説明

真空支援シリンジ充填

相互接続された管類セット(110)およびシリンジ(126、127)からの空気の真空支援除去および後続の流体による充填を可能にする多投与注入システム(108)を開示する。注入システム(108)は、患者に投与する流体の1つ以上のボトル(118、120)を保持するように動作可能なバルク流体容器ホルダモジュール(116)を含み得る。ホルダモジュール(116)は、選択的に管類セット(110)に流体的に相互接続可能である真空源(240)を含み得る。空気は、真空源(240)を管類セット(110)へ流体的に相互接続することによって、管類セット(110)およびシリンジ(126、127)から除去され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/167,549号(名称「VACUUM ASSIST SYRINGE FILLIMG」、2009年4月8日出願)の優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、自動注入器に関し、より具体的には、自動注入器および関連管類から空気を除去するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
種々の医療手技は、1つ以上の医療流体が患者に注入されることを要求する。例えば、医療撮像手技は、しばしば、おそらく生理食塩水および/または他の流体とともに、患者への造影剤の注入を伴う。他の医療手技は、治療目的で患者に1つ以上の流体を注入することを伴う。これらの種類の用途には、自動注入器が使用され得る。
【0004】
自動注入器は、概して、一般的に、パワーヘッドと呼ばれるものを含む。1つ以上のシリンジが、種々の様式で(例えば、着脱可能に、後方装填式、前方装填式、側面装填式)パワーヘッドに搭載されてもよい。各シリンジは、一般的には、シリンジプランジャ、ピストン等として特徴付けられ得るものを含む。シリンジドライバの操作が、シリンジの外筒の内側で、およびそれに対して、関連シリンジプランジャを軸方向に前進させるように、それぞれのそのようなシリンジプランジャは、パワーヘッドに組み込まれる適切なシリンジドライバと界面接触する(例えば、接触および/または一時的に相互接続する)ように設計される。1つの一般的なシリンジドライバは、ネジ山付き主ネジまたは駆動ネジに搭載される、ラムの形態である。1つの回転方向への駆動ネジの回転が、1つの軸方向に関連ラムを前進させる一方で、反対の回転方向への駆動ネジの回転は、反対の軸方向に関連ラムを前進させる。
【0005】
自動注入器によって使用されるシリンジを分類する方法の1つは、流体で充填または装填される様式である。自動注入器シリンジは、事前充填されてもよく、すなわち、シリンジは、ある施設において、流体で充填され、次いで、別の施設(例えば、最終用途施設)に出荷される。空のシリンジが、最終用途施設に出荷され、次いで、少なくとも2つの一般的様式において、流体で充填されてもよい。空のシリンジが、最終用途施設(例えば、充填所)内のある場所において、流体で充填され、次いで、最終用途施設(例えば、撮像室)内の別の場所に移送されてもよく、そこで、次いで、流体含有シリンジが、自動注入器に設置される。代替として、空のシリンジは、最終用途施設(例えば、撮像室)において、自動注入器に設置され、次いで、流体で装填または充填されてもよい。
【0006】
個々の空のシリンジは、上述に従って、バルク供給容器として特徴付けられ得るものから充填されてもよい。この場合、シリンジは、単独患者における単回注入のために使用される。この単回注入後にシリンジ内に残留する一切の造影剤は、別の注入のために使用されることはできず、したがって無駄になる。さらにまた、自動注入器から患者へと延長する管類セット全体も(1つ以上の弁およびカテーテル等、管類セットに組み込まれ得る、種々の構成要素を含む)廃棄される。
【0007】
自動注入器を使用して患者に流体を注入する前に、自動注入器、関連シリンジ、および関連管類は、空気抜きされてもよい。これは、システム内部の空気の少なくともほとんどが出口ポート(例えば、自動注入器に関連するシリンジと相互接続される管類セットの遠位端)を経てシステム外へ押し出されるまで、通常操作中に作動される方式に類似した様式で自動注入器を作動することによって達成されてもよい。次いで、出口ポートは患者に挿入されたカテーテルへ相互接続されてもよく、次いで、流体注入が開始してもよい。一般的に、空気抜き操作の完了前に、出口ポートの外へ押し出された流体はすべて廃棄される(つまり、患者に注入されない)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面は、医療流体送達システムによって具現化される。医療流体送達システムは、注入デバイスと、第1の流体(例えば、医療撮像手技で使用するための造影剤)源と、患者の体内に挿入され、かつ流体的に相互接続されるように動作可能な流体出口ポートと、真空源とを含む。注入デバイスは、第1の流体源に選択的に流体的に相互接続可能である。注入デバイスは、真空源に選択的に流体的に相互接続可能である。注入デバイスは、流体出口ポートに流体的に相互接続される。
【0009】
本明細書で使用されるように、「流体源」等の語句は、医療流体送達システムによって使用するための流体を供給するために使用されてもよい、任意の適切な容器または源を指す。そのような容器または源として、例えば、ボトルまたは流体バッグが挙げられてもよい。
【0010】
本明細書で使用されるように、「流体的に相互接続された」等の語句は、その間で(例えば、一方向に、または双方向に)流動できるような様式で、(直接または間接的に)接続されている2つ以上の構成要素または実体を指す。例えば、「患者と流体的に相互接続される注入デバイス」とは、流体が、注入デバイスから任意の相互接続デバイス((例えば、管類、コネクタ)を通って患者の中に(例えば、患者の血管系の中に)流動するように動作可能である構成を表す。
【0011】
本明細書に使用されるように、「選択的に流体的に相互接続可能」とは、構成要素が(直接的または間接的(例えば、管類等の中間流体経路を通って)のいずれかで)相互接続され、かつ構成要素が流体的に相互接続されるかどうかが選択可能である、構成要素間の関係を表す。例えば、2つの構成要素が各々管に接続され、管が、流体が管を通過することを阻止するかまたは可能にするかのいずれかを動作可能な弁を有する場合、「選択的に流体的に相互接続可能」である。そのような実施例において、2つの構成要素が流体的に相互接続されているかどうかは、弁の位置(オンまたはオフのいずれか)の選択によって決定されてもよい。弁の位置の選択は、自動(例えば、医療流体送達システムの制御下にあるアクチュエータによって)および/または手動で選択されてもよい。
【0012】
本発明の第2の側面は、医療流体送達システムによって具現化される。第2の側面の医療流体送達システムは、シリンジを含む注入デバイスと、第1の流体(例えば、医療撮像手技で使用するための造影剤)源と、真空源と、管類セットと、制御論理とを含む。管類セットは、シリンジ、第1の流体源、および真空源の各々と流体的に相互接続され、患者と流体的に相互接続可能である。制御論理は、いずれも流体装填操作のために第1の流体源をシリンジに流体的に相互接続する前に、管類セットを通して真空源およびシリンジを流体的に相互接続し、真空源を操作するように構成される。
【0013】
いくつかの特徴の改良および追加の特徴が、本発明の上述の第1および第2の側面のそれぞれに適用可能である。これらの特徴の改良および追加の特徴は、第1および第2の側面のそれぞれに対して、個別にまたは任意の組み合わせで使用されてもよい。そのようなものとして、論議される以下の特徴のそれぞれは、任意の他の特徴、または第1および第2の側面のそれぞれの特徴の組み合わせとともに使用されてもよいが、そのように要求はされない。以下の論議は、本発明の第3の側面の論議の開始まで、第1および第2の側面それぞれに適用可能である。
【0014】
第1および/または第2の側面の医療流体送達システムの実施形態は、第1の弁を含んでもよい。第1の弁は、第1、第2、および第3のポートを含んでもよい。第1の弁の第1のポートは、注入デバイスの第1のシリンジに流体的に相互接続されてもよい。第1の弁の第2のポートは、真空源に流体的に相互接続されてもよい。第1の弁の第3のポートは、第1の流体源に流体的に相互接続されてもよい。弁が第1の位置にあるとき、第1の弁の第1のポートは、第1の弁の第2のポートに流体的に相互接続されてもよく、第1の弁の第3のポートは、第1の弁の第1および第2の両方のポートから流体的に隔離されてもよい。これに対して、第1の弁が第2の位置にあるとき、第1の弁の第1のポートは、第1の弁の第3のポートに流体的に相互接続されてもよく、第1の弁の第2のポートは、第1の弁の第1および第3の両方のポートから流体的に隔離されてもよい。第1の弁はまた、第3の位置に位置付けられるように動作可能であってもよい。第1の弁の第3の位置において、第1の弁の第1、第2、および第3のポートの各々は、第1の弁の第1、第2、および第3のポートの他の全てのポートから流体的に隔離されてもよい。
【0015】
本明細書に使用されるように、「流体的に隔離される」という語句は、流体が、少なくとも一時的に、構成要素または実体間を流動するように動作不可能である、構成要素または実体間の関係を表す。例えば、第1の弁の第1および第3のポートが互いに流体的に隔離される場合、第1のポートに位置するおよび/またはそれを通って流動する流体は、第3のポートへ流動するように動作不可能である。そのような流動の不能は、2つのポート間のそのような流動を防止するように設定されている弁に起因するものであってもよい。
【0016】
医療流体送達システムのいくつかの実施形態は、第2の弁を含んでもよい。第2の弁は、第1、第2、および第3のポートを含んでもよい。第2の弁の第1のポートは、注入デバイスの第2のシリンジに流体的に相互接続されてもよい。第2の弁の第2のポートは、真空源に流体的に相互接続されてもよい。第2の弁の第3のポートは、第2の流体(例えば、生理食塩水または他のフラッシング媒体)源に流体的に相互接続されてもよい。第2の弁が第1の位置にあるとき、第2の弁の第1のポートは、第2の弁の第2のポートに流体的に相互接続されてもよく、第2の弁の第3のポートは、第2の弁の第1および第2の両方のポートから流体的に隔離されてもよい。これに対して、第2の弁が第2の位置にあるとき、第2の弁の第1のポートは、第2の弁の第3のポートに流体的に相互接続されてもよく、第2の弁の第2のポートは、第2の弁の第1および第3の両方のポートから流体的に隔離されてもよい。第2の弁はまた、第3の位置に位置付けられるように動作可能であってもよい。第2の弁の第3の位置において、第2の弁の第1、第2、および第3のポートの各々は、第2の弁の第1、第2、および第3のポートの他の全てのポートから流体的に隔離されてもよい。
【0017】
医療流体送達システムは、第1の流体源と第1の弁との間で流体経路に沿った第1の場所に配置されるセンサを含んでもよい。センサは、第1の場所での流体の不在を検出するように動作可能であってもよい。センサは、超音波、光学式、容量式、ホール効果、および/または任意の他の適切な種類を含むがこれらに限定されない、任意の適切な構成であってもよい。いくつかの実施形態において、医療流体送達システムは、第2の流体源と第2の弁との間で流体経路に沿って配置される、第2の同様に構成されたセンサを含んでもよい。
【0018】
医療流体送達システムの実施形態は、第1の流体源を第1のシリンジから隔離する一方で、真空源を第1のシリンジに流体的に相互接続するように第1の弁を作動し、流体的に相互接続された第1のシリンジに真空を印加するように真空源を起動するように構成される、第1の制御論理を含んでもよい。さらに、第1の制御論理は、真空源を起動した後、真空源を第1のシリンジから隔離する一方で、第1の流体源を第1のシリンジに流体的に相互接続するように、第1の弁を作動するように構成されてもよい。第1の制御論理は、第1の流体源が第1のシリンジに流体的に相互接続されている間に、第1の流体源から第1のシリンジへ、流体出口ポートを通って、さらに患者の血管系の中へ流体を送達するように、医療流体送達プロトコルを実行するように構成されてもよい。患者の血管系内部で、流体は患者の流体と混合する。
【0019】
医療流体送達システムは、真空源を第1のシリンジに流体的に相互接続するように第1の弁を作動し、流体的に相互接続された第1のシリンジに真空を印加するように真空源を起動するように構成される、第2の制御論理を含んでもよい。第2の制御論理は、次いで、真空源を第1から隔離する一方で、第1の流体源を第1のシリンジに流体的に相互接続するように第1の弁を作動してもよい。第1の流体源を第1のシリンジに流体的に相互接続した後、第2の制御論理は、第1の流体源から第1の容量の流体を第1のシリンジに装填するように注入デバイスのモータを駆動し、次いで、流体出口ポートを通して第1の容量を注入するように注入デバイスのモータを駆動してもよい。その次に、第2の制御論理は、第1の流体源から第2の容量の流体を第1のシリンジに装填するように注入デバイスのモータを駆動し、次いで、流体出口ポートを通して第2の容量を注入するように注入デバイスのモータを駆動してもよい。
【0020】
実施形態において、流体出口ポートは、カニューレの開放端の形態であってもよい。カニューレの開放端は、患者の血管系の中へ挿入されてもよい。医療送達システムからの流体が患者の流体と混合してもよいように、医療流体送達システムからの流体は、患者の血管系の中へ挿入されてもよい。
【0021】
医療送達システムには管類セットが含まれてもよい。管類セットは、注入デバイスに流体的に相互接続されてもよい。実施形態において、医療流体送達システムは、管類セットから第1の流体源を隔離する一方で、管類セットを真空源に流体的に相互接続するように動作可能な弁類と、管類セットから真空源を隔離する一方で、管類セットを第1の流体源に流体的に相互接続するように動作可能な弁類とを含んでもよい。実施形態において、管類セットは、注入デバイスと流体出口ポートとの間の管類セットに沿って配置される第1の一方向弁を含んでもよい。第1の一方向弁は、流体出口ポートから注入デバイスへの流体の流動を防止する一方で、注入デバイスから流体出口ポートへの流体の流動を可能にするように配置されてもよい。
【0022】
本発明の第3の側面は、医療流体送達システム用の操作方法によって具現化される。この方法において、真空源は、管類セットおよび注入デバイスのシリンジの両方に流体的に相互接続され、管類セットは、シリンジに流体的に相互接続される。次いで、真空源によって管類セットおよびシリンジから空気が抜き出される。その次に、真空源は、管類セットおよびシリンジから隔離される。次いで、第1の流体源は、管類セットおよびシリンジに流体的に相互接続され、第1の流体源からの流体がシリンジに装填される。次いで、シリンジからの流体は、注入された流体が患者の流体(例えば、血液)と混合するような様式において、患者に注入されてもよい。
【0023】
本発明の第4の側面は、医療流体送達システム用の操作方法によって具現化される。本方法において、真空源は、管類セットおよび注入デバイスのシリンジの両方に流体的に相互接続され、管類セットは、流体出口ポートを含む。次いで、真空源によって管類セットおよびシリンジから空気が抜き出される。その次に、第1の流体源は、管類セットおよびシリンジに流体的に相互接続される。次いで、第1の流体源から第1の容量の流体がシリンジに装填される。次いで、第1の容量が流体出口ポートを通して注入される。次いで、第1の流体源から第2の容量の流体がシリンジに装填される。次いで、第2の容量が流体出口ポートを通して注入される。第2の量の流体は、第1の量の流体とは異なる。第1の容量は、シリンジ内に装填される合計容量の少なくとも一部であってもよい。例えば、本方法は、100mlの流体をシリンジ内へ抜き出すステップと、次いで、流体出口ポートを通してシリンジ内から50mlの流体を注入するステップとを含んでもよい。同様に、第2の容量は、シリンジ内に装填される合計容量の少なくとも一部であってもよい。
【0024】
いくつかの特徴の改良および追加特徴が、本発明の上述の第3および第4の側面のそれぞれに適用可能である。これらの特徴の改良および追加の特徴は、第3および第4の側面のそれぞれに対して、個別にまたは任意の組み合わせで使用されてもよい。そのようなものとして、論議される以下の特徴のそれぞれは、任意の他の特徴、または第3および第4の側面のそれぞれの特徴の組み合わせとともに使用されてもよいが、そのように要求はされない。以下の論議は、本発明の第5の側面の論議の開始まで、第3および第4の側面それぞれに適用可能である。
【0025】
実施形態において、第3および/または第4の側面の医療流体送達システム用の操作方法はさらに、注入された流体を患者からの流体と混合するステップを含んでもよい。実施形態において、注入するステップは、第1の流体源からの流体をシリンジに装填するために注入デバイスのプランジャを後退させるステップと、次いで、第1の流体源をシリンジから隔離するために弁を閉じるステップと、次いで、シリンジから患者に流体を移動するためにプランジャを延出するステップとを含んでもよい。
【0026】
第1の流体源は、管類セットおよびシリンジから空気を抜く間、真空源から流体的に隔離されてもよい。第1の流体源を管類セットおよびシリンジに流体的に相互接続するステップは、弁を作動するステップを介して達成されてもよい。
【0027】
本発明の第5の側面は、医療流体送達システム用の操作方法によって具現化される。本方法において、注入デバイスのプランジャは、第1の流体源から第1の流体源界面を通して流体を引き込むように後退させられる。この後退の間、注入デバイスおよび流体源は、管類セットによって流体的に相互接続される。また、後退の間、管類セット内部の第1の点での流体の欠如が自動的に検出される。第1の点は、注入デバイスと第1の流体源との間にある。第1の点での流体の欠如を検出するステップに応答して、プランジャの後退が中止される。プランジャの後退を中止した後、プランジャは、管類セットから第1の流体源界面へ流体を移送するために前進させられる。プランジャの後退を中止した後、第1の流体源は、交換用の第1の流体源と交換される。
【0028】
いくつかの特徴の改良および追加の特徴が、本発明の第5の側面に適用可能である。これらの特徴の改良および追加特徴は、個別に、または任意の組み合わせで使用されてもよい。そのようなものとして、論議される以下の特徴のそれぞれは、任意の他の特徴または第5の側面の特徴の組み合わせとともに使用されてもよいが、そのように要求はされない。最初に、第5の側面の種々の特徴は、上述の第3および第4の側面のそれぞれと併せて使用されてもよい。
【0029】
実施形態において、管類セットから第1の流体源界面へ流体を移送するためにプランジャを前進させるステップは、第1の流体源を交換用の第1の流体源と交換するステップの前に発生してもよい。代替の実施形態において、管類セットから第1の流体源界面へ流体を移送するためにプランジャを前進させるステップは、第1の流体源を交換用の第1の流体源と交換するステップの後に発生してもよい。
【0030】
医療流体送達システム用の操作方法はさらに、前進させるステップおよび交換するステップの後に、第1の流体源から患者の中に流体を注入するステップを含んでもよい。そのような実施形態において、注入された流体は患者の流体と混合してもよい。
【0031】
流体の欠如を検出するステップは、空気または真空の直接的な検出を介して達成されてもよく、または、流体を直接的に検出することが可能なセンサが流体を検出しない場合の推論によって達成されてもよい。
【0032】
いくつかの特徴の改良および追加特徴が、本発明の上述の第1、第2、第3、および第4の側面のそれぞれに、別個に適用可能である。これらの特徴の改良および追加の特徴は、上述の第1、第2、第3、および第4の側面のそれぞれに対して、個別にまたは任意の組み合わせで使用されてもよい。「単数の」という文脈等に限定されることを目的とする、本発明の任意の他の種々の側面の任意の特徴は、「唯一の」、「単一の」、「限定される」等の用語によって、本明細書で明確に説明される。一般的に受け入れられている根拠の実践に従って特徴を導入するだけでは、対応する特徴を単数に限定しない(例えば、自動注入器が「1つのシリジンジ」を含むことを示すだけでは、自動注入器が単一のシリンジしか含まないことを意味しない)。また、「少なくとも1つの」等の語句を使用しないことも、対応する特徴を単数に限定しない(例えば、自動注入器が「1つのシリンジ」を含むことを示すだけでは、自動注入器が単一のシリンジしか含まないことを意味しない)。最後に、特定の特徴に関する「少なくとも概して」等といった語句の使用は、対応する特性およびそのごくわずかな変形を包含する(例えば、シリンジ外筒が少なくとも概して円筒形であると示すことは、円筒形であるシリンジ外筒を包含する)。
【0033】
注入デバイスは、自動注入器の形態であってもよい。流体放出を提供するために利用され得る、任意のそのような自動注入器は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であってもよい。任意のそのような自動注入器は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の1つ以上のシリンジプランジャドライバを利用してもよく、それぞれのそのようなシリンジプランジャドライバは、少なくとも双方向運動(例えば、流体を放出するための第1の方向の運動、流体の装填および/または引出に適応するため、および/または後続の流体放出操作のための位置に戻るための第2の方向の運動)が可能であり、それぞれのそのようなシリンジプランジャドライバは、(例えば、流体を放出するように)少なくとも1つの方向にシリンジプランジャを前進させることができるよう、任意の適切な様式で(例えば、機械的接触によって、(機械的または別様の)適切な連結によって)、その対応するシリンジプランジャと相互作用してもよい。各シリンジプランジャドライバは、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の1つ以上の駆動源を利用してもよい。複数の駆動源出力が、所与のときに単一のシリンジプランジャを前進させるように任意の適切な様式で組み合わせられてもよい。1つ以上の駆動源が、単一のシリンジプランジャドライバ専用であってもよく、1つ以上の駆動源が、複数のシリンジプランジャドライバと関連してもよく(例えば、1つのシリンジプランジャから別のシリンジプランジャに出力を変更するような種類の伝送を組み込む)、またはそれらの組み合わせであってもよい。代表的な駆動源の形態として、ブラシ付きまたはブラシレス電気モータ、油圧モータ、空気モータ、圧電モータ、またはステッピングモータが挙げられる。
【0034】
任意のそのような自動注入器は、任意の適切な医療用途(例えば、コンピュータ断層撮影法またはCT撮像、磁気共鳴映像法またはMRI、単光子放射型コンピュータ断層撮影法またはSPECT撮像、陽電子放射型コンピュータ断層撮影法PET撮像、X線撮像、血管造影法、光学撮像、超音波撮像)を含むがこれらに限定されない、1つ以上の医療流体の送達が所望される任意の適切な用途のために使用されてもよい。任意のそのような自動注入器は、適切な撮像システム(例えば、CTスキャナ)等の、任意の構成要素または構成要素の組み合わせと併せて使用されてもよい。例えば、任意のそのような自動注入器と1つ以上の他の構成要素との間で、情報が伝達され得る(例えば、スキャン遅延情報、注入開始信号、注入速度)。
【0035】
任意の適切な数のシリンジは、任意の適切な様式で(例えば、着脱可能に、前方装填式、後方装填式、側面装填式)、任意のそのような自動注入器とともに利用されてもよく、任意の適切な医療流体は、任意のそのような自動注入器の所与のシリンジから放出されてもよく(例えば、造影剤、放射性医薬品、生理食塩水、およびそれらの任意の組み合わせ)、任意の適切な流体は、任意の適切な様式で(例えば、連続的に、同時に)多重シリンジ自動注入器構成から放出されてもよく、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。一実施形態では、自動注入器の操作によってシリンジから放出される流体は、導管(例えば、医療管類セット)の中へ指向され、本導管は、任意の適切な様式でシリンジと流体的に相互接続され、流体を所望の場所に(例えば、注入のために患者に挿入されるカテーテルに)指向する。複数のシリンジが、(例えば、単一の注入部位に提供するために)共通導管の中へ放出してもよく、または1つのシリンジが、(例えば、1つの注入部位に提供するために)1つの導管の中へ放出してもよい一方で、別のシリンジは、(例えば、異なる注入部位に提供するために)異なる導管の中へ放出してもよい。一実施形態では、各シリンジは、シリンジ外筒と、シリンジ外筒内に配置され、かつシリンジ外筒に対して移動可能であるプランジャと、を含む。本プランジャは、シリンジプランジャ駆動アセンブリが、少なくとも1つの方向に、および可能であれば2つの異なる反対方向に、プランジャを前進させることができるように、自動注入器のシリンジプランジャ駆動アセンブリと界面接触してもよい。
【0036】
任意の多投与注入システムまたは注入は、任意の数のバルク流体容器を含む/利用してもよい。そのような多投与注入システムまたは注入は、バルク容器から複数の患者へ流体を送達するために使用されてもよい。バルク容器は、任意の適切な種類の流体を含有してもよい。バルク容器は各々、固有の種類の流体を含有してもよく、またはバルク容器のうちのいくつかまたはすべては、同じ種類の流体を含有してもよい。バルク容器は、任意の適切な数の弁を介して、多投与注入システムに流体的に相互接続されてもよい。バルク容器は、任意の適切な数のシリンジに流体的に相互接続されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、自動注入器の一実施形態の概略図である。
【図2A】図2Aは、携帯型スタンド搭載式の二重ヘッド自動注入器の一実施形態の斜視図である。
【図2B】図2Bは、図2Aの自動注入器によって使用される、パワーヘッドの拡大部分分解斜視図である。
【図2C】図2Cは、図2Aの自動注入器によって使用される、シリンジプランジャ駆動アセンブリの一実施形態の概略図である。
【図3A】図3Aは、携帯型スタンド搭載式の二重ヘッド自動注入器の一実施形態の斜視図である。
【図3B】図3Bは、図3Aの多投与注入システムによって使用され得る、バルク流体容器ホルダモジュールの斜視図である。
【図4A】図4Aは、図3Aの多投与注入システムによって使用され得る、多用途管類セットの斜視図である。
【図4B】図4Bは、図3Aの多投与注入システムによって使用され得る、患者専用管類セットの斜視図である。
【図5A】図5Aは、図3Aの多投与注入システムによって使用され得る、カセットの斜視上面図である。
【図5B】図5Bは、図5Aのカセットの斜視底面図である。
【図6】図6は、多投与注入システムから複数の患者に医療流体を送達する方法の工程図である。
【図7】図7は、図3Aの多投与注入システムによって使用され得る、カセットの概略図である。
【図8】図8は、真空支援を使用する図3Aの多投与注入システムの管類から空気を除去する方法の工程図である。
【図9】図9は、図3Aの多投与注入システムの管類の中の空気を検出し、流体源を交換する方法の工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、パワーヘッド12を有する自動注入器10の形態における注入デバイスの一実施形態の概略図を表す。1つ以上のグラフィカルユーザインターフェースまたはGUI11は、パワーヘッド12と関連付けられてもよい。各GUI11は、1)任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であってもよく、2)任意の適切な様式においてパワーヘッド12と動作可能に相互接続されてもよく、3)任意の適切な場所に配置されてもよく、4)自動注入器10の操作の1つ以上の側面を制御すること、自動注入器10の操作に関連する1つ以上のパラメータを入力/編集すること、および適切な情報(例えば、自動注入器10の操作に関連する)を表示することの特徴のうちの1つまたは任意の組み合わせを提供するように構成されてもよく、または5)前述の任意の組み合わせであってもよい。任意の適切な数のGUI11が利用されてもよい。一実施形態では、自動注入器10は、パワーヘッド12とは別であるが、パワーヘッド12と通信するコンソールによって組み込まれるGUI11を含む。別の実施形態では、自動注入器10は、パワーヘッド12の一部であるGUI11を含む。さらに別の実施形態では、自動注入器10は、パワーヘッド12と通信する別個のコンソール上で1つのGUI11を利用し、また、パワーヘッド12上にある別のGUI11も利用する。各GUI11は、同じ機能性または一式の機能性を提供することができ、またはGUI11は、それぞれの機能性に関して、少なくともある点で異なってもよい。
【0039】
シリンジ28は、本パワーヘッド12上に設置されてもよく、設置されると、自動注入器10の一部と見なされてもよい。いくつかの注入手技は、シリンジ28内で比較的高い圧力が生成されることになってもよい。この点において、圧力ジャケット26内にシリンジ28を配置することが所望されてもよい。圧力ジャケット26は、一般的には、パワーヘッド12上にシリンジ28を設置するステップの一部として、またはそのステップの後に、シリンジ28がその中に配置されることを可能にする様式で、パワーヘッド12と関連付けられる。圧力ジャケット26は、一般的には、種々のシリンジ28が、複数の注入手技のために、圧力ジャケット26内に位置付けられ、そこから除去されるので、パワーヘッド12と関連付けられたままとなる。自動注入器10が低圧注入のために構成/利用される場合、および/または自動注入器10とともに利用されるシリンジ28が、圧力ジャケット26によって提供される追加支持なしで、高圧注入に耐えるのに十分な耐久性である場合、自動注入器10は、圧力ジャケット26を排除してもよい。いずれの場合でも、シリンジ28から放出される流体は、任意の適切な様式でシリンジ28と流体的に相互接続されてもよく、流体を任意の適切な場所に(例えば、患者に)指向し得る、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の導管38の中へ指向されてもよい。
【0040】
パワーヘッド12は、シリンジ28から流体を放出するようにシリンジ28(例えば、そのプランジャ32)と相互作用する(例えば、界面接触する)、シリンジプランジャ駆動アセンブリまたはシリンジプランジャドライバ14を含む。本シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、駆動出力18(例えば、回転可能な駆動ネジ)に電力を供給する、駆動源16(例えば、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のモータ、オプションの歯車装置等)を含む。ラム20は、駆動出力18によって、適切な経路(例えば、軸方向)に沿って前進させられてもよい。ラム20は、以下で論議される様式で、シリンジ28の対応する部分と相互作用または界面接触するための連結器22を含んでもよい。
【0041】
シリンジ28は、(例えば、双頭矢印Bと一致する軸に沿った軸方向の往復運動のために)シリンジ外筒30内に移動可能に配置される、プランジャまたはピストン32を含む。プランジャ32は、連結器34を含んでもよい。本シリンジプランジャ連結器34は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14がシリンジ外筒30内でシリンジプランジャ32を後退させることを可能にするように、ラム連結器22と相互作用または界面接触してもよい。シリンジプランジャ連結器34は、ヘッドまたはボタン36bとともに、シリンジプランジャ32の本体から延在する、シャフト36aの形態であってもよい。しかしながら、シリンジプランジャ連結器34は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であってもよい。
【0042】
概して、自動注入器10のシリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、(例えば、対応するシリンジ28から流体を放出するように)少なくとも1つの方向に(シリンジ外筒30に対して)シリンジプランジャ32を移動または前進させることできるよう、任意の適切な様式で(例えば、機械的接触によって、(機械的または別様の)適切な連結によって)シリンジ28のシリンジプランジャ32と相互作用してもよい。すなわち、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、(例えば、同駆動源16の動作を介して)双方向運動が可能であってもよいが、自動注入器10は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14の動作が、実際には、自動注入器10によって使用されている各シリンジプランジャ32を1方向にしか移動させないように、構成されてもよい。しかしながら、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、2つの異なる方向のそれぞれに(例えば、共通軸方向経路に沿った異なる方向に)、それぞれのそのようなシリンジプランジャ32を移動させることができるよう、自動注入器10によって使用されている各シリンジプランジャ32と相互作用するように、構成されてもよい。
【0043】
シリンジプランジャ32の後退は、後続の注入または放出のために、シリンジ外筒30の中への流体の装填に適応するために利用されてもよく、後続の注入または放出のために、あるいは任意の他の適切な目的で、シリンジ外筒30の中へ流体を実際に引き込むために利用されてもよい。ある構成は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14がシリンジプランジャ32を後退させることができることを要求しなくてもよく、この場合、ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34が所望されなくてもよい。この場合、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、(例えば、別の事前充填されたシリンジ28が設置された後に)別の流体送達操作を実行する目的で後退させられてもよい。ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34が利用されるときであっても、シリンジ28から流体を放出するためにラム20がシリンジプランジャ32を前進させる(例えば、ラム20は、シリンジプランジャ連結器34、またはシリンジプランジャ32の近位端を単に「押し進める」だけであってもよい)とき、これらの構成要素は連結されてもよく、されなくてもよい。ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34を連結状態または状況に配置するため、ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34を非連結状態または状況に配置するため、または両方のために、任意の適切な寸法または寸法の組み合わせで任意の単一の運動または運動の組み合わせが利用されてもよい。
【0044】
シリンジ28は、任意の適切な様式で、パワーヘッド12上に設置されてもよい。例えば、シリンジ28は、パワーヘッド12上に直接設置されるように構成され得る。例示された実施形態では、シリンジ28とパワーヘッド12との間に界面を提供するように、筐体24がパワーヘッド12上に適切に搭載される。この筐体24は、シリンジ28の1つ以上の構成が設置され得る、アダプタの形態であってもよく、シリンジ28の少なくとも1つの構成は、そのようなアダプタを一切使用することなく、パワーヘッド12上に直接設置され得る。また、筐体24は、シリンジ28の1つ以上の構成が設置されてもよい、面板の形態であってもよい。この場合、面板は、シリンジ28をパワーヘッド12上に設置するために要求されるようなものであってもよく、シリンジ28は、面板がないとパワーヘッド12上に設置され得ない。圧力ジャケット26が使用されているときは、シリンジ28に関して本明細書で論議される種々の様式で、パワーヘッド12上に設置されてもよく、次いで、シリンジ28は、その後、圧力ジャケット26の中に設置される。
【0045】
筐体24は、シリンジ28を設置するときに、パワーヘッド12上に搭載され、パワーヘッド12に対して固定位置に留まってもよい。別の選択肢は、シリンジ28の設置に適応するように、筐体24およびパワーヘッド12を移動可能に相互接続することである。例えば、筐体24は、ラム連結器22とシリンジプランジャ連結器34との間で、連結状態または状況および非連結状態または状況のうちの1つ以上を提供するように、双頭矢印Aを含有する平面内で移動してもよい。
【0046】
1つの特定の自動注入器構成が、図2Aに例示され、参照数字40によって識別され、少なくとも概して、図1の自動注入器10に従う。自動注入器40は、携帯型スタンド48上に搭載されるパワーヘッド50を含む。自動注入器40用の一対のシリンジ86a、86bが、パワーヘッド50上に搭載される。流体は、自動注入器40の操作中にシリンジ86a、86bへ引出/から放出されてもよい。
【0047】
携帯型スタンド48は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であってもよい。スタンド48を携帯型にするために、車輪、ローラ、キャスタ等が利用されてもよい。パワーヘッド50は、携帯型スタンド48に対して固定位置に維持され得る。しかしながら、少なくとも何らかの様式で、パワーヘッド50の位置が携帯型スタンド48に対して調整可能であることを可能にすることが所望されてもよい。例えば、シリンジ86a、86bのうちの1つ以上の中へ流体を装填または引出するときに、携帯型スタンド48に対して1つの位置にパワーヘッド50を有すること、および注入手技の実施のために携帯型スタンド48に対して異なる位置にパワーヘッド50を有することが所望されてもよい。この点において、パワーヘッド50は、(例えば、パワーヘッド50が少なくともある可動域を通して旋回させられ、その後、所望の位置で維持されてもよいように)任意の適切な様式で携帯型スタンド48と移動可能に相互接続されてもよい。
【0048】
パワーヘッド50は、流体を提供するために任意の適切な様式で支持され得ることを理解されたい。例えば、携帯型構造上に搭載される代わりに、パワーヘッド50は、支持アセンブリと相互接続され得て、これによって、支持アセンブリは、適切な構造(例えば、天井、壁、床)に搭載される。パワーヘッド50用の任意の支持アセンブリが、(例えば、1つ以上の他の支持セクションに対して位置付け直されてもよい、1つ以上の支持セクションを有することによって)少なくとも何らかの点で位置調整可能であってもよく、または固定位置で維持されてもよい。また、パワーヘッド50は、固定位置で維持されるよう、または支持アセンブリに対して調整可能であるように、任意のそのような支持アセンブリと統合されてもよい。
【0049】
パワーヘッド50は、グラフィカルユーザインターフェースまたはGUI52を含む。本GUI52は、自動注入器40の操作の1つ以上の側面を制御すること、自動注入器40の動作と関連する1つ以上のパラメータを入力/編集すること、および(例えば、自動注入器40の動作と関連する)適切な情報を表示することの特徴のうちの1つ、または任意の組み合わせを提供するように構成されてもよい。また、自動注入器40は、それぞれ任意の適切な様式で(例えば、1つ以上のケーブルを介して)、パワーヘッド50と通信してもよい、検査室の中または任意の他の適切な場所でテーブル上に配置されるか、または電子機器ラック上に搭載される、または両方であり得る、コンソール42および電力パック46を含んでもよい。電力パック46は、注入器40用の電力供給部、コンソール42とパワーヘッド50との間の通信を提供するためのインターフェース回路、遠隔コンソール、遠隔手動または足踏み制御スイッチ、または他の相手先ブランド製造業者(OEM)の遠隔制御接続(例えば、自動注入器40の動作が撮像システムのX線被曝と同期化されることを可能にする)等の遠隔ユニットへの自動注入器40の接続を可能にするための回路、および任意の他の適切な構成要素のうちの1つ以上を、任意の適切な組み合わせで含んでもよい。コンソール42は、タッチスクリーンディスプレイ44を含んでもよく、これによって、操作者が自動注入器40の動作の1つ以上の側面を遠隔制御することを可能にする、操作者が自動注入器40の動作と関連する1つ以上のパラメータを入力/編集することを可能にする、操作者が自動注入器40の自動化動作のためのプログラムを特定し、記憶することを可能にする(後に、操作者による開始時に自動注入器40によって自動的に実行することができる)、および自動注入器40の動作と関連し、その動作の任意の側面を含む、任意の適切な情報を表示する機能のうちの1つ以上を、任意の適切な組み合わせで提供してもよい。
【0050】
パワーヘッド50とのシリンジ86a、86bの統合に関する種々の詳細を図2Bに提示する。シリンジ86a、86bのそれぞれは、同じ一般的構成要素を含む。シリンジ86aは、シリンジ外筒88a内で移動可能に配置される、プランジャまたはピストン90aを含む。パワーヘッド50の動作を介した、軸100a(図2A)に沿ったプランジャ90aの運動は、シリンジ86aのノズル89aを通してシリンジ外筒88a内から流体を放出することになる。適切な導管(図示せず)は、一般的には、流体を所望の場所(例えば、患者)に指向するように、任意の適切な様式で、ノズル89aと流体的に相互接続される。同様に、シリンジ86bは、シリンジ外筒88b内で移動可能に配置される、プランジャまたはピストン90bを含む。パワーヘッド50の動作を介した、軸100b(図2A)に沿ったプランジャ90bの運動は、シリンジ86bのノズル89bを通してシリンジ外筒88b内から流体を放出することになる。パワーヘッド50の動作を介した、軸100b(図2A)に沿った第1の方向と反対方向におけるプランジャ90bの運動は、パワーヘッド50が、流体源に流体的に相互接続される場合、シリンジ86bのノズル89bを通してシリンジ外筒88b中に流体を装填してもよい。適切な導管(図示せず)は、一般的には、流体を所望の場所(例えば、患者)に指向するように、および/または所望の場所(例えば、流体容器)から流体を装填するように、任意の適切な様式で、ノズル89bと流体的に相互接続される。
【0051】
シリンジ86aは、中間面板102aを介して、パワーヘッド50と相互接続される。本面板102aは、シリンジ外筒88aの少なくとも一部を支持し、任意の追加機能性または機能性の組み合わせを提供/適応し得る、架台104を含む。台82aが、面板102aと界面接触するために、パワーヘッド50上に配置され、パワーヘッド50に対して固定される。シリンジ86aに対するシリンジプランジャ駆動アセンブリまたはシリンジプランジャドライバ56(図2C)の各部分である、ラム74(図2C)のラム連結器76は、パワーヘッド50上に搭載されるとき、面板102aに近接して位置付けられる。シリンジプランジャ駆動アセンブリ56に関する詳細を、図2Cに関して以下でより詳細に論議する。概して、ラム連結器76は、シリンジ86aのシリンジプランジャ90aと連結されてもよく、次いで、ラム連結器76およびラム74(図2C)は、軸100a(図2A)に沿ってシリンジプランジャ90aを移動させるように、パワーヘッド50に対して移動させられてもよい。それは、シリンジプランジャ90aを移動させ、シリンジ86aのノズル89aを通して流体を放出するときに、ラム連結器76がシリンジプランジャ90aと係合されるが、実際には連結されないようなものであってもよい。
【0052】
面板102aは、パワーヘッド50上に面板102aを搭載するとともに、パワーヘッド50上の台82aから面板102aを除去するように、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに例示される)軸100a、100bに対して直交する平面内部で少なくとも概して移動させられてもよい。面板102aは、シリンジプランジャ90aをパワーヘッド50上のその対応するラム連結器76と連結するために使用されてもよい。この点において、面板102aは、一対のハンドル106aを含む。概して、シリンジ86aが面板102a内に最初に位置付けられると、ハンドル106aは、これによって(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに例示される)軸100a、100bに直交する平面内部で少なくとも概してシリンジ86aを移動/平行移動させるように、移動させられてもよい。ハンドル106aを1つの位置に移動させることにより、少なくとも概して下向きの方向に(面板102aに対して)シリンジ86aを移動/平行移動させて、そのシリンジプランジャ90aを、その対応するラム連結器76と連結する。ハンドル106aを別の位置に移動させることにより、少なくとも概して上向きの方向に(面板102aに対して)シリンジ86aを移動/平行移動させて、そのシリンジプランジャ90aを、その対応するラム連結器76から分断する。
【0053】
シリンジ86bは、中間面板102bを介して、パワーヘッド50と相互接続される。台82bが、面板102bと界面接触するように、パワーヘッド50上に配置され、パワーヘッド50に対して固定される。シリンジ86bに対するシリンジプランジャ駆動アセンブリ56の各部分である、ラム74(図2C)のラム連結器76は、パワーヘッド50に搭載されるとき、面板102bに近接して位置付けられる。シリンジプランジャ駆動アセンブリ56に関する詳細を、再度、図2Cに関して以下でより詳細に論議する。概して、ラム連結器76は、シリンジ86bのシリンジプランジャ90bと連結されてもよく、ラム連結器76およびラム74(図2C)は、軸100b(図2A)に沿ってシリンジプランジャ90bを移動させるように、パワーヘッド50に対して移動させられてもよい。それは、シリンジプランジャ90bを移動させ、シリンジ86bのノズル89bを通して流体を放出するときに、ラム連結器76がシリンジプランジャ90bと係合されるが、実際には連結されないようなものであってもよい。
【0054】
面板102bは、パワーヘッド50上に面板102bを搭載するとともに、パワーヘッド50上の台82bから面板102bを除去するように、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに例示される)軸100a、100bに直交する平面内部で少なくとも概して移動させられてもよい。面板102bはまた、シリンジプランジャ90bを、パワーヘッド50上のその対応するラム連結器76と連結するために使用されてもよい。この点において、面板102bは、一対のハンドル106bを含む。概して、シリンジ86bが面板102b内に最初に位置付けられると、シリンジ86bは、その長軸100b(図2A)に沿って、面板102bに対して回転させられてもよい。本回転は、ハンドル106bを運動することによって、シリンジ86bを把持して旋回させることによって、または両方によって実現されてもよい。いずれの場合でも、本回転は、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに例示される)軸100a、100bに直交する平面内部で少なくとも概して、シリンジ86bおよび面板102bの両方を移動/平行移動させる。シリンジ86bを1つの方向に回転させることにより、少なくとも概して下向きの方向にシリンジ86bおよび面板102bを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90bを、その対応するラム連結器76と連結する。シリンジ86bを反対方向に回転させることにより、少なくとも概して上向きの方向にシリンジ86bおよび面板102bを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90bを、その対応するラム連結器76から分断する。
【0055】
図2Bに例示されるように、シリンジプランジャ90bは、プランジャ本体92と、シリンジプランジャ連結器94と、を含む。本シリンジプランジャ連結器94は、プランジャ本体92から離間したヘッド96とともに、プランジャ本体92から延在するシャフト98を含む。ラム連結器76の各々は、ラム連結器76の面上のより小型のスロットの後方に位置付けられる、より大型のスロットを含む。シリンジプランジャ連結器94のヘッド96は、ラム連結器76のより大型のスロット内に位置付けられてもよく、シリンジプランジャ連結器94のシャフト98は、シリンジプランジャ90bおよびその対応するラム連結器76が連結状態または状況にあるときに、ラム連結器76の面上のより小型のスロットを通して延在してもよい。シリンジプランジャ90aは、その対応するラム連結器76と界面接触するために、同様のシリンジプランジャ連結器94を含んでもよい。
【0056】
パワーヘッド50は、自動注入器40の場合では、シリンジ86a、86bから流体を放出するために利用される。すなわち、パワーヘッド50は、シリンジ86a、86bのそれぞれから流体を放出する原動力を提供する。シリンジプランジャ駆動アセンブリまたはシリンジプランジャドライバとして特徴付けられ得るものの一実施形態が、図2Cに例示され、参照数字56によって識別され、シリンジ86a、86bのそれぞれから流体を放出するために、パワーヘッド50によって利用されてもよい。別個のシリンジプランジャ駆動アセンブリ56が、シリンジ86a、86bのそれぞれに対するパワーヘッド50に組み込まれてもよい。この点において、図2A〜Bを再度参照すると、パワーヘッド50は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ56のそれぞれを別個に制御する際に使用するための手動ノブ80aおよび80bを含んでもよい。
【0057】
最初に、図2Cのシリンジプランジャ駆動アセンブリ56に関して、その個々の構成要素のそれぞれは、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であってもよい。シリンジプランジャ駆動アセンブリ56は、出力シャフト60を有するモータ58を含む。駆動歯車62が、モータ58の出力シャフト60上に搭載され、それとともに回転する。駆動歯車62は、被駆動歯車64と係合されるか、または少なくとも係合可能である。本被駆動歯車64は、駆動ネジまたはシャフト66上に搭載され、それとともに回転する。その周囲で駆動ネジ66が回転する軸は、参照数字68によって識別される。1つ以上の軸受72が、駆動ネジ66を適切に支持する。
【0058】
台車またはラム74が、駆動ネジ66上に移動可能に搭載される。概して、1つの方向への駆動ネジ66の回転が、対応するシリンジ86a/bの方向へ駆動ネジ66に沿って(それにより、軸68に沿って)ラム74を軸方向に前進させる一方で、反対方向への駆動ネジ66の回転は、対応するシリンジ86a/bから離れて駆動ネジ66に沿って(それにより、軸68に沿って)ラム74を軸方向に前進させる。この点において、駆動ネジ66の少なくとも一部の周囲は、ラム74の少なくとも一部と界面接触する螺旋ネジ山70を含む。ラム74はまた、駆動ネジ66の回転中にラム74が回転することを可能にしない、適切なブッシング78内で移動可能に搭載される。したがって、駆動ネジ66の回転は、駆動ネジ66の回転方向によって決定される方向に、ラム74の軸方向移動を提供する。
【0059】
ラム74は、対応するシリンジ86a/bのシリンジプランジャ90a/bのシリンジプランジャ連結器94と着脱可能に連結されてもよい、連結器76を含む。ラム連結器76およびシリンジプランジャ連結器94が適切に連結されると、シリンジプランジャ90a/bは、ラム74とともに移動する。図2Cは、シリンジ86a/bが、ラム74に連結されることなく、その対応する軸100a/bとともに移動させられてもよい、構成を例示する。シリンジ86a/bが、そのシリンジプランジャ90a/bのヘッド96がラム連結器76と整合させられるが、軸68が依然として図2Cのオフセット構成であるように、その対応する軸100a/bに沿って移動させられるとき、シリンジ86a/bは、それに沿ってラム74が移動する軸68に直交する平面内で平行移動させられてもよい。これによって、上述の様式でラム連結器76とシリンジプランジャ連結器96との間で連結係合を確立する。
【0060】
図1および2A〜Cの自動注入器10、40はそれぞれ、流体が対象(例えば、患者)に注入される医療撮像用途を含むがこれらに限定されない、任意の適切な用途に使用されてもよい。自動注入器10、40の代表的な医療撮像用途は、CT撮像、MRI、SPECT撮像、PET撮像、X線撮像、血管造影法、光学撮像、および超音波撮像を含むがこれらに限定されない。自動注入器10、40はそれぞれ、単独で、または1つ以上の他の構成要素と組み合わせて使用することができる。自動注入器10、40はそれぞれ、例えば、自動注入器10、40と1つ以上の他の構成要素との間で情報が伝達されてもよいように(例えば、スキャン遅延情報、注入開始信号、注入速度)、1つ以上の構成要素と動作可能に相互接続されてもよい。
【0061】
単一ヘッド構成(単一のシリンジ用)および二重ヘッド構成(2つのシリンジ用)を含むがこれらに限定されない、任意の数のシリンジが、自動注入器10、40のそれぞれによって利用されてもよい。多重シリンジ構成の場合は、各自動注入器10、40は、任意の好適な様式で、任意のタイミングシーケンスに従って、種々のシリンジから流体を放出してもよい(例えば、2つ以上のシリンジからの連続放出、2つ以上のシリンジからの同時放出、またはそれらの任意の組み合わせ)。複数のシリンジが、(例えば、単一の注入部位に提供するために)共通導管の中へ放出してもよく、または1つのシリンジが、(例えば、1つの注入部位に提供するために)1つの導管の中へ放出してもよい一方で、別のシリンジは、(例えば、異なる注入部位に提供するために)異なる導管の中へ放出してもよい。自動注入器10、40のそれぞれによって利用される、それぞれのそのようなシリンジは、任意の適切な流体(例えば、医療流体)、例えば、造影剤、放射性医薬品、生理食塩水、およびそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。自動注入器10、40のそれぞれによって利用される、それぞれのそのようなシリンジは、任意の適切な様式で設置されてもよい(例えば、後方装填構成が利用されてもよい、前方装填構成が利用されてもよい、側面装填構成が利用されてもよい)。
【0062】
図3Aは、多投与注入システム108の一実施形態の斜視図である。多投与注入システム108は、自動注入器40を含んでもよい(自動注入器40のパワーヘッド50は、図3Aに例示される。自動注入器40の他の部分は、図3Aに図示されない)。多投与注入システム108は、多用途管類または管セット110(図4Aを参照して説明される)と、患者専用管類または管セット112(図4Bを参照して説明され、また、「患者毎消耗品112」として特徴付けられ得る)と、を含んでもよい。さらに、多投与注入システム108は、カセット114(図5Aおよび5Bを参照して説明される)と、バルク流体容器ホルダモジュール116とを含んでもよい。多投与注入システム108では、流体は、バルク流体容器ホルダモジュール116から、多用途管類セット110および患者専用管類セット112を通して、患者(例えば、カテーテル260等を通して、患者の血管系)に移送されてもよい。多投与注入システム108は、1つ以上のバルク容器から1人以上の患者に流体を移送および/または混合するように動作可能であってもよい。この点において、多投与注入システム108は、バルク容器の安全かつ容易な使用だけではなく、生理食塩水シリンジ126、造影剤シリンジ127、および多用途管類セット110の複数回の使用(例えば、複数の患者にわたって)を可能にしてもよい。
【0063】
多投与注入システム108における使用の場合、シリンジ126、127は、空で提供されてもよい。さらに、各シリンジ126、127は、任意の適切な構成であってもよい。図3Aに示されるように、生理食塩水シリンジ126(生理食塩水ボトル118に流体的に相互接続されるシリンジ)は、造影剤シリンジ127(造影剤ボトル120に流体的に相互接続されるシリンジ)と同一構成であってもよい。したがって、パワーヘッド50上のシリンジ搭載場所のいずれかに設置され、生理食塩水シリンジ126または造影剤シリンジ127のいずれかとして使用されるように動作可能な汎用の空のシリンジが、供給されてもよい。
【0064】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、単一の患者および/または複数の患者への生理食塩水および/または造影剤の送達のために、生理食塩水ボトル118および造影剤ボトル120を保持するように動作可能であってもよい。そのような構成は、例えば、MRIおよびCT撮像等の撮像手技と併用して、造影剤および生理食塩水を送達する際に使用されてもよい。他の実施形態では、バルク流体容器ホルダモジュール116は、任意の適切な種類および数のバルク容器を保持するように構成されてもよい。バルク容器の数および/または種類は、特定の医療流体送達手技に対応してもよい。任意の適切な流体は、バルク流体容器ホルダモジュール116上に設置された各個々のバルク容器内に含有されてもよい。
【0065】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、支持部122によって支持されてもよい。支持部122は、バルク流体容器ホルダモジュール116の高さが調節され得るように、調節可能であってもよい。支持部122は、概して、バルク流体容器ホルダモジュール116が、パワーヘッド50より高いレベルに配置されるように、調節されてもよい。そのような位置付けは、バルク流体容器ホルダモジュール116からパワーヘッド50への流動が重力によって支援されることを可能にする。支持部122は、例えば、垂直ポールの形態であってもよい。支持部122は、独立型ユニットであってもよく、またはパワーヘッド50のための携帯式スタンド48等、多投与注入システム108の別の構成要素に取着され、それによって支持可能であってもよい。
【0066】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、2つの容器ホルダ、すなわち、生理食塩水容器ホルダ124および造影剤容器ホルダ125を含んでもよい。図3Aに示されるように、容器ホルダ124、125は、それぞれ、生理食塩水ボトル118および造影剤ボトル120の形状に対応してもよい。例えば、図3Aに示されるように、容器ホルダ124、125は、それぞれ、ボトル118、120を収容するための陥凹を備えてもよく、陥凹は、ボトル118、120の形状に対応するように成形されてもよい。容器ホルダ124、125は、その中に配置される容器(例えば、生理食塩水ボトル118、造影剤ボトル120)を載架(例えば、ボトル118、120の一部の形状に対応する、容器ホルダ124、125の一部と接触させることによって、ボトル118、120を支持)してもよい。生理食塩水ボトル118および造影剤ボトル120はそれぞれ、例えば、500ミリリットルボトルまたは任意の他の適切なサイズであってもよい。生理食塩水ボトル118および造影剤ボトル120は、ボトル118、120の開口部が、下方に向くように保持されてもよい。開口部は、カセット114に流体的に相互接続されてもよい。
【0067】
本明細書において、多投与注入システムは、概して、流体源として、ボトル118、120を採用するとして説明されるが、他の種類の流体源も想定される。例えば、異なる形状のボトル、流体バッグ、ならびに/あるいは任意の他の適切な種類の流体源および/またはバルク流体容器が、ボトル118、120のうちの1つまたは両方のために置換されてもよい。そのような実施形態では、容器ホルダ124、125は、異なる形状のボトル、流体バッグ、あるいは他の適切な種類の流体源および/またはバルク流体容器に対応するように成形されてもよい。そのような容器は、任意の適切な構成、体積、および/または形状であってもよい。各容器ホルダ124、125は、バルク容器の流体出口が、下方に配置されるように、バルク容器を所定の位置に保持するように構成されてもよい。さらに、複数の容器ホルダを含むシステムでは、各容器ホルダは、特定のバルク容器専用に構成されてもよい(例えば、容器ホルダのうちの1つ以上は、特定の多投与注入システム108内の1つ以上の他の容器ホルダと異なって構成されてもよい)。例えば、生理食塩水ボトル118は、造影剤容器ホルダ125に設置されるように動作不可能であるように、成形されてもよい。さらに、容器ホルダ124、125は、異なる種類のバルク容器を収容するように調節可能であってもよい。
【0068】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、その中に配置される1つ以上のバルク容器を加温するように動作可能な構成要素を含んでもよい。バルク容器を加熱するための任意の適切な手段が、利用されてもよい。例えば、バルク流体容器ホルダモジュール116は、それによって発生される熱が、バルク容器に伝達され、したがって、その中の流体を加熱し得るように、容器ホルダ124、125の1つ以上の表面に沿って配置される、1つ以上の抵抗要素を含んでもよい。この点において、容器ホルダ124、125は、その中に挿入されるボトル118、120を載架し(例えば、容器ホルダ124、125の表面は、ボトル118、120の形状の一部に対応し得る)てもよく、これによって、容器ホルダ124、125からボトル118、120への熱の伝達を補助し得る、接触面積がもたらされる。バルク流体容器ホルダモジュール116は、例えば、バルク容器内の流体および/または容器ホルダ124、125の表面等、種々の部材の温度を感知するように動作可能なセンサを含んでもよい。バルク容器が加熱され得る温度は、調節可能であってもよい。バルク流体容器ホルダモジュール116は、例えば、その中に配置されるバルク容器の任意の1つ以上を体温またはその近傍のレベルまで加温するように動作可能であってもよい。
【0069】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、カセット114が、バルク流体容器ホルダモジュール116に可撤性かつ交換可能に固定され得るように構成されてもよい。例えば、バルク流体容器ホルダモジュール116は、カセット114をバルク流体容器ホルダモジュール116にスナップ留めされることを可能にする特徴を含有してもよい。それは、カセット114が、任意のツールを使用せず、手動で、バルク流体容器ホルダモジュール116に着脱可能に設置され、そこから除去され得るようであってもよい。ネジ、バネ荷重ピン、磁石、または任意の他の適切な機構等の他の種類の機構が、カセット114をバルク流体容器ホルダモジュール116に取り外し可能かつ交換可能に固定するために使用されてもよい。
【0070】
本明細書で使用されるように、「着脱可能に連結された」とは、構成要素が相互接続されるが、なお相互から着脱される能力を留保し、着脱後に、構成要素のうちの少なくとも1つが使用可能な状態にあり続ける、構成要素間の関係を表す。
【0071】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、RFIDタグを読取可能な1つ以上の無線自動識別(RFID)タグ読取機を含んでもよい。1つ以上のRFIDタグ読取機は、バルク流体容器ホルダモジュール116内に設置された、各容器(例えば、生理食塩水ボトル118および造影剤ボトル120の両方)上に配置されたボトルRFIDタグ128を読み取るように動作可能であってもよい。ボトルRFIDタグ128から読み取られた情報は、例えば、正しいバルク容器の検証、バルク容器の変更の通知、およびバルク容器がバルク流体容器ホルダモジュール116に接続されている時間の長さの追跡を含む、複数の異なる方法で使用されてもよい。ボトルRFIDタグ128から読み取られた情報は、例えば、ロット番号、有効期限および/または時間、内容物、濃度、ならびに/あるいは充填体積を含んでもよい。ボトルRFIDタグ128から読み取られた情報は、多投与注入器システム108に相互接続される自動注入器40および/または他のデバイスに転送されてもよい。1つ以上のRFIDタグ読取機は、どのボトル118、120がどの容器ホルダ124、125内にあるかを区別するように動作可能であってもよい。この点において、1つ以上のRFIDタグ読取機は、誤配置されたボトル(例えば、造影剤容器ホルダ125内に位置付けられた生理食塩水ボトル118)を検出するように動作可能であってもよい。
【0072】
1つ以上のRFIDタグ読取機は、カセット114上に配置されたRFIDタグを読み取るように動作可能であってもよい。この点において、多投与注入システム108は、いつカセット114が除去され、および/またはいつ新しいカセット114が設置されたかを決定するように動作可能であってもよい。また、多投与注入システム108は、カセット114の変更が必要とされるときを決定するように動作可能であって、そのような状況を多投与注入システム108の操作者(例えば、医療従事者)に示してもよい(例えば、GUI52を介して、および/または可聴警告を介して)。
【0073】
ボトル118、120および/またはカセット114の識別および情報の取扱の他の適切な方法が、単独あるいは連携して、多投与注入システム108によって採用されてもよい。例えば、機械可読ラベル(例えば、バーコード)および/または人間可読ラベルが採用され、上述のRFIDタグおよび読取機の機能のいくつかを行ってもよい。
【0074】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、操作者が多投与注入システム108を設定する際補助するように、色分けおよび/または他の視覚インジケータを含んでもよい。例えば、生理食塩水ボトル118は、生理食塩水ボトル118が設置される、生理食塩水容器ホルダ124内に配置された紫色部分と一致する、紫色部分(例えば、ボトルに取着されたラベル上)を含んでもよい。この点において、操作者は、生理食塩水ボトル118(紫色部分を含む)を生理食塩水容器ホルダ124(紫色部分を含む)と一致させてもよい。同様に、造影剤ボトル120および対応する造影剤容器ホルダ125は、例えば、黄色の特徴で色分けされてもよい。当然ながら、任意の適切な色および/または記号が、操作者が多投与注入システム108を設定する際補助するように、視覚インジケータとして使用されてもよい。
【0075】
図5Bを簡単に参照すると、カセット114は、生理食塩水弁176と、造影剤弁178とを含んでもよい。バルク流体容器ホルダモジュール116は、カセット114の弁176、178を作動するように動作可能な弁アクチュエータ130、131(図3B)を含んでもよい。各弁176、178は、特定の弁176、178に関連するメス型六角形部材を回転させることによって、作動可能であってもよい。弁176、178は、任意の適切な構成(例えば、止水栓式弁)で、そこを通る流体の流量を制御するように動作可能であってもよい。この点において、弁176、178は、完全閉鎖位置から完全開放位置に継続的に調節可能であるように動作可能であってもよい。
【0076】
バルク流体容器ホルダモジュール116および/またはカセット114は、カセット114がバルク流体容器ホルダモジュール116上に設置された後、多投与注入システム108が弁176、178の位置を決定することを可能にする特徴を含んでもよい。例えば、弁176、178は、メス型六角形部材が360度自由に回転することを防止する、硬質停止部を特徴としてもよい。したがって、弁アクチュエータ130、131は、弁176、178の位置が認識される時点である、弁176、178が硬質停止部に当接するまで、弁176、178を駆動させてもよい。別の実施例では、カセット114は、弁176、178が特定の位置(例えば、開放または閉鎖)にあるとき、作動され得るスイッチ(および付随電気接続)を含んでもよく、多投与注入システム108は、作動されたスイッチを読み取って弁176、178の位置を決定可能であってもよい。さらに別の実施例では、弁176、178は、その位置に関するインジケータ(例えば、視覚、磁気)を含んでもよく、バルク流体容器ホルダモジュール116は、インジケータの感知に基づいて、弁176、178の位置を決定するように動作可能なセンサを含んでもよい。
【0077】
図3Bは、カセット114と、生理食塩水ボトル118と、造影剤ボトル120と、が除去された、バルク流体容器ホルダモジュール116の斜視図である。バルク流体容器ホルダモジュール116の生理食塩水弁アクチュエータ130および造影剤弁アクチュエータ131は、対応する弁176、178の対応するメス型六角形部材と界面接触するように動作可能な六角形オス型突起を備えてもよい。弁アクチュエータ130、131はそれぞれ、六角形オス型突起を回転させて、弁176、178を調節するように、モータまたは任意の他の適切な機構を含んでもよい。図5Bおよび3Bには、六角形の楔止として示されるが、バルク流体容器ホルダモジュール116の弁アクチュエータ130、131をカセット114の弁176、178と機械的に界面接触させる任意の適切な方法が、多投与注入システム108に組み込まれてもよい。さらに、カセット114の弁176、178の作動の任意の他の適切な方法が、利用されてもよい。
【0078】
図3Aに戻ると、バルク流体容器ホルダモジュール116は、生理食塩水ボトル118および/または造影剤ボトル120内の流体レベルを検出するように動作可能な1つ以上のセンサを含んでもよい。例えば、光学センサが、生理食塩水ボトル118および/または造影剤ボトル120の開口部に近接して配置され、生理食塩水ボトル118および/または造影剤ボトル120が、空になったときまたは空に近づいたときを検出してもよい。任意の適切な場所または複数の場所に配置される、任意の適切な種類のセンサあるいは複数のセンサが、バルク流体容器ホルダモジュール116によって利用されてもよい。センサは、概して、取着された生理食塩水ボトル118および/または造影剤ボトル120内の流体体積レベルを検出するように配置されてもよい、あるいはセンサは、生理食塩水ボトル118および/または造影剤ボトル120が、あるレベルに到達した(例えば、空に近づいた)ときを検出するように配置されてもよい。
【0079】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、多投与注入システム108の他の部分と通信するように動作可能であってもよい。この点において、本明細書に論じられるバルク流体容器ホルダモジュール116の種々の特徴は、多投与注入システム108の他の部分(例えば、自動注入器40のパワーヘッド50および/またはGUI52)に位置する構成要素によって制御ならびに/あるいは指示されてもよい。例えば、弁アクチュエータ130、131の作動は、パワーヘッド50によって、制御され、それと同期されてもよい。バルク流体容器ホルダモジュール116のボトル加熱器は、パワーヘッド50によって制御されてもよい(例えば、ユーザは、GUI52から、ボトル加温器をオン/オフし、ボトル加温器の設定温度を設定してもよい)。さらに、バルク流体容器ホルダモジュール116は、バルク流体容器ホルダモジュール116内に設置されるボトル118、120および/またはカセット114から取得したRFIDタグ情報をパワーヘッド50または多投与注入システム108の他の適切な構成要素に通信してもよい。バルク流体容器ホルダモジュール116は、(例えば、上述のセンサから取得された)流体レベル情報を通信してもよい。バルク流体容器ホルダモジュール116と多投与注入システム108の他の構成要素との間の通信は、直接電気接続(例えば、有線)または無線接続を含む、任意の適切な方法あるいは技術を介してであってもよい。
【0080】
例示されるバルク流体容器ホルダモジュール116およびバルク流体容器ホルダモジュール116に関する付随の議論は、生理食塩水ボトル118および造影剤ボトル120専用の容器ホルダ124、125について説明する。しかしながら、バルク流体容器ホルダモジュール116は、特定の用途または手技のために、任意の適切な数の容器を保持するように構成されてもよい。例えば、多投与注入システム108の実施形態は、単一流体源のみが必要とされる手技のための単一容器ホルダを含んでもよい。さらなる実施例の場合、多投与注入システム108の実施形態は、3つ以上の異なる流体源が要求され得る手技のための3つ以上の容器ホルダを含んでもよい。またさらなる実施例では、多投与注入システム108の実施形態は、容器ホルダのいくつかが、同一種類の流体を含有する別個のバルク容器を保持する、3つ以上の容器ホルダを含んでもよい。そのようなシステムは、バルク容器の置換を補助する、および/またはバルク容器の1つが空あるいは空に近い状態になったとき、流体の送達を継続するように動作可能にするために使用されてもよい。
【0081】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、パワーヘッド50と併用して、ボトル118、ボトル120、またはボトル118およびボトル120の両方から、流体を移送するように動作可能であってもよい。そのような移送は、連続的または同時に行われてもよい。例えば、特定の患者は、特定の手技の間、造影剤のみ受容してもよく、その場合、造影剤ボトル120からの造影剤は、パワーヘッド50上に設置された造影剤シリンジ127中に装填されるであろう。別の実施例では、患者は、最初に、1回分の生理食塩水を受容した後に、1回分の造影剤を受容してもよく(または、その逆)、その場合、造影剤ボトル120からの造影剤は、パワーヘッド50上に設置された造影剤シリンジ127中に装填され、生理食塩水ボトル118からの生理食塩水は、パワーヘッド50上に設置された生理食塩水シリンジ126中に装填されるであろう。別の実施例では、患者は、1回分の生理食塩水を受容し、同時に、1回分の造影剤を受容してもよく、その場合、造影剤ボトル120からの造影剤は、パワーヘッド50上に設置された造影剤シリンジ127中に装填され、生理食塩水ボトル118からの生理食塩水は、パワーヘッド50上に設置された生理食塩水シリンジ126中に装填され得る。2つの流体は、多用途管類セット110内で混合してもよく、希釈された1回分の造影剤を患者に効果的に送達する。
【0082】
図4Aは、多用途管類セット110の斜視図であって、図4Bは、患者専用管類セット112の斜視図である。多用途管類セット110は、図4Aに例示されるように、カセット114に恒久的に相互接続されてもよい。この点において、多用途管類セット110およびカセット114は、単一ユニットとして、パッケージ化され、交換されてもよい。代替として、カセット114および多用途管類セット110は、相互に相互接続され得る(例えば、ルアーコネクタ、返しを使用して)、別個のアイテムであってもよい。
【0083】
カセット114に流体的に相互接続されるのは、2つの流体管、すなわち、生理食塩水管132および造影剤管134である。管132、134は、多様な場所の間の流体の流動を指向するための任意の適切な構造であってもよい。管132、134は、カセット114をパワーヘッド50上のシリンジ126、127の対応するノズルと流体的に相互接続してもよい。この点において、生理食塩水管132は、生理食塩水コネクタ142に流体的に相互接続されてもよい。生理食塩水コネクタ142は、パワーヘッド50上の生理食塩水シリンジ126のノズルに直接接続するように動作可能なルアー式コネクタの形態であってもよい。造影剤管134は、造影剤コネクタ144に流体的に相互接続されてもよい。造影剤コネクタ144は、パワーヘッド50上の造影剤シリンジ127のノズルに直接接続するように動作可能なルアー式コネクタの形態であってもよい。生理食塩水管132および造影剤管134とそれらの対応するノズルとの間の接続のために、任意の適切な流体コネクタが、本明細書に説明されるルアー式コネクタに代用されてもよい。
【0084】
生理食塩水管132は、生理食塩水Yコネクタ138(または、任意の他の適切なコネクタ)を介して、生理食塩水コネクタ142に相互接続されてもよく、あるいは生理食塩水コネクタ142は、単純に、生理食塩水管132中へと通じる短い延長管と関連付けられてもよい。また、生理食塩水Yコネクタ138は、生理食塩水および造影剤管Yコネクタ150に流体的に相互接続されてもよい。生理食塩水Yコネクタ138と生理食塩水および造影剤管Yコネクタ150との間に、生理食塩水管一方向逆止弁146が位置付けられてもよい。生理食塩水管一方向逆止弁146は、生理食塩水Yコネクタ138から生理食塩水および造影剤管Yコネクタ150への方向にのみ、流体流動を許可にするように動作可能であってもよい。生理食塩水管一方向逆止弁146は、生理食塩水管一方向逆止弁146が開放し、流体を流動させる前に、生理食塩水管一方向逆止弁146の上流に存在する、クラッキング圧(例えば、生理食塩水管一方向逆止弁146が動作する最小上流圧力)以上の圧力を要求してもよい。同様に、造影剤管134は、造影剤Yコネクタ140(または、任意の他の適切なコネクタ)を介して、造影剤コネクタ144に相互接続されてもよく、あるいは造影剤コネクタ144は、単純に、造影剤管134中へと通じる短い延長管と関連付けられてもよい。また、造影剤Yコネクタ140は、生理食塩水および造影剤管Yコネクタ150に流体的に相互接続されてもよい。造影剤Yコネクタ140と生理食塩水および造影剤管Yコネクタ150との間に、造影剤管一方向逆止弁148が位置付けられてもよい。造影剤管一方向逆止弁148は、生理食塩水管一方向逆止弁146と同様に構成されてもよく、造影剤Yコネクタ140から生理食塩水および造影剤管Yコネクタ150の方向にのみ、流体流動を許可するように動作可能であってもよい。生理食塩水管一方向逆止弁146および造影剤管一方向逆止弁148はともに、パワーヘッド50の生理食塩水シリンジ126および造影剤シリンジ127から患者への流体の流動を許可する一方、少なくとも、反対方向への逆流を防止しようとする。
【0085】
図4Aに例示されるように、生理食塩水管132および造影剤管134は、結合管区分136の中で、結合されてもよい(但し、流体的には結合されない)。そのような配列は、生理食塩水管132および造影剤管134が、相互から完全に分離された場合に生じ得るような、管のもつれを低減させる一助となる。生理食塩水管132および造影剤管134は、任意の適切な長さであってもよい。例えば、管132、134は、バルク流体容器ホルダモジュール116に取着されたカセット114が、パワーヘッド50の上方に位置付けられ、重力が、バルク流体容器ホルダモジュール116からパワーヘッド50へと下る生理食塩水および造影剤の流動を補助し得るような長さであってもよい。
【0086】
生理食塩水管132は、生理食塩水の粘度ならびに医療流体送達手技の間にその中で予期される流速および圧力に対して適切な内径を用いて構成されてもよい。さらに、生理食塩水管132壁厚および生理食塩水管132の材料は、とりわけ、流体送達手技の間に予期される圧力に基づいて、選択されてもよい。同様に、造影剤管134は、使用される造影剤の粘度ならびに医療流体送達手技の間にその中で予期される流速および圧力に対して適切な内径を用いて構成されてもよい。造影剤管134の壁厚および材料は、とりわけ、流体送達手技の間に予期される圧力に基づいて、選択されてもよい。
【0087】
生理食塩水コネクタ142および造影剤コネクタ144は、多投与注入システム108の設定を補助するように色分け、または別様にマークされてもよい。例えば、生理食塩水ボトル118のマーキングに関して上述の色分け方式を引き続き利用する場合、生理食塩水コネクタ142は、紫色に色分けされてもよい。さらに、パワーヘッド50上の生理食塩水シリンジ126のノズルおよび/または他の部分もまた、紫色に色分けされてもよい。同様に、造影剤コネクタ144ならびにパワーヘッド50上の造影剤シリンジ127の対応するノズルおよび/または他の部分は、黄色に色分けされてもよい。さらに、生理食塩水コネクタ142および造影剤コネクタ144は、コネクタ142、144のそれぞれが、対応するシリンジ126、127から、その対応するノズルにのみ取着されるように動作可能であるように、一意的に構成されてもよい(例えば、一意的に楔止される、一意的に定寸される)。
【0088】
生理食塩水および造影剤管Yコネクタ150には、延長管152が相互接続されてもよい。延長管152は、延長管152の取扱を補助し、もつれを低減させるように、コイル状であってもよい。延長管152は、任意の適切な長さであってもよい。例えば、延長管152は、多投与注入システム108を利用する撮像手技の前、間、および後に見られ得る、パワーヘッド50と患者専用管類セット112との間の一般的距離に適合するような長さであってもよい。
【0089】
生理食塩水および造影剤管Yコネクタ150から反対側にある延長管152の端部には、無針消毒可能メス型ルアーコネクタ154があってもよい。患者内に挿入される、カテーテル260(図3A)等のカテーテルは、一般的には、メス型ルアーコネクタ(例えば、カテーテル界面メス型ルアー262)を有する。延長管152の端部にメス型ルアーコネクタ154を有することによって、メス型ルアー154を患者内に設置されたカテーテルへ偶発的に直接取着することが、防止されるはずである(つまり、カテーテル260に接続されるカテーテル界面メス型ルアー262は、延長管152の端部でメス型ルアーコネクタ154へ直接接続することができないため)。したがって、患者流体によって、多用途管類セット110が汚染される機会が、低減されるはずである。この点において、後述の患者専用管類セット112等、各端部にオス型ルアーコネクタを備える、固有の管類セットが、延長管152をカテーテル界面メス型ルアー262に相互接続するために要求される。さらに、メス型ルアーコネクタ154は、消毒可能であって、したがって、新しい患者専用管類セット112に流体的に相互接続される前に、洗浄されてもよい。
【0090】
留意されるように、ここで図4Bを参照すると、患者専用管類セット112は、2つのオス型ルアー接続、すなわち、メス型ルアー154(多用途管類セット110から)に相互接続するように動作可能なオス型ルアー156と、例えば、カテーテル界面メス型ルアー262および患者内に挿入されるカテーテル260(図3A)に相互接続するように動作可能な患者界面オス型ルアー162と、を含んでもよい。患者専用管類セット112は、アクセスルアー158等の代替アクセスポートを含んでもよい。アクセスルアー158を使用して、例えば、患者内に挿入され、患者界面オス型ルアー162を介して接続される、カテーテル260の開存性を確認してもよい。アクセスルアー158を使用して、例えば、代替の流体(例えば、生理食塩水または造影剤の代替)を患者に送達してもよい。アクセスルアー158は、任意の他の適切な手技および/または流体送達のために使用されてもよい。任意の他の適切な種類の流体アクセスデバイスが、アクセスルアー158に追加される、またはそれに代用されてもよい。
【0091】
また、患者専用管類セット112は、二重一方向逆止弁160を含んでもよい。二重一方向逆止弁160は、患者界面オス型ルアー162からオス型ルアー156へと向かう方向における流体流動を防止してもよい。この点において、二重一方向逆止弁160は、患者からの流体による、多用途管類セット110の汚染の可能性を低減させてもよい。次いで、これは、特定の患者からの流体が、別の患者からの流体と混合する可能性を低減させることによって、何人かの患者に流体を供給するために、多用途管類セット110の使用を可能にするはずである。二重一方向逆止弁160は、2つの直列に配置された個々の一方向逆止弁を備えてもよい。そのような配列は、一方向逆止弁のうちの一方が故障する場合、他方の一方向逆止弁が、機能性を維持し、患者から多用途管類セット110中への流体の逆流の可能性を低減させ得るという点において、あるレベルの冗長性を提供する。
【0092】
患者専用管類セット112の二重一方向逆止弁160は、Yコネクタ164の下流(例えば、患者専用管類セット112を通る流体の正常流動に対して)に位置付けられる。代替構成では、二重一方向逆止弁160は、Yコネクタ164とオス型ルアー156との間でYコネクタ164の上流に配置されてもよい。別の配列では、二重一方向逆止弁160の一方向弁は、Yコネクタ164の各側に1つ配置されてもよい。二重一方向逆止弁160の一方向逆止弁の任意の他の適切な構成が、患者専用管類セット112内で利用されてもよい。
【0093】
簡単に図3Aに戻ると、患者専用管類セット112は、患者内に挿入され得る、カテーテル260に流体的に相互接続されてもよい。この点において、カテーテル界面メス型ルアー262は、患者界面オス型ルアー162に流体的に接続するように動作可能であってもよい。カテーテル260は、それを通して、多投与注入システム108からの流体が、患者の血管系内に流動し、その後、患者の流体と混合し得る、流体出口ポート261を含んでもよい。
【0094】
図5Aは、多投与注入システム108によって使用される、カセット114の斜視上面図である。図5Bは、図5Aのカセット114の斜視底面図である。カセット114は、バルク流体容器ホルダモジュール116に選択的に固着可能であってもよい。カセット114は、カセット114が、バルク流体容器ホルダモジュール116に固着され得るように、バルク流体容器ホルダモジュール116上の特徴に対応する、特徴を含んでもよい。例えば、カセット114は、バルク流体容器ホルダモジュール116中にスナップ留めしてもよい。カセット114を固着するために、クリップ、ネジ等が使用されてもよい。カセット114をバルク流体容器ホルダモジュール116に選択的に固着する任意の他の適切な手段が、採用されてもよい。
【0095】
カセット114は、カセットRFIDタグ174等の識別特徴を含んでもよい。バルク流体容器ホルダモジュール116は、カセット114に取着される、RFIDタグ174を読み取るように動作可能なRFIDタグ読取機(図示せず)を含んでもよい。この点において、バルク流体容器ホルダモジュール116は、カセット114に関する情報を決定するように動作可能であってもよい。そのような情報は、例えば、カセット114部品番号、カセット114製造番号、およびカセット114構成情報を含んでもよい。そのような情報は、多投与注入システム108の他の構成要素に通信されてもよい。そのような情報は、例えば、操作、検証、または記録目的のために使用されてもよい。さらに、カセットRFIDタグ174を使用して、バルク流体容器ホルダモジュール116に取着されたカセット114の存在を追跡し、カセット114に相互接続されるバルク流体容器からの流体の流動を追跡することによって、カセット114の使用履歴が、示されてもよい。そのような使用履歴は、例えば、カセット114(およびまた、随意に、カセット114に接続された多用途管類セット110)を交換すべきとき、ならびに/あるいは生理食塩水ボトル118および/または造影剤ボトル120を交換すべきときを決定するために使用されてもよい。さらに、RFIDタグ読取機は、特定のカセット114が除去される、および/または異なるカセット114と交換されるときを検出するように動作可能であってもよい。
【0096】
カセットRFIDタグ174は、カセット114上の任意の適切な場所に配置されてもよい。RFIDタグ読取機は、バルク流体容器ホルダモジュール116上または多投与注入システム108の任意の他の適切な構成要素上の任意の適切な場所に配置されてもよい。
【0097】
例示されるように、カセット114は、生理食塩水スパイク170および造影剤スパイク172の形態において、2つのバルク流体容器流体界面を含む。スパイク170、172は、ボトル118、120の外側へ流体が流動するのに伴って、ボトル118、120中に空気が流動することを可能にするように通気されてもよい。必要に応じて、例えば、バルク流体容器が折り畳み可能である場合、スパイク170、172は、通気口を含まなくてもよい。カセット114は、適切な数のバルク流体容器流体界面を含んでもよい。スパイク170、172は、カセット114に固定して固着され、カセット114がバルク流体容器ホルダモジュール116に固着されると、カセット114から上方を指向するように配置されてもよい。この点において、生理食塩水ボトル118(図3A)等の流体容器は、生理食塩水ボトル118を生理食塩水スパイク170上に押下および/または降下することによって、カセット114に流体的に相互接続されてもよい。流体の相互接続は、生理食塩水ボトル118が生理食塩水スパイク170上に降下されるのに伴って、生理食塩水スパイク170が、生理食塩水ボトル118の隔膜または他の穿刺可能障壁を穿刺することによって、達成されてもよい。生理食塩水ボトル118は、生理食塩水ボトル118上で上方に引くことによって、カセット114から除去されてもよい。加えて、生理食塩水スパイク170に流体的に相互接続されるとき、生理食塩水ボトル118を生理食塩水スパイク170上にさらに固着するために、クリップ、ツイストロック、スナップ、あるいは任意の他の適切な固着デバイスまたは複数のデバイス等の追加固着特徴が使用されてもよい。造影剤ボトル120は、類似様式で、造影剤スパイク172に固着されてもよい。
【0098】
生理食塩水スパイク170は、生理食塩水弁176に流体的に相互接続されてもよく、これによって生理食塩水管132に流体的に相互接続される。生理食塩水弁176は、完全開放(例えば、生理食塩水スパイク170と生理食塩水管132との間の流体流動を制限しない)と完全閉鎖(例えば、生理食塩水スパイク170と生理食塩水管132との間の流動が存在しない)位置との間を変動するように動作可能な止水栓式弁であってもよい。また、生理食塩水弁176は、そこを通る部分的流体流動を可能にする、中間位置に位置付けられるように動作可能であってもよい。生理食塩水弁176は、カセット114の筐体115内に配置されてもよい。また、筐体115は、生理食塩水スパイク170の一部と、生理食塩水管132を生理食塩水弁176に、かつ生理食塩水スパイク170を生理食塩水弁176に流体的に相互接続する流体通路と、を含有してもよい。造影剤スパイク172および造影剤管134は、同様に構成された造影剤弁178に流体的に相互接続されてもよい。造影剤弁178は、生理食塩水弁176と同様に構成されてもよい。
【0099】
カセット114は、生理食塩水ボトル118の設置のための適切な場所を決定する際にユーザを補助するように、生理食塩水印180を含んでもよい。生理食塩水印180は、文字S等の記号の形態であってもよい。さらに、生理食塩水印180は、紫色(または、任意の他の適切な色)に色分けされてもよい。カセット114は、文字C等の造影剤印182を含んでもよい。造影剤印182は、黄色(または、任意の他の適切な色)に色分けされてもよい。
【0100】
ここで、造影剤弁178が、パワーヘッド50上の造影剤シリンジ127に流体的に相互接続される、例示的構成において、弁176、178の動作を説明する。生理食塩水の流動は、類似様式で制御されてもよく、特定の流体源(例えば、生理食塩水ボトル118、造影剤ボトル120)が、パワーヘッド50上の任意の適切なシリンジ126、127に流体的に相互接続されてもよいことが理解されるであろう。造影剤弁178は、造影剤ボトル120から、カセット114、多用途管類セット110、患者専用管類セット112を通して、患者内への造影剤の移送を達成するために、パワーヘッド50上の造影剤シリンジ127の移動と併用されてもよい。そのような流動を達成するために、造影剤弁178は、造影剤シリンジ127のプランジャの後退の間、開放位置に配置されてもよい。そのような後退の間、真空力が、造影剤シリンジ127内に生成され、取着された造影剤管134に伝達されてもよく、それによって、造影剤ボトル120から造影剤シリンジ127中に流体を装填する。造影剤管一方向逆止弁148は、造影剤管一方向逆止弁148の下流の多用途管類セット110の一部からの流体が、造影剤シリンジ127中に流動するのを防止してもよい。十分な量の流体が、造影剤シリンジ127中に装填されると、造影剤弁178が閉鎖されてもよく、造影剤シリンジ127のプランジャが前進させられてもよい。閉鎖された造影剤弁178は、造影剤が、造影剤ボトル120中に逆流するのを防止してもよい。一方、造影剤管一方向逆止弁148は、造影剤シリンジ127から、延長管152、患者専用管類セット112、患者内へと、そこを通る流動を許可してもよい。生理食塩水弁176およびパワーヘッド50の対応する生理食塩水シリンジ126の類似操作は、生理食塩水ボトル118から患者内への生理食塩水の移送を促進するように動作可能であってもよい。
【0101】
弁176、178は、バルク流体容器ホルダモジュール116によって、それらの作動を促進するための特徴を含んでもよい。図5Bに例示されるように、弁176、178はそれぞれ、メス型六角形を含んでもよい。そのようなメス型六角形は、バルク流体容器ホルダモジュール116の対応するオス型六角形突起(図示せず)と界面接触するように動作可能であってもよい。オス型六角形突起は、カセット114が、バルク流体容器ホルダモジュール116内に挿入されるのに伴って、カセット114上のメス型六角形と係合してもよい。したがって、バルク流体容器ホルダモジュール116は、弁176、178を作動(例えば、開放、閉鎖)するために、オス型六角形突起を駆動(例えば、回転)させるように動作可能な部材(例えば、モータ)を含んでもよい。弁176、178のそのような作動は、多投与注入システム108の任意の適切な構成要素または構成要素の組み合わせとして配置される、制御部材(例えば、ハードウェアおよび/またはソフトウェア)によって制御されてもよい。例えば、制御部材は、パワーヘッド50内に配置されてもよい。これによって、パワーヘッド50上のシリンジ126、127のプランジャの運動と、弁176、178の位置との間の同期が達成されてもよい。弁176、178を作動させる任意の他の適切な手段が、多投与注入システム108によって利用されてもよい。例えば、六角形以外の突起形状が使用されてもよく、オス型およびメス型突起の場所が、逆であってもよく、磁気界面等の他の種類の界面が、使用されてもよく、またはカセット114は、弁位置駆動部材(例えば、モータ)を含んでもよく、バルク流体容器ホルダモジュール116と弁176、178との間の電子界面(例えば、電気接点)を通して制御されてもよい。
【0102】
図6は、多投与注入システム108から医療流体を複数の患者に送達する、方法190の工程図である。方法190における第1のステップ192は、通信リンクを介して、バルク流体容器ホルダモジュール116を注入デバイス(例えば、パワーヘッド50)に通信可能に相互接続することであってもよい。通信リンクは、硬質有線電気ケーブル、無線接続、または任意の他の適切な通信リンクであってもよい。本方法190の残りは、パワーヘッド50上の生理食塩水シリンジ126を使用して生理食塩水を、パワーヘッド50上の造影剤シリンジ127を使用して造影剤を送達する文脈において説明される。シリンジ126、127は、逆であってもよく、または他の実施形態では、他の種類の流体が、送達されてもよいことを理解されるであろう。
【0103】
次のステップ194は、新しい多用途管類セット110をバルク流体容器ホルダモジュール116およびパワーヘッド50に取着することであってもよい。多用途管類セット110は、カセット114に予め接続されてもよい。本取着は、カセット114をバルク流体容器ホルダモジュール116内の対応する受容場所に挿入するステップを含んでもよい。本ステップ194の次の部分は、生理食塩水コネクタ142をパワーヘッド50の生理食塩水シリンジ126の対応するノズルに相互接続することであってもよい。この後、造影剤コネクタ144を造影剤シリンジ127のノズルに相互接続することが続いてもよい。また、本ステップ194は、RFIDタグ読取機によってカセットRFIDタグ174を読み取るステップを含んでもよい。多投与注入システム108は、正しいカセット114が、多投与注入システム108によって行われる手技のために設置されていることを検証してもよい。さらに、本ステップ194は、上述のバルク流体容器ホルダモジュール116および/またはカセット114の構成要素を使用して、多投与注入システム108によって、弁176、178の位置を決定するステップを含んでもよい。また、本ステップ194は、所定の構成にある(例えば、ボトル118、120と多用途管類セット110との間の流動を防止するために閉鎖される)ように、弁176、178を作動させるステップを含んでもよい。
【0104】
この後、生理食塩水ボトル118および造影剤ボトル120をカセット114に流体的に取着するステップ196が続いてもよい。ユーザは、本ステップ196において、ボトル118、120、容器ホルダ124、125、および/またはカセット114上の色分けによって、補助されてもよい。例えば、ユーザを補助するために、カセット114上の生理食塩水ボトル118、生理食塩水容器ホルダ124、および生理食塩水印180インジケータはすべて、紫色に色分けされてもよい。同様に、造影剤関連構成要素は、黄色に色分けされてもよい。任意の他の適切な色分け方式が、使用されてもよい。ボトル118、120の取着は、カセット114の対応するスパイク170、172上にボトル118、120を降下させるステップを備えてもよい。
【0105】
次のステップ198は、ボトル118、120内の流体を加温することであってもよい。これは、容器ホルダ124、125内に配置される抵抗加熱要素を励起することによって達成されてもよい。ボトル118、120内の流体は、初期設定温度(例えば、流体を受容する患者の体内温度)に加熱されてもよい。代替として、ボトル118、120内の流体を加熱する任意の適切な方法が、使用されてもよい。ボトル118、120は、任意の適切な標的温度に加熱されてもよい。ボトル118、120はそれぞれ、同一温度に加熱されてもよく、または各ボトル118、120は、異なる標的温度に加熱されてもよい。
【0106】
次のステップであるステップ200は、患者専用管類セット112を多用途管類セット110に取着するステップを含んでもよい。これは、(例えば、アルコール綿棒によって)多用途管類セット110の消毒可能メス型ルアーコネクタ154を消毒し、メス型ルアーコネクタ154を洗浄および/または滅菌するステップを含んでもよい。この後、消毒可能メス型ルアーコネクタ154をオス型ルアー156に相互接続するステップが続いてもよい。
【0107】
次のステップ202は、流体送達構成要素(例えば、シリンジ126、127、多用途管類セット110の管類、および患者専用管類セット112)を初期化することであってもよい。本ステップ202は、上方を指向する(例えば、したがって、シリンジ126、127のノズルが上方を指向する)ように、パワーヘッド50を配向するステップを含んでもよい。次に、弁176、178が開放され、シリンジ126、127のプランジャが、後退され、ボトル118、120から多用途管類セット110およびシリンジ126、127中に流体を装填してもよい。シリンジ126、127内の空気は、シリンジ126、127の頂部に蓄積されてもよい。次に、シリンジ126、127内の空気および流体が、一方向逆止弁146、148を越えて、延長管152を通り、および患者専用管類セット112を通るように付勢するために、弁176、178が、閉鎖されてもよく、シリンジ126、127のプランジャが延出される。本工程は、少なくとも実質的にすべての空気が、管類から、患者界面オス型ルアー162を通して排出されるまで、繰り返されてもよい。生理食塩水管132および造影剤管134は、そのような工程を使用して、個々または同時に浄化されてもよい。さらに、多用途管類セット110は、患者専用管類セット112(その後、浄化される必要がある)を取着する前に、浄化され得る。多用途管類セット110は、ボトル118、120が交換されるまで、または多用途管類セット110が交換されるまで、再浄化される必要はないが、患者専用管類セット112は、交換される度に浄化されるべきである。
【0108】
次のステップ204は、患者内に挿入されたカテーテル260に相互接続される、患者専用管類セット112の患者界面オス型ルアー162を対応するメス型ルアー(例えば、カテーテル界面メス型ルアー262)に接続することであってもよい。次いで、カテーテル260の開存性が、アクセスルアー158を通して検証されてもよい。
【0109】
次のステップ206は、カテーテル260の流体出口ポート261を通して、多投与注入システム108から患者に流体を注入することであってもよい。これは、パワーヘッド50を下方指向位置に位置付けるステップを含んでもよい。この点において、シリンジ126、127内の空気またはシリンジ126、127に進入する空気は、シリンジ126、127内に捕捉されてもよい。
【0110】
ステップ206の残りおよび方法190は、パワーヘッド50上の造影剤シリンジ127を使用して、患者内に造影剤を注入する文脈において説明される。生理食塩水を注入するための手技は、類似であってもよいことを理解されたい。さらに、パワーヘッド50のシリンジ126、127のいずれかは、任意の適切な流体の注入のために使用されてもよい。
【0111】
ステップ206に進み、造影剤ボトル120から造影剤シリンジ127中に造影剤を装填するために、造影剤弁178が開放されてもよく、造影剤シリンジ127のプランジャが後退されてもよい。本ステップの間、造影剤管一方向逆止弁148は、造影剤管一方向逆止弁148の下流の流体が造影剤シリンジ127に進入するのを防止するはずである。次に、造影剤弁178が閉鎖され、造影剤シリンジ127のプランジャが、延出される。閉鎖された造影剤弁178は、流体が造影剤ボトル120に流入するのを防止し、造影剤管一方向逆止弁148は、造影剤管134内の圧力が、造影剤シリンジ127のプランジャの移動によって上昇するのに伴って、そこを通る流動を許可するはずである。この点において、造影剤は、造影剤管一方向逆止弁148を越えて、延長管152内へ、患者専用管類セット112を通して、カテーテル260を通して、患者内へと流動してもよい。
【0112】
造影剤シリンジ127のプランジャの後退および延出に関連する造影剤弁178の開放および閉鎖のシーケンスは、患者が所定の用量の造影剤を受容するまで、繰り返されてもよい。故に、次のステップ208は、患者が全所望容量の造影剤を受容したかどうかを調査/決定することであってもよい。患者が、全用量を受容していない場合、造影剤を注入するステップ206は、継続してもよい。患者が全用量を受容した場合、次のステップ210は、注入プロセスを停止することであってもよい。特定の患者のための注入プロトコルは、任意の適切な数の段階を利用してもよく、各段階は、任意の適切な流体を使用してもよいことを理解されたい(例えば、注入プロトコルは、造影剤および生理食塩水の注入を交互に行うステップを伴ってもよい、造影剤の少なくとも1回の注入および生理食塩水の少なくとも1回の注入を含んでもよい等である)。
【0113】
注入プロセスが停止されると、次のステップ212は、消毒可能メス型ルアーコネクタ154をオス型ルアー156から分断することによって、多用途管類セット110を患者専用管類セット112から分断することであってもよい。
【0114】
次のステップ214は、生理食塩水ボトル118および造影剤ボトル120が、後続患者の流体送達の性能のために十分な流体を含有するかどうかを決定することであってもよい。生理食塩水ボトル118、造影剤ボトル120、または両方が、交換される必要があると決定される場合、次のステップ215は、交換されたボトル118および/または120内に含有される任意の流体を適切なシリンジ126および/または127中に装填することであってもよい。この点において、流体は、次の患者に注入するために利用可能であってもよい。次のステップ216は、適切なボトルを除去し、ステップ196に進み、新しいボトルを流体的に取着することであってもよい。次いで、プロセス190は、新しい患者専用管類セット112を使用して、後続患者のために継続されてもよい。ボトル118、120が、交換される必要がないと決定される場合、工程190における次のステップは、ステップ200に進み、新しい患者専用管類セット112を使用して、後続患者において、工程を継続することであってもよい。
【0115】
多用途管類セット110が交換されるべきであると決定されると、工程190は中止されてもよく、多用途管類セット110が交換される。次いで、使用済み多用途管類セット110は、廃棄あるいは一新(例えば、洗浄および/または滅菌)されてもよい。多用途管類セット110が交換されるべきであるとの決定は、例えば、多用途管類セット110が使用されていた時間の所定の長さ、そこを通って移動する所定の体積の流体、汚染および/または損傷の疑惑、あるいは任意の他の適切な基準に基づいてもよい。
【0116】
また、多投与注入システム108は、生理食塩水ボトル118および/または造影剤ボトル120の交換に関連する、所定の機能を果たすように動作可能であってもよい。例えば、造影剤ボトル120が空に近づくと、パワーヘッド50は、任意の残りの造影剤を造影剤シリンジ127中に装填してもよい。次いで、ユーザは、造影剤ボトル120を交換してもよい。次いで、造影剤シリンジ127のプランジャは、造影剤管134内の空気が新しい造影剤ボトル120中に付勢されるように、造影剤弁178を開放した状態で、延出されてもよい。したがって、浄化ステップ202は、回避されてもよく、または要求される浄化量が、低減されてもよい。この点において、造影剤ボトル120は、拡張可能、空洞域を有する、または任意の他の適切な特徴(例えば、通気口)を有し、造影剤シリンジ127からその中の流体を付勢させてもよい。
【0117】
加えて、流体を患者に注入していないとき、生理食塩水弁176および造影剤弁178の一方または両方が、開放位置に残されてもよい。これによって、望ましくない圧力が、パワーヘッド50のシリンジ126、127内に蓄積されるのを防止してもよい。
【0118】
図3Bに戻ると、多投与注入システム108は、多用途管類セット110に流体的に相互接続されることが可能な真空ポート240を含んでもよい。最初の要約として、空気は、多用途管類セット110を介してシリンジ126、127内への流体の次の装填を促進するように、多用途管類セット110およびシリンジ126、127から排出されてもよい。図3Bに例示されるように、カセット114がバルク流体容器ホルダモジュール116上に設置されるとき、真空ポート240がカセット114上のカセット真空ポート238(図5Bおよび7)に流体的に相互接続されるように、真空ポート240は、バルク流体容器ホルダモジュール116の中に配置されるポートの形態であってもよい。バルク流体容器ホルダモジュール116は、真空ポート240で真空を生成するように、真空ポンプおよび/または任意の他の適切なデバイスを含んでもよい。真空ポンプおよび/または他の真空生成デバイスは、バルク流体容器ホルダモジュール116内部に配置され、通路によって真空ポート240に流体的に相互接続されてもよい。代替として、バルク流体容器ホルダモジュール116は、真空ポート240において真空を提供するために、外部の真空源が外部接続に流体的に相互接続されてもよいように、真空ポート240に流体的に相互接続される外部接続を含んでもよい。
【0119】
図7は、カセット114およびその内部流体通路の概略図である。カセット114の内部で、生理食塩水管132は、生理食塩水管から弁への通路230を介して、生理食塩水弁176の第1のポート244に流体的に相互接続される。同様に、造影剤管134は、造影剤管から弁への通路232を介して、造影剤弁178の第1のポート250に流体的に相互接続される。カセット114内部で、カセット真空ポート238は、真空通路237に流体的に相互接続され、これによって、生理食塩水弁176の第2のポート246および造影剤弁178の第2のポート252に流体的に相互接続される。カセット114の内部で、生理食塩水スパイク170は、生理食塩水スパイクから弁への通路234を介して、生理食塩水弁176の第3のポート248に流体的に相互接続される。同様に、造影剤スパイク172は、造影剤スパイクから弁への通路236を介して、造影剤弁178の第3のポート254に流体的に相互接続される。
【0120】
生理食塩水弁176は、生理食塩水から弁への通路230を生理食塩水スパイクから弁への通路234へ選択的に流体的に相互接続するように動作可能であってもよく、このため、流体が生理食塩水スパイク170から、生理食塩水スパイクから弁への通路234を通して、生理食塩水弁176を通して(生理食塩水弁内部の通路264を通して)、生理食塩水管から弁への通路230を通して、生理食塩水管132内へと、およびこの逆に流動することを可能にする。さらに、生理食塩水管から弁への通路230が、生理食塩水スパイクから弁への通路234に流体的に相互接続されるとき、真空通路237は、生理食塩水管から弁への通路230および生理食塩水スパイクから弁への通路234の両方から流体的に隔離されてもよい。
【0121】
生理食塩水弁176はまた、その第1のポート244、第2のポート246、および第3のポート248の各々(およびそれぞれ、そこに流体的に接続された通路、生理食塩水管から弁への通路230、真空通路237、および生理食塩水スパイクから弁への通路234)が、相互に流体的に隔離され得るように、閉鎖するように動作可能であってもよく、それによって、生理食塩水シリンジ126のプランジャの延出の間、図6のステップ206を参照して上述したように弁の閉鎖を可能にし、流体が生理食塩水管一方向逆止弁146を越えて延長管152に流動し、患者専用の管類セット112を通って、カテーテル260を通って、患者内に流動することを促進する。そのような生理食塩水弁176の閉鎖は、例えば、図7に図説された位置から反時計回りに90度、生理食塩水弁内部通路264を回転することによって達成されてもよい。
【0122】
生理食塩水弁176はまた、生理食塩水管から弁への通路230を真空通路237に選択的に流体的に相互接続するように動作可能であってもよい。これは、図7に図説された位置から時計回りに90度、生理食塩水内部通路264を回転することによって達成されてもよい。そのような生理食塩水弁内部通路264の位置は、生理食塩水管132(および相互接続された生理食塩水シリンジ126)から、生理食塩水弁176を通して(生理食塩水弁内側通路264を通して)、およびカセット真空ポート238を通して、空気を流動することを可能にしてもよい。そのような流動は、カセット真空ポート238が、真空ポート240に流体的に相互接続され、真空源が真空を発生するように、カセット114がバルク流体容器ホルダモジュール116上に設置されるときに作成されてもよい。この点において、空気は、生理食塩水管132および生理食塩水シリンジ126から除去されてもよい。さらに、生理食塩水管から弁への通路230が、真空通路237に流体的に相互接続されるとき、生理食塩水スパイクから弁への通路234は、生理食塩水管から弁への通路230および真空通路237の両方から流体的に隔離されてもよい。
【0123】
図7のカセット114は、上述の流体接続を達成するように動作可能な、単一の生理食塩水弁176と、生理食塩水弁内部通路264と、を含む。さらに、第1、第2、および第3のポート244、246、および248それぞれが、生理食塩水弁176に対して任意の適切な場所に配置されてもよく、生理食塩水弁176は、任意の適切な対応する構成を有してもよい。代替として、2つ以上の生理食塩水弁が、これらの機能を実施するように配列されてもよい。そのような実施形態において、カセット144は、複数の弁を含んでもよく、各々、その独自の作動部材(例えば、メス型六角部材)を備える。そのような配列において、バルク流体容器ホルダモジュール116は、対応する数の弁アクチュエータを有してもよい。
【0124】
カセット114は、上述の生理食塩水弁176および関連通路に類似した造影剤弁類および通路を含んでもよい。造影剤弁178は、造影剤管から弁への通路232を造影剤スパイクから弁への通路236に選択的に流体的に相互接続するように動作可能であってもよく、それによって、流体が造影剤スパイク172から、造影剤スパイクから弁への通路236を通って、造影剤弁178を通って(造影剤弁内部通路266を通って)、造影剤管から弁への通路232を通って、造影剤管134内へ、およびこの逆に流動することを可能にする。さらに、造影剤管から弁への通路232が、造影剤スパイクから弁への通路236に流体的に相互接続されると、真空通路237は、造影剤管から弁への通路232および造影剤スパイクから弁への通路236の両方から流体的に隔離されてもよい。
【0125】
造影剤弁178はまた、その第1のポート250、第2のポート252、および第3のポート254の各々(およびそれぞれそこに流体的に接続された通路、造影剤管から弁への通路232、真空通路237、および造影剤スパイクから弁への通路236)が、相互に流体的に隔離されてもよいように(例えば、図7に図説された位置から時計回りに90度、造影剤弁の内部通路266を回転することによって)、閉鎖するように動作可能であってもよい。
【0126】
造影剤弁178はまた、造影剤管から弁への通路232を真空通路237に選択的に流体的に相互接続するように動作可能であってもよく、それによって、空気が造影剤管134(および相互接続された造影剤シリンジ127)から、造影剤弁178を通して、カセット真空ポート238を通して流動することを可能にする。さらに、造影剤管から弁への通路232が、真空通路237に流体的に相互接続されると、造影剤スパイクから弁への通路236は、造影剤管から弁への通路232および真空通路237の両方から流体的に隔離されてもよい。生理食塩水弁類に関して、図7のカセット114は、これらの機能を実行するために、任意の適切な弁構成および/または複数の造影剤弁を利用してもよい。
【0127】
図3Bおよび7を参照すると、バルク流体容器ホルダモジュール116およびカセット114はさらに、カセット114および/または流体管132、134内部の1つ以上の既定の場所での空気の存在および/または流体の不在を検知する能力を含んでもよい。この点において、バルク流体容器ホルダモジュール116は、生理食塩水通路センサ257および/または造影剤通路センサ259を含んでもよい。
【0128】
生理食塩水通路センサ257は、カセット114の生理食塩水通路センサウィンドウ256を通して「見る」ことによって、生理食塩水スパイクから弁への通路234内部の流体を検知するように動作可能な光学センサであってもよい。生理食塩水通路センサウィンドウ256は、生理食塩水通路センサ257が生理食塩水スパイクから弁への通路234内部の流体の存在を検知することを可能にする、透明または半透明のウィンドウであってもよい。この点において、生理食塩水通路センサ257は、生理食塩水スパイクから弁への通路234内部で流体状況と非流体状況との間を区別するように動作可能であってもよい。非流体状況は、生理食塩水スパイクから弁への通路234内部の空気および/または生理食塩水スパイクから弁への通路234内部の真空を示すことであってもよい。バルク流体容器ホルダモジュール116は、同様に構成された造影剤通路センサ259を含んでもよく、カセット114は、同様に構成された造影剤通路センサウィンドウ258を含んでもよい。
【0129】
上述のセンサ257、259に加えて、またはこれらの代わりに、流体の存在および/または不在、ならびに/あるいは空気の存在を検知するために、任意の適切なセンサの種類が使用されてもよい。そのようなセンサは、任意の適切な場所(複数を含む)に配置されてもよい。例えば、そのようなセンサは、カセット114に統合されてもよい。例えば、そのようなセンサは、ボトル118、120内部および/または管132、134内部の流体を検知するように配置されてもよい。センサ257、259は、光学式、容量式、ホール効果、および/または任意の他の適切な種類であってもよい。生理食塩水通路センサウィンドウ256および造影剤通路センサウィンドウ258は、使用されるセンサの種類(複数を含む)と機能するように任意の適切な構成であってもよい。さらに、生理食塩水通路センサウィンドウ256および造影剤通路センサウィンドウ258は、カセット114の残りの部分とは物理的に異ならなくてもよい。例えば、カセット114が透明な材料から構築され、センサ257、259が光学式である場合、センサウィンドウ256、258は、カセット114の残りの部分に類似して構成されてもよい(例えば、透明な材料から作製される)。
【0130】
カセット114がバルク流体容器ホルダモジュール116に挿入されるとき、生理食塩水通路センサ257は、生理食塩水通路センサウィンドウ256と整合してもよく、造影剤通路センサ259は、造影剤通路センサウィンドウ258と整合してもよく、カセット真空ポート238は、バルク流体容器ホルダモジュール116の真空ポート240と流体的に相互接続してもよい。この点において、カセット114の設置は、真空源が管類セット110およびシリンジ126、127に接続され、生理食塩水スパイクから弁への通路234および造影剤スパイクから弁への通路236内部の流体の存在または不在が判断されてもよいように、センサウィンドウ256、258を位置決めすることを自動的に可能にしてもよい。
【0131】
単一患者の流体送達システム等、バルク流体容器ホルダモジュール116を含まない注入器システムにおいて、真空源は、(例えば、弁を介して)管類セットの一部に直接的に流体的に相互接続されてもよい。そのようなシステムにおいて、真空源を管類セットに接続する弁は、自動的または手動で制御されてもよい。
【0132】
空気(または真空)が生理食塩水スパイクから弁への通路234および/または造影剤スパイクから弁への通路236に存在することを検知する能力は、新しいカセット114および多用途管類セット110が設置されていること、またはボトル118、120のうちの1つまたは両方が空であることを判断する際に補助するように、自動注入器40によって使用されてもよい。自動注入器40はまた、図8および9を参照して以下の方法で説明するような状態に対して応答するように動作可能であってもよい。
【0133】
図8は、真空支援を使用する図3Aの多投与注入システム108の多用途管類セット110およびシリンジ126、127に流体を装填する方法の工程図270である。本方法は、多投与注入システム108から複数の患者に医療流体を送達する上述の方法190のステップ202の少なくとも部分として実行されてもよい。本方法は、多投与注入システム108の初期セットアップの文脈において説明する。しかしながら、本方法はまた、任意の好適な修正とともに、多用途管類セット110を交換する際、または空気が多用途管類セット110および/またはシリンジ126、127のうちの1つまたは両方に入った場合等、他の状況下で実行されてもよい。本方法は、新しい多用途管類セット110が設置されるとき、ユーザによって開始されてもよい。本方法は、多投与注入システム108が、新しい多用途管類セット110が設置されていることを検出すると、多投与注入システム108によって開始されてもよい。多投与注入システム108は、カセットのRFIDタグ174を読み取ることによって、および/または生理食塩水および造影剤通路センサ257、259で空気および/または流体の欠如を検出することによって、新しい多用途管類セット110の設置を検出してもよい。方法はまた、多投与注入システム108が、空気が多用途管類セット110および/またはシリンジ126、127に入っていることを検出するときに開始されてもよい。
【0134】
方法の第1のステップ272は、図3Aに図説された位置のように、パワーヘッド50を上向きに指向することであってもよい(例えば、シリンジ126、127のノズル終端部は、ノズル終端部から反対方向のシリンジ126、127の終端部の上方、またはこれらより高い位置に配置される)。パワーヘッド50を上向きに指向することによって、シリンジ126、127内部の一切の流体は、ピストンに向かって下向きに流動する傾向になる。したがって、シリンジ126、127内部の空気は、流体の上部に配置され、真空の印加によって外部へ引き出されるように動作可能になる。第1のステップ272として挙げられているが、パワーヘッド50は、流体源を多用途管類セット110に接続するステップの前の任意の適切な時点で、上向き指向位置に移動されてもよい。
【0135】
次のステップ274は、多用途管類セット110およびパワーヘッド50を真空源に流体的に相互接続することであってよい。多投与注入システム108の最初のセットアップの場合、このステップ274は、パワーヘッド50上にシリンジ126、127を設置するステップと、多用途管類セット110を設置するステップとを含んでもよい。多用途管類セット110を設置するステップは、生理食塩水コネクタ142を生理食塩水シリンジ126に、および造影剤コネクタ144を造影剤シリンジ127に取着するステップを含んでもよい。さらに、設置するステップは、カセット114をバルク流体容器ホルダモジュール116に挿入するステップを含んでもよい。カセット114を挿入するステップによって、カセット真空ポート238をバルク流体容器ホルダモジュール116の真空ポート240に流体的に相互接続してもよい。カセット114がバルク流体容器ホルダモジュール116上に配置されると、現在のステップ274は、生理食塩水スパイク170が、生理食塩水管132および真空通路237から流体的に隔離される一方で、生理食塩水管132が、真空通路237に流体的に相互接続されるように、生理食塩水弁176を作動させるステップを含んでもよい。ステップ274は、造影剤スパイク172が、造影剤管134および真空通路237から流体的に隔離される一方で、造影剤管134が、真空通路237に流体的に相互接続されるように、造影剤弁178を作動させるステップをさらに含んでもよい。この点では、生理食塩水スパイク170および造影剤スパイク172の両方が多用途管類セット110の残りの部分(例えば、生理食塩水管132、造影剤管、および真空通路237)から流体的に隔離される一方で、生理食塩水管132および造影剤管134の両方は、真空源240に流体的に相互接続されてもよい。
【0136】
次のステップ276は、多用途管類セット110およびシリンジ126、127から空気を除去するように、真空ポート240に真空を印加することであってもよい。真空の印加は、バルク流体容器ホルダモジュール116の真空ポンプを励起する形態であってもよい。代替として、真空の印加は、真空ポート240に流体的に相互接続されたバルク流体容器ホルダモジュール116上のポートに外部真空源を印加する形態であってもよい。真空は、既定の時間量、および/または既定の真空レベルが達成されるまで、多用途管類セット110およびシリンジ126、127に印加されてもよい。
【0137】
次のステップ278は、パワーヘッド50上の多用途管類セット110およびシリンジ126、127を真空ポート240から隔離することであってもよい。これは、生理食塩水管132および生理食塩水スパイク170が、真空通路237から流体的に隔離されるように、生理食塩水弁176を作動するステップと、造影剤管134および造影剤スパイク172が、真空通路237から流体的に隔離されるように、造影剤弁178を作動するステップを伴ってもよい。隔離後、多用途管類セット110およびシリンジ126、127の中に作成された真空は、そのままの状態であってもよい。
【0138】
この後に、生理食塩水ボトル118および造影剤ボトル120を多用途管類セット110およびパワーヘッド50に流体的に相互接続するステップ280が続いてもよい。ステップ280は、生理食塩水ボトル118を生理食塩水容器ホルダ124に設置するステップを含んでもよく、これは、生理食塩水ボトル118が生理食塩水容器ホルダ124に設置されると、生理食塩水スパイク170で生理食塩水ボトル118上のシールを穿刺するステップを含んでもよい。造影剤ボトル120は、造影剤容器ホルダ126に同様に設置されてもよい。ステップ280は、生理食塩水管132が生理食塩水スパイク170に流体的に相互接続され、真空通路237から流体的に隔離されるように、生理食塩水弁176を作動するステップと、造影剤管134が造影剤スパイク172に流体的に相互接続され、真空通路237から流体的に隔離されるように、造影剤弁178を作動するステップを伴ってもよい。このように、生理食塩水ボトル118は、少なくとも部分的に排出された生理食塩水管132および生理食塩水シリンジ126に流体的に相互接続されてもよく、造影剤ボトル120は、造影剤管134および造影剤シリンジ127に流体的に相互接続されてもよい。ステップ278および280の生理食塩水弁176の作動は、単一の作動であってもよい。同様に、ステップ278および280の造影剤弁178の作動は、単一の作動であってもよい。ステップ278および280は、流体源(ボトル118、120)が、どの時点でも真空源240に流体的に相互接続されない様式等で実行されてもよい。
【0139】
次のステップ282は、流体が、ボトル118、120から、多用途管類セット110およびシリンジ126、127に流動し、ステップ276において作成された真空を充填することを可能にすることであってもよい。この点において、多用途管類セット110およびシリンジ126、127から空気を除去するために真空を使用することによって、多用途管類セット110およびシリンジ126、127に流体を充填する際に支援してもよい。ステップ282の後に、多用途管類セット110およびシリンジ126、127の中に残存する空気の量は、前のステップで多用途管類セット110およびシリンジ126、127の中に作成された真空のレベルに依存してもよい。この点において、多用途管類セット110およびシリンジ126、127の中に少量の空気だけが残存するように十分な真空が作成されてもよく、これによって、その後の空気抜き操作を最小にしてもよい。
【0140】
図8の方法のステップ284は、ボトル118、120からの流体がシリンジ126、127に装填されるように、シリンジ126、127のプランジャを後退させることであってもよい。多用途管類セット110内部の空気は、その後、シリンジ126、127の中へ移動してもよく、パワーヘッド50の上向きの配向のために、シリンジ126、127の頂部へ移動してもよい。次のステップ286は、シリンジ126、127からボトル118、120を流体的に隔離することであってもよい。これは、生理食塩水弁176および造影剤弁178を作動することによって達成されてもよい。
【0141】
次のステップ288は、シリンジ126、127内部の空気を、それぞれの一方向弁146、148を越えて、ルアーコネクタ154を通して、多用途管類セット110の外側へ放出するように、シリンジ126、127のプランジャを延出することであってもよい。シリンジ126、127のプランジャの延出の間、多用途管類セット110は、シリンジ126、127とボトル118、120との間で流体によって充填され、その方向には流体出口がないために、空気は概して、多用途管類セット110を通って、ボトル118、120に向かって流動しない。このため、シリンジ126、127の中の空気はすべて、一方向弁146、148を越えて、ルアーコネクタ154を通って多用途管類セット110の外側へ排出されることになる。多用途管類セット110およびシリンジ126、127が十分に空気抜きされると、本方法は完了してもよい。多用途管類セット110のルアーコネクタ154を通して外部へ空気抜きする代わりに、シリンジ126、127内部の空気は、ボトル118、120の中へ戻ることができ(ステップ288の実行により)、次いで、ステップ286が実行され得る。
【0142】
注意すべき点は、真空を使用する空気の除去が、シリンジ126、127のプランジャの運動を使用するシリンジ126、127および多用途管類セット110のその後の空気抜きに対する必要性を完全に排除しない場合、本方法は、真空支援が全く採用されない場合に必要な空気抜きの量に比較して、必要な空気抜きの量を削減してもよい。このため、真空支援を使用する空気の除去は、真空支援を使用しない空気抜き工程に対して、後の空気抜き過程の間に廃棄される(例えば、ルアーコネクタ154を通って排出され、患者に使用には使用不可能である)流体の量を削減してもよい。装填されたシリンジ126、127から空気抜きされた後、患者専用の管類セット112が多用途管類セット110に取着される場合、1)ステップ286が実行されてもよく、2)患者専用の管類セット112から空気を抜くために、シリンジ126、127のプランジャが、延出されてもよい。
【0143】
図9は、多投与注入システム108の造影剤ボトル120を交換する方法の工程図300である。本方法は、注入手技または他の適切なシーケンス(例えば、図8の方法によってシリンジ126、127を充填する間)の間に空になった造影剤ボトル120を交換するために実行されてもよい。造影剤ボトル120を交換するコンテキストにおいて示されるが、方法は、生理食塩水ボトル118または多投与注入システム108に相互接続された任意の他の流体容器を交換するために、任意の適切な修正をもって使用されてもよい。
【0144】
本方法の最初のステップ302は、造影剤スパイクから弁への通路236の中で空気を検出することであってもよい。この検出は、造影剤通路センサ259によるものであってもよい。造影剤スパイクから弁への通路236の中で空気を検出するステップは、取着された造影剤ボトル120が空であって、交換が必要であることを示すインジケータであってもよい。空気の検出は、造影剤スパイクから弁への通路236内部の空気の直接的測定を介してもよく、または、空気の存在は、流体の欠如を検出することによって推論されてもよい。
【0145】
一般的に、造影剤スパイクから弁の通路236内部の空気の検出は、造影剤シリンジ127のプランジャが後退される間に行われる。これは、造影剤スパイクから弁の通路236を通して流体の最後の部分を装填している造影剤シリンジ127のプランジャの後退によるもので、造影剤スパイクから弁の通路236内部の流体の不在(例えば、空気または真空)となる。したがって、空気の検出の次に、造影剤シリンジ127のプランジャの後退を中止するステップ304が続いてもよい。造影剤シリンジ127のプランジャを中止するステップは、空気の検出後直ちに発生してもよいため、最後の部分の流体と造影剤ボトル120の開口部との間の造影剤スパイクから弁への通路236内の容量が推定されてもよい。この推定された容量は、後のステップで使用されてもよい。
【0146】
造影剤シリンジ127のプランジャの後退以外の状況が、造影剤スパイクから弁への通路236での流体の不在につながる状況において(例えば、システムの漏洩、閉塞)、造影剤シリンジ127のプランジャの後退を中止するステップ304は、省略されてもよく、造影剤スパイクから弁への通路236での流体の欠如の原因は、進行前に修正されてもよい。
【0147】
造影剤シリンジ127のプランジャの後退を中止するステップの後、本方法は、2つの経路のうちの1つに続いてもよい。第1の経路において、中止するステップ304は、造影剤スパイクから弁への通路236が完全に流体で充填されるまで、造影剤流体源界面(例えば、造影剤ボトル120の開口部)に向かって造影剤を後方へ移動するように、造影剤シリンジ127のプランジャを前進させるステップ306に続いてもよい。ステップ306の間、造影剤弁178は、造影剤シリンジ127および造影剤ボトル120が流体的に相互接続されたままであるように、構成されてもよい。造影剤シリンジ127のプランジャの前進は、造影剤管の一方向逆止弁148を越える実質的な流動が回避されるように、流体経路内の圧力が既定値(例えば、一方向逆止弁148のクラッキング圧)を下回るような速度で維持されるように行われてもよい。この点において、造影剤シリンジ127のピストンは、造影剤スパイクから弁への通路236の中の空気の少なくとも想定量に対応する距離を前進させられてもよく、これによって、造影剤スパイクから弁への通路236は、流体が充填され、造影剤ボトル120の開口部に流体が存在することになる。次のステップ308は、空の造影剤ボトル120を取り除き、空ではない造影剤ボトル120と交換することによって、造影剤ボトル120を交換することであってもよい。造影剤ボトル120の開口部と造影剤スパイクから弁への通路236との間の界面で、造影剤スパイクから弁への通路236の中には流体が存在するために、空ではない造影剤ボトル120が設置された後、注入シーケンス(または、図8の方法270に従い、シリンジ126、127を充填するとき等の他の適当なシーケンス)は、造影剤スパイクから弁への通路236を通過する空気がほとんどない、または全くない状態で継続310されてもよい。
【0148】
第2の経路において、中止するステップ304は、空の造影剤ボトル120を取り外し、空ではない造影剤ボトル120に交換することによって、造影剤ボトル120を交換するステップ308に続いてもよい。造影剤ボトル120が交換された後、次のステップ312は、造影剤スパイクから弁への通路236内部の空気を造影剤ボトル120内に空気を押し出すように、造影剤シリンジ127のプランジャを前進させることであってもよい。ステップ312の間、造影剤弁178は、造影剤シリンジ127および造影剤ボトル120が流体的に相互接続されたままであるように構成されてもよい。造影剤シリンジ127のプランジャの前進は、造影剤管の一方向逆止弁148を越える実質的な流動が回避されるように、流体経路内の圧力が既定値(例えば、一方向逆止弁148のクラッキング圧)を下回るような速度で維持されるように行われてもよい。この点において、造影剤シリンジ127のピストンは、造影剤スパイクから弁への通路236の中の空気の少なくとも想定量に対応する距離を前進させられてもよく、これによって、造影剤スパイクから弁への通路236内部の空気が、空ではない造影剤ボトル120内に押し出されることになり、このため、造影剤スパイクから弁への通路236から一切の空気を抜く。こうして造影剤スパイクから弁への通路236から空気が抜かれた後、注入シーケンスは継続310してもよく、造影剤スパイクから弁への通路236を通過する空気はほとんど、または全くない。
【0149】
本明細書に説明されるシステム(例えば、図3Aの多投与注入システム108、図1の自動注入器10)は、本明細書に説明される方法を実施するように、上述の構成要素を制御および/またはこれらとインターフェースすることが可能な制御論理13(図1)を含んでもよい。そのような論理13は、ソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェアおよびハードウェアの任意の適切な組み合わせにおいて具現化されてもよい。そのような論理13は、本明細書に説明されるシステムのパワーヘッド50、バルク流体容器ホルダモジュール116、または任意の他の適切な構成要素または構成要素の組み合わせに常駐していてもよい。
【0150】
制御論理13は、任意の適切なソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアの中、1つ以上のプラットフォームを使用して、1つ以上のプロセッサを使用して、任意の適切な種類のメモリを使用して、任意の適切な種類の任意の単一のコンピュータまたは任意の適切な種類の複数のコンピュータを使用して、任意の適切な様式において相互接続され、またはこれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない、任意の適切な様式において実装されてもよい。制御論理13は、任意の単一の場所で、または任意の適切な様式(例えば、任意の種類のネットワークを介して)相互接続される複数の場所で実装されてもよい。
【0151】
本発明の上述の説明は、例示および説明のために提示されている。さらに、本説明は、本発明を本明細書で開示される形態に限定することを目的としない。その結果として、変形例および修正は、上述の教示に相応であり、関連技術の技能および知識は、本発明の範囲内である。上述で説明される実施形態はさらに、本発明を実践する公知の最良のモードを説明すること、およびそのような実施形態または他の実施形態で、かつ本発明の特定の用途または使用法によって必要とされる種々の修正とともに、当業者が本発明を利用できるようにすることを目的とする。添付の請求項は、従来技術によって可能となる程度で、代替実施形態を含むと解釈されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療流体送達システムであって、
注入デバイスと、
第1の流体源と、
患者に挿入され、および流体的に相互接続されるように動作可能な流体出口ポートと、
真空源と
を備え、該注入デバイスは、選択的に該第1の流体源に流体的に相互接続可能であり、該注入デバイスは、選択的に該真空源に流体的に相互接続可能であり、該注入デバイスは、該流体出口ポートに流体的に相互接続される、システム。
【請求項2】
医療流体送達システムであって、
注入デバイスと、
第1の流体源と、
真空源と、
該注入デバイス、該第1の流体源、および該真空源の各々と流体的に相互接続され、および患者と流体的に相互接続可能である管類セットと、
流体装填動作のために該第1の流体源を該注入デバイスに流体的に相互接続する前に、該管類セットを介して該真空源と該注入デバイスとを流体的に相互接続し、該真空源を操作するように構成される制御論理と
を備える、システム。
【請求項3】
第1の弁をさらに備え、
該第1の弁の第1のポートは、前記注入デバイスの第1のシリンジに流体的に相互接続され、
該第1の弁の第2のポートは、前記真空源に流体的に相互接続され、
該第1の弁の第3のポートは、前記流体源に流体的に相互接続され、
該第1の弁の第1の位置において、該第1の弁の該第1のポートは、該第1の弁の該第2のポートに流体的に相互接続され、該第1の弁の該第3のポートは、該第1の弁の該第1のポートおよび該第1の弁の該第2のポートから流体的に隔離され、
該第1の弁の第2の位置において、該第1の弁の該第1のポートは、該第1の弁の該第3のポートに流体的に相互接続され、該第1の弁の該第2のポートは、該第1の弁の該第1のポートおよび該第1の弁の該第3のポートから流体的に隔離される、請求項1および2のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の弁の第3の位置において、該第1の弁の前記第1、第2、および第3のポートの各々は、該第1の弁の該第1、第2、および第3のポートの他の全てのポートから流体的に隔離される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
第2の弁をさらに備え、
該第2の弁の第1のポートは、前記注入デバイスの第2のシリンジに流体的に相互接続され、
該第2の弁の第2のポートは、前記真空源に流体的に相互接続され、
該第2の弁の第3のポートは、第2の流体源に流体的に相互接続され、
該第2の弁の第1の位置において、該第2の弁の該第1のポートは、該第2の弁の該第2のポートに流体的に相互接続され、該第2の弁の該第3のポートは、該第2の弁の該第1のポートおよび該第2の弁の該第2のポートから流体的に隔離され、
該第2の弁の第2の位置において、該第2の弁の該第1のポートは、該第2の弁の該第3のポートに流体的に相互接続され、該第2の弁の該第2のポートは、該第2の弁の該第1のポートおよび該第2の弁の該第3のポートから流体的に隔離される、請求項3および4のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2の弁の第3の位置において、該第2の弁の前記第1、第2、および第3のポートの各々は、該第2の弁の該第1、第2、および第3の他の全てのポートから流体的に隔離される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2の流体源は、自身の中に生理食塩水を有する、請求項5および6のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の流体源と前記第1の弁との間の流体経路に沿った第1の場所に配置されるセンサをさらに備え、該センサは、該第1の場所における流体の不在および該第1の場所における流体の存在のうちの少なくとも1つを検出することができる、請求項3〜7のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
制御論理をさらに備え、該制御論理は、
前記第1の流体源を前記第1のシリンジから隔離する一方で、前記真空源を該第1のシリンジに流体的に相互接続するように、前記第1の弁を作動することと、
該流体的に相互接続された第1のシリンジに真空を印加するように、該真空源を起動することと、
該真空源を起動した後に、該真空源を該第1のシリンジから隔離する一方で、該第1の流体源を該第1のシリンジに流体的に相互接続するように、該第1の弁を作動することと、
流体を、該第1の流体源から該第1のシリンジまで、前記流体出口ポートを経て患者の血管系に送達するように、医療流体送達プロトコルを実行することであって、該流体は、該患者の流体と混合する、ことと
を行うように構成される、請求項3〜8のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
制御論理をさらに備え、該制御論理は、
前記真空源を前記第1のシリンジに流体的に相互接続するように、前記第1の弁を作動することと、
該流体的に相互接続された第1のシリンジに真空を印加するように、該真空源を起動することと、
該真空源を起動した後に、該真空源を該第1のシリンジから隔離する一方で、前記第1の流体源を該第1のシリンジに流体的に相互接続するように、該第1の弁を作動することと、
該第1の流体源を該第1のシリンジに流体的に相互接続した後に、該第1の流体源から第1の容量の流体を該第1のシリンジに装填するように、前記注入デバイスのモータを駆動することと、
前記流体出口ポートを経て該第1の容量を注入するように、該注入デバイスの該モータを駆動することと、
該第1の容量を注入した後に、該第1の流体源から第2の容量の流体を該第1のシリンジに装填するように、該注入デバイスの該モータを駆動することと、
該流体出口ポートを経て該第2の容量を注入するように、該注入デバイスの該モータを駆動することと
を行うように構成される、請求項3〜10のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記注入デバイスに流体的に相互接続される管類セットと、
該管類セットから前記流体源を隔離する一方で、該管類セットを前記真空源に流体的に相互接続するように動作可能な弁類と、
該管類セットから該真空源を隔離する一方で、該管類セットを前記第1の流体源に流体的に相互接続するように動作可能な弁類と
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
カニューレをさらに備え、前記流体出口ポートは、該カニューレの開放端である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記カニューレは、前記患者の血管系内へ挿入されるように動作可能である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記注入デバイスに流体的に相互接続される管類セットと、
該注入デバイスと前記流体出口ポートとの間で該管類セットに沿って配置される第1の一方向弁であって、該第1の一方向弁は、該注入デバイスから該流体出口ポートへの流体流動を可能にするように配置され、該第1の一方向弁は、該流体出口ポートから該注入デバイスへの流体流動を阻止するように配置される、第1の一方向弁と
をさらに備える、請求項1〜13のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の流体源は、自身の中に造影剤を有する、請求項1〜14のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
医療流体送達システムのための操作方法であって、
a)真空源を管類セットおよび注入デバイスのシリンジに流体的に相互接続することであって、該管類セットは、該シリンジに流体的に相互接続される、ことと、
b)ステップaの後に、該真空源を使用して、該管類セットおよびシリンジから空気を抜き出すことと、
c)ステップbの後に、該管類セットおよび該シリンジから該真空源を隔離することと、
d)ステップcの後に、第1の流体源を該管類セットおよび該シリンジに流体的に相互接続することと、
e)ステップdの後に、該第1の流体源から流体を該シリンジに装填することと
を含む、方法。
【請求項17】
医療流体送達システムのための操作方法であって、
a)真空源を管類セットおよび注入デバイスのシリンジに流体的に相互接続することであって、該管類セットは、流体出口ポートを備える、ことと、
b)ステップaの後に、該真空源を使用して、該管類セットおよび該シリンジから空気を抜き出すことと、
c)第1の流体源を該管類セットおよび該シリンジに流体的に相互接続することと、
d)該第1の流体源から第1の容量の流体を該シリンジに装填することと、
e)該流体出口ポートを経て該第1の容量を注入することと、
f)第2の容量の流体を該第1の流体源から該シリンジに装填することと、
g)該流体出口ポートを経て該第2の容量を注入することであって、該第2の容量の流体は、該第1の容量の流体とは異なる、ことと
を含む、方法。
【請求項18】
ステップeの後に、流体を前記シリンジから患者に注入することをさらに備え、該シリンジからの該流体は、該患者の流体と混合する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1および第2の容量の流体は、前記患者の流体と混合する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記注入するステップは、
流体を前記第1の流体源から前記シリンジの中に装填するように、前記注入デバイスのプランジャを後退させることと、
該後退させるステップの後に、該第1の流体源を該シリンジから隔離するように弁を閉じることと、
流体を該シリンジからの前記患者の中に移動させるように該プランジャを延長させることと
を含む、請求項16および18のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記空気を抜き出すことの間、前記第1の流体源は、前記真空源から流体的に隔離される、請求項16〜20のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
ステップcは、弁を作動させることを含む、請求項16〜21のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
h)前記第1の流体源から第1の流体源界面を経て流体を装填するように、前記注入デバイスのプランジャを後退させることであって、該後退させることの間、該注入デバイスおよび該流体源は、前記管類セットによって流体的に相互接続される、ことと、
i)ステップhの間、該管類セット内の第1の点において流体の欠如を自動的に検出することであって、該第1の点は、該注入デバイスと該第1の流体源との間にある、ことと、
j)ステップiに応答して、ステップhの実施を中止することと、
k)ステップjの後に、流体を該管類セットから該第1の流体源界面まで移転させるように、該プランジャを前進させることと、
l)ステップjの後に、該第1の流体源を交換用の第1の流体源と交換することと
をさらに含む、請求項16〜22のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
ステップlは、ステップkの前に実施される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記前進させるステップおよび後退させるステップの後に、流体を前記第1の流体源から患者に注入することをさらに含み、該注入された流体は、該患者の流体と混合する、請求項23および24のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の流体源は、自身の中に造影剤を有する、請求項16〜25のうちのいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−523275(P2012−523275A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504737(P2012−504737)
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/029890
【国際公開番号】WO2010/117919
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(511215045)マリンクロッド エルエルシー (12)
【Fターム(参考)】