短余長融着接続部収容部材、融着接続部保持部材
【課題】光ファイバケーブルに口出しされた光ファイバ同士の融着接続部を収納するクロージャ等の光接続箱において、融着接続部及び余長の収納を省スペースで実現する技術の開発が求められていた。
【解決手段】光ドロップケーブル2の固定と、光ドロップケーブル2先端に口出しされた光ファイバ同士の融着接続部3の固定とを行える融着接続部保持部材10を保護部材4内に収納した構造の融着接続部収容部材1、融着接続部保持部材10を提供する。
【解決手段】光ドロップケーブル2の固定と、光ドロップケーブル2先端に口出しされた光ファイバ同士の融着接続部3の固定とを行える融着接続部保持部材10を保護部材4内に収納した構造の融着接続部収容部材1、融着接続部保持部材10を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種光ファイバケーブル(例えば、スロット形光ファイバケーブル等の丸形光ファイバケーブルや、光ドロップケーブル等の光ファイバが外被中に埋め込まれた構造の光ファイバケーブル、光ファイバコード)の光ファイバ同士の融着接続部を収納するための短余長融着接続部収容部材、融着接続部保持部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光ファイバケーブルの光ファイバ同士を融着接続して、光ファイバケーブル同士を接続する技術にあっては、光ファイバに接続余長、作業余長を確保することが通常であり、融着接続作業の完了後に、余長を湾曲処理してトレイなどに収納していた(例えば、特許文献1、2)。
【特許文献1】特開2001−042162号公報
【特許文献2】特開2003−230216号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、余長を湾曲処理してトレイに収納する作業は、断線などに留意して慎重に行わねばならないため、手間が掛かる作業になっていた。
また、クロージャや配線箱等の光接続箱にあっては、機能及び構造が全く異なる別々の機構である、余長収納用のトレイと、光ファイバケーブルを把持固定する固定部とを、それぞれ設置スペースを確保して外装ケース内に収納する必要があり、大型化の原因になっていた。
【0004】
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、融着接続部の収納、保護の際に要する余長処理作業の手間を省略あるいは大幅に低減でき、しかも、省スペースで、光ファイバケーブルの光ファイバ同士の融着接続部の収納を実現できる、短余長融着接続部収容部材、融着接続部保持部材の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
第1の発明は、光ファイバケーブルの先端に口出しされた光ファイバ同士の融着接続部を収納する短余長融着接続部収容部材であって、前記融着接続部を保持する融着接続部保持部材と、この融着接続部保持部材を収納する保護部材とを具備し、前記融着接続部保持部材は、基板部と、該基板部の両側に配置され、それぞれ、前記保護部材内に引き込まれた前記光ファイバケーブルの先端部を嵌め込んで固定するための嵌め込み溝を有する外被嵌合固定部と、前記基板部の両側の前記外被嵌合固定部の間に両外被嵌合固定部から離隔して設けられ、前記基板部の上面上に突設された複数の把持突起によって前記融着接続部を保持する融着ホルダ部とを具備し、前記融着ホルダ部に、該融着ホルダ部を介して両側の外被嵌合固定部にそれぞれ嵌合された光ファイバケーブルの光ファイバ同士の融着接続部が保持され、前記融着接続部にて互いに接続された光ファイバが、前記融着ホルダ部を介して両側の外被嵌合固定部が互いに離隔されている方向である基板部延在方向に沿って延在配置されることを特徴とする短余長融着接続部収容部材を提供する。
第2の発明は、前記光ファイバケーブルが、光ファイバが外被中に埋設されてなる光エレメント部と、この光エレメント部の側部に添設された支持線部とを具備するものであり、前記保護部材には、前記光ファイバケーブルの先端部の前記光エレメント部と前記支持線部とが互いに切り離された状態で、両側から引き込まれ、前記保護部材に両側から引き込まれた前記支持線部同士が前記保護部材内に収納された支持線連結具にて連結されて、前記保護部材に真っ直ぐに設けられ、前記融着接続部保持部材の前記外被嵌合固定部には、前記光エレメント部の先端部が嵌め込んで固定され、前記融着接続部保持部材の前記基板部の延在方向及び前記融着接続部にて互いに接続された光ファイバの延在方向が、前記支持線連結具にて互いに連結された支持線部の延在方向に揃えられていることを特徴とする第1の発明の短余長融着接続部収容部材を提供する。
第3の発明は、光ファイバケーブルの先端に口出しされた光ファイバと、前記光ファイバケーブルから分岐される光ドロップケーブルの先端に口出しされた光ファイバとの融着接続部を収納する短余長融着接続部収容部材であって、前記光ファイバケーブルを把持固定するケーブル把持固定部と、前記融着接続部を保持する融着ホルダ部と、前記光ドロップケーブルの先端部を嵌め込んで固定するための嵌め込み溝を有する外被嵌合固定部とが、前記ケーブル把持固定部と前記外被嵌合固定部との間に前記融着ホルダ部が配置されるようにして、細長板状のベース部材に該ベース部材の長手方向に互いに離隔させて設置された接続ユニットが、保護部材に収納され、前記接続ユニットは、前記保護部材に引き込まれた前記光ファイバケーブルの光ファイバと、前記光ファイバケーブルとは反対の側から前記保護部材に引き込まれた前記光ドロップケーブルの光ファイバとの融着接続部を、前記融着ホルダ部に保持するようになっており、前記融着接続部にて互いに接続された光ファイバが、前記ベース部材の長手方向に沿って延在配置されることを特徴とする短余長融着接続部収容部材を提供する。
第4の発明は、前記接続ユニットには、前記融着ホルダ部と前記外被嵌合固定部とを具備する融着接続部保持部材が前記ベース部材に取り付けられており、前記融着接続部保持部材は、基板部と、該基板部の上面上に突設された複数の把持突起によって前記融着接続部を保持する前記融着ホルダ部と、前記基板部上に突設された突壁の間に前記嵌め込み溝を確保した前記外被嵌合固定部とを具備していることを特徴とする第3の発明の短余長融着接続部収容部材を提供する。
第5の発明は、前記光ドロップケーブルは、光ファイバが樹脂製の外被中に埋設されてなる光エレメント部と、この光エレメント部の側部に添設された支持線部とを具備するものであり、前記保護部材には、前記光ドロップケーブルの先端部の前記光エレメント部と前記支持線部とが互いに切り離された状態で引き込まれ、前記接続ユニットの前記ベース部の前記ケーブル把持固定部と前記融着ホルダ部との間に、前記保護部材に引き込まれた前記支持線部を固定するための支持線固定部と、前記光ファイバケーブルのテンションメンバを固定するためのテンションメンバ固定部とが設けられていることを特徴とする第3又は第4の発明の短余長融着接続部収容部材を提供する。
第6の発明は、前記ケーブル把持固定部は、前記ベース部において前記光ファイバケーブルの先端部が当接されるケーブル当接面が形成された部分であるケーブル当接部と該ケーブル当接部に当接された前記光ファイバケーブルの先端部とが内挿されるリング状固定部材と、このリング状固定部材の前記ケーブル当接部から前記ケーブル当接面とは反対の側に突出された部分と前記ケーブル当接部との間に確保された隙間に挿入される楔部材とを具備し、前記隙間への前記楔部材の押し込みによって、前記ケーブル当接部に前記光ファイバケーブルの先端部が固定されるようになっていることを特徴とする第3〜5のいずれかの発明の短余長融着接続部収容部材を提供する。
第7の発明は、前記融着接続部保持部材の前記基板部が細長板状であり、前記外被嵌合固定部は前記基板部の長手方向両端に設けられ、前記融着接続部保持部材は全体が前記基板部に沿った細長形状に形成されていることを特徴とする第1、2、4のいずれかの発明の短余長融着接続部収容部材を提供する。
第8の発明は、前記保護部材が、可撓性シート基材の片面に粘着層を設けた、防水性のシート状部材であることを特徴とする第1〜7のいずれかの発明の短余長融着接続部収容部材を提供する。
第9の発明は、前記保護部材が防水シートであり、さらに、前記防水シートの外側に設けられる保護部材として、前記防水シートを覆う硬質の外装保護ケース(5)を装着して、前記外装保護ケース内に前記防水シート全体を収納したことを特徴とする第1〜8のいずれかの発明の短余長融着接続部収容部材を提供する。
第10の発明は、光ファイバケーブルの先端に口出しされた光ファイバ同士の融着接続部を保持する融着接続部保持部材であって、基板部と、該基板部の両側に配置され、それぞれ、前記光ファイバを外被内に収納する光ファイバケーブルの先端部を嵌め込んで固定するための嵌め込み溝を有する外被嵌合固定部と、前記基板部の両側の前記外被嵌合固定部の間に両外被嵌合固定部から離隔して設けられ、前記基板部の上面上に突設された複数の把持突起によって前記融着接続部を保持する融着ホルダ部とを具備し、前記融着ホルダ部に、該融着ホルダ部を介して両側の外被嵌合固定部にそれぞれ嵌合された光ファイバケーブルの光ファイバ同士の融着接続部が保持され、前記融着接続部にて互いに接続された光ファイバが、前記融着ホルダ部を介して両側の外被嵌合固定部が互いに離隔されている方向である基板部延在方向に沿って延在配置されることを特徴とする融着接続部保持部材を提供する。
第11の発明は、前記基板部が細長板状であり、前記融着接続部保持部材全体が前記基板部に沿った細長形状に形成されており、前記外被嵌合固定部は前記基板部の長手方向両端に設けられていることを特徴とする第10の発明の融着接続部保持部材を提供する。
第12の発明は、前記基板部の両側の外被嵌合固定部の間に、光ファイバケーブル内に縦添えされている抗張力体を固定して引き留めるための抗張力体固定部が設けられていることを特徴とする第10又は第11の発明の融着接続部保持部材を提供する。
第13の発明は、前記基板部を他の部材にねじ止めするための穴が開口されている舌片状の取付用補助片が、基板部の側部から張り出すように突設されていることを特徴とする第10〜12のいずれかの発明の融着接続部保持部材を提供する。
第14の発明は、全体が、合成樹脂製の一体成形品であることを特徴とする第10〜13のいずれかの発明の融着接続部保持部材を提供する。
【発明の効果】
【0006】
第1、10の発明に係る融着接続部保持部材、及び、第3の発明に係る接続ユニットは、光ファイバケーブルの先端に口出しされた光ファイバ同士の融着接続部とともに、光ファイバ同士の融着接続によって互いに接続された光ファイバケーブルの先端部をも、一括保持する。
上述の融着接続部保持部材及び接続ユニットは、ファイバ同士の融着接続によって互いに接続された光ファイバケーブルの先端部を、融着ホルダ部を介して両側に対向配置した状態に保持できる。このため、光ファイバケーブルの光ファイバ同士の融着接続を余長を短くして行って形成した融着接続部を保持する場合、光ファイバケーブルの先端に露出され融着接続部にて縦続接続されてひと繋がりになった光ファイバを、融着ホルダ部を介して両側に保持された光ファイバケーブル間にわたって、融着接続部保持部材(あるいは接続ユニット)に引き通すように配線することができる。
融着接続を短余長で行えば、接続後の余長処理作業を省略あるいは簡略化できるが、余長が短いが故に、融着接続部と該融着接続部の両側の光ファイバケーブルの先端部との位置関係、融着接続部の両側の光ファイバケーブルの先端部の位置関係に制約が生じる。また、短余長での融着接続では、融着接続部と光ファイバケーブルの先端部とが接近しているため、従来のように、トレイ等の余長収納具と光ファイバケーブルの固定部とが別々になっている構成では、余長収納具と固定部とを互いに接近させて設置せざるを得なくなり、余長収納作業や、光ファイバケーブルの固定作業の作業性が低下する。
しかしながら、本発明によれば、融着接続部保持部材あるいは接続ユニットによって、融着接続部とともに、光ファイバ同士の融着接続によって互いに接続された光ファイバケーブルの先端部をも、一括保持する。しかも、光ファイバケーブルの先端に露出され融着接続部にて縦続接続されてひと繋がりになった光ファイバを、融着ホルダ部を介して両側に保持された光ファイバケーブル間にわたって、融着接続部保持部材(あるいは接続ユニット)に引き通すように配線できる。このため、融着ホルダ部を介して両側に保持された光ファイバケーブル間の光ファイバに無理な曲げ等を与えるといった不都合を確実に防止できる。
また、融着接続部を保持する機能と、保護部材内に引き込まれた光ファイバケーブル先端部を保持する機能とを併せ持つ、上述の融着接続部保持部材及び接続ユニットであれは、余長収納具と光ファイバケーブルの固定部とが別々になっている構成に比べて、融着接続部の保持を省スペースで実現できる。光ファイバケーブルの先端に露出され融着接続部にて縦続接続されてひと繋がりになった光ファイバを、融着ホルダ部を介して両側に保持された光ファイバケーブル間にわたって、融着接続部保持部材(あるいは接続ユニット)に引き通すように配線できる構成は、融着接続部保持部材及び接続ユニットの小型化を実現でき、融着接続部の保持の省スペース化に寄与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施した短余長融着接続部収容部材、融着接続部保持部材について、図面を参照して説明する。
【0008】
(第1実施形態)
本発明に係る第1実施形態の、短余長融着接続部収容部材、融着接続部保持部材を説明する。
図1は短余長融着接続部収容部材1(以下、融着接続部収容部材、と略称する場合がある)の一例を示す全体斜視図、図2は融着接続部収容部材1を構成する防水シート4(保護部材)を示す図であって、(a)は全体斜視図、(b)断面拡大図、図3は融着接続部収容部材1に内蔵される融着接続部保持部材10及び支持線連結具20付近を示す正面図、図4は融着接続部保持部材10における光ドロップケーブル2(光ファイバケーブル)及び融着接続部3の収納例を示す平面図、図5は融着接続部保持部材10の構造を示す全体斜視図、図6は融着接続部保持部材10の構造を示す図であって(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は平面図である。
【0009】
図1において、融着接続部収容部材1は、光ドロップケーブル2同士の接続部に設置されており、光ドロップケーブル2の光ファイバ同士の融着接続部3を収納するものである。
図3、図4等に示すように、この融着接続部収容部材1は、光ドロップケーブル2(具体的には光エレメント部2d。図3等参照)の先端に口出しされた光ファイバ2a(図3、図4参照)同士の融着接続部3を保持(具体的には把持による固定)する融着接続部保持部材10と、当該融着接続部収容部材1にて互いに接続される光ドロップケーブル2の支持線部2f同士を接続する支持線連結具20と、前記融着接続部保持部材10と前記支持線連結具20と包み込むようにして一括収納する保護部材(ここでは具体的には防水シート4)とを具備して構成されている。そして、融着接続部3を把持固定した融着接続部保持部材10と、互いに接続される光ドロップケーブル2の支持線部2f同士を接続した支持線連結具20とを、保護部材によって包み込むように収納することで、融着接続部3を収納、保護する。
【0010】
ここで、光ドロップケーブル2について説明する。
図7は、光ドロップケーブル2の断面構造の一例を示す。
図7において、光ドロップケーブル2は、光ファイバ2a及び該光ファイバ2aの両脇に縦添えした抗張力体2bを合成樹脂製の外被2c中に埋設して一括被覆した断面矩形状の光エレメント部2dと、この光エレメント部2dの側部に添設(縦添え)された金属線2eを前記光エレメント部2dから延長した前記外被2cによって被覆した支持線部2fとを具備している。
光エレメント部2dと支持線部2fとの間は、前記外被2cの薄肉部2gを介して繋がっており、薄肉部2gを切り裂くように切断することで、支持線部2fを光エレメント部2dから分離できる。支持線部2fは、本発明に係る支持線として機能する。
光ファイバ2aは、光エレメント部2dの断面中央部に埋設されており、光エレメント部2dを、前記光ファイバ2aを介して両側に形成されたノッチ2hから、それぞれ抗張力体2bを埋設した2つのエレメント半体に分割することで、光ファイバ2aを露出させることができる。
【0011】
前記光ファイバ2aとしては、ここでは、光ファイバ素線であるが、例えば、単心の光ファイバ心線、多心の光ファイバテープ心線などであっても良い。また、外被2c中に埋設する光ファイバ2aの本数は1本(図示例では1本の光ファイバ素線)に限定されず、複数本であっても良い。
抗張力体2bは、柔軟性を有する線条体であり、その材質は、例えばFRP等である。
支持線部2fの金属線2eとしては、例えば鋼線等が用いられる。但し、支持線部2fとしては、外被2cで被覆する芯材として金属線2eを採用したものに限定されず、前記芯材としては、例えば、FRP製線材等、様々なものを採用できる。
なお、光ドロップケーブル2としては、光エレメント部から支持線部を分離できるものであれば良く、上述の構成のものに限定されず、周知の各種構成のものを採用できる。
【0012】
図1は、1本の光ドロップケーブル2(区別のため、符号2Aを用いる場合がある)に対して、別の2本の光ドロップケーブル2(区別のため、符号2B、2Cを用いる場合がある)を接続した例を示す。
各光ドロップケーブル2の先端部は、光エレメント部2dと支持線部2fとの間が切り離されている。
図1、図3に示すように、融着接続部収容部材1の防水シート4で取り囲まれた内側には、各光ドロップケーブル2の先端部の前記光エレメント部2dと前記支持線部2fとが互いに切り離された状態で、両側から引き込まれている。
なお、光ドロップケーブル2の、光エレメント部2dと支持線部2fとの間が切り離された分岐部2iは、融着接続部収容部材1の外側に設置されている。これにより、分岐部2iを、融着接続部収容部材1内に設けた場合に比べて、光エレメント部2dの余長確保が容易である。分岐部2iは、保護テープの巻き付けなどによって、保護する。
【0013】
融着接続部収容部材1の保護部材(防水シート4)内に両側から引き込まれた、各光ドロップケーブル2の支持線部2fは、前記支持線連結具20にて連結されることで、張力の作用により、1本の直線に沿って、融着接続部収容部材1に真っ直ぐに設けられる。
なお、図3中、符号21は連結プレート、22は固定ねじであり、いずれも、支持線連結具20の構成部品である。
【0014】
図4において、光ドロップケーブル2A(光エレメント部2d)の先端部に口出しされた光ファイバ2a(区別のため、符号2aaを用いる場合がある)は、例えば、2心、4心といった多心光ファイバテープ心線である。一方、光ドロップケーブル2B、2C(光エレメント部2d)の先端部に口出しされた光ファイバ2a(区別のため、符号2ab、2acを用いる場合がある)は、単心の光ファイバ心線、光ファイバ素線といった、単心光ファイバである。
融着接続部3は、1本の光ファイバ2aaに対する、2本の光ファイバ2ab、2acとの融着接続部を、補強スリーブ等を用いて、ひと纏めにしたものである。
【0015】
次に、融着接続部保持部材10について説明する。
なお、図5、図6(a)−(c)において、上側を上、下側を下として説明する。
図4、図5、図6に示すように、前記融着接続部保持部材10は、細長板状の基板部11と、該基板部11の長手方向両端に配置された外被嵌合固定部12と、前記基板部11の両端の前記外被嵌合固定部12の間に両外被嵌合固定部12から離隔して設けられた融着ホルダ部13とを具備し、全体として細長に形成されている。
また、この融着接続部保持部材10は、全体が、プラスチック製の一体成形品である。
【0016】
図中符号14は側壁部であり、基板部11の幅方向両端から基板部11上に立設されている。この側壁部14は、基板部11の長手方向において、両端の外被嵌合固定部12の間の部分に、基板部11の長手方向に沿って形成されている。基板部11の幅方向両端の側壁部14の間の空間は、光ドロップケーブル2の光ファイバ2a及び融着接続部3を収納するファイバ収納溝10aとして機能する。
【0017】
前記外被嵌合固定部12は、基板部11の長手方向両端部にて、基板部11上に複数並列に突設された突壁12aの間に、光ドロップケーブル2の光エレメント部2dの先端部を嵌め込んで固定するための嵌め込み溝12bが確保された構造になっている。
なお、図示例の融着接続部保持部材10では、長手方向一方の側(図4左側)の外被嵌合固定部12(以下、符号12Aを付す場合がある)の嵌め込み溝12bは1本、他方の側の外被嵌合固定部12(以下、符号12Bを付す場合がある)の嵌め込み溝12bは2本であるが、各外被嵌合固定部12の嵌め込み溝12bの本数はこれに限定されるものではない。
【0018】
前記嵌め込み溝12bには、融着接続部保持部材10の上方から押し込むようにして、光ドロップケーブル2の光エレメント部2dを嵌め込むことができる。嵌め込まれた光エレメント部2dは、嵌め込み溝12bの両側の突壁12aの間に把持される。また、嵌め込み溝12bに嵌め込まれた光エレメント部2dは、嵌め込み溝12b内面(突壁12aの嵌め込み溝12bに臨む側の側面)に突設された鬼目12cが外被2cに食い込むことで、融着接続部保持部材10の長手方向への位置ずれが生じないように、強固に引き留められる。
【0019】
融着ホルダ部13は、前記基板部11の上面11a上に突設された複数の把持突起13aによって前記融着接続部3を着脱可能に保持する。
図示例の融着接続部保持部材10では、融着ホルダ部13は、把持突起13aと側壁部14との間に、融着接続部3を挟み込むようにして保持するようになっている。
【0020】
図4に示すように、図示例の融着接続部保持部材10では、長手方向一方の側の外被嵌合固定部12Aの嵌め込み溝12bに、光ドロップケーブル2Aの光エレメント部2dの先端部を嵌め込んで固定し、他方の側の外被嵌合固定部12Bの2本の嵌め込み溝12bに、光ドロップケーブル2B、2Cの光エレメント部2dの先端部を嵌め込んで固定している。
融着ホルダ部13には、該融着ホルダ部13を介して両側の外被嵌合固定部12A、12Bにそれぞれ嵌合された光エレメント部2dの先端に口出しされている光ファイバ2a同士の融着接続部3が保持されている。
【0021】
この融着接続部保持部材10は、例えば、口出し長が100mmに満たない程度の短余長の光ファイバ2a同士の融着接続部3の保持に適用することが好ましい。
そして、このような短余長での融着接続によって形成された融着接続部3と、各光ドロップケーブル2の光エレメント部2dとを保持する場合、図3に例示したように、前記融着接続部3にて互いに接続された光ファイバ2aを、融着接続部保持部材10の長手方向に沿って、基板部11の上面11a上に延在配置する。
これにより、融着ホルダ部13を介して両側に保持された光エレメント部2d間の光ファイバ2aに無理な曲げ等を与えるといった不都合を確実に防止できる。また、光ファイバ2aの余長の湾曲処理が不要であることは言うまでも無い。
融着接続部3にて互いに接続された光ファイバ2aを、融着接続部保持部材10の長手方向に沿って、基板部11の上面11a上に延在配置して、融着接続部保持部材10に収納する構成であれば、湾曲処理した余長を融着接続部保持部材10に収納する必要が無いので、融着接続部保持部材10の小型化を実現できる。
【0022】
また、融着接続部13を保持(把持)する機能と、光エレメント部2dを保持(把持)する機能とを併せ持つ、上述の融着接続部保持部材10であれば、余長収納具と光ファイバケーブルの固定部とが別々になっている従来構成に比べて、融着接続部3の保持を省スペースで実現できるといった利点がある。
これにより、融着接続部収容部材1全体の小型化、低コスト化も容易に実現できる。
【0023】
図3に示すように、この融着接続部収容部材1では、融着接続部保持部材10の長手方向(延在方向)を、前記支持線連結具20にて互いに連結された支持線部2fの延在方向(長手方向)に揃えて、融着接続部保持部材10を収納している。
融着接続部保持部材10は、支持線部2fに沿わせるようにして、支持線部2fに近接配置する。
これにより、融着接続部収容部材1全体の小型化を実現できる。
【0024】
融着接続部収容部材1は、支持線部2f同士の連結と、融着接続部保持部材10への融着接続部3及び光エレメント部2dの嵌め込みとが完了した後、防水シート4で、支持線連結具20及び融着接続部保持部材10を包み込むようにして収納することで、組み立てられる。
防水シート4は、図2(b)に示すように、例えばEPDM系加硫ゴム等で形成された可撓性シート基材41(表面層)の片面に、粘着層42を設けたものである。粘着層42は、支持線部2fや光エレメント部2d等に対する密着性確保のために、柔軟性に富むものが好ましく、例えばブチルゴムで形成されたもの等を採用できる。
【0025】
この防水シート4を、粘着層42が内側となるように湾曲させて、支持線連結具20と融着接続部保持部材10とを内側に収納し、ひと纏めにした支持線連結具20及び融着接続部保持部材10の周囲に巻くようにする。
また、防水シート4の融着接続部保持部材10の長手方向両側に延出させた部分同士を貼り合わせて、この貼り合わせ部分によって、端部処理を行い、支持線連結具20及び融着接続部保持部材10を包囲する。これにより、融着接続部保持部材10及び支持線連結具20の防水性を確保する。
支持線連結具20及び融着接続部保持部材10は、粘着層42の粘着性によって防水シート4が貼り付けられることで、所望の位置、所望の向きで固定できる。
また、この防水シート4を用いた防水性の確保では、前記端部処理によって、融着接続部保持部材10の長手方向両端から延出する、支持線部2fや光エレメント部2dも、防水シート4の粘着層42同士の貼り合わせによって、防水シート4に挟み込まれるようにして固定される。さらに、粘着層42の柔軟性によって、支持線部2fや光エレメント部2dに対する粘着層42の密着性が良好に確保されるため、優れた防水性を確保できる。
しかも、防水性を確保するための作業も簡単である。
【0026】
図8は、防水性確保のための保護部材の他の例を示す。
図8では、上述の融着接続部収容部材1の防水シート4の外側に被せた丸パイプ5(保護部材)によって、融着接続部収容部材1全体を収納した例を示す。
丸パイプ5の中心軸方向両端は、融着接続部収容部材1に導入される光ファイバケーブルを通すためのケーブル穴が開けられたキャップ等によって閉じられる。
丸パイプ5は、プラスチック等で形成された硬質の外装保護ケースであり、架空設置される前記融着接続部収容部材1を、衝撃や強風等による外力から保護する。
ここで用いられる防水シートとしては、必ずしも、上述した粘着層42付きの防水シート4である必要は無く、粘着層42を具備していない防水シートを用いて、融着接続部3を保持している融着接続部保持部材10の防水性を確保することも可能である。
【0027】
なお、保護部材としては、上述の例示に限定されず、例えば、開閉可能な半割り状のスリーブ等、様々な構成のものを採用できる。
また、後述の第2実施形態でも、この第1実施形態で例示したものと同様の構成の保護部材を採用できる。
【0028】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図9は本実施形態の短余長融着接続部収容部材51、該短余長融着接続部収容部材51に内蔵された接続ユニット61を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
ここでは、図9(b)において、上側を上、下側を下として説明する。
なお、第1実施形態と同様の構成部分については、共通の符号を付し、説明を簡略化あるいは省略する。
【0029】
図9に示すように、この短余長融着接続部収容部材51は、丸形光ファイバケーブル52(ここではスロット形光ファイバケーブル)と光ドロップケーブル2との接続に用いられるものであり、光ファイバケーブル52の先端に口出しされた光ファイバ52aと、前記光ファイバケーブル52から分岐される光ドロップケーブル2の先端に口出しされた光ファイバ2aとの融着接続部3を収納する。
この短余長融着接続部収容部材51は、光ファイバケーブル52、光ドロップケーブル2、融着接続部3が固定される接続ユニット61を、保護部材54内に収納した構成になっている。
【0030】
接続ユニット61は、細長板状のベース部材62と、このベース部材62の長手方向一端部(図9(a)、(b)左側)に設けられたケーブル把持固定部63と、ベース部材62の長手方向他端部にてベース部材62上に取り付けられた融着接続部保持部材10と、前記ケーブル把持固定部63と前記融着接続部保持部材10との間にて前記ベース部材62上に取り付けられた支持線固定部64及びテンションメンバ固定部65とを具備して構成されている。
【0031】
融着接続部保持部材10は、長手方向一方の外被嵌合固定部12Aがケーブル把持固定部63側、他方の外被嵌合固定部12Bがケーブル把持固定部63とは反対の側となる向きで、長手方向をベース部材62と揃えて、ベース部材62に固定されている。
ケーブル把持固定部63とは反対側の外被嵌合固定部12Bの2本の嵌め込み溝12bには、光ドロップケーブル2B、2Cの光エレメント部2dの先端部が嵌め込んで固定されている。
【0032】
この短余長融着接続部収容部材51でも、光ドロップケーブル2は、該光ドロップケーブル2の先端部の前記光エレメント部2dと前記支持線部2fとが、互いに切り離された状態で、保護部材54の内側に引き込まれる。
融着接続部保持部材10の融着ホルダ部13には、光ファイバケーブル52のケーブル把持固定部63に固定された先端部に口出しされた光ファイバ52aと、光ドロップケーブル2B、2Cの光エレメント部2dの先端に口出しされた光ファイバ2ab、2acとの融着接続部3が嵌め込み固定されている。
ここでは、光ファイバケーブル52の光ファイバ52aは、多心光ファイバテープ心線であり、融着接続部3は、1本の光ファイバ52aと、2本の光ファイバ2ab、2acとの融着接続部を、補強スリーブ等を用いて、ひと纏めにしたものである。
【0033】
光ファイバケーブル52の光ファイバ52aは、光ファイバケーブル52からベース部材62の長手方向に沿って該ベース部材の上面62a上を融着接続部保持部材10まで配線され、さらに、融着接続部保持部材10のケーブル把持固定部63側の外被嵌合固定部12Aに形成されている嵌め込み溝12bに通されて、融着接続部保持部材10のファイバ収納溝10a内の融着ホルダ部13に保持されている融着接続部3に到達している。
したがって、この接続ユニット61では、融着接続部3にて互いに接続された光ファイバ52a、2aが、ベース部材62の長手方向に沿って延在配置される。
【0034】
光ドロップケーブル2の支持線部2fは、ベース部材62に沿って、支持線固定部64まで引き込んで、先端を支持線固定部64に固定する。
図9(a)、(b)中、符号64aは支持線固定部64の固定用ブロック、64bは固定用ブロック64aに螺着された固定用ねじであり、固定用ねじ64bを締め付けることで、固定用ブロック64aの支持線挿入孔64cに挿入された支持線部2fを固定できる。
【0035】
ケーブル把持固定部63は、ベース部材62の長手方向一端部(以下、ケーブル当接部62b)上に設置された光ファイバケーブル52の先端部を、ケーブル当接部62bに押し付けるようにして把持固定するためのリング状固定部材63aと、固定作業用の楔部材63bとを具備して構成されている。
図9(a)、(b)、図10に示すように、前記リング状固定部材63aは、ケーブル当接部62bと、該ケーブル当接部62bの上面(以下、ケーブル当接面62c。ベース部材62の上面62aの一部)側に設置された光ファイバケーブル52の先端部とを内側に収納するようにして設けられる。
ここで、リング状固定部材63aは、ケーブル当接部62bのケーブル当接面62cとは反対の側に突出する部分が存在し、この突出部分とケーブル当接部62bとの間に、楔部材63cを圧入可能な隙間が確保される。そして、楔部材63cを、前記隙間に押し込むことで、リング状固定部材63aによって、光ファイバケーブル52の先端部がケーブル当接部62bに押し付けられ、リング状固定部材63aとケーブル当接部62bとの間に挟み込むようにして、ベース部材62に固定される。
なお、このとき、リング用固定部材63aの内面側に突設されている鬼目(図示略)が、光ファイバケーブル52の外被に食い込むため、これにより、光ファイバケーブル52が、ベース部材52の長手方向に位置ずれを生じないように、強固に固定される。
【0036】
光ファイバケーブル52のテンションメンバ52bは、テンションメンバ固定部65にて固定する。
図9(a)、(b)中、符号65aはテンションメンバ固定部65の固定用ブロック、65bは固定用ブロック65aに螺着された固定用ねじであり、固定用ねじ65bを締め付けることで、固定用ブロック65aの支持線挿入孔65cに挿入されたテンションメンバ52bを固定できる。
【0037】
支持線固定部64及びテンションメンバ固定部65は、固定用ねじ64b、65bの締め付けを緩めることで、支持線部2f、テンションメンバ52bの固定を解除できる。
また、ケーブル把持固定部63は、ケーブル当接部62bとリング状固定部材63aとの間の隙間に圧入されている楔部材63bを前記隙間から引き抜けば、光ファイバケーブル52を固定する把持力が解消される。合わせて、テンションメンバ固定部65でのテンションメンバ52bの固定も解除することで、接続ユニット61からの光ファイバケーブル52の離脱が可能となる。
【0038】
この短余長融着接続部収容部材51においても、第1実施形態の融着接続部収容部材1と同様に、融着接続部の保持(収納)の省スペース化、低コスト化を実現できる。
また、融着接続部3にて互いに接続された光ファイバ52a、2aがベース部材62の長手方向に沿って延在配置されること、光ドロップケーブル2の支持線部2fはベース部材62に沿って設けられるため支持線部2fがベース部材62に近接配置されること、により、接続ユニット61、短余長融着接続部収容部材51の、小型化が容易である。
【0039】
なお、接続ユニットは、必ずしも、融着接続部保持部材10を利用して組み立てられた構成である必要は無い。
接続ユニットは、ケーブル把持固定部と、融着ホルダ部と、外被嵌合固定部とが、前記ケーブル把持固定部と前記外被嵌合固定部との間に前記融着ホルダ部が配置されるようにして、細長板状のベース部材に該ベース部材の長手方向に位置をずらして設置されている構成であれば良く、それぞれ独立の融着ホルダ部と外被嵌合固定部とをベース部材に設置することも可能である。
【0040】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
本実施形態は、本発明に係る融着接続部保持部材の別態様である。
図11に示すように、この実施形態の融着接続部保持部材71は、融着接続部保持部材10の基板部11の幅方向両側に、融着接続部保持部材71を別の部材に固定するための取付用補助片72を突設している。
この融着接続部保持部材71は、取付用補助片72を含めて、全体が合成樹脂製の一体成形品になっている。
【0041】
前記取付用補助片72は、基板部11の幅方向両端の側部から張り出すように突設されている、舌片状の板状突片である。
この取付用補助片72には、融着接続部保持部材71を、例えば、光配線盤のフレーム、光接続箱の筐体、建物の壁などといった部材にねじ止めするための穴72aが開口されている。
【0042】
また、図12に示すように、この融着接続部保持部材71には、光ファイバコード73(光ファイバケーブル)の導入に対応するために、光ファイバコード73の被覆チューブ73a(外被)内側に収納されている抗張力繊維73b(抗張力体)を固定するための抗張力体固定部74が設けられている。
抗張力繊維73bは、光ファイバコード73に収納されている光ファイバ73cの口出し作業に伴い、光ファイバコード73の口元(被覆チューブ73aの先端)から延出するように露出される。
抗張力体固定部74は、光ファイバコード73の先端に露出された抗張力繊維73bに固定した金属製のかしめリング75を収納することで、抗張力繊維73bを引き留めるものである。
【0043】
抗張力体固定部74は、融着接続部保持部材71の長手方向両端の外被嵌合固定部12A、12Bの間に設けられている。
この抗張力体固定部74は、前記基板部11の上面11a上に突設された把持突起74aと側壁部14との間の収納溝74bに、抗張力繊維73bに固定した前記かしめリング75が嵌め込むようにして収納されるようになっている。
収納溝74bに収納されたかしめリング75は、収納溝74bの両側の把持突起74a及び側壁部14から収納溝74b側へ突出されて、融着接続部保持部材71の長手方向に沿って互いに離隔する2箇所に設けられたストッパ用突起74cの間に収納され、前記ストッパ用突起74cによって、融着接続部保持部材71の長手方向への移動が規制される。これにより、光ファイバコード73の抗張力繊維73bが融着接続部保持部材71に引き留められて、融着接続部保持部材71からの光ファイバコード73の抜け方向の移動を規制できる。
【0044】
なお、抗張力体固定部74は、第1、第2実施形態に係る融着接続部保持部材10の説明図面(例えば、図4、図9(a)にも図示している。
また、この実施形態の融着接続部保持部材71は、取付用補助片72を切除することで、前記融着接続部保持部材10と同様に扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1実施形態の短余長融着接続部収容部材の一例を示す全体斜視図である。
【図2】図1の短余長融着接続部収容部材を構成する防水シート(保護部材)を示す図であって、(a)は全体斜視図、(b)断面拡大図である。
【図3】図1の短余長融着接続部収容部材に内蔵される融着接続部保持部材及び支持線連結具の付近を示す正面図である。
【図4】図1の融着接続部保持部材における光ドロップケーブル及び融着接続部の収納例を示す平面図である。
【図5】図1の融着接続部保持部材の構造を示す全体斜視図である。
【図6】図1の融着接続部保持部材の構造を示す図であって(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は平面図である。
【図7】光ドロップケーブルの断面構造の一例を示す図である。
【図8】短余長融着接続部収容部材の保護部材の別態様を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態の短余長融着接続部収容部材、該短余長融着接続部収容部材に内蔵された接続ユニットを示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図10】図9の接続ユニットのケーブル把持固定部の構造を示す断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態を示す図であって、融着接続部保持部材を示す全体斜視図である。
【図12】図11の融着接続部保持部材を示す平面図である。
【符号の説明】
【0046】
1…短余長融着接続部収容部材、2…光ファイバケーブル(光ドロップケーブル)、2a…光ファイバ、2c…外被、2d…光エレメント部、2f…支持線部、3…融着接続部、4…保護部材(防水シート)、10…融着接続部保持部材、11…基板部、11a…上面、12…外被嵌合固定部、12a…突壁、12b…嵌め込み溝、13…融着ホルダ部、13a…把持突起、20…支持線連結具、51…短余長融着接続部収容部材、52…光ファイバケーブル(スロット形光ファイバケーブル)、52a…光ファイバ、52b…テンションメンバ、54…保護部材、61…接続ユニット、62…ベース部材、62a…上面、62b…ケーブル当接部、63c…ケーブル当接面、64…支持線固定部、65…テンションメンバ固定部、71…融着接続部保持部材、72…取付用補助片、72a…穴、73…光ファイバケーブル(光ファイバコード)、73a…外被(被覆チューブ)、73b…抗張力体(抗張力繊維)、73c…光ファイバ、74…抗張力体固定部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種光ファイバケーブル(例えば、スロット形光ファイバケーブル等の丸形光ファイバケーブルや、光ドロップケーブル等の光ファイバが外被中に埋め込まれた構造の光ファイバケーブル、光ファイバコード)の光ファイバ同士の融着接続部を収納するための短余長融着接続部収容部材、融着接続部保持部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光ファイバケーブルの光ファイバ同士を融着接続して、光ファイバケーブル同士を接続する技術にあっては、光ファイバに接続余長、作業余長を確保することが通常であり、融着接続作業の完了後に、余長を湾曲処理してトレイなどに収納していた(例えば、特許文献1、2)。
【特許文献1】特開2001−042162号公報
【特許文献2】特開2003−230216号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、余長を湾曲処理してトレイに収納する作業は、断線などに留意して慎重に行わねばならないため、手間が掛かる作業になっていた。
また、クロージャや配線箱等の光接続箱にあっては、機能及び構造が全く異なる別々の機構である、余長収納用のトレイと、光ファイバケーブルを把持固定する固定部とを、それぞれ設置スペースを確保して外装ケース内に収納する必要があり、大型化の原因になっていた。
【0004】
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、融着接続部の収納、保護の際に要する余長処理作業の手間を省略あるいは大幅に低減でき、しかも、省スペースで、光ファイバケーブルの光ファイバ同士の融着接続部の収納を実現できる、短余長融着接続部収容部材、融着接続部保持部材の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
第1の発明は、光ファイバケーブルの先端に口出しされた光ファイバ同士の融着接続部を収納する短余長融着接続部収容部材であって、前記融着接続部を保持する融着接続部保持部材と、この融着接続部保持部材を収納する保護部材とを具備し、前記融着接続部保持部材は、基板部と、該基板部の両側に配置され、それぞれ、前記保護部材内に引き込まれた前記光ファイバケーブルの先端部を嵌め込んで固定するための嵌め込み溝を有する外被嵌合固定部と、前記基板部の両側の前記外被嵌合固定部の間に両外被嵌合固定部から離隔して設けられ、前記基板部の上面上に突設された複数の把持突起によって前記融着接続部を保持する融着ホルダ部とを具備し、前記融着ホルダ部に、該融着ホルダ部を介して両側の外被嵌合固定部にそれぞれ嵌合された光ファイバケーブルの光ファイバ同士の融着接続部が保持され、前記融着接続部にて互いに接続された光ファイバが、前記融着ホルダ部を介して両側の外被嵌合固定部が互いに離隔されている方向である基板部延在方向に沿って延在配置されることを特徴とする短余長融着接続部収容部材を提供する。
第2の発明は、前記光ファイバケーブルが、光ファイバが外被中に埋設されてなる光エレメント部と、この光エレメント部の側部に添設された支持線部とを具備するものであり、前記保護部材には、前記光ファイバケーブルの先端部の前記光エレメント部と前記支持線部とが互いに切り離された状態で、両側から引き込まれ、前記保護部材に両側から引き込まれた前記支持線部同士が前記保護部材内に収納された支持線連結具にて連結されて、前記保護部材に真っ直ぐに設けられ、前記融着接続部保持部材の前記外被嵌合固定部には、前記光エレメント部の先端部が嵌め込んで固定され、前記融着接続部保持部材の前記基板部の延在方向及び前記融着接続部にて互いに接続された光ファイバの延在方向が、前記支持線連結具にて互いに連結された支持線部の延在方向に揃えられていることを特徴とする第1の発明の短余長融着接続部収容部材を提供する。
第3の発明は、光ファイバケーブルの先端に口出しされた光ファイバと、前記光ファイバケーブルから分岐される光ドロップケーブルの先端に口出しされた光ファイバとの融着接続部を収納する短余長融着接続部収容部材であって、前記光ファイバケーブルを把持固定するケーブル把持固定部と、前記融着接続部を保持する融着ホルダ部と、前記光ドロップケーブルの先端部を嵌め込んで固定するための嵌め込み溝を有する外被嵌合固定部とが、前記ケーブル把持固定部と前記外被嵌合固定部との間に前記融着ホルダ部が配置されるようにして、細長板状のベース部材に該ベース部材の長手方向に互いに離隔させて設置された接続ユニットが、保護部材に収納され、前記接続ユニットは、前記保護部材に引き込まれた前記光ファイバケーブルの光ファイバと、前記光ファイバケーブルとは反対の側から前記保護部材に引き込まれた前記光ドロップケーブルの光ファイバとの融着接続部を、前記融着ホルダ部に保持するようになっており、前記融着接続部にて互いに接続された光ファイバが、前記ベース部材の長手方向に沿って延在配置されることを特徴とする短余長融着接続部収容部材を提供する。
第4の発明は、前記接続ユニットには、前記融着ホルダ部と前記外被嵌合固定部とを具備する融着接続部保持部材が前記ベース部材に取り付けられており、前記融着接続部保持部材は、基板部と、該基板部の上面上に突設された複数の把持突起によって前記融着接続部を保持する前記融着ホルダ部と、前記基板部上に突設された突壁の間に前記嵌め込み溝を確保した前記外被嵌合固定部とを具備していることを特徴とする第3の発明の短余長融着接続部収容部材を提供する。
第5の発明は、前記光ドロップケーブルは、光ファイバが樹脂製の外被中に埋設されてなる光エレメント部と、この光エレメント部の側部に添設された支持線部とを具備するものであり、前記保護部材には、前記光ドロップケーブルの先端部の前記光エレメント部と前記支持線部とが互いに切り離された状態で引き込まれ、前記接続ユニットの前記ベース部の前記ケーブル把持固定部と前記融着ホルダ部との間に、前記保護部材に引き込まれた前記支持線部を固定するための支持線固定部と、前記光ファイバケーブルのテンションメンバを固定するためのテンションメンバ固定部とが設けられていることを特徴とする第3又は第4の発明の短余長融着接続部収容部材を提供する。
第6の発明は、前記ケーブル把持固定部は、前記ベース部において前記光ファイバケーブルの先端部が当接されるケーブル当接面が形成された部分であるケーブル当接部と該ケーブル当接部に当接された前記光ファイバケーブルの先端部とが内挿されるリング状固定部材と、このリング状固定部材の前記ケーブル当接部から前記ケーブル当接面とは反対の側に突出された部分と前記ケーブル当接部との間に確保された隙間に挿入される楔部材とを具備し、前記隙間への前記楔部材の押し込みによって、前記ケーブル当接部に前記光ファイバケーブルの先端部が固定されるようになっていることを特徴とする第3〜5のいずれかの発明の短余長融着接続部収容部材を提供する。
第7の発明は、前記融着接続部保持部材の前記基板部が細長板状であり、前記外被嵌合固定部は前記基板部の長手方向両端に設けられ、前記融着接続部保持部材は全体が前記基板部に沿った細長形状に形成されていることを特徴とする第1、2、4のいずれかの発明の短余長融着接続部収容部材を提供する。
第8の発明は、前記保護部材が、可撓性シート基材の片面に粘着層を設けた、防水性のシート状部材であることを特徴とする第1〜7のいずれかの発明の短余長融着接続部収容部材を提供する。
第9の発明は、前記保護部材が防水シートであり、さらに、前記防水シートの外側に設けられる保護部材として、前記防水シートを覆う硬質の外装保護ケース(5)を装着して、前記外装保護ケース内に前記防水シート全体を収納したことを特徴とする第1〜8のいずれかの発明の短余長融着接続部収容部材を提供する。
第10の発明は、光ファイバケーブルの先端に口出しされた光ファイバ同士の融着接続部を保持する融着接続部保持部材であって、基板部と、該基板部の両側に配置され、それぞれ、前記光ファイバを外被内に収納する光ファイバケーブルの先端部を嵌め込んで固定するための嵌め込み溝を有する外被嵌合固定部と、前記基板部の両側の前記外被嵌合固定部の間に両外被嵌合固定部から離隔して設けられ、前記基板部の上面上に突設された複数の把持突起によって前記融着接続部を保持する融着ホルダ部とを具備し、前記融着ホルダ部に、該融着ホルダ部を介して両側の外被嵌合固定部にそれぞれ嵌合された光ファイバケーブルの光ファイバ同士の融着接続部が保持され、前記融着接続部にて互いに接続された光ファイバが、前記融着ホルダ部を介して両側の外被嵌合固定部が互いに離隔されている方向である基板部延在方向に沿って延在配置されることを特徴とする融着接続部保持部材を提供する。
第11の発明は、前記基板部が細長板状であり、前記融着接続部保持部材全体が前記基板部に沿った細長形状に形成されており、前記外被嵌合固定部は前記基板部の長手方向両端に設けられていることを特徴とする第10の発明の融着接続部保持部材を提供する。
第12の発明は、前記基板部の両側の外被嵌合固定部の間に、光ファイバケーブル内に縦添えされている抗張力体を固定して引き留めるための抗張力体固定部が設けられていることを特徴とする第10又は第11の発明の融着接続部保持部材を提供する。
第13の発明は、前記基板部を他の部材にねじ止めするための穴が開口されている舌片状の取付用補助片が、基板部の側部から張り出すように突設されていることを特徴とする第10〜12のいずれかの発明の融着接続部保持部材を提供する。
第14の発明は、全体が、合成樹脂製の一体成形品であることを特徴とする第10〜13のいずれかの発明の融着接続部保持部材を提供する。
【発明の効果】
【0006】
第1、10の発明に係る融着接続部保持部材、及び、第3の発明に係る接続ユニットは、光ファイバケーブルの先端に口出しされた光ファイバ同士の融着接続部とともに、光ファイバ同士の融着接続によって互いに接続された光ファイバケーブルの先端部をも、一括保持する。
上述の融着接続部保持部材及び接続ユニットは、ファイバ同士の融着接続によって互いに接続された光ファイバケーブルの先端部を、融着ホルダ部を介して両側に対向配置した状態に保持できる。このため、光ファイバケーブルの光ファイバ同士の融着接続を余長を短くして行って形成した融着接続部を保持する場合、光ファイバケーブルの先端に露出され融着接続部にて縦続接続されてひと繋がりになった光ファイバを、融着ホルダ部を介して両側に保持された光ファイバケーブル間にわたって、融着接続部保持部材(あるいは接続ユニット)に引き通すように配線することができる。
融着接続を短余長で行えば、接続後の余長処理作業を省略あるいは簡略化できるが、余長が短いが故に、融着接続部と該融着接続部の両側の光ファイバケーブルの先端部との位置関係、融着接続部の両側の光ファイバケーブルの先端部の位置関係に制約が生じる。また、短余長での融着接続では、融着接続部と光ファイバケーブルの先端部とが接近しているため、従来のように、トレイ等の余長収納具と光ファイバケーブルの固定部とが別々になっている構成では、余長収納具と固定部とを互いに接近させて設置せざるを得なくなり、余長収納作業や、光ファイバケーブルの固定作業の作業性が低下する。
しかしながら、本発明によれば、融着接続部保持部材あるいは接続ユニットによって、融着接続部とともに、光ファイバ同士の融着接続によって互いに接続された光ファイバケーブルの先端部をも、一括保持する。しかも、光ファイバケーブルの先端に露出され融着接続部にて縦続接続されてひと繋がりになった光ファイバを、融着ホルダ部を介して両側に保持された光ファイバケーブル間にわたって、融着接続部保持部材(あるいは接続ユニット)に引き通すように配線できる。このため、融着ホルダ部を介して両側に保持された光ファイバケーブル間の光ファイバに無理な曲げ等を与えるといった不都合を確実に防止できる。
また、融着接続部を保持する機能と、保護部材内に引き込まれた光ファイバケーブル先端部を保持する機能とを併せ持つ、上述の融着接続部保持部材及び接続ユニットであれは、余長収納具と光ファイバケーブルの固定部とが別々になっている構成に比べて、融着接続部の保持を省スペースで実現できる。光ファイバケーブルの先端に露出され融着接続部にて縦続接続されてひと繋がりになった光ファイバを、融着ホルダ部を介して両側に保持された光ファイバケーブル間にわたって、融着接続部保持部材(あるいは接続ユニット)に引き通すように配線できる構成は、融着接続部保持部材及び接続ユニットの小型化を実現でき、融着接続部の保持の省スペース化に寄与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施した短余長融着接続部収容部材、融着接続部保持部材について、図面を参照して説明する。
【0008】
(第1実施形態)
本発明に係る第1実施形態の、短余長融着接続部収容部材、融着接続部保持部材を説明する。
図1は短余長融着接続部収容部材1(以下、融着接続部収容部材、と略称する場合がある)の一例を示す全体斜視図、図2は融着接続部収容部材1を構成する防水シート4(保護部材)を示す図であって、(a)は全体斜視図、(b)断面拡大図、図3は融着接続部収容部材1に内蔵される融着接続部保持部材10及び支持線連結具20付近を示す正面図、図4は融着接続部保持部材10における光ドロップケーブル2(光ファイバケーブル)及び融着接続部3の収納例を示す平面図、図5は融着接続部保持部材10の構造を示す全体斜視図、図6は融着接続部保持部材10の構造を示す図であって(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は平面図である。
【0009】
図1において、融着接続部収容部材1は、光ドロップケーブル2同士の接続部に設置されており、光ドロップケーブル2の光ファイバ同士の融着接続部3を収納するものである。
図3、図4等に示すように、この融着接続部収容部材1は、光ドロップケーブル2(具体的には光エレメント部2d。図3等参照)の先端に口出しされた光ファイバ2a(図3、図4参照)同士の融着接続部3を保持(具体的には把持による固定)する融着接続部保持部材10と、当該融着接続部収容部材1にて互いに接続される光ドロップケーブル2の支持線部2f同士を接続する支持線連結具20と、前記融着接続部保持部材10と前記支持線連結具20と包み込むようにして一括収納する保護部材(ここでは具体的には防水シート4)とを具備して構成されている。そして、融着接続部3を把持固定した融着接続部保持部材10と、互いに接続される光ドロップケーブル2の支持線部2f同士を接続した支持線連結具20とを、保護部材によって包み込むように収納することで、融着接続部3を収納、保護する。
【0010】
ここで、光ドロップケーブル2について説明する。
図7は、光ドロップケーブル2の断面構造の一例を示す。
図7において、光ドロップケーブル2は、光ファイバ2a及び該光ファイバ2aの両脇に縦添えした抗張力体2bを合成樹脂製の外被2c中に埋設して一括被覆した断面矩形状の光エレメント部2dと、この光エレメント部2dの側部に添設(縦添え)された金属線2eを前記光エレメント部2dから延長した前記外被2cによって被覆した支持線部2fとを具備している。
光エレメント部2dと支持線部2fとの間は、前記外被2cの薄肉部2gを介して繋がっており、薄肉部2gを切り裂くように切断することで、支持線部2fを光エレメント部2dから分離できる。支持線部2fは、本発明に係る支持線として機能する。
光ファイバ2aは、光エレメント部2dの断面中央部に埋設されており、光エレメント部2dを、前記光ファイバ2aを介して両側に形成されたノッチ2hから、それぞれ抗張力体2bを埋設した2つのエレメント半体に分割することで、光ファイバ2aを露出させることができる。
【0011】
前記光ファイバ2aとしては、ここでは、光ファイバ素線であるが、例えば、単心の光ファイバ心線、多心の光ファイバテープ心線などであっても良い。また、外被2c中に埋設する光ファイバ2aの本数は1本(図示例では1本の光ファイバ素線)に限定されず、複数本であっても良い。
抗張力体2bは、柔軟性を有する線条体であり、その材質は、例えばFRP等である。
支持線部2fの金属線2eとしては、例えば鋼線等が用いられる。但し、支持線部2fとしては、外被2cで被覆する芯材として金属線2eを採用したものに限定されず、前記芯材としては、例えば、FRP製線材等、様々なものを採用できる。
なお、光ドロップケーブル2としては、光エレメント部から支持線部を分離できるものであれば良く、上述の構成のものに限定されず、周知の各種構成のものを採用できる。
【0012】
図1は、1本の光ドロップケーブル2(区別のため、符号2Aを用いる場合がある)に対して、別の2本の光ドロップケーブル2(区別のため、符号2B、2Cを用いる場合がある)を接続した例を示す。
各光ドロップケーブル2の先端部は、光エレメント部2dと支持線部2fとの間が切り離されている。
図1、図3に示すように、融着接続部収容部材1の防水シート4で取り囲まれた内側には、各光ドロップケーブル2の先端部の前記光エレメント部2dと前記支持線部2fとが互いに切り離された状態で、両側から引き込まれている。
なお、光ドロップケーブル2の、光エレメント部2dと支持線部2fとの間が切り離された分岐部2iは、融着接続部収容部材1の外側に設置されている。これにより、分岐部2iを、融着接続部収容部材1内に設けた場合に比べて、光エレメント部2dの余長確保が容易である。分岐部2iは、保護テープの巻き付けなどによって、保護する。
【0013】
融着接続部収容部材1の保護部材(防水シート4)内に両側から引き込まれた、各光ドロップケーブル2の支持線部2fは、前記支持線連結具20にて連結されることで、張力の作用により、1本の直線に沿って、融着接続部収容部材1に真っ直ぐに設けられる。
なお、図3中、符号21は連結プレート、22は固定ねじであり、いずれも、支持線連結具20の構成部品である。
【0014】
図4において、光ドロップケーブル2A(光エレメント部2d)の先端部に口出しされた光ファイバ2a(区別のため、符号2aaを用いる場合がある)は、例えば、2心、4心といった多心光ファイバテープ心線である。一方、光ドロップケーブル2B、2C(光エレメント部2d)の先端部に口出しされた光ファイバ2a(区別のため、符号2ab、2acを用いる場合がある)は、単心の光ファイバ心線、光ファイバ素線といった、単心光ファイバである。
融着接続部3は、1本の光ファイバ2aaに対する、2本の光ファイバ2ab、2acとの融着接続部を、補強スリーブ等を用いて、ひと纏めにしたものである。
【0015】
次に、融着接続部保持部材10について説明する。
なお、図5、図6(a)−(c)において、上側を上、下側を下として説明する。
図4、図5、図6に示すように、前記融着接続部保持部材10は、細長板状の基板部11と、該基板部11の長手方向両端に配置された外被嵌合固定部12と、前記基板部11の両端の前記外被嵌合固定部12の間に両外被嵌合固定部12から離隔して設けられた融着ホルダ部13とを具備し、全体として細長に形成されている。
また、この融着接続部保持部材10は、全体が、プラスチック製の一体成形品である。
【0016】
図中符号14は側壁部であり、基板部11の幅方向両端から基板部11上に立設されている。この側壁部14は、基板部11の長手方向において、両端の外被嵌合固定部12の間の部分に、基板部11の長手方向に沿って形成されている。基板部11の幅方向両端の側壁部14の間の空間は、光ドロップケーブル2の光ファイバ2a及び融着接続部3を収納するファイバ収納溝10aとして機能する。
【0017】
前記外被嵌合固定部12は、基板部11の長手方向両端部にて、基板部11上に複数並列に突設された突壁12aの間に、光ドロップケーブル2の光エレメント部2dの先端部を嵌め込んで固定するための嵌め込み溝12bが確保された構造になっている。
なお、図示例の融着接続部保持部材10では、長手方向一方の側(図4左側)の外被嵌合固定部12(以下、符号12Aを付す場合がある)の嵌め込み溝12bは1本、他方の側の外被嵌合固定部12(以下、符号12Bを付す場合がある)の嵌め込み溝12bは2本であるが、各外被嵌合固定部12の嵌め込み溝12bの本数はこれに限定されるものではない。
【0018】
前記嵌め込み溝12bには、融着接続部保持部材10の上方から押し込むようにして、光ドロップケーブル2の光エレメント部2dを嵌め込むことができる。嵌め込まれた光エレメント部2dは、嵌め込み溝12bの両側の突壁12aの間に把持される。また、嵌め込み溝12bに嵌め込まれた光エレメント部2dは、嵌め込み溝12b内面(突壁12aの嵌め込み溝12bに臨む側の側面)に突設された鬼目12cが外被2cに食い込むことで、融着接続部保持部材10の長手方向への位置ずれが生じないように、強固に引き留められる。
【0019】
融着ホルダ部13は、前記基板部11の上面11a上に突設された複数の把持突起13aによって前記融着接続部3を着脱可能に保持する。
図示例の融着接続部保持部材10では、融着ホルダ部13は、把持突起13aと側壁部14との間に、融着接続部3を挟み込むようにして保持するようになっている。
【0020】
図4に示すように、図示例の融着接続部保持部材10では、長手方向一方の側の外被嵌合固定部12Aの嵌め込み溝12bに、光ドロップケーブル2Aの光エレメント部2dの先端部を嵌め込んで固定し、他方の側の外被嵌合固定部12Bの2本の嵌め込み溝12bに、光ドロップケーブル2B、2Cの光エレメント部2dの先端部を嵌め込んで固定している。
融着ホルダ部13には、該融着ホルダ部13を介して両側の外被嵌合固定部12A、12Bにそれぞれ嵌合された光エレメント部2dの先端に口出しされている光ファイバ2a同士の融着接続部3が保持されている。
【0021】
この融着接続部保持部材10は、例えば、口出し長が100mmに満たない程度の短余長の光ファイバ2a同士の融着接続部3の保持に適用することが好ましい。
そして、このような短余長での融着接続によって形成された融着接続部3と、各光ドロップケーブル2の光エレメント部2dとを保持する場合、図3に例示したように、前記融着接続部3にて互いに接続された光ファイバ2aを、融着接続部保持部材10の長手方向に沿って、基板部11の上面11a上に延在配置する。
これにより、融着ホルダ部13を介して両側に保持された光エレメント部2d間の光ファイバ2aに無理な曲げ等を与えるといった不都合を確実に防止できる。また、光ファイバ2aの余長の湾曲処理が不要であることは言うまでも無い。
融着接続部3にて互いに接続された光ファイバ2aを、融着接続部保持部材10の長手方向に沿って、基板部11の上面11a上に延在配置して、融着接続部保持部材10に収納する構成であれば、湾曲処理した余長を融着接続部保持部材10に収納する必要が無いので、融着接続部保持部材10の小型化を実現できる。
【0022】
また、融着接続部13を保持(把持)する機能と、光エレメント部2dを保持(把持)する機能とを併せ持つ、上述の融着接続部保持部材10であれば、余長収納具と光ファイバケーブルの固定部とが別々になっている従来構成に比べて、融着接続部3の保持を省スペースで実現できるといった利点がある。
これにより、融着接続部収容部材1全体の小型化、低コスト化も容易に実現できる。
【0023】
図3に示すように、この融着接続部収容部材1では、融着接続部保持部材10の長手方向(延在方向)を、前記支持線連結具20にて互いに連結された支持線部2fの延在方向(長手方向)に揃えて、融着接続部保持部材10を収納している。
融着接続部保持部材10は、支持線部2fに沿わせるようにして、支持線部2fに近接配置する。
これにより、融着接続部収容部材1全体の小型化を実現できる。
【0024】
融着接続部収容部材1は、支持線部2f同士の連結と、融着接続部保持部材10への融着接続部3及び光エレメント部2dの嵌め込みとが完了した後、防水シート4で、支持線連結具20及び融着接続部保持部材10を包み込むようにして収納することで、組み立てられる。
防水シート4は、図2(b)に示すように、例えばEPDM系加硫ゴム等で形成された可撓性シート基材41(表面層)の片面に、粘着層42を設けたものである。粘着層42は、支持線部2fや光エレメント部2d等に対する密着性確保のために、柔軟性に富むものが好ましく、例えばブチルゴムで形成されたもの等を採用できる。
【0025】
この防水シート4を、粘着層42が内側となるように湾曲させて、支持線連結具20と融着接続部保持部材10とを内側に収納し、ひと纏めにした支持線連結具20及び融着接続部保持部材10の周囲に巻くようにする。
また、防水シート4の融着接続部保持部材10の長手方向両側に延出させた部分同士を貼り合わせて、この貼り合わせ部分によって、端部処理を行い、支持線連結具20及び融着接続部保持部材10を包囲する。これにより、融着接続部保持部材10及び支持線連結具20の防水性を確保する。
支持線連結具20及び融着接続部保持部材10は、粘着層42の粘着性によって防水シート4が貼り付けられることで、所望の位置、所望の向きで固定できる。
また、この防水シート4を用いた防水性の確保では、前記端部処理によって、融着接続部保持部材10の長手方向両端から延出する、支持線部2fや光エレメント部2dも、防水シート4の粘着層42同士の貼り合わせによって、防水シート4に挟み込まれるようにして固定される。さらに、粘着層42の柔軟性によって、支持線部2fや光エレメント部2dに対する粘着層42の密着性が良好に確保されるため、優れた防水性を確保できる。
しかも、防水性を確保するための作業も簡単である。
【0026】
図8は、防水性確保のための保護部材の他の例を示す。
図8では、上述の融着接続部収容部材1の防水シート4の外側に被せた丸パイプ5(保護部材)によって、融着接続部収容部材1全体を収納した例を示す。
丸パイプ5の中心軸方向両端は、融着接続部収容部材1に導入される光ファイバケーブルを通すためのケーブル穴が開けられたキャップ等によって閉じられる。
丸パイプ5は、プラスチック等で形成された硬質の外装保護ケースであり、架空設置される前記融着接続部収容部材1を、衝撃や強風等による外力から保護する。
ここで用いられる防水シートとしては、必ずしも、上述した粘着層42付きの防水シート4である必要は無く、粘着層42を具備していない防水シートを用いて、融着接続部3を保持している融着接続部保持部材10の防水性を確保することも可能である。
【0027】
なお、保護部材としては、上述の例示に限定されず、例えば、開閉可能な半割り状のスリーブ等、様々な構成のものを採用できる。
また、後述の第2実施形態でも、この第1実施形態で例示したものと同様の構成の保護部材を採用できる。
【0028】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図9は本実施形態の短余長融着接続部収容部材51、該短余長融着接続部収容部材51に内蔵された接続ユニット61を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
ここでは、図9(b)において、上側を上、下側を下として説明する。
なお、第1実施形態と同様の構成部分については、共通の符号を付し、説明を簡略化あるいは省略する。
【0029】
図9に示すように、この短余長融着接続部収容部材51は、丸形光ファイバケーブル52(ここではスロット形光ファイバケーブル)と光ドロップケーブル2との接続に用いられるものであり、光ファイバケーブル52の先端に口出しされた光ファイバ52aと、前記光ファイバケーブル52から分岐される光ドロップケーブル2の先端に口出しされた光ファイバ2aとの融着接続部3を収納する。
この短余長融着接続部収容部材51は、光ファイバケーブル52、光ドロップケーブル2、融着接続部3が固定される接続ユニット61を、保護部材54内に収納した構成になっている。
【0030】
接続ユニット61は、細長板状のベース部材62と、このベース部材62の長手方向一端部(図9(a)、(b)左側)に設けられたケーブル把持固定部63と、ベース部材62の長手方向他端部にてベース部材62上に取り付けられた融着接続部保持部材10と、前記ケーブル把持固定部63と前記融着接続部保持部材10との間にて前記ベース部材62上に取り付けられた支持線固定部64及びテンションメンバ固定部65とを具備して構成されている。
【0031】
融着接続部保持部材10は、長手方向一方の外被嵌合固定部12Aがケーブル把持固定部63側、他方の外被嵌合固定部12Bがケーブル把持固定部63とは反対の側となる向きで、長手方向をベース部材62と揃えて、ベース部材62に固定されている。
ケーブル把持固定部63とは反対側の外被嵌合固定部12Bの2本の嵌め込み溝12bには、光ドロップケーブル2B、2Cの光エレメント部2dの先端部が嵌め込んで固定されている。
【0032】
この短余長融着接続部収容部材51でも、光ドロップケーブル2は、該光ドロップケーブル2の先端部の前記光エレメント部2dと前記支持線部2fとが、互いに切り離された状態で、保護部材54の内側に引き込まれる。
融着接続部保持部材10の融着ホルダ部13には、光ファイバケーブル52のケーブル把持固定部63に固定された先端部に口出しされた光ファイバ52aと、光ドロップケーブル2B、2Cの光エレメント部2dの先端に口出しされた光ファイバ2ab、2acとの融着接続部3が嵌め込み固定されている。
ここでは、光ファイバケーブル52の光ファイバ52aは、多心光ファイバテープ心線であり、融着接続部3は、1本の光ファイバ52aと、2本の光ファイバ2ab、2acとの融着接続部を、補強スリーブ等を用いて、ひと纏めにしたものである。
【0033】
光ファイバケーブル52の光ファイバ52aは、光ファイバケーブル52からベース部材62の長手方向に沿って該ベース部材の上面62a上を融着接続部保持部材10まで配線され、さらに、融着接続部保持部材10のケーブル把持固定部63側の外被嵌合固定部12Aに形成されている嵌め込み溝12bに通されて、融着接続部保持部材10のファイバ収納溝10a内の融着ホルダ部13に保持されている融着接続部3に到達している。
したがって、この接続ユニット61では、融着接続部3にて互いに接続された光ファイバ52a、2aが、ベース部材62の長手方向に沿って延在配置される。
【0034】
光ドロップケーブル2の支持線部2fは、ベース部材62に沿って、支持線固定部64まで引き込んで、先端を支持線固定部64に固定する。
図9(a)、(b)中、符号64aは支持線固定部64の固定用ブロック、64bは固定用ブロック64aに螺着された固定用ねじであり、固定用ねじ64bを締め付けることで、固定用ブロック64aの支持線挿入孔64cに挿入された支持線部2fを固定できる。
【0035】
ケーブル把持固定部63は、ベース部材62の長手方向一端部(以下、ケーブル当接部62b)上に設置された光ファイバケーブル52の先端部を、ケーブル当接部62bに押し付けるようにして把持固定するためのリング状固定部材63aと、固定作業用の楔部材63bとを具備して構成されている。
図9(a)、(b)、図10に示すように、前記リング状固定部材63aは、ケーブル当接部62bと、該ケーブル当接部62bの上面(以下、ケーブル当接面62c。ベース部材62の上面62aの一部)側に設置された光ファイバケーブル52の先端部とを内側に収納するようにして設けられる。
ここで、リング状固定部材63aは、ケーブル当接部62bのケーブル当接面62cとは反対の側に突出する部分が存在し、この突出部分とケーブル当接部62bとの間に、楔部材63cを圧入可能な隙間が確保される。そして、楔部材63cを、前記隙間に押し込むことで、リング状固定部材63aによって、光ファイバケーブル52の先端部がケーブル当接部62bに押し付けられ、リング状固定部材63aとケーブル当接部62bとの間に挟み込むようにして、ベース部材62に固定される。
なお、このとき、リング用固定部材63aの内面側に突設されている鬼目(図示略)が、光ファイバケーブル52の外被に食い込むため、これにより、光ファイバケーブル52が、ベース部材52の長手方向に位置ずれを生じないように、強固に固定される。
【0036】
光ファイバケーブル52のテンションメンバ52bは、テンションメンバ固定部65にて固定する。
図9(a)、(b)中、符号65aはテンションメンバ固定部65の固定用ブロック、65bは固定用ブロック65aに螺着された固定用ねじであり、固定用ねじ65bを締め付けることで、固定用ブロック65aの支持線挿入孔65cに挿入されたテンションメンバ52bを固定できる。
【0037】
支持線固定部64及びテンションメンバ固定部65は、固定用ねじ64b、65bの締め付けを緩めることで、支持線部2f、テンションメンバ52bの固定を解除できる。
また、ケーブル把持固定部63は、ケーブル当接部62bとリング状固定部材63aとの間の隙間に圧入されている楔部材63bを前記隙間から引き抜けば、光ファイバケーブル52を固定する把持力が解消される。合わせて、テンションメンバ固定部65でのテンションメンバ52bの固定も解除することで、接続ユニット61からの光ファイバケーブル52の離脱が可能となる。
【0038】
この短余長融着接続部収容部材51においても、第1実施形態の融着接続部収容部材1と同様に、融着接続部の保持(収納)の省スペース化、低コスト化を実現できる。
また、融着接続部3にて互いに接続された光ファイバ52a、2aがベース部材62の長手方向に沿って延在配置されること、光ドロップケーブル2の支持線部2fはベース部材62に沿って設けられるため支持線部2fがベース部材62に近接配置されること、により、接続ユニット61、短余長融着接続部収容部材51の、小型化が容易である。
【0039】
なお、接続ユニットは、必ずしも、融着接続部保持部材10を利用して組み立てられた構成である必要は無い。
接続ユニットは、ケーブル把持固定部と、融着ホルダ部と、外被嵌合固定部とが、前記ケーブル把持固定部と前記外被嵌合固定部との間に前記融着ホルダ部が配置されるようにして、細長板状のベース部材に該ベース部材の長手方向に位置をずらして設置されている構成であれば良く、それぞれ独立の融着ホルダ部と外被嵌合固定部とをベース部材に設置することも可能である。
【0040】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
本実施形態は、本発明に係る融着接続部保持部材の別態様である。
図11に示すように、この実施形態の融着接続部保持部材71は、融着接続部保持部材10の基板部11の幅方向両側に、融着接続部保持部材71を別の部材に固定するための取付用補助片72を突設している。
この融着接続部保持部材71は、取付用補助片72を含めて、全体が合成樹脂製の一体成形品になっている。
【0041】
前記取付用補助片72は、基板部11の幅方向両端の側部から張り出すように突設されている、舌片状の板状突片である。
この取付用補助片72には、融着接続部保持部材71を、例えば、光配線盤のフレーム、光接続箱の筐体、建物の壁などといった部材にねじ止めするための穴72aが開口されている。
【0042】
また、図12に示すように、この融着接続部保持部材71には、光ファイバコード73(光ファイバケーブル)の導入に対応するために、光ファイバコード73の被覆チューブ73a(外被)内側に収納されている抗張力繊維73b(抗張力体)を固定するための抗張力体固定部74が設けられている。
抗張力繊維73bは、光ファイバコード73に収納されている光ファイバ73cの口出し作業に伴い、光ファイバコード73の口元(被覆チューブ73aの先端)から延出するように露出される。
抗張力体固定部74は、光ファイバコード73の先端に露出された抗張力繊維73bに固定した金属製のかしめリング75を収納することで、抗張力繊維73bを引き留めるものである。
【0043】
抗張力体固定部74は、融着接続部保持部材71の長手方向両端の外被嵌合固定部12A、12Bの間に設けられている。
この抗張力体固定部74は、前記基板部11の上面11a上に突設された把持突起74aと側壁部14との間の収納溝74bに、抗張力繊維73bに固定した前記かしめリング75が嵌め込むようにして収納されるようになっている。
収納溝74bに収納されたかしめリング75は、収納溝74bの両側の把持突起74a及び側壁部14から収納溝74b側へ突出されて、融着接続部保持部材71の長手方向に沿って互いに離隔する2箇所に設けられたストッパ用突起74cの間に収納され、前記ストッパ用突起74cによって、融着接続部保持部材71の長手方向への移動が規制される。これにより、光ファイバコード73の抗張力繊維73bが融着接続部保持部材71に引き留められて、融着接続部保持部材71からの光ファイバコード73の抜け方向の移動を規制できる。
【0044】
なお、抗張力体固定部74は、第1、第2実施形態に係る融着接続部保持部材10の説明図面(例えば、図4、図9(a)にも図示している。
また、この実施形態の融着接続部保持部材71は、取付用補助片72を切除することで、前記融着接続部保持部材10と同様に扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1実施形態の短余長融着接続部収容部材の一例を示す全体斜視図である。
【図2】図1の短余長融着接続部収容部材を構成する防水シート(保護部材)を示す図であって、(a)は全体斜視図、(b)断面拡大図である。
【図3】図1の短余長融着接続部収容部材に内蔵される融着接続部保持部材及び支持線連結具の付近を示す正面図である。
【図4】図1の融着接続部保持部材における光ドロップケーブル及び融着接続部の収納例を示す平面図である。
【図5】図1の融着接続部保持部材の構造を示す全体斜視図である。
【図6】図1の融着接続部保持部材の構造を示す図であって(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は平面図である。
【図7】光ドロップケーブルの断面構造の一例を示す図である。
【図8】短余長融着接続部収容部材の保護部材の別態様を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態の短余長融着接続部収容部材、該短余長融着接続部収容部材に内蔵された接続ユニットを示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図10】図9の接続ユニットのケーブル把持固定部の構造を示す断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態を示す図であって、融着接続部保持部材を示す全体斜視図である。
【図12】図11の融着接続部保持部材を示す平面図である。
【符号の説明】
【0046】
1…短余長融着接続部収容部材、2…光ファイバケーブル(光ドロップケーブル)、2a…光ファイバ、2c…外被、2d…光エレメント部、2f…支持線部、3…融着接続部、4…保護部材(防水シート)、10…融着接続部保持部材、11…基板部、11a…上面、12…外被嵌合固定部、12a…突壁、12b…嵌め込み溝、13…融着ホルダ部、13a…把持突起、20…支持線連結具、51…短余長融着接続部収容部材、52…光ファイバケーブル(スロット形光ファイバケーブル)、52a…光ファイバ、52b…テンションメンバ、54…保護部材、61…接続ユニット、62…ベース部材、62a…上面、62b…ケーブル当接部、63c…ケーブル当接面、64…支持線固定部、65…テンションメンバ固定部、71…融着接続部保持部材、72…取付用補助片、72a…穴、73…光ファイバケーブル(光ファイバコード)、73a…外被(被覆チューブ)、73b…抗張力体(抗張力繊維)、73c…光ファイバ、74…抗張力体固定部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバケーブル(2)の先端に口出しされた光ファイバ(2a)同士の融着接続部(3)を収納する短余長融着接続部収容部材であって、
前記融着接続部を保持する融着接続部保持部材(10)と、この融着接続部保持部材を収納する保護部材(4、5)とを具備し、
前記融着接続部保持部材は、基板部(11)と、該基板部の両側に配置され、それぞれ、前記保護部材内に引き込まれた前記光ファイバケーブルの先端部を嵌め込んで固定するための嵌め込み溝(12b)を有する外被嵌合固定部(12)と、前記基板部の両側の前記外被嵌合固定部の間に両外被嵌合固定部から離隔して設けられ、前記基板部の上面(11a)上に突設された複数の把持突起(13a)によって前記融着接続部を保持する融着ホルダ部(13)とを具備し、
前記融着ホルダ部に、該融着ホルダ部を介して両側の外被嵌合固定部にそれぞれ嵌合された光ファイバケーブルの光ファイバ同士の融着接続部が保持され、前記融着接続部にて互いに接続された光ファイバが、前記融着ホルダ部を介して両側の外被嵌合固定部が互いに離隔されている方向である基板部延在方向に沿って延在配置されることを特徴とする短余長融着接続部収容部材(1)。
【請求項2】
前記光ファイバケーブルが、光ファイバが外被中に埋設されてなる光エレメント部(2d)と、この光エレメント部の側部に添設された支持線部(2f)とを具備するものであり、
前記保護部材には、前記光ファイバケーブルの先端部の前記光エレメント部と前記支持線部とが互いに切り離された状態で、両側から引き込まれ、
前記保護部材に両側から引き込まれた前記支持線部同士が前記保護部材内に収納された支持線連結具(20)にて連結されて、前記保護部材に真っ直ぐに設けられ、
前記融着接続部保持部材の前記外被嵌合固定部には、前記光エレメント部の先端部が嵌め込んで固定され、
前記融着接続部保持部材の前記基板部の延在方向及び前記融着接続部にて互いに接続された光ファイバの延在方向が、前記支持線連結具にて互いに連結された支持線部の延在方向に揃えられていることを特徴とする請求項1記載の短余長融着接続部収容部材。
【請求項3】
光ファイバケーブル(52)の先端に口出しされた光ファイバ(52a)と、前記光ファイバケーブルから分岐される光ドロップケーブル(2)の先端に口出しされた光ファイバ(2a)との融着接続部(3)を収納する短余長融着接続部収容部材であって、
前記光ファイバケーブルを把持固定するケーブル把持固定部(63)と、前記融着接続部を保持する融着ホルダ部(13)と、前記光ドロップケーブルの先端部を嵌め込んで固定するための嵌め込み溝(12b)を有する外被嵌合固定部(12)とが、前記ケーブル把持固定部と前記外被嵌合固定部との間に前記融着ホルダ部が配置されるようにして、細長板状のベース部材(62)に該ベース部材の長手方向に互いに離隔させて設置された接続ユニット(61)が、保護部材(54)に収納され、
前記接続ユニットは、前記保護部材に引き込まれた前記光ファイバケーブルの光ファイバと、前記光ファイバケーブルとは反対の側から前記保護部材に引き込まれた前記光ドロップケーブルの光ファイバとの融着接続部を、前記融着ホルダ部に保持するようになっており、前記融着接続部にて互いに接続された光ファイバが、前記ベース部材の長手方向に沿って延在配置されることを特徴とする短余長融着接続部収容部材(51)。
【請求項4】
前記接続ユニットには、前記融着ホルダ部と前記外被嵌合固定部とを具備する融着接続部保持部材(10)が前記ベース部材に取り付けられており、
前記融着接続部保持部材は、基板部(11)と、該基板部の上面(11a)上に突設された複数の把持突起(13a)によって前記融着接続部を保持する前記融着ホルダ部(13)と、前記基板部上に突設された突壁(12a)の間に前記嵌め込み溝を確保した前記外被嵌合固定部とを具備していることを特徴とする請求項3記載の短余長融着接続部収容部材。
【請求項5】
前記光ドロップケーブル(2)は、光ファイバ(2a)が樹脂製の外被(2c)中に埋設されてなる光エレメント部(2d)と、この光エレメント部(2d)の側部に添設された支持線部(2f)とを具備するものであり、
前記保護部材には、前記光ドロップケーブルの先端部の前記光エレメント部と前記支持線部とが互いに切り離された状態で引き込まれ、
前記接続ユニットの前記ベース部の前記ケーブル把持固定部と前記融着ホルダ部との間に、前記保護部材に引き込まれた前記支持線部を固定するための支持線固定部(64)と、前記光ファイバケーブルのテンションメンバ(52b)を固定するためのテンションメンバ固定部(65)とが設けられていることを特徴とする請求項3又は4記載の短余長融着接続部収容部材。
【請求項6】
前記ケーブル把持固定部は、
前記ベース部において前記光ファイバケーブルの先端部が当接されるケーブル当接面(62c)が形成された部分であるケーブル当接部(62b)と該ケーブル当接部に当接された前記光ファイバケーブルの先端部とが内挿されるリング状固定部材(63a)と、
このリング状固定部材の前記ケーブル当接部から前記ケーブル当接面とは反対の側に突出された部分と前記ケーブル当接部との間に確保された隙間に挿入される楔部材(63b)とを具備し、前記隙間への前記楔部材の押し込みによって、前記ケーブル当接部に前記光ファイバケーブルの先端部が固定されるようになっていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の短余長融着接続部収容部材。
【請求項7】
前記融着接続部保持部材の前記基板部が細長板状であり、前記外被嵌合固定部は前記基板部の長手方向両端に設けられ、前記融着接続部保持部材は全体が前記基板部に沿った細長形状に形成されていることを特徴とする請求項1、2、4のいずれかに記載の短余長融着接続部収容部材。
【請求項8】
前記保護部材が、可撓性シート基材(41)の片面に粘着層(42)を設けた、防水性のシート状部材であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の短余長融着接続部収容部材。
【請求項9】
前記保護部材が防水シートであり、さらに、前記防水シートの外側に設けられる保護部材として、前記防水シートを覆う硬質の外装保護ケース(5)を装着して、前記外装保護ケース内に前記防水シート全体を収納したことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の短余長融着接続部収容部材。
【請求項10】
光ファイバケーブル(2、73)の先端に口出しされた光ファイバ(2a、73c)同士の融着接続部(3)を保持する融着接続部保持部材であって、
基板部(11)と、
該基板部の両側に配置され、それぞれ、前記光ファイバを外被(2c、73a)内に収納する光ファイバケーブルの先端部を嵌め込んで固定するための嵌め込み溝(12b)を有する外被嵌合固定部(12)と、
前記基板部の両側の前記外被嵌合固定部の間に両外被嵌合固定部から離隔して設けられ、前記基板部の上面(11a)上に突設された複数の把持突起(13a)によって前記融着接続部を保持する融着ホルダ部(13)とを具備し、
前記融着ホルダ部に、該融着ホルダ部を介して両側の外被嵌合固定部にそれぞれ嵌合された光ファイバケーブルの光ファイバ同士の融着接続部が保持され、前記融着接続部にて互いに接続された光ファイバが、前記融着ホルダ部を介して両側の外被嵌合固定部が互いに離隔されている方向である基板部延在方向に沿って延在配置されることを特徴とする融着接続部保持部材(10、71)。
【請求項11】
前記基板部が細長板状であり、前記融着接続部保持部材全体が前記基板部に沿った細長形状に形成されており、前記外被嵌合固定部は前記基板部の長手方向両端に設けられていることを特徴とする請求項10記載の融着接続部保持部材。
【請求項12】
前記基板部の両側の外被嵌合固定部の間に、光ファイバケーブル内に縦添えされている抗張力体(73b)を固定して引き留めるための抗張力体固定部(74)が設けられていることを特徴とする請求項10又は11記載の融着接続部保持部材。
【請求項13】
前記基板部を他の部材にねじ止めするための穴(72a)が開口されている舌片状の取付用補助片(72)が、基板部の側部から張り出すように突設されていることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の融着接続部保持部材。
【請求項14】
全体が、合成樹脂製の一体成形品であることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の融着接続部保持部材。
【請求項1】
光ファイバケーブル(2)の先端に口出しされた光ファイバ(2a)同士の融着接続部(3)を収納する短余長融着接続部収容部材であって、
前記融着接続部を保持する融着接続部保持部材(10)と、この融着接続部保持部材を収納する保護部材(4、5)とを具備し、
前記融着接続部保持部材は、基板部(11)と、該基板部の両側に配置され、それぞれ、前記保護部材内に引き込まれた前記光ファイバケーブルの先端部を嵌め込んで固定するための嵌め込み溝(12b)を有する外被嵌合固定部(12)と、前記基板部の両側の前記外被嵌合固定部の間に両外被嵌合固定部から離隔して設けられ、前記基板部の上面(11a)上に突設された複数の把持突起(13a)によって前記融着接続部を保持する融着ホルダ部(13)とを具備し、
前記融着ホルダ部に、該融着ホルダ部を介して両側の外被嵌合固定部にそれぞれ嵌合された光ファイバケーブルの光ファイバ同士の融着接続部が保持され、前記融着接続部にて互いに接続された光ファイバが、前記融着ホルダ部を介して両側の外被嵌合固定部が互いに離隔されている方向である基板部延在方向に沿って延在配置されることを特徴とする短余長融着接続部収容部材(1)。
【請求項2】
前記光ファイバケーブルが、光ファイバが外被中に埋設されてなる光エレメント部(2d)と、この光エレメント部の側部に添設された支持線部(2f)とを具備するものであり、
前記保護部材には、前記光ファイバケーブルの先端部の前記光エレメント部と前記支持線部とが互いに切り離された状態で、両側から引き込まれ、
前記保護部材に両側から引き込まれた前記支持線部同士が前記保護部材内に収納された支持線連結具(20)にて連結されて、前記保護部材に真っ直ぐに設けられ、
前記融着接続部保持部材の前記外被嵌合固定部には、前記光エレメント部の先端部が嵌め込んで固定され、
前記融着接続部保持部材の前記基板部の延在方向及び前記融着接続部にて互いに接続された光ファイバの延在方向が、前記支持線連結具にて互いに連結された支持線部の延在方向に揃えられていることを特徴とする請求項1記載の短余長融着接続部収容部材。
【請求項3】
光ファイバケーブル(52)の先端に口出しされた光ファイバ(52a)と、前記光ファイバケーブルから分岐される光ドロップケーブル(2)の先端に口出しされた光ファイバ(2a)との融着接続部(3)を収納する短余長融着接続部収容部材であって、
前記光ファイバケーブルを把持固定するケーブル把持固定部(63)と、前記融着接続部を保持する融着ホルダ部(13)と、前記光ドロップケーブルの先端部を嵌め込んで固定するための嵌め込み溝(12b)を有する外被嵌合固定部(12)とが、前記ケーブル把持固定部と前記外被嵌合固定部との間に前記融着ホルダ部が配置されるようにして、細長板状のベース部材(62)に該ベース部材の長手方向に互いに離隔させて設置された接続ユニット(61)が、保護部材(54)に収納され、
前記接続ユニットは、前記保護部材に引き込まれた前記光ファイバケーブルの光ファイバと、前記光ファイバケーブルとは反対の側から前記保護部材に引き込まれた前記光ドロップケーブルの光ファイバとの融着接続部を、前記融着ホルダ部に保持するようになっており、前記融着接続部にて互いに接続された光ファイバが、前記ベース部材の長手方向に沿って延在配置されることを特徴とする短余長融着接続部収容部材(51)。
【請求項4】
前記接続ユニットには、前記融着ホルダ部と前記外被嵌合固定部とを具備する融着接続部保持部材(10)が前記ベース部材に取り付けられており、
前記融着接続部保持部材は、基板部(11)と、該基板部の上面(11a)上に突設された複数の把持突起(13a)によって前記融着接続部を保持する前記融着ホルダ部(13)と、前記基板部上に突設された突壁(12a)の間に前記嵌め込み溝を確保した前記外被嵌合固定部とを具備していることを特徴とする請求項3記載の短余長融着接続部収容部材。
【請求項5】
前記光ドロップケーブル(2)は、光ファイバ(2a)が樹脂製の外被(2c)中に埋設されてなる光エレメント部(2d)と、この光エレメント部(2d)の側部に添設された支持線部(2f)とを具備するものであり、
前記保護部材には、前記光ドロップケーブルの先端部の前記光エレメント部と前記支持線部とが互いに切り離された状態で引き込まれ、
前記接続ユニットの前記ベース部の前記ケーブル把持固定部と前記融着ホルダ部との間に、前記保護部材に引き込まれた前記支持線部を固定するための支持線固定部(64)と、前記光ファイバケーブルのテンションメンバ(52b)を固定するためのテンションメンバ固定部(65)とが設けられていることを特徴とする請求項3又は4記載の短余長融着接続部収容部材。
【請求項6】
前記ケーブル把持固定部は、
前記ベース部において前記光ファイバケーブルの先端部が当接されるケーブル当接面(62c)が形成された部分であるケーブル当接部(62b)と該ケーブル当接部に当接された前記光ファイバケーブルの先端部とが内挿されるリング状固定部材(63a)と、
このリング状固定部材の前記ケーブル当接部から前記ケーブル当接面とは反対の側に突出された部分と前記ケーブル当接部との間に確保された隙間に挿入される楔部材(63b)とを具備し、前記隙間への前記楔部材の押し込みによって、前記ケーブル当接部に前記光ファイバケーブルの先端部が固定されるようになっていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の短余長融着接続部収容部材。
【請求項7】
前記融着接続部保持部材の前記基板部が細長板状であり、前記外被嵌合固定部は前記基板部の長手方向両端に設けられ、前記融着接続部保持部材は全体が前記基板部に沿った細長形状に形成されていることを特徴とする請求項1、2、4のいずれかに記載の短余長融着接続部収容部材。
【請求項8】
前記保護部材が、可撓性シート基材(41)の片面に粘着層(42)を設けた、防水性のシート状部材であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の短余長融着接続部収容部材。
【請求項9】
前記保護部材が防水シートであり、さらに、前記防水シートの外側に設けられる保護部材として、前記防水シートを覆う硬質の外装保護ケース(5)を装着して、前記外装保護ケース内に前記防水シート全体を収納したことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の短余長融着接続部収容部材。
【請求項10】
光ファイバケーブル(2、73)の先端に口出しされた光ファイバ(2a、73c)同士の融着接続部(3)を保持する融着接続部保持部材であって、
基板部(11)と、
該基板部の両側に配置され、それぞれ、前記光ファイバを外被(2c、73a)内に収納する光ファイバケーブルの先端部を嵌め込んで固定するための嵌め込み溝(12b)を有する外被嵌合固定部(12)と、
前記基板部の両側の前記外被嵌合固定部の間に両外被嵌合固定部から離隔して設けられ、前記基板部の上面(11a)上に突設された複数の把持突起(13a)によって前記融着接続部を保持する融着ホルダ部(13)とを具備し、
前記融着ホルダ部に、該融着ホルダ部を介して両側の外被嵌合固定部にそれぞれ嵌合された光ファイバケーブルの光ファイバ同士の融着接続部が保持され、前記融着接続部にて互いに接続された光ファイバが、前記融着ホルダ部を介して両側の外被嵌合固定部が互いに離隔されている方向である基板部延在方向に沿って延在配置されることを特徴とする融着接続部保持部材(10、71)。
【請求項11】
前記基板部が細長板状であり、前記融着接続部保持部材全体が前記基板部に沿った細長形状に形成されており、前記外被嵌合固定部は前記基板部の長手方向両端に設けられていることを特徴とする請求項10記載の融着接続部保持部材。
【請求項12】
前記基板部の両側の外被嵌合固定部の間に、光ファイバケーブル内に縦添えされている抗張力体(73b)を固定して引き留めるための抗張力体固定部(74)が設けられていることを特徴とする請求項10又は11記載の融着接続部保持部材。
【請求項13】
前記基板部を他の部材にねじ止めするための穴(72a)が開口されている舌片状の取付用補助片(72)が、基板部の側部から張り出すように突設されていることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の融着接続部保持部材。
【請求項14】
全体が、合成樹脂製の一体成形品であることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の融着接続部保持部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−65170(P2008−65170A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−244688(P2006−244688)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【Fターム(参考)】
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