説明

破裂可能縁部気泡を有する剛性の保持容器

剛性の保持容器は、内容物をシールするための保持領域上に延びたフレキシブルなカバーシートを有している。容器は、カバーシートと容器との間のシールのための堅固なベースを提供する幅広の平坦な周縁リップを有している。シールにおいて、カバーの下方でかつ周縁リップの上に破裂可能気泡が形成されている。消費者は、親指と人差し指の台でリップに対して気泡を押しつけることによって気泡を破裂させる。圧力は気泡の中の空気を圧縮し、気泡を横方向に膨張させる。膨張した気泡はリップの周縁に沿って破裂し、フレキシブルなカバー材料の剥離フラップを生ぜしめる。消費者は、剛性の容器を下にして持ちながら剥離フラップを引っ張り、カバーシートを除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2007年12月31日に出願された米国特許仮出願第61/009491号明細書及び2008年4月21日に出願された米国特許仮出願第61/046655号明細書に基づき、これらの出願の優先権を主張する。
【0002】
背景
多くの様々なアイテムや製品を保持するために、熱成形されたプラスチック容器が使用される。このような容器は例えば、インスタント食品(meal ready-to-eat(MRE))、薬剤、及び様々な雑貨を保持するために使用される。幾つかの用途においては、容器は減圧された環境を内包するシールされた容器に真空包装されている。
【0003】
1つの実施形態において、熱成形された容器は、周縁部に沿って透明なプラスチックフィルムにシールされた剛性の成形されたベースを有している。このような容器は、例えば、スライスされたランチョンミートを包装するために使用される。しかしながら、このような容器は開けるのが困難である場合がある。容器は例えば、通常、すりきれた角を有しており、このすりきれた角において、剛性のベースは上側のプラスチックフィルムから部分的に分離されている。容器を開けるために、使用者は、角においてプラスチックフィルムを掴み、フィルムを剛性のベースから剥がすことができる。
【0004】
あいにく、容器の2つの部分を分離させようとするのが困難な場合がある。この問題は、作業室において手袋をはめた技術者がパッケージを開けようとするときにより顕著となる。さらに、すりきれた角は、開く前にプラスチックフィルムと剛性のベースとの間に微生物等の隠れた汚染物を集めるための空間を提供する場合がある。
【0005】
上述のことを考慮すると、容器を開けるための改良された機構を有する上述の熱成形された容器が現在必要とされている。
【0006】
概要
概して、本開示は、容器を開けるのを容易にするための破裂可能気泡を有する剛性の保持容器に関する。例えば、1つの実施形態において、容器は、アイテム区画を規定する剛性支持部を有している。
【0007】
ここで使用されているように、「剛性」との用語は、剛性の容器だけではなく、半剛性の容器も含む。特に、ここで使用されているような剛性の容器は、その形状を維持する材料から形成されたあらゆる容器を指す。単層又は多層のフィルムを有するフレキシブルな閉鎖材は、アイテム区画を閉鎖しかつ容器の部分を形成するように剛性支持体に取り付けられている。特に、剛性支持体とフレキシブルな閉鎖材との間に周縁シールが配置されている。周縁シールは、アイテム区画内へのアクセス開口を包囲している。
【0008】
本開示によれば、破裂可能気泡は、剛性又は半剛性の支持部とフレキシブルな閉鎖材との間に配置されており、周縁シールの外側に配置されている。破裂可能気泡の縁部に沿って、破裂可能シールが形成されている。破裂可能気泡は、裂断可能なシールに圧力を加えることによって拡大することができる。この拡大は、拡大する空間が破裂可能シールを貫通して外部環境に通じるように縁部の破裂を生じるまで、フレキシブル閉鎖材を剛性支持体から分離させる。このようにして、剛性支持体はフレキシブル閉鎖材から分離させられ、使用者はフレキシブル閉鎖材を剛性支持体から剥ぎ取り、アクセス開口を提供することができる。
【0009】
以下は、容器に適用される様々な実施形態及び特徴のリストである。
【0010】
食品トレー態様
保持容器は、包装された食品のための、厚紙、アルミニウム又は熱成形された提供トレーであってよい。カバーシートは、食品が見えるようにする透明な薄い剥ぎ取られるフィルムであってよい。カバー蓋シールは食品を保存する。
【0011】
積重ね
包装された食品は、輸送中、貯蔵中、及び消費者の冷凍庫において積み重ねられる。下側パッケージの気泡は、周縁リップが設けられていることにより、上側パッケージのトレーによって影響されない。鉛直方向に整列した積重ねは、上側のトレーの重量が下側のトレーの気泡を圧潰するのを回避する。
【0012】
下側気泡態様
包装された食品のトレーは、個々の外側厚紙カートンに提供されてよい。気泡をリップの下側に配置することは、気泡をカートンから隔離する。下側気泡態様は、トレーの周縁部上に巻付けカバーを有している。巻付けカバーは、通常の取扱い及び包装時にリップ表面を保護する。巻付けカバーが剥がされる時、これらのリップ表面には、病原体及びその他の汚染物が存在しない。
【0013】
多数気泡態様
提供トレーは、リップの周囲の多数の位置に多数の気泡を有していてよい。最初に使用するための一次気泡と、この一次気泡が故障した場合のバックアップのための二次気泡とが設けられていてよい。提供トレーは、別個の空間によってアクセスされる2つ以上のアイテムを含んでいてよい。各アイテムは、消費者が1つ又は2つ以上の別個のカバーを除去するまで、隣接し合うアイテムに曝されない。
【0014】
本発明者に2004年4月27日に発行された米国特許第6726364号明細書は、周縁破裂部に沿って互いに向き合った剥離フラップを形成する破裂気泡を示している。フラップは、使用者によって剥がされ、チャンバを開放させ、製品を提供する。米国特許第6726364号明細書の主題はこれにより全体がこの開示に記載されたこととする。破裂可能気泡は、米国特許第6938394号明細書、米国特許第7306371号明細書、米国特許出願公開第2004/0231292号明細書、米国特許出願公開第2006/0126970号明細書、米国特許出願公開第2007/0295766号明細書、米国特許出願公開第2007/0286535号明細書、米国特許出願公開第2007/0235369号明細書、米国特許出願公開第2007/0237431号明細書、米国特許出願公開第2007/0241024号明細書、米国特許出願公開第2007/0235357号明細書、米国特許出願公開第2007/0284375号明細書にも開示されており、これらの明細書は全て引用したことにより本明細書に記載されたものとする。
【0015】
当業者に対する本発明の最良の態様を含む、本発明の完全な、可能にする開示は、添付図面の参照を含む残りの明細書においてさらに具体的に示される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本開示に従って形成された容器の1つの実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示された容器の平面図である。
【図3】図1に示された容器の側面図である。
【図4】本開示に従って形成された容器の択一的な実施形態の切り取られた部分を備える側面図である。
【図5】本開示に従って積み重ねられた複数の容器を示す、切り取られた部分を備える側面図である。
【図6】本開示に従って形成された容器の別の実施形態の平面図である。
【図7】本開示に従って形成された容器のさらに別の実施形態の平面図である。
【0017】
本明細書及び図面における参照符号の反復使用は、本発明の同じ又は類似の特徴又はエレメントを表すことが意図されている。
【0018】
詳細な説明
本説明は、典型的な実施形態の説明のみであり、本発明のより広い態様を制限することは意図されていないことが当業者によって理解されるべきである。
【0019】
概して、本開示は、改良された開放機構を有するシールされた容器に関する。1つの実施形態において、容器は、少なくとも一方の側に沿ってフィルムにシールされた剛性のベースを有している。フィルムは、容器の内容物が見えるように透明又は半透明であることができる。択一的な実施形態において、特に内容物が感光性である場合に、フィルムは不透明であることができる。さらに別の実施形態において、フィルムは、デザイン又は文章が印刷されていることができ、不透明な区分に加えて透明又は半透明な区分を有するように形成されることができる。本開示によれば、容器はさらに、フィルムと剛性のベースとの間に配置された破裂可能気泡を有している。気泡を破裂させることにより、フィルムの一部と剛性ベースとが分離し、使用者は、フィルムを剛性ベースから剥ぎ取ることができ、容器を開放させる。
【0020】
図1から図3までを参照すると、例えば、本開示に従って形成された容器10の1つの典型的な実施形態が示されている。図示のように、容器10は、アイテム区画14を規定する剛性支持体12を有している。アイテム区画14は、あらゆる適切な寸法及び形状を有することができ、様々なアイテムを保持するように設計されていることができる。例えば、アイテム区画14は、食品アイテム、医療器具、雑貨等を保持するように構成されていてよい。
【0021】
剛性支持体12は、所望の形状を維持することができるあらゆる適切な材料から形成されていることができる。剛性支持体12は、例えば、厚紙を含む板紙、アルミニウム等の金属、又はあらゆる適切なプラスチック又はポリマ材料から形成されていてよい。1つの実施形態において、例えば、剛性支持体は、熱成形されたプラスチック材料から形成されていることができる。剛性支持体12を形成するために使用される適切なプラスチックは、例えば、塩化ポリビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ナイロン等のポリアミド、これらの混合物等を含む。剛性支持体12は、例えば、あらゆる適切なホモポリマー又はコポリマーから形成されていてよい。
【0022】
剛性支持体12にはフレキシブル閉鎖材16が取り付けられている。例示された実施形態では、フレキシブル閉鎖材16はアイテム区画14へのアクセス開口を被覆している。特に、フレキシブル閉鎖材16は周縁シール18を介して剛性支持体12に取り付けられている。周縁シール18は、例えば、フレキシブル閉鎖材16と剛性支持体12との間の流体封止シールを形成することができる。
【0023】
フレキシブル閉鎖材16は、概して、あらゆる適切な平坦な材料を含むことができる。例えば、フレキシブル閉鎖材16は、紙、織布又は不織布等の布、又はフィルム材料から形成されていることができる。フィルム材料から形成される場合、フレキシブル閉鎖材は、あらゆる適切なポリマから形成されることができる。フレキシブル閉鎖材16を形成するために使用されるポリマは、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、塩化ポリビニル、これらの混合物、これらのコポリマー及びターポリマー等を含む。さらに、フレキシブル閉鎖材16はあらゆる適切なエラストマポリマから形成されていることもできる。
【0024】
フレキシブル閉鎖材16がポリマから形成されている場合、フレキシブル閉鎖材は、単層又は多層の材料を含むことができる。例えば、1つの実施形態において、フレキシブル閉鎖材は、ポリマ材料のコア層を有し、このコア層が片側又は両側においてその他の機能性ポリマ層で被覆されていることができる。その他の機能ポリマ層は、例えば、フレキシブル閉鎖材を剛性支持体12に熱により接着するための熱シール層、酸素バリヤ層、紫外線フィルタ層、粘着防止層、被印刷層等を含む。
【0025】
フレキシブル閉鎖材16は、特にポリマ材料から形成されている場合、半透明又は透明であることができる。半透明又は透明であるならば、例えば、アイテム区画14の内容物を容器の外部から見ることができる。しかしながら、別の実施形態においては、フレキシブル閉鎖材は不透明であることができる。例えば、1つの実施形態において、感光性材料が容器に収容されていることがある。
【0026】
フレキシブル閉鎖材16が剛性支持体12に取り付けられる形式は、特定の用途、及び容器を構成するために使用される様々な材料に応じて、変化することもできる。例えば、フレキシブル閉鎖材は、熱による接着、超音波による接着、接着剤等によって剛性支持体に取り付けられることができる。
【0027】
本開示によれば、図1〜図3に示された容器10は、さらに、破裂可能気泡20を有している。例示された実施形態において、破裂可能気泡20は剛性支持体12とフレキシブル閉鎖材16との間に形成されている。しかしながら、別の実施形態において、以下にさらに詳細に説明するように気泡が剛性支持体とフレキシブル閉鎖材との間の剥離可能縁部を生ぜしめることができる限り、破裂可能気泡20は、上記の容器構成部材のうちの1つのみの間に形成されていてよい。
【0028】
図1から図3までに例示された実施形態において、破裂可能気泡20は周縁シール18の外側に配置されている。破裂可能気泡20は、少なくとも部分的に破裂可能なシール22によって包囲されており、このシール22によって規定されている。例えば、空間シール22は、容器10の最も外側の縁部に面した破裂部分24を有することができる。破裂可能部分24は、シールの他の部分よりも分離しやすい空間シール22の部分を形成している。破裂可能部分24は、あらゆる適切な方法又は技術を用いて形成されることができる。例えば、気泡シール22が接着剤を用いて形成される場合、この部分により少ない接着剤が用いられてよい。気泡シール22が、熱による接着を形成するために熱及び圧力を加えることによって形成される場合、破裂可能部分24は、シールバーの圧力を変更するか、温度を変更するか、又はシールバーが破裂可能部分に沿って材料に接触させられる時間の長さを変更することによって形成されてよい。
【0029】
別の実施形態において、破裂可能部分24又は気泡シール22全体は、剥離シールを含んでいてよい。剥離シール部分を形成するために、様々な異なる方法及び技術が使用される。例えば、1つの実施形態において、気泡シール22の破裂可能部分24又は気泡シール全体は、シールに沿って第2の部分に接着によって固定される第1の部分を有していてよい。第1の部分は、感圧接着剤で被覆されていてよい。接着剤は、例えばアクリレート等のあらゆる適切な接着を含む。
【0030】
剥離シールの第2の向き合った部分は、他方では、解放層に被覆又は積層されたフィルムを含んでよい。解放層は、例えばシリコーンを含んでよい。
【0031】
上述のように解放層に向き合った接着層を使用する場合、気泡が破裂させられた後、気泡シールが再シール可能である。
【0032】
択一的な実施形態において、剥離シールのそれぞれの向き合った部分が、多層フィルムを含んでよい。フィルムの主な層は、支持層と、感圧接着剤成分と、薄い接触層とを含んでよい。この実施形態において、剥離シールの2つの部分は、合わされ、取り付けられることができる。例えば、一方の部分の薄い接触層は、熱及び/又は圧力を用いて、向き合った部分の薄い接触層に取り付けられることができる。ロッキング気泡18が破裂させられた場合、剥離シールは剥離させられ、接触層のうちの一方のシールされた領域の一部が、感圧接着剤成分から剥がれ、向き合った接触層に付着したままである。その後、この剥がれた接触部分を、層が剥離させられた時にこの接触部分が分離させられた感圧接着剤に再び係合させることによって、再シールが行われることができる。
【0033】
この実施形態において、接触層は、比較的低い引張り強さと、比較的低い破断点伸びとを有するフィルムを含むことができる。このような材料の例は、ポリエチレン等のポリオレフィン、エチレンとエチレン性不飽和コモノマーとのコポリマー、オレフィンとエチレン性不飽和モノカルボン酸とのコポリマー等を含む。これに対して、層内に含まれた感圧接着剤は、ホットメルトタイプであるか、熱及び/又は圧力に応答性のものであってよい。
【0034】
さらに別の実施形態において、気泡シール22の破裂可能部分24又は気泡シール全体は、熱シーリング及び接着剤シーリングの組合せを含むことができる。例えば、1つの実施形態において、気泡シールは、第2の部分に熱シールされた第1の部分を含んでよい。しかしながら、破裂可能部分に沿って剥離シール組成が存在してもよく、この剥離シール組成は、1つの実施形態において、破裂可能部分を生ぜしめるための気泡シールの熱シーリングプロセスを妨害することがある。剥離シール組成は、例えば、気泡シールに沿って弱い部分を形成するラッカーを含んでよい。
【0035】
択一的な実施形態において、接着剤は破裂可能箇所の長さに亘って点状に塗布されていてよい。破裂可能部分が破裂させられると、接着剤は、使用後に2つの部分を再シールするように使用されることができる。
【0036】
破裂可能気泡20は、消費者によって加えられる外圧によって容器10を開放させるために膨張可能である。小さな気泡の場合には、消費者は、1つ又は複数の気泡を親指と人差し指との間でつまむだけでよい。僅かにより大きな気泡は、親指同士の押圧を必要とする。圧力は、気泡を平らな面に配置して、指又は手のひらで圧力を加えることによって気泡に加えられることもできる。例えば、容器10が手術室において開放される場合、特に手術室における人員が医用又は手術用手袋を嵌めている場合に、看護師又は医師は、容器の開放を容易にするために、気泡をある面に隣接して位置させて圧力を加えることによって圧力を加えたい。
【0037】
圧力が破裂可能気泡20に加えられると、気泡内の空気が気泡シール24に圧力を加え、これにより、気泡を形成するために使用されている材料の2つの層が分離させられる。分離は、破裂可能部分24に沿って生じ、縁部の破断を生ぜしめる。
【0038】
容器の縁部が破断されると、1対の向き合ったフラップが形成される。少なくとも一方のフラップは、フレキシブル閉鎖材16を剛性支持体12から手作業で剥ぎ取るために使用者によって掴まれることができる剥離可能タブを形成する。
【0039】
容器10自体の製造プロセスの間に形成されるのではなく、気泡を破裂させることによって剥離可能タブが形成されることは特に有利である。この形式では、容器又は容器に収容された製品の汚染を回避するために容器10の外縁が環境に対して完全にシールされることができる。また、破裂可能気泡は、細菌等の汚染物が潜むおそれのある小さな空間又は位置を提供しないので、有利である。さらに、剥ぎ取り用の角隅部を有するように従来形成された多くの慣用の容器を開放するよりも、気泡を破裂させることによって容器を開放するのは著しく容易である。
【0040】
上述のように、気泡20が破裂されると、剥離可能なタブが形成され、このタブにより、使用者はフレキシブル閉鎖材16を剛性支持体12から剥ぎ取ることができる。これに関して、フレキシブル閉鎖材16が剛性支持体12から完全に分離されることができるように周縁シール18は完全にもろく設計されることができる。その代わりに、部分的にもろくなるように周縁シール18が設計されることができる。この実施形態において、フレキシブル閉鎖材が剛性支持体から剥ぎ取られると、フレキシブル閉鎖材16は剛性支持体12に結合されたままである。
【0041】
概して、破裂可能気泡20はあらゆる適切な形状を有することができる。例えば、1つの実施形態において、図1から図3までに示されているように、破裂可能バルブ20は三角のような形状であることができる。特に、図示された破裂可能バルブ20は、容器の角隅に位置決めされたハート形の形状である。しかしながら、その他の実施形態において、破裂可能気泡は、円形、楕円形、矩形、又はその他のあらゆる形状であることができる。
【0042】
図1及び図2に示されているように、破裂可能バルブ20は、概して剛性支持体12の上部と同じ平面に位置する張出し部30に位置決めされている。本開示によれば、破裂可能気泡20は、上方及び下方へ突出するように、上方のみに突出するように、又は下方のみに突出するように設計されることができる。例えば、図3において、破裂可能気泡は上側部分26と下側部分28とを有している。上側部分26は張出し部30の上方に延びているのに対し、下側部分28は張出し部30の下方に延びている。
【0043】
図4を参照すると、本開示に従って形成された容器10の択一的な構成が示されている。同じエレメントを示すために同じ参照符号が用いられている。図4に示された実施形態において、容器10は、剛性支持体12に取り付けられたフレキシブル閉鎖材16を有している。剛性支持体12はさらに張出し部30を有しており、この張出し部30に破裂可能気泡20が配置されている。この実施形態において、破裂可能気泡20は下方にのみ延びている。つまり、気泡20は下側部分のみを有している。図4に示された実施形態は、気泡を隣接する面に対して配置し、圧力を加えることによって気泡を破裂させることが望ましい用途に適している。
【0044】
図5を参照すると、本開示に従って形成された複数の容器10のさらに別の実施形態が示されている。各容器10は、フレキシブル閉鎖材16に取り付けられた剛性支持体12を有している。各容器10はさらに張出し部30を有しており、この張出し部30に破裂可能気泡20が配置されている。この実施形態において、各破裂可能気泡20は上方にのみ延びている。つまり、各気泡20は上側部分のみを有している。
【0045】
図5に示されているように、容器は、運搬中、小売店において、及び使用の位置において便利に積み重ねられるように設計されることもできる。積み重ねられるように容器を設計する場合、破裂可能気泡20は、積み重ね配置を妨げないように設計されることができる。例えば、1つの実施形態において、容器は張出し部を有することができ、この張出し部に破裂可能気泡が配置されているので、気泡は、向き合った容器に接触しない。
【0046】
図6を参照すると、本開示に従って形成された容器10のさらに別の実施形態が示されている。この実施形態において、容器10は、複数の区画を有するように成形された剛性支持体12を有している。各区画は、別々のフレキシブル閉鎖材によってシールされることができるか、又はその代わりに1つのフレキシブル閉鎖材が全ての区画を被覆することができる。図6に示されているように、この実施形態において、容器10は複数の破裂可能気泡20を有することができる。例えば、図6に示された実施形態において、容器10は、各角隅に配置された4つの破裂可能気泡を有している。特に、破裂可能気泡は、剛性支持体12によって形成されたそれぞれの小区画のために設けられている。各破裂可能気泡20は、小区画のうちの1つを開放させてアクセスするために使用されることができる。
【0047】
図7を参照すると、本開示に従って形成された容器10のさらに別の実施形態が示されている。前の図面において使用された参照符号は、同じエレメントを示すためにこの図においても使用されている。例示されているように、容器10は、周縁シール18を介してフレキシブル閉鎖材16に取り付けられた剛性支持部12を有している。剛性支持部12はアイテム区画14を規定している。容器10はさらに張出し部30を有しており、この張出し部40に、本開示に従って形成された破裂可能気泡20が配置されている。この実施形態において、破裂可能気泡は、細長い形状を有しており、実質的に容器の端部の長さにわたって延びている。例えば、破裂可能気泡20は、容器10の側部の距離の半分よりも長く、例えば容器の側部の距離の約60%よりも長く、例えば容器の側部の約80%よりも長く延びていることができる。図7に示されているように細長い破裂可能な気泡20を形成することによって、特に気泡が隣接する面に対して当て付けられながら気泡に圧力が加えられる場合、使用者がより簡単に気泡を破裂させることができる。
【0048】
図7に示された実施形態は、例えば、包帯、手術器具、インプラント等を含む無菌医療用品を収容するのに特に適している。このような物品は通常、無菌状態でパッケージに収容されたまま手術室に運搬されなければならない。次いで、パッケージは、医療用又は手術用手袋をはめたまま医療従事者によって開放されなければならない。手袋の存在が、シールされたパッケージを開放するための能力を妨害する恐れがある。しかし、図7に示されたような細長い気泡を有することにより、気泡を隣接面に対して配置して圧力を加えることにより気泡を破裂させることができる。1つの実施形態において、例えば、気泡20は図4に示されているように下方へ延びていてよい。破裂させられると、破裂した気泡は、手袋をはめている場合にさえも使用者によって掴まれることができる比較的大きな剥離可能なタブを形成する。
【0049】
しかしながら、図7に示された実施形態は食品又はその他の雑貨等の様々なその他のアイテムを保持するために同様に適用可能である。例えば、このようなパッケージは、高齢者や、関節炎等の手の疾患を持つ人によっても容易に開放される。
【0050】
上述のように、1つの実施形態において、本開示に従って形成された容器は、液密及び/又は気密であることができる。1つの実施形態において、アイテム区画14は制御された雰囲気を備えて形成されることができる。この実施形態において、例えば、アイテム区画14内の圧力は大気圧よりも低いことができる。しかしながら、別の実施形態において、アイテム区画14は、大気圧よりも高い圧力を有するように構成されることができる。
【0051】
アイテム区画14に含まれるガスは、特定の用途に応じて変更されることもできる。例えば、1つの実施形態において、アイテム区画は、大気圧よりも低いか、大気圧であるか、又は大気圧よりも高い空気を単に含んでいることができる。
【0052】
しかしながら、択一的な実施形態において、アイテム区画は、開放する前に、減じられた酸素レベルを含んでいてよい。例えば、酸素は、約5体積%よりも小さい量でアイテム区画に含まれていてよい。1つの実施形態において、例えば、アイテム区画は容器を構成する間に不活性ガスで充填されることができる。使用される適切な不活性ガスは、例えば窒素ガス又はあらゆるその他の希ガスを含む。アイテム区画が真空にシールされるように及び/又は酸素不足環境を含むように容器を構成することが、食品アイテムをパッケージングするのに適しており、このような構成でない場合食品アイテムはより迅速に傷む。
【0053】
さらに別の実施形態において、アイテム区画は、実質的に無菌の環境を形成する抗菌剤を含んでいることができる。例えば、アイテム区画に含まれる抗菌剤は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ベータ−プロピオラクトン、オゾン、炭酸ガス、ハロゲンガス等の様々な気体化学不妊剤(gaseous chemosterilizers)を含む。
【0054】
破裂可能気泡に含まれる流体も、特定の用途に応じて変更されることができる。例えば、1つの実施形態において、破裂可能気泡は、あらゆる適切な圧力の空気を含むことができる。しかし、別の実施形態において、気泡内に不活性ガスが配置されてよい。さらに別の実施形態において、破裂可能気泡は、パッケージ全体が無菌に保たれかついかなる汚染物も隠れさせないように、上述のあらゆる抗菌剤を含んでいてもよい。
【0055】
アイテム区画内の雰囲気は、破裂可能気泡内の雰囲気と同じであっても、異なってもよい。例えば、1つの実施形態において、アイテム区画内に含まれた流体又はガスは、破裂可能気泡内に含まれた流体又はガスとは異なることができる。1つの特定の実施形態において、例えば、アイテム区画は不活性ガスを含んでいるか、さもなければ酸素不足ガス混合物を含んでいるのに対し、破裂可能気泡は気体抗菌剤を含んでいる。
【0056】
さらに別の実施形態において、抗菌剤は、アイテム区画の内面及び破裂可能気泡の内面に存在することができるコーティングを含んでいてよい。
【0057】
本開示に従って形成された容器は、あらゆる適切な製造プロセスを用いて形成されることができる。例えば、プラスチック材料から形成される場合、容器は、米国特許第5685130号明細書及び米国特許第4069645号明細書に開示されたものと同様の包装機械を用いて形成されることができ、これらの明細書は引用したことにより本明細書に記載されたものとする。
【0058】
本発明のこれらの及びその他の変化態様は、添付の請求項により詳しく示された、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく当業者によって実施されてよい。さらに、様々な実施形態の態様は全体として又は部分として交換されてよい。さらに、当業者は、前記説明が単なる例であり、このような添付の請求項にさらに記載された発明を制限しようとするものでないことを認めるであろう。
【符号の説明】
【0059】
10 容器、 12 剛性支持体、 16 フレキシブル閉鎖材、 18 周縁部シール、 20 破裂可能気泡、 22 シール、 24 破裂部分、 26 上側部分、 28 下側部分、 30 張出し部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器において、該容器が、外部環境に対してシールされており、かつ前記容器に収容されたアイテムへの容易なアクセスを提供するようになっており、
アイテム区画と、
該アイテム区画へのアクセス開口と、
アイテム区画を支持しかつ容器の一部を形成するための剛性支持体と、
アイテム区画を閉鎖しかつ容器の一部を形成するためのフレキシブル閉鎖材と、
剛性支持体とフレキシブル閉鎖材との間の周縁シールとが設けられており、該周縁シールが、該周縁シールの内側に配置されたアイテム区画を閉鎖するためにアクセス開口を包囲しており、
前記周縁シールの外側に配置された、剛性支持体とフレキシブル閉鎖材との間の破裂可能気泡が設けられており、
該破裂可能気泡の縁部に沿って形成された破裂可能シールが設けられており、
前記破裂可能気泡が、圧力が加えられることにより破裂可能シール内へ拡大可能であり、この拡大が、拡大する気泡が破裂可能シールを貫通して外部環境に通じるように縁部の破裂を生ぜしめるまで、剛性支持体からフレキシブル閉鎖材を分離させることを特徴とする、容器。
【請求項2】
フレキシブル閉鎖材を剛性支持体から剥ぎ取ることによって周縁シールを解離させ、これにより、アイテム区画を開放しかつ収容されたアイテムへのアクセスを提供するために、気泡が破裂した時に破裂した縁部に沿ってフレキシブル閉鎖材によって形成されるフレキシブル剥離タブを有している、請求項1の容器。
【請求項3】
前記フレキシブル剥離タブが、フレキシブル閉鎖材の外縁の近傍に設けられている、請求項2記載の容器。
【請求項4】
破裂可能気泡が体積を規定しており、破裂可能気泡内の体積がフレキシブル閉鎖材を剛性支持体から変位させており、
フレキシブル閉鎖材を剛性支持体に対して押し付けて破裂可能気泡に圧力を生ぜしめることによって縁部の破裂が生ぜしめられる、請求項1記載の容器。
【請求項5】
破裂可能気泡を有する、周縁シールの外側における剛性支持体が、アイテム区画を超えて延びた張出し部を形成している、請求項1記載の容器。
【請求項6】
剛性支持体側部に張出し部に隣接して空所が設けられている、請求項5記載の容器。
【請求項7】
破裂可能気泡が体積を規定しており、
破裂可能気泡内の体積が剛性支持体をフレキシブル閉鎖材から変位させており、縁部の破裂が、剛性支持体をフレキシブル閉鎖材に対して押し付けて破裂可能気泡に圧力を生ぜしめることによって生ぜしめられる、請求項6記載の容器。
【請求項8】
破裂可能気泡が体積を規定しており、
破裂可能気泡内の体積がフレキシブル閉鎖材を剛性支持体から変位させておりかつ剛性支持体をフレキシブル閉鎖材から変位させていて、二重の変位を形成しており、縁部の破裂が前記変位を互いに押し付けることによって生ぜしめられる、請求項6記載の容器。
【請求項9】
フレキシブル閉鎖材が、少なくとも1つの三角形の角隅を有しており、剥離タブが前記角隅の近傍に配置されておりかつ三角形である、請求項2記載の容器。
【請求項10】
破裂可能気泡が細長くかつアイテム区画の一方の端部に沿って延びている、請求項1記載の容器。
【請求項11】
周縁シールが、該周縁シールに沿って剛性支持体からのフレキシブル閉鎖材の解離を提供するために脆い、請求項1記載の容器。
【請求項12】
周縁シールが、
アクセス開口の周囲に部分的に延びておりフレキシブル閉鎖材の部分的な解離を提供する脆い部分と、
アクセス開口の周囲に部分的に延びており剛性支持体からのフレキシブル閉鎖材の完全な分離を回避する破壊部分とを有している、請求項1記載の容器。
【請求項13】
アイテム区画内に収容されたアイテムを有する、請求項1記載の容器。
【請求項14】
前記剛性支持体が、アイテム区画がアクセスされた後に、収容されたアイテムのための提供トレーとして働く、請求項13記載の容器。
【請求項15】
提供トレーにおけるアイテムが真空パックされている、請求項14記載の容器。
【請求項16】
提供トレーにおけるアイテムが制御された雰囲気中にある、請求項14記載の容器。
【請求項17】
複数の貯蔵区画を有する、請求項1記載の容器。
【請求項18】
破裂可能気泡がガスを含んでおり、ガスが抗菌剤を含んでいる、請求項1記載の容器。
【請求項19】
前記抗菌剤が、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ベータ−プロピオラクトン、オゾン、炭酸ガス、ハロゲンガス、又はこれらの混合物を含む、請求項18記載の容器。
【請求項20】
破裂可能気泡が容器の一方の側部に配置されており、該容器の側部が長さを有しており、破裂可能気泡の長さが、容器の側部の長さの半分よりも長い、請求項1記載の容器。
【請求項21】
アイテム区画がガスを含んでおり、破裂可能気泡がガスを含んでおり、アイテム区画内のガスが、破裂可能気泡内に含まれたガスとは異なる、請求項1記載の容器。
【請求項22】
複数の個々の積み重ね可能な容器において、該容器が、外部環境に対してシールされており、かつ該容器に収容されたアイテムへの容易なアクセスを提供するようになっており、
収容されたアイテムのための個々の容器におけるアイテム区画と、
収容されたアイテムにアクセスするための各アイテム区画内へのアクセス開口と、
個々の容器のアイテム区画形成部分を支持するための区画支持体と、
個々の容器のアイテム区画形成部分を閉鎖するためのフレキシブル閉鎖材と、
個々の容器を形成する、区画支持体とフレキシブル閉鎖材との間の周縁シールとが設けられており、該周縁シールが、シール係合を形成するように押し付けられており、周縁シールの内側に配置されたアイテム区画を閉鎖するためにアクセス開口を包囲しており、
区画支持体によって形成されておりかつアイテム区画を超えて周縁シールの外側に延びた張出し部が設けられており、
個々の容器を形成する、区画支持体とフレキシブル閉鎖材との間に破裂可能気泡が設けられており、該破裂可能気泡が、シール係合を形成するように押し付けられており、張出し部に支持されており、
区画支持体に張出し部に隣接した下方空所が設けられており、
各破裂可能気泡の縁部に沿って形成された破裂可能シールが設けられており、
前記破裂可能気泡が、圧力が加えられることによって、破裂可能気泡の破裂可能シール内へ拡大可能であり、この拡大が、拡大するバルブが破裂可能シールを貫いて外部環境へ通じるように縁部の裂断を生ぜしめることを特徴とする、複数の個々の積み重ね可能な容器。
【請求項23】
個々の容器の下面が、該容器の下側の個々の容器の上面に係合する、請求項22記載の積み重ね可能な容器。
【請求項24】
個々の容器の下面及び上面が、積み重ねを容易にするために平坦である、請求項23記載の積み重ね可能な容器。
【請求項25】
前記区画支持体が剛性である、請求項22記載の積み重ね可能な容器。
【請求項26】
前記区画支持体が半剛性である、請求項22記載の積み重ね可能な容器。
【請求項27】
前記区画支持体がフレキシブルである、請求項22記載の積み重ね可能な容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−507777(P2011−507777A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541492(P2010−541492)
【出願日】平成20年12月23日(2008.12.23)
【国際出願番号】PCT/US2008/088100
【国際公開番号】WO2009/088759
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(508305111)ポップパック エルエルシー (8)
【氏名又は名称原語表記】Poppack LLC
【住所又は居所原語表記】301 Junipero Serra Blvd., Suite 220, San Francisco, California 94127−2614, United States of America
【Fターム(参考)】