説明

砕土部材

【課題】砕土領域の上面の平滑性を維持しつつ車輌幅方向に関し砕土領域を広げることができるとともに、伝動効率の悪化を防止でき、さらに、荒起こし層と砕土層との間に硬い層が生じることを有効に防止することができる砕土部材を提供する。
【解決手段】砕土軸422に軸線回り相対回転不能に支持されるディスク状のロータ423aには、補助耕耘爪423dの基端部423d’が着脱可能に連結され、補助耕耘爪423dの爪部423d”が前記基端部423d’から前記ロータ423aの回転軸線を基準にして径方向外方へ延びている。前記補助耕耘爪423dの爪部423d”は、土壌の上層部を砕土するために前記ロータ423aに固着された複数のロッド423bよりも前記ロータ423aの回転軸線を基準にして径方向外方に位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二軸ロータリ耕耘機等の作業機における砕土軸に装着される砕土部材に関する。
【背景技術】
【0002】
土壌を耕耘するための耕耘軸及び耕耘爪の車輌後方側に砕土軸及び砕土部材を配置させてなる作業車輌は、二軸ロータリ整形機を初めとする二軸ロータリ耕耘機として広く利用されている(例えば下記特許文献1参照)。
【0003】
詳しくは、前記作業車輌は、作業車輌本機におけるPTO軸に作動連結された状態で車輌幅方向に沿うように配置される耕耘軸と、前記耕耘軸に装着される耕耘爪と、前記PTO軸に作動連結された状態で前記耕耘軸より車輌後方側において車輌幅方向に沿うように配置される砕土軸と、前記砕土軸に装着される砕土部材とを備えており、前記耕耘爪によって耕耘された土壌の上層部を前記砕土部材によって砕土し得るように構成されている。
【0004】
前記特許文献1には、前記砕土部材として、砕土爪、代掻きハロー及びカゴ型ハローが記載されているが、これらの砕土部材においては下記不都合があった。
即ち、前記砕土部材として前記砕土爪を用いた場合には、車輌幅方向に関し砕土領域を十分に確保できないとともに、砕土領域の上面の平滑性を得ることが困難である。
一方、前記砕土部材として前記代掻きハロー及びカゴ型ハローを用いた場合には、車輌幅方向に関し比較的大きな領域を砕土できるが、その反面、草や藁等の不要物が前記ハローに絡み付き易く、伝動効率が悪化するとともに、砕土領域の上面の平滑性に影響を与える。
【0005】
さらに、水分含有量の多い土壌において前記代掻きハロー及びカゴ型ハローを用いた場合には、前記ハローによって砕土される砕土層の直下に位置する部分(前記ハローの最下端部から下方へ例えば2〜3cmの部分)が前記ハローによって押し固められ、前記耕耘爪によって耕耘された荒起こし層と前記砕土部材によって砕土された砕土層との間に硬い層が存在するという不都合もあった。前記硬い層は、移植される作物の生育に悪影響を及ぼし得る。
【特許文献1】特開昭60−019406号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、砕土領域の上面の平滑性を維持しつつ車輌幅方向に関し砕土領域を広げることができるとともに、伝動効率の悪化を防止でき、さらに、荒起こし層と砕土層との間に硬い層が生じることを有効に防止することができる砕土部材の提供を、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る砕土部材は、作業車輌本機の車輌幅方向に沿うように配設され且つ前記作業車輌本機に設けられたPTO軸からの回転動力によって作動的に軸線回りに回転駆動される砕土軸に相対回転不能に装着される砕土部材において、前記砕土軸に軸線回り相対回転不能に支持されるディスク状のロータと、前記ロータに固着される複数のロッドであって、それぞれが、前記ロータに固着される中央部と、前記中央部から前記ロータの回転軸線方向一方側及び他方側へそれぞれ延び先端部が自由端部とされた第1ロッド部及び第2ロッド部とを有する複数のロッドと、前記ロータに着脱可能に装着される補助耕耘爪とを備え、前記補助耕耘爪は、前記ロータに着脱可能に連結される基端部と、前記基端部から前記ロータの回転軸線を基準にして径方向外方へ延びる爪部とを有し、前記爪部は、前記複数のロッドよりも前記ロータの回転軸線を基準にして径方向外方に位置していることを特徴とするものである。
【0008】
上記構成の砕土部材によれば、複数のロッドが固着されたディスク状のロータが砕土軸回りに回転駆動されることにより、前記複数のロッドが土壌の上層部を砕土する。前記複数のロッド部は、中央部が前記ロータに固着されており、前記中央部から前記ロータの回転軸線方向一方側及び他方側へ第1ロッド部及び第2ロッド部がそれぞれ延び、それぞれの先端部が自由端部とされている。
さらに、前記ロータには、補助耕耘爪の基端部が着脱可能に連結され、前記補助耕耘爪の爪部が前記基端部から前記ロータの回転軸線を基準にして径方向外方へ延びている。前記補助耕耘爪の爪部は、前記複数のロッドよりも前記ロータの回転軸線を基準にして径方向外方に位置している。
従って、前記ロータが砕土軸回りに回転駆動されることにより、前記補助耕耘爪の爪部が前記複数のロッドで砕土される土壌より深い層を耕耘する。
【0009】
このように、土壌の上層部を砕土するロッドに加えて、当該ロッドが砕土する層よりも深い層を耕耘する補助耕耘爪を設けることにより、より広い砕土領域を確保することができる。さらに、補助耕耘爪がロッドが砕土する層よりも深い層を耕耘することにより、耕耘爪によって耕耘された荒起こし層と砕土部材によって砕土された砕土層との間に固い層が形成されることを有効に防止することができる。
【0010】
好ましくは、前記複数のロッドのそれぞれは、前記第1及び第2ロッド部の全域に亘って前記ロータの回転軸線との間の径方向距離が前記中央部と前記ロータの回転軸線との間の径方向距離と同一とされ且つ前記第1及び第2ロッド部の前記先端部が前記中央部より前記ロータの回転方向上流側に位置された状態で、前記ロータを基準にして左右対称とされており、前記補助耕耘爪は、前記爪部が基端側から自由端側へ行くに従って前記ロータの回転方向上流側に位置するように前記ロータに装着される。
【0011】
この場合、ロータを基準にして左右対称とされた複数のロッドとロータの回転軸線との間のロータ径方向距離は、それぞれ第1及び第2ロッド部の全域に亘って前記ロッドの中央部と前記ロータの回転軸線との間の径方向距離と同一(即ち、第1及び第2ロッド部がロータの回転方向に略沿った状態)となっており、前記第1及び第2ロッド部の先端部は、前記中央部よりロータの回転方向上流側に位置されている。
さらに、補助耕耘爪の爪部は、基端側から自由端側へ行くに従ってロータの回転方向上流側に位置されている。
これにより、複数のロッド及び補助耕耘爪に藁や草等の不要物が絡み付くのを有効に防止することができる。
【0012】
より好ましくは、前記補助耕耘爪は、前記爪部が基端側から自由端側へ行くに従って前記ロータの回転軸線方向に関し前記ロータから離間されるナタ爪とされている。
【0013】
この場合、補助耕耘爪の爪部は、基端部側から自由端部側へ行くに従ってロータの回転軸線方向に関して前記ロータから離れた位置となるように形成される。このようなナタ爪を用いることにより、直刃を使用する場合に比べてロッドが砕土する層よりも深い層を幅広く耕耘することができるため、耕耘爪によって耕耘された荒起こし層と砕土部材によって砕土された砕土層との間に固い層が形成されることを有効に防止することができる。
【0014】
また、好ましくは、前記複数のロッドは、前記中央部と前記ロータの回転軸線との間の径方向距離が第1距離とされた複数の第1ロッドと、前記中央部と前記ロータの回転軸線との間の径方向距離が前記第1距離よりも長い第2距離とされた複数の第2ロッドとを含み、前記砕土部材は、前記複数の第1ロッドにそれぞれ対応する位置に配置された複数の前記補助耕耘爪を備え、前記複数の補助耕耘爪は、それぞれ、前記基端部が対応する前記第1ロッドよりも前記ロータの回転方向下流側において前記ロータに連結され、且つ、前記爪部が前記ロータの回転方向に関し対応する前記第1ロッドを跨ぐように該第1ロッドを基準にして前記ロータの回転方向下流側及び上流側に延びている。
【0015】
この場合、補助耕耘爪は、基端部がロッドの中央部とロータの回転軸線との間の径方向距離がより短い第1ロッドに対応する位置においてロータに連結される。このとき、前記補助耕耘爪の爪部は、前記ロータの回転方向に関し対応する前記第1ロッドを跨ぐように当該第1ロッドを基準にして前記ロータの回転方向下流側及び上流側に延びている。即ち、前記爪部の先端部は、対応する前記第1ロッドの先端部よりロータの回転方向上流側に位置し、前記爪部の基端部は、対応する前記第1ロッドの中央部よりロータの回転方向下流側に位置している。
従って、補助耕耘爪の基端部をロッドの中央部とロータの回転軸線との間の径方向距離がより短い第1ロッドに対応する位置においてロータに連結することにより、補助耕耘爪の連結スペースを確保することができる。
また、第2ロッドに対応する位置においては補助耕耘爪を連結しないとともに、補助耕耘爪の爪部の長さをロッド部の長さより長くすることにより、補助耕耘爪の取り付け数を少なくしながら耕耘効果を高く維持することができる。
【0016】
より好ましくは、前記複数の補助耕耘爪は、前記ロータの回転軸線方向一方側の第1側面及び他方側の第2側面にそれぞれ連結される第1補助耕耘爪及び第2補助耕耘爪を含み、前記第1及び第2補助耕耘爪は、前記ロータの回転軸線回りに交互に配置されている。
【0017】
この場合、ロータの回転軸線方向一方側の第1側面に連結される第1補助耕耘爪とロータの回転軸線方向他方側の第2側面に連結される第2補助耕耘爪とが前記ロータの回転軸線回りに交互に配置される。
従って、補助耕耘爪をロータに連結することによってロータの回転軸線回りのモーメントが増大しても、ロータの両側面に補助耕耘爪を均等配置することによりロータ回転時の回転ぶれを抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る砕土部材によれば、土壌の上層部を砕土するロッドに加えて、当該ロッドが砕土する層よりも深い層を耕耘する補助耕耘爪を設けることにより、より広い砕土領域を確保することができる。さらに、補助耕耘爪がロッドが砕土する層よりも深い層を耕耘することにより、耕耘爪によって耕耘された荒起こし層と砕土部材によって砕土された砕土層との間に固い層が形成されることを有効に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る砕土部材の一実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
本実施形態においては、二軸ロータリ耕耘機に含まれる二軸ロータリ整形機を例に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る砕土部材が適用された二軸ロータリ整形機を付設した作業車輌の概略側面図である。
なお、以下の説明において、前後左右の語は、特に限定しない限り、作業車輌に前方を向いて座るオペレータから見た方向を示す。また、上下の語は、特に限定しない限り、作業状態(作業機が下降した状態)にある作業車輌における位置関係を示す。
【0020】
図1に示す如く、乗用トラクタの形態をなす前記作業車輌100は、作業車輌本機50と、当該作業車輌本機50の後部に連結された二軸ロータリ整形機400とを備えている。
前記作業車輌本機50は、走行機体1と、該走行機体1を支持する左右一対の前車輪2及び左右一対の後車輪3と、該走行機体1の前部に搭載されたエンジン4とを備えており、前記エンジン4からの動力によって前記後車輪3及び前記前車輪2を作動的に駆動することにより、前後進走行するように構成されている。なお、図中の符号5は前記エンジン4を覆うボンネットである。
【0021】
前記走行機体1は、前バンパ11及び前車軸ケース12を有するエンジンフレーム13と、該エンジンフレーム13の後部にボルトにて着脱自在に固定される左右の機体フレーム15とを有している。
前記機体フレーム15の後部には、前記エンジン4の回転を適宜変速してそれぞれ後輪軸3a及び前輪軸2aを介して前記後車輪3及び前記前車輪2に伝達するためのミッションケース16が連結されている。
なお、前記ミッションケース16の後端面には、前記二軸ロータリ整形機400の駆動力を出力するためのPTO軸18が後向きに突出するように設けられている。
【0022】
さらに、前記作業車輌100は、前記走行機体1の上面に設けられたキャビン6を有している。該キャビン6の内部には、操縦座席7と、かじ取りすることによって前記前車輪2の操向方向を左右に動かすように構成された操縦ハンドル(丸ハンドル)8とが設置されている。該操縦ハンドル8は、前記操縦座席7の前方に位置する操縦コラム19上に設けられている。
また、前記キャビン6内には、前記作業車輌100を制動操作するための左右ブレーキペダル20と、前記エンジン4から前記前車輪2及び前記後車輪3への動力伝達の係脱操作を行うためのクラッチペダル21と、前記二軸ロータリ整形機400の高さ位置を手動で変更操作するための上下位置設定手段として作用する作業機昇降レバー22と、前記PTO軸18からの出力を変速操作するためのPTO変速レバー23と、前記作業車輌本機50の走行速度を変速操作するための走行変速レバー24と、前記エンジン4から前記後車輪3への動力伝達経路に介挿されるディファレンシャル機構をロック操作するためのデフロックペダル25とが配置されている。
前記キャビン6の外側部には、作業者が乗降するステップ9が設けられ、該ステップ9より内側で且つ該キャビン6の底部より下側には、前記エンジン4に燃料を供給する燃料タンク10が設けられている。
【0023】
前記二軸ロータリ整形機400は、作業車輌本機50(ここでは、ミッションケース16の後部)に、リンク機構300を介して上下揺動可能に連結されている。
本実施の形態において、前記リンク機構300は、アッパーリンク320及び左右一対のロワーリンク311,312を備えた3点リンク機構とされている。
【0024】
前記左右一対のロワーリンク311,312は、前端側が前記ミッションケース16後部の左右側面のそれぞれにロワーリンクピン313を介して回動可能に連結され、且つ、後端側がヒッチフレーム310の下端部に下ヒッチピン314を介して連結されている。
前記アッパーリンク320は、前端側が下記作業機用昇降機構200の後部のアッパーリンクヒッチ210にアッパーリンクピン211を介して連結され、且つ、後端側が下記上リンクフレーム401の前端側に上ヒッチピン321を介して連結されている。
詳しくは、前記アッパーリンク320は、ターンバックル320aの回転にて伸縮されて、該アッパーリンク320の長さを変更調節可能となるように構成されている。
【0025】
前記ミッションケース16の後部上面には、前記二軸ロータリ整形機400を昇降動するための油圧式作業機用昇降機構200が着脱可能に取付けられている。
油圧式の作業機用昇降機構200は、昇降用アクチュエータとして作用する単動形の昇降制御油圧シリンダ(図示せず)と、該油圧シリンダにおけるピストンによって作動的に回動される左右一対のリフトアーム221,222とを有している。
【0026】
進行方向に向かって左側の前記リフトアーム221は、左リフトロッド231を介して対応する左側の前記ロワーリンク311に連結されている。
進行方向に向かって右側の前記リフトアーム222は、右リフトロッド232を介して対応する右側の前記ロワーリンク312に連結されている。
つまり、前記二軸ロータリ整形機400は、前記昇降制御油圧シリンダによって前記左右一対のリフトアーム221,222が車輌幅方向に沿った回動軸回りに揺動することで、前記アッパーリンク320及び前記一対のロワーリンク311,312の前端部回りに昇降するようになっている。
【0027】
なお、前記右リフトロッド232には、前記二軸ロータリ整形機400を前記作業車輌本機50に対して傾動させる傾動用アクチュエータとして作用する複動形の傾斜制御油圧シリンダ240が介挿されている。
つまり、前記二軸ロータリ整形機400は、前記傾斜制御油圧シリンダ240のピストンロッド241が進退することによって、前記左右一対のリフトロッド231,232の他方(ここでは、左リフトロッド231)と該他方のリフトロッド231に対応したロアーリンク311との連結点(即ち、前記二軸ロータリ整形機400の車輌幅方向中心位置から一方側へ変位された位置)を支点Qとして、傾動するようになっている。
【0028】
図2は、図1に示す作業車輌100における二軸ロータリ整形機400部分を示す図である。図2(a)は、前記二軸ロータリ整形機400の概略側面図であり、図2(b)は、前記二軸ロータリ整形機400において、カバー部材等の一部の部材を取り外した状態を示す概略側面図である。
また、図3は、図1に示す二軸ロータリ整形機400を左斜め上後方から視た概略斜視図であり、図4は、図1に示す二軸ロータリ整形機400の概略後下方斜視図である。
【0029】
前記二軸ロータリ整形機400は、耕耘部410と、前記耕耘部410より車輌後方側に配設された砕土部490と、前記砕土部の側方に配設された整形部420とを備えている。
詳しくは、図1から図4に示すように、前記耕耘部410は、前記耕耘軸411と前記耕耘爪412と有しており、前記砕土部490は、砕土軸422と砕土部材423とを有しており、前記整形部420は、整形板421を有している。
【0030】
前記耕耘軸411は、前記作業車輌本機50に設けられたPTO軸18によって作動的に(ここでは図3に示すように、両端に自在継手が備えられた伝動軸452を介して)駆動されるように構成されており、前記耕耘爪412は、前記耕耘軸411に設けられている。
【0031】
また、前記砕土軸422は、前記耕耘軸411より車輌後方側に配設され、前記PTO軸18から前記耕耘軸411への動力伝達経路から分岐された動力によって駆動されるように構成されており、前記砕土部材423は、前記砕土軸422に設けられている。
【0032】
次に、本実施形態における砕土部材423について詳述する。
図5は、図4に示す前記砕土部490部分の拡大図である。
また、図6から図9は、本実施形態における砕土部材423の左側面図、右側面図、正面図及び斜視図である。なお、図9において、下記補助耕耘爪423dは、図示を省略している。
【0033】
図5から図9に示すように、前記砕土部材423は、前記砕土軸422に軸線回り相対回転不能に支持されるディスク状のロータ423aと、前記ロータ423aの径方向外端部において回転軸線回りに等間隔に位置するように前記ロータ423aに固着される複数のロッド423bであって、それぞれが、前記ロータ423aに固着される中央部423b’と、前記中央部423b’から前記ロータ423aの回転軸線方向一方側及び他方側へそれぞれ延び先端部が自由端部423b”とされた左ロッド部(第1ロッド部)423bL及び右ロッド部(第2ロッド部)423bRとを有する複数のロッド423bと、前記ロータ423aに着脱可能に装着される複数の補助耕耘爪423dとを備えている。
【0034】
ここでは、前記左及び右ロッド部423bL,423bRが設けられる前記ロータ423aの径方向外端部は、図6の斜線部の領域αとされており、前記ロータ423aの径方向最外端位置から径方向内方へ向かう所定の周縁領域を含んでいる。
【0035】
また、本実施形態において、前記複数のロッド423bは、それぞれ、前記左及び右ロッド部423bL,423bRの全域に亘って前記ロータ423aの回転軸線との間の径方向距離が前記中央部423b’と前記ロータ423aの回転軸線との間の径方向距離と同一とされ且つ前記左及び右ロッド部423bL,423bRの前記自由端部423b”が前記中央部423b’より前記ロータ423aの回転方向(正転方向)Aの上流側に位置された状態で、前記ロータ423aを基準にして左右対称とされている。
【0036】
前記複数の補助耕耘爪423dは、図6及び図7に示すように、それぞれ、前記ロータ423aに例えば、ボルト及びナットからなる締結部材を介して着脱可能に連結される基端部423d’と、前記基端部423d’から前記ロータ423aの回転軸線を基準にして径方向外方へ延びる爪部423d”とを有し、前記爪部423d”は、前記複数のロッド423bよりも前記ロータ423aの回転軸線を基準にして径方向外方に位置している。
そして、前記複数の補助耕耘爪423dは、それぞれ、前記爪部423d”が基端側から自由端側へ行くに従って前記ロータ423aの回転方向Aの上流側に位置するように前記ロータ423aに装着されている。
【0037】
本実施形態に係る砕土部材423においては、中央部423b’がロータ423aの径方向外端部に固着され且つ先端部が自由端部423b”とされている複数のロッド423bを備えているので、当該複数のロッド423bによって車輌幅方向に関する砕土領域を十分に確保した状態で砕土することができる。さらに、前記複数のロッド423bは、先端部が自由端部423”とされているので、藁や草等の不要物を絡み付き難い状態で砕土することができる。
従って、本実施形態に係る砕土部材423によれば、車輌幅方向に関し十分な砕土領域を確保しつつ、藁や草等の不要物が絡み付くことを可及的に防止することができる。
また、前記砕土部材423は、前記複数のロッド423bが前記ロータ423aの径方向外端部に設けられるといった簡単な構成なので、砕土部材423の軽量化を実現できるとともに、土の詰まり等の不都合を有効に防止しつつ砕土することができる。
【0038】
さらに、前記ロータ423aには、補助耕耘爪423dの基端部423d’が着脱可能に連結され、前記補助耕耘爪423dの爪部423d”が前記基端部423d’から前記ロータ423aの回転軸線を基準にして径方向外方へ延びている。前記補助耕耘爪423dの爪部423d”は、前記複数のロッド423bよりも前記ロータ423aの回転軸線を基準にして径方向外方に位置している。
従って、前記ロータ423aが砕土軸422回りに回転駆動されることにより、前記補助耕耘爪423dの爪部423d”が前記複数のロッド423bで砕土される土壌より深い層を耕耘する。
【0039】
このように、土壌の上層部を砕土する複数のロッド423bに加えて、当該ロッド423bが砕土する層よりも深い層を耕耘する補助耕耘爪423dを設けることにより、より広い砕土領域を確保することができる。さらに、補助耕耘爪423dがロッ423bドが砕土する層よりも深い層を耕耘することにより、前記耕耘部410の耕耘爪412によって耕耘された荒起こし層と砕土部材423によって砕土された砕土層との間に固い層が形成されることを有効に防止することができる。
また、前記補助耕耘爪423dは、前記ロータ423aに対して着脱可能であるため、土壌の土質に応じて前記補助耕耘爪423dによる耕耘作用を付加するか否かを容易に選択することができる。
【0040】
本実施の形態において、前記ロッド423bは、前記中央部423b’から前記自由端部423b”へ行くに従って前記砕土軸422の回転方向Aの上流側へ後退している。
かかる構成を備えた前記砕土部材423においては、藁や草等の不要物をさらに絡み付き難くすることができ、これにより、砕土性能を良好に維持することが可能となる。
なお、前記砕土軸422に沿った仮想直線βと前記ロッド423bとのなす後退角度θ(図8及び図9参照)は、特に限定されないが、例えば、20°〜40°程度である。
【0041】
また、本実施形態において、前記複数のロッド423bは、図6から図8に示すように、前記砕土軸422の軸線回り最下点に位置した際に、中央部423b’から自由端部423b”へ至る全体が上下方向に関し略同一位置に位置する(左及び右ロッド部423bL,423bRが水平となる)ように構成されている。
かかる構成を備えた前記砕土部材423においては、前記複数のロッド423bが前記砕土軸422の軸線回り最下点に位置した際、常に、水平方向に沿った姿勢となるため、均一な砕土表面が得られるように砕土することが可能となる。
【0042】
また、本実施形態において、前記ロッド423bは、図6及び図7に示されるように、前記ロータ423aに周方向に(ここでは周方向に均等に)複数個設けられており、隣接する左及び右ロッド部423bL,423bRは、回転半径が異なるように構成されている。
即ち、前記複数のロッド423bは、前記中央部423b’と前記ロータ423aの回転軸線との間の径方向距離(回転半径)が第1距離rとされた複数の第1ロッド423b1と、前記中央部423b’と前記ロータ423aの回転軸線との間の径方向距離(回転半径)が前記第1距離rよりも長い第2距離Rとされた複数の第2ロッド423b2とを含んでいる。
本実施形態においては、第1ロッド423b1及び第2ロッド423b2は、ロータ423aの回転軸線回りに交互に配置される。
【0043】
かかる構成を備えた前記砕土部材423においては、砕土する前記複数のロッド423bのうち、第1ロッド423b1(回転半径r)と、第2ロッド423b2(回転半径R>r)とで砕土状態を異ならせることができるので、押し固められたような砕土状態を可及的に防止しつつ砕土することが可能となる。
なお、前記複数の左及び右ロッド部423bL,423bRの回転半径のうちの最小の回転半径(第1距離r)は、特に限定されないが、例えば、最大の回転半径(第2距離R)の70%〜80%程度である。
【0044】
さらに、本実施形態の砕土部材423において、前記複数の補助耕耘爪423dは、図6及び図7に示すように、それぞれ、前記複数の第1ロッド423b1にそれぞれ対応する位置に配置され、前記基端部423d’が対応する前記第1ロッド423b1よりも前記ロータ423aの回転方向Aの下流側において前記ロータ423aに連結され、且つ、前記爪部423d”が前記ロータ423aの回転方向Aに関し対応する前記第1ロッド423b1を跨ぐように該第1ロッド423b1を基準にして前記ロータ423aの回転方向Aの下流側及び上流側に延びている。
【0045】
かかる構成を備えた前記砕土部材423において、補助耕耘爪423dは、基端部423d’が前記回転半径がより短い第1ロッド423b1に対応する位置においてロータ423aに連結される。
このとき、前記補助耕耘爪423dの爪部423d”は、前記ロータ423aの回転方向Aに関し対応する前記第1ロッド423b1を跨ぐように当該第1ロッド423b1を基準にして前記ロータ423aの回転方向Aの下流側及び上流側に延びている。即ち、前記爪部423d”の先端部は、対応する前記第1ロッド423b1の先端部よりロータ423aの回転方向Aの上流側に位置し、前記爪部423d”の基端部は、対応する前記第1ロッド423b1の中央部423b’よりロータ423aの回転方向Aの下流側に位置している。
【0046】
従って、補助耕耘爪423dの基端部423d’をロッド423bの中央部423b’とロータ423aの回転軸線との間の径方向距離がより短い第1ロッド423b1に対応する位置においてロータ423aに連結することにより、補助耕耘爪423dの連結スペースを容易に確保することができる。
また、第2ロッド423b2に対応する位置においては補助耕耘爪423dを連結しない代わりに、補助耕耘爪423dの爪部423d”の長さを左及び右ロッド部423bL,423bRの長さより長くすることにより、補助耕耘爪423dの取り付け数を少なくしながら耕耘効果を高く維持することができる。
【0047】
本実施形態において、前記複数の補助耕耘爪423dは、図6から図8に示すように、前記ロータ423aの回転軸線方向一方側の左側面(第1側面、図6参照)及び他方側の右側面(第2側面、図7参照)にそれぞれ連結される左補助耕耘爪(第1補助耕耘爪)423dL及び右補助耕耘爪(第2補助耕耘爪)423dRを含み、前記左及び右補助耕耘爪423dL,423dRは、前記ロータ423aの回転軸線回りに交互に配置されている。
【0048】
この場合、ロータ423aの回転軸線方向一方側の左側面に連結される左補助耕耘爪423dLとロータ423aの回転軸線方向他方側の右側面に連結される右補助耕耘爪423dRとが前記ロータ423aの回転軸線回りに交互に配置される。
従って、補助耕耘爪423dをロータ423aに連結することによってロータ423aの回転軸線回りのモーメントが増大しても、ロータ423aの両側面に補助耕耘爪423dを均等配置することによりロータ423a回転時の回転ぶれを抑制することができる。
【0049】
さらに、前記補助耕耘爪423dは、図5及び図8に示すように、前記爪部423d”が基端側から自由端側へ行くに従って前記ロータ423aの回転軸線方向に関し前記ロータ423aから離間されるナタ爪とされている。
本実施形態において、前記ロータ423aの第1側面(左側面)に連結された左(第1)補助耕耘爪423dLは、自由端部が前記ロータ423aより回転軸線方向一方側(左方側)に位置し、前記ロータ423aの第2側面(右側面)に連結された右(第2)補助耕耘爪423dRは、自由端部が前記ロータ423aより回転軸線方向他方側(右方側)に位置している。
【0050】
加えて、前記補助耕耘爪423dは、自由端側が前記ロータ423aの回転軸線方向位置に関し前記ロッド423bの自由端部423b”よりも前記ロータ423aに近接される。
即ち、前記補助耕耘爪423dは、図8に示すように、車輌幅方向に関し前記補助耕耘爪423dの回転軌跡によって画される補助耕耘領域bが前記ロッドの回転軌跡によって画される砕土領域B内に位置するように構成される。
【0051】
かかる構成を備えた前記砕土部材423においては、補助耕耘爪423dの爪部423d”が基端側から自由端側へ行くに従ってロータ423aの回転方向Aの上流側に位置されているため、補助耕耘爪423dに藁や草等の不要物が絡み付くのを有効に防止することができる。しかも、補助耕耘爪423dの爪部423d”を基端部側から自由端部側へ行くに従ってロータの回転軸線方向に関して前記ロータ423aから離れた位置となるように形成したナタ爪とすることにより、直刃を使用する場合に比べて前記ロッド423bが砕土する層よりも深い層を幅広く耕耘することができるため、前記耕耘爪412によって耕耘された荒起こし層と砕土部材423によって砕土された砕土層との間に固い層が形成されることを有効に防止することができる。
【0052】
本実施形態において、前記砕土部材423は、前記砕土軸422に対して軸線方向位置調整可能に固定されている。
図10は、本実施形態の砕土部490におけるボス部近傍を示す図である。
【0053】
本実施形態においては、図5及び図10に示すように、前記砕土軸422は、軸線方向に沿って所定ピッチP1(図10参照)で設けられた複数の取付孔(ここでは軸線方向に略直交する方向に貫通する複数の取付孔)422aを有している。
前記砕土部材423は、前記砕土軸422に外挿されるボス部423cであって、前記ロータ423aの径方向内端部が固着されるボス部423cをさらに備えている。
そして、前記ボス部423cには、位置決め孔423c’(ここでは軸線方向に略直交する方向に貫通する位置決め孔)が設けられており、これにより、前記砕土部材423は、前記位置決め孔423c’に挿通される取付ピン等の固定部材422a’が前記複数の取付孔422aのうち何れかの孔に取り付けられることによって、前記砕土軸422に位置決め固定されるようになっている。
【0054】
このように、本実施形態においては、前記砕土部材423が前記砕土軸422に対して軸線方向位置調整可能に固定されているので、砕土領域を車輌幅方向に関し調整することができ、これにより必要な部分の砕土が可能となる。
【0055】
また、本実施形態において、前記砕土部材423は、図5に示すように、互いに別体とされた複数(ここでは4個)のものとされ、当該複数の砕土部材423は、それぞれ、前記砕土軸422に対して軸線方向位置調整可能に固定されていている。
かかる構成によれば、車輌幅方向に関し、前記複数の砕土部材423によって砕土される領域を植付領域に応じてそれぞれ異ならせることができる。
また、砕土する畦の幅が変更された場合でも、畦の幅に応じた専用幅の砕土部材を用意することなく、隣り合う砕土部材423間の距離d(図5参照)を変更することにより、所望の畦の幅に対応させることができる。
【0056】
また、本実施形態においては、図9に示すように、前記ボス部423cには、軸線方向及び周方向に変位された複数の位置決め孔(ここでは軸線方向及び周方向に変位するように軸線方向に略直交する方向に貫通する2箇所の位置決め孔)423c’が設けられている。
そして、前記複数の位置決め孔423c’の軸線方向ピッチP2は、前記所定ピッチP1よりも間隔が狭くなっている。
かかる構成によれば、前記砕土軸422に対して前記複数の砕土部材423を取り付ける際に、前記砕土軸422における前記所定ピッチP1の前記取付孔422aと、前記砕土部材423における前記ボス部423cの前記複数の位置決め孔423c’のうち何れかの孔とを位置合わせすることで、前記複数の砕土部材423を軸線方向に関し前記所定ピッチP1の範囲内で微調整することが可能となる。
【0057】
なお、前記砕土軸422及び前記ボス部423cは、ここでは、筒状のものとされている。
また、本実施形態において、前記ロータ423aは、図5から図9に示すように、プレート状のものとされている。ただし、これに限定されるものではなく、前記砕土軸422に対して径方向外方に向けて放射状に延びるように設けられたスポーク状のものとされていてもよい。
また、前記砕土部材423は、前記左及び右ロッド部423bL,423bRの数を適宜増減してもよい。
【0058】
ここで、図11に、図1の二軸ロータリ整形機400が土Gを耕耘、整形及び砕土する一連の作業についての模式図を示す。
本実施形態において、前記整形部420の整形板421は、図2から図4及び図11に示すように、前記耕耘部410によって耕耘された土G’を畦形状に整形するように構成されている。
前記砕土部490の砕土軸422は、前記PTO軸18からの動力によって作動的に駆動されており、前記砕土軸422とともに前記砕土部材423が回転することにより、前記整形板421によって整形された畦Fの上部Tを砕土する。
【0059】
前記二軸ロータリ整形機400においては、図11に示すように、前記耕耘部410によって土Gを粗く耕耘し、前記耕耘部410によって粗く耕耘された土G’を前記整形板421によって畦形状に整形し、さらに前記整形部420の整形板421によって整形された粗い土の畦Fの上部Tを、前記砕土部490の前記砕土軸422に設けられた前記砕土部材423によってより細かく砕土することができる。
このように、前記二軸ロータリ整形機400によれば、前記耕耘部410によって粗く耕耘された土G’を前記整形部420によって畦形状に整形するとともに、前記整形部420によって整形された粗い土の畦Fの上部Tを、前記砕土部490によってより細かく砕土できるので、植付領域となる上面部がより細かく砕土された畦を一工程で形成することが可能となる。
【0060】
本実施形態において、前記二軸ロータリ整形機400は、図2(b)及び図11に示すように、前記砕土部材423の回転軌跡K1の少なくとも一部が、側面視において前記整形板421とオーバーラップするように構成されている。
かかる構成を備えることにより、前記二軸ロータリ整形機400は、前記整形板421によって粗い土G’の畦を整形すると同時に整形された畦Fの上部Tを前記砕土部材423によってより細かく砕土することができる。従って、前記整形板421によって粗い土の畦Fが整形されている状態で前記砕土部材423によって該畦Fの上部Tをより細かく砕土できるので、該畦Fの植付領域となる上面部のみを効果的に砕土することができ、これにより、例えば、播種、移植に適した畦を得ることが可能となる。
【0061】
また、本実施形態においては、前記砕土軸422が前記PTO軸18から前記耕耘軸411への動力伝達経路から分岐された動力によって駆動されるようになっている。
図12に、前記二軸ロータリ整形機400の動力取出機構及び砕土用伝動機構部分の概略右後方斜視図を示す。
前記砕土部490は、図12に示すように、前記砕土軸422及び前記砕土部材423に加えて、動力取出機構430と、砕土用伝動機構440と、前記砕土用伝動機構440を収容する砕土用伝動ケース450とを備えており、前記動力取出機構430は、前記PTO軸18から前記耕耘軸411へ至る伝動経路から回転動力を取り出すように構成されている。
【0062】
詳しくは、前記砕土用伝動機構440は、前記動力取出機構430に作動連結された入力部441及び前記入力部441より下方に位置する出力部442(図4参照)を有している。
また、前記砕土軸422は、図4に示すように、前記出力部442に作動連結された状態で前記砕土用伝動ケース450に支持されており、前記砕土部材423は、前記砕土軸422に設けられている。
そして、前記砕土用伝動ケース450は、図11に示すように、前記入力部441回り揺動可能に前記耕耘部410に支持されている。
【0063】
図15は、前記砕土用伝動ケース450が前記入力部441回り揺動可能に前記耕耘部410に支持されている状態を左斜め上側方から視た斜視図である。
本実施形態において、前記砕土用伝動ケース450は、図15に示すように、前記耕耘部410に設けられた固定支持部材410aに前記入力部441における入力軸443回り揺動可能且つ位置調整可能に支持されている。
具体的には、前記固定支持部材410aには、前記入力軸443回りの周方向に沿った長孔(ここでは、2箇所の長孔)410bが設けられている。
そして、前記砕土用伝動ケース450は、前記入力軸443回りに上下揺動可能とされており、前記固定支持部材410aに設けられた前記長孔410bに挿通されるボルト等の固定部材410cによって、該長孔410bの長さの範囲内で、前記入力軸443回り位置調整可能に固定されている。
【0064】
かかる構成を備えることにより、前記砕土用伝動ケース450の前記入力部441回りに揺動するため、前記整形板421によって整形された粗い土の畦Fの上部Tにおいてより細かく砕土される砕土層Sの深さhを調整することができる。
即ち、前記砕土用伝動ケース450が前記入力部441回り下方へ揺動される場合には、砕土層S1の深さh1は、前記入力部441回り上方へ揺動される場合(例えば、図11の鎖線位置に位置している場合)の砕土層S2の深さh2よりも深くなるように調整することができる。
これにより、植付ける作物に適した深さhの砕土層Sを有する畦Fを得ることができる。
【0065】
前記二軸ロータリ整形機400について、図13及び図14も参照しながらさらに具体的に説明する。
図13に、前記耕耘部410の耕耘用動力伝動機構部分の展開断面図を示す。
前記耕耘部410は、前記耕耘軸411及び前記耕耘爪412に加えて、入力軸413と、ギヤケース414と、従動軸415と、メインビーム416と、耕耘用伝動ケース417と、耕耘用伝動機構418とを備えている。
【0066】
本実施形態においては、前記耕耘部410は、前記従動軸415、前記メインビーム416、前記耕耘用伝動ケース417、前記耕耘用伝動機構418及び前記耕耘軸411をそれぞれ左右一対備えている。
かかる形態においては、例えば、前記入力軸413からの動力を車輌幅方向の両外端部において前記耕耘軸411にそれぞれ伝達するように構成することができる。
なお、図13においては、一対の構成のうち、一方(右側)の構成を示しているが、他方の構成は、前記動力取出機構430の後述する第1伝動プーリ431が設けられていないことを除いて前記一方の構成と実質的に同一の構成を備えている。
【0067】
前記入力軸413は、前記PTO軸18に作動連結されるように構成されている。
詳しくは、前記入力軸413は、前記PTO軸18に前記伝動軸452を介して作動連結されるように構成されており、前記エンジン4からの動力が該PTO軸18及び前記伝動軸452を介して伝達されるようになっている。
【0068】
前記ギヤケース414は、前記入力軸413を車輌前後方向に沿うように支持しており、前記従動軸415は、前記入力軸413に作動連結された状態で車輌幅方向に沿って延びている。
詳しくは、前記従動軸415は、前記入力軸413を挟んで左右に延びており、該入力軸413からの動力が駆動伝達機構350によって伝達されるように、該駆動伝達機構350を介して前記入力軸413に作動連結されている。
【0069】
具体的には、前記従動軸415は、同軸上に一体的に連結されており、前記駆動伝達機構350は、前記ギヤケース414に収容される第1及び第2ベベルギヤ351,352を備えている。
前記ギヤケース414は、前記入力軸413を軸線回り回転自在に支持するとともに、該入力軸413に対して直交するように配置された前記従動軸415を軸線回り回転自在に支持している。
前記第1ベベルギヤ351は、前記ギヤケース414内に収容された状態で、前記入力軸413に外嵌固定されている。前記第2ベベルギヤ352は、前記ギヤケース414内に収容された状態で、前記第1ベベルギヤ351と噛合するように、前記左右一対の従動軸415の一方に外嵌固定されている。
【0070】
前記メインビーム416は、前記従動軸415を軸線回り回転自在に支持するように前記ギヤケース414の車輌幅方向の両側に連結されており、前記耕耘用伝動ケース417は、上下方向に延びるように前記メインビーム416の車輌幅方向外端部に連結されている。
詳しくは、前記メインビーム416は、前記ギヤケース414の側面と前記耕耘用伝動ケース417の上端部とを連結するように配設されており、前記従動軸415が内挿されている。
【0071】
本実施形態において、前記メインビーム416及び前記従動軸415は、車輌幅方向に伸縮可能とされている。
このように前記耕耘部410は、前記メインビーム416及び前記従動軸415が車輌幅方向に伸縮されることで、耕耘幅を調整できるようになっている。
【0072】
詳しくは、前記従動軸415は、軸線方向位置が固定された状態で前記入力軸413に作動連結された位置固定従動軸415aと、前記位置固定従動軸415aに軸線方向移動可能な状態で軸線回り相対回転不能に連結される位置可動従動軸415bとを有している。
具体的には、前記位置可動従動軸415bは、筒状部材415b’を有しており、該筒状部材415b’の車輌幅方向内端部が前記位置固定従動軸415aの車輌幅方向外端部に車輌幅方向摺動自在且つ軸線回り相対回転不能に外嵌されている。
【0073】
前記メインビーム416は、前記位置固定従動軸415aを支持する固定ビーム416aと、前記固定ビーム416aに対して軸線方向移動可能に連結される可動ビーム416bとを有している。
具体的には、前記固定ビーム416aは、前記位置固定従動軸415aを内挿し且つ前記可動ビーム416bを内嵌可能な中空部材(例えば、横長筒状の部材)とされており、前記可動ビーム416bは、前記位置可動従動軸415bを内挿可能な中空部材(例えば、横長筒状の部材)とされている。
また、前記可動ビーム416bは、前記位置可動従動軸415bを内挿した状態で前記固定ビーム416aの車輌幅方向外端部に車輌幅方向摺動自在に嵌装されており、固定部材BL(例えば、固定ボルト)によって固定されるようになっている。
【0074】
前記耕耘用伝動ケース417は、上端部の軸受部417aが前記従動軸415の他端部側を軸線回り回転自在に支持しており、下端部の軸受部417bが前記耕耘軸411の一端部側を軸線回り回転自在に支持している。
【0075】
前記耕耘用伝動機構418は、前記耕耘用伝動ケース417に収容されており、前記従動軸415の車輌幅方向外端部に作動連結された入力部418a及び前記入力部418aより下方に位置する出力部418bを有している。
詳しくは、前記耕耘軸411は、前記耕耘用伝動機構418によって駆動されるように構成されている。即ち、前記耕耘軸411は、前記従動軸415からの動力が前記耕耘用伝動機構418によって伝達されるように、該耕耘用伝動機構418を介して該従動軸415に作動連結されている。
【0076】
具体的には、前記耕耘用伝動機構418は、第1及び第2スプロケット418c,418dと、チェーン418eとを備えている。
前記第1スプロケット418cは、前記従動軸415の他端部側に外嵌固定されており、前記第2スプロケット418dは、前記耕耘軸411の一端部側に外嵌固定されている。そして、前記チェーン418eは、前記第1及び第2スプロケット418c,418dに巻回されている。
【0077】
前記耕耘爪412は、前記耕耘軸411に軸線回り相対回転不能に設けられている。
また、前記耕耘軸411は、前記出力部418bに作動連結された状態で車輌幅方向に沿って延びるように前記耕耘用伝動ケース417に支持されている。
【0078】
なお、本実施の形態では、前記耕耘部410は、前記従動軸415、前記メインビーム416、前記耕耘用伝動ケース417、前記耕耘用伝動機構418及び前記耕耘軸411を左右一対備えているが、耕耘部全幅で耕耘する必要があるため、図4及び図12に示すように、前記耕耘軸411の車輌幅方向内端部同士を耕耘爪412を有するカップリング等の連結部材470を介して相対回転不能に連結している。
【0079】
ここでは、前記耕耘軸411は、車輌幅方向に移動可能に互いの対向端部が連結部材470を介して連結されている。これにより、前記左右一対の耕耘軸411は、それぞれ、前記メインビーム416及び前記従動軸415の車輌幅方向の伸縮に伴い、車輌幅方向に移動できるようになっている。
詳しくは、前記左右一対の耕耘軸411は、それぞれ、車輌幅方向内端部411aが筒状の連結部材470に車輌幅方向摺動自在且つ軸線回り相対回転不能に外嵌されているようになっている。好ましくは、前記耕耘軸411と前記連結部材470とは、固定部材BL(例えば、固定ボルト)によって固定される。また、前記連結部材470に前記耕耘爪412が設けられている。
【0080】
また、本実施形態においては、前記入力軸413からの動力を車輌幅方向の両外端部において前記耕耘軸411に伝達するように構成されているが、当然ながら、単一の耕耘用伝動ケース及び軸受板によって、単一の耕耘軸を支持することも可能である。
かかる形態においては、例えば、前記入力軸413からの動力を車輌幅方向の一方の外端部において単一の耕耘軸に伝達するサイドドライブロータリタイプ、或いは、前記入力軸413からの動力を車輌幅方向中央部において単一の耕耘軸に伝達するセンタードライブロータリタイプとして構成することができる。
【0081】
本実施形態において、前記耕耘部410は、図1から図4に示すように、前記構成に加えて、耕耘カバー419と、耕深調節フレーム461と、ゲージ輪フレーム462と、ゲージ輪アーム463と、ゲージ輪464と、耕深調節軸465とを備えている。
ここで、上リンクフレーム401は、前記ギヤケース414にボルト等の固定部材402によって固定されている。
前記耕耘カバー419は、前記耕耘爪412の回転軌跡K2の上方を覆うように配置された耕耘上面カバー419aと、前記耕耘上面カバー419aの車輌幅方向両端部に設けられた左右一対の耕耘サイドカバー419bとを備えている。
【0082】
前記耕深調節フレーム461は、前記メインビーム416に前端側が取付けられて後方に長く延びている。前記ゲージ輪フレーム462は、車輌幅方向に延びており、前記二軸ロータリ整形機400のフレーム体(ここでは上リンクフレーム401)に対して前記耕深調節フレーム461を介して位置調整可能に連結されている。
前記ゲージ輪アーム463は、上下方向に延びるように前記ゲージ輪フレーム462に支持されており、前記ゲージ輪464は、前記ゲージ輪アーム463に車輌幅方向に沿った軸線回り回転自在に支持されている。
また、前記耕深調節軸465は、前記上リンクフレーム401の後端側と前記ゲージ輪フレーム462とをつなぐ伸縮調節可能なものとされており、伸縮調節を行うために回転操作する耕深調節ハンドル465a(図1等参照)を有している。
【0083】
かかる構成を備えた前記耕耘部410は、該耕深調節ハンドル465aが回転操作されて前記耕深調節軸465が伸縮され、前記ゲージ輪464が上下することにより、前記二軸ロータリ整形機400全体が下降或い上昇し、これにより、前記耕耘爪412による耕深深さg1(即ち畦Fの高さg2)が手動で変更できるようになっている。
【0084】
前記砕土部490において、前記動力取出機構430は、図13に示すように、前記PTO軸18から前記耕耘軸411へ至る伝動経路のうち、前記位置固定従動軸415aから回転動力を取り出すように構成されている。
詳しくは、前記動力取出機構430は、第1及び第2伝動プーリ431,432並びに伝動ベルト433を備えている。
前記第1伝動プーリ431は、前記位置固定従動軸415aに軸線回り相対回転不能に支持されており、前記第2伝動プーリ432は、前記砕土用伝動機構440における後述する砕土用入力軸443に軸線回り相対回転不能に支持されている。そして、前記伝動ベルト433は、前記第1及び第2伝動プーリ431,432に巻回されている。前記伝動ベルト433は、付勢部材434によって付勢されたテンションローラ435によって張設されている。
【0085】
かかる構成を備えた前記動力取出機構430は、前記位置固定従動軸415aからの回転動力が前記砕土用入力軸443に伝達されるようになっている。
なお、本実施形態において、前記位置固定従動軸415aは、筒状部材415a’と、前記第1伝動プーリ431が設けられたプーリ軸415a”とを有しており、前記筒状部材415b’の車輌幅方向外端部が前記プーリ軸415a’に外嵌され、固定部材BL(例えば、固定ボルト)によって固定されるようになっている。
【0086】
図14は、前記砕土用伝動機構440を収容する前記砕土用伝動ケース450の概略構成図である。図14(a)は、縦断面図であり、図14(b)は、側面図である。
前記砕土用伝動機構440は、図14に示すように、砕土用入力軸443と、第1及び第2伝動スプロケット444,445と、伝動チェーン446とを備えている。
前記砕土用入力軸443は、前記位置固定従動軸415aと略平行に配設され、前記砕土用伝動ケース450の上端側に軸線回り相対回転自在に支持されている。
前記第1伝動スプロケット444は、前記砕土用入力軸443に軸線回り相対回転不能に支持されており、前記第2伝動スプロケット445は、前記出力部442において前記砕土軸422に軸線回り相対回転不能に支持されている。そして、前記伝動チェーン446は、前記第1及び第2伝動スプロケット444,445に巻回されている。
【0087】
また、本実施形態において、前記砕土用伝動ケース450は、前記砕土用入力軸443回り揺動可能に前記砕土用伝動機構440を収容しており、前記砕土用伝動機構440は、前記砕土用伝動ケース450が前記砕土用入力軸443回りに揺動可能な状態で、前記砕土用入力軸443からの回転動力が前記砕土軸422に伝達されるようになっている。
【0088】
図1から図4に示すように、前記整形部420は、前記整形板421に加えて、前記整形板421を支持する整形フレーム424を備えている。
本実施形態において、前記整形フレーム424は、前記耕耘部410に支持された支持アーム424aと、車輌幅方向に延びるように前記支持アーム424aに支持されたツールバー424bと、前記ツールバー424bの車輌幅方向両端部において車輌幅方向の位置調整可能に支持された左右一対の支柱フレーム424cとを備えている。
詳しくは、前記支持アーム424aは、前端部が前記メインビーム416の車輌後方側に該メインビーム416に略平行に配設されたサポートビーム416eの車輌幅方向中央部に取り付けられ且つ後端部が前記ツールバー424bの車輌幅方向中央部に一体的に連結されている。
【0089】
前記整形板421は、前記左右一対の支柱フレーム424cに支持された左右一対のものとされており、該左右一対の支柱フレーム424cが前記ツールバー424bに対して車輌幅方向に位置調整されることで、整形される畦Fの幅を調節できるようになっている。
本実施形態においては、前記左右一対の整形板421は、それぞれ、前記耕耘爪412が設けられた前記耕耘軸411の外端部の車輌後方において前記耕耘爪412に対向して耕土を内側へ移動させるための第1整形部421aと、上端部が下端部より内方に傾くように前記第1整形部421aの車輌幅方向内端部より車輌後方へ延設された第2形成部421bとを有している。
【0090】
詳しくは、前記一対の整形板421は、それぞれ、連結部材421cを介して前記一対の支柱フレーム424cに連結されている。前記連結部材421cは、それぞれ、前記一対の支柱フレーム424cの下端部に設けられた箱形部に挿通され、ボルト等の固定部材によって固定されている。
また、前記第2形成部421bの内面には、それぞれ、プラスチック板等の土付着防止板421b’が設けられている。
【0091】
前記整形部420は、前記構成に加えて、前記砕土部材423の回転軌跡K1の上方を覆うように配設された整形前部上面カバー425と、前記砕土部材423の回転軌跡K1の後方を覆うように配設された整形後部上面カバー426(図3参照)とを備えている。
本実施形態において、前記整形前部上面カバー425は、後端部425aが前記ツールバー424bに一体的に連結されており、前端部425bが前記耕耘上面カバー419aの上面に配置されている。
前記整形後部上面カバー426は、前記ツールバー424bに車輌幅方向に沿って設けられた枢着軸424b’を介して回動可能に連結されている。
【0092】
また、前記整形後部上面カバー426の内面には、プラスチック板等の土付着防止板426b’が設けられている。
なお、この土付着防止板426b’は、前記左右一対の支柱フレーム424cが前記ツールバー424bに対して車輌幅方向に位置調整される際に、前記整形後部上面カバー426と前記第2整形部421bとの間で前記砕土部材423の回転軌跡K1の上方を覆うことができるように、車輌幅方向に進退可能とされている。ここでは、前記土付着防止板426b’は、車輌幅方向両端部に設けられた一対の延長板426b”であって、車輌幅方向に延びる長孔Mを有する一対の延長板426b”を有している。前記延長板426b”は、それぞれ、前記長孔Mに挿通されるボルト等の固定部材によって車輌幅方向両端部に車輌幅方向に沿って位置調整可能に取り付けられている。これにより、前記土付着防止板426b’は、車輌幅方向に進退できるようになっている。
【0093】
さらに、図3に示すように、前記ツールバー424bの車輌幅方向中央部には、後方へ延びる左右一対のハンガーフレーム427が延設されている。
そして、前記整形後部上面カバー426の上面後端側と前記左右ハンガーフレーム427との間には左右一対のハンガー機構480が設けられており、前記整形後部上面カバー426は、該ハンガー機構480を介して、前記枢着軸424b’回りに上下動し得るようになっている。
【0094】
詳しくは、前記各ハンガーフレーム427には、車輌幅方向に沿った軸線回り回動自在とされた受圧軸体427aが配置されている。該受圧軸体427aには、軸線と直交する方向に貫通孔が設けられている。
前記各ハンガー機構480は、ハンガーロッド481と、鎮圧用付勢部材(ここでは圧縮バネ)482とを備えている。
【0095】
前記ハンガーロッド481は、前記受圧軸体427aの前記貫通孔に摺動可能に挿通された細長い丸棒形のものとされており、下端部が、車輌幅方向に沿った支軸481aを介して、前記整形後部上面カバー426の後部上面に設けられたブラケット426aに回動自在に連結されており、下方側で且つ前記支軸481aより上方側において固設された支持部材481bを有している。
前記鎮圧用付勢部材482は、前記支持部材481b及び前記ハンガーフレーム427の間に位置するように該ハンガーロッド481に外挿されている。
【0096】
本実施形態において、前記整形部420は、図2及び図4に示すように、稲藁や切株を土中に埋め込むレーキ428を備えている。前記レーキ428は、前記ツールバー424bに固定される板状の基部428aと、車輌幅方向に沿って直列に配置された複数のレーキ部428bであって、基端部が前記基部428aに固定され、自由端部が略下方を向いた複数のレーキ部428bを有している。
そして、本実施形態のレーキ428は、前記複数のレーキ部428bのうち、隣接するレーキ部428bの自由端部が作業時(作業機下降状態)において車輌前後方向に前後互い違いとなるように配置されている。即ち、前記レーキ428は、自由端部が前方に位置する第1レーキ部428b1と当該第1レーキ部428b1の自由端部より後方に自由端部が位置する第2レーキ部428b2とが車輌幅方向に沿って交互に配置されている。
【0097】
かかる構成を有することにより、前記稲藁や切株等がレーキ部428bに引っ掛かったり、土がレーキ部428bに溜まったりして畝の上面を削ってしまうことを防止することができる。
【0098】
以上、本発明に係る一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
例えば、上記実施形態においては、作業車輌本機50に耕耘部410、整形部490及び砕土部490が付設された二軸ロータリ整形機400について説明したが、本発明に係る砕土部材423は、作業車輌本機50に耕耘部410及び砕土部490を有する二軸ロータリ耕耘機全般に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る砕土部材が適用された二軸ロータリ整形機を付設した作業車輌の概略側面図である。
【図2】図2は、図1に示す作業車輌における二軸ロータリ整形機部分を示す図である。
【図3】図3は、図1に示す二軸ロータリ整形機を左斜め上後方から視た概略斜視図である。
【図4】図4は、図1に示す二軸ロータリ整形機の概略後下方斜視図である。
【図5】図5は、図4に示す前記砕土部部分の拡大図である。
【図6】図6は、本実施形態における砕土部材の左側面図である。
【図7】図7は、本実施形態における砕土部材の右側面図である。
【図8】図8は、本実施形態における砕土部材の正面図である。
【図9】図9は、本実施形態における砕土部材の斜視図である。
【図10】図10は、本実施形態の砕土部におけるボス部近傍を示す図である。
【図11】図11は、図1の二軸ロータリ整形機が土を耕耘、整形及び砕土する一連の作業についての模式図である。
【図12】図12は、図1の二軸ロータリ整形機の動力取出機構及び砕土用伝動機構部分の概略右後方斜視図である。
【図13】図13は、本実施形態における耕耘部の耕耘用動力伝動機構部分の展開断面図である。
【図14】図14は、本実施形態における砕土用伝動機構を収容する砕土用伝動ケースの概略構成図である。
【図15】図15は、本実施形態における砕土用伝動ケースが入力部回り揺動可能に耕耘部に支持されている状態を左斜め上側方から視た斜視図である。
【符号の説明】
【0100】
18 PTO軸
50 作業車輌本機
422 砕土軸
423 砕土部材
423a ロータ
423b ロッド
423b1 第1ロッド
423b2 第2ロッド
423bL 左ロッド部(第1ロッド部)
423bR 右ロッド部(第2ロッド部)
423b’ ロッドの中央部
423b” ロッドの自由端部
423d 補助耕耘爪
423dL 左補助耕耘爪(第1補助耕耘爪)
423dR 右補助耕耘爪(第2補助耕耘爪)
423d’ 補助耕耘爪の基端部
423d” 補助耕耘爪の爪部
r 第1距離
R 第2距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車輌本機の車輌幅方向に沿うように配設され且つ前記作業車輌本機に設けられたPTO軸からの回転動力によって作動的に軸線回りに回転駆動される砕土軸に相対回転不能に装着される砕土部材において、
前記砕土軸に軸線回り相対回転不能に支持されるディスク状のロータと、
前記ロータに固着される複数のロッドであって、それぞれが、前記ロータに固着される中央部と、前記中央部から前記ロータの回転軸線方向一方側及び他方側へそれぞれ延び先端部が自由端部とされた第1ロッド部及び第2ロッド部とを有する複数のロッドと、
前記ロータに着脱可能に装着される補助耕耘爪とを備え、
前記補助耕耘爪は、前記ロータに着脱可能に連結される基端部と、前記基端部から前記ロータの回転軸線を基準にして径方向外方へ延びる爪部とを有し、前記爪部は、前記複数のロッドよりも前記ロータの回転軸線を基準にして径方向外方に位置していることを特徴とする砕土部材。
【請求項2】
前記複数のロッドのそれぞれは、前記第1及び第2ロッド部の全域に亘って前記ロータの回転軸線との間の径方向距離が前記中央部と前記ロータの回転軸線との間の径方向距離と同一とされ且つ前記第1及び第2ロッド部の前記先端部が前記中央部より前記ロータの回転方向上流側に位置された状態で、前記ロータを基準にして左右対称とされており、
前記補助耕耘爪は、前記爪部が基端側から自由端側へ行くに従って前記ロータの回転方向上流側に位置するように前記ロータに装着されることを特徴とする請求項1に記載の砕土部材。
【請求項3】
前記補助耕耘爪は、前記爪部が基端側から自由端側へ行くに従って前記ロータの回転軸線方向に関し前記ロータから離間されるナタ爪とされていることを特徴とする請求項2に記載の砕土部材。
【請求項4】
前記複数のロッドは、前記中央部と前記ロータの回転軸線との間の径方向距離が第1距離とされた複数の第1ロッドと、前記中央部と前記ロータの回転軸線との間の径方向距離が前記第1距離よりも長い第2距離とされた複数の第2ロッドとを含み、
前記砕土部材は、前記複数の第1ロッドにそれぞれ対応する位置に配置された複数の前記補助耕耘爪を備え、
前記複数の補助耕耘爪は、それぞれ、前記基端部が対応する前記第1ロッドよりも前記ロータの回転方向下流側において前記ロータに連結され、且つ、前記爪部が前記ロータの回転方向に関し対応する前記第2ロッドを跨ぐように該第1ロッドを基準にして前記ロータの回転方向下流側及び上流側に延びていることを特徴とする請求項2又は3に記載の砕土部材。
【請求項5】
前記複数の補助耕耘爪は、前記ロータの回転軸線方向一方側の第1側面及び他方側の第2側面にそれぞれ連結される第1補助耕耘爪及び第2補助耕耘爪を含み、
前記第1及び第2補助耕耘爪は、前記ロータの回転軸線回りに交互に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の砕土部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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