説明

磁性キレート材料

【課題】産業廃水、河川水、地下水から、磁気分離技術を使うことにより簡単かつ安全に効率よく、金属イオンを捕集、除去、濃縮、回収することが可能であり、製造における環境上の問題が小さく、高い金属イオン捕集能力と吸脱着繰り返し性を備えた磁性キレート材料を提供することにある。
【解決手段】金属イオンに対するキレート基を有し、レーザー回折・散乱法による累積50%の平均粒子径をD50、下からの累積20%の粒子径をD20とするとき、D50が80〜500μmであり、かつ(D50×0.3−20)<D20<(D50×0.3+20)である磁性キレート材料を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部磁場の働きにより容易に分散と凝集の制御が可能であり、水中や有機溶媒中に含まれる微量の金属イオンを回収するために用いることができる分離機能性材料として使用できる磁性キレート材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
産業廃水には様々な有害金属イオンが含まれていることがあり、環境汚染防止の観点から、これらは廃水処理によって十分に除去される必要がある。また、河川水や地下水中に含まれる様々な成分の中には、人体に悪影響を及ぼすものがあり、河川水や地下水を利用するにあたっては十分に配慮しなければならない。一方、産業廃水中には、回収すべき有用金属イオンが含まれていることもあり、資源有効活用の観点から、これらを効率よく回収することも必要である。
【0003】
有害金属イオンを除去するために最もよく用いられている方法は、高分子凝集剤とキレート剤により有害金属イオンを沈殿させる沈殿法である。生成する沈殿物は、排水から分離され、主に埋め立て処理されているが、埋め立て場所の確保や埋め立て場所からの漏出といった新たな問題を引き起こしている。一方、有用金属イオンの回収をこの沈殿法で実施しようとすると、沈殿物の分離後に有用金属イオンと沈殿形成のために用いた薬剤を分離する必要がある。この作業のためには、強酸や強塩基が必要となり、さらに沈殿形成のために用いた薬剤に由来する新たな廃棄物が生じることから、コスト的にも、また、環境的にも好ましくない。金属イオンを捕集するキレート基を導入したフィルター類による処理も提案されているが、比較的短時間で流量が低下しやすく、また、逆洗によっても性能が回復しにくいという問題がある。
【0004】
別の方法として、長鎖アルキル基を持つスルフィド類のような抽出剤を用いて、有機溶媒中に金属イオンを抽出する方法がある。この方法は、特殊な溶媒を必要とする上に、pH調整などの適正条件を選択するための煩雑な操作を伴うという欠点がある。加えて、抽出後の水相に溶媒が液滴の形で取り込まれたり、溶解したりするため、新たな環境汚染を引き起こすという問題がある。さらに別の方法としては、イオン交換樹脂やキレート樹脂が提案され、広く使用されている。これらの樹脂は、いずれも直径0.5mm前後のビーズ状であるため、充填塔方式による使用形態が取られ、加圧送水のための設備が必要である。処理量が増すに従い、目詰まりなど流量の低下が頻繁に起こり、その都度逆洗を実施する必要が出てくる。吸着性能は樹脂の充填量や通水流速に依存しており、吸着性能を上げるために流速を小さくすると処理液量が少なくなり、樹脂充填量を増やすと経済的でないというジレンマを抱えている。樹脂粒子内部へのイオンの拡散速度が小さいという問題点もある。これらの樹脂が、ジビニルベンゼンなどの架橋剤によって剛直な三次元構造を有しているためである。拡散速度が遅いため、樹脂を再生する際にも長い時間がかかるだけでなく、大量の再生廃水が生じるという事態にも至っている。
【0005】
イオン交換樹脂やキレート樹脂に代わる材料として、繊維を基材とするイオン交換体やキレート交換体が提案され、商品化されている。これらは、繊維の比表面積が大きく、かつ、繊維表面にイオン交換基やキレート基が導入されているため、イオン交換樹脂やキレート樹脂に比べて、吸着速度が大きくなるという利点を有している。しかしながら、繊維を基材とするイオン交換体やキレート交換体といえども、商品化にあたっては、充填塔方式による使用形態が主流であり、送水のための設備が必要である。これらは、また、イオン交換樹脂やキレート樹脂に比べると、充填塔への装入や外部への排出に際して、流れ方向下流側に圧密された状態を形成しやすく、移送性が悪いという問題を抱えている。
【0006】
こういった問題を解決する方法として、磁性を有するイオン交換体やキレート交換体と磁気分離技術を併用する提案がなされている(例えば、特許文献1〜3参照)。特許文献1においては、磁性酸化鉄をポリアクリルアミドやポリビニルアルコール等のグラフト処理を施しうる重合体マトリックスに包み、重合性モノマーをグラフトすることにより、その周りに重合体殻を形成させたものを用いている。重合性モノマーとしてアクリル酸やアクリルアミドを用い、イオン交換能を発現させている。イオン交換を行った後再生する工程では酸性条件にさらされることになるが、親水性の重合体マトリックスに磁性酸化鉄を包み、その周りにグラフト鎖を導入しているだけの構造なので、高い耐酸性は期待できない。
【0007】
この耐酸性を改良する技術が特許文献2に開示されている。具体的には、キレート官能性基を有するフェノール類、キレート官能性基を有しないフェノール類、及びアルデヒド類の初期縮合物に、ストロンチウムフェライトまたはバリウムフェライトを分散させ、有機溶媒中にて懸濁状態で重縮合反応を完結させることにより得られる磁性キレート樹脂である。銅イオンの吸着と、2規定硫酸による脱着を500回繰り返して、ほとんど磁性体の減量がないとしている。しかしながら、実用レベルにおいては、大量の処理液から金属イオン除去を行い、さらに再生工程を繰り返すため、極めて長時間にわたって強い酸性条件下に置かれることになり、一層の耐酸性向上が必要である。また、この発明の磁性キレート樹脂を製造するにあたっては、パークロロエチレンに代表されるハロゲン化脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素等の有機溶媒を大量に使用することが必要であり、製造における環境上の問題が極めて大きい。
【0008】
製造における環境上の問題を低減した磁性キレート粒子が、特許文献3に開示されている。スチレンを主体として、グリシジルメタクリレート等の活性基を有するモノマーとマグネタイトから、水系溶媒における懸濁重合により磁性粒子を得て、この活性基にさらに金属に対するキレート基を有する化合物を反応させている。本発明における検討によれば、この磁性粒子においては表面近傍に存在する活性基の密度が低く、従って得られる磁性キレート粒子の金属イオン捕集能力もまた低いものである。さらに、この磁性粒子を用いて金属イオンの吸着と酸による脱着を繰り返して行うと、数回というごく短いサイクルで磁性キレート粒子が分解してしまい、吸着能が大幅に低下するという問題点が見いだされ、全く実用に耐えないことがわかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭52−108189号公報
【特許文献2】特開平02−241548号公報
【特許文献3】特開2003−275758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような事情に着目してなされたものであって、その課題とするところは、産業廃水、河川水、地下水から、磁気分離技術を使うことにより、簡単かつ安全に効率よく、金属イオンを捕集、除去、濃縮、回収することが可能であり、製造における環境上の問題が小さく、高い金属イオン捕集能力と吸脱着繰り返し性を備えた磁性キレート材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を鋭意研究し、金属イオンに対するキレート基を有し、レーザー回折・散乱法による累積50%の平均粒子径をD50、下からの累積20%の粒子径をD20とするとき、D50が80〜500μmであり、かつ(D50×0.3−20)<D20<(D50×0.3+20)である磁性キレート材料が前記課題の解決に極めて有効なことを見いだして、本発明に到達した。さらに、磁性キレート材料が、ストロンチウムフェライトまたはバリウムフェライトを含有してなる疎水性樹脂粒子を活性基含有モノマーの重合膜で被覆し、次いで金属イオンに対するキレート基を有する化合物と該活性基との反応によりキレート基を導入することによって製造されているもの、あるいは、磁性キレート材料が、ストロンチウムフェライトまたはバリウムフェライトを活性基含有モノマーの重合膜で被覆し、次いで金属イオンに対するキレート基を有する化合物と該活性基との反応によりキレート基を導入することによって製造されているものが好ましいことを見いだした。
【発明の効果】
【0012】
本発明の磁性キレート材料は、処理すべき水に分散させた後、磁気分離により容易に回収することができる。また、金属イオンの捕集において有機溶媒を使用することもない。従って、本発明の磁性キレート材料を用いることにより、産業廃水、河川水、地下水から、金属イオンを簡単かつ安全に効率よく、捕集、除去、濃縮、回収することができる。本発明の磁性キレート材料は、特殊な溶媒を使うことなく製造することができるので、環境上の問題が小さい。また、金属イオン捕集能力が高く、安定的に吸脱着操作を繰り返して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例6の磁性キレート材料のレーザー回折・散乱法による粒度分布を示す。
【図2】比較例2の磁性キレート材料のレーザー回折・散乱法による粒度分布を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の磁性キレート材料は、金属イオンに対するキレート基を有し、レーザー回折・散乱法による累積50%の平均粒子径をD50、下からの累積20%の粒子径をD20とするとき、D50が80〜500μmであり、かつ(D50×0.3−20)<D20<(D50×0.3+20)であることを特徴としている。測定にはマイクロトラック(登録商標)MT3300EX(日機装(株)製)を使用し、分散媒である水の屈折率を1.33、被測定物の屈折率を1.81として測定した。本発明における検討によれば、金属イオンに対するキレート基を有する磁性キレート材料を用いて金属イオンの吸脱着操作を繰り返すとき、その粒径が小さすぎる場合には、キレート材料が分解してしまい、吸着能力を失ってしまうこと、及び、粒径が大きすぎる場合には、金属イオン吸着能力が小さくなってしまい、実用に耐えないことが判明した。この問題に対して、磁性キレート材料の平均粒子径と粒度分布を詳細に検討した結果、累積50%の平均粒子径D50が80〜500μm、好ましくは100〜200μm、より好ましくは100〜150μmであり、かつ下からの累積20%の粒子径をD20とするとき、(D50×0.3−20)<D20<(D50×0.3+20)であること、好ましくは(D50×0.3−10)<D20<(D50×0.3+20)であること、より好ましくは(D50×0.3)<D20<(D50×0.3+20)であることにより、吸脱着操作を繰り返しても、安定した高吸着能力を維持できることがわかった。D50が80μmを下回る場合、あるいは、累積20%の粒子径D20が(D50×0.3−20)以下の場合には、吸脱着操作を繰り返すと、金属イオンの吸着能力が著しく悪化する。D50が500μmを超える場合、あるいは、累積20%の粒子径D20が(D50×0.3+20)以上の場合には、磁性キレート材料の単位質量あたりの金属イオン吸着能力が小さくなってくるので好ましくない。
【0015】
本発明の磁性キレート材料は、好ましくは、ストロンチウムフェライトまたはバリウムフェライトを含有してなる疎水性樹脂粒子を活性基含有モノマーの重合膜で被覆することにより得られた粒子、あるいは、ストロンチウムフェライトまたはバリウムフェライトを活性基含有モノマーの重合膜で被覆することにより得られた粒子に、金属イオンに対するキレート基を有する化合物を反応させることによって製造される。
【0016】
疎水性樹脂粒子は、ストロンチウムフェライトまたはバリウムフェライトを、重合開始剤を溶解した疎水性モノマーに分散させ、このモノマーを分散剤含有の水の中に油滴として分散させた分散系で重合を進行させる懸濁重合法によって製造する方法が、特殊な装置を必要とせず、水を主体とする溶媒中で実施できるので有利である。疎水性樹脂粒子を活性基含有モノマーの重合膜で被覆する方法、あるいは、ストロンチウムフェライトまたはバリウムフェライトを活性基含有モノマーの重合膜で被覆する方法としても、懸濁重合法を用いるのが、同様の理由により有利である。本発明で見いだしたD50が80〜500μmであり、かつ下からの累積20%の粒子径をD20とするとき、(D50×0.3−20)<D20<(D50×0.3+20)である磁性キレート材料を得るためには、粒子形成反応における重合前の分散状態の油滴径を制御することが最も重要である。油滴径の制御には種々の方法があり、分散に用いる分散剤の種類や濃度により、あるいは、攪拌力の強弱により制御する方法がよく用いられる。
【0017】
分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム等を挙げることができる。分散に用いる攪拌方法としては、ホモミキサーのような乳化機を用いる方法、攪拌翼による攪拌を用いる方法等が挙げられる。これらの中では、攪拌翼による攪拌を用いる方法がよい。攪拌翼としては例えば、ファンタービン翼、ファウドラー翼、パドル翼、タービン翼等を挙げることができる。攪拌翼の回転速度は、反応液量や翼の大きさ等に合わせて、目的とする平均粒子径及び粒度分布が得られるように設定すればよく、また、その回転方向や回転速度を変化させてもよい。
【0018】
ストロンチウムフェライトまたはバリウムフェライトの粒径は0.1〜2μmが好ましい。0.1μm未満では、取り扱いに困難が生じることがあり、2μmを超えると、分散性が低下してくる場合がある。なお、この粒径は、マイクロトラック(登録商標)MT3300EX(日機装(株)製)を使用し、分散媒である水の屈折率を1.33、被測定物の屈折率を2.42として測定して求めた。
【0019】
ストロンチウムフェライトまたはバリウムフェライトを疎水性樹脂粒子中に含める場合の配合量は、10〜70質量%が好ましい。10質量%未満では磁気に対する感応性が小さくなる場合があり、70質量%を超えると、次の懸濁重合工程に悪影響が出る場合がある。
【0020】
ストロンチウムフェライトまたはバリウムフェライトを活性基含有モノマーの重合膜で被覆する場合の配合量は、5〜60質量%が好ましい。5質量%未満では磁気に対する感応性が小さくなる場合があり、60質量%を超えると、被覆が不十分となる場合がある。
【0021】
ストロンチウムフェライトまたはバリウムフェライトから疎水性樹脂粒子を製造する際、あるいは、ストロンチウムフェライトまたはバリウムフェライトを活性基含有モノマーの重合膜で被覆する場合には、ストロンチウムフェライトまたはバリウムフェライトがモノマーに良好に分散することが好ましい。そのため、これらストロンチウムフェライトまたはバリウムフェライトの表面は親油化処理されていることが好ましい。親油化処理の方法としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などの表面処理剤により処理する方法、脂肪酸塩などを吸着させる方法などがあるが、特に限定されるものではない。
【0022】
ここで、疎水性樹脂とは、疎水性モノマーが51質量%以上含まれる組成物が重合された樹脂をいう。疎水性モノマーとは、25℃におけるイオン交換水に対する溶解度が1質量%未満のモノマーである。疎水性モノマーの具体例としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン及びクロロメチルスチレンなどのスチレン系モノマー、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、デシルアクリレート及びドデシルアクリレートなどのアクリル酸エステル類、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、デシルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル類などが挙げられる。上記の疎水性モノマーは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明における検討によれば、最終的に得られる磁性キレート材料の耐酸性が高くなることから、疎水性モノマーとしてはスチレンが含まれていることが好ましい。
【0023】
疎水性樹脂粒子の機械的強度向上のため、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等の多官能性モノマーを併用してもよい。
【0024】
疎水性樹脂粒子は、ストロンチウムフェライトまたはバリウムフェライトを、重合開始剤を溶解した疎水性モノマーに分散させ、このモノマーを分散剤含有の水の中に油滴として分散させた分散系で重合を進行させる懸濁重合法により得られる。重合開始剤は水不溶または難溶のものが好ましい。具体的には例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、2,2′−アゾビス−(2−メチルブタンニトリル)、1,1′−アゾビス−(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)等のアゾ系開始剤や、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、t−ブチルペルオクテート、α−クミルペルオキシピバレート等の過酸化物系開始剤が挙げられる。また、重合を進める温度は使用する重合開始剤の種類により定めればよい。例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリルや過酸化ベンゾイル等では60℃以上の温度が適合する。
【0025】
ストロンチウムフェライトまたはバリウムフェライトを含む疎水性樹脂粒子は、次いで活性基を有するモノマーの重合膜で被覆される。活性基とは、金属に対するキレート基を導入するための基であり、具体的にはエポキシ基、ビニル基、カルボキシル基、エステル基、ヒドロキシル基、アミノ基、ハロゲン原子などを挙げることができる。これらの活性基の中では、金属に対するキレート基を有する化合物との反応性に優れるとともに、活性基自体の安定性が比較的良好であるエポキシ基が好ましい。
【0026】
活性基を有するモノマーの具体例としては、エポキシ基含有化合物としてはグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルなど、ビニル基含有化合物としてはジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレートなど、カルボキシル基含有化合物としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸など、エステル基含有化合物としてはメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレートなど、ヒドロキシル基含有化合物としては2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレートなど、アミノ基含有化合物としてはアミノメチルアクリレート、アミノメチルメタクリレート、アミノエチルアクリレート、アミノエチルメタクリレート、ビニルピリジンなど、ハロゲン原子含有化合物としてはクロロメチルスチレンなどを挙げることができる。これら活性基を有するモノマーは単独で用いてもよいが、2種以上組み合わせて用いても良い。本発明者らにおける検討によれば、活性基を有するモノマーとしてはグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートが好ましい。また架橋剤として、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等の多官能性モノマーを併用してもよい。
【0027】
活性基を有するモノマーの重合膜により、ストロンチウムフェライトまたはバリウムフェライトを含む疎水性樹脂粒子を被覆する方法としては、活性基を有するモノマーに重合開始剤を溶解させ、ここに疎水性樹脂粒子を分散させたものを、分散剤含有の水の中に油滴として分散させた分散系で重合を進行させる懸濁重合法によって製造する方法が好ましい。活性基含有モノマーの重合膜の厚みは、疎水性樹脂粒子に対するモノマーの仕込み比率によって制御され、質量比で疎水性樹脂粒子1質量部に対してモノマーを0.5〜10質量部の範囲とすることが好ましい。0.5質量部未満では、重合膜が薄くなり、機械的な強度が不足して磁性キレート材料から重合膜が剥がれてくる場合がある。10質量部を超えると、磁気に対する感応性が小さくなる場合がある。また、ストロンチウムフェライトまたはバリウムフェライトを活性基含有モノマーの重合膜で被覆する方法としては、活性基を有するモノマーに重合開始剤を溶解させ、ここにストロンチウムフェライトまたはバリウムフェライトを分散させたものを、分散剤含有の水の中に油滴として分散させた分散系で重合を進行させる懸濁重合法によって製造する方法が好ましい。
【0028】
重合開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、2,2′−アゾビス−(2−メチルブタンニトリル)、1,1′−アゾビス−(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、アゾビスシアノバレリアン酸、アゾビスシアノペンタン酸等のアゾ系開始剤や、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、t−ブチルペルオクテート、α−クミルペルオキシピバレート、過酸化水素等の過酸化物系開始剤が挙げられる。また、重合を進める温度は使用する重合開始剤の種類により定めればよい。例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリルや過酸化ベンゾイル等では60℃以上の温度が適合する。
【0029】
金属に対するキレート基を有する化合物の具体例としては、イミノジ酢酸、アミノメチルホスホン酸、ニトリロトリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、1,3−プロパンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、イミノジエタノール等を挙げることができる。また、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン等の多価アミン類、フェニルアラニン、リジン、ロイシン、バリン、プロリン等のアミノ酸類、グルカミン、N−メチルグルカミン等の糖類、3,6,10,13−テトラチアシクロテトラデカ−1−オキシ酢酸、2−(3,6,10,13−テトラチアシクロテトラセク−1−オキシ)ヘキサン酸、ジアザ−18−クラウン−6−エーテル等のクラウンエーテル類等を挙げることができる。
【0030】
金属に対するキレート基を有する化合物と活性基との反応を行わせる条件について、特に制限はなく、それらの組み合わせに応じて必要な反応条件を用いればよい。例えば、イミノジ酢酸、ジエチレントリアミン、N−メチルグルカミンのようなアミノ基を有する化合物の場合、エポキシ基、エステル基、ハロゲン原子等に対しては、必要に応じて、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の塩基を併用して加熱することにより導入することができる。反応溶媒としては、水が好ましく、必要に応じてメタノールやエタノール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の助溶媒を併用することができる。磁性キレート材料に導入されるキレート基の量は、キレート吸着される金属量から間接的に求められ、磁性キレート材料1gあたり0.5mmol〜2.5mmolとすることが好ましい。0.5mmol未満では吸着処理に多量の磁性キレート材料が必要になることがある。2.5mmolを超えるキレート基を導入するためには、活性基を有するモノマーを大量に使用する必要があり、磁気に対する感応性が小さくなる場合がある。
【0031】
本発明による磁性キレート材料を使用することで、産業廃水、河川水、地下水から、簡単かつ安全に効率よく、金属イオンを捕集、除去、濃縮、回収することが可能となる。キレート磁性体粒子の金属イオン吸着性能に及ぼす因子は、金属イオンの種類や濃度、共存イオンの種類や濃度、処理水のpH、処理水中での磁性キレート材料の懸濁状態等いくつかある。このうち、処理水のpH制御は重要な要素であり、磁性キレート材料に導入されているキレート基の特性に応じて、吸着に最適なpHに調整する必要がある。例えば、イミノジ酢酸型の磁性キレート材料の場合、回収すべき金属がHgのときにはpH2以上、Ni、Co、Zn、Pb等の金属の場合にはpH5以上とするのが好ましい。
【0032】
処理水に本発明による磁性キレート材料を添加して金属キレートを形成させる際には、磁性キレート材料が処理水中に均一に懸濁されている必要がある。槽式の処理設備の場合、磁性キレート材料を被処理水に添加し、攪拌羽根で攪拌する方法、エアレーションなど曝気による方法、電磁石制御により磁性体粒子を攪拌する方法などを例示することができる。次いで、本発明による磁性キレート材料は、永久磁石、電磁石、超電導磁石によって短時間に集磁され、処理水から分離された後、少量の水系媒体に再分散される。吸着した金属イオンは、系のpHを低下させることにより脱着され、金属イオンが脱着された磁性キレート材料は、必要に応じ塩酸、硫酸などの酸で洗浄し、次いで希水酸化ナトリウムなどのアルカリで再生され、再使用することが可能となる。
【実施例】
【0033】
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものでない。なお、実施例中の百分率は、特にことわりのない場合、質量基準である。
【0034】
<バリウムフェライトを含む疎水性樹脂粒子1の合成>
ボールミルにて予め混練しておいた、スチレン(水に対する溶解度0.03%)45g、ブチルアクリレート(水に対する溶解度0.14%)5g、ジビニルベンゼン(水に対する溶解度<0.01%)1g、表面疎水化処理したバリウムフェライト25g、過酸化ベンゾイル1gの混合物を、ポリビニルアルコール(ケン化度98%、重合度1700)5gを溶解したイオン交換水500mlに添加し、ホモミキサーで6000rpm×10分間の分散を行った。このものをフラスコに移し、窒素気流下にて、80℃、8時間加熱攪拌した。生成物は、水洗後、磁石により集めて乾燥し、疎水性樹脂粒子1を得た。
【0035】
<ストロンチウムフェライトを含む疎水性樹脂粒子2の合成>
表面疎水化処理したバリウムフェライトの替わりに、表面疎水化処理したストロンチウムフェライトを用いるほかは、疎水性樹脂粒子1の合成と同様に操作して、疎水性樹脂粒子2を得た。
【0036】
実施例1
疎水性樹脂粒子1(3g)、グリシジルメタクリレート5.2g、過酸化ベンゾイル0.1gの混合物を、1%ポリビニルアルコール(ケン化度98%、重合度1700)水溶液180gに添加し、ファンタービン翼を取り付けたスリーワンモーターを用いて、450rpm×5分間の分散を行った。このものをフラスコに移し、窒素気流下にて、80℃、3時間加熱攪拌した。生成物は、水洗後、磁石により集めて乾燥した。このうちの1.0gをイミノジ酢酸ナトリウム2.0g、エタノール8.6ml、水18mlとともに4時間還流した。生成物は水50mlで希釈し、反応容器の底に磁石を当てた状態で、上澄みをデカンテーションによって除去した。水50mlを加えてはデカンテーションを行う操作をさらに2回繰り返し、最後に磁石を当てて容器内に残った成分を濾取して、磁性キレート材料1を得た。収量は1.2gであった。磁性キレート材料1のD50とD20をマイクロトラック(登録商標)MT3300EX(日機装(株)製)を使用し、分散媒である水の屈折率を1.33、被測定物の屈折率を1.81として求めたところ、D50が84μm、下からの累積20%の粒子径D20が10μmであった。
【0037】
実施例2
疎水性樹脂粒子1(3g)の替わりに、疎水性樹脂粒子2(3g)を用い、ファンタービン翼による分散条件を350rpm×3分間とするほかは実施例1と同様に操作して、磁性キレート材料2を得た。このもののD50は180μmであり、D20が45μmであった。
【0038】
実施例3
疎水性樹脂粒子1(3g)の替わりに、疎水性樹脂粒子2(3g)を用い、ファンタービン翼による分散条件を300rpm×2分間とするほかは実施例1と同様に操作して、磁性キレート材料3を得た。このもののD50は312μmであり、D20が75μmであった。
【0039】
実施例4
ファンタービン翼を取り付けたスリーワンモーターによる攪拌条件を、350rpm×3分間に変更し、1%ポリビニルアルコール(ケン化度98%、重合度1700)水溶液180gに硫酸銅5水塩0.18gを添加する以外は、実施例1と同様に操作して、磁性キレート材料4を得た。このもののD50は408μmであり、D20が110μmであった。
【0040】
実施例5
ファンタービン翼を取り付けたスリーワンモーターによる攪拌条件を、300rpm×2分間に変更し、1%ポリビニルアルコール(ケン化度98%、重合度1700)水溶液180gに硫酸銅5水塩0.3gを添加する以外は、実施例1と同様に操作して、磁性キレート材料5を得た。このもののD50は474μmであり、D20が134μmであった。
【0041】
実施例6
表面疎水化処理したバリウムフェライト(4g)、グリシジルメタクリレート8.8g、エチレングリコールジメタクリレート(0.2g)、過酸化ベンゾイル0.1gの混合物を、1%ポリビニルアルコール(ケン化度98%、重合度1700)水溶液180gに添加し、ファンタービン翼を取り付けたスリーワンモーターを用いて、350rpm×3分間の分散を行った。このものをフラスコに移し、窒素気流下にて80℃、3時間加熱攪拌した。生成物は、水洗後、磁石により集めて乾燥した。このうちの1.0gをイミノジ酢酸ナトリウム2.0g、エタノール8.6ml、水18mlとともに4時間還流した。生成物は水50mlで希釈し、反応容器の底に磁石を当てた状態で、上澄みをデカンテーションによって除去した。水50mlを加えてはデカンテーションを行う操作をさらに2回繰り返し、最後に磁石を当てて容器内に残った成分を濾取して、磁性キレート材料6を得た。収量は1.2gであった。磁性キレート材料6のD50は125μm、D20は40μmであった。磁性キレート材料6のマイクロトラック(登録商標)MT3300EXによる分析結果を図1に示す。
【0042】
実施例7
表面疎水化処理したバリウムフェライト(4g)の替わりに、同量の表面疎水化処理したストロンチウムフェライトを用いるほかは、実施例6と同様に操作して、磁性キレート材料7を1.2g得た。このもののD50は130μmであり、D20が49μmであった。
【0043】
実施例8
ファンタービン翼を取り付けたスリーワンモーターによる攪拌条件を、450rpm×5分間に変更する以外は、実施例6と同様に操作して、磁性キレート材料8を得た。このもののD50は85μmであり、D20が37μmであった。
【0044】
実施例9
ファンタービン翼を取り付けたスリーワンモーターによる攪拌条件を、300rpm×2分間に変更する以外は、実施例6と同様に操作して、磁性キレート材料9を得た。このもののD50は221μmであり、D20が78μmであった。
【0045】
実施例10
ファンタービン翼を取り付けたスリーワンモーターによる攪拌条件を、350rpm×3分間に変更し、1%ポリビニルアルコール(ケン化度98%、重合度1700)水溶液180gに硫酸銅5水塩0.18gを添加する以外は、実施例6と同様に操作して、磁性キレート材料10を得た。このもののD50は382μmであり、D20が124μmであった。
【0046】
実施例11
ファンタービン翼を取り付けたスリーワンモーターによる攪拌条件を、300rpm×2分間に変更し、1%ポリビニルアルコール(ケン化度98%、重合度1700)水溶液180gに硫酸銅5水塩0.18gを添加する以外は、実施例6と同様に操作して、磁性キレート材料11を得た。このもののD50は480μmであり、D20が162μmであった
【0047】
比較例1
ファンタービン翼を取り付けたスリーワンモーターによる攪拌を、ホモミキサー(商品名:T.K.ホモミキサー;プライミクス(株)製)3,000rpm×20秒に変更する以外は、実施例6と同様に操作して、磁性キレート材料H1を得た。このもののD50は100μmであり、D20が8μmであった。
【0048】
比較例2
ファンタービン翼を取り付けたスリーワンモーターによる攪拌を、ホモミキサー(TKホモミキサー;プライミクス株式会社製)4,000rpm×20秒に変更する以外は、実施例6と同様に操作して、磁性キレート材料H2を得た。このもののD50は70μmであり、D20が29μmであった。
【0049】
比較例3
ファンタービン翼を取り付けたスリーワンモーターによる攪拌を、ホモミキサー(TKホモミキサー;プライミクス株式会社製)5,000rpm×30秒に変更する以外は、実施例6と同様に操作して、磁性キレート材料H3を得た。このもののD50は31μmであり、D20が17μmであった。磁性キレート材料H3のマイクロトラック(登録商標)MT3300EXによる分析結果を図2に示す。
【0050】
比較例4
ファンタービン翼を取り付けたスリーワンモーターによる攪拌条件を250rpm×2分間に変更し、1%ポリビニルアルコール(ケン化度98%、重合度1700)水溶液180gに硫酸銅5水塩0.18gを添加する以外は、実施例6と同様に操作して、磁性キレート材料H4を得た。このもののD50は480μmであり、D20が190μmであった。
【0051】
比較例5
ファンタービン翼を取り付けたスリーワンモーターによる攪拌条件を200rpm×2分間に変更し、1%ポリビニルアルコール(ケン化度98%、重合度1700)水溶液180gに硫酸銅5水塩0.18gを添加する以外は、実施例6と同様に操作して、磁性キレート材料H5を得た。このもののD50は530μmであり、D20が250μmであった。
【0052】
<ニッケルイオンの吸脱着試験>
実施例1で得た磁性キレート材料1(0.2g)を、9mmol/リットルの硫酸ニッケル水溶液50mlに添加し、20℃で30分攪拌した後、磁石強度0.45Tの永久磁石を用いて固形分と母液を分離し、母液中に残存するニッケルイオンを誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−AES)により定量した。その結果、この磁性キレート材料1gあたりのニッケル吸着能は1.0mmolであることがわかった。ニッケルイオンを吸着した磁性キレート材料は、1規定の硫酸50mlと30分攪拌して、ニッケルイオンを脱着させた。次いで、イオン交換水50mlで1回洗浄後、イオン交換水50mlを加え、1規定水酸化ナトリウムでpHを5に調整して再生した。水相を廃棄し、再度、9.1mmol/リットルの硫酸ニッケル水溶液50mlを加え、ニッケルイオンの吸着を行った。同様の操作を10回繰り返し、ニッケルイオンの吸着能に変化がないことを確認できた。
【0053】
同様の評価を実施例2〜11と比較例1〜5で得た磁性キレート材料についても行った。結果を表1に示す。
【0054】
【表1】

【0055】
実施例1〜11から、本発明の磁性キレート材料は有害な溶媒や危険な反応条件を必要とすることなく合成することができ、製造における環境上の問題が小さいことがわかる。また、表1の結果から、本発明の磁性キレート材料は高い金属捕集能力と安定した吸脱着繰り返し性を有していることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明による磁性キレート材料を用いることにより、産業廃水、河川水、地下水から、簡単かつ安全に効率よく、金属イオンを捕集、除去、濃縮、回収することができる。また本発明の磁性キレート材料は、製造における環境上の問題が小さく、高い金属イオン捕集能力と吸脱着繰り返し性を備えており、有害金属の除去や有用金属の回収を工業的に実施する際に極めて有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属イオンに対するキレート基を有し、レーザー回折・散乱法による累積50%の平均粒子径をD50、下からの累積20%の粒子径をD20とするとき、D50が80〜500μmであり、かつ(D50×0.3−20)<D20<(D50×0.3+20)である磁性キレート材料。
【請求項2】
磁性キレート材料が、ストロンチウムフェライトまたはバリウムフェライトを含有してなる疎水性樹脂粒子を活性基含有モノマーの重合膜で被覆し、次いで、金属イオンに対するキレート基を有する化合物と該活性基との反応によりキレート基を導入することによって製造されている請求項1記載の磁性キレート材料。
【請求項3】
磁性キレート材料が、ストロンチウムフェライトまたはバリウムフェライトを活性基含有モノマーの重合膜で被覆し、次いで、金属イオンに対するキレート基を有する化合物と該活性基との反応によりキレート基を導入することによって製造されている請求項1記載の磁性キレート材料。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−91112(P2012−91112A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240546(P2010−240546)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000005980)三菱製紙株式会社 (1,550)
【Fターム(参考)】