説明

真空デバイスの製造方法と製造装置

【課題】酸化物カソードを備えた蛍光表示管の製造方法において、エミッションサイト数を増加させることのできるフィラメント活性化方法を提供すること。
【解決手段】トレー15には、アノード基板211とカソード基板212を離間して設置してある。トレー15は、焼成室111〜冷却室114を順次移動する。活性化・封止室113は、二酸化炭素ガスを導入して真空度(室圧)PをP1(50Pa)に設定し、時間t1にフィラメントの通電加熱を開始し、時間t2に排気を開始する。活性化・封止室113の真空度Pは、P2(10-2〜10-4Pa)まで排気して時間t3に通電を停止し活性化を終了する。活性化終了後、アノード基板211をカソード基板212のシール部23に圧着(接着)して封止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、蛍光表示管、CRT、光源、真空管等の酸化物カソードを備えた真空デバイスの製造方法と製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光表示管は、対向するアノード基板とカソード基板の間に介在するシール部(側面部材)とからなる気密容器内にカソード、制御電極、アノード電極等を配置してある。その蛍光表示管の製造装置の一つとして、インライン式製造装置が提案されている(特許文献1参照)。
インライン式製造装置は、焼成室、真空焼成室、活性化・封止室、冷却室からなり、各室は、ロードロックよって仕切られている。蛍光表示管を製造するときは、離間して対向するアノード基板とカソード基板の間に各種電極等を配置してトレー上に設置し、そのトレーを焼成室、真空焼成室、活性化・封止室、冷却室へ順次搬入して所定の処理を行う。活性化・封止室は、真空にしカソード(フィラメント)を通電加熱してカソードに被着した電子放出材料の炭酸塩を酸化物に変える、いわゆる活性化を行う。活性化後シール部を加熱溶融して両基板を圧着し封止する。
【0003】
【特許文献1】特開2006−331789号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来カソード(フィラメント)の炭酸塩は、例えば三元炭酸塩(Ba,Sr,Ca)CO3が用いられているが、三元炭酸塩は、活性化すると(Ba,Sr,Ca)Oとなり、一部のBaOは、遊離Baとなり、いわゆるエミッションサイト(電子放出源)を生成する。カソードの電子放出量を多くするには、遊離Baを多くしエミッションサイト数を多くする必要がある。
本願発明者は、エミッションサイト数を多くするため、従来のフィラメントの活性化について種々実験し研究した結果、従来は真空中で活性化するため遊離Baの一部は、カソード周辺の雰囲気ガス(水分等)と反応して水酸化物や酸化物になってしまいエミッションサイト数の増加に寄与しないことが分かった。
本願発明は、その点に鑑み、遊離Baの水酸化物や酸化物を抑制してエミッションサイト数を多くすることのできるカソードの活性化方法を提供し、電子放出量の多い酸化物カソードを備えた真空デバイスの製造方法と製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明は、その目的を達成するため、請求項1に記載の真空デバイスの製造方法は、離間して対向する第1基板とシール部を形成した第2基板及び両基板間に配置した少なくとも芯材に電子放出材料の炭酸塩を被着したカソードとアノード電極を焼成する焼成工程、焼成後二酸化炭素ガスを導入しカソードを通電加熱して電子放出材料の炭酸塩を活性化しその後シール部を加熱溶融して第1基板をシール部に圧着し封止する活性化・封止工程、封止後冷却する冷却工程からなることを特徴とする。
請求項2に記載の真空デバイスの製造方法は、請求項1に記載の真空デバイスの製造方法において、焼成工程、活性化・封止工程及び冷却工程は、共通の1個の室内で行うことを特徴とする。
請求項3に記載の真空デバイスの製造方法は、請求項1又は請求項2に記載の真空デバイスの製造方法において、活性化・封止工程において導入する二酸化炭素ガス圧は、10Pa以上であることを特徴とする。
請求項4に記載の真空デバイスの製造方法は、請求項3に記載の真空デバイスの製造方法において、活性化・封止工程は、活性化の際活性化と二酸化炭素ガスの排気を平行して行うことを特徴とする。
請求項5に記載の真空デバイスの製造装置は、離間して対向する第1基板とシール部を形成した第2基板及び両基板間に配置した少なくとも芯材に電子放出材料の炭酸塩を被着したカソードとアノード電極を焼成する焼成室、焼成後二酸化炭素ガスを導入しカソードを通電加熱して電子放出材料の炭酸塩を活性化しその後シール部を加熱溶融して第1基板をシール部に圧着し封止する活性化・封止室、封止後冷却する冷却室からなることを特徴とする。
請求項6に記載の真空デバイスの製造装置は、請求項5に記載の真空デバイスの製造装置において、焼成室、活性化・封止室及び冷却室は、共通の1個の室からなることを特徴とする。
請求項7に記載の真空デバイスの製造装置は、請求項5又は請求項6に記載の真空デバイスの製造装置において、活性化・封止室に導入する二酸化炭素ガス圧は、10Pa以上であることを特徴とする。
請求項8に記載の真空デバイスの製造装置は、請求項7に記載の真空デバイスの製造装置において、活性化・封止室は、活性化の際活性化と二酸化炭素ガスの排気を平行して行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本願発明は、電子放出材料の炭酸塩を活性化して酸化物カソードを形成する際、活性化・封止室に二酸化炭素ガスを導入するから、活性化よって生成した遊離Baは、水酸化物や酸化物へ変化することがない。したがって本願発明によって活性化したカソードは、従来の真空中で活性化したカソードよりもエミッションサイト数が多くなり、熱電子放出量が多くなる。また本願発明によって活性化したカソードは、カソード電圧(フィラメント電圧)に対するカソード電流の立上がり特性がよくなり、カソード電圧(フィラメント電圧)に対するアノード電流の経時特性もよくなる。
本願発明は、活性化・封止室に導入する二酸化炭素ガスのガス圧を10Pa以上に設定することにより、カソードの活性化の効果を一層高くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1〜図3に基づいて本願発明の実施の形態を説明する。なお各図に共通の部分は、同じ符号を使用している。
【0008】
図1は、本願発明の実施の形態に係る蛍光表示管のインライン式製造装置のブロック図(図1(a))、各室の加熱温度(図1(b))、活性化・封止室の真空度(図1(c))を示す。
図1(a)は、トレー15を焼成室111に搬入した状態を示す。トレー15には、アノード基板211とシール部23を形成したカソード基板212を位置合わせし、冶具(図示せず)により両基板を離間した状態で設置してある。
【0009】
焼成室111は、加熱手段(図示せず)により300〜400℃に加熱して、大気焼成、窒素(N2)ガス焼成、真空焼成を行う。窒素ガスは、ガス供給手段121から導入する。そして焼成中、排気手段131によって排気する。
次にロードロック141を開き、搬送手段(図示せず)によってトレー15を真空焼成室112へ搬入してロードロック141を閉じる。真空焼成室112は、真空中(10-4〜10-5Pa程度)で、加熱手段によって400〜500℃に加熱し、アノード基板、カソード基板、シール部、電極等の脱ガスを行う。その間排気手段132によって排気する。
【0010】
次にロードロック142を開き、搬送手段によってトレー15を活性化・封止室113へ搬入し、ロードロック142を閉じてフィラメントの活性化を行う。活性化・封止室113は、加熱手段によって300〜400℃に加熱するとともに、ガス供給手段122から二酸化炭素(CO2)ガスを同室に導入し、図1(c)のように、真空度(室圧)PをP1(例えば50Pa)に設定する。時間t1に、フィラメントに所定の電圧を印加して通電加熱を開始する(約1000℃になる)。フィラメントは、タングステン等の芯線に三元炭酸塩(Ba,Sr,Ca)CO3を被着してある。通電加熱を開始すると、フィラメントからガスが発生するため活性化・封止室113の真空度(室圧)Pは、少し高くなる。時間t2に、排気手段133によって排気を開始し、所定時間後に真空度P2(例えば10-2〜10-4Pa)まで排気し、所定時間t3に通電を停止して活性化を終了する。
二酸化炭素ガスの導入後フィラメントの通電加熱を開始してフィラメントの活性化を開始してから、通電加熱を停止するまで、フィラメントの活性化と二酸化炭素ガスの排気は、平行して行う。
【0011】
その活性化の過程において(Ba,Sr,Ca)CO3は、CO2+(Ba,Sr,Ca)Oとなり、酸化物に熱分解する。そしてBaOは、フィラメントのタングステンに還元されて遊離Baとなり、エミッションサイトが生成する、即ち活性化が行なわれる。その活性化の際、活性化・封止室113は、従来のように真空でなく、二酸化炭素ガスを導入するため、遊離Baの一部が水酸化物化したり、酸化物化したりすることがない。したがって従来のように真空中で活性化する場合よりもエミッションサイト数を多く生成することができる。
【0012】
活性化が終了すると、アノード基板211を押圧手段(図示せず)によってカソード基板212のシール部23に押付け、シール部23を加熱溶融(軟化)してアノード基板211をシール部23に圧着(接着)して封止する。即ちアノード基板211、シール部23及びカソード基板212からなる気密容器を形成し、気密容器中にフィラメント、アノード電極等を内蔵した蛍光表示管を作製する。
次にロードロック143を開き、搬送手段によってトレー15を冷却室114へ搬入してロードロック143を閉じる。冷却室114は、ガス供給手段123によって窒素ガスを導入し、300〜400℃から室温まで徐々に冷却する。その間排気手段134によって排気する。冷却後トレー15は、室外へ搬出して蛍光表示管を外す。
冷却した蛍光表示管は、ゲッターを活性化し残留ガスを吸収して完成する。
なおシール部23とカソード基板212の間には、シール部23の高さを調整するための(完成した蛍光表示管のアノード基板211とカソード基板212の間隔を調整するための)台座、枠材等を形成してもよい。
【0013】
図2は、図1のインライン式製造装置を用いて製造する蛍光表示管の構成を示し、大形の2枚の基板を用いて一度に複数の蛍光表示管を製造する、いわゆる多連(多数個取)蛍光表示管の例で、図2は、3連蛍光表示管を示す。
図2(a1)は、平面図であり、図2(a2)は、図2(a1)のX1部分の矢印方向の断面図であり、図2(a3)は、図2(a1)のX2部分の矢印方向の断面図である。図2(b1)は、図2(a1)においてアノード基板を外した状態の平面図であり、図2(b2)は、その外したアノード基板の平面図である。
【0014】
3連蛍光表示管2は、対向するアノード基板(第1基板)211、カソード基板(第2基板)212からなり、両基板は、蛍光表示管221,222,223の気密容器を構成するシール部23によって接着されている。アノード基板211には、蛍光体を被着したアノード電極Aを形成してあり、カソード基板212には、カソード配線導体24、配線導体W1,W2を形成してある。カソード配線導体24には、フィラメント取付部材25を固着してあり、そのフィラメント取付部材25には、フィラメントFを取付けてある。蛍光表示管221,222,223のカソード配線導体24は、共通の配線導体W1,W2に接続している。
なお図2において、アノード基板(第1基板)とカソード基板(第2基板)の第1基板と第2基板の関係は、逆でもよい。また図2の蛍光表示管221,222,223は、2極管構造であるが、制御電極を設けた3極管等の多極管構造であってもよい。
【0015】
図3は、図1のインライン式製造装置により、図2の3連蛍光表示管2を製造するときの製造工程を示す。
まず工程S1において、カソード基板212にアルミニウム膜からなる配線導体W1,W2、カソード配線導体24を形成し、カソード配線導体24にフィラメント取付部材25を固着し、フィラメント取付部材25にフィラメントFを取付ける。そしてカソード基板212にガラスペースト(例えばフリットガラス)を印刷してシール部23を形成する。
なおシール部23の下(シール部23とカソード基板212の間)には、完成した蛍光表示管のアノード基板211とカソード基板212の間隔(ギャップ)を大きくするため(或いは調整するため)、適当な厚さの台座、枠材等をあらかじめ形成しておいてもよいし、同時に形成してもよい。
【0016】
次に工程S2において、トレー15に、カソード基板212とアノードAを形成したアノード基板211を位置合せし両基板を離間して(アノード基板211をシール部23から離して)設置し、そのトレー15を焼成室111に搬入して大気焼成、窒素ガス焼成、真空焼成を行う。
次に工程S3において、トレー15を真空焼成室112へ搬入して真空焼成を行ない、アノード基板、カソード基板、シール部、電極等の脱ガスを行う。
【0017】
次に工程S41において、トレー15を活性化・封止室113へ搬入し、例えばガス圧50Paの二酸化炭素(CO2)ガスを同室へ導入し、配線導体W1,W2に電源31を接続してフィラメントFのタングステン等の芯線を通電加熱するとともに、所定の時間をかけて真空に近い、例えば10-2〜10-4Paまで排気して、芯線に被着した三元炭酸塩(Ba,Sr,Ca)CO3を活性化する。通電加熱により三元炭酸塩(Ba,Sr,Ca)CO3は、二酸化炭素ガス雰囲気中で熱分解して、酸化物(Ba,Sr,Ca)Oとなり、BaOは、遊離Baとなりエミッションサイトを生成する。その活性化は、二酸化炭素ガス雰囲気中で行うから、遊離Baが水酸化物や酸化物に変わることがない。したがって生成したエミッションサイト数は、減少しない。
二酸化炭素ガスの導入後フィラメントの活性化終了まで活性化と二酸化炭素ガスの排気は、平行して行う。
【0018】
次に工程S42において、フィラメントFの活性化後、活性化・封止室113において、アノード基板211をシール部23に押付けてシール部23を加熱溶融(軟化)し、アノード基板211をシール部23に圧着(接着)して封止する。
次に工程S5において、トレー15を冷却室114へ搬入して室温まで徐々に冷却する。冷却後トレー15は、室外へ搬出し、3連蛍光表示管2のゲッターを活性化して残留ガスを吸収する。
次に工程S6において、3連蛍光表示管2を線L11〜L14、線L21,22の部分で切断して、蛍光表示管221,222,223に分割して3個の蛍光表示管を作製する。
【0019】
ここで図4、図5により、図1のインライン式製造装置1を用いて製造した蛍光表示管について、フィラメントの活性化の際、活性化・封止室113に二酸化炭素ガスを導入した場合と導入しない場合の特性試験の結果について説明する。
【0020】
図4(a)は、アノード電圧に対するカソード電流特性(アノード電圧に対するフィラメントの熱電子放出特性)を示す。図において、a1,a2は、活性化・封止室に50Pa,10Paの二酸化炭素ガスを導入して活性化した蛍光表示管の熱電子放出特性を示し、a3は、従来の真空中で活性化した蛍光表示管の熱電子放出特性を示す。
熱電子の放出量は、活性化の際二酸化炭素ガスを導入すると多くなり、かつ二酸化炭素ガス圧が高くなるほど多くなる。なお図4(a)の二酸化炭素ガス圧は、50Paまで図示してあるが、大気圧程度まで導入しても同様の効果が得られる。
【0021】
図4(b)は、フィラメント電圧に対するカソード電流特性を示し、b1は、活性化・封止室に50Paの二酸化炭素ガスを導入して活性化した蛍光表示管のカソード電流特性を示し、b2は、従来の真空中で活性化した蛍光表示管のカソード電流特性を示す。
カソード電流特性(b1)は、カソード電流(b2)よりも立上がり特性がよい。即ちフィラメントの活性化の際、二酸化炭素ガスを導入すると、カソード電流の立上がり特性がよくなる。
【0022】
図5は、フィラメント電圧に対するアノード電流特性について、フィラメントの点灯開始時のアノード電流特性と85℃の恒温槽中で96時間放置後のアノード電流特性を示し、図5(a)は、活性化・封止室に50Paの二酸化炭素ガスを導入して活性化した蛍光表示管のアノード電流特性を示し、図5(b)は、従来の真空中で活性化した蛍光表示管のアノード電流特性を示す。図において、実線は、フィラメントの点灯開始時のアノード電流特性を示し、破線は、96時間放置後のアノード電流特性を示す。
図5(a)と図5(b)のアノード電流特性を比較すると、図5(a)のアノード電流特性は、85℃の恒温放置試験後も点灯開始時と略同じであるが、図5(b)のアノード電流特性は、その試験後の特性が悪くなる。
【0023】
以上のように図1のインライン式製造装置を用いて蛍光表示管を製造するとき、活性化・封止室に二酸化炭素ガスを導入した場合には、導入しない場合に比べて、フィラメントの熱電子放出特性、フィラメント電圧に対するカソード電流の立上がり特性、及びフィラメント電圧に対するアノード電流の経時特性のいずれもがよくなる。
【0024】
前記実施例は、焼成室、真空焼成室、活性化・封止室及び冷却室が夫々独立している、いわゆるインライン式製造装置について説明したが、共通の1個の室を用い室内の雰囲気を変えて使用する、いわゆるバッチ式製造装置の場合にも、インライン式製造装置と同様の効果を奏することができる。
前記実施例は、カソードとしてフィラメントについて説明したが、フィラメントに限らず、膜状又は板状の芯材に電子放出材料の炭酸塩を被着したカソードであってもよい。
前記実施例は、蛍光表示管について説明したが、蛍光表示管の外、CRT、光源、真空管等の酸化物カソード電極を備えた真空デバイスであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本願発明の実施の形態に係るインライン式製造装置の構成を示す。
【図2】図1のインライン式製造装置を用いて製造する蛍光表示管の構成を示す。
【図3】図2の蛍光表示管を、図1のインライン式製造装置により製造するときの工程を示す。
【図4】二酸化炭素ガスを導入して活性化した蛍光表示管と二酸化炭素ガスを導入しないで活性化した蛍光表示管のアノード電圧に対するカソード電流特性、フィラメント電圧に対するカソード電流特性を示す。
【図5】二酸化炭素ガスを導入して活性化した蛍光表示管と二酸化炭素ガスを導入しないで活性化した蛍光表示管のフィラメント電圧に対するアノード電流の経時特性を示す。
【符号の説明】
【0026】
1 インライン式製造装置
111 焼成室
112 真空焼成室
113 活性化・封止室
114 冷却室
121〜123 ガス供給手段
131〜134 排気手段
141〜143 ロードロック
2 3連蛍光表示管
211 アノード基板
212 カソード基板
221〜223 蛍光表示管
23 シール部
24 カソード配線導体
25 フィラメント取付部材
A アノード電極
F フィラメント
W1,W2 配線導体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
離間して対向する第1基板とシール部を形成した第2基板及び両基板間に配置した少なくとも芯材に電子放出材料の炭酸塩を被着したカソードとアノード電極を焼成する焼成工程、焼成後二酸化炭素ガスを導入しカソードを通電加熱して電子放出材料の炭酸塩を活性化しその後シール部を加熱溶融して第1基板をシール部に圧着し封止する活性化・封止工程、封止後冷却する冷却工程からなることを特徴とする真空デバイスの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の真空デバイスの製造方法において、焼成工程、活性化・封止工程及び冷却工程は、共通の1個の室内で行うことを特徴とする真空デバイスの製造方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の真空デバイスの製造方法において、活性化・封止工程において導入する二酸化炭素ガス圧は、10Pa以上であることを特徴とする真空デバイスの製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の真空デバイスの製造方法において、活性化・封止工程は、活性化の際活性化と二酸化炭素ガスの排気を平行して行うことを特徴とする真空デバイスの製造方法。
【請求項5】
離間して対向する第1基板とシール部を形成した第2基板及び両基板間に配置した少なくとも芯材に電子放出材料の炭酸塩を被着したカソードとアノード電極を焼成する焼成室、焼成後二酸化炭素ガスを導入しカソードを通電加熱して電子放出材料の炭酸塩を活性化しその後シール部を加熱溶融して第1基板をシール部に圧着し封止する活性化・封止室、封止後冷却する冷却室からなることを特徴とする真空デバイスの製造装置。
【請求項6】
請求項5に記載の真空デバイスの製造装置において、焼成室、活性化・封止室及び冷却室は、共通の1個の室からなることを特徴とする真空デバイスの製造装置。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の真空デバイスの製造装置において、活性化・封止室に導入する二酸化炭素ガス圧は、10Pa以上であることを特徴とする真空デバイスの製造装置。
【請求項8】
請求項7に記載の真空デバイスの製造装置において、活性化・封止室は、活性化の際活性化と二酸化炭素ガスの排気を平行して行うことを特徴とする真空デバイスの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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