着脱可能な注射針組立体及び低デッドスペースを有している注射器組立体
【課題】注射針が患者中に注射される最適な角度に関する案内を提供する傾斜指示器を伴う着脱可能な注射針組立体を備えている注射器組立体を提供する。
【解決手段】注射器ピストンの展開及び患者の体内への注射器中の物質の注射の後におけるデッドスペースを最少にするように構成されており、また注射針6が患者中に注射される最適な角度に関する案内を提供する傾斜指示器11を伴っている。傾斜指示器11は、ハブ3の表面のそれと対比される色,外観,又は模様の少なくとも一部である塗られた線であり、使用者は、患者への注射針6の注射の準備が整った時にハブの実質的な頂にそれを直線状に配置することが出来る。
【解決手段】注射器ピストンの展開及び患者の体内への注射器中の物質の注射の後におけるデッドスペースを最少にするように構成されており、また注射針6が患者中に注射される最適な角度に関する案内を提供する傾斜指示器11を伴っている。傾斜指示器11は、ハブ3の表面のそれと対比される色,外観,又は模様の少なくとも一部である塗られた線であり、使用者は、患者への注射針6の注射の準備が整った時にハブの実質的な頂にそれを直線状に配置することが出来る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2009年10月19日に提出された米国仮出願番号61/252,962の利益を主張しており、ここに引用することによりその全体がここに組み込まれる。
【0002】
この発明は、皮下注射器及び注射針の分野に関係しており、特に、着脱可能な注射針を備えている注射器組立体に関係している。
【背景技術】
【0003】
皮下注射器は、患者の体の中への薬及び他の医療又は美容(cosmetic)物質の注入を要求する種々の医療及び美容手続きの為に、医者,看護士,及び他の医療スタッフ(美容手続きにおいて訓練されたスタッフを含む)により通常使用されている。この様な注射器はまた、或る患者、例えばインスリンを自己注射しても良い糖尿病患者、によっても通常使用されている。
【0004】
例えばアレルギー注射,糖尿病患者の為のインスリンの注射,又は美容適用の為に、患者が所定の複数回注射しなければならないある状況においては、鈍さが薬の分配の低下した正確さや患者の不快さを導くので、複数回の使用における皮下注射針の鈍さを避けることが望まれている。さらには、医療廃棄物の環境的な負荷を最少にしようとする近年の工業全般の注目の観点においては、注射器胴体に取り付けられた使用済みの注射針を新しい殺菌されている注射針と急速に容易に交換でき、一人の患者に対して複数回使用できる単一注射器を提供することの如く、注射器との注射針の便利な使用及び交換能力を許容する注射器組立体を提供することが望まれている。
【0005】
またさらに、健康管理の増大するコストの観点から、患者の体内へ注射された流体を最大にし、これにより流体の排出後の「デッドスペース(dead space)」を減少させ、そして従って注射後に注射器中に残された未注射の流体を減少させる、よう構成された注射器組立体を提供することがさらに望まれている。
【0006】
一般的には、注射は、「充填(loading)」工程、即ち、管理者又は患者が、注射器外筒中に十分に押し込まれているプランジャーを伴っている十分に組み立てられているが空の注射器組立体を入手し、次に注射針部分を流体の源(例えば、患者の中に注入する流体の貯蔵器を保持した容器)中に挿入することにより注射器組立体を「充填(loading)」するという工程、を含んでいる手順で執行される。この工程は、管理者又は患者がプランジャーを注射器外筒の長手軸に沿い基端方向に向かい摺動させることにより引き出し、真空力を生じさせて注射器に所定の量の流体を充たすことに引き継がれる。注射針が次に容器から引き抜かれ、十分に充填されそして患者への注射の準備が整う。繰り返される充填もまた注射針を鈍く出来る。
【0007】
小さな注射針は従来通常は使用されていないが、人気を獲得している。例えば、29−30ゲージ(gauge)の如く小さな注射針はしばしばインスリンを注射するために使用されていて、31−33ゲージ(gauge)の如き小さな注射針でさえ今日より広く使用されるようになっている(注射針の「ゲージ(gauge)」は注射針の外径を表示する方法であり、より高いゲージは小さな注射針を指摘する)。より低いゲージの注射針の幾つかの使用は、インスリン注射,アレルギー管理用注射そしてボトックス(登録商標)(Botox)の投与(administration)の如き美容適用の為を含む。さらに、アレルギー注射及びボトックス(登録商標)(Botox)注射は一般に一回の処置(procedure)において患者への複数回の注射を要求する。従って、患者の為の快適さと便利性のためにより小さな注射針を使用することが望まれている。しかしながら、この様な注射針はそれらのより小さな寸法の故に一般的に壊れ易く、そして、それらの小さな円周がゆっくりとした充填及び注射以前の注射器の取り扱いの間における破損の増大した危険性を導くので、重点の為には望ましくない傾向にある。さらには、複数の注射及び充填工程の部分としての殺菌流体のボトル又はガラス瓶(vial)の頂部の覆いに注射針を挿入させる必要は全て、注射針が鈍くなることを早め、患者に対しさらなる不快感を生じさせる。従って、それらの小さな寸法の故にある注射の為に望まれている注射針は、同時に、患者への注射以前のこの様な注射器の充填の為には望まれていない。いまだに、現在の技術における注射器及び注射針組立体においては、使用者は一般には注射器を充填する為に1本の注射針を使用し、そして患者への流体の注射の為にもう1つを使用するという選択を有していない。大きな注射針は充填するのが早いが、注射の間に患者に対しより大きな肉体的痛みを生じさせ、そしてこの様な痛みは複数回の注射に伴い複数回になる。他方、小さな注射針は充填するのを困難に出来る。従って、使用者は、しばしば2つの望ましくない二者択一をそのままにしている。
【0008】
単一の患者への繰り返しの充填及び注射が望まれる状況においては、注射針の破損及び/又は鈍くすることの増大された可能性の他に、他の不利益がある。多くの小さな注射器組立体は着脱可能な注射針を有していないので、使用者は注射針を鈍くするのを避ける為に個々の注射のために新たな注射器を使用する選択をする。個々の注射器の廃棄は費用が嵩み無駄が多い。さらには、何回もの繰り返しの注射は無駄な流体をますます増加させ、個々の注射は幾分かの流体が、患者中に注入されるよりもむしろ、注射器組立体中の「デッドスペース(dead space)」中に捕らえられる結果となる。これは、ボトックス(登録商標)(Botox)の如き高価な美容流体準備の場合においては非常に費用が嵩むことになる。
【0009】
またさらに、多くの皮下注射針は滑らかな注射を容易にするよう或る角度に切られていた傾斜先端(bevel tip)を伴い設計されている。この様な先端の角度は「傾斜角度(bevel angle)」として知られている。殆どの傾斜先端(bevel tip)は先端を筋肉内放出(delivery)の為に適するようにする「通常(regular)」傾斜(bevel)として切られている。しかしながら、他の型式の傾斜(bevel)は、「短い(short)」傾斜(bevel)及び「皮膚内(intradermal)」傾斜(bevel)(全ては先端の角度を基にしている)を含む。患者の不快を最少にするには、一般には、患者への注射時に、中心に最も近い地点の部分(「針尾部(needle heel)」)よりも最も尖っていて最も遠くに延出している地点(「針先端(needle point)」)が患者の皮膚を最初に破るように注射針の方向付けをすることが望まれている。この技術分野において知られているより大きな(より低いゲージ)注射針の場合には、傾斜角度(bevel angle)が使用者の裸眼で見ることが出来、そしてそれ故にこれはまさに容易に行うことが出来る。しかしながら、ここで前述した如き複数回注射の為に使用されるものの如き、非常に小さな注射針(例えば、略25及びそれよりも高いゲージ)の場合には、傾斜先端(bevel tip)が非常に小さく見ることが不可能である。
【0010】
従って、使用済みの注射針を注射器から容易に取り外すことが出来、そして新たな注射針との交換が容易に出来るような着脱可能及び交換可能な注射針を有する;注射後に出来る限り多くの流体を保持するようなデッドスペースを最少にもする改良された注射器:また、この様な注射器及び複数注射針の使用者の為のこの様な部分の取り外し及び交換を容易にする注射針;の必要が存在している。
【発明の概要】
【0011】
或る実施形態において、この発明は注射器組立体に向けられていて、この注射器組立体は:
(a)開放された基端と末端とを有していて、屋根を規定している末端部分を備えている内部空間を規定している円筒形状外筒と;
(b)プランジャー取っ手を含んでいる基端と円筒形状外筒の内部空間内に配置されている末端とを有しているプランジャーと;そして、
(c)ハブとハブに固定された注射針とを備えていて、円筒形状外筒の末端に着脱可能に固定された注射針組立体と;そして、
(d)注射針組立体上の傾斜指示器と、
を備えていて、
内部空間は、円筒形状外筒の開放された末端から屋根へと円筒形状外筒に対し相対的に摺動することが出来るようプランジャーを受け入れるよう構成されていて、
プランジャーは、円筒形状外筒の長手方向軸に沿い円筒形状外筒の内部空間に対し相対的に摺動するよう構成されていて、プランジャーの末端は内部空間の末端部分上の屋根に接触することが出来、
注射針は、そこを通って円筒形状外筒の内部空間に連通している中空内腔を備えていて、
プランジャーの末端は、プランジャーが円筒形状外筒中に十分に突入された時に円筒形状外筒の屋根に接触する表面を規定している。
【0012】
或る実施形態において、この発明は注射器組立体に向けられていて、この注射器組立体は:
(a)開放された基端と末端とを有していて、屋根を規定している末端部分を備えている内部空間を規定している円筒形状外筒と;
(b)取っ手部分を含んでいる基端と円筒形状外筒の内部空間内に配置されている末端とを有しているプランジャーと;そして、
(c)ハブとハブに固定された注射針とを備えていて、円筒形状外筒の末端に着脱可能に固定された注射針組立体と;そして、
(d)注射針組立体上の傾斜指示器と、
を備えていて、
内部空間は、円筒形状外筒の開放された末端から屋根へと円筒形状外筒に対し相対的に摺動することが出来るようプランジャーを受け入れるよう構成されていて、流体を格納しており、
プランジャーは、円筒形状外筒の長手方向軸に沿い円筒形状外筒の内部空間に対し相対的に摺動するよう構成されていて、プランジャーの末端は内部空間の末端部分の屋根上の対向していて補完的な形状に対応する形状を有しており、プランジャーが円筒形状外筒内で十分に展開された時にプランジャーの末端と内部空間の末端部分の屋根とが界面において合致して界面から流体の実質的に全てを強制して排除する密封を形成し、
注射針は、そこを通って円筒形状外筒の内部空間に連通している中空内腔を備えていて、
プランジャーの末端は、プランジャーが円筒形状外筒中に十分に突入された時に円筒形状外筒の屋根に接触する表面を規定しており、そして、円筒形状外筒及び注射針組立体は、ねじ連結,スナップ連結そして2元連結(binary connection)から選択された機構により互いに着脱可能に固定されている。
【0013】
或る実施形態において、この発明は、患者に対し医療用又は美容流体を配る(delivering)方法に向けられていて、この方法は:
(a)その中に摺動可能なプランジャーを受け入れるよう構成された円筒形状外筒と、円筒形状外筒に着脱可能に固定されていて第1ハブに固定された第1注射針を備えている第1注射針組立体と、を備えている注射器組立体を取得する;
(b)注射器組立体を医療用又は美容流体の容器中に挿入し、そして、医療用又は美容流体の所望の量を注射器組立体に充填するよう摺動可能なプランジャーを引く;
(c)薬の容器から注射器組立体を引き抜く;
(d)円筒形状外筒から第1ハブを分離することにより注射器組立体から第1注射針組立体を取り外す;そして、
(e)第2ハブに固定された第2注射針を備えている第2注射針組立体を円筒形状外筒に取り付ける、
工程を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、この発明の一実施形態に従っている注射器組立体を示していて、ここにおいてプランジャーは「充填(loading」工程の間又はそれにすぐに続く位置にありその外筒の中に流体を有している。
【図2】図2は、この発明の一実施形態に従っている注射器組立体を示していて、ここにおいてプランジャーは、展開(deployment)にすぐに続く位置にあり、−即ち外筒中の流体は患者の体内へ十分注射されている。
【図3】図3は、この発明の一実施形態に従っている注射針組立体の側面図を示している。
【図4】図4は、この発明のもう1つの実施形態に従っている注射針組立体の側面図を示している。
【図5A】図5aは、この発明の或る実施形態に従っている注射針組立体(注射針ハブ(hub)を含んでいる)の上面の外側図である。
【図5B】図5bは、この発明の或る実施形態に従っている注射針組立体(注射針ハブ(hub)を含んでいる)の側の外側図である。
【図6】図6は、この発明の或る実施形態に従っている種々の注射針の傾斜先端の側面図及び上面図である。
【図7】図7は、この発明の一実施形態に従っている注射器外筒の末端の一部の図を示していて、そこに注射針組立体が着脱可能に固定されてよい部分を示している。
【図8】図8は、デッドスペースを実質的に無くすような方法で図7中に示されている外筒の部分に着脱可能に固定されることが出来る、この発明の注射針組立体を示している。
【図9A】図9aは、この発明の一実施形態に従っている外筒の末端の図を示している。
【図9B】図9bは、この発明の一実施形態に従っている外筒の末端の図を示している。
【図9C】図9cは、この発明の一実施形態に従っている外筒の末端の図を示している。
【図10A】図10aは、図9a乃至図9c中に示されている外筒の末端内に適合した注射針組立体の図を示している。
【図10B】図10bは、図9a乃至図9c中に示されている外筒の末端内に適合した注射針組立体の図を示している。
【図11A】図11aは、この発明の一実施形態に従っている外筒の末端の図を示している。
【図11B】図11bは、この発明の一実施形態に従っている外筒の末端の図を示している。
【図11C】図11cは、図11a及び図11b中に示されている外筒の末端内に適合した注射針組立体の図を示している。
【図11D】図11dは、図11a及び図11b中に示されている外筒の末端内に適合した注射針組立体の図を示している。
【図12A】図12aは、この発明の一実施形態に従っている外筒の末端の図を示している。
【図12B】図12bは、この発明の一実施形態に従っている外筒の末端の図を示している。
【図12C】図12cは、図12a及び図12b中に示されている外筒の末端内に適合した注射針組立体の図を示している。
【図13A】図13aは、この発明の一実施形態に従っている注射針組立体の側面図を示している。
【図13B】図13bは、この発明の一実施形態に従っている注射針組立体の断面図を示している。
【図13C】図13cは、この発明の一実施形態に従っている注射器外筒の末端及びねじ山形成部分の断面図を示している。
【図13D】図13dは、この発明の一実施形態に従っている注射器外筒の末端及びねじ山形成部分の断面図を示している。
【図14A】図14aは、この発明の一実施形態に従っている外筒の末端の図を示している。
【図14B】図14bは、この発明の一実施形態に従っている外筒の末端の図を示している。
【図15A】図15aは、図14a及び図14b中に示されている外筒の末端内に適合した注射針組立体の図を示している。
【図15B】図15bは、図14a及び図14b中に示されている外筒の末端内に適合した注射針組立体の図を示している。
【図15C】図15cは、図14a及び図14b中に示されている外筒の末端内に適合した注射針組立体の図を示している。
【図16a】図16aは、この発明の一実施形態に従っているもう1つの注射器組立体の図を示している。
【図16b】図16bは、この発明の一実施形態に従っているもう1つの注射器組立体の図を示している。
【図17a】図17aは、この発明のもう1つの実施形態に従っているもう1つの注射器組立体の内部断面図を示している。
【図17b】図17bは、この発明のもう1つの実施形態に従っているもう1つの注射器組立体の外部断面図を示している。
【図17c】図17cは、この発明のもう1つの実施形態に従っているもう1つの注射器組立体の外部断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明の注射器組立体は、一回の処置(procedure)又は一連の処置中に患者の顔又は体上の複数の場所に沿い複数の注射が要求される、これらに限定されないが、アレルギー,発汗減少症(hypohydrosis),筋肉収縮(muscle twitches),内斜視(crossed eye),脳性小児麻痺(cerebral palsy)又はこれらと同様のものの如き、状況を治療する為の医療又は美容流体の注射の為に特に有用である。ここで使用された時、用語「医療又は美容流体(medical or cosmetic fluid)」は、医療状況の治療又は美容上の利点を提供することの目的の為に、注射器組立体を使用した注射により患者の体に届けられることが望まれている如何なる流体材料をも引用する。或る実施形態においては、医療又は美容流体(medical or cosmetic fluid)は、それに限定されないが、ふけ(dander)の如きアレルゲン性の(allergenic)又はアレルギー誘発成分(allergy-triggering composition)、又はボツリヌス毒素(botulism toxin)(美容流体の場合におけるボトックス(登録商標)(Botox)の如き)の如き美容成分そして筋弛緩約(muscle relaxant)及び同様のもの、を備えている。
【0016】
或る実施形態においては、この発明は、着脱可能な注射針組立体を備えている注射器組立体に向けられている。或る実施形態においては、注射針組立体は、注射針に固定されているハブ(hub)を備えている。ハブ(hub)及び注射針は、例えば、接着剤の如き連結媒体を含む、当該技術において知られていう種々の方法のいずれによっても互いに永久的に固定されて良い。
【0017】
或る実施形態においては、注射針組立体は、これからより詳細に記載される如き種々の方法で注射器組立体に着脱可能に固定されている。さらに、この様な組立体を貯蔵する為の望ましい遮蔽装置が、この出願と同日に提出され「遮蔽装置、及び注射器組立体及び注射針組立体を貯蔵する為の方法(Shield Apparatuses and Methods for Storing Syringe Assemblies and Needle Assemblies)」と題された同時に継続中の米国出願第 号中に非常に詳細に議論されていて、この記載は引用によりその全体がここに組み込まれる。さらにこのような組立体を備えたキット(kit)は、この出願と同日に提出され「注射器組立体を備えているキット(Kits Comprising Syringe Assemblies)」と題された同時に継続中の米国出願第 号中に非常に詳細に議論されていて、この記載は引用によりその全体がここに組み込まれる。
【0018】
[低デッドスペース]
デッドスペースの出現は、注射器及び流体を届ける他の外科的器具の分野においては現在進行中の関心事である。現在使用されている多くの注射器においては、内部ストッパ(internal stopper)又はプランジャーが、注射器の管(tube)の内部分十分に接触しない円錐形状を有している。その結果、第1の関心事は、現在使用されている注射器が十分に展開された時にはいつも、注射器中、一般には円錐または断面が台形の形状を備えている外筒の末端中に、注射針自身の長さの中とともに、液体が残ることである。この液体は、それを注射器から抽出する又はそれを注射針を介して外筒から強制する方法がないので、注射器組立体の展開後に失われる。
【0019】
デッドスペースを最少にすることと着脱可能な注射針組立体を提供することの両方を行なおうとする試みが行なわれている。例えば、ジャンセン(Jentzen)に対する米国特許第5,782,803号及びディアリーゴ(D’ Arrigo)に対する米国特許公開第2008/0033347号を参照。しかしながら、これら及び当該技術における文献は、3mL及びそれよりも大きな容量を伴ったより大きな注射針(一般には、29よりも遥かに下のゲージ)を有しているより従来から使用されている注射器を取り扱っている。小さなゲージの注射針の交換可能性及びデッドスペースは、従来の試みにより適切に取り扱われていない。ここで議論された如く、より高いゲージの注射針(例えば、25,25乃至34又は29,30,31,32,又は33よりも高いゲージを伴った注射針及びより小さなものでさえ)は、それに限定されるのではないがそれ等の小さな寸法故のそれらの壊れ易さ及び取り付けの困難さを含む当該技術において特異な挑戦を提供している。
【0020】
ここで議論された如く、デッドスペースの最小化は注射器組立体の望ましい到達点(goal)であり、それはプランジャー及び注射器外筒の設計を介して達成されることが出来ることが分かっている。詳細には、外筒の内部はプランジャーのを受け入れるよう構成されていて、プランジャーは末端(外筒中に挿入されている)及び基端を有していて、基端は或る実施形態においては外筒の長手方向軸に沿いプランジャーを使用者が摺動させるのを容易にする為のプランジャー取っ手を備えている。注射器外筒それ自体はさらに、その上に使用者が彼又は彼女の腕を乗せて使用者のプラジャーの摺動を容易にする突起を備えて良い。円筒形状外筒は内部空間を備えていて、そして、空間の末端部には、十分に展開(deploy)され、即ち、それがその中にさらに摺動出来ないよう外筒中に十分に摺動された、時に、プランジャーが接触する内部末端表面がある。十分に展開された時にプランジャーの末端が最後に接触し、そしてそこに対し外筒中にプランジャーが移動できる最も遠い表面を提供している外筒の内部末端表面は、外筒の「屋根(roof)」として当該技術においてしばしば引用されている(そして、この開示において将来引用される)。
【0021】
外筒の屋根の少なくとも一部分はプランジャーを受け入れる為に閉塞された表面であり、外筒の屋根は、或る実施形態においては、注射針組立体との外筒の内部の流体流通を許容する少なくとも一つの開口を備えており、従って使用者がプランジャーを、図2中に示されている如く、十分に展開された位置に向かい増加するよう押した時に注射針の中空の内孔を介しての患者の体内への外筒からの流体の注射が許容される。プランジャーの末端(十分に展開された時の)と外筒の屋根との間の接触の表面積が大きくなればなるほど、デッドスペースがより小さくなる結果となる。この発明の或る実施形態においては、プランジャーの末端と屋根の両方が互いに対応し及び補足する形状を有している。即ち、プランジャーの末端は内部空間の末端部分の屋根上の対向していて補足的な表面に対応する形状を有していて、それにより、プランジャーが円筒形状外筒内に十分に展開された時に、プランジャーの末端と内部空間の末端部分の屋根とは界面で合致し、流体の実質的に全てを界面から外筒の内部が注射針組立体と連通している開口を介して遠ざける密封を形成する。この密封がきつくなればなるほど、より多くのデッドスペースが小さくされることが出来、そしてより多くの流体が注射器外筒の外に強制されることが出来る。プランジャーの末端と屋根との間のこの対応している関係は、プランジャーが円筒形状外筒内に十分に展開された時に、プランジャーと屋根とが互いに実質的に十分接触することを確実にする為に重要である。
【0022】
ある実施形態においては、プランジャーの末端は、デッドスペースを最少にする如何なる他の形状の1つであって良く、例えば、部分的又は実質的な円錐形状,台形状,円形状,角形状(angular),又は外筒を介して注射針組立体中へと流体を何とか下降させる(coaxing the fluid down)為に役立つ如何なる形状である。例えば、プランジャーの末端は、実質的に平坦であり、そして注射器外筒の長手方向軸に対し実質的に直交する角度であって良く;外筒の対応している屋根もまた同様に実質的に平坦であって良く、2つが会ったときに、流体の最適な量が外筒の外へ注射を介して強制されて良い。
【0023】
さらに、プランジャーの末端は、それに対する補完表面(complementary surface)を有している「雌」部分と合致する「雄」部分を構成して良い。他の実施形態においては、相対的な部分は、例えばプランジャーが、屋根の「雄」部分と合致する「雌」部分を有して良いように、切り替えることが出来る。さらに他の実施形態においては、相対的な部分の両方が、1つ又はそれ以上の「雄」又は「雌」部分のいずれかを有して良い。
【0024】
或る実施形態においては、この発明の注射器組立体は、外筒中に当初に充填された流体の略5%以下がデッドスペースに失われるよう構成されている。種々の実施形態においては、この値は略4%以下,略3%以下,略2%以下,又は略1%以下である。或る実施形態においては、流体損失の量が、略0.5mL以下,略0.4mL以下,略0.1mL以下,略0.05mL以下,又は略0.01mL以下である。
【0025】
[着脱可能な注射針組立体]
この発明の種々の実施形態においては、注射器組立体は、着脱可能な注射針組立体を備えた注射器組立体を保持している。ここで使用される時、「着脱可能(detachable)」は、使用者が、注射針組立体又は外筒又はこれらの間の連結に損害を与えることなく、外筒の末端に対する注射針組立体の取り付け及び外筒の末端からの注射針組立体の除去の両方を出来ることを意味している。
【0026】
従って、或る実施形態においては、この発明の注射器組立体は2つの主要な構成要素を備えていて:第1は、その中に配置されているプランジャーを有している円筒形状外筒(cylindrical barrel);そして、第2は、注射針に固定されたハブ(hub)を備えている注射針組立体である。或る実施形態においては、注射針組立体は以下の機構のいずれかを介して注射器外筒に着脱可能に固定されて良い:
(a)注射器組立体のねじ山部(threaded portion)と合致する外筒の末端上のねじ山部(threaded portion)(「ねじ山連結(Threading Connection)」);
(b)互いのスナップ(snapping)により注射器組立体上の対応している及び補足の部分と適合する外筒の末端上の部分(「スナップ連結(Snap Connection)」;又は、
(c)互いに係合できそして捩じり(twisting)により連結できる雄及び雌部分(「2元連結(Binary Connection)」)。
【0027】
これらの機構はここでより詳細に議論される。
【0028】
A.[ねじ山連結(Threading Connection)]
或る実施形態においては、注射器と注射針との間の連結は注射針組立体上の1つ又はそれ以上のねじ山(thread)により形成され、そこでねじ山(thread)は、取り付けの地点における注射器組立体の末端上のねじ山(thread)と、ねじ(screw)の如く、対応し合致する。例えば、注射器組立体の末端は(例えば、図13c中に要素20として示されている如き)ねじ山部分で終了して良く、それは、注射針組立体上のハブ(hub)の内部に適合し、そして、外筒の内部及び、十分にねじ込まれた時に、注射針組立体上の注射針の中空内腔の両方に連通する開口21を含む。逆も真実であり、注射針それ自身がねじ山部分を備え、そして注射器外筒が注射器と合致する為にその内部に配置されている1つ又はそれ以上のねじ山を有している中空チューブ(tube)又は口(port)を備えている。
【0029】
図13a乃至d中に見られる如く、外筒の末端又は注射針組立体のいずれかのねじ山部分はさらに、或る実施形態においては、1つ又はそれ以上の固定ワッシャー(washer),O−リング18,又は凹状又は突出した凸状のいずれかの形状であることが出来る1つ又はそれ以上の戻り止め(detente)19を備えてよい。図13aにおいては、O−リングを横断面で見ることが出来る。図13bは、O−リングの上面図を提供しており、それが開口21を取り囲んでいるのを示している。図13cにおいては、戻り止め(detente)はねじ山が形成されている口20上の凸状の突起である。これらは図13dにおいて断面で見ることが出来る。これらは、2つの部分が互いにねじ込まれた時に緊密に適合することを確実にするのに有用であり、例えば、或る実施形態においては、使用者は外筒を注射針組立体にねじ込むことが出来、そして、2つが互いに緊密にねじ込まれると、1つ又はそれ以上の戻り止め(detente)が「クリック(click)」してこれらが係合されたことを指示する。従って、戻り止め(detente)は、係合した時、ねじ山が互いに十分に緊密であることの使用者に対する触知可能な感覚(tactile sensation)を提供する。1つ又はそれ以上の戻り止め(detente)の存在は、緊密な適合を確実にし、そして、2つの部位が注射器組立体の使用中において意図しない係合解除をすることを阻止する。ねじ山は、使用者が、終了した時に2つの部分を容易にねじ込み解除することが出来、しかし必要な時以前には意図しないねじ込み解除することがないように着脱可能である。ある実施形態においては、外筒及び注射針組立体のねじ山部分は、使用者が片手のみを使用することにより互いに容易にねじ込まれることが出来る。
【0030】
或る実施形態においては、注射針を注射器に連結しているねじ山機構(threading mechanism)がさらに、注射器又は注射針の移動又は押しが使用中において注射針に注射器からの「進行分離(walk off)」を生じさせないような、ねじ山結合後の2つの互いの固定の目的を果たす1つ又はそれ以上の取り付け具を備えて良い。この様な固定機構は、スナップ(snap),フック(hook),挟持フランジ(clamp flange)又は他の同様な機構、一時的で容易に除去が可能な接着剤による又は磁力による取り付けも同様、の形態であって良い。
【0031】
ねじ山連結の他の例は図12a及び12bにおいて見られることが出来る。ねじ山2は、これら2つの図中に描かれている如く、注射器の末端の内側上にあることが出来る。図12cは、図12a及び12b中に示されている如く注射器の末端と互換性のある注射針組立体を示している。見ることが出来るように、図12cの注射針組立体は、注射器外筒の対応している末端のねじ山2と係合する1つ又はそれ以上のねじ山係合部分を含んでおり、そして、互いに十分にねじ込まれた時に屋根4と連通する。
【0032】
B.「スナップ(Snap)」連結
或る実施形態においては、注射器組立体と外筒との間の連結は、注射針(又はそこへの取り付け具)及び注射器上の対応している合致部位、例えば、「クリック(click)」又は「スナップ(snap)」機構により伴に合致する「雄(male)」及び「雌(female)」部位、により行なえる。このような実施形態においては、注射針組立体又は外筒の末端のいずれかが、2つの一方を他方上に適合(fit)出来、そして、或る実施形態においては、射器組立体の使用の間に2つが容易に分離しないような方法で変形しそして次に所定の場所中にさっと入る(pop in)よう、他方よりも僅かに大きな直径を有するよう構成されて良い。或る実施形態においては、所定の場所中にきつく固定又は接合される。この様な機構は、例えば、図7及び8中に、示されている。図7は、円筒形状外筒5の末端上の連結を示している。ここに描写されている実施形態においては、外筒の屋根を僅かに超えて延出していて、そして、それと接合する為に注射針組立体の為の合致表面を提供し、その上に注射針組立体のハブ(hub)がやがては着座する、円筒形状口(port)13がある。ここでは、口13上の雌部分14が、外筒(図示されていない)の屋根と連通していて取り付け後に注射針組立体と連通し、注射針の中空内腔とも連通する、開口21を規定している。口13はまた、その周囲の周りにスナップ閉鎖部材(snap enclosure)12を含んでおり、それは、注射器の端上の対応している縁と係合し、使用中の安定性の為に注射針組立体を所定の位置に固定する僅かに柔軟な端(即ち、水平方向に引かれた時に僅かに開き(give)、しかし好ましくは注射器外筒の如き細長い物体の周りの所定位置に直ちにさっと戻る(pop back)端)を有している。この場合は、4つのスナップ閉鎖部材12があるが、この発明の全ての実施形態はそれに限定されない。図8中に見られることが出来る如く、ハブ(hub)3を備えている注射針組立体1は、この発明に従って、図7の口13上にスナップされることが出来る。注射針組立体は、その周囲の周りにタブ(tab)15を含む。タブ(tab)の数は、スナップ閉鎖部材12の数と同じで良く、使用者は、注射針組立体1の雄部分16を図7の雌部分と合致させることにより、注射針組立体を口13上に押すことが出来る。タブ(tab)15はスナップ閉鎖部材12中で係合して強固な適合を提供し、そのために外筒の末端上の開口が注射針組立体の内部上の開口21と接触され、注射針23の内側の中空内腔に導かれる。しかしながら、注射針組立体は、タブをスナップ閉鎖部材から係合解除するようタブを押し潰すことにより、口13から容易に分離されることが出来る。
【0033】
C.「2元(Binary)」連結
種々の実施形態においては、連結が2元特性(Binary nature)である。−即ち、注射器又は注射針(又はここに対する取付具(attachment))の対応している端が、一方部分をもう一方の対応していて補足的な部分に挿入し、そして次にその2つを所定位置に固定するよう「捩じる(twist)」ことを行なうことにより、合致させることが出来る固定部分を有している。一般的には、「捩じる(twist)」動作は、全360度捩じり以下−即ち、固定部材の外周の一部(fraction)、であって良い。種々の実施形態においては、「捩じる(twist)」動作は、略45度ないし略100度,略50度ないし略95度又は略90度まで捩じることにより達成されることが出来る。「2元(Binary)」によるは、対応している部位が2つの可能な方法−固定(lock)及び固定解除(unlock)又は固着(fix)及び固着解除(unfix)又は取り付け(attach)又は取り外し(unattach)、により構成されることが出来ることを意味している。
【0034】
この発明のこれらの実施形態に従っているキットは、上述した如く、使用者が、使用済み注射針の端を室中に挿入し,注射器に部分的(fractional)回転(種々の実施形態においては、1/4回転,1/2回転又は略45度,略90度,略180度又は略270度の回転)を注射器に与え、それにより使用済み注射針を取り外すような、構成を備えていて良い。使用者は次に、注射器を異なった室中に挿入し、同様の回転を与え、そして一旦それが室から外に引かれると使用の準備がされる新たな注射針に係合することが出来る。
【0035】
もう1つの実施形態においては、口(port)又はハブ(hub)が、回転(turn)、−例えば、1/4回転−により、注射器外筒の末端に注射針組立体を取り付けてこれら2つの間の密封をきつくするよう構成されていて良い。これは、例えば、図9a乃至c及び図10a乃至b中に、又図16a及び16b中にもまた、示されている。外筒の末端は図9a乃至c中の種々の図において示されている。ここに描かれている実施形態においては、外筒の末端と注射針ハブの両方が、互いに係合された時に外筒中のデッドスペース(無駄空間)をなくす雄及び雌突起を有している。外筒の末端は、その内部輪郭に沿った突起24を有している(この場合、この発明の実施形態ではそれらは4つであるがそれに限定されない)。図10a中に見ることが出来るように、突起は、注射針組立体のハブ上の係合突起25に対応しそして補完している。タブ(tab)及びノッチ(notch)突起が、押し下げの間において、注射器チップ(tip)ハウジング中へ注射針ハブを、例えば時計回り方向へ、ねじることにより、速やかな固定を許容している。タブ(tab)は突起25の傾斜に乗り上げる。図10bから見ることが出来るごとく、O−リング18が注射針組立体のハブの内部に存在しており、そして、注射針の中空内腔が外筒の末端中の開口21と直接連通されている。O−リングは、漏れを阻止できるとともに、タブをノッチ内に下降したままに保持してそれらを所定位置に固定することが出来る。この実施形態において解除するには、使用者はハブをO−リングのばね抵抗に対抗して押すことが出来、これによりタブをノッチから解除し、そして次にハブをねじり(例えば、反時計回り方向に)、そしてハブを引き離す。
【0036】
或る実施形態においては、注射針組立体のハブは頂に膨らみ(bulge)28を有していて、注射針キャップ(cap)とのスナップチップ(tip)を創出する。クリップ(clip)は、取り扱い中に注射針を確保するのに十分強いが、注射器組立体の着座に伴う係合時には注射針ハブを開放するのに十分弱い。
【0037】
図16a及び16bにおいては、ハブ(hub)3は垂直リブ(rib)29を備えている。ピン28がその中に挿入されている軌道(track)27がつぎにハブの部分回転と関係されている。図17a乃至17cにおいては、1つ又はそれ以上のトグル(toggle)30が存在している。個々のトグル(toggle)は1つ又はそれ以上のトグル縁(toggle lip)を有していて、それはハブ内に注射針を捕らえ、そしてそれを所定位置に保持する。ここに示されている実施形態においては、ハブ3は外筒スナップリング(snap ring)32を備えている。
【0038】
このような構造の他の例示的な実施形態を図11a及び11b中に見ることが出来、それは、そこに適合する対応している注射器組立体を示している図11c及び11dと同様に、注射器外筒の末端の外部図及び内部図を夫々示している。図11cから見ることが出来る如く、注射器組立体の外部は1つ又はそれ以上の係合ひれ(fin)26を備えていて、それらは、図11a中に示されている如く、注射器外筒の末端上に配置されている1つ又はそれ以上の係合ひれ取り囲み(enclosure)又は軌道(track)中に適合する。この「合致(mating)」は、使用者が2つの部位を互いに相対的に捩じることに引き継がれて、係合ひれ26を係合ひれ取り囲み(enclosure)中に滑りこませ、注射器組立体を注射器外筒の末端に固定する。この2つを係合解除するには、使用者は単に注射器組立体又は注射器外筒の一方を個々の手で掴み、この2つを互いに向けて押して、ひれ取り囲み(enclosure)又は軌道(track)27から係合ひれ26を分離し、そして反対方向に捩じって、この2つの部位を分離する。図11d中に示されている如く、O−リングは注射器組立体のハブ(hub)の内部に存在して良い。
【0039】
この発明の注射器組立体のもう1つの例を、図14a及び14b中に、図15a乃至15cにも、見ることが出来る。この組立体においては、ねじ山連結及び2元連結の間の実質的な混成物(hybrid)である。この実施形態においては、1つ又はそれ以上の係合ひれ26は注射針組立体のハブ(hub)の表面上に存在していて、使用者は注射針組立体を全部で360度以下の量を「捩じる(twist)」ことをしなければならない。対応しているねじ山2が係合ひれ26に対応しそして補完している。従って、これは、ねじ山の或るねじ山連結であり、しかしそれはまたねじ山が2つの部位の互いの完全な回転(又は「ねじ込み(screwing)」)を要求しない2元連結でもある。
【0040】
従って、種々の実施形態においては、この発明の注射器組立体は上に議論した3つの要素(factor)の夫々を最適にするよう構成されている。−即ち:(1)その中に十分挿入されてデッドスペース(無駄空間)を最少にした時に、ピストンの末端の表面が外筒の内部表面の屋根と実質的に十分に(full)接触する;(2)着脱可能な注射針組立体が、円筒形状外筒の末端上の地点において円筒形状外筒から離れて注射針組立体の交換可能性を許容し;そして(3)傾斜指示器が注射針組立体上に配置されていて、注射の時に使用者が注射針を患者の必要に最もよく働くよう手助けする。即ち、そこにはこれら3つの要素(factor)の組み合わせ−低デッドスペース,着脱可能な注射針組立体そして傾斜指示器−が最適であることが分かっている。この発明の注射器は、着脱可能な注射針及び傾斜指示器の便利さと結びついた低デッドスペースの効率の両方を有した注射器に向けられている。
【0041】
図1は、この発明に従った注射器組立体の断面側面図を示していて、ここにおいては、プランジャーが「充填(loading)」工程にすぐに続く位置にあり、−即ち、流体が既に十分に注射器組立体中に充填されていて、そして、それは患者中へ注射される準備が出来ている。図1中に見ることが出来るように、注射針組立体は円筒形状外筒の末端中にねじ山により係合されている。ねじ山2はここに見ることが出来るが、しかし或る実施形態においてはそれらは注射針ハブ(hub)3の外部表面の下で見ることが出来ない。外筒5の末端上に十分にねじ山により係合された時、針6は屋根4と流体連通している。ある実施形態においては、使用者は、注射針組立体を円筒形状外筒にねじ山により係合した後に、追加の固定機構7を動作開始させて(trigger)、使用中に注射針組立体がねじ山による係合を解除するようになる恐れを無くすよう係合を固定することを確実にしている。図1中においては、追加の固定機構7が2つのクランプ(clamp)として示されていて、夫々はハブ(hub)の反対側にある。しかしながら、固定機構は全ての実施形態においてそれに限定されない。
【0042】
図2は、この発明の一実施形態に従った注射器組立体を示していて、ここにおいては、プランジャーが展開直後の位置にあり−即ち、外筒中の流体は患者の体内に十分注射されていて、そして、プランジャー8の末端が外筒の屋根4と十分に接触されている。図2中に示されている実施形態においては、固定機構7は必要でなく、ねじ山2が、使用者が戻り止め(detente)が係合されたことを指摘する信号「クリック(click)」を感じるまでそれらをきつくするように構成されている。
【0043】
図3は、この発明の一実施形態に従った注射針組立体の側面図を示している。注射針組立体1は外筒5の末端に十分にねじ山により係合されている。プランジャー8の末端は、屋根4の形状を補完し対向している形状を提供するよう構成されている。図3及び4中には、それを介して注射針6が外筒の内部と流体連結する開口10が、さらに明瞭に示されている。図4は、この発明のもう1つの実施形態に従った注射針組立体の側面図を示している。注射針組立体1は外筒5の末端に十分にねじ山により係合されている。プランジャー8の末端は、屋根4の形状を補完し対向している形状を提供するよう構成されていて;ここでは、屋根4はプランジャー8の末端と適合するよう半円形状構造に構成されている。
【0044】
図5は、この発明の一実施形態に従ったもう1つの注射針組立体の側面図を示している。描かれている実施形態においては、傾斜指示器11が、ハブ(hub)の表面のそれと対比される色,外観(texture),又は模様の少なくとも一部である塗られた線であり、使用者は、患者への注射針の注射の準備が整った時にハブの実質的な頂にそれを直線状に配置することが出来る。図5中から見ることが出来るように、傾斜指示器が使用者が上から見た時のハブの頂に実質的にある時、傾斜は、その最も尖っている地点が最初に患者の体内に注射されるのに最適な姿勢にされて患者に対する不快感を最少にする。
【0045】
或る実施形態においては、注射器はさらに、その内部分中にガスケット(gasket)を備えている。或る実施形態においては、「O−リング」が存在している。O−リングは、注射器の末端に対し注射針ハブを固定する為のばね抵抗を提供し、また、注射器の外筒内に格納されている液体の漏れを阻止する緊密な密封(seal)を提供する。種々の実施形態においては、シリコーン(silicone)の如き材料で形成されている被覆シール(coating seal)が、O−リングとともに、又は代わりに、使用されて良い。
【0046】
[傾斜指示器(Bevel Indicator)]
ここに議論された如く、多くの注射針は、先端がある角度にされている傾斜端(beveled tip)を備えている。多くの注射目的の為に傾斜端は高く望まれている。或る実施形態においては、不快感を最小にする為に、注射針をその傾斜地点で最初に患者に注入することが高く望まれている。より大きな注射針(例えば、18−25ゲージを有している注射針)では使用者はこの決定を裸眼で行なうことが出来たが、これを小さな注射針で行なうことは殆ど不可能である。従って、この発明の或る実施形態においては、注射針ハブ(hub)、又は注射針又は注射器に沿ったいかなる他の地点が傾斜指示器(bevel indicator)を備えて良い。注射器組立体は、(注射器組立体の如何なる部分上を含んでいる)注射器組立体に沿った如何なる地点に配置された傾斜指示器(bevel indicator)を備えて良い。詳細には、注射器組立体が外筒から着脱可能である場合、或る実施形態においては、傾斜指示器(bevel indicator)はハブ(hub)上の少なくとも一部分に在ってよく、そして、例えば、線(line)又はドット(dot)又は他の容易に識別できる指示器であって良く、そして、それがハブの色との対比が使用者に容易に視認可能にするように着色されているか、及び/又は、盛り上がっているか又は凹まされているか又はハブの外観(texture)と対比されそして従って使用者に視認できる又は触ることにより識別できるような外観(texture)を有していて良い。
【0047】
このようにして、使用者は、注射針を患者の体の中に注入する最も良い道を決定するのに傾斜指示器を使用できる。例えば、図6はこの概念を図示している。一般的に使用者は、注射針が、針尾部(needle heel)であるよりもむしろ、注射針先端17で患者の体内に入ることを好む。見ることが出来るように、注射針先端17を最初に導くことを許容するのに失敗することは、注射針の為のぎざぎざした(jagged)入り地点及び不必要な痛み及び/又は怪我を患者に対し導く。図5から見ることが出来るように、もしも使用者が、ハブ3上の傾斜指示器11が実質的にハブの上部であるように注射針組立体を準備したならば、これは注射針先端が最初に患者の体内に入ることを確実にする手助けをする。図5中に描かれている実施形態においては、傾斜指示器が線であることに注目して下さい。しかし、この発明はそれに限定されない。このような方法においては、使用者は傾斜指示器を患者の不快を最小にするよう使用することが出来る。
【0048】
[使用の容易(Ease of Use)]
ボトックス(登録商標)(Botox)注射,アレルギー注射又はインスリン注射の如き手続きを速やかに行なう時には、患者は、筋肉痙攣(muscle spasm)又は一連の注射を速やかに実行することを必要としている関連している医療状況(例えば、アレルギー又は脳性小児麻痺(cerebral palsy))を治療する為の一連の注射)による痛み又は不快をこうむる。この様な状況において、患者はいらいらし(impatient),興奮させられ(agitated)又は感情的(emotional)になり(もし患者が子供,年寄り又はその他の減少した能力を有している人であるとこれは特に当てはまる)、そして、注射,再充填,そして再注射の処理を能率化することが患者の快適さの立場から望まれる傾向にある。特に、この発明の実施形態は、注射器をその包みから開封し,薬を充填し(実施形態では、薬は注射器中に予め充填されていない),注射の為の適切な注射針を準備し,薬を注射し,使用済み注射針を取り外しそして廃棄し,そして必要であれば新たな注射針を再搭載するという全処理を、全てを最少の努力を伴い、行なう容易な道を(医療又は保養(spa)スタッフ、又は患者彼自身又は彼女自身の如き)使用者のために提供する。
【0049】
種々の実施形態においては、使用者はより大きな(より低いゲージの)注射針で注射器組立体に充填(loading)し、そして次により大きな注射針組立体を注射器外筒から外し、次に小さな(より高いゲージの)注射針組立体を取り付ける。より低いゲージの(より大きな)注射針は、注射針を破損させる又は鈍くさせる危険を低くしつつ、より早い時間でより多くの流体を充填できるので、充填(loading)の為により好ましい。種々の実施形態においては、第1(充填)注射針は、より低いゲージの(より大きな)注射針であり;例えば、25ゲージ又はそれよりも低い,18乃至25ゲージ,又は18,20又は22ゲージである。より早い時間でより多くの流体を充填できるので、充填(loading)の為により好ましい。種々の実施形態においては、第2(注射)注射針は、より高いゲージの(より小さな)注射針であり;例えば、25ゲージよりも高く,26乃至34ゲージ,又は29,30,31,32又は33ゲージである。
【0050】
種々の実施形態においては、この発明の注射器はプランジャー取っ手(plunger handle)又は注射器フランジを含んで良く、この両方は使用の容易のために構成されていて良く、例えば、片手を使用して容易に掴むことが出来るループ(loop)を有しているプランジャー取っ手(plunger handle)又は注射器フランジ、握られた時に使用者の手の圧力でつぶれるが如き、使用者に心地よい握りを提供する、エラストマー材料の如き柔らかい又は柔軟な材料を備えているプランジャー取っ手(plunger handle)又は注射器フランジである。
【0051】
この発明の注射器組立体中の注射器外筒は、種々の実施形態において、略2乃至略5mL,略3mL,略2mL,略1mL,略0.5mL又は略0.3mLの流体容積容量を有してよい。この発明の実施形態が、非常に小さな容量の外筒及び非常に小さな(より高いゲージの)注射針とともに使用された時に予想もしない利点を提供することが分かっている。
【0052】
この発明の注射器組立体は、不活性で(inert),安定していて(stable),使い捨て可能であり、及び/又は容易に殺菌できるものを含んでいる、医療装置のために有用な如何なる材料で形成されて良い。好ましくは、これらは、使用者又は患者に過度の不快またはアレルギー反応を決して生じさせない。役立つ材料の例は、ガラス,(ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリスチレン,ポリエチレンテレフタレート,又は前述のいかなるものの低密度又は高密度な形態を備えている材料を含むがこれらに限定されない)プラスチックの如きポリマー材料,天然又は人工ゴム,エラストマー材料,ガラス繊維,ガラス,金属及びこれらと同様なものである。
【0053】
ここに記載された全ての実施形態は説明の為でありこの発明の範囲を限定するものではなく、そしてこの発明はその精神から離れることなくここに明白に記載されていない他の形態で実施されて良い。
【技術分野】
【0001】
この出願は、2009年10月19日に提出された米国仮出願番号61/252,962の利益を主張しており、ここに引用することによりその全体がここに組み込まれる。
【0002】
この発明は、皮下注射器及び注射針の分野に関係しており、特に、着脱可能な注射針を備えている注射器組立体に関係している。
【背景技術】
【0003】
皮下注射器は、患者の体の中への薬及び他の医療又は美容(cosmetic)物質の注入を要求する種々の医療及び美容手続きの為に、医者,看護士,及び他の医療スタッフ(美容手続きにおいて訓練されたスタッフを含む)により通常使用されている。この様な注射器はまた、或る患者、例えばインスリンを自己注射しても良い糖尿病患者、によっても通常使用されている。
【0004】
例えばアレルギー注射,糖尿病患者の為のインスリンの注射,又は美容適用の為に、患者が所定の複数回注射しなければならないある状況においては、鈍さが薬の分配の低下した正確さや患者の不快さを導くので、複数回の使用における皮下注射針の鈍さを避けることが望まれている。さらには、医療廃棄物の環境的な負荷を最少にしようとする近年の工業全般の注目の観点においては、注射器胴体に取り付けられた使用済みの注射針を新しい殺菌されている注射針と急速に容易に交換でき、一人の患者に対して複数回使用できる単一注射器を提供することの如く、注射器との注射針の便利な使用及び交換能力を許容する注射器組立体を提供することが望まれている。
【0005】
またさらに、健康管理の増大するコストの観点から、患者の体内へ注射された流体を最大にし、これにより流体の排出後の「デッドスペース(dead space)」を減少させ、そして従って注射後に注射器中に残された未注射の流体を減少させる、よう構成された注射器組立体を提供することがさらに望まれている。
【0006】
一般的には、注射は、「充填(loading)」工程、即ち、管理者又は患者が、注射器外筒中に十分に押し込まれているプランジャーを伴っている十分に組み立てられているが空の注射器組立体を入手し、次に注射針部分を流体の源(例えば、患者の中に注入する流体の貯蔵器を保持した容器)中に挿入することにより注射器組立体を「充填(loading)」するという工程、を含んでいる手順で執行される。この工程は、管理者又は患者がプランジャーを注射器外筒の長手軸に沿い基端方向に向かい摺動させることにより引き出し、真空力を生じさせて注射器に所定の量の流体を充たすことに引き継がれる。注射針が次に容器から引き抜かれ、十分に充填されそして患者への注射の準備が整う。繰り返される充填もまた注射針を鈍く出来る。
【0007】
小さな注射針は従来通常は使用されていないが、人気を獲得している。例えば、29−30ゲージ(gauge)の如く小さな注射針はしばしばインスリンを注射するために使用されていて、31−33ゲージ(gauge)の如き小さな注射針でさえ今日より広く使用されるようになっている(注射針の「ゲージ(gauge)」は注射針の外径を表示する方法であり、より高いゲージは小さな注射針を指摘する)。より低いゲージの注射針の幾つかの使用は、インスリン注射,アレルギー管理用注射そしてボトックス(登録商標)(Botox)の投与(administration)の如き美容適用の為を含む。さらに、アレルギー注射及びボトックス(登録商標)(Botox)注射は一般に一回の処置(procedure)において患者への複数回の注射を要求する。従って、患者の為の快適さと便利性のためにより小さな注射針を使用することが望まれている。しかしながら、この様な注射針はそれらのより小さな寸法の故に一般的に壊れ易く、そして、それらの小さな円周がゆっくりとした充填及び注射以前の注射器の取り扱いの間における破損の増大した危険性を導くので、重点の為には望ましくない傾向にある。さらには、複数の注射及び充填工程の部分としての殺菌流体のボトル又はガラス瓶(vial)の頂部の覆いに注射針を挿入させる必要は全て、注射針が鈍くなることを早め、患者に対しさらなる不快感を生じさせる。従って、それらの小さな寸法の故にある注射の為に望まれている注射針は、同時に、患者への注射以前のこの様な注射器の充填の為には望まれていない。いまだに、現在の技術における注射器及び注射針組立体においては、使用者は一般には注射器を充填する為に1本の注射針を使用し、そして患者への流体の注射の為にもう1つを使用するという選択を有していない。大きな注射針は充填するのが早いが、注射の間に患者に対しより大きな肉体的痛みを生じさせ、そしてこの様な痛みは複数回の注射に伴い複数回になる。他方、小さな注射針は充填するのを困難に出来る。従って、使用者は、しばしば2つの望ましくない二者択一をそのままにしている。
【0008】
単一の患者への繰り返しの充填及び注射が望まれる状況においては、注射針の破損及び/又は鈍くすることの増大された可能性の他に、他の不利益がある。多くの小さな注射器組立体は着脱可能な注射針を有していないので、使用者は注射針を鈍くするのを避ける為に個々の注射のために新たな注射器を使用する選択をする。個々の注射器の廃棄は費用が嵩み無駄が多い。さらには、何回もの繰り返しの注射は無駄な流体をますます増加させ、個々の注射は幾分かの流体が、患者中に注入されるよりもむしろ、注射器組立体中の「デッドスペース(dead space)」中に捕らえられる結果となる。これは、ボトックス(登録商標)(Botox)の如き高価な美容流体準備の場合においては非常に費用が嵩むことになる。
【0009】
またさらに、多くの皮下注射針は滑らかな注射を容易にするよう或る角度に切られていた傾斜先端(bevel tip)を伴い設計されている。この様な先端の角度は「傾斜角度(bevel angle)」として知られている。殆どの傾斜先端(bevel tip)は先端を筋肉内放出(delivery)の為に適するようにする「通常(regular)」傾斜(bevel)として切られている。しかしながら、他の型式の傾斜(bevel)は、「短い(short)」傾斜(bevel)及び「皮膚内(intradermal)」傾斜(bevel)(全ては先端の角度を基にしている)を含む。患者の不快を最少にするには、一般には、患者への注射時に、中心に最も近い地点の部分(「針尾部(needle heel)」)よりも最も尖っていて最も遠くに延出している地点(「針先端(needle point)」)が患者の皮膚を最初に破るように注射針の方向付けをすることが望まれている。この技術分野において知られているより大きな(より低いゲージ)注射針の場合には、傾斜角度(bevel angle)が使用者の裸眼で見ることが出来、そしてそれ故にこれはまさに容易に行うことが出来る。しかしながら、ここで前述した如き複数回注射の為に使用されるものの如き、非常に小さな注射針(例えば、略25及びそれよりも高いゲージ)の場合には、傾斜先端(bevel tip)が非常に小さく見ることが不可能である。
【0010】
従って、使用済みの注射針を注射器から容易に取り外すことが出来、そして新たな注射針との交換が容易に出来るような着脱可能及び交換可能な注射針を有する;注射後に出来る限り多くの流体を保持するようなデッドスペースを最少にもする改良された注射器:また、この様な注射器及び複数注射針の使用者の為のこの様な部分の取り外し及び交換を容易にする注射針;の必要が存在している。
【発明の概要】
【0011】
或る実施形態において、この発明は注射器組立体に向けられていて、この注射器組立体は:
(a)開放された基端と末端とを有していて、屋根を規定している末端部分を備えている内部空間を規定している円筒形状外筒と;
(b)プランジャー取っ手を含んでいる基端と円筒形状外筒の内部空間内に配置されている末端とを有しているプランジャーと;そして、
(c)ハブとハブに固定された注射針とを備えていて、円筒形状外筒の末端に着脱可能に固定された注射針組立体と;そして、
(d)注射針組立体上の傾斜指示器と、
を備えていて、
内部空間は、円筒形状外筒の開放された末端から屋根へと円筒形状外筒に対し相対的に摺動することが出来るようプランジャーを受け入れるよう構成されていて、
プランジャーは、円筒形状外筒の長手方向軸に沿い円筒形状外筒の内部空間に対し相対的に摺動するよう構成されていて、プランジャーの末端は内部空間の末端部分上の屋根に接触することが出来、
注射針は、そこを通って円筒形状外筒の内部空間に連通している中空内腔を備えていて、
プランジャーの末端は、プランジャーが円筒形状外筒中に十分に突入された時に円筒形状外筒の屋根に接触する表面を規定している。
【0012】
或る実施形態において、この発明は注射器組立体に向けられていて、この注射器組立体は:
(a)開放された基端と末端とを有していて、屋根を規定している末端部分を備えている内部空間を規定している円筒形状外筒と;
(b)取っ手部分を含んでいる基端と円筒形状外筒の内部空間内に配置されている末端とを有しているプランジャーと;そして、
(c)ハブとハブに固定された注射針とを備えていて、円筒形状外筒の末端に着脱可能に固定された注射針組立体と;そして、
(d)注射針組立体上の傾斜指示器と、
を備えていて、
内部空間は、円筒形状外筒の開放された末端から屋根へと円筒形状外筒に対し相対的に摺動することが出来るようプランジャーを受け入れるよう構成されていて、流体を格納しており、
プランジャーは、円筒形状外筒の長手方向軸に沿い円筒形状外筒の内部空間に対し相対的に摺動するよう構成されていて、プランジャーの末端は内部空間の末端部分の屋根上の対向していて補完的な形状に対応する形状を有しており、プランジャーが円筒形状外筒内で十分に展開された時にプランジャーの末端と内部空間の末端部分の屋根とが界面において合致して界面から流体の実質的に全てを強制して排除する密封を形成し、
注射針は、そこを通って円筒形状外筒の内部空間に連通している中空内腔を備えていて、
プランジャーの末端は、プランジャーが円筒形状外筒中に十分に突入された時に円筒形状外筒の屋根に接触する表面を規定しており、そして、円筒形状外筒及び注射針組立体は、ねじ連結,スナップ連結そして2元連結(binary connection)から選択された機構により互いに着脱可能に固定されている。
【0013】
或る実施形態において、この発明は、患者に対し医療用又は美容流体を配る(delivering)方法に向けられていて、この方法は:
(a)その中に摺動可能なプランジャーを受け入れるよう構成された円筒形状外筒と、円筒形状外筒に着脱可能に固定されていて第1ハブに固定された第1注射針を備えている第1注射針組立体と、を備えている注射器組立体を取得する;
(b)注射器組立体を医療用又は美容流体の容器中に挿入し、そして、医療用又は美容流体の所望の量を注射器組立体に充填するよう摺動可能なプランジャーを引く;
(c)薬の容器から注射器組立体を引き抜く;
(d)円筒形状外筒から第1ハブを分離することにより注射器組立体から第1注射針組立体を取り外す;そして、
(e)第2ハブに固定された第2注射針を備えている第2注射針組立体を円筒形状外筒に取り付ける、
工程を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、この発明の一実施形態に従っている注射器組立体を示していて、ここにおいてプランジャーは「充填(loading」工程の間又はそれにすぐに続く位置にありその外筒の中に流体を有している。
【図2】図2は、この発明の一実施形態に従っている注射器組立体を示していて、ここにおいてプランジャーは、展開(deployment)にすぐに続く位置にあり、−即ち外筒中の流体は患者の体内へ十分注射されている。
【図3】図3は、この発明の一実施形態に従っている注射針組立体の側面図を示している。
【図4】図4は、この発明のもう1つの実施形態に従っている注射針組立体の側面図を示している。
【図5A】図5aは、この発明の或る実施形態に従っている注射針組立体(注射針ハブ(hub)を含んでいる)の上面の外側図である。
【図5B】図5bは、この発明の或る実施形態に従っている注射針組立体(注射針ハブ(hub)を含んでいる)の側の外側図である。
【図6】図6は、この発明の或る実施形態に従っている種々の注射針の傾斜先端の側面図及び上面図である。
【図7】図7は、この発明の一実施形態に従っている注射器外筒の末端の一部の図を示していて、そこに注射針組立体が着脱可能に固定されてよい部分を示している。
【図8】図8は、デッドスペースを実質的に無くすような方法で図7中に示されている外筒の部分に着脱可能に固定されることが出来る、この発明の注射針組立体を示している。
【図9A】図9aは、この発明の一実施形態に従っている外筒の末端の図を示している。
【図9B】図9bは、この発明の一実施形態に従っている外筒の末端の図を示している。
【図9C】図9cは、この発明の一実施形態に従っている外筒の末端の図を示している。
【図10A】図10aは、図9a乃至図9c中に示されている外筒の末端内に適合した注射針組立体の図を示している。
【図10B】図10bは、図9a乃至図9c中に示されている外筒の末端内に適合した注射針組立体の図を示している。
【図11A】図11aは、この発明の一実施形態に従っている外筒の末端の図を示している。
【図11B】図11bは、この発明の一実施形態に従っている外筒の末端の図を示している。
【図11C】図11cは、図11a及び図11b中に示されている外筒の末端内に適合した注射針組立体の図を示している。
【図11D】図11dは、図11a及び図11b中に示されている外筒の末端内に適合した注射針組立体の図を示している。
【図12A】図12aは、この発明の一実施形態に従っている外筒の末端の図を示している。
【図12B】図12bは、この発明の一実施形態に従っている外筒の末端の図を示している。
【図12C】図12cは、図12a及び図12b中に示されている外筒の末端内に適合した注射針組立体の図を示している。
【図13A】図13aは、この発明の一実施形態に従っている注射針組立体の側面図を示している。
【図13B】図13bは、この発明の一実施形態に従っている注射針組立体の断面図を示している。
【図13C】図13cは、この発明の一実施形態に従っている注射器外筒の末端及びねじ山形成部分の断面図を示している。
【図13D】図13dは、この発明の一実施形態に従っている注射器外筒の末端及びねじ山形成部分の断面図を示している。
【図14A】図14aは、この発明の一実施形態に従っている外筒の末端の図を示している。
【図14B】図14bは、この発明の一実施形態に従っている外筒の末端の図を示している。
【図15A】図15aは、図14a及び図14b中に示されている外筒の末端内に適合した注射針組立体の図を示している。
【図15B】図15bは、図14a及び図14b中に示されている外筒の末端内に適合した注射針組立体の図を示している。
【図15C】図15cは、図14a及び図14b中に示されている外筒の末端内に適合した注射針組立体の図を示している。
【図16a】図16aは、この発明の一実施形態に従っているもう1つの注射器組立体の図を示している。
【図16b】図16bは、この発明の一実施形態に従っているもう1つの注射器組立体の図を示している。
【図17a】図17aは、この発明のもう1つの実施形態に従っているもう1つの注射器組立体の内部断面図を示している。
【図17b】図17bは、この発明のもう1つの実施形態に従っているもう1つの注射器組立体の外部断面図を示している。
【図17c】図17cは、この発明のもう1つの実施形態に従っているもう1つの注射器組立体の外部断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明の注射器組立体は、一回の処置(procedure)又は一連の処置中に患者の顔又は体上の複数の場所に沿い複数の注射が要求される、これらに限定されないが、アレルギー,発汗減少症(hypohydrosis),筋肉収縮(muscle twitches),内斜視(crossed eye),脳性小児麻痺(cerebral palsy)又はこれらと同様のものの如き、状況を治療する為の医療又は美容流体の注射の為に特に有用である。ここで使用された時、用語「医療又は美容流体(medical or cosmetic fluid)」は、医療状況の治療又は美容上の利点を提供することの目的の為に、注射器組立体を使用した注射により患者の体に届けられることが望まれている如何なる流体材料をも引用する。或る実施形態においては、医療又は美容流体(medical or cosmetic fluid)は、それに限定されないが、ふけ(dander)の如きアレルゲン性の(allergenic)又はアレルギー誘発成分(allergy-triggering composition)、又はボツリヌス毒素(botulism toxin)(美容流体の場合におけるボトックス(登録商標)(Botox)の如き)の如き美容成分そして筋弛緩約(muscle relaxant)及び同様のもの、を備えている。
【0016】
或る実施形態においては、この発明は、着脱可能な注射針組立体を備えている注射器組立体に向けられている。或る実施形態においては、注射針組立体は、注射針に固定されているハブ(hub)を備えている。ハブ(hub)及び注射針は、例えば、接着剤の如き連結媒体を含む、当該技術において知られていう種々の方法のいずれによっても互いに永久的に固定されて良い。
【0017】
或る実施形態においては、注射針組立体は、これからより詳細に記載される如き種々の方法で注射器組立体に着脱可能に固定されている。さらに、この様な組立体を貯蔵する為の望ましい遮蔽装置が、この出願と同日に提出され「遮蔽装置、及び注射器組立体及び注射針組立体を貯蔵する為の方法(Shield Apparatuses and Methods for Storing Syringe Assemblies and Needle Assemblies)」と題された同時に継続中の米国出願第 号中に非常に詳細に議論されていて、この記載は引用によりその全体がここに組み込まれる。さらにこのような組立体を備えたキット(kit)は、この出願と同日に提出され「注射器組立体を備えているキット(Kits Comprising Syringe Assemblies)」と題された同時に継続中の米国出願第 号中に非常に詳細に議論されていて、この記載は引用によりその全体がここに組み込まれる。
【0018】
[低デッドスペース]
デッドスペースの出現は、注射器及び流体を届ける他の外科的器具の分野においては現在進行中の関心事である。現在使用されている多くの注射器においては、内部ストッパ(internal stopper)又はプランジャーが、注射器の管(tube)の内部分十分に接触しない円錐形状を有している。その結果、第1の関心事は、現在使用されている注射器が十分に展開された時にはいつも、注射器中、一般には円錐または断面が台形の形状を備えている外筒の末端中に、注射針自身の長さの中とともに、液体が残ることである。この液体は、それを注射器から抽出する又はそれを注射針を介して外筒から強制する方法がないので、注射器組立体の展開後に失われる。
【0019】
デッドスペースを最少にすることと着脱可能な注射針組立体を提供することの両方を行なおうとする試みが行なわれている。例えば、ジャンセン(Jentzen)に対する米国特許第5,782,803号及びディアリーゴ(D’ Arrigo)に対する米国特許公開第2008/0033347号を参照。しかしながら、これら及び当該技術における文献は、3mL及びそれよりも大きな容量を伴ったより大きな注射針(一般には、29よりも遥かに下のゲージ)を有しているより従来から使用されている注射器を取り扱っている。小さなゲージの注射針の交換可能性及びデッドスペースは、従来の試みにより適切に取り扱われていない。ここで議論された如く、より高いゲージの注射針(例えば、25,25乃至34又は29,30,31,32,又は33よりも高いゲージを伴った注射針及びより小さなものでさえ)は、それに限定されるのではないがそれ等の小さな寸法故のそれらの壊れ易さ及び取り付けの困難さを含む当該技術において特異な挑戦を提供している。
【0020】
ここで議論された如く、デッドスペースの最小化は注射器組立体の望ましい到達点(goal)であり、それはプランジャー及び注射器外筒の設計を介して達成されることが出来ることが分かっている。詳細には、外筒の内部はプランジャーのを受け入れるよう構成されていて、プランジャーは末端(外筒中に挿入されている)及び基端を有していて、基端は或る実施形態においては外筒の長手方向軸に沿いプランジャーを使用者が摺動させるのを容易にする為のプランジャー取っ手を備えている。注射器外筒それ自体はさらに、その上に使用者が彼又は彼女の腕を乗せて使用者のプラジャーの摺動を容易にする突起を備えて良い。円筒形状外筒は内部空間を備えていて、そして、空間の末端部には、十分に展開(deploy)され、即ち、それがその中にさらに摺動出来ないよう外筒中に十分に摺動された、時に、プランジャーが接触する内部末端表面がある。十分に展開された時にプランジャーの末端が最後に接触し、そしてそこに対し外筒中にプランジャーが移動できる最も遠い表面を提供している外筒の内部末端表面は、外筒の「屋根(roof)」として当該技術においてしばしば引用されている(そして、この開示において将来引用される)。
【0021】
外筒の屋根の少なくとも一部分はプランジャーを受け入れる為に閉塞された表面であり、外筒の屋根は、或る実施形態においては、注射針組立体との外筒の内部の流体流通を許容する少なくとも一つの開口を備えており、従って使用者がプランジャーを、図2中に示されている如く、十分に展開された位置に向かい増加するよう押した時に注射針の中空の内孔を介しての患者の体内への外筒からの流体の注射が許容される。プランジャーの末端(十分に展開された時の)と外筒の屋根との間の接触の表面積が大きくなればなるほど、デッドスペースがより小さくなる結果となる。この発明の或る実施形態においては、プランジャーの末端と屋根の両方が互いに対応し及び補足する形状を有している。即ち、プランジャーの末端は内部空間の末端部分の屋根上の対向していて補足的な表面に対応する形状を有していて、それにより、プランジャーが円筒形状外筒内に十分に展開された時に、プランジャーの末端と内部空間の末端部分の屋根とは界面で合致し、流体の実質的に全てを界面から外筒の内部が注射針組立体と連通している開口を介して遠ざける密封を形成する。この密封がきつくなればなるほど、より多くのデッドスペースが小さくされることが出来、そしてより多くの流体が注射器外筒の外に強制されることが出来る。プランジャーの末端と屋根との間のこの対応している関係は、プランジャーが円筒形状外筒内に十分に展開された時に、プランジャーと屋根とが互いに実質的に十分接触することを確実にする為に重要である。
【0022】
ある実施形態においては、プランジャーの末端は、デッドスペースを最少にする如何なる他の形状の1つであって良く、例えば、部分的又は実質的な円錐形状,台形状,円形状,角形状(angular),又は外筒を介して注射針組立体中へと流体を何とか下降させる(coaxing the fluid down)為に役立つ如何なる形状である。例えば、プランジャーの末端は、実質的に平坦であり、そして注射器外筒の長手方向軸に対し実質的に直交する角度であって良く;外筒の対応している屋根もまた同様に実質的に平坦であって良く、2つが会ったときに、流体の最適な量が外筒の外へ注射を介して強制されて良い。
【0023】
さらに、プランジャーの末端は、それに対する補完表面(complementary surface)を有している「雌」部分と合致する「雄」部分を構成して良い。他の実施形態においては、相対的な部分は、例えばプランジャーが、屋根の「雄」部分と合致する「雌」部分を有して良いように、切り替えることが出来る。さらに他の実施形態においては、相対的な部分の両方が、1つ又はそれ以上の「雄」又は「雌」部分のいずれかを有して良い。
【0024】
或る実施形態においては、この発明の注射器組立体は、外筒中に当初に充填された流体の略5%以下がデッドスペースに失われるよう構成されている。種々の実施形態においては、この値は略4%以下,略3%以下,略2%以下,又は略1%以下である。或る実施形態においては、流体損失の量が、略0.5mL以下,略0.4mL以下,略0.1mL以下,略0.05mL以下,又は略0.01mL以下である。
【0025】
[着脱可能な注射針組立体]
この発明の種々の実施形態においては、注射器組立体は、着脱可能な注射針組立体を備えた注射器組立体を保持している。ここで使用される時、「着脱可能(detachable)」は、使用者が、注射針組立体又は外筒又はこれらの間の連結に損害を与えることなく、外筒の末端に対する注射針組立体の取り付け及び外筒の末端からの注射針組立体の除去の両方を出来ることを意味している。
【0026】
従って、或る実施形態においては、この発明の注射器組立体は2つの主要な構成要素を備えていて:第1は、その中に配置されているプランジャーを有している円筒形状外筒(cylindrical barrel);そして、第2は、注射針に固定されたハブ(hub)を備えている注射針組立体である。或る実施形態においては、注射針組立体は以下の機構のいずれかを介して注射器外筒に着脱可能に固定されて良い:
(a)注射器組立体のねじ山部(threaded portion)と合致する外筒の末端上のねじ山部(threaded portion)(「ねじ山連結(Threading Connection)」);
(b)互いのスナップ(snapping)により注射器組立体上の対応している及び補足の部分と適合する外筒の末端上の部分(「スナップ連結(Snap Connection)」;又は、
(c)互いに係合できそして捩じり(twisting)により連結できる雄及び雌部分(「2元連結(Binary Connection)」)。
【0027】
これらの機構はここでより詳細に議論される。
【0028】
A.[ねじ山連結(Threading Connection)]
或る実施形態においては、注射器と注射針との間の連結は注射針組立体上の1つ又はそれ以上のねじ山(thread)により形成され、そこでねじ山(thread)は、取り付けの地点における注射器組立体の末端上のねじ山(thread)と、ねじ(screw)の如く、対応し合致する。例えば、注射器組立体の末端は(例えば、図13c中に要素20として示されている如き)ねじ山部分で終了して良く、それは、注射針組立体上のハブ(hub)の内部に適合し、そして、外筒の内部及び、十分にねじ込まれた時に、注射針組立体上の注射針の中空内腔の両方に連通する開口21を含む。逆も真実であり、注射針それ自身がねじ山部分を備え、そして注射器外筒が注射器と合致する為にその内部に配置されている1つ又はそれ以上のねじ山を有している中空チューブ(tube)又は口(port)を備えている。
【0029】
図13a乃至d中に見られる如く、外筒の末端又は注射針組立体のいずれかのねじ山部分はさらに、或る実施形態においては、1つ又はそれ以上の固定ワッシャー(washer),O−リング18,又は凹状又は突出した凸状のいずれかの形状であることが出来る1つ又はそれ以上の戻り止め(detente)19を備えてよい。図13aにおいては、O−リングを横断面で見ることが出来る。図13bは、O−リングの上面図を提供しており、それが開口21を取り囲んでいるのを示している。図13cにおいては、戻り止め(detente)はねじ山が形成されている口20上の凸状の突起である。これらは図13dにおいて断面で見ることが出来る。これらは、2つの部分が互いにねじ込まれた時に緊密に適合することを確実にするのに有用であり、例えば、或る実施形態においては、使用者は外筒を注射針組立体にねじ込むことが出来、そして、2つが互いに緊密にねじ込まれると、1つ又はそれ以上の戻り止め(detente)が「クリック(click)」してこれらが係合されたことを指示する。従って、戻り止め(detente)は、係合した時、ねじ山が互いに十分に緊密であることの使用者に対する触知可能な感覚(tactile sensation)を提供する。1つ又はそれ以上の戻り止め(detente)の存在は、緊密な適合を確実にし、そして、2つの部位が注射器組立体の使用中において意図しない係合解除をすることを阻止する。ねじ山は、使用者が、終了した時に2つの部分を容易にねじ込み解除することが出来、しかし必要な時以前には意図しないねじ込み解除することがないように着脱可能である。ある実施形態においては、外筒及び注射針組立体のねじ山部分は、使用者が片手のみを使用することにより互いに容易にねじ込まれることが出来る。
【0030】
或る実施形態においては、注射針を注射器に連結しているねじ山機構(threading mechanism)がさらに、注射器又は注射針の移動又は押しが使用中において注射針に注射器からの「進行分離(walk off)」を生じさせないような、ねじ山結合後の2つの互いの固定の目的を果たす1つ又はそれ以上の取り付け具を備えて良い。この様な固定機構は、スナップ(snap),フック(hook),挟持フランジ(clamp flange)又は他の同様な機構、一時的で容易に除去が可能な接着剤による又は磁力による取り付けも同様、の形態であって良い。
【0031】
ねじ山連結の他の例は図12a及び12bにおいて見られることが出来る。ねじ山2は、これら2つの図中に描かれている如く、注射器の末端の内側上にあることが出来る。図12cは、図12a及び12b中に示されている如く注射器の末端と互換性のある注射針組立体を示している。見ることが出来るように、図12cの注射針組立体は、注射器外筒の対応している末端のねじ山2と係合する1つ又はそれ以上のねじ山係合部分を含んでおり、そして、互いに十分にねじ込まれた時に屋根4と連通する。
【0032】
B.「スナップ(Snap)」連結
或る実施形態においては、注射器組立体と外筒との間の連結は、注射針(又はそこへの取り付け具)及び注射器上の対応している合致部位、例えば、「クリック(click)」又は「スナップ(snap)」機構により伴に合致する「雄(male)」及び「雌(female)」部位、により行なえる。このような実施形態においては、注射針組立体又は外筒の末端のいずれかが、2つの一方を他方上に適合(fit)出来、そして、或る実施形態においては、射器組立体の使用の間に2つが容易に分離しないような方法で変形しそして次に所定の場所中にさっと入る(pop in)よう、他方よりも僅かに大きな直径を有するよう構成されて良い。或る実施形態においては、所定の場所中にきつく固定又は接合される。この様な機構は、例えば、図7及び8中に、示されている。図7は、円筒形状外筒5の末端上の連結を示している。ここに描写されている実施形態においては、外筒の屋根を僅かに超えて延出していて、そして、それと接合する為に注射針組立体の為の合致表面を提供し、その上に注射針組立体のハブ(hub)がやがては着座する、円筒形状口(port)13がある。ここでは、口13上の雌部分14が、外筒(図示されていない)の屋根と連通していて取り付け後に注射針組立体と連通し、注射針の中空内腔とも連通する、開口21を規定している。口13はまた、その周囲の周りにスナップ閉鎖部材(snap enclosure)12を含んでおり、それは、注射器の端上の対応している縁と係合し、使用中の安定性の為に注射針組立体を所定の位置に固定する僅かに柔軟な端(即ち、水平方向に引かれた時に僅かに開き(give)、しかし好ましくは注射器外筒の如き細長い物体の周りの所定位置に直ちにさっと戻る(pop back)端)を有している。この場合は、4つのスナップ閉鎖部材12があるが、この発明の全ての実施形態はそれに限定されない。図8中に見られることが出来る如く、ハブ(hub)3を備えている注射針組立体1は、この発明に従って、図7の口13上にスナップされることが出来る。注射針組立体は、その周囲の周りにタブ(tab)15を含む。タブ(tab)の数は、スナップ閉鎖部材12の数と同じで良く、使用者は、注射針組立体1の雄部分16を図7の雌部分と合致させることにより、注射針組立体を口13上に押すことが出来る。タブ(tab)15はスナップ閉鎖部材12中で係合して強固な適合を提供し、そのために外筒の末端上の開口が注射針組立体の内部上の開口21と接触され、注射針23の内側の中空内腔に導かれる。しかしながら、注射針組立体は、タブをスナップ閉鎖部材から係合解除するようタブを押し潰すことにより、口13から容易に分離されることが出来る。
【0033】
C.「2元(Binary)」連結
種々の実施形態においては、連結が2元特性(Binary nature)である。−即ち、注射器又は注射針(又はここに対する取付具(attachment))の対応している端が、一方部分をもう一方の対応していて補足的な部分に挿入し、そして次にその2つを所定位置に固定するよう「捩じる(twist)」ことを行なうことにより、合致させることが出来る固定部分を有している。一般的には、「捩じる(twist)」動作は、全360度捩じり以下−即ち、固定部材の外周の一部(fraction)、であって良い。種々の実施形態においては、「捩じる(twist)」動作は、略45度ないし略100度,略50度ないし略95度又は略90度まで捩じることにより達成されることが出来る。「2元(Binary)」によるは、対応している部位が2つの可能な方法−固定(lock)及び固定解除(unlock)又は固着(fix)及び固着解除(unfix)又は取り付け(attach)又は取り外し(unattach)、により構成されることが出来ることを意味している。
【0034】
この発明のこれらの実施形態に従っているキットは、上述した如く、使用者が、使用済み注射針の端を室中に挿入し,注射器に部分的(fractional)回転(種々の実施形態においては、1/4回転,1/2回転又は略45度,略90度,略180度又は略270度の回転)を注射器に与え、それにより使用済み注射針を取り外すような、構成を備えていて良い。使用者は次に、注射器を異なった室中に挿入し、同様の回転を与え、そして一旦それが室から外に引かれると使用の準備がされる新たな注射針に係合することが出来る。
【0035】
もう1つの実施形態においては、口(port)又はハブ(hub)が、回転(turn)、−例えば、1/4回転−により、注射器外筒の末端に注射針組立体を取り付けてこれら2つの間の密封をきつくするよう構成されていて良い。これは、例えば、図9a乃至c及び図10a乃至b中に、又図16a及び16b中にもまた、示されている。外筒の末端は図9a乃至c中の種々の図において示されている。ここに描かれている実施形態においては、外筒の末端と注射針ハブの両方が、互いに係合された時に外筒中のデッドスペース(無駄空間)をなくす雄及び雌突起を有している。外筒の末端は、その内部輪郭に沿った突起24を有している(この場合、この発明の実施形態ではそれらは4つであるがそれに限定されない)。図10a中に見ることが出来るように、突起は、注射針組立体のハブ上の係合突起25に対応しそして補完している。タブ(tab)及びノッチ(notch)突起が、押し下げの間において、注射器チップ(tip)ハウジング中へ注射針ハブを、例えば時計回り方向へ、ねじることにより、速やかな固定を許容している。タブ(tab)は突起25の傾斜に乗り上げる。図10bから見ることが出来るごとく、O−リング18が注射針組立体のハブの内部に存在しており、そして、注射針の中空内腔が外筒の末端中の開口21と直接連通されている。O−リングは、漏れを阻止できるとともに、タブをノッチ内に下降したままに保持してそれらを所定位置に固定することが出来る。この実施形態において解除するには、使用者はハブをO−リングのばね抵抗に対抗して押すことが出来、これによりタブをノッチから解除し、そして次にハブをねじり(例えば、反時計回り方向に)、そしてハブを引き離す。
【0036】
或る実施形態においては、注射針組立体のハブは頂に膨らみ(bulge)28を有していて、注射針キャップ(cap)とのスナップチップ(tip)を創出する。クリップ(clip)は、取り扱い中に注射針を確保するのに十分強いが、注射器組立体の着座に伴う係合時には注射針ハブを開放するのに十分弱い。
【0037】
図16a及び16bにおいては、ハブ(hub)3は垂直リブ(rib)29を備えている。ピン28がその中に挿入されている軌道(track)27がつぎにハブの部分回転と関係されている。図17a乃至17cにおいては、1つ又はそれ以上のトグル(toggle)30が存在している。個々のトグル(toggle)は1つ又はそれ以上のトグル縁(toggle lip)を有していて、それはハブ内に注射針を捕らえ、そしてそれを所定位置に保持する。ここに示されている実施形態においては、ハブ3は外筒スナップリング(snap ring)32を備えている。
【0038】
このような構造の他の例示的な実施形態を図11a及び11b中に見ることが出来、それは、そこに適合する対応している注射器組立体を示している図11c及び11dと同様に、注射器外筒の末端の外部図及び内部図を夫々示している。図11cから見ることが出来る如く、注射器組立体の外部は1つ又はそれ以上の係合ひれ(fin)26を備えていて、それらは、図11a中に示されている如く、注射器外筒の末端上に配置されている1つ又はそれ以上の係合ひれ取り囲み(enclosure)又は軌道(track)中に適合する。この「合致(mating)」は、使用者が2つの部位を互いに相対的に捩じることに引き継がれて、係合ひれ26を係合ひれ取り囲み(enclosure)中に滑りこませ、注射器組立体を注射器外筒の末端に固定する。この2つを係合解除するには、使用者は単に注射器組立体又は注射器外筒の一方を個々の手で掴み、この2つを互いに向けて押して、ひれ取り囲み(enclosure)又は軌道(track)27から係合ひれ26を分離し、そして反対方向に捩じって、この2つの部位を分離する。図11d中に示されている如く、O−リングは注射器組立体のハブ(hub)の内部に存在して良い。
【0039】
この発明の注射器組立体のもう1つの例を、図14a及び14b中に、図15a乃至15cにも、見ることが出来る。この組立体においては、ねじ山連結及び2元連結の間の実質的な混成物(hybrid)である。この実施形態においては、1つ又はそれ以上の係合ひれ26は注射針組立体のハブ(hub)の表面上に存在していて、使用者は注射針組立体を全部で360度以下の量を「捩じる(twist)」ことをしなければならない。対応しているねじ山2が係合ひれ26に対応しそして補完している。従って、これは、ねじ山の或るねじ山連結であり、しかしそれはまたねじ山が2つの部位の互いの完全な回転(又は「ねじ込み(screwing)」)を要求しない2元連結でもある。
【0040】
従って、種々の実施形態においては、この発明の注射器組立体は上に議論した3つの要素(factor)の夫々を最適にするよう構成されている。−即ち:(1)その中に十分挿入されてデッドスペース(無駄空間)を最少にした時に、ピストンの末端の表面が外筒の内部表面の屋根と実質的に十分に(full)接触する;(2)着脱可能な注射針組立体が、円筒形状外筒の末端上の地点において円筒形状外筒から離れて注射針組立体の交換可能性を許容し;そして(3)傾斜指示器が注射針組立体上に配置されていて、注射の時に使用者が注射針を患者の必要に最もよく働くよう手助けする。即ち、そこにはこれら3つの要素(factor)の組み合わせ−低デッドスペース,着脱可能な注射針組立体そして傾斜指示器−が最適であることが分かっている。この発明の注射器は、着脱可能な注射針及び傾斜指示器の便利さと結びついた低デッドスペースの効率の両方を有した注射器に向けられている。
【0041】
図1は、この発明に従った注射器組立体の断面側面図を示していて、ここにおいては、プランジャーが「充填(loading)」工程にすぐに続く位置にあり、−即ち、流体が既に十分に注射器組立体中に充填されていて、そして、それは患者中へ注射される準備が出来ている。図1中に見ることが出来るように、注射針組立体は円筒形状外筒の末端中にねじ山により係合されている。ねじ山2はここに見ることが出来るが、しかし或る実施形態においてはそれらは注射針ハブ(hub)3の外部表面の下で見ることが出来ない。外筒5の末端上に十分にねじ山により係合された時、針6は屋根4と流体連通している。ある実施形態においては、使用者は、注射針組立体を円筒形状外筒にねじ山により係合した後に、追加の固定機構7を動作開始させて(trigger)、使用中に注射針組立体がねじ山による係合を解除するようになる恐れを無くすよう係合を固定することを確実にしている。図1中においては、追加の固定機構7が2つのクランプ(clamp)として示されていて、夫々はハブ(hub)の反対側にある。しかしながら、固定機構は全ての実施形態においてそれに限定されない。
【0042】
図2は、この発明の一実施形態に従った注射器組立体を示していて、ここにおいては、プランジャーが展開直後の位置にあり−即ち、外筒中の流体は患者の体内に十分注射されていて、そして、プランジャー8の末端が外筒の屋根4と十分に接触されている。図2中に示されている実施形態においては、固定機構7は必要でなく、ねじ山2が、使用者が戻り止め(detente)が係合されたことを指摘する信号「クリック(click)」を感じるまでそれらをきつくするように構成されている。
【0043】
図3は、この発明の一実施形態に従った注射針組立体の側面図を示している。注射針組立体1は外筒5の末端に十分にねじ山により係合されている。プランジャー8の末端は、屋根4の形状を補完し対向している形状を提供するよう構成されている。図3及び4中には、それを介して注射針6が外筒の内部と流体連結する開口10が、さらに明瞭に示されている。図4は、この発明のもう1つの実施形態に従った注射針組立体の側面図を示している。注射針組立体1は外筒5の末端に十分にねじ山により係合されている。プランジャー8の末端は、屋根4の形状を補完し対向している形状を提供するよう構成されていて;ここでは、屋根4はプランジャー8の末端と適合するよう半円形状構造に構成されている。
【0044】
図5は、この発明の一実施形態に従ったもう1つの注射針組立体の側面図を示している。描かれている実施形態においては、傾斜指示器11が、ハブ(hub)の表面のそれと対比される色,外観(texture),又は模様の少なくとも一部である塗られた線であり、使用者は、患者への注射針の注射の準備が整った時にハブの実質的な頂にそれを直線状に配置することが出来る。図5中から見ることが出来るように、傾斜指示器が使用者が上から見た時のハブの頂に実質的にある時、傾斜は、その最も尖っている地点が最初に患者の体内に注射されるのに最適な姿勢にされて患者に対する不快感を最少にする。
【0045】
或る実施形態においては、注射器はさらに、その内部分中にガスケット(gasket)を備えている。或る実施形態においては、「O−リング」が存在している。O−リングは、注射器の末端に対し注射針ハブを固定する為のばね抵抗を提供し、また、注射器の外筒内に格納されている液体の漏れを阻止する緊密な密封(seal)を提供する。種々の実施形態においては、シリコーン(silicone)の如き材料で形成されている被覆シール(coating seal)が、O−リングとともに、又は代わりに、使用されて良い。
【0046】
[傾斜指示器(Bevel Indicator)]
ここに議論された如く、多くの注射針は、先端がある角度にされている傾斜端(beveled tip)を備えている。多くの注射目的の為に傾斜端は高く望まれている。或る実施形態においては、不快感を最小にする為に、注射針をその傾斜地点で最初に患者に注入することが高く望まれている。より大きな注射針(例えば、18−25ゲージを有している注射針)では使用者はこの決定を裸眼で行なうことが出来たが、これを小さな注射針で行なうことは殆ど不可能である。従って、この発明の或る実施形態においては、注射針ハブ(hub)、又は注射針又は注射器に沿ったいかなる他の地点が傾斜指示器(bevel indicator)を備えて良い。注射器組立体は、(注射器組立体の如何なる部分上を含んでいる)注射器組立体に沿った如何なる地点に配置された傾斜指示器(bevel indicator)を備えて良い。詳細には、注射器組立体が外筒から着脱可能である場合、或る実施形態においては、傾斜指示器(bevel indicator)はハブ(hub)上の少なくとも一部分に在ってよく、そして、例えば、線(line)又はドット(dot)又は他の容易に識別できる指示器であって良く、そして、それがハブの色との対比が使用者に容易に視認可能にするように着色されているか、及び/又は、盛り上がっているか又は凹まされているか又はハブの外観(texture)と対比されそして従って使用者に視認できる又は触ることにより識別できるような外観(texture)を有していて良い。
【0047】
このようにして、使用者は、注射針を患者の体の中に注入する最も良い道を決定するのに傾斜指示器を使用できる。例えば、図6はこの概念を図示している。一般的に使用者は、注射針が、針尾部(needle heel)であるよりもむしろ、注射針先端17で患者の体内に入ることを好む。見ることが出来るように、注射針先端17を最初に導くことを許容するのに失敗することは、注射針の為のぎざぎざした(jagged)入り地点及び不必要な痛み及び/又は怪我を患者に対し導く。図5から見ることが出来るように、もしも使用者が、ハブ3上の傾斜指示器11が実質的にハブの上部であるように注射針組立体を準備したならば、これは注射針先端が最初に患者の体内に入ることを確実にする手助けをする。図5中に描かれている実施形態においては、傾斜指示器が線であることに注目して下さい。しかし、この発明はそれに限定されない。このような方法においては、使用者は傾斜指示器を患者の不快を最小にするよう使用することが出来る。
【0048】
[使用の容易(Ease of Use)]
ボトックス(登録商標)(Botox)注射,アレルギー注射又はインスリン注射の如き手続きを速やかに行なう時には、患者は、筋肉痙攣(muscle spasm)又は一連の注射を速やかに実行することを必要としている関連している医療状況(例えば、アレルギー又は脳性小児麻痺(cerebral palsy))を治療する為の一連の注射)による痛み又は不快をこうむる。この様な状況において、患者はいらいらし(impatient),興奮させられ(agitated)又は感情的(emotional)になり(もし患者が子供,年寄り又はその他の減少した能力を有している人であるとこれは特に当てはまる)、そして、注射,再充填,そして再注射の処理を能率化することが患者の快適さの立場から望まれる傾向にある。特に、この発明の実施形態は、注射器をその包みから開封し,薬を充填し(実施形態では、薬は注射器中に予め充填されていない),注射の為の適切な注射針を準備し,薬を注射し,使用済み注射針を取り外しそして廃棄し,そして必要であれば新たな注射針を再搭載するという全処理を、全てを最少の努力を伴い、行なう容易な道を(医療又は保養(spa)スタッフ、又は患者彼自身又は彼女自身の如き)使用者のために提供する。
【0049】
種々の実施形態においては、使用者はより大きな(より低いゲージの)注射針で注射器組立体に充填(loading)し、そして次により大きな注射針組立体を注射器外筒から外し、次に小さな(より高いゲージの)注射針組立体を取り付ける。より低いゲージの(より大きな)注射針は、注射針を破損させる又は鈍くさせる危険を低くしつつ、より早い時間でより多くの流体を充填できるので、充填(loading)の為により好ましい。種々の実施形態においては、第1(充填)注射針は、より低いゲージの(より大きな)注射針であり;例えば、25ゲージ又はそれよりも低い,18乃至25ゲージ,又は18,20又は22ゲージである。より早い時間でより多くの流体を充填できるので、充填(loading)の為により好ましい。種々の実施形態においては、第2(注射)注射針は、より高いゲージの(より小さな)注射針であり;例えば、25ゲージよりも高く,26乃至34ゲージ,又は29,30,31,32又は33ゲージである。
【0050】
種々の実施形態においては、この発明の注射器はプランジャー取っ手(plunger handle)又は注射器フランジを含んで良く、この両方は使用の容易のために構成されていて良く、例えば、片手を使用して容易に掴むことが出来るループ(loop)を有しているプランジャー取っ手(plunger handle)又は注射器フランジ、握られた時に使用者の手の圧力でつぶれるが如き、使用者に心地よい握りを提供する、エラストマー材料の如き柔らかい又は柔軟な材料を備えているプランジャー取っ手(plunger handle)又は注射器フランジである。
【0051】
この発明の注射器組立体中の注射器外筒は、種々の実施形態において、略2乃至略5mL,略3mL,略2mL,略1mL,略0.5mL又は略0.3mLの流体容積容量を有してよい。この発明の実施形態が、非常に小さな容量の外筒及び非常に小さな(より高いゲージの)注射針とともに使用された時に予想もしない利点を提供することが分かっている。
【0052】
この発明の注射器組立体は、不活性で(inert),安定していて(stable),使い捨て可能であり、及び/又は容易に殺菌できるものを含んでいる、医療装置のために有用な如何なる材料で形成されて良い。好ましくは、これらは、使用者又は患者に過度の不快またはアレルギー反応を決して生じさせない。役立つ材料の例は、ガラス,(ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリスチレン,ポリエチレンテレフタレート,又は前述のいかなるものの低密度又は高密度な形態を備えている材料を含むがこれらに限定されない)プラスチックの如きポリマー材料,天然又は人工ゴム,エラストマー材料,ガラス繊維,ガラス,金属及びこれらと同様なものである。
【0053】
ここに記載された全ての実施形態は説明の為でありこの発明の範囲を限定するものではなく、そしてこの発明はその精神から離れることなくここに明白に記載されていない他の形態で実施されて良い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)開放された基端と末端とを有していて、屋根を規定している末端部分を備えている内部空間を規定している円筒形状外筒と;
(b)プランジャー取っ手を含んでいる基端と円筒形状外筒の内部空間内に配置されている末端とを有しているプランジャーと;そして、
(c)ハブとハブに固定された注射針とを備えていて、円筒形状外筒の末端に着脱可能に固定された注射針組立体と;そして、
(d)注射針組立体上の傾斜指示器と、
を備えていて、
内部空間は、円筒形状外筒の開放された末端から屋根へと円筒形状外筒に対し相対的に摺動することが出来るようプランジャーを受け入れるよう構成されていて、
プランジャーは、円筒形状外筒の長手方向軸に沿い円筒形状外筒の内部空間に対し相対的に摺動するよう構成されていて、プランジャーの末端は内部空間の末端部分上の屋根に接触することが出来、
注射針は、そこを通って円筒形状外筒の内部空間に連通している中空内腔を備えていて、
プランジャーの末端は、プランジャーが円筒形状外筒中に十分に突入された時に円筒形状外筒の屋根に接触する表面を規定している、
注射器組立体。
【請求項2】
傾斜指示器が注射針組立体のハブ上に配置されている、請求項1の注射器組立体。
【請求項3】
傾斜指示器が、注射針先端の相対位置を指示する印を注射針組立体のハブ上に備えている、請求項2の注射器組立体。
【請求項4】
医療用又は美容流体を備えている、請求項1の注射器組立体。
【請求項5】
医療用又は美容流体が、ボツリヌス毒素を備えている、請求項1の注射器組立体。
【請求項6】
注射器組立体の容積容量が略3mL以下である、請求項1の注射器組立体。
【請求項7】
外筒の容積容量が略2.75mL以下である、請求項1の注射器組立体。
【請求項8】
注射針が25よりも高いゲージを有している、請求項1の注射器組立体。
【請求項9】
外筒の末端がねじ山部分を備えていて、そして、注射針組立体のハブの内部が、外筒の末端のねじ山部分と合致する補完的なねじ山部分を備えている、請求項1の注射器組立体。
【請求項10】
1つ又はそれ以上のねじ山部分が戻り止め(detente)を備えている、請求項1の注射器組立体。
【請求項11】
外筒の末端が雄部分を備えていて、そして、注射針組立体のハブが雌部分を備えていて、ここにおいては雄部分と雌部部とはともにスナップ(snap)して外筒の末端を注射針組立体に連結する、請求項1の注射器組立体。
【請求項12】
(a)開放された基端と末端とを有していて、屋根を規定している末端部分を備えている内部空間を規定している円筒形状外筒と;
(b)取っ手部分を含んでいる基端と円筒形状外筒の内部空間内に配置されている末端とを有しているプランジャーと;そして、
(c)ハブとハブに固定された注射針とを備えていて、円筒形状外筒の末端に着脱可能に固定された注射針組立体と;そして、
(d)注射針組立体上の傾斜指示器と、
を備えていて、
内部空間は、円筒形状外筒の開放された末端から屋根へと円筒形状外筒に対し相対的に摺動することが出来るようプランジャーを受け入れるよう構成されていて、流体を格納しており、
プランジャーは、円筒形状外筒の長手方向軸に沿い円筒形状外筒の内部空間に対し相対的に摺動するよう構成されていて、プランジャーの末端は内部空間の末端部分の屋根上の対向していて補完的な形状に対応する形状を有しており、プランジャーが円筒形状外筒内で十分に展開された時にプランジャーの末端と内部空間の末端部分の屋根とが界面において合致して界面から流体の実質的に全てを強制して排除する密封を形成し、
注射針は、そこを通って円筒形状外筒の内部空間に連通している中空内腔を備えていて、
プランジャーの末端は、プランジャーが円筒形状外筒中に十分に突入された時に円筒形状外筒の屋根に接触する表面を規定しており、そして、円筒形状外筒及び注射針組立体は、ねじ連結,スナップ連結そして2元連結(binary connection)から選択された機構により互いに着脱可能に固定されている、
注射器組立体。
【請求項13】
患者に対し医療用又は美容流体を配る方法であり、
(a)その中に摺動可能なプランジャーを受け入れるよう構成された円筒形状外筒と、円筒形状外筒に着脱可能に固定されていて第1ハブに固定された第1注射針を備えている第1注射針組立体と、を備えている注射器組立体を取得する;
(b)注射器組立体を医療用又は美容流体の容器中に挿入し、そして、医療用又は美容流体の所望の量を注射器組立体に充填するよう摺動可能なプランジャーを引く;
(c)薬の容器から注射器組立体を引き抜く;
(d)円筒形状外筒から第1ハブを分離することにより注射器組立体から第1注射針組立体を取り外す;そして、
(e)第2ハブに固定された第2注射針を備えている第2注射針組立体を円筒形状外筒に取り付ける、
工程を備えている方法。
【請求項14】
(f)注射器組立体を患者中に注射する追加の工程を備えている、請求項13の方法。
【請求項15】
第1注射針が25又はそれよりも低いゲージを有している、請求項13の方法。
【請求項16】
第1注射針が、18,20,22又は25のゲージを有している、請求項15の方法。
【請求項17】
第2注射針が25よりも高いゲージを有している、請求項13の方法。
【請求項18】
第2注射針が、25乃至34のゲージを有している、請求項17の方法。
【請求項1】
(a)開放された基端と末端とを有していて、屋根を規定している末端部分を備えている内部空間を規定している円筒形状外筒と;
(b)プランジャー取っ手を含んでいる基端と円筒形状外筒の内部空間内に配置されている末端とを有しているプランジャーと;そして、
(c)ハブとハブに固定された注射針とを備えていて、円筒形状外筒の末端に着脱可能に固定された注射針組立体と;そして、
(d)注射針組立体上の傾斜指示器と、
を備えていて、
内部空間は、円筒形状外筒の開放された末端から屋根へと円筒形状外筒に対し相対的に摺動することが出来るようプランジャーを受け入れるよう構成されていて、
プランジャーは、円筒形状外筒の長手方向軸に沿い円筒形状外筒の内部空間に対し相対的に摺動するよう構成されていて、プランジャーの末端は内部空間の末端部分上の屋根に接触することが出来、
注射針は、そこを通って円筒形状外筒の内部空間に連通している中空内腔を備えていて、
プランジャーの末端は、プランジャーが円筒形状外筒中に十分に突入された時に円筒形状外筒の屋根に接触する表面を規定している、
注射器組立体。
【請求項2】
傾斜指示器が注射針組立体のハブ上に配置されている、請求項1の注射器組立体。
【請求項3】
傾斜指示器が、注射針先端の相対位置を指示する印を注射針組立体のハブ上に備えている、請求項2の注射器組立体。
【請求項4】
医療用又は美容流体を備えている、請求項1の注射器組立体。
【請求項5】
医療用又は美容流体が、ボツリヌス毒素を備えている、請求項1の注射器組立体。
【請求項6】
注射器組立体の容積容量が略3mL以下である、請求項1の注射器組立体。
【請求項7】
外筒の容積容量が略2.75mL以下である、請求項1の注射器組立体。
【請求項8】
注射針が25よりも高いゲージを有している、請求項1の注射器組立体。
【請求項9】
外筒の末端がねじ山部分を備えていて、そして、注射針組立体のハブの内部が、外筒の末端のねじ山部分と合致する補完的なねじ山部分を備えている、請求項1の注射器組立体。
【請求項10】
1つ又はそれ以上のねじ山部分が戻り止め(detente)を備えている、請求項1の注射器組立体。
【請求項11】
外筒の末端が雄部分を備えていて、そして、注射針組立体のハブが雌部分を備えていて、ここにおいては雄部分と雌部部とはともにスナップ(snap)して外筒の末端を注射針組立体に連結する、請求項1の注射器組立体。
【請求項12】
(a)開放された基端と末端とを有していて、屋根を規定している末端部分を備えている内部空間を規定している円筒形状外筒と;
(b)取っ手部分を含んでいる基端と円筒形状外筒の内部空間内に配置されている末端とを有しているプランジャーと;そして、
(c)ハブとハブに固定された注射針とを備えていて、円筒形状外筒の末端に着脱可能に固定された注射針組立体と;そして、
(d)注射針組立体上の傾斜指示器と、
を備えていて、
内部空間は、円筒形状外筒の開放された末端から屋根へと円筒形状外筒に対し相対的に摺動することが出来るようプランジャーを受け入れるよう構成されていて、流体を格納しており、
プランジャーは、円筒形状外筒の長手方向軸に沿い円筒形状外筒の内部空間に対し相対的に摺動するよう構成されていて、プランジャーの末端は内部空間の末端部分の屋根上の対向していて補完的な形状に対応する形状を有しており、プランジャーが円筒形状外筒内で十分に展開された時にプランジャーの末端と内部空間の末端部分の屋根とが界面において合致して界面から流体の実質的に全てを強制して排除する密封を形成し、
注射針は、そこを通って円筒形状外筒の内部空間に連通している中空内腔を備えていて、
プランジャーの末端は、プランジャーが円筒形状外筒中に十分に突入された時に円筒形状外筒の屋根に接触する表面を規定しており、そして、円筒形状外筒及び注射針組立体は、ねじ連結,スナップ連結そして2元連結(binary connection)から選択された機構により互いに着脱可能に固定されている、
注射器組立体。
【請求項13】
患者に対し医療用又は美容流体を配る方法であり、
(a)その中に摺動可能なプランジャーを受け入れるよう構成された円筒形状外筒と、円筒形状外筒に着脱可能に固定されていて第1ハブに固定された第1注射針を備えている第1注射針組立体と、を備えている注射器組立体を取得する;
(b)注射器組立体を医療用又は美容流体の容器中に挿入し、そして、医療用又は美容流体の所望の量を注射器組立体に充填するよう摺動可能なプランジャーを引く;
(c)薬の容器から注射器組立体を引き抜く;
(d)円筒形状外筒から第1ハブを分離することにより注射器組立体から第1注射針組立体を取り外す;そして、
(e)第2ハブに固定された第2注射針を備えている第2注射針組立体を円筒形状外筒に取り付ける、
工程を備えている方法。
【請求項14】
(f)注射器組立体を患者中に注射する追加の工程を備えている、請求項13の方法。
【請求項15】
第1注射針が25又はそれよりも低いゲージを有している、請求項13の方法。
【請求項16】
第1注射針が、18,20,22又は25のゲージを有している、請求項15の方法。
【請求項17】
第2注射針が25よりも高いゲージを有している、請求項13の方法。
【請求項18】
第2注射針が、25乃至34のゲージを有している、請求項17の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16a】
【図16b】
【図17a】
【図17b】
【図17c】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16a】
【図16b】
【図17a】
【図17b】
【図17c】
【公開番号】特開2011−136151(P2011−136151A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−233759(P2010−233759)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(502156504)テルモ メディカル コーポレイション (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233759(P2010−233759)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(502156504)テルモ メディカル コーポレイション (8)
【Fターム(参考)】
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