説明

磁気シールド装置および磁気共鳴イメージング装置

【課題】磁場が発生している空間内において、磁場の影響を受ける回路を安定に動作させる。
【解決手段】磁場の影響を受ける回路50が配置されている所定の空間45の近傍に設けられる1個以上のコイルを有するコイル部41と、所定の磁場発生源により空間45に発生している磁場Mgを打ち消すような磁場Msが発生するよう、コイル部41に電流を供給する電流供給部43とを備えている磁気シールド装置40を用いる。電流供給部43は、空間45内に配置された磁気センサ43の出力を基に、コイル部41に供給する電流を制御してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気シールド(shield)装置およびこの装置を備えている磁気共鳴イメージング(imaging)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気回路を含む電気・電子回路など、磁場の影響を受ける回路は非常に多く存在する。このような回路を、磁場が発生している空間に持ち込むと、磁気飽和を起こすなどして正常に動作しない場合がある。そのため、磁場の影響を受ける回路については、本来はある所定の場所に設置する方が好都合であるにもかかわらず、磁場が発生しているためにその所定の場所に設置できないものがある。
【0003】
例えば、磁気共鳴イメージング装置の場合、磁気回路や磁気回路を含む電源・基板など一部の電気モジュール(module)は、スペース(space)の有効利用、送電ロス(loss)の低減、コスト(cost)削減等の観点から、マグネットシステムや撮影テーブルの近くに配置することが好ましい。しかし、磁気共鳴イメージング装置のマグネットシステムは、高磁場を発生する磁場発生源であり、マグネットシステム(magnet system)の周辺では、数百から数千〔G(ガウス(gauss))〕の高磁場が発生している。そのため、上記磁気回路や電気モジュールをマグネットシステム等の近くに配置することができない。
【0004】
従来、このような問題を解決するため、鋼板、純鉄、珪素鋼板など透磁性の高い材料で構成される磁気シールド箱の中に、磁気の影響を受ける回路を入れ、箱内の磁場を低下させる方法が提案されている(例えば特許文献1,要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−272703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このような磁気シールド箱は、シールド効果が十分でなかったり、箱そのものが時間の経過とともに磁化してしまい、シールド効果が徐々に弱くなったりする。つまり、このような磁気シールド箱を用いても、磁場が発生している空間内で、磁場の影響を受ける回路を安定に動作させることができない。
【0007】
このような事情により、磁場が発生している空間内において、磁場の影響を受ける回路を安定に動作させることができる磁気シールド装置、およびその装置を備えている磁気共鳴イメージング装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の観点の発明は、磁場の影響を受ける回路が配置されている所定の空間の近傍に設けられる1個以上のコイル(coil)を有するコイル部と、所定の磁場発生源により前記所定の空間に発生している磁場を打ち消すような磁場が発生するよう、前記コイル部に電流を供給する電流供給部とを備えている磁気シールド装置を提供する。
【0009】
第2の観点の発明は、前記所定の空間に配置される磁気センサ(sensor)をさらに備えており、前記電流供給部は、前記磁気センサの出力に基づいて前記コイル部に供給する電流を制御する上記第1の観点の磁気シールド装置を提供する。
【0010】
第3の観点の発明は、前記磁気センサが、前記回路の一部として組み込まれている上記第2の観点の磁気シールド装置を提供する。
【0011】
第4の観点の発明は、前記コイル部が、前記所定の空間を挟むように設けられる一対のコイルを有している上記第1の観点から第3の観点のいずれか一つの観点の磁気シールド装置を提供する。
【0012】
第5の観点の発明は、前記コイル部が、前記所定の空間を挟むように互いに直交する3軸方向の各々に一対ずつ設けられる3対のコイルを有している上記第1の観点から第3の観点のいずれか一つの観点の磁気シールド装置を提供する。
【0013】
第6の観点の発明は、前記回路が、磁性体のコアを含むコイルまたはトランス(trans)を有している上記第1の観点から第5の観点のいずれか一つの観点の磁気シールド装置を提供する。
【0014】
第7の観点の発明は、前記所定の磁場発生源が、磁気共鳴イメージング装置のマグネットシステムである上記第1の観点から第6の観点のいずれか一つの観点の磁気シールド装置を提供する。
【0015】
第8の観点の発明は、前記回路が、前記磁気共鳴イメージング装置の一部を構成している上記第7の観点の磁気シールド装置を提供する。
【0016】
第9の観点の発明は、前記回路が、磁性体のコアを含み、電源電圧を変圧して前記磁気共鳴イメージング装置のマグネットシステムおよび/または撮影テーブル(table)に電力を供給するトランスを有している上記第8の観点の磁気シールド装置を提供する。
【0017】
第10の観点の発明は、上記第7の観点から第9の観点のいずれか一つの観点の磁気シールド装置を備えている磁気共鳴イメージング装置を提供する。
【発明の効果】
【0018】
上記観点の発明によれば、磁場の影響を受ける回路が配置されている空間に発生している磁場を打ち消すように磁場を発生させて、その空間内の磁場を低減させることができ、磁場が発生している空間内において、磁場の影響を受ける回路を安定に動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態の磁気共鳴イメージング装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】第1実施形態の磁気共鳴イメージング装置の構成を概略的に示す平面図である。
【図3】第1実施形態による磁気シールド装置の外観図である。
【図4】第1実施形態による磁気シールド装置の概略構成図である。
【図5】ヘルムホルツコイル(Helmholtz coil)のモデルを示す図である。
【図6】第2実施形態による磁気シールド装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、発明の実施形態について説明する。
【0021】
(第1実施形態)
図1および図2は、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置の構成を概略的に示す図であり、図1は斜視図、図2は平面図である。
【0022】
図1および図2に示すように、磁気共鳴イメージング装置1は、マグネットシステム10、撮影テーブル20、操作コンソール(console)31、システム電源部32、磁気シールド装置40、およびトロイダルトランス(toroidal trans)50を有している。
【0023】
マグネットシステム10、撮影テーブル20、磁気シールド装置40、およびトロイダルトランス50は、磁気シールドルーム(shield room)であるスキャンルーム(scan room)2に設置されている。一方、操作コンソール31およびシステム電源部32は、操作ルーム3に設置されている。
【0024】
マグネットシステム10は、図示しない静磁場発生部、RFコイル部、勾配コイル部、マグネット制御部等を有している。マグネット制御部は、マグネットシステム10を構成する各部の動作を制御したり、監視したりする。スキャンルーム2内には、マグネットシステム10の主に静磁場発生部により発生した磁場が存在しており、その磁場の強度は、マグネットシステム10の周辺で、数百から数千〔G〕である。
【0025】
撮影テーブル20は、図示しないクレードル、テーブル制御部等を有している。テーブル制御部は、撮影テーブル20を構成する各部を制御したり、監視したりする。
【0026】
操作コンソール31は、システム電源部32と接続されており、操作者による操作に応じてシステム電源部32に制御信号を送る。
【0027】
システム電源部32は、施設電源80と接続されており、施設電源(商用電源)80から電力が供給される。施設電源80は、一例として、三相交流電源を想定する。また、システム電源部32は、図示しないRFコイル駆動部、勾配コイル駆動部等を有しており、マグネットシステム10と接続されている。システム電源部32は、操作コンソール31から受信した制御信号を基に、RFコイル駆動部や勾配コイル駆動部を制御して、RFコイル部や勾配コイル部に電流を供給し、RF磁場や勾配磁場を発生させる。
【0028】
トロイダルトランス50は、システム電源部32を介して施設電源80と接続されており、また、マグネットシステム10および撮影テーブル20と接続されている。トロイダルトランス50は、フェライト(ferrite)などの磁性体で構成されるリング(ring)状のコア(core)を用いたトランスである。トロイダルトランス50は、施設電源80の電圧を変圧して、マグネットシステム10のマグネット制御部等と、撮影テーブル20のテーブル制御部等とに電力を供給する。トロイダルトランス50は、スペースの有効利用、送電ロスの低減、コスト削減等の観点から、マグネットシステム10や撮影テーブル20の近くに配置することが好ましい。しかし、トロイダルトランス50は、コアが強磁場中で磁気飽和を起こし、正常に動作しない場合がある。そのため、トロイダルトランス50は、通常、マグネットシステム10や撮影テーブル20の近くに配置することができず、システム電源部32内、もしくはその近傍に設置されることが多い。なお、トロイダルトランス50は、発明における、磁場の影響を受ける回路の一例である。
【0029】
磁気シールド装置40は、所定の空間に発生している磁場を打ち消すような磁場を発生させて、その所定の空間における磁場を低減させ、その所定の空間内に配置された回路への磁場による影響を抑え、その回路の安定動作を可能にする装置である。磁気シールド装置40は、磁気センサを備えており、本装置40が発生する磁場の向きが、その磁気センサで検出された磁場の向きと略逆向きになるよう配置される。磁気シールド装置40は、システム電源部32と接続されている。システム電源部32は、図示しない直流電源を有しており、ここから磁気シールド装置40に電力を供給する。ここでは、その所定の空間内にトロイダルトランス50が配置されている。
【0030】
これにより、トロイダルトランス50は、本来、強磁場が発生していて設置が難しいマグネットシステム10の近くに設置することができ、その空間内で安定な動作が可能となる。
【0031】
磁気シールド装置40の構成および動作について説明する。
【0032】
図3は、磁気シールド装置40の外観図、図4は、磁気シールド装置40の概略構成図である。
【0033】
磁気シールド装置40は、図3に示すように、コイル部41、支持部42、磁気センサ43、および電流供給部44を有している。
【0034】
コイル部41は、いわゆるヘルムホルツコイルであり、2つのコイル41a,41bを平行に一定距離だけ隔てて同軸的に配置したものである。これらのコイルに電流が流れると、2つのコイル41a,41bの間の空間45に、略均一な磁場がコイルの同軸方向に形成される。
【0035】
支持部42は、コイル部41および電流供給部44を支持するものであり、例えば、図3に示すように、ステンレスなどの非磁性体で構成された直方形状のフレーム(frame)を有しており、コイル部41および電流供給部44をそのフレームに固定して支持する。なお、支持部42は、コイル41a,41bの同軸方向が、マグネットシステム10により空間45に発生する磁場Mgの方向と略同じ方向となるような向きで保持される。
【0036】
磁気センサ43は、磁場の強度と向きを検出するセンサであり、図3に示すように、空間45内に配置されているトロイダルトランス50に近接して配置されている。磁気センサ43は、電流供給部44に接続されている。
【0037】
電流供給部44は、図4に示すように、電流アンプ441およびアンプ制御部442を有している。
【0038】
電流アンプ(amplifier)441は、システム電源部32の直流電源321から電力の供給を受け、コイル部41に電流を供給する。なお、コイル41aとコイル41bとを切り離して設ける場合には、電流アンプ441は、各コイルの経路に別々に電流を供給する。一方、コイル41aとコイル41bとを直列に接続して設ける場合には、電流アンプ441は、一つの経路に電流を供給することでコイル41aとコイル41bとに同じ電流を供給する。
【0039】
アンプ制御部442は、磁気センサ43の出力を基に、マグネットシステム10により空間45内に発生している磁場Mgを打ち消すような磁場Msを発生させるべく、電流アンプ441を制御して、コイル部41に供給する電流を制御する。
【0040】
ここで、コイル部41の仕様の検討例を示す。
【0041】
図5は、ヘルムホルツコイルのモデルを示す図である。
【0042】
まず、トロイダルトランスなど、磁場中で動作させたい目的の磁気回路等を、安定に動作させるために許容できる最大の環境磁場の強度(以下、最大許容磁場強度という)を求める。
【0043】
これは、実際に実験をすれば容易に求めることができる。本発明者は、一例として、所定のトロイダルコイルを用いて実験したところ、環境磁場が400〔G〕であるときに、通常環境と同様な動作を確認することができた。また、トランスやチョーク(choke)用コアの平均飽和磁束密度は、4500〔G〕であり、それらに電流を流すときの磁場のエンハンス(enhance)を考慮しても、400〔G〕は妥当であると考えられる。そこで、ここでは、その最大許容磁場強度を、400〔G〕以下に設定する。
【0044】
次に、コイルの巻き数と定格電流を求める。
【0045】
図5に示すように、ヘルムホルツコイルのコイル半径およびコイル間の距離をR、コイルの同軸方向であるx方向での磁場の強度をB、コイルの巻き数をN、コイルに流す電流をIとすると、磁場の強度Bは、次式で求めることができる。
【0046】
【数1】

【0047】
マグネットシステム10によりその周囲で発生している磁場は、およそ1000〔G〕である。これを、上記で求めた許容磁場強度の400〔G〕まで下げるため、ヘルムホルツコイルを用いて逆向きに600〔G〕の磁場を発生させるケース(case)を考える。
【0048】
仮に、R=10〔cm〕、I=2〔A〕とすると、N≒6700〔turn〕となる。つまり、コイルの仕様の例として、定格電流2〔A〕の導線を半径10〔cm〕で6700回巻いたコイルを考えることができる。
【0049】
また仮に、R=10〔cm〕、I=10〔A〕とすると、N≒1350〔turn〕となる。つまり、コイルの仕様の例として、定格電流10〔A〕の導線を半径10〔cm〕で1350回巻いたコイルも考えることができる。
【0050】
以上、このような第1実施形態によれば、磁場の影響を受ける回路であるトロイダルトランス50が配置されている空間45に発生している磁場Mgを打ち消すように磁場Msを発生させて、その空間45内の磁場を低減させることができ、磁場が発生している空間内において、トロイダルコイル50を安定に動作させることができる。その結果、トロイダルトランス50を、スキャンルーム2の外側に配置する必要がなくなり、スペースの有効利用、送電ロスの低減、コスト削減等が可能になる。
【0051】
また、第1実施形態では、磁気センサ43の出力を基に、コイル部41に供給する電流を制御して、打ち消し磁場を発生させているので、マグネットシステム10により発生する磁場が変動しても、その磁場変動に追従して打ち消し磁場を的確に発生させることができ、空間45内の磁場を常に低減させておくことができる。
【0052】
(第2実施形態)
図6は、第2の実施形態による磁気シールド装置40の概略構成図である。
【0053】
コイル部41は、図6に示すように、空間45を挟むように互いに直交する3軸方向、すなわちx方向、y方向、およびz方向の各々に一対ずつ設けられる3対のコイル41xa,41xb,41ya,41yb,41za,41zbを有している。
【0054】
電流供給部44は、上記3軸方向の各々におけるコイルの対ごとに電流アンプ441x,441y,441zを有しており、コイルの対別に電流を供給する。
【0055】
また、アンプ制御部442は、磁気センサ43の出力を基に、これらの電流アンプ441x,441y,441zをそれぞれ制御して、各対のコイルへ供給する電流をそれぞれ制御する。
【0056】
このような第2実施形態によれば、マグネットシステム10によりその周辺で発生している磁場を、x,y,zの3軸方向で打ち消すように動作させることができ、より的確に磁場を打ち消すことができる。また、マグネットシステム10により発生している磁場の向きに応じて、磁気シールド装置40の向きを変更する必要もない。
【0057】
以上、発明の実施形態について説明したが、発明の実施形態は、上記したものに限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の追加・変更が可能である。
【0058】
例えば、上記の各実施形態では、コイル部41は、2つのコイルを平行に配置したヘルムホルツコイルであるが、単一のコイルだけであってもよい。磁場中で動作させたいが比較的小さい場合には、磁場を均一に打ち消す必要がないので、このようにしても磁気回路や電気・電子回路を安定に動作させることが可能である。
【0059】
また例えば、上記の各実施形態では、コイル部41が有するコイルを円形としているが、四角形等の多角形であってもよい。このようにすれば、支持部42への取り付けを容易にすることもできる。
【0060】
また例えば、上記の各実施形態では、磁気センサ43は、磁場中で動作させたい磁気回路であるトロイダルトランスに近接して配置しているが、磁気回路を含む電気・電子回路の一部として組み込むようにしてもよい。このようにすれば、磁気センサ43を別途配置する手間がなく、設計上、最適な位置に配置することも可能である。
【0061】
また例えば、上記の各実施形態では、磁気センサ43の出力を基に、コイル部41に供給する電流を制御しているが、磁気センサ43を用いず、コイル部41に供給する電流を半固定にしてもよい。マグネットシステム10により発生する磁場の変動が少ない場合には、このようにしても十分に磁気シールド効果が得られる。
【0062】
また例えば、上記の各実施形態では、打ち消す磁場として静磁場を想定しているが、時間的に変化する動的な磁場を想定することもできる。
【0063】
また例えば、上記各実施形態では、発生している磁場と逆向きに略同じ強さの磁場を発生させて、発生している磁場を略完全に打ち消すようにしているが、磁気シールド装置40内の磁場の影響を受ける回路が正常に動作する程度まで磁場の強度を低減するために、発生している磁場の主要な成分に対して、逆向きに略同じ強さで磁場を発生させるようにしてもよい。例えば、z方向の磁場の成分が大きく、x方向およびy方向の磁場の成分が小さい場合には、z方向にその成分の略同じ強さの磁場を逆向きに発生させるようにしてもよい。
【0064】
また例えば、上記の各実施形態では、磁気シールド装置40により環境磁場の強度を下げて動作させる磁気回路または磁気回路を含む電気・電子回路として、トロイダルトランス50を想定している。しかし、磁性体のコアを有するコイルを含むLCフィルタ(filter)などの磁気フィルタ回路や、磁性体のEIコアを有するトランスを含む電源や基板など、磁場により動作が影響を受けるすべての電気・電子回路を想定することができる。
【0065】
また、上記の各実施形態は、磁場発生源として、磁気共鳴イメージング装置のマグネットシステムを想定しているが、他のすべての磁場発生源を想定することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 磁気共鳴イメージング装置
2 スキャンルーム
3 操作ルーム
10 マグネットシステム
20 撮影テーブル
31 操作コンソール
32 システム電源部
40 磁気シールド装置
41 コイル部
42 支持部
43 磁気センサ
44 電流供給部
441 電流アンプ
442 アンプ制御部
50 トロイダルトランス
80 施設電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁場の影響を受ける回路が配置されている所定の空間の近傍に設けられる1個以上のコイルを有するコイル部と、
所定の磁場発生源により前記所定の空間に発生している磁場を打ち消すような磁場が発生するよう、前記コイル部に電流を供給する電流供給部とを備えている磁気シールド装置。
【請求項2】
前記所定の空間に配置される磁気センサをさらに備えており、
前記電流供給部は、前記磁気センサの出力に基づいて前記コイル部に供給する電流を制御する請求項1に記載の磁気シールド装置。
【請求項3】
前記磁気センサは、前記回路の一部として組み込まれている請求項2に記載の磁気シールド装置。
【請求項4】
前記コイル部は、前記所定の空間を挟むように設けられる一対のコイルを有している請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の磁気シールド装置。
【請求項5】
前記コイル部は、前記所定の空間を挟むように互いに直交する3軸方向の各々に一対ずつ設けられる3対のコイルを有している請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の磁気シールド装置。
【請求項6】
前記回路は、磁性体のコアを含むコイルまたはトランスを有している請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の磁気シールド装置。
【請求項7】
前記所定の磁場発生源は、磁気共鳴イメージング装置のマグネットシステムである請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の磁気シールド装置。
【請求項8】
前記回路は、前記磁気共鳴イメージング装置の一部を構成している請求項7に記載の磁気シールド装置。
【請求項9】
前記回路は、磁性体のコアを含み、電源電圧を変圧して前記磁気共鳴イメージング装置のマグネットシステムおよび/または撮影テーブルに電力を供給するトランスを有している請求項8に記載の磁気シールド装置。
【請求項10】
請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の磁気シールド装置を備えている磁気共鳴イメージング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−194179(P2011−194179A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67357(P2010−67357)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】