説明

短寸ランプ

【課題】外部リード棒の長さを極めて短くしても外部リード棒保持力が低下しない短寸ランプの開発を課題とする。
【解決手段】電極(1)又はフィラメントを内蔵する発光管部(2)と、発光管部(2)から延出された封止部(3)と、前記封止部(3)内に埋設され、電極(1)又はフィラメントに接続している金属箔(4)と、前記電極(1)又はフィラメントの接合部位(4b)から離間して金属箔(4)に接続されている外部リード棒(7)とで構成された短寸ランプ(A)であって、外部リード棒(7)の金属箔(4)との接合部位(4a)、換言すれば、外部リード棒(7)の金属箔溶接部分(4a)から封止部(3)の端面(c)「即ち、切断部位の端面(c)」に至る端部(S)、即ち、埋設部分全面が、封止部(3)の外部リード棒埋設内面(7a)に対して平行になるように形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寿命が充分長いにも拘らず、封止部が従来には見られなかった極めて短い短寸ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
ここ最近では光学機器や携帯型照明器具の高照度化・小型化競争の激化に伴い、ランプが組み込まれている光源装置も急速に小型化しており、ハロゲンランプや放電ランプ、特に放電ランプにあっては、特にその要請が強い。そこでこの要請に対応するためにランプの発光管部を小型化と発光管部内圧の高圧化、封止部寸法の短縮化を極限まで進めてきた。
【0003】
このような短寸ランプ(B)の封止部(31)の構造を(図2)に従って説明すると、可能な限り短い金属箔(41)を使用し、且つ金属箔(41)を発光管部(21)にできる限り近接させ、封止部(31)の端面(61)と金属箔(41)との間の寸法(S')をできる限り短くすることで対応しようとしてきた。このときのランプ(B)の全長を(L)とする。
【0004】
しかしながら、図2に示すように、封止部(31)の端面(61)と金属箔(41)との間の寸法(S')をできる限り短くしようとすると、この部分(S')が封止部(31)の端であるが故にシール時に収縮力(シュリンクシールの場合)やピンチ押圧力(ピンチシールの場合)による、前記端部(S')における接触が弱く、図4に示すように、ラッパ状間隙(51)が封止部(31)の端面(61)から奥方向に伸びて形成され且つ外部リード棒(71)と封止部(31)との熱膨張率との関係で両者間に極微細な間隙(52)がどうしても発生する。従って、外部リード棒(71)の有効保持長(Y)は金属箔(41)と封止部(31)の端面(61)との間の寸法(S')―ラッパ状間隙(51)の深さ(X)となり、有効保持長(Y)が極端に短い前記寸法(S')より更に短くなり且つ前記極微細な間隙(52)により外部リード棒(71)がぐらつき、外部リード棒(71)の保持が不十分で、甚だしい場合は外部リード棒(71)が抜け落ちるというような問題があった。
【特許文献1】特願2004−160123
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はかかる従来例の問題点に鑑み、封止部を従来と比較して大幅に短くできるようにすること、換言すれば、それ故全長を従来と比較して大幅に短くできるようにしたにも拘わらず外部リード棒の保持力の向上、ひいては脱落防止が可能となった短寸ランプの開発を発明課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明は、図3に示すように「電極(1)又はフィラメントを内蔵する発光管部(2)と、発光管部(2)から延出された封止部(3)と、前記封止部(3)内に埋設され、電極(1)又はフィラメントに接続している金属箔(4)と、前記電極(1)又はフィラメントの接合部位(4b)から離間して金属箔(4)に接続されている外部リード棒(7)とで構成された短寸ランプ(A)であって、外部リード棒(7)の金属箔(4)との接合部位(4a)、換言すれば、外部リード棒(7)の金属箔溶接部分(4a)から封止部(3)の端面(c)「即ち、切断部位の端面(c)」に至る端部(S)、即ち、埋設部分全面が、封止部(3)の外部リード棒埋設内面(7a)に対して平行になるように形成されている」ことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載した発明は、「電極(1)又はフィラメントを内蔵する発光管部(2)と、発光管部(2)から延出された封止部(3)と、封止部(3)内に埋設され、電極(1)又はフィラメントに接続されている金属箔(4)と、前記電極(1)又はフィラメントの接合部位から離間して金属箔(4)に接続されている外部リード棒(7)とで構成された短寸ランプ(A)の製造方法であって、外部リード棒(7)の金属箔(4)との接合部位(4a)、換言すれば、金属箔溶接部分(4a)から封止部(3)の端面(c)「即ち、切断部位の端面(c)」に至る端部(S)、即ち、埋設部分全面が、封止部(3)の外部リード棒埋設内面(7a)に対して平行になる部位(c)で封止部(3)を切断する」ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1および2に記載した発明によれば、外部リード棒の封止部内埋設部分の外周面全面と、封止部の端部の前記外部リード棒との接触面とが互いに平行になるように封止部を切断するものであるから、外部リード棒の封止部内埋設部分の外周面全面と、封止部の端部である外部リード棒に対する埋設内面とが全長において平行となり、その結果、封止部の長さを極小にしても十分な外部リード棒保持力を達成することが出来た。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。本発明は、ハロゲンランプ(図示せず)や図1に示すような放電ランプ(A)の封止部(3)に関するもので、以下の実施例では、放電ランプ(A)を代表例として説明する。放電ランプ(A)は電極(1)を内蔵する発光管部(2)と、発光管部(2)から延出された封止部(3)と、前記封止部(3)内に埋設され、電極(1)に接続している例えばMoのような金属箔(4)と、前記電極(1)から離間して金属箔(4)に接続されている外部リード棒(7)とで構成されている。
【0010】
発光管部(2)内は、点灯時、数10気圧から数100気圧となるように封入物質や封入ガスが充填されており、且つ、一対の電極(1)が対向して配置されており、電極(1)の埋設端が封止部(3)内に埋設されている金属箔(4)の内側端にスポット溶接されている。
【0011】
電極(1)及び外部リード棒(7)の金属箔(4)との溶接部位(4a)(4b)は、電極(1)及び外部リード棒(7)の溶接部位(4a)(4b)間が発光管部(2)内への外気リークが防止できる程度の最短の離間幅でそれぞれ接続されている。
【0012】
封止は、通常通り、発光管部(2)から延長している管状部分を加熱し、当該加熱部分の収縮により金属箔(4)と、電極(1)および外部リード棒(7)の前記溶接部位(4a)(4b)とその近傍部分を収縮部分に埋設し、切断前の十分長い封止部(3')を形成する。勿論、封止は収縮によって形成されるだけでなく、他の方法、たとえば金型で加熱された前記管状部分を両側から押圧してシールすることも当然含まれる。
【0013】
この場合、切断前の封止部(3')は充分長く、外部リード棒(7)の外周面全面と、切断前の長い封止部(3')の端部(S')の前記外部リード棒(7)との間に端面(6)から奥に向けて前述同様ラッパ状間隙(5)と微細な間隙(52)があったとしても、当該間隙(52)は金属箔(4)と前記ラッパ状間隙(5)との間に十分な距離が設けられている。
【0014】
封止が終わると、前記ラッパ状間隙(5)と金属箔(4)との間の適当な位置な(本発明の場合では、できる限り金属箔(4)に近い位置(c)が選ばれ、従来の短寸ランプ(B)と同等或いはそれ以下の部分)で切断し、極短寸の封止部(3)を形成する。
【0015】
これにより、金属箔(4)の端面から切断された封止部(3)の切断端(c)までの間(S)は、ラッパ状間隙(5)が切除された状態で、外部リード棒(7)の埋設部分(7a)外周全面と切断封止部(3)との間が全面にわたって平行となり、換言すれば、有効保持長は(S)となり、切断封止部(3)の短寸化を計っても外部リード棒(7)の保持力は低下せず、外部リード棒(7)の脱落はない。
【0016】
本発明のランプは、従来にない小型でしかも通常の長さのランプとくらべて遜色のない程度の外部リード棒保持力を有するランプを製造することができたものであり、光学機器のより一層の小型化に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来例の封止部を切除した本発明の断面図
【図2】従来例の断面図
【図3】図1のイ部拡大断面図
【図4】図1のロ部拡大断面図
【符号の説明】
【0018】
(A) 短寸ランプ
(S) 端部
(1) 電極
(2) 発光管部
(3) 封止部
(4) 金属箔
(4a)(4b) 接合部位
(7) 外部リード棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極又はフィラメントを内蔵する発光管部と、発光管部から延出された封止部と、前記封止部内に埋設され、電極又はフィラメントに接続している金属箔と、前記電極又はフィラメントの接合部位から離間して金属箔に接続されている外部リード棒とで構成された短寸ランプにおいて、
外部リード棒の金属箔との接合部位から封止部の端面に至る埋設部分全面が、封止部の外部リード棒埋設内面に対して平行になるように形成されていることを特徴とする短寸ランプ。
【請求項2】
電極又はフィラメントを内蔵する発光管部と、発光管部から延出された封止部と、封止部内に埋設され、電極又はフィラメントに接続されている金属箔と、前記電極又はフィラメントの接合部位から離間して金属箔に接続されている外部リード棒とで構成された短寸ランプの製造方法において、
外部リード棒の金属箔との接合部位から封止部の端面に至る埋設部分全面が、封止部の外部リード棒埋設内面に対して平行になる部位で封止部を切断することを特徴とする短寸ランプの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−165256(P2007−165256A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−363725(P2005−363725)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【出願人】(500058062)株式会社トゥルーウェル (4)
【Fターム(参考)】