説明

眼鏡レンズレイアウト入力装置及びレンズ研削加工装置

【課題】 数値の入力指示や表示画面の変更指示を行い易くする。
【解決手段】 レンズ研削加工装置及び眼鏡枠にレンズをレイアウトするためのレイアウトデータを入力しレンズ研削加工装置にそのデータを送る眼鏡レンズレイアウト入力装置において、レイアウトデータを入力する複数の入力項目の中から1つを選択する選択手段と、前記複数の入力項目に共通の入力値指示手段であって回転可能な回転部材により前記選択手段により選択された入力項目の値を回転方向とその回転量によって指示する入力値指示手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、眼鏡レンズを眼鏡枠に合うように研削加工するレンズ研削加工装置、及び眼鏡枠にレンズをレイアウトするためのレイアウトデータを入力し、眼鏡レンズを研削加工する装置にそのデータを送る眼鏡レンズレイアウト入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】眼鏡枠又は型板の形状データを入力し、その形状データに基づいて眼鏡レンズを眼鏡枠に合うように研削加工する研削加工装置が知られている。この種の装置では、眼鏡枠等の玉型形状に対してレンズの光学中心をレイアウトするために、装用者の瞳孔間距離等の各種レイアウトデータを入力する。このため、装置にはレイアウトデータの項目を選択するスイッチと選択した項目の数値を入力するための入力スイッチが設けられている。この入力スイッチとしては、「+」キーと「−」キーの2種類のキースイッチにより数値を増減変更して入力するものが知られている。
【0003】また、この「+」キーと「−」キーは、ヤゲン形状のシュミレーション表示で玉型形状に対するコバ位置を変更するとき等にも使用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、キースイッチによる数値入力には次のような欠点があった。キースイッチ操作による数値変更は、大きく変更したいときにはキースイッチを押し続け、所望する値の付近に変更されたら細かく押して1ステップずつ変更する。このため、キースイッチを押し続けて所望する値に近付ける操作は、表示される数値を注意深く観察していなければ、所望する値から大きくずれたりする。所望の値よりオーバーしたときには、それを戻すための操作が必要となり、所望の値に到達していないときは、細かく操作する必要がある。また、数値を大きく変更するときには、時間がかかる。このように、キースイッチ操作による数値入力は、所望する数値にするために神経を使い、操作性が悪いことがあった。
【0005】また、ヤゲン形状のシュミレーション表示での玉型形状に対する断面位置の変更に際し、キースイッチ操作では所望する位置への変更が感覚的になじまないことがあった。
【0006】本発明は、上記従来装置の欠点に鑑み、数値の入力指示や表示画面の変更指示が行い易く、操作性に優れた眼鏡レンズレイアウト入力装置及びレンズ研削加工装置を提供すること技術課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は次のような構成を有することを特徴としている。
【0008】(1) 眼鏡枠にレンズをレイアウトするためのレイアウトデータを入力し、眼鏡レンズを研削加工する装置にそのデータを送る眼鏡レンズレイアウト入力装置において、レイアウトデータを入力する複数の入力項目の中から1つを選択する選択手段と、前記複数の入力項目に共通の入力値指示手段であって回転可能な回転部材により前記選択手段により選択された入力項目の値を回転方向とその回転量によって指示する入力値指示手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】(2) (1)の眼鏡レンズレイアウト入力装置において、前記複数の入力項目には装用者の瞳孔間距離値及び枠中心に対する光学中心の高さを入力する項目が含まれ、前記入力値指示手段は前記選択手段により選択された入力項目に応じて異なるステップで値を変化させることを特徴とする。
【0010】(3) (1)の眼鏡レンズレイアウト入力装置において、眼鏡枠を測定して枠形状データを得る眼鏡枠形状測定手段を備えることを特徴とする。
【0011】(4) 被加工レンズを眼鏡枠の形状に合うように研削加工するレンズ研削加工装置において、眼鏡枠の枠形状データを入力する形状データ入力手段と、眼鏡枠に被加工レンズをレイアウトするためのレイアウトデータを入力する複数の入力項目の中から1つを選択する選択手段と、前記複数の入力項目に共通の入力値指示手段であって回転可能な回転部材により前記選択手段により選択された入力項目の値を回転方向とその回転量によって指示する入力値指示手段と、前記形状データ入力手段及び入力値指示手段により入力されたデータに基づいて加工後の被加工レンズのコバ位置を得るコバ位置検知手段と、該コバ位置検知手段により得られたコバ位置に基づいて被加工レンズの加工データを演算する加工データ演算手段と、該加工データに基づいて被加工レンズの加工を行う加工制御と、を備えることを特徴とする。
【0012】(5) (4)のレンズ研削加工装置において、指示されたコバ位置での加工後のヤゲン状態を前記加工データ演算手段により得られる加工データに基づいて表示するヤゲン状態表示手段と、前記形状データ入力手段により入力された枠形状に対して前記ヤゲン状態表示手段により表示するコバ位置を指示するコバ位置指示手段とを備え、該コバ位置指示手段は前記入力値指示手段と共用することを特徴とする。
【0013】(6) (5)のレンズ研削加工装置において、前記ヤゲン状態表示手段により表示するヤゲン状態のヤゲン頂点位置を変更するための項目を選択する第2選択手段を備え、ヤゲン頂点位置の変更量を前記入力値指示手段により指示できることを特徴とする。
【0014】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基いて詳細に説明する。図1は本発明に係るレンズ研削加工装置の全体構成を示す斜視図である。1は装置のベースで本装置を構成する各部がその上に配置されている。2は装置上部に内蔵される眼鏡枠形状測定部であり、眼鏡枠形状や型板の3次元形状デ−タを得ることができる。その前方には測定結果や演算結果等を文字またはグラフィックにて表示する表示部3と、データを入力したり装置に指示を行う入力部4が並んでいる。装置前部には被加工レンズの形状(コバ厚)を測定するレンズ形状測定部5がある。
【0015】6はレンズ研削部で、ガラスレンズ用の粗砥石60a、プラスティック用の粗砥石60b、ヤゲン及び平加工用の仕上げ砥石60c等とから成る砥石群60が、ベース1aに固定されたスピンドルユニット61の回転軸61aに回転可能に取付けられている。65は砥石回転用のACモータであり、回転軸61aに取り付けられたプーリ63、ベルト64、プーリ66を介してその回転が砥石群60に伝達される。7はキャリッジ部で、700はキャリッジである。
【0016】<主要な各部の構成>次に、装置の主要な各部の構成を説明する。
【0017】(イ)キャリッジ部図1〜図3に基いてその構造を説明する。図2はキャリッジの断面図、図3はキャリッジの駆動機構を示す矢視A図である。
【0018】ベース1に固定されたシャフト701にはキャリッジシャフト702が回転摺動自在に軸支されており、さらにそれにキャリッジ700が回動自在に軸支されている。キャリッジ700にはシャフト701と平行にレンズ回転軸704a、704bが同軸かつ回転可能に軸支されている。レンズ回転軸704bはラック705に回転自在に軸支され、ラック705はモータ706の回転軸に固定されたピニオン707により軸方向に移動することができ、これによりレンズ回転軸704bは軸方向に移動されて開閉動作を行い、レンズLEを回転軸704a、704bで挟持しうる。
【0019】キャリッジ700の左端には駆動板716が固定されており、駆動板716には回転軸717がシャフト701と平行かつ回転自在に取付けられている。また駆動板716にはブロック722によりパルスモータ721が固定されており、パルスモータ721の回転は、回転軸717の右端に取り付けられたギヤ720、回転軸717の左端に取り付けられたプーリ718、タイミングベルト719、プーリ703aを介してシャフト702に伝達される。さらに、シャフト702の回転は、タイミングベルト709a、709b等を介してレンズ回転軸704a、704bに伝達され、これによりレンズ回転軸704a、704bは同期して回転する。
【0020】中間板710にはラック713が固定さており、キャリッジ移動用モータ714の回転軸に取付けられピニオン715と噛み合うピニオン715の回転により、キャリッジ700がシャフト701の軸方向に移動する。
【0021】キャリッジ700はパルスモータ728により回旋する。パルスモータ728はブロック722に固定されており、パルスモータ728の回転軸729に固定されたピニオン730が丸ラック725と噛み合っている。丸ラック725は、回転軸717と中間板710に固定されたシャフト723との軸間を結ぶ最短の線分に平行に位置するとともに、シャフト723に回転自在に固定された補正ブロツク724とブロック722との間である程度の自由度をもって摺動可能に保持されている。丸ラック725にはストッパ726が固定されており、補正ブロック724の当接位置より下方にしか摺動できないようになっている。これにより、パルスモータ728の回転に応じて回転軸717とシャフト723の軸間距離r´を制御することができ、このr´と直線的相関関係をもつレンズ回転軸704a,704bと砥石の回転軸61aとの軸間距離rを制御することができる。
【0022】なお、このキャリッジ部の構成は、本出願人による特開平5-212661号等のものと基本的に同様であるので、詳細はこれを参照されたい。
【0023】(ロ)眼鏡枠形状測定部図4は眼鏡枠形状測定部2が持つ形状測定部2aの斜視図である。形状測定部2aは、水平方向に移動可能な可動ベース21と、可動ベース21に回転可能に軸支されパルスモータ30により回転される回転ベース22と、回転ベース22に垂設された保持板35a,35bに支持される2本のレール36a,36b上を移動可能な移動ブロック37と、移動ブロック37に挿通されて回転自在にかつ上下動可能な測定子軸23と、測定子軸23の上端に取り付けられその先端が測定子軸23上の軸心上にある測定子24と、測定子軸23の下端に回転自在に取り付けられるとともに移動ブロック37から垂直に伸びるピン42に固定されたアーム41と、アーム41の先端に取り付けられ、垂直なスリット26及び45度の傾斜角度を持つスリット27が形成された遮光板25と、遮光板25を挟むように回転ベース22に取り付けられた一対の発光ダイオード28及びリニアイメージセンサ29と、回転ベース22に回転自在に軸支されたドラム44に取り付けられ、移動ブロック37を常時測定子24の先端側へ引っ張る定トルクバネ43と、を備える。
【0024】また、移動ブロック37には型板測定のときに使用する測定ピン50を挿入する取り付け穴51が設けられている。
【0025】このよな構成の形状測定部2aにより、眼鏡枠形状は次のようにして測定する。まず、眼鏡枠を図示なき眼鏡保持部(特開平5-212661号等を参照)に固定し、測定子24の先端を眼鏡枠の内溝に当接させる。続いて、パルスモータ30を予め定めた単位回転パルス数ごとに回転させる。このとき測定子24と一体の測定子軸23は眼鏡枠の動径にしたがってレール36a,36bを移動し、また眼鏡枠のカーブにしたがって上下する。これらの動きにしたがって、遮光板25は発光ダイオード28とリニアイメージセンサ29との間を上下左右に移動し、発光ダイオード28からの光を遮光する。遮光板25に形成されたスリット26、27を通過した光がリニアイメージセンサ29の受光部に達し、その移動量が読み取られる。移動量は、スリット26の位置を動径rとして読み取り、スリット26とスリット27の位置の差を眼鏡枠の高さ情報zとして読み取る。このようにしてN点計測することにより、眼鏡枠形状が(rn ,θn ,zn )(n =1,2,…,N)として計測される。なお、この眼鏡枠形状測定部は、本出願人と同一の出願である特開平4-105864号公報に記載したものと基本的に同様であるので、これを参照されたい。
【0026】また、型板を測定する場合は、型板を型板保持部(特開平5-212661号等を参照)に固定するとともに、測定ピン50を取り付け穴51に取り付ける。眼鏡枠形状のときと同様に、型板の動径にしたがって測定ピン50がレール36a,36bを移動するので、リニアイメージセンサ29が検出するスリット26の位置が動径情報として計測される。
【0027】(ハ)表示部及び入力部図5は表示部3及び入力部4の外観図である。表示部3は液晶ディスプレイにより構成されており、レイアウト情報を入力できるレイアウト画面、玉型形状に対するヤゲン位置やヤゲン断面状態をシュミレーションする画面等を後述する主演算制御回路の制御により表示する。
【0028】入力部4には、被加工レンズの材質を指示するスイッチ402、フレームの材質を指示するフレームスイッチ403、加工モード(ヤゲンのオート加工、強制加工、平加工等)を選択するモードスイッチ404、被加工レンズの左右を選択するR/Lスイッチ405、表示部3に表示する画面(レイアウト画面、メニュー画面、パラメータ設定画面)を切換える画面切替スイッチ407、表示部3に表示されるカーソルを移動して入力項目を選択する移動スイッチ408、レイアウトデータの数値入力のために数値の増減をさせる「+」スイッチ409a及び「−」スイッチ409b、数値入力等に使用する回転ダイヤル410、加工の開始及び停止を行うスタート・ストップスイッチ412、レンズチャック開閉用のスイッチ413、レンズ枠又は型板のトレースを指示するトレーススイッチ416、トレースしたデータを転送する次データスイッチ417等がある。回転ダイヤル410はロータリエンコーダから構成され、回転方向と回転角度に基づき移動スイッチ408により選択された入力の項目に対して所定のステップで数値を増減させることができる。
【0029】(ニ)装置の電気制御系図6は装置の電気制御系ブロック図の要部を示す図である。主演算制御回路100は例えばマイクロプロセッサで構成され、その制御は主プログラムメモリ101に記憶されているシーケンスプログラムで制御される。主演算制御回路100はシリアル通信ポート102を介して、ICカード、検眼システム装置等とデータの交換を行うことが可能である。また、眼鏡枠形状測定部2のトレーサ演算制御回路200とデータ交換・通信を行う。眼鏡枠形状デ−タはデ−タメモリ103に記憶される。
【0030】主演算制御回路100には表示部3、入力部4、音声再生装置104、レンズ形状測定部5が接続されている。主演算制御回路100で演算処理されたレンズの計測データはデータメモリ103に記憶される。キャリッジ移動モータ714、パルスモータ728、721はパルスモータドライバ110、パルス発生器111を介して主演算制御回路100に接続されている。パルス発生器11は主演算制御回路100からの指令を受けて、それぞれのパルスモータへ何Hzの周期で何パルス出力するかにより各モータの動作をコントロールする。
【0031】次に、以上のような構成を持つ装置の動作を説明する。眼鏡枠(または型板)を眼鏡枠形状測定部2にセットし、トレーススイッチ416を押してトレースする。形状測定部2aにより得られた眼鏡枠の動径情報はトレースデータメモリ202に記憶される。トレースしたデータは次データスイッチ417を押すことにより、装置本体に転送入力されてデータメモリ103に記憶される。同時に表示部3の画面上には眼鏡枠データに基づく玉型形状(枠形状)310が表示され、レイアウトデータと加工条件を入力できる状態になる(図5参照)。
【0032】次に、操作者は、表示部3に表示される画面を見ながら入力部4によりFPD値(フレーム中心間距離)、装用者のPD値(瞳孔間距離)、光学中心の高さ、サイズ補正値の各項目302〜305のレイアウトデータを入力する。入力項目は画面上に表示されるカーソル301を2つの移動スイッチ408により移動させて選択する。各項目の入力値は、「+」スイッチ409a又は「−」スイッチ409bを押すことにより各項目ごとの所定のステップで増減させることができるが、回転ダイヤル410を回転させることにより同様に増減できる。回転ダイヤル410にはクリック感があり、右に回すと選択された項目の値が所定のステップで増加し、左に回すと減少するようになっている。
【0033】例えば、PD値の項目303の値は、眼鏡枠形状データの転送後には初期値「62」(mm)が表示されるので(初期値はパラメータ設定で任意に変更できる)、これを0.5(mm)ステップで増減させて入力できる。値を大きく変更する場合、「+」スイッチ409a及び「−」スイッチ409bでは、細かく何度も押すか所望する値まで押し続けなくてはならず時間がかかるときがあるが、回転ダイヤル410では素早く値を変更できる。また、クリック感があるので微調整も容易に行える。FPD値の項目302は、眼鏡枠をトレースした場合にはトレースデータに基づいて自動的に入力されるが、型板測定の場合は同様に回転ダイヤル410又はスイッチ409a、409bにより0.5(mm)ステップで増減させて入力できる。光学中心の高さの項目304は0.1(mm)ステップで、サイズ補正値の項目305は0.01(mm)ステップで増減させて入力できる。続いて、加工するレンズの材質、フレームの材質、加工モード、被加工レンズの左右等の加工条件をスイッチ402〜405により入力する。以下、ヤゲン強制加工モ−ドを選択した場合について説明する。
【0034】被加工レンズに所定の処理(吸着カップの軸打ち等)を施した被加工レンズを、レンズ回転軸704aに取り付けられたカップホルダに装着した後、スイッチ413を押すことによりレンズ回転軸704bを移動させてチャッキングする。その後、スタート・ストップスイッチ411を押して装置を作動させる。
【0035】装置は、スタート信号の入力により、まず入力されたデ−タに基づく加工補正(砥石径補正)の演算処理を行い、続いてレンズ形状測定部5を作動させてレンズ形状測定を行う。なお、加工補正及びレンズ形状測定部5の構成(図7参照)とその測定については、特開平5−212661号等に記載されているのでこれを参照されたい。
【0036】装置はレンズ形状データ(コバ位置)に基づいてヤゲン頂点位置を求めるヤゲン計算を行い、ヤゲン加工デ−タを得る。ヤゲン頂点位置の計算は、レンズコバ厚をある比率で定める方法や、ヤゲン頂点位置をレンズ前面のコバ位置より一定量後面側にずらし、前面カ−ブと同一のヤゲンカ−ブを立てるようにする等各種の方法(特開平5−212661号等の方法等)で行うことができる。
【0037】ヤゲン計算が完了すると、表示部3の画面は図8に示すようなシュミレーション画面に切換わる。画面上には、玉型形状表示310と加工中心を中心とした回転カーソル311が表示される。また、画面左側には回転カーソル311が位置するコバ位置でのヤゲン断面形状320が表示される。回転カーソル311の位置は回転ダイヤル410を操作することにより、その回転方向と回転量に連動して自由に移動、停止をすることができる。これにより、全周に亘るコバ位置でのヤゲン状態を効率良く確認することができ、バランスのとれたヤゲン形成に役立てることができる。なお、回転カーソル311は、「+」スイッチ409aを押すと右回りに回転し、「−」スイッチ409bを押すと左回りに回転するようにもなっているが、大きく回転するときや所望する位置で停止させたいときには回転ダイヤル410の方が感覚的に適合した操作を行いやすい。
【0038】ヤゲン形状のシュミレーションにおいて、ヤゲン頂点位置を変更したいときは、移動スイッチ408によりカーソル321を表示させ、“カーブ”、“位置”の表示部分に移動して項目を選択する。“カーブ”の項目322ではカーブ値を変更して、カーブ値に基づくヤゲン頂点位置を前後に移動することができる。“位置”の項目323ではオフセット量を入力して、ヤゲン頂点位置をレンズ前面側又は後面側にずらすことができる。それぞれの値は、スイッチ409a、409b又はダイヤルスイッチ410により増減変更して入力する。各項目の値は所定の幅のステップで変更するが、この場合も大きく変更すとき等には回転ダイヤル410の方が都合が良い。
【0039】シュミレーションによるヤゲン形状の確認又は変更後、スタ−ト・ストップスイッチ411を押して加工を開始する。装置は加工データ(シュミレーションによりデータが変更されたときには変更後の加工データ)に基づき、パルスモータ721、キャリッジ移動用モータ714、パルスモータ728の駆動によるキャリッジ700の動作を制御し、回転する砥石群60に被加工レンズを圧接させて粗加工、仕上げ加工を順に行う。
【0040】以上、眼鏡枠形状測定部2を一体化したレンズ研削加工装置について説明したが、本発明は眼鏡枠形状測定部2とレイアウトデータを入力するための入力部や表示部を別に持つ装置においても適用でき得る。この種の装置の場合は、眼鏡枠形状データやレイアウトデータを加工装置側にデータ転送して加工を行う。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、所望する数値データの入力や変更、表示画面の変更を容易に行うことができ、作業者の操作感覚に適合した操作性の良い装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレンズ研削加工装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】キャリッジの構成を説明する断面図である。
【図3】キャリッジの駆動機構を示す図1の矢視A図である。
【図4】眼鏡枠形状測定部が持つ形状測定部の斜視図である。
【図5】表示部及び入力部の外観図である。
【図6】装置の電気制御系ブロック図の要部を示す図である。
【図7】レンズ形状測定部の構成を示す図である。
【図8】表示部に表示されるシュミレーション画面の例を示す図である。
【符号の説明】
3 表示部
4 入力部
100 主演算制御回路
403 フレームスイッチ
408 移動スイッチ
410 回転ダイヤル

【特許請求の範囲】
【請求項1】 眼鏡枠にレンズをレイアウトするためのレイアウトデータを入力し、眼鏡レンズを研削加工する装置にそのデータを送る眼鏡レンズレイアウト入力装置において、レイアウトデータを入力する複数の入力項目の中から1つを選択する選択手段と、前記複数の入力項目に共通の入力値指示手段であって回転可能な回転部材により前記選択手段により選択された入力項目の値を回転方向とその回転量によって指示する入力値指示手段と、を備えることを特徴とする眼鏡レンズレイアウト入力装置。
【請求項2】 請求項1の眼鏡レンズレイアウト入力装置において、前記複数の入力項目には装用者の瞳孔間距離値及び枠中心に対する光学中心の高さを入力する項目が含まれ、前記入力値指示手段は前記選択手段により選択された入力項目に応じて異なるステップで値を変化させることを特徴とする眼鏡レンズレイアウト入力装置。
【請求項3】 請求項1の眼鏡レンズレイアウト入力装置において、眼鏡枠を測定して枠形状データを得る眼鏡枠形状測定手段を備えることを特徴とする眼鏡レンズレイアウト入力装置。
【請求項4】 被加工レンズを眼鏡枠の形状に合うように研削加工するレンズ研削加工装置において、眼鏡枠の枠形状データを入力する形状データ入力手段と、眼鏡枠に被加工レンズをレイアウトするためのレイアウトデータを入力する複数の入力項目の中から1つを選択する選択手段と、前記複数の入力項目に共通の入力値指示手段であって回転可能な回転部材により前記選択手段により選択された入力項目の値を回転方向とその回転量によって指示する入力値指示手段と、前記形状データ入力手段及び入力値指示手段により入力されたデータに基づいて加工後の被加工レンズのコバ位置を得るコバ位置検知手段と、該コバ位置検知手段により得られたコバ位置に基づいて被加工レンズの加工データを演算する加工データ演算手段と、該加工データに基づいて被加工レンズの加工を行う加工制御と、を備えることを特徴とするレンズ研削加工装置。
【請求項5】 請求項4のレンズ研削加工装置において、指示されたコバ位置での加工後のヤゲン状態を前記加工データ演算手段により得られる加工データに基づいて表示するヤゲン状態表示手段と、前記形状データ入力手段により入力された枠形状に対して前記ヤゲン状態表示手段により表示するコバ位置を指示するコバ位置指示手段とを備え、該コバ位置指示手段は前記入力値指示手段と共用することを特徴とするレンズ研削加工装置。
【請求項6】 請求項5のレンズ研削加工装置において、前記ヤゲン状態表示手段により表示するヤゲン状態のヤゲン頂点位置を変更するための項目を選択する第2選択手段を備え、ヤゲン頂点位置の変更量を前記入力値指示手段により指示できることを特徴とするレンズ研削加工装置。

【図2】
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【図1】
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【図3】
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【図8】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図6】
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