説明

真空スキン包装

獣肉、魚、鶏肉、野菜または他の食品などの生鮮食料品を包装するための包装および方法が開示される。その包装は、特定の包装ガス透過度の要求条件を有するフィルムと、包装される物品が中に保持される骨組み要素と、を含む真空スキン包装を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装に関し、獣肉、魚、鶏肉、野菜または他の食品を収容する包装、およびこの改善された包装を使用して食品を包装する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生鮮食料品(perishable goods)は、空中浮遊生物と接触することによって、または表面上の生物と接触することによって、細菌、カビ等の微生物への曝露、および微生物による汚染を受けやすい。汚染は、腐敗を促進し、毒素を形成し、他の有害な影響を及ぼし得る。したがって、微生物との接触から食品を保護することが望ましい。フォイル、板紙および酸素遮断フィルムなどのガス不透過性材料におけるかかる生鮮食料品の包装は、微生物の汚染に対するバリアを提供することができる。
【0003】
しかしながら、ボツリヌス菌などの嫌気性生物は、非常に有毒な危険な食中毒である、ボツリヌス中毒の原因物質の強力な毒素を産生する。ボツリヌス菌は嫌気性生物であることから、フォイル、板紙および酸素遮断フィルムなどのガス不透過性材は、ボツリヌス毒素を非常に形成しやすい食品を包装するのには適していない。ボツリヌス菌の芽胞は耐熱性であり、食品を単に加熱することによって芽胞を殺滅することは不可能である。ボツリヌス菌の成長を最小限にするために、生鮮食料品の表面が酸素と接触する包装を提供することが必要である。したがって、鮮魚用の包装は、微生物および他の汚染に対する物理的バリアを提供しなければならず、さらに酸素透過性を提供しなければならない。
【0004】
ボツリヌス菌の汚染は、鮮魚において特に問題である。伝統的に、鮮魚は、ボツリヌス菌の成長、その結果として起こる毒素の形成を最小限にするために、大気に開放されている氷冷容器内で販売されていた。これまでは、かかる販売方法は、魚が捕られた水域付近の比較的狭い地理的領域に限定されていた。より広い流通のために、魚は慣習的に冷凍されてきた。
【0005】
現在の流通方法では、冷凍された魚よりも鮮魚を食べたいという、内陸領域の消費者の要求が高まっている。しかしながら、ボツリヌス中毒の危険性を最小限にするように鮮魚を包装することは困難である。ボツリヌス菌の成長および毒素の形成は、加工、貯蔵、および流通中に時間/温度を誤用した結果として生じ得る。場合によっては、危険な状態は、温度>70°Fで2時間と短い時間でも起こり、50〜70°Fで11時間、42〜50°Fで2日間、37.9〜41°Fで7日間で起こり得る。
【0006】
一般的な真空包装によって、通常の腐敗生物の成長が抑制されるが、酸素を遮断する条件下でそのようにすると、ボツリヌス菌の成長が抑制されない。したがって、酸素を遮断する条件下での真空包装は、ボツリヌス毒素が産生される可能性を増大し、消費者には受け入れられない。
【0007】
獣肉、魚、鶏肉、野菜または他の食品の包装では、包装品の外観または保存性に影響を及ぼさず、製造するのが比較的簡単かつ安価であり、さらに包装品を損傷から保護するのに十分に頑強である、包装中の包装品の比較的長い貯蔵寿命を提供することもまた望ましい。
【0008】
真空スキン包装は、多くの食品を包装する一般的な方法であり、その方法では、食品は包装材料で密着して包装され、実質的にすべての大気が排除される。より良く販売促進できるように包装の剛性を高めるために、食品はトレイに、または板紙台紙上に置かれる。場合によっては、冷凍魚などの包装品それ自体が十分に硬く、その他の硬い包装要素は必要ない。
【0009】
内容物の保存性および貯蔵寿命を高めるために、特定のガスを含有させる包装も知られている。一般に、これらの包装は、不要なガスに対する少なくとも部分的なバリアを提供するプラスチック材料から製造される。そのプラスチック材料は、包装内で発生したガスを逃すような材料である。他の公知のプラスチック材料は、特定のガスを透過させ、包装品の保存性を高める。例えば、米国特許第4,685,274号明細書;米国特許第4,840,271号明細書;米国特許第5,025,611号明細書;米国特許第5,103,618号明細書および米国特許第5,115,624号明細書を参照のこと。しかしながら、これらに開示されている包装は、ヘッドスペース内で保持することができるガスの体積が限定されている。
【0010】
鮮魚などのいくつかの食品は、嫌気性細菌の成長を防ぐために食品安全を確保するため、特定のガス透過性を有するフィルムで包装しなければならない。鮮魚の場合には、酸素が魚と接触するのを基材が妨げることから、板紙、ベースまたはトレイなどの基材の使用は、許容できない。
【0011】
米国食品医薬品局(FDA)のガイドラインでは、「10,000cc/m2/24時間以上のOTRを有する包装を酸素透過性であるとみなす」と規定している。かかるOTRは、新鮮な肉などの食品の包装に使用される一般的な発泡トレイでは達成できない。
【0012】
FDAガイドラインでもまた、「酸素透過性包装の使用は、空気がそこから搾り出される、深い容器での包装などの実行によって生じる酸素交換の制限を補わないだろう」と指摘している。酸素透過性に関するFDAガイドラインを満たさない場合には、危害分析重要管理点(HACCP)(Hazard Analysis of Critical Control Points)プラン、食品業界で広く使用されている品質保証協定を制定しなければならない。温度のモニタリングが必要であり、時間/温度指標(TTI)が運送用コンテナに付けられなければならない。温度の制御およびモニタリングは、流通網(distribution chain)の間に行うことができるが、包装された鮮魚が消費者に販売された後にそれを行うことは非現実的である。危険なレベルのボツリヌス毒素が産生され得る、時間および温度の組み合わせは、包装された鮮魚が販売された後に消費者が取り扱う間に容易に起こり得る。
【0013】
したがって、特定のガス透過性を有する真空スキン包装、ならびに包装品がその中に保持され、それによって包装に十分な剛性が付与されるが、内容物(つまり、包装品)と接触しない、骨組み要素を開発することが望まれる。食品は、十分な酸素を食品の表面と接触させるガス透過性フィルムとのみ接触する。嫌気性生物の成長を抑制するために、包装のヘッドスペース内の酸素を利用できる場合には、包装は、ガス不透過性材料で製造することができる。しかしながら、かかる包装のヘッドスペース内に十分な酸素を提供し、嫌気性生物の成長に対する長時間の保護を提供することは難しい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、生鮮食料品を収容することができる真空スキン包装を含み、その包装は、(a)ガス透過性スキン包装プラスチック材料の第1可撓性ウェブ;(b)生鮮食料品を取り囲むが、生鮮食料品と接触しない、1つ以上の剛性または半剛性骨組み要素;および(c)ガス透過性スキン包装プラスチック材料の第2可撓性ウェブ;を含むか、またはそれらから製造され、第1可撓性ウェブおよび第2可撓性ウェブを互いに密封止して、生鮮食料品を収容する。包装は、10,000cc/m2/24時間以上の酸素透過度(OTR)を有するガス透過性プラスチック材料を含むか、またはそれから製造することができる。
【0015】
本発明は、(a)第1可撓性ウェブの内面と接触した状態で、ガス透過性スキン包装プラスチック材料の第1可撓性ウェブ上に生鮮食料品を配置する段階;(b)生鮮食料品を取り囲むが、生鮮食料品と接触しないように、第1可撓性ウェブの内面と接触した状態で、1つ以上の剛性または半剛性骨組み要素を設置する段階;(c)第2可撓性ウェブの内面が、生鮮食料品、1つ以上の剛性または半剛性骨組み要素および第1可撓性ウェブの内面と接触するように、生鮮食料品および1つ以上の骨組み要素上にガス透過性スキン包装プラスチック材料の第2可撓性ウェブを設置する段階;(d)第1可撓性ウェブと第2可撓性ウェブを互いに封止して、1つ以上の骨組み要素および生鮮食料品を収容する段階;を含む、食品を包装する方法も含む。
【0016】
代替方法としては、その方法は、(a)第1可撓性ウェブの内面と接触した状態で、ガス透過性スキン包装プラスチック材料の第1可撓性ウェブ上に生鮮食料品を設置する段階;(b)第2可撓性ウェブの内面が、生鮮食料品および第1可撓性ウェブの内面と接触するように、生鮮食料品上にガス透過性スキン包装プラスチック材料の第2可撓性ウェブを設置する段階;(c)生鮮食料品を取り囲むが、生鮮食料品と接触しないように、第1可撓性ウェブの外面と接触し、かつ任意に第2可撓性ウェブの外面と接触した状態で、1つ以上の剛性または半剛性骨組み要素を設置する段階;(d)第1可撓性ウェブと第2可撓性ウェブを互いに封止して、生鮮食料品を収容する段階;を含み得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
ミクロン(μ)という用語は、ミリメートル(mm)の1/1000に等しい。ミクロンは時に、マイクロメートル(μm)と呼ばれる。ミルという用語は、1インチの1/1000または25.4ミクロンに等しい。
【0018】
「内面」という用語は、包装品と接触し、それが形成された後に包装内に含まれる、フィルムまたは包装ウェブの面を意味する。包装ウェブの内面は、その面の表面の一部が食品と接触し、その面の表面の他の部分が、封止が形成される領域にあることから、食品接触面とシーラント面のどちらの役割も果たす。
【0019】
「外面」という用語は、包装品と接触せず、かつそれが形成された後に包装の外側表面を提供する、フィルムまたは包装ウェブの面を意味する。
【0020】
生鮮食料品は、獣肉、魚、鶏肉、野菜またはその2種類以上の組み合わせであるが、所望の場合には、他の食材など他の種類の食料品を包装することができる。
【0021】
包装ウェブは、好ましくは10,000cc/m2/24時間以上のOTRを有する熱可塑性組成物のフィルムから製造することができる。
【0022】
フィルムのOTRは、フィルムの厚さ、およびその組成物の固有透過度に依存する。透過度は、温度、相対湿度、およびフィルムに当たるガスの圧力などの因子に依存する。一般に、OTRは、23℃、相対湿度50%、1気圧に標準化された標準条件を用いて計算される。
【0023】
小売陳列される包装の外観を良くするために、包装品の重量によって伸びない(つまり、耐クリープ性)フィルムを使用することも望ましい。
【0024】
本発明のこの態様の第1実施形態において、1つ以上の骨組み要素が、第1可撓性ウェブの内面と接触し、かつ第2可撓性ウェブの内面と接触した状態で、生鮮食料品を取り囲むが、接触しないように第1可撓性ウェブと第2可撓性ウェブとの間に介在され;第1可撓性ウェブおよび第2可撓性ウェブが、1つ以上の骨組み要素および生鮮食料品を収容するように互いに封止される。
【0025】
本発明のこの態様の第2実施形態において、1つ以上の骨組み要素が、第1可撓性ウェブの外面と接触し、かつ任意に第2可撓性ウェブの外面と接触した状態にあり、生鮮食料品を取り囲むが、生鮮食料品と接触せず;第1可撓性ウェブおよび第2可撓性ウェブが、生鮮食料品を収容するように互いに封止される。
【0026】
包装ウェブに適しているフィルムは、高いOTRを有する、メタロセンポリエチレン(mPE)(特に、0.91g/cc未満の密度を有するグレード、さらに特には0.89g/cc未満の密度を有するグレード)を含み得る。
【0027】
本発明で使用されるメタロセンポリエチレン(mPE)は、その酸素透過性が、包装ウェブに必要な必須の透過度を与えるのに十分に高いという前提で、当技術分野で一般に公知のかかるいずれかのポリエチレンであることができる。さらに具体的には、メタロセンポリエチレンは、0.91g/cc未満、好ましくは0.89g/cc未満の密度を有するべきであり、その密度では、23℃および相対湿度50℃での標準化OTRnは、約12,400cc−ミル/m2・日・気圧を超え、好ましくは20,000cc−ミル/m2・日・気圧を超えるだろう。そのブレンドが著しく高い透過度を保持するという条件で、これらのmPEは任意に、他の低結晶質ポリオレフィンまたは非晶質ポリエチレン(低密度ポリエチレン、LDPE;直鎖状低密度ポリエチレン、LLDPE;他のmPE等)とブレンドすることができる。加工を改善するために、この組成物はさらに、エチレン/酢酸ビニルコポリマーまたはエチレン/アルキル(メタ)アクリレートコポリマーなどのエチレンコポリマーを含み得る。また、組成物はさらに、無機カチオンで少なくとも部分的に中和された(つまり、イオノマー)エチレン/酸コポリマーを含み得る。
【0028】
例えば、0.89g/cc未満の密度および約20,000cc−ミル/m2・日・気圧を超えるOTRnを有する、厚さ2ミルのmPEフィルムは、10,000cc−ミル/m2/24時間のOTRを有するだろう。
【0029】
少なくとも部分的にカチオンで中和され(イオノマー)、かつ有機酸で改質されたエチレンコポリマーを含有する組成物もまた、高酸素透過性を有するフィルムの製造に適している。これらの組成物は、国際特許出願公開WO03/089240に詳細に記述されている。この公開には、改質イオノマーの少なくとも1つの層と、mPEの少なくとも1つの層とを含む、高酸素透過性を有する多層フィルムも記述されている。
【0030】
エチレンコポリマーは、エチレンコポリマーの全重量に対して、アクリル酸、アルキルアクリル酸、またはアルキルアクリレートなどの極性モノマーまたはその2種類以上の組み合わせ約5〜約50重量%、または約10〜約19重量%、または12〜15重量(wt%)から誘導される反復単位を含み得るポリマーである。アルキル基は、メチル、エチル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、およびその2種類以上の組み合わせなど、炭素原子約20個までを含有し得る。
【0031】
エチレンコポリマーは、任意のコモノマー、例えば一酸化炭素、二酸化硫黄、アクリロニトリル;無水マレイン酸、マレイン酸ジエステル、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、イタコン酸、フマル酸、フマル酸モノエステル、これらの酸の塩、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、およびグリシジルビニルエーテル、およびその2種類以上の組み合わせを35重量%まで含み得る。
【0032】
エチレンコポリマーの酸部位をカチオンで中和して、イオノマーが生成される。中和は例えば、金属イオンを用いて、カルボン酸総含有量に対して約0.1〜約100、または約10〜約90、または約20〜約80、または約20〜約40%の範囲である。金属イオンは、一価、二価、三価、多価、またはその2種類以上の組み合わせであることができる。
【0033】
イオノマーは、所望の程度の中和を達成するために、20%を超える中和を有するイオノマー、例えばエチレン(メタ)アクリル酸コポリマーのブレンドであることもできる。
【0034】
エチレンコポリマーの例としては、限定されないが、エチレン/メチルアクリレート(EMA)、エチレン/エチルアクリレート(EEA)、エチルアクリレート(EA)、エチレン/ブチルアクリレート(EBA)、エチレン/イソブチルアクリレート/メタクリル酸、エチレン/メチルアクリレート/無水マレイン酸、エチレン/ブチルアクリレート/グリシジルメタアクリレート(EBAGMA)およびエチレン/ブチルアクリレート/一酸化炭素(EBACO)、およびブチルアクリレート(BA)が挙げられる。
【0035】
市販のエチレンコポリマーの例としては、Surlyn(登録商標)、Nucrel(登録商標)、Appeel(登録商標)、Bynel(登録商標)、Elvaloy(登録商標)、およびElvax(登録商標)の商標を有する、E.I.du Pont de Nemours and Company(DuPont社),Wilmington,Delawareから市販のエチレンコポリマーが挙げられる。
【0036】
フィルム、多層フィルム、および相当するフィルム構造の製造法は、当技術分野で実施されているようないずれかの方法であることができる。フィルムおよびフィルム構造はそれ自体を、一般に種々の方法(例えば、ブロー成形フィルム、バブル技術、機械的延伸等、または貼合せ法)によって、配向(1軸または2軸的に)を含む、流延、押出し成形、共押出し成形等することができる。当技術分野で一般に使用されている様々な添加剤が、その存在が透過性フィルムまたはフィルム構造の特性を実質的に変化させないという条件で、結合層(tie layer)等のそれぞれのフィルム層中に存在することができる。かかる添加剤は、酸化防止剤および熱安定剤、紫外線(UV)光安定剤、顔料および染料、充填剤、滑止め剤、可塑剤、他の加工助剤等を含む。
【0037】
包装は、2つのガス透過性フィルムウェブを含む。2つのフィルムウェブは一般に、2つの個々のシートのフィルムである。そのウェブは、同一の組成および外観からなる。代替方法としては、一方のウェブは、もう一方のウェブと異なる。例えば、一方のウェブが透明であり、包装品を目に見えるようにすることができ、もう一方のウェブは、背景を提供するために不透明であり、かつ/または着色されている。ウェブの一方または両方に、デザイン、ロゴ、英数字を印刷して、包装に快い外観を提供し、かつ/または消費者に情報を提供することもできる。フィルムの単一のウェブをそれ自体に折り重ねて、2つの重なったウェブを提供することができ、あるいは、管の2つの重なり部分によって、2つのウェブに相当するフィルムが得られるように、フィルムの管を形成することができることは、当業者であれば理解することができる。
【0038】
包装は、ガス透過性包装フィルムの2つのウェブから製造することができる。フィルムウェブ間に包装の内容物を置き、真空にした後、2つのウェブの周囲を互いに接着することによって、好ましくはヒートシールすることによって、包装が形成される。ヒートシールされた包装の周囲は、当地術分野で一般に公知であり、実施されているように、ポリマーフィルムの第1および第2ウェブを重ね合わせ、次いで互いに直接ヒートシールするか、または介在する第3ポリマーフィルムを使用することによって間接的にそれらをヒートシールすることにより得ることができる。
【0039】
剛性または半剛性骨組み要素は、板紙またはポリエステルなどの熱可塑性組成物から製造される。
【0040】
骨組み要素は、それらが包装される品物を取り囲むが、品物に接触しないようなサイズである。例えば、限定されないが、骨組み要素は、長さ約10〜約30cm、幅約10〜約30cmの包装領域を定め、その領域中に包装される品物が置かれる。長方形領域に関して本明細書に一般に記載されているが、他の形状も想定することができる。
【0041】
骨組み要素は、包装の快い外観を提供するために、成形、エンボス加工、型押し等をすることができる。骨組み要素には、デザイン、ロゴ、英数字等を印刷して、包装に快い外観を提供し、かつ/または消費者に情報を提供することもできる。
【0042】
骨組み要素の一実施形態は、付形(shaped)周囲縁に同心開口部を設けるように形成された、一般に平らな1枚の板紙または熱可塑性組成物を含む。この実施形態は、一般に同一平面上で可撓性包装ウェブと接触し、額縁に使用されるマットに類似している。付形周囲は、例えば長方形である。その周囲の角は、正方形であるか、または角が取られている。同心開口部は、骨組み要素の形状のまわりに等しい寸法の縁を提供するように、より小さな寸法の同様な形状である。代替方法としては、開口部は、周囲に対する開口部の向きに応じて、異なる寸法を有する縁を提供するように、周囲形状と異なる形状であることができる。周囲および/または同心開口部に、長方形以外の形状を使用することができる。骨組み要素のこの実施形態の厚さは、約0.5mm〜約3mmである。縁の寸法は、周囲および同心開口部に考えられる形状およびサイズに応じて、約1cm〜約3cm、またはそれ以上である。
【0043】
骨組み要素の代替の実施形態は、それらが付形周囲縁の部分を形成するように形成された、1つ以上の一般に平らな板紙または熱可塑性組成物ストリップを含む。この実施形態のストリップは、一般に同一平面上で可撓性包装ウェブと接触する。例えば、それらの間に空間を有する2つのストリップを使用して、他の2つの側(例えば、長方形の短い寸法に沿った側)の寸法を提供する、ストリップ間の空間の距離と共に、長方形の2つの側(例えば、長方形の長い寸法に沿った側)が定められる。代替方法として、ストリップは、包装領域の周囲の他の部分を定める。例えば、角と、2つの隣接する側と、を含む付形周囲の一部を形成する。ストリップは、1つの側と、2つの角と、2つの隣接する側の部分と、を含む付形周囲の一部を形成する。ストリップは、長方形以外の形状を提供するように形成することもできる。例えば、ストリップは、曲線形状を提供する弧として形成することができる。ストリップは、包装領域に考えられる形状およびサイズに応じて、幅約1cm〜約3cm、またはそれ以上である。
【0044】
骨組み要素の代替の実施形態は、包装ウェブと一般に同一平面上にある包装領域を定めるように形成された、板紙または熱可塑性組成物の1つのストリップを含むが、包装ウェブの面に対して垂直な方向にかなりの寸法を有して包装容積も定める。
【0045】
上記で開示されるように、骨組み要素は、2つの可撓性包装ウェブの間に位置付けられ、または設置されて、包装領域を定め、包装内に密封される。この実施形態による包装は、(a)第1可撓性ウェブの内面と接触した状態で、ガス透過性スキン包装プラスチック材料の第1可撓性ウェブ上に生鮮食料品を配置する段階;(b)生鮮食料品を取り囲むが、生鮮食料品と接触しないように、第1可撓性ウェブの内面と接触した状態で、1つ以上の剛性または半剛性骨組み要素を設置する段階;(c)第2可撓性ウェブの内面が、生鮮食料品、1つ以上の剛性または半剛性骨組み要素および第1可撓性ウェブの内面と接触するように、生鮮食料品および1つ以上の骨組み要素上にガス透過性スキン包装プラスチック材料の第2可撓性ウェブを設置する段階;(d)1つ以上の骨組み要素および生鮮食料品を収容するように、第1可撓性ウェブおよび第2可撓性ウェブを封止する段階;によって製造することができる。
【0046】
段階(a)および(b)は、段階(b)の前に(a)が行われ、段階(a)の前に(b)が行われ、または同時に行われるように、行うことができる。
【0047】
本発明の包装の第2実施形態において、骨組み要素は、包装ウェブの一方または両方の外面と接触して位置付けられ、または設置され、かつ包装の外面上にある。
【0048】
この第2実施形態の一例は、同心開口部をその中に有する付形周囲縁を有する、一般に平らな1枚の板紙または熱可塑性組成物を含む骨組み要素が、ガス透過性ウェブの一方の外面に付着されている包装を含む。骨組み要素は、例えば、ホットメルト接着剤またはヒートシールなどの手段によって付着される。
【0049】
代替方法としては、骨組み要素は、開口部を有する付形周囲を提供するように、ガス透過性包装ウェブの周りに折り重ねることができる、一般に平らな1枚の板紙または熱可塑性組成物を含む。この実施例において、骨組み要素の一部が第1包装ウェブの外面に付着され、かつ骨組み要素の第2部分が第2包装ウェブの外面に付着される。
【0050】
この実施形態による包装は、(a)第1可撓性ウェブの内面と接触した状態で、ガス透過性スキン包装プラスチック材料の第1可撓性ウェブ上に生鮮食料品を配置する段階;(b)第2可撓性ウェブの内面が、生鮮食料品および第1可撓性の内面と接触するように、生鮮食料品上にガス透過性スキン包装プラスチック材料の第2可撓性ウェブを設置する段階;(c)生鮮食料品を取り囲むが、生鮮食料品と接触しないように、第1可撓性ウェブの外面と接触し、かつ任意に第2可撓性ウェブの外面と接触した状態で、1つ以上の剛性または半剛性骨組み要素を設置する段階;(d)生鮮食料品を収容するように、第1可撓性ウェブおよび第2可撓性ウェブを封止する段階;によって製造することができる。
【0051】
骨組み要素は包装の外部にあることから、骨組み要素の設置に関する段階(c)は、段階(a)の前、段階(b)の前、段階(d)の前、または段階(d)の後;または段階(a)または(b)の一方と同時に行われる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ガス透過性スキン包装プラスチック材料の第1可撓性ウェブ;(b)生鮮食料品を取り囲むが、生鮮食料品と接触しない、1つ以上の剛性または半剛性骨組み要素;および(c)ガス透過性スキン包装プラスチック材料の第2可撓性ウェブ;を含む、生鮮食料品を収容するための真空スキン包装であって、前記第1可撓性ウェブおよび前記第2可撓性ウェブが生鮮食料品を収容するために互いに封止される、真空スキン包装。
【請求項2】
前記ガス透過性プラスチック材料が、10,000cc/m2/24時間以上のOTRを有する、請求項1に記載の包装。
【請求項3】
前記ガス透過性プラスチック材料が、メタロセンポリエチレンを含む、請求項2に記載の包装。
【請求項4】
前記ガス透過性プラスチック材料が、少なくとも部分的に少なくとも1つのカチオンで中和されているか、少なくとも1種類の有機酸で改質されているか、またはその両方であるエチレン/酸コポリマーを含む、請求項2に記載の包装。
【請求項5】
前記1つ以上の骨組み要素が、前記第1可撓性ウェブの内面と接触し、かつ前記第2可撓性ウェブの内面と接触した状態で、生鮮食料品を取り囲むが、生鮮食料品と接触しないように、前記第1可撓性ウェブと前記第2可撓性ウェブとの間に介在し;前記第1可撓性ウェブおよび前記第2可撓性ウェブが、前記1つ以上の骨組み要素および生鮮食料品を収容するように互いに封止される、請求項2に記載の包装。
【請求項6】
前記1つ以上の骨組み要素が、前記第1可撓性ウェブの外面と接触し、かつ任意に前記第2可撓性ウェブの外面と接触した状態にあり、生鮮食料品を取り囲むが、生鮮食料品と接触せず;前記第1可撓性ウェブおよび前記第2可撓性ウェブが、生鮮食料品を収容するように互いに封止される、請求項2に記載の包装。
【請求項7】
(a)第1可撓性ウェブの内面と接触した状態で、ガス透過性スキン包装プラスチック材料の第1可撓性ウェブ上に生鮮食料品を配置する段階;(b)生鮮食料品を取り囲むが、生鮮食料品と接触しないように、前記第1可撓性ウェブの内面と接触した状態で、1つ以上の剛性または半剛性骨組み要素を設置する段階;(c)第2可撓性ウェブの内面が、生鮮食料品、前記1つ以上の剛性または半剛性骨組み要素および前記第1可撓性ウェブの内面と接触するように、生鮮食料品および前記1つ以上の骨組み要素上にガス透過性スキン包装プラスチック材料の第2可撓性ウェブを設置する段階;および(d)前記第1可撓性ウェブと前記第2可撓性ウェブを互いに封止して、前記1つ以上の骨組み要素および生鮮食料品を収容する段階;を含む、食料品を包装する方法。
【請求項8】
(a)第1可撓性ウェブの内面と接触した状態で、ガス透過性スキン包装プラスチック材料の第1可撓性ウェブ上に生鮮食料品を配置する段階;(b)第2可撓性ウェブの内面が、生鮮食料品および前記第1可撓性ウェブの内面と接触するように、生鮮食料品上にガス透過性スキン包装プラスチック材料の第2可撓性ウェブを設置する段階;(c)生鮮食料品を取り囲むが、生鮮食料品と接触しないように、前記第1可撓性ウェブの外面と接触し、かつ任意に前記第2可撓性ウェブの外面と接触した状態で、1つ以上の剛性または半剛性骨組み要素を設置する段階;および(d)前記第1可撓性ウェブと前記第2可撓性ウェブを互いに封止して、生鮮食料品を収容する段階;を含む、食料品を包装する方法。

【公表番号】特表2007−528328(P2007−528328A)
【公表日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502998(P2007−502998)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/007931
【国際公開番号】WO2005/087613
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】