説明

着色組成物、カラーフィルタ及び表示素子

【課題】耐熱性に優れたキサンテン系着色剤を含有する着色組成物を提供すること。
【解決手段】(A)着色剤、(B)バインダー樹脂及び(C)架橋剤を含有する着色組成物であって、(A)着色剤として下記式(1)で表される着色剤を含有することを特徴とする着色組成物。
+- (1)
〔式(1)において、X+はキサンテン系発色団を示し、Z-はハロゲン化炭化水素基を有する酸の共役塩基を示す。〕

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色組成物、カラーフィルタ及び表示素子に関わり、より詳しくは、特定の着色剤を含有する着色組成物、該着色剤を含有する着色層を備えるカラーフィルタ、並びに当該カラーフィルタを具備する表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
着色感放射線性組成物を用いてカラーフィルタを製造するに当たっては、基板上に、顔料分散型の着色感放射線性組成物を塗布して乾燥したのち、乾燥塗膜を所望のパターン形状に放射線を照射(以下、「露光」という。)し、現像することにより、各色の画素を得る方法(特許文献1〜2)が知られている。また、カーボンブラックを分散させた光重合性組成物を利用してブラックマトリックスを形成する方法(特許文献3)も知られている。さらに、顔料分散型の着色熱硬化性組成物を用いてインクジェット方式により各色の画素を得る方法(特許文献4)も知られている。
【0003】
ところで、表示素子の高輝度化と高色純度化、或いは固体撮像素子の高精細化を実現するには、着色剤として染料を用いることが有効であること知られている。例えば、特許文献5には、特定構造のキサンテン系染料の使用が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−144502号公報
【特許文献2】特開平3−53201号公報
【特許文献3】特開平6−35188号公報
【特許文献4】特開2000−310706号公報
【特許文献5】特開2010−32999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献5で提案されているキサンテン系染料では、耐熱性が不十分であり、200℃を超えるような露光・現像後の加熱(ポストベーク)工程を経ると、顔料に対する色度特性の優位性が失われる。以上のような背景から、耐熱性に優れた染料の開発が強く求められている。
したがって、本発明の課題は、耐熱性に優れたキサンテン系着色剤を含有する着色組成物を提供することにある。さらに、本発明の課題は、当該着色剤を含有する着色層を備えてなるカラーフィルタ、及び当該カラーフィルタを具備する表示素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討の結果、酸性度の強い有機酸の共役塩基をアニオン部として有するキサンテン系染料が上記課題を解決することができることを見出した。
【0007】
即ち、本発明は、(A)着色剤、(B)バインダー樹脂及び(C)架橋剤を含有する着色組成物であって、(A)着色剤として下記式(1)で表される着色剤(以下、「本着色剤」とも称する。)を含有することを特徴とする着色組成物を提供するものである。
【0008】
+- (1)
【0009】
〔式(1)において、X+はキサンテン系発色団を示し、Z-はハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を示す。〕
【0010】
本発明において、Z-は下記式(1a)で表されるアニオン又は下記式(1b)で表されるアニオンであることが好ましい。
【0011】
【化1】

【0012】
〔式(1a)において、R1は連結基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基を示す。〕
【0013】
【化2】

【0014】
〔式(1b)において、R2は、相互に独立に、連結基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基を示し、R2同士が互いに結合して環を形成してもよい。〕
【0015】
また、本発明は、本着色剤を含有する着色層を備えてなるカラーフィルタ、及び該カラーフィルタを具備する表示素子を提供するものである。ここで、「着色層」とは、カラーフィルタに用いられる各色画素、ブラックマトリックス、ブラックスペーサー等を意味する。
【0016】
さらに、本発明は、下記式(3)で表される着色剤を提供するものである。
【0017】
+(R1SO3-) (3)
【0018】
〔式(3)において、X+及びR1は、前記と同義である。〕
【発明の効果】
【0019】
本着色剤は、耐熱性に極めて優れる。本着色剤を含有する本発明の着色組成物を用いれば、高温の加熱工程を経ても、優れた色度特性を保持する着色層を形成することができる。
したがって、本着色剤は、カラー液晶表示素子用カラーフィルタ、固体撮像素子の色分解用カラーフィルタ、有機EL表示素子用カラーフィルタ、電子ペーパー用カラーフィルタを始めとする各種のカラーフィルタの作製に極めて好適に使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明について詳細に説明する。
着色組成物
以下、本発明の着色組成物の構成成分について詳細に説明する。
−(A)着色剤−
本発明の着色組成物は、(A)着色剤として本着色剤、即ち上記式(1)で表される着色剤を含有することを特徴とする。
【0021】
先ず、式(1)中のZ-について説明する。
-は、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基であれば特に限定されるものではないが、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸としては、例えば、ハロゲン化炭化水素基を有するスルホン酸(−SO3H)、スルホンイミド酸(−SO2NHSO2−)等を挙げることができる。本発明者らは、キサンテン系塩基性着色剤において、より酸性度の強い有機酸の共役塩基をアニオン部として導入することにより、イオン結合力が強められ着色剤の耐熱性が高められるものと考え、本着色剤を完成した。
-の具体例としては、下記式(1a)で表されるアニオン、下記式(1b)で表されるアニオン等を挙げることができる。
【0022】
【化3】

【0023】
これらアニオンを有する着色剤のうち、下記式(3)で表わされる着色剤は、新規な着色剤である。
+(R1SO3-) (3)
【0024】
次に、式(1a)、(1b)及び(3)中の記号の定義を説明する。
1及びR2は、連結基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基を示すが、その骨格をなす炭化水素基としては、例えば、(1)脂肪族炭化水素基、(2)脂環式炭化水素基、(3)置換基として脂環式炭化水素基を有する脂肪族炭化水素基(以下、「脂環式炭化水素置換脂肪族炭化水素基」と称する)、(4)芳香族炭化水素基、(5)置換基として脂肪族炭化水素基を有する芳香族炭化水素基(以下、「脂肪族炭化水素置換芳香族炭化水素基」と称する)、(6)置換基として芳香族炭化水素基を有する脂肪族炭化水素基(以下、「芳香族炭化水素置換脂肪族炭化水素基」と称する)等を挙げることができる。R1及びR2の骨格をなす炭化水素基としては、有機溶媒に対する溶解性の観点から、以下の特性基であることが好ましい。
【0025】
即ち、上記(1)脂肪族炭化水素基としては、アルキル基が好ましく、その炭素数としては、1〜20であることが好ましく、特に1〜8であることが好ましい。また、上記(2)脂環式炭化水素基としては、脂環式飽和炭化水素基が好ましく、その炭素数としては、3〜20であることが好ましく、特に3〜12であることが好ましい。また、上記(3)脂環式炭化水素置換脂肪族炭化水素基としては、脂環式飽和炭化水素置換アルキル基が好ましく、その総炭素数としては、4〜20であることが好ましく、特に6〜14であることが好ましい。また、上記(4)芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜14(より好ましくは炭素数6〜10)が好ましく、特にフェニル基が好ましい。また、上記(5)脂肪族炭化水素置換芳香族炭化水素基としては、アルキル置換フェニル基が好ましく、その総炭素数としては、7〜30であることが好ましく、特に7〜20であることが好ましい。また、上記(6)芳香族炭化水素置換脂肪族炭化水素基としては、アラルキル基が好ましく、その総炭素数としては、7〜30であることが好ましく、特に7〜20であることが好ましい。なお、本段落におけるアルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
【0026】
これらのうち、R1及びR2の骨格をなす炭化水素基としては、(1)脂肪族炭化水素基、(3)脂環式炭化水素置換脂肪族炭化水素基、(4)芳香族炭化水素基(5)脂肪族炭化水素置換芳香族炭化水素基又は(6)芳香族炭化水素置換脂肪族炭化水素基が好ましく、アルキル基、脂環式飽和炭化水素置換アルキル基、フェニル基、アルキル置換フェニル基、アラルキル基がより好ましく、特にアルキル基が好ましい。なお、式(1b)においては、R2同士が互いに結合して2価の炭化水素基を形成してもよい。
【0027】
また、R1及びR2において、ハロゲン化炭化水素基中のハロゲンとしては、着色剤の耐熱性の観点から、フッ素原子が好ましい。置換基としてフッ素原子を選択することにより、本着色剤のアニオン部がより酸性度の強い有機酸の共役塩基となることから、イオン結合力のより強い塩が形成されて耐熱性が高められると考えられる。
【0028】
また、R1及びR2において、連結基としては、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−CONH−、−SO2−等を挙げることができる。そして、本明細書の段落〔0025〕でいうところの炭素数は、該連結基を構成する炭素原子を除いた部分の総炭素数を意味する。
【0029】
本発明において、着色剤の耐熱性の観点から、R1及びR2としては、下記式(1−1)又は(1−2)で表される基が好ましく、特に、より酸性度の強い有機酸の共役塩基を形成する下記式(1−1)で表される基が好ましい。
【0030】
【化4】

【0031】
〔式(1−1)において、R19は水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ化アルキル基、脂環式炭化水素基、アルコキシ基、フッ化アルコキシ基、R20COOR21−又はR20COOR21CFH−(R20はアルキル基、脂環式炭化水素基、ヘテロアリール基又は置換若しくは非置換のアリール基を示し、R21はメチレン基又はアルキレン基を示す。)を示し、nは1以上の整数を示し、「*」は結合手であることを示す。〕
【0032】
【化5】

【0033】
〔式(1−2)において、R14〜R18は、相互に独立に、水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、フッ化アルキル基又はアルコキシ基を示し、「*」は結合手であることを示す。但し、R14〜R18のうち少なくとも1つは、フッ素原子又はフッ化アルキル基である。〕
【0034】
式(1−1)において、R19としては、フッ素原子、フッ化アルキル基、脂環式炭化水素基、フッ化アルコキシ基、R20COOR21−又はR20COOR21CFH−が好ましく、特にフッ素原子、脂環式炭化水素基、パーフルオロアルコキシ基、R20COOCH2CH2−又はR20COOCH2CH2CFH−が好ましい。
20はアルキル基、脂環式炭化水素基、ヘテロアリール基又は置換若しくは非置換のアリール基を示すが、アルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、アルキル基の炭素数は1〜12(より好ましくは1〜8)であることが好ましい。脂環式炭化水素基は2〜4環の橋かけ脂環式炭化水素基でもよく、脂環式炭化水素基の炭素数は3〜20(より好ましくは3〜12)であることが好ましい。ヘテロアリール基としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1以上のヘテロ原子を含む5〜10員の芳香族複素環から構成される基が好ましい。アリール基としては、炭素数6〜14(より好ましくは炭素数6〜10)のアリール基が好ましく、特にフェニル基が好ましい。なお、置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基が挙げられ、置換基の位置及び数は任意であり、置換基を2以上有する場合、当該置換基は同一でも異なっていてもよい。
また、R21はメチレン基又はアルキレン基を示すが、メチレン基又は炭素数2〜6のアルキレン基が好ましく、製造し易さの点から、特にエチレン基が好ましい。
なお、nの上限は、10が好ましく、8がより好ましい。
また、式(1−2)においては、R14〜R18のうち少なくとも3つがフッ素原子又はフッ化アルキル基であることが好ましい。なお、式(1b)においては、R2同士が互いに結合してフッ化アルキレン基、特にパーフルオロアルキレン基を形成することも好ましい。
【0035】
上記式(1−1)又は(1−2)で表されるアニオンの代表例としては、例えば、下記化合物群a及び化合物群bに示すアニオンを挙げることができる。
【0036】
【化6】

【0037】
【化7】

【0038】
次に、式(1)及び(3)中のX+について説明する。
+は、キサンテン系発色団、即ちキサンテン構造を有するカチオンであれば特に限定されるものではないが、下記式(2)で表わされるものが好ましい。なお、下記式(2)で表わされるカチオンには種々の共鳴構造が存在するが、本明細書においては、各式で表わされるカチオンに共鳴構造が存在する場合には当該式で表わされるカチオンと同等のものとする。
【0039】
【化8】

【0040】
〔式(2)において、
3、R4、R5及びR6は、相互に独立に、水素原子、−R10又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を示す。但し、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、−R10、−OH、−OR10、−SO3H、−SO3M、−CO2H、−CO210、−SO310、−SO2NHR11又は−SO2NR1112で置換されていてもよい。
7及びR8は、相互に独立に、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。
9は、−SO3H、−SO3M、−CO2H、−CO210、−SO310、−SO2NHR11又は−SO2NR1112を示す。
mは、0〜5の整数を示す。mが2以上の整数である場合、複数のR9は、同一であっても異なっていてもよい。
10は、炭素数1〜10の飽和炭化水素基を示す。但し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、また飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、カルボニル基又は−NR10−で置換されていてもよい。
11及びR12は、相互に独立に、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数3〜30のシクロアルキル基又は−Qを示すか、あるいはR11及びR12が互いに結合して形成される炭素数1〜10の複素環基を示す。但し、該アルキル基及びシクロアルキル基に含まれる水素原子は、水酸基、ハロゲン原子、−Q、−CH=CH2又は−CH=CHR10で置換されていてもよく、また該アルキル基及びシクロアルキル基に含まれるメチレン基は、酸素原子、カルボニル基又は−NR10−で置換されていてもよく、該複素環基に含まれる水素原子は、−R10、−OH又は−Qで置換されていてもよい。
Mは、ナトリウム原子又はカリウム原子を示す。
Qは、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又は炭素数5〜10の芳香族複素環基を示す。但し、該芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基に含まれる水素原子は、−OH、R10、−OR10、−NO2、−CH=CH2、−CH=CHR10又はハロゲン原子で置換されていてもよい。〕
【0041】
10における飽和炭化水素基は、炭素数が1〜10であれば、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、橋かけ構造を有していてもよい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デカニル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基、トリシクロデカニル基等の橋かけ脂環式炭化水素基を挙げることができる。飽和炭化水素基に含まれる水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、カルボニル基又は−NR10−で置換されていてもよい。例えば、飽和炭化水素基に含まれるメチレン基が酸素原子で置換された基として、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、ヘキシロキシプロピル基、メトキシヘキシル基、エトキシプロピル基等を挙げることができる。
【0042】
3、R4、R5、R6及びQにおける芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜10であれば特に限定されないが、例えば、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。また、該芳香族炭化水素基の置換基として挙げられるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
3、R4、R5、R6及びR9における−SO310としては、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、ヘキサンスルホニル基、デカンスルホニル基等が挙げられる。
3、R4、R5、R6及びR9における−CO210としては、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、シクロヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、シクロオクチルオキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デカニルオキシカルボニル基、トリシクロデカニルオキシカルボニル基、メトキシプロピルオキシカルボニル基、エトキシプロピルオキシカルボニル基、ヘキシロキシプロピルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシロキシプロピルオキシカルボニル基、メトキシヘキシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
【0043】
3、R4、R5、R6及びR9における−SO2NHR11としては、スルファモイル基、メタンスルファモイル基、エタンスルファモイル基、プロパンスルファモイル基、イソプロパンスルファモイル基、ブタンスルファモイル基、イソブタンスルファモイル基、ペンタンスルファモイル基、イソペンタンスルファモイル基、ネオペンタンスルファモイル基、シクロペンタンスルファモイル基、ヘキサンスルファモイル基、シクロヘキサンスルファモイル基、ヘプタンスルファモイル基、シクロヘプタンスルファモイル基、オクタンスルファモイル基、2−エチルヘキサンスルファモイル基、1,5−ジメチルヘキサンスルファモイル基、シクロオクタンスルファモイル基、ノナンスルファモイル基、デカンスルファモイル基、トリシクロデカンスルファモイル基、メトキシプロパンスルファモイル基、エトキシプロパンスルファモイル基、プロポキシプロパンスルファモイル基、イソプロポキシプロパンスルファモイル基、ヘキシロキシプロパンスルファモイル基、2−エチルヘキシロキシプロパンスルファモイル基、メトキシヘキサンスルファモイル基、3−フェニル−1−メチルプロパンスルファモイル基等が挙げられる。
【0044】
3、R4、R5、R6及びR9における−SO2NHR11及び−SO2NR1112としては、さらに下記の置換基群aから置換基群uで表される基を挙げることができる。
【0045】
【化9】

【0046】
【化10】

【0047】
【化11】

【0048】
【化12】

【0049】
上記置換基群d中、X1は、ハロゲン原子を表す。X1におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子が挙げられる。
【0050】
【化13】

【0051】
【化14】

【0052】
【化15】

【0053】
【化16】

【0054】
上記置換基群h中、X3は、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を表し、該アルキル基及びアルコキシ基の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のアルキル基としては、パーフルオロメチル基等を挙げることができる。
炭素数1〜3のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。
【0055】
【化17】

【0056】
【化18】

【0057】
【化19】

【0058】
【化20】

【0059】
上記置換基群l中、X2は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子又はニトロ基を表し、該アルキル基及びアルコキシ基の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
ハロゲン原子としては、上記X1と同様のものが挙げられ、またハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基としては、上記X3と同様のものを挙げることができる。
【0060】
【化21】

【0061】
【化22】

【0062】
【化23】

【0063】
【化24】

【0064】
【化25】

【0065】
上記置換基群q中、X2は上記と同義である。
【0066】
【化26】

【0067】
【化27】

【0068】
【化28】

【0069】
【化29】

【0070】
上記置換基群u中、X3は上記と同義である。
【0071】
上記−SO2NHR11、−SO2NR1112におけるR11、R12としては、炭素数6〜8の分枝状アルキル基、炭素数5〜7の脂環式炭化水素基、アリル基、炭素数8〜10のアラルキル基、炭素数2〜8の水酸基含有アルキル基、炭素数2〜8のアルコキシ基含有アルキル基、アリール基が好ましく、炭素数6〜8の分枝状アルキル基がより好ましく、2−エチルヘキシル基が特に好ましい。
【0072】
3、R4、R5及びR6における炭素数6〜10の芳香族炭化水素基の置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、アリール基、アルキル置換フェニル基、−SO310又は−SO2NHR11が好ましく、エチル基、プロピル基、ジメチルフェニル基、−SO310又は−SO2NHR11がより好ましい。
【0073】
3、R4、R5及びR6における置換基を有する炭素数6〜10の芳香族炭化水素基の具体例としては、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、デカニルフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ヘキシロキシフェニル基、デカニロキシフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基等が挙げられる。
【0074】
3及びR4のうちの少なくとも1つ、又は、R5及びR6のうちの少なくとも1つが、炭素数1〜4のアルキル基又は置換されていてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であることが好ましい。
3及びR4のうちの少なくとも1つ、かつ、R5及びR6のうちの少なくとも1つが、置換されていてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であることが更に好ましい。
9は、カルボキシル基、エチルオキシカルボニル基、スルホキシル基、2−エチルヘキシロキシプロパンスルファモイル基、1,5−ジメチルヘキサンスルファモイル基、3−フェニル−1−メチルプロパンスルファモイル基又はイソプロポキシプロパンスルファモイル基であることが好ましい。
【0075】
上記式(2)で表されるカチオンとしては、下記式(1−1)、(1−2)、(1−3)又は(1−4)で表されるカチオンであることが好ましい。
【0076】
【化30】

【0077】
〔式(1−1)中、R3a、R4a、R5a及びR6aは、相互に独立に、水素原子、−R10又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を示し、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、−R10、−OH、−OR10、−SO3H、−SO3Na、−CO2H、−CO210、−SO310、−SO2NHR11又は−SO2NR1112で置換されていてもよい。
9aは、−SO3H、−SO2NHR11又は−SO2NR1112を示す。
9bは、水素原子、−SO3H、−SO2NHR11又は−SO2NR1112を示す。
10、R11及びR12は、上記と同義である。〕
【0078】
【化31】

【0079】
〔式(1−2)中、R3b、R4b、R5b及びR6bは、相互に独立に、水素原子、−R10b又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を示し、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、−R10b、−OH、−OR10b、−SO3-、−SO3Na、−CO2H、−CO210b、−SO3H、−SO310b又は−SO2NHR22で置換されていてもよい。
7b及びR8bは、相互に独立に、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。
9cは、−SO3Na、−CO2H、−CO210b、−SO3H又はSO2NHR22を示す。
10bは、炭素数1〜10の飽和炭化水素基を示し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、−OR10b又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
22は、水素原子、−R10b、−CO210b又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を示し、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−R10b又は−OR10bで置換されていてもよい。
mは、上記と同義である。〕
【0080】
【化32】

【0081】
〔式(1−3)中、R3c及びR5cは、相互に独立に、フェニル基を示し、該フェニル基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、−R10b、−OR10b、−CO210b、−SO310b又は−SO2NHR22で置換されていてもよい。
9dは、−SO2NHR22を示す。
9eは、水素原子又は−SO2NHR22を示す。
10b及びR22は、上記と同義である。〕
【0082】
【化33】

【0083】
〔式(1−4)中、R3d及びR5dは、相互に独立に、フェニル基を示し、該フェニル基に含まれる水素原子は、−R10b、又は−SO2NHR22で置換されていてもよい。
9fは、−SO2NHR22を示す。
10b及びR22は、上記と同義である。〕
【0084】
式(1)中のX+の具体例としては、下記の化合物群c及び化合物群dに示すカチオン等を挙げることができる。
【0085】
【化34】

【0086】
【化35】

【0087】
本着色剤は、公知の方法により製造することが可能であり、例えば、特表2007−503477号公報の実施例と同様の方法により製造することができる。特表2007−503477号公報の実施例のように塩交換反応により本着色剤を製造する場合、上記式(1a)で表されるアニオン又は上記式(1b)で表されるアニオンの塩が必要となるが、該塩としては、市販品を用いてもよく、公知の方法、例えば、特開2008−7410号公報の段落〔0149〕〜〔0153〕に記載の方法により合成したものを用いてもよい。
本発明において、本着色剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0088】
本発明の着色組成物は、(A)着色剤として更に本着色剤とは異なる他の着色剤を含有することができる。他の着色剤としては、特に限定されるものではないが、本着色剤と赤色の他の着色剤を併用して赤色画素形成用の着色組成物とするか、本着色剤と青色の他の着色剤を併用して青色画素形成用の着色組成物とすることが好ましい。また、他の着色剤として、顔料、染料及び天然色素の何れをも使用することができるが、カラーフィルタを構成する着色層には高い色純度、輝度、コントラスト、遮光性等が求められることから、顔料及び/又は染料を使用することが好ましい。
【0089】
他の着色剤としての赤色の着色剤としては、赤色の有機顔料が好ましく、例えば、下記のようなカラーインデックス(C.I.)名が付されているものを挙げることができる。
C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド262、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド272。
【0090】
これらのうち、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド254よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、特にC.I.ピグメントレッド177及びC.I.ピグメントレッド254よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0091】
本着色剤と赤色の他の着色剤を併用して赤色画素形成用の着色組成物とする場合、本着色剤の含有割合は、全着色剤中、好ましくは1〜30質量%、さらに好ましくは3〜15質量%である。また、この場合、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントオレンジ38等の黄色や橙色の着色剤を更に使用することもできる。
【0092】
また、他の着色剤としての青色の着色剤としては、青色の有機顔料及び/又は有機染料が好ましく、青色の有機顔料としては、例えば、下記のようなカラーインデックス(C.I.)名が付されているものを挙げることができる。
C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー9、C.I.ピグメントブルー10、C.I.ピグメントブルー14、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー17:1、C.I.ピグメントブルー24、C.I.ピグメントブルー24:1、C.I.ピグメントブルー56、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー61、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー80。
【0093】
また、他の着色剤としての青色の有機染料としては、カラーインデックス(C.I.)名でC.I.ソルベントブルー35、C.I.ソルベントブルー37、C.I.ソルベントブルー59、C.I.ソルベントブルー67、C.I.アシッドブルー80、C.I.アシッドブルー83、C.I.アシッドブルー90、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー7、C.I.ベーシックブルー9、C.I.ベーシックブルー11等を挙げることができる。
【0094】
これらのうち、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー9、C.I.ピグメントブルー10、C.I.ピグメントブルー14、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ベーシックブルー7、C.I.ベーシックブルー11よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、特にC.I.ピグメントブルー15:6が好ましい。
【0095】
本着色剤と青色の他の着色剤を併用して青色画素形成用の着色組成物とする場合、本着色剤の含有割合は、全着色剤中、好ましくは3〜70質量%、さらに好ましくは3〜50質量%である。また、この場合、C.I.ピグメントバイオレット23等の紫色の着色剤を更に使用することもできる。
【0096】
本発明において着色剤として顔料を使用する場合、顔料を、再結晶法、再沈殿法、溶剤洗浄法、昇華法、真空加熱法又はこれらの組み合わせにより精製して使用することもできる。また、顔料は、所望により、その粒子表面を樹脂で改質して使用してもよい。顔料の粒子表面を改質する樹脂としては、例えば、特開2001−108817号公報に記載のビヒクル樹脂、又は市販の各種の顔料分散用の樹脂が挙げられる。また、有機顔料は、いわゆるソルトミリングにより、一次粒子を微細化して使用することが好ましい。ソルトミリングの方法としては、例えば、特開平08−179111号公報に開示されている方法を採用することができる。
【0097】
(A)着色剤の含有割合は、輝度が高く色純度に優れる画素、あるいは遮光性に優れるブラックマトリックスを形成する点から、通常、着色組成物の固形分中に5〜70質量%、好ましくは5〜60質量%である。ここでいう固形分とは、後述する溶媒以外の成分である。
【0098】
本発明において着色剤として顔料を使用する場合、所望により、分散剤、分散助剤と共に使用することができる。上記分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系等の適宜の分散剤を使用することができるが、ポリマー分散剤が好ましい。具体的には、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系分散剤、ポリエチレングリコールジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪酸エステル系分散剤、ポリエステル系分散剤、アクリル系分散剤等を挙げることができる。
【0099】
このような分散剤は商業的に入手することができ、例えば、アクリル系分散剤として、Disperbyk−2000、Disperbyk−2001、BYK−LPN6919、BYK−LPN21116、BYK−LPN21324(以上、ビックケミー(BYK)社製)、ウレタン系分散剤として、Disperbyk−161、Disperbyk−162、Disperbyk−165、Disperbyk−167、Disperbyk−170、Disperbyk−182(以上、ビックケミー(BYK)社製)、ソルスパース76500(ルーブリゾール(株)社製)、ポリエチレンイミン系分散剤として、ソルスパース24000(ルーブリゾール(株)社製)、ポリエステル系分散剤として、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB880、アジスパーPB881(味の素ファインテクノ株式会社製)等を挙げることができる。
また、上記分散助剤としては、例えば、顔料誘導体を挙げることができ、具体的には、銅フタロシアニン、ジケトピロロピロール、キノフタロンのスルホン酸誘導体等を挙げることができる。なお、分散剤及び分散助剤の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲内で適宜決定することが可能である。
【0100】
−(B)バインダー樹脂−
本発明におけるバインダー樹脂としては、特に限定されるものではないが、カルボキシル基、フェノール性水酸基等の酸性官能基を有する樹脂であることが好ましい。中でも、カルボキシル基を有する重合体(以下、「カルボキシル基含有重合体」という。)が好ましく、例えば、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(b1)」という。)と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(b2)」という。)との共重合体を挙げることができる。
【0101】
上記不飽和単量体(b1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、p−ビニル安息香酸等を挙げることができる。
これらの不飽和単量体(b1)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0102】
また、上記不飽和単量体(b2)としては、例えば、
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドの如きN−位置換マレイミド;
スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、アセナフチレンの如き芳香族ビニル化合物;
【0103】
メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコール(n=2〜10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングルコール(n=2〜10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜10)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2〜10)モノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕オキセタン、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−3−エチルオキセタンの如き(メタ)アクリル酸エステル;
【0104】
シクロヘキシルビニルエーテル、イソボルニルビニルエーテル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルビニルエーテル、ペンタシクロペンタデカニルビニルエーテル、3−(ビニルオキシメチル)−3−エチルオキセタンの如きビニルエーテル;
ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサンの如き重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー等を挙げることができる。
これらの不飽和単量体(b2)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0105】
不飽和単量体(b1)と不飽和単量体(b2)の共重合体において、該共重合体中の不飽和単量体(b1)の共重合割合は、好ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜40質量%である。このような範囲で不飽和単量体(b1)を共重合させることにより、アルカリ現像性及び保存安定性に優れた着色組成物を得ることができる。
【0106】
不飽和単量体(b1)と不飽和単量体(b2)の共重合体の具体例としては、例えば、特開平7−140654号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−31308号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−174224号公報、特開平11−258415号公報、特開2000−56118号公報、特開2004−101728号公報等に開示されている共重合体を挙げることができる。
【0107】
また、本発明においては、例えば、特開平5−19467号公報、特開平6−230212号公報、特開平7−207211号公報、特開平09−325494号公報、特開平11−140144号公報、特開2008−181095号公報等に開示されているように、側鎖に(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和結合を有するカルボキシル基含有重合体を、バインダー樹脂として使用することもできる。
【0108】
本発明におけるバインダー樹脂は、GPC(溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、通常、1,000〜100,000、好ましくは3,000〜50,000である。Mwが小さすぎると、得られる被膜の残膜率等が低下したり、パターン形状、耐熱性等が損なわれたり、また電気特性が悪化するおそれがあり、一方大きすぎると、解像度が低下したり、パターン形状が損なわれたり、またスリットノズル方式による塗布時に乾燥異物が発生し易くなるおそれがある。
【0109】
また、本発明におけるバインダー樹脂の重量平均分子量と、GPC(溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.0〜3.0である。
【0110】
本発明におけるバインダー樹脂は、公知の方法により製造することができるが、例えば、特開2003−222717号公報、特開2006−259680号公報、国際公開第07/029871号パンフレット等に開示されている方法により、その構造やMw、Mw/Mnを制御することもできる。
【0111】
本発明において、バインダー樹脂は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0112】
本発明において、バインダー樹脂の含有量は、(A)着色剤100質量部に対して、通常、10〜1,000質量部、好ましくは20〜500質量部である。バインダー樹脂の含有量が少なすぎると、例えば、アルカリ現像性が低下したり、得られる着色組成物の保存安定性が低下したりするおそれがあり、一方多すぎると、相対的に着色剤濃度が低下するため、薄膜として目的とする色濃度を達成することが困難となるおそれがある。
【0113】
−(C)架橋剤−
本発明において(C)架橋剤とは、2個以上の重合可能な基を有する化合物をいう。重合可能な基としては、例えば、エチレン性不飽和基、オキシラニル基、オキセタニル基、N−アルコキシメチルアミノ基等を挙げることができる。本発明において、(C)架橋剤としては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物及び/又は2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物が好ましい。
【0114】
上記2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の具体例としては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートを反応させて得られる多官能ウレタン(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートと酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0115】
ここで、上記脂肪族ポリヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールの如き2価の脂肪族ポリヒドロキシ化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールの如き3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物を挙げることができる。上記水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールジメタクリレート等を挙げることができる。上記多官能イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。酸無水物としては、例えば、無水こはく酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸の如き二塩基酸の無水物、無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物の如き四塩基酸二無水物を挙げることができる。
【0116】
また、上記カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、特開平11−44955号公報の段落〔0015〕〜〔0018〕に記載されている化合物を挙げることができる。上記アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールAのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸のエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0117】
また、上記2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物としては、例えば、メラミン構造、ベンゾグアナミン構造、ウレア構造を有する化合物等を挙げることができる。なお、メラミン構造、ベンゾグアナミン構造とは、1以上のトリアジン環又はフェニル置換トリアジン環を基本骨格として有する化学構造をいい、メラミン、ベンゾグアナミン又はそれらの縮合物をも含む概念である。2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物の具体例としては、N,N,N',N',N'',N''−ヘキサ(アルコキシメチル)メラミン、N,N,N',N'−テトラ(アルコキシメチル)ベンゾグアナミン、N,N,N',N'−テトラ(アルコキシメチル)グリコールウリル等を挙げることができる。
【0118】
これらの架橋剤のうち、3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレート、多官能ウレタン(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート、N,N,N',N',N'',N''−ヘキサ(アルコキシメチル)メラミン、N,N,N',N'−テトラ(アルコキシメチル)ベンゾグアナミンが好ましい。3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレートの中では、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが、カルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートの中では、ペンタエリスリトールトリアクリレートと無水こはく酸を反応させて得られる化合物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートと無水こはく酸を反応させて得られる化合物が、着色層の強度が高く、着色層の表面平滑性に優れ、かつ未露光部の基板上及び遮光層上に地汚れ、膜残り等を発生し難い点で特に好ましい。
本発明において、(C)架橋剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0119】
本発明における(C)架橋剤の含有量は、(A)着色剤100質量部に対して、10〜1,000質量部が好ましく、特に20〜500質量部が好ましい。この場合、架橋剤の含有量が少なすぎると、十分な硬化性が得られないおそれがある。一方、架橋剤の含有量が多すぎると、本発明の着色組成物にアルカリ現像性を付与した場合に、アルカリ現像性が低下し、未露光部の基板上あるいは遮光層上に地汚れ、膜残り等が発生しやすくなる傾向がある。
【0120】
−(D)光重合開始剤−
本発明の着色組成物には、(D)光重合開始剤を含有せしめることができる。これにより、着色組成物に感放射線性を付与することができる。本発明に用いる(D)光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の露光により、上記(C)架橋剤の重合を開始しうる活性種を発生する化合物である。
【0121】
このような光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物、オニウム塩系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、ジアゾ系化合物、イミドスルホナート系化合物等を挙げることができる。
【0122】
本発明において、光重合開始剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。光重合開始剤としては、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物の群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0123】
本発明における好ましい光重合開始剤のうち、チオキサントン系化合物の具体例としては、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等を挙げることができる。
【0124】
また、上記アセトフェノン系化合物の具体例としては、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン等を挙げることができる。
【0125】
また、上記ビイミダゾール系化合物の具体例としては、2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール等を挙げることができる。
【0126】
なお、光重合開始剤としてビイミダゾール系化合物を用いる場合、水素供与体を併用することが、感度を改良することができる点で好ましい。ここでいう「水素供与体」とは、露光によりビイミダゾール系化合物から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物を意味する。水素供与体としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール等のメルカプタン系水素供与体、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン系水素供与体を挙げることができる。本発明において、水素供与体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、1種以上のメルカプタン系水素供与体と1種以上のアミン系水素供与体とを組み合わせて使用することが、さらに感度を改良することができる点で好ましい。
【0127】
また、上記トリアジン系化合物の具体例としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル基を有するトリアジン系化合物を挙げることができる。
【0128】
また、O−アシルオキシム系化合物の具体例としては、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等を挙げることができる。
【0129】
本発明において、アセトフェノン系化合物等のビイミダゾール系化合物以外の光重合開始剤を用いる場合には、増感剤を併用することもできる。このような増感剤としては、例えば、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等を挙げることができる。
【0130】
本発明において、光重合開始剤の含有量は、(C)架橋剤100質量部に対して、0.01〜120質量部が好ましく、特に1〜100質量部が好ましい。この場合、光重合開始剤の含有量が少なすぎると、露光による硬化が不十分となるおそれがあり、一方多すぎると、形成された着色層が現像時に基板から脱落しやすくなる傾向がある。
【0131】
−(E)溶媒−
本発明の着色組成物は、上記(A)〜(C)成分、及び任意的に加えられる他の成分を含有するものであるが、通常、溶媒を配合して液状組成物として調製される。
上記溶媒としては、着色組成物を構成する(A)〜(C)成分や他の成分を分散又は溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
【0132】
このような溶媒としては、例えば、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
【0133】
乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール等の(シクロ)アルキルアルコール類;
ジアセトンアルコール等のケトアルコール類;
【0134】
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;
【0135】
プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート等のジアセテート類;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート等のアルコキシカルボン酸エステル類;
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド又はラクタム類
等を挙げることができる。
【0136】
これらの溶媒のうち、溶解性、顔料分散性、塗布性等の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸エチル等が好ましい。
本発明において、溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0137】
溶媒の含有量は、特に限定されるものではないが、得られる着色組成物の塗布性、安定性等の観点から、当該着色組成物から溶媒を除いた各成分の合計濃度が、5〜50質量%となる量が好ましく、特に10〜40質量%となる量が好ましい。
【0138】
−添加剤−
本発明の着色組成物は、必要に応じて、種々の添加剤を含有することもできる。
添加剤としては、例えば、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリ(フロオロアルキルアクリレート)類等の高分子化合物;フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤;マロン酸、アジピン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、メサコン酸、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、5−アミノ−1−ペンタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−1,2−ブタンジオール等の残渣改善剤;こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の現像性改善剤;特開2008−242078号公報等に開示されている反応性官能基を有するシロキサンオリゴマー等を挙げることができる。
【0139】
本発明の着色組成物は、適宜の方法により調製することができ、その調製方法としては、例えば、特開2008−58642号公報、特開2010−132874号公報等に開示されている方法を挙げることができる。着色剤として本着色剤と顔料の両方を使用する場合、特開2010−132874号公報に開示されているように、本着色剤を含む染料溶液を第1のフィルタに通した後、第1のフィルタを通過した染料溶液を、別途調製した顔料分散液等と混合し、得られた着色組成物を第2のフィルタに通すことにより調製する方法が好ましい。また、本着色剤を含む染料と、上記(B)〜(C)成分、並びに必要に応じて上記(D)成分及び添加剤成分を(E)溶媒に溶解し、得られた溶液を第1のフィルタに通した後、第1のフィルタを通過した溶液を、別途調製した顔料分散液と混合し、得られた着色組成物を第2のフィルタに通すことにより調製する方法も好ましい。また、本着色剤を含む染料溶液を第1のフィルタに通した後、第1のフィルタを通過した染料溶液と、上記(B)〜(C)成分、並びに必要に応じて上記(D)〜(E)成分及び添加剤成分を混合・溶解し、得られた溶液を第2のフィルタに通し、更に第2のフィルタを通過した溶液を、別途調製した顔料分散液と混合し、得られた着色組成物を第3のフィルタに通すことにより調製する方法も好ましい。
【0140】
カラーフィルタ及びその製造方法
本発明のカラーフィルタは、本着色剤を含有する着色層を備えるものである。
【0141】
カラーフィルタを製造する方法としては、第一に次の方法が挙げられる。まず、基板の表面上に、必要に応じて、画素を形成する部分を区画するように遮光層(ブラックマトリックス)を形成する。次いで、この基板上に、例えば、本着色剤を含有する青色の感放射線性組成物の液状組成物を塗布したのち、プレベークを行って溶媒を蒸発させ、塗膜を形成する。次いで、この塗膜にフォトマスクを介して露光したのち、アルカリ現像液を用いて現像して、塗膜の未露光部を溶解除去する。その後、ポストベークすることにより、青色の画素パターンが所定の配列で配置された画素アレイを形成する。
【0142】
次いで、緑色又は赤色の各着色感放射線性組成物を用い、上記と同様にして、各着色感放射線性組成物の塗布、プレベーク、露光、現像及びポストベークを行って、緑色の画素アレイ及び赤色の画素アレイを同一基板上に順次形成する。これにより、赤色、緑色及び青色の三原色の画素アレイが基板上に配置されたカラーフィルタが得られる。但し、本発明においては、各色の画素を形成する順序は、上記のものに限定されない。
【0143】
また、ブラックマトリックスは、スパッタや蒸着により成膜したクロム等の金属薄膜を、フォトリソグラフィー法を利用して所望のパターンとすることにより形成することができるが、黒色の着色剤が分散された着色感放射線性組成物を用いて、上記画素の形成の場合と同様にして形成することもできる。本発明の着色組成物は、かかるブラックトリックスの形成にも好適に使用することができる。
【0144】
カラーフィルタを形成する際に使用される基板としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。
【0145】
着色感放射線性組成物を基板に塗布する際には、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法等の適宜の塗布法を採用することができるが、特に、スピンコート法、スリットダイ塗布法を採用することが好ましい。
【0146】
プレベークは、通常、減圧乾燥と加熱乾燥を組み合わせて行われる。減圧乾燥は、通常50〜200Paに到達するまで行う。また、加熱乾燥の条件は、通常70〜110℃で1〜10分程度である。
【0147】
塗布厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.6〜8.0μm、好ましくは1.2〜5.0μmである。
【0148】
画素及び/又はブラックマトリックスを形成する際に使用される放射線の光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯等のランプ光源やアルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、XeClエキシマーレーザー、窒素レーザー等のレーザー光源等を挙げることができるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
【0149】
放射線の露光量は、一般的には10〜10,000J/m2が好ましい。
また、上記アルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の水溶液が好ましい。
【0150】
上記アルカリ現像液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像後は、通常、水洗する。
現像処理法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。現像条件は、常温で5〜300秒が好ましい。
【0151】
ポストベークの条件は、通常120〜280℃で10〜60分程度であるが、本着色剤の耐熱性の点から、ポストベークの温度は、好ましくは240℃以下、特に好ましくは230℃以下である。
このようにして形成された画素の膜厚は、通常0.5〜5.0μm、好ましくは1.0〜3.0μmである。
【0152】
また、カラーフィルタを製造する第二の方法として、特開平7−318723号公報、特開2000−310706号公報等に開示されている、インクジェット方式により各色の画素を得る方法を採用することができる。この方法においては、まず、基板の表面上に、遮光機能も兼ねた隔壁を形成する。次いで、形成された隔壁内に、例えば、本着色剤を含有する青色の着色組成物の液状組成物を、インクジェット装置により吐出したのち、プレベークを行って溶媒を蒸発させる。次いで、この塗膜を必要に応じて露光したのち、ポストベークすることにより硬化させ、青色の画素パターンを形成する。
【0153】
次いで、緑色又は赤色の各着色組成物を用い、上記と同様にして、緑色の画素パターン及び赤色の画素パターンを同一基板上に順次形成する。これにより、赤色、緑色及び青色の三原色の画素パターンが基板上に配置されたカラーフィルタが得られる。但し、本発明においては、各色の画素を形成する順序は、上記のものに限定されない。
【0154】
なお、上記隔壁は、遮光機能のみならず、区画内に吐出された各色の着色組成物が混色しないための機能も果たしているため、上記した第一の方法で使用されるブラックマトリックスに比べ、膜厚が厚い。したがって、隔壁は、通常、黒色感放射線性組成物を用いて形成される。
カラーフィルタを形成する際に使用される基板や放射線の光源、また、プレベークやポストベークの方法や条件は、上記した第一の方法と同様である。このようにして、インクジェット方式により形成された画素の膜厚は、隔壁の高さと同程度である。
【0155】
このようにして得られた画素パターン上に、必要に応じて保護膜を形成した後、透明導電膜をスパッタリングにより形成する。透明導電膜を形成した後、更にスペーサーを形成してカラーフィルタとすることもできる。スペーサーは、通常、感放射線性組成物を用いて形成されるが、遮光性を有するスペーサー(ブラックスペーサー)とすることもできる。この場合、黒色の着色剤が分散された着色感放射線性組成物が用いられるが、本発明の着色組成物は、かかるブラックスペーサーの形成にも好適に使用することができる。
このようにして得られる本発明のカラーフィルタは、輝度及び色純度が極めて高いため、カラー液晶表示素子、カラー撮像管素子、カラーセンサー、有機EL表示素子、電子ペーパー等に極めて有用である。
【0156】
表示素子
本発明の表示素子は、本発明のカラーフィルタを具備するものである。表示素子としては、カラー液晶表示素子、有機EL表示素子、電子ペーパー等を挙げることができる。
本発明のカラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子は、適宜の構造をとることができる。例えば、カラーフィルタを、薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板とは別の基板上に形成して、駆動用基板とカラーフィルタを形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造をとることができ、さらに薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板の表面上にカラーフィルタを形成した基板と、ITO(錫をドープした酸化インジュウム)電極を形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造をとることもできる。後者の構造は、開口率を格段に向上させることができ、明るく高精細な液晶表示素子が得られるという利点を有する。
【0157】
本発明のカラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子は、冷陰極蛍光管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)の他、白色LEDを光源とするバックライトユニットを具備することができる。白色LEDとしては、例えば、独立したスペクトルを有する赤色LEDと緑色LEDと青色LEDを用いて白色光を得る白色LED、赤色LEDと緑色LEDと青色LEDを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと赤色LEDと緑色蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと赤色発光蛍光体と緑色発光蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDとYAG系蛍光体の混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと橙色発光蛍光体と緑色発光蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、紫外線LEDと赤色発光蛍光体と緑色発光蛍光体と青色発光蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED等を挙げることができる。
【0158】
本発明のカラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子には、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、IPS(In−Planes Switching)型、VA(Vertical Alignment)型、OCB(Optically Compensated Birefringence)型等の適宜の液晶モードが適用できる。
【0159】
また、本発明のカラーフィルタを具備する有機EL表示素子は、適宜の構造を採ることが可能であり、例えば、特開平11−307242号公報に開示されている構造を挙げることができる。
【0160】
また、本発明のカラーフィルタを具備する電子ペーパーは、適宜の構造を採ることが可能であり、例えば、特開2007−41169号公報に開示されている構造を挙げることができる。
【実施例】
【0161】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
【0162】
<本着色剤の合成及び評価>
1.本着色剤の合成
合成例1
【0163】
【化36】

【0164】
攪拌子を投入したスクリュー管に、C.I.ベーシックレッド1を1.3g(2.71mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム(和光純薬社製)0.766g(4.07mmol)、クロロホルム20mL及び水10mLを加え、室温で7時間攪拌した。水層を分離除去後、有機層を2回水洗し減圧下で濃縮し、更に得られた固体を減圧乾燥することにより、青黒い固体1.61gを得た(収率72%)。これを化合物Aとする。化合物Aの1H−NMR(溶剤:重水素化クロロホルム)スペクトルは以下の通りであり、目的の化合物であることが確認された。
【0165】
1H−NMR:8.25(dd, 1H), 7.87(m, 2H), 7.70(t, 2H), 7.47(dd, 1H), 6.94(d, 3H), 6.81(s, 2H), 3.95(q, 2H), 3.50(quintet, 4H), 2.10(s, 6H), 1.27(t, 6H), 0.85(t, 3H,)
【0166】
合成例2
合成例1においてトリフルオロメタンスルホン酸カリウムに代えてノナフルオロブタンスルホン酸カリウム(和光純薬社製)を用いた以外は、合成例1と同様にして着色剤を合成し、1H−NMR(溶剤:重水素化クロロホルム)測定により、目的の化合物であることを確認した。これを化合物Bとする。化合物Bの1H−NMRスペクトルは以下の通りである。
【0167】
1H−NMR:8.32(d, 1H), 7.78(m, 2H), 7.28(dd, 1H), 6.81(d, 2H), 6.76(s, 2H), 6.68(s, 2H), 4.04(q, 2H), 3.51(quintet, 4H), 2.18(s, 6H), 1.38(t, 6H), 1.00(t, 3H,)
【0168】
合成例3
合成例1においてトリフルオロメタンスルホン酸カリウムに代えてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウムを用いた以外は、合成例1と同様にして着色剤を合成し、1H−NMR(溶剤:重水素化クロロホルム)測定により、目的の化合物であることを確認した。これを化合物Cとする。化合物Cの1H−NMRスペクトルは以下の通りである。
【0169】
1H−NMR:8.33(d, 1H), 7.79(m, 2H), 7.28(dd, 1H), 6.81(d, 2H), 6.76(d, 2H), 5.94(d, 2H), 4.04(q, 2H), 3.50(quintet, 4H), 2.15(s, 6H), 1.39(t, 6H), 1.01(t, 3H,)
【0170】
合成例4
合成例3においてC.I.ベーシックレッド1に代えてC.I.ベーシックレッド1:1を用いた以外は、合成例3と同様にして着色剤を合成し、1H−NMR(溶剤:重水素化クロロホルム)測定により、目的の化合物であることを確認した。これを化合物Dとする。化合物Dの1H−NMRスペクトルは以下の通りである。
【0171】
1H−NMR:8.33(d, 1H), 7.80(m 2H), 7.28(d, 1H), 6.77(d, 4H), 5.95(t, 2H), 3.66(s 3H), 3.49(quintet, 4H), 2.13(s, 6H), 1.38(t, 6H)
【0172】
合成例5
合成例3においてC.I.ベーシックレッド1に代えて、下記式(4)で表わされるC.I.ベーシックバイオレット10を用いた以外は、合成例3と同様にして着色剤を合成し、1H−NMR(溶剤:重水素化クロロホルム)測定により、目的の化合物であることを確認した。これを化合物Eとする。化合物Eの1H−NMRスペクトルは以下の通りである。
【0173】
【化37】

【0174】
1H−NMR:8.28(d, 1H), 7.77(t, 1H), 7.69(t, 1H), 7.26(dd, 2H), 7.02(d, 2H), 6.76-6.83(m 4H), 5.95(t, 2H), 3.58(q, 8H), 1.30(t, 12H)
【0175】
合成例6
合成例3においてC.I.ベーシックレッド1に代えて、下記式(5)で表わされるC.I.ベーシックバイオレット11:1を用いた以外は、合成例3と同様にして着色剤を合成し、1H−NMR(溶剤:重水素化クロロホルム)測定により、目的の化合物であることを確認した。これを化合物Fとする。化合物Fの1H−NMRスペクトルは以下の通りである。
【0176】
【化38】

【0177】
1H−NMR:8.31(d, 1H), 7.77(dt, 2H), 7.30(m, 1H), 7.06(m 2H), 6.83(d, 4H), 3.68(s 3H), 3.60(q, 8H), 1.32(t, 12H)
【0178】
合成例7
合成例3においてC.I.ベーシックレッド1に代えて、下記式(6)で表わされるC.I.ベーシックレッド3を用いた以外は、合成例3と同様にして着色剤を合成し、1H−NMR(溶剤:重水素化クロロホルム)測定により、目的の化合物であることを確認した。
【0179】
【化39】

【0180】
合成例8
合成例3においてC.I.ベーシックレッド1に代えて、下記式(7)で表わされるC.I.ベーシックレッド4を用いた以外は、合成例3と同様にして着色剤を合成し、1H−NMR(溶剤:重水素化クロロホルム)測定により、目的の化合物であることを確認した。
【0181】
【化40】

【0182】
合成例9
合成例3においてC.I.ベーシックレッド1に代えて、下記式(8)で表わされるC.I.ベーシックバイオレット11を用いた以外は、合成例3と同様にして着色剤を合成し、1H−NMR(溶剤:重水素化クロロホルム)測定により、目的の化合物であることを確認した。
【0183】
【化41】

【0184】
2.本着色剤の評価
合成例1で得られた化合物Aは、シクロヘキサノンに10質量%以上溶解し、その溶液は赤色を呈した。合成例2〜9で得られた着色剤は、いずれもシクロヘキサノンに10質量%以上溶解した。
また、合成例1〜9で得られた着色剤の、熱重量−示差熱同時測定分析に基づく5%質量減少温度は、いずれも250℃以上であった。一方、C.I.ベーシックレッド1、C.I.ベーシックレッド1:1、C.I.ベーシックレッド3、C.I.ベーシックレッド4、C.I.ベーシックバイオレット10、C.I.ベーシックバイオレット11、C.I.ベーシックバイオレット11:1の、熱重量−示差熱同時測定分析に基づく5%質量減少温度は、いずれも200℃未満であった。
【0185】
<顔料分散液の調製>
調製例1
着色剤としてC.I.ピグメントレッド177を15質量部、分散剤としてBYK−LPN21116(ビックケミー(BYK)社製)12.5質量部(固形分濃度=40質量%)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート72.5質量部を用いて、ビーズミルにより処理して、顔料分散液(A−1)を調製した。
【0186】
調製例2
着色剤としてC.I.ピグメントレッド177に代えてC.I.ピグメントレッド254を使用した以外は、調製例1と同様にして、顔料分散液(A−2)を調製した。
【0187】
<染料溶液の調製>
調製例3
着色剤として化合物Aを20質量部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル80質量部を混合し、染料溶液Aを調製した。
【0188】
調製例4
着色剤として化合物Bを20質量部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル80質量部を混合し、染料溶液Bを調製した。
【0189】
調製例5
着色剤として化合物Cを20質量部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル80質量部を混合し、染料溶液Cを調製した。
【0190】
調整例6
着色剤として化合物Dを20質量部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル80質量部を混合し、染料溶液Dを調製した。
【0191】
調製例7
着色剤として化合物Eを20質量部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル80質量部を混合し、染料溶液Eを調製した。
【0192】
調製例8
着色剤として化合物Fを20質量部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル80質量部を混合し、染料溶液Fを調製した。
【0193】
調製例9
着色剤としてC.I.ベーシックレッド1を20質量部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル80質量部を混合し、染料溶液Gを調製した。
【0194】
<バインダー樹脂の合成>
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100質量部を仕込んで窒素置換した。80℃に加熱して、同温度で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100質量部、メタクリル酸20質量部、スチレン10質量部、ベンジルメタクリレート5質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート23質量部、N−フェニルマレイミド12質量部、こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)15質量部及び2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6質量部の混合溶液を1時間かけて滴下し、この温度を保持して2時間重合した。その後、反応溶液の温度を100℃に昇温させ、さらに1時間重合することにより、バインダー樹脂溶液(固形分濃度=33質量%)を得た。得られたバインダー樹脂は、Mw=12,200、Mn=6,500であった。このバインダー樹脂を「バインダー樹脂(B1)」とする。
【0195】
<着色組成物の調製及び評価>
実施例1
顔料分散液(A−1)25.6質量部、顔料分散液(A−2)2.6質量部、染料溶液Aを2.2質量部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂(B1)溶液16.1質量部、架橋剤として東亞合成株式会社製M−402(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)5.5質量部と光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名IRGACURE369)2.2質量部、フッ素系界面活性剤としてDIC株式会社製メガファックF−554を0.2質量部、及び溶剤としてシクロヘキサノンを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物(CR1)を調製した。
【0196】
着色組成物(CR1)を、ガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布した後、80℃のホットプレートで10分間プレベークを行って塗膜を形成した。スピンコーターの回転数を変えて同様の操作により、膜厚の異なる3枚の塗膜を形成した。
次いで、これらの基板を室温に冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介さずに、各塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を2,000J/m2の露光量で露光した。その後、これらの基板に対して、23℃の0.04質量%水酸化カリウム水溶液からなる現像液を現像圧1kgf/cm2(ノズル径1mm)で吐出することにより、90秒間シャワー現像を行った。その後、この基板を超純水で洗浄し、風乾した後、更に230℃のクリーンオーブン内で30分間ポストベークを行うことにより、評価用硬化膜を形成した。
【0197】
得られた3枚の硬化膜について、カラーアナライザー(大塚電子(株)製MCPD2000)を用い、C光源、2度視野にて、CIE表色系における色度座標値(x,y)及び刺激値(Y)を測定した。また、得られた硬化膜の膜厚を、KLA−Tencor製アルファステップIQを用いて測定した。測定結果より、色度座標値x=0.655での色度座標値y、刺激値(Y)及び膜厚を求めた。評価結果を表1に示す。刺激値(Y)が大きいほど光透過率(輝度)が高く、膜厚が薄いほど着色力が高いことを示す。
【0198】
硬化膜が形成された基板を2枚の偏向板で挟み、背面側から蛍光灯(波長範囲380〜780nm)で照射しつつ前面側の偏向板を回転させ、輝度計LS−100(ミノルタ(株)製)により透過する光強度の最大値と最小値を測定した。そして、各々の硬化膜について、最大値を最小値で除した値をコントラスト比とした。測定結果より、色度座標値x=0.655でのコントラスト比を求めた。評価結果を表1に示す。
【0199】
実施例2
顔料分散液(A−1)23.6質量部、顔料分散液(A−2)2.6質量部、染料溶液Bを3.2質量部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂(B1)溶液16.1質量部、架橋剤として東亞合成株式会社製M−402(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)5.5質量部と光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名IRGACURE369)2.2質量部、フッ素系界面活性剤としてDIC株式会社製メガファックF−554を0.2質量部、及び溶剤としてシクロヘキサノンを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物(CR2)を調製した。
着色組成物(CR1)に代えて着色組成物(CR2)を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0200】
実施例3
顔料分散液(A−1)22.3質量部、顔料分散液(A−2)1.6質量部、染料溶液Cを1.2質量部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂(B1)溶液16.1質量部、架橋剤として東亞合成株式会社製M−402(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)5.5質量部と光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名IRGACURE369)2.2質量部、フッ素系界面活性剤としてDIC株式会社製メガファックF−554を0.2質量部、及び溶剤としてシクロヘキサノンを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物(CR3)を調製した。
着色組成物(CR1)に代えて着色組成物(CR3)を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0201】
実施例4
顔料分散液(A−1)24.3質量部、顔料分散液(A−2)2.6質量部、染料溶液Dを1.3質量部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂(B1)溶液16.1質量部、架橋剤として東亞合成株式会社製M−402(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)5.5質量部と光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名IRGACURE369)2.2質量部、フッ素系界面活性剤としてDIC株式会社製メガファックF−554を0.2質量部、及び溶剤としてシクロヘキサノンを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物(CR4)を調製した。
着色組成物(CR1)に代えて着色組成物(CR4)を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0202】
実施例5
顔料分散液(A−1)22.6質量部、顔料分散液(A−2)5.6質量部、染料溶液Eを3.2質量部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂(B1)溶液16.1質量部、架橋剤として東亞合成株式会社製M−402(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)5.5質量部と光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名IRGACURE369)2.2質量部、フッ素系界面活性剤としてDIC株式会社製メガファックF−554を0.2質量部、及び溶剤としてシクロヘキサノンを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物(CR5)を調製した。
着色組成物(CR1)に代えて着色組成物(CR5)を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0203】
実施例6
顔料分散液(A−1)24.2質量部、顔料分散液(A−2)4.6質量部、染料溶液Fを2.2質量部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂(B1)溶液16.1質量部、架橋剤として東亞合成株式会社製M−402(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)5.5質量部と光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名IRGACURE369)2.2質量部、フッ素系界面活性剤としてDIC株式会社製メガファックF−554を0.2質量部、及び溶剤としてシクロヘキサノンを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物(CR6)を調製した。
着色組成物(CR1)に代えて着色組成物(CR6)を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0204】
比較例1
顔料分散液(A−1)22.1質量部、顔料分散液(A−2)4.5質量部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂(B1)溶液16.1質量部、架橋剤として東亞合成株式会社製M−402を5.5質量部と株式会社三和ケミカル製MW−30を2.4質量部、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名IRGACURE369)2.2質量部、フッ素系界面活性剤としてDIC株式会社製メガファックF−554を0.2質量部、及び溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物(CR7)を調製した。
着色組成物(CR1)に代えて着色組成物(CR7)を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0205】
比較例2
顔料分散液(A−1)24.1質量部、顔料分散液(A−2)4.6質量部、染料溶液Gを2.2質量部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂(B1)溶液16.1質量部、架橋剤として東亞合成株式会社製M−402を5.5質量部と株式会社三和ケミカル製MW−30を2.4質量部、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名IRGACURE369)2.2質量部、フッ素系界面活性剤としてDIC株式会社製メガファックF−554を0.2質量部、及び溶剤としてシクロヘキサノンを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物(CR8)を調製した。
着色組成物(CR1)に代えて着色組成物(CR8)を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0206】
【表1】

【0207】
表1において、「R254」とはC.I.ピグメントブレッド254を、「R177」とはC.I.ピグメントレッド177、「BR1」はC.I.ベーシックレッド1をそれぞれ意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)着色剤、(B)バインダー樹脂及び(C)架橋剤を含有する着色組成物であって、
(A)着色剤として下記式(1)で表される着色剤を含有することを特徴とする着色組成物。
+- (1)
〔式(1)において、X+はキサンテン系発色団を示し、Z-はハロゲン化炭化水素基を有する酸の共役塩基を示す。〕
【請求項2】
前記Z-が下記式(1a)で表されるアニオン又は下記式(1b)で表されるアニオンである、請求項1に記載の着色組成物。
【化1】

〔式(1a)において、R1は連結基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基を示す。〕
【化2】

〔式(1b)において、R2は、相互に独立に、連結基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基を示し、R2同士が互いに結合して環を形成してもよい。〕
【請求項3】
前記X+が下記式(2)で表されるものである、請求項1又は2に記載の着色組成物。
【化3】

〔式(2)において、
3、R4、R5及びR6は、相互に独立に、水素原子、−R10又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を示す。但し、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、−R10、−OH、−OR10、−SO3H、−SO3M、−CO2H、−CO210、−SO310、−SO2NHR11又は−SO2NR1112で置換されていてもよい。
7及びR8は、相互に独立に、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。
9は、−SO3H、−SO3M、−CO2H、−CO210、−SO310、−SO2NHR11又は−SO2NR1112を示す。
mは、0〜5の整数を示す。mが2以上の整数である場合、複数のR9は、同一であっても異なっていてもよい。
10は、炭素数1〜10の飽和炭化水素基を示す。但し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、また飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、カルボニル基又は−NR10−で置換されていてもよい。
11及びR12は、相互に独立に、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数3〜30のシクロアルキル基又は−Qを示すか、あるいはR11及びR12が互いに結合して形成される炭素数1〜10の複素環基を示す。但し、該アルキル基及びシクロアルキル基に含まれる水素原子は、水酸基、ハロゲン原子、−Q、−CH=CH2又は−CH=CHR10で置換されていてもよく、該アルキル基及びシクロアルキル基に含まれるメチレン基は、酸素原子、カルボニル基又は−NR10−で置換されていてもよく、該複素環基に含まれる水素原子は、−R10、−OH又は−Qで置換されていてもよい。
Mは、ナトリウム原子又はカリウム原子を示す。
Qは、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又は炭素数5〜10の芳香族複素環基を示す。但し、該芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基に含まれる水素原子は、−OH、R10、−OR10、−NO2、−CH=CH2、−CH=CHR10又はハロゲン原子で置換されていてもよい。〕
【請求項4】
(A)着色剤として更に上記式(1)で表される着色剤とは異なる赤色又青色の着色剤を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色組成物。
【請求項5】
下記式(1)で表される着色剤を含有する着色層を備えてなるカラーフィルタ。
+- (1)
〔式(1)において、X+はキサンテン系発色団を示し、Z-はハロゲン化炭化水素基を有する酸の共役塩基を示す。〕
【請求項6】
請求項5に記載のカラーフィルタを具備する表示素子。
【請求項7】
下記式(3)で表される着色剤。
+(R1SO3-) (3)
〔式(3)において、X+はキサンテン系発色団を示し、R1は連結基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基を示す。〕

【公開番号】特開2012−107192(P2012−107192A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133572(P2011−133572)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】