説明

硬化性シリコーン組成物

【解決手段】 (A)下記平均組成式(1)で示されるポリシクロオレフィン官能性ポリシロキサン、


(R1は互いに異なっていてよい、不飽和結合を有しない一価の有機基であり、kは0以上の数であり、nは0.01以上4未満の数であり、mは0以上4未満の数であり、但し0<m+n<4である)
前記(A)成分の不飽和結合基の量に対するSiH結合の量のモル比が0.1〜10となる量の、(B)下記平均組成式(2)で示されるSiH結合含有シロキサン、
HSiR2a(4-a)/2 (2)
(式中R2は一価の有機基であり、aは0<a<4の数である)
及び、
触媒量の(C)付加反応触媒、
を含む組成物。
【効果】 硬化性組成物はポリシロキサン骨格にポリシクロオレフィン骨格を含み、可撓性で高硬度の硬化物を与え、LEDや光学素子用封止材、光学用レンズ、電子部品用封止材等としての使用が期待される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は硬化性組成物に関し、詳細にはポリシクロオレフィン官能性ポリシロキサン、オルガノハイドロジェンシロキサン、及び付加反応触媒を含む硬化性組成物に関する。該組成物は、ポリシクロオレフィン及びポリシロキサン双方の機能を併せ持ち、接着剤、ポッテイング材、成型材料等、幅広い用途が期待される。
【背景技術】
【0002】
近年、シクロポリオレフィンは優れた光学的透明性、耐熱性、強度および良好なフィルム特性等から光学用途の機能性プラスチックスとして注目されている。一方、オルガノポリシロキサンは耐熱性、耐水、耐薬品性に優れた機能性ポリマーとして広い分野で実用化されている。斯かるポリシクロオレフィン骨格とポリシロキサン骨格を備えたポリマーは、双方の骨格に由来する特性を併せ持つ機能性材料として期待される。
【0003】
該ポリマーの材料として使用できるシクロ官能性ポリシロキサンとしては、ノルボルネン官能性ポリシロキサンが知られており、例えば、下記シロキサンがある(特許文献1)。

【0004】
また、アルコキシ基又はハロゲン基を有するビニルシランと、シクロペンタジエンを反応させて得られる、シリルノルボルネン化合物が知られている(特許文献2)。
【0005】
さらに、下記のものが記載されている(非特許文献1)。

【0006】
下記ノルボルネン官能性テトラシロキサンは、リビングメタセシス開環重合反応の開始剤として有用であるとされている(非特許文献2)。

【0007】
また、ノルボルネン官能性オルガノポリシロキサンが、SiH結合を有するオルガノポリシロキサンと、付加反応触媒とを含む組成物に使用可能であるとされている(特許文献3)。しかし、可能性が言及されているに留まり、実施例も無く、発明として完成されているとは言えない。付加反応硬化は、反応副生物がなく、極めて微量の触媒で効率的に進むことから、電子部品の接着剤、封止材、成型材料等として多くの分野で使用されているが、分子末端以外の内部にある不飽和基は反応性が低く実用性に乏しいことが知られている。さらに、ノルボルネン官能性基については、ラジカル重合機構及びメタセシス重合機構等に関して多くの研究があるが(非特許文献3)、より多環系での反応性については未だほとんど検討されていない。
【特許文献1】WO02/062859号公報
【特許文献2】特開昭2003−252881号公報
【特許文献3】ドイツ国特許公開DE4128932号公報
【非特許文献1】Pierre M.Chevalier等、”Ring-Opening Olefin Materials polymerisation (ROMP) as a Potential Cross-Linking Mechanism for Siloxane Polymers”、Journal of Inorganic and Organometallic polymers (1999),9(3),151頁
【非特許文献2】Macromolecules 1989年, 第22巻,第3205〜3210頁
【非特許文献3】J.Inorg.Organomet.Polym., 第9巻、第3号、第151〜164頁、1999年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明はシクロオレフィン官能性ポリシロキサンを含み、ポリシクロオレフィン及びポリシロキサン双方の機能を併せ持つ硬化物を与える組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
即ち、本発明は、(A)下記平均組成式(1)で示されるポリシクロオレフィン官能性ポリシロキサン、

(R1は互いに異なっていてよい、不飽和結合を有しない一価の有機基であり、kは0以上の数であり、nは0.01以上4未満の数であり、mは0以上4未満の数であり、但し0<m+n<4である)
前記(A)成分の不飽和結合基の量に対するSiH結合の量のモル比が0.1〜10となる量の(B)下記平均組成式(2)で示されるSiH結合含有シロキサン、
HSiR2a(4-a)/2 (2)
(式中R2は一価の有機基であり、aは0<a<4の数である)
及び、
触媒量の(C)付加反応触媒、
を含む組成物である。
【発明の効果】
【0010】
上記本発明の硬化性組成物は、ポリシロキサン骨格とポリシクロオレフィン骨格とを有し、シリコーン単独では得られない高硬度及び高強度のシリコーン硬化物を与える。該組成物は、LED等光学素子用封止材、光学用レンズ等への幅広い応用が期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
ポリシクロオレフィン官能性ポリシロキサン(A)は2種類以上の化合物の混合物であってよく、上記式(1)はそれらの平均組成式である。例えば、式(1)でk=1.1のものは、kが1のものが90モル%と、kが2のもの10モル%との混合物(1.1=1×0.9+2×0.1)である。該組成の確認は、実施例に示すように、ガスクロ分析と元素分析により行なうことができる。シクロ環が多い点で、好ましくはkは0より大きい。
【0012】
式(1)中、R1は互いに異なっていてよい、不飽和結合を有しない1価の有機基である。好ましくはR1は炭素原子数1〜10の一価炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、ブチル基、ペンチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基であり、これらはフッ素原子等の置換基を有していてよい。これらの中で、メチル基、フェニル基、及びトリフロロプロピル基が好ましい。
【0013】
上記ポリシクロオレフィン官能性ポリシロキサンのうち、k=0のものは、上記各先行技術文献に記載された方法に従い調製することができる。kが0より大きいものは、下記式で表される不飽和基含有ポリシロキサンとジシクロペンタジエンとを、大気圧下、好ましくは窒素気流下、で100〜250℃に加熱することによって作ることができる。

上式で、nは0.01以上4未満の数であり、mは0以上4未満の数であり、但し0<m+n<4である。
【0014】
該不飽和基含有ポリシロキサンとして、下記のものが挙げられる。
R3aR3-aSiO-(R3R1SiO)x-(R12SiO)y-(R1ASiO)z-SiR13-aR3a
(Aは -O-(R3R1SiO)p-(R12SiO)q-SiR13-bR3b

式中、R1は式(1)に関し上で述べたとおりである。また、R3は不飽和基である。a、bは0または1であり、x、y、z、p、qは0または1以上の整数、但しx、y、zが0の時はaは1であり、a、x、pが0の場合はbは1である。好ましくは、0≦x≦50、0≦y≦100、0≦z≦20、0≦p≦50、0≦q≦100であり、0≦x+y+z≦100、0≦p+q≦100である。また、sは1以上の整数であり、tは0または1以上の整数であり、好ましくは3≦s+t≦8である。
【0015】
好ましい不飽和基含有ポリシロキサンとして、ViMe2SiOSiMe2Vi、 ViMe2SiOSiMe2OSiMe2Vi、 ViMe2Si(OSiMe210Vi、(ViMeSiO)4 ViMe2SiOSiViMeOSiMe2Vi、ViMe2Si(OSiMe2150(OSiMeVi)3OSiMe2Vi、Me3SiO(MeViSiO)5(CF3CH2CH2SiMeO)15(Me2SiO)15SiMe3等が挙げられる(但し、Meはメチル基、Viはビニル基を示す)。
【0016】
ポリシクロオレフィン官能性ポリシロキサン(A)として下記のもの、又はこれらの混合物が例示される。





【0017】
本発明の組成物において、(B)SiH基含有シロキサンは、平均組成式(2)で表される。
HSiR2a(4-a)/2 (2)
式中R2は一価の有機基であり、複数有る場合には互いに異なっていてよい。好ましくは、R2は置換されていてよい炭素原子数1〜10の一価炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、ブチル基、ペンチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、及び、これらのハロゲン置換基があげられる。中でも、メチル基、フェニル基、及びトリフロロプロピル基が特に好ましい。aは0<a<4で示される数である。
【0018】
該シロキサンの例には下記のものが包含される。
HaR23-aSiO-(HR2SiO)x-(R22SiO)y-(R2ASiO)z-SiR23-aHa
ここで、Aは -O-(HR2SiO)p-(R22SiO)q-SiR23-bHb

式中R2、a、b、x、y、z、p、qについては、上で述べたとおりであり、好ましい例として下記のものが挙げられる(Meはメチル基、Φはフェニル基を示す)。
Me3SiO[HSiMeO]15SiMe3
Me3SiO[HSiMeO]3[Me2SiO]20SiMe3
HSiMe2O[HSiMeO]2Me2SiH、
HSiMe2O[HSiMeO]3[Me2SiO]10Me2SiH、
HSiMe2O[HSiMeO]2[Me2SiO]2[Φ2SiO]5Me2SiH、
[HSiMeO]4
【0019】
(B)成分は、(A)成分の不飽和基に対して(B)成分のSiH結合の割合がモル比で0.1〜10、好ましくは0.5〜2となるような量で含まれる。前記モル比未満では、組成物が十分に硬化せず、一方、前記モル比を超えては硬化物の硬さが低過ぎ、十分な強度が得られない等、物理特性が良好なものが得られないので好ましくない。(A)、(B)夫々の分子量に依存するが、上記モル比を質量比で表すと、典型的には(A)成分100質量部に対して(B)成分が1〜200質量部、好ましくは5〜100質量部である。
【0020】
(C)付加反応触媒としては、周期律表の第VIII族元素及びその化合物が使用可能であるが、特に、白金及びその化合物が好適である。塩化白金酸や白金とアルコールとを反応させたもの、エチレン等のオレフィン、ビニルシロキサン等との錯体、シリカ、アルミナ、カーボン等を担持した金属白金等を挙げることができる。白金以外の白金族金属触媒として、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム系化合物も知られており、例えばRhCl(PPh33、RhCl(CO)(PPh32、Ru3(CO)12、IrCl(CO)(PPh32、Pd(PPh34等を例示することができる。
【0021】
(C)付加反応の触媒の配合量は、触媒量であってよい。典型的には、(A)及び(B)成分の合計量100質量部に対して0.001から10質量部、より典型的には0.01から5質量部である。触媒量未満であると硬化性が悪く実用的でない。また必要以上に多く使用すると、硬化は速くなるが、硬化速度が制御できなくなり、実用上問題が生じる場合がある。
【0022】
本発明の組成物は、上記(A)〜(C)成分以外に、機械的強度を向上させる目的で各種フィラーを添加してもよい。フィラーとしては、ヒュームドシリカ、湿式シリカ、粉砕シリカ、炭酸カルシウム、珪藻土、プラスチック球状フィラー、シリコーンパウダー、カーボンブラック、各種金属および金属酸化物等を挙げることができ、また、これらを各種表面処理剤で処理したものであってもよい。
【0023】
また、本発明の硬化性組成物は、本発明の目的を損なわない範囲の量の各種添加剤を含むことができる。このような任意成分としてヒドロシリル化反応触媒の制御剤が挙げられ、例えば1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンテン−3−オール、フェニルブテノール等のアセチレンアルコールや、3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等、或いはポリメチルビニルシロキサン環式化合物、有機リン化合物等が包含される。該制御剤は、硬化反応性を制御して、組成物の保存安定性を向上することができる。
【0024】
本発明の組成物は、上記(A)、(B)、(C)成分、及び所望により上記任意成分を、室温で、混合することによって、作ることができる。混合方法は、公知の方法であってよい。該組成物から成型物を作成するには、品川ミキサー等の混合装置で(A)成分と(C)成分を混合して(E)成分とし、成形直前に(E)成分と(B)成分を良く混合して型に流し込んでオーブンで加熱成形し、又は加熱可能なプレス成型機を用いる。
【0025】
本発明は、上記組成物を硬化して得られる樹脂にも関する。該樹脂は、下記繰返し単位(3)と(4)とを含む。

(R1は互いに異なっていてよい、不飽和結合を有しない一価の有機基であり、kは0以上の数であり、nは0.01以上4未満の数であり、mは0以上4未満の数であり、但し0<m+n<4である)
(−SiR2a(4-a)/2 ) (4)
(式中R2は一価の有機基であり、aは0<a<4の数である)
好ましくは、kは0より大きい。
【0026】
実施例
本発明を実施例により、さらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下において、Meはメチル基、Φはフェニル基を示す。
【0027】
[合成例1]
ジシクロペンタジエン76.3g(0.58モル)とメチルビニルテトラシロキサン100g(ビニル価:0.29モル/100g)を200mlの反応器に仕込み、窒素気流下160−175℃で6時間反応させた。5mmHgの減圧下140℃に加熱し低沸点成分を取り除くと、室温で淡黄色粘稠な液体が160g得られた。該液体の屈折率(nD25)は1.501であった。(Perkin Elmer社製FT−IR Spectrometer Spectrum One で赤外スペクトルを測定し(図1)、ガスクロマトグラフィー分析(島津製作所製 GC−14B)で定量分析したところ、下記平均組成式で表される構造を有していた。収率は91%であった。これをポリシロキサンA1とする。

【0028】
[合成例2]
ジシクロペンタジエン153g(1.15モル)とメチルビニルシクロテトラシロキサン100g(ビニル価:1.16モル/100g)を500mlの反応器に仕込み、窒素気流下160−175℃で6時間反応させた。5mmHgの減圧下140℃に加熱し低沸点成分を取り除くと、室温で淡黄色粘稠な液体が240g得られた。該液体の屈折率(nD25)は1.5230であった。合成例1と同様に、赤外スペクトル(図2)及びガスクロマトグラフィーで構造を確認したところ、この液体は下記平均組成式で表される構造を有していた。これをポリシロキサンA2とする。

【0029】
[合成例3]
ジシクロペンタジエン141g(1.07モル)と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン100g(0.54モル)を500mlの反応器に仕込み、窒素気流下160−175℃で6時間反応させた。5mmHgの減圧下140℃に加熱し低沸点成分を取り除くと、室温で淡黄色粘稠な液体が230g得られた。該液体の屈折率(nD25)は1.515であった。合成例1と同様に、赤外スペクトル分析及びガスクロマトグラフィー分析したところ、この液体は下記平均組成式で表される構造を有していた。これをポリシロキサンA3とする。

【0030】
[実施例1]
合成例1で合成したポリシロキサンA1を100質量部、平均組成式(Me3SiO)0.3(HSiMe2O)1.7(HSiMeO)4.5(Me2SiO)10.5で表されるシロキサンを118質量部、付加反応触媒としての塩化白金酸の2%ブタノール溶液0.5質量部を、反応容器中で混合し、120℃で10分加熱したところ、淡黄色透明で可撓性の硬化物を与えた。該硬化物は、図3に示す赤外スペクトルを有し、硬さはShore−D硬度計(ISO 868準拠)で25であった。
【0031】
[実施例2]
合成例1で合成したポリシロキサンA1を100質量部、平均組成式HSiMe2O(HSiMeO)2(Φ2SiO)2Me2SiHで表されるシロキサンを87質量部、塩化白金酸の2%ブタノール溶液0.5質量部を混合し、120℃で10分加熱したところ、淡黄色透明な硬化物を与えた。該硬化物は、図4に示す赤外スペクトルを有し、硬さはShore−D硬度計で71であった。さらに、JIS−K−6911に準拠して測定された弾性率は1515(N/mm2)、及び曲げ強さは35(N/mm2)であった。
【0032】
[実施例3]
合成例2で合成したポリシロキサンA2を100質量部、平均組成式HSiMe2O(HSiMeO)2(Φ2SiO)2Me2SiHで表されるシロキサンを61質量部、塩化白金酸の2%ブタノール溶液0.5質量部を混合し、120℃で10分加熱したところ、淡黄色透明な硬化物を与えた。硬さはShore−D硬度計で75を示した。実施例2と同様にして測定された弾性率は1915(N/mm2)、曲げ強さは49(N/mm2)であった。
【0033】
[実施例4]
合成例3で合成したポリシロキサンA3を100質量部、平均組成式(Me3SiO)0.3(HSiMe2O)1.7(HSiMeO)4.5(Me2SiO)10.5でシロキサンを80質量部、塩化白金酸の2%ブタノール溶液0.5質量部を混合し、120℃で10分加熱したところ、淡黄色透明で可撓性の硬化物を与えた。硬さはShore−A硬度計で55を示した。
【0034】
[実施例5]
合成例3で合成したポリシロキサンA3を100質量部、平均組成式HSiMe2O(HSiMeO)2(Φ2SiO)2Me2SiHで表されるシロキサンを59質量部、塩化白金酸の2%ブタノール溶液0.5質量部を混合し、120℃で10分加熱したところ、淡黄色透明な硬化物を与えた。硬さはShore−A硬度計で80を示した。
【0035】
[比較例1]
ポリシロキサンA1に代えて、合成例1の原料として使用したメチルビニルテトラシロキサンを100質量部、平均組成式HSiMe2O(HSiMeO)2(Φ2SiO)2Me2SiHで表されるシロキサンを154質量部、塩化白金酸の2%ブタノール溶液0.5質量部を混合し、120℃で10分加熱したところ、無色透明な硬化物を与えた。硬さはShore−D硬度計で55を示した。この硬化物は脆く、手で容易に割れてしまった。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の硬化性組成物は、ポリシロキサン骨格とポリシクロオレフィン骨格を有し、高硬度、高強度で、可撓性の硬化物を与える。該組成物は、LED等光学素子用の封止材、光学用レンズ、電子部品用封止材等として、従来のシリコーン系材料の用途だけでなく、それらの用途を超えた広い用途への使用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】合成例1で調製されたポリシロキサンのIRスペクトルである。
【図2】合成例2で調製されたポリシロキサンのIRスペクトルである。
【図3】実施例1で調製された硬化物のIRスペクトルである。
【図4】実施例2で調製された硬化物のIRスペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記平均組成式(1)で示されるポリシクロオレフィン官能性ポリシロキサン、

(R1は互いに異なっていてよい、不飽和結合を有しない一価の有機基であり、kは0以上の数であり、nは0.01以上4未満の数であり、mは0以上4未満の数であり、但し0<m+n<4である)
前記(A)成分の不飽和結合基の量に対するSiH結合の量のモル比が0.1〜10となる量の、(B)下記平均組成式(2)で示されるSiH結合含有シロキサン、
HSiR2a(4-a)/2 (2)
(式中R2は一価の有機基であり、aは0<a<4の数である)
及び、
触媒量の(C)付加反応触媒、
を含む組成物。
【請求項2】
前記(A)成分の不飽和結合基量に対するSiH結合の量のモル比が0.5〜2であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
上記平均組成式(1)において、kが0より大きいことを特徴とする請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
下記繰返し単位(3)と(4)とを含む樹脂。

(R1は互いに異なっていてよい、不飽和結合を有しない一価の有機基であり、kは0以上の数であり、nは0.01以上4未満の数であり、mは0以上4未満の数であり、但し0<m+n<4である)

(−SiR2a(4-a)/2 ) (4)
(式中R2は一価の有機基であり、aは0<a<4の数である)
【請求項5】
繰返し単位(3)において、kが0より大きいことを特徴とする請求項4記載の樹脂。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−77252(P2007−77252A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−266077(P2005−266077)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】