説明

着脱自在手摺り

【目的】 手摺りの取り外しが比較的困難な着脱自在手摺りとする。
【構成】 2つの固定側手摺り100 と、固定側手摺り100 の間に連結される取外側手摺り200 と、両手摺り100,200 の間に設けられ、取外側手摺り200 を着脱可能に固定側手摺り100 に連結する着脱機構300 とを備え、着脱機構300 は、固定側手摺り100 の端部に取り付けられる固定側着脱部310 と、取外側手摺り200 の端部に取り付けられる取外側着脱部320 とを有し、固定側着脱部310 は、固定側本体311 と、固定側本体311 の貫通孔316 内にスライド可能に収納されるラッチ部材312 と、ラッチ部材312 を外側方向に突出させる弾性体313 と、ラッチ部材312 を弾性体313 に抗して固定側本体311 内で後退させるロック部材314 とを有し、取外側着脱部320 は、突出したラッチ部材312 が入り込む凹部322 がある取外側本体321 を有し、ロック部材314 の回転でラッチ部材312 を後退させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部がある壁面に設置され、開口部の開閉の際に邪魔にならない着脱自在手摺りに関する。
【背景技術】
【0002】
高齢者や身体障害者等の介護施設には、壁面に自助用又は介護用の手摺りが取り付けられている。かかる手摺りは、水平方向に連続して設置されることが必要となる。
このため、開口部、例えば、ドアや点検用の開口部がある部分にも手摺りが連続して取り付けれらることになる。
【0003】
しかし、開口部を横断する形で手摺りが取り付けられると、開口部の開閉の邪魔になるので、そのような箇所には、跳ね上げ式の手摺りが設置されている。かかる跳ね上げ式のものとしては、特開2003−262026号公報(特許文献1)、特開2005−113580号公報(特許文献2)、特開2007−023736号公報(特許文献3)に記載されたものがある。
【0004】
しかし、この跳ね上げ式の手摺りは、跳ね上げられる手摺りが短いもの、すなわち開口部が通常のドア等の幅の狭いものである場合には十分対応可能であるが、長いもの、すなわち開口部が大きいものである場合には対応できないという問題点があった。
跳ね上げられた手摺りが長いと確保が困難、跳ね上げられた手摺りの先端が天井等に接触して跳ね上げられない等の問題があった。
【0005】
かかる問題を解消するために、特開2004−116145号公報(特許文献4)に記載されたような着脱式の手摺りが提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開2003−262026号公報
【特許文献2】特開2005−113580号公報
【特許文献3】特開2007−023736号公報
【特許文献4】特開2004−116145号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献4に記載された出入り口横断用の着脱自在手摺りにも以下のような問題点がある。
特許文献4に記載された出入り口横断用の着脱自在手摺りは、その手摺りの取り外しはは、ロックピンをスライドさせることで行い、しかもそのロックピンは最も目につきやすい横側に露出している。
かかる手摺りが設置されるのは、高齢者や身体障害者等の介護施設が多い。かかる介護施設には、思いもかけない行動をとるいわゆる認知症患者もいる。このように取り外しが簡単な出入り口横断用の着脱自在手摺りは、安全性の観点からも介護施設に適していないものであることはいうまでもない。
しかし、単に取り外しが難しいものであればよいというものでもない。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたもので、手摺りの取り外しが比較的行いにくく、かつ目につきにくい箇所に設けられた着脱自在手摺りを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る着脱自在手摺りは、壁面等に固定された2つの固定側手摺りと、この固定側手摺りの間に連結される取外側手摺りと、両手摺りの間に設けられ、取外側手摺りを着脱可能に固定側手摺りに連結する着脱機構とを備えており、前記着脱機構は、固定側手摺りの端部に取り付けられる固定側着脱部と、取外側手摺りの端部に取り付けられる取外側着脱部とを有しており、前記固定側着脱部は、固定側本体と、この固定側本体の内部に設けられた貫通孔内にスライド可能に収納されるラッチ部材と、このラッチ部材を外側方向に突出させる弾性体と、前記ラッチ部材を弾性体の力に逆らって固定側本体の内部に向かって後退させるロック部材とを有しており、前記取外側着脱部は、前記弾性体によって外側方向に突出させられたラッチ部材が入り込む凹部が形成された取外側本体を有している着脱自在手摺りであって、前記ロック部材は回転させることによって、前記ラッチ部材を後退させるようになっている。
【0010】
また、前記ロック部材は、回転させるための操作部が固定側本体の下面に露出している。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る着脱自在手摺りは、取外側手摺りを取り外す際には、ロック部材を回転させることによって行うので、従来のようなスライドより困難になっている。しかし困難すぎない。このため、健常者にとっては取り外しが比較的簡単であるが、高齢者等にとっては取り外しが困難という介護施設等にとっては最適なものとなっている。
【0012】
また、ロック部材の操作部は固定側本体の下面に露出しているため、高齢者等にとっては取り外しが一層困難になっているため、介護施設等にとってはより最適なものとなっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りの要部の概略的断面図、図2は本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りの要部の概略的断面図、図3は本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りを構成する固定側着脱部の固定側本体の概略的斜視図、図4は本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りを構成する取外側着脱部の取外側本体の概略的斜視図である。
【0014】
また、図5は本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りを構成する固定側着脱部の固定側本体の図面であって、同図(A)は概略的側面図、同図(B)は概略的左側面図、同図(C)は概略的右側面図、同図(D)は概略的平面図、同図(E)は概略的底面図、同図(F)は概略的断面図、図6は本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りを構成する固定側着脱部のラッチ部材の図面であって、同図(A)は概略的側面図、同図(B)は概略的左側面図、同図(C)は概略的右側面図、同図(D)は概略的平面図、同図(E)は概略的底面図、同図(F)は概略的断面図、図7は本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りを構成する固定側着脱部のラッチ部材の図面であって、同図(A)は概略的上面側斜視図、同図(B)は概略的下面側斜視部である。
【0015】
また、図8は本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りを構成する固定側着脱部のロック部材の図面であって、同図(A)は概略的正面図、同図(B)は概略的平面図、同図(C)は概略的底面図、図9は本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りを構成する固定側着脱部のロック部材の図面であって、同図(A)は概略的上面側斜視図、同図(B)は概略的下面側斜視部である。
【0016】
また、図10は本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りを構成する固定側着脱部のカバーの図面であって、同図(A)は概略的正面図、同図(B)は概略的左側面図、同図(C)は概略的右側面図、同図(D)は概略的平面図、同図(E)は概略的断面図、同図(F)は概略的斜視図、図11は本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りを構成する取外側着脱部の取外側本体の図面であって、同図(A)は概略的側面図、同図(B)は概略的左側面図、同図(C)は概略的右側面図、同図(D)は概略的平面図、同図(E)は概略的底面図、同図(F)は概略的断面図である。
【0017】
さらに、図12は本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りの図面であって、取外側手摺りが固定側手摺りに取り付けられている状態の概略的斜視図、図13は本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りの図面であって、取外側手摺りが固定側手摺りから取り外された状態の概略的斜視図である。
【0018】
本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りは、壁面等に固定された2つの固定側手摺り100と、この固定側手摺り100の間に連結される取外側手摺り200と、両手摺り100、200の間に設けられ、取外側手摺り200を着脱可能に固定側手摺り100に連結する着脱機構300とを備えており、前記着脱機構300は、固定側手摺り100の端部に取り付けられる固定側着脱部310と、取外側手摺り200の端部に取り付けられる取外側着脱部320とを有しており、前記固定側着脱部310は、固定側本体311と、この固定側本体311の内部に設けられた貫通孔316内にスライド可能に収納されるラッチ部材312と、このラッチ部材312を外側方向に突出させる弾性体313と、前記ラッチ部材312を弾性体313の力に逆らって固定側本体311の内部に向かって後退させるロック部材314とを有しており、前記取外側着脱部320は、前記弾性体313によって外側方向に突出させられたラッチ部材312が入り込む凹部322が形成された取外側本体321を有している着脱自在手摺りであって、前記ロック部材314は回転させることによって、前記ラッチ部材312を後退させるようになっている。
【0019】
まず、固定側手摺り100は、木、金属或いは合成樹脂で形成された棒体であって、図示しない適宜なブラケットによって壁面に固定的に取り付けられている。かかる固定側手摺り100は、断面略逆三角形状に形成されている。この固定側手摺り100は、壁面等に設けられた開口部の部分には、開口部の開閉や開いた開口部への出入りのためのスペースを確保するため、設けられていない。
【0020】
そして、開口部の両側では、2つの固定側手摺り100が端部同士を向かい合わせるように設置されることになる。
【0021】
一方、取外側手摺り200は、固定側手摺り100と同様に、木、金属或いは合成樹脂で形成された棒体であって、断面略逆三角形状に形成されている。かかる取外側手摺り200の長さは、2つの固定側手摺り100の間の距離より若干短く設定されている。具体的には、後述する着脱機構300相当分のみ短く設定されていることになる。
なお、取外側手摺り200は、ブラケット等によって壁面等には固定されていないことはいうまでもない。
【0022】
前記着脱機構300は、前記取外側手摺り200を着脱可能に固定側手摺り100に連結するものであって、固定側手摺り100の端部に取り付けられる固定側着脱部310と、取外側手摺り200の端部に取り付けられる取外側着脱部320とから構成されている。
【0023】
まず、固定側着脱部310は、固定側本体311と、この固定側本体311の内部に設けられた貫通孔316内にスライド可能に収納されるラッチ部材312と、このラッチ部材312を外側方向に突出させる弾性体313と、前記ラッチ部材312を弾性体313の力に逆らって固定側本体311の内部に向かって後退させるロック部材314とを有している。
【0024】
前記固定側本体311は、図3や図5等に示すように、両手摺り100、200と同様に、略逆三角形状になった固定側基体部311Aを有している。この固定側基体部311Aの下端からは、固定側手摺り100を受ける第1の手摺り支持部317と、取外側手摺り200(正確には取外側着脱部320の取外側本体321)を受ける第2の手摺り支持部318が突出形成されている。
【0025】
固定側基体部311Aには、固定側手摺り100に沿った方向に貫通孔316が開設されている。この貫通孔316は、カバー315で閉塞されるようになっている。かかる貫通孔316は、取外側手摺り200に向かい合う側においては、ラッチ部材312が抜け落ちないようにするため、ラッチ部材312の先端の楔状のラッチ本体部312Aに相当する大きさの開口319が開設されている。
【0026】
また、この固定側基体部311Aの底面には、前記貫通孔316に連なる円形の操作部用開口319Aが開設されている。この操作部用開口319Aは、ラッチ部材312を後退させるためのロック部材314の操作部314Bが臨む部分である。この操作部用開口319Aは、固定側基体部311Aの底面に開設されているので、ロック部材314の操作部314Bは、固定側本体311の下面に露出することになる。
【0027】
このように構成された固定側基体部311Aの下端から突出された略浅樋状の第1の手摺り支持部317は、固定側手摺り100を支持する部分であって、中央に固定側手摺り100の位置決めのための凸脈317Aが突設されている(図3参照)。また、この凸脈317Aの両側には、固定側着脱部310を固定側手摺り100に取り付けるビスのためのビス孔317Bが開設されている。
【0028】
さらに、固定側基体部311Aの下端から突出された略浅樋状の第2の手摺り支持部318は、取外側手摺り200を支持する部分である。
【0029】
前記ラッチ部材312は、図6及び図7等に示すように、先端側が斜めに切断され、側面視楔状になった円筒形状のラッチ本体部312Aと、このラッチ本体部312Aの基端側から両横方向に突出された略羽根状の横側案内突起312Bと、前記ラッチ本体部312Aの上面に突出された上側案内突起312Cと、前記横側案内突起312Bの下方に設けられた略M字形状のカム部312Dとを有している。
【0030】
前記ラッチ本体部312Aは、基端側に向かって開放された穴部312Eが設けられている。この穴部312Eには、後述する弾性体313が入り込むようになっている。
【0031】
また、前記横側案内突起312Bは、固定側基体部311Aの貫通孔316の両横方向に設けられた横側案内溝316Aと対応しており、ラッチ部材312の進退を案内するものである。
また、前記上側案内突起312Cは、固定側基体部311Aの貫通孔316の両横方向に設けられた上側案内溝316Bと対応しており、ラッチ部材312の進退を案内するものである。
【0032】
一方、前記カム部312Dは、後述するロック部材314のカム突起314Dとかみ合ってラッチ部材312を進退させる部分である。
【0033】
前記ロック部材314は、図8及び図9等に示すように、円盤部314Aと、この円盤部314Aから垂下された略円筒形状で二股状の操作部314Bとが一体に形成されたものである。前記円盤部314Aの上面には中心から外れた部分にカム突起314Dが突出されている。また、前記操作部314Bは、円盤部314Aより小径で、かつ前記固定側基体部311Aの底面の操作部用開口319Aに嵌まり込む部分であって、ロック部材314を操作する際にコイン等を差し込む差込溝314Cが形成されている。
【0034】
このロック部材314は、操作部314Bが前記操作部用開口319Aに嵌まり込むように、固定側基体部311Aの貫通孔316からセットされる。
【0035】
前記カム突起314Dは、前記カム部312Dと対応する部分である。
【0036】
前記固定側基体部311Aの貫通孔316を閉塞するカバー315は、図10に示すように、貫通孔316の形状に対応した略凸字形状の閉塞部315Aと、この閉塞部315Aから突出された2本のアーム部315Bとを有している。また、前記閉塞部315Aの略中央には、弾性体313を保持するための座部315Cが形成されている。この座部315Cは、弾性体313の端部が嵌まり込む円形の溝部315Dと、この溝部315Dの中央から突出し、嵌まり込んだ弾性体313に若干入り込む凸部315Eとを有している。
【0037】
次に、このような部材からなる固定側着脱部310の組み込みについて説明する。
まず、固定側本体311の貫通孔316にロック部材314を組み込む。
すなわち、ロック部材314の操作部314Bが操作部用開口319Aに嵌まり込むようにセットするのである。
【0038】
次に前記貫通孔316にラッチ部材312をセットする。
ラッチ部材312のラッチ本体部312Aが貫通孔316と貫通した開口319から突出するように、ラッチ本体部312Aを先側になるようにセットする。
なお、ラッチ部材312の横側案内突起312Bは、固定側基体部311Aの貫通孔316の両横方向に設けられた横側案内溝316Aと、上側案内突起312Cは、固定側基体部311Aの貫通孔316の両横方向に設けられた上側案内溝316Bと対応するようになる。
【0039】
この際、ロック部材314のカム突起314Dは、ラッチ部材312の略M字形状のカム部312Dと対応する。
【0040】
次に、ラッチ部材312の穴部312Eに弾性体313をセットし、この弾性体313を押し縮めるようにしてカバー315で貫通孔316を閉塞する。
カバー315を固定側本体311に取り付けると、弾性体313の端部は、カバー315の座部315Cに嵌まり込むとともに、ラッチ部材312を開口319側に押圧する。
【0041】
このように構成された固定側着脱部310は、ロック部材314に力を与えない状態、すなわち自由状態におくと、図1に示すように、弾性体313の弾性力によって、ラッチ部材312のラッチ本体部312Aが開口319から突出した状態になる。
【0042】
この状態から、ロック部材314の操作部314Bの差込溝314Cにコイン等を嵌め込んで回転させると、ロック部材314のカム突起314Dとラッチ部材のカム部とによって、ラッチ部材312は弾性体313を押し縮めながら後退し、図2に示すように、ラッチ本体部312Aは開口319から突出しなくなる。
【0043】
当然、コイン等をロック部材314から外すことにより、弾性体313の弾性力によって、ラッチ部材312は、ラッチ本体部312Aが開口319から突出するように移動する。
【0044】
このように構成された固定側着脱部310は、図示しないビスによって固定側手摺り100の端部に取り付けられる。そして、この固定側手摺り100は、壁面に設けられた開口部を挟み込むようにして、すなわち開口部の開閉の邪魔にならない部分に図示しない適宜なブラケット等によって取り付けられる。
【0045】
一方、このような固定側着脱部310とともに着脱機構300を構成する前記取外側着脱部320は、図12や図13等に示すように、両手摺り100、200と同様に、略逆三角形状になった取外側本体321を有している。この取外側本体321の下端からは、取外側手摺り200を受ける手摺り支持部323が設けられている。
【0046】
取外側本体321が前記固定側着脱部310に向かい合う側には、前記ラッチ部材312のラッチ本体部312Aが挿入される凹部322が開設されている。
【0047】
また、前記手摺り支持部323は、取外側手摺り200を支持する部分であって、中央に取外側手摺り200の位置決めのための凸脈323Aが突設されている。また、この凸脈323Aの両側には、取外側着脱部320を取外側手摺り200に取り付けるビスのためのビス孔323Bが開設されている。
【0048】
このように構成された取外側着脱部320は、図示しないビスによって取外側手摺り200の両端部に取り付けられる。
【0049】
このように構成された着脱自在手摺りの着脱は以下のようにして行われる。
まず、取外側手摺り200を取り付ける場合には、取外側手摺り200を上側から2つの固定側手摺り100の間に押し込むように押し下げる。
すると、取外側手摺り200の取外側本体321の一部が、突出しているラッチ本体部312Aの傾斜面に当接し、取外側手摺り200の押し下げに伴って、弾性体313の弾性力に抗してラッチ部材312を後退させる。このラッチ部材312の後退に伴って、ロック部材314は回転する。
【0050】
取外側手摺り200が、押し下げられて、固定側本体311の第2の手摺り支持部318に受けられると、ラッチ本体部312Aは弾性体313の弾性力によって、取外側手摺り200の取外側本体321の凹部322に自動的に挿入される。
【0051】
これによって、取外側手摺り200は、固定側手摺り100に固定的に取り付けられたことになる。
【0052】
なお、取外側手摺り200が、固定側手摺り100に固定的に取り付けられ、ラッチ部材312が弾性体313の弾性力によって凹部322に挿入されると、このラッチ部材312の後退に伴って、ロック部材314は180度回転する。
【0053】
この状態からの取外側手摺り200の取り外しは、以下のようにして行われる。
まず、コイン等で両側の固定側着脱部310のロック部材314を180度回転させる。すると、ラッチ部材312は、弾性体313の弾性力に抗して後退し、取外側手摺り200の凹部322から離脱する。
【0054】
この状態で、取外側手摺り200を上側に持ち上げることによって、取外側手摺り200を取り外すのである。
【0055】
前記ロック部材314の回転は、ロック部材314の操作部314Bが下側に位置しているため、ある程度の慣れが要求される。このため、取外側手摺り200の取外作業は、健常者には容易であるが、高齢者や身体障害者等には困難なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りの要部の概略的断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りの要部の概略的断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りを構成する固定側着脱部の固定側本体の概略的斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りを構成する取外側着脱部の取外側本体の概略的斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りを構成する固定側着脱部の固定側本体の図面であって、同図(A)は概略的側面図、同図(B)は概略的左側面図、同図(C)は概略的右側面図、同図(D)は概略的平面図、同図(E)は概略的底面図、同図(F)は概略的断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りを構成する固定側着脱部のラッチ部材の図面であって、同図(A)は概略的側面図、同図(B)は概略的左側面図、同図(C)は概略的右側面図、同図(D)は概略的平面図、同図(E)は概略的底面図、同図(F)は概略的断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りを構成する固定側着脱部のラッチ部材の図面であって、同図(A)は概略的上面側斜視図、同図(B)は概略的下面側斜視部である。
【図8】本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りを構成する固定側着脱部のロック部材の図面であって、同図(A)は概略的正面図、同図(B)は概略的平面図、同図(C)は概略的底面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りを構成する固定側着脱部のロック部材の図面であって、同図(A)は概略的上面側斜視図、同図(B)は概略的下面側斜視部である。
【図10】本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りを構成する固定側着脱部のカバーの図面であって、同図(A)は概略的正面図、同図(B)は概略的左側面図、同図(C)は概略的右側面図、同図(D)は概略的平面図、同図(E)は概略的断面図、同図(F)は概略的斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りを構成する取外側着脱部の取外側本体の図面であって、同図(A)は概略的側面図、同図(B)は概略的左側面図、同図(C)は概略的右側面図、同図(D)は概略的平面図、同図(E)は概略的底面図、同図(F)は概略的断面図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りの図面であって、取外側手摺りが固定側手摺りに取り付けられている状態の概略的斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る着脱自在手摺りの図面であって、取外側手摺りが固定側手摺りから取り外された状態の概略的斜視図である。
【符号の説明】
【0057】
100 固定側手摺り
200 取外側手摺り
300 着脱機構
310 固定側着脱部
311 固定側本体
311A 固定側基体部
312 ラッチ部材
313 弾性体
314 ロック部材
315 カバー
316 貫通孔
320 取外側着脱部
321 取外側本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面等に固定された2つの固定側手摺りと、この固定側手摺りの間に連結される取外側手摺りと、両手摺りの間に設けられ、取外側手摺りを着脱可能に固定側手摺りに連結する着脱機構とを具備しており、前記着脱機構は、固定側手摺りの端部に取り付けられる固定側着脱部と、取外側手摺りの端部に取り付けられる取外側着脱部とを有しており、前記固定側着脱部は、固定側本体と、この固定側本体の内部に設けられた貫通孔内にスライド可能に収納されるラッチ部材と、このラッチ部材を外側方向に突出させる弾性体と、前記ラッチ部材を弾性体の力に逆らって固定側本体の内部に向かって後退させるロック部材とを有しており、前記取外側着脱部は、前記弾性体によって外側方向に突出させられたラッチ部材が入り込む凹部が形成された取外側本体を有している着脱自在手摺りにおいて、前記ロック部材は回転させることによって、前記ラッチ部材を後退させることを特徴とする着脱自在手摺り。
【請求項2】
前記ロック部材は、回転させるための操作部が固定側本体の下面に露出していることを特徴とする請求項1記載の着脱自在手摺り。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2008−255693(P2008−255693A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−100195(P2007−100195)
【出願日】平成19年4月6日(2007.4.6)
【出願人】(000113779)マツ六株式会社 (68)
【Fターム(参考)】