説明

真正性証明用の光学構造体、真正性証明用記録体、及び、真正性の確認方法

【課題】レーザー光再生型ホログラムが記録された微小領域と回折格子表示体が記録された微小領域とが並列する真正性証明用の光学構造体において、レーザー光再生型ホログラムに記録された隠し情報を確認しやすくする。
【解決手段】レーザー光再生型ホログラムを記録した微小区域4と回折格子を記録した微小区域5とが2次元的に隣接配列されてなる光学構造体3において、光学構造体3に所定方向からレーザー光再生型ホログラムを再生するレーザー光8を照射したときに、レーザー光再生型ホログラムを記録した微小区域4から再生される再生像10に、回折格子を記録した微小区域5からの回折光9が重ならないように、回折格子のピッチが設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真正性証明用の光学構造体、真正性証明用記録体、及び、真正性の確認方法に関し、主にセキュリティ用途に使用される光学構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ホログラム・回折格子の技術は、目視した際の視認性が特徴的で、かつ、その製造が困難なことから偽造防止分野で使用されてきた。しかし、ホログラム技術自体を取り扱う業者も増えており、一見それらしき偽造が出回るようになってきた。これらの対策として、通常の目視条件では絵柄が確認できないが、レーザー光を照射すると特定の絵柄を再現するレーザー光再生型のホログラムが提案されている(特許文献1、2等)。
【0003】
これらのレーザー光再生型ホログラムにおいては、見た目の偽造防止効果とレーザー光再生型ホログラムの隠蔽を目的に、回折格子表示体と合わせて使用されることが多いが(特許文献2)、その際回折格子表示体とレーザー光再生型のホログラム(CGH)の光学条件を適切に設計できていない場合、レーザー光を照射した際に本来再生されるべきレーザー光再生型ホログラムの再生像のみでなく、回折格子表示体の再生像も現れてしまいレーザー光再生型ホログラムの再生像が確認し難くなってしまう問題点があった。
【特許文献1】特開2003−122233号公報
【特許文献2】特開2003−122234号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、レーザー光再生型ホログラムが記録された微小領域と回折格子表示体が記録された微小領域とが並列する真正性証明用の光学構造体において、レーザー光再生型ホログラムに記録された隠し情報を確認しやすくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する本発明の光学構造体は、レーザー光再生型ホログラムを記録した微小区域と回折格子を記録した微小区域とが2次元的に隣接配列されてなる光学構造体において、
前記光学構造体に所定方向から前記レーザー光再生型ホログラムを再生するレーザー光を照射したときに、前記レーザー光再生型ホログラムを記録した微小区域から再生される再生像に、前記回折格子を記録した微小区域からの回折光が重ならないように、前記回折格子のピッチが設定されていることを特徴とするものである。
【0006】
この場合、前記レーザー光再生型ホログラムを記録した微小区域と前記回折格子を記録した微小区域とが相互に混在していることが望ましい。
【0007】
本発明のもう1つの光学構造体は、レーザー光再生型ホログラムを記録した微小区域の群によって専有されている領域と、回折格子を記録した微小区域の群によって専有されている領域とが境界線を挟んで並列されてなる光学構造体において、前記境界線に近接する回折格子を記録した微小区域の大きさが前記境界線より離れた位置の回折格子を記録した微小区域の大きさより小さく設定されており、その大きさが小さくなった分微小区域間に隙間が設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
以上において、前記レーザー光再生型ホログラムは、原画像のフーリエ変換像の位相情報を多値化して深さとして記録されたホログラム、あるいは、二光束干渉によるレリーフホログラムとすることができる。
【0009】
本発明は、以上の光学構造体を有する真正性証明用記録体を含むものである。
【0010】
また、本発明は、以上の光学構造体に対して、又は、上記真正性証明用記録体が有する光学構造体に対して、コヒーレント光を照射し、再生された像を、予め準備された基準像と比較して異同の判定を行う真正性の確認方法を含むものである。
【発明の効果】
【0011】
以上の本発明の光学構造体、真正性証明用記録体、及び、真正性の確認方法においては、レーザー光再生型ホログラムから再生された再生像と回折格子からの回折光とが重ならないようになっているか、その再生像と回折光が重なっても、回折光の強度が相対的に弱いので、再生像が確認しやすく、真正性の確認が確実に行える。例えばレーザー光再生型ホログラムに目視条件では絵柄が確認できない隠し情報が記録されていても、レーザー光照射により容易に確実にその隠し情報が確認できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照にして本発明の真正性証明用の光学構造体、真正性証明用記録体、及び、真正性の確認方法を実施例に基づいて説明する。
【0013】
図1は、本発明の真正性証明用の光学構造体を備えた真正性証明用記録体及びその真正性の確認方法の1実施例を説明するための図である。
【0014】
図1において、真正性証明用記録体1は、基材2の上面等に、真正性証明用の光学構造体3が積層されるか、若しくは、基材2の上面と光学構造体3の上面とが同一平面となるように埋め込まれて積層されたものである。
【0015】
真正性証明用の光学構造体3は、この例の場合正方形の微小光学単位区域4と5が2次元的に隣接配列して構成されたものであって、図1に示す例においては、微小光学単位区域4と5を縦横のマトリックス状に配列したものである。微小光学単位区域4、5は、視覚的な確認を困難にする目的で、大きさが小さい方が好ましく、具体的には、0.3mm以下であることが好ましい。微小光学単位区域4、5の大きさが0.3mmを超える場合、微小光学単位区域4、5が視認できる可能性が高まり、解析される可能性が生じるからである。なお、微小光学単位区域4、5の大きさは、正方形であれば一辺の長さ、長方形であれば長辺の長さ、円であれば直径、楕円であれば長径等で表し、その他の形状であれば、差し渡し寸法の最大値で示すものとする。
【0016】
ここで、微小光学単位区域4には、計算機ホログラム(CGH)の一種である、原画像のフーリエ変換像の位相情報を多値化して深さとして記録したレーザー光再生型ホログラム(特許文献1、2参照)が記録されている微小区域である。もちろん、レーザー光再生型ホログラムとして二光束干渉によるレリーフホログラムを用いてもよい。このレーザー光再生型ホログラムが記録されている微小区域4は、特定方向、例えば垂直方向から所定波長のレーザー光を照射すると、特定方向、例えば正面方向へ原画像を再生し、その原画像が隠し情報であればこの状態で確認できるものである。
【0017】
また、微小光学単位区域5には、特定の方向に光が回折する直線状あるいは曲線状の回折構成が記録されている微小区域である。この回折格子が記録された微小区域5は、白色光下では回折格子の向きやピッチに応じて、特定の色に着色して見えるものである。
【0018】
なお、これらの微小光学単位区域4と5に形成された微細凹凸の面には、通常、Al等の反射性の金属薄膜や、硬化樹脂膜とは光の屈折率が異なる素材の薄膜からなる反射層が微細凹凸に沿って積層形成される。
【0019】
さて、このような光学構造体3にレーザー光8を照射すると、レーザー光再生型ホログラムの微小光学単位区域4に隣接するかその周囲の回折格子の微小光学単位区域5にも当たり、その微小光学単位区域5の回折格子で回折された回折光が、微小光学単位区域4のレーザー光再生型ホログラムからの再生像と重なって出力され、再生像が見づらくなって真正性証明用の隠し情報が確認し難くなってしまう。
【0020】
そのような重なりを解消して再生像を見やすくする方法を以下の実施例で説明する。
【0021】
図2に示すように、レーザー光再生型ホログラムが記録されている微小光学単位区域4と回折格子が記録されている微小光学単位区域5を含む光学構造体3の正面方向から波長650nmのレーザー光8を垂直方向から照射したとき、100mm離れたスクリーン7には、縦45mm×横35mmのホログラム再生像10が投影されるものとする。このとき、微小光学単位区域5に記録されている回折格子による回折光9が再生像10と重ならないためには、横方向の再生角度は10°(図2(a))、縦方向の再生角度は13°(図2(b))以上である。つまり、レーザー光再生型ホログラムの微小光学単位区域4の周囲あるいは近傍に配置した回折格子の微小光学単位区域5からの回折光9がレーザー光再生型ホログラムの微小光学単位区域4からの再生像10に重ならないようにするためには、回折光9の回折角度を縦横それぞれ13°、10°以上にする必要がある。
【0022】
回折の式d=λ/sinθ(d:回折格子ピッチ、λ:レーザー光波長、θ:回折角度)から、微小光学単位区域5に記録された縦方向の回折格子の回折格子ピッチは、d≦2.89μm、横方向の回折格子の回折格子ピッチは、d≦3.74μmを満たすようにしなければならない。
【0023】
図3は、以上のようにして、レーザー光再生型ホログラムの微小光学単位区域4の周囲あるいは近傍に配置した回折格子の微小光学単位区域5からの回折光9がレーザー光再生型ホログラムの微小光学単位区域4からの再生像10に重ならないように設定した例を示す図である。光学構造体3が図3(a)に示すような配置で、レーザー光8を正面から照射した場合、回折格子の微小光学単位区域5に記録される回折格子が図3(b)に示すように縦方向の回折格子であれば、上記のようにそのピッチをd≦3.74μmに設定すると、図3(c)に示すように回折光9は再生像10の横方向の再生領域から外れた位置に入射し、再生像10の観察には邪魔にならない。また、回折格子の微小光学単位区域5に記録される回折格子が図3(d)に示すように横方向の回折格子であれば、上記のようにそのピッチをd≦2.89μmに設定すると、図3(e)に示すように回折光9は再生像10の縦方向の再生領域から外れた位置に入射し、同様に再生像10の観察には邪魔にならない。
【0024】
図4は、別の実施例を説明するための図である。この実施例は、レーザー光再生型ホログラムの微小光学単位区域4からの再生像10と、回折格子の微小光学単位区域5からの回折光9が重なる場合でも、回折光9の強度が相対的に弱ければ、再生像10の見やすさに影響を及ぼさないとの知見に基づくものである。図4(a)に示すように、光学構造体3において、レーザー光再生型ホログラムの微小光学単位区域4の群によって専有されている領域と回折格子の微小光学単位区域5の群によって専有されている領域とが境界線を挟んで並列している場合に、レーザー光再生型ホログラムの微小光学単位区域4の群に近接する回折格子の微小光学単位区域5の大きさを、微小光学単位区域4に近い程小さくし、その分微小光学単位区域5間に隙間を有するようにする。すなわち、図4(b)に示すように、レーザー光再生型ホログラムの微小光学単位区域4に隣接する微小光学単位区域5を符号51 で、次に近い微小光学単位区域5を符号52 で、3番目に近い微小光学単位区域5を符号53 等で表した場合、微小光学単位区域51 の寸法を正常な微小光学単位区域5の寸法に比較してより小さくし、微小光学単位区域4から離れる程大きくし、ある程度以上離れると一定の寸法に設定すると、図4(a)に示すように、微小光学単位区域4の群中のレーザー光再生型ホログラムを再生するために照射するレーザー光8が並列された回折格子の微小光学単位区域5の群中に漏れても、微小光学単位区域51 、52 、53 、54 に入射する光量が正常な寸法の微小光学単位区域5だけの場合に入射する光量に比べて少なくなる分、回折光9の強度は弱くなり、図4(c)に示すようにその回折光9が再生像10に重なっても再生像10の認識のしやすさには大きく影響を及ぼすことはない。
【0025】
図5は、さらに別の実施例を説明するための図である。この実施例は、レーザー光再生型ホログラムの微小光学単位区域4と回折格子の微小光学単位区域5との相互の配列に関する実施例であり、図5に示すように、光学構造体3中において2次元的に隣接配列する微小光学単位区域4と微小光学単位区域5を相互に混在させることにより、レーザー光再生型ホログラムの微小光学単位区域4を目立たなくする。この混在のさせ方として、周期的に微小光学単位区域5の群中に微小光学単位区域4を混在させる方法でもよいが、縦横に周期性がなくランダムに混在させる方がより目立たなくする。
【0026】
次に、本発明の真正性の確認方法について説明する。図1を引用して説明したカード状の真正性証明用記録体1の真正性の確認方法を説明すると、図6に示すように、真正性証明用記録体1の光学構造体3にレーザー光源11を用いて、所定の波長のコヒーレント光であるレーザー光8を照射する。レーザー光8のビーム径は、光学構造体3の微小光学単位区域4よりも小さくてもよいが、微小光学単位区域4を構成する微小区域よりも大きい方が好ましい。この照射により、微小光学単位区域4に予め並べられている、原画像A及びBに基づく多値化された深さ情報に相当する再生像a、bが再生される。これら、原画像A及びBに基づく多値化された深さ情報が記録された微小区域は、白色光下では白く見えるものである。また、レーザー光の照射により、回折格子C及びDが記録された、すなわち、回折格子C及びDの情報が記録された微小区域5においては、特定の方向に光が回折する。これら、回折格子が記録された微小区域5は、白色光下では回折格子の向きやピッチに応じて、特定の色に着色して見える。そのため、原画像A及びBに基づく多値化された深さ情報が記録された微小光学単位区域4と回折格子C及びDの情報が記録された微小光学単位区域5とを前記のようにランダムに混在させることで、目視では白く見えてしまう微小光学単位区域4を目立たなくすることができる。なお、レーザー光再生型ホログラムから再生された再生像a、bを総称して、「再生された像」と言うこととする。再生された像を予め準備された基準像と比較し、同一であるか、若しくは、異なるかの判定を行うことにより、真正性の確認を行うことができる。
【0027】
したがって、ある面13を想定すると、例えば、向かって右の13aの区域で再生像aを、向かって左の13bの区域で再生像bを、奥の13cの区域で回折光cを、そして、手前の13dの区域で回折光dを観察することができるので(回折光c、dは再生像a、bと重ならないように設定されている。)、面13を箱の上板とし、レーザー光源11、及び、真正性証明用記録体の固定台(図示せず。)等を備えた器具を準備し、箱の上板の13a〜13dの各区域に透過型スクリーンを設けておく等しておけば、この器具を用いて、再生された像を判定することが可能であり、真正性証明用記録体1の真正性を確認することが簡便にできる。また、回折格子が記録された微小区域5において回折した光を所定の位置で検出し、真正性の確認の補助手段としてもよい。
【0028】
本発明は基本的には、以上に述べた構造を有するものであるが、真正性証明用記録体1は、次のような要素を備えていることがあり得る。図1を引用して説明したカード類の場合、通常、磁気記録層を備えていることが多い。磁気記録層は、通常、5〜10mm幅程度のストライプ状のものであって、基材2の表面若しくは内部に、磁気塗料を用いて塗布して直接に設ける、薄いプラスチックシートに塗布し、ストライプ状にカットして貼る、若しくは、仮の基材シートに剥離可能に積層して準備された磁気記録層転写シートを用いた転写により形成する。
【0029】
カードを含め、一般的な記録体においては、磁気記録層を備えていることが普通である。磁気記録層の機能は、光学記録層やICモジュール等で置き換えてもよい。ただし、光学記録層やICモジュールが備わっていても、汎用性のある磁気記録層を備えていることが好ましい。また、本発明における光学構造体3とは別に、通常のホログラム等(回折格子を含む。)を有していてもよく、このようにすると、本発明における光学構造体3への注意、関心をそらすことができる。
【0030】
本発明の真正性証明用記録体1には、適宜な文字が印刷等により施されていてもよい。文字で表現する内容としては、カードの場合であれば、その発行会社、カードの名称、発行番号、有効期限、保持者の氏名、若しくは、注意書等がある。これらのうちのいくつか、例えば、発行番号、有効期限、及び、保持者の氏名を、エンボス加工による凹凸により形成してあってもよい。この他、基材2には、真正性証明用記録体1を装飾するための着色や模様が施されていてもよく、通常、印刷により行われる。
【0031】
本発明の真正性証明用記録体1は、カード用途に適用するためだけのものではなく、種々の物品を基材2として、それらに、光学構造体3を積層して使用することができる。物品によって、物品そのものが情報を有する記録体である場合と、物品そのものは情報を有していないが、光学構造体3を積層したことにより情報が付与された記録体である場合とがある。
【0032】
本発明の真正性証明用記録体1はID(本人確認)用のカードであってよく、具体的には、銀行等の預貯金カード、クレジットカード、身分証明書等であり得る。また、必ずしもカード形態ではない受験票、パスポート等であってもよい。真正性証明用記録体1は、紙幣、商品券、株券、証券、預金通帳、乗車券、航空券等、あるいは、交通機関や公衆電話用のプリペイドカードでもあり得る。これらには、金額、発行者、発行番号、若しくは、注意書等の情報が記録されている。
【0033】
本発明の真正性証明用記録体1は、必ずしも情報を有していないが、光学構造体3を積層したことにより情報が付与された種々の物品であり得る。種々の物品とは、例えば、高級腕時計、貴金属、宝飾品等の、いわゆるブランド品と言われる、世界的に著名な高級商品、それらの収納箱やケース等の物品であり、これらは通常、高価なものであるので、偽造の対象となりやすいものである。場合により、商品にぶら下げられるタグも、真正性証明用記録体1の基材2となり得る。
【0034】
音楽ソフト、映像ソフト、コンピュータソフト、若しくは、ゲームソフト等が記録された記憶媒体、それらのケース等の物品にも、同様に、基材2として、光学構造体3を積層し得る。これらは、必ずしも高価なものではないが、不正に大量複製されて市販されると、正規品の販売元が重大な損害を被る恐れがあるものである。
【0035】
いずれの真正性証明用記録体1においても、光学構造体3以外の部分が情報を有している場合と、情報を有していない場合とにかかわらず、光学構造体3を有することにより、光学構造体3の真正性を確認することにより、光学構造体3を有する基材2、すなわち、真正性証明用記録体の真正性を確認することが可能になる。
【0036】
以上、本発明の真正性証明用の光学構造体、真正性証明用記録体、及び、真正性の確認方法を実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の真正性証明用の光学構造体を備えた真正性証明用記録体及びその真正性の確認方法の1実施例を説明するための図である。
【図2】レーザー光再生型ホログラムからの再生像と回折格子からの回折光の重なりを解消するための原理を説明するための図である。
【図3】レーザー光再生型ホログラムからの再生像と回折格子からの回折光が重ならないように設定した例を示す図である。
【図4】別の実施例を説明するための図である。
【図5】さらに別の実施例を説明するための図である。
【図6】本発明の真正性の確認方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0038】
1…真正性証明用記録体
2…基材
3…光学構造体
4…微小光学単位区域(レーザー光再生型ホログラム)
5…微小光学単位区域(回折格子)
1 、52 、53 、54 …微小光学単位区域(回折格子)
7…スクリーン
8…レーザー光
9…回折光
10…ホログラム再生像
11…レーザー光源
13…想定面
13a、13b、13c、13d…区域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー光再生型ホログラムを記録した微小区域と回折格子を記録した微小区域とが2次元的に隣接配列されてなる光学構造体において、
前記光学構造体に所定方向から前記レーザー光再生型ホログラムを再生するレーザー光を照射したときに、前記レーザー光再生型ホログラムを記録した微小区域から再生される再生像に、前記回折格子を記録した微小区域からの回折光が重ならないように、前記回折格子のピッチが設定されていることを特徴とする光学構造体。
【請求項2】
前記レーザー光再生型ホログラムを記録した微小区域と前記回折格子を記録した微小区域とが相互に混在していることを特徴とする請求項1記載の光学構造体。
【請求項3】
レーザー光再生型ホログラムを記録した微小区域の群によって専有されている領域と、回折格子を記録した微小区域の群によって専有されている領域とが境界線を挟んで並列されてなる光学構造体において、前記境界線に近接する回折格子を記録した微小区域の大きさが前記境界線より離れた位置の回折格子を記録した微小区域の大きさより小さく設定されており、その大きさが小さくなった分微小区域間に隙間が設けられていることを特徴とする光学構造体。
【請求項4】
前記レーザー光再生型ホログラムが、原画像のフーリエ変換像の位相情報を多値化して深さとして記録されたホログラムからなることを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の光学構造体。
【請求項5】
前記レーザー光再生型ホログラムが、二光束干渉によるレリーフホログラムからなることを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の光学構造体。
【請求項6】
基材に請求項1〜5の何れか1項記載の光学構造体を有することを特徴とする真正性証明用記録体。
【請求項7】
請求項1〜5の何れか1項記載の光学構造体に対して、又は、請求項6記載の真正性証明用記録体が有する光学構造体に対して、コヒーレント光を照射し、再生された像を、予め準備された基準像と比較して異同の判定を行うことを特徴とする真正性の確認方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−334130(P2007−334130A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−167533(P2006−167533)
【出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】