説明

真空解凍装置

【課題】エネルギー効率を向上させることのできる真空解凍装置を提供することを課題とする。
【解決手段】被解凍物Fを水蒸気の潜熱によって解凍する真空解凍装置1であって、被解凍物Fを内部に収容する真空解凍庫2と、真空解凍庫2内に配置され水を収容した貯水容器31と、貯水容器31内の水を加熱して水蒸気にする電気ヒータ32と、真空解凍庫2内を排気する真空ポンプ41と、貯水容器31内及び被解凍物Fの下方を延びる伝熱管33と、真空ポンプ41の吐出側及び伝熱管33を接続する循環配管44と、を備えており、伝熱管33の第2の端部側には絞り331が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被解凍物を水蒸気の潜熱によって解凍する真空解凍装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷凍された食品等の被解凍物を解凍する解凍装置として、水蒸気の潜熱を利用した真空解凍装置が提案されている。この真空解凍装置は、例えば特許文献1に開示されているように、被解凍物を収容するとともに内底部に水が貯留された解凍室を有しており、解凍室の内底部の水中にはヒータが設置されている。被解凍物を解凍する際は、解凍室内を真空ポンプによって排気して真空とし、ヒータで内底部に貯留された水を加熱して水蒸気とする。この水蒸気は冷凍された食品等の表面に集まって食品によって凝縮し、その際に被解凍物に対して水蒸気の潜熱が与えられることで被解凍物が解凍される。
【特許文献1】特開平5−15358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで上記真空解凍装置において、解凍室内に侵入する空気を排出するとともに、室内の水蒸気圧力を設定圧力に保持するために真空ポンプによる排気運転が行われるが、このとき多量の蒸気が被解凍物の解凍に利用されずに空気とともに外部に排気されており、エネルギー効率が悪いという問題があった。そこで、本発明は、エネルギー効率を向上させることのできる真空解凍装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の発明に係る真空解凍装置は、上記課題を解決するためになされたものであり、被解凍物を水蒸気の潜熱によって解凍する真空解凍装置であって、被解凍物を内部に収容する真空解凍庫と、前記真空解凍庫内に配置され水を収容した貯水容器と、前記貯水容器内の水を加熱して水蒸気にする加熱手段と、前記真空解凍庫内を排気する真空ポンプと、前記貯水容器内を延びる伝熱管と、第1の端部が前記真空ポンプの吐出側に接続され、第2の端部が前記伝熱管の第1の端部に接続される循環配管と、前記伝熱管及び循環配管内を高圧に保持する高圧保持手段と、を備えている。
【0005】
上記第1の発明に係る真空解凍装置によれば、真空ポンプによって真空解凍庫から排出された水蒸気を真空解凍庫の外部へ放出するのではなく、循環配管を介して伝熱管内に送出している。伝熱管内に送出された水蒸気は、真空ポンプによって圧縮されており、また、高圧保持手段によって高圧に保持されているため、真空解凍庫内の飽和蒸気温度よりも高い飽和蒸気温度となっている。伝熱管は貯水容器内に配置されているため、伝熱管内の水蒸気は貯水容器内の水と熱交換して貯水容器内の水を加熱することができる。この結果、被解凍物の解凍に利用されなかった水蒸気を貯水容器内の水を蒸発させるための補助加熱源とすることができ、エネルギー効率を改善することができる。
【0006】
第2の発明に係る真空解凍装置は、上記課題を解決するためになされたものであり、被解凍物を水蒸気の潜熱によって解凍する真空解凍装置であって、被解凍物を内部に収容する真空解凍庫と、前記真空解凍庫内に配置され水を収容した貯水容器と、前記貯水容器内の水を加熱して水蒸気にする加熱手段と、前記真空解凍庫内を排気する真空ポンプと、前記真空解凍庫内において被解凍物の下方に配置された伝熱管と、第1の端部が前記真空ポンプの吐出側に接続され、第2の端部が前記伝熱管の第1の端部に接続される循環配管と、前記伝熱管及び循環配管内を高圧に保持する高圧保持手段と、を備えている。
【0007】
上記第2の発明に係る真空解凍装置によれば、真空ポンプによって真空解凍庫から排出された水蒸気を真空解凍庫の外部へ放出するのではなく、循環配管を介して伝熱管内に送出している。伝熱管内に送出された水蒸気は、真空ポンプによって圧縮されており、また、高圧保持手段によって高圧に保持されているため、真空解凍庫内の飽和蒸気温度よりも高い飽和蒸気温度となっている。伝熱管は被解凍物の下方に配置されているため、伝熱管内の水蒸気は被解凍物から滴下する水と熱交換して貯水容器内の水を加熱することができる。この結果、被解凍物の解凍に利用されなかった水蒸気を真空解凍庫内で水蒸気を発生させるための補助加熱源とすることができ、エネルギー効率を改善することができる。
【0008】
上記第1及び第2の発明に係る真空解凍装置は種々の構成をとることができ、例えば上記加熱手段は電気ヒータとすることができる。
【0009】
また、上記高圧保持手段は、伝熱管の第2の端部に設置されたバルブによって構成したり、その他にも、伝熱管の第2の端部を絞ることにより構成することができる。
【0010】
また、上記真空ポンプの吐出側に第1及び第2の吐出管を接続し、第1の吐出管を第1の開閉弁を介して循環配管に接続し、第2の吐出管を第2の開閉弁を介して真空解凍庫の外部に排気する排気用真空ポンプに接続することが好ましい。
【0011】
また、上記真空ポンプと第1及び第2の吐出管との間に空気分離手段を設置し、この空気分離手段により、水蒸気を第1の吐出管に送出し、空気を第2の吐出管に送出することもできる。
【0012】
また、上記真空解凍庫内の圧力が一定となるように、電気ヒータによる加熱を制御する制御手段をさらに備えていることが好ましい。
【0013】
また、上記真空ポンプを水封式真空ポンプとし、この水封式真空ポンプの作動媒体である水を冷却する冷凍機をさらに備え、冷凍機の凝縮排熱により貯水容器内の水を加熱させるようにすることもできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、エネルギー効率を向上させることのできる真空解凍装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る真空解凍装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、真空解凍装置の概略図である。
【0016】
図1に示すように、真空解凍装置1は、内部に被解凍物F(冷凍された食品等)を収容する真空解凍庫2と、真空解凍庫2内に蒸気を供給する蒸気供給部3と、真空解凍庫2内の水蒸気を排気するとともに真空解凍庫2内に循環させる循環部4と、真空解凍庫2内の空気等を外部へ排気するための排気部5とを備えている。
【0017】
真空解凍庫2は、直方体状の形状をしており、内部に被解凍物Fを載置する棚21が上下方向に3段設置されている。また、真空解凍庫2は、被解凍物Fを出し入れできるよう扉(図示省略)が形成されている。この真空解凍庫2の材質は、特に限定されるものではないが、ステンレス鋼によって構成されていることが好ましい。また、真空解凍庫2内に設置された棚21は、水蒸気や水が自由に通過できるように複数の貫通穴が形成されていることが好ましく、例えばパンチメタルなどによって形成したり、網状にしたりすることができる。
【0018】
蒸気供給部3は、真空解凍庫2内に水蒸気を供給するためのものであり、真空解凍庫2の底部に設置され内部に水が貯留された貯水容器31と、貯水容器31内の水を加熱して水蒸気を発生させる電気ヒータ32と、貯水容器31内の水面上部および水面上方を蛇行状に延びる伝熱管33とを備えている。貯水容器31は、被解凍物Fの下方に設置されており、上面が開口した直方体状に形成されている。貯水容器31が被解凍物Fの下方に設置されているため、水蒸気と被解凍物Fとが接触することによって発生した水が落下して貯水容器31内へと戻るようになっている。
【0019】
電気ヒータ32は、貯水容器31内を延びるように設置されており、可変抵抗によって容量を制御したり、間欠運転を行うこと等によって貯水容器31内の水の加熱量を調整できるように構成されている。伝熱管33は、被解凍物Fの下方に設置されており、一部が貯水容器31内の水面上部を延びている。この伝熱管33の第2の端部は真空解凍庫2内において下方を向いて開口しており、第1の端部は、後述する循環配管44と連結している。また、伝熱管33の第2の端部側には、伝熱管33内の圧力を高圧に保持するための絞りが形成されている。
【0020】
循環部4は、真空解凍庫2の上部から延びる配管に吸入側が接続された真空ポンプ41と、真空ポンプ41の吐出側に接続された第1の吐出管42と、第1の開閉弁43を介して第1の吐出管42と連結する循環配管44と、を備えている。真空ポンプ41は、真空解凍庫2内を排気して真空解凍庫2内を真空とするためのものであり、真空解凍庫2内の水蒸気を圧縮して、第1の吐出管42及び第1の開閉弁43を介して循環配管44に送出している。また、真空ポンプ41は、真空解凍庫2内が所定の圧力まで減圧された後にその所定の圧力を維持するよう真空解凍庫2内を排気するための真空ポンプであり、真空解凍庫2内を大気圧から所定の圧力まで減圧する際は、後述する排気用真空ポンプ53とともに真空解凍庫2内を排気する。循環配管44は、真空ポンプ41によって排気された水蒸気を真空解凍庫2内に戻すよう、上述した伝熱管33の第1の端部に接続されている。また、循環配管44は、真空解凍庫2外部の空気と熱交換しないよう、断熱性を有する材料によって構成したり、断熱性を有する材料によって覆われていることが好ましい。
【0021】
排気部5は、真空ポンプ41の吐出側に接続された第2の吐出管51と、第2の開閉弁52を介して第2の吐出管と接続された排気用真空ポンプ53とを備えている。排気用真空ポンプ53は、真空解凍庫2内を大気圧から所定の圧力まで減圧する際に用いられる排気専用のポンプであり、真空解凍庫2内が所定の圧力まで減圧されると停止するように制御されることが好ましい。なお、できる限り真空にすることが好ましいが、例えば、飽和蒸気温度5〜10℃にするとすれば0.9〜1.2kPaまで減圧されると排気用真空ポンプ53が停止するように制御する。
【0022】
次に、上述した真空解凍装置1の作動について以下説明する。
【0023】
まず、真空解凍庫2の扉(図示省略)から被解凍物Fを真空解凍庫2内に入れて、その被解凍物Fを棚21上に置いて扉を閉めるとともに第1の開閉弁43を閉状態にし第2の開閉弁52を開状態とする。そして、真空ポンプ41及び排気用真空ポンプ53を起動して真空解凍庫2内の空気等を真空解凍庫2外部へと排気し、真空解凍庫2内を予め設定していた所定の圧力にまで減圧する。なお、このときの所定の圧力とは特に限定されるものではないが、例えば飽和蒸気温度5〜10℃にするとすれば0.9〜1.2kPaである。
【0024】
真空解凍庫2内を所定の圧力まで減圧すると、第1の開閉弁43を開状態、第2の開閉弁52を閉状態として排気用真空ポンプ53を停止させて真空ポンプ41のみを作動させた状態とする。そして、貯水容器31内に水を導入し(導入水系統は特に図示しない)電気ヒータ32を作動させて貯水容器31内の水を加熱し水蒸気を発生させる。このとき、可変抵抗によって容量制御をしたり間欠運転すること等によって貯水容器31内の水に対する電気ヒータ32の加熱量を調整し、真空解凍庫2内の圧力が2.3〜4.2kPa程度(飽和蒸気温度:20〜30℃)となるように調整する。
【0025】
この貯水容器31内の水から発生した水蒸気は、低温度である被解凍物Fの表面に集まって凝縮する。この凝縮によって水蒸気は被解凍物Fに対して凝縮潜熱を与え、被解凍物Fは、水蒸気からの潜熱により表面から徐々に加熱され、その内部も熱伝導によって加熱されて徐々に解凍される。このとき、空気分子が無く水蒸気のみの真空状態であるため、水蒸気の被解凍物Fへの熱移動はスムーズに行われ、効率よく解凍することができる。また、被解凍物Fに凝縮潜熱を与えた水蒸気は水となって被解凍物Fから貯水容器31へと滴下する。
【0026】
上述した被解凍物Fの解凍に使用されない水蒸気は、真空ポンプ41によって真空解凍庫2から排出され、第1の吐出管42及び循環配管44を介して伝熱管33に送出される。伝熱管33に送出された水蒸気は真空ポンプ41によって圧縮されているため、伝熱管33内の圧力は、真空解凍庫2内の圧力よりも高くなっており、例えば4.2〜7.4kPa(飽和蒸気温度:30〜40℃)である。このように伝熱管33内の飽和蒸気温度が真空解凍庫2内の飽和蒸気温度よりも高いため、伝熱管33内の水蒸気と貯水容器31内の水とが熱交換を行い、伝熱管33内の水蒸気が凝縮されるとともに貯水容器31内の水は加熱されて水蒸気が発生する。なお、伝熱管33内の水蒸気は凝縮されて水となり貯水容器31内に戻る。また、伝熱管33は被解凍物Fの下方でも延びているため、被解凍物Fから滴下する水が伝熱管33と接触して伝熱管33内の水蒸気と熱交換を行い加熱される。
【0027】
以上、本実施形態によれば、被解凍物Fの解凍に利用されずに真空解凍庫2の外部へ真空ポンプ41によって排出された水蒸気を、伝熱管33を介して貯水容器31内の水や被解凍物Fから滴下する水を加熱するための熱源として利用しているため、真空解凍装置1全体としてエネルギー効率を向上させることができる。
【0028】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、貯水容器31内の水を加熱して水蒸気とするための加熱手段として電気ヒータを採用しているが、その他にもIH等の誘導加熱を利用する加熱手段や外部でヒートポンプにより加熱した温水を循環させる加熱手段等を使用して貯水容器3内の水を蒸発させることもできる。
【0029】
また、上記実施形態では、伝熱管33の第2の端部側に絞り331を形成することで伝熱管33内を高圧に保持しているが、伝熱管33内を高圧に保持する手段は特にこれに限定されるわけではなく、例えば、伝熱管33の第2の端部側にバルブを設けることで、伝熱管33内を高圧に保持することもできる。
【0030】
また、上記実施形態における伝熱管33は、内部の水蒸気が真空解凍庫2内において下から上へと流れるような構成をとっているが、上から下へと流れるような構成にすることもできる。
【0031】
また、上記実施形態では、真空ポンプ41と排気用真空ポンプ53の2つを使用しているが、排気用真空ポンプ53を省略して真空ポンプ41のみとすることもできる。
【0032】
また、上記実施形態において真空解凍庫2内に空気が侵入した場合は、一時的に第2の開閉弁52を開状態にして排気用真空ポンプ53を起動させることで真空解凍庫2内の空気を排気することができる。また、この方法では真空解凍庫2内の水蒸気も一緒に排出してしまうが、図2に示すように、真空ポンプ41と第1及び第2の吐出管42,51との間に空気分離手段6を設置することで、真空解凍庫2内の空気のみを排気部5から排出し、水蒸気は循環部4から真空解凍庫2内に戻すような構成とすることができる。このように空気分離手段6を設置した場合は、空気分離手段6内の空気量が上限設定値以上となった場合は排気用真空ポンプ53をオンとし、下限設定値以下になればオフとする排空気運転を導入してもよい。なお、この空気分離手段は図示の位置に限定されるものではない。
【0033】
また、上記実施形態の真空ポンプ41は、昇圧の程度に応じて、ブロア型のポンプや水封型のポンプ、ルーツ型のポンプなど種々のポンプを採用することができる。水封型のポンプを採用した場合は、真空ポンプ41の作動媒体である水を冷却する必要がある。このため、図3に示すように、小型冷凍機7を設置し、ここで生成した冷水を真空ポンプ41に供給するとともに、小型冷凍機7からの排熱を放熱する水冷却装置8(例えば、冷却塔や水空気熱交換器など)からの放熱量を低減し、貯水容器31内の水に放熱するような構成とすることもできる。
【0034】
また、上記実施形態における真空ポンプ41と電気ヒータ32との制御方法については、真空ポンプ41を一定の排気運転(例えば、一定回転数)とし、真空解凍庫2内の圧力があらかじめ設定された所定の圧力(一定値に設定された圧力、もしくは時間とともに変化するように設定された圧力)になるように電気ヒータ32側を制御するようにしてもよい。
【0035】
また、真空ポンプ41の排気量を数段階に分け、各段階において真空解凍庫2内の圧力が予め設定された圧力となるように電気ヒータ32を制御することもできる。
【0036】
また、上記実施形態では、被解凍物Fの加熱源は水蒸気のみであるが、高周波やマイクロ波などの他の加熱源と併用することもできる。
【0037】
また、伝熱管33は、フィン付の伝熱管にしたり、直列ではなく複数の伝熱管33を並列に接続することもできる。また、伝熱管33の表面を水の沸騰に適した表面処理を施すことが好ましい。
【0038】
また、上記実施形態では、伝熱管33は、貯水容器3内及び被解凍物Fの下方を延びているが、例えば貯水容器3内のみで延びていたり、又は被解凍物Fの下方のみで延びていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る真空解凍装置の実施形態を示す概略図である。
【図2】本発明に係る真空解凍装置の他の実施形態を示す概略図である。
【図3】本発明に係る真空解凍装置のさらに他の実施形態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0040】
1 真空解凍装置
2 真空解凍庫
31 貯水容器
32 電気ヒータ(加熱手段)
33 伝熱管
331 絞り(高圧保持手段)
41 真空ポンプ
44 循環配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被解凍物を水蒸気の潜熱によって解凍する真空解凍装置であって、
被解凍物を内部に収容する真空解凍庫と、
前記真空解凍庫内に配置され水を収容した貯水容器と、
前記貯水容器内の水を加熱して水蒸気にする加熱手段と、
前記真空解凍庫内を排気する真空ポンプと、
前記貯水容器内を延びる伝熱管と、
第1の端部が前記真空ポンプの吐出側に接続され、第2の端部が前記伝熱管の第1の端部に接続される循環配管と、
前記伝熱管及び循環配管内を高圧に保持する高圧保持手段と、
を備えた、真空解凍装置。
【請求項2】
被解凍物を水蒸気の潜熱によって解凍する真空解凍装置であって、
被解凍物を内部に収容する真空解凍庫と、
前記真空解凍庫内に配置され水を収容した貯水容器と、
前記貯水容器内の水を加熱して水蒸気にする加熱手段と、
前記真空解凍庫内を排気する真空ポンプと、
前記真空解凍庫内において被解凍物の下方に配置された伝熱管と、
第1の端部が前記真空ポンプの吐出側に接続され、第2の端部が前記伝熱管の第1の端部に接続される循環配管と、
前記伝熱管及び循環配管内を高圧に保持する高圧保持手段と、
を備えた、真空解凍装置。
【請求項3】
前記加熱手段は電気ヒータである、請求項1又は2に記載の真空解凍装置。
【請求項4】
前記高圧保持手段は、前記伝熱管の第2の端部に設置されたバルブである、請求項1〜3のいずれかに記載の真空解凍装置。
【請求項5】
前記高圧保持手段は、前記伝熱管の第2の端部を絞ることにより構成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の真空解凍装置。
【請求項6】
前記真空ポンプは、吐出側において第1及び第2の吐出管に接続しており、
前記第1の吐出管は、第1の開閉弁を介して前記循環配管が接続され、
前記第2の吐出管は、第2の開閉弁を介して前記真空解凍庫の外部に排気する排気用真空ポンプが接続されている、請求項1〜5のいずれかに記載の真空解凍装置。
【請求項7】
前記真空ポンプと前記第1及び第2の吐出管との間に設置された空気分離手段をさらに備え、
前記空気分離手段は、水蒸気を前記第1の吐出管に送出し、空気を前記第2の吐出管に送出する、請求項6に記載の真空解凍装置。
【請求項8】
前記真空解凍庫内の圧力が一定となるように、前記電気ヒータによる加熱を制御する制御手段をさらに備えた請求項2〜7のいずれかに記載の真空解凍装置。
【請求項9】
前記真空ポンプは、水封式真空ポンプであり、
当該真空解凍装置は、前記水封式真空ポンプの作動媒体である水を冷却する冷凍機をさらに備え、
前記冷凍機の凝縮排熱により前記貯水容器内の水を加熱させる、請求項1〜8のいずれかに記載の真空解凍装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−130923(P2010−130923A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−308393(P2008−308393)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【Fターム(参考)】