睡眠環境制御装置
【課題】 使用者の状態に応じて機器群の動作モードを切り換えて、使用者の状態に応じた環境を提供できる睡眠環境制御装置を提供する。
【解決手段】 所定空間における環境状態を制御するリラックス機器3と、使用者の状態を検出して使用者の睡眠状態を推定する状態計測・推定部4と、リラックス機器3の動作モード及び当該動作モード間の移り変わりの条件が定義された動作シナリオに基づいて、使用者の入眠前から覚醒後までにおいて使用者の睡眠状態に対応したリラックス機器3の制御を行うコントローラ1とを備え、コントローラ1は、入眠準備モードに次いで睡眠中モードに進む動作シナリオが設定されており、入眠準備モードの実行中に使用者が睡眠中であることが推定された場合に、リラックス機器3を入眠準備モードから睡眠中モードに移行させる。
【解決手段】 所定空間における環境状態を制御するリラックス機器3と、使用者の状態を検出して使用者の睡眠状態を推定する状態計測・推定部4と、リラックス機器3の動作モード及び当該動作モード間の移り変わりの条件が定義された動作シナリオに基づいて、使用者の入眠前から覚醒後までにおいて使用者の睡眠状態に対応したリラックス機器3の制御を行うコントローラ1とを備え、コントローラ1は、入眠準備モードに次いで睡眠中モードに進む動作シナリオが設定されており、入眠準備モードの実行中に使用者が睡眠中であることが推定された場合に、リラックス機器3を入眠準備モードから睡眠中モードに移行させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者が睡眠する所定空間に設置された各種の機器群を制御して、使用者をリラックス状態に導く睡眠環境制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、使用者の睡眠導入時に使用者をリラックス状態にするための技術として、下記の特許文献1に記載されたリラックス制御システムなどが知られている。
【0003】
この特許文献1には、使用者をリラックス状態とするための機器群として、使用者の身体に圧刺激を与える圧刺激部や、背もたれ部や足置き部などの起臥駆動部、映像部、音響部、照度調整部、温度調整部などを備えて、当該機器群を制御していた。
【0004】
この特許文献1における機器群の制御手法としては、使用者のスイッチ操作等と機器群に対する制御コマンドを発生させるための動作シナリオとの対応関係を予め設定しておき、使用者のスイッチ操作を検出した場合に、当該スイッチ操作に応じた動作シナリオに従って、機器群を固定された順序、時系列で制御していた。
【特許文献1】特開2005−342048号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載されたリラックス制御システムにおいては、動作シナリオに応じた機器群の動作が時系列的に固定されており、使用者のスイッチ操作がない限りは当該固定された時系列に従って機器群の制御を行っていた。したがって、上述のリラックス制御システムにおいては、使用者の状態に応じて、使用者にとって最適なリラックス環境を提供できているとはいえないことがあった。
【0006】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、使用者の状態に応じて機器群の動作モードを切り換えて、使用者の状態に応じた環境を提供できる睡眠環境制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る睡眠環境制御装置は、使用者の身体が預けられる身体預け機構と、身体預け機構の設置された所定空間における環境状態を制御する機器群と、使用者の状態を検出する状態検出手段と、状態検出手段で検出された使用者の状態から、使用者の睡眠状態を推定する睡眠状態推定手段と、機器群の動作モード及び当該動作モード間の移り変わりの条件が定義された動作シナリオに基づいて、使用者の入眠前から覚醒後までにおいて使用者の睡眠状態に対応した機器群の制御を行うコントローラとを備え、上述の課題を解決するために、コントローラは、使用者の入眠を誘導する機器群の動作を定義した入眠準備モードに次いで、使用者が睡眠をしている時の機器群の動作を定義した睡眠中モードに進む動作シナリオが設定されており、入眠準備モードの実行中に睡眠状態推定手段によって使用者が睡眠中であることが推定された場合に、機器群を入眠準備モードから睡眠中モードに移行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る睡眠環境制御装置によれば、入眠準備モードに次いで睡眠中モードに進む動作シナリオが設定されている場合であっても、入眠準備モードの実行中に使用者が睡眠中であることが推定された場合に、機器群を入眠準備モードから睡眠中モードに移行させるので、使用者の状態に応じて機器群の動作モードを切り換えて、使用者の状態に応じた環境を提供でき、使用者のより快適な睡眠を支援することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
[睡眠環境制御装置の基本的な構成・動作]
本発明は、例えば図1又は図2に示すような睡眠環境制御装置に適用される。
【0011】
この睡眠環境制御装置は、図1及び図2に示すように、コントローラ1に、身体預け部2とリラックス機器3と状態計測・推定部4とを接続して構成されている。図1に示すように、コントローラ1、身体預け部2、リラックス機器3及び状態計測・推定部4は、互いに信号の授受を行うための構成として、コントローラ1は送信部11及び受信部12を有し、身体預け部2は送信部21及び受信部22を有し、リラックス機器3は受信部31を有し、状態計測・推定部4は送信部41及び受信部42を有する。この睡眠環境制御装置においては、この送受信機能を利用し、コントローラ1によって身体預け部2及びリラックス機器3を制御して、使用者が身体預け部2に身体を預けてリラックスさせるために当該身体預け部2が設置された寝室等の所定空間における環境状態を制御する。
【0012】
なお、コントローラ1と身体預け部2、コントローラ1と状態計測・推定部4との接続関係は、有線方式とし、コントローラ1とリラックス機器3との接続関係は赤外線方式とするが、機器間での信号の授受は、無線、赤外線、有線のうちからそれぞれ適宜選択できるようにしても良い。
【0013】
身体預け部2は、コントローラ1からの信号に基づいて動作する市販の使用者の身体を預ける用具である。この身体預け部2は、使用者の脚部や背部に圧刺激を与える機構や起臥駆動を行う機構である機構部24を備える。身体預け部2は、コントローラ1からの信号に含まれる制御コマンドを通信IC等からなる受信部22で受信すると、CPU等の制御部23によって当該制御コマンドを受け取り、機構部24を動作させて、当該動作状態を送信部21からコントローラ1に送信させる。
【0014】
リラックス機器3は、コントローラ1からの信号に基づいて動作し、身体預け部2が設置された空間に配置された照明機器、空調機器、音響機器、映像機器、カーテンなどからなる機構部33を備える。リラックス機器3は、コントローラ1からの信号に含まれる制御コマンドを通信IC等からなる受信部31で受信すると、CPU等の制御部32によって当該制御コマンドを受け取り、機構部33を動作させる。
【0015】
状態計測・推定部4は、コントローラ1からの信号に基づいて動作し、コントローラ1によって身体預け部2及びリラックス機器3を制御させるための使用者の情報を取得する。この状態計測・推定部4は、使用者の状態を計測する状態計測部44と、当該状態計測部44の計測結果に基づいて使用者の睡眠状態を推定するCPU等の状態推定部43とを有する。状態計測部44は、使用者の生体センサであり、例えば身体預け部2に設けられた呼吸や脈拍等を検知可能なセンサヘッドであり、当該センサ信号を状態推定部43に供給する。状態推定部43は、状態計測部44で検出されたセンサ信号に基づいて、身体預け部2の使用者の睡眠状態を推定する。この睡眠状態の推定結果は、通信IC等の送信部41によってコントローラ1に通知される。
【0016】
コントローラ1は、使用者の各種操作を受け付けるスイッチ機構などを有する操作部13と、身体預け部2及びリラックス機器3を制御する動作シナリオを実行するための制御コマンドを送信させるシナリオ実行部14と、動作シナリオを実行するための制御コマンドを生成するシナリオ生成部15と、動作シナリオにおける身体預け部2及びリラックス機器3の動作を記述したシナリオデータを記憶するシナリオデータ記憶部16とを有する。このシナリオデータは、動作シナリオとして、身体預け部2及びリラックス機器3の動作モード及び当該動作モード間の移り変わりの条件が定義されている。この動作モード間の移り変わりの条件とは、時間的な条件のみならず、使用者の状態から推定された使用者の睡眠状態を含む。
【0017】
コントローラ1は、状態計測・推定部4の送信部41からの睡眠状態の推定結果を、例えば所定時間毎に受信部12で受信する。そして、コントローラ1は、当該使用者の睡眠状態に応じた動作シナリオをシナリオ生成部15によってシナリオデータ記憶部16から読み出し、動作シナリオに含まれる身体預け部2及びリラックス機器3の動作をシナリオ実行部14で実行させる。このとき、シナリオ実行部14は、現在の睡眠状態に応じた動作シナリオを実現する制御コマンドを送信部11に渡し、送信部11から身体預け部2及びリラックス機器3に制御コマンドを信号として送信させる。
【0018】
このような睡眠環境制御装置において、コントローラ1は、シナリオデータに基づいて、使用者の入眠前から覚醒後までの使用者の睡眠状態に対応した身体預け部2及びリラックス機器3の制御を行う。コントローラ1は、使用者の睡眠状態が入眠直前の状態であることが状態計測・推定部4で推定されている場合には、入眠誘導(準備)モードとなるように身体預け部2及びリラックス機器3を制御し、次いで熟睡(睡眠中)モードに進む快眠シナリオが設定されている。そして、コントローラ1は、入眠準備モードに身体預け部2及びリラックス機器3を動作させている最中に、状態計測・推定部4によって使用者が睡眠中であることが推定された場合には、身体預け部2及びリラックス機器3を入眠誘導モードから熟睡モードに移行させて動作させる。
【0019】
このように、コントローラ1は、予め設定された動作シナリオに従って身体預け部2及びリラックス機器3の動作モードを遷移させるものの、当該動作モード間の遷移タイミングを状態計測・推定部4で推定された睡眠状態に基づいて制御することによって、使用者の睡眠状態に応じて動作モードを切り換えて、使用者の状態に応じた睡眠環境を提供し、使用者が入眠するタイミングで熟睡モードに移行させることができ、使用者に早く且つ深い眠りに導く。
【0020】
また、状態計測部44は、身体預け部2に対する使用者の在床及び離床を検出するセンサを備えている場合、当該センサ信号を状態推定部43に供給し、睡眠状態の解除又は再睡眠をコントローラ1に供給するようにしても良い。これに対し、コントローラ1は、身体預け部2及びリラックス機器3を睡眠中モードに動作させている最中に、使用者の身体の離床が検出された場合には、身体預け部2及びリラックス機器3を途中起床モードに制御し、再度使用者の身体が在床であることが検出された場合には、途中起床モードから睡眠中モードに身体預け部2及びリラックス機器3を動作させることもできる。これによって、使用者が夜間に電話対応したり、トイレに向かった場合には、再度入眠準備モードを開始して睡眠中モードに移行する動作シナリオではなく、使用者の状況に応じた身体預け部2及びリラックス機器3の動作を実現できる。
【0021】
更に、睡眠環境制御装置は、図2に示すように、図1においては状態計測・推定部4に含まれていた状態計測部44の機能を、コントローラ1の状態推定部17として実装しても良い。この場合、状態計測・推定部4は、例えば生体センサとしてセンサヘッド単体からなる状態計測部44の計測結果を所定時間ごとに送信部41からコントローラ1に送信して、コントローラ1の状態推定部17によって睡眠状態の推定を行う。
【0022】
[睡眠環境制御装置の具体的な動作]
つぎに、上述したように構成された睡眠環境制御装置における具体的な動作について説明する。
【0023】
睡眠環境制御装置は、図3に示すように、ステップS1において、前回の快眠シナリオの実行後に身体預け部2及びリラックス機器3などの状態を初期化する動作を行い、ステップS2において、操作部13に対する操作、起床時刻設定操作などの操作待ち状態となる。この機器の初期化は、図4に示すように、照明器具であるリラックス機器3及び身体預け部2のリクライニング機能等を停止させる動作を含む。
【0024】
そして、以降の時間帯において使用者がリラックスモードに身体預け部2及びリラックス機器3を動作させたいことを表す操作がなされた場合、又は、起床時刻設定操作がなされた場合には、ステップS2からステップS3の快眠シナリオの実行に移行する。
【0025】
このステップS3における快眠シナリオは、シナリオデータ記憶部16に記憶されたシナリオデータに含まれる動作モードで身体預け部2及びリラックス機器3を動作させて、使用者を快眠に導くものである。この快眠シナリオは、図3,図4に示すように、入眠モードに含まれるリラクゼーションモード(ステップS11)及び入眠誘導モード(ステップS12)、熟眠モード(ステップS13)、お目覚め誘導モード(ステップS16)、起床後覚醒モード(ステップS17)の順で実行されるものであり、使用者の状態に応じて、動作モード間をスキップできる条件を付加し且つ熟眠モード中において離床等が検知された場合に夜中起床モード(ステップS14)、再入眠誘導モード(ステップS15)を実行するものである。なお、動作モード間をスキップさせるためには、例えば動作モードの繋がりをタッチパネルに表示させておき、当該タッチパネルに触れる操作によって任意の動作モードにスキップする機能を有していても良い。
【0026】
なお、快眠シナリオに含まれる動作モードの他に、使用者が入室したときの身体預け部2及びリラックス機器3の動作を示す入室モード、使用者が読書するときの身体預け部2及びリラックス機器3の動作を示す読書モード、使用者が映画を鑑賞するときの身体預け部2及びリラックス機器3の動作を示すシアターモードが定義されているが、これらの動作モードは、快眠シナリオとは別のシナリオデータに基づいて実行されるものである。また、身体預け部2は、使用者が読書をする読書モードにおいて機構部24におけるリクライニング角度をフラット状態よりも高い読書姿勢にさせる角度となり、使用者が映画を鑑賞するシアターモードにおいて機構部24におけるリクライニング角度をフラットより高く且つ読書モードよりも低いも姿勢にさせる角度となる。また、読書モードにおける照明の照度は、通常光量よりも若干低くなり、シアターモードにおける照明の照度は、読書モードより若干低くなる。
【0027】
「リラクゼーションモード」
先ず、コントローラ1は、快眠シナリオのデータをシナリオ生成部15で読み込んでリラクゼーションモードで身体預け部2及びリラックス機器3を動作させる制御コマンドを生成して、シナリオ実行部14に渡し、シナリオ実行部14から送信部11を介して身体預け部2及びリラックス機器3に制御コマンドを送信する。このリラクゼーションモードにおいて、コントローラ1は、図4に示すように、入眠前に映像や音楽で身体をリラックスしやすい状態にすることを目的とし、リラックス機器3である照明機器、音響機器、映像機器、カーテン、空調機器を制御し、身体預け部2である脚ストレッチ制御などを行う。また、リラクゼーションモードにおいては、照明機器の照度を、通常の照度よりも低いものとする。
【0028】
また、このリラクゼーションモードは、図4に示すスキップ条件として、操作部13の「今すぐ眠る」ボタンが操作された場合、又は、状態計測・推定部4によって使用者の状態がうとうと状態(入眠直前状態)であるという推定結果を受信した場合、コントローラ1によりステップS13の熟眠モードに移行させる。このリラクゼーションモードにおける処理は、図5に示すように、所定時間ごとに、状態計測・推定部4において状態計測部44による使用者の状態検出及び状態推定部43による睡眠状態の推定(ステップS21)と、コントローラ1による操作部13の操作状態の取得(ステップS23)と、コントローラ1によるシナリオ読み込み(ステップS26)と、時刻カウンタのインクリメント(ステップS28)とを行う。
【0029】
そして、ステップS21において、状態計測・推定部4によって睡眠状態がうとうと状態(入眠直前状態)であることを推定した場合には、コントローラ1は、ステップS22において動作モードを熟眠モード(図3のステップS13)に移行させる。一方、状態計測・推定部4によって睡眠状態がうとうと状態(入眠直前状態)ではないとの推定結果を得ている場合には、コントローラ1は、ステップS22からステップS29に処理を進めて、ステップS28の時刻カウンタのインクリメントすることによってリラクゼーションモードが終了するまで睡眠状態の推定を継続する。
【0030】
また、コントローラ1は、ステップS23において操作部13の操作状態を取得した場合に、ステップS24において、当該操作部13の操作が「今すぐ眠る」ボタンである場合には熟眠モードに移行させ(図3のステップS13)、リラクゼーションモードの中止ボタンが操作された場合には快眠シナリオ全体を中止させ、操作部13に対する操作がなされていない場合にはステップS24からステップS29に処理を進め、身体預け部2又はリラックス機器3を動作させる操作を検出した場合にはステップS25に処理を進める。このステップS25においては、コントローラ1により、操作部13の操作内容に従って、身体預け部2又はリラックス機器3に制御コマンドを送信する。
【0031】
更に、コントローラ1は、ステップS26においてシナリオ読み込みを行った場合に、ステップS27において、現時刻において制御すべきリラックス機器3が存在するか否かを判定する。このとき、シナリオ実行部14は、シナリオ生成部15によって快眠シナリオのシナリオデータによって現時刻で動作させる身体預け部2又はリラックス機器3を動作させるための制御コマンドがある場合にはステップS25に処理を進めて、該当する身体預け部2又はリラックス機器3を動作させて、ステップS29に処理を進める。
【0032】
「入眠誘導モード」
ステップS29においてリラクゼーションモードの終了時刻と判定された後、図3のステップS12は入眠誘導モードに移行する。この入眠誘導モードは、図4に示すように、リラックス機器3からの音楽や身体預け部2によるストレッチによって入眠しやすい環境にすることを目的とし、リラックス機器3である照明機器の照度漸減、全身ストレッチ、リラックス音楽の再生などを行う。また、入眠誘導モードにおいては、照明機器の照度を、通常の所定照度から、徐々に低いものとする。
【0033】
なお、この音響機器の音楽種類としては、上述のリラクゼーションモードとはジャンルが異なるものであり、より睡眠を誘う種類に切り換えることが望ましく、また、リラクゼーションモード及び入眠誘導モードにおける身体預け部2のストレッチ機構の動作としては、リラクゼーションモードにおける圧刺激と入眠誘導モードにおける圧刺激とで強さあるいは動作を変更して、より睡眠を誘う環境とすることが望ましく、更に、リラックス機器3としての空調機器の制御は、リラクゼーションモードから入眠誘導モードに亘って継続し、熟眠モードの初期に至るまで継続することが望ましい。
【0034】
また、この入眠誘導モードは、図4に示すスキップ条件として、操作部13の「今すぐ眠る」ボタンが操作された場合、又は、状態計測・推定部4によって使用者の状態がうとうと状態(入眠直前状態)であるという推定結果を受信した場合、コントローラ1によって、ステップS13の熟眠モードに移行させる。この入眠誘導モードにおける処理は、図6に示すように、所定時間ごとに、状態計測部44による使用者の状態検出及び状態推定部43による睡眠状態の推定(ステップS21)と、コントローラ1による操作部13の操作状態の取得(ステップS23)と、コントローラ1によるシナリオ読み込み(ステップS26)と、時刻カウンタのインクリメント(ステップS28)とを行う。
【0035】
そして、ステップS21において睡眠状態がうとうと状態(入眠直前状態)であることを推定した場合には、コントローラ1は、ステップS22において動作モードを熟眠モード(図3のステップS13)に移行させる。一方、睡眠状態がうとうと状態(入眠直前状態)ではないとの推定結果を得ている場合には、コントローラ1は、ステップS22からステップS31に処理を進めて、ステップS28の時刻カウンタのインクリメントによって入眠誘導モードが終了するまで睡眠状態の推定を継続させる。
【0036】
また、ステップS23において操作部13の操作状態を取得した場合に、ステップS24において、当該操作部13の操作が「今すぐ眠る」ボタンである場合には動作モードを熟眠モードに移行させ(図3のステップS13)、快眠シナリオの中止ボタンが操作された場合には快眠シナリオ全体を中止し、操作部13に対する操作がなされていない場合にはステップS24からステップS31に処理を進め、身体預け部2又はリラックス機器3を動作させる操作を検出した場合にはステップS25に処理を進める。このステップS25においては、コントローラ1により、操作部13の操作内容に従って、身体預け部2又はリラックス機器3に制御コマンドを送信する。
【0037】
更に、コントローラ1は、ステップS26においてシナリオ読み込みを行った場合に、ステップS27において、現時刻において制御すべきリラックス機器3が存在するか否かを判定する。このとき、シナリオ実行部14は、シナリオ生成部15によって快眠シナリオのシナリオデータによって現時刻で動作させる身体預け部2又はリラックス機器3を動作させるための制御コマンドがある場合にはステップS25に処理を進めて、該当する身体預け部2又はリラックス機器3を動作させて、ステップS31に処理を進める。
【0038】
「熟眠モード」
ステップS31において入眠誘導モードの終了時刻と判定された場合、又は、リラクゼーションモード又は入眠誘導モードにおいてうとうと状態(入眠直前状態)と判定されてスキップした場合における熟眠モードは、図4に示すようにリラックス機器3の照明機器を消灯し、身体預け部2及びリラックス機器3の各種機器を停止させる。
【0039】
また、この熟眠モードは、図4に示すスキップ条件として、操作部13の「今すぐ起きる」ボタンが操作された場合には起床後覚醒モードにスキップし、又は、状態計測・推定部4によって使用者の離床を受信した場合には途中起床モードにスキップすることが設定されている。この熟眠モードにおける処理は、図7に示すように、所定時間ごとに、状態計測部44による使用者の状態検出及び状態推定部43による睡眠状態の推定(ステップS21)と、コントローラ1による操作部13の操作状態の取得(ステップS23)と、コントローラ1によるシナリオ読み込み(ステップS26)と、時刻カウンタのインクリメント(ステップS28)とを行う。
【0040】
そして、ステップS21における睡眠状態の計測によって、離床状態であると判定した場合には、コントローラ1は、ステップS41において動作モードを途中起床モードにスキップさせる。一方、睡眠状態が離床状態ではなく熟睡状態であるとの推定結果を得ている場合には、コントローラ1は、ステップS41からステップS42に処理を進めて、ステップS28の時刻カウンタのインクリメントによって熟眠モードが終了するまで睡眠状態の推定を継続させる。
【0041】
また、ステップS23において操作部13の操作状態を取得した場合に、ステップS24において、当該操作部13の操作が「今すぐ起きる」ボタンである場合には起床後覚醒モードに移行させ(図3のステップS17)、快眠シナリオの中止ボタンが操作された場合には快眠シナリオ全体を中止し、操作部13に対する操作がなされていない場合にはステップS24からステップS42に処理を進め、身体預け部2又はリラックス機器3を動作させる操作を検出した場合にはステップS25に処理を進める。このステップS25においては、コントローラ1により、操作部13の操作内容に従って、身体預け部2又はリラックス機器3に制御コマンドを送信する。
【0042】
更に、コントローラ1は、ステップS26においてシナリオ読み込みを行った場合に、ステップS27において、現時刻において制御すべきが存在するか否かを判定する。このとき、シナリオ実行部14は、シナリオ生成部15によって快眠シナリオのシナリオデータによって現時刻で動作させる身体預け部2又はリラックス機器3を動作させるための制御コマンドがある場合にはステップS25に処理を進めて、該当する身体預け部2又はリラックス機器3を動作させて、ステップS42に処理を進める。
【0043】
「途中起床モード」
熟眠モードにおけるステップS41において離床が検出された後の途中起床モードは、図4に示すように使用者が夜中に目覚めて身体預け部2から離れた場合への対応を目的とし、夜中において手元が見える程度の低い照度でリラックス機器3である照明機器を動作させる。
【0044】
また、この途中起床モードは、図4に示すスキップ条件として、操作部13の「今すぐ起きる」ボタンが操作された場合には起床後覚醒モードにスキップし、又は、状態計測・推定部4によって使用者の在床を検出した場合には再入眠誘導モードに移行することが設定されている。この途中起床モードにおける処理は、図8に示すように、所定時間ごとに、状態計測部44による使用者の状態検出及び状態推定部43による睡眠状態の推定(ステップS21)と、コントローラ1による操作部13の操作状態の取得(ステップS23)と、コントローラ1によるシナリオ読み込み(ステップS26)と、時刻カウンタのインクリメント(ステップS28)とを行う。
【0045】
そして、ステップS21における睡眠状態の計測によって、ステップS51で在床状態であると判定した場合には、コントローラ1は、ステップS51から再入眠誘導モードに移行させる(図3のステップS15)。一方、睡眠状態が在床状態ではない場合にはステップS21などに処理を戻すことになる。
【0046】
また、ステップS23において操作部13の操作状態を取得した場合に、ステップS24において、当該操作部13の操作が「今すぐ起きる」ボタンである場合には起床後覚醒モードに移行し(図3のステップS17)、快眠シナリオの中止ボタンが操作された場合には快眠シナリオ全体を中止し、操作部13に対する操作がなされていない場合にはステップS24からステップS23などに処理を進め、身体預け部2又はリラックス機器3を動作させる操作を検出した場合にはステップS25に処理を進める。このステップS25においては、コントローラ1により、操作部13の操作内容に従って、身体預け部2又はリラックス機器3に制御コマンドを送信する。
【0047】
更に、コントローラ1は、ステップS26においてシナリオ読み込みを行った場合に、ステップS27において、現時刻において制御すべきリラックス機器3が存在するか否かを判定する。このとき、シナリオ実行部14は、シナリオ生成部15によって快眠シナリオのシナリオデータによって現時刻で動作させる身体預け部2又はリラックス機器3を動作させるための制御コマンドがある場合にはステップS25に処理を進めて、該当する身体預け部2又はリラックス機器3を動作させる。
【0048】
「再入眠誘導モード」
途中起床モードにおけるステップS51において在床が検出された後の再入眠誘導モードは、図4に示すように使用者が夜中に目覚めた後に在床となった場合に再度眠りやすい環境を提供することを目的とし、リラックス機器3である照明機器を消灯させて、眠りやすい音楽を提供する。
【0049】
また、この再入眠誘導モードは、図4に示すスキップ条件として、操作部13の「今すぐ起きる」ボタンが操作された場合には起床後覚醒モードにスキップし、又は、状態計測・推定部4によってうとうと状態(入眠直前状態)を検出した場合には熟眠モードに移行させることが設定されている。この再入眠誘導モードにおける処理は、図9に示すように、所定時間ごとに、状態計測部44による使用者の状態検出及び状態推定部43による睡眠状態の推定(ステップS21)と、コントローラ1による操作部13の操作状態の取得(ステップS23)と、コントローラ1によるシナリオ読み込み(ステップS26)と、時刻カウンタのインクリメント(ステップS28)とを行う。
【0050】
そして、ステップS21における睡眠状態の計測によって、ステップS22でうとうと状態を判定した場合には熟眠モードに移行させ、ステップS41で離床と判定した場合には、途中起床モードに移行させる(図3のステップS15)。一方、うとうと状態ではなく、且つ離床を検出していない場合には、コントローラ1は、熟眠する前であると判定して、ステップS61に処理を進めて、ステップS28の時刻カウンタのインクリメントによって再入眠誘導モードが終了するまで睡眠状態の推定を継続する。
【0051】
また、ステップS23において操作部13の操作状態を取得した場合に、ステップS24において、当該操作部13の操作が「今すぐ眠る」ボタンである場合には熟眠モードに移行させ(図3のステップS13)、快眠シナリオの中止ボタンが操作された場合には快眠シナリオ全体を中止し、操作部13に対する操作がなされていない場合にはステップS24からステップS61に処理を進め、身体預け部2又はリラックス機器3を動作させる操作を検出した場合にはステップS25に処理を進める。このステップS25においては、コントローラ1により、操作部13の操作内容に従って、身体預け部2又はリラックス機器3に制御コマンドを送信して、ステップS61に処理を進める。
【0052】
更に、コントローラ1は、ステップS26においてシナリオ読み込みを行った場合に、ステップS27において、現時刻において制御すべきリラックス機器3が存在するか否かを判定する。このとき、シナリオ実行部14は、シナリオ生成部15によって快眠シナリオのシナリオデータによって現時刻で動作させる身体預け部2又はリラックス機器3を動作させるための制御コマンドがある場合にはステップS25に処理を進めて、該当する身体預け部2又はリラックス機器3を動作させて、ステップS61に処理を進める。
【0053】
「お目覚め誘導モード」
熟眠モードにおいて、ステップS2などで予め操作部13の操作によって設定しておいた起床時刻前の所定時刻となると、コントローラ1は、熟眠モードから、図3のステップS16に移行してお目覚め誘導モードを開始する。このお目覚め誘導モードは、図4に示すようにリラックス機器3である照明機器や音響機器等の動作によって使用者が徐々に目覚めやすい環境を提供することを目的とし、リラックス機器3である照明機器の照度を漸増させ、音響機器の音量を漸増させ、空調機器の動作を開始する。
【0054】
また、このお目覚め誘導モードは、図4に示すスキップ条件として、操作部13の「今すぐ起きる」ボタンが操作された場合には起床後覚醒モードにスキップすることが設定されている。このお目覚め誘導モードにおける処理は、図10に示すように、所定時間ごとに、コントローラ1による操作部13の操作状態の取得(ステップS23)と、コントローラ1によるシナリオ読み込み(ステップS26)と、時刻カウンタのインクリメント(ステップS28)とを行う。
【0055】
ステップS23において操作部13の操作状態を取得した場合に、ステップS24において、当該操作部13の操作が「今すぐ起きる」ボタンである場合には起床後覚醒モードにスキップさせ(図3のステップS17)、快眠シナリオの中止ボタンが操作された場合には快眠シナリオ全体を中止し、操作部13に対する操作がなされていない場合にはステップS24からステップS71に処理を進め、身体預け部2又はリラックス機器3を動作させる操作を検出した場合にはステップS25に処理を進める。このステップS25においては、コントローラ1により、操作部13の操作内容に従って、身体預け部2又はリラックス機器3に制御コマンドを送信して、ステップS71に処理を進める。
【0056】
更に、コントローラ1は、ステップS26においてシナリオ読み込みを行った場合に、ステップS27において、現時刻において制御すべきリラックス機器3が存在するか否かを判定する。このとき、シナリオ実行部14は、シナリオ生成部15によって快眠シナリオのシナリオデータによって現時刻で動作させる身体預け部2又はリラックス機器3を動作させるための制御コマンドがある場合にはステップS25に処理を進めて、該当する身体預け部2又はリラックス機器3を動作させて、ステップS71に処理を進める。
【0057】
そして、ステップS28で時刻カウンタをインクリメントした結果、現在時刻が起床時刻となった場合には、ステップS71から起床後覚醒モードに移行する。
【0058】
「起床後覚醒モード」
上述した快眠シナリオにおいて「今すぐ起きる」ボタンが操作された場合や、お目覚め誘導モードにおけるステップS71において起床時刻となった場合には、コントローラ1は、起床後覚醒モードを開始する。このお目覚め誘導モードは、図4に示すようにリラックス機器3である照明機器の照度を通常と同様のものとすることなどによって使用者が完全に目覚めやすい環境を提供することを目的とし、リラックス機器3である照明機器の照度を高くし、音響機器の音量を増加させ、カーテンを開けるなどの動作を行う。
【0059】
また、この起床後覚醒モードにおける処理は、図11に示すように、所定時間ごとに、コントローラ1による操作部13の操作状態の取得(ステップS23)と、コントローラ1によるシナリオ読み込み(ステップS26)と、時刻カウンタのインクリメント(ステップS28)とを行う。また、このお目覚め誘導モードにおいては、ステップS81において、時刻カウンタでの計時時刻と、予め設定されたアラーム鳴動時刻とを比較して、アラーム鳴動時刻となった場合には、ステップS82においてリラックス機器3であるアラームを鳴動させる。
【0060】
ステップS23において操作部13の操作状態を取得した場合に、ステップS24において、当該操作部13の操作が「終了」ボタンである場合には快眠シナリオを終了させてステップS1に処理を進め、快眠シナリオの中止ボタンが操作された場合には快眠シナリオ全体を中止し、操作部13に対する操作がなされていない場合にはステップS24からステップS83に処理を進め、身体預け部2又はリラックス機器3を動作させる操作を検出した場合にはステップS25に処理を進める。このステップS25においては、コントローラ1により、操作部13の操作内容に従って、身体預け部2又はリラックス機器3に制御コマンドを送信して、ステップS83に処理を進める。
【0061】
更に、コントローラ1は、ステップS26においてシナリオ読み込みを行った場合に、ステップS27において、現時刻において制御すべきリラックス機器3が存在するか否かを判定する。このとき、シナリオ実行部14は、シナリオ生成部15によって快眠シナリオのシナリオデータによって現時刻で動作させる身体預け部2又はリラックス機器3を動作させるための制御コマンドがある場合にはステップS25に処理を進めて、該当する身体預け部2又はリラックス機器3を動作させて、ステップS83に処理を進める。
【0062】
そして、ステップS28で時刻カウンタをインクリメントした結果、現在時刻が快眠シナリオの終了時刻となった場合には、ステップS83において起床後覚醒モードを終了し、ステップS1に処理を戻す。
【0063】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明を適用した睡眠環境制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した他の睡眠環境制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明を適用した睡眠環境制御装置による快眠シナリオの動作手順を示すフローチャートである。
【図4】快眠シナリオに含まれる動作モードのモード名、目的、機器群の動作例、スキップ条件を示す図である。
【図5】リラクゼーションモードにおける睡眠環境制御装置の動作を示す図である。
【図6】入眠誘導モードにおける睡眠環境制御装置の動作を示す図である。
【図7】熟眠モードにおける睡眠環境制御装置の動作を示す図である。
【図8】途中起床モードにおける睡眠環境制御装置の動作を示す図である。
【図9】再入眠誘導モードにおける睡眠環境制御装置の動作を示す図である。
【図10】お目覚め誘導モードにおける睡眠環境制御装置の動作を示す図である。
【図11】起床後覚醒モードにおける睡眠環境制御装置の動作を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
1 コントローラ
2 身体預け部
3 リラックス機器
4 状態計測・推定部
11,21,41 送信部
12,22,31,42 受信部
13 操作部
14 シナリオ実行部
15 シナリオ生成部
16 シナリオデータ記憶部
17 状態推定部
23,32 制御部
24,33 機構部
43 状態推定部
44 状態計測部
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者が睡眠する所定空間に設置された各種の機器群を制御して、使用者をリラックス状態に導く睡眠環境制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、使用者の睡眠導入時に使用者をリラックス状態にするための技術として、下記の特許文献1に記載されたリラックス制御システムなどが知られている。
【0003】
この特許文献1には、使用者をリラックス状態とするための機器群として、使用者の身体に圧刺激を与える圧刺激部や、背もたれ部や足置き部などの起臥駆動部、映像部、音響部、照度調整部、温度調整部などを備えて、当該機器群を制御していた。
【0004】
この特許文献1における機器群の制御手法としては、使用者のスイッチ操作等と機器群に対する制御コマンドを発生させるための動作シナリオとの対応関係を予め設定しておき、使用者のスイッチ操作を検出した場合に、当該スイッチ操作に応じた動作シナリオに従って、機器群を固定された順序、時系列で制御していた。
【特許文献1】特開2005−342048号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載されたリラックス制御システムにおいては、動作シナリオに応じた機器群の動作が時系列的に固定されており、使用者のスイッチ操作がない限りは当該固定された時系列に従って機器群の制御を行っていた。したがって、上述のリラックス制御システムにおいては、使用者の状態に応じて、使用者にとって最適なリラックス環境を提供できているとはいえないことがあった。
【0006】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、使用者の状態に応じて機器群の動作モードを切り換えて、使用者の状態に応じた環境を提供できる睡眠環境制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る睡眠環境制御装置は、使用者の身体が預けられる身体預け機構と、身体預け機構の設置された所定空間における環境状態を制御する機器群と、使用者の状態を検出する状態検出手段と、状態検出手段で検出された使用者の状態から、使用者の睡眠状態を推定する睡眠状態推定手段と、機器群の動作モード及び当該動作モード間の移り変わりの条件が定義された動作シナリオに基づいて、使用者の入眠前から覚醒後までにおいて使用者の睡眠状態に対応した機器群の制御を行うコントローラとを備え、上述の課題を解決するために、コントローラは、使用者の入眠を誘導する機器群の動作を定義した入眠準備モードに次いで、使用者が睡眠をしている時の機器群の動作を定義した睡眠中モードに進む動作シナリオが設定されており、入眠準備モードの実行中に睡眠状態推定手段によって使用者が睡眠中であることが推定された場合に、機器群を入眠準備モードから睡眠中モードに移行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る睡眠環境制御装置によれば、入眠準備モードに次いで睡眠中モードに進む動作シナリオが設定されている場合であっても、入眠準備モードの実行中に使用者が睡眠中であることが推定された場合に、機器群を入眠準備モードから睡眠中モードに移行させるので、使用者の状態に応じて機器群の動作モードを切り換えて、使用者の状態に応じた環境を提供でき、使用者のより快適な睡眠を支援することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
[睡眠環境制御装置の基本的な構成・動作]
本発明は、例えば図1又は図2に示すような睡眠環境制御装置に適用される。
【0011】
この睡眠環境制御装置は、図1及び図2に示すように、コントローラ1に、身体預け部2とリラックス機器3と状態計測・推定部4とを接続して構成されている。図1に示すように、コントローラ1、身体預け部2、リラックス機器3及び状態計測・推定部4は、互いに信号の授受を行うための構成として、コントローラ1は送信部11及び受信部12を有し、身体預け部2は送信部21及び受信部22を有し、リラックス機器3は受信部31を有し、状態計測・推定部4は送信部41及び受信部42を有する。この睡眠環境制御装置においては、この送受信機能を利用し、コントローラ1によって身体預け部2及びリラックス機器3を制御して、使用者が身体預け部2に身体を預けてリラックスさせるために当該身体預け部2が設置された寝室等の所定空間における環境状態を制御する。
【0012】
なお、コントローラ1と身体預け部2、コントローラ1と状態計測・推定部4との接続関係は、有線方式とし、コントローラ1とリラックス機器3との接続関係は赤外線方式とするが、機器間での信号の授受は、無線、赤外線、有線のうちからそれぞれ適宜選択できるようにしても良い。
【0013】
身体預け部2は、コントローラ1からの信号に基づいて動作する市販の使用者の身体を預ける用具である。この身体預け部2は、使用者の脚部や背部に圧刺激を与える機構や起臥駆動を行う機構である機構部24を備える。身体預け部2は、コントローラ1からの信号に含まれる制御コマンドを通信IC等からなる受信部22で受信すると、CPU等の制御部23によって当該制御コマンドを受け取り、機構部24を動作させて、当該動作状態を送信部21からコントローラ1に送信させる。
【0014】
リラックス機器3は、コントローラ1からの信号に基づいて動作し、身体預け部2が設置された空間に配置された照明機器、空調機器、音響機器、映像機器、カーテンなどからなる機構部33を備える。リラックス機器3は、コントローラ1からの信号に含まれる制御コマンドを通信IC等からなる受信部31で受信すると、CPU等の制御部32によって当該制御コマンドを受け取り、機構部33を動作させる。
【0015】
状態計測・推定部4は、コントローラ1からの信号に基づいて動作し、コントローラ1によって身体預け部2及びリラックス機器3を制御させるための使用者の情報を取得する。この状態計測・推定部4は、使用者の状態を計測する状態計測部44と、当該状態計測部44の計測結果に基づいて使用者の睡眠状態を推定するCPU等の状態推定部43とを有する。状態計測部44は、使用者の生体センサであり、例えば身体預け部2に設けられた呼吸や脈拍等を検知可能なセンサヘッドであり、当該センサ信号を状態推定部43に供給する。状態推定部43は、状態計測部44で検出されたセンサ信号に基づいて、身体預け部2の使用者の睡眠状態を推定する。この睡眠状態の推定結果は、通信IC等の送信部41によってコントローラ1に通知される。
【0016】
コントローラ1は、使用者の各種操作を受け付けるスイッチ機構などを有する操作部13と、身体預け部2及びリラックス機器3を制御する動作シナリオを実行するための制御コマンドを送信させるシナリオ実行部14と、動作シナリオを実行するための制御コマンドを生成するシナリオ生成部15と、動作シナリオにおける身体預け部2及びリラックス機器3の動作を記述したシナリオデータを記憶するシナリオデータ記憶部16とを有する。このシナリオデータは、動作シナリオとして、身体預け部2及びリラックス機器3の動作モード及び当該動作モード間の移り変わりの条件が定義されている。この動作モード間の移り変わりの条件とは、時間的な条件のみならず、使用者の状態から推定された使用者の睡眠状態を含む。
【0017】
コントローラ1は、状態計測・推定部4の送信部41からの睡眠状態の推定結果を、例えば所定時間毎に受信部12で受信する。そして、コントローラ1は、当該使用者の睡眠状態に応じた動作シナリオをシナリオ生成部15によってシナリオデータ記憶部16から読み出し、動作シナリオに含まれる身体預け部2及びリラックス機器3の動作をシナリオ実行部14で実行させる。このとき、シナリオ実行部14は、現在の睡眠状態に応じた動作シナリオを実現する制御コマンドを送信部11に渡し、送信部11から身体預け部2及びリラックス機器3に制御コマンドを信号として送信させる。
【0018】
このような睡眠環境制御装置において、コントローラ1は、シナリオデータに基づいて、使用者の入眠前から覚醒後までの使用者の睡眠状態に対応した身体預け部2及びリラックス機器3の制御を行う。コントローラ1は、使用者の睡眠状態が入眠直前の状態であることが状態計測・推定部4で推定されている場合には、入眠誘導(準備)モードとなるように身体預け部2及びリラックス機器3を制御し、次いで熟睡(睡眠中)モードに進む快眠シナリオが設定されている。そして、コントローラ1は、入眠準備モードに身体預け部2及びリラックス機器3を動作させている最中に、状態計測・推定部4によって使用者が睡眠中であることが推定された場合には、身体預け部2及びリラックス機器3を入眠誘導モードから熟睡モードに移行させて動作させる。
【0019】
このように、コントローラ1は、予め設定された動作シナリオに従って身体預け部2及びリラックス機器3の動作モードを遷移させるものの、当該動作モード間の遷移タイミングを状態計測・推定部4で推定された睡眠状態に基づいて制御することによって、使用者の睡眠状態に応じて動作モードを切り換えて、使用者の状態に応じた睡眠環境を提供し、使用者が入眠するタイミングで熟睡モードに移行させることができ、使用者に早く且つ深い眠りに導く。
【0020】
また、状態計測部44は、身体預け部2に対する使用者の在床及び離床を検出するセンサを備えている場合、当該センサ信号を状態推定部43に供給し、睡眠状態の解除又は再睡眠をコントローラ1に供給するようにしても良い。これに対し、コントローラ1は、身体預け部2及びリラックス機器3を睡眠中モードに動作させている最中に、使用者の身体の離床が検出された場合には、身体預け部2及びリラックス機器3を途中起床モードに制御し、再度使用者の身体が在床であることが検出された場合には、途中起床モードから睡眠中モードに身体預け部2及びリラックス機器3を動作させることもできる。これによって、使用者が夜間に電話対応したり、トイレに向かった場合には、再度入眠準備モードを開始して睡眠中モードに移行する動作シナリオではなく、使用者の状況に応じた身体預け部2及びリラックス機器3の動作を実現できる。
【0021】
更に、睡眠環境制御装置は、図2に示すように、図1においては状態計測・推定部4に含まれていた状態計測部44の機能を、コントローラ1の状態推定部17として実装しても良い。この場合、状態計測・推定部4は、例えば生体センサとしてセンサヘッド単体からなる状態計測部44の計測結果を所定時間ごとに送信部41からコントローラ1に送信して、コントローラ1の状態推定部17によって睡眠状態の推定を行う。
【0022】
[睡眠環境制御装置の具体的な動作]
つぎに、上述したように構成された睡眠環境制御装置における具体的な動作について説明する。
【0023】
睡眠環境制御装置は、図3に示すように、ステップS1において、前回の快眠シナリオの実行後に身体預け部2及びリラックス機器3などの状態を初期化する動作を行い、ステップS2において、操作部13に対する操作、起床時刻設定操作などの操作待ち状態となる。この機器の初期化は、図4に示すように、照明器具であるリラックス機器3及び身体預け部2のリクライニング機能等を停止させる動作を含む。
【0024】
そして、以降の時間帯において使用者がリラックスモードに身体預け部2及びリラックス機器3を動作させたいことを表す操作がなされた場合、又は、起床時刻設定操作がなされた場合には、ステップS2からステップS3の快眠シナリオの実行に移行する。
【0025】
このステップS3における快眠シナリオは、シナリオデータ記憶部16に記憶されたシナリオデータに含まれる動作モードで身体預け部2及びリラックス機器3を動作させて、使用者を快眠に導くものである。この快眠シナリオは、図3,図4に示すように、入眠モードに含まれるリラクゼーションモード(ステップS11)及び入眠誘導モード(ステップS12)、熟眠モード(ステップS13)、お目覚め誘導モード(ステップS16)、起床後覚醒モード(ステップS17)の順で実行されるものであり、使用者の状態に応じて、動作モード間をスキップできる条件を付加し且つ熟眠モード中において離床等が検知された場合に夜中起床モード(ステップS14)、再入眠誘導モード(ステップS15)を実行するものである。なお、動作モード間をスキップさせるためには、例えば動作モードの繋がりをタッチパネルに表示させておき、当該タッチパネルに触れる操作によって任意の動作モードにスキップする機能を有していても良い。
【0026】
なお、快眠シナリオに含まれる動作モードの他に、使用者が入室したときの身体預け部2及びリラックス機器3の動作を示す入室モード、使用者が読書するときの身体預け部2及びリラックス機器3の動作を示す読書モード、使用者が映画を鑑賞するときの身体預け部2及びリラックス機器3の動作を示すシアターモードが定義されているが、これらの動作モードは、快眠シナリオとは別のシナリオデータに基づいて実行されるものである。また、身体預け部2は、使用者が読書をする読書モードにおいて機構部24におけるリクライニング角度をフラット状態よりも高い読書姿勢にさせる角度となり、使用者が映画を鑑賞するシアターモードにおいて機構部24におけるリクライニング角度をフラットより高く且つ読書モードよりも低いも姿勢にさせる角度となる。また、読書モードにおける照明の照度は、通常光量よりも若干低くなり、シアターモードにおける照明の照度は、読書モードより若干低くなる。
【0027】
「リラクゼーションモード」
先ず、コントローラ1は、快眠シナリオのデータをシナリオ生成部15で読み込んでリラクゼーションモードで身体預け部2及びリラックス機器3を動作させる制御コマンドを生成して、シナリオ実行部14に渡し、シナリオ実行部14から送信部11を介して身体預け部2及びリラックス機器3に制御コマンドを送信する。このリラクゼーションモードにおいて、コントローラ1は、図4に示すように、入眠前に映像や音楽で身体をリラックスしやすい状態にすることを目的とし、リラックス機器3である照明機器、音響機器、映像機器、カーテン、空調機器を制御し、身体預け部2である脚ストレッチ制御などを行う。また、リラクゼーションモードにおいては、照明機器の照度を、通常の照度よりも低いものとする。
【0028】
また、このリラクゼーションモードは、図4に示すスキップ条件として、操作部13の「今すぐ眠る」ボタンが操作された場合、又は、状態計測・推定部4によって使用者の状態がうとうと状態(入眠直前状態)であるという推定結果を受信した場合、コントローラ1によりステップS13の熟眠モードに移行させる。このリラクゼーションモードにおける処理は、図5に示すように、所定時間ごとに、状態計測・推定部4において状態計測部44による使用者の状態検出及び状態推定部43による睡眠状態の推定(ステップS21)と、コントローラ1による操作部13の操作状態の取得(ステップS23)と、コントローラ1によるシナリオ読み込み(ステップS26)と、時刻カウンタのインクリメント(ステップS28)とを行う。
【0029】
そして、ステップS21において、状態計測・推定部4によって睡眠状態がうとうと状態(入眠直前状態)であることを推定した場合には、コントローラ1は、ステップS22において動作モードを熟眠モード(図3のステップS13)に移行させる。一方、状態計測・推定部4によって睡眠状態がうとうと状態(入眠直前状態)ではないとの推定結果を得ている場合には、コントローラ1は、ステップS22からステップS29に処理を進めて、ステップS28の時刻カウンタのインクリメントすることによってリラクゼーションモードが終了するまで睡眠状態の推定を継続する。
【0030】
また、コントローラ1は、ステップS23において操作部13の操作状態を取得した場合に、ステップS24において、当該操作部13の操作が「今すぐ眠る」ボタンである場合には熟眠モードに移行させ(図3のステップS13)、リラクゼーションモードの中止ボタンが操作された場合には快眠シナリオ全体を中止させ、操作部13に対する操作がなされていない場合にはステップS24からステップS29に処理を進め、身体預け部2又はリラックス機器3を動作させる操作を検出した場合にはステップS25に処理を進める。このステップS25においては、コントローラ1により、操作部13の操作内容に従って、身体預け部2又はリラックス機器3に制御コマンドを送信する。
【0031】
更に、コントローラ1は、ステップS26においてシナリオ読み込みを行った場合に、ステップS27において、現時刻において制御すべきリラックス機器3が存在するか否かを判定する。このとき、シナリオ実行部14は、シナリオ生成部15によって快眠シナリオのシナリオデータによって現時刻で動作させる身体預け部2又はリラックス機器3を動作させるための制御コマンドがある場合にはステップS25に処理を進めて、該当する身体預け部2又はリラックス機器3を動作させて、ステップS29に処理を進める。
【0032】
「入眠誘導モード」
ステップS29においてリラクゼーションモードの終了時刻と判定された後、図3のステップS12は入眠誘導モードに移行する。この入眠誘導モードは、図4に示すように、リラックス機器3からの音楽や身体預け部2によるストレッチによって入眠しやすい環境にすることを目的とし、リラックス機器3である照明機器の照度漸減、全身ストレッチ、リラックス音楽の再生などを行う。また、入眠誘導モードにおいては、照明機器の照度を、通常の所定照度から、徐々に低いものとする。
【0033】
なお、この音響機器の音楽種類としては、上述のリラクゼーションモードとはジャンルが異なるものであり、より睡眠を誘う種類に切り換えることが望ましく、また、リラクゼーションモード及び入眠誘導モードにおける身体預け部2のストレッチ機構の動作としては、リラクゼーションモードにおける圧刺激と入眠誘導モードにおける圧刺激とで強さあるいは動作を変更して、より睡眠を誘う環境とすることが望ましく、更に、リラックス機器3としての空調機器の制御は、リラクゼーションモードから入眠誘導モードに亘って継続し、熟眠モードの初期に至るまで継続することが望ましい。
【0034】
また、この入眠誘導モードは、図4に示すスキップ条件として、操作部13の「今すぐ眠る」ボタンが操作された場合、又は、状態計測・推定部4によって使用者の状態がうとうと状態(入眠直前状態)であるという推定結果を受信した場合、コントローラ1によって、ステップS13の熟眠モードに移行させる。この入眠誘導モードにおける処理は、図6に示すように、所定時間ごとに、状態計測部44による使用者の状態検出及び状態推定部43による睡眠状態の推定(ステップS21)と、コントローラ1による操作部13の操作状態の取得(ステップS23)と、コントローラ1によるシナリオ読み込み(ステップS26)と、時刻カウンタのインクリメント(ステップS28)とを行う。
【0035】
そして、ステップS21において睡眠状態がうとうと状態(入眠直前状態)であることを推定した場合には、コントローラ1は、ステップS22において動作モードを熟眠モード(図3のステップS13)に移行させる。一方、睡眠状態がうとうと状態(入眠直前状態)ではないとの推定結果を得ている場合には、コントローラ1は、ステップS22からステップS31に処理を進めて、ステップS28の時刻カウンタのインクリメントによって入眠誘導モードが終了するまで睡眠状態の推定を継続させる。
【0036】
また、ステップS23において操作部13の操作状態を取得した場合に、ステップS24において、当該操作部13の操作が「今すぐ眠る」ボタンである場合には動作モードを熟眠モードに移行させ(図3のステップS13)、快眠シナリオの中止ボタンが操作された場合には快眠シナリオ全体を中止し、操作部13に対する操作がなされていない場合にはステップS24からステップS31に処理を進め、身体預け部2又はリラックス機器3を動作させる操作を検出した場合にはステップS25に処理を進める。このステップS25においては、コントローラ1により、操作部13の操作内容に従って、身体預け部2又はリラックス機器3に制御コマンドを送信する。
【0037】
更に、コントローラ1は、ステップS26においてシナリオ読み込みを行った場合に、ステップS27において、現時刻において制御すべきリラックス機器3が存在するか否かを判定する。このとき、シナリオ実行部14は、シナリオ生成部15によって快眠シナリオのシナリオデータによって現時刻で動作させる身体預け部2又はリラックス機器3を動作させるための制御コマンドがある場合にはステップS25に処理を進めて、該当する身体預け部2又はリラックス機器3を動作させて、ステップS31に処理を進める。
【0038】
「熟眠モード」
ステップS31において入眠誘導モードの終了時刻と判定された場合、又は、リラクゼーションモード又は入眠誘導モードにおいてうとうと状態(入眠直前状態)と判定されてスキップした場合における熟眠モードは、図4に示すようにリラックス機器3の照明機器を消灯し、身体預け部2及びリラックス機器3の各種機器を停止させる。
【0039】
また、この熟眠モードは、図4に示すスキップ条件として、操作部13の「今すぐ起きる」ボタンが操作された場合には起床後覚醒モードにスキップし、又は、状態計測・推定部4によって使用者の離床を受信した場合には途中起床モードにスキップすることが設定されている。この熟眠モードにおける処理は、図7に示すように、所定時間ごとに、状態計測部44による使用者の状態検出及び状態推定部43による睡眠状態の推定(ステップS21)と、コントローラ1による操作部13の操作状態の取得(ステップS23)と、コントローラ1によるシナリオ読み込み(ステップS26)と、時刻カウンタのインクリメント(ステップS28)とを行う。
【0040】
そして、ステップS21における睡眠状態の計測によって、離床状態であると判定した場合には、コントローラ1は、ステップS41において動作モードを途中起床モードにスキップさせる。一方、睡眠状態が離床状態ではなく熟睡状態であるとの推定結果を得ている場合には、コントローラ1は、ステップS41からステップS42に処理を進めて、ステップS28の時刻カウンタのインクリメントによって熟眠モードが終了するまで睡眠状態の推定を継続させる。
【0041】
また、ステップS23において操作部13の操作状態を取得した場合に、ステップS24において、当該操作部13の操作が「今すぐ起きる」ボタンである場合には起床後覚醒モードに移行させ(図3のステップS17)、快眠シナリオの中止ボタンが操作された場合には快眠シナリオ全体を中止し、操作部13に対する操作がなされていない場合にはステップS24からステップS42に処理を進め、身体預け部2又はリラックス機器3を動作させる操作を検出した場合にはステップS25に処理を進める。このステップS25においては、コントローラ1により、操作部13の操作内容に従って、身体預け部2又はリラックス機器3に制御コマンドを送信する。
【0042】
更に、コントローラ1は、ステップS26においてシナリオ読み込みを行った場合に、ステップS27において、現時刻において制御すべきが存在するか否かを判定する。このとき、シナリオ実行部14は、シナリオ生成部15によって快眠シナリオのシナリオデータによって現時刻で動作させる身体預け部2又はリラックス機器3を動作させるための制御コマンドがある場合にはステップS25に処理を進めて、該当する身体預け部2又はリラックス機器3を動作させて、ステップS42に処理を進める。
【0043】
「途中起床モード」
熟眠モードにおけるステップS41において離床が検出された後の途中起床モードは、図4に示すように使用者が夜中に目覚めて身体預け部2から離れた場合への対応を目的とし、夜中において手元が見える程度の低い照度でリラックス機器3である照明機器を動作させる。
【0044】
また、この途中起床モードは、図4に示すスキップ条件として、操作部13の「今すぐ起きる」ボタンが操作された場合には起床後覚醒モードにスキップし、又は、状態計測・推定部4によって使用者の在床を検出した場合には再入眠誘導モードに移行することが設定されている。この途中起床モードにおける処理は、図8に示すように、所定時間ごとに、状態計測部44による使用者の状態検出及び状態推定部43による睡眠状態の推定(ステップS21)と、コントローラ1による操作部13の操作状態の取得(ステップS23)と、コントローラ1によるシナリオ読み込み(ステップS26)と、時刻カウンタのインクリメント(ステップS28)とを行う。
【0045】
そして、ステップS21における睡眠状態の計測によって、ステップS51で在床状態であると判定した場合には、コントローラ1は、ステップS51から再入眠誘導モードに移行させる(図3のステップS15)。一方、睡眠状態が在床状態ではない場合にはステップS21などに処理を戻すことになる。
【0046】
また、ステップS23において操作部13の操作状態を取得した場合に、ステップS24において、当該操作部13の操作が「今すぐ起きる」ボタンである場合には起床後覚醒モードに移行し(図3のステップS17)、快眠シナリオの中止ボタンが操作された場合には快眠シナリオ全体を中止し、操作部13に対する操作がなされていない場合にはステップS24からステップS23などに処理を進め、身体預け部2又はリラックス機器3を動作させる操作を検出した場合にはステップS25に処理を進める。このステップS25においては、コントローラ1により、操作部13の操作内容に従って、身体預け部2又はリラックス機器3に制御コマンドを送信する。
【0047】
更に、コントローラ1は、ステップS26においてシナリオ読み込みを行った場合に、ステップS27において、現時刻において制御すべきリラックス機器3が存在するか否かを判定する。このとき、シナリオ実行部14は、シナリオ生成部15によって快眠シナリオのシナリオデータによって現時刻で動作させる身体預け部2又はリラックス機器3を動作させるための制御コマンドがある場合にはステップS25に処理を進めて、該当する身体預け部2又はリラックス機器3を動作させる。
【0048】
「再入眠誘導モード」
途中起床モードにおけるステップS51において在床が検出された後の再入眠誘導モードは、図4に示すように使用者が夜中に目覚めた後に在床となった場合に再度眠りやすい環境を提供することを目的とし、リラックス機器3である照明機器を消灯させて、眠りやすい音楽を提供する。
【0049】
また、この再入眠誘導モードは、図4に示すスキップ条件として、操作部13の「今すぐ起きる」ボタンが操作された場合には起床後覚醒モードにスキップし、又は、状態計測・推定部4によってうとうと状態(入眠直前状態)を検出した場合には熟眠モードに移行させることが設定されている。この再入眠誘導モードにおける処理は、図9に示すように、所定時間ごとに、状態計測部44による使用者の状態検出及び状態推定部43による睡眠状態の推定(ステップS21)と、コントローラ1による操作部13の操作状態の取得(ステップS23)と、コントローラ1によるシナリオ読み込み(ステップS26)と、時刻カウンタのインクリメント(ステップS28)とを行う。
【0050】
そして、ステップS21における睡眠状態の計測によって、ステップS22でうとうと状態を判定した場合には熟眠モードに移行させ、ステップS41で離床と判定した場合には、途中起床モードに移行させる(図3のステップS15)。一方、うとうと状態ではなく、且つ離床を検出していない場合には、コントローラ1は、熟眠する前であると判定して、ステップS61に処理を進めて、ステップS28の時刻カウンタのインクリメントによって再入眠誘導モードが終了するまで睡眠状態の推定を継続する。
【0051】
また、ステップS23において操作部13の操作状態を取得した場合に、ステップS24において、当該操作部13の操作が「今すぐ眠る」ボタンである場合には熟眠モードに移行させ(図3のステップS13)、快眠シナリオの中止ボタンが操作された場合には快眠シナリオ全体を中止し、操作部13に対する操作がなされていない場合にはステップS24からステップS61に処理を進め、身体預け部2又はリラックス機器3を動作させる操作を検出した場合にはステップS25に処理を進める。このステップS25においては、コントローラ1により、操作部13の操作内容に従って、身体預け部2又はリラックス機器3に制御コマンドを送信して、ステップS61に処理を進める。
【0052】
更に、コントローラ1は、ステップS26においてシナリオ読み込みを行った場合に、ステップS27において、現時刻において制御すべきリラックス機器3が存在するか否かを判定する。このとき、シナリオ実行部14は、シナリオ生成部15によって快眠シナリオのシナリオデータによって現時刻で動作させる身体預け部2又はリラックス機器3を動作させるための制御コマンドがある場合にはステップS25に処理を進めて、該当する身体預け部2又はリラックス機器3を動作させて、ステップS61に処理を進める。
【0053】
「お目覚め誘導モード」
熟眠モードにおいて、ステップS2などで予め操作部13の操作によって設定しておいた起床時刻前の所定時刻となると、コントローラ1は、熟眠モードから、図3のステップS16に移行してお目覚め誘導モードを開始する。このお目覚め誘導モードは、図4に示すようにリラックス機器3である照明機器や音響機器等の動作によって使用者が徐々に目覚めやすい環境を提供することを目的とし、リラックス機器3である照明機器の照度を漸増させ、音響機器の音量を漸増させ、空調機器の動作を開始する。
【0054】
また、このお目覚め誘導モードは、図4に示すスキップ条件として、操作部13の「今すぐ起きる」ボタンが操作された場合には起床後覚醒モードにスキップすることが設定されている。このお目覚め誘導モードにおける処理は、図10に示すように、所定時間ごとに、コントローラ1による操作部13の操作状態の取得(ステップS23)と、コントローラ1によるシナリオ読み込み(ステップS26)と、時刻カウンタのインクリメント(ステップS28)とを行う。
【0055】
ステップS23において操作部13の操作状態を取得した場合に、ステップS24において、当該操作部13の操作が「今すぐ起きる」ボタンである場合には起床後覚醒モードにスキップさせ(図3のステップS17)、快眠シナリオの中止ボタンが操作された場合には快眠シナリオ全体を中止し、操作部13に対する操作がなされていない場合にはステップS24からステップS71に処理を進め、身体預け部2又はリラックス機器3を動作させる操作を検出した場合にはステップS25に処理を進める。このステップS25においては、コントローラ1により、操作部13の操作内容に従って、身体預け部2又はリラックス機器3に制御コマンドを送信して、ステップS71に処理を進める。
【0056】
更に、コントローラ1は、ステップS26においてシナリオ読み込みを行った場合に、ステップS27において、現時刻において制御すべきリラックス機器3が存在するか否かを判定する。このとき、シナリオ実行部14は、シナリオ生成部15によって快眠シナリオのシナリオデータによって現時刻で動作させる身体預け部2又はリラックス機器3を動作させるための制御コマンドがある場合にはステップS25に処理を進めて、該当する身体預け部2又はリラックス機器3を動作させて、ステップS71に処理を進める。
【0057】
そして、ステップS28で時刻カウンタをインクリメントした結果、現在時刻が起床時刻となった場合には、ステップS71から起床後覚醒モードに移行する。
【0058】
「起床後覚醒モード」
上述した快眠シナリオにおいて「今すぐ起きる」ボタンが操作された場合や、お目覚め誘導モードにおけるステップS71において起床時刻となった場合には、コントローラ1は、起床後覚醒モードを開始する。このお目覚め誘導モードは、図4に示すようにリラックス機器3である照明機器の照度を通常と同様のものとすることなどによって使用者が完全に目覚めやすい環境を提供することを目的とし、リラックス機器3である照明機器の照度を高くし、音響機器の音量を増加させ、カーテンを開けるなどの動作を行う。
【0059】
また、この起床後覚醒モードにおける処理は、図11に示すように、所定時間ごとに、コントローラ1による操作部13の操作状態の取得(ステップS23)と、コントローラ1によるシナリオ読み込み(ステップS26)と、時刻カウンタのインクリメント(ステップS28)とを行う。また、このお目覚め誘導モードにおいては、ステップS81において、時刻カウンタでの計時時刻と、予め設定されたアラーム鳴動時刻とを比較して、アラーム鳴動時刻となった場合には、ステップS82においてリラックス機器3であるアラームを鳴動させる。
【0060】
ステップS23において操作部13の操作状態を取得した場合に、ステップS24において、当該操作部13の操作が「終了」ボタンである場合には快眠シナリオを終了させてステップS1に処理を進め、快眠シナリオの中止ボタンが操作された場合には快眠シナリオ全体を中止し、操作部13に対する操作がなされていない場合にはステップS24からステップS83に処理を進め、身体預け部2又はリラックス機器3を動作させる操作を検出した場合にはステップS25に処理を進める。このステップS25においては、コントローラ1により、操作部13の操作内容に従って、身体預け部2又はリラックス機器3に制御コマンドを送信して、ステップS83に処理を進める。
【0061】
更に、コントローラ1は、ステップS26においてシナリオ読み込みを行った場合に、ステップS27において、現時刻において制御すべきリラックス機器3が存在するか否かを判定する。このとき、シナリオ実行部14は、シナリオ生成部15によって快眠シナリオのシナリオデータによって現時刻で動作させる身体預け部2又はリラックス機器3を動作させるための制御コマンドがある場合にはステップS25に処理を進めて、該当する身体預け部2又はリラックス機器3を動作させて、ステップS83に処理を進める。
【0062】
そして、ステップS28で時刻カウンタをインクリメントした結果、現在時刻が快眠シナリオの終了時刻となった場合には、ステップS83において起床後覚醒モードを終了し、ステップS1に処理を戻す。
【0063】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明を適用した睡眠環境制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した他の睡眠環境制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明を適用した睡眠環境制御装置による快眠シナリオの動作手順を示すフローチャートである。
【図4】快眠シナリオに含まれる動作モードのモード名、目的、機器群の動作例、スキップ条件を示す図である。
【図5】リラクゼーションモードにおける睡眠環境制御装置の動作を示す図である。
【図6】入眠誘導モードにおける睡眠環境制御装置の動作を示す図である。
【図7】熟眠モードにおける睡眠環境制御装置の動作を示す図である。
【図8】途中起床モードにおける睡眠環境制御装置の動作を示す図である。
【図9】再入眠誘導モードにおける睡眠環境制御装置の動作を示す図である。
【図10】お目覚め誘導モードにおける睡眠環境制御装置の動作を示す図である。
【図11】起床後覚醒モードにおける睡眠環境制御装置の動作を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
1 コントローラ
2 身体預け部
3 リラックス機器
4 状態計測・推定部
11,21,41 送信部
12,22,31,42 受信部
13 操作部
14 シナリオ実行部
15 シナリオ生成部
16 シナリオデータ記憶部
17 状態推定部
23,32 制御部
24,33 機構部
43 状態推定部
44 状態計測部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の身体が預けられる身体預け機構と、
前記身体預け機構の設置された所定空間における環境状態を制御する機器群と、
使用者の状態を検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段で検出された使用者の状態から、使用者の睡眠状態を推定する睡眠状態推定手段と、
前記機器群の動作モード及び当該動作モード間の移り変わりの条件が定義された動作シナリオに基づいて、使用者の入眠前から覚醒後までにおいて使用者の睡眠状態に対応した前記機器群の制御を行うコントローラとを備え、
前記コントローラは、使用者の入眠を誘導する前記機器群の動作を定義した入眠準備モードに次いで、使用者が睡眠をしている時の前記機器群の動作を定義した睡眠中モードに進む動作シナリオが設定されており、前記入眠準備モードの実行中に前記睡眠状態推定手段によって使用者が睡眠中であることが推定された場合に、前記機器群を前記入眠準備モードから前記睡眠中モードに移行させることを特徴とする睡眠環境制御装置。
【請求項2】
前記状態検出手段は、前記身体預け機構に対する使用者の身体の在床及び離床を検出し、
前記コントローラは、前記機器群を睡眠中モードで定義された動作に制御している最中に、前記状態検出手段によって使用者の身体の離床が検出された場合には、前記機器群を途中起床モードで定義された動作に変更し、再度使用者の身体が在床であることが前記状態検出手段によって検出された場合には、前記途中起床モードから前記睡眠中モードに前記機器群の動作を変更することを特徴とする請求項1に記載の睡眠環境制御装置。
【請求項3】
前記入眠準備モードは、前記機器群に含まれる照明機器を所定の照度から漸減させる動作が定義され、前記睡眠中モードは、当該照明機器の照度が漸減された状態から消灯させる動作が定義されていることを特徴とする請求項1に記載の睡眠環境制御装置。
【請求項1】
使用者の身体が預けられる身体預け機構と、
前記身体預け機構の設置された所定空間における環境状態を制御する機器群と、
使用者の状態を検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段で検出された使用者の状態から、使用者の睡眠状態を推定する睡眠状態推定手段と、
前記機器群の動作モード及び当該動作モード間の移り変わりの条件が定義された動作シナリオに基づいて、使用者の入眠前から覚醒後までにおいて使用者の睡眠状態に対応した前記機器群の制御を行うコントローラとを備え、
前記コントローラは、使用者の入眠を誘導する前記機器群の動作を定義した入眠準備モードに次いで、使用者が睡眠をしている時の前記機器群の動作を定義した睡眠中モードに進む動作シナリオが設定されており、前記入眠準備モードの実行中に前記睡眠状態推定手段によって使用者が睡眠中であることが推定された場合に、前記機器群を前記入眠準備モードから前記睡眠中モードに移行させることを特徴とする睡眠環境制御装置。
【請求項2】
前記状態検出手段は、前記身体預け機構に対する使用者の身体の在床及び離床を検出し、
前記コントローラは、前記機器群を睡眠中モードで定義された動作に制御している最中に、前記状態検出手段によって使用者の身体の離床が検出された場合には、前記機器群を途中起床モードで定義された動作に変更し、再度使用者の身体が在床であることが前記状態検出手段によって検出された場合には、前記途中起床モードから前記睡眠中モードに前記機器群の動作を変更することを特徴とする請求項1に記載の睡眠環境制御装置。
【請求項3】
前記入眠準備モードは、前記機器群に含まれる照明機器を所定の照度から漸減させる動作が定義され、前記睡眠中モードは、当該照明機器の照度が漸減された状態から消灯させる動作が定義されていることを特徴とする請求項1に記載の睡眠環境制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−222227(P2007−222227A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−44099(P2006−44099)
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]