真偽判別可能な印刷物
【課題】 本発明は、ハイライトからシャドウに至る濃度の段階(階調)を有する印刷物内に潜像画像が埋め込まれた真偽判別可能な印刷物に関する。
【解決手段】 基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、前記階調画像は背景画像部と潜像画像部を含み、前記背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンは、階調毎に相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーンと第2のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンの形状が異なって成る真偽判別可能な印刷物である。
【解決手段】 基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、前記階調画像は背景画像部と潜像画像部を含み、前記背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンは、階調毎に相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーンと第2のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンの形状が異なって成る真偽判別可能な印刷物である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイライトからシャドウに至る濃度の段階(階調)を有する印刷物内に潜像画像が埋め込まれた真偽判別可能な印刷物に関する。
【背景技術】
【0002】
銀行券、パスポート、有価証券、カード、印紙類、商品タグ、有料道路等の回数券、各種チケット等の貴重品は、その価値を保証・維持するために、偽造防止技術が施されている。そのため、このような貴重品には、特殊な印刷パターンが施され、印刷パターンに万線フィルタから成る判別具やレンチキュラーレンズから成る判別具を重ね合わせることによって、潜像画像が視認され、真偽判別が行なわれている。
【0003】
例えば、万線フィルタから成る判別具によって真偽判別する技術として、万線画線で印刷された背景画像部と、背景画像部と異なった万線角度の万線画線で潜像画像部を印刷し、一見しては、背景画像部と潜像画像部は区分けして視認し難いが、所定の角度で万線フィルタを印刷物に重ね合わせて観察した場合に、背景画像部と潜像画像部が区分けされて視認できる技術が知られている。
【0004】
特開平8−197828号公報、特開平8−300800号公報、特開昭57−20397号公報、特開2000−185457号公報等の複写防止印刷物は、複写した場合に潜像画像が視認できるが、レンチキュラーレンズからなる判別具を重ね合わせることによっても潜像画像が視認されることも知られている。
【0005】
レンチキュラーレンズから成る判別具によって真偽判別する技術として、nを2以上の所定の整数とし、第1〜nの順番に並列する第1〜n帯によって組帯を形成し、並列する複数の前記組帯によって画像を形成する印刷物であって、前記第1〜n帯から第1所定画像の前記帯に対応する領域を排他的に貼り付ける帯として二つを選択し、隠し画像の輪郭において前記選択した一方の帯から他方の帯へと前記貼り付ける帯を変化させることにより形成した画像が印刷されているようにした印刷物に、レンチキュラーレンズを重ね合わせることによって隠し、画像が顕在化する印刷物が開示されている(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2003−094790号公報(第1−8頁、第1−7図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、万線フィルタからなる判別具によって真偽判別される印刷物及び特開2003−094790号公報記載の印刷物は、隠し画像となる潜像画像部及びその周辺の背景画像部は線画で構成するか、又は、隠し画像となる潜像画像部及びその周辺の背景画像部は網点による万線画線で構成され、さらに、潜像画像部と背景画像部の万線の配列にずれを有しているため、印刷物のみで観察した場合においても潜像画像部と背景画像部の境が肉眼で視認される問題があった。また、万線画線のずれで印刷物を構成しているため、ハイライトからシャドウに至る濃度の段階(階調)を有する印刷物内に潜像画像を埋め込むことは作成上困難であった。また、複数の潜像画像を埋め込む場合は、印刷物自体の階調の再現性が低下する問題があった。
【0008】
また、万線フィルタの万線ピッチが印刷物の万線パターンのピッチに合わせる必要があり、万線フィルタの万線ピッチと印刷物を形成する万線パターンのピッチをほぼ同一にする必要があり、万線フィルタの万線ピッチのピッチ幅に制限があった。さらに、万線フィルタは万線画線の画線部に遮断され、潜像画像部は明瞭に視認されるものではなかった。
【0009】
以上のことから、本発明は前述した問題点を解決することを目的としたもので、ハイライトからシャドウに至る濃度の段階(階調)を有する印刷物内に潜像画像が埋め込まれ、印刷物と、レンチキュラーレンズ又は万線フィルタを重ね合わせて肉眼で観察した場合に、印刷物内に埋め込まれた潜像画像が視認できる印刷物であって、最濃色から最薄色を段階的に濃度変化させた第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンは、階調毎に相対し、かつ、相対する第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンの面積が同一又はほぼ同一であるため、潜像画像部と背景画像部の境が肉眼で視認されるおそれがなく、更に、複数の潜像画像を埋め込む場合においても、印刷物自体の階調の再現性が低下することなく、また、階調を有する印刷物を複数色で形成してもレンチキュラーレンズ、万線フィルタを重ね合わせて肉眼で観察した場合に、印刷物内に埋め込まれた潜像画像が視認できる真偽判別可能な印刷物を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、前記階調画像は背景画像部と潜像画像部を含み、前記背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーンと第2のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンの形状が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物である。
【0011】
また、本発明は、基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、前記階調画像は背景画像部と潜像画像部を含み、前記背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーンと第2のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンの形状が同一で形成され、前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンは互いに配置角度が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物である。
【0012】
また、本発明は、基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、前記階調画像は第1の背景画像部、第1の潜像画像部、第2の背景画像部及び第2の潜像画像部を含み、前記第1の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第1の潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の背景画像部は濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の潜像画像部は濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記規則的に配列される奇数列及び偶数列のいずれか一方に第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンが形成され、他方に第3のハーフトーンスクリーンと第4のハーフトーンスクリーンが形成され、前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンは、階調毎に相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーンと第2のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、前記濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第3のハーフトーンスクリーンと第4のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンの形状が異なり、かつ、前記第3のハーフトーンスクリーンと前記第4のハーフトーンスクリーンの形状が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記第1の潜像画像部又は前記第2の潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物である。
【0013】
また、本発明は、基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、前記階調画像は第1の背景画像部、第1の潜像画像部、第2の背景画像部及び第2の潜像画像部を含み、前記第1の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第1の潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の背景画像部は濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の潜像画像部は濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記規則的に配列される奇数列及び偶数列のいずれか一方に第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンが形成され、他方に第3のハーフトーンスクリーンと第4のハーフトーンスクリーンが形成され、前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンは、階調毎に相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーンと第2のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、前記濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第3のハーフトーンスクリーンと第4のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンの形状が同一であり、かつ、前記第3のハーフトーンスクリーンと前記第4のハーフトーンスクリーンの形状が同一であり、前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンの形状は互いに配置角度が異なり、かつ、前記第3のハーフトーンスクリーンと前記第4のハーフトーンスクリーンは互いに配置角度が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記第1の潜像画像部又は前記第2の潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物である。
【0014】
また、本発明は、基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、前記階調画像は第1の背景画像部、第1の潜像画像部、第2の背景画像部及び第2の潜像画像部を含み、前記第1の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン及び第3のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第1の潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の潜像画像部は濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーン、前記濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーン及び前記濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーン、第2のハーフトーンスクリーン、第3のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、前記第1のハーフトーンスクリーン、前記第2のハーフトーンスクリーン、前記第3のハーフトーンスクリーン及び前記第4のハーフトーンスクリーンの形状が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記第1の潜像画像部又は前記第2の潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物である。
【0015】
また、本発明は、基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、前記階調画像は第1の背景画像部、第1の潜像画像部、第2の背景画像部及び第2の潜像画像部を含み、前記第1の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン及び第3のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第1の潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の潜像画像部は濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーン、前記濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーン及び前記濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーン、第2のハーフトーンスクリーン、第3のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、前記第1のハーフトーンスクリーン、前記第2のハーフトーンスクリーン、前記第3のハーフトーンスクリーン及び前記第4のハーフトーンスクリーンの形状が同一であり、前記第1のハーフトーンスクリーン、前記第2のハーフトーンスクリーン、前記第3のハーフトーンスクリーン及び前記第4のハーフトーンスクリーンは互いに配置角度が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記第1の潜像画像部又は前記第2の潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の印刷物は可視光下で肉眼で観察した場合に、ハイライトからシャドウに至る濃度の段階(階調)を有する印刷模様のみが視認され、第1の状態でレンチキュラーレンズを重ねて観察した場合に潜像画像が視認され、第2の状態(第1の状態とは重ね合せる位置又は角度を変化させる)で重ねて観察した場合に、第1の状態で重ねて観察した場合とは濃度が反転して潜像画像が視認され、潜像画像の出現の有無によって、その印刷物が本物か否か判別することが可能である。
【0017】
最濃色から最薄色を段階的に濃度変化させた第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンは、階調毎に相対し、かつ、相対する第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンの面積が同一又はほぼ同一であるため、潜像画像部と背景画像部の境が肉眼で視認されるおそれがない。
【0018】
また、複数の潜像画像を埋め込む場合において、印刷物自体の階調の再現性に優れ、各々の潜像画像の少なくとも一部が互いに重なり合っても形成可能であり、第1の状態でレンチキュラーレンズを重ねて観察した場合に第1の潜像画像が視認され、第2の状態でレンチキュラーレンズを重ねて観察した場合に第1の状態で重ねて観察された潜像画像とは濃度が反転して第1の潜像画像が視認され、第3の状態でレンチキュラーレンズを重ねて観察した場合に第2の潜像画像が視認され、第4の状態でレンチキュラーレンズを重ねて観察した場合に第3の状態で重ねて観察された潜像画像とは濃度が反転して第2の潜像画像が視認される。階調を有する印刷物を複数色で形成してもレンチキュラーレンズ、万線フィルタを重ね合わせて肉眼で観察した場合に、印刷物内に埋め込まれた潜像画像が視認できる。
【0019】
よって、本発明の真偽判別可能な印刷物は、真偽判別効果に優れるため、銀行券、パスポート、有価証券、カード、印紙類、商品タグ、有料道路等の回数券、各種チケット等の貴重品に適用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は以下に述べる実施するための最良の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が含まれる。
【0021】
図1は本発明の真偽判別可能な印刷物(P1)の一例である。図1に示すように、真偽判別可能な印刷物(P1)は、基材(1)上に印刷模様(2)を設け、印刷模様(2)は背景画像部となる第1の印刷領域(3)と潜像画像部となる第2の印刷領域(4)を含む構成となっている。図1に示すように印刷模様(2)は階調を有する鷲の図柄であり、潜像画像部は数字の1が形成されている。
【0022】
図1に示した背景画像部となる第1の印刷領域(3)は、図2(a)に示すような階調(シャドウ、中間調、ハイライト)を有する第1のハーフトーンスクリーン(A)によって形成され、潜像画像部となる第2の印刷領域(4)は、図2(b)に示すような階調(シャドウ、中間調、ハイライト)を有する第2のハーフトーンスクリーン(B)によって形成される。第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)は、互いに48階調のハーフトーンスクリーンを形成している。第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)は互いに異なった形状を有している。さらに、図2(c)に示すように、第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)の相対するハーフトーンスクリーンのピクセル数は同一又はほぼ同一(図面では同一)となっている。例えば、図2(c)の第1のハーフトーンスクリーン(A)の階調A48と、第2のハーフトーンスクリーン(B)の階調B48は、同一のピクセル数となっている。
【0023】
ここで、図3(a)に使用するハーフトーンスクリーン(5)を構成するハーフトーンセル内のピクセル座標系を表示した。図3(a)に示すように16×16ピクセルのハーフトーンスクリーンセル内に各階調を表す第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)が施される。図3(a)では16×16ピクセルのハーフトーンスクリーンで形成しているが、本発明は16×16ピクセルのハーフトーンスクリーン限定されるものではなく、n×nピクセル(n≧3、nは整数)であれば良い。図1に示す印刷模様(2)を作製するために図3(a)に示すハーフトーンスクリーンセル(5)が複数形成される。図3(b)は、X方向及びY方向に規則的に配列された複数のハーフトーンスクリーンセル(5)内にハーフトーンスクリーンが施され、印刷模様(2)が形成される。図3(c)は、X方向及びY方向に半ピッチずらして配列された複数のハーフトーンスクリーンセル(5)内に画素が施され、印刷模様(2)が形成される。
【0024】
図3に示したハーフトーンスクリーンセル内に形成された各階調を表す第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)を図4に示す。第1のハーフトーンスクリーン(A)は、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない(7,8)、(7,9)、(8,7)、(8,8)、(8,9)、(8,10)の座標の6ピクセルが構成される。さらに、第1のハーフトーンスクリーン(A)は、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する(9,7)、(9,8)、(9,9)、(9,10)、(10,8)、(10,9)の座標の6ピクセルが存在しない構成となる。第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない(9,7)、(9,8)、(9,9)、(9,10)、(10,8)、(10,9)の座標の6ピクセル構成される。さらに、第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する(7,8)、(7,9)、(8,7)、(8,8)、(8,9)、(8,10)の座標の6ピクセルが存在しない構成となる。
【0025】
背景画像部を構成しているハーフトーンスクリーンを第1のハーフトーンスクリーン(A)と、潜像画像部を構成しているハーフトーンスクリーンを第2のハーフトーンスクリーン(B)とした場合に、第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)の関係を記載する。第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)の関係は、ハーフトーンセル内のn×nピクセル(n≧3、nは整数)の少なくとも1ピクセル以上が、第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)の全ての相対する階調を表現する第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)において、相互に構成し得ない(存在しない)ピクセル座標に構成され、さらに、第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)の全ての相対する階調を表現する第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)は、互いに同一又はほぼ同一のピクセル数(結果として同一又はほぼ同一の面積)である。また、第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)は形状は同一であり、配置角度が異なっている。つまり、第1のハーフトーンスクリーン(A)の配置位置を0度とした場合に、第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)に対して180度回転し、配置されている。
【0026】
本発明の真偽判別可能な印刷物を形成するための第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)は、図2に限定されることなく、例えば図5に示すハーフトーンスクリーンを用いることができる。図5(a)、図5(c)及び図5(g)は第1のハーフトーンスクリーン(A)の配置位置を0度とした場合に、第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)に対して180度、回転し配置されている。図5(b)及び図5(f)は第1のハーフトーンスクリーン(A)の配置位置を0度とした場合に、第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)に対して90度、回転し配置されている。図5(d)及び図5(e)は第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)は、形状が異なっている。図5(a)乃至図5(g)に示す第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)の面積が同一又はほぼ同一である。また、図5に示す第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)から最濃色から最薄色に段階的に濃度変化させ、階調ごとに相対し、かつ、相対する第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)の面積が同一又はほぼ同一とする。また、図2は、48階調の第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)を用いているが本発明はこれに限定されることなく、3階調以上の第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)を用いることによって真偽判別可能な印刷物を形成することができる。
【0027】
図6は本発明の真偽判別可能な印刷物(P1)とその一部拡大図を示す図である。図6の拡大図に示すように、背景画像部となる第1の印刷領域(3)内は図2(a)に示した第1のハーフトーンスクリーン(A)で構成しており、潜像画像部となる第2の印刷領域(4)内は図2(b)に示した第2のハーフトーンスクリーン(B)で構成している。
【0028】
図6は本発明の真偽判別可能な印刷物(P1)は、CG(コンピュータグラフィック)ソフトで図2に示すような、ハーフトーンスクリーンを作成し、鷲の階調画像を下絵として、この下絵となる画像の階調に応じたハーフトーンスクリーンに置き換えるスクリーニング処理を行い画像を作成する。潜像画像部(数字の1)とそれ以外の背景画像部(数字の1以外の領域)にエリア分けし、潜像画像部(数字の1)のエリア内は第2のハーフトーンスクリーン(B)に置き換え、背景画像部(数字の1以外の領域)は第1のハーフトーンスクリーン(A)に置き換える処理を行い、2値画像データを作成する。2値画像データから版面を作製し、作製された版面を印刷機に設置し、印刷される。
【0029】
図6に示した真偽判別可能な印刷物(P1)を可視光下で肉眼で観察した場合、図7に示すように、背景画像部となる第1の印刷領域(3)と潜像画像部となる第2の印刷領域(4)は区分けされて視認することができず、印刷模様(2)の鷲の絵柄が確認できる。これは、背景画像部となる第1の印刷領域(3)の各階調ごとの第1のハーフトーンスクリーン(A)のピクセル座標と、潜像画像部となる第2の印刷領域(4)の各階調ごとの第2のハーフトーンスクリーン(B)のピクセル座標は、一部が異なっているが、背景画像部となる第1の印刷領域(3)の各階調ごとの第1のハーフトーンスクリーン(A)の面積と、潜像画像部となる第2の印刷領域(4)の各階調ごとの第2のハーフトーンスクリーン(B)の面積が、同一又はほぼ同一であるために、背景画像部となる第1の印刷領域(3)と潜像画像部となる第2の印刷領域(4)は区分けされて視認することができない。
【0030】
図6に示した真偽判別可能な印刷物(P1)に第1の状態又は第2の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合に図8に示すように背景画像部となる第1の印刷領域(3)と潜像画像部となる第2の印刷領域(4)は区分けされて視認され、潜像画像(数字の1)を確認することができる。第2の状態である図8右では、真偽判別可能な印刷物(P1)に対して万線形状のレンチキュラーレンズ(6)を第1の状態からX方向にずらした状態である。真偽判別可能な印刷物(P1)に対する万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の重ね合わせ位置は図8に限定されるものではない。ここで言う、第1の状態とは、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の蒲鉾状のレンズ部分に、図4に示す第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の(9,7)、(9,8)、(9,9)、(9,10)、(10,8)、(10,9)の座標の6ピクセルが拡大される状態である。背景画像部となる第1の印刷領域(3)は、潜像画像部となる第2の印刷領域(4)よりも、全体的に淡く視認され、潜像画像部となる第2の印刷領域(4)は、背景画像部となる第1の印刷領域(3)よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって潜像画像(数字の1)が確認できる。ここで言う、第2の状態とは、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の蒲鉾状のレンズ部分に、図4に示す第1のハーフトーンスクリーン(A)のハーフトーンセル内の(7,8)、(7,9)、(8,7)、(8,8)、(8,9)、(8,10)の座標の6ピクセルが拡大される状態である。背景画像部となる第1の印刷領域(3)は、潜像画像部となる第2の印刷領域(4)よりも、全体的に濃く視認され、潜像画像部となる第2の印刷領域(4)は、背景画像部となる第1の印刷領域(3)よりも、全体的に淡く視認され、この濃度差によって潜像画像(数字の1)が確認できる。
【0031】
真偽判別可能な印刷物(P1)に第1の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合の潜像画像の発現原理を図9に示す。ハーフトーンスクリーンをY−Y´で切断した断面を用いて説明すると、潜像画像部を構成する第2のハーフトーンスクリーン(B)はレンチキュラーレンズを載せることによって、図4に示す座標(9,7)、(9,8)、(9,9)、(9,10)、(10,8)、(10,9)が、拡大されて観察される。一方、第1のハーフトーンスクリーン(A)はレンチキュラーレンズを載せることによって、図4に示す座標(9,7)、(9,8)、(9,9)、(9,10)、(10,8)、(10,9)が、拡大されるため、第2のハーフトーンスクリーン(B)より淡く観察される。この濃淡差により潜像画像を確認することができる。図9に示すように第2のハーフトーンスクリーン(B)にピクセルが構成されている図4に示す座標(9,7)、(9,8)、(9,9)、(9,10)、(10,8)、(10,9)が、拡大された領域(T1)が得られるため、第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)よりも濃く視認される。
【0032】
真偽判別可能な印刷物(P1)に第2の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合の潜像画像の発現原理を図10に示す。ハーフトーンスクリーンをY−Y´で切断した断面を用いて説明すると、潜像画像部を構成する第2のハーフトーンスクリーン(B)はレンチキュラーレンズを載せることによって、図4に示す座標(9,7)、(9,8)、(9,9)、(9,10)、(10,8)、(10,9)が、拡大されて観察される。一方、第1のハーフトーンスクリーン(A)はレンチキュラーレンズを載せることによって、図4に示す座標(7,8)、(7,9)、(8,7)、(8,8)、(8,9)、(8,10)が、拡大されるため、第2のハーフトーンスクリーン(B)より濃く観察される。この濃淡差により潜像画像を確認することができる。図10に示すように第1のハーフトーンスクリーン(A)にピクセルが構成されている図4に示す座標(7,8)、(7,9)、(8,7)、(8,8)、(8,9)、(8,10)が、拡大された領域(T2)が得られるため、第1のハーフトーンスクリーン(A)は、第2のハーフトーンスクリーン(B)よりも濃く視認される。
【0033】
本発明の真偽判別可能な印刷物(P1)は、図8に示すような一種類の潜像画像がレンチキュラーレンズ(6)の重ねる状態によって潜像画像部と背景画像部の明暗が変化するものである。本発明は、これに限定されるものではなく、複数種類の潜像画像を埋め込むことが可能である。複数のハーフトーンスクリーン、例えば、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を組み合わせて真偽判別可能な印刷物(P2)を得る。第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)は真偽判別可能な印刷物(P1)に用いたものと同様なものを用いて、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)は、図11(a)、図11(b)に示すものを用いる。図3(a)に示したハーフトーンスクリーンセル内に形成された各階調を表す第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を図11(a)、図11(b)に示す。第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)は、第3のハーフトーンスクリーン(C)は、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図11(c)に示す(11,16)、(11,17)、(12,16)、(12,17)の座標の4ピクセル構成される。さらに、第3のハーフトーンスクリーン(C)は、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する(21,16)、(21,17)、(22,16)、(22,17)の座標の4ピクセルが存在しない構成となる。第4のハーフトーンスクリーン(D)は、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない(21,16)、(21,17)、(22,16)、(22,17)の座標の4ピクセル構成される。さらに、第4のハーフトーンスクリーン(D)は、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する(11,16)、(11,17)、(12,16)、(12,17)の座標の4ピクセルが存在しない構成となる。
【0034】
第2の背景画像部を構成しているハーフトーンスクリーンを第3のハーフトーンスクリーン(C)とし、第2の潜像画像部を構成しているハーフトーンスクリーンを第4のハーフトーンスクリーン(D)とした場合に、第3のハーフトーンスクリーン(C)と第4のハーフトーンスクリーン(D)の関係を記載する。第3のハーフトーンスクリーン(C)と第4のハーフトーンスクリーン(D)の関係は、ハーフトーンセル内のn×nピクセル(n≧3、nは整数)の少なくとも1ピクセル以上が、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)のすべての相対する階調を表現する第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)において、相互に構成し得ない(存在しない)ピクセル座標に構成され、さらに、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)の全ての相対する階調を表現する第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)は、互いに同一又はほぼ同一(図面では同一)のピクセル数(結果として同一又はほぼ同一の面積)である。
【0035】
本発明の真偽判別可能な印刷物を形成するための第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)は、図11に限定されることなく、例えば図5に示すハーフトーンスクリーンを用いることができる。また、図11は、34階調の第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を用いているが本発明はこれに限定されることなく、3階調以上の第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を用いることによって真偽判別可能な印刷物を形成することができる。
【0036】
図12(a)に示すように、ストライプ状にエリア分けを行い、再右部の列を基準として偶数列のハーフトーンセルには第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)を組み合わせて配列させ、奇数列では第3のハーフトーンスクリーン(C)及び、第4のハーフトーンスクリーン(D)を組み合わせて配列する。それぞれを第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)に置き換えて、2値画像のデータを作成し、版面を作製し印刷機で印刷して、図12(b)に示す真偽判別可能な印刷物(P2)を得る。図12(b)に示す真偽判別可能な印刷物(P2)は、基材(1)上に印刷模様(2)を設け、印刷模様(2)は第1の背景画像部となる第1の印刷領域(3a)、第1の潜像画像部となる第2の印刷領域(4a)、第2の背景画像部となる第3の印刷領域(3b)、第2の潜像画像部となる第4の印刷領域(4b)を含む構成となっている。第1の背景画像部となる第1の印刷領域(3a)は第1のハーフトーンスクリーン(A)で構成しており、第1の潜像画像部となる第2の印刷領域(4a)は第2のハーフトーンスクリーン(B)で構成しており、第2の背景画像部となる第3の印刷領域(3b)は第3のハーフトーンスクリーン(C)で構成しており、第2の潜像画像部となる第4の印刷領域(4b)は第4のハーフトーンスクリーン(D)で構成している。
【0037】
図12(b)に示すように、印刷模様(2)は階調を有する鷲の図柄であり、第1の潜像画像部は数字の1が形成され、第2の潜像画像部はアルファベットのBが形成されている。
【0038】
真偽判別可能な印刷物(P2)を可視光下で肉眼で観察した場合、図13に示すように、第1の背景画像部となる第1の印刷領域(3a)、第1の潜像画像部となる第2の印刷領域(4a)、第2の背景画像部となる第3の印刷領域(3b)及び第2の潜像画像部となる第4の印刷領域(4b)は、区分けされて視認することができず、印刷模様(2)の鷲の絵柄が確認できる。これは、第1の背景画像部となる第1の印刷領域(3a)の各階調ごとの第1のハーフトーンスクリーン(A)のピクセル座標と、第1の潜像画像部となる第2の印刷領域(4a)の各階調ごとの第2のハーフトーンスクリーン(B)のピクセル座標は、一部が異なっているが、第1の背景画像部となる第1の印刷領域(3a)の各階調ごとの第1のハーフトーンスクリーン(A)の面積と、第1の潜像画像部となる第2の印刷領域(4a)の各階調ごとの第2のハーフトーンスクリーン(B)の面積が、同一又はほぼ同一であるために、第1の背景画像部となる第1の印刷領域(3a)、第1の潜像画像部となる第2の印刷領域(4a)は、区分けされて視認することができず、また、第2の背景画像部となる第3の印刷領域(3b)の各階調ごとの第3のハーフトーンスクリーン(C)のピクセル座標及び第2の潜像画像部となる第4の印刷領域(4b)の各階調毎の第4のハーフトーンスクリーン(D)のピクセル座標は、一部が異なっているが、第2の背景画像部となる第3の印刷領域(3b)の各階調ごとの第3のハーフトーンスクリーン(C)の面積及び第2の潜像画像部となる第4の印刷領域(4b)の各階調ごとの第4のハーフトーンスクリーン(D)の面積が、同一又はほぼ同一(図面では同一)であるために、第2の背景画像部となる第3の印刷領域(3b)及び第2の潜像画像部となる第4の印刷領域(4b)は区分けされて視認することができない。
【0039】
真偽判別可能な印刷物(P2)に第1の状態又は第2の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合に図14に示すように背景画像部となる第1の印刷領域(3a)と潜像画像部となる第2の印刷領域(4a)は区分けされて視認され、潜像画像(数字の1)を確認することができる。第1の状態である図14左では、真偽判別可能な印刷物(P2)に対して万線形状のレンチキュラーレンズ(6)を縦方向に重ね合わせ、第2の状態である図14右では、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)を第1の状態からX方向にずらした状態である。真偽判別可能な印刷物(P2)に対する万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の重ね合わせ位置は図14に限定されるものではない。ここで言う、第1の状態とは、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の蒲鉾状のレンズ部分に、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の図11(c)に示す(9,7)、(9,8)、(9,9)、(9,10)、(10,8)、(10,9)の座標の6ピクセルが拡大される状態である。背景画像部となる第1の印刷領域(3a)は、潜像画像部となる第2の印刷領域(4a)よりも、全体的に淡く視認され、潜像画像部となる第2の印刷領域(4a)は、背景画像部となる第1の印刷領域(3a)よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって潜像画像(数字の1)が確認できる。ここで言う、第2の状態とは、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の蒲鉾状のレンズ部分に、第1のハーフトーンスクリーン(A)のハーフトーンセル内の図11(c)に示す(7,8)、(7,9)、(8,7)、(8,8)、(8,9)、(8,10)の座標の6ピクセルが拡大される状態である。背景画像部となる第1の印刷領域(3a)は、潜像画像部となる第2の印刷領域(4a)よりも、全体的に濃く視認され、潜像画像部となる第2の印刷領域(4a)は、背景画像部となる第1の印刷領域(3a)よりも、全体的に淡く視認され、この濃度差によって潜像画像(数字の1)が確認できる。
【0040】
さらに、真偽判別可能な印刷物(P2)に第3の状態又は第4の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合に、図15に示すように背景画像部となる第3の印刷領域(3b)と潜像画像部となる第4の印刷領域(4b)は区分けされて視認され、潜像画像(アルファベットのB)を確認することができる。第3の状態である図15左では、真偽判別可能な印刷物(P2)に対して万線形状のレンチキュラーレンズ(6)を縦方向に重ね合わせ、第4の状態である図15右では、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)を第3の状態から図15右図に示すようにX方向にずらした状態である。真偽判別可能な印刷物(P2)に対する万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の重ね合わせ位置は図15に限定されるものではない。ここで言う、第3の状態とは、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の蒲鉾状のレンズ部分に、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の図11(c)に示す(21,16)、(21,17)、(22,16)、(22,17)の座標の4ピクセルが拡大される状態である。背景画像部となる第3の印刷領域(3b)は、潜像画像部となる第4の印刷領域(4b)よりも、全体的に淡く視認され、潜像画像部となる第4の印刷領域(4b)は、背景画像部となる第3の印刷領域(3)よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって潜像画像(アルファベットのB)が確認できる。ここで言う、第4の状態とは、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の蒲鉾状のレンズ部分に、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の図11(c)に示す(11,16)、(11,17)、(12,16)、(12,17)の座標の4ピクセルが拡大される状態である。背景画像部となる第3の印刷領域(3b)は、潜像画像部となる第4の印刷領域(4b)よりも、全体的に濃く視認され、潜像画像部となる第4の印刷領域(4b)は、背景画像部となる第3の印刷領域(3b)よりも、全体的に淡く視認され、この濃度差によって潜像画像(アルファベットのB)が確認できる。
【0041】
真偽判別可能な印刷物(P2)は、偶数列のハーフトーンセルには第1のハーフトーンスクリーン(A)及び、第2のハーフトーンスクリーン(B)を組み合わせて配列させ、奇数列では第3のハーフトーンスクリーン(C)及び、第4のハーフトーンスクリーン(D)を組み合わせて配列して形成している。
【0042】
しかしながら、本発明の真偽判別可能な印刷物はこれに限定されることなく、例えば図16に示すように格子状に第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を配置して形成してもよい。例えば、複数のハーフトーンスクリーン、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を組み合わせて真偽判別可能な印刷物を得る。図17に示すような第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を用いる。図3(a)に示したハーフトーンスクリーンセル内に形成された各階調を表す第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)が形成される。
【0043】
第1のハーフトーンスクリーン(A)は、第3のハーフトーンスクリーン(C)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図17(b)に示す(6,15)、(7,15)、(5,16)、(6,16)、(7,16)、(8,16)、(5,17)、(6,17)、(7,17)、(8,17)、(6,18)、(7,18)の座標の12ピクセル及び第2のハーフトーンスクリーン(B)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図17(b)に示す(16,25)、(17,25)、(15,26)、(16,26)、(17,26)、(18,26)、(15,27)、(16,27)、(17,27)、(18,27)、(16,28)、(17,28)の座標の12ピクセルが構成される。さらに、第1のハーフトーンスクリーン(A)は、第3のハーフトーンスクリーン(C)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図17(b)に示す(26,15)、(27,15)、(25,16)、(26,16)、(27,16)、(28,16)、(25,17)、(26,17)、(27,17)、(28,17)、(26,18)、(27,18)の座標の12ピクセル及び第2のハーフトーンスクリーン(B)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図17(b)に示す(16,5)、(17,5)、(15,6)、(16,6)、(17,6)、(18,6)、(15,7)、(16,7)、(17,7)、(18,7)、(16,8)、(17,8)の座標の12ピクセルが存在しない構成となる。
【0044】
第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図17(b)に示す(16,5)、(17,5)、(15,6)、(16,6)、(17,6)、(18,6)、(15,7)、(16,7)、(17,7)、(18,7)、(16,8)、(17,8)の座標の12ピクセル及び第3のハーフトーンスクリーン(C)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図17(b)に示す(6,15)、(7,15)、(5,16)、(6,16)、(7,16)、(8,16)、(5,17)、(6,17)、(7,17)、(8,17)、(6,18)、(7,18)の座標の12ピクセルが構成される。さらに、第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図17(b)に示す(16,25)、(17,25)、(15,26)、(16,26)、(17,26)、(18,26)、(15,27)、(16,27)、(17,27)、(18,27)、(16,28)、(17,28)の座標の12ピクセル及び第3のハーフトーンスクリーン(C)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図17(b)に示す(26,15)、(27,15)、(25,16)、(26,16)、(27,16)、(28,16)、(25,17)、(26,17)、(27,17)、(28,17)、(26,18)、(27,18)の座標の12ピクセルが存在しない構成となる。
【0045】
第3のハーフトーンスクリーン(C)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図17(b)に示す(26,15)、(27,15)、(25,16)、(26,16)、(27,16)、(28,16)、(25,17)、(26,17)、(27,17)、(28,17)、(26,18)、(27,18)の座標の12ピクセルおよび、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図17(b)に示す(16,25)、(17,25)、(15,26)、(16,26)、(17,26)、(18,26)、(15,27)、(16,27)、(17,27)、(18,27)、(16,28)、(17,28)の座標の12ピクセルが構成される。さらに、第3のハーフトーンスクリーン(C)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図17(b)に示す(6,15)、(7,15)、(5,16)、(6,16)、(7,16)、(8,16)、(5,17)、(6,17)、(7,17)、(8,17)、(6,18)、(7,18)の座標の12ピクセルおよび、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図17(b)に示す(16,5)、(17,5)、(15,6)、(16,6)、(17,6)、(18,6)、(15,7)、(16,7)、(17,7)、(18,7)、(16,8)、(17,8)の座標の12ピクセルが存在しない構成となる。
【0046】
第4のハーフトーンスクリーン(D)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図17(b)に示す(26,15)、(27,15)、(25,16)、(26,16)、(27,16)、(28,16)、(25,17)、(26,17)、(27,17)、(28,17)、(26,18)、(27,18)の座標の12ピクセル及び第1のハーフトーンスクリーン(A)、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図17(b)に示す(16,5)、(17,5)、(15,6)、(16,6)、(17,6)、(18,6)、(15,7)、(16,7)、(17,7)、(18,7)、(16,8)、(17,8)の座標の12ピクセルが構成される。さらに、第4のハーフトーンスクリーン(D)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図17(b)に示す(16,25)、(17,25)、(15,26)、(16,26)、(17,26)、(18,26)、(15,27)、(16,27)、(17,27)、(18,27)、(16,28)、(17,28)の座標の12ピクセル及び第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図17(b)に示す(6,15)、(7,15)、(5,16)、(6,16)、(7,16)、(8,16)、(5,17)、(6,17)、(7,17)、(8,17)、(6,18)、(7,18)の座標の12ピクセルが存在しない構成となる。
【0047】
本発明の真偽判別可能な印刷物を形成するための第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)は、図17に限定されるものではない。また、図17は、36階調の第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を用いているが本発明はこれに限定されることなく、3階調以上の第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を用いることによって真偽判別可能な印刷物を形成することができる。
【0048】
図18(a)に示すように、格子状にエリア分けを行い、第1の背景画像部であり、かつ、第2の背景画像部である領域を第1のハーフトーンスクリーン(A)とし、第1の潜像画像部であり、かつ、第2の背景画像部である領域を第2のハーフトーンスクリーン(B)とし、第2の潜像画像部であり、かつ、第1の背景画像部である領域を第3のハーフトーンスクリーン(C)とし、第1の潜像画像部及び第2の潜像画像部が重なった領域を第4のハーフトーンスクリーン(D)に置き換えて、2値画像のデータを作成し、版面を作製し印刷機で印刷して、図18(b)に示す真偽判別可能な印刷物(P3)を得る。図18(b)に示す真偽判別可能な印刷物(P3)は、基材(1)上に印刷模様(2)を設け、印刷模様(2)は第1の背景画像部であり、かつ、第2の背景画像部である領域となる第1の印刷領域(3a)、第1の潜像画像部であり、かつ、第2の背景画像部である領域となる第2の印刷領域(4a)、第2の潜像画像部であり、かつ、第1の背景画像部である領域となる第3の印刷領域(4b)、第1の潜像画像部及び第2の潜像画像部が重なった第4の印刷領域(4c)を含む構成となっている。第1の背景画像部であり、かつ、第2の背景画像部である領域となる第1の印刷領域(3a)は第1のハーフトーンスクリーン(A)で形成し、第1の潜像画像部であり、かつ、第2の背景画像部である領域となる第2の印刷領域(4a)は第2のハーフトーンスクリーン(B)で形成し、第2の潜像画像部であり、かつ、第1の背景画像部である領域となる第3の印刷領域(3b)は第3のハーフトーンスクリーン(C)で形成し、第1の潜像画像部及び第2の潜像画像部が重なった第4の印刷領域(4c)を第4のハーフトーンスクリーン(D)で構成する。
【0049】
図18(b)に示すように印刷模様(2)は階調を有する鷲の図柄であり、第1の潜像画像部は数字の1が形成され、第2の潜像画像部はアルファベットのBが形成されている。
【0050】
真偽判別可能な印刷物(P2)を可視光下で肉眼で観察した場合、図19に示すように、第1の背景画像部であり、かつ、第2の背景画像部である領域となる第1の印刷領域(3a)、第1の潜像画像部であり、かつ、第2の背景画像部である領域となる第2の印刷領域(4a)、第2の背景画像部であり、かつ、第1の背景画像部である領域となる第4の印刷領域(4b)及び第1の潜像画像部と第2の潜像画像部が重なった第4の印刷領域(4c)は区分けされて視認することができず、印刷模様(2)の鷲の絵柄が確認できる。これは、第1の背景画像部であり、かつ、第2の背景画像部である領域となる第1の印刷領域(3a)の各階調ごとの第1のハーフトーンスクリーン(A)のピクセル座標と、第1の潜像画像部であり、かつ、第2の背景画像部である領域となる第2の印刷領域(4a)の各階調ごとの第2のハーフトーンスクリーン(B)のピクセル座標と、第2の潜像画像部であり、かつ、第1の背景画像部である領域となる第3の印刷領域(4b)の各階調ごとの第3のハーフトーンスクリーン(C)のピクセル座標及び第1の潜像画像部と第2の潜像画像部が重なった第4の印刷領域(4c)の各階調毎の第4のハーフトーンスクリーン(D)のピクセル座標は、一部が異なっているが、面積が、同一又はほぼ同一(図面では同一)であるために、第1の印刷領域(3a)、第2の印刷領域(4a)、第3の印刷領域(4b)及び第4の印刷領域(4c)は区分けされて視認することができない。
【0051】
真偽判別可能な印刷物(P3)に第1の状態又は第2の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合に、図20に示すように第1の背景画像部であり、かつ、第2の背景画像部である領域となる第1の印刷領域(3a)と第2の潜像画像部であり、かつ、第1の背景画像部である領域となる第3の印刷領域(4b)は、第1の背景画像部となり、第1の潜像画像部でありかつ第2の背景画像部である領域となる第2の印刷領域(4a)、第1の潜像画像部と第2の潜像画像部が重なった第4の印刷領域(4c)は、第1の潜像画像部となり、潜像画像(数字の1)を確認することができる。第1の状態である図20左では、真偽判別可能な印刷物(P3)に対して万線形状のレンチキュラーレンズ(6)を横方向に重ね合わせ、第2の状態である図20右では、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)を第1の状態からY方向にずらした状態である。真偽判別可能な印刷物(P3)に対する万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の重ね合わせ位置は図20に限定されることない。ここで言う、第1の状態とは、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の蒲鉾状のレンズ部分に、第2のハーフトーンスクリーン(B)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の図17(b)に示す(16,5)、(17,5)、(15,6)、(16,6)、(17,6)、(18,6)、(15,7)、(16,7)、(17,7)、(18,7)、(16,8)、(17,8)の座標の12ピクセルが拡大される状態である。よって、第1の背景画像部は第1の潜像画像部よりも全体的に淡く視認され、第1の潜像画像部は第1の背景画像部よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって潜像画像(数字の1)が確認できる。ここで言う、第2の状態とは、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の蒲鉾状のレンズ部分に、第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の図17(b)に示す(16,25)、(17,25)、(15,26)、(16,26)、(17,26)、(18,26)、(15,27)、(16,27)、(17,27)、(18,27)、(16,28)、(17,28)の座標の12ピクセルが拡大される状態である。よって、第1の背景画像部は第1の潜像画像部よりも全体的に濃く視認され、第1の潜像画像部は第1の背景画像部よりも全体的に淡く視認され、この濃度差によって潜像画像(数字の1)が確認できる。
【0052】
さらに、真偽判別可能な印刷物(P3)に第3の状態又は第4の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合に図21に示すように第1の背景画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域となる第1の印刷領域(3a)と、第1の潜像画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域となる第2の印刷領域(4a)は、第2の背景画像部となり、第2の潜像画像部であり、かつ、第1の背景画像部である領域となる第3の印刷領域(4b)、第1の潜像画像部と第2の潜像画像部が重なった第4の印刷領域(4c)は、第2の潜像画像部となり、潜像画像(アルファベットのB)を確認することができる。第3の状態である図21左では、真偽判別可能な印刷物(P3)に対して万線形状のレンチキュラーレンズ(6)を横方向に重ね合わせ、第4の状態である図21右では、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)を第3の状態からX方向にずらした状態である。真偽判別可能な印刷物(P3)に対する万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の重ね合わせ位置は図21に限定されるものではない。ここで言う、第3の状態とは、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の蒲鉾状のレンズ部分に、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の図17(b)に示す(26,15)、(27,15)、(25,16)、(26,16)、(27,16)、(28,16)、(25,17)、(26,17)、(27,17)、(28,17)、(26,18)、(27,18)の座標の12ピクセルが拡大される状態である。よって、第2の背景画像部は第2の潜像画像部よりも全体的に淡く視認され、第2の潜像画像部は第2の背景画像部よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって潜像画像(アルファベットのB)が確認できる。ここで言う、第4の状態とは、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の蒲鉾状のレンズ部分に、第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の図17(b)に示す(6,15)、(7,15)、(5,16)、(6,16)、(7,16)、(8,16)、(5,17)、(6,17)、(7,17)、(8,17)、(6,18)、(7,18)の座標の12ピクセルが拡大される状態である。よって、第2の背景画像部は第2の潜像画像部よりも全体的に濃く視認され、第2の潜像画像部は第2の背景画像部よりも、全体的に淡く視認され、この濃度差によって潜像画像(アルファベットのB)が確認できる。
【0053】
上記説明では、真偽判別可能な印刷物(P1、P2、P3)にレンチキュラーレンズ(6)を重ね合わせて潜像画像を確認しているが、本発明はこれに限定されることなく、透明フィルムに所定ピッチの万線が施された判別具(万線フィルタ)を用いても潜像画像を確認することができる。本発明の真偽判別可能な印刷物を判別するレンチキュラーレンズは、図22(a)に示すように万線状のレンズ、図22(b)に示すように所定間隔で配列されたドット状のレンズ等、特に限定されるものではないが、万線状のレンチキュラーレンズが最も本発明の効果を得ることができ、レンチキュラーレンズの線数とハーフトーンスクリーンの線数を同一、又は整数倍に設計することが望ましい。万線フィルタ又はレンチキュラーレンズの基材自体に色彩を付与(半透明)することによって、例えば、ストライプ状にエリア分けされた、偶数列の第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)を赤色で構成し、奇数列の第3のハーフトーンスクリーン(C)と第4のハーフトーンスクリーン(D)を青色で構成し、赤色カラーレンチキュラーレンズを載せて観察すると、偶数列の赤色で構成された第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)は赤色フィルタ機能により観察することができず、青色で構成された第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)が赤色フィルタと混色して、紫色となるので、潜像画像が観察できる。逆に青色カラーレンチキュラーレンズで観察した場合は、赤色で構成された第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)のみが紫色となり潜像画像として観察できる。エリア分け及び使用色はこれに限定されることなく、プロセス4色でカラー画像を構成しても良い。構成色に合ったカラーレンチキュラーレンズを作製できれば色は限定されない。
【0054】
本発明の真偽判別可能な印刷物のハーフトーンスクリーンの線数は25lpi〜175lpiが好ましい。スクリーン線数が175lpiより大きいと本発明のハーフトーンスクリーン形状を有した印刷物を作製上困難となり、25lpiより小さいとシャドウ部のハーフトーンスクリーンの大きさが1mmを超え、ハーフトーンスクリーンの形状が肉眼で認識可能になるため、潜像画像部と背景画像部が肉眼で区分けして視認されるおそれが生じる。さらに好ましくはハーフトーンスクリーンの線数は、30lpi〜120lpiが好ましい。ただし、小さいスクリーン線数でも、ハーフトーンスクリーン形状を認識できない大きさのハイライト部及び中間調部を使えばこの限りではなく、また、大きいスクリーン線数でも、表現する階調数を少なくすれば、1ピクセルのサイズを大きく設計できるため、印刷物作製可能となるため、この限りではない。
【0055】
本発明の真偽判別可能な印刷物を印刷する基材は、紙、プラスチック、フィルム、金属板等、特に限定されるものではない。
【0056】
本発明の真偽判別可能な印刷物を印刷する印刷方式は、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、フレキソ印刷方式、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ、ベタ等の印刷にレーザ加工機で印刷部を削る方法等、特に限定されるものではないが、オフセット印刷方式が好ましい。また、印刷インキは、特に限定されるものではない。また、有色蛍光インキ、赤外吸収インキ、磁性インキ、パール等の光学的変化インキ等を用いることによって複写防止等の偽造防止効果が向上する。
【0057】
模様及び潜像画像は、文字、数字、記号及び絵柄の少なくとも一つで構成することできるため、デザインは、特に限定されるものではない。
【実施例】
【0058】
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明の内容は、これらの実施例の範囲に限定されるものではない。
【0059】
(実施例1)
スクリーニングする階調画像を用意する。本実施例においては図23(a)に示すTIFF形式(グレー256階調)の鷲の画像データを使用した。データ形式はこれに限定されず、一般に使用される画像データであればよい。次にCG(コンピュータグラフィックス)ソフトを用いて、図23(b)に示すような背景画像部の第1のハーフトーンスクリーン(A)と、潜像画像部の第2のハーフトーンスクリーン(B)とを作成する。本実施例のハーフトーンスクリーンにおいては、スクリーン線数を100lpiとしたため、1/100インチ(254μm)×1/100インチのエリア内に16×16ピクセルのハーフトーンスクリーンセルを用意し、規則に沿ってピクセルを順次塗りつぶしていき、図23(b)に示すように48階調の第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)を作成した。図23(c)は第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)の代表的な三種類の階調を座標に配置した図である。本実施例1においては、図23(c)に示すように、第1のハーフトーンスクリーン(A)は、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図23(c)に示す(7,8)、(7,9)、(8,7)、(8,8)、(8,9)、(8,10)の座標の6ピクセルが構成される。さらに、第1のハーフトーンスクリーン(A)は、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図23(c)に示す(9,7)、(9,8)、(9,9)、(9,10)、(10,8)、(10,9)の座標の6ピクセルが存在しない構成となる。第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図23(c)に示す(9,7)、(9,8)、(9,9)、(9,10)、(10,8)、(10,9)の座標の6ピクセルが構成される。さらに、第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図23(c)に示す(7,8)、(7,9)、(8,7)、(8,8)、(8,9)、(8,10)の座標の6ピクセルが存在しない構成とした。
【0060】
次に、階調画像の各ピクセルの持つ濃度情報を、対応する面積を持つハーフトーンスクリーンに置き換える作業であるスクリーニングを行った。本実施例で作成したハーフトーンスクリーンは48階調なので、スクリーニングされる階調画像の256階調を48階調に変換して、階調画像の各ピクセルの持つ階調と同じ階調のハーフトーンスクリーンに置き換えた。背景画像部は第1のハーフトーンスクリーン(A)に置き換え、潜像画像部は第2のハーフトーンスクリーン(B)に置き換えた。スクリーニングを行った後の白黒2値のハーフトーンスクリーン画像を図24に示す。白黒2値のハーフトーンスクリーン画像からPS版面を作製し、オフセット印刷機(色:マゼンタインキ)で印刷し、実施例1の真偽判別可能な印刷物を作製した。
【0061】
実施例1の真偽判別可能な印刷物を可視光下で肉眼で観察した場合、背景画像部と潜像画像部は区分けされて視認することができなかった。実施例1の真偽判別可能な印刷物に第1の状態でピッチ100lpiのレンチキュラーレンズを、印刷物に対してレンチキュラーレンズの万線が縦方向になるように重ねた場合に背景画像部は、潜像画像部よりも、全体的に淡く視認され、潜像画像部は、背景画像部よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって潜像画像(数字の1)が確認できた。さらに、第1の状態から印刷物に対して横方向(X方向)にピッチ100lpiのレンチキュラーレンズをおよそ127μm程度ずらして第2の状態で重ねて観察することによって潜像画像(数字の1)の濃淡が反転する効果が得られた。
【0062】
(実施例2)
実施例1と同様に、スクリーニングする階調画像を用意する。本実施例においても図25(a)に示すTIFF形式(グレー256階調)の鷲の画像データを使用した。データ形式はこれに限定されず、一般に使用される画像データであればよい。次にCG(コンピュータグラフィックス)ソフトを用いて、図25(b)に示すような背景画像部を構成する第3のハーフトーンスクリーン(C)と潜像画像部を構成する第4のハーフトーンスクリーン(D)を作成した。本実施例のハーフトーンスクリーンにおいては、スクリーン線数を100lpiとしたため、1/100インチ(254μm)×1/100インチのエリア内に32×32ピクセルのハーフトーンスクリーンセルを用意し、規則に沿ってピクセルを順次塗りつぶしていき、図25(b)に示すように34階調の第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を作成した。図25(c)は第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)の代表的な三種類の階調を座標に配置した図である。本実施例2においては、図25(c)に示すように、第3のハーフトーンスクリーン(C)は、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図25(c)に示す(11,16)、(11,17)、(12,16)、(12,17)の座標の4ピクセルが構成される。さらに、第3のハーフトーンスクリーン(C)は、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図25(c)に示す(21,16)、(21,17)、(22,16)、(22,17)の座標の4ピクセルが存在しない構成となる。第4のハーフトーンスクリーン(D)は、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図25(c)に示す(21,16)、(21,17)、(22,16)、(22,17)の座標の4ピクセルが構成される。さらに、第4のハーフトーンスクリーン(D)は、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図25(c)に示す(11,16)、(11,17)、(12,16)、(12,17)の座標の4ピクセルが存在しない構成とした。
【0063】
次に、階調画像の各ピクセルの持つ濃度情報を、対応する濃度の面積を持つハーフトーンスクリーンに置き換える作業であるスクリーニングを行った。本実施例で作成したハーフトーンスクリーンは34階調なので、スクリーニングされる階調画像の256階調を34階調に変換して、階調画像の各ピクセルの持つ階調と同じ階調のハーフトーンスクリーンに置き換える。背景画像部は第3のハーフトーンスクリーン(C)に置き換え、潜像画像部は第4のハーフトーンスクリーン(D)に置き換えた。スクリーニングを行った後の白黒2値のハーフトーンスクリーン画像を図26(a)に示す。白黒2値のハーフトーンスクリーン画像からPS版面を作製し、オフセット印刷機(色:マゼンタインキ)で印刷し、実施例2の真偽判別可能な印刷物を作製した。
【0064】
実施例2の真偽判別可能な印刷物を可視光下で肉眼で観察した場合、背景画像部と潜像画像部は区分けされて視認することができなかった。実施例2の真偽判別可能な印刷物に第1の状態でピッチ100lpiのレンチキュラーレンズを、印刷物に対してレンチキュラーレンズの万線が縦方向になるように重ねた場合に背景画像部は、潜像画像部よりも、全体的に淡く視認され、潜像画像部は、背景画像部よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって潜像画像(アルファベットのB)が確認できた。実施例2の真偽判別可能な印刷物に第1の状態でレンチキュラーレンズを重ねた場合の潜像画像の発現原理を図26(b)に示す。ハーフトーンスクリーンをY−Y´で切断した断面を用いて説明すると、レンチキュラーレンズを載せることによって、背景画像部を構成する第3のハーフトーンスクリーン(C)に形成されていないピクセル位置に、潜像画像部を構成する第4のハーフトーンスクリーン(D)は形成されている部分(S)が存在するため、その部分(S)が拡大されて観察されるため潜像画像部は濃く観察される。一方、背景画像部は潜像画像部より淡く観察されるため、この濃淡差により潜像画像を確認することができる。さらに、第1の状態から印刷物に対して横方向(X方向)にピッチ100lpiのレンチキュラーレンズをおよそ127μm程度ずらして第2の状態で重ねて観察することによって潜像画像(アルファベットのB)の濃淡が反転する効果が得られた。
【0065】
(実施例3)
複数のハーフトーンスクリーンを組み合わせることにより、レンチキュラーレンズを載せたときに複数の潜像が観察できるサンプルを作製した。図27(a)に示すように、254μmピッチでストライプ状にエリア分けを行い、偶数列のハーフトーンセルには実施例1で使用した第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)の組み合わせ、奇数列では実施例2で使用した第3のハーフトーンスクリーン(C)と第4のハーフトーンスクリーン(D)の組み合わせにする。図27(a)に示すとおり、ストライプ状にハーフトーンスクリーンエリアを分け、第1の背景画像部は第1のハーフトーンスクリーン(A)に置き換え、第1の潜像画像部は第2のハーフトーンスクリーン(B)に置き換え、第2の背景画像部は第3のハーフトーンスクリーン(C)に置き換え、第2の潜像画像部は第4のハーフトーンスクリーン(D)に置き換えた。スクリーニングを行った後の白黒2値のハーフトーンスクリーン画像を図27(b)に示す。白黒2値のハーフトーンスクリーン画像からPS版面を作製し、オフセット印刷機(色:マゼンタインキ)で印刷し、実施例3の真偽判別可能な印刷物を作製した。
【0066】
実施例3の真偽判別可能な印刷物を可視光下で肉眼で観察した場合、第1の背景画像部、第1の潜像画像部、第2の背景画像部及び第2の潜像画像部は区分けされて視認することができなかった。実施例3の真偽判別可能な印刷物に第1の状態でピッチ50lpiのレンチキュラーレンズを、印刷物に対してレンチキュラーレンズの万線が縦方向になるように重ねた場合に第1の背景画像部は、第1の潜像画像部よりも、全体的に淡く視認され、第1の潜像画像部は、第1の背景画像部よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって第1の潜像画像(数字の1)が確認できた。さらに、第1の状態から印刷物に対して横方向(X方向)にピッチ50lpiのレンチキュラーレンズをおよそ127μm程度ずらして第2の状態で重ねて観察することによって第1の潜像画像(数字の1)の濃淡が反転する効果が得られた。さらに、第2の状態から印刷物に対して横方向(X方向)にピッチ50lpiのレンチキュラーレンズをおよそ127μm程度ずらして第3の状態で重ねて観察することによって第2の背景画像部は、第2の潜像画像部よりも、全体的に淡く視認され、第2の潜像画像部は、第2の背景画像部よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって第2の潜像画像(アルファベットのB)が確認できた。さらに、第3の状態から印刷物に対して横方向(X方向)にピッチ50lpiのレンチキュラーレンズをおよそ127μm程度ずらして第4の状態で重ねて観察することによって第2の潜像画像(アルファベットのB)の濃淡が反転する効果が得られた。
【0067】
(実施例4)
スクリーニングする階調画像を用意する。本実施例においては図28(a)に示すTIFF形式(グレー256階調)の鷲の画像データを使用した。データ形式はこれに限定されず、一般に使用される画像データであればよい。次にCG(コンピュータグラフィックス)ソフトを用いて、図28(b)に示すような第1の背景画像部であり、かつ第2の背景画像部である第1のハーフトーンスクリーン(A)と、第1の背景画像部であり、かつ第2の潜像画像部である第3のハーフトーンスクリーン(C)と、第1の潜像画像部であり、かつ第2の背景画像部である第2のハーフトーンスクリーン(B)と、第1の潜像画像部であり、かつ第2の潜像画像部である第4のハーフトーンスクリーン(D)を作成する。本実施例のハーフトーンスクリーンにおいては、スクリーン線数を100lpiとしたため、1/100インチ(254μm)×1/100インチのエリア内に32×32ピクセルのハーフトーンスクリーンセルを用意し、規則に沿ってピクセルを順次塗りつぶしていき、図28(b)に示すように36階調の第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)、第4のハーフトーンスクリーン(D)を作成した。図28(c)は第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)、第4のハーフトーンスクリーン(D)の代表的な三種類の階調を座標に配置した図である。
【0068】
本実施例4においては、図28(c)に示すように、第1のハーフトーンスクリーン(A)は、第3のハーフトーンスクリーン(C)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図28(c)に示す(6,15)、(7,15)、(5,16)、(6,16)、(7,16)、(8,16)、(5,17)、(6,17)、(7,17)、(8,17)、(6,18)、(7,18)の座標の12ピクセル及び第2のハーフトーンスクリーン(B)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図28(c)に示す(16,25)、(17,25)、(15,26)、(16,26)、(17,26)、(18,26)、(15,27)、(16,27)、(17,27)、(18,27)、(16,28)、(17,28)の座標の12ピクセルが構成される。さらに、第1のハーフトーンスクリーン(A)は、第3のハーフトーンスクリーン(C)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図28(c)に示す(26,15)、(27,15)、(25,16)、(26,16)、(27,16)、(28,16)、(25,17)、(26,17)、(27,17)、(28,17)、(26,18)、(27,18)の座標の12ピクセル及び第2のハーフトーンスクリーン(B)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図28(c)に示す(16,5)、(17,5)、(15,6)、(16,6)、(17,6)、(18,6)、(15,7)、(16,7)、(17,7)、(18,7)、(16,8)、(17,8)の座標の12ピクセルが存在しない構成とした。
【0069】
第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図28(c)に示す(16,5)、(17,5)、(15,6)、(16,6)、(17,6)、(18,6)、(15,7)、(16,7)、(17,7)、(18,7)、(16,8)、(17,8)の座標の12ピクセル及び第3のハーフトーンスクリーン(C)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図28(c)に示す(6,15)、(7,15)、(5,16)、(6,16)、(7,16)、(8,16)、(5,17)、(6,17)、(7,17)、(8,17)、(6,18)、(7,18)の座標の12ピクセルが構成される。さらに、第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図28(c)に示す(16,25)、(17,25)、(15,26)、(16,26)、(17,26)、(18,26)、(15,27)、(16,27)、(17,27)、(18,27)、(16,28)、(17,28)の座標の12ピクセル及び第3のハーフトーンスクリーン(C)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図28(c)に示す(26,15)、(27,15)、(25,16)、(26,16)、(27,16)、(28,16)、(25,17)、(26,17)、(27,17)、(28,17)、(26,18)、(27,18)の座標の12ピクセルが存在しない構成とした。
【0070】
第3のハーフトーンスクリーン(C)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図28(c)に示す(26,15)、(27,15)、(25,16)、(26,16)、(27,16)、(28,16)、(25,17)、(26,17)、(27,17)、(28,17)、(26,18)、(27,18)の座標の12ピクセル及び第2のハーフトーンスクリーン(B)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図28(c)に示す(16,25)、(17,25)、(15,26)、(16,26)、(17,26)、(18,26)、(15,27)、(16,27)、(17,27)、(18,27)、(16,28)、(17,28)の座標の12ピクセルが構成される。さらに、第3のハーフトーンスクリーン(C)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図28(c)に示す(6,15)、(7,15)、(5,16)、(6,16)、(7,16)、(8,16)、(5,17)、(6,17)、(7,17)、(8,17)、(6,18)、(7,18)の座標の12ピクセル及び第2のハーフトーンスクリーン(B)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図28(c)に示す(16,5)、(17,5)、(15,6)、(16,6)、(17,6)、(18,6)、(15,7)、(16,7)、(17,7)、(18,7)、(16,8)、(17,8)の座標の12ピクセルが存在しない構成とした。
【0071】
第4のハーフトーンスクリーン(D)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図28(c)に示す(26,15)、(27,15)、(25,16)、(26,16)、(27,16)、(28,16)、(25,17)、(26,17)、(27,17)、(28,17)、(26,18)、(27,18)の座標の12ピクセル及び第1のハーフトーンスクリーン(A)、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図28(c)に示す(16,5)、(17,5)、(15,6)、(16,6)、(17,6)、(18,6)、(15,7)、(16,7)、(17,7)、(18,7)、(16,8)、(17,8)の座標の12ピクセルが構成される。さらに、第4のハーフトーンスクリーン(D)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図28(c)に示す(16,25)、(17,25)、(15,26)、(16,26)、(17,26)、(18,26)、(15,27)、(16,27)、(17,27)、(18,27)、(16,28)、(17,28)の座標の12ピクセル及び第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図28(c)に示す(6,15)、(7,15)、(5,16)、(6,16)、(7,16)、(8,16)、(5,17)、(6,17)、(7,17)、(8,17)、(6,18)、(7,18)の座標の12ピクセルが存在しない構成とした。
【0072】
次に、階調画像の各ピクセルの持つ濃度情報を、対応する濃度の面積を持つハーフトーンスクリーンに置き換える作業であるスクリーニングを行った。本実施例で作成したハーフトーンスクリーンは36階調なので、スクリーニングされる階調画像の256階調を36階調に変換して、階調画像の各ピクセルの持つ階調と同じ階調のハーフトーンスクリーンに置き換える。第1の背景画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域は、第1のハーフトーンスクリーン(A)に置き換え、第1の潜像画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域は、第2のハーフトーンスクリーン(B)に置き換え、第1の背景画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域は、第3のハーフトーンスクリーン(C)に置き換え、第1の潜像画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域は第4のハーフトーンスクリーン(D)に置き換えスクリーニングを行った後の白黒2値のハーフトーンスクリーン画像を図29(a)に示す。白黒2値のハーフトーンスクリーン画像からPS版面を作製し、オフセット印刷機(色:マゼンタインキ)で印刷し、図29(b)に示す実施例4の真偽判別可能な印刷物を作製した。
【0073】
実施例4の真偽判別可能な印刷物を可視光下で肉眼で観察した場合、第1の背景画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域、第1の潜像画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域、第1の背景画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域、第1の潜像画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域は、区分けされて視認することができなかった。実施例4の真偽判別可能な印刷物に第1の状態でピッチ100lpiのレンチキュラーレンズを、印刷物に対してレンチキュラーレンズの万線が横方向になるように重ねた場合に第1の背景画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域及び第1の背景画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域は、第1の潜像画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域と、第1の潜像画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域よりも、全体的に淡く視認され、第1の潜像画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域と、第1の潜像画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域は、第1の背景画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域及び第1の背景画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって第1の潜像画像(数字の1)が確認できた。さらに、第1の状態から印刷物に対して縦方向(Y方向)にピッチ100lpiのレンチキュラーレンズをおよそ127μm程度ずらして第2の状態で重ねて観察することによって潜像画像(数字の1)の濃淡が反転する効果が得られた。さらに、第3の状態で印刷物に対してレンチキュラーレンズの万線が縦方向になるように重ねて観察することによって、第1の背景画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域及び第1の潜像画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域は、第1の背景画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域と、第1の潜像画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域よりも、全体的に淡く視認され、第1の背景画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域と、第1の潜像画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域は、第1の背景画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域及び第1の潜像画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって潜像画像(アルファベットのB)が確認できた。さらに、第3の状態から印刷物に対して横方向(X方向)にピッチ100lpiのレンチキュラーレンズをおよそ127μm程度ずらして第4の状態で重ねて観察することによって潜像画像(アルファベットのB)の濃淡が反転する効果が得られた。
【0074】
(実施例5)
実施例3の白黒2値のハーフトーンスクリーン画像からPS版面を用いて、オフセット印刷機で、第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)をマゼンタ色で印刷し、第3のハーフトーンスクリーン(C)と第4のハーフトーンスクリーン(D)をシアン色で印刷し、実施例5の真偽判別可能な印刷物を作製した。
【0075】
実施例5の真偽判別可能な印刷物を可視光下で肉眼で観察した場合、第1の背景画像部と第1の潜像画像部は、区分けされて視認することができなかった。同様に、第2の背景画像部と第2の潜像画像部は区分けされて視認することができなかった。実施例5の真偽判別可能な印刷物に第1の状態でピッチ50lpiの半透明な青色のレンチキュラーレンズを重ねた場合にシアン色で構成された第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)は半透明な青色のレンチキュラーレンズの色彩によって観察することができず、マゼンタ色で構成された第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)が半透明な青色のレンチキュラーレンズの色彩と混色して紫色となるので、第1の潜像画像(数字の1)が紫色で観察できた。第2の状態で重ねた場合には、第1の潜像画像(数字の1)の濃淡が反転する効果が得られた。さらに、実施例5の真偽判別可能な印刷物に第3の状態でピッチ50lpiの半透明な赤色のレンチキュラーレンズを重ねた場合にマゼンタ色で構成された第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)は半透明な赤色のレンチキュラーレンズの色彩によって観察することができず、シアン色で構成された第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)が半透明な赤色のレンチキュラーレンズの色彩と混色して紫色となるので、第2の潜像画像(アルファベットのB)が紫色で観察できた。第4の状態で重ねた場合には、第2の潜像画像(アルファベットのB)の濃淡が反転する効果が得られた。
【0076】
(実施例6)
メタメリズム(分光分布の異なる二つの色が、特定の条件(例えばある光源の下)で同じ色に見えること)を有するインキを使用して印刷物を作製した。実施例6で使用したメタメリズムを有するインキは、特定の分光透過率特性を有するフィルタを載せると薄緑色に変化するメタメリックインキA、及びこげ茶色に変化するメタメリックインキBを使用した。これらのインキは可視光下では薄褐色に観察される。実施例3の白黒2値のハーフトーンスクリーン画像からPS版面を用いて、オフセット印刷機で、第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)をメタメリックインキAで印刷し、第3のハーフトーンスクリーン(C)と第4のハーフトーンスクリーン(D)をメタメリックインキBで印刷し、実施例6の真偽判別可能な印刷物を作製した。
【0077】
実施例6の真偽判別可能な印刷物を可視光下で肉眼で観察した場合、第1の背景画像部、第1の潜像画像部、第2の背景画像部及び第2の潜像画像部は区分けされて視認することができなかった。実施例6の真偽判別可能な印刷物に第1の状態でピッチ50lpiの半透明な特定の分光透過率特性を有するレンチキュラーレンズを重ねた場合に、メタメリックインキAで印刷された第1の背景画像部及び第1の潜像画像部は薄緑色に視認され、第1の背景画像部は、第1の潜像画像部よりも、全体的に淡く視認され、第1の潜像画像部は、第1の背景画像部よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって第1の潜像画像(数字の1)が確認できた。さらに、第1の状態からピッチ50lpiの半透明な特定の分光透過率特性を有するレンチキュラーレンズをおよそ127μm程度ずらして第2の状態で重ねて観察することによって第1の潜像画像(数字の1)の濃淡が反転する効果が得られた。さらに、第3の状態で重ねて観察することによって、メタメリックインキBで印刷された第2の背景画像部及び第2の潜像画像部はこげ茶色に視認され、第2の背景画像部は、第2の潜像画像部よりも、全体的に淡く視認され、第2の潜像画像部は、第2の背景画像部よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって第2の潜像画像(アルファベットのB)が確認できた。さらに、第3の状態からピッチ50lpiの半透明な特定の分光透過率特性を有するレンチキュラーレンズをおよそ127μm程度ずらして第4の状態で重ねて観察することによって第2の潜像画像(アルファベットのB)の濃淡が反転する効果が得られた。
【0078】
実施例1乃至6においては、ハーフトーンスクリーン及びスクリーニングをCG(コンピュータグラフィックス)ソフトを使用して作成したが、ハーフトーンスクリーンの作成方法及び、スクリーニングについては本実施例の方法に限定されず、例えばポストスクリプト言語を用いて作成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】真偽判別可能な印刷物(P1)とその一部拡大図を示す図である。
【図2】第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)を示す図である。
【図3】使用するハーフトーンスクリーンセル(5)を示す図である。
【図4】ハーフトーンスクリーンセル内に形成された各階調を表す第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)を示す図である。
【図5】ハーフトーンスクリーンの一例を示す図である。
【図6】真偽判別可能な印刷物(P1)とその一部拡大図を示す図である。
【図7】真偽判別可能な印刷物(P1)を可視光下で肉眼で観察した場合を示す図である。
【図8】真偽判別可能な印刷物(P1)に第1の状態又は第2の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合を示す図である。
【図9】真偽判別可能な印刷物(P1)に第1の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合の潜像画像の発現原理を示す図である。
【図10】真偽判別可能な印刷物(P1)に第2の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合を示す図である。
【図11】第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を示す図である。
【図12】第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)の配列と、真偽判別可能な印刷物(P2)とその一部拡大図を示す図である。
【図13】真偽判別可能な印刷物(P2)を可視光下で肉眼で観察した場合を示す図である。
【図14】真偽判別可能な印刷物(P2)に第1の状態又は第2の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合を示す図である。
【図15】真偽判別可能な印刷物(P2)に第3の状態又は第4の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合を示す図である。
【図16】格子状に第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を配置した例を示す図である。
【図17】真偽判別可能な印刷物(P3)の第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を示す図である。
【図18】第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)の配列と、真偽判別可能な印刷物(P3)とその一部拡大図を示す図である。
【図19】真偽判別可能な印刷物(P3)を可視光下で肉眼で観察した場合を示す図である。
【図20】真偽判別可能な印刷物(P3)に第1の状態又は第2の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合を示す図である。
【図21】真偽判別可能な印刷物(P3)に第3の状態又は第4の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合を示す図である。
【図22】レンチキュラーレンズの一例を示す図である。
【図23】実施例1の第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)を示す図である。
【図24】実施例1のスクリーニングを行った後の白黒2値のハーフトーンスクリーン画像及びその一部拡大図である。
【図25】実施例2の第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を示す図である。
【図26】実施例2のスクリーニングを行った後の白黒2値のハーフトーンスクリーン画像及びその一部拡大図である。
【図27】実施例3の第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)の配列と、実施例3のスクリーニングを行った後の白黒2値のハーフトーンスクリーン画像及びその一部拡大図である。
【図28】実施例2のスクリーニングを行った後の白黒2値のハーフトーンスクリーン画像及びその一部拡大図である。
【図29】実施例3の第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)の配列と、実施例3のスクリーニングを行った後の白黒2値のハーフトーンスクリーン画像及びその一部拡大図である。
【符号の説明】
【0080】
1 基材
2 印刷模様
3、3a、3b 背景画像部となる印刷領域
4、4a、4b 潜像画像部及び/又は背景画像部となる印刷領域
4c 第1の潜像画像部と第2の潜像画像部が重なる領域
5 ハーフトーンスクリーンセル
6 レンチキュラーレンズ
P1、P2、P3 真偽判別可能な印刷物
A 第1のハーフトーンスクリーン
B 第2のハーフトーンスクリーン
C 第3のハーフトーンスクリーン
D 第4のハーフトーンスクリーン
S 第3のハーフトーンスクリーン(C)と第4のハーフトーンスクリーン(D)の違い
T1 第2のハーフトーンスクリーン(B)の一部分が、拡大された領域
T2 第1のハーフトーンスクリーン(A)の一部分が、拡大された領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイライトからシャドウに至る濃度の段階(階調)を有する印刷物内に潜像画像が埋め込まれた真偽判別可能な印刷物に関する。
【背景技術】
【0002】
銀行券、パスポート、有価証券、カード、印紙類、商品タグ、有料道路等の回数券、各種チケット等の貴重品は、その価値を保証・維持するために、偽造防止技術が施されている。そのため、このような貴重品には、特殊な印刷パターンが施され、印刷パターンに万線フィルタから成る判別具やレンチキュラーレンズから成る判別具を重ね合わせることによって、潜像画像が視認され、真偽判別が行なわれている。
【0003】
例えば、万線フィルタから成る判別具によって真偽判別する技術として、万線画線で印刷された背景画像部と、背景画像部と異なった万線角度の万線画線で潜像画像部を印刷し、一見しては、背景画像部と潜像画像部は区分けして視認し難いが、所定の角度で万線フィルタを印刷物に重ね合わせて観察した場合に、背景画像部と潜像画像部が区分けされて視認できる技術が知られている。
【0004】
特開平8−197828号公報、特開平8−300800号公報、特開昭57−20397号公報、特開2000−185457号公報等の複写防止印刷物は、複写した場合に潜像画像が視認できるが、レンチキュラーレンズからなる判別具を重ね合わせることによっても潜像画像が視認されることも知られている。
【0005】
レンチキュラーレンズから成る判別具によって真偽判別する技術として、nを2以上の所定の整数とし、第1〜nの順番に並列する第1〜n帯によって組帯を形成し、並列する複数の前記組帯によって画像を形成する印刷物であって、前記第1〜n帯から第1所定画像の前記帯に対応する領域を排他的に貼り付ける帯として二つを選択し、隠し画像の輪郭において前記選択した一方の帯から他方の帯へと前記貼り付ける帯を変化させることにより形成した画像が印刷されているようにした印刷物に、レンチキュラーレンズを重ね合わせることによって隠し、画像が顕在化する印刷物が開示されている(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2003−094790号公報(第1−8頁、第1−7図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、万線フィルタからなる判別具によって真偽判別される印刷物及び特開2003−094790号公報記載の印刷物は、隠し画像となる潜像画像部及びその周辺の背景画像部は線画で構成するか、又は、隠し画像となる潜像画像部及びその周辺の背景画像部は網点による万線画線で構成され、さらに、潜像画像部と背景画像部の万線の配列にずれを有しているため、印刷物のみで観察した場合においても潜像画像部と背景画像部の境が肉眼で視認される問題があった。また、万線画線のずれで印刷物を構成しているため、ハイライトからシャドウに至る濃度の段階(階調)を有する印刷物内に潜像画像を埋め込むことは作成上困難であった。また、複数の潜像画像を埋め込む場合は、印刷物自体の階調の再現性が低下する問題があった。
【0008】
また、万線フィルタの万線ピッチが印刷物の万線パターンのピッチに合わせる必要があり、万線フィルタの万線ピッチと印刷物を形成する万線パターンのピッチをほぼ同一にする必要があり、万線フィルタの万線ピッチのピッチ幅に制限があった。さらに、万線フィルタは万線画線の画線部に遮断され、潜像画像部は明瞭に視認されるものではなかった。
【0009】
以上のことから、本発明は前述した問題点を解決することを目的としたもので、ハイライトからシャドウに至る濃度の段階(階調)を有する印刷物内に潜像画像が埋め込まれ、印刷物と、レンチキュラーレンズ又は万線フィルタを重ね合わせて肉眼で観察した場合に、印刷物内に埋め込まれた潜像画像が視認できる印刷物であって、最濃色から最薄色を段階的に濃度変化させた第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンは、階調毎に相対し、かつ、相対する第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンの面積が同一又はほぼ同一であるため、潜像画像部と背景画像部の境が肉眼で視認されるおそれがなく、更に、複数の潜像画像を埋め込む場合においても、印刷物自体の階調の再現性が低下することなく、また、階調を有する印刷物を複数色で形成してもレンチキュラーレンズ、万線フィルタを重ね合わせて肉眼で観察した場合に、印刷物内に埋め込まれた潜像画像が視認できる真偽判別可能な印刷物を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、前記階調画像は背景画像部と潜像画像部を含み、前記背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーンと第2のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンの形状が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物である。
【0011】
また、本発明は、基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、前記階調画像は背景画像部と潜像画像部を含み、前記背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーンと第2のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンの形状が同一で形成され、前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンは互いに配置角度が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物である。
【0012】
また、本発明は、基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、前記階調画像は第1の背景画像部、第1の潜像画像部、第2の背景画像部及び第2の潜像画像部を含み、前記第1の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第1の潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の背景画像部は濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の潜像画像部は濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記規則的に配列される奇数列及び偶数列のいずれか一方に第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンが形成され、他方に第3のハーフトーンスクリーンと第4のハーフトーンスクリーンが形成され、前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンは、階調毎に相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーンと第2のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、前記濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第3のハーフトーンスクリーンと第4のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンの形状が異なり、かつ、前記第3のハーフトーンスクリーンと前記第4のハーフトーンスクリーンの形状が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記第1の潜像画像部又は前記第2の潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物である。
【0013】
また、本発明は、基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、前記階調画像は第1の背景画像部、第1の潜像画像部、第2の背景画像部及び第2の潜像画像部を含み、前記第1の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第1の潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の背景画像部は濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の潜像画像部は濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記規則的に配列される奇数列及び偶数列のいずれか一方に第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンが形成され、他方に第3のハーフトーンスクリーンと第4のハーフトーンスクリーンが形成され、前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンは、階調毎に相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーンと第2のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、前記濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第3のハーフトーンスクリーンと第4のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンの形状が同一であり、かつ、前記第3のハーフトーンスクリーンと前記第4のハーフトーンスクリーンの形状が同一であり、前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンの形状は互いに配置角度が異なり、かつ、前記第3のハーフトーンスクリーンと前記第4のハーフトーンスクリーンは互いに配置角度が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記第1の潜像画像部又は前記第2の潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物である。
【0014】
また、本発明は、基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、前記階調画像は第1の背景画像部、第1の潜像画像部、第2の背景画像部及び第2の潜像画像部を含み、前記第1の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン及び第3のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第1の潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の潜像画像部は濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーン、前記濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーン及び前記濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーン、第2のハーフトーンスクリーン、第3のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、前記第1のハーフトーンスクリーン、前記第2のハーフトーンスクリーン、前記第3のハーフトーンスクリーン及び前記第4のハーフトーンスクリーンの形状が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記第1の潜像画像部又は前記第2の潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物である。
【0015】
また、本発明は、基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、前記階調画像は第1の背景画像部、第1の潜像画像部、第2の背景画像部及び第2の潜像画像部を含み、前記第1の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン及び第3のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第1の潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の潜像画像部は濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーン、前記濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーン及び前記濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーン、第2のハーフトーンスクリーン、第3のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、前記第1のハーフトーンスクリーン、前記第2のハーフトーンスクリーン、前記第3のハーフトーンスクリーン及び前記第4のハーフトーンスクリーンの形状が同一であり、前記第1のハーフトーンスクリーン、前記第2のハーフトーンスクリーン、前記第3のハーフトーンスクリーン及び前記第4のハーフトーンスクリーンは互いに配置角度が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記第1の潜像画像部又は前記第2の潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の印刷物は可視光下で肉眼で観察した場合に、ハイライトからシャドウに至る濃度の段階(階調)を有する印刷模様のみが視認され、第1の状態でレンチキュラーレンズを重ねて観察した場合に潜像画像が視認され、第2の状態(第1の状態とは重ね合せる位置又は角度を変化させる)で重ねて観察した場合に、第1の状態で重ねて観察した場合とは濃度が反転して潜像画像が視認され、潜像画像の出現の有無によって、その印刷物が本物か否か判別することが可能である。
【0017】
最濃色から最薄色を段階的に濃度変化させた第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンは、階調毎に相対し、かつ、相対する第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンの面積が同一又はほぼ同一であるため、潜像画像部と背景画像部の境が肉眼で視認されるおそれがない。
【0018】
また、複数の潜像画像を埋め込む場合において、印刷物自体の階調の再現性に優れ、各々の潜像画像の少なくとも一部が互いに重なり合っても形成可能であり、第1の状態でレンチキュラーレンズを重ねて観察した場合に第1の潜像画像が視認され、第2の状態でレンチキュラーレンズを重ねて観察した場合に第1の状態で重ねて観察された潜像画像とは濃度が反転して第1の潜像画像が視認され、第3の状態でレンチキュラーレンズを重ねて観察した場合に第2の潜像画像が視認され、第4の状態でレンチキュラーレンズを重ねて観察した場合に第3の状態で重ねて観察された潜像画像とは濃度が反転して第2の潜像画像が視認される。階調を有する印刷物を複数色で形成してもレンチキュラーレンズ、万線フィルタを重ね合わせて肉眼で観察した場合に、印刷物内に埋め込まれた潜像画像が視認できる。
【0019】
よって、本発明の真偽判別可能な印刷物は、真偽判別効果に優れるため、銀行券、パスポート、有価証券、カード、印紙類、商品タグ、有料道路等の回数券、各種チケット等の貴重品に適用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は以下に述べる実施するための最良の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が含まれる。
【0021】
図1は本発明の真偽判別可能な印刷物(P1)の一例である。図1に示すように、真偽判別可能な印刷物(P1)は、基材(1)上に印刷模様(2)を設け、印刷模様(2)は背景画像部となる第1の印刷領域(3)と潜像画像部となる第2の印刷領域(4)を含む構成となっている。図1に示すように印刷模様(2)は階調を有する鷲の図柄であり、潜像画像部は数字の1が形成されている。
【0022】
図1に示した背景画像部となる第1の印刷領域(3)は、図2(a)に示すような階調(シャドウ、中間調、ハイライト)を有する第1のハーフトーンスクリーン(A)によって形成され、潜像画像部となる第2の印刷領域(4)は、図2(b)に示すような階調(シャドウ、中間調、ハイライト)を有する第2のハーフトーンスクリーン(B)によって形成される。第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)は、互いに48階調のハーフトーンスクリーンを形成している。第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)は互いに異なった形状を有している。さらに、図2(c)に示すように、第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)の相対するハーフトーンスクリーンのピクセル数は同一又はほぼ同一(図面では同一)となっている。例えば、図2(c)の第1のハーフトーンスクリーン(A)の階調A48と、第2のハーフトーンスクリーン(B)の階調B48は、同一のピクセル数となっている。
【0023】
ここで、図3(a)に使用するハーフトーンスクリーン(5)を構成するハーフトーンセル内のピクセル座標系を表示した。図3(a)に示すように16×16ピクセルのハーフトーンスクリーンセル内に各階調を表す第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)が施される。図3(a)では16×16ピクセルのハーフトーンスクリーンで形成しているが、本発明は16×16ピクセルのハーフトーンスクリーン限定されるものではなく、n×nピクセル(n≧3、nは整数)であれば良い。図1に示す印刷模様(2)を作製するために図3(a)に示すハーフトーンスクリーンセル(5)が複数形成される。図3(b)は、X方向及びY方向に規則的に配列された複数のハーフトーンスクリーンセル(5)内にハーフトーンスクリーンが施され、印刷模様(2)が形成される。図3(c)は、X方向及びY方向に半ピッチずらして配列された複数のハーフトーンスクリーンセル(5)内に画素が施され、印刷模様(2)が形成される。
【0024】
図3に示したハーフトーンスクリーンセル内に形成された各階調を表す第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)を図4に示す。第1のハーフトーンスクリーン(A)は、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない(7,8)、(7,9)、(8,7)、(8,8)、(8,9)、(8,10)の座標の6ピクセルが構成される。さらに、第1のハーフトーンスクリーン(A)は、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する(9,7)、(9,8)、(9,9)、(9,10)、(10,8)、(10,9)の座標の6ピクセルが存在しない構成となる。第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない(9,7)、(9,8)、(9,9)、(9,10)、(10,8)、(10,9)の座標の6ピクセル構成される。さらに、第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する(7,8)、(7,9)、(8,7)、(8,8)、(8,9)、(8,10)の座標の6ピクセルが存在しない構成となる。
【0025】
背景画像部を構成しているハーフトーンスクリーンを第1のハーフトーンスクリーン(A)と、潜像画像部を構成しているハーフトーンスクリーンを第2のハーフトーンスクリーン(B)とした場合に、第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)の関係を記載する。第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)の関係は、ハーフトーンセル内のn×nピクセル(n≧3、nは整数)の少なくとも1ピクセル以上が、第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)の全ての相対する階調を表現する第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)において、相互に構成し得ない(存在しない)ピクセル座標に構成され、さらに、第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)の全ての相対する階調を表現する第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)は、互いに同一又はほぼ同一のピクセル数(結果として同一又はほぼ同一の面積)である。また、第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)は形状は同一であり、配置角度が異なっている。つまり、第1のハーフトーンスクリーン(A)の配置位置を0度とした場合に、第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)に対して180度回転し、配置されている。
【0026】
本発明の真偽判別可能な印刷物を形成するための第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)は、図2に限定されることなく、例えば図5に示すハーフトーンスクリーンを用いることができる。図5(a)、図5(c)及び図5(g)は第1のハーフトーンスクリーン(A)の配置位置を0度とした場合に、第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)に対して180度、回転し配置されている。図5(b)及び図5(f)は第1のハーフトーンスクリーン(A)の配置位置を0度とした場合に、第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)に対して90度、回転し配置されている。図5(d)及び図5(e)は第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)は、形状が異なっている。図5(a)乃至図5(g)に示す第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)の面積が同一又はほぼ同一である。また、図5に示す第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)から最濃色から最薄色に段階的に濃度変化させ、階調ごとに相対し、かつ、相対する第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)の面積が同一又はほぼ同一とする。また、図2は、48階調の第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)を用いているが本発明はこれに限定されることなく、3階調以上の第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)を用いることによって真偽判別可能な印刷物を形成することができる。
【0027】
図6は本発明の真偽判別可能な印刷物(P1)とその一部拡大図を示す図である。図6の拡大図に示すように、背景画像部となる第1の印刷領域(3)内は図2(a)に示した第1のハーフトーンスクリーン(A)で構成しており、潜像画像部となる第2の印刷領域(4)内は図2(b)に示した第2のハーフトーンスクリーン(B)で構成している。
【0028】
図6は本発明の真偽判別可能な印刷物(P1)は、CG(コンピュータグラフィック)ソフトで図2に示すような、ハーフトーンスクリーンを作成し、鷲の階調画像を下絵として、この下絵となる画像の階調に応じたハーフトーンスクリーンに置き換えるスクリーニング処理を行い画像を作成する。潜像画像部(数字の1)とそれ以外の背景画像部(数字の1以外の領域)にエリア分けし、潜像画像部(数字の1)のエリア内は第2のハーフトーンスクリーン(B)に置き換え、背景画像部(数字の1以外の領域)は第1のハーフトーンスクリーン(A)に置き換える処理を行い、2値画像データを作成する。2値画像データから版面を作製し、作製された版面を印刷機に設置し、印刷される。
【0029】
図6に示した真偽判別可能な印刷物(P1)を可視光下で肉眼で観察した場合、図7に示すように、背景画像部となる第1の印刷領域(3)と潜像画像部となる第2の印刷領域(4)は区分けされて視認することができず、印刷模様(2)の鷲の絵柄が確認できる。これは、背景画像部となる第1の印刷領域(3)の各階調ごとの第1のハーフトーンスクリーン(A)のピクセル座標と、潜像画像部となる第2の印刷領域(4)の各階調ごとの第2のハーフトーンスクリーン(B)のピクセル座標は、一部が異なっているが、背景画像部となる第1の印刷領域(3)の各階調ごとの第1のハーフトーンスクリーン(A)の面積と、潜像画像部となる第2の印刷領域(4)の各階調ごとの第2のハーフトーンスクリーン(B)の面積が、同一又はほぼ同一であるために、背景画像部となる第1の印刷領域(3)と潜像画像部となる第2の印刷領域(4)は区分けされて視認することができない。
【0030】
図6に示した真偽判別可能な印刷物(P1)に第1の状態又は第2の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合に図8に示すように背景画像部となる第1の印刷領域(3)と潜像画像部となる第2の印刷領域(4)は区分けされて視認され、潜像画像(数字の1)を確認することができる。第2の状態である図8右では、真偽判別可能な印刷物(P1)に対して万線形状のレンチキュラーレンズ(6)を第1の状態からX方向にずらした状態である。真偽判別可能な印刷物(P1)に対する万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の重ね合わせ位置は図8に限定されるものではない。ここで言う、第1の状態とは、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の蒲鉾状のレンズ部分に、図4に示す第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の(9,7)、(9,8)、(9,9)、(9,10)、(10,8)、(10,9)の座標の6ピクセルが拡大される状態である。背景画像部となる第1の印刷領域(3)は、潜像画像部となる第2の印刷領域(4)よりも、全体的に淡く視認され、潜像画像部となる第2の印刷領域(4)は、背景画像部となる第1の印刷領域(3)よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって潜像画像(数字の1)が確認できる。ここで言う、第2の状態とは、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の蒲鉾状のレンズ部分に、図4に示す第1のハーフトーンスクリーン(A)のハーフトーンセル内の(7,8)、(7,9)、(8,7)、(8,8)、(8,9)、(8,10)の座標の6ピクセルが拡大される状態である。背景画像部となる第1の印刷領域(3)は、潜像画像部となる第2の印刷領域(4)よりも、全体的に濃く視認され、潜像画像部となる第2の印刷領域(4)は、背景画像部となる第1の印刷領域(3)よりも、全体的に淡く視認され、この濃度差によって潜像画像(数字の1)が確認できる。
【0031】
真偽判別可能な印刷物(P1)に第1の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合の潜像画像の発現原理を図9に示す。ハーフトーンスクリーンをY−Y´で切断した断面を用いて説明すると、潜像画像部を構成する第2のハーフトーンスクリーン(B)はレンチキュラーレンズを載せることによって、図4に示す座標(9,7)、(9,8)、(9,9)、(9,10)、(10,8)、(10,9)が、拡大されて観察される。一方、第1のハーフトーンスクリーン(A)はレンチキュラーレンズを載せることによって、図4に示す座標(9,7)、(9,8)、(9,9)、(9,10)、(10,8)、(10,9)が、拡大されるため、第2のハーフトーンスクリーン(B)より淡く観察される。この濃淡差により潜像画像を確認することができる。図9に示すように第2のハーフトーンスクリーン(B)にピクセルが構成されている図4に示す座標(9,7)、(9,8)、(9,9)、(9,10)、(10,8)、(10,9)が、拡大された領域(T1)が得られるため、第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)よりも濃く視認される。
【0032】
真偽判別可能な印刷物(P1)に第2の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合の潜像画像の発現原理を図10に示す。ハーフトーンスクリーンをY−Y´で切断した断面を用いて説明すると、潜像画像部を構成する第2のハーフトーンスクリーン(B)はレンチキュラーレンズを載せることによって、図4に示す座標(9,7)、(9,8)、(9,9)、(9,10)、(10,8)、(10,9)が、拡大されて観察される。一方、第1のハーフトーンスクリーン(A)はレンチキュラーレンズを載せることによって、図4に示す座標(7,8)、(7,9)、(8,7)、(8,8)、(8,9)、(8,10)が、拡大されるため、第2のハーフトーンスクリーン(B)より濃く観察される。この濃淡差により潜像画像を確認することができる。図10に示すように第1のハーフトーンスクリーン(A)にピクセルが構成されている図4に示す座標(7,8)、(7,9)、(8,7)、(8,8)、(8,9)、(8,10)が、拡大された領域(T2)が得られるため、第1のハーフトーンスクリーン(A)は、第2のハーフトーンスクリーン(B)よりも濃く視認される。
【0033】
本発明の真偽判別可能な印刷物(P1)は、図8に示すような一種類の潜像画像がレンチキュラーレンズ(6)の重ねる状態によって潜像画像部と背景画像部の明暗が変化するものである。本発明は、これに限定されるものではなく、複数種類の潜像画像を埋め込むことが可能である。複数のハーフトーンスクリーン、例えば、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を組み合わせて真偽判別可能な印刷物(P2)を得る。第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)は真偽判別可能な印刷物(P1)に用いたものと同様なものを用いて、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)は、図11(a)、図11(b)に示すものを用いる。図3(a)に示したハーフトーンスクリーンセル内に形成された各階調を表す第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を図11(a)、図11(b)に示す。第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)は、第3のハーフトーンスクリーン(C)は、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図11(c)に示す(11,16)、(11,17)、(12,16)、(12,17)の座標の4ピクセル構成される。さらに、第3のハーフトーンスクリーン(C)は、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する(21,16)、(21,17)、(22,16)、(22,17)の座標の4ピクセルが存在しない構成となる。第4のハーフトーンスクリーン(D)は、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない(21,16)、(21,17)、(22,16)、(22,17)の座標の4ピクセル構成される。さらに、第4のハーフトーンスクリーン(D)は、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する(11,16)、(11,17)、(12,16)、(12,17)の座標の4ピクセルが存在しない構成となる。
【0034】
第2の背景画像部を構成しているハーフトーンスクリーンを第3のハーフトーンスクリーン(C)とし、第2の潜像画像部を構成しているハーフトーンスクリーンを第4のハーフトーンスクリーン(D)とした場合に、第3のハーフトーンスクリーン(C)と第4のハーフトーンスクリーン(D)の関係を記載する。第3のハーフトーンスクリーン(C)と第4のハーフトーンスクリーン(D)の関係は、ハーフトーンセル内のn×nピクセル(n≧3、nは整数)の少なくとも1ピクセル以上が、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)のすべての相対する階調を表現する第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)において、相互に構成し得ない(存在しない)ピクセル座標に構成され、さらに、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)の全ての相対する階調を表現する第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)は、互いに同一又はほぼ同一(図面では同一)のピクセル数(結果として同一又はほぼ同一の面積)である。
【0035】
本発明の真偽判別可能な印刷物を形成するための第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)は、図11に限定されることなく、例えば図5に示すハーフトーンスクリーンを用いることができる。また、図11は、34階調の第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を用いているが本発明はこれに限定されることなく、3階調以上の第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を用いることによって真偽判別可能な印刷物を形成することができる。
【0036】
図12(a)に示すように、ストライプ状にエリア分けを行い、再右部の列を基準として偶数列のハーフトーンセルには第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)を組み合わせて配列させ、奇数列では第3のハーフトーンスクリーン(C)及び、第4のハーフトーンスクリーン(D)を組み合わせて配列する。それぞれを第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)に置き換えて、2値画像のデータを作成し、版面を作製し印刷機で印刷して、図12(b)に示す真偽判別可能な印刷物(P2)を得る。図12(b)に示す真偽判別可能な印刷物(P2)は、基材(1)上に印刷模様(2)を設け、印刷模様(2)は第1の背景画像部となる第1の印刷領域(3a)、第1の潜像画像部となる第2の印刷領域(4a)、第2の背景画像部となる第3の印刷領域(3b)、第2の潜像画像部となる第4の印刷領域(4b)を含む構成となっている。第1の背景画像部となる第1の印刷領域(3a)は第1のハーフトーンスクリーン(A)で構成しており、第1の潜像画像部となる第2の印刷領域(4a)は第2のハーフトーンスクリーン(B)で構成しており、第2の背景画像部となる第3の印刷領域(3b)は第3のハーフトーンスクリーン(C)で構成しており、第2の潜像画像部となる第4の印刷領域(4b)は第4のハーフトーンスクリーン(D)で構成している。
【0037】
図12(b)に示すように、印刷模様(2)は階調を有する鷲の図柄であり、第1の潜像画像部は数字の1が形成され、第2の潜像画像部はアルファベットのBが形成されている。
【0038】
真偽判別可能な印刷物(P2)を可視光下で肉眼で観察した場合、図13に示すように、第1の背景画像部となる第1の印刷領域(3a)、第1の潜像画像部となる第2の印刷領域(4a)、第2の背景画像部となる第3の印刷領域(3b)及び第2の潜像画像部となる第4の印刷領域(4b)は、区分けされて視認することができず、印刷模様(2)の鷲の絵柄が確認できる。これは、第1の背景画像部となる第1の印刷領域(3a)の各階調ごとの第1のハーフトーンスクリーン(A)のピクセル座標と、第1の潜像画像部となる第2の印刷領域(4a)の各階調ごとの第2のハーフトーンスクリーン(B)のピクセル座標は、一部が異なっているが、第1の背景画像部となる第1の印刷領域(3a)の各階調ごとの第1のハーフトーンスクリーン(A)の面積と、第1の潜像画像部となる第2の印刷領域(4a)の各階調ごとの第2のハーフトーンスクリーン(B)の面積が、同一又はほぼ同一であるために、第1の背景画像部となる第1の印刷領域(3a)、第1の潜像画像部となる第2の印刷領域(4a)は、区分けされて視認することができず、また、第2の背景画像部となる第3の印刷領域(3b)の各階調ごとの第3のハーフトーンスクリーン(C)のピクセル座標及び第2の潜像画像部となる第4の印刷領域(4b)の各階調毎の第4のハーフトーンスクリーン(D)のピクセル座標は、一部が異なっているが、第2の背景画像部となる第3の印刷領域(3b)の各階調ごとの第3のハーフトーンスクリーン(C)の面積及び第2の潜像画像部となる第4の印刷領域(4b)の各階調ごとの第4のハーフトーンスクリーン(D)の面積が、同一又はほぼ同一(図面では同一)であるために、第2の背景画像部となる第3の印刷領域(3b)及び第2の潜像画像部となる第4の印刷領域(4b)は区分けされて視認することができない。
【0039】
真偽判別可能な印刷物(P2)に第1の状態又は第2の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合に図14に示すように背景画像部となる第1の印刷領域(3a)と潜像画像部となる第2の印刷領域(4a)は区分けされて視認され、潜像画像(数字の1)を確認することができる。第1の状態である図14左では、真偽判別可能な印刷物(P2)に対して万線形状のレンチキュラーレンズ(6)を縦方向に重ね合わせ、第2の状態である図14右では、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)を第1の状態からX方向にずらした状態である。真偽判別可能な印刷物(P2)に対する万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の重ね合わせ位置は図14に限定されるものではない。ここで言う、第1の状態とは、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の蒲鉾状のレンズ部分に、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の図11(c)に示す(9,7)、(9,8)、(9,9)、(9,10)、(10,8)、(10,9)の座標の6ピクセルが拡大される状態である。背景画像部となる第1の印刷領域(3a)は、潜像画像部となる第2の印刷領域(4a)よりも、全体的に淡く視認され、潜像画像部となる第2の印刷領域(4a)は、背景画像部となる第1の印刷領域(3a)よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって潜像画像(数字の1)が確認できる。ここで言う、第2の状態とは、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の蒲鉾状のレンズ部分に、第1のハーフトーンスクリーン(A)のハーフトーンセル内の図11(c)に示す(7,8)、(7,9)、(8,7)、(8,8)、(8,9)、(8,10)の座標の6ピクセルが拡大される状態である。背景画像部となる第1の印刷領域(3a)は、潜像画像部となる第2の印刷領域(4a)よりも、全体的に濃く視認され、潜像画像部となる第2の印刷領域(4a)は、背景画像部となる第1の印刷領域(3a)よりも、全体的に淡く視認され、この濃度差によって潜像画像(数字の1)が確認できる。
【0040】
さらに、真偽判別可能な印刷物(P2)に第3の状態又は第4の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合に、図15に示すように背景画像部となる第3の印刷領域(3b)と潜像画像部となる第4の印刷領域(4b)は区分けされて視認され、潜像画像(アルファベットのB)を確認することができる。第3の状態である図15左では、真偽判別可能な印刷物(P2)に対して万線形状のレンチキュラーレンズ(6)を縦方向に重ね合わせ、第4の状態である図15右では、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)を第3の状態から図15右図に示すようにX方向にずらした状態である。真偽判別可能な印刷物(P2)に対する万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の重ね合わせ位置は図15に限定されるものではない。ここで言う、第3の状態とは、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の蒲鉾状のレンズ部分に、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の図11(c)に示す(21,16)、(21,17)、(22,16)、(22,17)の座標の4ピクセルが拡大される状態である。背景画像部となる第3の印刷領域(3b)は、潜像画像部となる第4の印刷領域(4b)よりも、全体的に淡く視認され、潜像画像部となる第4の印刷領域(4b)は、背景画像部となる第3の印刷領域(3)よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって潜像画像(アルファベットのB)が確認できる。ここで言う、第4の状態とは、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の蒲鉾状のレンズ部分に、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の図11(c)に示す(11,16)、(11,17)、(12,16)、(12,17)の座標の4ピクセルが拡大される状態である。背景画像部となる第3の印刷領域(3b)は、潜像画像部となる第4の印刷領域(4b)よりも、全体的に濃く視認され、潜像画像部となる第4の印刷領域(4b)は、背景画像部となる第3の印刷領域(3b)よりも、全体的に淡く視認され、この濃度差によって潜像画像(アルファベットのB)が確認できる。
【0041】
真偽判別可能な印刷物(P2)は、偶数列のハーフトーンセルには第1のハーフトーンスクリーン(A)及び、第2のハーフトーンスクリーン(B)を組み合わせて配列させ、奇数列では第3のハーフトーンスクリーン(C)及び、第4のハーフトーンスクリーン(D)を組み合わせて配列して形成している。
【0042】
しかしながら、本発明の真偽判別可能な印刷物はこれに限定されることなく、例えば図16に示すように格子状に第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を配置して形成してもよい。例えば、複数のハーフトーンスクリーン、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を組み合わせて真偽判別可能な印刷物を得る。図17に示すような第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を用いる。図3(a)に示したハーフトーンスクリーンセル内に形成された各階調を表す第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)が形成される。
【0043】
第1のハーフトーンスクリーン(A)は、第3のハーフトーンスクリーン(C)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図17(b)に示す(6,15)、(7,15)、(5,16)、(6,16)、(7,16)、(8,16)、(5,17)、(6,17)、(7,17)、(8,17)、(6,18)、(7,18)の座標の12ピクセル及び第2のハーフトーンスクリーン(B)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図17(b)に示す(16,25)、(17,25)、(15,26)、(16,26)、(17,26)、(18,26)、(15,27)、(16,27)、(17,27)、(18,27)、(16,28)、(17,28)の座標の12ピクセルが構成される。さらに、第1のハーフトーンスクリーン(A)は、第3のハーフトーンスクリーン(C)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図17(b)に示す(26,15)、(27,15)、(25,16)、(26,16)、(27,16)、(28,16)、(25,17)、(26,17)、(27,17)、(28,17)、(26,18)、(27,18)の座標の12ピクセル及び第2のハーフトーンスクリーン(B)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図17(b)に示す(16,5)、(17,5)、(15,6)、(16,6)、(17,6)、(18,6)、(15,7)、(16,7)、(17,7)、(18,7)、(16,8)、(17,8)の座標の12ピクセルが存在しない構成となる。
【0044】
第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図17(b)に示す(16,5)、(17,5)、(15,6)、(16,6)、(17,6)、(18,6)、(15,7)、(16,7)、(17,7)、(18,7)、(16,8)、(17,8)の座標の12ピクセル及び第3のハーフトーンスクリーン(C)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図17(b)に示す(6,15)、(7,15)、(5,16)、(6,16)、(7,16)、(8,16)、(5,17)、(6,17)、(7,17)、(8,17)、(6,18)、(7,18)の座標の12ピクセルが構成される。さらに、第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図17(b)に示す(16,25)、(17,25)、(15,26)、(16,26)、(17,26)、(18,26)、(15,27)、(16,27)、(17,27)、(18,27)、(16,28)、(17,28)の座標の12ピクセル及び第3のハーフトーンスクリーン(C)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図17(b)に示す(26,15)、(27,15)、(25,16)、(26,16)、(27,16)、(28,16)、(25,17)、(26,17)、(27,17)、(28,17)、(26,18)、(27,18)の座標の12ピクセルが存在しない構成となる。
【0045】
第3のハーフトーンスクリーン(C)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図17(b)に示す(26,15)、(27,15)、(25,16)、(26,16)、(27,16)、(28,16)、(25,17)、(26,17)、(27,17)、(28,17)、(26,18)、(27,18)の座標の12ピクセルおよび、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図17(b)に示す(16,25)、(17,25)、(15,26)、(16,26)、(17,26)、(18,26)、(15,27)、(16,27)、(17,27)、(18,27)、(16,28)、(17,28)の座標の12ピクセルが構成される。さらに、第3のハーフトーンスクリーン(C)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図17(b)に示す(6,15)、(7,15)、(5,16)、(6,16)、(7,16)、(8,16)、(5,17)、(6,17)、(7,17)、(8,17)、(6,18)、(7,18)の座標の12ピクセルおよび、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図17(b)に示す(16,5)、(17,5)、(15,6)、(16,6)、(17,6)、(18,6)、(15,7)、(16,7)、(17,7)、(18,7)、(16,8)、(17,8)の座標の12ピクセルが存在しない構成となる。
【0046】
第4のハーフトーンスクリーン(D)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図17(b)に示す(26,15)、(27,15)、(25,16)、(26,16)、(27,16)、(28,16)、(25,17)、(26,17)、(27,17)、(28,17)、(26,18)、(27,18)の座標の12ピクセル及び第1のハーフトーンスクリーン(A)、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図17(b)に示す(16,5)、(17,5)、(15,6)、(16,6)、(17,6)、(18,6)、(15,7)、(16,7)、(17,7)、(18,7)、(16,8)、(17,8)の座標の12ピクセルが構成される。さらに、第4のハーフトーンスクリーン(D)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図17(b)に示す(16,25)、(17,25)、(15,26)、(16,26)、(17,26)、(18,26)、(15,27)、(16,27)、(17,27)、(18,27)、(16,28)、(17,28)の座標の12ピクセル及び第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図17(b)に示す(6,15)、(7,15)、(5,16)、(6,16)、(7,16)、(8,16)、(5,17)、(6,17)、(7,17)、(8,17)、(6,18)、(7,18)の座標の12ピクセルが存在しない構成となる。
【0047】
本発明の真偽判別可能な印刷物を形成するための第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)は、図17に限定されるものではない。また、図17は、36階調の第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を用いているが本発明はこれに限定されることなく、3階調以上の第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を用いることによって真偽判別可能な印刷物を形成することができる。
【0048】
図18(a)に示すように、格子状にエリア分けを行い、第1の背景画像部であり、かつ、第2の背景画像部である領域を第1のハーフトーンスクリーン(A)とし、第1の潜像画像部であり、かつ、第2の背景画像部である領域を第2のハーフトーンスクリーン(B)とし、第2の潜像画像部であり、かつ、第1の背景画像部である領域を第3のハーフトーンスクリーン(C)とし、第1の潜像画像部及び第2の潜像画像部が重なった領域を第4のハーフトーンスクリーン(D)に置き換えて、2値画像のデータを作成し、版面を作製し印刷機で印刷して、図18(b)に示す真偽判別可能な印刷物(P3)を得る。図18(b)に示す真偽判別可能な印刷物(P3)は、基材(1)上に印刷模様(2)を設け、印刷模様(2)は第1の背景画像部であり、かつ、第2の背景画像部である領域となる第1の印刷領域(3a)、第1の潜像画像部であり、かつ、第2の背景画像部である領域となる第2の印刷領域(4a)、第2の潜像画像部であり、かつ、第1の背景画像部である領域となる第3の印刷領域(4b)、第1の潜像画像部及び第2の潜像画像部が重なった第4の印刷領域(4c)を含む構成となっている。第1の背景画像部であり、かつ、第2の背景画像部である領域となる第1の印刷領域(3a)は第1のハーフトーンスクリーン(A)で形成し、第1の潜像画像部であり、かつ、第2の背景画像部である領域となる第2の印刷領域(4a)は第2のハーフトーンスクリーン(B)で形成し、第2の潜像画像部であり、かつ、第1の背景画像部である領域となる第3の印刷領域(3b)は第3のハーフトーンスクリーン(C)で形成し、第1の潜像画像部及び第2の潜像画像部が重なった第4の印刷領域(4c)を第4のハーフトーンスクリーン(D)で構成する。
【0049】
図18(b)に示すように印刷模様(2)は階調を有する鷲の図柄であり、第1の潜像画像部は数字の1が形成され、第2の潜像画像部はアルファベットのBが形成されている。
【0050】
真偽判別可能な印刷物(P2)を可視光下で肉眼で観察した場合、図19に示すように、第1の背景画像部であり、かつ、第2の背景画像部である領域となる第1の印刷領域(3a)、第1の潜像画像部であり、かつ、第2の背景画像部である領域となる第2の印刷領域(4a)、第2の背景画像部であり、かつ、第1の背景画像部である領域となる第4の印刷領域(4b)及び第1の潜像画像部と第2の潜像画像部が重なった第4の印刷領域(4c)は区分けされて視認することができず、印刷模様(2)の鷲の絵柄が確認できる。これは、第1の背景画像部であり、かつ、第2の背景画像部である領域となる第1の印刷領域(3a)の各階調ごとの第1のハーフトーンスクリーン(A)のピクセル座標と、第1の潜像画像部であり、かつ、第2の背景画像部である領域となる第2の印刷領域(4a)の各階調ごとの第2のハーフトーンスクリーン(B)のピクセル座標と、第2の潜像画像部であり、かつ、第1の背景画像部である領域となる第3の印刷領域(4b)の各階調ごとの第3のハーフトーンスクリーン(C)のピクセル座標及び第1の潜像画像部と第2の潜像画像部が重なった第4の印刷領域(4c)の各階調毎の第4のハーフトーンスクリーン(D)のピクセル座標は、一部が異なっているが、面積が、同一又はほぼ同一(図面では同一)であるために、第1の印刷領域(3a)、第2の印刷領域(4a)、第3の印刷領域(4b)及び第4の印刷領域(4c)は区分けされて視認することができない。
【0051】
真偽判別可能な印刷物(P3)に第1の状態又は第2の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合に、図20に示すように第1の背景画像部であり、かつ、第2の背景画像部である領域となる第1の印刷領域(3a)と第2の潜像画像部であり、かつ、第1の背景画像部である領域となる第3の印刷領域(4b)は、第1の背景画像部となり、第1の潜像画像部でありかつ第2の背景画像部である領域となる第2の印刷領域(4a)、第1の潜像画像部と第2の潜像画像部が重なった第4の印刷領域(4c)は、第1の潜像画像部となり、潜像画像(数字の1)を確認することができる。第1の状態である図20左では、真偽判別可能な印刷物(P3)に対して万線形状のレンチキュラーレンズ(6)を横方向に重ね合わせ、第2の状態である図20右では、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)を第1の状態からY方向にずらした状態である。真偽判別可能な印刷物(P3)に対する万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の重ね合わせ位置は図20に限定されることない。ここで言う、第1の状態とは、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の蒲鉾状のレンズ部分に、第2のハーフトーンスクリーン(B)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の図17(b)に示す(16,5)、(17,5)、(15,6)、(16,6)、(17,6)、(18,6)、(15,7)、(16,7)、(17,7)、(18,7)、(16,8)、(17,8)の座標の12ピクセルが拡大される状態である。よって、第1の背景画像部は第1の潜像画像部よりも全体的に淡く視認され、第1の潜像画像部は第1の背景画像部よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって潜像画像(数字の1)が確認できる。ここで言う、第2の状態とは、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の蒲鉾状のレンズ部分に、第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の図17(b)に示す(16,25)、(17,25)、(15,26)、(16,26)、(17,26)、(18,26)、(15,27)、(16,27)、(17,27)、(18,27)、(16,28)、(17,28)の座標の12ピクセルが拡大される状態である。よって、第1の背景画像部は第1の潜像画像部よりも全体的に濃く視認され、第1の潜像画像部は第1の背景画像部よりも全体的に淡く視認され、この濃度差によって潜像画像(数字の1)が確認できる。
【0052】
さらに、真偽判別可能な印刷物(P3)に第3の状態又は第4の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合に図21に示すように第1の背景画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域となる第1の印刷領域(3a)と、第1の潜像画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域となる第2の印刷領域(4a)は、第2の背景画像部となり、第2の潜像画像部であり、かつ、第1の背景画像部である領域となる第3の印刷領域(4b)、第1の潜像画像部と第2の潜像画像部が重なった第4の印刷領域(4c)は、第2の潜像画像部となり、潜像画像(アルファベットのB)を確認することができる。第3の状態である図21左では、真偽判別可能な印刷物(P3)に対して万線形状のレンチキュラーレンズ(6)を横方向に重ね合わせ、第4の状態である図21右では、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)を第3の状態からX方向にずらした状態である。真偽判別可能な印刷物(P3)に対する万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の重ね合わせ位置は図21に限定されるものではない。ここで言う、第3の状態とは、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の蒲鉾状のレンズ部分に、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の図17(b)に示す(26,15)、(27,15)、(25,16)、(26,16)、(27,16)、(28,16)、(25,17)、(26,17)、(27,17)、(28,17)、(26,18)、(27,18)の座標の12ピクセルが拡大される状態である。よって、第2の背景画像部は第2の潜像画像部よりも全体的に淡く視認され、第2の潜像画像部は第2の背景画像部よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって潜像画像(アルファベットのB)が確認できる。ここで言う、第4の状態とは、万線形状のレンチキュラーレンズ(6)の蒲鉾状のレンズ部分に、第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の図17(b)に示す(6,15)、(7,15)、(5,16)、(6,16)、(7,16)、(8,16)、(5,17)、(6,17)、(7,17)、(8,17)、(6,18)、(7,18)の座標の12ピクセルが拡大される状態である。よって、第2の背景画像部は第2の潜像画像部よりも全体的に濃く視認され、第2の潜像画像部は第2の背景画像部よりも、全体的に淡く視認され、この濃度差によって潜像画像(アルファベットのB)が確認できる。
【0053】
上記説明では、真偽判別可能な印刷物(P1、P2、P3)にレンチキュラーレンズ(6)を重ね合わせて潜像画像を確認しているが、本発明はこれに限定されることなく、透明フィルムに所定ピッチの万線が施された判別具(万線フィルタ)を用いても潜像画像を確認することができる。本発明の真偽判別可能な印刷物を判別するレンチキュラーレンズは、図22(a)に示すように万線状のレンズ、図22(b)に示すように所定間隔で配列されたドット状のレンズ等、特に限定されるものではないが、万線状のレンチキュラーレンズが最も本発明の効果を得ることができ、レンチキュラーレンズの線数とハーフトーンスクリーンの線数を同一、又は整数倍に設計することが望ましい。万線フィルタ又はレンチキュラーレンズの基材自体に色彩を付与(半透明)することによって、例えば、ストライプ状にエリア分けされた、偶数列の第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)を赤色で構成し、奇数列の第3のハーフトーンスクリーン(C)と第4のハーフトーンスクリーン(D)を青色で構成し、赤色カラーレンチキュラーレンズを載せて観察すると、偶数列の赤色で構成された第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)は赤色フィルタ機能により観察することができず、青色で構成された第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)が赤色フィルタと混色して、紫色となるので、潜像画像が観察できる。逆に青色カラーレンチキュラーレンズで観察した場合は、赤色で構成された第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)のみが紫色となり潜像画像として観察できる。エリア分け及び使用色はこれに限定されることなく、プロセス4色でカラー画像を構成しても良い。構成色に合ったカラーレンチキュラーレンズを作製できれば色は限定されない。
【0054】
本発明の真偽判別可能な印刷物のハーフトーンスクリーンの線数は25lpi〜175lpiが好ましい。スクリーン線数が175lpiより大きいと本発明のハーフトーンスクリーン形状を有した印刷物を作製上困難となり、25lpiより小さいとシャドウ部のハーフトーンスクリーンの大きさが1mmを超え、ハーフトーンスクリーンの形状が肉眼で認識可能になるため、潜像画像部と背景画像部が肉眼で区分けして視認されるおそれが生じる。さらに好ましくはハーフトーンスクリーンの線数は、30lpi〜120lpiが好ましい。ただし、小さいスクリーン線数でも、ハーフトーンスクリーン形状を認識できない大きさのハイライト部及び中間調部を使えばこの限りではなく、また、大きいスクリーン線数でも、表現する階調数を少なくすれば、1ピクセルのサイズを大きく設計できるため、印刷物作製可能となるため、この限りではない。
【0055】
本発明の真偽判別可能な印刷物を印刷する基材は、紙、プラスチック、フィルム、金属板等、特に限定されるものではない。
【0056】
本発明の真偽判別可能な印刷物を印刷する印刷方式は、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、フレキソ印刷方式、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ、ベタ等の印刷にレーザ加工機で印刷部を削る方法等、特に限定されるものではないが、オフセット印刷方式が好ましい。また、印刷インキは、特に限定されるものではない。また、有色蛍光インキ、赤外吸収インキ、磁性インキ、パール等の光学的変化インキ等を用いることによって複写防止等の偽造防止効果が向上する。
【0057】
模様及び潜像画像は、文字、数字、記号及び絵柄の少なくとも一つで構成することできるため、デザインは、特に限定されるものではない。
【実施例】
【0058】
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明の内容は、これらの実施例の範囲に限定されるものではない。
【0059】
(実施例1)
スクリーニングする階調画像を用意する。本実施例においては図23(a)に示すTIFF形式(グレー256階調)の鷲の画像データを使用した。データ形式はこれに限定されず、一般に使用される画像データであればよい。次にCG(コンピュータグラフィックス)ソフトを用いて、図23(b)に示すような背景画像部の第1のハーフトーンスクリーン(A)と、潜像画像部の第2のハーフトーンスクリーン(B)とを作成する。本実施例のハーフトーンスクリーンにおいては、スクリーン線数を100lpiとしたため、1/100インチ(254μm)×1/100インチのエリア内に16×16ピクセルのハーフトーンスクリーンセルを用意し、規則に沿ってピクセルを順次塗りつぶしていき、図23(b)に示すように48階調の第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)を作成した。図23(c)は第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)の代表的な三種類の階調を座標に配置した図である。本実施例1においては、図23(c)に示すように、第1のハーフトーンスクリーン(A)は、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図23(c)に示す(7,8)、(7,9)、(8,7)、(8,8)、(8,9)、(8,10)の座標の6ピクセルが構成される。さらに、第1のハーフトーンスクリーン(A)は、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図23(c)に示す(9,7)、(9,8)、(9,9)、(9,10)、(10,8)、(10,9)の座標の6ピクセルが存在しない構成となる。第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図23(c)に示す(9,7)、(9,8)、(9,9)、(9,10)、(10,8)、(10,9)の座標の6ピクセルが構成される。さらに、第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図23(c)に示す(7,8)、(7,9)、(8,7)、(8,8)、(8,9)、(8,10)の座標の6ピクセルが存在しない構成とした。
【0060】
次に、階調画像の各ピクセルの持つ濃度情報を、対応する面積を持つハーフトーンスクリーンに置き換える作業であるスクリーニングを行った。本実施例で作成したハーフトーンスクリーンは48階調なので、スクリーニングされる階調画像の256階調を48階調に変換して、階調画像の各ピクセルの持つ階調と同じ階調のハーフトーンスクリーンに置き換えた。背景画像部は第1のハーフトーンスクリーン(A)に置き換え、潜像画像部は第2のハーフトーンスクリーン(B)に置き換えた。スクリーニングを行った後の白黒2値のハーフトーンスクリーン画像を図24に示す。白黒2値のハーフトーンスクリーン画像からPS版面を作製し、オフセット印刷機(色:マゼンタインキ)で印刷し、実施例1の真偽判別可能な印刷物を作製した。
【0061】
実施例1の真偽判別可能な印刷物を可視光下で肉眼で観察した場合、背景画像部と潜像画像部は区分けされて視認することができなかった。実施例1の真偽判別可能な印刷物に第1の状態でピッチ100lpiのレンチキュラーレンズを、印刷物に対してレンチキュラーレンズの万線が縦方向になるように重ねた場合に背景画像部は、潜像画像部よりも、全体的に淡く視認され、潜像画像部は、背景画像部よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって潜像画像(数字の1)が確認できた。さらに、第1の状態から印刷物に対して横方向(X方向)にピッチ100lpiのレンチキュラーレンズをおよそ127μm程度ずらして第2の状態で重ねて観察することによって潜像画像(数字の1)の濃淡が反転する効果が得られた。
【0062】
(実施例2)
実施例1と同様に、スクリーニングする階調画像を用意する。本実施例においても図25(a)に示すTIFF形式(グレー256階調)の鷲の画像データを使用した。データ形式はこれに限定されず、一般に使用される画像データであればよい。次にCG(コンピュータグラフィックス)ソフトを用いて、図25(b)に示すような背景画像部を構成する第3のハーフトーンスクリーン(C)と潜像画像部を構成する第4のハーフトーンスクリーン(D)を作成した。本実施例のハーフトーンスクリーンにおいては、スクリーン線数を100lpiとしたため、1/100インチ(254μm)×1/100インチのエリア内に32×32ピクセルのハーフトーンスクリーンセルを用意し、規則に沿ってピクセルを順次塗りつぶしていき、図25(b)に示すように34階調の第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を作成した。図25(c)は第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)の代表的な三種類の階調を座標に配置した図である。本実施例2においては、図25(c)に示すように、第3のハーフトーンスクリーン(C)は、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図25(c)に示す(11,16)、(11,17)、(12,16)、(12,17)の座標の4ピクセルが構成される。さらに、第3のハーフトーンスクリーン(C)は、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図25(c)に示す(21,16)、(21,17)、(22,16)、(22,17)の座標の4ピクセルが存在しない構成となる。第4のハーフトーンスクリーン(D)は、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図25(c)に示す(21,16)、(21,17)、(22,16)、(22,17)の座標の4ピクセルが構成される。さらに、第4のハーフトーンスクリーン(D)は、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図25(c)に示す(11,16)、(11,17)、(12,16)、(12,17)の座標の4ピクセルが存在しない構成とした。
【0063】
次に、階調画像の各ピクセルの持つ濃度情報を、対応する濃度の面積を持つハーフトーンスクリーンに置き換える作業であるスクリーニングを行った。本実施例で作成したハーフトーンスクリーンは34階調なので、スクリーニングされる階調画像の256階調を34階調に変換して、階調画像の各ピクセルの持つ階調と同じ階調のハーフトーンスクリーンに置き換える。背景画像部は第3のハーフトーンスクリーン(C)に置き換え、潜像画像部は第4のハーフトーンスクリーン(D)に置き換えた。スクリーニングを行った後の白黒2値のハーフトーンスクリーン画像を図26(a)に示す。白黒2値のハーフトーンスクリーン画像からPS版面を作製し、オフセット印刷機(色:マゼンタインキ)で印刷し、実施例2の真偽判別可能な印刷物を作製した。
【0064】
実施例2の真偽判別可能な印刷物を可視光下で肉眼で観察した場合、背景画像部と潜像画像部は区分けされて視認することができなかった。実施例2の真偽判別可能な印刷物に第1の状態でピッチ100lpiのレンチキュラーレンズを、印刷物に対してレンチキュラーレンズの万線が縦方向になるように重ねた場合に背景画像部は、潜像画像部よりも、全体的に淡く視認され、潜像画像部は、背景画像部よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって潜像画像(アルファベットのB)が確認できた。実施例2の真偽判別可能な印刷物に第1の状態でレンチキュラーレンズを重ねた場合の潜像画像の発現原理を図26(b)に示す。ハーフトーンスクリーンをY−Y´で切断した断面を用いて説明すると、レンチキュラーレンズを載せることによって、背景画像部を構成する第3のハーフトーンスクリーン(C)に形成されていないピクセル位置に、潜像画像部を構成する第4のハーフトーンスクリーン(D)は形成されている部分(S)が存在するため、その部分(S)が拡大されて観察されるため潜像画像部は濃く観察される。一方、背景画像部は潜像画像部より淡く観察されるため、この濃淡差により潜像画像を確認することができる。さらに、第1の状態から印刷物に対して横方向(X方向)にピッチ100lpiのレンチキュラーレンズをおよそ127μm程度ずらして第2の状態で重ねて観察することによって潜像画像(アルファベットのB)の濃淡が反転する効果が得られた。
【0065】
(実施例3)
複数のハーフトーンスクリーンを組み合わせることにより、レンチキュラーレンズを載せたときに複数の潜像が観察できるサンプルを作製した。図27(a)に示すように、254μmピッチでストライプ状にエリア分けを行い、偶数列のハーフトーンセルには実施例1で使用した第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)の組み合わせ、奇数列では実施例2で使用した第3のハーフトーンスクリーン(C)と第4のハーフトーンスクリーン(D)の組み合わせにする。図27(a)に示すとおり、ストライプ状にハーフトーンスクリーンエリアを分け、第1の背景画像部は第1のハーフトーンスクリーン(A)に置き換え、第1の潜像画像部は第2のハーフトーンスクリーン(B)に置き換え、第2の背景画像部は第3のハーフトーンスクリーン(C)に置き換え、第2の潜像画像部は第4のハーフトーンスクリーン(D)に置き換えた。スクリーニングを行った後の白黒2値のハーフトーンスクリーン画像を図27(b)に示す。白黒2値のハーフトーンスクリーン画像からPS版面を作製し、オフセット印刷機(色:マゼンタインキ)で印刷し、実施例3の真偽判別可能な印刷物を作製した。
【0066】
実施例3の真偽判別可能な印刷物を可視光下で肉眼で観察した場合、第1の背景画像部、第1の潜像画像部、第2の背景画像部及び第2の潜像画像部は区分けされて視認することができなかった。実施例3の真偽判別可能な印刷物に第1の状態でピッチ50lpiのレンチキュラーレンズを、印刷物に対してレンチキュラーレンズの万線が縦方向になるように重ねた場合に第1の背景画像部は、第1の潜像画像部よりも、全体的に淡く視認され、第1の潜像画像部は、第1の背景画像部よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって第1の潜像画像(数字の1)が確認できた。さらに、第1の状態から印刷物に対して横方向(X方向)にピッチ50lpiのレンチキュラーレンズをおよそ127μm程度ずらして第2の状態で重ねて観察することによって第1の潜像画像(数字の1)の濃淡が反転する効果が得られた。さらに、第2の状態から印刷物に対して横方向(X方向)にピッチ50lpiのレンチキュラーレンズをおよそ127μm程度ずらして第3の状態で重ねて観察することによって第2の背景画像部は、第2の潜像画像部よりも、全体的に淡く視認され、第2の潜像画像部は、第2の背景画像部よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって第2の潜像画像(アルファベットのB)が確認できた。さらに、第3の状態から印刷物に対して横方向(X方向)にピッチ50lpiのレンチキュラーレンズをおよそ127μm程度ずらして第4の状態で重ねて観察することによって第2の潜像画像(アルファベットのB)の濃淡が反転する効果が得られた。
【0067】
(実施例4)
スクリーニングする階調画像を用意する。本実施例においては図28(a)に示すTIFF形式(グレー256階調)の鷲の画像データを使用した。データ形式はこれに限定されず、一般に使用される画像データであればよい。次にCG(コンピュータグラフィックス)ソフトを用いて、図28(b)に示すような第1の背景画像部であり、かつ第2の背景画像部である第1のハーフトーンスクリーン(A)と、第1の背景画像部であり、かつ第2の潜像画像部である第3のハーフトーンスクリーン(C)と、第1の潜像画像部であり、かつ第2の背景画像部である第2のハーフトーンスクリーン(B)と、第1の潜像画像部であり、かつ第2の潜像画像部である第4のハーフトーンスクリーン(D)を作成する。本実施例のハーフトーンスクリーンにおいては、スクリーン線数を100lpiとしたため、1/100インチ(254μm)×1/100インチのエリア内に32×32ピクセルのハーフトーンスクリーンセルを用意し、規則に沿ってピクセルを順次塗りつぶしていき、図28(b)に示すように36階調の第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)、第4のハーフトーンスクリーン(D)を作成した。図28(c)は第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)、第4のハーフトーンスクリーン(D)の代表的な三種類の階調を座標に配置した図である。
【0068】
本実施例4においては、図28(c)に示すように、第1のハーフトーンスクリーン(A)は、第3のハーフトーンスクリーン(C)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図28(c)に示す(6,15)、(7,15)、(5,16)、(6,16)、(7,16)、(8,16)、(5,17)、(6,17)、(7,17)、(8,17)、(6,18)、(7,18)の座標の12ピクセル及び第2のハーフトーンスクリーン(B)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図28(c)に示す(16,25)、(17,25)、(15,26)、(16,26)、(17,26)、(18,26)、(15,27)、(16,27)、(17,27)、(18,27)、(16,28)、(17,28)の座標の12ピクセルが構成される。さらに、第1のハーフトーンスクリーン(A)は、第3のハーフトーンスクリーン(C)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図28(c)に示す(26,15)、(27,15)、(25,16)、(26,16)、(27,16)、(28,16)、(25,17)、(26,17)、(27,17)、(28,17)、(26,18)、(27,18)の座標の12ピクセル及び第2のハーフトーンスクリーン(B)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図28(c)に示す(16,5)、(17,5)、(15,6)、(16,6)、(17,6)、(18,6)、(15,7)、(16,7)、(17,7)、(18,7)、(16,8)、(17,8)の座標の12ピクセルが存在しない構成とした。
【0069】
第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図28(c)に示す(16,5)、(17,5)、(15,6)、(16,6)、(17,6)、(18,6)、(15,7)、(16,7)、(17,7)、(18,7)、(16,8)、(17,8)の座標の12ピクセル及び第3のハーフトーンスクリーン(C)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図28(c)に示す(6,15)、(7,15)、(5,16)、(6,16)、(7,16)、(8,16)、(5,17)、(6,17)、(7,17)、(8,17)、(6,18)、(7,18)の座標の12ピクセルが構成される。さらに、第2のハーフトーンスクリーン(B)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図28(c)に示す(16,25)、(17,25)、(15,26)、(16,26)、(17,26)、(18,26)、(15,27)、(16,27)、(17,27)、(18,27)、(16,28)、(17,28)の座標の12ピクセル及び第3のハーフトーンスクリーン(C)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図28(c)に示す(26,15)、(27,15)、(25,16)、(26,16)、(27,16)、(28,16)、(25,17)、(26,17)、(27,17)、(28,17)、(26,18)、(27,18)の座標の12ピクセルが存在しない構成とした。
【0070】
第3のハーフトーンスクリーン(C)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図28(c)に示す(26,15)、(27,15)、(25,16)、(26,16)、(27,16)、(28,16)、(25,17)、(26,17)、(27,17)、(28,17)、(26,18)、(27,18)の座標の12ピクセル及び第2のハーフトーンスクリーン(B)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図28(c)に示す(16,25)、(17,25)、(15,26)、(16,26)、(17,26)、(18,26)、(15,27)、(16,27)、(17,27)、(18,27)、(16,28)、(17,28)の座標の12ピクセルが構成される。さらに、第3のハーフトーンスクリーン(C)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図28(c)に示す(6,15)、(7,15)、(5,16)、(6,16)、(7,16)、(8,16)、(5,17)、(6,17)、(7,17)、(8,17)、(6,18)、(7,18)の座標の12ピクセル及び第2のハーフトーンスクリーン(B)、第4のハーフトーンスクリーン(D)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図28(c)に示す(16,5)、(17,5)、(15,6)、(16,6)、(17,6)、(18,6)、(15,7)、(16,7)、(17,7)、(18,7)、(16,8)、(17,8)の座標の12ピクセルが存在しない構成とした。
【0071】
第4のハーフトーンスクリーン(D)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図28(c)に示す(26,15)、(27,15)、(25,16)、(26,16)、(27,16)、(28,16)、(25,17)、(26,17)、(27,17)、(28,17)、(26,18)、(27,18)の座標の12ピクセル及び第1のハーフトーンスクリーン(A)、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在しない図28(c)に示す(16,5)、(17,5)、(15,6)、(16,6)、(17,6)、(18,6)、(15,7)、(16,7)、(17,7)、(18,7)、(16,8)、(17,8)の座標の12ピクセルが構成される。さらに、第4のハーフトーンスクリーン(D)は、第1のハーフトーンスクリーン(A)、第3のハーフトーンスクリーン(C)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図28(c)に示す(16,25)、(17,25)、(15,26)、(16,26)、(17,26)、(18,26)、(15,27)、(16,27)、(17,27)、(18,27)、(16,28)、(17,28)の座標の12ピクセル及び第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)のハーフトーンセル内の座標にピクセルが存在する図28(c)に示す(6,15)、(7,15)、(5,16)、(6,16)、(7,16)、(8,16)、(5,17)、(6,17)、(7,17)、(8,17)、(6,18)、(7,18)の座標の12ピクセルが存在しない構成とした。
【0072】
次に、階調画像の各ピクセルの持つ濃度情報を、対応する濃度の面積を持つハーフトーンスクリーンに置き換える作業であるスクリーニングを行った。本実施例で作成したハーフトーンスクリーンは36階調なので、スクリーニングされる階調画像の256階調を36階調に変換して、階調画像の各ピクセルの持つ階調と同じ階調のハーフトーンスクリーンに置き換える。第1の背景画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域は、第1のハーフトーンスクリーン(A)に置き換え、第1の潜像画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域は、第2のハーフトーンスクリーン(B)に置き換え、第1の背景画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域は、第3のハーフトーンスクリーン(C)に置き換え、第1の潜像画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域は第4のハーフトーンスクリーン(D)に置き換えスクリーニングを行った後の白黒2値のハーフトーンスクリーン画像を図29(a)に示す。白黒2値のハーフトーンスクリーン画像からPS版面を作製し、オフセット印刷機(色:マゼンタインキ)で印刷し、図29(b)に示す実施例4の真偽判別可能な印刷物を作製した。
【0073】
実施例4の真偽判別可能な印刷物を可視光下で肉眼で観察した場合、第1の背景画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域、第1の潜像画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域、第1の背景画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域、第1の潜像画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域は、区分けされて視認することができなかった。実施例4の真偽判別可能な印刷物に第1の状態でピッチ100lpiのレンチキュラーレンズを、印刷物に対してレンチキュラーレンズの万線が横方向になるように重ねた場合に第1の背景画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域及び第1の背景画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域は、第1の潜像画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域と、第1の潜像画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域よりも、全体的に淡く視認され、第1の潜像画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域と、第1の潜像画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域は、第1の背景画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域及び第1の背景画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって第1の潜像画像(数字の1)が確認できた。さらに、第1の状態から印刷物に対して縦方向(Y方向)にピッチ100lpiのレンチキュラーレンズをおよそ127μm程度ずらして第2の状態で重ねて観察することによって潜像画像(数字の1)の濃淡が反転する効果が得られた。さらに、第3の状態で印刷物に対してレンチキュラーレンズの万線が縦方向になるように重ねて観察することによって、第1の背景画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域及び第1の潜像画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域は、第1の背景画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域と、第1の潜像画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域よりも、全体的に淡く視認され、第1の背景画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域と、第1の潜像画像部であり、かつ第2の潜像画像部である領域は、第1の背景画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域及び第1の潜像画像部であり、かつ第2の背景画像部である領域よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって潜像画像(アルファベットのB)が確認できた。さらに、第3の状態から印刷物に対して横方向(X方向)にピッチ100lpiのレンチキュラーレンズをおよそ127μm程度ずらして第4の状態で重ねて観察することによって潜像画像(アルファベットのB)の濃淡が反転する効果が得られた。
【0074】
(実施例5)
実施例3の白黒2値のハーフトーンスクリーン画像からPS版面を用いて、オフセット印刷機で、第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)をマゼンタ色で印刷し、第3のハーフトーンスクリーン(C)と第4のハーフトーンスクリーン(D)をシアン色で印刷し、実施例5の真偽判別可能な印刷物を作製した。
【0075】
実施例5の真偽判別可能な印刷物を可視光下で肉眼で観察した場合、第1の背景画像部と第1の潜像画像部は、区分けされて視認することができなかった。同様に、第2の背景画像部と第2の潜像画像部は区分けされて視認することができなかった。実施例5の真偽判別可能な印刷物に第1の状態でピッチ50lpiの半透明な青色のレンチキュラーレンズを重ねた場合にシアン色で構成された第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)は半透明な青色のレンチキュラーレンズの色彩によって観察することができず、マゼンタ色で構成された第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)が半透明な青色のレンチキュラーレンズの色彩と混色して紫色となるので、第1の潜像画像(数字の1)が紫色で観察できた。第2の状態で重ねた場合には、第1の潜像画像(数字の1)の濃淡が反転する効果が得られた。さらに、実施例5の真偽判別可能な印刷物に第3の状態でピッチ50lpiの半透明な赤色のレンチキュラーレンズを重ねた場合にマゼンタ色で構成された第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)は半透明な赤色のレンチキュラーレンズの色彩によって観察することができず、シアン色で構成された第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)が半透明な赤色のレンチキュラーレンズの色彩と混色して紫色となるので、第2の潜像画像(アルファベットのB)が紫色で観察できた。第4の状態で重ねた場合には、第2の潜像画像(アルファベットのB)の濃淡が反転する効果が得られた。
【0076】
(実施例6)
メタメリズム(分光分布の異なる二つの色が、特定の条件(例えばある光源の下)で同じ色に見えること)を有するインキを使用して印刷物を作製した。実施例6で使用したメタメリズムを有するインキは、特定の分光透過率特性を有するフィルタを載せると薄緑色に変化するメタメリックインキA、及びこげ茶色に変化するメタメリックインキBを使用した。これらのインキは可視光下では薄褐色に観察される。実施例3の白黒2値のハーフトーンスクリーン画像からPS版面を用いて、オフセット印刷機で、第1のハーフトーンスクリーン(A)と第2のハーフトーンスクリーン(B)をメタメリックインキAで印刷し、第3のハーフトーンスクリーン(C)と第4のハーフトーンスクリーン(D)をメタメリックインキBで印刷し、実施例6の真偽判別可能な印刷物を作製した。
【0077】
実施例6の真偽判別可能な印刷物を可視光下で肉眼で観察した場合、第1の背景画像部、第1の潜像画像部、第2の背景画像部及び第2の潜像画像部は区分けされて視認することができなかった。実施例6の真偽判別可能な印刷物に第1の状態でピッチ50lpiの半透明な特定の分光透過率特性を有するレンチキュラーレンズを重ねた場合に、メタメリックインキAで印刷された第1の背景画像部及び第1の潜像画像部は薄緑色に視認され、第1の背景画像部は、第1の潜像画像部よりも、全体的に淡く視認され、第1の潜像画像部は、第1の背景画像部よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって第1の潜像画像(数字の1)が確認できた。さらに、第1の状態からピッチ50lpiの半透明な特定の分光透過率特性を有するレンチキュラーレンズをおよそ127μm程度ずらして第2の状態で重ねて観察することによって第1の潜像画像(数字の1)の濃淡が反転する効果が得られた。さらに、第3の状態で重ねて観察することによって、メタメリックインキBで印刷された第2の背景画像部及び第2の潜像画像部はこげ茶色に視認され、第2の背景画像部は、第2の潜像画像部よりも、全体的に淡く視認され、第2の潜像画像部は、第2の背景画像部よりも、全体的に濃く視認され、この濃度差によって第2の潜像画像(アルファベットのB)が確認できた。さらに、第3の状態からピッチ50lpiの半透明な特定の分光透過率特性を有するレンチキュラーレンズをおよそ127μm程度ずらして第4の状態で重ねて観察することによって第2の潜像画像(アルファベットのB)の濃淡が反転する効果が得られた。
【0078】
実施例1乃至6においては、ハーフトーンスクリーン及びスクリーニングをCG(コンピュータグラフィックス)ソフトを使用して作成したが、ハーフトーンスクリーンの作成方法及び、スクリーニングについては本実施例の方法に限定されず、例えばポストスクリプト言語を用いて作成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】真偽判別可能な印刷物(P1)とその一部拡大図を示す図である。
【図2】第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)を示す図である。
【図3】使用するハーフトーンスクリーンセル(5)を示す図である。
【図4】ハーフトーンスクリーンセル内に形成された各階調を表す第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)を示す図である。
【図5】ハーフトーンスクリーンの一例を示す図である。
【図6】真偽判別可能な印刷物(P1)とその一部拡大図を示す図である。
【図7】真偽判別可能な印刷物(P1)を可視光下で肉眼で観察した場合を示す図である。
【図8】真偽判別可能な印刷物(P1)に第1の状態又は第2の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合を示す図である。
【図9】真偽判別可能な印刷物(P1)に第1の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合の潜像画像の発現原理を示す図である。
【図10】真偽判別可能な印刷物(P1)に第2の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合を示す図である。
【図11】第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を示す図である。
【図12】第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)の配列と、真偽判別可能な印刷物(P2)とその一部拡大図を示す図である。
【図13】真偽判別可能な印刷物(P2)を可視光下で肉眼で観察した場合を示す図である。
【図14】真偽判別可能な印刷物(P2)に第1の状態又は第2の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合を示す図である。
【図15】真偽判別可能な印刷物(P2)に第3の状態又は第4の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合を示す図である。
【図16】格子状に第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を配置した例を示す図である。
【図17】真偽判別可能な印刷物(P3)の第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を示す図である。
【図18】第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)、第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)の配列と、真偽判別可能な印刷物(P3)とその一部拡大図を示す図である。
【図19】真偽判別可能な印刷物(P3)を可視光下で肉眼で観察した場合を示す図である。
【図20】真偽判別可能な印刷物(P3)に第1の状態又は第2の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合を示す図である。
【図21】真偽判別可能な印刷物(P3)に第3の状態又は第4の状態でレンチキュラーレンズ(6)を重ねた場合を示す図である。
【図22】レンチキュラーレンズの一例を示す図である。
【図23】実施例1の第1のハーフトーンスクリーン(A)及び第2のハーフトーンスクリーン(B)を示す図である。
【図24】実施例1のスクリーニングを行った後の白黒2値のハーフトーンスクリーン画像及びその一部拡大図である。
【図25】実施例2の第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)を示す図である。
【図26】実施例2のスクリーニングを行った後の白黒2値のハーフトーンスクリーン画像及びその一部拡大図である。
【図27】実施例3の第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)の配列と、実施例3のスクリーニングを行った後の白黒2値のハーフトーンスクリーン画像及びその一部拡大図である。
【図28】実施例2のスクリーニングを行った後の白黒2値のハーフトーンスクリーン画像及びその一部拡大図である。
【図29】実施例3の第1のハーフトーンスクリーン(A)、第2のハーフトーンスクリーン(B)第3のハーフトーンスクリーン(C)及び第4のハーフトーンスクリーン(D)の配列と、実施例3のスクリーニングを行った後の白黒2値のハーフトーンスクリーン画像及びその一部拡大図である。
【符号の説明】
【0080】
1 基材
2 印刷模様
3、3a、3b 背景画像部となる印刷領域
4、4a、4b 潜像画像部及び/又は背景画像部となる印刷領域
4c 第1の潜像画像部と第2の潜像画像部が重なる領域
5 ハーフトーンスクリーンセル
6 レンチキュラーレンズ
P1、P2、P3 真偽判別可能な印刷物
A 第1のハーフトーンスクリーン
B 第2のハーフトーンスクリーン
C 第3のハーフトーンスクリーン
D 第4のハーフトーンスクリーン
S 第3のハーフトーンスクリーン(C)と第4のハーフトーンスクリーン(D)の違い
T1 第2のハーフトーンスクリーン(B)の一部分が、拡大された領域
T2 第1のハーフトーンスクリーン(A)の一部分が、拡大された領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、
前記階調画像は背景画像部と潜像画像部を含み、
前記背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、
前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーンと第2のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、
前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンの形状が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、
前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物。
【請求項2】
基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、
前記階調画像は背景画像部と潜像画像部を含み、
前記背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、
前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーンと第2のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、
前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンの形状が同一で形成され、
前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンは互いに配置角度が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、
前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物。
【請求項3】
基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、
前記階調画像は第1の背景画像部、第1の潜像画像部、第2の背景画像部及び第2の潜像画像部を含み、
前記第1の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第1の潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の背景画像部は濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の潜像画像部は濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、
前記規則的に配列される奇数列及び偶数列のいずれか一方に第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンが形成され、他方に第3のハーフトーンスクリーンと第4のハーフトーンスクリーンが形成され、
前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーンと第2のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、
前記濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第3のハーフトーンスクリーンと第4のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、
前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンの形状が異なり、かつ、前記第3のハーフトーンスクリーンと前記第4のハーフトーンスクリーンの形状が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、
前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記第1の潜像画像部又は前記第2の潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物。
【請求項4】
基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、
前記階調画像は第1の背景画像部、第1の潜像画像部、第2の背景画像部及び第2の潜像画像部を含み、
前記第1の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第1の潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の背景画像部は濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の潜像画像部は濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、
前記規則的に配列される奇数列及び偶数列のいずれか一方に第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンが形成され、他方に第3のハーフトーンスクリーンと第4のハーフトーンスクリーンが形成され、
前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーンと第2のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、
前記濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第3のハーフトーンスクリーンと第4のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、
前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンの形状が同一であり、かつ、前記第3のハーフトーンスクリーンと前記第4のハーフトーンスクリーンの形状が同一であり、
前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンの形状は互いに配置角度が異なり、かつ、前記第3のハーフトーンスクリーンと前記第4のハーフトーンスクリーンは互いに配置角度が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、
前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記第1の潜像画像部又は前記第2の潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物。
【請求項5】
基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、
前記階調画像は第1の背景画像部、第1の潜像画像部、第2の背景画像部及び第2の潜像画像部を含み、
前記第1の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン及び第3のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第1の潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の潜像画像部は濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、
前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーン、前記濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーン及び前記濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーン、第2のハーフトーンスクリーン、第3のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、
前記第1のハーフトーンスクリーン、前記第2のハーフトーンスクリーン、前記第3のハーフトーンスクリーン及び前記第4のハーフトーンスクリーンの形状が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、
前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記第1の潜像画像部又は前記第2の潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物。
【請求項6】
基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、
前記階調画像は第1の背景画像部、第1の潜像画像部、第2の背景画像部及び第2の潜像画像部を含み、
前記第1の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン及び第3のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第1の潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の潜像画像部は濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、
前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーン、前記濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーン及び前記濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーン、第2のハーフトーンスクリーン、第3のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、
前記第1のハーフトーンスクリーン、前記第2のハーフトーンスクリーン、前記第3のハーフトーンスクリーン及び前記第4のハーフトーンスクリーンの形状が同一であり、
前記第1のハーフトーンスクリーン、前記第2のハーフトーンスクリーン、前記第3のハーフトーンスクリーン及び前記第4のハーフトーンスクリーンは互いに配置角度が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、
前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記第1の潜像画像部又は前記第2の潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物。
【請求項1】
基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、
前記階調画像は背景画像部と潜像画像部を含み、
前記背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、
前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーンと第2のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、
前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンの形状が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、
前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物。
【請求項2】
基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、
前記階調画像は背景画像部と潜像画像部を含み、
前記背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、
前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーンと第2のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、
前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンの形状が同一で形成され、
前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンは互いに配置角度が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、
前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物。
【請求項3】
基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、
前記階調画像は第1の背景画像部、第1の潜像画像部、第2の背景画像部及び第2の潜像画像部を含み、
前記第1の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第1の潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の背景画像部は濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の潜像画像部は濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、
前記規則的に配列される奇数列及び偶数列のいずれか一方に第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンが形成され、他方に第3のハーフトーンスクリーンと第4のハーフトーンスクリーンが形成され、
前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーンと第2のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、
前記濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第3のハーフトーンスクリーンと第4のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、
前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンの形状が異なり、かつ、前記第3のハーフトーンスクリーンと前記第4のハーフトーンスクリーンの形状が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、
前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記第1の潜像画像部又は前記第2の潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物。
【請求項4】
基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、
前記階調画像は第1の背景画像部、第1の潜像画像部、第2の背景画像部及び第2の潜像画像部を含み、
前記第1の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第1の潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の背景画像部は濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の潜像画像部は濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、
前記規則的に配列される奇数列及び偶数列のいずれか一方に第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンが形成され、他方に第3のハーフトーンスクリーンと第4のハーフトーンスクリーンが形成され、
前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーンと第2のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、
前記濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーンと、前記濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第3のハーフトーンスクリーンと第4のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、
前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンの形状が同一であり、かつ、前記第3のハーフトーンスクリーンと前記第4のハーフトーンスクリーンの形状が同一であり、
前記第1のハーフトーンスクリーンと前記第2のハーフトーンスクリーンの形状は互いに配置角度が異なり、かつ、前記第3のハーフトーンスクリーンと前記第4のハーフトーンスクリーンは互いに配置角度が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、
前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記第1の潜像画像部又は前記第2の潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物。
【請求項5】
基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、
前記階調画像は第1の背景画像部、第1の潜像画像部、第2の背景画像部及び第2の潜像画像部を含み、
前記第1の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン及び第3のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第1の潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の潜像画像部は濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、
前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーン、前記濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーン及び前記濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーン、第2のハーフトーンスクリーン、第3のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、
前記第1のハーフトーンスクリーン、前記第2のハーフトーンスクリーン、前記第3のハーフトーンスクリーン及び前記第4のハーフトーンスクリーンの形状が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、
前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記第1の潜像画像部又は前記第2の潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物。
【請求項6】
基材上に階調画像を設け、前記階調画像はハーフトーンスクリーンが規則的に複数配列されて成り、
前記階調画像は第1の背景画像部、第1の潜像画像部、第2の背景画像部及び第2の潜像画像部を含み、
前記第1の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン及び第3のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第1の潜像画像部は濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の背景画像部は濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン及び第2のハーフトーンスクリーンによって形成され、前記第2の潜像画像部は濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンによって形成され、
前記濃度階調を有する第1のハーフトーンスクリーン、前記濃度階調を有する第2のハーフトーンスクリーン、前記濃度階調を有する第3のハーフトーンスクリーン及び前記濃度階調を有する第4のハーフトーンスクリーンは、階調ごとに相対し、かつ、前記相対する第1のハーフトーンスクリーン、第2のハーフトーンスクリーン、第3のハーフトーンスクリーン及び第4のハーフトーンスクリーンの面積が同一であり、
前記第1のハーフトーンスクリーン、前記第2のハーフトーンスクリーン、前記第3のハーフトーンスクリーン及び前記第4のハーフトーンスクリーンの形状が同一であり、
前記第1のハーフトーンスクリーン、前記第2のハーフトーンスクリーン、前記第3のハーフトーンスクリーン及び前記第4のハーフトーンスクリーンは互いに配置角度が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、
前記真偽判別可能な印刷物に判別具を重ね合わせた場合に、前記第1の潜像画像部又は前記第2の潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2007−144671(P2007−144671A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−339549(P2005−339549)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】
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