説明

眼筋緊張緩和システム、眼筋緊張緩和プログラムおよび眼筋緊張緩和方法

【課題】眼筋の緊張を緩和すること。
【解決手段】仮想空間に配置された表示対象物の位置を記憶する配置位置記憶手段C2A4と、表示対象物を仮想空間内で移動させる表示対象物移動手段C2Cと、仮想空間における表示対象物と、表示装置H2と、左目と、右目と、の位置に基づいて、利用者の左目視線が表示装置H2と交差する位置に表示対象物を投影した左目用立体視画像と、利用者の右目視線が表示装置H2と交差する位置に表示対象物を投影した画像である右目用立体視画像と、を作成する画像作成手段C2Bと、左目用立体視画像と右目用立体視画像とを表示する立体視画像表示手段C2Eと、を備えたことを特徴とする眼筋緊張緩和システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼筋緊張緩和システム、眼筋緊張緩和プログラムおよび眼筋緊張緩和方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のIT化に伴って、コンピュータや携帯電話などの操作画面を長時間見つづけて作業を行う機会が増加している。このような作業では、長時間、至近距離に眼の焦点を合わせ続けた状態となりやすい。人間の目は、眼球の周りの外眼筋で、眼球を動かし、視線を定める。そして、視線の先から光をうけ、眼球表面の角膜と眼球内部の水晶体で屈折させ、眼球後方の網膜に映すことで、対象物を知覚している。このとき、水晶体の周りにある毛様体が収縮することで、水晶体の厚さが変化し、焦点が合わせられており、見る対象物が近いほど、水晶体を厚くするために毛様体は強く収縮する。したがって、長時間、至近距離に眼の焦点を合わせることは、外眼筋を一定の緊張状態におくことになると共に、毛様体を、長時間、強い収縮状態におくことになり、眼の疲労の原因になるとともに、視力の低下の一因になるとも言われている。
【0003】
外眼筋、毛様体などの、いわゆる眼筋の緊張状態を緩和させる方法として、紙媒体などに印刷された右目用の画像と左目用の画像を、画像位置から眼の視線や焦点を手前または奥側に意図的にずらしつつ、それぞれの目で同時に見て、脳に立体として認識させる立体視による方法が提案されている。
このような立体視の実現手段として、非特許文献1に記載の技術が知られている。
【0004】
非特許文献1としての「どんどん目がよくなるマジカル・アイEX.」には、右目用の画像と左目用の画像が配置された一見するとただの模様にしか見えない画像、いわゆるSIS:Single Image Stereogramの印刷画像を使用して、立体視を行う方法が記載されている。非特許文献1では、画像位置の奥側に両目の焦点を合わせてから、右側に配置された右目用の画像を右目で見て、左側に配置された左目用の画像を左目で見ることで、両目の視線を平行に近づけた状態で見る平行法による立体視が行われている。また、非特許文献1では、画像位置手前側に両目の焦点を合わせてから、左側に配置された右目用の画像を右目で見て、右側に配置された左目用の画像を左目で見ることで、両目の視線を交差させて見る交差法による立体視が行われている。
【0005】
【非特許文献1】「どんどん目がよくなるマジカル・アイEX.」、株式会社宝島社、2003年3月3日
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非特許文献1に記載の技術では、一度、立体視によって立体を認識できても、画像の位置関係が変化しないので、そのまま、立体視により画像を見つづけると、利用者の視線や焦点は、画像位置に基づく立体視可能な限定的な範囲に合いつづけることになり、眼筋を一定の緊張状態におくことになっていた。
【0007】
前述の事情に鑑みて、本発明は、眼筋の緊張を緩和することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の眼筋緊張緩和システムは、
画像が表示される表示装置と、
利用者と前記表示装置とを結ぶ遠近方向に仮想的に設定された仮想空間に配置された表示対象物の位置を記憶する配置位置記憶手段と、
前記表示対象物を前記仮想空間内で前記遠近方向に沿って移動させる表示対象物移動手段と、
前記仮想空間における前記表示対象物の位置と、前記表示装置の仮想空間上の位置と、前記利用者の左目の位置と、前記利用者の右目の位置と、に基づいて、前記利用者の左目と前記表示対象物とを結ぶ左目視線が前記表示装置と交差する位置に前記表示対象物を投影した画像である左目用立体視画像と、前記利用者の右目と前記表示対象物とを結ぶ右目視線が前記表示装置と交差する位置に前記表示対象物を投影した画像である右目用立体視画像と、を作成する画像作成手段と、
作成された左目用立体視画像と右目用立体視画像とを前記表示装置に表示する立体視画像表示手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
前記技術的課題を解決するために、請求項2に記載の発明の眼筋緊張緩和プログラムは、
コンピュータを、
利用者と画像が表示される表示装置とを結ぶ遠近方向に仮想的に設定された仮想空間に配置された表示対象物の位置を記憶する配置位置記憶手段、
前記表示対象物を前記仮想空間内で前記遠近方向に沿って移動させる表示対象物移動手段、
前記仮想空間における前記表示対象物の位置と、前記表示装置の仮想空間上の位置と、前記利用者の左目の位置と、前記利用者の右目の位置と、に基づいて、前記利用者の左目と前記表示対象物とを結ぶ左目視線が前記表示装置と交差する位置に前記表示対象物を投影した画像である左目用立体視画像と、前記利用者の右目と前記表示対象物とを結ぶ右目視線が前記表示装置と交差する位置に前記表示対象物を投影した画像である右目用立体視画像と、を作成する画像作成手段、
作成された左目用立体視画像と右目用立体視画像とを前記表示装置に表示する立体視画像表示手段、
として機能させることを特徴とする。
【0010】
前記技術的課題を解決するために、請求項3に記載の発明の眼筋緊張緩和方法は、
利用者と画像が表示される表示装置とを結ぶ遠近方向に仮想的に設定された仮想空間に配置された表示対象物を前記仮想空間内で前記遠近方向に沿って移動させる表示対象物移動工程と、
前記仮想空間における前記表示対象物の位置と、前記表示装置の仮想空間上の位置と、前記利用者の左目の位置と、前記利用者の右目の位置と、に基づいて、前記利用者の左目と前記表示対象物とを結ぶ左目視線が前記表示装置と交差する位置に前記表示対象物を投影した画像である左目用立体視画像と、前記利用者の右目と前記表示対象物とを結ぶ右目視線が前記表示装置と交差する位置に前記表示対象物を投影した画像である右目用立体視画像と、を作成する画像作成工程と、
作成された左目用立体視画像と右目用立体視画像とを前記表示装置に表示する立体視画像表示工程と、
を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1〜3に記載の発明によれば、遠近方向に移動する表示対象物に応じて、移動、変化する立体視画像に基づいて、立体視をすることにより、利用者の視線や両目の焦点を遠近方向に移動させることができるので、眼筋の緊張を緩和することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0013】
図1は本発明の実施例1の眼筋緊張緩和システムの全体説明図である。
図1において、実施例1の眼筋緊張緩和システムSは、眼筋緊張緩和装置Uと、眼筋緊張緩和装置Uが置かれる机S1と、眼筋緊張緩和装置Uを利用する利用者1が座る、高さが調節可能な椅子S2と、眼筋緊張緩和装置Uの奥側の壁S3と、利用者1が眼筋緊張緩和装置U越しに視認することができる壁S3につけられたマークS4と、を有する。
また、図1において、実施例1の眼筋緊張緩和装置Uは、利用者1が操作可能な端末としてのクライアントパソコン(パーソナルコンピュータ)PCを有する。
前記クライアントパソコンPCは、コンピュータ装置により構成されており、コンピュータ本体H1と、表示装置の一例としてのディスプレイH2と、キーボードH3やマウスH4等の入力装置、図示しないHDドライブ(ハードディスクドライブ)、CDドライブ(コンパクトディスクドライブ)等により構成されている。
【0014】
前記眼筋緊張緩和システムSを利用する際には、利用者1は、ディスプレイH2の表示面中央部H2aが両目Eの高さにくるように、椅子S2の高さを調節して椅子S2に座る。なお、実施例1の眼筋緊張緩和システムSでは、ディスプレイH2の表示面中央部H2aと利用者1の両目Eの中央部からの表示面距離Dd及び利用者の右目ERと左目ELの間の眼球間距離Deとして、予め求められた平均値である、Dd=60.0cm、De=6.5cmが設定されている。
【0015】
(実施例1のクライアントパソコンの制御部の説明)
図2は本発明の実施例1のクライアントパソコンの制御部が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図2において、クライアントパソコンPCのコンピュータ本体H1は、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、ハードディスクやROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有している。
前記構成のクライアントパソコンPCは、前記ハードディスクやROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0016】
前記クライアントパソコンPCの前記ハードディスクドライブには、クライアントパソコンの基本動作を制御する基本ソフト(オペレーティングシステム)OSや、アプリケーションプログラムとしての眼筋緊張緩和プログラムAP1、その他の図示しないソフトウェア(文書作成ソフトウェアや製図ソフトウェア等)が記憶されている。
【0017】
(眼筋緊張緩和プログラム)
眼筋緊張緩和プログラムAP1は、下記の機能手段(プログラムモジュール)を有する。
C1:平行法用初期設定手段
平行法用初期設定手段C1は、初期設定画像表示手段C1Aと、入力判別手段C1Bと、画像表示位置更新手段C1Cと、立体視可能位置決定手段C1Dと、を有し、平行法による立体視を行うための初期設定を行う。
【0018】
図3は実施例1の眼筋緊張緩和プログラムが表示する初期設定画面を利用者が見ている様子の説明図である。
C1A:初期設定画像表示手段
初期設定画像表示手段C1Aは、初期位置記憶手段C1A1を有し、初期位置記憶手段C1A1が記憶している初期位置に基づいて、初期設定画像2を表示する。図3において、前記初期設定画像2は、左目用の左目用初期設定画像3と、右目用の右目用初期設定画像4と、前記マークS4を指し示す矢印及び利用者1のすべき操作についての文章からなる指示6と、を有する。実施例1の初期設定画像表示手段C1Aは、左目用初期設定画像3と、右目用初期設定画像4とを、初期位置記憶手段C1A1が記憶する初期位置に基づいて表示する。なお、前記左目用初期設定画像3と右目用初期設定画像4は、左目ELで左目用初期設定画像3を見て、右目ERで右目用初期設定画像4を見ることで、利用者1に立体視が可能な画像により構成されている。また、実施例1の初期設定画像表示手段C1Aは、ディスプレイH2の上方に指示6を表示する。
C1A1:初期位置記憶手段
初期位置記憶手段C1A1は、左目用初期設定画像3及び右目用初期設定画像4の初期位置を記憶する。実施例1の初期位置記憶手段C1A1は、ディスプレイH2の表示画面の大きさに基づいて予め定められた初期位値を記憶し、図3に示すように、ディスプレイH2の左端側の上下方向中央部を左目用初期設定画像3の初期位置として記憶し、ディスプレイH2の右端側の上下方向中央部を右目用初期設定画像4の初期位置として記憶する。
【0019】
C1B:入力判別手段
入力判別手段C1Bは、位置移動入力判別手段C1B1と、位置決定入力判別手段C1B2と、を有し、前記初期設定画像表示手段C1Aにより初期設定画像2が表示された場合に、入力装置H3,H4による入力があるか否かを判別する。
C1B1:位置移動入力判別手段
位置移動入力判別手段C1B1は、前記初期設定画像表示手段C1Aにより初期設定画像2が表示された場合に、左目用初期設定画像3及び右目用初期設定画像4の表示位置を移動させるための、入力装置H3,H4による位置移動入力があるか否かを判別する。実施例1の位置移動入力判別手段C1B1は、前記前記初期設定画像表示手段C1Aにより初期設定画像2が表示された場合に、マウスH4による上下方向の移動入力があるか否かを判別する。
C1B2:位置決定入力判別手段
位置決定入力判別手段C1B2は、前記初期設定画像表示手段C1Aにより初期設定画像2が表示された場合に、利用者1が立体視可能な視線方向に対応した表示位置を決定するための、入力装置H3,H4による位置決定入力があるか否かを判別する。実施例1の位置決定入力判別手段C1B2は、前記初期設定画像表示手段C1Aにより初期設定画像2が表示された場合に、マウスH4によるクリックがあるか否かを判別する。
【0020】
図4は実施例1の平行法用初期設定手段による処理中の画面と利用者の視線との関係を表した説明図であり、図4Aは図3に対応する図、図4Bは図4Aの状態から画面中央側に初期設定画像が移動した図、図4Cは図4Bの状態から画面中央側に初期設定画像が移動した図であり利用者により立体視が行われている状態の図、図4Dは図4Aの状態に対応する図で利用者の視線と初期設定画像との関係を表した図、図4Eは図4Bの状態に対応する図で利用者の視線と初期設定画像との関係を表した図、図4Fは図4Cの状態に対応する利用者の視線と初期設定画像との関係を表した図であり利用者により立体視が行われている状態の図である。
【0021】
C1C:画像表示位置更新手段
画像表示位置更新手段C1Cは、前記初期設定画像表示手段C1Aにより初期設定画像2が表示された場合に、入力装置H3,H4による位置移動入力に基づいて、左目用初期設定画像3、右目用初期設定画像4の表示位置の移動量を演算し、左目用初期設定画像3、右目用初期設定画像4の現在位置と、演算された移動量とに基づいて、表示位置を更新する。
実施例1の画像表示位置更新手段C1Cは、前記位置移動入力判別手段C1B1によりマウスH4による下方向の移動入力がなされたと判別されると、下方向の入力移動量に応じて、左目用初期設定画像3の表示位置を現在の表示位置より右側に更新し、右目用初期設定画像4の表示位置を現在の表示位置より左側に更新する。また、実施例1の画像表示位置更新手段C1Cは、前記位置移動入力判別手段C1B1によりマウスH4による上方向の移動入力がなされたと判別されると、上方向の入力移動量に応じて、左目用初期設定画像3の表示位置を現在の表示位置より左側に更新し、右目用初期設定画像4の表示位置を現在の表示位置より右側に更新する。
すなわち、図4において、実施例1の画像表示位置更新手段C1Cは、マウスH4による下方向の移動入力があると、左目用初期設定画像3と右目用初期設定画像4が互いに接近するように、左目用初期設定画像3と右目初期設定画像4との表示位置を更新し、マウスH4による上方向の移動入力があると、左目用初期設定画像3と右目用初期設定画像4が互いに離間するように、左目用初期設定画像3と右目初期設定画像4との表示位置を更新する。これにより、マウスH4の入力に応じて、立体視が可能な位置が表示面中央部H2aに近づいたり、離れたりする。
【0022】
C1D:立体視可能位置決定手段
立体視可能位置決定手段C1Dは、立体視可能位置記憶手段C1D1を有し、前記初期設定画像表示手段C1Aにより初期設定画像2が表示された場合に、入力装置H3,H4による位置決定入力に基づいて、左目用初期設定画像3と右目用初期設定画像4の利用者1に立体視が可能な表示位置である立体視可能位置EL1,ER1を決定する。
実施例1の立体視可能位置決定手段C1Dは、前記位置決定入力判別手段C1B2によりマウスH4によるクリックが行われたと判別されると、図4C、図4Fに示すような、判別された際の左目用初期設定画像3の表示位置及び右目用初期設定画像4の表示位置を立体視可能位置EL1,ER1として決定する。
C1D1:立体視可能位置記憶手段
立体視可能位置記憶手段C1D1は立体視可能位置EL1,ER1を記憶する。実施例1の立体視可能位置記憶手段C1D1は、前記立体視可能位置決定手段C1Dにより立体視可能位置として決定された左目用初期設定画像3の表示位置を左目用立体視可能位置EL1として記憶し、右目用初期設定画像4の表示位置を右目用立体視可能位置ER1として記憶する。なお、実施例1では、左目用立体視可能位置EL1と右目用立体視可能位置ER1とは、表示面中央部H2aに対して対称なので、表示面中央部H2aと左目用立体視可能位置EL1の距離と、表示面中央部H2aと右目用立体視可能位置ER1の距離とを、それぞれ距離Dcとおくとき、実施例1の立体視可能位置記憶手段C1D1は距離Dcも記憶する。
【0023】
C2:眼筋緊張緩和画像表示手段
眼筋緊張緩和画像表示手段C2は、仮想空間設定手段C2Aと、立体視画像作成手段C2Bと、表示対象物移動手段C2Cと、表示対象物操作入力判別手段C2Dと、立体視画像表示手段C2Eと、を有し、平行法による立体視画像7,8の表示を行う。
【0024】
図5は実施例1の仮想空間を表した図であり、図5Aは仮想空間におけるディスプレイと利用者の両目と表示対象物との関係を表した斜視図、図5Bは仮想空間に配置される表示対象物の頂点位置の説明図、図5Cは表示対象物の面の情報の説明図である。
図5において、実施例1では、ディスプレイH2の表示面中央部H2aを原点とし、+Y方向がディスプレイ右側、+Z方向がディスプレイ上側の右手系の直交XYZ空間を設定する。これにより、ディスプレイH2、利用者1の両目E等の関係が座標により規定される。
C2A:仮想空間設定手段
仮想空間設定手段C2Aは、表示対象物情報記憶手段C2A1と、表示対象物配置位置演算手段C2A2と、表示対象物配置手段C2A3と、表示対象物配置位置記憶手段C2A4と、を有し、立体視可能位置EL1,ER1に対応した利用者1の仮想空間における視線方向に表示対象物Aを配置する。
【0025】
C2A1:表示対象物情報記憶手段
表示対象物情報記憶手段C2A1は、仮想空間に配置される表示対象物Aの情報を記憶する。実施例1の表示対象物情報記憶手段C2A1は、表示対象物Aの一例としての立方体Aの各頂点A,A,A,A,A,A,A,Aと、立方体Aの各面B,B,B,B,B,Bに関する位置や色の情報と、を記憶する。
なお、図5B、図5Cにおいて、実施例1では、各頂点A〜Aは、A=(5,0,5),A=(0,5,5),A=(−5,0,5),A=(0,−5,5),A=(5,0,−5),A=(0,5,−5),A=(−5,0,−5),A=(0,−5,−5)と設定されており、面Bは、A,A,A,Aの順に結ばれる赤色の正方形、面Bは、A,A,A,Aの順に結ばれる緑色の正方形、面Bは、A,A,A,Aの順に結ばれる赤色の正方形、面Bは、A,A,A,Aの順に結ばれる緑色の正方形、面Bは、A,A,A,Aの順に結ばれる青色の正方形、面Bは、A,A,A,Aの順に結ばれる青色の正方形と設定されている。
【0026】
C2A2:表示対象物配置位置演算手段
表示対象物配置位置演算手段C2A2は、前記平行法用初期設定手段C1で設定された立体視可能位置EL1,ER1に対応する利用者1の視線が結ばれる仮想空間における仮想焦点位置Fを演算する。実施例1の表示対象物配置位置演算手段C2A2は、立体視可能位置EL1,ER1、左目ELの位置,右目ERの位置、眼球間距離De及び表示面距離Ddに基づいて仮想焦点位置Fを演算する。実施例1では、図5Aにおいて、眼筋緊張緩和システムSの利用時の椅子S2の高さ調節などにより、左目ELの座標UELはUEL=(Dd,−De/2,0)、右目ERの座標UERはUER=(Dd,De/2,0)と設定され、左目用立体視可能位置EL1に対応する座標UEL1はUEL1=(0,Dc,0),右目用立体視可能位置ER1に対応する座標UER1はUER1=(0,−Dc,0)と設定される。これらはXZ平面に対して対称なので、左目ELの視線と右目ERの視線が結ばれる仮想焦点位置Fは、X軸上に存在し、仮想焦点位置F、左目EL,右目ERを頂点とする三角形と、仮想焦点位置F、左目立体視可能位置EL1、右目立体視可能位置ER1を頂点とする三角形とは、仮想焦点位置Fを頂角とする相似な二等辺三角形となる。したがって、相似比により、仮想焦点位置Fの座標UはU=((−2Dc・Dd)/(De−2Dc),0,0)と演算される。
【0027】
C2A3:表示対象物配置手段
表示対象物配置手段C2A3は、前記表示対象物配置位置演算手段C2A2により求められた仮想焦点位置Fに表示対象物Aを配置する。実施例1の表示対象物配置手段C2A3は、立方体Aを平行移動により、立方体Aの重心Aを仮想焦点位置Fに配置する。すなわち、実施例1の表示対象物配置手段C2A3は、立方体Aの各頂点A〜Aを、A=(5+(−2Dc・Dd)/(De−2Dc),0,5),A=(0+(−2Dc・Dd)/(De−2Dc),5,5),A=(−5+(−2Dc・Dd)/(De−2Dc),0,5),A=(0+(−2Dc・Dd)/(De−2Dc),−5,5),A=(5+(−2Dc・Dd)/(De−2Dc),0,−5),A=(0+(−2Dc・Dd)/(De−2Dc),5,−5),A=(−5+(−2Dc・Dd)/(De−2Dc),0,−5),A=(0+(−2Dc・Dd)/(De−2Dc),−5,−5)と設定することにより、立方体Aを仮想焦点位置Fに配置する。
なお、立方体Aの重心Aは、iが1〜8の任意の整数又はGを表すとして、頂点AのX座標成分をAiX,Y座標成分をAiY,Z座標成分をAiZと表すとき、AG--=(AGX,AGY,AGZ)=((A1X+A2X+A3X+A4X+A5X+A6X+A7X+A8X)/8,(A1Y+A2Y+A3Y+A4Y+A5Y+A6Y+A7Y+A8Y)/8,(A1Z+A2Z+A3Z+A4Z+A5Z+A6Z+A7Z+A8Z)/8)である。
【0028】
C2A4:表示対象物配置位置記憶手段
表示対象物配置位置記憶手段C2A4は、仮想空間における表示対象物Aの配置位置を記憶する。実施例1の表示対象物配置位置記憶手段C2A4は、最初は、前記表示対象物配置手段C2A3で設定された立方体Aの各頂点A〜Aを記憶する。
【0029】
図6は仮想空間における表示対象物をディスプレイに透視投影する際の説明図であり、図6Aは+Z側から見た表示対象物とディスプレイと両目の関係を表した図、図6Bは−Y側から見た表示対象物とディスプレイと左目の関係を表した図、図6Cは+Y側から見た表示対象物とディスプレイと右目の関係を表した図、図6Dは表示対象物の頂点とディスプレイと両目の関係を表した数式に関する説明図である。
C2B:立体視画像作成手段
立体視画像作成手段C2Bは、左目用立体視画像作成手段C2B1と、右目用立体視画像作成手段C2B2と、を有し、仮想空間における表示対象物Aの位置と、表示装置H2の仮想空間上の位置と、利用者1の左目ELの位置と、利用者1の右目ERの位置と、に基づいて、立体視画像7,8を作成する。
【0030】
C2B1:左目用立体視画像作成手段
左目用立体視画像作成手段C2B1は、左目用投影変換演算手段C2B1aと、左目用陰面処理作成手段C2B1bと、を有し、仮想空間における表示対象物Aの位置と、表示装置H2の仮想空間上の位置と、利用者1の左目ELの位置と、に基づいて、利用者1の左目ELと表示対象物Aとを結ぶ左目視線が前記表示装置と交差する位置に前記表示対象物を投影した画像である左目用立体視画像7を作成する。
C2B1a:左目用投影変換演算手段
左目用投影変換演算手段C2B1aは、表示対象物Aの各頂点A〜Aが左目ELを基準としてディスプレイH2に透視投影されたときの座標である左目用投影変換座標L〜Lを演算する。実施例1の左目用投影変換演算手段C2B1aは、前記表示対象物配置位置記憶手段C2A4が記憶する立方体Aの各頂点A〜Aと左目ELを結ぶ直線と、YZ平面と、の交点として、各頂点A〜Aに対応する左目用投影変換座標L〜Lを演算する。
すなわち、図6において、iが1〜8の任意の整数を表すとして、頂点AのX座標成分をAix,Y座標成分をAiy,Z座標成分をAizと表し、左目用投影変換座標LのX座標成分をLix,Y座標成分をLiy,Z座標成分をLiz、と表すとき、左目用投影変換座標Lは、A=(Aix,Aiy,Aiz)とUEL=(Dd,−De/2,0)を結ぶ直線上に存在するから、媒介変数tを用いて、(Lix,Liy,Liz)=(Dd,−De/2,0)+t・(Aix−Dd,Aiy−(−De/2),Aiz−0)を満たす。また、左目用投影変換座標Lは、ディスプレイH2上の点であるから、YZ平面上に存在し、Lix=0を満たす。したがって、媒介変数tはt=−Dd/(Aix−Dd)と定まり、左目用投影変換座標Lは、(Lix,Liy,Liz)=(0,−De/2−Dd・(Aiy+De/2)/(Aix−Dd),−Dd・AiZ/(Aix−Dd))と定まる。これにより、実施例1の左目用投影変換演算手段C2B1aは、各頂点A〜Aに対応する左目用投影変換座標L〜Lを演算する。
【0031】
図7は表示対象物の面の外側に向く法線ベクトルの説明図であり、図7Aは表示対象物と法線ベクトルの斜視図、図7Bは三次元ベクトルと外積の説明図、図7Cは視線ベクトルと表示対象物の法線ベクトルの関係を表した+Z方向から見た図である。
C2B1b:左目用陰面処理作成手段
左目用陰面処理作成手段C2B1bは、前記表示対象物情報記憶手段C2A1の記憶する各面B〜Bの情報と、左目用投影変換演算手段C2B1aにより演算された左目用投影変換座標L〜Lと、に基づいて、利用者1に視認される面を表示するように処理し、左目用立体視画像7を作成する。実施例1の左目用陰面処理作成手段C2B1bは、左目ELから立方体の重心Aまで延びる左目視線ベクトルVと、各面B〜Bの外側に向く法線ベクトルN〜Nとに基づいて、面B〜Bを構成する各頂点A〜Aに対応する左目用投影変換座標L〜Lを結んでできた平面を表示するように処理し、左目用立体視画像7を作成する。
【0032】
ここで、図5C、図7において、iが1〜8の任意の整数を表し、jがiとは異なる1〜8の任意の整数を表し、Vijが頂点Aを始点とし頂点Aを終点とするベクトルを表すとき、面Bの外側に向く法線ベクトルNは、面B1-を構成する4つの頂点A,A,A,A4-において、1番目の頂点Aを始点として2番目の頂点Aを終点とするベクトルV12と、1番目の頂点Aを始点として3番目の頂点Aを終点とするベクトルV13と、の外積から、N=V12×V13となる。同様に、実施例1では、4つの頂点を順に結んで構成されるその他の各面B〜Bの外側に向く法線ベクトルN〜Nは、それぞれ、N=V26×V27,N=V65×V68,N=V51×V54,N=V56×V52,N=V43×V47となる。なお、任意の三次元ベクトルP,Qにおいて、PのX成分がP,Y成分がP,Z成分がPで、QのX成分がQ,Y成分がQ,Z成分がQz--のとき、PとQの外積はベクトルとなり、P×Q=(P−P,P−P,P−P)である。
【0033】
また、左目視線ベクトルVは、左目ELの座標UELを始点とし立方体Aの重心Aを終点とするベクトルなので、V=(AGx−Dd,AGy−(−Dd/2),AGz−0)である。
凸型の立体である実施例1の立方体Aにおいて、各面B〜Bの外側に向く法線ベクトルN〜Nの方向と左目視線ベクトルVとのなす角が90°以下であるときは、その法線ベクトルN〜Nを有する面B〜Bは、左目ELがある方向には、向いていないので、その面B〜Bを左目ELで視認できない。
すなわち、実施例1の左目用陰面処理作成手段C2B1bは、各面Bの法線ベクトルNと左目視線ベクトルVを求め、法線ベクトルNと左目視線ベクトルVの内積N・VL-を演算し、内積N・V-負の場合、すなわち、法線ベクトルN〜Nと左目視線ベクトルVとのなす角が90°より大きくなる場合に、面Bを構成する頂点A〜Aに対応する左目用投影変換座標L〜Lを結んだ図形を面Bの色で表示するように処理し、左目用立体視画像7を作成する。
なお、任意の三次元ベクトルP,Qにおいて、PのX成分がP,Y成分がP,Z成分がPで、QのX成分がQ,Y成分がQ,Z成分がQz--のとき、PとQの内積はスカラーとなり、P・Q=P+P+Pである。
【0034】
C2B2:右目用立体視画像作成手段
右目用立体視画像作成手段C2B2は、右目用投影変換演算手段C2B2aと、右目用陰面処理作成手段C2B2bと、を有し、仮想空間における表示対象物Aの位置と、表示装置H2の仮想空間上の位置と、利用者1の右目ERの位置と、に基づいて、利用者1の右目ERと表示対象物Aとを結ぶ右目視線が前記表示装置と交差する位置に表示対象物Aを投影した画像である右目用立体視画像8を作成する。
【0035】
C2B2a:右目用投影変換演算手段
右目用投影変換演算手段C2B2aは、表示対象物Aの各頂点A〜Aが右目ERを基準としてディスプレイH2に透視投影されたときの座標である右目用投影変換座標R〜Rを演算する。実施例1の右目用投影変換演算手段C2B2aは、前記左目用投影変換演算手段C2B1aが、左目ELに基づいて左目用投影変換座標L〜Lを演算していたのに替えて、右目ERに基づいて右目用投影変換座標R〜Rを演算する。
すなわち、実施例1の右目用投影変換演算手段C2B2aは、右目ERの座標UERがUER=(Dd,De/2,0)であることに基づき、前記表示対象物配置位置記憶手段C2A4が記憶する各頂点A〜Aに対応する右目用投影変換座標Rを、(Rix,Riy,Riz)=(0,De/2−Dd・(Aiy−De/2)/(Aix−Dd),−Dd・AiZ/(Aix−Dd))と演算する。
【0036】
C2B2b:右目用陰面処理作成手段
右目用陰面処理作成手段C2B2bは、前記表示対象物情報記憶手段C2A1の記憶する各面B〜Bの情報と、右目用投影変換演算手段C2B2aにより演算された右目用投影変換座標R〜Rと、に基づいて、利用者1に視認される面を表示するように処理し、右目用立体視画像8を作成する。実施例1の右目用陰面処理作成手段C2B2bは、前記左目用陰面処理作成手段C2B1bが、左目ELから立方体の重心Aまで延びる左目視線ベクトルVと、左目用投影変換座標L〜L基づいて、左目用立体視画像7を表示していたのに替えて、右目ERから立方体の重心Aまで延びる右目視線ベクトルVと、右目用投影変換座標R〜R基づいて、右目用立体視画像8を作成する。
すなわち、右目用陰面処理作成手段C2B2bは、右目ERの座標UERを始点とし立方体Aの重心Aを終点とするベクトルである右目視線ベクトルVをV=(AGx−Dd,AGy−(Dd/2),AGz−0)と求め、立方体Aの各面Bの法線ベクトルNを求めて、法線ベクトルNと右目視線ベクトルVとの内積N・VR-を演算し、内積N・VR--負の場合、すなわち、法線ベクトルN〜Nと右目視線ベクトルVとのなす角が90°より大きくなる場合に、面Bを構成する頂点A〜Aに対応する右目用投影変換座標R〜Rを結んだ図形を面Bの色で表示するように処理し、右目用立体視画像8を作成する。
【0037】
C2C:表示対象物移動手段
表示対象物移動手段C2Cは、移動量記憶手段C2C1と、移動方向記憶手段C2C2と、移動限界判別手段C2C3と、移動方向切替手段C2C4と、移動位置演算手段C2C5と、位置更新手段C2C6と、を有し、仮想空間の表示対象物Aを、利用者1に対して遠近方向に移動をさせる。実施例1の表示対象物移動手段C2Cは、仮想空間において、立方体Aの重心Aを、仮想焦点位置Fを中心にX軸方向に往復移動させることにより、利用者1に対して遠近方向に移動をさせる。
【0038】
C2C1:移動量記憶手段
移動量記憶手段C2C1は、仮想空間の表示対象物Aの移動量△Xを記憶する。実施例1の移動量記憶手段C2C1は、移動量△Xとして予め設定された所定量を記憶する。なお、予め設定された所定量に限定されず、例えば、前記表示対象物配置位置演算手段C2A2により演算された仮想焦点位置Fの座標UのX座標成分UFxが、UFx=(−2Dc・Dd)/(De−2Dc)であることに基づいて、△X=(|UFx|/2)/10、すなわち、△X=Dc・Dd/(10・(De−2Dc))とすることも可能である。
C2C2:移動方向記憶手段
移動方向記憶手段C2C2は、仮想空間の表示対象物Aを利用者1に対して遠近方向に移動をさせるための方向を記憶する。実施例1の移動方向記憶手段C2C2は、+X方向または−X方向を記憶し、初期値として、+X方向を記憶する。
【0039】
C2C3:移動限界判別手段
移動限界判別手段C2C3は、表示対象物Aが遠近方向の限界まで移動したか否かを判別する。実施例1の移動限界判別手段C2C3は、立方体Aの重心AのX座標成分AGXが、AGX=UFx+10・△X、または、AGX=UFx−10・△Xを満たすとき、移動位置の限界であると判別する。
C2C4:移動方向切替手段
移動方向切替手段C2C4は、前記移動限界判別手段C2C3による判別に基づいて、前記移動方向記憶手段C2C2が記憶する移動方向を切り替える。実施例1の移動方向切替手段C2C4は、前記移動限界判別手段C2C3により、立方体Aの重心AのX座標AGXが、AGX=UFx+10・△Xであると判別されると、前記移動方向記憶手段C2C2の記憶する移動方向を+X方向から−X方向に更新し、移動方向を切り替える。また、実施例1の移動方向切替手段C2C4は、前記移動限界判別手段C2C3により、立方体Aの重心AのX座標AGXが、AGX=UFx−10・△Xであると判別されると、前記移動方向記憶手段C2C2の記憶する移動方向を−X方向から+X方向に更新し、移動方向を切り替える。
【0040】
C2C5:移動位置演算手段
移動位置演算手段C2C5は、前記移動量記憶手段C2C1が記憶する移動量△Xと、前記移動方向記憶手段C2C2が記憶する移動方向と、に基づいて、表示対象物Aの移動後の位置座標を演算する。実施例1の移動位置演算手段C2C5は、移動方向記憶手段C2C2に記憶された移動方向が+Xの場合は、前記表示対象物配置位置記憶手段C2A4の記憶する頂点A〜AのX座標成分A1x〜A8xそれぞれに移動量△Xずつを加算することにより、立方体Aの移動後の位置座標A〜Aを演算する。また、移動方向記憶手段C2C2が記憶する移動方向が−Xの場合は、前記表示対象物配置位置記憶手段C2A4が記憶する頂点A〜AのX座標成分A1x〜A8xそれぞれに移動量△Xずつを減算することにより、立方体Aの移動後位置座標を演算する。また、実施例1の移動位置演算手段C2C5は、立方体Aを回転させる入力がされた場合には、回転後の立方体Aの位置座標A〜Aを演算する。
【0041】
C2C6:位置更新手段
位置更新手段C2C6は、前記移動位置演算手段C2C5の演算結果に基づいて、前記表示対象物配置位置記憶手段C2A4の記憶する頂点A〜Aを更新する。
【0042】
C2D:表示対象物操作入力判別手段
表示対象物操作入力判別手段C2Dは、位置移動入力判別手段C2D1と、終了入力判別手段C2D2と、を有し、仮想空間における表示対象物Aを回転、移動させるための入力や、眼筋緊張緩和画像表示手段C2を終了させるための入力が、入力装置H3,H4によりされたか否かを判別する。
【0043】
C2D1:位置移動入力判別手段
位置移動入力判別手段C2D1は、仮想空間における表示対象物Aを回転、移動させるための入力が、入力装置H3,H4によりされたか否かを判別する。
実施例1の位置移動入力判別手段C2D1は、マウスH4により左方向の入力がなされたと判別すると、立方体Aの重心Aを通るZ軸に平行な軸を中心に、立方体Aを+Z側から見て時計回りに回転させるように前記移動位置演算手段C2C5に制御信号を送信し、マウスH4により左方向の入力がなされたと判別すると、立方体Aの重心Aを通るZ軸に平行な軸を中心に、立方体Aを+Z側から見て反時計回りに回転させるように入力を前記移動位置演算手段C2C5に制御信号を送信する。
また、実施例1の位置移動入力判別手段C2D1は、マウスH4により上方向の入力がなされたと判別すると、前記移動方向記憶手段C2C2が記憶する移動方向を−X方向と更新し、マウスH4により下方向の入力がなされたと判別すると、前記移動方向記憶手段C2C2が記憶する移動方向を+X方向と更新する。
【0044】
C2D2:終了入力判別手段
終了入力判別手段C2D2は、眼筋緊張緩和画像表示手段C2を終了するための、入力装置H3,H4による終了入力があるか否かを判別する。実施例1の終了入力判別手段C2D2は、マウスH4によるクリックがあると判別した場合に、眼筋緊張緩和画像表示手段C2を終了する。
【0045】
C2E:立体視画像表示手段
立体視画像表示手段C2Eは、前記画像作成手段C2Bにより作成された立体視画像7,8を表示装置H2に表示する。実施例1では、前記立体視画像作成手段C2Bにより作成された立体視画像7,8をディスプレイH2に表示する
【0046】
(実施例1のフローチャートの説明)
次に、実施例1のクライアントパソコンPCの眼筋緊張緩和プログラムAP1の処理の流れをフローチャートを使用して説明する。
(実施例1の平行法用初期設定処理のフローチャートの説明)
図8は本発明の実施例1の平行法用初期設定手段の平行法用初期設定処理のフローチャートである。
図8のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記クライアントパソコンPCのROM等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は前記クライアントパソコンPCの他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
【0047】
図8に示すフローチャートは前記眼筋緊張緩和プログラムAP1の起動により開始される。
図8のST1において、次の(1)〜(3)の処理を実行し、ST2に移る。
(1)左目用初期設定画像3をディスプレイH2に表示する。
(2)右目用初期設定画像4をディスプレイH2に表示する。
(3)指示6をディスプレイH2に表示する。
【0048】
ST2において、マウスH4による上下方向の移動入力があるか否か判別する。イエス(Y)の場合はST3に移り、ノー(N)の場合はST4に移る。
ST3において、次の(1),(2)の処理を実行し、ST4に移る。
(1)左目用初期設定画像3の表示位置をマウスH4による入力移動量に基づいて更新する。
(2)右目用初期設定画像4の表示位置をマウスH4による入力移動量に基づいて更新する。
ST4において、マウスH4によるクリックがあるか否か判別する。イエス(Y)の場合はST5に移り、ノー(N)の場合はST2に戻る。
【0049】
ST5において、次の(1),(2)の処理を実行し、ST6に移る。
(1)左目用初期設定画像3の表示位置を左目用立体視可能位置EL1と決定する。
(2)右目用初期設定画像4の表示位置を右目用立体視可能位置ER1と決定する。
ST6において、次の(1),(2)の処理を実行し、終了する。
(1)左目用立体視可能位置EL1を記憶する。
(2)右目用立体視可能位置ER1を記憶する。
【0050】
(実施例1の眼筋緊張緩和画像表示処理のフローチャートの説明)
図9は本発明の実施例1の眼筋緊張緩和画像表示手段の眼筋緊張緩和画像表示処理のフローチャートである。
図9のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記クライアントパソコンPCのROM等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は前記クライアントパソコンPCの他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
【0051】
図9に示すフローチャートは平行法用初期設定手段C1の終了により開始される。
図9のST11において、立体視可能位置EL1,ER1に基づいて、仮想焦点位置Fの座標UEFを演算し、ST12に移る。
ST12において、立方体Aを仮想空間の仮想焦点位置Fに配置し、ST13に移る。
ST13において、次の(1)〜(4)の処理を実行し、ST14に移る。
(1)立方体Aの各頂点A〜Aに基づいて、左目用投影変換座標L〜Lを演算する。
(2)立方体Aの面B〜Bと左目用投影変換座標L〜Lとに基づいて、左目用立体視画像7を作成する。
(3)立方体Aの各頂点A〜Aに基づいて、右目用投影変換座標R〜Rを演算する。
(4)立方体Aの面B〜Bと右目用投影変換座標R〜Rとに基づいて、右目用立体視画像8を作成する。
ST14において、左目用立体視画像7と右目用立体視画像8とを表示して、ST15に移る。
【0052】
ST15において、マウスH4による入力があるか否か判別する。イエス(Y)の場合はST16に移り、ノー(N)の場合はST20に移る。
ST16において、マウスH4による入力はクリックであったか否か判別する。イエス(Y)の場合は眼筋緊張緩和画像表示手段C2を終了し、ノー(N)の場合はST17に移る。
ST17において、マウスH4による入力は上下方向の入力であるか否か判別する。イエス(Y)の場合はST18に移り、ノー(N)の場合はST19に移る。
ST18において、マウスH4による上下方向の入力に基づいて、立方体Aの移動方向を更新し、ST20に移る。
ST19において、マウスH4による左右方向の移動に基づいて、立方体Aの回転後の各頂点A〜Aの位置を演算し、ST23に移る。
【0053】
ST20において、立方体Aの配置位置が移動限界か否か判別する。イエス(Y)の場合はST21に移り、ノー(N)の場合はST22に移る。
ST21において、移動方向を切り替え、ST22に移る
ST22において、移動量△X、移動方向に基づいて仮想空間の立方体Aの移動後の移動位置を演算し、ST23に移る。
ST23において、立方体Aの各頂点A〜Aを更新し、ST13に戻る。
【0054】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の眼筋緊張緩和システムSでは、眼筋筋緊張緩和装置Uの眼筋緊張緩和プログラムAP1が起動されると、まず、利用者1が立体視可能な位置の登録が行われる。すなわち、図4に示すように、ディスプレイH2に初期画像2が表示される。そして、マウスH4の下方向の入力に応じて、左目用初期設定画像3と右目用初期設定画像4とが、表示面中央部H2aを中心として互いに接近するように表示される。また、マウスH4の上方向の入力に応じて、左目用初期設定画像3と右目用初期設定画像4とが、表示面中央部H2aを中心として互いに離間するようにディスプレイH2に表示される。前記マウスH4によるクリックがあると、前記左目用初期設定画像3の表示位置が左目用立体視可能位置EL1として記憶され、前記右目用初期設定画像4の表示位置が右目用立体視可能位置ER1として記憶される。すなわち、利用者1が立体視可能な位置の登録が行われる。
【0055】
ここで、実施例1の眼筋緊張緩和システムSを利用する利用者1は、マークS4を見てから、ディスプレイH2の方向を見て、立体視可能な位置の登録を行う。このとき、マークS4を見て作られた利用者1の左目ELと右目ERとの視線のなす角(両眼輻輳角)は、ディスプレイH2の方向を見る際や、ディスプレイH2の方向を見ている際に、利用者1によってはずれてしまうことがあるが、実施例1の眼筋緊張緩和システムSでは、図4に示すように、たとえずれたとしても、ディスプレイH2上の左目用初期設定画像3と右目用初期設定画像4とを移動させることで、左目用初期設定画像3を利用者1の左目ELの視線上に移動させ、右目用初期設定画像4を利用者1の右目ERの視線上に移動させることができる。そして、利用者1に立体視が行われ、マウスH4によるクリックがあると、立体視可能な位置の登録が行われる。
なお、左目用初期設定画像3、右目用初期設定画像4とが、マークS4に基づいた視線から少しずれていても、人間の目や脳には順応性があるために、左目用初期設定画像3、右目用初期設定画像4とにより、立体視が可能である。
【0056】
図10は実施例1の眼筋緩和画像表示処理手段による仮想空間の表示対象物とディスプレイの説明図であり、図10Aは仮想焦点位置に配置された表示対象物とディスプレイの位置関係の説明図、図10Bは仮想焦点位置よりディスプレイに近づいた表示対象物とディスプレイの位置関係の説明図、図10Cは仮想焦点位置よりディスプレイから遠ざかった表示対象物とディスプレイの位置関係の説明図、図10Dは図10Aのときのディスプレイの表示画像の説明図、図10Eは図10Bのときのディスプレイの表示画像の説明図、図10Fは図10Cのときのディスプレイの表示画像の説明図である。
【0057】
立体視可能位置EL1,ER1の登録が行われると、図10Aに示すように、立体視可能位置EL1,ER1に基づいて求められた仮想焦点位置Fに立方体Aが配置される。そして、前記仮想焦点位置Fに配置された立方体Aに基づいて、図10Dに示すように、左目用立体視画像7と右目用立体視画像8がディスプレイH2に表示される。その後、立方体Aは、仮想空間内を、仮想焦点位置Fを中心にディスプレイH2に対して近づいたり遠ざかったりするように、連続的且つ自動的に往復移動される。これにより、立方体Aの位置に基づく左目用立体視画像7と右目用立体視画像8は、形状を変化させながら、接近したり、離間するように、ディスプレイH2に表示される。これにより、利用者1に対して、立体視可能な位置が変化する。このとき、連続的に立方体Aの位置が変化するため、利用者1の眼が自然に立体視し続けるように、焦点位置を立方体Aの移動に追従させて、変化させる。この結果、立方体Aの移動に伴って、眼筋が連続的且つゆっくりと伸縮して、いわゆる眼筋のストレッチ運動がされる。このストレッチ運動を通じて眼筋の緊張が緩和される。
【0058】
この際に、マウスH4による上下方向の入力がされると、仮想空間内での立方体Aの移動方向が変わる。したがって、眼筋の調整が十分にできずに、立体視ができなくなったような場合に、利用者1がマウスH4を操作して、立体視可能な範囲に立方体Aを戻すことができる。
また、マウスH4による左右方向の入力がされると、入力方向に応じて立方体Aが仮想空間内で回転する。したがって、単なる往復運動でなく、回転させることで、利用者1の飽きを低減させることができる。
なお、マウスH4によりクリックがされると、眼筋緊張緩和プログラムAP1が終了する。
【実施例2】
【0059】
図11は本発明の実施例2の眼筋緊張緩和システムの全体説明図であり、実施例1の図1に対応する図である。
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
【0060】
図11において、実施例2の眼筋緊張緩和システムS′は、実施例1の眼筋緊張緩和システムSのマークS4に替えて、机S1に支持された上下方向に伸びる棒S6を有する。前記棒S6は、ディスプレイH2の表示面中央部H2aの前方に支持されており、椅子S2に座った利用者1の両目Eの中央部と表示面中央部H2aの間に棒S6が来るように支持されている。利用者1は眼筋緊張緩和装置U′を使用するに際して、実施例1ではマークS4に焦点を合わせていたのに替えて、実施例2では、棒S6に焦点を合わせて眼筋緊張緩和装置U′を利用する。なお、実施例2では、棒S6は、両目Eの中央部から20cm程度離した位置に支持されているが、利用者1が棒S6を持って位置調整することも可能である。
【0061】
(眼筋緊張緩和プログラム)
図12は本発明の実施例2のクライアントパソコンの制御部が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図であり、実施例1の図2に対応する図である。
実施例2の眼筋緊張緩和プログラムAP1′は、下記の機能手段(プログラムモジュール)を有する。
C1′:交差法用初期設定手段
交差法用初期設定手段C1′は、初期設定画像表示手段C1A′と、入力判別手段C1Bと、画像表示位置更新手段C1Cと、立体視可能位置決定手段C1Dと、を有し、交差法による立体視を行うための初期設定を行う。実施例2の交差法用初期設定手段C1′では、初期設定画像表示手段C1A′以外は、実施例1の平行法用初期設定手段C1における入力判別手段C1B、画像表示位置更新手段C1C、立体視可能位置決定手段C1Dと同様であるので、その詳細な説明は省略し、初期設定画像表示手段C1A′について説明する。
【0062】
図13は実施例2の眼筋緊張緩和プログラムが表示する初期設定画面を利用者が見ている様子の説明図であり、実施例1の図3に対応する図である。
C1A′:初期設定画像表示手段
初期設定画像表示手段C1A′は、初期位置記憶手段C1A1′を有し、初期位置記憶手段C1A1′が記憶している初期位置に基づいて、初期設定画像2′を表示する。図13において、前記初期設定画像2′は、左目用の左目用初期設定画像3と、右目用の右目用初期設定画像4と、利用者1のすべき操作についての文章からなる指示6′と、を有する。実施例2の初期設定画像表示手段C1Aは、左目用初期設定画像3と、右目用初期設定画像4とを、初期位置記憶手段C1A1′が記憶する初期位置に基づいて表示する。また、実施例2の初期設定画像表示手段C1A′は、ディスプレイH2の上方に指示6′を表示する。
C1A1′:初期位置記憶手段
初期位置記憶手段C1A1′は、左目用初期設定画像3及び右目用初期設定画像4の初期位置を記憶する。実施例2の初期位置記憶手段C1A1′は、ディスプレイH2の表示画面の大きさに基づいて予め定められた初期位値を記憶し、実施例1の初期位置記憶手段C1A1の記憶する初期位置に替えて、図13に示すように、ディスプレイH2の表示面中央部H2aの右側を左目用初期設定画像3の初期位置として記憶し、ディスプレイH2の表示面中央部H2aの左側を右目用初期設定画像4の初期位置として記憶する。
【0063】
C2′:眼筋緊張緩和画像表示手段
眼筋緊張緩和画像表示手段C2′は、実施例1の眼筋緊張緩和画像表示手段C2における表示対象物配置位置演算手段C2A2と、表示対象物配置手段C2A3と、移動量記憶手段C2C1と、移動限界判別手段C2C3と、移動方向切替手段C2C4と、に替えて、表示対象物配置位置演算手段C2A2′と、表示対象物配置手段C2A3′と、移動量記憶手段C2C1′と、移動限界判別手段C2C3′と、移動方向切替手段C2C4′と、を有している。
実施例2の表示対象物配置位置演算手段C2A2′と、表示対象物配置手段C2A3′と、移動量記憶手段C2C1′と、移動限界判別手段C2C3′と、移動方向切替手段C2C4′と以外は、実施例1の眼筋緊張緩和画像表示手段C2と同様な構成をしているので、その詳細な説明は省略し、表示対象物配置位置演算手段C2A2′と、表示対象物配置手段C2A3′と、移動量記憶手段C2C1′と、移動限界判別手段C2C3′と、移動方向切替手段C2C4′と、について説明する。
【0064】
図14は実施例2の仮想空間におけるディスプレイと利用者の両目と表示対象物との関係を表した斜視図であり、実施例1の図5Aに対応する図である。
C2A2′:表示対象物配置位置演算手段
表示対象物配置位置演算手段C2A2′は、前記交差法用初期設定手段C1′で決定された立体視可能位置EL1,ER1に対応する利用者1の視線が結ばれる仮想空間における仮想焦点位置F′を演算する。実施例2の表示対象物配置位置演算手段C2A2′は、実施例1の表示対象物配置位置演算手段C2A2が平行法用初期設定手段C1で設定された立体視可能位置EL1,ER1に基づいて仮想焦点位置Fを演算していたのに替えて、交差法用初期設定手段C1′で設定された立体視可能位置EL1,ER1に基づいて仮想焦点位置F′を演算する。すなわち、実施例1では、左目用立体視可能位置EL1の座標UEL1がUEL1=(0,−Dc,0)と、右目用立体視可能位置ER1の座標UER1がUER1=(0,Dc,0)と設定されたが、実施例2では、左目用立体視可能位置EL1の座標UEL1′がUEL1′=(0,Dc′,0)と、右目用立体視可能位置ER1の座標UER1′がUER1′=(0,−Dc′,0)と設定され、表示対象物配置位置演算手段C2A2′により、仮想焦点位置F′の座標U′はU′=((2Dc′・Dd)/(De+2Dc′),0,0)と演算される。
【0065】
C2A3′:表示対象物配置手段
表示対象物配置手段C2A3′は、前記表示対象物配置位置演算手段C2A2′により求められた仮想焦点位置F′に表示対象物Aを配置する。実施例2の表示対象物配置手段C2A3′は、立方体Aを平行移動により、立方体Aの重心Aを仮想焦点位置F′に配置する。すなわち、実施例2の表示対象物配置手段C2A3′は、立方体Aの各頂点A〜Aを、A=(5+(2Dc′・Dd)/(De+2Dc′),0,5),A=(0+(2Dc′・Dd)/(De+2Dc′),5,5),A=(−5+(2Dc′・Dd)/(De+2Dc′),0,5),A=(0+(2Dc′・Dd)/(De+2Dc′),−5,5),A=(5+(2Dc′・Dd)/(De+2Dc′),0,−5),A=(0+(2Dc′・Dd)/(De+2Dc′),5,−5),A=(−5+(2Dc′・Dd)/(De+2Dc′),0,−5),A=(0+(2Dc′・Dd)/(De+2Dc′),−5,−5)と設定することにより、立方体Aを仮想焦点位置F′に配置する。
【0066】
C2C1′:移動量記憶手段
移動量記憶手段C2C1′は、仮想空間の表示対象物Aの移動量△Xを記憶する。実施例2の移動量記憶手段C2C1′は、移動量△Xとして予め設定された所定量を記憶する。なお、予め設定された所定量に限定されず、例えば、前記表示対象物配置位置演算手段C2A2により演算された仮想焦点位置F′の座標U′のX座標成分UFx′が、UFx′=(2Dc′・Dd)/(De+2Dc′)であることに基づいて、△X=(|UFx′|/2)/10、すなわち、△X=Dc′・Dd/(10・(De+2Dc′))とすることも可能である。
【0067】
C2C3′:移動限界判別手段
移動限界判別手段C2C3′は、表示対象物Aが遠近方向の限界まで移動したか否かを判別する。実施例2の移動限界判別手段C2C3′は、実施例1の移動限界判別手段C2C3がUFXに基づいていたのに替えて、UFX′に基づいて移動限界を判別する。すなわち、立方体Aの重心AのX座標成分AGXが、AGX=UFx′+10・△X、または、AGX=UFx′−10・△Xを満たすとき、移動位置の限界であると判別する。
C2C4′:移動方向切替手段
移動方向切替手段C2C4′は、前記移動限界判別手段C2C3′による判別に基づいて、前記移動方向記憶手段C2C2が記憶する移動方向を切り替える。実施例2の移動方向切替手段C2C4′は、前記移動限界判別手段C2C3′により、立方体Aの重心AのX座標AGXが、AGX=UFx′+10・△Xであると判別されると、前記移動方向記憶手段C2C2の記憶する移動方向を+X方向から−X方向に更新し、移動方向を切り替える。また、実施例2の移動方向切替手段C2C4′は、前記移動限界判別手段C2C3′により、立方体Aの重心AのX座標AGXが、AGX=UFx′−10・△Xであると判別されると、前記移動方向記憶手段C2C2の記憶する移動方向を−X方向から+X方向に更新し、移動方向を切り替える。
【0068】
(実施例2のフローチャートの説明)
次に、実施例2のクライアントパソコンPCの眼筋緊張緩和プログラムAP1′の処理の流れをフローチャートを使用して説明する。
(実施例2の交差法用初期設定処理のフローチャートの説明)
図15は本発明の実施例2の交差法用初期設定手段の交差法用初期設定処理のフローチャートであり、実施例1の図8に対応する図である。
交差法用初期設定処理は、実施例1の平行法用初期設定処理のST1に替えて、ST1′を実行し、ST1′以外は実施例1の平行法用初期設定処理と同様なので、ST1′以外の説明は省略する。
図15のST1′において、次の(1)〜(3)の処理を実行し、ST2に移る。
(1)左目用初期設定画像3をディスプレイH2に表示する。
(2)右目用初期設定画像4をディスプレイH2に表示する。
(3)指示6′をディスプレイH2に表示する。
【0069】
(実施例2の眼筋緊張緩和画像表示処理のフローチャートの説明)
図16は本発明の実施例2の眼筋緊張緩和画像表示手段の眼筋緊張緩和画像表示処理のフローチャートであり、実施例1の図9に対応する図である。
眼筋緊張緩和画像表示処理は、実施例1の眼筋緊張緩和画像表示処理のST11,ST12に替えて、ST11′,ST12′を実行し、ST11′,ST12′以外は実施例1の眼筋緊張緩和画像表示処理と同様なので、ST11′,ST12′以外の説明は省略する。
図16のST11′において、立体視可能位置EL1,ER1に基づいて、仮想焦点位置F′の座標UEF′を演算し、ST12′に移る。
ST12′において、立方体Aを仮想空間の仮想焦点位置F′に配置し、ST13に移る。
【0070】
(実施例2の作用)
図17は実施例2の交差法用初期設定手段による画面と利用者の視線との関係を表した説明図で、図17Aは図13に対応する図、図17Bは図17Aの状態から画面両端側に初期設定画像が移動した図、図17Cは図17Bの状態から画面両端側に初期設定画像が移動した図であり利用者により立体視が行われている状態の図、図17Dは図17Aの状態に対応する図で利用者の視線と初期設定画像との関係を表した図、図17Eは図17Bの状態に対応する図で利用者の視線と初期設定画像との関係を表した図、図17Fは図17Cの状態に対応する利用者の視線と初期設定画像との関係を表した図であり利用者により立体視が行われている状態の図である。
【0071】
前記構成を備えた実施例2の眼筋緊張緩和システムS′では、眼筋筋緊張緩和装置U′の眼筋緊張緩和プログラムAP1′が起動されると、実施例1と同様に、利用者1が立体視可能な位置の登録が行われる。すなわち、図13に示すように、ディスプレイH2に初期画像2′が表示される。そして、図17において、マウスH4の下方向の入力に応じて、左目用初期設定画像3と右目用初期設定画像4とが、表示面中央部H2aを中心として互いに離間するように表示される。また、マウスH4の上方向の入力に応じて、左目用初期設定画像3と右目用初期設定画像4とが、表示面中央部H2aを中心として互いに接近するようにディスプレイH2に表示される。前記マウスH4によるクリックがあると、立体視可能位置EL1,ER1が記憶される。
【0072】
図18は実施例2の眼筋緩和画像表示手段による仮想空間の表示対象物とディスプレイの説明図であり、図18Aは仮想焦点位置に配置された表示対象物とディスプレイの位置関係の説明図、図18Bは仮想焦点位置よりディスプレイから遠ざかった表示対象物とディスプレイの位置関係の説明図、図18Cは仮想焦点位置よりディスプレイに近づいた表示対象物とディスプレイの位置関係の説明図、図18Dは図18Aのときのディスプレイの表示画像の説明図、図18Eは図18Bのときのディスプレイの表示画像の説明図、図18Fは図18Cのときのディスプレイの表示画像の説明図である。
【0073】
立体視可能位置EL1,ER1が記憶されると、図18Aに示すように、前記立体視可能位置EL1,ER1に基づいた仮想焦点位置F′に立方体Aが配置され、図18Dに示すように、左目用立体視画像7と右目用立体視画像8がディスプレイH2に表示される。そして、連続的且つ自動的に往復移動する仮想空間内の立方体Aに基づく左目用立体視画像7と右目用立体視画像8により、実施例2では、実施例1の平行法による立体視ではなく、交差法による立体視をすることで、眼筋のストレッチ運動がされ、眼筋の緊張が緩和される。この際に、マウスH4の移動方向の入力がされると、実施例1と同様に、立法体Aの移動方向が変わったり、立方体Aが回転し、利用者1の状態に応じた左目用立体視画像7と右目用立体視画像8の表示がなされる。マウスH4によりクリックがされると、眼筋緊張緩和プログラムAP1′が終了する。
【0074】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H013)を下記に例示する。
(H01)前記実施例1の眼筋緊張緩和システムSは、マークS4を有することが望ましいが、これを省略し、利用者1がマークS4を見る替わりに、任意の方法で遠方に焦点を合わせることも可能である。例えば、窓の外に見える木や建物を見ることで両目Eの焦点を遠方に合わせてからディスプレイH2を見る構成にすることも可能である。
(H02)前記実施例2の眼筋緊張緩和システムS′は棒S6を有することが望ましいが、これを省略し、利用者1が棒S6を見る替わりに、任意の方法で近くに焦点を合わせることも可能である。例えば、利用者1とディスプレイH2の間に、利用者1の指を立てたり、利用者1が筆記具を縦にして持ち、指や筆記具を見ることで両目Eの焦点を近くに合わせてからディスプレイH2を見る構成にすることも可能である。
【0075】
(H03)前記各実施例において、眼筋緊張緩和システムS,S′では表示面距離Ddや、眼球間距離Deが予め設定されている構成を例示したが、眼筋緊張緩和システムS,S′の使用時に、利用者1の利用環境に応じて、表示面距離Ddや眼球間距離Deを入力する構成にすることも可能である。
(H04)前記各実施例において、眼筋緊張緩和装置U、U′はクライアントパソコンPCにより構成されていたが、これに限定されず、例えば、携帯電話や携帯ゲーム機等の持ち運び可能な装置による構成も可能である。
(H05)前記各実施例において、平行法用初期設定手段C1、交差法用初期設定手段C1′により設定された立体視可能位置EL1,ER1に基づいて、仮想空間設定手段C2A,C2A′により仮想空間に立方体Aが配置されていたが、初期設定手段C1,C1′を省略し、予め設定された仮想空間上の仮想焦点位置F,F′に立方体Aを配置することも可能である。このとき、例えば、仮想焦点位置F,F′で立方体Aを停止させた状態で左目用立体視画像7と右目用立体視画像8を表示し、利用者1が立体視できるようになってからマウスH4の入力をしてもらうようにすることで、仮想焦点位置F,F′における立体視をする構成としたり、予めディスプレイH2の上部などに左右一対の印を付けて、二つの印が三つに見えるように焦点位置を利用者1が調節し、印の位置に基づいて仮想焦点位置F,F′の設定をすることも可能である。
【0076】
(H06)前記各実施例において、仮想空間における表示対象物として予め設定されている立方体Aによる構成を例示したが、これに限定されず、四面体や五角錐などの任意の多面体はもちろん、コーヒーカップや車両、橋、建造物などの構造物など、任意の表示対象物による構成にすることが可能である。
(H07)前記実施例において、仮想空間における立方体Aの移動は、遠近方向は原則的に自動で移動し且つ利用者1の上下方向の入力がされた場合に移動方向を変化させて、回転方向はマウスH4の入力に基づいていたが、これに限定されず、立方体Aが全部自動で移動する構成にすることが可能であり、また、立方体Aが入力装置H3,H4の操作のみに基づいて手動で移動する構成にすることも可能である。なお、入力装置H3,H4の操作のみに基づいて移動する構成の場合は、所定の遠近方向に移動を行った後にのみ終了操作が行われる構成にすることが望ましい。
(H08)前記各実施例において、眼筋緊張緩和画像表示手段C2,C2′において、仮想空間の立方体Aに基づいて、陰面処理作成手段C2B1b,C2B2bにより陰面処理をして、立体視画像7,8を表示したが、これに限定されず、明暗、鮮明、陰影、半透明などの従来公知の三次元視覚化効果を加えて画像を表示することも可能である。
(H09)前記実施例において、立法体Aの重心Aが仮想空間内のX軸上を移動する構成を例示したが、これに限定されず、仮想空間内を任意の方向に移動する構成も可能である。
【0077】
(H010)前記各実施例において、表示対象物配置位置演算手段C2A2、C2A2′は、図形の相似比に基づいて、仮想焦点位置F,F′を定めていたが、これに限定されず、空間の直線の方程式やアフィン変換により定めるなど、従来公知(例えば、非特許文献(李周浩、マルチメディアコミュニケーション基礎、[online]、平成19年12月12日、[平成20年5月14日検索]、インターネット<URL:http://www.ais.ics.ritsumei.ac.jp/~leejooho/mmc2007/7.pdf>))の方法により定める構成にすることが可能である。
また、立体視画像作成手段C2B,C2B′において、空間の直線の方程式により、頂点A〜Aに基づく左目用投影変換座標L〜L及び右目用投影変換座標R〜Rを定めたが、これに限定されず、例えば、図形の相似比を用いたり、アフィン変換を用いて定める等、従来公知の方法により定めることが可能である。
(H011)前記各実施例において、陰面処理作成手段C2B1b,C2B2bは、いわゆる法線ベクトル法により立法体Aの陰面処理を行ったが、これに限定されず、例えば、いわゆるZバッファ法、Zソート法など従来公知(例えば、非特許文献(李周浩、マルチメディアコミュニケーション基礎、[online]、平成19年12月12日、[平成20年5月14日検索]、インターネット<URL:http://www.ais.ics.ritsumei.ac.jp/~leejooho/mmc2007/7.pdf>))の方法により陰面処理を行うことができる。
(H012)前記実施例1において、移動限界判別手段C2C3は、AGX=UFx+10・△X、または、AGX=UFx−10・△Xを満たすとき、移動位置の限界であると判別していたが、△Xや△Xに係る係数はこれに限定されず、AGX=UFx+100・△XまたはAGX=UFx−100・△Xを満たすときに移動位置の限界であると判別するなど、構成に応じて任意の限界を設定することが可能である。なお、実施例2の移動限界判別手段C2D′についても、構成に応じて任意の限界を同様に設定することが可能である。
(H013)前記実施例1において、移動限界判別手段C2C3′は、仮想焦点位置Fの座標UFxに基づいた式AGX=UFx+10・△X,AGX=UFx−10・△Xにより、移動位置の限界を判別していたが、これに限定されず、例えば、予め設定された限界値に基づいて、AGXが上限の限界値、または、AGXが下限の限界値を満たすときに、移動位置の限界と判別をする構成にすることも可能である。なお、実施例2の移動限界判別手段C2D′についても、構成に応じて任意の限界を同様に設定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は本発明の実施例1の眼筋緊張緩和システムの全体説明図である。
【図2】図2は本発明の実施例1のクライアントパソコンの制御部が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
【図3】図3は実施例1の眼筋緊張緩和プログラムが表示する初期設定画面を利用者が見ている様子の説明図である。
【図4】図4は実施例1の平行法用初期設定手段による処理中の画面と利用者の視線との関係を表した説明図であり、図4Aは図3に対応する図、図4Bは図4Aの状態から画面中央側に初期設定画像が移動した図、図4Cは図4Bの状態から画面中央側に初期設定画像が移動した図であり利用者により立体視が行われている状態の図、図4Dは図4Aの状態に対応する図で利用者の視線と初期設定画像との関係を表した図、図4Eは図4Bの状態に対応する図で利用者の視線と初期設定画像との関係を表した図、図4Fは図4Cの状態に対応する利用者の視線と初期設定画像との関係を表した図であり利用者により立体視が行われている状態の図である。
【図5】図5は実施例1の仮想空間を表した図であり、図5Aは仮想空間におけるディスプレイと利用者の両目と表示対象物との関係を表した斜視図、図5Bは仮想空間に配置される表示対象物の頂点位置の説明図、図5Cは表示対象物の面の情報の説明図である。
【図6】図6は仮想空間における表示対象物をディスプレイに透視投影する際の説明図であり、図6Aは+Z側から見た表示対象物とディスプレイと両目の関係を表した図、図6Bは−Y側から見た表示対象物とディスプレイと左目の関係を表した図、図6Cは+Y側から見た表示対象物とディスプレイと右目の関係を表した図、図6Dは表示対象物の頂点とディスプレイと両目の関係を表した数式に関する説明図である。
【図7】図7は表示対象物の面の外側に向く法線ベクトルの説明図であり、図7Aは表示対象物と法線ベクトルの斜視図、図7Bは三次元ベクトルと外積の説明図、図7Cは視線ベクトルと表示対象物の法線ベクトルの関係を表した+Z方向から見た図である。
【図8】図8は本発明の実施例1の平行法用初期設定手段の平行法用初期設定処理のフローチャートである。
【図9】図9は本発明の実施例1の眼筋緊張緩和画像表示手段の眼筋緊張緩和画像表示処理のフローチャートである。
【図10】図10は実施例1の眼筋緩和画像表示処理手段による仮想空間の表示対象物とディスプレイの説明図であり、図10Aは仮想焦点位置に配置された表示対象物とディスプレイの位置関係の説明図、図10Bは仮想焦点位置よりディスプレイに近づいた表示対象物とディスプレイの位置関係の説明図、図10Cは仮想焦点位置よりディスプレイから遠ざかった表示対象物とディスプレイの位置関係の説明図、図10Dは図10Aのときのディスプレイの表示画像の説明図、図10Eは図10Bのときのディスプレイの表示画像の説明図、図10Fは図10Cのときのディスプレイの表示画像の説明図である。
【図11】図11は本発明の実施例2の眼筋緊張緩和システムの全体説明図であり、実施例1の図1に対応する図である。
【図12】図12は本発明の実施例2のクライアントパソコンの制御部が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図であり、実施例1の図2に対応する図である。
【図13】図13は実施例1の眼筋緊張緩和プログラムが表示する初期設定画面を利用者が見ている様子の説明図であり、実施例1の図3に対応する図である。
【図14】図14は実施例2の仮想空間におけるディスプレイと利用者の両目と表示対象物との関係を表した斜視図であり、実施例1の図5Aに対応する図である。
【図15】図15は本発明の実施例2の交差法用初期設定手段の交差法用初期設定処理のフローチャートであり、実施例1の図8に対応する図である。
【図16】図16は本発明の実施例2の眼筋緊張緩和画像表示手段の眼筋緊張緩和画像表示処理のフローチャートであり、実施例1の図9に対応する図である。
【図17】図17は実施例2の交差法用初期設定手段による画面と利用者の視線との関係を表した説明図で、図17Aは図13に対応する図、図17Bは図17Aの状態から画面両端側に初期設定画像が移動した図、図17Cは図17Bの状態から画面両端側に初期設定画像が移動した図であり利用者により立体視が行われている状態の図、図17Dは図17Aの状態に対応する図で利用者の視線と初期設定画像との関係を表した図、図17Eは図17Bの状態に対応する図で利用者の視線と初期設定画像との関係を表した図、図17Fは図17Cの状態に対応する利用者の視線と初期設定画像との関係を表した図であり利用者により立体視が行われている状態の図である。
【図18】図18は実施例2の眼筋緩和画像表示手段による仮想空間の表示対象物とディスプレイの説明図であり、図18Aは仮想焦点位置に配置された表示対象物とディスプレイの位置関係の説明図、図18Bは仮想焦点位置よりディスプレイから遠ざかった表示対象物とディスプレイの位置関係の説明図、図18Cは仮想焦点位置よりディスプレイに近づいた表示対象物とディスプレイの位置関係の説明図、図18Dは図18Aのときのディスプレイの表示画像の説明図、図18Eは図18Bのときのディスプレイの表示画像の説明図、図18Fは図18Cのときのディスプレイの表示画像の説明図である。
【符号の説明】
【0079】
1…利用者、
7…左目用立体視画像、
8…右目用立体視画像、
A…表示対象物、
AP1…眼筋緊張緩和プログラム、
C2A4…配置位置記憶手段、
C2B…画像作成手段、画像作成工程、
C2C…表示対象物移動手段、
C2E…立体視画像表示手段、
EL…左目、
ER…右目、
H2…表示装置、
S…眼筋緊張緩和システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が表示される表示装置と、
利用者と前記表示装置とを結ぶ遠近方向に仮想的に設定された仮想空間に配置された表示対象物の位置を記憶する配置位置記憶手段と、
前記表示対象物を前記仮想空間内で前記遠近方向に沿って移動させる表示対象物移動手段と、
前記仮想空間における前記表示対象物の位置と、前記表示装置の仮想空間上の位置と、前記利用者の左目の位置と、前記利用者の右目の位置と、に基づいて、前記利用者の左目と前記表示対象物とを結ぶ左目視線が前記表示装置と交差する位置に前記表示対象物を投影した画像である左目用立体視画像と、前記利用者の右目と前記表示対象物とを結ぶ右目視線が前記表示装置と交差する位置に前記表示対象物を投影した画像である右目用立体視画像と、を作成する画像作成手段と、
作成された左目用立体視画像と右目用立体視画像とを前記表示装置に表示する立体視画像表示手段と、
を備えたことを特徴とする眼筋緊張緩和システム。
【請求項2】
コンピュータを、
利用者と画像が表示される表示装置とを結ぶ遠近方向に仮想的に設定された仮想空間に配置された表示対象物の位置を記憶する配置位置記憶手段、
前記表示対象物を前記仮想空間内で前記遠近方向に沿って移動させる表示対象物移動手段、
前記仮想空間における前記表示対象物の位置と、前記表示装置の仮想空間上の位置と、前記利用者の左目の位置と、前記利用者の右目の位置と、に基づいて、前記利用者の左目と前記表示対象物とを結ぶ左目視線が前記表示装置と交差する位置に前記表示対象物を投影した画像である左目用立体視画像と、前記利用者の右目と前記表示対象物とを結ぶ右目視線が前記表示装置と交差する位置に前記表示対象物を投影した画像である右目用立体視画像と、を作成する画像作成手段、
作成された左目用立体視画像と右目用立体視画像とを前記表示装置に表示する立体視画像表示手段、
として機能させることを特徴とする眼筋緊張緩和プログラム。
【請求項3】
利用者と画像が表示される表示装置とを結ぶ遠近方向に仮想的に設定された仮想空間に配置された表示対象物を前記仮想空間内で前記遠近方向に沿って移動させる表示対象物移動工程と、
前記仮想空間における前記表示対象物の位置と、前記表示装置の仮想空間上の位置と、前記利用者の左目の位置と、前記利用者の右目の位置と、に基づいて、前記利用者の左目と前記表示対象物とを結ぶ左目視線が前記表示装置と交差する位置に前記表示対象物を投影した画像である左目用立体視画像と、前記利用者の右目と前記表示対象物とを結ぶ右目視線が前記表示装置と交差する位置に前記表示対象物を投影した画像である右目用立体視画像と、を作成する画像作成工程と、
作成された左目用立体視画像と右目用立体視画像とを前記表示装置に表示する立体視画像表示工程と、
を実行することを特徴とする眼筋緊張緩和方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2009−273710(P2009−273710A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−128574(P2008−128574)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(305027401)公立大学法人首都大学東京 (385)
【Fターム(参考)】