説明

硬骨および軟骨のインプラント送出装置

【課題】深さが不明の硬骨または軟骨の欠損の中に、合成材料からなるインプラント、若しくは健康な硬骨または軟骨を挿入する方法および装置を提供する。
【解決手段】装置は、中空の外側シャフトの中に内側シャフトを備える。装置の内側シャフトの一方の端部は、深さを決定するために硬骨または軟骨の欠損の中に挿入するのに好適であり、外側シャフトの他方の端部は、インプラントを保持するのに好適である。インプラントは、欠損の深さが決定されるとその欠損に適合するように切断され、次いで欠損に挿入される。インプラントを切断するための切断装置が開示される。送出装置の中にインプラントを挿入するためのインプラントカプセル装填機も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、軟骨および硬骨の欠損の修復を行うための器具および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
硬骨または軟骨の組織層の傷害を処置するために、そうした損傷した層内にインプラントが挿入され得ることは、当技術分野において周知である。
米国特許番号5,152,763(Johnsonら)、5,919,196(Bobicら)および6,358,253(Torrieら)に開示されるように、インプラントによる処置の1つのタイプは、患者の体の健康な部分から採取され、欠損内に移植される、健康な硬骨または軟骨のプラグを挿入することを伴う。あるいは、例えば米国特許番号4,186,448(Brekkeら)、5,607,474(Athanasiouら)および5,716,413(Walterら)に開示されるように、インプラントは、多孔質で生体適合性を有する発泡体またはポリマー等の合成材料から成り得る。
【0003】
インプラントによる処置においては、多様な深さを有する欠損が呈されることがしばしばである。一旦欠損に挿入されたインプラントが、突出したり空洞を形成したりすることなく、周囲の組織の表面と同じ高さになるように合わせるためには、欠損の深さが測定され、インプラントの長さを欠損にはまるように適応させる必要がある。一般的に、欠損の正確な深さを測定するのは困難であり、したがって、正しい長さのインプラントを挿入することも困難である。
【0004】
現在のインプラントを挿入するための装置は、硬骨または軟骨の移植片であるか、合成材料であるかを問わず、欠損の深さを測定するのに不十分である。米国特許番号5,782,835(Hartら)には、縦軸に沿って内腔を有するシリンダーと、該内腔内で共軸の動作ができるように配置されるステムと、を備えた硬骨プラグ据えつけツールが教示されている。内腔内に配置される硬骨プラグは、ステムが該内腔を通過して前進させられる際に、欠損内に送出される。しかし、このツールは、欠損の深さを測定する、または欠損にはまるようにインプラントの長さを適応させるための手段を提供することはない。
【0005】
米国特許番号6,395,011(Johansonら)には、同様に、硬骨プラグを採取および移植するための、中空のシリンダー内に押し棒を備えた装置が教示されている。加えて、該装置は、移植の間に外科医が硬骨プラグを見ることをできるようにする半透明または透明の先端部を備えている。採取の後で硬骨プラグの長さを測定することを可能にしている点において、この装置は改善されているものの、やはり、欠損の深さを測定する手段を提供することはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
欠損の深さを測定するための手段を備えたインプラント送出装置がないために、硬骨および/または軟骨の欠損を埋めるための現在の方法には、欠損に詰めるための粒状のインプラント材料を使用すること、または、欠損の深さを測定するために分離したプラスチックまたは金属製の深さゲージを使用し、次いで挿入前にインプラントを切断すること、が含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要約)
本発明は、深さが不明の硬骨および/または軟骨の欠損へのインプラントの測定、サイジングおよび送出を可能にする、硬骨および/または軟骨のインプラント送出ツールを提供する。欠損は、硬骨および軟骨の損傷に限定されない。欠損は、健康な硬骨または軟骨の一部が移植のために除去された後に硬骨または軟骨の組織内に残る穴など、意図的につくり出し得る。意図的につくり出された欠損はまた、靭帯または腱の修復手術の間に自系または同種異系の移植片を挿入するためにつくり出された、硬骨または軟骨組織内の穴をも含む。本装置は、膝などの関節における骨軟骨の欠損の関節鏡検査による修復に有用であり、また、該装置が到達可能ないかなる硬骨または軟骨の欠損の処置にも好適である。さらに、該装置は、硬骨および軟骨の移植片と同様、合成のインプラントとの使用にも好適である。本明細書において、「インプラント」には、合成材料から作成されたインプラントと、硬骨および軟骨の移植片であるインプラントとが含まれる。
【0008】
本発明の送出装置は、近位端および遠位端を有する管状の外側シャフトと、縦軸に沿った内腔とを備える。本文脈において「近位」とは、下記のように、はじめに患者の体に最も近く配置され、欠損の深さを測定するのに使用される装置の端部をいう。「遠位」とは、はじめに患者の体から離れた方に配置され、インプラントを有するのに使用される装置の端部をいう。外側シャフトの内腔は、インプラントの直径、または、インプラントが非円柱状である場合はその外郭に適応できるような大きさにつくられる。
【0009】
円柱状の内側シャフトは、やはり近位端および遠位端を有し、外側シャフトの内腔内に配置され、内側シャフトの近位端は、欠損に挿入されるのに好適である。「欠損に挿入されるのに好適」とは、内側シャフトの近位端が、欠損を変形させたり組織の層に損傷を与えたりすることなく硬骨および/または軟骨の欠損内にはまるような大きさおよび形状を有することを意味する。本発明の1つの実施形態において、内側シャフトの近位端は、インプラントの大きさおよび形状と同様の大きさおよび形状を有する。内側シャフトは、外側シャフトとスライド可能に係合することができる直径を有する。「スライド可能に係合する」とは、内側シャフトが、外側シャフトの内腔内をスライドし得ることを意味する。内側シャフトは、中空でないか、あるいは中心部を貫いてカニューレを有し得る。
【0010】
送出装置は、内側シャフトの外側シャフトを通る動きを摩擦によって阻害する手段を有する。内側シャフトは、「摩擦部材」を有し得、これは本明細書において、外側シャフトの内面に接触するのに十分な大きさの直径を有する内側シャフトの一部と定義され、内腔内に締りばめを与える。摩擦部材は、付加的な摩擦を与えるために、ゴムまたはその他の材料でコーティングされ得る。外側シャフトおよび内側シャフトの表面もまた、摩擦で阻害される動作を提供するために変更され得る。例えば、外側シャフトの内面の一部が小さなビードを備え、内側シャフトの外面のそれに対応する一部が、小さな隆起部を備え得る。内側シャフトが外側シャフトを通って動かされる際、外側シャフトにある小さなビードが、内側シャフトにある隆起部に接触し、付加的な摩擦を与える。若しくは、外側シャフトの内面上の一部が、内側シャフトの外面上のそれに対応する一部に配置される隆起部または鋸歯状歯部と係合する、隆起部または鋸歯状歯部を備え得る。内側シャフトが外側シャフトを通って動かされる際、隆起部および/または鋸歯状歯部が互いに接触し、動作が制限される。内側シャフトが外側シャフトを通る不必要な動きを防ぐその他の手段には、内側シャフトおよび外側シャフトの表面に凹凸をつける、または内側シャフトおよび外側シャフトの表面を粘性の液体でコーティングする手段が含まれる。内側シャフトが外側シャフトの近位端から突き出さないように、内側シャフトが外側シャフト内に配置される場合は、外側シャフトの遠位端にインプラントが挿入されることにより、内側シャフトが近位端に向かって移動され、それによって、内側シャフトの一部が外側シャフトの近位端から突き出す。反対に、外側シャフトの遠位端内にインプラントが予め装填される場合は、内側シャフトが、外側シャフトの近位端に挿入され、内側シャフトの遠位端がインプラントに接触するまで、外側シャフトの遠位端に向かって前進される。この時点においては、インプラントは外側シャフトの遠位端を超えて伸びず、内側シャフトの一部が、外側シャフトの近位端から突き出す。
【0011】
インプラントの少なくとも一部が外側シャフトの遠位端に挿入された状態で、内側シャフトの近位端が、深さが不明の欠損に挿入される。内側シャフトの近位端が欠損の底部と接触すると、外側シャフトの近位端が、欠損を取り囲む組織の表面に接触するまで、外側シャフトが欠損に向かって前進される。外側シャフトに関連し、この動きが内側シャフトを遠位方向に前進させる。その結果、外側シャフトの近位端から突き出す内側シャフトの長さは、欠損の深さと等しくなる。加えて、この動きによって、外側シャフト内のインプラントが移動され、それにより、インプラントの一部が、外側シャフトの遠位端を超えて伸びる。
【0012】
インプラントの突出端部、すなわち、外側シャフトの遠位端から突出したインプラントの一部は、ナイフまたはその他の切断デバイスによって切断され得る。外側シャフトの遠位端内にある残りのインプラントの長さは、外側シャフトの近位端から突出した内側シャフトの長さと等しく、また、欠損の深さとも等しい。該装置の近位端が欠損から除去され、インプラントを有する該装置の遠位端が欠損の上に配置される。患者の体から一番遠くに位置する内側シャフトの近位端が、患者の体から一番近くに位置する外側シャフトの遠位端に向かって前進され、インプラントを欠損の中に押し込む。
【0013】
本発明の更なる実施形態は、周囲の組織に損傷を与えないための滑らかで丸くなった縁部を有する、該装置の近位端および遠位端を備える。装置は、医療等級プラスチックまたは金属を含むがこれらに限定されない、いかなる材料によっても構築され得るが、硬骨または軟骨の表面の引っかきを防ぐために、好ましくはプラスチックが使用される。更なる実施形態において、外側シャフトの外面に切り込まれた一連の細長い同心スロットが、装置をより容易に扱えるように、掴み面を提供する。
【0014】
本発明の更なる実施形態は、インプラントが見えるように、装置の外側シャフトの遠位端に、少なくとも1つのスロットまたは窓を備える。インプラントが送出装置内に配置される間に見ることができるものであれば、該スロットまたは窓はいかなる形状でもあり得る。また、該スロットまたは窓は、透明な材料で覆われ得る。
【0015】
本発明の更なる実施形態は、外側シャフトの遠位端に、先細りする複数のリーフを備える。外側シャフトの遠位端に、縦スロットが切り込まれ、対向するリーフが形成される。リーフは、縦スロット同士の間に位置する、外側シャフトの一部分である。リーフはわずかに内側に向かって先細りするように作成され得、インプラントへのわずかな加圧をつくり出し、インプラントの装置内における不必要な動作を防ぐ。
【0016】
本発明の更なる実施形態は、アイテムを装置に取り付けるための、外側シャフトの遠位端上の、スナップ−ビードの形体を備える。該スナップ−ビードの形体は、外側シャフトの遠位端の周囲をかこむ環状溝を備える。取り付け可能なアイテムは、この溝にはまる1つ以上の小さなビードまたはリムを有する。このような1つの取り付け可能なアイテムは、一時的にキャップとなって外側シャフトの遠位端を覆うようにはまり、インプラントが装置から偶発的に外れるのを防止する。
【0017】
本発明の更なる実施形態において、インプラントは、血液、濃縮血液、または細胞懸濁液などの生体活性液体と共に、欠損に送出される。インプラントがサイジングされ、欠損にはまるように切断されると、外側シャフトの遠位端の周囲を取り囲んでキャップが配置され、窓またはスロットを通じて生体活性液体が加えられる。加えて、液体を搭載するのに遠心機が使用され得、送出装置は、遠心機内で使用するのに好適なように作成され得る。すなわち、構造的に、インプラントに液体を搭載する際に、漏れたりインプラントに損傷を与えたりすることなく、遠心分離中の力に耐え得る。
【0018】
本発明はまた、インプラント送出装置の外側シャフトから突出したインプラントを受けるように適合させた穴を有する切断基部を有する切断装置をも備え得る。また、外側シャフトの遠位端から突出したインプラントの一部を切断するための、少なくとも1つの切断刃をも備え得る。切断基部内の穴に関し、「インプラントを受けるように適合させた」または「インプラントの突出端部を受けるように適合させた」とは、該穴が、インプラントの突出端部が通過するのに十分の大きさであるが、ある地点においては、外側シャフトの遠位端が穴を通過して更に進むのを防止するのに十分な小ささであることを意味する。インプラントの突出端部が通過するのは可能とするが、外側シャフトの遠位端が通過するのは可能としない穴の地点とは、インプラントが切断される地点である。この地点は、切断装置基部の上面または下面に沿って、あるいは切断装置基部内のいずれかの位置に配置され得る。
【0019】
インプラント切断装置の1つの実施形態は、インプラントの突出端部を受け入れるために貫かれた垂直穴および少なくとも1つの切断刃を受け入れるための手段を有する基部と、少なくとも1つの切断刃を受け入れるための該手段内をスライドし、インプラントの突出端部を切断するように適合させた少なくとも1つの切断刃と、を備える。「切断刃を受け入れるための手段」には、インプラントは通過して前進できるが外側シャフトはそうできない穴の地点において、切断刃が該穴と交差することを可能にする、切断装置基部を通過する水平スロット、または、基部の上面または下面に沿ったガイドが含まれる。装置は、複数の(2つまたはそれ以上の)切断刃を備え得る。
【0020】
本発明はまた、多数のインプラントの送出および配向を行うために、インプラント送出装置のシャフト内にインプラントを挿入するインプラントカプセル装填機をも備え得る。該カプセル装填機は、インプラント送出装置の外側シャフトの遠位端内にはまるように適合される、前端部および後端部を有する中空管を備える。該カプセル装填機はまた、該中空管内に配置され、管の後端部における開口部を覆う背板と、該中空管の外面に沿って配置され、該中空管の前端部において固定され、該中空管の後端部に向かって自由端を有する少なくとも1つの可撓性リーフレットと、をも備え得る。該可撓性リーフレットは、その自由端において、外側に向かって伸びるプロングを有し、該プロングは、シャフトの穴の中にはまるように適合される。
【0021】
インプラント送出装置およびインプラントカプセル装填機を説明するのに使用される「管」、「管状」および「円柱状」という用語は、くぼみ、起伏、平ら部、または段を除外するものではなく、あるいは形状を円筒状の円柱にのみ限定するものではない。管とは中空の導管であり、その断面は、円形である必要はなく、管の全長にわたって同一である必要もない。管の断面は、楕円形、六角形、八角形、または不規則な形を含むが、これらに限定されない、いかなる形状でもあり得る。
【0022】
本発明はまた、少なくとも1つのインプラント送出装置を有するキットをも含む。該キットは、インプラントおよびナイフまたは切断装置をも備え得る。該キットは、多様な大きさの欠損およびインプラントに対応できるように、内腔および内側シャフトの大きさがそれぞれ異なる数個のインプラント送出装置を備え得る。このキットの送出装置は、大きさによってそれぞれ色分けし得る。
【0023】
すなわち、本発明は以下を特徴とする。
【0024】
(項目1) 近位端および遠位端と、縦軸と、外側シャフトの縦軸に沿った内腔とを有する管状の外側シャフトと、
欠損に挿入するのに好適な遠位端および近位端を有する内側シャフトと、を備えた硬骨または軟骨のインプラント送出装置であって、該内側シャフトと外側シャフトとがスライド可能に係合するように、該内側シャフトが、該外側シャフトの該内腔内にはまるように適合される、装置。
【0025】
(項目2) 1つ以上の前記シャフトが、前記内側シャフトが前記外側シャフトを通過する動作を摩擦により阻害する手段を備えた、項目1に記載の装置。
【0026】
(項目3) 前記外側シャフトの前記遠位端内に配置されるインプラントをも備えた、項目1に記載の装置。
【0027】
(項目4) 前記内側シャフトがその中心部を貫くカニューレを有する、項目1に記載の装置。
【0028】
(項目5) 前記インプラントが見えるように、前記外側シャフトの前記遠位端に少なくとも1つのスロットをも備えた、項目3に記載の装置。
【0029】
(項目6) 前記外側シャフトの前記遠位端が先細りするリーフを備えた、項目1に記載の装置。
【0030】
(項目7) 前記外側シャフトの前記遠位端上に配置されるスナップ−ビード溝部を更に備えた、項目1に記載の装置。
【0031】
(項目8) 前記外側シャフトおよび前記内側シャフトの前記近位端および前記遠位端上に、滑らかで丸くなった表面を更に備えた、項目1に記載の装置。
【0032】
(項目9) 前記外側シャフトの内面の一部分が鋸歯状歯部を有し、これが前記内側シャフトの外面の対応する一部分上に位置する鋸歯状歯部と摩擦的に係合し得る、項目1に記載の装置。
【0033】
(項目10) 前記外側シャフトの内面の一部分が、その上に配置されるビードを有し、前記内側シャフトの外面の対応する一部分が、その上に配置される隆起部を有することによって、該内側シャフトが該外側シャフトを通過して遠位方向または近位方向に動かされる際、該ビードが該隆起部と摩擦によって係合する、項目1に記載の装置。
【0034】
(項目11) 項目1に記載のインプラント送出装置内に配置されるインプラントの突出端部を切断するためのインプラント切断装置であって、該インプラントの該突出端部を受けるためにそこに貫かれた垂直穴を有する基部を備えた、インプラント切断装置。
【0035】
(項目12) 前記インプラントの前記突出端部を受けるために適合された前記垂直穴が、前記シャフトの外径よりもわずかに大きな上部直径と、前記シャフトの外径よりも小さな下部直径と、を有する、項目11に記載のインプラント切断装置。
【0036】
(項目13) 少なくとも1つの切断刃を受けるための手段をも備えた、項目11に記載のインプラント切断装置。
【0037】
(項目14) 少なくとも1つの切断刃を受けるための前記手段内をスライドし、かつ前記インプラントの前記突出端部を切断するように適合された少なくとも1つの切断刃をも備えた、項目11に記載のインプラント切断装置。
【0038】
(項目15) 前記上部直径が前記下部直径と交わる地点において、前記少なくとも1つの切断刃が前記垂直穴と交差する、項目14に記載のインプラント切断装置。
【0039】
(項目16) 項目1に記載のインプラント送出装置の前記外側シャフト内にインプラントを挿入するためのインプラントカプセル装填機であって、前端部と、貫かれた開口部を有する後端部と、を有し、かつ該外側シャフトの前記遠位端内にはまるように適合された中空管を備えた、カプセル装填機。
【0040】
(項目17) 前記中空管内に配置されて、該管の前記後端部の前記開口部を覆う背板を備えた、項目16に記載のカプセル装填機。
【0041】
(項目18) 前記中空管の外面に沿って配置され、前記中空管の前記前端部において固定され、かつ前記中空管の前記後端部に向かって自由端を有する少なくとも1つの可撓性リーフレットをも備えた項目16に記載のカプセル装填機であって、該可撓性リーフレットが、該自由端において、外側に向かって伸びるプロングを有し、該プロングは、前記外側シャフトの穴の中にはまるように適合される、カプセル装填機。
【0042】
(項目19) 複数の可撓性リーフレットを備えた、請求項18に記載のカプセル装填機。
【0043】
(項目20) その中に配置されるインプラントを備えた、項目16に記載のカプセル装填機。
【0044】
(項目21) 中空の外側シャフトと、その中を動作可能に配置された内側シャフトと、を備えたインプラント送出装置と、
該外側シャフトから突出したインプラントを受けるための手段と、該突出部分を切断するための切断刃と、を有するインプラント切断装置と、を備えた、インプラント送出システム。
【0045】
(項目22) インプラントを有し、かつ前記中空のシャフトの端部にはまって取り付けられるように適合された中空管を有するインプラントカプセル装填機をも備えた、項目21に記載のインプラント送出システム。
【0046】
(項目23) インプラントをも備えた、項目22に記載のインプラント送出システム。
【0047】
(項目24) 項目1に記載のインプラント送出装置を使用して、深さが測定されていない組織内の欠損に硬骨または軟骨のインプラントを送出するための方法であって、
該インプラントが該搭載装置内に配置されている際は、前記内側シャフトの前記近位端が前記外側シャフトの前記近位端から突出し、前記インプラントの長さが、該内側シャフトの突出部分の長さと等しい、該搭載装置の前記遠位端に該インプラントを挿入する工程と、
該内側シャフトの該近位端が該欠損の底部に接触するまで、該内側シャフトの該近位端を該欠損内に挿入する工程と、
該外側シャフトの該近位端が、該欠損を取り囲む組織の表面に接触するまで、該外側シャフトを近位方向に前進させ、それにより該インプラントの一部が該外側シャフトの該遠位端を超えて伸びるようにする工程と、
該外側シャフトの該遠位端を超えて突出した該インプラントの一部を切断し、残りの部分を該外側シャフト内に配置させておく工程と、
該搭載装置の該遠位端を、該欠損を覆うように配置する工程と、
該内側シャフトを遠位方向に前進させて、切断後に残った該インプラントの一部を該欠損内に押し出す工程と、を備えた、方法。
【0048】
(項目25) 前記外側シャフトの前記遠位端を超えて突出した前記インプラントの一部が切断された後に、該外側シャフトの該遠位端を取り囲むようにキャップを配置することと、該外側シャフトの該遠位端に生体活性液体を加えることを更に備えた、項目24に記載の方法。
【0049】
(項目26) 少なくとも1つの硬骨または軟骨のインプラント送出装置を備えたキットであって、該インプラント送出装置が、
近位端および遠位端と、縦軸と、外側シャフトの縦軸に沿った内腔とを有する管状の外側シャフトと、
欠損に挿入するのに好適な遠位端および近位端を有する内側シャフトと、を備え、該内側シャフトと外側シャフトとがスライド可能に係合するように、該内側シャフトが、該外側シャフトの該内腔内にはまるように適合される、キット。
【0050】
(項目27) インプラントを更に備えた、項目26に記載のキット。
【0051】
(項目28) ナイフを更に備えた、項目26に記載のキット。
【0052】
(項目29) 各々が異なる大きさの内腔および内側シャフトを有する複数の硬骨または軟骨のインプラント送出装置を備えた、項目26に記載のキット。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、内側シャフトが外側シャフトの近位端から突出している、本発明のインプラント送出装置を示す。
【図2】図2は、本発明のインプラント送出装置の内側シャフトを示す。
【図3】図3は、本発明のインプラント送出装置の外側シャフトを示す。
【図4】図4は、図1のインプラント送出装置の断面図を示す。
【図5】図5は、外側シャフトの遠位端上に縦スロットおよびスナップ−ビードの形体を有し、内側シャフトが外側シャフトの近位端から突出している、本発明のインプラント送出装置を示す。
【図6】図6は、切断されていないインプラントが外側シャフトの遠位端内に配置された、図5のインプラント送出装置を示す。
【図7】図7Aは、インプラント送出装置の遠位端が垂直穴内に配置された、本発明の切断装置の側面断面図である。図7Bは、インプラント送出装置の遠位端を共に示す、切断装置の分解組立図である。
【図8】図8Aは、カニューレを備えた、図5のインプラント送出装置の内側シャフトの端面図である。図8Bは、隆起部を有する内側シャフトの側面図である。図8Cは、隆起部をより詳細に示した、図8Bの丸で囲んだ部分の拡大図である。図8Bおよび図8Cでは、カニューレが点線で示されている。
【図9】図9Aは、図5のインプラント送出装置における外側シャフトの端面図である。図9Bは、図9Aに示された外側シャフトの側面断面図である。図9Cは、外側シャフトの内面上にある摩擦ビードを示す、図9Bの丸で囲んだ部分の拡大図である。
【図10】図10Aは、2つの配列リブを備えた、図5のインプラント送出装置の内側シャフトが変形したものの端面図である。図10Bは、変形した内側シャフトの側面図である。図10Cは、内側シャフトの表面に沿った鋸歯状歯部を示す、図10Bの丸で囲んだ部分の拡大図である。図10Bおよび図10Cでは、カニューレが点線で示されている。
【図11】図11Aは、配列スロットを備えた、図5のインプラント送出装置の外側シャフトが変形したものの端面図である。図11Bは、変形した外側シャフトの側面断面図である。図11Cは、外側シャフトの内面上の鋸歯状歯部を示す、図11Bの丸で囲んだ部分の拡大図である。
【図12】図12Aは、インプラントを有するインプラントカプセル装填機の断面図である。該カプセル装填機は、図5のインプラント送出装置の外側シャフト内に配置される。図12Bは、本発明のインプラントカプセル装填機の外観図である。図12Cは、内側シャフトがカプセル装填機およびインプラント送出装置からインプラントを押し出した後の、送出装置の外側シャフトと共にある、カプセル装填機の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0054】
(発明の詳細な説明)
図1は、近位端34および遠位端32を有する本発明のインプラント送出装置30の1つの実施形態を示す。好ましい実施形態において、該送出装置30は、関節鏡検査での使用に適した長さ、すなわち、約6〜8インチの長さを有する。インプラント送出装置30は、縦軸に沿って内腔4を有する、中空で管状の外側シャフト1(図3にも示す)を備える。内腔4は、遠位端32から近位端34まで、外側シャフト1の全長にわたって伸びる。図9A〜9Cおよび図11A〜11Cも、内腔4を図示する。インプラントが送出装置30内にあるときにインプラントが見えるように(図1には示されていない)、外側シャフト1の遠位端32は、外側シャフト1を貫く1つ以上のスロット5を有し得る。スロット5は、インプラントが送出装置30内に配置される間に見えることを可能にするものであればいかなる形状でもあり得、透明な材料で覆われ得る。
【0055】
図1に示された送出装置30は、やはり近位端および遠位端を有する内側シャフト20を更に備える。内側シャフト20は、外側シャフト1内に配置され、内腔4中を近位方向および遠位方向に動き得る。図4は、外側シャフト1の内腔4内に内側シャフト20が配置された、送出装置30の断面を示す。図2および図4に示されるように、内側シャフト20は、外側シャフト1の内面に接触する摩擦部材12を有する。図8A〜8Cおよび図10A〜10Cに示されるように、内側シャフトは、必要に応じて、その中心部を貫いて小さなカニューレ3を備え得る。縫合などの手段によって欠損に取り付けられるガイドワイヤーが、カニューレ3を通され得る。
【0056】
図5は、本発明の別の実施形態を示し、送出装置30の遠位端32が、外側シャフト1の外側の周囲に配される小さな溝6を有する。この実施形態においては、アイテムが、外側シャフト1の遠位端32に取り付けられ得る。この場合、アイテムが、外側シャフト1の外径よりわずかに大きい直径を有することにより、外側シャフト1の遠位端32にかぶさるようにフィットし、溝6にカチッとはまる1つ以上のビードまたはリムを有することにより、取り付けられたアイテムの位置が固定される。
【0057】
図5はまた、外側シャフト1の遠位端32を貫いて切断され、リーフ9を形成する細長い縦スリット7を有する送出装置30を示す。リーフ9は、縦スリット7同士の間にある、外側シャフト1の一部分である。リーフ9は、わずかに内側に向かって先細りして、インプラントが装置30内にある間にわずかに加圧できるように(図に示されていない)作り得る。
【0058】
図6は、図5に示されたインプラント送出装置30において、外側シャフト1の遠位端32内にインプラント2が配置されたものを示す。この図においては、インプラント2の一部が外側シャフト1の遠位端32を超えて伸びており、切断が必要となる。
【0059】
図7Aおよび7Bは、角形基部25および切断刃22を備えた切断装置21の好ましい実施形態を示す。角形基部25は、上部直径27および下部直径28を有する、基部25の最上部から最下部までを貫いて伸びる、垂直円形穴29を有する。上部直径27は、装置30の外側シャフト1の外径よりもわずかに大きい。下部直径28は、外側シャフト1の外径よりもわずかに小さいが、図6に示されたインプラント2の直径よりもわずかに大きい。穴29内に、上部直径27が下部直径28と交わる肩部26が形成される。切断スロット24が、基部25の一方の側から水平に伸び、肩部26において穴29と垂直に交差する。切断スロット24の両側は、垂直方向に拡張してガイドスロット17を形成する。
【0060】
切断刃22は、鋭利な刃先23を備え、切断スロット24内にはめ込まれ、刃先23が完全に穴29を横切って前進するまで、切断スロット24を貫いて前進し得る。切断刃22は、刃先23に対向し、かつ平行に、刃先23よりも高さおよび幅のあるハンドル端部19を有する。ハンドル端部19は鋭利ではなく、手で保持するのに好適である。切断刃22はまた、刃先23と交差してそこからハンドル端部19まで伸びる、2つのガイド端部18をも有する。ガイド端部18は、刃先23よりも高さがあり、ガイドスロット17にはまり、切断刃22の切断スロット24内への安定した挿入を提供する。
【0061】
本発明の1つの実施形態におけるインプラント送出装置30を使用するために、内側シャフト20が、そのどの部分も外側シャフト1から突き出さないように、外側シャフト1の内腔4内に配置される。インプラント2は、合成インプラント、あるいは健康な硬骨または軟骨の移植片であり得、外側シャフト1の遠位端32内に挿入される。これにより、内腔4を貫いて近位端34に向かって内側シャフト20が押される。その結果、内側シャフト20の一部が、外側シャフト1の近位端34から突き出すことになる。外側シャフト1の近位端34から突出した内側シャフト20の該部分は、外側シャフト1の遠位端32内にあるインプラント2と同じ長さになる。
【0062】
外側シャフトの近位端34から突出した内側シャフト20の該部分は、次いで、欠損内に挿入される。内側シャフト20の近位端34が欠損の底部と接触するとき、内側シャフト20および欠損よりも大きな直径を有する外側シャフト1の近位端34が、欠損を取り囲む組織の表面と水平になり接触するまで、外側シャフト1が近位方向に前進される。この動作により、内側シャフト20が、内腔4を通って外側シャフト1の遠位端32に向かって押されて移動し、それにより、インプラント2の一部が、外側シャフト1の遠位端32を超えて伸びる。
【0063】
次に、インプラント2の突出端部、すなわち、外側シャフト1の遠位端32を超えて伸びたインプラント2の該部分が、切断される。1つの実施形態において、インプラント2を切断するためにナイフが使用される。別の実施形態においては、図7Aおよび7Bに示された切断装置21が使用される。切断装置21を使用するために、外側シャフト1が肩部26に接触するまで、外側シャフト1の遠位端32が、基部25内の垂直穴29を通して挿入される。肩部26は、外側シャフト1が穴29を通って更に前進するのを防ぐが、下部直径28が、内腔4の直径と同等であるか、もしくはわずかに大きいので、外側シャフト1の遠位端32を超えて伸びたインプラント2の該部分は、肩部26を超えて垂直穴29を通過する。切断刃22は、切断スロット24内に挿入され、刃先23が垂直穴29と水平に交差してインプラント2を切断するまで、前進される。切断装置21は、インプラントの突出した部分が切断された後に取り外される。
【0064】
装置30は、余分なインプラント材料が切断される前、またはそのすぐ後に、欠損から取り外し得る。一旦欠損から取り外されると、インプラント送出装置30は、その遠位端32が欠損に向かって配置されるように、180度転換される。外側シャフト1の遠位端32は、欠損を覆って配置される。内側シャフト20は、内腔4を通って遠位端32に向かって前進され、インプラント2の残りの部分を欠損に押し込む。欠損は、意図的につくるのであれば、インプラント2が欠損を完全にふさぐような直径を有するように作成される。
【0065】
切断装置21の別の実施形態(示されていない)は、外側シャフト1の外径よりもわずかに小さく、インプラント2の直径よりもわずかに大きい直径を有する、穴29を備える。この実施形態において、外側シャフト1の遠位端32を超えて伸びるインプラント2の一部は、穴29に挿入され得るが、外側シャフト1の遠位端32は、穴29に挿入され得ない。ガイドスロット17が、基部25の上面内に配置される。切断刃22のガイド端部18がガイドスロット17にはまり、刃先23が穴29の最上部においてインプラント2を切断するまで、切断刃22が基部25の上面に沿ってスライドできるようになっている。
【0066】
切断装置21の別の実施形態(示されていない)は、基部25の底面に達するまで、外側シャフト1の外径よりもわずかに大きな直径を有する、穴29を備える。基部25の底面において、穴29は、外側シャフト1の外径よりもわずかに小さいが、インプラント2の直径よりもわずかに大きな直径を有する。この実施形態において、外側シャフト1の遠位端32を超えて伸びるインプラント2の一部は、穴29の最下部を通って出ることができるが、外側シャフト1の遠位端32はそれができない。ガイドスロット17が、基部25の底面内に配置される。切断刃22のガイド端部18がガイドスロット17にはまり、刃先23が穴29の最下部においてインプラント2を切断するまで、切断刃22が基部25の底面に沿ってスライドできるようになっている。
【0067】
図8A〜8Cは、内側シャフト20の一部が隆起部15を備えた、本発明の実施形態を示す。隆起部15は、内側シャフト20の外面の一部の周りに突起したリングである。図9A〜9Cに示されるように、この実施形態においては、摩擦ビード16もまた、外側シャフト1の内面の対応する部分上に配置される。摩擦ビード16は、周囲の外側シャフト1の内面よりも高く隆起させる。内側シャフト20が外側シャフト1の内腔4を通って近位および遠位方向に動く間、摩擦ビード16は隆起部15と係合し、内側シャフト20が内腔4を通って前進し続けるためには、余分な力が必要となる。「係合する」とは、外側シャフト1の内面上の摩擦ビード16、または下記の鋸歯状歯部45が、内側シャフト20上の隆起部15、または下記の鋸歯状歯部46に物理的に接触して、内側シャフト20の内腔4を通る動きに対して余分な抵抗を与えることを意味する。
【0068】
図10A〜10Cは、内側シャフト20の外面が、その全長に沿って少なくとも1つの配列リブ41を備えた、本発明の別の実施形態を示す。図10Aに示されるように、配列リブ41は、内側シャフト20の外面の一部であり、周囲の表面よりも高く隆起される。鋸歯状歯部46が、配列リブ41の一部から伸びる。
【0069】
この実施形態においてはまた、図11A〜11Cに示されるように、外側シャフト1が、その内面に切り込まれた少なくとも1つの配列スロット40を有する。内側シャフト20の配列リブ41が外側シャフト1の内面の配列スロット40にはまるように、配列スロット40の深さ、位置および数は、内側シャフト20上の配列リブ41の高さ、位置および数に対応する。鋸歯状歯部45が、配列スロット40の一部から伸びる。鋸歯状歯部45を備えた配列スロット40の一部は、鋸歯状歯部46を備えた配列リブ41の一部に対応する。
【0070】
この実施形態において、配列リブ41が配列スロット40と一線上にそろったときに、内側シャフト20が、外側シャフト1の内腔4にはまる。内側シャフト20が、外側シャフト1の内腔4を通って近位方向および遠位方向に動く間、配列リブ41に沿った鋸歯状歯部46が、配列スロット40に沿った鋸歯状歯部45に接触して係合し、不要な動きを防ぐ。
【0071】
図12A〜12Cは、インプラント送出装置30と共に使用され得るカプセル装填機50を示す。カプセル装填機50は、外側シャフト1の内径よりもわずかに小さな外径を有する中空の管であり、それによりカプセル装填機50が、外側シャフト1の遠位端32において、内腔4内にはまることが可能である。必要に応じて、外側シャフト1の内径を内腔4に沿って減じ、内部肩部57を作成し得る。カプセル装填機50の外径は、外側シャフト1に挿入される際に、カプセル装填機50が内部肩部57と接触し、内腔4を通過して更に近位方向に前進するのが防がれるのに十分な大きさである。カプセル装填機50が内部肩部57に接触する際に、カプセル装填機50の前端部58が外側シャフト1の遠位端32とぴったり合うように、内部肩部57は、好ましくは、カプセル装填機50の長さに等しい距離で、外側シャフト1の遠位端32から近位方向に配置される。
【0072】
カプセル装填機50は、内側シャフト20の直径わずかに大きな内径を有する。カプセル装填機50の内径はまた、インプラント2よりもわずかに大きく、それによりインプラント2がカプセル装填機50内に配置され得る。カプセル装填機50の後端部56は、そこを貫通する丸い穴(「開口部」とも称する)を有し、その直径は、カプセル装填機50の残りの部分よりもわずかに小さいが、内側シャフト20の遠位端32の直径よりもわずかに大きく、それにより、内側シャフト20は、カプセル装填機50を通過することが可能となる。必要に応じて、内側シャフト20の遠位端32から近位方向のある地点において、好ましくは、内側シャフト20の遠位端32から、カプセル装填機50の長さに等しい距離において、内側シャフト20の直径を大きくして、肩部59を形成する。肩部59において大きくされた内側シャフト20の直径は、外側シャフト1の内径よりもまだ小さいが、カプセル装填機50の後端部56の直径よりも大きい。外側シャフト1内を遠位方向に前進させる際、図12Cに示されるように、肩部59がカプセル装填機50の後端部56に接触するまで、内側シャフト20がカプセル装填機50内を通過する。
【0073】
カプセル装填機50は背板55を備え、その直径はカプセル装填機50の内径よりもわずかに小さく、それによりカプセル装填機50内を通過して近位および遠位方向に動くことが可能である。背板55は、カプセル装填機50の後端部56よりも大きな直径を有する。インプラント2がカプセル装填機50内に配置される際、背板55は、インプラント2とカプセル装填機50の後端部56との間にある。
【0074】
カプセル装填機50はまた、少なくとも1つの可撓性リーフレット51を有する。可撓性リーフレット51は、カプセル装填機50の外面上の突起部であり、その縦軸に沿って伸びる。可撓性リーフレット51は、内側に押され得るが、内側への圧力が解除されると、元の位置に戻る。可撓性リーフレットの端部には、カプセル装填機50から外側に向かって伸びるプロング52がある。可撓性リーフレットが内側に押されないときは、プロング52が内腔4内にはまらないため、カプセル装填機50は外側シャフト1に挿入され得ない。可撓性リーフレット51が内側に押されると、プロング52が外側シャフト1の内腔4内にはまり、カプセル装填機50が挿入され得る。
【0075】
カプセル装填機50の使用と関連して、外側シャフト1を貫いて切り込まれる、少なくとも1つのプロング穴53が与えられる。プロング52がプロング穴53を通ってはまり得るように、プロング穴53の寸法は、プロング52よりもわずかに大きい。カプセル装填機50が外側シャフト1に挿入され、前端部58が外側シャフト1の遠位端32とぴったり合うときに、プロング52がプロング穴53の位置とそろうように、プロング穴53は、好ましくは、外側シャフト1の遠位端32から、ある距離を置いて与えられる。
【0076】
カプセル装填機50をインプラント送出装置30と共に使用するために、カプセル装填機50の後端部56が、カプセル装填機50内に既に配置されたインプラント2と共に、外側シャフト1の遠位端32に挿入される。カプセル装填機50が内腔4に挿入されるように、可撓性リーフレット51は内側に押される必要がある。一旦カプセル装填機50が外側シャフト1に挿入され、内側への圧力が解除されると、可撓性リーフレット51は、外側シャフト1の内面に対して、外側への圧力を加える。可撓性リーフレット51の端部にあるプロング52が外側シャフト1のプロング穴53の位置とそろうと、可撓性リーフレット51により加えられる外側への圧力により、プロング52が動かされてプロング穴53に入る。プロング52がプロング穴53内にある間は、カプセル装填機50の不必要な動きが防がれる。加えて、カプセル装填機50が内腔4を通って更に近位方向に動くことが、内部肩部57によって防がれ得る。
【0077】
内側シャフト20の遠位端32の直径は、カプセル装填機50の後端部56における穴の直径よりもわずかに小さいので、内側シャフト20の遠位端32は、後端部56を通過し、次いでカプセル装填機50を通って遠位方向に前進され得る。カプセル装填機50を通って遠位方向に前進する間、内側シャフト20は、背板55に接触し、カプセル装填機50を通って遠位方向に背板55およびインプラント2を押す。内側シャフト20の連続する遠位方向への動きにより、インプラント2が、カプセル装填機50の前端部58を通過し、およびインプラント送出装置30の外側シャフト1の遠位端32を通過して押し出される。内側シャフト20の肩部59がカプセル装填機50の後端部56に接触すると、内側シャフト20は、カプセル装填機50を通って更に遠位方向に前進され得ない。
【0078】
インプラント2が押し出された後、プロング52を内側に押してプロング穴53を通し、同時に内側シャフト20を遠位端32に向かって押すことにより、カプセル装填機50が送出装置30から取り外される。プロング52がプロング穴53から押し出され、内側シャフト20の肩部59が、カプセル装填機50の後端部56を押す。プロング52が、もうカプセル装填機50を所定の位置に保持しないので、カプセル装填機50は、外側シャフト1の遠位端32を通って外に押し出される。
【0079】
本発明は、一定の好ましい実施形態を用いて説明されてきたが、先の説明は、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことが理解される。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、特定の実施形態によって示された本発明に対し、様々な同等のものおよび変形したものがなし得ることが、当業者によって理解されるであろう。
【符号の説明】
【0080】
1 外側シャフト
4 内腔
5 スロット
20 内側シャフト
30 インプラント送出装置
32 遠位端
34 近位端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端および遠位端と、縦軸と、外側シャフトの縦軸に沿った内腔とを有する管状の外側シャフトと、
遠位端および近位端を有し、該近位端は欠損に挿入されるのに好適である内側シャフトと、
を備えた硬骨または軟骨のインプラント送出装置であって、
該内側シャフトと外側シャフトとがスライド可能に係合するように、該内側シャフトが、該外側シャフトの該内腔内にはまるように適合され、
該内側シャフトが、該内側シャフトの外側表面の部分の周りに摩擦部材を備え、該摩擦部材はリング状である、装置。
【請求項2】
明細書に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−119860(P2010−119860A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−9294(P2010−9294)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【分割の表示】特願2006−503821(P2006−503821)の分割
【原出願日】平成16年2月23日(2004.2.23)
【出願人】(505316358)オステオバイオロジックス, インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】