説明

石炭飛灰の無害化処理方法および処理装置

【課題】石炭飛灰の品質に拠らず充分な低レベルにまで非溶出性を高めることであり、特に重金属、フッ素または砒素などを指標とする環境汚染性物質に対して厳しい非溶出性の基準が達成されるように、石炭飛灰を無害化処理することである。
【解決手段】塩化第二鉄もしくは硫酸第二鉄または両者からなる第二鉄塩の1〜10重量%水溶液を石炭飛灰に接触混合し、好適には水酸化カルシウムを添加し、この石炭飛灰中に含まれる重金属、フッ素または砒素からなる環境汚染性物質を非水溶化する石炭飛灰の無害化処理方法とする。重金属ばかりでなく、フッ素や砒素までも水酸化鉄と結合し、または生成した非水溶性化合物に吸着され、環境汚染性物質は全て非水溶化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、石炭飛灰の重金属類などを非溶出化する石炭飛灰の無害化処理方法、石炭飛灰の無害化処理装置及び無害化処理されてなるセメント混入用石炭飛灰に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、石炭火力発電所では、ボイラー内で燃焼させる燃料として、粉状に砕いた石炭を用いており、石炭を燃焼するときには約1割の石炭灰が発生する。この割合で発生する石炭灰の量を推定すると、石炭を年間約1000万トン使用する火力発電所では、副産物として石炭灰が年間100万トンも発生することになる。
【0003】
また、石炭灰のうち、前記ボイラーの燃焼により溶けた粒子は、高温の燃焼ガス中を浮遊するが、ボイラーの出口で温度が低下するため、ガラス状の球形の粒子となって、電気集じん器で集められる。これが一般に石炭飛灰またはフライアッシュとも別称されるものである。石炭飛灰は、微少な球形粒子であって未硬化の生コンクリートに混入すると、その流動性が向上するなどの好ましい作用を奏するから、セメント混和剤などにも利用されている。
【0004】
また、フライアッシュがセメントに混合されると、主成分のシリカとアルミナなどがセメントの水和の際に生成される水酸化カルシウムと反応し、セメントの耐久性を向上させると共に、非透水性が向上する。
【0005】
ところで、石炭飛灰には、原料となる石炭の産地に由来してバナジウム、セレン、六価クロム、鉛などの重金属成分や人体に有害な化学成分としてフッ素や砒素またはそれらの化合物が微量に含まれている場合があり、これら環境汚染性物質を非溶出の状態にしてセメント混和剤として利用することにより、自然環境を守る技術の確立が要望されている。
【0006】
例えば、鉛を含有する都市ゴミ焼却炉から発生する飛灰については、硫酸第一鉄(FeSO4)、塩化第一鉄(FeCl2)等の第一鉄塩、および/または、硫酸第二鉄(Fe2(SO43)、塩化第二鉄(FeCl3)等の第二鉄塩を含み、できるだけ高濃度の水溶液を飛灰100g当り10〜50mlの範囲で添加して混練し、湿潤状態にして鉄塩で重金属を固定化する処理方法が知られている(特許文献1)。
【0007】
【特許文献1】特許第3565359号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記した従来の重金属の固定化方法は、都市ゴミ焼却炉から発生する飛灰に対するものであり、石炭火力発電所のように石炭飛灰のように重金属成分等の有害成分が微量に多種類含まれている組成であっても確実に無害化処理する方法ではなく、充分な低レベルまで様々な重金属その他の有害化学成分を確実に非溶出状態にすることは困難であった。
特に、バーゼル条約加盟にともなう国内法である「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律」にも適合する充分な低レベルまで無害化処理ができなかった。
【0009】
また、上記した従来の都市ゴミ飛灰の重金属の固定化方法では、高濃度の鉄塩水溶液を使用し、鉄塩水溶液と可及的に最少の水分量で混練して、含湿状態またはペースト状に湿潤状態とするため、これでは鉄塩水溶液と都市ゴミ飛灰が確実に混合されるように処理作業を容易に行なえかった。
【0010】
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決し、種々の石炭飛灰の組成によって異なる重金属などの含有量の変動に対応するように、石炭飛灰の品質による重金属その他の有害化学成分の変動に拘わらず、充分な低レベルにまで非溶出性を高めることであり、特に重金属、フッ素または砒素などを指標とする環境汚染性物質に対して厳しい非溶出性の基準が達成されるように石炭飛灰を確実に無害化処理することである。
【0011】
また、上記課題を達成することに加えて、無害化処理のための第二鉄塩水溶液が石炭飛灰と効率よく反応するように、充分に混合できる石炭飛灰の無害化処理法とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、この発明では、塩化第二鉄もしくは硫酸第二鉄または両者からなる第二鉄塩の1〜10重量%水溶液を石炭飛灰に接触混合し、この石炭飛灰中に含まれる重金属、フッ素もしくは砒素またはこれらの化合物を含む環境汚染性物質を非水溶化する石炭飛灰の無害化処理方法としたのである。
【0013】
上記したように構成されるこの発明の石炭飛灰の無害化処理方法では、石炭飛灰に対して所定の低濃度の第二鉄塩を流動性が良い状態で効率よく接触させることができるので、第二鉄塩と重金属、フッ素または砒素からなる環境汚染性物質が充分に反応して、重金属ばかりでなく、フッ素や砒素までも水酸化鉄と結合し、または生成した非水溶性化合物に吸着され、環境汚染性物質は全て非水溶化されるものと考えられる。
【0014】
このように石炭飛灰を無害化処理すると、後述する溶出試験の結果からも明らかなように、重金属、フッ素または砒素は、従来にない低レベルの溶出値となり、特にバーゼル条約加盟にともなう国内法である「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律」にも適合する状態に無害化処理ができる。
【0015】
上記の課題をより確実に達成するためには、第二鉄塩を水性溶媒と共に石炭飛灰に接触する際、水酸化カルシウムを添加することが好ましい。
【0016】
アルカリ性の水酸化カルシウム(飽和溶液でpH12.6、通常pH11〜13)は、石炭飛灰に配合した第二鉄塩が水酸化鉄化する反応を促進させ、特に重金属、フッ素、砒素などの種々の環境汚染性物質を吸着する性質を有する水酸化第二鉄の生成反応を促進する。また、結果的に無害化処理された石炭飛灰のpHも調整され、石炭飛灰が例えばpH6.5〜7.5の範囲に中性化されて石炭飛灰の化学的安定性を高め、その用途を広げる。
【0017】
上記のように石炭飛灰の無害化処理方法を効率よく行なうためには、第二鉄塩を水溶して石炭飛灰に接触させる際、石炭飛灰をスラリー状含水物として接触させ、次いで高分子凝集剤を添加してフロックを生成させる処理方法を採用することができる。
【0018】
スラリー状含水物となった石炭飛灰は、飛散し難い状態で作業環境が改善され、さらに高分子凝集剤を添加してフロックを生成させれば、沈殿槽などで石炭飛灰を回収しやすくなり、処理効率が向上する。
【0019】
また、第二鉄塩を水溶して石炭飛灰に接触させる際、石炭飛灰が気流中に分散した乾燥粉末であり、第二鉄塩水溶液を前記気流中に噴霧して第二鉄塩水溶液と石炭飛灰を接触混合する処理方法を採用することもできる。
【0020】
この方法では、石炭飛灰と第二鉄塩水溶液を気流中で接触させることにより、第二鉄塩水溶液が接触して重くなった石炭飛灰が気流中の低い流速の部分に滞留するので、連続的に無害化処理された石炭飛灰を回収でき、また石炭飛灰を過剰に湿らせてスラリー化しなくてもよいため、その後の気液分離処理や乾燥工程を省略または簡単化することができる。
【0021】
このような無害化処理方法によって無害化処理されてなるセメント混入用石炭飛灰を得ることができ、無害化処理された物は、後述する確認試験の結果からも明らかなように、種々異なる石炭飛灰の組成に対して異なる重金属等の有害成分含有量の変動に対応し、確実に充分な低レベルまで重金属その他の有害化学成分が非溶出な処理済の石炭飛灰になる。
【0022】
以上のような石炭飛灰の無害化処理方法を効率よく実施できる装置として、以下のようなものを採用することができる。
【0023】
すなわち、塩化第二鉄または硫酸第二鉄を水に溶解した第二鉄塩の1〜10重量%水溶液をタンク内で調製し、このタンクから供給される第二鉄塩水溶液と石炭飛灰とをスクリューコンベアで混合すると共にスラリー状混合物を沈殿槽に搬送し、沈殿槽内に生成した沈殿物を分取して濾過器に搬入し、この濾過器による固液分離処理によって分取した液体を前記タンク内に返送して前記第二鉄塩水溶液の調製に用いると共に、前記固液分離処理で脱液された固形状石炭飛灰を分取する石炭飛灰の無害化処理装置とするのである。
【0024】
上記した製造装置によれば、沈殿槽内に生成した沈殿物を分取して濾過器に搬入し、この濾過器による固液分離処理によって分取した液体を前記タンク内に返送することができるので、排水量を可及的に少なくして排水処理に要する作業量と費用を節約すると共に環境保護を行なうことができ、また未利用の硫酸第二鉄やpH調整された濾液を再利用して資材に対する処理効率の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0025】
この発明は、所定濃度の第二鉄塩を石炭飛灰に接触混合し、この石炭飛灰中に含まれる重金属、フッ素または砒素からなる環境汚染性物質を非水溶化するので、種々の石炭飛灰の組成によって異なる環境汚染性物質含有量の変動に対応し、すなわち石炭飛灰の品質に拠らず充分な低レベルにまで環境汚染性物質の非溶出性を高めることができる。特に重金属、フッ素または砒素などを指標とする環境汚染性物質に対しては、厳しい非溶出性の国際的基準にも適合する石炭飛灰の無害化処理方法となる利点がある。
【0026】
また、第二鉄塩を石炭飛灰に接触させる際、石炭飛灰が気流中に分散した乾燥粉末であり、第二鉄塩水溶液を前記気流中に噴霧して第二鉄塩水溶液と石炭飛灰を接触混合する処理方法を採用すると、連続的に処理された石炭飛灰を回収でき、また石炭飛灰をスラリー化しなくてもよいため、気液分離や乾燥のための工程を省略または簡単化することができる利点もある。
【0027】
また、この発明の石炭飛灰の無害化処理装置を採用すると、固液分離処理によって分取した濾過液をタンクに返送することができるので、排水量を可及的に少なくして排水処理に要する作業量と処理効率の向上による費用の節約と共に環境保護を確実に行なえる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
この発明の実施形態としての石炭飛灰の無害化処理方法は、塩化第二鉄もしくは硫酸第二鉄または両者からなる第二鉄塩の1〜10重量%水溶液を石炭飛灰に接触混合し、この石炭飛灰中に含まれる重金属、フッ素または砒素からなる環境汚染性物質を非水溶化する。
【0029】
石炭飛灰は、粉状に砕いた石炭がボイラー内で燃焼し、そのとき燃焼により溶けた石炭灰の粒子がボイラー出口の温度低下によりガラス状の球形粒子となった所謂フライアッシュと呼ばれる飛灰(焼却灰、石炭灰)をいう。
【0030】
この発明に用いる第二鉄塩は、塩化第二鉄(FeCl3)もしくは硫酸第二鉄(Fe2(SO43)のいずれを主成分とするものであってもよく、また両者を併用した混合物であってもよい。
【0031】
このような第二鉄塩は、1〜10重量%水溶液、好ましくは1.2〜10重量%水溶液、より好ましくは1.2〜5重量%、さらに好ましくは1.2〜3重量%に調整して石炭飛灰に混合する。常温で飽和溶液の状態にある第二鉄塩溶液を用いる場合には、上記所定濃度の水溶液になるように希釈する。例えば、塩化第二鉄もしくは硫酸第二鉄または両者からなる第二鉄塩の41重量%濃度の溶液を3〜5重量%の水溶液に調整して石炭飛灰に混合すればよい。このような第二鉄塩の配合濃度を採用すると、石炭飛灰に混入する可能性のある砒素濃度または重金属濃度である0.03〜0.05ppmにも充分に対応し、無害化処理が可能である。
【0032】
しかし、第二鉄塩濃度が上記した所定範囲未満の低濃度では、第二鉄塩と重金属、フッ素または砒素からなる環境汚染性物質が充分に反応できない場合があって好ましくない。また、第二鉄塩濃度が上記した所定範囲を超える高濃度では、比較的高濃度に含まれる環境汚染性物質のみを取り込むことになるためか、フッ素や砒素のような重金属以外の環境汚染性物質の吸着能力が低下して全ての微量な環境汚染性物質の吸着除去による無害化の効果が確実に奏されない場合がある。
【0033】
図1に示すように、硫酸第二鉄水溶液を石炭飛灰に混合し、反応させて濾過する装置(プラント)の実施形態としては、調整槽1で所定濃度に調整した硫酸第二鉄水溶液などの第二鉄塩水溶液をポンプ2でスクリューコンベア3などの混合機に導入すると共に、フライアッシュ(石炭飛灰)も供給してスラリー状になるように混ぜ合わせ、これは調整槽4を経て沈殿槽5に順次移送する。
【0034】
これらの過程で充分に第二鉄塩水溶液と石炭飛灰を反応させるようにするが、水酸化鉄が生成するために必要なアルカリ成分が不足する場合には、適宜に水酸化カルシウムなどを第二鉄塩水溶液に添加してもよく、さらにケイ酸ナトリウム(飽和溶液でpH11、通常pH10〜12)を配合してゲル化を促進することも好ましい。
【0035】
次に、沈殿槽5の底部から流動性のある沈殿物を抜き出してポンプ6でフィルタープレス機7など濾過装置に圧送し、このフィルタープレス機7では複数のフィルターの間に挟まるように生成される脱水ケーキ8を適宜にコンベアに乗せて取り出して濾液と分離し、この濾液は第二鉄塩水溶液の当初の調整槽1に回送してリサイクルされる調整用液として効率よく再利用される。
【0036】
なお、沈殿槽5において、高分子凝集剤を添加すれば、フロックが生成し、石炭飛灰の回収率を向上させ、処理効率も向上させることができる。
【0037】
高分子凝集剤の例としては、アルギン酸ソーダ、キトサンなどの周知な天然有機系の高分子凝集剤、またはカルボン酸系やスルホン酸系の合成ポリマー系の凝集剤も用いることができる。これらは下水・し尿処理、産業廃水処理用に市販されているものを採用できる。
【0038】
また、上記のように石炭飛灰を第二鉄塩水溶液と液相で混合する処理方法の他にも、粉状の石炭飛灰を気流に乗せてタンクやパイプなどの閉鎖空間内に浮遊させ、それに対して第二鉄塩水溶液を噴霧して粉液接触混合させて反応させ無害化処理することもできる。
【0039】
この場合には、一定時間以上の反応時間を確保するために、所定時間をかけて処理しながらその後に接触混合物を回収すればよい。
【実施例】
【0040】
[実施例1〜3]
図1に示したシステムの装置を用いて、下記の表1に示す重金属、フッ素または砒素を少なくとも含有する原料サンプルA、B、C(JIS K 0102による分析値)の石炭飛灰に対し、Aに対しては4重量%の塩化第二鉄水溶液(実施例1)、Bに対しては3重量%の硫酸第二鉄水溶液(実施例2)、Cに対しては5重量%の硫酸第二鉄水溶液(実施例3)をスクリューコンベア内に10〜30重量%となるように供給し、沈殿槽およびフィルタープレスから固液分離された脱水ケーキを得た。
【0041】
【表1】

【0042】
得られた脱水ケーキについて、フッ素、砒素、バナジウム、セレン、六価クロム、鉛に対する溶出試験をJIS K 0102の分析方法によって測定したところ(括弧内はバーゼル法による基準値)、何れもフッ素0.15mg/l未満(3mg/l未満)、砒素0.005mg/l未満(0.01mg/l未満)、バナジウム0.01mg/l未満(0.15mg/l未満)、セレン0.005mg/l未満(0.01mg/l未満)、六価クロム0.01mg/l未満(0.05mg/l未満)、鉛0.01mg/l未満(0.01mg/l未満)であった。
【0043】
[実施例4]
実施例2において、石炭飛灰に六価クロムを0.52mg/l含むセメントを15重量%の割合で添加したこと以外は実施例2と全く同様にして脱水ケーキを得て、得られた脱水ケーキについて上記同様の溶出試験を行なった。
【0044】
その結果は、フッ素0.033mg/l未満(3mg/l未満)、砒素0.005mg/l未満(0.01mg/l未満)、バナジウム0.03mg/l(0.15mg/l未満)、セレン0.005mg/l未満(0.01mg/l未満)、六価クロム0.01mg/l未満(0.05mg/l未満)であった。
【0045】
[実施例5、6]
表1の原料Bを気密タンク内で空気流にのせて飛散させながら3重量%の硫酸第二鉄水溶液を噴霧し粉液接触混合を行ない(実施例5)、また原料Cを気密タンク内で空気流にのせて飛散させながら5重量%の硫酸第二鉄水溶液を噴霧して粉液接触混合を行ない(実施例6)、塊状ケーキを得て自然乾燥させた。
【0046】
得られたケーキに対しても上記同様の溶出試験を行なったが、結果は実施例2と全く同じ良好な結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】石炭飛灰の無害化処理装置内の工程を模式化して説明する流れ図
【符号の説明】
【0048】
1、4 調整槽
2、6 ポンプ
3 スクリューコンベア
5 沈殿槽
7 フィルタープレス機
8 脱水ケーキ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩化第二鉄もしくは硫酸第二鉄または両者からなる第二鉄塩の1〜10重量%水溶液を石炭飛灰に接触混合し、この石炭飛灰中に含まれる重金属、フッ素もしくは砒素またはこれらの化合物を含む環境汚染性物質を非水溶化する石炭飛灰の無害化処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の石炭飛灰の無害化処理方法において、第二鉄塩を水溶して石炭飛灰に接触させる際、水酸化カルシウムを添加することを特徴とする石炭飛灰の無害化処理方法。
【請求項3】
第二鉄塩を水溶して石炭飛灰に接触させる際、石炭飛灰をスラリー状含水物として接触させ、次いで高分子凝集剤を添加してフロックを生成させる請求項1または2に記載の石炭飛灰の無害化処理方法。
【請求項4】
第二鉄塩を水溶して石炭飛灰に接触させる際、石炭飛灰が気流中に分散した乾燥粉末であり、第二鉄塩水溶液を前記気流中に噴霧して第二鉄塩水溶液と石炭飛灰を接触混合する請求項1または2に記載の石炭飛灰の無害化処理方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の無害化処理方法によって無害化処理されてなるセメント混入用石炭飛灰。
【請求項6】
塩化第二鉄または硫酸第二鉄を水に溶解した第二鉄塩の1〜10重量%水溶液をタンク内で調製し、このタンクから供給される第二鉄塩水溶液と石炭飛灰とをスクリューコンベアで混合すると共にスラリー状混合物を沈殿槽に搬送し、沈殿槽内に生成した沈殿物を分取して濾過器に搬入し、この濾過器による固液分離処理によって分取した液体を前記タンク内に返送して前記第二鉄塩水溶液の調製に用いると共に、前記固液分離処理で脱液された固形状石炭飛灰を分取する石炭飛灰の無害化処理装置。

【図1】
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【公開番号】特開2007−296414(P2007−296414A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−52855(P2006−52855)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(506069572)
【Fターム(参考)】