説明

硫黄耐性アルミナ触媒担体

本発明は、貴金属触媒を形成するための担体として適切なチタニア被覆高表面積アルミナの製造方法に関する。得られた触媒は、硫黄材料による汚染への耐性を示し、それ故に内燃エンジン排気物変換などに関する用途に有用である。本発明は、貴金属触媒用途のための非常に好ましい担体を形成する工業的に実現可能で費用効率が高い方法を提供する。本方法は、所定の用途のための触媒担体として適切な多孔性アルミナ粒子のスラリーを形成する工程、前記スラリーに約1のpHを有する硫酸チタニル溶液を混合する工程、塩基溶液の追加により、スラリー/溶液混合物のpHを0.05〜0.5pH単位/分の低速でpH=4まで上昇させる工程、得られたスラリーを10分〜120分間に亘って経時変化させる工程、前記処理された多孔性アルミナ粒子を分離して、スルフェートを含まないものを弱塩基で洗浄する工程、前記微粒子を乾燥及び焼成して、チタニア被覆アルミナ粒子物を形成する工程を含む。得られた材料は、約45[μg/試料のm]未満の正規化された硫黄の取り込み量を示す。その後に、そのような材料を貴金属でコーティングして、触媒材料を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、硫黄分解に対して高い耐性を有するチタニア被覆アルミナ粒子を製造する方法に関する。本方法により製造された物は、改良された触媒担体、及びそれにより得られる触媒を提供する。これらの触媒は、内燃エンジン排出物、特にディーゼルエンジンの排出物を処理するために有用なもの、並びにフィッシャー・トロプシュ(Fischer-Tropsch)法及び他の水素化反応を含む他の用途に使用されるものを含む。本発明の方法は、アルミナ粒子上でチタニアの実質的に均質な金属被覆を形成する経済的かつ工業的に好ましい手段を提供する。本発明により得られる物は、従来の含浸法により得られた物に由来するアルミナ面上にチタニア保護コーティングを有していないアルミナ面を実質的に減少させながら、初期アルミナの高い表面積及び空隙率を保持する。
【背景技術】
【0002】
内燃エンジンの排出物は、ヒト、動物並びに植物の健康を害するものとして知られている。一般に、汚染物質は、未燃焼炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物、並びに残量の硫黄及び硫黄化合物である。これらの汚染物質は、高い割合の汚染物質を二酸化炭素、水(蒸気)及び窒素から成るほとんど害の無い物へ変えることができる多価貴金属触媒との接触により、首尾よく処理されている。しかし、硫黄及び硫黄化合物と、特にミドルカット(middle cut)石油原料(C10以上の炭化水素)に由来しており、排気流内にある燃料に存在する化学物質とは、貴金属を汚染して、それらの触媒有効性及び寿命を減少させることが知られている。そのような硫黄材料の除去は、そのような材料の複雑な性質及び範囲のために、達成することが困難であると認められている。
【0003】
燃料中に含まれる硫黄材料は、燃焼プロセス中で酸化して硫黄酸化物を形成する傾向がある。次に、これらの硫黄酸化物は、エンジンの下流に位置する触媒材料のアルミナ担体と反応して、酸化アルミニウム担体の表面上に位置する硫酸塩へ変わることがある。一般に、そのような硫酸塩によるアルミナ表面の被覆は、触媒活性の損失の原因になることが分かっている。さらに、アルミナ表面上に最初から位置している硫酸塩は、さらに硫酸へ変わることがあり、それは次に排気流の一部として装置から運び出される。
【0004】
一般に、触媒担体は、アルミナ及びチタニアなどの多孔性無機酸化物から形成されている。例えば、チタニアは、硫酸塩と反応する傾向がかなり低いので、硫黄材料などを含む蒸気ガスの存在下で、より高い耐久性を示すことが知られている。しかし、チタニアは、担体として使用されるとき、有効な排出制御触媒担体を形成するのに必要な熱水安定性を示さない。等しい温度に曝されるとき、チタニアは、アルミナよりも十分に焼結するので、材料により低い表面積を与え、それ故に、そのアルミナ対応部分よりも低い触媒活性を与える原因となる。したがって、チタニアは、それ自体では、好ましい触媒担体材料を提供しない。
【0005】
チタニアに関連する貧弱な熱水性を克服する試みにおいては、アルミナ担体が、従来の含浸又は共沈技術(米国特許出願公開第2005/0272827号明細書参照)のいずれかによりチタニアで被覆されている。どちらの場合にも、チタニア又はその前駆体が、アルミナにより遮られる傾向があり、そしてチタン材料は、最初に堆積されたときに、さらなる堆積のための核形成部位として機能するので、得られた担体は、かなりの量の露出したアルミナを保持する。その結果として、アルミナ下地担体の上に被覆されたチタン材料の不連続な島構造から成るコーティングになる。従来のコーティングされた担体は、露出したアルミナ表面領域を依然として大量に有しており、それ故に、硫黄汚染に対する高い脆弱度を示す。さらに、従来法を適用されたチタニアは、アルミナの細孔内に沈殿する傾向があり、細孔の閉塞を起こし、それ故に貴金属が存在できる表面積を減らす。
【0006】
米国特許第4,759,918号明細書では、ディーゼルすすの処理に有用と認められている触媒複合体が開示されている。この複合体は、前形成されたチタニアの水性スラリーによりウォッシュコーティングされているアルミナなどの硫黄耐性耐熱無機酸化物を含む。生成物は、硫黄分解に対して幾つかの耐性を示すことができるが、コーティングは、アルミナの全面を防げないか、又はその面を被覆するだけでなくアルミナの孔開口部も架橋するほど大量に適用されなければならない。
【0007】
米国特許第4,705,770号明細書では、四塩化チタンからアンモニウムチタニルスルフェートの溶液を形成し、そして形成された溶液で多孔質基材を複数回に亘って含浸することによりアナターゼチタニア触媒担体を製造する方法が開示されている。各含浸後に、堆積された材料は、高温で処理することにより分解され、次に焼成されてチタンをアナターゼチタニアへ遷移させる。得られた生成物は、厚く不規則なチタニアコーティングを有し、基材の空隙率を実質的に損失している。
【0008】
米国特許出願公開第2005/0272827号明細書では、チタニア被覆された担体上のコバルトから成り、水素化及びフィッシャー・トロプシュ反応に使用される触媒が開示されている。チタニア被覆された担体は、オルガノチタネート化合物及び有機液体を用いて、そのコーティングを達成する従来の含浸技術により形成される。そのようなプロセスは、高価な有機出発化合物及び液体を必要とし、そのようなプロセスを工業的に利用し辛くする特別な技術及び装置(例えば、防爆装置など)を必要とする。
【0009】
米国特許第7,169,433号明細書では、7〜12のpHを有する基礎粒子の水性懸濁物を形成し、7〜12のpHを有する過酸化水素/アンモニア溶液も加え、そしてペルオキソチタン酸を含有させることにより、鉄などの基礎粒子をコーティングする方法が開示されている。ペルオキソチタン酸溶液が懸濁物中に導入されるとき、それは、分解して、基礎粉末上にチタニアフィルムコーティングを形成する。
【0010】
特開2000−345072号公報では、平滑な表面を有する青色粉末を形成する方法が開示されている。その粉末は、最初にシリカにより磁鉄鉱粉末をコーティングし、次に前形成したチタニアを沈殿させることにより、形成される。水により硫酸チタニルを加水分解させてチタニアにするために、緩衝化された5.4のpH及び高温で保持されている硫酸チタニル水溶液から、チタニアが最初に形成された。次に、極めて希薄な量のチタニア形成溶液が、超音波攪拌下でシリカ被覆された磁鉄鉱と接触させられて、その上にコーティングを提供する。
【0011】
チタニアの均質なコーティングを達成するために、四塩化チタンを用いる蒸着が提案されている(米国特許第4,459,372号明細書参照)。しかし、そのようなプロセスは、四塩化チタン反応物及び蒸着処理に必要な精密装置に関連する取り扱い上の課題のために工業的に好ましくない。チタニア被覆を提供するためのさらなる試みとしては、アルミナの表面上へのチタニアの化学気相蒸着が挙げられた(米国特許出願公開第2005/0129601号明細書;米国特許出願公開第2003/0143421号明細書;及び米国特許第7022646号明細書参照)。そのような方法は、またしても精密装置及び処理を必要とする。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、チタニア被覆アルミナ粒子を形成する材料と、高温並びに硫黄材料含有プロセス流又は排気流への曝露後にも高いスルフェート耐性、耐久性及び触媒活性を呈することができる改良された最終触媒を容易に形成する、実現可能であり、かつ費用効率が高い方法工程との両方の有利な態様をまとめて提供する。本発明は、熱安定性アルミナから成る担体酸化物上に十分に分散された実質的に均質なチタニア層を形成するための経済的かつ工業的に実現可能な方法に関する。さらに、今のところ達成されているチタニア被覆は、それがアルミナ表面の細孔の閉塞を起こすことなくアルミナ表面上に形成されることを可能にする寸法を有しており、したがって、初期アルミナ粒子の高表面積を実質的に保持する。
【0013】
経済的かつ工業的に実現可能な方法であって、硫黄及び硫黄化合物の存在に対する高い耐性を示しながら、一酸化炭素及び炭化水素材料の二酸化炭素及び水への変換における貴金属の活性を向上させることができるチタニア被覆アルミナ触媒担体を形成する方法を提供することが好ましい。
【0014】
担体の表面上にチタニア被覆を有するアルミナ触媒担体を形成することがさらに好ましい。被覆は、アルミナ表面の全体にわたって実質的に連続的であり、多孔性アルミナの表面積の減少を全く起こさないか、又はごく僅かしか起こさず(例えば、孔の目詰まりによらない)、そして硫黄並びに硫黄化合物及び化学物質の存在に耐える高い有効性を提供しなければならない。
【0015】
本発明により形成されるチタニアによるアルミナ粒子材料被覆は、貴金属触媒用担体を提供することが今や分かっている。得られた担体は、従来の含浸又は共沈法により形成された同一チタニア含有量を有する担体と比べて、強化された硫黄耐性を示す。本発明の方法は、所望のチタニア被覆アルミナ担体物を形成する経済的かつ工業的に実現可能な方法を提供する。
【0016】
本発明の方法は、内燃エンジン、特にディーゼル燃料エンジン、並びに他の用途の排出物流を効果的に処理するための所望のアルミナ担体及び得られた触媒の効率的な形成を可能にする。本発明により行われたチタニア被覆の薄く実質的に均質な性質は、アルミナコアの空隙率を減らすであろう細孔表面の架橋を起こすことなく、改良された物質移動を可能にする。容易に入手可能であり、容易に取り扱うことができ、かつ容易に処理できる材料及び工程を用いて、下記で十分に説明される経済的かつ工業的に実現可能な方法を提供することにより、全ての利点を達成することができる。
【0017】
発明の概要
本発明は、貴金属触媒のための担体として適切なチタニア被覆された高表面積アルミナの製造方法、及びそれにより製造された物に関する。本方法のチタニア被覆物及びそれから形成された触媒は、硫黄材料による汚染に対して高い耐性を示す。得られた物は、内燃エンジン排出物の改質に関する用途に特に有用である。
【0018】
具体的には、本発明は、得られる担体に対して、約1質量%〜50質量%、好ましくは5質量%〜40質量%、最も好ましくは10質量%〜30質量%のチタニアを、アルミナの表面上の薄く実質的に均質なチタニア被覆の形態で有する高表面積アルミナ粒子を形成する方法であって、工業的に実現可能であり、かつ費用効率の高い新規な方法に関する。
【0019】
本発明により形成されたチタニア被覆高表面積アルミナ粒子生成物は、本明細書では後述される正規化された硫黄の取り込み量(normalized sulfur uptake: NSU)により示される場合に、約40μg/m未満の硫黄耐性における向上した効率を予想外に示す。達成されたNSU効率は、従来の含浸技術により形成された担体と比べて約2倍優れる。したがって、本方法は、アルミナ担体上に同一質量%のチタニアを有する従来技術により形成されたアルミナ担体と比べて、より優れた性能及び有効寿命を有する担持触媒生成物を提供する。
【0020】
さらに、本発明により形成されたチタニア被覆アルミナ粒子材料は、担体物の焼成に使用されるものなどのような高温への曝露後でさえも、チタニアが非晶質状態のままである担体を提供する。
【0021】
本発明の方法は、所定の用途のための触媒担体として適切な多孔性アルミナ粒子のスラリーを形成する工程、前記スラリーに約1のpHを有する硫酸チタニル溶液を混合する工程、塩基の希薄水溶液を追加することにより、前記スラリー混合物のpHを0.005〜0.5pH単位/分の低速制御された速度で上昇させて、前記スラリーのpHを約3.5〜4へ上昇させる工程、前記処理された多孔性アルミナ粒子を分離して、それを洗浄して硫酸イオンを含まないようにして、次に得られた粒子を乾燥及び焼成して、チタニア被覆アルミナ物を製造する工程を含む。その後に、そのような材料は、所望の触媒材料を形成するために、貴金属でコーティングされることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
詳細な説明
一般に、本発明の方法により形成された担体は、その上にチタニアの被覆を有するアルミナ含有微粒子の形態である。
【0023】
本発明は、硫黄材料による汚染に対する耐性の高い改良されたアルミナ担体を提供する方法に関する。本明細書において下記で詳述される方法は、内燃エンジンなどの排出物流において通常発見される硫黄材料の存在に対する耐性が向上している貴金属排出触媒のための担体の形成に有用である。
【0024】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される下記用語は、下記定義を有する:
【0025】
用語「担体」とは、活性触媒材料が適用される材料をいう。本発明では、本方法により得られる担体物は、触媒的に有効な量の金属(例えば、その表面上に堆積している貴金属)を有することができる高表面積チタニア被覆アルミナ粒子を含む。
【0026】
用語「微粒子」とは、粉末、ビーズ、成形品などの形態の成形された粒子をいう。この意味では、それは、コア、担体並びに担持された貴金属生成物に関して使用される。通常は、本方法に有用なアルミナ微粒子は、約1〜約200μmの粒径を有する。
【0027】
用語「アルミナ」とは、酸化アルミニウム単独、又は酸化アルミニウムと少量の他の金属及び/又は金属酸化物及び非金属酸化物との混合物の形態のいずれかをいう。
【0028】
用語「コア」とは、本発明による被覆前のアルミナ粒子をいう。そのような未被覆アルミナ粒子材料は、従来技術による担体材料として利用されていた。
【0029】
用語「コーティング」とは、コア微粒子上の不規則な厚さの不連続的な被覆の形態である表面被覆をいう。従来は、コーティングは、当技術分野で知られているような含浸及び共沈プロセスにより形成され、比較的厚く不規則な設計である。コーティングが存在するとき、それは、少なくとも約十(10)個の分子(チタニア)程度の厚さを一般に有する。チタニア被覆されたアルミナ物については、コーティングは、コーティング物が示す高い正規化された硫黄の取り込み量(normalized sulfur uptake: NSU)により表されるように、アルミナ基材上の不連続膜と見なすことができる。
【0030】
用語「金属被覆」又は「被覆」とは、アルミナコア微粒子上の比較的薄く(例えば、一、二又は三分子の層)、実質的に均質かつ連続的な被覆の形態である表面被覆をいう。通常は、その厚さは、アルミナ担体の細孔の平均孔径の半分未満であり、一般に5〜50オングストローム(Å)、好ましくは5〜25Åの厚さである。したがって、金属被覆担体は、従来の含浸又は共沈法により形成されたコーティング物により達成可能なものよりも、極めて有効な堆積材料1ユニット当たりの被覆率を提供する。金属被覆微粒子材料は、従来の含浸技術により形成された同一質量%のチタニアを有するチタニアコーティングされたアルミナ物よりも低いNSU値(後述)を示す。
【0031】
用語「吸着された」又は「吸着」とは、吸着(吸着剤[例えば、アルミナ]の表面上で気体、液体若しくは溶解した物質を保持又は濃縮する能力)又は吸収(吸収剤[例えば、アルミナ]の本体の至る所で気体、液体若しくは溶解した物質を保持又は濃縮する能力)又はこれらの両方の性能をいうものであり、それらは、イオン性、共有性若しくは混合性の化学反応、又は物理的力のいずれかにより行われることができる。
【0032】
用語「硫黄材料」とは、硫黄、硫黄酸化物並びに硫黄原子含有化合物及び硫黄原子含有種をいう。
【0033】
本方法は、本明細書では下記で十分に説明される通り、硫黄材料の吸着に対して優れた抑制を示すのに十分な量及び形態でチタニア被覆を粒子上に有する高表面積アルミナ粒子から成る改良された担体を容易に提供する。
【0034】
アルミナは、予定される特定の用途のために好ましい酸化アルミニウムの任意の形態又は混合物から選択されることができる。アルミナが、単純に式AIにより表されるものではないことが昔から知られている。代わりに、そのような材料は、高温への処理により除去できる様々な量の水を含むという意味において、それらは通常は「水和物」である。大部分において、「水和物」は、表面ヒドロキシル基として表され、それら自体がアルミナの表面性の重要な改質剤である。さらに、アルミナ又は酸化アルミニウムは、様々な結晶改質により発生することがよく知られており、下記がより典型的である:
ガンマ(γ)−アルミナ、約900℃まで安定な形態であり、その温度ではデルタ(δ)−アルミナ(好ましい材料)へ遷移する;
デルタ(δ)−アルミナ、約1000℃まで安定な形態であり、その温度ではシータ(θ)−アルミナへ遷移する;
シータ(θ)−アルミナ、約1100℃まで安定な形態であり、その温度ではアルファ(α)−アルミナへ遷移する;
アルミニウム一水和物又はベーム石アルミニウム一水和物又はベーム石は、塩化アルミニウム水溶液への水酸化アンモニウムのなどの様々な経路により調製される。この材料は、非晶質浮氷として最初に沈殿し、直ぐに結晶質ベーム石へ遷移する。また、硫酸アルミニウムとアルミン酸ナトリウムとの反応により調製される;
アルミニウム三水和物又はギブス石;
水和された酸化アルミニウムの他の形態、例えば、バイヤライト(bayerite)など;
アルミナの他の形態、イータ(η)−アルミナなど。
【0035】
上記アルミナのいずれかが利用されることができるが、本発明による担体の形成においてコアとして使用するのに好ましいアルミナは、δ−アルミナ、γ−アルミナ又はそれらの混合物から選択される。
【0036】
アルミナは、遷移金属及び金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類酸化物、シリカなど、並びにそれらの混合物のような従来のドーパントによりドープされることができる。そのようなドーパントの例としては、希土類金属、及びそれらの酸化物、例えば、マグネシア、カルシア、酸化ニッケル、酸化亜鉛、シリカなどが挙げられ、ランタニアが好ましいドーパントである。ドーパントは、使用時に、通常は少量で、例えば(本発明による被覆前の)高表面積アルミナ粒子コア材料の0.1〜10質量%、好ましくは1〜5質量%で存在する。
【0037】
当業者にとって周知の通り、ドーパントは、特定の性質、例えば、熱水安定性、摩耗強度、触媒活性促進性などを与えるために、通常はアルミナ粒子中に存在する。
【0038】
高表面積アルミナ粒子は、約1〜200μm、好ましくは10〜100μmの平均粒径を有する(好ましい)粉末;又は1mm〜10mmの平均粒径を有するビーズの形態でよい。または、アルミナ粒子は、ペレット又は成形品(例えば、円筒状成形品)の形態であることができる。寸法及び特定の形態は、予定される特定の用途により決定される。
【0039】
全ての場合において、アルミナ粒子から成る担体の基礎(コア)は、少なくとも約20m/g、例えば、約20〜約400m/g、好ましくは約75〜350m/g、より好ましくは100m/gを超え、例えば100〜250m/gなどの高い(BET)表面積を有するべきである。コアアルミナ粒子は、少なくとも約0.2cc/g、例えば、0.2〜2cc/g、好ましくは0.5〜1.2cc/gの細孔体積、及び50〜1000Å、好ましくは100Åを超え、例えば100〜500Åなど、より好ましくは100〜300Åの範囲内の平均孔径を有する。そのような高表面積微粒子は、貴金属触媒の堆積のために十分な表面積を提供し、例えば、有毒物のより無害な排出物への効果的な触媒転化を提供するために排出流と、又は触媒反応速度を向上させるために反応流と、それを容易に接触させる。
【0040】
通常は、微粒子アルミニウム水和物は、(残留ヒドロキシル基が、特に粒子の表面上で、アルミナ構造の一部分として残るとしても)残留水を除去し、アルミニウムヒドロキシル基をそれらの酸化物対応部分に変えるために、焼成される。
【0041】
本金属被覆担体物のためのコアとして適切なアルミナ粒子は、市販されている。しかし、特定の用途のための特定の設計基準(例えば、特定のドーパント、微粒子細孔体積などの使用など)には、既知の方法によるアルミナ粒子の製造が必要となってもよい。
【0042】
共沈又は含浸技術のいずれかによりアルミナにチタニアを合わせて、担体物を得ることが事前に提案されていた。上述の通り、それらの技術により発生する一定量のチタニアを有するアルミナ担体は、本発明により得られるチタニア被覆アルミナよりも極めて大量の硫黄材料を吸着できる露出したアルミナ表面をかなりの量で依然として有する。
【0043】
チタニアが、従来技術の典型的な含浸技術(例えば、米国特許第4705770号明細書参照)による担体の一部分として形成されるとき、チタニアは、アルミナコア微粒子の表面上に堆積される。この場合には、チタニアは、比較的厚い不連続被覆のパッチ状パターンを提供し、その結果として、得られた生成物については、アルミナ表面に対するチタニアの割合がより低くなる。さらに、含浸により形成されたチタニアコーティングは、アルミナの細孔の閉塞を起こし、それ故に、得られたコーティング担体の表面積を減らす傾向がある。
【0044】
アルミナコア微粒子は、工業的かつ経済的に実現可能な方法により、少量のチタニアで被覆されて、チタニアコーティングされたアルミナと比べて、チタニア1ユニット当たりの硫黄材料の存在に対する高い耐性を示す担体を提供することができると今や分かっている。本発明の方法は、工業的に好ましい態様で、排出制御のための有効寿命が長い触媒を形成できる担体物を提供する。本チタニア被覆アルミナ粒子の形成は、本明細書では下記で十分に説明される通り、処理パラメーターをある特定の組み合わせで適用することにより達成された。
【0045】
先ず、アルミナ粒子は、固体濃度が1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%、最も好ましくは5〜15質量%の範囲内である水性スラリーにされる。スラリーは、スラリーと後述される硫酸チタニル溶液との混合を容易に可能にするほど十分に流動性であるべきである。この範囲内で使用される特定の濃度は、スラリーを形成しているアルミナの物理的特性(例えば、表面積、空隙体積など、並びに粒径及び形態)によって決まるであろう。濃度は、スラリーの混合を容易に行うことができるものであるべきである。
【0046】
スラリーは、周囲温度から100℃まで、好ましくは20℃〜50℃、最も好ましくは20℃〜35℃の範囲の温度を有することができる。高温条件を使用できるが、それらは必須ではない。より高い温度は、使用可能であるものの、加圧容器の使用が必要になる。上記温度より高い温度を提供するために、装置及び取り扱いコストが増加する必要はない。
【0047】
硫酸チタニルの酸性水溶液が使用される。溶液のpHは、0.5〜1.5であるべきであり、0.9〜1.2であることが好ましい。これらのpHを提供している酸は、他の無機酸(例えば、硝酸又は塩酸又はそれらの混合物)を使用してもよいが、好ましくは硫酸である。硫酸チタニル材料は、有機アニオン、例えば、アルコキシドなどと結合しているべきではない。硫酸チタニルの(チタニアとしての)濃度は、溶液中で1〜30質量%、好ましくは10〜30質量%、最も好ましくは20〜30質量%であるべきである。その溶液が、その溶液とスラリーとを混合する前のアルミナスラリーの温度と実質的に同じ温度を有するようにすることは好ましいが、この条件は必須ではない。
【0048】
アルミナスラリー中に導入されることになる酸性硫酸チタニル水溶液の量は、溶液中の硫酸チタニルの濃度、及び被覆に必要な量よって決まるであろう。必要な量は、使用されているアルミナの表面積、硫酸チタニルからチタニアへの分子量変換、及び得られた金属被覆アルミナ物の一部分になるべき所望の被覆厚さの知見に基づいて、容易に計算されることができる。この量は、当業者により容易に計算されることができる。
【0049】
通常は、得られた金属被覆物の全酸化物(すなわち、アルミナ+チタニア)に対して、溶液について使用される硫酸チタニルの(チタニアとして計算される)量は、1〜50質量%、好ましくは5〜40質量%、最も好ましくは5〜30質量%であるべきである。適切な量は、当業者により容易に決定されることができる。
【0050】
硫酸チタニル水溶液は、アルミナスラリーと混合されて、それらの材料の均質混合物を形成する。混合物の温度は、溶液中の硫酸チタニルを維持するのに十分なものであるべきである。通常は、そのような温度は、周囲温度から100℃まで、好ましくは20℃〜50℃、最も好ましくは20℃〜35℃の範囲にあるべきである。均質混合物を発生させて維持するために十分な攪拌を維持しながら、混合物を約1〜120分、好ましくは約1〜30分、最も好ましくは約1〜15分の期間に亘ってこの温度範囲内に維持するべきである。
【0051】
初期攪拌中には、必要に応じて0.5〜1.5のpHを維持するために、混合物は、混合物のpHを約1のpH、0.5〜1.5のpH、好ましくは0.9〜1.2のpHにさせるのに十分な量の水溶性酸で処理されることができる。酸は、任意の無機鉱酸から選択されてよく、硫酸が好ましい。
【0052】
本発明における制限を意味するものではないが、上述の低pHでは、チタニル種は、一般に化学量論種[TiOSO]・nHOにより表されることができると分かっている。硫酸チタニル溶液中のチタン含有種の実際の性質は、実際には余り決定されない。コットン(Cotton)及びウィルキンソン(Wilkinson)の「Advanced Inorganic Chemistry, 4th edition, p.696」では、配位されたスルフェート基及び水を有する無限のジグザグ型−Ti−O−Ti−O−鎖があると記述されている。また、濃縮されたスルフェート水溶液に存在しそうな種は、固体硫酸チタニル一水和物の結晶構造から推察されることができる(ゲートハウス(Gatehouse)ら、Acta.Cryst.(1993) B49,428-435)。これらの研究では、その構造は、三次元構造を形成するために、一次元ではスルフェート基により結合されている[Ti−0]2n+基の鎖から成ることが示される。本滴定の初めから終わりまで低pHで存在するチタニル種は、アルミナの表面の至る所に位置するヒドロキシル基による配位されたスルフェートの置換及び不飽和チタン中心の縮合によって、アルミナと結合されることができる。上記内容は、本方法に必要とされる強酸性硫酸チタニル溶液に存在する種は、特殊であり、他の方法では達成されることができないという考察につながる。
【0053】
次に、酸性スラリーを形成している混合物は、塩基の水溶液で処理される。塩基は、無機塩基又は有機塩基から選択されることができ、無機塩基が好ましい。適切な無機塩基の例は、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、アルカリ金属水酸化物若しくは炭酸塩若しくは重炭酸塩、又はアルカリ土類金属酸化物若しくは炭酸塩若しくは重炭酸塩、又はそれらの混合物である。また、水溶性有機塩基は、例えば、トリ(C〜C)アルキルアンモニウム化合物などの四級アミン、並びにモノ−、ジ−及びトリ−(C〜C)アルカノールアミンとして使用されることができる。好ましい塩基は、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム及び重炭酸アンモニウムから選択される塩基などの無機弱塩基である。塩基は、混合物のpHを3.4〜4(例えば3.5〜4)、好ましくは3.5〜3.7、最も好ましくは約3.6以下のpHまで上昇させるために、実質的に定速で加えられるべきである。塩基の追加は、混合物の初めから終わりまで塩基を均一に分配させるために、連続的に混合した状態で、実質的に一定の低速で行われるべきである。一般に塩基の追加は、混合物のpHを0.05〜0.5pH単位/分、好ましくは0.05〜0.25pH単位/分の速度で上昇させるようなものであるべきである。高速の追加は避けるべきである。
【0054】
得られた混合物は、約10〜120分(例えば、15〜60分)、好ましくは30〜60分の期間に亘って、3.4〜4の最終的なpHで経時変化させるべきである。得られた混合物のpHが、望ましいpHの範囲外まで変動するならば、それは、経時変化期間中に望ましい範囲内になるように調整されるべきである。
【0055】
混合物のpH調整は、任意の温度、例えば、周囲温度から100℃まで、好ましくは20℃〜50℃、最も好ましくは20℃〜35℃などで行なわれることができる。
【0056】
次に、形成された金属被覆アルミナ粒子は、スルフェートアニオンを除去するために洗浄されながら、ろ過(好ましい)、過剰な液体のデカンテーションなどによりスラリーから分離されるか、又はスラリー中に残されることができる。洗浄は、熱水、又は水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム(好ましい)、アルカリ金属水酸化物若しくはそれらの混合物などの塩基の水溶液を用いて行なわれることができる。洗浄溶液のpHは、約7〜約11であるべきである。通常は、スラリー又は固体金属被覆アルミナ粒子材料のいずれかを処理するために使用される洗浄溶液の体積量は、使用された初期スラリーより過剰であり、使用された初期スラリーの2〜4倍であり、好ましくは2.5〜3.5倍である。正確な量は、スルフェートを実質的に含まない物を提供するために必要な洗浄溶液の量により容易に決定されることができる。生成物が0.5質量%未満、より好ましくは0.3質量%未満、最も好ましくは0.2質量%未満のスルフェートを有するようにさせることが好ましい。洗浄溶液の適切な量は、本方法の初期工程で使用される硫酸チタニルの量によって決まるであろうし、洗浄溶液に使用される塩基の種類及び濃度は、スルフェートを実質的に含まない生成物を提供するように決定されるであろう。そのような量は、当業者の分析手段により容易に決定されることができる。
【0057】
洗浄された生成物は、噴霧乾燥、気流乾燥、ドラム乾燥などにより、粉末物状に形成される。次に、実質的に乾燥された粉末物は、400℃〜1000℃、好ましくは600℃〜800℃の高温で焼成される。通常は、この焼成は、約15分〜約8時間、好ましくは1〜4時間、最も好ましくは1〜2時間の期間で行われる。得られた粉末状生成物は、チタニア被覆アルミナである。その生成物の表面積は、初期アルミナのものと実質的に同一である。
【0058】
さらに予想外なことには、本発明により形成されたチタニア被覆は、約750℃以下の焼成温度に曝されたときでさえも非晶質状態のままであるのに対して、先行技術では、チタニアが、かなり低い温度でそのアナターゼ結晶質形態を形成することが示されていると分かった。これは、今のところ形成されているチタニア被覆の薄く、広がっている性質のさらなる根拠であろう。
【0059】
本方法は、容易に達成できる条件下で処理される容易に入手可能な材料を用いて、非常に好ましいチタニア被覆アルミナ粒子物を形成する。本方法は、精密装置(例えば、防爆反応器など)、取り扱いの困難な材料(例えば、四塩化チタンなど)の使用も、高価な反応物(例えば、オルガノチタニル化合物など)の使用も要しない。したがって、硫黄材料による分解に対して耐性を有する改良されたチタニア被覆アルミナ粒子を提供する、費用効率が高く工業的に実現可能な方法が、本方法により提供される。
【0060】
得られた生成物は、その上にチタニア被覆を有する高表面積アルミナ粒子である。従来の含浸技術により調製された従来のチタニア処理されたアルミナ物とは異なり、本生成物は、その高い表面積及び細孔体積の性質を保持する(したがって、本金属被覆物は、細孔閉塞を招く細孔壁の架橋を起こす堆積にはならないことが示される)。
【0061】
アルミナ粒子と接触させるために使用されるチタニア水溶液は、得られた金属被覆アルミナ物に、得られた物の全質量を基準として、1〜50質量%、好ましくは5〜40質量%、最も好ましくは5〜30質量%のチタニア(TiO)を有させるのに十分な硫酸チタニル濃度を有するべきである。アルミナ粒子の表面にわたる金属被覆の均一性のために、低量(例えば、8〜20質量%、さらには8〜15質量%など)のチタニアが、非常に低量の硫黄吸着しか有していない担体材料を提供するために容易に使用されることができる。本発明のチタニア被覆アルミナは、本明細書で後述される通り、約40μg/m未満という低い正規化された硫黄の取り込み量(NSU)を有する物である。チタニア被覆アルミナが約35μg/m未満のNSUを有するようにすることが好ましく、そして20μg/m未満のNSU値は、容易に達成されることができる。
【0062】
さらに、本発明のチタニア被覆アルミナは、未被覆アルミナのものと比べて、従来の含浸法により得られたチタニアコーティングされたアルミナ物の正規化された硫黄の取り込み量によって達成可能な割合の少なくとも約2倍の正規化された硫黄の取り込み量の減少率(すなわち、効率)を有する物である。本発明の物により達成される効率は、少なくとも約45%である。
【0063】
本発明により形成された生成物は、通常は内燃エンジンなどの排出物流に関連する硫黄及び硫黄化合物(例えば、SO)への耐性の程度が高いことが分かった。本発明における制限を意味するものではないが、今のところ形成されているチタニア被覆アルミナ物は、不均一析出、すなわちアルミナ担体上の析出により得られることが分かっている。含浸又は均一析出などの他の技術が、チタニア変性アルミナを形成するために使用されるとき、チタニアは:1)通常のコーティングの欠陥により形成される未コーティング面(硫黄汚染を可能にする)、2)コーティング材料の、架橋して細孔を塞ぐことにより形成された閉塞細孔(表面積を減らし、触媒の最大活性を制限する)、及び3)コーティング材料の均一核形成により形成されるチタニアを含まない粒子(チタニア材料の小粒子を有する生成物を汚染する)が大量にある不連続形態のコーティングを形成する。
【0064】
上記の本発明の方法は、熱水安定性を保持しながら硫黄吸着に耐えるという高性能を有するチタニア被覆担体物を容易に得ることが予想外に分かった。アルミナ表面にわたるチタニア被覆の均一性及び幅は、担体物が硫黄取り込みに耐えるという有効性により示されることができる。試料の硫黄取り込み量(Sulfur Uptake: SU)は、下記「硫酸化試験」により測定されることができる。この試験は、50mgの試料を熱重量分析装置(TGA)に入れることにより行われる。最初に、試料を300℃で1時間に亘って107.5cc/分のHeガスで処理する。この処理後、He中のSOの流れ(1.14%SO)を5cc/分で導入すると同時に、Oを12.5cc/分で導入する。全流速は125cc/分であり、SO濃度は456ppmである。硫黄取り込み量を時間の関数として測定する。約120分では、硫黄取り込み量は平衡化し、もはや取り込みは起り得ない。硫黄取り込み量(SU)は、120分の稼働時間後に上昇した重量の割合として定義される。正規化された硫黄の取り込み量(NSU)を下記式により算出する:
【数1】

{式中、SUは、120分の稼働時間後に測定された硫黄取り込み量(質量%)であり、そしてSAは、試料のBET表面積である。}
【0065】
本発明のチタニア被覆物と、未被覆アルミナ物(NSUAl)又は従来の含浸技術(例えば、スラリー含浸)により形成された同一質量%のチタニアを有するチタニアコーティングアルミナ物の値との直接比較によって、本チタニア被覆アルミナ粒子は、硫黄耐性において、そのコーティングされた対照物よりも優れていることが示される。通常、現に形成されたチタニア被覆アルミナ担体は、本明細書では下記で定義される通り、比較用の未コーティングアルミナ担体物よりも少なくとも45%高く、ほとんどの場合には約50%高い性能(NSUTi/Al)を有する。さらに、この割合は、含浸技術により形成された比較用のチタニアコーティングアルミナの約2倍以上である。
【0066】
アルミナ上にチタニアのコーティング又は被覆を有するアルミナの正規化された硫黄の取り込み量効率(ζ)を下記式により算出する(本明細書では下記で使用されるNSUTi/Alは、チタニア被覆又はコーティング物を表す):
【数2】

【0067】
得られたチタニア被覆アルミナ粒子は、特に1〜200μm、好ましくは10〜100μmの粉末の形態であるときには、低表面積基材上の触媒コーティングとしてさらに使用されることができる。基材構造は、特定の用途のための幾つかの形態から選択されることができる。そのような構造形態としては、モノリス、ハニカム、ワイアーメッシュなどが挙げられる。通常は、基材構造は、例えば、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア−アルミナ、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、並びにワイアーメッシュなどのような耐熱材料から形成される。金属ハニカム基材も使用されることができる。粉末は、水中でスラリーにされ、少量の酸(好ましくは、鉱酸)の追加により解膠され、次に、製粉に供されて、ウォッシュコーティング用途に適した粒径減少を起こす。基材構造は、例えば基材をスラリー中にディッピングすることなどにより、粉砕されたスラリーと接触させられる。過剰な材料は、例えば気流を吹き込むことなどにより、除去され、次に、本発明のチタニア被覆高表面積アルミナ粒子を基材構造へ付着させるために、コーティングされた基材構造は焼成される。
【0068】
貴金属、通常は白金属の金属、例えば白金、パラジウム、ロジウム及びそれらの混合物などは、チタニア被覆アルミナ粒子を基材上へウォッシュコーティングする前に適切な従来の貴金属前駆体(酸性又は塩基性)を用いるか、又はウォッシュコーティング後に適切な貴金属前駆体溶液(酸性又は塩基性のいずれか)中でディッピングすることにより、当業者に周知の態様で本担体へ適用されることができる。これらの貴金属触媒は、参照により全体で本明細書に援用される独国特許第053830318号明細書に記述されている。
【0069】
好ましい方法は、最初にチタニア被覆アルミナを形成し、次に貴金属をそれに適用し、最後にその材料を基材上へウォッシュコーティングすることである。
【0070】
マグネシア、セリア、セリア−ジルコニア、希土類酸化物−ジルコニア混合物などのような他の酸化物担体をチタニア被覆物に混合し、次にこれらの物をハニカム基材上へウォッシュコーティングすることにより、追加の機能を提供することができる。
【0071】
得られた触媒は、内燃エンジンの排ガス装置の一部分として、単独で、又は他の材料と組み合わせて、キャニスターなどの中へ直接的に入れられることができる。したがって、通常は酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物、硫黄、硫黄化合物及び硫黄酸化物を含む排気物が、その排気装置を通過して、貴金属担持触媒と接触させられる。その結果として、有毒かつ有害な排気物は、より環境的に許容可能な材料へ変換される。本発明の方法により提供された担体により形成された触媒を用いるとき、チタニアを有していないか、又は従来の共沈又は含浸技術から形成されたチタニア−アルミナを有する担体を備える触媒により得られるであろう触媒系よりも全体活性が高く、有効期間の長い触媒系が得られる。
【実施例】
【0072】
本発明の特定の説明として下記実施例を示す。しかし、本発明が、実施例で説明される具体的詳細に限定されるものではないことを理解されたい。実施例及び明細書の残りの部分において部及びパーセントは、特に明示しない限り、質量を基準とする。
【0073】
さらに、例えば、性質、測定単位、条件、物理的状態又は割合などの特定の状況を表すために、明細書又は特許請求の範囲に示される数の任意の範囲は、参照又は別の方法により、そのような範囲に含まれる任意の数(そのように示される任意の範囲内の数の一部を含む)を文字通り明確に本明細書に援用するものである。
【0074】

比較用コア材料例1−CM
182m/gのBET表面積及び0.77cc/gの細孔体積を有する市販ランタナ(4質量%)ドープ型γ−アルミナ(グレース・ダビソン(Grace Davison)社品質MI−386)を、50mgの試料を熱重量分析装置(TGA)中へ入れることにより、硫黄取り込みについて試験した。最初に、300℃で1時間に亘って107.5cc/分のHeガスにより試料を処理した。この処理後、He中のSOの流れ(1.14%SO)を5cc/分で導入すると同時に、Oを12.5cc/分で導入した。全流速は125cc/分であり、SO濃度は456ppmであった。硫黄取り込み量を120分間に亘って時間の関数として測定した。120分の稼働時間後に上昇した質量の割合としての硫黄取り込み量(SU)を算出し、正規化された硫黄の取り込み量(NSU)も算出したところ、硫黄取り込み量(SU)は1.25質量%に相当し、NSUは68.7μg/mに相当していたので、NSUを下記表1に示す。
【0075】
比較用コア材料例2−CM
市販ランタナ(4質量%)ドープ型γ−アルミナ(グレース・ダビソン社品質MI−386)を、最初に試料をマッフル炉中で2時間に亘って1000℃で焼成したこと以外は上記例1で説明したものと同じ方法で、硫黄取り込みについて試験した。焼成された試料のBET表面積は135m/gであった。硫黄取り込み量(SU)は0.97質量%であり、NSUは71.9[μg/試料のm]であったので、これらの結果を下記表1に示す。
【0076】
比較用コア材料例3−CM
市販の非ドープ型γ−アルミナ(グレース・ダビソン社品質MI−307)を、上記例1で説明したものと同じ方法で、硫黄取り込みについて試験した。試料を分析したところ175m/gのBET表面積を有しており、そして細孔体積は0.77cc/gであった。硫黄取り込み量(SU)は0.91質量%であり、NSUは52[μg/試料のm]であったので、これらの結果を下記表1に示す。
【0077】
比較用コア材料例4−CM
市販の非ドープ型δ−アルミナ(グレース・ダビソン社品質MI−407)を、上記例1で説明したものと同じ方法で、硫黄取り込みについて試験した。試料を分析したところ123m/gのBET表面積を有していた。硫黄取り込み量(SU)は0.66質量%であり、NSUは53.6[μg/試料のm]であった。これらの結果を下記表1に示す。
【0078】
比較用コーティング例1−C
下記の通りアルミナ(MI−386)上に5%TiOコーティングを調製した。10部のMI−386を40部の水の中でスラリーにした。一定に攪拌しながら、20質量%TiOを含む2.5gの二酸化チタンゾル(ミレニアム・ケミカルズ(Millenium Chemicals)社製)をスラリーに加えた。ホットプレート上で一定に攪拌しながら、混合物を蒸発乾燥させて、自由流動性粉末をゲル化した。次に、粉末を700℃で2時間に亘って焼成した。試料を分析したところ、184m/gのBET表面積を有していた。例1−CMで説明したものと同じ方法で、硫黄取り込み量(SU)を分析したところ、SUは0.97%であり、52.7[μg/試料のm]のNSUを有することが決定された。これらの結果を下記表1に示す。
【0079】
比較用コーティング例2−C
9.48部のアルミナ粒子(MI−386)を含むスラリーに5.0gのTi溶液を加えたこと以外は比較例1−Cで説明したものと同じ方法で、アルミナ(MI−386)上に10%TiOコーティングを調製した。次に、粉末を700℃で2時間に亘って焼成した。試料を分析したところ、179m/gのBET表面積を有していた。例1−CMで説明したものと同じ方法で、硫黄取り込み量(SU)を分析したところ、SUは0.94%であり、52.5[μg/試料のm]のNSUを有することが決定された。これらの結果を下記表1に示す。
【0080】
比較用コーティング例3−C
試料を1000℃で2時間に亘って焼成したこと以外は比較例2−Cで説明したものと同じ方法で、試料を調製した。試料を分析したところ、129m/gのBET表面積を有していた。例1−CMで説明したものと同じ方法で、硫黄取り込み量(SU)を分析したところ、SUは0.82%であり、63.6[μg/試料のm]のNSUを有することが決定された。これらの結果を下記表1に示す。
【0081】
比較用コーティング例4−C
8.42部のアルミナ粒子(MI−386)を含むスラリー中で10gのTiゾルを再スラリー化したこと以外は比較例1−Cで説明したものと同じ方法で、アルミナ(MI−386)上に20%TiOコーティングを調製した。次に、粉末を700℃で2時間に亘って焼成した。試料を分析したところ、169m/gのBET表面積を有していた。例1−CMで説明したものと同じ方法で、硫黄取り込み量(SU)を分析したところ、SUは0.94%であり、55.6[μg/試料のm]のNSUを有することが決定された。これらの結果を下記表1に示す。
【0082】
比較用コーティング例5−C
7.36部のアルミナ粒子(MI−386)を含むスラリー中で15gのTiゾルを再スラリー化したこと以外は比較例1−Cで説明したものと同じ方法で、アルミナ(MI−386)上に30%TiOコーティングを調製した。次に、粉末を700℃で2時間に亘って焼成した。試料を分析したところ、163m/gのBET表面積を有していた。例1−CMで説明したものと同じ方法で、硫黄取り込み量(SU)を分析したところ、SUは0.81%であり、50.0[μg/試料のm]のNSUを有することが決定された。これらの結果を下記表1に示す。
【0083】
比較用コーティング例6−C
9.48部のアルミナ(MI−307)を含むスラリー中で5.0gのTiゾルを再スラリー化したこと以外は比較例1−Cで説明したものと同じ方法で、アルミナ(MI−307)上に10%TiOコーティングを調製した。次に、粉末を700℃で2時間に亘って焼成した。試料を分析したところ、169m/gのBET表面積を有していた。例1−CMで説明したものと同じ方法で、硫黄取り込み量(SU)を分析したところ、SUは0.71%であり、42[μg/試料のm]のNSUを有することが決定された。これらの結果を下記表1に示す。
【0084】
実施例1
理論上の20質量%チタニア被覆アルミナを下記の通り調製した。21.05gの市販のランタナ(4.0質量%)ドープ型アルミナ(グレース・ダビソン社品質MI−386)を225gの脱イオン水の中でスラリーにした。このスラリーに対して、54.7gの硫酸チタニル溶液(9.17質量%TiOに相当)を5cc/分の流速でアルミナスラリー中へポンプ送達した。得られた混合物のpHは1.0であり、そして攪拌しながら、スラリーの温度を25℃で30分間に亘って維持した。次に、5NのNHOH溶液を滴加して、pHが3.5に達するまで約0.05pH上昇/分のpH上昇速度を維持した。次に、スラリーを1時間に亘って攪拌した。
【0085】
次に、得られたスラリーをろ過し、フィルターケーキを1200mLの1%重炭酸アンモニウム溶液で洗い、次に300mLの脱イオン熱水で洗う。得られた固体材料を分析したところ、0.04質量%未満のスルフェート汚染物を有していた。
【0086】
得られたフィルターケーキを脱イオン水中で再スラリー化して、100℃でスプレー乾燥した。スプレー乾燥された粉末を700℃で2時間に亘って焼成した。焼成された粉末を分析したところ、170m/gのBET表面積を有していた。例1−CMで説明したものと同じ方法で、硫黄取り込み量(SU)を分析したところ、SUは0.59質量%であり、34.7[μg/試料のm]のNSUを有することが決定された。これらの結果を下記表1に示す。
【0087】
この試料を例1−CM及び4−Cの試料と直接比較することができる。分析結果から、本金属被覆材料は、未被覆材料よりかなり低いNSU(68.7対34.7)を有し、さらには従来のコーティング試料4−Cと比べて1.6分の1ほど低い(55.6対34.7)NSUを有することが示される。さらに、本金属被覆物の効率は、コーティング物より約2.5倍も大きい(19対49)。
【0088】
実施例2
18.42gのランタナドープ型アルミナ(MI−386)を使用して、それに81.8gの硫酸チタニルを加えたこと以外は実施例1と同様に、理論上の30%チタニア被覆アルミナを調製した。実施例1と同様に、スラリーを洗浄し、スプレー乾燥し、700℃で焼成した。
【0089】
焼成された粉末を分析したところ、160m/gのBET表面積を有していた。例1−CMで説明したものと同じ方法で、硫黄取り込み量(SU)を分析したところ、SUは0.55質量%であり、34.3[μg/試料のm]のNSUを有することが決定された。これらの結果を下記表1に示す。
【0090】
この試料を例1−CM及び5−Cの試料と直接比較することができる。分析結果から、本金属被覆材料は、未被覆材料よりかなり低いNSU(68.7対34.3)を有し、さらには従来のコーティング試料5−Cと比べて1.5分の1ほど低い(50対34.3)NSUを有することが示される。さらに、本金属被覆物の効率は、コーティング物より約2.0倍も大きい(27対50)。
【0091】
実施例3
23.7gのアルミナ(MI−386)を使用して、それに27.3gの硫酸チタニルを加えたこと以外は実施例1と同様に、理論上の10%チタニア被覆アルミナを調製した。実施例1と同様に、スラリーを洗浄し、スプレー乾燥し、700℃で焼成した。
【0092】
焼成された粉末を分析したところ、175m/gのBET表面積を有していた。例1−CMで説明したものと同じ方法で、硫黄取り込み量(SU)を分析したところ、SUは0.62質量%であり、35.4[μg/試料のm]のNSUを有することが決定された。これらの結果を下記表1に示す。
【0093】
この試料を例1−CM及び2‐Cの試料と直接比較できる。分析結果から、本金属被覆材料は、未被覆材料よりかなり低いNSU(68.7対35.4)を有し、さらには従来のコーティング試料2−Cと比べて1.5分の1ほど低い(52.5対35,4)NSUを有することが示される。
【0094】
実施例4
非ドープ型γ‐アルミナ(グレース・ダビソン社のMI−307)を使用したこと以外は実施例3と同様に、理論上の10%チタニア被覆アルミナを調製した。実施例1と同様に、スラリーを洗浄し、スプレー乾燥し、700℃で焼成した。
【0095】
焼成された粉末を分析したところ、167m/gのBET表面積を有していた。例1−CMで説明したものと同じ方法で、硫黄取り込み量(SU)を分析したところ、SUは0.24質量%であり、14.4[μg/試料のm]のNSUを有することが決定された。これらの結果を下記表1に示す。
【0096】
この試料を例3−CM及び6−Cの試料と直接比較できる。分析結果から、本金属被覆材料は、未被覆材料よりかなり低いNSU(52対14.4)を有し、さらには従来のコーティング試料6−Cと比べて3分の1ほど低いNSU(42対14.4)を有することが示される。さらに、本金属被覆物の効率は、コーティング物より約3.8倍も大きい(19対72.3)。
【0097】
実施例5
試料を1000℃で2時間に亘って焼成したこと以外は実施例4と同様に、理論上の10%チタニア被覆アルミナ(MI−307)試料を調製した。
【0098】
焼成された粉末を分析したところ、66m/gのBET表面積を有していた。例1−CMで説明したものと同じ方法で、硫黄取り込み量(SU)を分析したところ、SUは0.09質量%であり、13.7[μg/試料のm]のNSUを有することが決定された。これらの結果を下記表1に示す。
【0099】
実施例6
非ドープ型δ‐アルミナ(グレース・ダビソン社のMI−407)を使用したこと以外は実施例3と同様に、理論上の10%チタニア被覆アルミナを調製した。実施例3と同様に、スラリーを洗浄し、スプレー乾燥し、700℃で焼成した。
【0100】
焼成された粉末を分析したところ、108m/gのBET表面積を有していた。例1−CMで説明したものと同じ方法で、硫黄取り込み量(SU)を分析したところ、SUは0.17質量%であり、17.6[μg/試料のm]のNSUを有することが決定された。これらの結果を下記表1に示す。
【0101】
実施例7
実施例6と同様に、理論上の10%チタニア被覆アルミナを調製した。焼成を1000℃で行なったこと以外は実施例3と同様に、スラリーを洗浄し、スプレー乾燥し、焼成した。焼成された粉末を分析したところ、67m/gのBET表面積を有していた。例1−CMで説明したものと同じ方法で、硫黄取り込み量(SU)を分析したところ、SUは0.10質量%であり、14.9[μg/試料のm]のNSUを有することが決定された。これらの結果を下記表1に示す。
【0102】
下記表1では、本発明により形成されるチタニア被覆アルミナ物の全ては、従来のスラリー含浸により形成されたコーティング試料に対して、約2分の1以下のNSU及び約2倍以上の効率を示すことが分かる。
【0103】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)約1質量%〜約30質量%のアルミナ粒子の水性スラリーに約0.5〜1.5のpHを有する硫酸チタニルの水溶液を一定期間に亘って混合して、均質混合物を提供する工程;
b)塩基性水溶液を追加することにより、該混合物のpHを、0.05〜0.5pH単位/分の速度で、得られたpHが3.4〜4になるまで上昇させる工程;
c)得られたスラリーに、該得られたpHを約10〜120分間に亘って保持させる工程;
d)処理された固体微粒子から硫酸イオンを除去して、実質的にスルフェートを含まない材料を形成する工程;
e)該固体微粒子を乾燥し、次に該固体微粒子を約400℃〜1000℃で約15〜480分間に亘って加熱する工程;及び
f)固体チタニア被覆アルミナ粒子を回収する工程
を含むチタニア被覆アルミナ粒子の製造方法。
【請求項2】
アルミナ粒子と硫酸チタニルとの最初に形成された均質混合物は、全酸化物に対する(チタニアとしての)硫酸チタニルの比が1〜50である硫酸チタニルの濃度を有し、かつ約0.5〜1.5のpHを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
一定攪拌下で0.025〜0.05pH単位/分の速度で、前記均質混合物のpHを0.9〜1.2の初期pHから3.5〜4のpH範囲まで上昇させ、次に、該混合物を該上昇させたpHで約15〜60分間に亘って維持する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記工程b)の塩基性水溶液の塩基が、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属重炭酸塩、トリ(C〜C)アルキルアンモニウム化合物、モノ−、ジ−又はトリ−(C〜C)アルカノールアミン又はそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記塩基は、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム又はそれらの混合物から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記工程d)の処理された固体微粒子に、十分な量の水、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、アルカリ金属水酸化物又はそれらの混合物を接触させることにより、前記硫酸イオンを該固体微粒子から除去する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記固体微粒子は、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム又はそれらの混合物の水溶液で処理される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記工程e)の固体微粒子は、0.5質量%未満のスルフェートを有しており、そして得られた固体微粒子は、乾燥されて粉末材料になり、次に1〜4時間に亘って約600℃〜800℃の温度へ加熱される、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により形成されており、かつ45[μg/試料のm]未満の正規化された硫黄の取り込み量(NSU)を有する、チタニア被覆アルミナ粒子。
【請求項10】
請求項8に記載の方法により形成されており、かつ45[μg/試料のm]未満のNSUを有するチタニア被覆アルミナ粒子。
【請求項11】
前記チタニア被覆アルミナ粒子は、1〜200μmの平均粒径を有する、請求項9に記載のチタニア被覆アルミナ粒子。
【請求項12】
前記チタニア被覆アルミナ粒子は、1〜200μmの平均粒径を有する、請求項10に記載のチタニア被覆アルミナ粒子。

【公表番号】特表2013−507238(P2013−507238A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533223(P2012−533223)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/051072
【国際公開番号】WO2011/043995
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(399016927)ダブリュー・アール・グレイス・アンド・カンパニー−コネチカット (63)
【Fターム(参考)】