21]
送受信部21は、省電力実行装置3とネットワークNを介してデータ通信可能に接続されるインタフェース部であり、CPUで構成される制御部(不図示)に制御されて、受信したデータに応じた処理を行う。
送受信部21が無操作開始日時データを受信した場合、CPUなどの制御部(不図示)に制御されて、無操作開始日時データから識別情報IDと無操作開始日時Tsとを取得して、それらを無操作時間帯生成部22と、省電力判定指示部24とに出力する。
一方、送受信部21が無操作終了日時データを受信した場合、CPUなどの制御部(不図示)に制御されて、無操作終了日時データから識別情報IDと無操作終了日時Teとを取得して、それらを無操作時間帯生成部22に出力する。
また、送受信部21が省電力判定指示部24(省電力実行指示部242)から識別情報IDと省電力実行指示データとを取得した場合、CPUなどの制御部(不図示)に制御されて、送受信部21は、取得した識別情報IDに該当する省電力実行装置3に、取得した省電力実行指示データを送信する。
【0021】
[記憶部25]
記憶部25は、複数のデータを対応付けて記憶するデータベース(DB:DataBase)である、無操作時間帯DB251と、個別無操作開始頻度DB252と、グループ省電力時間帯DB253とを備える。
(無操作時間帯DB251)
無操作時間帯DB251は、識別情報IDと、無操作開始日時Tsと、無操作終了日時Teとを対応付けて記憶するデータベースである。図3に無操作時間帯DB251の一例を示す。図3にて、識別情報IDが「PC001」は、無操作開始時刻「2010/2/22 8:55」と無操作開始時刻「2010/2/22 9:52」とをひとつのデータとして記憶する。
【0022】
(個別無操作開始頻度DB252)
個別無操作開始頻度DB252は、識別情報IDそれぞれに設けられ、単位時間帯と、その単位時間帯に含まれる無操作開始時刻の数を示す無操作頻度Fmとを対応付けて記憶するデータベースである。
個別無操作開始頻度DB252の一例を図4に示す。この図4では、さらに曜日別に分けられて記憶されている。これは、無操作開始日時Tsからその日の曜日を算出することで実現する。
例えば、図4にて、識別情報ID「PC001」をもつ省電力実行装置3は、「月曜日の8:50〜9:00」の単位時間帯において、無操作頻度Fmは“6”である。
【0023】
(グループ省電力時間帯DB253)
グループ省電力時間帯DB253は、時間帯Tp(単位時間帯)と、識別情報ID(識別番号n)とを対応付けて、識別情報IDに該当する省電力実行装置3が、各時間帯Tpで操作されなくなる傾向の有無を示す値(操作有無値u)を記憶するデータベースである。
グループ省電力時間帯DB253の一例を図5に示す。この図5では、さらに曜日別に分けられて記憶されている。
例えば、図5の「月曜日の8:50〜9:00」の単位時間帯において、識別情報ID「PC001」,「PC002」,「PC003」をもつ省電力実行装置3は、当該単位時間帯で操作されなくなる傾向があることを示す“1(=操作有無値u)”が記憶されている。
【0024】
[無操作時間帯生成部22]
無操作時間帯生成部22は、送受信部21から識別情報IDと無操作開始日時Tsと無操作終了日時Teとを取得し、無操作時間帯DB251(図3参照)に、それらを対応付けて記憶させる処理部である。
【0025】
まず、無操作時間帯生成部22は、送受信部21から識別情報IDと無操作開始日時Tsとを取得したときに、識別情報IDと、無操作開始日時Tsとを対応付けて無操作時間帯DB251に記憶させる。
【0026】
その後、無操作時間帯生成部22は、送受信部21から識別情報IDと無操作終了日時Teとを取得したときに、取得した識別情報IDと一致するレコード(識別情報ID)を無操作時間帯DB251から抽出し、その中で最新のレコード(無操作終了日時Teが記録されていないレコード)に、送受信部21から取得した無操作終了日時Teを対応付けて記憶させる。
これにより、無操作時間帯DB251には、識別情報IDと、無操作開始日時Tsと、無操作終了日時Teとが対応付けて記憶される。
【0027】
ここで、識別情報IDは、数字や英字であってもよいし、それらの組み合わせでもよい。また、識別情報に、省電力実行装置3から送信されるデータに含まれるMACアドレスを用いてもよい。
【0028】
[省電力グループ生成部23]
省電力グループ生成部23は、所定の時間帯で操作されなくなる傾向がある複数の省電力実行装置3をグループ化して、記憶部25(グループ省電力時間帯DB253)に記憶させる処理部であり、個別無操作開始頻度算出部231と、個別省電力時間帯設定判定部232と、省電力グループ化処理部233とを備える。
【0029】
(個別無操作開始頻度算出部231)
個別無操作開始頻度算出部231は、無操作時間帯DB251から、省電力実行装置3の無操作開始日時Tsおよび無操作終了日時Teを取得し、単位時間帯ごとに省電力実行装置3が操作されなくなる頻度(無操作頻度Fm)を、個別無操作開始頻度DB252に記録する算出部である。つまり、無操作頻度Fmは、無操作開始日時Tsが単位時間帯に含まれる回数である。
【0030】
まず、個別無操作開始頻度算出部231は、無操作時間帯生成部22からレコード番号Rnを取得し、無操作時間帯DB251から、レコード番号Rnに対応する識別番号n(識別情報ID)と、無操作開始日時Tsと、無操作終了日時Teとを取得する。
個別無操作開始頻度算出部231は、無操作終了日時Teから無操作開始日時Tsを差分した時間(Te−Ts)が、所定時間(実行指示閾値δ)以上であるか否かを判定する。
【0031】
ここで、実行指示閾値δは、その実行指示閾値δの時間が経過するまで、操作入力部32に入力されないのであれば、省電力実行装置3に、省電力モード機能を実現させるべきであると判定する基準値である。例えば、実行指示閾値δは30分程度であることが望ましいが、省電力制御システム1の構成に応じて、システム管理者が変更することができる。
ここで、個別無操作開始頻度算出部231が実行指示閾値δ以上と判定した、無操作開始日時Tsから無操作終了日時Teまでの時間を、無操作時間とする。
【0032】
個別無操作開始頻度算出部231は、個別無操作開始頻度DB252から、無操作開始日時Tsを含む単位時間帯(To)を抽出し、その単位時間帯Toの無操作頻度Fmの値に1を加算する。
【0033】
そして、個別無操作開始頻度算出部231は、個別省電力時間帯設定判定部232に処理をうつす。このとき、個別無操作開始頻度算出部231は、識別番号n(識別情報ID)と単位時間帯Toとを、個別省電力時間帯設定判定部232に出力する。
【0034】
(個別省電力時間帯設定判定部232)
個別省電力時間帯設定判定部232は、各単位時間帯(時間帯Tp)において、省電力実行装置3が操作されなくなる傾向があるか否かを判定し、グループ省電力時間帯DB253に、操作有無値uを記録する判定部である。
【0035】
まず、個別省電力時間帯設定判定部232は、個別無操作開始頻度算出部231から、識別番号n(識別情報ID)と単位時間帯Toとを取得する。
個別省電力時間帯設定判定部232は、識別情報IDに対応する個別無操作開始頻度DB252から、単位時間帯Toの無操作頻度Fmの値を抽出する。
そして、個別省電力時間帯設定判定部232は、無操作頻度Fmの値が第1の所定数(省電力時間帯設定閾値α)より大きいか否かを判定する。
【0036】
ここで、第1の所定数(省電力時間帯設定閾値α)は、単位時間帯To(時間帯Tp)が定期的に無操作となる時間帯であると判定する基準値である。例えば、省電力時間帯設定閾値αは、「同一曜日で過去2ヶ月間に5件以上」や、「発生率70%以上」などとすることができ、省電力制御システム1の構成に応じて、システム管理者が変更することができる。つまり、無操作頻度Fmの値が省電力時間帯設定閾値αより大きいときの時間帯Tpは、定期的に無操作となる時間帯であり、省電力実行装置3が操作されなくなる傾向がある時間帯である。
本実施形態において、省電力時間帯設定閾値αは「同一曜日で過去2ヶ月間に5件以上」とする。
【0037】
無操作頻度Fmの値が省電力時間帯設定閾値αを大きければ(Fm>α)、個別省電力時間帯設定判定部232は、グループ省電力時間帯DB253を参照して、単位時間帯Toに該当する時間帯Tpの、識別情報ID(識別番号n)の操作有無値uを“1”で登録(更新)する。
一方、無操作頻度Fmの値が省電力時間帯設定閾値α以下であれば(Fm≦α)、個別省電力時間帯設定判定部232は、グループ省電力時間帯DB253を参照して、単位時間帯Toに該当する時間帯Tpの、識別情報ID(識別番号n)の操作有無値uを“0”で登録(更新)する。
これにより、グループ省電力時間帯DB253にて、時間帯Tpの操作有無値が“1”であれば、その時間帯Tpが定期的に無操作となる時間帯である。
【0038】
そして、個別省電力時間帯設定判定部232は、時間帯Tpを省電力グループ化処理部233に出力する。
【0039】
(省電力グループ化処理部233)
省電力グループ化処理部233は、時間帯Tpが定期的に無操作となる(操作有無値uが“1”)省電力実行装置3をグループ化する処理部である。
【0040】
まず、省電力グループ化処理部233は、グループ省電力時間帯DB253を参照して、時間帯Tpの操作有無値uが“1”である識別番号nの数をカウントし、カウントした総数Sn(重複時間帯省電力実行装置数)を取得する。
そして、省電力グループ化処理部233は、総数Snが、予め設定された第2の所定数(グループ化閾値β)より大きいか否かを判定する。
【0041】
ここで、第2の所定数(グループ化閾値β)は、グループ化するか否かを判定する基準値である。例えば、グループ化閾値βは、時間帯Tpで定期的に無操作となる省電力実行装置3の数(操作有無値uが“1”の数)が、「同一曜日で過去2ヶ月間に4台以上」や、「全台数のうち60%以上」などとすることができ、省電力制御システム1の構成に応じて、システム管理者が変更することができる。
【0042】
総数Snがグループ化閾値βより大きい場合(Sn>β)、省電力グループ化処理部233は、時間帯Tpにおいて操作有無値uが1であった識別番号nの操作有無値uを“2”で登録(更新)する。これにより、時間帯Tpにおいて操作有無値uが2である識別情報ID(識別番号n)の省電力実行装置3をグループ化することができる。
一方、総数Snがグループ化閾値β以下である場合(Sn≦β)、省電力グループ化処理部233は、処理を終了する。
【0043】
このように、省電力グループ化処理部233により、時間帯Tpにおいて操作有無値uが“2”である識別情報ID(識別番号n)の省電力実行装置3をグループ化することができる。
【0044】
ここで、記憶部25は、省電力グループ化処理部233が、時間帯Tpにおいてグループ化した識別情報IDを対応付けて記憶させるグループ化DB254(図6参照)を備えても良い。
これは、省電力グループ化処理部233が、時間帯Tpにおいて操作有無値uを“2”で更新するときに、識別情報IDをグループ化DB254に記憶させ、個別省電力時間帯設定判定部232が、時間帯Tpにおいて操作有無値uを“0”または“1”で更新するときに、グループ化DB254のデータを削除することで実現することができる。
【0045】
[省電力判定指示部24]
省電力判定指示部24は、省電力実行判定部241と、省電力実行指示部242とを備える。
【0046】
(省電力実行判定部241)
省電力実行判定部241は、送受信部21から識別情報ID(IDa)と無操作開始日時Ts(Tsa)とを取得したときに、処理を開始する。
まず、省電力実行判定部241は、グループ省電力時間帯DB253に記憶されたデータを参照して、無操作開始日時Tsaを含む単位時間帯(To)において、識別情報IDaの操作有無値uが“2”であるか否かを判定する。
【0047】
操作有無値uが“2”であれば、グループ省電力時間帯DB253にて、省電力実行判定部241は、単位時間帯Toにおける他の識別情報ID(識別情報IDa以外)があるか否かを判定する。
他の識別情報IDがあれば、省電力実行判定部241は、所定の時間Wt1となるまで待機する。
【0048】
ここで所定の時間Wt1は、グループ省電力時間帯DB253の時間帯の時間間隔に合わせるのが望ましく、例えば、図5に示すグループ省電力時間帯DB253である場合、時間Wt1は10分間であることが望ましい。
【0049】
そして、省電力実行判定部241は、この待機時間内に送受信部21から他の識別情報IDに該当する識別情報ID(IDb,IDc,・・・)を取得した場合は、それらを保持するとともに、待機時間内に送受信部21から取得したすべての識別情報ID(IDa,IDb,IDc,・・・)の数をカウントする。
このカウントの総数が、単位時間帯Toで操作されなかった省電力実行装置3(識別情報ID)の数(無操作省電力実行装置数k)である。
【0050】
そして、省電力実行判定部241は、無操作省電力実行装置数kが、予め設定された設定数(省電力実行閾値γ)を超えたか否かを判定する。省電力実行閾値γを超えていれば(k>γ)、省電力実行判定部241は、すべての識別情報ID(IDa,IDb,IDc,・・・)を省電力実行指示部242に出力する。
【0051】
ここで、設定数(省電力実行閾値γ)は、省電力実行装置3に「省電力モード機能」を実現させるための値であり、時間帯における無操作省電力実行装置数kに応じて設定される。
例えば、省電力実行閾値γが“2”であれば、単位時間帯Toが一致する省電力実行装置3から、所定の時間Wt1内に3つの無操作開始日時データを受信することで、省電力実行指示部242により省電力実行指示データが生成される。
【0052】
(省電力実行指示部242)
省電力実行指示部242は、省電力実行判定部241から識別情報IDを取得して、その識別情報IDに該当する省電力実行装置3に「省電力モード機能」を実現させるための省電力実行指示データを生成する。そして、識別情報IDと、省電力実行指示データとを送受信部21に出力する。
【0053】
[省電力システムの処理動作]
次に、図7ないし図8を参照して、省電力制御システム1の全体処理動作について説明する。
まず、ユーザUが、省電力実行装置3(PC)の操作入力部32を操作して、データを入力する(ステップS101,図7)。
そして、その入力された時刻(無操作開始日時Ts)から所定の時間内に次のデータの入力があったか否かを判定する(ステップS102)。
所定の時間内に次のデータの入力がなかった場合(ステップS102,No)、再びS101の処理を行う。
一方、所定の時間内に次のデータの入力があった場合(ステップS102,Yes)、無操作時刻取得部33は、送受信部31を介して、省電力実行装置3の識別情報IDと無操作開始日時Tsとを含む無操作開始日時データを省電力指示装置2(サーバ)に送信する(ステップS103)。
【0054】
省電力指示装置2は、複数の省電力実行装置3(PC)から無操作開始日時データを受信し(ステップS104)、その無操作開始日時データから識別情報IDと無操作開始日時Tsとを取得する。そして、省電力指示装置2は、記憶部25(無操作時間帯DB251)に識別情報IDと無操作開始日時Tsとを対応付けて記憶させる(無操作時間帯生成部22;ステップS105)。そして、省電力指示装置2は、無操作開始日時データを受信した総数と、その無操作開始日時データに含まれる無操作開始日時Tsとに基づき、省電力実行装置3に「省電力モード機能」を実現させるか否かの判定(省電力制御判定)を実行する(省電力判定指示部24;ステップS106)。
ここで、省電力指示装置2は、記憶部25(グループ省電力時間帯DB253)に記憶された無操作開始日時Tsを含む単位時間帯Toの省電力実行装置3の数が、設定数(省電力実行閾値γ)を超えている場合に、省電力指示装置2は、省電力実行指示データを省電力実行装置3に送信する(ステップS107)。
【0055】
省電力指示装置2から省電力実行指示データを受信した省電力実行装置3(省電力実行制御部34)は、「通常モード機能」を終了して、「省電力モード機能」を実現する(ステップS108)。
【0056】
その後、ユーザUが、省電力実行装置3の操作入力部32を操作して、データを入力する(ステップS109,図9)。
そして、省電力実行装置3(省電力実行制御部34)は、送受信部31を介して、省電力実行装置3の識別情報IDと無操作終了日時Teとを含む無操作終了日時データを省電力指示装置2に送信する(ステップS110)。
さらに、省電力実行装置3(省電力実行制御部34)は、「省電力モード機能」を終了して、「通常モード機能」を実現する(ステップS111)。
【0057】
省電力指示装置2は、複数の省電力実行装置3から無操作終了日時データを受信し(ステップS112)、その無操作終了日時データから識別情報IDと無操作終了日時Teとを取得する。そして、省電力指示装置2は、取得した識別情報IDと一致する記憶部25(無操作時間帯DB251)に記憶された識別番号nを抽出し、取得した無操作終了日時Teと、記憶された識別番号nとを対応付けて記憶させる(無操作時間帯生成部22;ステップS113)。これにより、無操作時間帯DB251には、識別番号n(識別情報ID)と無操作開始日時Tsと無操作終了日時Teとが対応付けられて記憶される。そして、識別情報IDの無操作時間(無操作開始日時Ts〜無操作終了日時Te)が生成される。
【0058】
そして、省電力指示装置2(省電力グループ生成部23)は、無操作時間帯DB251に記憶されたデータ(識別情報IDと無操作開始日時Tsと無操作終了日時Te)に基づき、グループ省電力時間帯DB253に記憶されたデータを更新する処理(グループ化処理)を行う(ステップS114)。
【0059】
[省電力指示装置の処理動作]
次に、図9ないし図14を参照して、省電力指示装置2(サーバ)の処理動作について説明する(適宜、図1ないし図8を参照)。
【0060】
[無操作時間帯生成部22が無操作開始日時データを受信したときの処理動作]
最初に、図9を参照して、無操作時間帯生成部22が無操作開始日時データを受信したときの処理動作について説明する。当該処理動作にて、図7のステップS104およびS105の処理が行われる。
【0061】
まず、送受信部21は、省電力実行装置3から無操作開始日時データを受信したか否かを判定し(ステップS201)、省電力実行装置3から無操作開始日時データを受信するまで待機する(ステップS201,No)。
その後、省電力実行装置3から無操作開始日時データを受信したとき(ステップS201,Yes)、送受信部21は、無操作開始日時データから、識別情報IDと無操作開始日時Tsとを取得し(ステップS202)、無操作時間帯生成部22と、省電力判定指示部24(省電力実行判定部241)との双方に、識別情報IDと無操作開始日時Tsとを出力する(ステップS203)
【0062】
無操作時間帯生成部22は、無操作時間帯DB251に、識別情報ID(識別番号n)と無操作開始日時Tsと対応付けて記憶させる(ステップS204)。
そして、ステップS201の処理に戻り、送受信部21は、次に、省電力実行装置3から無操作開始日時データを受信するまで待機する。
【0063】
[省電力判定指示部24の処理動作]
次に、図10ないし図11を参照して、省電力判定指示部24の処理動作について説明する。当該処理動作にて、図7のステップS106およびS107の処理が行われる。
省電力実行判定部241は、送受信部21から識別情報IDと無操作開始日時Tsとを取得する(ステップS301,図10)。
省電力実行判定部241は、グループ省電力時間帯DB253を参照して、無操作開始日時Tsを含む単位時間帯Toにおいて、取得した識別情報ID(識別番号n)の操作有無値uが“2”であるか否かを判定する(ステップS302)。
ここで、操作有無値uが“2”ではない場合(ステップS302,No)、省電力判定指示部24は処理を終了する。
【0064】
操作有無値uが“2”である場合(ステップS302,Yes)、省電力実行判定部241は、その識別番号n(識別情報ID)を保持する(ステップS303)。
そして、省電力実行判定部241は、グループ省電力時間帯DB253を参照して、同一の単位時間帯Toにおいて操作有無値uが“2”である識別番号nが他にあるか否かを判定する(ステップS304)。
ここで、操作有無値uが“2”である識別番号nが他にない場合(ステップS304,No)、省電力判定指示部24は処理を終了する。
【0065】
一方、操作有無値uが“2”である識別番号nが他にある場合(ステップS304,Yes)、省電力実行判定部241は、グループ省電力時間帯DB253から、操作有無値uが“2”であるすべての識別番号nを抽出する(ステップS305)。
【0066】
省電力実行判定部241は、所定の時間(Wt1)を待機する。省電力実行判定部241は、その時間になるまでに送受信部21から取得した識別情報IDと、取得した識別番号nとを比較し、識別番号nと一致する識別情報IDを保持する(ステップS306)。
【0067】
そして、省電力実行判定部241は、所定の時間(Wt1)になるまでステップS306の処理を繰り返す(ステップS307,No)。
【0068】
その後、所定の時間(Wt1)を経過したとき(ステップS307,Yes)、省電力実行判定部241は、保持している識別情報IDの数(無操作省電力実行装置数k)をカウントする(ステップS308,図11)。
【0069】
省電力実行判定部241は、無操作省電力実行装置数kが、省電力実行閾値γ(設定数)より大きいか否かを判定する(k>省電力実行閾値γ?)。
ここで、k≦省電力実行閾値γの場合(ステップS309,No)、省電力判定指示部24は処理を終了する。
【0070】
一方、k>省電力実行閾値γの場合(ステップS309,Yes)、省電力実行判定部241は、保持しているすべての識別情報IDを省電力実行指示部242に出力する(ステップS310)。
【0071】
省電力実行指示部242は、識別情報IDに該当する省電力実行装置3宛ての省電力実行指示データを作成し(ステップS311)、省電力実行指示データを送受信部21に出力する。
そして、送受信部21は、省電力実行指示データを省電力実行装置3へ送信する(ステップS312)。
【0072】
[無操作時間帯生成部22が無操作終了日時データを受信したときの処理動作]
次に、図12を参照して、無操作時間帯生成部22が無操作終了日時データを受信したときの処理動作について説明する。当該処理動作にて、図7のステップS112およびS113の処理が行われる。
まず、送受信部21は、省電力実行装置3から無操作終了日時データを受信したか否かを判定し(ステップS401)、省電力実行装置3から無操作終了日時データを受信するまで待機する(ステップS401,No)。
その後、省電力実行装置3から無操作終了日時データを受信したとき(ステップS401,Yes)、送受信部21は、無操作終了日時データから、識別情報IDと無操作終了日時Teとを取得し(ステップS402)、無操作時間帯生成部22に、識別情報IDと無操作終了日時Teとを出力する(ステップS403)。
【0073】
無操作時間帯生成部22は、取得した識別情報IDと一致するレコード(識別番号n)を無操作時間帯DB251から抽出し、その中で最新のレコード(無操作終了日時Teが記録されていないレコード)に、送受信部21から取得した無操作終了日時Teを対応付けて記憶させる(ステップS404)。このとき、無操作時間帯生成部22は、無操作終了日時Teを記憶させたレコードのレコード番号Rnを取得する(ステップS405)。
【0074】
無操作時間帯生成部22は、個別無操作開始頻度算出部231にレコード番号Rnを出力する(ステップS406)。
そして、ステップS401の処理に戻り、送受信部21は、次に、省電力実行装置3から無操作終了日時データを受信するまで待機する。
【0075】
[省電力グループ生成部23の処理動作]
次に、図13ないし図14を参照して、省電力グループ生成部23の処理動作について説明する。当該処理動作にて、図7のステップS114の処理が行われる。
【0076】
まず、個別無操作開始頻度算出部231は、無操作時間帯生成部22からレコード番号Rnを取得する(ステップS501,図13)。
個別無操作開始頻度算出部231は、無操作時間帯DB251から、レコード番号Rnに対応する識別番号n(識別情報ID)と、無操作開始日時Tsと、無操作終了日時Teとを取得する(ステップS502)。
【0077】
個別無操作開始頻度算出部231は、無操作終了日時Teから無操作開始日時Tsを差分した時間(Te−Ts)が、所定の閾値δ(所定時間;実行指示閾値δ)以上であるか否かを判定する(ステップS503)。
ここで、Te−Ts<閾値δである場合(ステップS503,No)、省電力グループ生成部23は、処理を終了する。
【0078】
一方、Te−Ts≧閾値δである場合(ステップS503,Yes)、個別無操作開始頻度算出部231は、無操作開始日時Tsから無操作終了日時Teまでの時間を、無操作時間とする。そして、個別無操作開始頻度算出部231は、個別無操作開始頻度DB252から、無操作開始日時Tsを含む単位時間帯(To)を抽出し、その単位時間帯Toの無操作頻度Fmの値に1を加算する(ステップS504)。
その後、個別無操作開始頻度算出部231は、個別省電力時間帯設定判定部232に処理をうつす。このとき、個別無操作開始頻度算出部231は、識別情報IDと単位時間帯Toとを、個別省電力時間帯設定判定部232に出力する。
【0079】
個別省電力時間帯設定判定部232は、識別情報IDに対応する個別無操作開始頻度DB252から、単位時間帯Toの無操作頻度Fmの値を抽出する(ステップS505)。
【0080】
そして、個別省電力時間帯設定判定部232は、無操作頻度Fmの値が省電力時間帯設定閾値α(第1の所定数)より大きいか否かを判定する(ステップS506)。
ここで、無操作頻度Fm>省電力時間帯設定閾値αであれば(ステップS506,Yes)、個別省電力時間帯設定判定部232は、グループ省電力時間帯DB253を参照して、取得した単位時間帯Toに該当する時間帯Tpの操作有無値uを“1”で登録(更新)する(ステップS507)。
【0081】
一方、無操作頻度Fm≦省電力時間帯設定閾値αであれば、個別省電力時間帯設定判定部232は、グループ省電力時間帯DB253を参照して、取得した単位時間帯Toに該当する時間帯Tpの操作有無値uを“0”で登録(更新)する(ステップS508)。
【0082】
ステップS507またはステップS508の処理後、個別省電力時間帯設定判定部232は、省電力グループ化処理部233に処理をうつす。このとき、個別省電力時間帯設定判定部232は、時間帯Tpを省電力グループ化処理部233に出力する。
【0083】
省電力グループ化処理部233は、グループ省電力時間帯DB253を参照して、時間帯Tpの操作有無値uが“1”である識別番号nの数をカウントし、カウントした総数Snを取得する(ステップS509,図14)。
【0084】
省電力グループ化処理部233は、総数Snがグループ化閾値β(第2の所定数)より大きいか否かを判定する(ステップS510)。
ここで、総数Snがグループ化閾値β以下の場合(Sn≦β)(ステップS510,No)、省電力グループ生成部23は、処理を終了する。
【0085】
一方、総数Snがグループ化閾値βより大きい場合(Sn>β)(ステップS511,Yes)、省電力グループ化処理部233は、時間帯Tpにおいて操作有無値uが1であった識別番号nの操作有無値uを2で登録(更新)する(ステップS511)。そして、省電力グループ生成部23は、処理を終了する。
【0086】
(第1の実施形態の効果)
第1の実施形態によれば、単位時間帯(Tp)で操作されなくなる傾向がある複数の省電力実行装置3をグループ化するため、その時間帯でグループ化した省電力実行装置3が操作されなくなったときに、省電力指示装置2がそれら省電力実行装置3に省電力モード機能を実現させることができる。
【0087】
これにより、省電力実行装置3が無操作であればユーザUが離席している。一方、操作されていれば、ユーザUが着席していると判断することができる。そして、省電力実行装置3それぞれにおいて無操作となる時間帯のうち、定期的な時間帯で同時に無操作となる頻度の高い省電力実行装置3同士、つまり、同時に離席する頻度の高いユーザU同士を、定期的に行われる会議に出席していると推定することができる。そこで、その定期的な時間帯において、省電力指示装置2が、各ユーザUの省電力実行装置3に省電力モード機能を実現させることで、省エネルギーの効果が期待できる。
【0088】
《第2の実施形態》
続いて、本発明の第2の実施形態に係る省電力実行装置および省電力指示装置を備える省電力制御システムについて、第1の実施形態に係る省電力制御システム1との相違点を中心に説明する。図15は、第2の実施形態に係る省電力指示装置のブロック図である。
ここで、第2の実施形態に係る省電力指示装置2Aは、省電力グループ化処理部23の代わりに省電力グループ化処理部23Aと、省電力実行判定部241の代わりに省電力実行判定部241Aとを備え、個別無操作開始頻度DB252の代わりに個別無操作時間帯頻度DB255と、グループ省電力時間帯DB253の代わりに相関対象DB256(256a,256b,256c,・・・)とを備える。
【0089】
(個別無操作時間帯頻度DB255)
個別無操作時間帯頻度DB255は、識別情報IDそれぞれに設けられ、単位時間帯と、その単位時間帯が無操作開始時刻から無操作終了時刻までの範囲内となる回数を示す無操作頻度Fmとを対応付けて記憶するデータベースである。
個別無操作時間帯頻度DB255の一例を図16に示す。この図16では、さらに曜日別に分けられて記憶されている。これは、無操作開始日時Tsと無操作終了日時Teとからその日の曜日を算出することで実現する。
例えば、図16にて、識別情報ID「PC001」をもつ省電力実行装置3は、「月曜日の9:20〜9:30」の単位時間帯において、無操作頻度Fnは“6”である。
【0090】
[省電力グループ生成部23A]
省電力グループ生成部23Aは、各省電力実行装置3間の相関関係を判定し、相関がある省電力実行装置同士をグループ化する処理部である。
まず、省電力グループ生成部23Aは、個別無操作開始頻度算出部231と同様に、無操作時間帯DB251から、省電力実行装置3の無操作開始日時Tsおよび無操作終了日時Teを取得し、無操作終了日時Teから無操作開始日時Tsを差分した時間(Te−Ts)が、所定時間(実行指示閾値δ)以上であるか否かを判定する。そして、省電力グループ生成部23Aは、実行指示閾値δ以上と判定した、無操作開始日時Tsから無操作終了日時Teまでの時間を、無操作時間とする。
そして、省電力グループ生成部23Aは、個別無操作時間帯頻度DB255から、この無操作時間内の単位時間帯をすべて抽出し、それら単位時間帯の無操作頻度Fnの値に1を加算する。
【0091】
図17は、「PC001」,「PC002」,「PC003」の3つの省電力実行装置3から取得した無操作開始日時Tsおよび無操作終了日時Teに基づく、「月曜日の9:00〜10:40」の時間帯における操作あり(0)/操作なし(1)を時系列化した一例を示す図である。
省電力グループ生成部23Aは、個別無操作時間帯頻度DB255にて無操作頻度Fnの値が、所定数(省電力時間帯設定閾値ψ)以上である場合に「操作なし(1)」とし、所定数未満である場合に「操作あり(0)」として、図17の時系列データを生成する。
【0092】
ここで、所定数(省電力時間帯設定閾値ψ)は、個別省電力時間帯設定判定部232が判定基準値とする省電力時間帯設定閾値αと同様に、単位時間帯が定期的に無操作となる時間帯であると判定する基準値である。
本実施形態において、省電力時間帯設定閾値ψは「同一曜日で過去2ヶ月間に5件以上」とする。
【0093】
(相関関係を示す相関平均値算出処理)
そして、省電力グループ生成部23Aは、連続するN個の単位時間帯における各省電力実行装置3間の相関関係を判定する。
例えば、3つの省電力実行装置PCa,PCb,PCcについて、連続するN個の単位時間帯(T1,T2,・・・,TN)における相関関係を示す相関平均値Yは、以下の式(1)で示すことができる。
【0094】
【数1】



【0095】
ここで、Yabは、省電力装置PCaと省電力装置PCbとの相関を示し、
【数2】



とし、
【0096】
【数3】



とする。
【0097】
ここで、図16および図17を用いて、識別番号nが「PC001」(省電力装置3a),「PC002」(省電力装置3b),「PC003」(省電力装置3c)の3つの省電力実行装置3についての、「月曜日の9:00〜10:40」の時間帯における相関関係を示す相関平均値Yの算出手順について説明する。
「月曜日の9:00〜10:40」の時間帯において、単位時間は10分であることから、N=10である。
そして、式(4)に示すように、相関平均値Yを算出する。
ここで、「9:00〜9:10」の時間帯では、(PC001,PC002,PC003)=(1,0,0)で示され、「9:20〜9:30」の時間帯では、(PC001,PC002,PC003)=(1,0,1)で示される。
【0098】
【数4】



【0099】
以上のようにして、省電力グループ生成部23Aは、相関平均値Yを算出する。例えば、省電力装置3a(「PC001」)と省電力装置3b(「PC003」)とにおける相関関係は、「月曜日の9:00〜10:40」の時間帯の相関平均値Y13=0.3で示される。
【0100】
ここで、相関平均値Yの計算は、単位時間帯毎に常に実施しても良いし、定期的(月に1回など)に実施しても良い。単位時間帯毎に常に実施する場合は、再集計を実施する必要はなく、直前の単位時間帯の相関平均値Yから、最も古い単位時間帯分の相関を除外し、現在の単位時間帯の最新の単位時間帯の相関を追加して平均を求めることで、現在の区間の相関の平均を容易に求めることができる。
【0101】
(グループ化処理)
そして、省電力グループ生成部23Aは、グループ判定閾値θと、算出した相関平均値Yとを比較して、グループ化するか否かの判定を行う。
このグループ判定閾値θは、省電力グループ生成部23Aが予め所定の閾値として有しており、ここでは、グループ判定閾値θは“0.3”とする。
例えば、省電力装置「PC001」と「PC003」とにおける相関平均値Y13=0.3であるため、省電力グループ生成部23Aは、「PC001」と「PC003」とをグループ化する。
【0102】
ここで、省電力グループ生成部23Aは、識別番号nを相関対象DB256に記録することで、グループ化を行う。この相関対象DB256は、省電力実行装置3それぞれが有しており、図18は、識別番号「PC001」の省電力実行装置3aの相関対象DB256aを示す。
これにより、相関対象DB256aには、省電力グループ生成部23Aにより、(識別番号「PC001」の省電力実行装置3aと)グループ化された省電力実行装置3cの識別番号「PC003」が記録される。同様に、相関対象DB256cには、「PC001」が記録される。
【0103】
(省電力実行判定部241A)
省電力実行判定部241Aは、送受信部21から識別情報ID(識別情報IDpとする)を取得し、相関対象DB256から識別番号nを抽出し、所定の時間内で、送受信部21から識別番号nに該当する識別情報ID(識別情報IDqとする)を取得したときに、識別情報IDpと識別情報IDqとを省電力実行指示部242に出力する判定部である。
省電力実行判定部241Aが行う処理について、図19に示すフローチャートを用いて、説明する。
【0104】
省電力実行判定部241Aは、送受信部21から識別情報ID(識別情報IDpとする)と無操作開始日時Tsとを取得する(ステップS601)。そして、省電力実行判定部241Aは、識別情報IDpに該当する相関対象DB256を参照し、無操作開始日時Tsを含む曜日にて、識別番号nが記録されているか否かを判定する(ステップS602)。
識別番号nが記録されていない場合(ステップS602,No)、省電力実行判定部241Aは、判定処理を終了する。
【0105】
一方、識別番号nが記録されている場合(ステップS602,Yes)、省電力実行判定部241Aは、相関対象DB256から識別番号nを抽出する(ステップS603)。
そして、省電力実行判定部241Aは、所定の時間を待機し、待機時間内に送受信部21から識別番号nに該当する識別情報ID(識別情報IDqとする)を取得したか否かを判定する(ステップS604)。
【0106】
待機時間内に送受信部21から識別情報IDqを取得しなかった場合(ステップS604,No)、省電力実行判定部241Aは、判定処理を終了する。
【0107】
一方、待機時間内に送受信部21から識別情報IDqを取得した場合(ステップS604,Yes)、省電力実行判定部241Aは、送受信部21から取得した識別情報IDpと、識別情報IDqとを、省電力実行指示部242Aに出力する(ステップS605)。
【0108】
これにより、例えば、省電力実行判定部241Aは、送受信部21から識別情報IDが「PC001」、無操作開始日時Tsが「2010/3/1」(月曜日)を取得したときに、相関対象DB256aを参照し、月曜日に対応付けられた識別番号「PC003」を抽出する(図18参照)。そして、所定の時間内で、送受信部21から識別情報ID「PC003」を取得したときに、省電力実行判定部241Aは、「PC001」と「PC003」とを省電力実行指示部242に出力する。
【0109】
ステップS605の処理後、省電力実行指示部242は、識別情報ID「PC001」に該当する省電力実行装置3a宛ての省電力実行指示データと、識別情報ID「PC003」に該当する省電力実行装置3c宛ての省電力実行指示データとを作成し(ステップS606)、それら省電力実行指示データを送受信部21に出力する。
そして、送受信部21は、省電力実行指示データを省電力実行装置3へ送信する(ステップS607)。
【0110】
(第2の実施形態の効果)
第2の実施形態によれば、省電力指示装置2は、省電力実行装置3間の操作有無(操作有無値u2)の相関関係、つまり、ユーザU間の離着席の相関関係で省電力判定をする。
そのため、定期的な時間帯以外で会議が行われた場合であっても、その会議に出席するユーザU達(グループ化された省電力実行装置3)が離席する(省電力実行装置3が無操作となる)ことで、無操作時間帯に関係なく、省電力実行装置3に省電力処理を実行させるタイミングを検出できるようになり、より省電力効果を高めることができる。
【0111】
《第3の実施形態》
続いて、本発明の第3の実施形態に係る省電力実行装置および省電力指示装置を備える省電力制御システムについて、第2の実施形態に係る省電力制御システム1Aとの相違点を中心に説明する。
ここで、第3の実施形態に係る省電力指示装置2Bは、省電力グループ生成部23Aの代わりに省電力グループ生成部23Bを備え、省電力実行判定部241Aの代わりに省電力実行判定部241Bを備え、相関対象DB256の代わりに相関対象DB256Bを備える以外は、図15と同じ構成であるため、図示しない。
【0112】
(省電力グループ生成部23B)
省電力グループ生成部23Bは、省電力グループ生成部23Aと同じく、個別無操作時間帯頻度DB255から、無操作時間内の単位時間帯をすべて抽出して、各単位時間帯の無操作頻度Fnの値に1を加算するまでの処理を行う。当該処理の説明は重複するため、記載を省略する。
【0113】
(相関関係の平均値算出処理)
省電力グループ生成部23Bは、予め全時間帯を区分けした複数の区分時間帯を有する。その区分時間帯毎に、グループ判定閾値θの値が設定されている。
例えば、無操作となる割合が比較的多い時間帯(12:00〜15:00)を『厳しい』と設定し、無操作となる割合が比較的少ない時間帯(10:00〜12:00)を『甘い』と設定し、それ以外の、無操作となる割合が平均的な時間帯を『通常』と設定する。
【0114】
そして、省電力グループ生成部23Bは、それら区分時間帯毎の各省電力実行装置3間の相関関係の相関平均値Yを算出する。そして、省電力グループ生成部23Bは、区分時間帯毎のθと、算出した相関平均値Yとを比較して、グループ化するか否かの判定を行う。そして、省電力グループ生成部23Bは、Y≧θであれば、グループ化する。
ここで、省電力グループ生成部23Bは、相関対象DB256Bにて、該当する区分時間帯に、識別番号nを記録することで、グループ化を行う。
【0115】
(相関対象DB256B)
相関対象DB256Bは、省電力実行装置3それぞれが有し、例えば、省電力実行装置3aは相関対象DB256Baを有する。そして、相関対象DB256Bは、省電力グループ生成部23Bが有する複数の区分時間帯を予め有し、区分時間帯と識別番号nとを対応付けて記憶する。
これにより、後記する省電力実行判定部241Bは、相関対象DB256Bから、各区分時間帯で、当該相関対象DB256Bを有する省電力実行装置3とグループ化された他の省電力実行装置3の識別番号nを取得することができる。
【0116】
(省電力実行判定部241B)
省電力実行判定部241Bは、送受信部21から識別情報ID(識別情報IDpとする)と無操作開始日時Tsを取得し、相関対象DB256Bから、無操作開始日時Tsに該当する区分時間帯の識別番号nを抽出し、所定の時間内で、送受信部21から識別番号nに該当する識別情報ID(識別情報IDqとする)を取得したときに、識別情報IDpと識別情報IDqとを省電力実行指示部242に出力する判定部である。
省電力実行判定部241Bは、図19における第2の実施形態の省電力実行判定部241AのステップS602にて、「省電力実行判定部241Bは、識別情報IDpに該当する相関対象DB256Bを参照し、無操作開始日時Tsに該当する区分時間帯に識別番号nが記録されているか否かを判定する。」という処理を行う。
【0117】
[省電力実行制御部34(省電力実行装置)]
省電力実行制御部34は、省電力指示装置2から送信された省電力実行指示データに含まれる「モード指示データ」(『厳しい』『通常』『甘い』)を抽出する。
そして、省電力実行制御部34は、「モード指示データ」と、無操作開始日時Tsから続く無操作時間とに基づき、省電力モードを、省電力効果の低い省電力モードから、時間経過とともに段階的に、省電力効果の高い省電力モードに移行させる。
例えば、省電力実行制御部34は、省電力モードを「表示装置電源OFF」→「記憶装置電源OFF」→「CPU電源OFF(スタンバイ)」→「RAM電源OFF(休止)」の順に移行させる。
【0118】
表1は、「モード指示データ」毎に設定された無操作開始日時Tsから経過した時間と、省電力モードの関係を示した表である。
例えば、「モード指示データ」が『通常』である場合には、無操作開始日時Tsから10分後に表示装置の電源OFF、記憶装置の電源OFFを行い、無操作開始日時Tsから20分後にCPUの電源OFF(スタンバイ)をし、さらに、無操作開始日時Tsから60分後にRAMの電源OFF(休止)を行う。
一方、「モード指示データ」が『厳しい』である場合には、無操作開始日時Tsから5分後に表示装置の電源OFF、記憶装置の電源OFFを行い、無操作開始日時Tsから10分後にCPUの電源OFF(スタンバイ)をし、さらに、無操作開始日時Tsから60分後にRAMの電源OFF(休止)を行う。
また、「モード指示データ」が『甘い』である場合には、無操作開始日時Tsから15分後に表示装置の電源OFF、記憶装置の電源OFFを行い、無操作開始日時Tsから30分後にCPUの電源OFF(スタンバイ)をし、さらに、無操作開始日時Tsから120分後にRAMの電源OFF(休止)を行う。
【0119】
【表1】



【0120】
(第3の実施形態の効果)
第3の実施形態によれば、省電力指示装置2は、各区分時間帯における利用状況に合わせてグループ化を行う閾値(グループ判定閾値θ)を設定することができる。
これにより、省電力指示装置2は、省電力実行装置3間の操作有無(操作有無値u2)の相関関係、つまり、ユーザU間の離着席の相関関係で省電力判定を行うことができる。
そして、利用状況に相関のある省電力実行装置3をグループ化して、利用状況に合わせて省電力を行う時間帯の変更を行うことができるため、無操作の時間における省エネ効果を向上するとともに、使用時間帯の利便性を向上することが期待できる。
【0121】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されず、適宜変更して実施することが可能である。
例えば、明細書中に記載した閾値(省電力時間帯設定閾値α、グループ化閾値β、省電力実行閾値γ、実行指示閾値δ、グループ判定閾値θ)は、省電力制御システムの構成に応じて、システム管理者が変更することができる。
【符号の説明】
【0122】
1 省電力制御システム
2 省電力指示装置
3(3a) 省電力実行装置
21 送受信部
22 無操作時間帯生成部
23 省電力グループ生成部
24 省電力判定指示部
25 記憶部
31 送受信部
32 操作入力部
33 無操作時刻取得部
34 省電力実行制御部
231 個別無操作開始頻度算出部
232 個別省電力時間帯設定判定部
233 省電力グループ化処理部
241 省電力実行判定部
242 省電力実行指示部
251 無操作時間帯DB
252 個別無操作開始頻度DB
253 グループ省電力時間帯DB
N ネットワーク
U(U3a) ユーザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費電力を抑える省電力モード機能を実現する2以上の省電力実行装置と通信可能に接続し、前記省電力実行装置にタスクが入力されなくなった無操作開始時刻の情報と、送信元の前記省電力実行装置を識別する識別情報とを受信する送受信部と、
予め、時刻が所定の時間間隔で区切られた単位時間内に、前記無操作開始時刻の情報を送信する頻度の高い前記省電力実行装置同士をグループ化したグループ化単位時間帯と、そのグループ化された省電力実行装置それぞれの識別情報とを対応付けて記憶するグループ省電力時間帯DBと
を備える省電力指示装置であって、
前記グループ省電力時間帯DBに記憶された前記グループ化単位時間帯内に、前記グループ化単位時間帯と対応付けて記憶された識別情報に該当する省電力実行装置それぞれから無操作開始時刻の情報を、前記送受信部が設定数以上受信したときに、前記無操作開始時刻の情報を送信した省電力実行装置へ、省電力実行指示を前記送受信部に送信させる省電力判定指示部
をさらに備えることを特徴とする省電力指示装置。
【請求項2】
前記送受信部は、前記無操作開始時刻の情報を受信後、前記省電力実行装置にタスクが入力されたときに、前記省電力実行装置から送信されるその無操作終了時刻の情報と前記識別情報とを受信し、
前記送受信部が受信した前記識別情報と前記無操作終了時刻と前記無操作開始時刻との双方を、前記識別情報と対応付けて記憶する無操作時間帯DBと、
前記省電力実行装置それぞれに対応して設けられ、予め、時刻が所定の時間間隔で区切られた単位時間帯それぞれと、前記単位時間帯の時間内に前記省電力実行装置から受信した無操作開始時刻の情報の総数とを対応付けて記憶する個別無操作開始頻度DBと、
前記無操作開始時刻から前記無操作終了時刻までの時間が所定時間以上であるときに、前記個別無操作開始頻度DBに、前記省電力実行装置から受信した無操作開始時刻を含む単位時間帯に対応する無操作開始時刻の情報の総数に1を加算して、記憶させる個別無操作開始頻度算出部と、
前記個別無操作開始頻度DBから、前記省電力実行装置から受信した無操作開始時刻を含む単位時間帯に対応する無操作開始時刻の情報の総数を抽出し、その総数が第1の所定数より多いときに、前記グループ省電力時間帯DBに、当該単位時間帯と対応付けて前記識別情報を記憶させる個別省電力時間帯設定判定部と、
前記グループ省電力時間帯DBにて、同一単位時間帯で対応付けられて記憶された前記識別情報の総数が、第2の所定数より多いときに、前記単位時間帯を前記識別情報それぞれに該当する省電力実行装置のグループ化単位時間帯として、前記グループ省電力時間帯DBを更新する省電力グループ化処理部と
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載された省電力指示装置。
【請求項3】
前記省電力判定指示部は、
前記省電力実行装置から無操作開始時刻の情報を受信したときに、その省電力実行装置の識別情報と対応付けられた、前記無操作開始時刻の情報を含む前記グループ化単位時間帯を、グループ省電力時間帯DBから取得し、その省電力実行装置が属するグループの省電力実行装置それぞれから、前記グループ化単位時間帯内に受信する無操作開始時刻の情報が、前記設定数以上であるときに、省電力モード機能実行指示を生成する省電力実行判定部と、
前記無操作開始時刻の情報を送信した前記グループに属する省電力実行装置へ、省電力モード機能実行指示を前記送受信部に送信させる省電力実行指示部と
をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された省電力指示装置。
【請求項4】
前記送受信部は、前記無操作開始時刻の情報を受信後、前記省電力実行装置にタスクが入力されたときに、前記省電力実行装置から送信されるその無操作終了時刻の情報と前記識別情報とを受信し、
前記送受信部が受信した前記識別情報と前記無操作終了時刻と前記無操作開始時刻との双方を、前記識別情報と対応付けて記憶する無操作時間帯DBと、
前記無操作時間帯DBに記憶された前記無操作開始時刻と前記無操作終了時刻とから、得られる操作されていない時間帯と、操作されている時間帯とを示す時系列情報に基づき、前記省電力実行装置間の操作の有無についての相関関係を示す相関係数を算出し、相関がある省電力実行装置同士をグループ化し、前記グループ省電力時間帯DBに、相関があってグループ化された省電力実行装置それぞれの識別情報を対応付けて記憶させる省電力グループ生成部と
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載された省電力指示装置。
【請求項5】
前記省電力グループ生成部は、
前記無操作時間帯DBに記憶された前記無操作開始時刻と前記無操作終了時刻とから、得られる操作されていない無操作時間帯と、操作されている有操作時間帯とを示す時系列情報に基づき、時刻が所定の時間間隔で区切られた単位時間毎の、前記省電力実行装置間の操作の有無についての相関関係を示す相関係数を算出し、全単位時間における平均相関係数値が、所定の相関閾値を越えた省電力実行装置同士をグループ化すること
を特徴とする請求項4に記載された省電力指示装置。
【請求項6】
前記省電力実行装置は、
複数のパターンで消費電力を抑える省電力モード機能を有し、
前記る省電力判定指示部は、
予め時間帯を区分けした複数の区分時間帯毎の、省電力モード機能のパターンデータを有し、前記無操作開始時刻の情報を送信した省電力実行装置へ、その無操作開始時刻を含む区分時間帯の省電力モード機能のパターンデータを含む省電力実行指示を前記送受信部に送信させること
を特徴とする請求項5に記載された省電力指示装置。
【請求項7】
消費電力を抑える省電力モード機能を実現する2以上の省電力実行装置と通信可能に接続する送受信部と、
予め、時刻が所定の時間間隔で区切られた単位時間内に、前記無操作開始時刻の情報を送信する頻度の高い前記省電力実行装置同士をグループ化したグループ化単位時間帯と、そのグループ化された省電力実行装置それぞれの識別情報とを対応付けて記憶するグループ省電力時間帯DBと
を備えるコンピュータを、
前記省電力実行装置から受信したデータから、前記省電力実行装置にタスクが入力されなくなった無操作開始時刻の情報と、送信元の前記省電力実行装置を識別する識別情報とを前記送受信部に取得させる送受信手段
前記グループ省電力時間帯DBに記憶された前記グループ化単位時間帯内に、前記グループ化単位時間帯と対応付けて記憶された識別情報に該当する省電力実行装置それぞれから無操作開始時刻の情報を、前記送受信部が設定数以上受信したときに、前記無操作開始時刻の情報を送信した省電力実行装置へ、省電力実行指示を前記送受信部に送信させる省電力判定指示手段
として機能させることを特徴とする省電力指示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−186871(P2011−186871A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52545(P2010−52545)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】