説明

石抜き精米機

【課題】揚穀スロワを備えた石抜き精米機おいて、揚穀スロワの詰まりを防止すると共に、揚穀スロワの羽根と揚穀室底壁との隙間を容易に調整できる様にする。石抜き機の小型化を図ると共に、メンテナンスを容易にする。
【解決手段】穀粒ksに混入している石sを除去する石抜き機部5と、該穀粒kを精穀する精米機部3と、前記石抜き機部5から揚穀室28に供給される穀粒kを、揚穀羽根54により前記精米機部3に揚穀する揚穀スロワ26と、を備えた石抜き精米機おいて;前記揚穀スロワ26が、精米機部を停止した時、残留穀粒を排出するための遅延運転制御手段を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、玄米等の穀粒の石抜き精米機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
玄米中には、石等の異物が混入していることがある。そこで、精米を行う際には、玄米を石抜き機にかけて異物を除去した後、揚穀機(エレベータ)により精米機の精米タンクに供給し、精米を行っている(例えば、特許文献1、参照)。
なお、この揚穀機としてエレベータの代わりに、揚穀スロワが用いられることもあるが
、このスロワには、揚穀羽根が内蔵されている揚穀室と、該揚穀室の上端に接続されているスロワ筒と、石抜き機用モータと連動するスロワ駆動用モータと、が設けられている。
【0003】
又、揚穀機を使用しない石抜き精米機では、精米機の精米出口の下方に石抜き機を配設し、玄米を精米機で精米した後、石抜き機の選別多孔板上に落下させて、石抜きを行っている(例えば、特許文献2、参照)。
【0004】
【特許文献1】特許第3182712号公報
【特許文献2】特許第3069904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来例には、次のような問題がある。
(1)揚穀スロワを用いる場合、石抜き機のモータのスイッチが切れる(オフ)と、石抜き機の運転が停止すると共に、スロワの運転も停止するので、揚穀羽根の回転が止まり、揚穀室内に穀粒が残ってしまう。そのため、次に揚穀スロワが始動するときには、前記残留穀粒の負荷を受けるとともに、石抜き機からの穀粒の供給が始るので、揚穀室内の穀粒を掻き揚げることが困難となる。そのため、スロワは最終的には詰まってしまい、排出不可能となることがある。
【0006】
(2)石抜き機が、比較的大型であり、かつ、精米機の側部に固定されているので、この石抜き機を取り外し、作業しやすい所定場所に運んでメンテナンス作業をするのが困難である。
(3)揚穀羽根の外周端部と揚穀室の底壁との間には、所定の隙間が必要である。この隙間を広くしすぎると、該隙間内に位置する穀粒を掻き上げることができなくなり、又、逆に前記隙間を狭くしすぎると、揚穀羽根の先端が揚穀室の底壁に接触し破損してしまうことがある。このように前記隙間の大きさは、極めて重要であるが、設計通りに調整することは、技術を要し困難な作業である。
【0007】
(4)石抜き機では、揚穀室とスロワ筒は回動不能に連結されている。そのため、スロワ筒の排出口を精米機に向けたり、又は、精米機近傍の玄米袋に向けたりすることができないので、不便である。
【0008】
この発明は、上記事情に鑑み、揚穀スロワの詰まりを防止すると共に、揚穀羽根と揚穀室底壁との隙間を容易に調整できるようにすることである。他の目的は、石抜き機の小型化を図ると共に、メンテナンスを容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、穀粒に混入している異物を除去する石抜き機部と、該穀粒を精穀する精米機部と、前記石抜き機部から揚穀室に供給される穀粒を、揚穀羽根により前記精米機部に揚穀する揚穀スロワと、を備えた石抜き精米機おいて;前記揚穀スロワが、残留穀粒を排出するための遅延制御手段を備えていることを特徴とする。
【0010】
この発明の遅延制御手段は、主電源スイッチが切れると、スロワモータを所定時間延長運転せしめるマイコンプログラムであることを特徴とする。この発明の遅延制御手段は、前記揚穀室の残留穀粒を検出するセンサーと、該センサーによりスロワモータを制御する制御回路と、を備えていることを特徴とする。この発明のセンサ−は、揚穀室に連続するスロワ筒に設けられた透過型光センサー、又は、接触式センサーであることを特徴とする。
【0011】
この発明の揚穀室に、スロワ筒が回動自在に接続されていることを特徴とする。この発明の揚穀羽根の先端部に、前記揚穀室の底壁に向かって伸びる隙間調整部材が設けられていることを特徴とする。この発明の隙間調整部材が、ブラシ、又は、ヘラ状弾性板であることを特徴とする。
【0012】
この発明は、石抜き機部と精米機部が、基台に並設され、該石抜き機部の石抜き機は、石抜き機収納部に出し入れ可能に収納されていることを特徴とする。この発明の石抜き機収納部には、石抜き作業中発生する塵埃防止壁を兼ね、石抜き機の出し入れを案内するガイドと、該石抜き機を固定するストッパとが設けられていることを特徴とする。この発明の石抜き機には、傾斜して設けられた選別多孔板と、該選別多孔板の上端側に設けられた石排出口と、該選別多孔板の下側に設けられ、揚穀スロワの揚穀室に連通する穀粒出口と、前記選別多孔板を摺動せしめる揺動アームと、前記選別多孔板の下部に設けられファンと、備えていることを特徴とする。この発明の前記選別多孔板の上部には、石抜きタンクが離間して設けられており、該石抜きタンクの出口には、弾性中継筒が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明は、揚穀スロワが、残留穀粒を排出するための遅延運転制御手段を備えているので、揚穀スロワは、石抜き機の運転が停止した後も運転を継続するとともに、揚穀室内の残留穀粒を排出させた後、運転を停止する。そのため、従来例と異なり、前記揚穀スロワの始動時において揚穀羽根が円滑に回転し、詰まり現象の発生を防止することができる。
【0014】
この発明は、揚穀室にスロワ筒を回動可能に接続したので、スロワ筒を回動させて排出口の位置を変更することができる。従って、石抜きされた穀粒を精米機部だけではなく、他の場所、例えば、玄米袋等の容器、に供給することが可能となる。
【0015】
この発明は、揚穀羽根の先端部に、前記揚穀室の底壁に向かって伸びる隙間調整部材が設けられているので、両者間の隙間を簡単に調整することができる。即ち、前記揚穀羽根の先端位置を調整することにより、前記隙間を簡単に調整することができるため、揚穀羽根の外径が設計値より小さくても、前記隙間調整部材により調整できるので、前記揚穀羽根の外形寸法はラフであっても良い。
【0016】
この発明は、石抜き機部と精米機部が、基台に並設され、該石抜き機部の石抜き機は、石抜き機収納部に出し入れ可能に収納されているので、メンテナンス時等に、石抜き機を取り出し、作業のしやすい場所に運び、必要な作業を行うことができる。そのため、効率良くメンテナンス作業を行うことができる。
この発明の前記選別多孔板の上部には、石抜きタンクが離間して設けられており、該石抜きタンクの出口には、弾性中継筒が設けられているので、該弾性中継筒の下端の位置を調整することにより、混石穀粒の供給量を抑制し安定化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この発明の実施の形態1を図1〜図11により説明する。
キャスタCの付いた基台1には、ケース本体2が設けられ、該ケース本体2内には精米機部3と石抜き機部5とが内蔵されている。
【0018】
精米機部3の上部には、精米タンク7が設けられ、その下部には、精米機が設けられている。この精米機は、一回通し式精米機であり、精白ロールを内蔵した精白室と、該精白室の精白圧力を調節する白度調節ダイヤル8と、精白米を排出する精米出口10と、を備えている。
【0019】
石抜き機部5の上部には、前記精米タンク7と並列に配設された石抜きタンク12が設けられ、その下部には石抜き機収納部13が設けられ、該収納部13には石抜き機14が出し入れ可能に配設されている。石抜き機14は、ケース16に装着されており、該ケース16には、選別多孔板18が傾斜して設けられ、その下部側には選別風A20を発生させるためのファン20が設けられている。
【0020】
前記選別多孔板18の上面には、図示しない傾斜突起が千鳥状に配設され、その上端部には石排出口22と石取口レバー24が設けられ、又、その下端部には穀粒出口25が設けられ、該穀粒出口25は揚穀スロワ26の揚穀室28に連通している。前記選別多孔板18の両側には側板30が設けられている。
【0021】
この石抜き機14には、選別多孔板18を摺動せしめる揺動アーム32が設けられている。この揺動アーム32の中央部は回転軸34により保持されており、その上端部のローラは選別多孔板18の支持枠上端の接触部36に当接し、その下端部のローラはカム38に当接している。この揺動アーム32はカム38が矢印A38方向に回転すると、前記回転軸34を中心にして回動し、矢印A32、B38方向に変位するので、前記選別多孔板18は矢印A18方向に摺動する。
【0022】
40は、石抜き機用モータ、42は選別多孔板18を固定するためのばね受け脚、44は石抜き点検扉、46は扉の固定ねじ、48は前記収納部13に設けられ、石抜き機14からの塵埃防止壁を兼ね、石抜き機14の出し入れを案内するガイド、49はリード線、50は石抜き機14を基台1に固定する固定ねじ(ストッパ)、をそれぞれ示す。
【0023】
揚穀スロワ26は、スロワホッパ52と、該スロワホッパ52とスロワ供給口53を介して連通する揚穀室28と、該揚穀室28内に回動自在に支持されている揚穀羽根54と、該揚穀室28に回動可能に接続されたスロワ筒56と、を備えている。
【0024】
揚穀羽根54は、スロワホイール55に支持されており、その先端部54aには、揚穀室28の底壁28aに向かって伸びる隙間調整部材、例えば、ブラシ58が設けられている。このブラシ58は揚穀羽根54の先端と揚穀室28の底壁28a内面との隙間を調整するものであり、該ブラシ58の先端は、前記底壁28a内面からわずかに離れているが、軽く当接させてもよい。
【0025】
揚穀室28の下部には、残留穀粒検出センサー60が設けられている。このセンサー60は透過型光センサーであり、揚穀室28の一方の側壁28bには発光素子60aが設けられ、他方の側壁28bには受光素子60bが設けられ、図11に示すように、両素子60a、60bには遅延回路62に連結され、該遅延回路62は駆動回路64、スイッチ回路66を介してスロワモータ68に連結されている。
【0026】
なお、69はスロワ供給ロール、72は原料袋を載置する開閉自在な荷台、74はサイクロン、をそれぞれ示す。
【0027】
次に、本実施の形態の作動について説明する。
石抜き精米機の運転:
石抜きタンク12に穀粒、例えば、混石玄米ksを投入した後、図示しない主電源スイッチ(メインスイッチ)を入れる(オン)。そうすると、精米用モータ、石抜き機用モータ40,スロワモータ68が始動し、精白ロール、ファン20,カム38、揚穀羽根54が回転すると共に、選別多孔板18が矢印A18方向に摺動する。
【0028】
石抜きタンク12の開閉レバーを手で引いてシャッタを開けると、混石玄米ksが選別多孔板18上に落下する。該混石玄米ksはファン20による選別風A20を受けながら流下し、スロワホッパー52、スロワ供給口53を通り、揚穀室28に流入する。石sは、選別多孔板18の摺動により上方に移動し、石排出口22近傍に集められる。
【0029】
揚穀室28内の玄米kは、揚穀羽根54により掻き上げられてスロワ筒56内を上昇し、排出口56aから精米タンク7内に落下する。
【0030】
精米タンク7内の玄米kは、図示しない精白室内に落下して精米され、白米wとなって精米出口10から図示しない精米容器内に排出される。
なお、石抜きだけを行う場合には、図2に鎖線で示すように、スロワ筒56を回転させて排出口56aを、精米タンク7から袋78上方に向けて玄米kを該袋78内に落下させる。
【0031】
石抜き精米機の運転停止:
前記メインスイッチを切る(オフ)と、精米用モータ、石抜き用モータ40は、停止するが、スロワモータ68は停止しない。
【0032】
残留穀粒検出センサー60は揚穀室28内の残留穀粒kを検出しており、残留穀粒kが存在している間は、該センサー60の発光素子60aの光は、該残留穀粒kにより遮られるので、受光素子60bに入らない。
その後、残留穀粒kが揚穀羽根54に跳ね上げられて無くなると、該センサー60の発光素子60aの光は、受光素子60bに入るので、受光素子60bは遅延回路62に検出信号を出力する。
【0033】
そうすると、遅延回路62は一定時間、例えば、3秒後にスイッチング回路66をオフにし、スロワモータ68を停止させる。そのため、揚穀室28内に残留穀粒kが存在しない状態でスロワモータ68が停止する。
【0034】
石取口レバー24を操作し、石排出口22を開けると、石sが器外に排出される。
【0035】
石抜き機のメンテナンス:
図5、図6に示すように、扉の固定ねじ46をドライバー80で回して石抜き点検扉44を外す。そして、ストッパ(固定ねじ)50を外し石抜き機14と基台1との固定を解除した後、図7に示すように、取手82に手Hをかけて石抜き機14を手前に引っ張ると、該石抜き機14はガイドレール48に案内されながら機外に引き出される。
【0036】
この石抜き機14を作業しやすい場所に運び、選別多孔板18の掃除等のメンテナンスを行う。
メンテナンス作業終了後、前記と逆の要領で石抜き機14を前記収納部13に戻し、ストッパ50をかけた後、石抜き点検作業扉44を閉めて固定ねじ46で固定する。
【0037】
この発明の実施の形態2を図12により説明するが、前記各図の図面符号と同一図面符号は、その名称も機能も同一である。
この実施の形態と前記実施の形態1との相違は、次の通りである。
(1)揚穀羽根90が、長方形状の正面壁90aと、該正面壁90aの両側縁に立設された側壁90bと、からなるU字状羽根であること。
(2)正面壁90aの先端部にヘラ状弾性板92が設けられていること。このヘラ状弾性板92は、例えば、ゴムで形成され、その先端92aは揚穀室の底壁28a内周面に近接、又は、軽く当接している。
【0038】
この発明の実施の形態3を図13により説明するが、前記各図の図面符号と同一図面符号は、その名称も機能も同一である。
この実施の形態と前記実施の形態1との相違は、主電源スイッチ(メインスイッチ)96がオフになると、マイコンプログラム98が作動し、一定時間、例えば、1分経過後にスロワモータ68が停止するようにしたことである。この遅延時間は、残留穀粒を排出するに要する時間を考慮して適宜設定される。なお、100は電源プラグ、である。
【0039】
この発明の実施の形態4を図14により説明するが、前記各図の図面符号と同一図面符号は、その名称も機能も同一である。
この実施の形態と前記実施の形態1との相違は、残留穀粒検出センサーの配設位置である。この残留穀粒検出センサーは残留穀粒が溜まる場所、又は、通る場所に設ければ良いので、下記のように配設することもできる。
(1)図14(A)に示すように、揚穀室28の下部底壁28aに、発光素子60aと受光素子60bとからなる透過型光センサーを配設する。
【0040】
(2)図14(B)に示すように、スロワ筒56に、発光素子60aと受光素子60bとからなる透過型光センサーを配設する。
(3)図14(C)に示すように、スロワ筒56に、接触式穀粒検出センサー61を設ける。
【0041】
この発明の実施の形態5を図15〜図17により説明するが、前記各図の図面符号と同一図面符号は、その名称も機能も同一である。
本件発明者は、実験の結果、石抜きタンク12から選別多孔板18上に一定量の混石玄米ksを供給するには、シャッタの開度(開口面積)だけではなく、前記多孔板18から石抜きタンク12の出口までの離間距離も関係することを知った。そこで、前記出口に中継筒102を連設することにより、前記出口の位置を調整するとともに、石抜き機の出し入れの障害とならないように、該中継筒を変形復元が容易な弾性部材で形成することにしたものである。
【0042】
この実施の形態と前記実施の形態1との相違は、石抜きタンク12の出口12aに弾性中継筒102を連設したことである。
この中継筒102の断面形状は、出口12aに合わせて長方形状に形成されているが、必ずしも該出口12aに合わせる必要はなく、例えば、円形にしても良い。前記中継筒102は、石抜き機14をその収納部13から出し入れする際の移動軌跡内に位置しているので、該石抜き機に押圧されたときに変形し、又、前記押圧力が解除されたときに元の状態に復帰できる様にする為に、弾性部材、例えば、ゴム、合成樹脂等で形成されている。
【0043】
中継筒102の上端部には、フランジ部102aが設けられており、このフランジ部102aは、金属製の止め具104により石抜きタンク12の下面に固定されている。この中継筒102の上端は、石抜きタンク12の下面に沿って摺動する、金属製のシャッタ板106の支持部をなしている。そのため、前記シャッタ板106は、前記上端の摩擦抵抗を受けることになるので、この中継筒102は、シャッタSTのストッパ(滑り止め)としても機能する。
【0044】
前記シャッタ板106は、長方形状部106aと垂直部106bと位置決め長孔106cとを備えている。前記垂直部106bには、前記シャッタ板106を摺動せしめる開閉レバー108が連結されている。この位置決め長孔10cには、石抜きタンク12に設けた位置決め用ねじ110の脚部110aが遊嵌合されている。
【0045】
中継筒102の下端102bは、石抜き機14の選別多孔板18から間隔Lだけ離れている。この間隔Lは、例えば、25mmに形成されるが、該間隔Lは、混石玄米ksの供給量が一定となり、完全に石抜きができ、かつ、処理能率が低下しない様な範囲内で、適宜選択される。
【0046】
前記間隔Lが、長がすぎる(中継筒102が短すぎる)と、出口12aから選別多孔板18上に落下する混石玄米Ksの供給量が多くなり、該多孔板18上の混石玄米ksが厚くなりすぎ、十分な選別を受けられずに穀粒出口25の近くまで溢れる様に供給されてしまい、逆に、間隔Lが短すぎる(中継筒102が長すぎる)と、石抜き機14をケース本体2に出し入れする際に、支障をきたし、出し入れ作業を円滑に行えなくなる。
【0047】
この様に前記中継筒102の長さを適切に設計することにより、間隔Lを最適にすることができるので、混石玄米ksの供給量を制御し、安定化させることが可能となる。
なお、本実施の形態において、前記混石玄米ksが選別多孔板18上に落下して堆積し、山状となったときの安息角θは、35°である。
【0048】
次に、この実施の形態の作動について説明する。
石抜き機14を駆動させた後、手により開閉レバー108を引き、シャッタSTを開くと、混石玄米ksは、出口12a、中継通102を通り、揺動中の選別多孔板18上に落下する。この落下した混石玄米ksは、前記多孔板18上で分散される様にしながら流下し、玄米kは下降しながら穀粒出口25側に向かい、又、石sは、前記多孔板18上を上昇しながら石排出口22側に向かう。これにより玄米kと石sとを完全に分離することができる。
【0049】
石抜きタンク12の内面に設けた、図示しない混石玄米センサーが作動すると、石抜き機14が自動停止し、選別多孔板18の揺動が停止する。
この時、混石玄米ksは、前記多孔板18上に堆積し山積状態となるが、この山は安息角θとなっているので、安定している。そのため、運転中の精米機などにより振動が発生しても、前記山は崩れることがないので、前記混石玄米ksが流下することがない。従って、前記混石玄米ksが無選別状態で流下し穀粒出口25に流れ込むのを、防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態1を示す正面図である。
【図2】平面図である。
【図3】一部断面側面図である。
【図4】石抜き機の縦断面図である。
【図5】石抜き機の着脱手順を示す斜視図(固定ねじの取り外し)である。
【図6】石抜き機の着脱手順を示す斜視図(扉を外した状態)である。
【図7】石抜き機の着脱手順を示す斜視図(石抜き機の引き出し状態)である。
【図8】揚穀スロワを示す側面縦断面である。
【図9】揚穀スロワの揚穀室の縦断面図である。
【図10】揚穀室の要部拡大図である。
【図11】遅延運転制御回路を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態2を示す斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態3を示す図で、遅延運転回路を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態4を示す図で、図14(A)は底壁にセンサーを配設した場合の要部断面図、同(B)はスロワ筒にセンサーを配設した場合の要部断面図、同(C)はスロワ筒に接触式センサーを配設した場合の要部断面図、をそれぞれ示す。
【図15】本発明の実施の形態5を示す図で、石抜き機部の要部拡大図である。
【図16】図15の要部拡大図で、図16(A)はシャッタ開時の平面図、同(B)はシャッタ開時の正面図である。
【図17】図16と異なるシャッタの状態を示す図で、図17(A)はシャッタ閉時の平面図、同(B)はシャッタ閉時の正面図である。
【符号の説明】
【0051】
2 ケース本体
3 精米機部
5 石抜き機部
7 精米タンク
10 石抜きタンク
12 石抜きタンク
13 石抜き機収納部
14 石抜き機
26 揚穀スロワ
28 揚穀室
54 揚穀羽根
58 ブラシ
60 残留穀粒検出センサー
61 接触式穀粒検出センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀粒に混入している異物を除去する石抜き機部と、該穀粒を精穀する精米機部と、前記石抜き機部から揚穀室に供給される穀粒を、揚穀羽根により前記精米機部に揚穀する揚穀スロワと、を備えた石抜き精米機おいて;
前記揚穀スロワが、残留穀粒を排出するための遅延制御手段を備えていることを特徴とする石抜き精米機。
【請求項2】
前記遅延制御手段は、主電源スイッチが切れると、スロワモータを所定時間延長運転せしめるマイコンプログラムであることを特徴とする請求項1記載の石抜き精米機。
【請求項3】
前記遅延制御手段は、前記揚穀室の残留穀粒を検出するセンサーと、該センサーの出力に基づきスロワモータを制御する遅延制御回路と、を備えていることを特徴とする請求項1記載の石抜き精米機。
【請求項4】
前記センサ−は、揚穀室に連続するスロワ筒に設けられた透過型光センサー、又は、接触式センサーであることを特徴とする請求項3記載の石抜き精米機。
【請求項5】
前記揚穀室に、スロワ筒が回動自在に接続されていることを特徴とする請求項1記載の石抜き精米機。
【請求項6】
前記揚穀羽根の先端部に、前記揚穀室の底壁に向かって伸びる隙間調整部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載の石抜き精米機。
【請求項7】
前記隙間調整部材が、ブラシ、又は、ヘラ状弾性板であることを特徴とする請求項6記載の石抜き精米機。
【請求項8】
前記石抜き機部と精米機部が、基台に並設され、該石抜き機部の石抜き機は、石抜き機収納部に出し入れ可能に収納されていることを特徴とする請求項1記載の石抜き精米機。
【請求項9】
石抜き機収納部には、石抜き作業中発生する塵埃防止壁を兼ね、石抜き機の出し入れを案内するガイドと、該石抜き機を固定するストッパとが設けられていることを特徴とする請求項8記載の石抜き精米機。
【請求項10】
石抜き機には、傾斜して設けられた選別多孔板と、該選別多孔板の上端側に設けられた石排出口と、該選別多孔板の下端側に設けられ、揚穀スロワの揚穀室に連通する穀粒出口と、前記選別多孔板を摺動せしめる揺動アームと、前記選別多孔板の下部に設けられファンと、を備えていることを特徴とする請求項8記載の石抜き精米機。
【請求項11】
前記選別多孔板の上部には、石抜きタンクが離間して設けられており、該石抜きタンクの出口には、弾性中継筒が設けられていることを特徴とする請求項10記載の石抜き精米機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−301450(P2007−301450A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−130645(P2006−130645)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【出願人】(000143868)株式会社細川製作所 (12)
【Fターム(参考)】